JP7472468B2 - 照明装置、投影装置、計測装置、ロボット、電子機器、移動体、および造形装置 - Google Patents

照明装置、投影装置、計測装置、ロボット、電子機器、移動体、および造形装置 Download PDF

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Description

本発明は、照明装置、投影装置、計測装置、ロボット、電子機器、移動体、および造形装置に関する。
従来、レーザ光源は共振器増幅による高出力化やフォーカスフリーなどLEDにはない利点を備えており、プロジェクターや距離計測など様々な機器に採用されている。レーザ光の特徴的性質である過干渉性(コヒーレンス)は、受光面散乱光の回折により観察面(眼の網膜やカメラの撮像素子など)上にスペックルノイズという斑模様のちらつき(ノイズ)を発生させる。これを解消するため、異なるスペックル模様を重ね合わせて平均化(重畳)させ、ちらつき(ノイズ)を低減する手法がある。
発光部を面内にアレイ状に配置し、発光部を選択的に発光させることにより、異なるスペックルパターンを形成し、それぞれのスペックルパターンを重ね合わせることにより、スペックルノイズを低減する構成が開示されている(特許文献1参照)。
しかし、複数の発光部の発光パターン制御によりスペックル低減を行うためには、複雑な制御が必要になるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複雑な制御を行うことなくスペックルを低減することが可能な照明装置、投影装置、計測装置、ロボット、電子機器、移動体、および造形装置の提供を目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、半導体基板上に形成された面発光レーザ素子を備える照明装置であり、1つの前記面発光レーザ素子には複数の面発光レーザをそれぞれ含む複数の発光素子群が形成されており、各々の前記発光素子群は、同じ出射波長の発光素子を少なくとも1つ含み、前記複数の発光素子群が一次元的に又は二次元的に配置され、各々の前記発光素子群において、複数の前記面発光レーザの少なくとも1つの面発光レーザは、他の面発光レーザとは異なる出射波長を有し、前記複数の面発光レーザは、第1の出射波長をλ[nm]、第1の出射波長よりも短い波長となる第2の波長をλ[nm]、第1の出射波長と第2の出射波長との間の中心波長をλ[nm]とし、中心波長λ は、800nm以上940nm以下であり、
Figure 0007472468000001
の条件を満たす波長から選択された出射波長をそれぞれ有し、前記条件を満たす出射波長から選択された互いに異なる出射波長の光を、投影領域へ同時に照射する、ことを特徴とする。
本発明によれば、複雑な制御を行うことなくスペックルを低減できるという効果を奏する。
図1は、第1の実施の形態の面発光レーザ素子の断面構造を示す図である。 図2は、中心波長ごとの波長差とスペックルコントラストの関係を示す図である。 図3は、中心波長ごとの波長差としきい値電流比の関係を示す図である。 図4は、中心波長λcと調整可能な波長幅Δλの関係を示す図である。 図5は、複数波長出射型面発光レーザ素子のレイアウトの一例を示す図である。 図6は、簡略化した実験系を示す図である。 図7は、波長差とスペックルコントラストの関係を示す図である。 図8は、複数波長点灯時のスペックルコントラストの実験値と理論値の関係を示す図である。 図9は、複数波長出射型面発光レーザ素子の平面図である。 図10は、複数波長出射型面発光レーザ素子の部分的な断面図である。 図11は、波長調整領域の構成を示す図である。 図12は、積層体のプロセス形成の概略を示す図である。 図13は、メサごとに出射波長が異なる複数波長出射型面発光レーザ素子を示す図である。 図14は、スペックル低減効果のある波長差と中心波長との相関関係を示す図である。 図15は、VCSELアレイの構成の変形例を示す図である。 図16は、セット内の異なる波長の発光素子をランダムな並び順とした例を示す図である。 図17は、第2の実施の形態の投影装置の構成を示す図である。 図18は、光偏向素子の構成を示す図である。 図19は、第3の実施の形態の計測装置を示す図である。 図20は、計測装置のブロック図である。 図21は、第4の実施の形態のロボットの構成を示す図である。 図22は、第5の実施の形態のスマートフォンに設けられた計測装置の使用形態を示す図である。 図23は、第5の実施の形態のスマートフォンのブロック図である。 図24は、第6の実施の形態のパーソナルコンピュータ装置のブロック図である。 図25は、第7の実施の形態のMFPのブロック図である。 図26は、第8の実施の形態の車両に設けられた計測装置の使用形態を示す図である。 図27は、第9の実施の形態の移動体に設けられた計測装置の使用形態を示す図である。 図28は、第10の実施の形態の3Dプリンタに設けられた計測装置の使用形態を示す図である。
以下に添付図面を参照して、面発光レーザ素子、照明装置、投影装置、計測装置、ロボット、電子機器、移動体、および造形装置の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
まず、スペックル低減効果と複数波長出射型面発光レーザ素子の概要を示す。式Aはスペックルノイズの指標として用いられるスペックル・コントラスト(C)の式である。式AにおいてIはスペックル撮影画像の平均輝度値、σは標準偏差を示している。一般的な信号強度を示すSNRの逆数となっており、このコントラスト値が低いほど画像のチラツキが少なく、スペックルが少ない良い画像となる。本明細書においてもこの式から算出した値をスペックルノイズの指標として用いる。
Figure 0007472468000002
スペックルノイズ低減の基本的な考え方はアベレージングによるランダムノイズのSNR改善と同じである。
(平均化によるノイズ低減)
各スペックルパターンの平均輝度をS、標準偏差をσ、スペックルコントラストをCs0とする。同じパワーでレーザ照射した場合、「S=S=S=・・・=S、σ=σ=σ=・・・=σ」と考えることができる。従って、n枚の画像を合成した場合、その輝度値はS+S+・・・+S=S×nとなる。一方、ばらつきに関しては分散の加法性が成り立つ為、「σ=σ +σ +・・・+σ 」となり、「σ=√(n×σ )=σ√n」となる。
よって、n枚の合成画像のスペックルコントラストCsnは、「Csn=σ√n/(S×n)=(√n/n))×(σ/S)=1/√n×Cs0」と表され、n枚の画像を平均化することでスペックルコントラストを1/√nに改善できることが分かる。
(複数波長出射型面発光レーザ素子)
図1は、波長調整構造を有する第1の実施の形態の複数波長出射型面発光レーザ素子2の断面構造を示す図である。複数波長出射型面発光レーザ素子2は半導体基板上に有機金属気相成長法や分子線エピタキシー法などで形成される。層構成は基板上に下部ブラッグ反射鏡、活性層を含む共振領域、上部ブラッグ反射鏡を成長させたものである。ブラッグ反射鏡とは、屈折率の異なる材料が出射波長λに対して1/4波長の光学膜厚で交互に積層された構造体である。面発光レーザは上部ブラッグ反射鏡と下部ブラッグ反射鏡の間で光が基板に対して垂直方向に共振し、一部の光が基板に対して垂直方向に出射することを特徴とする。
レーザの出射波長は共振器長により決定される。そのため、ブラッグ反射鏡の一部の膜厚(光学長)を変えることにより、共振波長を微調整することができる。ブラッグ反射鏡の途中に材料系の異なる2つ以上の材料からなるペアを積層させる。この材料は互いに専用のエッチャントによるウェットエッチングにより除去することが可能で、それぞれのエッチャントに対するエッチング選択比が高い材料を使用する。例えばGaAsとGaInPのペアを積層し、GaAsのみをエッチングできるリン酸と過酸化水素水からなるエッチャント、GaInPのみをエッチングできる塩酸からなるエッチャントなどである。この材料系の異なる積層構造を波長調整層と呼ぶ。
波長調整層まで一度結晶成長したあとに、レジストパターニングを行い、任意の領域をウェットエッチングにより必要な膜厚(層数)になるまで、除去する。必要な構造が形成できるまで上記工程を繰り返し、所望の波長調整構造を形成する。その後に再成長でブラッグ反射鏡の続きを形成し、波長調整層の膜厚の異なる領域ごとに面発光レーザを形成することにより、同一チップ内で複数波長出射する複数波長出射型面発光レーザ素子2が形成される。
