JP7469637B2 - 複合材料の解析を行うシミュレーション方法、シミュレーション装置及びシミュレーション用プログラム - Google Patents

複合材料の解析を行うシミュレーション方法、シミュレーション装置及びシミュレーション用プログラム Download PDF

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Description

本発明は、複合材料の解析を行うシミュレーション方法、シミュレーション装置及びシミュレーション用プログラムに関する。
低燃費タイヤの開発を加速させるためには、変形に伴うエネルギーロス(ヒステリシスロス)とナノ構造の関係を明らかにすることが一助になる。低燃費タイヤに用いられるフィラー充填ゴムは、フィラーと複数のポリマーの複合材料であるため、力学応答に対するポリマー種毎の寄与を算出することが材料開発への一助となる。例えば、分子動力学を用いたシミュレーションにより、これを算出することができる。
特開2007-107968号公報 特開2017-075873号公報
特許文献1には、分子動力学計算を用いて高分子材料のヒステレシスロスについてのシミュレーションを行う方法が記載されている。特に、高分子材料の分子構造の負荷変形時における結合鎖の角度と除荷変形時における結合鎖の角度との差に基づいて、エネルギーロスの発生個所を特定する。
特許文献2には、分子動力学計算を用いて、フィラー及びポリマーを含むフィラー充填ゴムモデルを周期的に加振して変形させるシミュレーション演算を実行するステップと、変形によってフィラー充填ゴムを構成する全粒子に生じる応力を時点毎に算出するステップと、全粒子に生じる応力を、フィラーを構成する粒子とポリマーを構成する粒子に区分けし、フィラーに生じる応力の合計値とポリマーに生じる応力の合計値とを時点毎に算出するステップと、各時点の応力の合計値及び歪みに基づき応力-歪空間に描くことができるフィラーによるヒステリシスループ及びポリマーによるヒステリシスループの面積をヒステリシスロスとして算出するステップと、を含む、フィラー充填ゴムのヒステリシスロスを算出する方法が記載されている。
しかし、特許文献2では、ポリマー粒子とフィラー粒子の間に作用する非結合ポテンシャル・エネルギーを応力の計算に含めているが、各ポリマー粒子に働く応力を計算する時点で、既に、ポリマー粒子とフィラー粒子の間に作用する非結合ポテンシャル・エネルギーに起因する応力を他の原因による応力(ポリマー粒子同士の間の非結合エネルギーに起因する応力、ポリマー粒子同士の間の結合エネルギーに起因する応力)と合算してしまっているので、これらの区別をつけることができない。
特許文献2では、更に、ポリマー粒子とフィラー粒子の間に作用する非結合ポテンシャル・エネルギーに起因する応力を計算に含めているが、各フィラー粒子に生じる応力を計算する時点で、既に、ポリマー粒子とフィラー粒子の間に作用する非結合ポテンシャル・エネルギーに起因する応力を他の原因による応力(フィラー粒子同士の内部拘束による応力)と合算してしまっているので、これらの区別をつけることができない。
特許文献2の発明のように、ポリマー粒子とフィラー粒子の間に作用する非結合ポテンシャル・エネルギーに起因する応力を、他の原因による応力と区別することができないと、これらの応力の値を知ることができない。また、ポリマー粒子又はフィラー粒子を変更した場合に、これらの応力がそれぞれどの程度変化したのかを知ることができない。
特許文献2では、更に、各種の応力を各ポリマー粒子毎に集約してから、各ポリマー粒子に働く応力を全ポリマー粒子について加算することによりポリマー全体についての応力を算出し、同様に、各種の応力を各フィラー粒子毎に集約してから、各フィラー粒子に働く応力を全フィラー粒子について加算することによりフィラー全体についての応力を算出している。このような算出をした場合、エネルギーの種類ごとの分析、粒子間距離ごとの分析などの細かい分析をすることができない。
本発明は、分子動力学法を用いて複合材料の解析を行う際に、複合材料のモデル内の粒子間のポテンシャル・エネルギーの種類毎に物理特性の値(例えば、応力)を算出することができるシミュレーション方法、シミュレーション装置及びシミュレーション用プログラムを提供することを目的とする。
より具体的な目的は、シミュレーション方法、シミュレーション装置及びシミュレーション用プログラムにおいて、ポリマー粒子などの第1物質とフィラー粒子などの第2物質の間に作用する非結合ポテンシャルに起因する応力を他の原因による応力と区別することを可能にすることであり、また、複合材料に含まれるポリマーなどの第1物質の各々の粒子とフィラーなどの第2物質の各々の粒子にはたらく応力を種類ごとに分析したり集約したりすることを可能にすることである。
本発明によれば、
コンピュータが、分子動力学法により複合材料の解析を行うシミュレーション方法であって、
前記複合材料を複数の異なる種類の粒子を複数個用いてモデル化した前記複合材料の解析用モデルを作成するステップと、
前記解析用モデルに伸長、圧縮及びせん断の少なくとも何れか1つの変形をさせるように、前記解析用モデルに入力を与えたときの前記解析用モデルの応答解析をするステップと、
前記応答解析の結果から、前記粒子のうち少なくとも2つの粒子の間で作用する力に基づいて得られる所定の物理特性の値を、前記少なくとも2つの粒子の種類の組み合わせごとに区分けして算出する算出ステップと、
を有することを特徴とするシミュレーション方法が提供される。
また、本発明によれば、
分子動力学法により複合材料の解析を行うシミュレーション装置であって、
前記複合材料を複数の異なる種類の粒子を複数個用いてモデル化した前記複合材料の解析用モデルを作成する手段と、
前記解析用モデルに伸長、圧縮及びせん断の少なくとも何れか1つの変形をさせるように、前記解析用モデルに入力を与えたときの前記解析用モデルの応答解析をする手段と、
前記応答解析の結果から、前記粒子のうち少なくとも2つの粒子の間で作用する力に基づいて得られる所定の物理特性の値を、前記少なくとも2つの粒子の種類の組み合わせごとに区分けして算出する算出手段と、
を備えることを特徴とするシミュレーション装置が提供される。
更に、本発明によれば、
コンピュータに、上記のシミュレーション方法を実行させるためのシミュレーション用プログラムが提供される。
本発明によれば、分子動力学法を用いて複合材料の解析を行う際に、複合材料のモデル内の粒子間のポテンシャル・エネルギーの種類毎に物理特性の値(例えば、応力)を算出することができる。より具体的には、ポリマー粒子などの第1物質とフィラー粒子などの第2物質の間に作用する非結合ポテンシャルに起因する応力を他の原因による応力と区別することが可能になる。また、複合材料に含まれるポリマーなどの第1物質の各々の粒子とフィラーなどの第2物質の各々の粒子にはたらく応力を種類ごとに分析したり集約したりすることが可能になる。
本発明の実施の形態によるシミュレーション方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態で扱う解析用モデルを示す概念的斜視図である。 主鎖及び架橋鎖を説明するための図である。 (a)は、ボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーを説明するための概念図であり、(b)は、ベンディング・ポテンシャル・エネルギーを説明するための概念図であり、(c)は、トーション・ポテンシャル・エネルギーを説明するための概念図であり、(d)は、レナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーを説明するための概念図である。 フィラー粒子間のレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーなどの非結合ポテンシャル・エネルギーを説明するための概念図である。 ポリマー粒子間のレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーなどの非結合ポテンシャル・エネルギーを説明するための概念図である。 図6に示した非結合ポテンシャル・エネルギー以外の非結合ポテンシャル・エネルギーがあることを示す図である。 フィラー粒子とポリマー粒子との間のレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーなどの非結合ポテンシャル・エネルギーを説明するための概念図である。 他のフィラー粒子とポリマー粒子との間のレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーなどの非結合ポテンシャル・エネルギーを説明するための概念図である。 更に他のフィラー粒子とポリマー粒子との間のレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーなどの非結合ポテンシャル・エネルギーを説明するための概念図である。 更に他のフィラー粒子とポリマー粒子との間のレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーなどの非結合ポテンシャル・エネルギーを説明するための概念図である。 図2に示した解析用モデルの応答解析を説明するための概念的斜視図である。 物理特性の算出方法1を説明するためのフローチャート(1/10)である。 物理特性の算出方法1を説明するためのフローチャート(2/10)である。 物理特性の算出方法1を説明するためのフローチャート(3/10)である。 