JP7464146B2 - 二次電池、二次電池制御システムおよび電池パック - Google Patents

二次電池、二次電池制御システムおよび電池パック Download PDF

Info

Publication number
JP7464146B2
JP7464146B2 JP2022563851A JP2022563851A JP7464146B2 JP 7464146 B2 JP7464146 B2 JP 7464146B2 JP 2022563851 A JP2022563851 A JP 2022563851A JP 2022563851 A JP2022563851 A JP 2022563851A JP 7464146 B2 JP7464146 B2 JP 7464146B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
negative electrode
electrode
capacity recovery
electrolyte
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022563851A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2022107892A1 (ja
Inventor
巧 日浅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Publication of JPWO2022107892A1 publication Critical patent/JPWO2022107892A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7464146B2 publication Critical patent/JP7464146B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/42Methods or arrangements for servicing or maintenance of secondary cells or secondary half-cells
    • H01M10/44Methods for charging or discharging
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/24Alkaline accumulators
    • H01M10/26Selection of materials as electrolytes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/24Alkaline accumulators
    • H01M10/28Construction or manufacture
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/42Methods or arrangements for servicing or maintenance of secondary cells or secondary half-cells
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/86Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/18Regenerative fuel cells, e.g. redox flow batteries or secondary fuel cells
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M2300/00Electrolytes
    • H01M2300/0002Aqueous electrolytes
    • H01M2300/0014Alkaline electrolytes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Sustainable Energy (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Description

本技術は、二次電池、二次電池制御システムおよび電池パックに関する。
携帯電話機などの多様な電子機器が普及しているため、小型かつ軽量であると共に高エネルギー密度を得ることが可能である電源として二次電池の開発が進められている。この二次電池としては、水性溶媒を含む電解液(いわゆる水系電解液)を備えた二次電池が開発されており、その水系電解液を備えた二次電池などの構成に関しては、様々な検討がなされている。
具体的には、非水電解液を備えた二次電池の容量低下を抑制するために、その非水電解液にポリマー形成剤または犠牲還元剤が添加されていると共に、電池容器と負極との間に電圧が印加されている(例えば、特許文献1参照。)。二次電池の過放電特性を向上させるために、電解液にリチウム塩溶液が添加されており、電気分解に応じて負極側においてリチウムが吸蔵されていると共に正極側において分解ガスが発生している(例えば、特許文献2参照。)。
アルカリ性の水溶液電解液を備えたロッキングチェア型の二次電池の充放電効率を向上させるために、その水溶液電解液のpHの適正範囲(=4~12)が規定されている(例えば、特許文献3参照。)。二次電池のリフレッシュ動作の作業時間を短縮するために、そのリフレッシュ動作時の電流値が徐々に減少されたのち、所定の放電終止の電気容量値まで二次電池が放電されている(例えば、特許文献4参照。)。
特開2011-165343号公報 特開平05-242912号公報 特開2007-172985号公報 特開平08-138746号公報
水系電解液を備えた二次電池などの構成に関する様々な検討がなされているが、その水系電解液を備えた二次電池の電池容量を回復させる技術は未だ十分でない。
よって、電池容量を回復させることが可能である二次電池、二次電池制御システムおよび電池パックが望まれている。
