JP7465036B1 - 除塵装置 - Google Patents

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康男 清水
宏晃 清水
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【課題】小型化および省エネルギー化を図りつつ、ワークの除塵を確実に行うことができる除塵装置を提供する。【解決手段】ケーシング10と、ケーシング10内に回転軸周りに回転自在に支持された除塵ロール20と、除塵ロール20を回転駆動する駆動源とを備え、ワークWの表面に付着した粉塵を除去する除塵装置1であって、除塵ロール20の表面には、回転軸に沿ってロール溝22が形成され、ケーシング10は、除塵ロール20を収容する収容部11と、収容部11をワークWの表面に向けて開口する開口部12とを備え、除塵ロール20の回転に伴う随伴気流を、開口部12を介してワークWの表面に吹き付けることにより、ワークWの表面から粉塵を脱離する。【選択図】図2

Description

本発明は、除塵装置に関する。
電子基板や光学用フィルム等のワークの歩留まりを向上させるため、ワークの表面に付着している粉塵を除去する除塵装置が広く用いられている。除塵装置は、接触式と非接触式の2種類があり、除塵対象が電子基板や光学フィルム等の場合には、微細な傷による製品歩留まりの低下を抑制するため、非接触式の除塵装置が一般に使用される。
従来の非接触式の除塵装置として、送風機で送り込んだ空気を噴出ノズルからワーク表面に吹き付けることで粉塵を浮き上がらせて、吸引ノズルより吸い込む構成が知られている。目視が可能な0.1mm程度の大きさを有する粉塵の除塵を目的とする場合には、このような構成の除塵装置で実用上は十分である。
しかし、電子基板や光学フィルム等のワークに対しては、近年の高性能化や微細表面化に伴い、より微細な粉塵の除去が求められている。粉塵の粒子が微細になるほど表面積も小さくなるため、粉塵を移動吸引するための動的圧力を大きくする必要が生じるが、大きさが極めて小さい(例えば、0.005mm以下)微小粉塵については、大型の送風機を使用して動的圧力を高めても十分な除塵効率が得られず、製品の歩留まり低下を改善しきれていないのが現状である。
この原因として、微小粉塵が、ワークの表面に形成される境界層の中に存在することが考えられる。すなわち、ワークの搬送やワークへの空気の吹き付けにより、ワーク表面には空気の粘性抵抗により0.01~0.1mm程度の厚みを有する境界層が形成されて微小粉塵を覆うため、ワークに吹き付けた空気が、境界層の表面に沿って流れることで微小粉塵の除去に寄与しないおそれがある。
そこで、特許文献1には、図10に示すように、ラビリンス構造を有する超音波発生器51を用いて噴出ノズル52からシート体53に超音波エアを噴出することで、シート体53の表面に形成された境界層を破壊し、シート体53から塵を剥離して、塵吸入口54から負圧室55に吸入するように構成された除塵装置50が開示されている。
特開平10-309553号公報
ところが、特許文献1に開示された除塵装置50は、供給エアが超音波発生器51のラビリンス構造を通過する際の圧力損失を補って境界層を確実に破壊できるように、高圧で大風量の送風機が必要になるため、送風機の騒音が大きくなると共に設置スペースが過大になり易く、更には製造コストやランニングコストが高くなるという問題があった。
また、電子基板や光学フィルム等のように除塵対象となるワークの製造や検査等がクリーンルーム内で行われる場合には、クリーンルーム内の空気流れを適切に維持するために除塵装置50の吸排気バランスの調整が必要になるが、噴出ノズル52から大風量のエアが噴出されることで、このバランス調整が困難になり易いという問題があった。
更に、除塵対象となるワークの幅が大きい場合には、超音波エアの吹き付けが幅方向で不均一になり易いため、ワークの表面全体を確実に除塵することが困難であった。