物理特性の算出方法1を説明するためのフローチャート(4/10)である。 物理特性の算出方法1を説明するためのフローチャート(5/10)である。 物理特性の算出方法1を説明するためのフローチャート(6/10)である。 物理特性の算出方法1を説明するためのフローチャート(7/10)である。 物理特性の算出方法1を説明するためのフローチャート(8/10)である。 物理特性の算出方法1を説明するためのフローチャート(9/10)である。 物理特性の算出方法1を説明するためのフローチャート(10/10)である。 物理特性の算出方法2を説明するためのフローチャート(1/10)である。 物理特性の算出方法2を説明するためのフローチャート(2/10)である。 物理特性の算出方法2を説明するためのフローチャート(3/10)である。 物理特性の算出方法2を説明するためのフローチャート(4/10)である。 物理特性の算出方法2を説明するためのフローチャート(5/10)である。 物理特性の算出方法2を説明するためのフローチャート(6/10)である。 物理特性の算出方法2を説明するためのフローチャート(7/10)である。 物理特性の算出方法2を説明するためのフローチャート(8/10)である。 物理特性の算出方法2を説明するためのフローチャート(9/10)である。 物理特性の算出方法2を説明するためのフローチャート(10/10)である。 本発明の実施の形態による解析装置の概念的ブロック図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、一実施形態の複合材料のシミュレーション方法のフローの一例を示す図である。図1に示すシミュレーション方法は、コンピュータを用いた分子動力学法により複合材料を解析するものである。すなわち、シミュレーション方法は、コンピュータによって実行される。
この方法は、複数の異なった種類の複合材料についてそれぞれ適用する。
この複合材料のシミュレーション方法は、図1に示すように、複合材料の解析用モデルを作成するステップ(S101)と、解析用モデルに入力を与えて分子動力学による応答解析を行うステップ(S103)と、応答解析に基づいて、所定の物理特性の値を算出するステップ(S105)と、を主に備える。
ここで、シミュレーションの対象となる複合材料は、第1物質と第2物質を含む。第1物質は、例えば、ポリマー(高分子材料)である。第2物質は、例えば素材原料に添加するフィラー粒子である。複合材料は、第1物質を母材として、第2物質が母材中に分布している構造を有することが好ましい。以下の説明では、第1物質はポリマーであり、第2物質はフィラー粒子である場合を例にして説明する。なお、複合材料の形態は、以下に説明する形態の他に、複合材料として、複数種のポリマーで構成されるブレンドポリマーの形態を挙げることができる。例えば、海島構造、ラメラ構造をとるブレンドポリマーが挙げられる。海島構造の場合、第1物質を海島構造の海部分を構成する高分子とし、第2物質を海島構造の島部分を構成する高分子として扱うとよい。ブレンドポリマーは、結晶性高分子と非結晶性高分子からなるものであってもよい。この場合、第1物質を非結晶性高分子とし、第2物質を結晶性高分子として扱うとよい。さらに、複合材料の形態は、熱可塑性エラストマーのように一分子中にハードセグメントの相とソフトセグメントの相を有する形態も挙げることができる。この場合、第1物質をソフトセグメントの相とし、第2物質をハードセグメントの相として扱うことができる。
複合材料の種類は、それを構成する分子の種類、各分子の単位体積当たりの数の他に、フィラーの分散状態などの微細構造(モルフォロジー)などによっても異なってくる。フィラーの分散状態などの微細構造(モルフォロジー)は、フィラー半径、フィラー濃度、フィラー分散半径、境界層厚さ、共分散、累積粒度分布などの因子によって定義することができる。
(解析用モデルの作成)
複合材料の解析用モデルを作成するステップS101では、複合材料中の第1物質をモデル化した第1物質モデル、及び複合材料中の第2物質をモデル化した第2物質モデルを含む複合材料の解析用モデルを作成する。このためには、例えば、特開2017-220137号公報に記載されている方法を用いる。
図2は、複合材料の解析用モデルの一例を示す概念図である。図2に示すように、解析用モデル1は、例えば、略立方体形状の仮想空間であるモデル作成領域内に粒子モデルが作成される。モデル作成領域は、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸方向に広がる三次元空間となっている。解析用モデル1は、複数のフィラー粒子11aでモデル化された4つのフィラーモデル11A,11B,11C,11Dと、複数のポリマー粒子21a及び主鎖21bがモデル化された4つのポリマーモデル21と、を含んでいる。フィラーモデル11A,11B,11C,11Dは、総称して説明する場合フィラーモデル11として説明する。なお、図2に示す例では、解析用モデル1が、4つのフィラーモデル11A,11B,11C,11Dがモデル化された例について説明するが、モデル化されるフィラーモデルの数に制限はない。解析用モデル1は、3つ以下のフィラーモデル11を含んでいてもよく、4つを超えるフィラーモデル11を含んでいてもよい。また、図2においては、4つのポリマーモデル21のみを示しているが、解析用モデル1では、複数のポリマーモデル21がモデル作成領域内の全域に亘って存在している。図2に示す例では、モデル作成領域が、略直方体形状の仮想空間である例について示しているが、球状、楕円状、直方体形状、多面体形状など任意の形状であってもよい。
フィラーモデル11は、複数のフィラー粒子11aがそれぞれ略球状体に集合した状態でモデル化されている。また、フィラーモデル11は、互いに所定間隔をあけて離れた状態で配置されている。なお、複数のフィラーモデル11同士は、相互に凝集した状態で外縁部が共有結合鎖(不図示)によって相互に連結されていてもよい。
モデル化されるフィラー粒子としては、例えば、カーボンブラック粒子、シリカ粒子、及びアルミナ粒子などが含まれる。フィラー粒子11aは、フィラーを構成する複数の原子が集合したものをモデル化したものである。また、複数のフィラー粒子11aが集合したフィラー粒子群がフィラーモデル11A,11B,11C,11Dとして形成される。
フィラー粒子11aは、複数のフィラー粒子11a間の結合鎖(不図示)によって相対位置が特定されている。この結合鎖は、フィラー粒子11a間の結合距離である平衡長とばね定数とが定義されたバネとしての機能を有し、各フィラー粒子11a間を拘束している。結合鎖は、フィラー粒子11aの相対位置及び捻り、曲げなどによって力が発生するポテンシャル・エネルギーが定義されている。フィラーモデル11は、フィラーを分子動力学で取り扱うためのフィラー粒子11aの質量、体積、直径及び初期座標、集合した個数などを含む数値データで定義される。フィラーモデル11の数値データは、コンピュータに入力される。
ポリマーモデル21にモデル化されるポリマーとしては、例えば、ゴム、樹脂、及びエラストマーなどが含まれる。ポリマー粒子21aは、複数のポリマーの原子が集合したものをモデル化したものである。また、複数のポリマー粒子21aが結合鎖により連結したポリマー粒子群がポリマーモデル21として形成される。すなわち、ポリマーモデル21は、複数のポリマー原子及び複数のポリマー原子の集合体であるポリマー粒子21a同士が互いに結合鎖で連結した構成を有し、このポリマーモデル21が、モデル作成領域内に所定密度で配置されている。結合鎖は、例えば平衡長とばね定数とが定義されたバネとしての機能を有する。ポリマー粒子21aは、複数のポリマー粒子21a間の主鎖21bによって結合されて相対位置が特定されている。この主鎖21bは、ポリマー粒子21a間の結合距離である平衡長とばね定数とが定義されたバネとしての機能を有し、各ポリマー粒子21a間を拘束している。主鎖21bは、ポリマー粒子21aの相対位置及び捻り、曲げなどによって力が発生するポテンシャル・エネルギーが定義されている。
図3は、実施形態で用いる架橋結合の一例を示す図である。図3に示すように、3つのポリマーモデル21がポリマー粒子21a間で架橋結合鎖21cが与えられる。この架橋結合鎖21cは、ポリマー粒子21a間の結合距離である平衡長とばね定数とが定義されたバネとしての機能を有し、各ポリマー粒子21a間を拘束している。
また、ポリマーには、フィラーとの親和性を高める変性剤が必要に応じて配合される。この変性剤としては、例えば、水酸基、カルボニル基、及び原子団の官能基などが含まれる。この変性剤に対応して、ポリマーモデル21とフィラーモデル11の間に変性剤粒子をモデル化した粒子モデルと、結合鎖(不図示)が配置される。
このポリマーモデル21は、ポリマーを分子動力学で取り扱うための数値データ(ポリマー粒子21aの質量、体積、直径及び初期座標などを含む)で定義される。ポリマーモデル21の数値データは、パラメータとしてコンピュータに入力される。
なお、解析用モデル1では、フィラー粒子11a同士の粒子間、ポリマー粒子21a同士の粒子間、フィラー粒子11aとポリマー粒子21aの粒子間の少なくとも一部の粒子間に相互作用を与える。場合によっては、全ての粒子間に力のやり取りを行う相互作用力を与えてもよい。フィラー粒子11aとポリマー粒子21a間の相互作用として、化学的な相互作用(引力)を与えてもよく、物理的な相互作用(ボンド結合)を与えてもよい。
図示される主鎖21b及び架橋結合鎖21cを含む結合鎖、さらには、結合鎖で連結されていない粒子モデル間にも後述するポテンシャル・エネルギーが与えられることで、相互作用が付与される。これにより、相互作用により定まる力が粒子モデル間に働く。
