JP7472185B2 - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、グリップヒーターを備える鞍乗り型車両において、ハーネスを左右にバランス良く配置でき、且つ、操舵機構の操舵の慣性を小さくできるようにすることを目的とする。
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両10の側面図である。
鞍乗り型車両10は、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持されるパワーユニット12と、前輪13を操舵自在に支持するフロントフォーク14と、後輪15を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える車両である。
鞍乗り型車両10は、乗員がシート17に跨るようにして着座する車両である。シート17は、車体フレーム11の後部の上方に設けられる。
シート17は、リアフレーム20に支持される。
後輪15は、スイングアーム16の後端部に設けられる車軸15aに支持される。
パワーユニット12は、内燃機関である。パワーユニット12は、クランクケース23と、往復運動するピストンを収容するシリンダー部24とを備える。シリンダー部24の排気ポートには、排気装置25が接続される。
パワーユニット12の出力は、パワーユニット12と後輪15とを接続する駆動力伝達部材によって後輪15に伝達される。
フロントフェンダー26は、フロントフォーク14に取り付けられる。リアフェンダー27及びステップ28は、シート17よりも下方に設けられる。燃料タンク29は、車体フレーム11に支持される。
パワーユニット12は、上記内燃機関とスイングアーム16とが一体に設けられたユニットスイングエンジンである。
フロントフレーム19は、ヘッドパイプ18から下方に延出するダウンフレーム19aと、ダウンフレーム19aの下部から後方に延びるロアフレーム19bとを備える。
フロントフォーク14は、ヘッドパイプ18の筒内に回動自在に支持されるステアリングシャフト30と、ステアリングシャフト30の下端に固定されるブリッジ31と、ブリッジ31に支持される左右一対のフォークチューブ32とを備える。車軸13aは、左右のフォークチューブ32の下端部に支持される。
車体カバー35の前部は、ヘッドパイプ18及びフロントフォーク14を前方から覆うフロントカバー36と、ヘッドパイプ18及びフロントフォーク14を後方から覆う後面カバー37と、ハンドル21を覆うハンドルカバー38とを備える。
鞍乗り型車両10は、バッテリー39を備える。
図1~図3を参照し、乗員によって左右に操舵される操舵機構40は、フロントフォーク14と、ハンドル21とを備える。操舵機構40は、ヘッドパイプ18によって左右に回動自在に支持される。
操舵機構40の回動中心軸40aは、ステアリングシャフト30の軸線に一致する。回動中心軸40aは、車両側面視で、ヘッドパイプ18と平行に後上がりに傾斜している。回動中心軸40aは、前輪13と同様に鞍乗り型車両10の車幅方向の中央部に位置する。
ハンドル軸部21aの下端部は、ステアリングシャフト30の上端部に固定される。ハンドル軸部21aは、ステアリングシャフト30の上端部から後上方に延びるパイプ状である。
ハンドル軸部21aは、回動中心軸40aと同軸の位置関係で配置される。ハンドル軸部21aは、ハンドル21の左右の中央部に位置する。操舵機構40が左右に回動する際、ハンドル21は、ハンドル軸部21aを中心に左右に回動する。
右側の外側延出部21cは、ハンドル軸部21aの上端部から右側の車幅方向外側且つ上方に延びるパイプ状である。
ハンドル21は、ハンドル軸部21a及び左右の外側延出部21b,21cによってY字状に形成される。
左側のグリップ41は、外側延出部21bの左端部に取り付けられる。右側のグリップ42は、外側延出部21bの右端部に取り付けられる。
第1操作部43は、外側延出部21b上において、グリップ41に隣接し、グリップ41の車幅方向内側に取り付けられる。
第2操作部44は、外側延出部21c上において、グリップ42に隣接し、グリップ42の車幅方向内側に取り付けられる。
第1操作部43には、例えば、灯火器及びメーター等の操作スイッチが設けられる。
第2操作部44には、例えば、パワーユニット12のスタートスイッチ及びキルスイッチ等が設けられる。
また、鞍乗り型車両10は、制御ユニット45をハンドル21に支持するステー50を備える。
一方のステー取付部48は、左側の外側延出部21bに設けられ、他方のステー取付部48は、右側の外側延出部21cに設けられる。
各ステー取付部48は、ハンドル21の後面から下方に後方に延出する下方延出部48aと、下方延出部48aの上端から後方に延出する後方延出部48bとを備える。