(複数波長重畳によるスペックル低減の理論値)
波長重畳によるスペックルコントラストの低減効果を定式化した。このモデルでは電場のランダムウォークによる記述方式を採用している。本来であれば結像系の回折積分による記述が適しているが、定式化が複雑で適当な近似解を得ることができないため、簡略化したモデルとしている。スペックルコントラストは以下の式1で表現される。
Figure 0007472468000003
ここで、Δλは2光源を想定した時のそれぞれの波長差、λは中心波長、σは照射面内の高さ分布p(表面粗さ)を、hを高さとして以下の式(2)のようなガウス関数で表現した際の標準偏差である。
Figure 0007472468000004
図2は、中心波長ごとの波長差とスペックルコントラストの関係を示す図である。上記(1)式より、中心波長ごとに、波長差とスペックルコントラストの関係は図2のようになる。この(2)式において、「σ」は、測定対象物の表面粗さの標準偏差である。一例ではあるが、3Dプリンタで出力された造形物の表面粗さを参考にし、σ=40000[nm]の値を用いることができる。これは、造形物の表面は、40000nmの凹凸を有する面であることを意味する。
波長差が広がるとスペックルコントラストは1/√2に漸近するため、1/√2のときの波長差を算出することはできない。そのため、波長差Δλが(1)式中の平方根内のガウス関数の標準偏差(式2.1)以上の幅をもち、
Figure 0007472468000005
・・・(2.1)
スペックルパターンの相関が無くなると定義すると、スペックル低減に有効な波長差Δλは以下の式(3)のようになる。
Figure 0007472468000006
具体的には、中心波長が800nm、870nm、940nmのときσ=40000[nm]とすると、Δλは表1のようになる。
Figure 0007472468000007
(波長調整量の設計)
波長調整量は、波長調整層を活性層に近づけること、もしくは波長調整層の膜厚を厚くすることで、より広い波長範囲で調整可能になり、活性層から遠い位置に波長調整層を設置し、波長調整層の膜厚を薄くすることにより、狭い波長範囲で波長調整が可能になる。
また、本実施の形態における波長調整層を用いた複数波長出射型面発光レーザ素子2では位相の整合条件の制限から、特性を落とさずに調整できる波長範囲に限りがある。
中心波長を940nm、870nm、800nmとして設計した複数波長出射型面発光レーザ素子2の、中心波長の前後の出射波長でしきい値電流が増加する様子を示した計算結果を以下に示す。
図3は、後述する図9~図14の構造の複数波長面発光型レーザ素子2における、中心波長ごとの波長差としきい値電流比の関係を示す図である。複数波長面発光型レーザ素子2の波長調整層は、活性層から3ペア目に設置されている。この波長調整層の膜厚のみを変化させて、連続的に波長を変化させたときの、中心波長との離長幅が、図3の横軸になっている。つまり横軸は、出射波長λと中心波長λcとの波長差である。図3の縦軸は波長λのときのしきい値電流をIthλ、中心波長のときのしきい値電流をIthλ0としたときの比であり、Ithλ/Ithλ0である。
つまり中心波長からのズレが大きくなる(波長の離長幅が広くなる)ほど、しきい値電流値が上昇することを示している。
本実施の形態の複数波長出射型面発光レーザ素子2は、しきい値電流の比が1.5以下程度で駆動することが望ましい。それ以上になると、波長差に対する閾値電流の増加率が上昇し、チップ作製時の出来高のばらつきで、歩留まりを落とすことになる。また、発振閾値電流が増加するとともに発熱量も増えるため、出力やシングルモード性の低下などが発生する。言い換えると、仮に940nmを中心波長とすると、調整可能な波長幅は24.9nm(±12.5nm)である。つまり927.6nm~952.5nmで任意の出射波長を有する複数波長出射型面発光レーザ素子2を形成可能である。以下の表2に、中心波長を940nm、870nm、800nmとしたときの調整可能な波長幅と、出射可能波長範囲を記す。
Figure 0007472468000008
図4は、中心波長λc[nm]と調整可能な波長幅Δλ[nm]の関係を示す図である。図4には、横軸を中心波長λc[nm]、縦軸を調整可能な波長幅Δλ[nm]としたものを示している。
図4から、複数波長出射型面発光型レーザ素子2のうち、例えば最も長波長の面発光レーザの出射波長をλ[nm]、最も短波長の面発光レーザの出射波長をλ[nm]とするとその波長差λ-λ[nm]が、
0<λ-λ≦5.36×10-5λ -5.83×10-2λ+32.4
であれば、その波長差の範囲内で、λを中心波長としてレーザ特性を維持したまま、任意の出射波長を有する複数波長出射型面発光レーザ素子2を形成できる。
以上のことをまとめると、複数波長出射型面発光レーザ素子2を低スペックルノイズとするための波長設計は、最も長波長の面発光レーザの出射波長をλ[nm]、最も短波長の面発光レーザの出射波長をλ[nm]以下の(3.1)で算出される中心波長をλ[nm]、測定対象物の表面粗さの標準偏差である「σ」をσh=40000[nm]として、以下の(4)式の条件を満たす波長範囲内で選択することが好ましい。
Figure 0007472468000009
Figure 0007472468000010
例えば940nmを中心波長として5波長の複数波長の場合、スペックルノイズ低減に効果的な波長幅は1.8nm、レーザ特性を低下させない波長範囲は24.9nmなので、各面発光レーザの波長間隔を5nmとして930nm、935nm、940nm、945nm、950nmの出射波長を有する複数波長出射型面発光レーザ素子2を形成する。これにより、5ch分のスペックルパターン重畳効果を発生させて、スペックルノイズを低減できる。
このように、複数波長出射型面発光レーザ素子2の出射波長としては、上述の(4)式で示される条件の波長範囲内で選択することで、スペックルノイズを低減可能である。しかし、(4)式の代りに、以下の(5)式で示される条件の波長範囲内で出射波長を選択しても、上述と同様に複数波長出射型面発光レーザ素子2のスペックルノイズを低減できる。
Figure 0007472468000011
なお、この例では、一例として最も長波長の面発光レーザの出射波長をλ[nm]、最も短波長の面発光レーザの出射波長をλ[nm]とした。しかし、λ[nm]は第1の波長の一例であり、λ[nm]は第2の波長の一例である。このため、出射波長λ[nm]及び出射波長λ[nm]としては、上述の(4)式又は(5)式で示される条件の波長範囲内において、任意の波長を選択可能である(第1の波長>第2の波長)。選択した任意の波長間の中間の波長が、上述の中心波長λ[nm]となる。
(複数波長出射型面発光レーザ素子のメサの配置例)
図5は、複数波長出射型面発光レーザ素子2のレイアウトの一例を示す図である。中心のλ1の出射波長のメサ(レーザ出射部)と、周囲のλ1(2)~λ5の出射波長のメサとの間の距離は、それぞれ30μmである。この複数波長出射型面発光レーザ素子2の各メサλ1、λ1(2)、λ2~λ5の出射波長は表3のようになっている。
Figure 0007472468000012
この複数波長出射型面発光レーザ素子2は、中心波長は(λ1+λ5)/2=863.5nmである。この中心波長ではスペックルコントラスト低減に効果的な波長幅が(4)式から約1.5nm、調整可能な波長幅は約22nmと見積もられる。最も長波長と最も短波長の面発光レーザの波長差はλ1-λ5=7.43nmである。よって式(4)を満たしている。
なお、この例では、複数波長出射型面発光レーザ素子2は、出射波長がλ1のメサを中心として、この出射波長がλ1のメサの周囲を取り囲むように、λ1(2)、λ2~λ5の各出射波長のメサが設けられていることとした。しかし、複数波長出射型面発光レーザ素子2のメサの「数」及び「レイアウト」は、他の複数又はレイアウトでもよい。すなわち、複数波長出射型面発光レーザ素子2に対して2つのメサを設けてもよいし、3つ以上のメサを設けてもよい。また、複数波長出射型面発光レーザ素子2は、各メサを直線状に並べたレイアウトとしてもよいし、各メサを円状、楕円状、三角形状、多角形状、階段状十字状等に並べたレイアウトとしてもよい。