本技術の一実施形態の二次電池は、正極空間と負極空間との間に配置されると共にアルカリ金属イオンを透過させる隔壁と、その正極空間の内部に配置されると共にアルカリ金属イオンを吸蔵放出する正極と、その負極空間の内部に配置されると共にアルカリ金属イオンを吸蔵放出する負極と、その正極空間の内部に収容されると共に水性溶媒およびアルカリ金属イオンを含む正極電解液と、その負極空間の内部に収容されると共に水性溶媒およびアルカリ金属イオンを含む負極電解液と、その正極空間の内部に配置された負極容量回復電極および負極空間の内部に配置された正極容量回復電極のうちの少なくとも一方とを備え、その負極容量回復電極が水素発生材料および酸素還元材料のうちの少なくとも一方を含み、その正極容量回復電極が酸素発生材料および水素酸化材料のうちの少なくとも一方を含むものである。
本技術の一実施形態の二次電池制御システムは、二次電池と接続される制御回路を備え、その制御回路が正極の接続先を負極から正極容量回復電極に切り替えると共に正極および正極容量回復電極を互いに通電させる処理および負極の接続先を正極から負極容量回復電極に切り替えると共に負極および負極容量回復電極を互いに通電させる処理のうちの少なくとも一方を行い、その二次電池が上記した本技術の一実施形態の二次電池の構成と同様の構成を有するものである。
本技術の一実施形態の電池パックは、二次電池と、二次電池制御システムとを備え、その二次電池が上記した本技術の一実施形態の二次電池の構成と同様の構成を有すると共に、その二次電池制御システムが上記した本技術の一実施形態の二次電池制御システムの構成と同様の構成を有するものである。
本技術の一実施形態の二次電池によれば、正極、負極、水性溶媒を含む正極電解液および水性溶媒を含む負極電解液と共に、負極容量回復電極および正極容量回復電極のうちの少なくとも一方を備えており、その負極容量回復電極が水素発生材料および酸素還元材料のうちの少なくとも一方を含んでおり、その正極容量回復電極が酸素発生材料および水素酸化材料のうちの少なくとも一方を含んでいるので、電池容量を回復させることができる。
本技術の一実施形態の二次電池制御システムによれば、正極および正極容量回復電極を互いに通電させる処理および負極および負極容量回復電極を互いに通電させる処理のうちの少なくとも一方を行う制御回路を備えているので、二次電池の電池容量を回復させることができる。
本技術の一実施形態の電池パックによれば、上記した二次電池および二次制御システムを備えているので、その二次電池の電池容量を回復させることができる。
なお、本技術の効果は、必ずしもここで説明された効果に限定されるわけではなく、後述する本技術に関連する一連の効果のうちのいずれの効果でもよい。
本技術の一実施形態の二次電池の構成を表す断面図である。 本技術の一実施形態の二次電池制御システムの構成を表すブロック図である。 変形例1の二次電池の構成を表す断面図である。 変形例2の二次電池の構成を表す断面図である。 変形例3の二次電池の構成を表す断面図である。 変形例4の二次電池の構成を表す断面図である。 変形例5の二次電池の構成を表す断面図である。 二次電池の適用例(電池パック)の構成を表すブロック図である。
以下、本技術の一実施形態に関して、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。

1.二次電池
1-1.構成
1-2.動作
1-3.製造方法
1-4.作用および効果
2.二次電池制御システム
2-1.構成
2-2.動作
2-3.作用および効果
3.変形例
4.二次電池の用途
<1.二次電池>
まず、本技術の一実施形態の二次電池に関して説明する。
ここで説明する二次電池は、アルカリ金属イオンの吸蔵放出を利用する二次電池であり、正極および負極と共に、水性溶媒を含む液状の電解質である電解液(水系電解液)を備えている。この二次電池では、アルカリ金属イオンの吸蔵放出を利用して充放電反応が進行するため、電池容量が得られる。
アルカリ金属イオンの種類は、特に限定されないが、具体的には、リチウムイオン、ナトリウムイオンおよびカリウムイオンなどである。高い電圧が得られながら、充放電反応が安定に進行するからである。
<1-1.構成>
図1は、二次電池の断面構成を表している。この二次電池は、図1に示したように、外装部材11と、隔壁12と、正極13と、負極14と、正極電解液15と、負極電解液16と、負極容量回復電極17と、正極容量回復電極18とを備えている。図1では、正極電解液15に淡い網掛けを施していると共に、負極電解液16に濃い網掛けを施している。
正極電解液15および負極電解液16のそれぞれは、上記した水性溶媒を含む水系電解液である。この水系電解液は、後述するように、電離可能であるイオン性物質が水性溶媒中において溶解または分散されている溶液である。
以下の説明では、便宜上、図1中の上側を二次電池の上側とすると共に、図1中の下側を二次電池の下側とする。
[外装部材]
外装部材11は、隔壁12、正極13、負極14、正極電解液15、負極電解液16、負極容量回復電極17および正極容量回復電極18などを収納するための内部空間を有する略箱状の部材である。
この外装部材11は、金属材料、ガラス材料および高分子化合物などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。具体的には、外装部材11は、剛性を有する金属缶、ガラスケースおよびプラスチックケースなどでもよいし、柔軟性(または可撓性)を有する金属箔および高分子フィルムなどでもよい。
[隔壁]
隔壁12は、外装部材11の内部に配置されており、その外装部材11の内部空間を2つの空間(正極空間である正極室S1および負極空間である負極室S2)に分離している。すなわち、隔壁12は、正極室S1と負極室S2との間に配置されているため、その正極室S1および負極室S2を互いに離隔させている。これにより、正極13および負極14は、隔壁12を介して互いに対向しながら、その隔壁12を介して互いに離隔されている。
