JP7472364B2 - パーソナル空調システム - Google Patents

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本発明は、タスク空間内における空調の調整を直感的で簡便に行うことが可能なパーソナル空調システムに関する。
近年、オフィスにおいては、生産性を向上させるために、執務者にとって作業に集中できる空間を提供することが重要となっており、そのための一つの方法として、パーティションなどの間仕切りを用いて、個別の作業空間を形成することが提案されている。
このようなオフィスにおいては、室内全体のアンビエント空間に対して、執務者周囲の個別作業空間(タスク空間)を快適な温度環境に保持することも検討事項となっており、タスク空間に対して効率的に温度調節された空気を吹き出す床吹き出し方式の空調システムなども提案されている。
例えば、特許文献1(実開平5-59150号公報)には、パネル部材に送風機とダクトと吹出し口を設けたユニットとからなり、該パネル部材の吹出し口を円形穴に形成し、該円形穴に円盤状の吹出し口部材を回転自在に嵌合し、該吹出し口部材に傾斜した風向板を設けた床吹出し空調ユニットの吹出し装置を備える空調システムが開示されている。
実開平5-59150号公報
特許文献1に記載される従来技術においては、吹出方向を調整することができるが、その角度は限られており、気流が到達する身体部位も限定される、という問題があった。
また、従来技術では、風向調整部は床面に設けられているため、吹出方向の角度調整のために執務者は屈んで調整する必要がある、という問題があった。このような屈んだ姿勢での調整は、一般の執務空間よりも狭いタスク空間においては、とりわけ難点となる。
また、従来技術によれば、風向調整部での調整後、風向がどのようなものか直感的に判断しづらく、調整後いったん着席してみないと風の当たり具合を確認できない、という問題があった。
この発明は、上記課題を解決するものであって、本発明に係るパーソナル空調システムは、 垂直に設置される壁によって囲まれた空間の空調を行う空調システムにおいて、前記壁に沿って延びる、温度調整された空気を吹き出す吹出口と、前記吹出口の鉛直上方において前記壁に取り付けられ、前記吹出口の延びる方向と、前記壁に対して垂直な方向と、へ前記空間の床に対向する面が延びる部材と、を有し、前記部材の前記空間の床に対向する面は、前記吹出口の長手方向の端部に、垂直方向に延びる側壁部が設けられており、前記側壁部が下方に延びることを特徴とする。
また、本発明に係るパーソナル空調システムは、前記吹出口の短手方向において、前記部材の前記空間の床に対向する面は、前記吹出口より長く、前記吹出口の2倍の長さより短いことを特徴とする。
本発明に係るパーソナル空調システムは、吹出口の鉛直上方に配され、パーティション壁に対して取り付けられる邪魔板を有しており、パーティション壁に対する邪魔板の取り付けた高さが可変であるので、このような本発明に係るパーソナル空調システムによれば、吹出方向の調整を自由度高く行うことができ、執務者にとって快適な気流を当てるような調整を簡単に行うことができる。
また、本発明に係るパーソナル空調システムによれば、邪魔板はパーティション壁に対して取り付けられるようになっているので、執務者が気流の調整を行う際には、タスク空間内の限られたスペースでも、窮屈な姿勢をとる必要がない。
また、本発明に係るパーソナル空調システムによれば、パーティション壁に対する邪魔板の取り付け高さによって気流を調整でき、気流の方向を直感的に把握しやすい。
以上から、本発明に係るパーソナル空調システムは、タスク空間のパーティション壁面近傍の床面に設けた吹出口と、壁面に設けた取り付け高さ(または角度)可変の邪魔板によって、従来よりも自由度の高いパーソナル空調が実現できる。またその調整は直感的で簡便なものであり、操作性により優れたシステムを提供することができる。