そこで、本発明は、小型化および省エネルギー化を図りつつ、ワークの除塵を確実に行うことができる除塵装置の提供を目的とする。
本発明の前記目的は、ケーシングと、前記ケーシング内に回転軸周りに回転自在に支持された除塵ロールと、前記除塵ロールを回転駆動する駆動源とを備え、ワーク表面に付着した粉塵を除去する除塵装置であって、前記除塵ロールの表面には、断面積が0.03~0.3mmの微細溝からなるロール溝が、回転軸に沿って複数形成され、前記ケーシングは、前記除塵ロールを収容する収容部と、前記収容部をワーク表面に向けて開口する開口部とを備え、前記収容部は、前記開口部よりも前記除塵ロールの回転方向上流側に、前記除塵ロールの表面と前記収容部の壁面との隙間が前記開口部に向けて徐々に小さくなる絞り部が形成されており、前記除塵ロールの回転に伴う随伴気流を前記絞り部で圧縮して、前記ロール溝が前記絞り部から前記開口部に露出するタイミングで随伴気流の圧力を低下させることにより、前記開口部を介してワーク表面に吹き付ける気流に脈動を生じさせて、ワーク表面から粉塵を脱離する除塵装置により達成される。
この除塵装置において、前記絞り部の壁面には、前記ロール溝と対向する微細溝からなる対向溝が、前記回転軸に沿って複数形成されていることが好ましい。複数の前記対向溝は、隣接する側壁同士が互いに直交する階段状に形成されていることが好ましく、あるいは、前記対向溝は、前記除塵ロールの回転方向下流側の側壁が、前記除塵ロールの軸心に向けて延びることが好ましい。
前記ケーシングは、ワーク表面から脱離された粉塵を前記開口部に対して前記除塵ロールの回転方向下流側で吸引可能な吸引部と、前記収容部内を前記開口部に対して前記除塵ロールの回転方向上流側で前記ケーシングの外部と連通する連通部とを更に備えることが好ましい。この構成において、前記開口部は、前記除塵ロールの回転方向下流側の縁部から前記除塵ロールの表面までの最小隙間が、前記除塵ロールの回転方向上流側の縁部から前記除塵ロールの表面までの最小隙間よりも大きいことが好ましい。また、前記連通部は、前記絞り部に対して前記除塵ロールの回転方向上流側に隣接した位置に開口することが好ましい。
前記開口部を介して対向する前記除塵ロールの表面とワーク表面との最小隙間は、0.01~0.5mmであることが好ましい。
本発明の除塵装置によれば、小型化および省エネルギー化を図りつつ、ワークの除塵を確実に行うことができる。
本発明の一実施形態に係る除塵装置の平面図である。 図1のA-A断面図である。 図1に示す除塵装置の要部平面図である。 図2の要部拡大図である。 図4の要部拡大図である。 図3に示す要部の変形例を示す平面図である。 図4に示す要部の変形例を示す断面図である。 図4に示す要部の他の変形例を示す拡大断面図である。 図4に示す要部の更に他の変形例を示す断面図である。 従来の除塵装置の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る除塵装置の平面図であり、図2は、図1のA-A断面図である。図1および図2に示すように、除塵装置1は、ケーシング10と、ケーシング10内に収容された除塵ロール20と、除塵ロール20を回転駆動する駆動源30とを備えており、除塵対象となるワークWの表面に付着した粉塵(特に、大きさが0.005mm以下の微細粉塵)を効率良く除去することができる。駆動源30は、例えば、電気や圧縮空気等を動力源とするモータおよび減速ギア機構を備えている。
除塵ロール20は、ケーシング10内で水平に延びる回転軸21の周りに回転自在に支持されている。図3に平面図で示すように、除塵ロール20の表面には、回転軸21の軸線と平行に延びる微小断面の微細溝からなるロール溝22が、周方向に等間隔で多数(例えば、100~1000個)形成されている。ロール溝22の断面形状は、本実施形態では三角形状としているが、矩形状や半円状等の他の形状であってもよい。図1に示すように、各ロール溝22の長手方向(回転軸方向)の長さは、少なくともワークWの幅よりも大きいことが好ましく、本実施形態では、ワークWの幅よりも長い除塵ロール20の長手方向全体にわたって形成されている。