この隔壁12は、正極室S1と負極室S2との間において、アニオンを透過させずに、正極13および負極14のそれぞれにおいて吸蔵放出されるアルカリ金属イオン(カチオン)などの物質(アニオンを除く。)を透過させる。すなわち、隔壁12は、正極電解液15と負極電解液16とが互いに混合することを防止しながら、アルカリ金属イオンなどの物質を透過させる。この場合において、隔壁12は、正極室S1から負極室S2に向けてアルカリ金属イオンを透過させると共に、負極室S2から正極室S1に向けてアルカリ金属イオンを透過させる。
具体的には、隔壁12は、多孔質膜および固体電解質などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。多孔質膜は、カチオンを透過可能である陽イオン交換膜などであると共に、固体電解質は、アルカリ金属イオンのイオン伝導性を有している。
[正極]
正極13は、正極室S1の内部に配置されており、アルカリ金属イオンを吸蔵放出する電極である。ここでは、正極13は、一対の面を有する正極集電体13Aと、その正極集電体13Aの両面に設けられた正極活物質層13Bとを含んでいる。ただし、正極活物質層13Bは、正極集電体13Aの片面だけに設けられていてもよい。
なお、正極集電体13Aは、省略されてもよい。このため、正極13は、正極活物質層13Bだけでもよい。
(正極集電体)
正極集電体13Aは、正極活物質層13Bを支持しており、金属材料、炭素材料および導電性セラミックス材料などの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。金属材料の具体例は、チタン、アルミニウムおよびそれらの合金などである。導電性セラミックス材料の具体例は、酸化インジウムスズ(ITO)などである。
ここでは、正極集電体13Aの一部(接続端子部13AT)に正極活物質層13Bが設けられておらずに、その接続端子部13ATが外装部材11の外部に導出されている。
中でも、正極集電体13Aの形成材料は、正極電解液15に対して不溶性、難溶性および耐食性を有していると共に、後述する正極活物質に対して低反応性を有していることが好ましい。具体的には、正極集電体13Aは、上記した金属材料を含んでいることが好ましく、すなわちチタン、アルミニウムおよびそれらの合金などを含んでいることが好ましい。二次電池を充放電させても正極集電体13Aが劣化しにくくなるからである。
なお、正極集電体13Aは、上記した金属材料、炭素材料および導電性セラミックス材料のうちのいずれか1種類または2種類以上が表面を被覆するように鍍金された導電体でもよい。導電体の材質は、導電性を有していれば、特に限定されない。
(正極活物質層)
正極活物質層13Bは、アルカリ金属イオンを吸蔵放出する正極活物質のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。ただし、正極活物質層13Bは、さらに、正極結着剤および正極導電剤などの他の材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。
アルカリ金属イオンとしてリチウムイオンを吸蔵放出する正極活物質は、リチウム含有化合物などを含んでいる。リチウム含有化合物の種類は、特に限定されないが、具体的には、リチウム複合酸化物およびリチウムリン酸化合物などである。リチウム複合酸化物は、リチウムと1種類または2種類以上の遷移金属元素とを構成元素として含む酸化物であると共に、リチウムリン酸化合物は、リチウムと1種類または2種類以上の遷移金属元素とを構成元素として含むリン酸化合物である。遷移金属元素の種類は、特に限定されないが、具体的には、ニッケル、コバルト、マンガンおよび鉄などである。
層状岩塩型の結晶構造を有するリチウム複合酸化物の具体例は、LiNiO2 、LiCoO2 、LiCo0.98Al0.01Mg0.012 、LiNi0.5 Co0.2 Mn0.3 2 、LiNi0.8 Co0.15Al0.052 、LiNi0.33Co0.33Mn0.332 、Li1.2 Mn0.52Co0.175 Ni0.1 2 およびLi1.15(Mn0.65Ni0.22Co0.13)O2 などである。スピネル型の結晶構造を有するリチウム複合酸化物の具体例は、LiMn2 4 などである。オリビン型の結晶構造を有するリチウムリン酸化合物の具体例は、LiFePO4 、LiMnPO4 、LiMn0.5 Fe0.5 PO4 、LiMn0.7 Fe0.3 PO4 およびLiMn0.75Fe0.25PO4 などである。
アルカリ金属イオンとしてナトリウムイオンを吸蔵放出する正極活物質は、ナトリウム含有化合物などを含んでいる。ナトリウム含有化合物の種類は、特に限定されないが、具体的には、式(1)で表されるプルシアンブルー類似体などである。
Nax y M1z Fe(CN)6 ・aH2 O ・・・(1)
(M1は、MnおよびZnのうちの少なくとも一方である。x、yおよびzは、0.5<x≦2、0≦y≦0.5および0≦z≦2を満たす。aは、任意の値である。ただし、yは、0.05≦y≦0.2を満たしていてもよい。)
プルシアンブルー類似体の具体例は、Na2 MnFe(CN6 )、Na1.420.09Mn1.13Fe(CN)6 ・3H2 OおよびNa0.830.12Zn1.49Fe(CN)6 ・3.2H2 Oなどである。
アルカリ金属イオンとしてカリウムイオンを吸蔵放出する正極活物質は、カリウム含有化合物などを含んでいる。カリウム含有化合物の具体例は、K0.7 Fe0.6 Mn0.6 2 、K0.6 MnO2 、K0.3 MnO2 、K0.31CoO2 、KCrO2 、K0.6 CoO2 、K2/3 Mn2/3 Co1/3 Ni1/3 2 、K2/3 Ni2/3 Te1/3 2 、K2/3 Ni1/6 Co1/2 Te1/3 2 、K2/3 Ni1/2 Mn1/6 Te1/3 2 、K2/3 Ni1/2 Cu1/6 Te1/3 2 、K2/3 Ni1/3 Zn1/3 Te1/3 2 、K2/3 Ni1/6 Mg1/2 Te1/3 2 、K2/3 Ni1/2 Co1/6 Te1/3 2 、K2/3 Ni1/3 Mg1/3 Te1/3 2 およびK2/3 Ni1/3 Co1/3 Te1/3 2 などである。