図6は、簡略化した実験系を示す図である。この複数波長出射型面発光レーザ素子2を中心のλ1を点灯させた状態で、周囲のλ1(2)~5を1素子ずつ順次点灯(λ1+λ2、λ1+λ3、・・・)させて、粗面(スクリーン)上にできるスペックルパターンをカメラで撮影し、スペックルコントラストを計算した。粗面として標準拡散板(σ=40000[nm])を利用している。
図7は、波長差とスペックルコントラストの関係を示す図である。図7には、横軸を波長差、縦軸をスペックルコントラストとして結果を示している。
曲線は理論値である。波長差0nmの2点のプロットに関して、スペックルコントラストが高い方は中心の発光部(λ1)のみ点灯した場合のスペックルコントラストであり、低い方は中心のλ1の発光部と周囲の発光部のλ1(2)を同時に点灯させた際の、スペックルコントラストである。同波長でも、入射角度が異なるとスペックル低減効果が発現する。そのため、同波長のλ1とλ1(2)を同時に点灯させても、粗面への入射角が異なるため、スペックル低減効果が発現している。
以上の結果では、中心波長863.5nmのレーザ光に波長が約2nm離れた波長差のレーザ光を重ね合わせると、スペックルコントラストが理論値程度まで低下し、それ以上の波長差ではスペックルパターンが完全に独立し、スペックルノイズ低減効果が飽和していることが分かる。
図8は、複数波長点灯時のスペックルコントラストの実験値と理論値の関係を示す図である。図8には、複数波長出射型面発光レーザ素子2のλ1~λ5を同時に点灯させたときの結果を一例として示している。図8から、スペックルコントラスト低減効果のある波長差のレーザ光を5波長重ね合わせた場合、点灯波長数に応じて理論値に近いスペックル低減効果が発現していることが分かる。
同様に、中心波長が800nmのときでも、スペックルコントラスト低減に効果的な波長幅が約1.3nm、調整可能な波長幅は約20nmと見積もられる。5波長出射として、出来高の出射波長のばらつきを含め、λ1=792.4~794.4nm、λ2=795.7~797.7nm、λ3=799~801nm、λ4=802.3~804.3nm、λ5=805.6~807.6nmであれば、実験結果と類似したスペックル低減効果が期待できる。出射波長は5波長である必要はなく、この波長の中の少なくとも2つ以上の出射波長に該当する、面発光レーザを有する複数波長出射型面発光レーザ素子2ならば、その該当する出射波長数に応じて、スペックルが低減される。
同様に、中心波長が870nmのときでも、スペックルコントラスト低減に効果的な波長幅が約1.5nm、調整可能な波長幅は約22nmと見積もられる。5波長出射として、出来高の出射波長のばらつきを含め、λ1=862~864nm、λ2=865.5~867.5nm、λ3=869~871nm、λ4=872.5~874.5nm、λ5=876~878nmであれば、実験結果と類似したスペックル低減効果が期待できる。
出射波長は5波長である必要はなく、この波長の中の少なくとも2つ以上の出射波長に該当する、面発光レーザを有する複数波長出射型面発光レーザ素子2ならば、その該当する出射波長数に応じて、スペックルが低減される。
同様に、中心波長が940nmのときでも、スペックルコントラスト低減に効果的な波長幅が約1.8nm、調整可能な波長幅は約20nmと見積もられる。5波長出射として、出来高の出射波長のばらつきを含め、λ1=931.4~933.4nm、λ2=935.2~937.2nm、λ3=939~941nm、λ4=942.8~944.8nm、λ5=946.6~948.6nmであれば、実験結果と同様なスペックル低減効果が期待できる。出射波長は5波長である必要はなく、この波長の中の少なくとも2つ以上の出射波長に該当する、面発光レーザを有する複数波長出射型面発光レーザ素子2ならば、実験結果と同様なスペックル低減効果が期待できる。
(複数波長出射型面発光レーザ素子の構造)
次に、複数波長出射型面発光レーザ素子の構造を説明する。図9は、第1の実施の形態の複数波長出射型面発光レーザ素子2の平面図である。図10は、複数波長出射型面発光レーザ素子2の部分的な断面図であり、図9のA-A’線に沿う断面を示している。なお、図9は、便宜上、コンタクト層等の記載が省略された、簡略化された図となっている。
図9に示すように、複数波長出射型面発光レーザ素子2は、複数の面発光レーザを備えている。各々の面発光レーザはメサ構造となっている。複数波長出射型面発光レーザ素子2の上部から視たメサ構造の形状は、円形であってもよく、楕円形、正方形、長方形等であってもよい。複数波長出射型面発光レーザ素子2では、基板101と反対側(図10の矢印L方向)にレーザ光が出射される。
複数波長出射型面発光レーザ素子2は、例えば、約300μm角の半導体チップ上に形成されており、この半導体チップ上に形成された各々の面発光レーザは各々に対応した電極パッドに接続されている。
複数波長出射型面発光レーザ素子2において、基板101上には、下部ブラッグ反射鏡102(以下、下部DBR102とする)が形成されている。なお、DBRとは、Distributed Bragg Reflectorの略である。
基板101としては、例えば、n-GaAs基板を用いることができる。下部DBR102は、屈折率の異なる半導体材料を交互に積層形成したものである。具体的には、下部DBR102は、例えば、n-Al0.16Ga0.84As高屈折率層とn-AlAs低屈折率層とを各々の層の光学的膜厚が1/4波長となるように33.5ペア積層することにより形成することができる。
下部DBR102上には、AlGaInPからなる下部スペーサ層を介し、GaInAs量子井戸層/AlGaAs障壁層からなる活性層が形成されている。活性層上には、AlGaInPからなる上部スペーサ層が形成されている。なお、下部スペーサ層、活性層、上部スペーサ層により1波長の光学的膜厚となる共振器領域104が形成されている。
上部スペーサ層上には、上部ブラッグ反射鏡160(以下、上部DBR160とする)が形成されている。上部DBR160は、第1の上部ブラッグ反射鏡107(以下、第1の上部DBR107とする)、第2の上部ブラッグ反射鏡108(以下、第2の上部DBR108とする)を含むものである。
第1の上部DBR107は、屈折率の異なる半導体材料を交互に積層形成したものである。具体的には、第1の上部DBR107は、例えば、p-Al0.16Ga0.84As高屈折率層とn-Al0.9Ga0.1As低屈折率層とを各々の層の光学的膜厚が1/4波長となるように2ペア積層することにより形成することができる。
ここで第1の上部DBR107のペア数は、後述する第2の上部DBR108のペア数との合計から決定される所望の反射率となるなかで、任意に変更してもよい。例えば、第1の上部DBR107と第2の上部DBR108の合計が23ペアであるならば、第1の上部DBR107を5ペアにして第2の上部DBR108を18ペアとしてもよい。また、合計のペア数は所望の出力特性に応じて、23ペアから増やしても減らしてもよい。
第1の上部DBR107の低屈折率層の一つは、AlAsからなる電流狭窄層106により形成されている。電流狭窄層106の周辺部分は選択酸化されて選択酸化領域106bが形成されており、中心部分は酸化されていない電流狭窄領域106aが形成されている。
複数波長出射型面発光レーザ素子2は、第1の上部DBR107上に、波長調整領域131を介して、第2の上部DBR108が形成されている。
図11は、波長調整領域131の構成を示す図である。波長調整領域131は、第1の上部DBR107側から、第1の位相調整層132、波長調整層133、及び第2の位相調整層134が積層されて構成されている。
波長調整層133は、第1の位相調整層132側から、第1の調整層135、第2の調整層136、第3の調整層137、第4の調整層138、及び第5の調整層139が積層されて構成されている。積層される調整層は5層でなくても良く、それよりも少なくても、多くても良い。
第1の調整層135及び第3の調整層137は、一例として、GaInPで形成されており、第2の調整層136は、一例として、GaAsで形成されている。なお、第1の調整層135及び第3の調整層137と第2の調整層136とを形成している材料は、この逆であってもよい。また、第1の調整層135及び第3の調整層137と第2の調整層136は、他の半導体材料で形成してもよい。