複合材料においてポリマーは複数の種類のポリマーで構成されてもよく、この場合、解析用モデル1における異なる種類のポリマー粒子21a間に相互作用を与えてよい。この場合のフィラー粒子11aとポリマー粒子21aの間の相互作用は、種類の異なるポリマー粒子21a間で異ならせてよい。
粒子間の相互作用は、例えば、下記式に示すレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーで規定される。このとき、下記式のσ、εの値が適宜調整される。ポテンシャル・エネルギーを計算する上限距離(カットオフ距離)を大きくすることで、遠距離まで働く力を調整することができる。なお、フィラー粒子11a間の相互作用及びポリマー粒子21a間の相互作用が一定値になるまで順次、フィラー粒子11a間の相互作用及びポリマー粒子21a間の相互作用のパラメータを小さくすることが好ましい。レナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーのσ、εを大きな値から徐々に本来の値に近づけることにより、分子を不自然な状態に導かない穏やかな速度で粒子の接近を行うことができる。また、カットオフ距離も徐々に小さくすることにより、適正な範囲で相互作用における力を調整できる。
U(r)=4・ε・[(σ/r)-(σ/r)
(p,qは、正数)
上記のポテンシャル・エネルギーは、図4に示すような分子構造モデルにまとめることができる。
図4を参照すると、分子構造モデルは、3次元構造を有し、図4(a)~(c)に示されるように、各粒子21a、21a間の結合(「ボンド」とも呼ばれる。)の長さである結合長r、同図(b)に示されるように、隣り合う3つの粒子3がなす角度である結合角θ、同図(c)に示されるように、隣り合う4つの粒子3において、隣り合う3つの粒子が作る第1の平面P1と、その中の2つの粒子が共通する3つの粒子3が作る第2の平面P2のなす角度であるトーションφが定義される。
分子動力学計算では、分子構造モデルに対して、図4(a)で示される連結された粒子3、3間のボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギー(略記号:Ebs)、同図(b)の連続する3つ粒子3で構成されるベンディング・ポテンシャル・エネルギー(略記号:Ebe)、同図(c)のトーション・ポテンシャル・エネルギー(略記号Eto)及び図3(d)で示されるように、互いに連結されていない粒子間のレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギー(略記号:Evw)の相互作用が考慮される。
ボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギー、ベンディング・ポテンシャル・エネルギー及びトーション・ポテンシャル・エネルギーは、何れも結合ポテンシャル・エネルギーである。
図5においては、破線によりフィラー粒子11A、11B、11C及び11D相互間の非結合ポテンシャル・エネルギーであるレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーを示している。
図6においては、破線によりポリマー粒子21a相互間の非結合ポテンシャル・エネルギーであるレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーを示している。図6は、略図で有り、実際には,図7に示すように、各ポリマー粒子21a相互間に非結合ポテンシャル・エネルギーが生じている。
図8においては、破線によりフィラー粒子11Aと各ポリマー粒子21aとの間の非結合ポテンシャル・エネルギーであるレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーを示している。
図9においては、破線によりフィラー粒子11Cと各ポリマー粒子21aとの間の非結合ポテンシャル・エネルギーであるレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーを示している。
図10においては、破線によりフィラー粒子11Dと各ポリマー粒子21aとの間の非結合ポテンシャル・エネルギーであるレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーを示している。
図11においては、破線によりフィラー粒子11Bと各ポリマー粒子21aとの間の非結合ポテンシャル・エネルギーであるレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーを示している。
(応答解析)
解析用モデル1に入力を与えて行う分子動力学による応答解析は、解析用モデル1の応答が時間の経過に伴ってどのように変化するかを調べる解析であり、例えば、解析用モデル1を伸張させるように入力を与えたときの解析用モデル1の挙動に関する応答解析である。図12は、一実施形態で行う解析用モデル1の応答解析の一例を説明する図である。
図12に示す応答解析の例では、解析用モデル1に上下方向に伸張するように入力を与え、このときに、ポリマーモデル21及びフィラーモデル11A~11Dがどのように時間とともに移動していくかを時系列に解析をする。
ポリマーモデル21及びフィラーモデル11A~11Dのそれぞれは、質量を有するので、解析用モデル1に与えられた入力に起因する力を受けることにより、運動方程式に従って移動を開始するが、このとき、相互作用や結合鎖により移動の制限を受けながら移動をする。このような移動を、所定の時間間隔毎に計算することにより、時間的な応答を計算する。
例えば、解析用モデル1に与える入力として、変位を階段状に与えた後、伸張させた状態を維持させた場合、ポリマーモデル21及びフィラーモデル11A~11Dは時間とともに移動し、やがてある一定の状態で略静止する。変位を階段状に与える場合、大きな伸張速度が与えられる。変位は、解析用モデル1に、例えば200%、300%の伸びを実現するように与える。したがって、応答解析では、ポリマーモデル21及びフィラーモデル11A~11Dのそれぞれが移動を介してから略静止するまでの過程を時系列で解析することができる。このときのポリマーモデル21及びフィラーモデル11A~11Dに作用する力を計算することにより解析用モデル1に発生する応力を計算することができる。また、解析用モデル1に蓄積されるエネルギーを計算することができる。さらに、与えた入力に対応する入力エネルギーから蓄積されるエネルギーを差し引くことにより、解析用モデル1から散逸するエネルギー量を計算することもできる。すなわち、応力の緩和過程を計算することができる。
このような伸張は、解析用モデル1に一軸変形、あるいは二軸変形の伸長を含む。
また、上記実施形態の応答解析は、伸張変形の解析であるが、伸張変形の解析に制限されない。例えば、応答解析ができる限りは、解析用モデル1を圧縮あるいはせん断させる解析であってもよい。また、伸張、圧縮、及びせん断の少なくともいずれか2つの変形を組み合わせた解析であってもよい。
また、応答解析は、階段状の入力を与えて、緩和応答を解析する形態に制限されず、三角波や正弦波の入力(変位)を与えて、そのときの解析用モデル1の振動を解析(繰返し伸長解析)する形態であってもよい。三角波や正弦波の入力(変位)の場合、入力する振動数は、複合材料が用いられる構造体の実際の使用状況における振動数に対応するように設定されることが好ましく、また、入力のレベルも、複合材料が用いられる構造体の実際の使用状況における最大歪み、亀裂先端での歪み、あるいはみかけ歪みに対応するように設定されることが、実際の構造体の実際の使用状況における複合材料の破断特性を評価する点から好ましい。
なお、応答解析において、ポリマーモデル21の結合鎖21b及びや架橋結合鎖21cを含む結合鎖は、破断する値として予め定めた閾値以上の長さになる場合もある。粒子間距離が閾値以上の長さになる場合、一実施形態によれば、粒子間距離が閾値未満の場合に対して粒子間結合の結合エネルギー及び結合力の少なくとも一方を低下させる破断結合演算用関数を、結合鎖に適用してもよい。また、上記破断結合演算用関数を適用しなくてもよい。
算出された物理特性を構成する離散的なデータの間を補間するデータを生成するようにしてもよい。例えば、離散的な時間応答が算出されたならば、それらの間を補間するデータを生成してもよいし、離散的なヒステレシスカーブが算出されたならば、それらの間を補間するデータを生成してもよい。
(物理特性の値の算出)
(算出方法1)
まず、図13を参照すると、第1物質と第2の物質の間に働くレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yab,vwの値をゼロに初期化する(ステップS201)。
次に、第1物質の粒子と第2物質の粒子の間の全てのレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーについてステップS203SからステップS203Eの間にあるステップS205及びステップS207を繰り返す。
ステップS205では、現在の繰り返しにおけるレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーに対応する物理特性の値yab,vw(rr)を求める。ここで、rrは、現在の繰り返しで選択された第1粒子と第2粒子との間の距離である。
ステップS207では、ステップS205で求めた物理特性の値yab,vw(rr)の値を物理特性の値Yab,vwの値に加算する。