中でも、正極13は、標準水素電極の電位を基準として0.4V以上の電位においてアルカリ金属イオンを吸蔵放出する正極活物質を含んでいることが好ましく、その正極活物質の具体例は、LiNiO2 、LiCoO2 、LiMn2 4 、LiNi0.80Co0.15Al0.052 およびLiNi0.33Co0.33Mn0.332 などである。後述する二次電池の容量回復処理において、正極13と正極容量回復電極18との間では外部電源(図示せず)から電位がほとんど印加されなくても容量回復反応が自発的に進行する電位域が増加するからである。これにより、電力をほとんど消費しないで二次電池の容量回復反応が進行しやすくなると共に、容量回復処理において電池容量が回復しやすくなる。
正極結着剤は、合成ゴムおよび高分子化合物などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。合成ゴムの具体例は、スチレンブタジエン系ゴムなどである。高分子化合物の具体例は、ポリフッ化ビニリデンおよびポリイミドなどである。
正極導電剤は、炭素材料などの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、その炭素材料の具体例は、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラックおよびケッチェンブラックなどである。ただし、導電性材料は、金属材料、導電性セラミックス材料および導電性高分子などでもよい。
[負極]
負極14は、負極室S2の内部に配置されており、アルカリ金属イオンを吸蔵放出する電極である。ここでは、負極14は、一対の面を有する負極集電体14Aと、その負極集電体14Aの両面に設けられた負極活物質層14Bとを含んでいる。ただし、負極活物質層14Bは、負極集電体14Aの片面だけに設けられていてもよい。
なお、負極集電体14Aは、省略されてもよい。このため、負極14は、負極活物質層14Bだけでもよい。
(負極集電体)
負極集電体14Aは、負極活物質層14Bを支持しており、金属材料、炭素材料および導電性セラミックス材料などの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。金属材料の具体例は、ステンレス鋼(SUS)、チタン、亜鉛、錫、鉛およびそれらの合金などである。このステンレス鋼は、ニオブおよびモリブデンなどの添加元素のうちのいずれか1種類または2種類以上が添加された高耐食性のステンレス鋼でもよい。具体的には、ステンレス鋼は、添加元素としてモリブデンが添加されたSUS444などでもよい。導電性セラミックス材料に関する詳細は、上記した通りである。
ここでは、負極集電体14Aの一部(接続端子部14AT)に負極活物質層14Bが設けられていないため、その接続端子部14ATが外装部材11の外部に導出されている。この接続端子部14ATの導出方向は、特に限定されないが、具体的には、接続端子部13ATの導出方向と同様である。
中でも、負極集電体14Aの形成材料は、負極電解液16に対して不溶性、難溶性および耐食性を有していると共に、後述する負極活物質に対して低反応性を有していることが好ましい。具体的には、負極集電体14Aは、上記した金属材料を含んでいることが好ましく、すなわちステンレス鋼、チタン、亜鉛、スズ、鉛およびそれらの合金などを含んでいることが好ましい。二次電池を充放電させても負極集電体14Aが劣化しにくくなるからである。
なお、負極集電体14Aは、上記した金属材料、炭素材料および導電性セラミックス材料のうちのいずれか1種類または2種類以上が表面を被覆するように鍍金された導電体でもよい。この導電体の材質は、導電性を有していれば、特に限定されない。
(負極活物質層)
負極活物質層14Bは、アルカリ金属イオンを吸蔵放出する負極活物質のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。ただし、負極活物質層14Bは、さらに、負極結着剤および負極導電剤などの他の材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。負極結着剤に関する詳細は、正極結着剤に関する詳細と同様であると共に、負極導電剤に関する詳細は、正極導電剤に関する詳細と同様である。
負極活物質は、チタン含有化合物、ニオブ含有化合物、バナジウム含有化合物、鉄含有化合物およびモリブデン含有化合物などである。正極電解液15および負極電解液16を用いた場合においても、充放電反応が円滑かつ安定に進行するからである。
チタン含有化合物は、チタン酸化物、アルカリ金属チタン複合酸化物、チタンリン酸化物、アルカリ金属チタンリン酸化合物および水素チタン化合物などである。
チタン酸化物は、式(2)で表される化合物であり、すなわちブロンズ型酸化チタンなどである。
TiOw ・・・(2)
(wは、1.85≦w≦2.15を満たす。)
このチタン酸化物は、アナターゼ型、ルチル型およびブルッカイト型の酸化チタン(TiO2 )のうちのいずれか1種類または2種類以上である。ただし、チタン酸化物は、チタンと共にリン、バナジウム、スズ、銅、ニッケル、鉄およびコバルトなどのうちのいずれか1種類または2種類以上を構成元素として含む複合酸化物でもよい。この複合酸化物の具体例は、TiO2 -P2 5 、TiO2 -V2 5 、TiO2 -P2 5 -SnO2 およびTiO2 -P2 5 -MeOなどである。ただし、Meは、Cu、Ni、FeおよびCoなどのうちのいずれか1種類または2種類以上である。
アルカリ金属チタン複合酸化物のうちのリチウムチタン複合酸化物は、式(3)~式(5)のそれぞれで表される化合物などであり、すなわちラムスデライト型チタン酸リチウムなどである。式(3)に示したM3は、2価イオンになり得る金属元素である。式(4)に示したM4は、3価イオンになり得る金属元素である。式(5)に示したM5は、4価イオンになり得る金属元素である。
Li[Lix M3(1-3x)/2Ti(3+x)/2 ]O4 ・・・(3)