波長調整領域131の光学膜厚は3/4波長であり、第1の上部DBR107と波長調整領域131との界面の定在波は節になっており、波長調整層133の中心付近も節になっている。
波長調整領域131の上には、第2の上部DBR108が形成されている。第2の上部DBR108は、例えば、p-Al0.16Ga0.84As高屈折率層とp-Al0.9Ga0.1As低屈折率層とを各々の層の光学的膜厚が1/4波長とは異なる値となるように22ペア積層することにより形成することができる。
ここで第2の上部DBR108のペア数は、前述した第1の上部DBR107のペア数との合計から決定される所望の反射率となるなかで、任意に変更してもよい。例えば、第2の上部DBR108と第1の上部DBR107の合計が23ペアであるならば、第1の上部DBR107を5ペアにして第2の上部DBR108を18ペアとしてもよい。また、合計のペア数は所望の出力特性に応じて、23ペアから増やしても減らしてもよい。
第2の上部DBR108上には、コンタクト層109が形成されている。コンタクト層109は、例えば、p-GaAsから形成することができる。
コンタクト層109上には、p側電極となる上部電極112が形成されている。上部電極112は、電極パッドと接続されている。また、基板101の裏面にはn側電極となる下部電極111が形成されている。
このように基板101上に複数の層が積層されたものを、以下では、便宜上「積層体」と称する場合がある。積層体の形成は、例えば、有機金属気相成長(MOCVD)法で行うことができる。又、分子線エピタキシャル成長(MBE)法等を用いて行ってもよい。
図12は、積層体のプロセス形成を概略的に示す図である。複数波長出射させるには、波長調整層を任意の層数に調整して、共振波長をメサごとに変更する必要がある。層数の調整はウェットエッチングにより行う。波長調整層をエッチング選択比の高い、2種類の材料で形成し、選択エッチングにより、膜厚を調整する。具体的には、調整層をGaAsとGaInPのペアで形成することにより、リン酸と過酸化水素水と水からなるエッチャントでGaAsが選択エッチングされ、このエッチャントではGaInPはエッチングされず、エッチングは停止し、塩酸と水からなるエッチャントでGaInPが選択エッチングされ、このエッチャントではGaAsはエッチングされず、エッチングは停止する。
フォトレジストを利用したレジストパターニングを行い、エッチャントに浸すことで、任意のメサの共振波長を調整することが可能である。
図13は、メサごとに出射波長が異なる複数波長出射型面発光レーザ素子2を示す図である。上記プロセスを行い、その後第2の上部ブラッグ反射鏡を、波長調整層の上から結晶成長を行うことで、メサごとに出射波長が異なる複数波長出射型面発光レーザ素子2が形成される。
(具体的な波長調整層の膜厚設計)
以下にスペックル低減効果のある波長調整層の設計膜厚を記す。スペックル低減効果がある波長差は中心波長をλc[nm]、測定対象物の表面粗さの値である「σ」をσh=40000[nm]とすると、
Figure 0007472468000013
である。
ここで複数波長出射型面発光レーザ素子から出射される最も長波長の出射波長をλl[nm]、最も短波長出射波長をλs[nm]とすると、
Figure 0007472468000014
である。この波長差を実現するために必要な波長調整層の光学長と中心波長をλc[nm]としたときの相関を図14(a)に示す。よって、スペックル低減効果を持たせるためには、波長調整層の設計上の光学膜厚を「d」とすると、
Figure 0007472468000015
であればスペックル低減効果を有する複数波長出射型面発光レーザ素子を形成することが可能である。
図14(b)は、波長調整層の合計光学膜厚と閾値電流比の関係を示す図である。こn図14(b)には、レーザ特性が低下しない範囲における、波長調整層の設計上の光学膜厚を示している。図14(b)は、中心波長を940nm、870nm、800nmとしたときの波長調整層の合計光学膜厚に対する閾値電流比を示している。
閾値電流比1.5以下であれば特性を低下させずに、任意に波長調整層の膜厚及び波長調整層の層数を選択することができる。つまり、波長調整層の設計上の光学膜厚「d」は0.26以下で、任意の波長調整層の層数及び光学膜厚とすることで、複数波長出射型面発光レーザ素子2の特性の悪化を防止できる。
以上をまとめると、光学膜厚dは、中心波長λ[nm]に対して、
Figure 0007472468000016
の範囲内で、波長調整層の光学膜厚及び層数を、任意に選択して設計できる。
複数波長出射型面発光レーザ素子2は、波長を大きく異ならせると、位相整合条件からの乖離が大きくなり、発振閾値電流の増加などのレーザ諸特性の悪化が発生する。レーザ特性を著しく低下させないためには、出射波長はある一定の波長以内に収める必要がある。
第1の実施の形態の複数波長出射型面発光レーザ素子は、低スペックル化と良好なレーザ特性を両立することが可能な波長範囲としており、レーザ特性が悪化せず且つスペックルパターンが相関を持たなくなる波長差で複数波長化することで、効果的に低スペックル化を実現している。その結果として、レーザ特性を落とさずに、1チップから複数波長を出射するため、駆動方式が単純で、1チップから多数のスペックルパターン重畳効果が得られ、複雑な制御を行うことなくスペックルを低減することが可能になる。また、第1の実施の形態の複数波長出射型面発光レーザ素子を用いれば、投光部を大型化することなく、スペックルノイズを低減することも可能になる。
(変形例)
図15は、VCSELアレイ11の構成の変形例を示す図である。VCSELは、Vertical Cavity Surface Emitting LASERの略称である。VCSELアレイは、複数の面発光レーザがアレイ状に配置されたレイアウトのものを指す。異なる発振波長(以下、波長と略す)の発光素子aを有するVCSELアレイのレイアウト構成の一例である。異なる波長(波長順に、波長λ1、波長λ2、波長λ3、波長λ4、波長λ5)の発光素子aを一次元的に配置したものを示している。
図5や図9に示すレイアウトも、これに含めてよい。図15(a)に示すVCSELアレイ11は、複数の発光素子(面発光レーザ)を同時に発光させるように制御されたレイヤーと呼ばれる発光素子群a1を少なくとも1つ以上有する。図15(a)には、発光素子群a1が一次元的に配列された形態のものを示しているが二次元的に配置された構成のものでもよい。各レイヤー222は各々独立に発光タイミングが制御される。
図15(a)に示すレイヤー222において、発光素子a2は十字型に5個配置されている。同一のレイヤー222内において各発光素子a2は同じタイミングで発光するように制御されている。
図15(a)に示す、各レイヤー222のピッチAと、各発光素子a2のピッチ(ピッチBおよびピッチC)は、所定の素子間ピッチの条件(スペックルを低減する条件)に基づいて設定する。また、各発光素子の発振波長を異ならせる場合は、図15(b)を適用する。
なお、ここでは、レイヤー222の発光素子a2として十字型に5個配置されているものを示しているが、これに限定するものではない。発光素子a2の数は増減させてもよいし、また、ハニカム構造のようなレイアウトでより多くの発光素子a2を配置してもよい。
また、発光素子a2の開口部についても四角形のものを示しているが、六角形など、他の形状であってもよい。
図15(b)には、波長λ1~λ5の発光素子aを1セットに10セットを備えた場合のレイアウトを示している。VCSELアレイ11は、図15(b)に示すように、5個の異なる波長(波長λ1、波長λ2、波長λ3、波長λ4、波長λ5)の発光素子aを等ピッチで配置したものを1セットとし、全体で10セット分(5種類の波長×10セット=50個)の発光素子aを一次元的に配列している。各セット内において発光素子aの並び順は所定の波長順である。つまり、各波長の発光素子aは、図15(b)において周期的な位置をとるように配置されている。また図15(b)において、隣接するセット間の同一波長の発光素子aはXμmピッチで配置されている。同一セット内の波長λ1~λ5の発光素子aにより生じる各スペックルパターンは、互いに異なるスペックルパターンとなるように設定されている。すなわち、複数光源波長多重効果を得られる設定となっている。なお、この構成は一例であり、少なくとも1部の波長を異ならせたものでもよい。