ケーシング10は、直方体状の筐体からなり、本体10aの下部が平板状の底蓋10b,10cにより覆われて構成されている。ケーシング10は、除塵ロール20を隙間を空けて収容する円柱状の空間からなる収容部11と、ケーシング10の下面に形成されて収容部11をワークWの表面に向けて開口する開口部12と、除塵ロール20の表面と収容部11の壁面との間に形成される絞り部13と、ワークWの表面から脱離された粉塵を吸引可能な吸引部15と、収容部11をケーシング10の外部と連通する連通部16とを備えている。開口部12は、ケーシング10の2つの底蓋10b,10cの間に形成されている。
吸引部15および連通部16は、ケーシング10内に形成された流路からなる。吸引部15は、真空ポンプ(図示せず)の吸引ポートに接続されて、開口部12の近傍における除塵ロール20の回転方向Cの下流側を吸引する。連通部16は、吸引部15による吸引を維持できるように、開口部12よりも除塵ロール20の回転方向Cの上流側に形成されている。吸引部15は、除塵ロール20の長手方向に沿って等間隔に複数(本実施形態では3個)形成されている。吸引部15の数は、除塵ロール20の長さに応じて適宜設定すればよく、単一であってもよい。連通部16は、除塵ロール20の長手方向中央に形成されているが、長手方向中央からずれた位置に形成してもよい。
図4は、図2の要部拡大図である。図4に示すように、絞り部13は、開口部12よりも除塵ロール20の回転方向Cの上流側に形成されている。絞り部13を形成する収容部11の壁面は、断面円弧状に形成されており、除塵ロール20の回転軸の軸線と平行に延びてロール溝22に対向する微細溝からなる対向溝14が、除塵ロール20の回転方向Cに間隔をあけて複数形成されている。対向溝14の断面形状は、本実施形態では三角形状としているが、矩形状や半円状等の他の形状であってもよい。対向溝14の長さは、ワークWの幅よりも大きいことが好ましい。
絞り部13の断面円弧状の曲率は、除塵ロール20の表面の曲率と相違しており、これによって、絞り部13は、対向溝14およびロール溝22を有しないと仮定した場合における除塵ロール20の表面と収容部11の壁面との隙間が、開口部12に向けて徐々に小さくなるように形成されている。
次に、上記の構成を備える除塵装置1の作動を説明する。図1および図2に示すように、本実施形態の除塵装置1は、平板状のバックアッププレートPの上面に沿って矢示B方向に連続搬送されるシート状のワークWの近傍に、開口部12がワークWの表面(上面)と対向するように配置されて、ワークWの表面に付着した粉塵等を除去する。ワークWは、電子基板や光学用フィルム等を例示することができるが、微細粉塵の付着が問題になり易い他の製品等であってもよい。
除塵ロール20を矢示C方向に回転駆動すると、除塵ロール20の回転に伴う随伴気流が収容部11に発生する。この随伴気流は、絞り部13を通過した後、開口部12を介してワークWの表面に吹き付けられる。除塵ロール20の表面周速は、必ずしも限定されないが、高速の随伴気流が生じるように25m/秒以上であることが好ましい。
除塵ロール20の回転による随伴気流は、絞り部13を通過する際に圧縮されるが、除塵ロール20の表面にはロール溝22が形成されているため、除塵ロール20の回転によりロール溝22が絞り部13から開口部12に露出するタイミングで、随伴気流の圧力が低下する。これにより、ワークWの表面に吹き付けられる気流に脈動を生じさせることができるので、ワークWに付着した微小粉塵がワークWの表面に形成される境界層の内部に存在する場合でも、気流の吹き付けによる境界層の破断または剥離を容易に行い、微小粉塵をワークWの表面から確実に浮き上がらせて脱離することができる。ワークWの表面から脱離した粉塵は、吸引部15により吸引することで、ワークWの表面から確実に除去することができる。