(M3は、Mg、Ca、Cu、ZnおよびSrのうちの少なくとも1種である。xは、0≦x≦1/3を満たす。)
Li[Liy M41-3yTi1+2y]O4 ・・・(4)
(M4は、Al、Sc、Cr、Mn、Fe、GeおよびYのうちの少なくとも1種である。yは、0≦y≦1/3を満たす。)
Li[Li1/3 M5z Ti(5/3)-z ]O4 ・・・(5)
(M5は、V、ZrおよびNbのうちの少なくとも1種である。zは、0≦z≦2/3を満たす。)
式(3)に示したリチウムチタン複合酸化物の具体例は、Li3.75Ti4.875 Mg0.375 12などである。式(4)に示したリチウムチタン複合酸化物の具体例は、LiCrTiO4 などである。式(5)に示したリチウムチタン複合酸化物の具体例は、Li4 Ti5 12およびLi4 Ti4.95Nb0.0512などである。
アルカリ金属チタン複合酸化物のうちのカリウムチタン複合酸化物の具体例は、K2 Ti3 7 およびK4 Ti5 12などである。
チタンリン酸化物の具体例は、リン酸チタン(TiP2 7 )などである。アルカリ金属チタンリン酸化合物のうちのリチウムチタンリン酸化合物の具体例は、LiTi2 (PO4 3 などである。アルカリ金属チタンリン酸化合物のうちのナトリウムチタンリン酸化合物の具体例は、NaTi2 (PO4 3 などである。水素チタン化合物の具体例は、H2 Ti3 7 (3TiO2 ・1H2 O)、H6 Ti1227(3TiO2 ・0.75H2 O)、H2 Ti6 13(3TiO2 ・0.5H2 O)、H2 Ti7 15(3TiO2 ・0.43H2 O)およびH2 Ti1225(3TiO2 ・0.25H2 O)などである。
ニオブ含有化合物は、アルカリ金属ニオブ複合酸化物、水素ニオブ化合物およびチタンニオブ複合酸化物などである。ただし、ニオブ含有化合物に該当する材料は、チタン含有化合物から除かれる。
アルカリ金属ニオブ複合酸化物の具体例は、LiNbO2 などである。水素ニオブ化合物の具体例は、H4 Nb6 17などである。チタンニオブ複合酸化物の具体例は、TiNb2 7 およびTi2 Nb1029などである。ただし、チタンニオブ複合酸化物には、アルカリ金属がインターカレートされていてもよい。
バナジウム含有化合物は、バナジウム酸化物およびアルカリ金属バナジウム複合酸化物などである。ただし、バナジウム含有化合物に該当する材料は、チタン含有化合物およびニオブ含有化合物のそれぞれから除かれる。
バナジウム酸化物の具体例は、二酸化バナジウム(VO2 )などである。アルカリ金属バナジウム複合酸化物の具体例は、LiV2 4 およびLiV3 8 などである。
鉄含有化合物は、鉄水酸化物などである。ただし、鉄含有化合物に該当する材料は、チタン含有化合物、ニオブ含有化合物およびバナジウム含有化合物のそれぞれから除かれる。
鉄水酸化物の具体例は、オキシ水酸化鉄(FeOOH)などである。ただし、オキシ水酸化鉄は、α-オキシ水酸化鉄でもよいし、β-オキシ水酸化鉄でもよいし、γ-オキシ水酸化鉄でもよいし、δ-オキシ水酸化鉄でもよいし、それらのうちの任意の2種類以上でもよい。
モリブデン含有化合物は、モリブデン酸化物およびコバルトモリブデン複合酸化物などである。ただし、モリブデン含有化合物に該当する材料は、チタン含有化合物、ニオブ含有化合物、バナジウム含有化合物および鉄含有化合物のそれぞれから除かれる。
モリブデン酸化物の具体例は、二酸化モリブデン(MoO2 )などである。コバルトモリブデン複合酸化物の具体例は、CoMoO4 などである。
中でも、負極14は、標準水素電極の電位を基準として0V以下の電位においてアルカリ金属イオンを吸蔵放出する負極活物質を含んでいることが好ましく、その負極活物質の具体例は、TiO2 、Li4 Ti5 12、Li4 Ti4.95Nb0.0512およびNaTi2 (PO4 3 などである。後述する二次電池の容量回復処理において、負極14と負極容量回復電極17との間では外部電源から電位がほとんど印加されなくても容量回復反応が自発的に進行する電位域が増加するからである。これにより、電力をほとんど消費しないで二次電池の容量回復反応が進行しやすくなると共に、容量回復処理において電池容量が回復しやすくなる。
[正極電解液および負極電解液]
正極電解液15は、正極室S1の内部に収容されていると共に、負極電解液16は、負極室S2の内部に収容されている。このため、正極電解液15および負極電解液16は、互いに混合されないように隔壁12を介して互いに分離されている。
ここでは、正極電解液15が存在していない空間は生じないように、正極室S1の内部に正極電解液15が収容されていると共に、負極電解液16が存在していない空間は生じないように、負極室S2の内部に負極電解液16が収容されている。すなわち、正極電解液15は、正極室S1の内部に充填されていると共に、負極電解液16は、負極室S2の内部に充填されている。この場合には、正極電解液15中に正極活物質層13Bが浸漬されているため、その正極活物質層13Bの全体が正極電解液15に接触していると共に、負極電解液16中に負極活物質層14Bが浸漬されているため、その負極活物質層14Bの全体が負極電解液16に接触している。
具体的には、正極電解液15および負極電解液16のそれぞれは、水性溶媒と共に、その水性溶媒中において電離可能であるイオン性物質のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。また、正極電解液15および負極電解液16のそれぞれは、正極13および負極14のそれぞれにおいて吸蔵放出されるアルカリ金属イオンを含んでいる。
水性溶媒の種類は、特に限定されないが、具体的には、純水などである。イオン性物質の種類は、特に限定されないが、具体的には、酸、塩基および電解質塩などのうちのいずれか1種類または2種類以上である。酸の具体例は、炭酸、シュウ酸、硝酸、硫酸、塩酸、酢酸およびクエン酸などである。
電解質塩は、カチオンおよびアニオンを含む塩であり、より具体的には、金属塩のうちのいずれか1種類または2種類以上である。金属塩の種類は、特に限定されないが、具体的には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩および遷移金属塩などである。