次に、第1物質と第2物質の間に働くレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーYab,vwを第1物質及び第2物質との相互作用による物理特性の値Yabとする(ステップS209)。
次に、図14を参照すると、2つの第1物質の間に働くボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,bsの値、3つの第1の物質に関するベンディング・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,beの値、4つの第1物質に関するトーション・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,toの値及び連結されていない2つの第1物質の間に働くレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,vwの値をゼロに初期化する(ステップS211)。
次に、第1物質に含まれる全てのボンディング・ストレット・ポテンシャル・エネルギーについてステップS213SからステップS213Eの間にあるステップS215及びステップS217を繰り返す。
ステップS215では、現在の繰り返しにおけるボンディング・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーに対応する物理特性の値yaa,bs(r)を求める。ここで、rは、現在の繰り返しで選択された2つの第1粒子の間の距離である。
ステップS217では、ステップS215で求めた物理特性の値yaa,bs(r)の値を物理特性の値Yaa,bsの値に加算する。
次に、図15を参照すると、第1物質に含まれる全てのベンディング・ポテンシャル・エネルギーについてステップS219SからステップS219Eの間にあるステップS221及びステップS223を繰り返す。
ステップS221では、現在の繰り返しにおけるベンディング・ポテンシャル・エネルギーに対応する物理特性の値yaa,be(θ)を求める。ここで、θは、現在の繰り返しで選択された3つの第1粒子がなす角度である。
ステップS223では、ステップS221で求めた物理特性の値yaa,be(θ)の値を物理特性の値Yaa,beの値に加算する。
次に、図16を参照すると、第1物質に含まれる全てのトーション・ポテンシャル・エネルギーについてステップS225SからステップS225Eの間にあるステップS227及びステップS229を繰り返す。
ステップS225では、現在の繰り返しにおけるトーション・ポテンシャル・エネルギーに対応する物理特性の値yaa,to(φ)を求める。ここで、φは、現在の繰り返しで選択された4つの第1粒子がなす平面間角度である。
ステップS229では、ステップS225で求めた物理特性の値yaa,to(φ)の値を物理特性の値Yaa,toの値に加算する。
次に、図17を参照すると、第1物質に含まれる全てのレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーについてステップS231SからステップS231Eの間にあるステップS233及びステップS235を繰り返す。
ステップS233では、現在の繰り返しにおけるレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーに対応する物理特性の値yaa,vw(rr)を求める。ここで、rrは、現在の繰り返しで選択された結合していない2つの第1粒子の間の距離である。
ステップS235では、ステップS233で求めた物理特性の値yaa,vw(rr)の値を物理特性の値Yaa,vwの値に加算する。
次に、2つの第1物質の間に働くボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,bsの値、3つの第1の物質に関するベンディング・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,beの値、4つの第1物質に関するトーション・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,toの値及び連結されていない2つの第1物質の間に働くレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,vwの値を足し合わせて、第1物質による物理特性の値Yaaを得る。
次に、図18を参照すると、2つの第2物質の間に働くボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,vwの値、3つの第1の物質に関するベンディング・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,vwの値、4つの第1物質に関するトーション・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,vwの値及び連結されていない2つの第1物質の間に働くレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,vwの値をゼロに初期化する(ステップS239)。
次に、第2物質に含まれる全てのボンディング・ストレット・ポテンシャル・エネルギーについてステップS241SからステップS241Eの間にあるステップS243及びステップS245を繰り返す。
ステップS243では、現在の繰り返しにおけるボンディング・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーに対応する物理特性の値ybb,bs(r)を求める。ここで、rは、現在の繰り返しで選択された2つの第2粒子の間の距離である。
ステップS245では、ステップS243で求めた物理特性の値ybb,bs(r)の値を物理特性の値Ybb,bsの値に加算する。
次に、図19を参照すると、第2物質に含まれる全てのベンディング・ポテンシャル・エネルギーについてステップS247SからステップS247Eの間にあるステップS249及びステップS251を繰り返す。
ステップS249では、現在の繰り返しにおけるベンディング・ポテンシャル・エネルギーに対応する物理特性の値ybb,be(θ)を求める。ここで、θは、現在の繰り返しで選択された3つの第2粒子がなす角度である。
ステップS251では、ステップS249で求めた物理特性の値ybb,be(θ)の値を物理特性の値Ybb,beの値に加算する。
次に、図20を参照すると、第2物質に含まれる全てのトーション・ポテンシャル・エネルギーについてステップS253SからステップS253Eの間にあるステップS255及びステップS257を繰り返す。
ステップS255では、現在の繰り返しにおけるトーション・ポテンシャル・エネルギーに対応する物理特性の値ybb,to(φ)を求める。ここで、φは、現在の繰り返しで選択された4つの第1粒子がなす平面間角度である。
ステップS257では、ステップS255で求めた物理特性の値ybb,to(φ)の値を物理特性の値Ybb,toの値に加算する。
次に、図21を参照すると、第2物質に含まれる全てのレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーについてステップS259SからステップS259Eの間にあるステップS261及びステップS263を繰り返す。
ステップS261では、現在の繰り返しにおけるレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーに対応する物理特性の値ybb,vw(rr)を求める。ここで、rrは、現在の繰り返しで選択された結合していない2つの第2粒子の間の距離である。
ステップS263では、ステップS261で求めた物理特性の値ybb,vw(rr)の値を物理特性の値Ybb,vwの値に加算する。
次に、2つの第2物質の間に働くボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,vwの値、3つの第1の物質に関するベンディング・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,vwの値、4つの第1物質に関するトーション・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,vwの値及び連結されていない2つの第1物質の間に働くレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,vwの値を足し合わせて、第2物質による物理特性の値Ybbを得る。
次に、図22を参照すると、第1物質と第2物質の相互作用による物理特性の値Yab、第1物質による物理特性の値Yaa及び第2物質による物理特性の値Ybbを合わせて物理特性の合計値Yを得る(ステップS267)。
次に、第1物質と第2物質の相互作用による物理特性の値Yab、第1物質による物理特性の値Yaa及び第2物質による物理特性の値Ybbをそれぞれ物理特性の合計値Yで除することにより、物理特性の合計値に対する第1物質と第2物質の相互作用による寄与率Rab、第1物質による寄与度Raa及び第2物質による寄与度Rbbを求める(ステップS269)。
上記の方法では、
・第1物質と第2の物質の間に働くレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yab,vwの値、
・2つの第1物質の間に働くボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,bsの値、