図4に示すロール溝22の断面積は、大きすぎると、絞り部13により圧縮された随伴空気の圧力の大部分がロール溝22により解放される一方、小さすぎると、ロール溝22を形成した意義が薄れるため、いずれも効果的な脈動気流が生じ難くなる。したがって、ロール溝22の断面積は、0.03~0.3mmであることが好ましく、0.05~0.1mmであることがより好ましい。
本実施形態の除塵装置1は、絞り部13を形成する収容部11の壁面にも複数の対向溝14が形成されているため、除塵ロール20のロール溝22との相乗効果により、脈動気流をより確実に生じさせることができる。対向溝14の断面積は、ロール溝22の断面積と同様に、0.03~0.3mmであることが好ましく、0.05~0.1mmであることがより好ましい。各対向溝14の断面積は、互いに同じ大きさであってもよいが、除塵ロール20の回転方向下流側ほど小さくなることが好ましい。なお、収容部11の対向溝14は、本発明において必須のものではなく、この部分の壁面を凹凸が無い滑らかな湾曲面としてもよい。
図4に示すように、開口部12を介して対向する除塵ロール20の表面とワークWの表面との間に形成される最小隙間H1は、大きすぎると、ワークWの表面近傍における圧力が低下して、ワークWに付着した微小粉塵を効果的に脱離および吸引できないおそれが高まることから、ワークWのスムーズな搬送を妨げない程度に小さくすることが好ましい。具体的には、最小隙間H1は、0.01~0.5mmであることが好ましく、0.05~0.1mmであることがより好ましい。ワークWの裏面(下面)側を支持するバックアッププレートPは、脈動気流の吹き付けによるワークWの振動を防止して、上記の最小隙間H1を確実に一定に維持することができる。但し、ワークWが変形し難い硬質材料からなる場合には、必ずしもバックアッププレートPを設ける必要はない。
ケーシング10の下面とワークWの表面との間に形成される隙間についても、ワークWの表面近傍における圧力を維持するため、ワークWの搬送を妨げない程度に小さいことが好ましい。具体的には、開口部12よりも除塵ロール20の回転方向上流側の最小隙間H2、および、開口部12よりも除塵ロール20の回転方向下流側の最小隙間H3は、いずれも0.01~0.5mmであることが好ましく、0.05~0.1mmであることがより好ましい。
ワークWに脈動気流を効果的に吹き付けるためには、絞り部13における除塵ロール20の表面と収容部11の壁面との隙間の大きさも重要である。図5に示すように、開口部12の縁部近傍において、絞り部13内で回転方向に隣接するロール溝22,22の間に形成される空間の断面積S1は、ロール溝22の断面積S2と略同じであることが好ましく、具体的には、断面積S1が、0.03~0.3mmであることが好ましく、0.05~0.1mmであることがより好ましい。開口部12の縁部と除塵ロール20の表面との最小隙間は、0.01~0.5mmであることが好ましく、0.05~0.1mmであることがより好ましい。
本実施形態の除塵装置1は、ロール溝22が形成された除塵ロール20の回転駆動により、除塵ロール20の長手方向全体で均一な脈動気流を生じさせることができるので、ワークWの幅が大きい場合でも、ワークWの表面全体を確実に除塵することができる。また、従来のように大型の送風機が不要であり、送風機よりも動力負荷が小さい除塵ロール20の回転駆動によりワークWの除塵を行うことができるため、騒音の問題を解消しつつ、装置の小型化および省エネルギー化が可能であり、クリーンルームで使用する場合にも、クリーンルーム内の空気流れを適切に維持管理することができる。