制御ユニット45には、バッテリー39からの電力が供給される。制御ユニット45は、グリップヒーター41a,42aに供給する電力を制御し、グリップヒーター41a,42aの温度を調整する。
また、制御ユニット45は、電圧監視システムを備える。この電圧監視システムは、バッテリー39の電圧を監視し、バッテリー39の電圧が所定値よりも低下した場合には、グリップヒーター41a,42aへの電力の供給を停止する。
図3~図5を参照し、ステー50は、ハンドル21の後面に後方から面するように配置される支持板部50aと、支持板部50aの上端部から後方に延出する左右一対の固定部50bとを備える。
各固定部50bの車幅方向外側の端部には、固定孔50cが設けられる。固定孔50cは、支持板部50aよりも車幅方向外側に位置する。
すなわち、ステー50は、ハンドル21の後方で車幅方向に延び、左側の外側延出部21bと右側の外側延出部21cとを接続する。ステー50は、ハンドル21の剛性を増加させる。
詳細には、制御ユニット45は、制御ユニット45の外周及び支持板部50aに巻き付けられるバンド部材52によって、ステー50に固定される。
詳細には、制御ユニット45は、左右方向において操舵機構40の回動中心軸40aに重なる位置に配置される。後面視では、制御ユニット45は、回動中心軸40aに後方から重なる。
制御ユニット45は、ハンドル軸部21aの上端部の真後ろに配置されており、ハンドル軸部21aの上端部、及び左右の外側延出部21b,21cの基端部に後方から重なる。
ハーネス46は、制御ユニット45から延出した先で、4系統に分岐する。詳細には、ハーネス46は、制御ユニット45を左側のグリップヒーター41aに接続する第1ハーネス61と、制御ユニット45を右側のグリップヒーター42aに接続する第2ハーネス62と、制御ユニット45を操作子47に接続する第3ハーネス63と、制御ユニット45をバッテリー39に接続する第4ハーネス64とに分岐する。
操作子47は、グリップ41の車幅方向内側の端部に隣接し、グリップ41に対し車幅方向内側に設けられる。操作子47は、グリップ42に一体に設けられても良い。
図3及び図6を参照し、第1ハーネス61は、制御ユニット45側から外側延出部21bに沿って車幅方向外側に延び、左側のグリップヒーター41aに接続される。
グリップ41の車幅方向内側の端部の下部には、ハーネス接続部41bが設けられる。第1ハーネス61は、ハーネス接続部41bに接続され、ハーネス接続部41bを介してグリップヒーター41aに接続される。
第1ハーネス61は、外側延出部21bの外周に巻き付けられる複数のバンド部材65によって、外側延出部21bに固定される。
制御ユニット側第1ハーネス61a、ヒーター側第1ハーネス61b、及び第1カプラー61cは、バンド部材65によって、外側延出部21bに固定される。
束ね部61dは、バンド部材65によって、外側延出部21bに固定される。束ね部61dの一部は、外側延出部21c側にも延びる。
詳細には、第3ハーネス63は、グリップ42のハーネス接続部41bに接続され、ハーネス接続部41bを介して操作子47に接続される。
第3ハーネス63は、複数のバンド部材65によって、第1ハーネス61と共に外側延出部21bに固定される。
制御ユニット側第3ハーネス63a、操作子側第3ハーネス63b、及び第3カプラー63cは、バンド部材65によって、外側延出部21bに固定される。
束ね部63dは、バンド部材65によって、外側延出部21bに固定される。束ね部63dの一部は、外側延出部21c側にも延びる。
グリップ42の車幅方向内側の端部の下部には、ハーネス接続部42bが設けられる。第2ハーネス62は、ハーネス接続部42bに接続され、ハーネス接続部42bを介してグリップヒーター42aに接続される。
第2ハーネス62は、外側延出部21cの外周に巻き付けられる複数のバンド部材66によって、外側延出部21cに固定される。
制御ユニット側第2ハーネス62a、ヒーター側第2ハーネス62b、及び上記第2カプラーは、バンド部材66によって、外側延出部21cに固定される。
第2操作部44から車幅方向内側に延出する操作部ハーネス44aは、下方延出部48aに係合する支持部材44bによって、右側のステー取付部48に固定される。
制御ユニット45が操舵機構40の車幅方向の中央部に配置されるため、制御ユニット45からグリップヒーター41aまでの距離と、制御ユニット45からグリップヒーター42aまでの距離とを均一化できる。このため、第1ハーネス61の長さと第2ハーネス62の長さとを均一化でき、左右の第1ハーネス61及び第2ハーネス62をバランス良く配置できる。
また、制御ユニット45、制御ユニット45からグリップヒーター41aまで延びる第1ハーネス61、及び、制御ユニット45からグリップヒーター42aまで延びる第2ハーネス62は、ハンドル21に固定され、ハンドル21と一体に左右に回動する。このため、ハンドル21が左右に回動する際に、第1ハーネス61及び第2ハーネス62の撓みが抑制され、第1ハーネス61及び第2ハーネス62にかかる負荷を低減できる。