本発明の実施形態に係るパーソナル空調システム1が適用されるアンビエント空間のシミュレーション条件例を示す図である。 本発明の実施形態に係るパーソナル空調システム1が適用されるタスク空間のシミュレーション条件例を示す図である。 本発明の実施形態に係るパーソナル空調システム1で用いる邪魔板30を説明する図であり、シミュレーションにおける邪魔板30に関連するパラメータを説明する図である。 シミュレーションにおける吹出口10に関連するパラメータを説明する図である。 シミュレーションにおける吹出口10に関連するパラメータを説明する図である。 (A)邪魔板30に関連し選択されたパラメータを示す図であり、(B)吹出口10に関連するパラメータを示す図である。 シミュレーション結果を示す図である。 シミュレーション結果を示す図である。 シミュレーション結果を示す図である。 シミュレーション結果を示す図である。 シミュレーション結果を示す図である。 シミュレーション結果を示す図である。 シミュレーション結果を示す図である。 シミュレーション結果を示す図である。 シミュレーション結果を示す図である。 本発明に係るパーソナル空調システム1におけるタスク空間5の実寸大モックアップの概要を説明する図である。 実寸大モックアップによる本発明の効果検証実験に用いた構成を説明する図である。 効果検証実験の結果を示す図である。 効果検証実験の結果を示す図である。 効果検証実験の結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本発明に係るパーソナル空調システム1では、部屋全体に相当するアンビエント空間の中に、執務者Mの作業スペースであるタスク空間を設定している。本発明に係るパーソナル空調システム1の効果については、数値流体解析(CFD;Computational Fluid Dynamics)のシミュレーションによって確認を行った。この確認のために用いたアンビエント空間の条件の一例を図1に、また、タスク空間の条件の一例を図2に示す。
本発明に係るパーソナル空調システム1においては、執務者Mの周囲は、垂直に設置される4枚のパーティション壁20によって囲まれ、タスク空間が形成される。また、吹出口10は、4枚のパーティション壁20のうち1枚のパーティション壁20の床上の設置部に沿った長手方向を有し、温度調整された空気を吹き出すように構成されている。吹出口10から吹き出される温度調整された空気は、周知の空調機器(不図示)によって生成される。
ここで、アンビエント空間及びタスク空間においては図示するようにxyz座標を定義する。具体的には、吹出口10の長手方向に沿った方向をx方向と定義し、水平面内でx方向に垂直な方向をy方向と定義し、鉛直上方をz方向と定義する。また、x方向を幅方向、y方向を奥行方向、z方向を高さ方向とも称する。
上記のような定義の下、(幅)Ax=3300mm、(奥行)Ay=3700mm、(高さ)Az=2600mmの寸法を有するアンビエント空間を模した。また、アンビエント空間の平面中心に、(幅)Tx=1700mm、(奥行)Ty=1700mm、(高さ)Tz=2000mmの寸法を有するタスク空間を設定した。また、アンビエント空間の上四隅には、250mm×250mmの排気口4を設定した。各々の排気口4での排気条件は、66×10-3m/sと設定した。
タスク空間内には椅坐位の執務者M、デスク50、パーソナルコンピューター53、照明55のモデルも含まれている。執務者Mの発熱(熱負荷)は70[W]とした。なお、パーソナルコンピューター53、照明55の各発熱については0[W]に設定した。
上記の熱負荷を処理し、空間全体を27℃に保つよう、タスク空間を除くアンビエント空間の床面から24.4℃の空気を4.1×10-3m/sで供給した(タスク空間を含む室全体で4.8h-1に相当)。
本発明に係るタスク空間の空調については、執務者Mの後方のパーティション壁20の下縁に略接するように、床面に吹出口10(スリット形状:600×30mm)を設け、約0.7m/s(100m3/h)で等温空気を略鉛直上方へ吹出した。吹出口10から吹出された気流は、コアンダ効果によりタスク空間後方のパーティション壁20の壁面に沿って流れることを想定している。
なお、本実施形態では、吹出口10の形状はスリット形状としたが、パーティション壁20の壁面に沿って気流が流れれば、この限りでない。
吹出口10の鉛直上方には、パーティション壁20に対して取り付けられる邪魔板30が設けられている。邪魔板30の取り付け高さは変更することができるように構成される。