・3つの第1の物質に関するベンディング・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,beの値、
・4つの第1物質に関するトーション・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,toの値、
・連結されていない2つの第1物質の間に働くレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,vwの値、
・2つの第2物質の間に働くボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,bsの値、
・3つの第1の物質に関するベンディング・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,beの値、
・4つの第1物質に関するトーション・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,toの値、
・連結されていない2つの第1物質の間に働くレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,vwの値、
を求めたが、2以上の任意の組み合わせで、物理特性の値を加算して、その組み合わせに対応した物理特性の値としてもよい。
2つの粒子の間で作用する相互作用ポテンシャル・エネルギーの種類に基づいて物理特性の値を区分けして算出するので、相互ポテンシャル・エネルギーの種類ごとに物理特性の値を算出することが可能になる。これにより、どの2つの粒子によって得られる相互ポテンシャル・エネルギーが、応力等の物理特性の値に効果的に寄与するか、を評価することができる。
(算出方法2)
まず、図23を参照すると、第1物質と第2の物質の間に働くレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yab,vw(rri)の値をゼロに初期化する(ステップS301)。ここで、rriは、第1物質の粒子と第2物質の粒子との間の距離の範囲毎につけた番号である。
次に、第1物質の粒子と第2物質の粒子の間の全てのレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーについてステップS303SからステップS303Eの間にあるステップS305、S307及びステップS309を繰り返す。
ステップS305では、現在の繰り返しにおけるレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーに対応する物理特性の値yab,vw(rr)を求める。ここで、rrは、現在の繰り返しで選択された第1粒子と第2粒子との間の距離である。
ステップS307では、現在の繰り返しにおけるレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーに対応する距離rrが属する距離範囲の番号rriを求める。例えば距離rrが10番目の距離範囲に属しているのであれば、rriは10である。
ステップS309では、ステップS307で求めた物理特性の値yab,vw(rr)の値を物理特性の値Yab,vw(rri)の値に加算する。
次に、第1物質と第2物質の間に働くレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーYab,vwをすべての距離範囲について集計した値を第1物質及び第2物質との相互作用による物理特性の値Yabとする(ステップS310)。
次に、図24を参照すると、2つの第1物質の間に働くボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,bs(ri)の値、3つの第1の物質に関するベンディング・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,be(θi)の値、4つの第1物質に関するトーション・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,to(φi)の値及び連結されていない2つの第1物質の間に働くレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,vw(rri)の値をゼロに初期化する(ステップS311)。ここで、riは、2粒子間の各距離範囲につけられた番号、θiは、ベンディングに関する各角度範囲につけられた番号、φiは、トーションに関する各角度範囲につけられた番号、rriは、非結合の2粒子間の各距離範囲につけられた番号である。
次に、第1物質に含まれる全てのボンディング・ストレット・ポテンシャル・エネルギーについてステップS313SからステップS313Eの間にあるステップS315、ステップS317及びステップS319を繰り返す。
ステップS315では、現在の繰り返しにおけるボンディング・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーに対応する物理特性の値yaa,bs(r)を求める。ここで、rは、現在の繰り返しで選択された2つの第1粒子の間の距離である。
ステップS317では、現在の繰り返しで選択された2つの第1粒子の間の距離に対応する距離番号riを求める。
ステップS319では、ステップS315で求めた物理特性の値yaa,bs(r)の値を物理特性の値Yaa,bs(ri)の値に加算する。
次に、図25を参照すると、第1物質に含まれる全てのベンディング・ポテンシャル・エネルギーについてステップS321SからステップS321Eの間にあるステップS323、ステップS325及びステップS327を繰り返す。
ステップS323では、現在の繰り返しにおけるベンディング・ポテンシャル・エネルギーに対応する物理特性の値yaa,be(θ)を求める。ここで、θは、現在の繰り返しで選択された3つの第1粒子がなす角度である。
ステップS325では、現在の繰り返しで選択された3つの第1粒子がなすベンディング角度が属するベンディング角度範囲の番号θiを求める。
ステップS327では、ステップS323で求めた物理特性の値yaa,be(θ)の値を物理特性の値Yaa,be(θi)の値に加算する。
次に、図26を参照すると、第1物質に含まれる全てのトーション・ポテンシャル・エネルギーについてステップS329SからステップS329Eの間にあるステップS331、ステップS333及びステップS325を繰り返す。
ステップS331では、現在の繰り返しにおけるトーション・ポテンシャル・エネルギーに対応する物理特性の値yaa,to(φ)を求める。ここで、φは、現在の繰り返しで選択された4つの第1粒子がなす平面間角度である。
ステップS333では、現在の繰り返しで選択された4つの第1粒子がなす平面間角度が属する平面間角度範囲の番号φiを求める。
ステップS335は、ステップS331で求めた物理特性の値yaa,to(φ)の値を物理特性の値Yaa,to(φi)の値に加算する。
次に、図27を参照すると、第1物質に含まれる全てのレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーについてステップS337SからステップS337Eの間にあるステップS339、ステップS341及びステップS343を繰り返す。
ステップS339では、現在の繰り返しにおけるレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーに対応する物理特性の値yaa,vw(rr)を求める。ここで、rrは、現在の繰り返しで選択された結合していない2つの第1粒子の間の距離である。
ステップS341では、現在の繰り返しで選択された結合していない2つの第1粒子の間の距離が属する距離範囲の番号rriを求める。
ステップS343では、ステップS339で求めた物理特性の値yaa,vw(rr)の値を物理特性の値Yaa,vw(rri)の値に加算する。
次に、2つの第1物質の間に働くボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,bs(ri)の値を距離範囲riについて集計した値、3つの第1の物質に関するベンディング・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,be(θi)の値を角度範囲θiについて集計した値、4つの第1物質に関するトーション・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,to(φi)の値を角度範囲φiについて集計した値及び連結されていない2つの第1物質の間に働くレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,vw(rri)の値を距離範囲rriについて集計した値を足し合わせて、第1物質による物理特性の値Yaaを得る(ステップS345)。
次に、図28を参照すると、2つの第2物質の間に働くボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,bs(ri)の値、3つの第1の物質に関するベンディング・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,be(θi)の値、4つの第2物質に関するトーション・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,to(φi)の値及び連結されていない2つの第2物質の間に働くレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,vw(rri)の値をゼロに初期化する(ステップS347)。ここで、riは、2粒子間の各距離範囲につけられた番号、θiは、ベンディングに関する各角度範囲につけられた番号、φiは、トーションに関する各角度範囲につけられた番号、rriは、非結合の2粒子間の各距離範囲につけられた番号である。