図15(c)はセット内の異なる波長(波長順に、波長λ1、波長λ2、波長λ3、波長λ4、波長λ5)の発光素子の並び順をλ1、λ4、λ2、λ5、λ3と隣り合う波長の発光素子が隣り合う位置にないようにランダムにした例である。この配置にすることで波長順に並べた図15(b)より隣り合う発光素子間の波長差が大きくなため、各発光素子の波長の仕上がりがバラついた場合でも隣り合う発光素子間の波長差を確保することができ、スペックルノイズの低減効果が得られやすい。他に並び順はλ1、λ3、λ5、λ2、λ4でもよく、限定されない。
また、素子間の波長差が大きくなるということは、異なるスペックルパターンを得るのに必要な素子間ピッチも小さくなるのでシステムによってはより一層の小型化が期待できる。その他、素子間ピッチを維持した場合でも全体の波長差Δλ(λ1-λ5)を狭めても同じスペックル低減効果が得られるので発光素子が異なる波長の光を発光するための構造を形成するのが容易になる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態の面発光型半導体レーザを備える投影装置について説明する。図17は、第2の実施の形態の投影装置10のハードウェア構成を示す図である。この図17に示す投影装置10は、VCSELアレイ11と、光学系12と、光偏向素子13とを有する。
光学系12はレンズにより構成され、VCSELアレイ11の各発光素子から出射する光を光偏向素子13に導く。
光偏向素子13は、光学系12からの光を投影領域に投影することにより投影光14を対象15に投影する。
図17に示す投影光14は、VCSELアレイ11の各発光素子aのそれぞれの出射光が重なり合っている光で、光偏向素子13のミラー面において偏向され、対象15に投影される。第2の実施の形態でも、想定する投影領域に投影光14を投影することにより、スペックルノイズ低減の効果が得られる。
(光偏向素子)
図18は、光偏向素子13の構成を説明するための図である。図18には、一例としてMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーの構成を示している。図18は、2軸走査ミラーの構成であるが、光偏向素子をこれに限定するものではない。図18では、矢印で示される方向を、それぞれα方向、β方向、及びγ方向とする。MEMSミラー90は、支持基板91と、可動部92と、蛇行状梁部93と、蛇行状梁部94と、電極接続部95とを備える。
蛇行状梁部93は、複数の折り返し部を有して蛇行して形成され、一端が支持基板91に連結し、他端が可動部92に連結する。蛇行状梁部93は、3つの梁を含む梁部93aと、3つの梁を含む梁部93bとを備える。梁部93aの梁と梁部93bの梁は1つおきに交互に形成される。梁部93aと梁部93bに含まれる各梁は、それぞれが独立に圧電部材を備えている。
同様に、蛇行状梁部94は、複数の折り返し部を有して蛇行して形成され、一端が支持基板91に連結し、他端が可動部92に連結する。蛇行状梁部94は、3つの梁を含む梁部94aと、3つの梁を含む梁部94bとを備える。梁部94aの梁と梁部94bの梁は1つおきに交互に形成される。梁部94aと梁部94bに含まれる各梁は、それぞれが独立に圧電部材を備えている。
尚、梁部93a、及び93bにおける梁の数は3つに限定されることなく任意でよい。
梁部93a、93b、94a、及び94bが備える圧電部材は、図18では図示が省略されているが、例えば多層構造で形成された各梁の層の一部に、圧電層として備えられる。以下では、梁部93a、及び94aが備える圧電部材を圧電部材95aと総称し、梁部93b、及び94bが備える圧電部材を圧電部材95bと総称する場合がある。
圧電部材95aと圧電部材95bに、逆位相となる電圧信号を印加し、蛇行状梁部94に反りを生じさせると、隣接する梁部が異なる方向に撓む。この撓みが累積され、図18のA軸回りに、反射ミラー92aを往復回動させるための回動力が発生する。
可動部92は、β方向において、蛇行状梁部93と蛇行状梁部94との間に挟まれるようにして形成される。可動部92は、反射ミラー92aと、トーションバー92bと、圧電部材92cと、支持部92dとを備える。
反射ミラー92aは、例えば、基材上にアルミニウム、金、銀等を含む金属薄膜が蒸着されて形成される。トーションバー92bは、反射ミラー92aに一端が連結し、正、及び負のα方向に伸びて反射ミラー92aを回動可能に支持する。
圧電部材92cは、一端がトーションバー92bに連結し、他端が支持部92dに連結する。圧電部材92cに電圧を印加すると、圧電部材92cは屈曲変形してトーションバー92bにねじれを生じさせる。トーションバー92bのねじれが回動力となり、反射ミラー92aはB軸回りに回動する。
なお、図18ではいわゆる片持ち支持梁の構造だが、トーションバー92bを挟んで両側に圧電部材92cを配置する、いわゆる両持ち支持梁の構造とする事も可能である。本発明においては、片持ち支持梁、両持ち支持梁の双方を採用可能である。
反射ミラー92aのA軸回りの回動により、反射ミラー92aに入射するレーザ光線はα方向に走査される。反射ミラー92aのB軸回りの回動により、反射ミラー92aに入射するレーザ光線はβ方向に走査される。
支持部92dは、反射ミラー92aと、トーションバー92bと、圧電部材92cとを囲むように形成される。支持部92dは圧電部材92cと連結し、圧電部材92cを支持する。また支持部92dは、圧電部材92cに連結されたトーションバー92b、及び反射ミラー92aを間接的に支持する。
支持基板91は、可動部92と、蛇行状梁部93と、蛇行状梁部94とを囲むように形成される。支持基板91は、蛇行状梁部93、及び蛇行状梁部94に連結し、これらを支持する。また支持基板91は、蛇行状梁部93、及び蛇行状梁部94に連結された可動部92を間接的に支持する。
なお、光偏向素子13は、MEMSミラーに限定されず、ポリゴンミラー、ガルバノミラー等、光を走査する反射部を有する可動物であればよい。MEMSミラーによれば、小型化・軽量化の点で有利となる。MEMSミラーの駆動方式は、静電式、圧電式、電磁式などいずれであってもよい。
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態の面発光型半導体レーザを計測装置へ適用した例を示す。ここでは計測装置の一例として、計測対象を計測する3次元計測装置への適用例を示す。
図19は、第3の実施の形態の計測装置を示す図である。図19に示す計測装置1は、計測情報取得ユニット20と制御ユニット30とを含む。
計測情報取得ユニット20は、投影部である投影装置10と、撮像部であるカメラ21とを含む。投影装置10は、VCSELアレイ11と、光学系12と、光偏向素子13とを有する。計測情報取得ユニット20は、制御ユニット30の制御部31の制御に従い、VCSELアレイ11の複数の発光素子aの光を光偏向素子13により偏向させて計測領域に投影する。制御部31は、VCSELアレイ11の各発光素子aの輝度と点灯タイミングを調節することにより、計測領域の全体に所定パターンの投影光14を投影する。例えば発光素子aの点灯および消灯(オン/オフ)を制御することで、白黒のグレイコードパターンなど所望の投影パターンの投影光14を投影する。
カメラ21は、投影装置10が計測対象に投影する投影光14の投影中心300が撮像領域40の中心となるように位置および角度が固定されている。これにより、カメラ21は、投影領域を撮像する。
カメラ21は、レンズ210や撮像素子211を有する。撮像素子211には、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)のイメージセンサなどを使用する。カメラ21に入射した光は、レンズ210を介して撮像素子211上に結像して光電変換される。撮像素子211で光電変換された電気信号は、画像信号へと変換され、その画像信号がカメラ21から制御ユニット30の演算処理部32へと出力される。
制御ユニット30は、投影装置10によるパターン光の投影制御やカメラ21による撮像制御などを行い、カメラ21が撮像した画像信号に基づいて、計測対象の3次元計測等の演算処理を行う。制御部31は、投影装置10が投影するパターン光を別のパターン光に切り替える制御を行ってもよい。また、制御部31は、演算処理部32が3次元座標の算出に用いるキャリブレーション情報を出力する制御を行ってもよい。