なお、吹出口10を下部に有し、邪魔板30を取り付けるパーティション壁20は執務者Mの後方でなくてもよい。例えば執務者Mの両側面を対象に、本発明の吹出口10と邪魔板30とを適用するようにしてもよい。
パーティション壁20に対して邪魔板30の高さを変更する機構については、パーティション壁20の壁面に対してスライド調整式としたり、一度取り外して再度設置する方式としたりすることができる。後者の場合、マグネットなどで取外しと取り付けを行う方法などを挙げることができる。なお、パーティション壁20には、椅坐位の執務者Mを模した図とともに邪魔板30の適切な取り付け位置を描画しておいてもよい。これにより、執務者Mは所望とする気流とするために、邪魔板30の高さを調整することが可能となる。
図3は本発明の実施形態に係るパーソナル空調システム1で用いる邪魔板30を説明する図である。本発明に係るパーソナル空調システム1で用いる邪魔板30は、板状(プレート状)の障壁部31を有するのみの構成であってもよいし、障壁部31の対向する両端部には、障壁部31から垂直方向に延出する側壁部33が配される構成であってもよい。また、邪魔板30は、プレート状でなくても、気流の角度をスムーズに変えるため、ガイドベーン形状などとしてもよい。
本実施形態では、邪魔板30とパーティション壁20の壁面としたが、本発明に係るパーソナル空調システム1においては、邪魔板30とパーティション壁20の壁面との角度は必ずしも垂直でなくてもよい。また、邪魔板30と壁面との角度は可変可能な構成としてもよい。この場合、邪魔板30を上下方向に移動するのではなく、ある高さに設置された邪魔板30の角度を変えることで気流を当てる身体の部位を変更/調整する機構とすることもできる。
上記したように、本発明は、タスク空間のパーティション壁20の壁面近傍の床面に設けられた吹出口10と、当該壁面に設置した邪魔板30を活用することで、執務者Mの身体に局所的に気流を供給できるパーソナル空調システム1を提案するものである。
本発明に係るパーソナル空調システム1では、壁面の近傍に吹出口10を設け、略鉛直上方へ吹出す。吹出された気流は、タスク空間におけるパーティション壁20の壁面との間のコアンダ効果により壁面に沿ってタスク空間上部へと効率的に搬送される。
吹出空気とタスク空間内空気の温度差が大きい場合には途中で壁面からの剥離が考えられるが、タスク空間内の過度な冷却を抑えるため、温度差は大きくとも1~2℃、大抵は等温吹出である。したがってこのような吹出条件では、壁面が平滑な場合において、気流はそのままタスク空間における吹き抜け空間40を抜けてアンビエント空間に流出する。
そこで、本発明に係るパーソナル空調システム1では、取り付け高さ可変の邪魔板30をタスク空間におけるパーティション壁20の壁面に設けるようにしている。邪魔板30は厚みに制限はなく、幅は吹出風速や吹出口寸法にもよるが、タスク空間での空調を想定した場合、吹出口10の奥行以上であれば効果が期待できる。パーティション壁20の壁面に沿って流れた気流は邪魔板30によって進行方向を変え、執務者M方向へ流れる。邪魔板30の取り付け高さが変わることで、執務者Mが気流を受ける高さも変化する。執務者Mは涼を取りたい身体部位に気流が届くよう、壁面上の適切な位置に邪魔板30を移動させることで、より自由度の高いパーソナル空調を実現する。
以下、数値流体解析のシミュレーションについて説明する。図3には、シミュレーションにおける邪魔板30に関連するパラメータを示す。また、図4及び図5には、シミュレーションにおける吹出口10に関連するパラメータを示す。また、図6(A)は邪魔板30に関連し選択されたパラメータを示す図であり、図6(B)吹出口10に関連するパラメータを示す図である。なお、吹出口10から吹き出された気流が邪魔板30によって変更される気流の方向の角度をθとして定義する。より詳細には、z軸と、邪魔板30を通過した後の気流の方向との間の角度をθとする。
(1)側壁部33を持たない邪魔板30の場合の検討
図7には、床面から600mmの高さに設置された、両端に側壁部33を持たない奥行50mmの邪魔板30について、その幅を600、700、800mmと変更した際の気流の挙動を比較した結果を示す。その様子に大きな違いは認められず、吹出口10の幅以上の邪魔板30を設置すればよいことが確認できた。なお、本検討の幅800mmの条件を以降、邪魔板30の両端に側壁部33を持たない場合の基準ケースとする。