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明の具体的な態様は上記実施形態に限定されない。例えば、除塵ロール20の表面に形成されるロール溝22は、本実施形態においては回転軸21と平行であるが、回転軸21に沿って形成されていればよく、必ずしも回転軸21と平行である必要はない。例えば、図6に示すように、除塵ロール20のロール溝22を平面視V字型のダブルヘリカル状に形成して、除塵ロール20を矢示方向に回転駆動することで、ワークの表面から浮き上がらせた粉塵を、除塵ロール20の長手方向両側から中央に向けて案内して吸引することができるので、ワークの除塵をより確実に行うことができる。
また、ワークWの搬送方式は、本実施形態のような直線搬送に限定されるものではなく、例えば、図7に示すように、バックアップロールRによる曲線搬送であってもよい。図7において、図4と同様の構成部分には同一の符号を付している。図7に示す各隙間H1~H3の寸法や、ロール溝22等の断面積の好ましい大きさは、図4に示す各隙間H1~H3の寸法や、ロール溝22等の断面積の好ましい大きさと同様である。図7に示すバックアップロールRは、ワークWの搬送を行いつつ、図4に示すバックアッププレートPと同様に、ワークWを確実に保持することができる。あるいは、図4および図7に示す構成のようにワークWを搬送する代わりに、固定されたワークWに対して除塵装置1を移動することにより、ワークWの表面を除塵することもできる。
図4に示す複数の対向溝14は、隣接する側壁同士が互いに直交する階段状に形成されている。すなわち、各対向溝14は、底部で接続された2つの側壁の内面がそれぞれ水平面及び垂直面からなり、隣接する対向溝14,14は、それぞれの開口縁において側壁同士が接続されている。この構成によれば、除塵ロール20の回転に伴う随伴気流の一部が、絞り部13の各対向溝14において渦流を生じさせ易くなるため、この渦流の表面側(除塵ロール20側)を流れる随伴気流と絞り部13の壁面との摩擦抵抗を低減して、随伴気流の流速を高めることができる。これにより、ワーク表面に付着した微細粉塵を効率良く除去することができる。
図8に示すように、各対向溝14は、除塵ロール20の回転方向Cの下流側の側壁14aが、軸方向断面視において、除塵ロール20の軸心(図2の符号28)に向けて延びるように形成されてもよい。この構成によれば、図8に破線矢印で示すように、除塵ロール20の回転に伴う随伴気流の一部が各対向溝14の側壁14aに衝突して回転方向Cとは逆方向の流れ抵抗を生じさせることで、この表面側(除塵ロール20側)を流れる随伴気流の圧力を高めることができる。これにより、ワーク表面への気流に吹き付けによる境界層の破断または剥離をより確実に行うことができるので、例えば1μm以下の極微細粉塵の除去に好適である。
図8に示すように、除塵ロール20の各ロール溝22についても、回転方向Cの下流側の側壁22aを、軸方向断面視において、除塵ロール20の軸心(図2の符号28)に向けて延びるように形成してもよく、これによって、ワーク表面に吹き付けられる気流の圧力をより高めることができる。このロール溝22の形状は、図2等に示す他の実施形態の構成に適用してもよい。極微細粉塵の除去を目的とする場合、対向溝14およびロール溝22の側壁14a,22aが延びる方向(方向X)は、除塵ロール20の軸心に向かう方向(方向Y)に一致することが好ましいが、上述した方向Xと方向Yとは必ずしも完全に一致する必要はなく、方向Xと方向Yとのなす角度が-30度から30度の範囲にあればよい。
図9に示すように、連通部16は、絞り部13に対して、除塵ロール20の回転方向Cの上流側に隣接した位置に開口するように形成してもよい。この構成によれば、除塵ロール20の回転により除塵ロール20と絞り部13との間に外気を確実に導入して、ワークに対する気流の吹き付けを促すことができる。