制御ユニット30は、計測装置として演算処理部32を有する。演算処理部32は、入力された画像信号に基づいて3次元座標の算出(計測)を行い、3次元形状を取得する。また、演算処理部32は、算出された3次元形状を示す3次元形状情報を制御部31からの指示に従いPC等(不図示)へ出力する。なお、図19には、制御ユニット30に対し1組の計測情報取得ユニット20が取り付けられた構成を示しているが、制御ユニット30に対し複数組の計測情報取得ユニット20を取り付けてもよい。
(制御部の機能ブロックの説明)
図20は、計測装置1のブロック図である。なお、図20において、既に説明済みの箇所については、同一の符号を付し、適宜詳細な説明を省略する。
図20に示す演算処理部32は、カメラ21から出力された画像信号を解析する。演算処理部32は、画像信号の解析結果と、キャリブレーション情報とを用いた演算処理により、3次元情報の復元処理を行い、これにより対象の3次元計測を実行する。演算処理部32は、復元された3次元情報を制御部31に供給する。
制御部31は、システム制御部310と、パターン記憶部311と、光源駆動・検出部312と、光走査駆動・検出部313と、撮像制御部314とを含む。
光走査駆動・検出部313は、システム制御部310の制御に従い光偏向素子13を駆動する。システム制御部310は、光偏向素子13の偏向中心に照射された光が測定対象を照射するように、光走査駆動・検出部313を制御する。撮像制御部314は、システム制御部310の制御に従いカメラ21の撮像タイミングや露光量を制御する。
光源駆動・検出部312は、システム制御部310の制御に従いVCSELアレイ11の各発光素子の点灯および消灯を制御する。
パターン記憶部311は、例えば、計測装置1の不揮発性の記憶媒体に記憶されている投影画像のパターン情報を読み出す。パターン情報は、投影画像(投影パターン)を形成するためのパターン情報である。パターン記憶部311は、システム制御部310からの指示に従いパターン情報を読み出してシステム制御部310に渡す。システム制御部310は、パターン記憶部311から渡されたパターン情報に基づき光源駆動・検出部312を制御する。
システム制御部310は、演算処理部32から供給された、復元された3次元情報に基づき、パターン記憶部311に対してパターン情報の読み出しを指示する。システム制御部310は、パターン記憶部311により読み出されたパターン情報に従い光源駆動・検出部312を制御する。
また、システム制御部310は、読み出したパターン情報に応じて演算処理部32に対して演算方法を指示する。
演算処理部32や、システム制御部310や、撮像制御部314は、CPU(Central Processing Unit)上で動作する計測プログラムにより実現する。具体的に、CPUは、ROM(Read Only Memory)から計測プログラムを読み出して実行することにより、演算処理部32や、システム制御部310や、撮像制御部314を実現する。なお、この実現方法は一例であり、これに限らない。例えば、演算処理部32、システム制御部310、撮像制御部314の、一部または全てを、互いに協働して動作するハードウェア回路により構成してもよい。また、演算処理部32や、システム制御部310や、撮像制御部314に限らず、その他のブロックも計測プログラムにより実現してもよい。
第3の実施の形態では、計測装置の各設定を「スペックルノイズの低減効果がある設定」としている。このため、計測対象を撮影した画像においてスペックノイズが低減し、撮影画像の輝度情報を解析する際の計測精度が向上する。
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態は、第3の実施の形態の計測装置1を、ロボットアーム(多関節アーム)と組み合わせて用いる例である。
図21は、第4の実施の形態のロボットの構成を示す図である。図21には、多関節を有するロボットアームに計測装置1を適用した例を示している。ロボットアーム70は、対象物をピッキングするためのハンド部71を備え、ハンド部71の直近に計測装置1が設けられている。ロボットアーム70は、それぞれ屈曲可能な複数の可動部を備え、ハンド部71の位置および向きを、制御に従い変更する。
計測装置1は、光の投影方向がハンド部71の向く方向に一致するように設けられ、ハンド部71のピッキング対象15を計測対象として計測する。
このように、第4の実施の形態では、計測装置1をロボットアーム70に設けることで、ピッキングの対象物を近距離から計測することができ、カメラ等を用いた遠方からの計測と比較して計測精度の向上が達成できる。例えば、工場の様々な組立てライン等におけるFA(Factory Automation)分野においては、部品の検査や認識等のために、ロボットアーム70等のロボットが利用される。ロボットに計測装置1を設けることにより、部品の検査や認識を精度よく行うことができるようになる。
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態は、第2の実施の形態の計測装置1をスマートフォンに設けた例である。
図22は、第5の実施の形態のスマートフォンの使用形態を示す図である。スマートフォン80には計測装置1及び使用者の認証機能が設けられている。使用者の認証機能としては、例えば専用のハードウェアが設けられている。計測装置1は、使用者81の顔、耳や頭部の形状などを計測する。この計測結果に基づいて、使用者の認証機能は、使用者81がスマートフォン80に登録された者かを判定する。
(スマートフォンのハードウェア構成)
図23は、スマートフォンのハードウェア構成を示す図である。この図23に示すように、スマートフォン80は、上述の計測装置1の他、CPU401、ROM402、RAM403、EEPROM404、CMOSセンサ405、撮像素子I/F406、加速度・方位センサ407、メディアI/F409、GPS(Global Positioning System)受信部411を備えている。
CPU401は、スマートフォン80全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401又はIPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。EEPROM404は、CPU401の制御に従って、携帯端末用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ405は、CPU401の制御に従って被写体からの撮像光に対応する画像データを形成する。なお、CMOSセンサ以外に、例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の、他の撮像手段を用いてもよい。
撮像素子I/F406は、CMOSセンサ405をバスライン410に接続するためのインタフェースである。加速度・方位センサ407は、地磁気を検知する電子磁気コンパス、ジャイロコンパス又は加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F409は、例えばフラッシュメモリ等の記録メディア408をバスライン410に接続するためのインタフェースである。記録メディア408には、このメディアI/F409を介してデータの書き込み及び読み出しが行われる。GPS受信部411は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
また、スマートフォン80は、通信回路412、CMOSセンサ413、撮像素子I/F414、マイクロホン部415、スピーカ部416、音入出力I/F417、ディスプレイ418、外部機器接続I/F(Interface)419、近距離通信回路420、近距離通信回路420のアンテナ420a、及びタッチパネル421を備えている。
通信回路412は、通信ネットワークを介して、他の機器と間で通信を行う。CMOSセンサ413は、CPU401の制御に従って被写体を撮像して画像データを形成する。撮像素子I/F414は、CMOSセンサ413をバスライン410に接続するインタフェースである。マイクロホン部415は、集音した音声に対応する電気信号である音声信号を形成する。スピーカ部416は、音声信号に対応する音楽又は音声等の音響出力を発音する。音入出力I/F417は、CPU401の制御に従ってマイクロホン部415及びスピーカ部416との間で音声信号の入出力を処理する。