図2、図5、及び図7を参照し、ハンドルカバー38は、ハンドル21を上方から覆う内側カバー70と、内側カバー70を上方から覆う外側カバー71と、内側カバー70を下方から覆う下側カバー72とを備える。ハンドルカバー38は、ハンドル21に取り付けられる。
内側カバー70は、外側延出部21b,21cを上方から覆う上壁部70aと、上壁部70aの前縁から下方に延出する前壁部70bと、上壁部70aの後縁から下方に延出する後壁部70cとを備える。
上壁部70aは、制御ユニット45を上方から覆う。前壁部70bは、制御ユニット45を前方から覆う。後壁部70cは、制御ユニット45を後方から覆う。
また、第1ハーネス61、第2ハーネス62、第3ハーネス63は、内側カバー70の内側に配索される。
外側カバー71は、平面視で、制御ユニット45に上方から重なる位置に配置され、制御ユニット45を上方から覆う。
すなわち、制御ユニット45は、内側カバー70及び外側カバー71によって構成される2層のカバーによって上方から覆われる。このため、制御ユニット45に雨等の水が付着することを、内側カバー70及び外側カバー71によって効果的に抑制できる。また、ハンドルカバー38によって制御ユニット45及びハーネス46を隠すことができ、鞍乗り型車両10の外観性が良い。
この構成によれば、制御ユニット45が操舵機構40の車幅方向の中央部に配置されるため、制御ユニット45から左右の各グリップヒーター41a,42aまでの距離を均等化できる。このため、制御ユニット45から左右の各グリップヒーター41a,42aへ延びるハーネス46を、左右にバランス良く配置できる。また、制御ユニット45が操舵機構40の車幅方向の中央部に取り付けられるため、制御ユニット45が操舵機構40の操舵の慣性に与える影響を小さくでき、操舵機構40の操舵の慣性を小さくできる。
この構成によれば、制御ユニット45から左右の各グリップヒーター41a,42aまでの距離を均等化でき、ハーネス46を左右にバランス良く配置できる。また、制御ユニット45が、車両後方から見て、操舵機構40の回動中心軸40aに重なる位置に配置されるため、制御ユニット45が操舵機構40の操舵の慣性に与える影響を小さくでき、操舵機構40の操舵の慣性を小さくできる。
この構成によれば、ハンドルカバー38によって制御ユニット45の防水性を向上できる。
この構成によれば、内側カバー70と外側カバー71とによる2層のカバーによって、制御ユニット45を上方側から保護でき、制御ユニット45の防水性を向上できる。
この構成によれば、制御ユニット45がハンドル21に取り付けられるため、制御ユニット45から左右の各グリップヒーター41a,42aまでの距離を短くでき、ハーネス46の長さを短くできる。
この構成によれば、ハンドル軸部21aの車両後方のスペースを利用して、制御ユニット45を車幅方向の中央部に配置できる。
この構成によれば、ステー50を左右の一方の外側延出部21b及び左右の他方の外側延出部21cに固定することで、左右の片方にステー50及び制御ユニット45の重量が偏ることを抑制できる。このため、ステー50及び制御ユニット45が操舵機構40の操舵の慣性に与える影響を小さくでき、操舵機構40の操舵の慣性を小さくできる。
この構成によれば、制御ユニット45とは別体の操作子47がグリップ41に隣接して配置されるため、制御ユニット45を車幅方向の中央部に設けた場合であっても、グリップ41を把持する乗員は、操作子47を介し制御ユニット45への操作を容易に入力できる。
上記実施の形態では、制御ユニット45は、車両後方から見て、ハンドル軸部21aに対し、車両後方から重なるように配置されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御ユニット45は、車両後方から見て、ハンドル軸部21aに対し、車両前方から重なるように配置されても良い。この構成によれば、ハンドル軸部21aの車両前方のスペースを利用して、制御ユニット45を車幅方向の中央部に配置できる。
また、上記実施の形態では、制御ユニット45は、ステー50を介して外側延出部21b,21cに固定されるが、これに限らず、制御ユニット45は、例えばハンドル軸部21aに固定されても良い。また、制御ユニット45は、例えば、フロントフォークの左右のフォークチューブを左右に接続するトップブリッジに固定され、車幅方向の中央部に配置されても良い。また、制御ユニット45は、例えば、左右に延びる一本のバーハンドルの左右の中央部に固定され、車幅方向の中央部に配置されても良い。
また、上記実施の形態では、鞍乗り型車両10として自動二輪車を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、前輪または後輪を2つ備える3輪の鞍乗り型車両、及び4輪以上を備える鞍乗り型車両に適用可能である。