図9に示す開口部12は、除塵ロール20の回転方向Cの下流側の縁部12bから除塵ロール20の表面までの最小隙間(隙間A)が、除塵ロール20の回転方向Cの上流側の縁部12aから除塵ロール20の表面までの最小隙間(隙間B)よりも大きくなるように形成されている。除塵ロール20の回転に伴い絞り部13で圧縮された気流は、開口部12から噴出することで膨張するため、上述した隙間Aを隙間Bよりも大きくすることで吸引部15からの吸引を容易にして、微細粉塵の吸い込みをより確実に行うことができる。
本発明の実施例として、長さ600mmの除塵ロール20を有する上記実施形態の除塵装置1を試作し、500mm幅のフィルムからなるワークWの除塵試験を行った。粒子径が0.002~0.005mmのコピー機用トナーを、模擬微細粉塵としてフィルムの表面に噴霧し、図4および図7に示す搬送方式により搬送して除塵を行った後、残留トナーをマイクロスコープ「VHX-6000」(株式会社キーエンス製)で測定したところ、いずれの搬送方式においても、99.9%以上の除去率が得られた。
また、除塵ロール20を回転駆動する駆動源30のDCブラシレスモータの動力は280Wであり、吸引部15に接続した集塵機の動力は450Wであったため、これらを合計しても、送風機を使用する従来の除塵装置と比較して、約半分の動力で同等以上の集塵性能が得られた。
1 除塵装置
10 ケーシング
11 収容部
12 開口部
13 絞り部
14 対向溝
15 吸引部
16 連通部
20 除塵ロール
22 ロール溝
30 駆動源
W ワーク

Claims (8)

  1. ケーシングと、前記ケーシング内に回転軸周りに回転自在に支持された除塵ロールと、前記除塵ロールを回転駆動する駆動源とを備え、ワーク表面に付着した粉塵を除去する除塵装置であって、
    前記除塵ロールの表面には、断面積が0.03~0.3mmの微細溝からなるロール溝が、回転軸に沿って複数形成され、
    前記ケーシングは、前記除塵ロールを収容する収容部と、前記収容部をワーク表面に向けて開口する開口部とを備え、
    前記収容部は、前記開口部よりも前記除塵ロールの回転方向上流側に、前記除塵ロールの表面と前記収容部の壁面との隙間が前記開口部に向けて徐々に小さくなる絞り部が形成されており、
    前記除塵ロールの回転に伴う随伴気流を前記絞り部で圧縮して、前記ロール溝が前記絞り部から前記開口部に露出するタイミングで随伴気流の圧力を低下させることにより、前記開口部を介してワーク表面に吹き付ける気流に脈動を生じさせて、ワーク表面から粉塵を脱離する除塵装置。
  2. 前記絞り部の壁面には、前記ロール溝と対向する微細溝からなる対向溝が、前記回転軸に沿って複数形成されている請求項1に記載の除塵装置。
  3. 複数の前記対向溝は、隣接する側壁同士が互いに直交する階段状に形成されている請求項2に記載の除塵装置。
  4. 前記対向溝は、前記除塵ロールの回転方向下流側の側壁が、前記除塵ロールの軸心に向けて延びる請求項2に記載の除塵装置。
  5. 前記ケーシングは、ワーク表面から脱離された粉塵を前記開口部に対して前記除塵ロールの回転方向下流側で吸引可能な吸引部と、前記収容部内を前記開口部に対して前記除塵ロールの回転方向上流側で前記ケーシングの外部と連通する連通部とを更に備える請求項1に記載の除塵装置。
  6. 前記開口部は、前記除塵ロールの回転方向下流側の縁部から前記除塵ロールの表面までの最小隙間が、前記除塵ロールの回転方向上流側の縁部から前記除塵ロールの表面までの最小隙間よりも大きい請求項5に記載の除塵装置。
  7. 前記連通部は、前記絞り部に対して前記除塵ロールの回転方向上流側に隣接した位置に開口する請求項5に記載の除塵装置。
  8. 前記開口部を介して対向する前記除塵ロールの表面とワーク表面との最小隙間は、0.01~0.5mmである請求項1に記載の除塵装置。
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