液晶表示部又は有機EL(Electro Luminescence)表示部等のディスプレイ418は、被写体の画像又は各種アイコン等を表示する。外部機器接続I/F419は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。近距離通信回路420は、NFC又はBluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル421は、ディスプレイ418上に設けられており、利用者の接触操作を検出する。
また、スマートフォン80は、バスライン410を備えている。バスライン410は、図23に示すCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス又はデータバス等である。
このように、第5の実施の形態では、計測装置1をスマートフォン80に設けることで、高精度に使用者81の顔、耳又は頭部の形状などを計測することができ、認識精度の向上が達成できる。
なお、計測装置1の各機能は、コンピュータ構成のCPUがROMなどの記憶部に記憶されているプログラムを実行することで、ソフトウェアで実現してもよい。
(第6の実施の形態)
次に、第6の実施の形態について説明する。第6の実施の形態は、第2の実施の形態の計測装置1をパーソナルコンピュータ装置(PC)に設けた例である。
(パーソナルコンピュータ装置のハードウェア構成)
図24は、第6の実施の形態のパーソナルコンピュータのブロック図である。この図24に示すように、パーソナルコンピュータ装置500は、上述の計測装置1の他、CPU501、ROM502及びRAM503を有している。また、パーソナルコンピュータ装置500は、HDD(Hard Disk Drive)504、HDDコントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511及びメディアI/F516を備えている。
CPU501は、パーソナルコンピュータ装置500全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HDD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHDD504に対する各種データの書き込み及び読み出しを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。
外部機器接続I/F508は、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリ又はプリンタ装置等の各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。バスライン510は、CPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスライン又はデータバスライン等である。
また、キーボード511は、複数のキーを備えており、文字、数値、各種指示等の入力を行う。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択、実行、処理対象の選択、又は、カーソルの移動等の入力操作を行う。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの書き込み(記憶)又は読み出しを制御する。
このような第6の実施の形態のパーソナルコンピュータ装置500は、計測装置1及び使用者の認証機能が設けられている。使用者の認証機能としては、例えば専用のハードウェアが設けられている。計測装置1は、使用者の顔、耳や頭部の形状などを計測する。この計測結果に基づいて、使用者の認証機能は、使用者がパーソナルコンピュータ装置500に登録された者かを判定する。
(第7の実施の形態)
次に、第7の実施の形態について説明する。第7の実施の形態は、第2の実施の形態の計測装置1を画像形成装置の一例である複合機(MFP)に設けた例である。
(MFPのハードウェア構成)
図25は、第7の実施の形態のMFPのブロック図である。この図25に示すように、MFP900は、上述の計測装置1の他、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
コントローラ910は、CPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、ローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、HDD909を有している。NB903とASIC906との間は、AGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続されている。
CPU901は、MFP900の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジである。NB903は、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
MEM-P902は、メモリコントローラの各機能を実現させるプログラム又はデータの格納用メモリであるROM902a、プログラム又はデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリ等に用いられるRAM902bを有する。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス922、HDDコントローラ908及びMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。
このASIC906は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)及びMEM-C907を制御するメモリコントローラを有する。また、ASIC906は、ハードウェアロジック等により画像の回転等を行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットを有する。なお、ASIC906には、USBインタフェース又はIEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインタフェースを接続してもよい。
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HDD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HDD909は、CPU901の制御にしたがってHDD909に対するデータの書き込み及び読み出しを制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースである。AGPバス921は、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることで。グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
近距離通信回路920には、近距離通信回路920を有している。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931及びプリンタ部932を有している。
操作パネル940は、現在の設定値又は選択画面等を表示し、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等の表示部940aを有している。また、操作パネル940は、濃度の設定条件等の画像形成に関する条件の設定値の入力を行うためのテンキー及びコピー開始を指示するためのスタートキー等を備えた操作部940bを有している。
コントローラ910は、MFP900全体の制御を行い、例えば描画制御、通信制御、操作パネル940からの入力の処理等を行う。スキャナ部931又はプリンタ部932は、誤差拡散処理及びガンマ変換処理等の画像処理機能を有している。
なお、MFP900は、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能を順次に切り替えて実行可能となっている。MFP900は、ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなる。また、MFP900は、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