アルカリ金属塩は、リチウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩などである。リチウム塩の具体例は、炭酸リチウム、シュウ酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、塩化リチウム、酢酸リチウム、クエン酸リチウム、水酸化リチウムおよびイミド塩などである。このイミド塩は、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウムおよびビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムなどである。ナトリウム塩の具体例は、上記したリチウム塩の具体例のうちのリチウムがナトリウムに置換された化合物などである。カリウム塩の具体例は、上記したリチウム塩の具体例のうちのリチウムがカリウムに置換された化合物などである。
アルカリ土類金属塩の種類は、特に限定されないが、具体的には、上記したリチウム塩のうちのリチウムがアルカリ土類金属元素に置換された化合物などである。このアルカリ土類金属塩は、カルシウム塩などである。遷移金属塩の種類は、特に限定されないが、具体的には、上記したリチウム塩のうちのリチウムが遷移金属元素に置換された化合物などである。
イオン性物質の含有量、すなわち正極電解液15および負極電解液16のそれぞれの濃度(mol/kg)は、任意に設定可能である。
正極電解液15の組成(水性溶媒の種類および電解質塩の種類)と負極電解液16の組成(水性溶媒の種類および電解質塩の種類)とは、互いに同じでもよいし、互いに異なってもよい。
ここで、正極電解液15のpHと負極電解液16のpHとは、互いに同じでもよいし、互いに異なってもよい。すなわち、負極電解液16のpHは、正極電解液15のpHよりも小さくてもよいし、その正極電解液15のpHと同じでもよいし、その正極電解液15のpHよりも大きくてもよい。
中でも、負極電解液16のpHは、正極電解液15のpHよりも大きいことが好ましい。負極電解液16のpHが正極電解液15のpH以下である場合と比較して、水性溶媒の分解電位がシフトするため、充放電時において水性溶媒の分解反応が熱力学的に抑制されながら、その水性溶媒の電位窓が拡大するからである。これにより、高い電圧が得られながら、アルカリ金属イオンの吸蔵放出を利用した充放電反応が十分かつ安定に進行する。また、後述する二次電池の容量回復処理において、外部電源から電位がほとんど印加されなくても容量回復反応が自発的に進行する電位域が増加するからである。これにより、電力をほとんど消費しないで二次電池の容量回復反応が進行しやすくなると共に、容量回復処理において電池容量が回復しやすくなる。
このため、正極電解液15の組成(電解質塩の種類)と負極電解液16の組成(電解質塩の種類)とは、互いに異なっていることが好ましい。負極電解液16のpHが正極電解液15のpHよりも大きくなるように、両者のpHが制御されやすくなるからである。
負極電解液16のpHが正極電解液15のpHよりも大きくなっていれば、その正極電解液15のpHおよび負極電解液16のpHのそれぞれの値は、特に限定されない。
中でも、負極電解液16のpHは、11以上であることが好ましく、12以上であることがより好ましく、13以上であることがさらに好ましい。負極電解液16のpHが十分に大きくなるため、その負極電解液16のpHが正極電解液15のpHよりも大きくなりやすいからである。また、正極電解液15のpHと負極電解液16のpHとの差異が十分に大きくなるため、両者のpHの大小関係が維持されやすくなるからである。さらに、後述する二次電池の容量回復処理において、外部電源から電位がほとんど印加されなくても容量回復反応が自発的に進行する電位域が増加するからである。これにより、電力をほとんど消費しないで二次電池の容量回復反応が進行しやすくなると共に、容量回復処理において電池容量が回復しやすくなる。
また、正極電解液15のpHは、3~8であることが好ましく、4~8であることがより好ましく、4~6であることがさらに好ましい。正極電解液15のpHと負極電解液16のpHとの差異が十分に大きくなるため、両者のpHの大小関係が維持されやすくなるからである。また、外装部材11が腐食されにくくなると共に、正極集電体13Aおよび負極集電体14Aなどの電池構成部材が腐食されにくくなるため、二次電池の電気化学的耐久性(安定性)が向上するからである。さらに、負極電解液16のpHが11以上である場合と同様の理由により、電力をほとんど消費しないで二次電池の容量回復反応が進行しやすくなると共に、容量回復処理において電池容量が回復しやすくなるからである。
電解質塩は、正極13および負極14のそれぞれにおいて吸蔵放出されるアルカリ金属イオンをカチオンとするアルカリ金属塩を含んでいる。この場合において、電解質塩は、さらに、任意の電解質塩(正極13および負極14のそれぞれにおいて吸蔵放出されるアルカリ金属イオンをカチオンとするアルカリ金属塩を除く。)および非電解質のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。この任意の電解質塩の種類(カチオンの種類およびアニオンの種類)は、特に限定されないため、任意に選択可能である。
ここで、正極電解液15および負極電解液16のそれぞれは、上記したように、正極13および負極14のそれぞれにおいて吸蔵放出されるアルカリ金属イオンを含んでおり、すなわちアルカリ金属イオンをカチオンとするアルカリ金属塩を含んでいる。アルカリ金属塩の種類は、特に限定されないため、1種類だけでもよいし、2種類以上でもよい。
この場合において、正極電解液15および負極電解液16のうちの一方または双方は、さらに、正極13および負極14のそれぞれにおいて吸蔵放出されるアルカリ金属イオンとは異なる他の金属イオンをカチオンとする他の金属塩のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。この他の金属イオンは、正極13および負極14のそれぞれにおいて吸蔵放出される金属イオンでもよいし、正極13および負極14のそれぞれにおいて吸蔵放出されない金属イオンでもよいし、双方でもよい。