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
この構成によれば、制御ユニットが操舵機構の車幅方向の中央部に配置されるため、制御ユニットから左右の各グリップヒーターまでの距離を均等化できる。このため、ハーネスを左右にバランス良く配置できる。また、制御ユニットが操舵機構の車幅方向の中央部に取り付けられるため、制御ユニットが操舵機構の操舵の慣性に与える影響を小さくでき、操舵機構の操舵の慣性を小さくできる。
この構成によれば、制御ユニットから左右の各グリップヒーターまでの距離を均等化でき、ハーネスを左右にバランス良く配置できる。また、制御ユニットが、車両後方から見て、回動中心軸に重なる位置に配置されるため、制御ユニットが操舵機構の操舵の慣性に与える影響を小さくでき、操舵機構の操舵の慣性を小さくできる。
この構成によれば、ハンドルカバーによって制御ユニットの防水性を向上できる。
この構成によれば、内側カバーと外側カバーとによる2層のカバーによって、制御ユニットを上方側から保護でき、制御ユニットの防水性を向上できる。
この構成によれば、制御ユニットがハンドルに取り付けられるため、制御ユニットから左右の各グリップヒーターまでの距離を短くでき、ハーネスの長さを短くできる。
この構成によれば、ハンドル軸部の車両前方または車両後方のスペースを利用して、制御ユニットを車幅方向の中央部に配置できる。
この構成によれば、ステーを左右の一方の外側延出部及び左右の他方の外側延出部に固定することで、左右の片方にステー及び制御ユニットの重量が偏ることを抑制できる。このため、ステー及び制御ユニットが操舵機構の操舵の慣性に与える影響を小さくでき、操舵機構の操舵の慣性を小さくできる。
11 車体フレーム
13 前輪
14 フロントフォーク
21 ハンドル
21a ハンドル軸部
21b,21c 外側延出部
38 ハンドルカバー
40 操舵機構
40a 回動中心軸
41,42 グリップ
41a,42a グリップヒーター
45 制御ユニット
46 ハーネス
50 ステー
70 内側カバー
71 外側カバー
Claims (5)
- 車体フレーム(11)によって左右に回動自在に支持される操舵機構(40)と、前記操舵機構(40)を上方から覆うハンドルカバー(38)と、前記操舵機構(40)の左右の両端部に設けられ、乗員によって把持される左右一対のグリップ(41,42)と、左右の前記グリップ(41,42)に設けられるグリップヒーター(41a,42a)と、前記グリップヒーター(41a,42a)に供給する電力を制御する制御ユニット(45)と、前記グリップヒーター(41,42)を前記制御ユニット(45)に接続するハーネス(46)とを備える鞍乗り型車両において、
前記ハンドルカバー(38)は、前記制御ユニット(45)を上方から覆う内側カバー(70)と、前記内側カバー(70)を上方から覆う外側カバー(71)とを備え、
前記制御ユニット(45)は、前記操舵機構(40)の車幅方向の中央部に配置されることを特徴とする鞍乗り型車両。 - 前記制御ユニット(45)は、車両後方から見た場合に、前記制御ユニット(45)が前記操舵機構(40)の回動中心軸(40a)に重なる位置に配置されることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
- 前記操舵機構(40)は、前輪(13)を支持するとともに前記車体フレーム(11)によって回動自在に支持されるフロントフォーク(14)と、前記フロントフォーク(14)の上部に取り付けられるハンドル(21)とを備え、前記グリップ(41,42)は、前記ハンドル(21)に取り付けられ、
前記制御ユニット(45)は前記ハンドル(21)に取り付けられることを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗り型車両。 - 前記ハンドル(21)は、車幅方向の中央部で上下方向に延びるハンドル軸部(21a)と、前記ハンドル軸部(21a)から車幅方向外側に延出する左右一対の外側延出部(21b,21c)とを備え、
左右の前記グリップ(41,42)は、前記外側延出部(21b,21c)に取り付けられ、
前記制御ユニット(45)は、前記ハンドル軸部(21a)に対し、車両後方または車両前方から重なるように配置されることを特徴とする請求項3記載の鞍乗り型車両。 - 前記制御ユニット(45)は、ステー(50)を介して前記ハンドル(21)に取り付けられ、
前記ステー(50)は、左右の一方の前記外側延出部(21b)及び左右の他方の前記外側延出部(21c)に固定されることを特徴とする請求項4記載の鞍乗り型車両。
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