(2) 側壁部33を持った邪魔板30の場合の検討
図8には、床面から600mmの高さに設置された、両端に高さ50mmの側壁部33を持った奥行50mmの邪魔板30について、その幅を600、700、800mmと変更した際の気流の挙動を比較した結果を示す。側壁部33がない場合と同様、その様子に大きな違いは認められず、吹出口10の幅以上の邪魔板30を設置すればよいことが確認できた。なお、本検討の幅800mmの条件を以降、邪魔板30の両端に側壁部33を持たせた場合の基準ケースとする。
(3) 邪魔板30の奥行の影響;側壁部33を持たない邪魔板30の場合の検討
図9には、床面から600mmの高さに設置された、両端に側壁部33を持たない幅800mmの邪魔板30について、その奥行を30、40、50、60、70、80、100mmと変更した際の気流の挙動を比較した結果を示す。板の奥行が大きくなることでθも大きくなる様子が確認できた。板の奥行30~60mmまではθは奥行に大きく依存するが、60~100mmではθは増加するもののそれほど大きくは変わらず、今回の吹出口10形状に対しては奥行50~60mm程度が適切と考えられる。このような検討の結果に基づけば、邪魔板30の奥行は、吹出口10の奥行より長く、邪魔板30が執務の妨げとなることを避けるためには吹出口10の奥行の2倍より短いことが好ましい。
(4) 邪魔板30の奥行の影響;側壁部33を持った邪魔板30の場合の検討
図10には床面から600mmの高さに設置された、両端に高さ50mmの側壁部33を持った幅800mmの邪魔板30について、その奥行を30、40、50、60、70、80、100mmと変更した際の気流の挙動を比較した結果を示す。側壁部33がない場合と同様、板の奥行がθに及ぼす影響は大きい。奥行40mmのケース12は、ケース6と比較して側壁部33の有無の影響が如実に見て取れる。これについては(5)にてより詳細に検討した。一方、そのほかの奥行の場合は側壁部33の有無がθに及ぼす影響はほとんど認められなかった。
(5) 邪魔板30両端に設置した側壁部33の高さの影響の検討
図11には床面から600mmの高さに設置された、幅800mm、奥行40mmの邪魔板30について、その両端に側壁部33を持たない場合、また側壁部33を持ち、その高さを20、50、100mmと変更した際の気流の挙動を比較した結果を示す。ここで、奥行を40mmとしたのは、先の邪魔板30の奥行の検討において、側壁部33の有無が大きく影響した条件であったためである。図11より、側壁部33があることでθはより大きくなるが、側壁部33の高さには依存せず、高さ20mmもあれば十分であることが確認できる。
(6) 邪魔板30の設置高さの影響;側壁部33を持たない邪魔板30の場合の検討
図12には、両端に側壁部33を持たない幅800mm、奥行50mmの邪魔板30の設置高さを400、600、800mmと設置した場合における気流の挙動を比較した結果を示す。本発明の狙い通り、板の設置高さで気流の当たる身体部位が異なっていることが確認できる。なお、設置高さ800mmの場合においては執務者Mのモデルは直立を仮定した。
(7) 邪魔板30の設置高さの影響;側壁部33を持った邪魔板30の場合の検討
図13には、両端に高さ50mmの側壁部33を持った幅800mm、奥行50mmの邪魔板30の設置高さを400、600、800mmと設置した場合における気流の挙動を比較した結果を示す。側壁部33を持たない場合と同様、邪魔板30の設置高さで気流の当たる身体部位が異なっている。またそれぞれの設置高さにおける気流の挙動は、側壁部33の有無によらないことが確認できる。
次に、邪魔板30の形状や設置高さについては以下の通りの条件で固定し、吹出口10位置や吹出角度をパラメータとして変更した際の気流の挙動を検討する。
(8) 吹出口10とパーティション壁20の距離の影響の検討
図14には幅600mm、奥行30mmの吹出口10とタスク空間背面からの距離を0、10、20、50mmと変更し、真上に等温空気を吹出した際の気流の挙動を比較した結果を示す。吹出口10が背面から離れるにつれθが小さくなる傾向にあることが確認できる。ケース25などでは吹出された気流がコアンダ効果により背面に吸い寄せられている様子が見て取れるものの、基準ケースに比しθは小さい。