正極13および負極14のそれぞれにおいて吸蔵放出される金属イオンである他の金属イオンの種類は、特に限定されないため、1種類だけでもよいし、2種類以上でもよい。この他の金属イオンは、正極13および負極14のそれぞれにおいて吸蔵放出されるアルカリ金属イオン以外の他のアルカリ金属イオンなどである。
正極13および負極14のそれぞれにおいて吸蔵放出されない金属イオンである他の金属イオンの種類は、特に限定されないため、1種類だけでもよいし、2種類以上でもよい。この他の金属イオンは、正極13および負極14のそれぞれにおいて吸蔵放出されるアルカリ金属イオン以外の他のアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、遷移金属イオンおよびその他の金属イオンなどの任意の金属イオンのうちのいずれか1種類または2種類以上である。
より具体的には、正極電解液15および負極電解液16のうちの一方または双方は、正極13および負極14のそれぞれにおいて吸蔵放出されるアルカリ金属イオンをカチオンとするアルカリ金属塩として、リチウムイオンをカチオンとするリチウム塩を含んでいる。
この場合において、正極電解液15および負極電解液16のうちの一方または双方は、さらに、上記した他の金属イオンをカチオンとする他の金属塩のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいることが好ましい。2種類以上の金属塩(アルカリ金属塩および他の金属塩)を併用することにより、1種類の金属塩(アルカリ金属塩)だけを用いる場合と比較して、正極電解液15のpHおよび負極電解液16のpHのそれぞれが制御されやすくなるからである。
中でも、正極電解液15および負極電解液16のうちの一方または双方は、アルカリ金属塩であるリチウム塩(リチウムイオン)と共に、他の金属塩であるナトリウム塩(ナトリウムイオン)およびカリウム塩(カリウムイオン)のうちの一方または双方を含んでいることが好ましい。負極電解液16のpHが正極電解液15のpHよりも十分に大きくなるように制御されやすくなるため、両者のpHの大小関係が維持されやすくなるからである。
なお、正極電解液15および負極電解液16のうちの一方または双方は、正極13および負極14のそれぞれにおいて吸蔵放出されるアルカリ金属イオンをカチオンとするアルカリ金属塩の飽和溶液であることが好ましい。中でも、正極電解液15および負極電解液16の双方は、上記したアルカリ金属塩の飽和溶液であることがより好ましい。充放電時において充放電反応、すなわちアルカリ金属イオンの吸蔵放出反応が安定に進行するからである。
正極電解液15が電解質塩(アルカリ金属塩)の飽和溶液であるか否かを確認するためには、二次電池を解体したのち、正極室S1の内部において電解質塩が析出しているか否かを調べればよい。この正極室S1の内部とは、具体的には、正極電解液15の液中、隔壁12の表面、正極13の表面および外装部材11の内壁面などである。電解質塩が析出しているため、正極室S1の内部において正極電解液15(液体)と電解質塩の析出物(固体)とが共存している場合には、その正極電解液15が電解質塩の飽和溶液であると考えられる。なお、析出物の組成を調べるためには、X線光電子分光分析法(XPS)などの表面分析法を用いると共に、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法などの組成分析法を用いる。
負極電解液16が電解質塩(アルカリ金属塩)の飽和溶液であるか否かを確認する方法は、正極室S1の内部の代わりに負極室S2の内部を調べることを除いて、上記した正極電解液15が電解質塩(アルカリ金属塩)の飽和溶液であるか否かを確認する方法と同様である。
また、正極電解液15および負極電解液16のそれぞれは、pH緩衝液でもよい。このpH緩衝液は、弱酸とその共役塩基とが混合された水溶液でもよいし、弱塩基とその共役酸とが混合された水溶液でもよい。pHの変動が十分に抑制されるため、上記した正極電解液15のpHおよび負極電解液16のpHのそれぞれが維持されやすくなるからである。
中でも、正極電解液15は、アニオンとして、硫酸イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸イオン、リン酸一水素イオン、リン酸二水素イオンおよびカルボン酸イオンなどのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいることが好ましい。正極電解液15のpHの変動が十分に抑制されるため、上記した正極電解液15のpHおよび負極電解液16のpHのそれぞれが十分に維持されやすくなるからである。カルボン酸イオンは、ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、酒石酸イオンおよびクエン酸イオンなどのうちのいずれか1種類または2種類以上である。
なお、正極電解液15および負極電解液16のそれぞれは、緩衝剤として、トリスヒドロキシメチルアミノメタンおよびエチレンジアミン四酢酸などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。
より具体的には、正極電解液15は、アニオンとして、硫酸イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸イオン、リン酸一水素イオンおよびリン酸二水素イオンのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいると共に、負極電解液16は、アニオンとして水酸化物イオンを含んでいることが好ましい。正極電解液15のpHが十分に小さくなるように制御されやすくなると共に、負極電解液16のpHが十分に大きくなるように制御されやすくなるからである。