ネットワークI/F950は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
このような第7の実施の形態のMFP900は、計測装置1及び使用者の認証機能が設けられている。使用者の認証機能としては、例えば専用のハードウェアが設けられている。計測装置1は、使用者の顔、耳や頭部の形状などを計測する。この計測結果に基づいて、使用者の認証機能は、使用者がMFP900に登録された者かを判定する。
なお、計測装置1は、この他、例えばスキャナ装置等の他の電子機器に設けてもよい。また、機能面としても個人認証機能に限らず、顔形状等の認識機能としてもよい。
(第8の実施の形態)
次に、第8の実施の形態について説明する。第8の実施の形態は、第2の実施の形態の計測装置1を車両に設けた例である。
図26は、第8の実施の形態の車両の構成を示す図である。車両に計測装置1を適用した例を示している。車内85には計測装置1と運転支援機能が設けられている。運転支援機能としては、例えば専用のハードウェアが設けられている。この他、コンピュータ構成のCPUが、ROM等の記憶部に記憶されたプログラムを実行することで、本機能をソフトウェアで実現してもよい。計測装置1は、ドライバー86の顔や姿勢などを計測する。この計測結果に基づいて、運転支援機能は、ドライバー86の状況に応じた適切な支援を行う。
このように、第8の実施の形態では、計測装置1を車両に設けることで、高精度にドライバー86の顔、姿勢などを計測することができ、車内85のドライバー86の状態認識精度の向上が達成できる。なお、この第8の実施の形態では、計測装置1を車両に設けることとしたが、この他、電車の車内又は飛行機の操縦席(または客席)などに設けてもよい。また、機能面としてもドライバー86の顔、姿勢などのドライバー86の状態認識に限らず、ドライバー86以外の搭乗者又は車内85の様子の認識などに用いてもよい。またドライバー86の個人認証を行い、車のドライバーとして予め登録された者か否かを判断する車のセキュリティ装置に設けてもよい。
(第9の実施の形態)
次に、第9の実施の形態について説明する。第9の実施の形態は、第2の実施の形態の計測装置1を、移動体に設けた例である。図27は、第9の実施の形態の移動体に設けられた計測装置1の使用形態を示す図である。図27は、自律型の移動体に計測装置1を適用した例である。移動体87に設けられた計測装置1は、移動体87の周囲を計測する。この計測結果に基づいて、移動体87は自身の移動する経路の判断および、机88の位置などの室内89のレイアウトを算出する。
このように、第9の実施の形態では、計測装置1を移動体87に設けることで、高精度に移動体87の周辺を計測することができ、移動体87の運転支援を行うことができる。なお、この第6の実施の形態では、計測装置1を小型の移動体87に設けることとしたが、自動車などに設けてもよい。また、屋内だけでなく屋外で用いてもよく、建造物などの計測に用いてもよい。
(第10の実施の形態)
次に、第10の実施の形態について説明する。第10の実施の形態は、第2の実施の形態の計測装置1を3Dプリンタに設けた例である。
図28は、第10の実施の形態の3Dプリンタに設けられた計測装置1の使用形態を示す図である。図28には、3Dプリンタ90のヘッド部91(造形部の一例)に計測装置1を適用した例を示している。ヘッド部91は、造形物92を造形するための造形液を吐出するノズル93を有する。計測装置1は、3Dプリンタ90によって造形される造形物92の形状を、造形中に計測する。この計測結果に基づいて、3Dプリンタ90の形成制御が行われる。
このように、第10の実施の形態では、計測装置1を3Dプリンタ90に設けることで、造形物92を造形中に計測することができ、高精度に造形物92を造形できる。なお、この第10の実施の形態では、計測装置1を3Dプリンタ90のヘッド部91に設けることとしたが、3Dプリンタ90内の他の部分に設けてもよい。
最後に、上述の各実施の形態は、一例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な各実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことも可能である。すなわち、本発明は、本発明の適用例として説明した上述の各実施の形態以外の電気機器等に適用可能である。この場合も上述と同じ効果を得ることができる。さらに、本願発明は、ハードウェアで実現してもよいし、ソフトウェアで実現してもよい。また、一部をハードウェアで実現し、他部をソフトウェアで実現してもよい。さらに、また、実施の形態及び実施の形態の変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
107 第1の上部DBR
108 第2の上部DBR
109 コンタクト層
111 下部電極
112 上部電極
131 波長調整領域
132 第1の位相調整層
133 波長調整層
134 第2の位相調整層
135 第1の調整層
136 第2の調整層
137 第3の調整層
138 第4の調整層
139 第5の調整層
特開2009-146941号公報

Claims (9)

  1. 半導体基板上に形成された面発光レーザ素子を備える照明装置であり、
    1つの前記面発光レーザ素子には複数の面発光レーザをそれぞれ含む複数の発光素子群が形成されており、
    各々の前記発光素子群は、同じ出射波長の発光素子を少なくとも1つ含み、
    前記複数の発光素子群が一次元的に又は二次元的に配置され、
    各々の前記発光素子群において、複数の前記面発光レーザの少なくとも1つの面発光レーザは、他の面発光レーザとは異なる出射波長を有し、前記複数の面発光レーザは、第1の出射波長をλ[nm]、前記第1の出射波長よりも短い波長となる第2の出射波長をλ[nm]、前記第1の出射波長と前記第2の出射波長との間の中心波長をλ[nm]とし、中心波長λ は、800nm以上940nm以下であり、
    Figure 0007472468000017
    の条件を満たす波長から選択された出射波長をそれぞれ有し、
    前記条件を満たす出射波長から選択された互いに異なる出射波長の光を、投影領域へ同時に照射する、こと
    を特徴とする照明装置。
  2. 複数の前記面発光レーザは、
    Figure 0007472468000018
    の条件の代りに、
    Figure 0007472468000019
    の条件を満たす波長から選択された出射波長をそれぞれ有すると共に、少なくとも1つの面発光レーザは、他の面発光レーザとは異なる出射波長を有すること
    を特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記面発光レーザ素子からの光を導光する光学系、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
  4. 請求項3に記載の照明装置と、
    前記光学系により導光された光を前記投影領域に反射する光偏向素子と、
    を備える投影装置。
  5. 請求項4に記載の投影装置と、
    前記投影領域を撮像する撮像部と、
    前記撮像部により撮像された前記投影領域の撮像画像から計測対象を計測する計測部と、
    を備えることを特徴とする計測装置。
  6. 請求項5に記載の計測装置と、
    前記計測装置を装着した多関節アームと、
    を備えることを特徴とするロボット。
  7. 請求項5に記載の計測装置と、
    前記計測装置による使用者の計測結果に基づいて使用者の認証を行う認証部と、
    を備えることを特徴とする電子機器。
  8. 請求項5に記載の計測装置と、
    前記計測装置による計測結果に基づいて移動体の運転を支援する運転支援部と、
    を備えることを特徴とする移動体。
  9. 請求項5に記載の計測装置と、
    前記計測装置による計測結果に基づいて造形物を造形する造形部と、
    を備えることを特徴とする造形装置。
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