(9) 吹出口10からの吹出角度の影響の検討
先の(8)の検討の結果を受け、タスク空間と吹出口10が離れてもθを大きくとれることを期待し、吹出口10からパーティション壁20の壁面に気流を吹付けるように送風した際の気流の挙動を検討した。ここでのパラメータはその吹出角度(i)であり、吹出口10はパーティション壁20から50mm離れている。
図15に結果を示す。また、併せて側壁部33ありの基準ケースも示した。基準ケースとθが同程度となるのは(i)が30~45°の条件である。吹出口10とパーティション壁20の壁面との距離がある程度離れても、吹出角度を可変とすることで、本発明の機能に支障をきたさないことを確認した。
以上、本発明に係るパーソナル空調システム1は、吹出口10の鉛直上方に配され、パーティション壁20に対して取り付けられる邪魔板30を有しており、パーティション壁20に対する邪魔板30の取り付けた高さが可変であるので、このような本発明に係るパーソナル空調システム1によれば、吹出方向の調整を自由度高く行うことができ、執務者Mにとって快適な気流を当てるような調整を簡単に行うことができる。
また、本発明に係るパーソナル空調システム1によれば、邪魔板30はパーティション壁20に対して取り付けられるようになっているので、執務者Mが気流の調整を行う際には、タスク空間内の限られたスペースでも、窮屈な姿勢をとる必要がない。
また、本発明に係るパーソナル空調システム1によれば、パーティション壁20に対する邪魔板30の取り付け高さによって気流を調整でき、気流の方向を直感的に把握しやすい。
また、以上から、本発明に係るパーソナル空調システム1は、タスク空間のパーティション壁20の壁面近傍の床面に設けた吹出口10と、壁面への設置高さ(または角度)可変の邪魔板30によって、従来よりも自由度の高いパーソナル空調が実現できる。またその調整は直感的で簡便なものであり、操作性により優れたシステムを提供することができる。
以上のような本発明に係るパーソナル空調システム1について、実際にタスク空間5(個室ブース)の実寸大モックアップを製作し、その効果を検証した。
図16は本発明に係るパーソナル空調システム1におけるタスク空間5の実寸大モックアップの概要を説明する図である。また、図17は実寸大モックアップによる本発明の効果検証実験に用いた構成を説明する図である。図16、17においては要所の寸法が記されている。
図16及び図17に示す本発明に係るパーソナル空調システム1におけるタスク空間5の実寸大モックアップは、床60の下にチャンバー63を有しており、床下空気をクロスフローファン65で吹出す方式をとっている。図7のAにおいてオイルミストが導入され床下空気に混入される。
タスク空間5において、吹出口10は執務者Mの背後のパーティション壁20に沿うように床60に設けられている。クロスフローファン65によって床下空気は吹出口10からタスク空間5内へ、パーティション壁20の壁面に沿うように吹出される。その後、気流はパーティション壁20の壁面を沿って流れ、途中に壁面と垂直になるように設けられた邪魔板30に衝突することでタスク空間5内の執務者M(図16、17には不図示)方向へ向きを変えて流れたのち、執務者Mに供給される。
上記のようなタスク空間5(個室ブース)の実寸大モックアップを用いて、邪魔板30なしの比較例の場合、邪魔板30ありの本発明の場合における気流の挙動を比較した。
また、邪魔板30の高さHは、+50mm~+800mmまで50mmピッチで変更し、邪魔板30の取り付け高さHの影響を検討した。吹出口10の寸法は600mm×30mmで、邪魔板30の寸法は800mm×50mmまたは800×30mmとした。吹出口10からの吹出条件は等温吹出とし、風量は77m3/hとした。この際、吹出風速は吹出口10開口面で1.6m/s~2.4m/s程度であった。
効果検証実験では、チャンバー63内にトレーサーとしてAからオイルミストスモークが導入された。タスク空間5の外側に設けられた支持フレーム70にはミラー75が取り付けられており、ミラー75で反射されたシート状レーザー光(光源は不図示)により、エリアSが走査される。このようなレーザー光とハイスピードカメラ(不図示)によって可視化画像を取得し、PIV(Particle Image Velocimetry)を利用して気流ベクトルが求められた。これをPIV計測と称する。