次に、第2物質に含まれる全てのボンディング・ストレット・ポテンシャル・エネルギーについてステップS349SからステップS349Eの間にあるステップS351、ステップS353及びステップS355を繰り返す。
ステップS351では、現在の繰り返しにおけるボンディング・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーに対応する物理特性の値ybb,bs(r)を求める。ここで、rは、現在の繰り返しで選択された2つの第1粒子の間の距離である。
ステップS353では、現在の繰り返しで選択された2つの第1粒子の間の距離に対応する距離番号riを求める。
ステップS355では、ステップS351で求めた物理特性の値ybb,bs(r)の値を物理特性の値Ybb,bs(ri)の値に加算する。
次に、図29を参照すると、第2物質に含まれる全てのベンディング・ポテンシャル・エネルギーについてステップS357SからステップS357Eの間にあるステップS359、ステップS361及びステップS363を繰り返す。
ステップS359では、現在の繰り返しにおけるベンディング・ポテンシャル・エネルギーに対応する物理特性の値ybb,be(θ)を求める。ここで、θは、現在の繰り返しで選択された3つの第1粒子がなす角度である。
ステップS361では、現在の繰り返しで選択された3つの第1粒子がなすベンディング角度が属するベンディング角度範囲の番号θiを求める。
ステップS363では、ステップS359で求めた物理特性の値ybb,be(θ)の値を物理特性の値Ybb,be(θi)の値に加算する。
次に、図30を参照すると、第2物質に含まれる全てのトーション・ポテンシャル・エネルギーについてステップS365SからステップS365Eの間にあるステップS367、ステップS369及びステップS371を繰り返す。
ステップS367では、現在の繰り返しにおけるトーション・ポテンシャル・エネルギーに対応する物理特性の値ybb,to(φ)を求める。ここで、φは、現在の繰り返しで選択された4つの第1粒子がなす平面間角度である。
ステップS369では、現在の繰り返しで選択された4つの第1粒子がなす平面間角度が属する平面間角度範囲の番号φiを求める。
ステップS371は、ステップS367で求めた物理特性の値ybb,to(φ)の値を物理特性の値Ybb,to(φi)の値に加算する。
次に、図31を参照すると、第2物質に含まれる全てのレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーについてステップS373SからステップS373Eの間にあるステップS375、ステップS377及びステップS379を繰り返す。
ステップS375では、現在の繰り返しにおけるレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーに対応する物理特性の値ybb,vw(rr)を求める。ここで、rrは、現在の繰り返しで選択された結合していない2つの第1粒子の間の距離である。
ステップS377では、現在の繰り返しで選択された結合していない2つの第1粒子の間の距離が属する距離範囲の番号rriを求める。
ステップS379では、ステップS375で求めた物理特性の値ybb,vw(rr)の値を物理特性の値Ybb,vw(rri)の値に加算する。
次に、2つの第2物質の間に働くボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,bs(ri)の値を距離範囲riについて集計した値、3つの第1の物質に関するベンディング・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,be(θi)の値を角度範囲θiについて集計した値、4つの第2物質に関するトーション・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,to(φi)の値を角度範囲φiについて集計した値及び連結されていない2つの第2物質の間に働くレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,vw(rri)の値を距離範囲rriについて集計した値を足し合わせて、第2物質による物理特性の値Ybbを得る。
次に、図32を参照すると、第1物質と第2物質の相互作用による物理特性の値Yab、第1物質による物理特性の値Yaa及び第2物質による物理特性の値Ybbを合わせて物理特性の合計値Yを得る(ステップS283)。
次に、第1物質と第2物質の相互作用による物理特性の値Yab、第1物質による物理特性の値Yaa及び第2物質による物理特性の値Ybbをそれぞれ物理特性の合計値Yで除することにより、物理特性の合計値に対する第1物質と第2物質の相互作用による寄与率Rab、第1物質による寄与度Raa及び第2物質による寄与度Rbbを求める(ステップS385)。
上記の方法では、
・第1物質と第2の物質の間に働くレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yab,vwの値、
・2つの第1物質の間に働くボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,bsの値、
・3つの第1の物質に関するベンディング・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,beの値、
・4つの第1物質に関するトーション・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,toの値、
・連結されていない2つの第1物質の間に働くレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,vwの値、
・2つの第2物質の間に働くボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,bsの値、
・3つの第1の物質に関するベンディング・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,beの値、
・4つの第1物質に関するトーション・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,toの値、
・連結されていない2つの第1物質の間に働くレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Ybb,vwの値、
を求めたが、2以上の任意の組み合わせで、物理特性の値を加算して、その組み合わせに対応した物理特性の値としてもよい。
(算出方法3)
2つの第1物質の間に働くボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーは、主鎖に属する2つの第1物質の間のボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギー、架橋鎖に属する2つの第1物質の間のボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギー及び主鎖に属する1つの第1物質及び架橋鎖に属する1つの第1物質の間のボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーに分類することができる。
また、3つの第1の物質に関するベンディング・ポテンシャル・エネルギーは、主鎖に属する3つの第1物質の間のベンディング・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギー、架橋鎖に属する3つの第1物質の間のベンディング・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギー、主鎖に属する2つの第1物質及び架橋鎖に属する1つの第1物質の間のベンディング・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーに分類することができる。
さらに、4つの第1の物質に関するトーション・ポテンシャル・エネルギーは、主鎖に属する4つの第1物質の間のトーション・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギー、架橋鎖に属する4つの第1物質の間のトーション・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギー、主鎖に属する3つの第1物質及び架橋鎖に属する1つの第1物質の間のトーション・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギー及び主鎖に属する2つの第1物質及び架橋鎖に属する2つの第1物質の間のトーション・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーに分類することができる。
そこで、算出方法3では、このような分類に従ってエネルギーを集計する。
ボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値Yaa,bs(ri)を例にとると、Yaa,bs(ri)は、主鎖に属する2つの第1物質の間のボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値
Yaa,bs,mm(ri)
架橋鎖に属する2つの第1物質の間のボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値
Yaa,bs,bb(ri)
主鎖に属する1つの第1物質及び架橋鎖に属する1つの第1物質の間のボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値
Yaa,bs,mb(ri)
に分類することができる。そこで、ステップS311では、これらをゼロにリセットし、ステップS319では、これらの分類に従って加算を行う。つまり、現在の繰り返しにおいて、主鎖に属する2つの第1物質の間のボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値を扱っているのであれば、
Yaa,bs,mm(ri)
=Yaa,bs,mm(ri)
+yaa,bs(r)
を実行し、架橋鎖に属する2つの第1物質の間のボンド・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値を扱っているのであれば、
Yaa,bs,bb(ri)
=Yaa,bs,bb(ri)
+yaa,bs(r)
を実行し、架橋鎖に属する2つの第1物質の間のトーション・ストレッチ・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値を扱っているであれば、
Yaa,bs,mb(ri)
=Yaa,bs,mb(ri)
+yaa,bs(r)
を実行する。
ベンディング・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値、トーション・ポテンシャル・エネルギーによる物理特性の値についても同様に扱う。
粒子のうち少なくとも2つの粒子の間で作用する力に基づいて得られる所定の物理特性の値を、結合鎖を主鎖と架橋鎖に分類することができる分子に関しては、少なくとも2つの粒子の間で作用する力に関与する粒子の数を2とするならば、2つの粒子を繋ぐ結合鎖が主鎖であるのか架橋鎖であるかにも基づいても物理特性の値を区分けして算出し、少なくとも2つの粒子の間で作用する力に関与する粒子の数を3以上とするならば、3以上の粒子を繋ぐ結合鎖が主鎖であるのか架橋鎖であるかの組合せにも基づいても物理特性の値を区分けして算出する。従って、結合鎖の種類や結合鎖の種類の組み合わせ毎に物理特性の値を算出することが可能になる。これにより、どの結合鎖にある粒子によって得られる相互ポテンシャル・エネルギーが、応力等の物理特性の値に効果的に寄与するか、を評価することができる。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、第1物質と第2物質を含む複合材料を扱った。第2の実施の形態では、第1物質のみを含む複合材料又は第2物質のみを含む複合材料を扱う。
第1物質のみを含む複合材料を扱う場合には、Ybbに関連した計算、Yabに関連した計算を省略する。
第2物質のみを含む複合材料を扱う場合には、Yaaに関連した計算、Yabに関連した計算を省略する。
[第3の実施の形態]
第1の実施の形態の算出方法3では、結合鎖を主鎖と架橋鎖に分類することができる場合に、それに対応して物理特性の値を細かく集計する方法の説明をしたが、結合鎖を主鎖と側鎖に分類することができる場合にも、それに対応して物理特性の値を細かく集計するようにしてもよい。
粒子のうち少なくとも2つの粒子の間で作用する力に基づいて得られる所定の物理特性の値を、結合鎖を主鎖と側鎖に分類することができる分子に関しては、少なくとも2つの粒子の間で作用する力に関与する粒子の数を2とするならば、2つの粒子を繋ぐ結合鎖が主鎖であるのか側鎖であるかにも基づいても区分けして物理特性の値を算出し、少なくとも2つの粒子の間で作用する力に関与する粒子の数を3以上とするならば、3以上の粒子を繋ぐ結合鎖が主鎖であるのか側鎖であるかの組合せにも基づいても区分けして物理特性の値を算出する。従って、結合鎖の種類や結合鎖の種類の組み合わせ毎に物理特性の値を算出することが可能になる。これにより、どの結合鎖にある粒子によって得られるポテンシャル・エネルギーが、応力等の物理特性の値に効果的に寄与するか、を評価することができる。
[第4の実施の形態]
同一種類の粒子が複数に属するモデルでは、各相に対して物理特性の値を計算してもよい。そして、複数の相の間で物理特性の値を比較するようにしてもよい。
また、異なった相の相互間の物理特性の値を計算してもよい。
例えば、フィラーを構成する分子が、フィラーのみの相と、フィラーとポリマーが混じった相に存在するならば、フィラーを構成する粒子が複数の相に属することになる。
本実施形態によれば、異なる相に属する同一の種類の粒子を異なった種類の粒子として扱うので、同一の種類の粒子であっても、粒子が属する相毎に物理特性の値を算出することが可能になる。これにより、どの相にある粒子によって得られるポテンシャル・エネルギーが、応力等の物理特性の値に効果的に寄与するか、を評価することができる。
[第5の実施の形態]
異なった条件で複合材料を作成するならば、異なった構成の複合材料が得られるが、それぞれの条件で作成した複合材料に対して得られる物理特性の値を異なった条件間で比較するようにしてもよい。
なお、同一の条件で作成した複数のモデルから得られる物理特性の平均値を、同一の条件で作成した複合材料に対する物理特性としてもよい。
[第6の実施の形態]
(解析装置)
図33は、一実施形態の複合材料の解析方法を行う解析装置の機能ブロック図である。
図33に示すように、解析装置50は、処理部52と記憶部54とを含むコンピュータで構成される。解析装置50は、マウスやキーボードを備えた入力操作系53及びモニタ55と電気的に接続されている。入力操作系53は、複合材料の解析用モデルの作成対象であるポリマー及びフィラーに関する情報、応答解析の種類、応答解析における境界条件、及び解析用モデル1に与える入力の条件等のデータを設定する。これらの入力したデータは、処理部52又は記憶部54へ送られる。
処理部52は、例えば、中央演算装置(CPU:Central Processing Unit)及びメモリを含む。処理部52は、各種処理を実行する際にコンピュータプログラムを記憶部54から読み込んで起動させる。コンピュータプログラムは、各種処理を実行する。例えば、処理部52は、記憶部54から予め記憶された各種処理に関するデータを必要に応じて適宜メモリ上の自身に割り当てられた領域に展開し、展開したデータに基づいて複合材料の解析用モデル1の作成、及び解析用モデル1を用いた複合材料の応答解析に関する各種処理を実行する。
処理部52は、モデル作成部52aと、条件設定部52bと、解析部52cと、評価部52dと、を含む。
モデル作成部52aは、予め記憶部54に記憶されたデータ及び入力された各種条件に基づいて、分子動力学法に適した解析用モデル1を作成する。図2に示すようなフィラー及びポリマーなどの複合材料をモデル化した解析用モデル1を作成する場合、モデル作成部52aは、フィラー及びポリマーの分子数、分子量、分子鎖長、分子鎖数、分岐、形状、大きさ、及び作成する解析用モデル1に含まれる分子数である目標分子数などの構成要素の配置、設定及び計算ステップ数などのモデルの設定を行う。また、モデル作成部52aは、フィラー粒子11a間、ポリマー粒子21a間及びフィラー・ポリマー粒子の水素結合、分子間力などの相互作用などの各種計算パラメータの初期条件の設定を行う。また、モデル作成部52aは、必要に応じて図3に示す架橋結合鎖21c等を作成する。
フィラー粒子11a間の相互作用及びポリマー粒子21a間の相互作用を含む粒子間の相互作用を調整する計算パラメータとしては、上述したレナード・ジョーンズ・ポテンシャル・エネルギーの場合、σ、εの値が設定される。
条件設定部52bは、伸張解析、振動解析、せん断解析などの応答解析に用いる各種条件を設定する。条件は、例えば、伸張解析の場合、解析用モデル1の伸び率や一軸伸張、二軸伸張、及び伸張速度等の条件を含む。
解析部52cは、条件設定部52bによって設定された解析条件に基づいて解析用モデル1の数値解析を実行する。また、解析部52cは、モデル作成部52aによって作成された複合材料の解析用モデル1を用いて分子動力学法による数値解析を実行して物理量を取得する。ここでは、解析部52cは、数値解析として、伸張解析、せん断解析などの変形解析や振動解析を実行する。また、解析部52cは、数値解析の結果として得られるポリマー粒子21a及びフィラー粒子11における変位などの値又は得られた値に所定の演算処理を実行した歪み、解析用モデル1に蓄積されたエネルギーの蓄積量、解析用モデル1から散逸したエネルギーの散逸量などの物理量を算出する。
また、解析部52cは、数値解析の結果から得られる運動変位及び公称応力を演算して得られる公称歪みなどの各種物理量を取得してもよい。これにより、解析時間毎に変化する解析用モデル全体のポリマー分子の結合長及びポリマー粒子速度、架橋点間と自由末端の速度又は結合長、配向などの物理量などの解析用モデル全体の状態変化を表す数値と歪みとの関係などを求めることができる。また、解析時間毎に変化するポリマー粒子21aの結合長及びポリマー粒子21aの移動速度などの状態変化を表す数値と圧力又は解析時間との関係などを求めてもよい。さらに、解析時間毎に変化するポリマー粒子21aの結合長及びポリマー粒子21aの速度などの状態変化を表す数値と温度又は解析時間との関係などを求めてもよい。これにより、ポリマー粒子21aの局所的な分子状態の変化のより詳細な解析が可能となる。