PIV計測によって得られた風速ベクトルを示す結果を図18乃至図20に示す。各図の結果の一つには実際に執務者Mが座った場合に気流が当たる部位を示すために椅坐位のシルエットを載せている。
結果表示断面は図16、17のエリアSに示す位置である。いずれのパターンにおいても、吹出された気流はコアンダ効果によりタスク空間5の執務者M後方のパーティション壁20壁面に沿って流れた。さらに、邪魔板30がない場合にはそのままブース外へ流出した(図20)。奥行50mmの邪魔板30がある場合にはH=100mm~150mmでは執務者Mの脚部、200mm~250mmで腰、300mm~350mmで腰~背面、400mm~500mmで肩から頭部付近に気流が当たる風向となった(図18)。奥行30mmの邪魔板30がある場合には50mmの邪魔板30と比べて執務者M方向へ気流が曲がりにくく、より吹出口10に近い位置に邪魔板30を設置する必要があることが確認できた(図19)。以上の結果から、執務者M方向への気流の曲がりを確保しつつも、タスク空間5内部への板の突出を抑えてタスク空間5を広く使うためには、奥行50mmほどの板を使用することが適切と考えられる。
また、奥行50mmの邪魔板30について、その幅Wを200mm、 400mm、 600mm、 800mm、 1000mmの間で変更した結果が図20に示すものである。これより、吹出口10と同じ幅の600mm程度の幅Wを邪魔板30に持たせれば、邪魔板30衝突後の気流挙動に大きな影響はないことが確認できた。一方で、それ以下になると、邪魔板30に当たらずにタスク空間5のパーティション壁20壁面に沿って流れる気流の影響を受け、曲がりにくくなることで、本発明に係るパーソナル空調システム1の邪魔板30として適さないことが示された。また、邪魔板30の幅Wが800mm以上になると、邪魔板30の取付の作業性に難があることから、邪魔板30は最大でも800mm程度の幅Wが望ましいと考えられる。
以上をまとめると、タスク空間5の内部空間に干渉せずに、適量の風量を供給でき、風向を調整しやすい構成として、600mm×30mmの吹出口10に対し、奥行50mm程度、幅600mm~800mmの、邪魔板30を用いることが、本発明を実施するうえで適していると考えられる。
以上、タスク空間5(個室ブース)の実寸大モックアップを用いることによっても、タスク空間5におけるパーティション壁20壁面近傍の床面に設けた吹出口10と、当該壁面に設けた取付高さ(または角度)可変の邪魔板30によって、従来よりも自由度の高いパーソナル空調システム1が実現できることが確認できた。またその調整は直感的で簡便なものであり、操作性がより優れたパーソナル空調システム1であると言うことができる。
1・・・パーソナル空調システム
3・・・アンビエント空間
4・・・排気口
5・・・タスク空間
10・・・吹出口
20・・・パーティション壁
30・・・邪魔板
31・・・障壁部
33・・・側壁部
40・・・吹き抜け空間
50・・・デスク
53・・・パーソナルコンピューター
55・・・照明
60・・・床
63・・・チャンバー
65・・・クロスフローファン
70・・・支持フレーム
75・・・ミラー
M・・・執務者
A・・・オイルミスト導入箇所
S・・・エリア

Claims (2)

  1. 垂直に設置される壁によって囲まれた空間の空調を行う空調システムにおいて、
    前記壁に沿って延びる、温度調整された空気を吹き出す吹出口と、
    前記吹出口の鉛直上方において前記壁に取り付けられ、前記吹出口の延びる方向と、前記壁に対して垂直な方向と、へ前記空間の床に対向する面が延びる部材と、を有し、
    前記部材の前記空間の床に対向する面は、前記吹出口の長手方向の端部に、垂直方向に延びる側壁部が設けられており、
    前記側壁部が下方に延びることを特徴とする空調システム。
  2. 前記吹出口の短手方向において、前記部材の前記空間の床に対向する面は、前記吹出口より長く、前記吹出口の2倍の長さより短い
    ことを特徴とする請求項1に記載の空調システム。
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