解析部52cは、解析した複合材料の解析結果を記憶部54に記憶させる。
評価部52dは、解析部52cの数値解積(応答解析)で得られる解析用モデル1から散逸するエネルギーの散逸の程度に関する情報に基づいて、複合材料の破断特性を評価する。破断特性の評価方法は、上述したとおりである。
記憶部54は、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ及びCD-ROMなどの読み出しのみが可能な記録媒体である不揮発性のメモリ、並びに、RAM(Random Access Memory)のような読み出し及び書き込みが可能な記録媒体である揮発性のメモリが適宜組み合わせられる。
記憶部54には、入力操作系53を介して解析対象となる複合材料の解析用モデルを作成するためのデータ、例えば、カーボンブラック、シリカ、及びアルミナなどのフィラーのデータ、ゴム、樹脂、及びエラストマーなどのポリマーのデータなどが記憶されている。また、記憶部54には、複合材料の解析方法を実現するためのコンピュータプログラムなどが記憶されている。このコンピュータプログラムは、コンピュータ又はコンピュータシステムに既に記録されているコンピュータプログラムとの組み合わせによって、本実施の形態に係る複合材料の解析方法を実現できるものであってもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)及び周辺機器などのハードウェアを含むものとする。
モニタ55は、例えば、液晶表示装置等の表示用デバイスである。モニタ55は、上述した数値解積(応答解析)を実行するための条件及び解析用モデル1に与える入力を設定するための設定画面が表示され、また、解析部52cにおける解析途中あるいは解析終了時の解析用モデル1の状態を表示し、さらに、評価部52で求めた破断特性の評価を表示する。なお、記憶部54は、データベースサーバなどの他の装置内にあってもよい。例えば、解析装置50は、入力操作系53及びモニタ55を備えた端末装置から通信により処理部52及び記憶部54にアクセスするものであってもよい。
このように、コンピュータプログラムは、複合材料の解析方法をコンピュータに実行させることができる。
なお、上記の解析装置は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組合わせにより実現することができる。また、上記の解析装置により行なわれるシミュレーション方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらに組合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
ブレンドポリマーにおいて、系の応力に対する界面の寄与を算出した。ここで、界面の寄与は、例えば第1の実施の形態においてステップS269で算出するRabに相当するものである。
歪率5%においては、界面の寄与率は3%であり、歪率10%においては、界面の寄与率は10%であり、歪率50%においては、界面の寄与率は70%であった。ここで、歪率は、例えば、伸びにおける歪率である。
この数値より、界面における異なった分子相互間のポテンシャル・エネルギーに起因した物理特性の値を計算に含めることにより計算の精度を高めることができること、そして、特に、歪率が大きい場合にそれが顕著であることが理解できる。
本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の種々の形で実施することができる。そのため、前述した各実施形態は単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるべきではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更はすべて本発明の範囲内のものである。
本発明は、複合材料のシミュレーションに利用することができる。
1 解析用モデル
11,11A,11B,11C,11D フィラーモデル
11a フィラー粒子
21,21A,21B,21C ポリマーモデル
21a ポリマー粒子
21b 結合鎖
21c 架橋結合鎖
50 解析装置
51 入出力装置
52 処理部
52a モデル作成部
52b 条件設定部
52c 解析部
52d 評価部
53 入力操作系
54 記憶部
55 モニタ

Claims (14)

  1. コンピュータが、分子動力学法により複合材料の解析を行うシミュレーション方法であって、
    前記複合材料を複数の異なる種類の粒子を複数個用いてモデル化した前記複合材料の解析用モデルを作成するステップと、
    前記解析用モデルに伸長、圧縮及びせん断の少なくとも何れか1つの変形をさせるように、前記解析用モデルに入力を与えたときの前記解析用モデルの応答解析をするステップと、
    前記応答解析の結果から、前記粒子のうち少なくとも2つの粒子の間で作用する力に基づいて得られる所定の物理特性の値を、前記少なくとも2つの粒子の種類の組み合わせごとに区分けして算出する算出ステップと、
    を有することを特徴とするシミュレーション方法。
  2. 前記複合材料は、第1物質と第2物質とを少なくとも含み、
    前記解析用モデルは、前記複合材料中の前記第1物質を第1粒子でモデル化した第1物質モデル及び前記複合材料中の第2物質を第2粒子でモデル化した第2物質モデルを含み、
    前記算出ステップでは、前記第1粒子と前記第2粒子は、異なった種類の粒子として扱われる、
    請求項1に記載のシミュレーション方法。
  3. 前記少なくとも2つの粒子の種類の組合せにおける2つの粒子の種類の組合せは、前記第1粒子と前記第1粒子の組合せ、前記第2粒子と前記第2粒子の組合せ及び前記第1粒子と前記第2粒子の組合せを含む、
    請求項2に記載のシミュレーション方法。
  4. 前記算出ステップでは、前記粒子のうち前記少なくとも2つの粒子の間で作用する力に基づいて得られる所定の物理特性の値を、更に、前記少なくとも2つの粒子の間で作用する相互作用ポテンシャル・エネルギーの種類にも基づいても区分けして算出する、
    請求項1から3の何れか1項に記載のシミュレーション方法。
  5. 前記相互作用ポテンシャル・エネルギーは、結合ポテンシャル・エネルギーと非結合ポテンシャル・エネルギーを含む、
    請求項4に記載のシミュレーション方法。
  6. 少なくとも1種類の粒子は、複数の異なる相に属し、
    異なる相に属する同一の種類の粒子を異なった種類の粒子として扱う、
    請求項1から5の何れか1項に記載のシミュレーション方法。
  7. 前記算出するステップでは、前記物理特性の値を、粒子間の配置を示すパラメータの範囲毎に分類して算出する、
    請求項1から6の何れか1項に記載のシミュレーション方法。
  8. 何れかの前記分類に基づいて別々に算出した前記物理特性の値をその分類における2以上の項目間で合算して、その2以上の項目に対する前記物理特性の値として算出するステップを更に有する、
    請求項7に記載のシミュレーション方法。
  9. 相互に異なった微細構造を有する複数種類の前記複合材料をシミュレーションの対象にし、
    個々の前記複合材料の微細構造は1以上のパラメータにより表され、
    前記複数種類の複合材料に対して算出した前記所定の物理特性の値を、各々の前記複合材料の微細構造を表すパラメータの数値範囲又は2以上のパラメータの数値範囲の組合せ毎に分類するステップを更に有する、
    請求項1から8の何れか1項に記載のシミュレーション方法。
  10. 前記複合材料全体についての前記所定の物理特性の値に対する寄与率を、相互作用を相互間に持つ一対の粒子を構成する一方の粒子の種類と他方の粒子の種類の組合せ毎に算出するステップを有する、
    請求項1から9の何れか1項に記載のシミュレーション方法。
  11. 算出した前記所定の物理特性は、離散的なものであり、
    算出された前記所定の物理特性を構成する離散的なデータの間を補間するデータを生成するステップを更に有する、
    請求項1から10の何れか1項に記載のシミュレーション方法。
  12. 相互に異なった複数の条件によりそれぞれ生成した複数の複合材料に対応する解析用モデルから前記所定の物理特性の値を算出し、
    相互に異なった複数の条件の間で、前記所定の物理特性の値を比較する、
    請求項1から11の何れか1項に記載のシミュレーション方法。
  13. 分子動力学法により複合材料の解析を行うシミュレーション装置であって、
    前記複合材料を複数の異なる種類の粒子を複数個用いてモデル化した前記複合材料の解析用モデルを作成する手段と、
    前記解析用モデルに伸長、圧縮及びせん断の少なくとも何れか1つの変形をさせるように、前記解析用モデルに入力を与えたときの前記解析用モデルの応答解析をする手段と、
    前記応答解析の結果から、前記粒子のうち少なくとも2つの粒子の間で作用する力に基づいて得られる所定の物理特性の値を、前記少なくとも2つの粒子の種類の組み合わせごとに区分けして算出する算出手段と、
    を備えることを特徴とするシミュレーション装置。
  14. コンピュータに、請求項1から12の何れか1項に記載のシミュレーション方法を実行させるためのシミュレーション用プログラム。
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