ここで、正極電解液15および負極電解液16のそれぞれは、互いに等張な関係を有する等張液であることが好ましい。正極電解液15および負極電解液16のそれぞれの浸透圧が適正化されるため、両者のpHの大小関係が維持されやすくなるからである。
なお、正極電解液15のpHは、正極集電体13Aおよび正極活物質層13Bのそれぞれが腐食されにくくなるように設定されていることが好ましい。同様に、負極電解液16のpHは、負極集電体14Aおよび負極活物質層14Bのそれぞれが腐食されにくくなるように設定されていることが好ましい。正極13および負極14を用いた充放電反応が安定かつ継続的に進行しやすくなるからである。
[負極容量回復電極]
負極容量回復電極17は、正極13から離隔されるように正極室S1の内部に配置されている。この負極容量回復電極17は、正極13とは異なり、アルカリ金属イオンを吸蔵放出しない電極でもよいし、その正極13と同様に、アルカリ金属イオンを吸蔵放出する電極でもよい。
ここでは、負極容量回復電極17の一部は、正極電解液15中に浸漬されている。これにより、負極容量回復電極17は、正極電解液15に接触している。
特に、負極容量回復電極17は、後述する二次電池の容量回復処理において、負極14と一緒に通電されるために正極13から切り替えられる。これにより、負極容量回復電極17は、負極14と接続されると共に、その負極14と一緒に通電される。
この負極容量回復電極17は、水素発生材料および酸素還元材料のうちの一方または双方を含んでいる。よって、負極容量回復電極17は、負極14が充電できる余力を回復させることにより、二次電池の充放電に応じて減少した電池容量を回復させるために用いられる。
水素発生材料は、負極容量回復電極17の通電に応じて水素を発生させる材料である。この水素発生材料を含んでいる負極容量回復電極17は、正極電解液15中において水素を発生させることにより、その負極14からアルカリ金属イオンを脱離させる反応(放電反応)を発生させる。
具体的には、水素発生材料は、白金、イリジウム、ニッケル、鉄およびパラジウムなどのうちのいずれか1種類または2種類以上を構成元素として含んでいる。水素発生材料では低い電圧において水素が発生しやすいため、負極容量回復電極17において十分な量の水素が発生しやすくなるからである。
ただし、水素発生材料は、単体(金属材料)でもよいし、合金でもよいし、酸化物などの化合物でもよいし、それらの2種類以上の複合材料でもよい。また、水素発生材料は、水素発生材料を含む複数の粒子が導電性の基体(集電箔)により担持された材料でもよい。
酸素還元材料は、負極容量回復電極17の通電に応じて酸素を還元する材料である。この酸素還元材料を含んでいる負極容量回復電極17は、正極電解液15中において酸素を還元することにより、その負極14からアルカリ金属イオンを脱離させる反応(放電反応)を発生させる。
この酸素還元材料としては、燃料電池において空気極(酸素極)の触媒として用いられる材料などを使用可能である。具体的には、酸素還元材料は、白金、白金ルテニウム合金、多孔質炭素、酸化ニオブ、酸化スズおよび酸化チタンなどのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。酸素還元材料では低い電圧において酸素が還元されやすいため、負極容量回復電極17において十分な量の酸素が還元されやすくなるからである。
ただし、酸素還元材料は、酸素還元材料を含む複数の粒子が導電性の基体(集電箔)により担持された材料でもよい。この場合の酸素還元材料は、上記した酸化ニオブ、酸化スズおよび酸化チタンなどのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
なお、白金などは、水素発生材料および酸素還元材料の双方を兼ねる材料(以下、「水素発生材料兼酸素還元材料」と呼称する。)である。この水素発生材料兼酸素還元材料を用いた場合には、負極容量回復電極17の通電に応じて、水素が発生すると共に酸素が還元される。
負極容量回復電極17の一部は、接続端子部13ATと同様に、外装部材11の外部に導出されている。負極容量回復電極17の導出方向は、特に限定されないが、具体的には、接続端子部13ATの導出方向と同様である。
なお、正極13から負極容量回復電極17を離隔させるために、その正極13と負極容量回復電極17との間にセパレータ(図示せず)が配置されていてもよい。このセパレータは、合成樹脂およびセラミックなどの絶縁性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含む多孔質膜であり、2種類以上の多孔質膜が互いに積層された積層膜でもよい。合成樹脂の具体例は、ポリプロピレンおよびポリプロピレン不織布などである。
[正極容量回復電極]
正極容量回復電極18は、負極14から離隔されるように負極室S2の内部に配置されている。この正極容量回復電極18は、負極14とは異なり、アルカリ金属イオンを吸蔵放出しない電極でもよいし、その負極14と同様に、アルカリ金属イオンを吸蔵放出する電極でもよい。
ここでは、正極容量回復電極18の一部は、負極電解液16中に浸漬されている。これにより、正極容量回復電極18は、負極電解液16に接触している。
特に、正極容量回復電極18は、後述する二次電池の容量回復処理において、正極13と一緒に通電されるために負極14から切り替えられる。これにより、正極容量回復電極18は、正極13と接続されると共に、その正極13と一緒に通電される。
この正極容量回復電極18は、酸素発生材料および水素酸化材料のうちの一方または双方を含んでいる。よって、正極容量回復電極18は、正極13が充電できる余力を回付させることにより、二次電池の充放電に応じて減少した電池容量を回復させるために用いられる。
酸素発生材料は、正極容量回復電極18の通電に応じて酸素を発生させる材料である。この酸素発生材料を含んでいる正極容量回復電極18は、負極電解液16中において酸素を発生させることにより、その正極13にアルカリ金属イオンを挿入させる反応(放電反応)を発生させる。
具体的には、酸素発生材料は、ニッケル、マンガン、イリジウム、パラジウム、タンタルおよび白金のうちのいずれか1種類または2種類以上を構成元素として含んでいる。酸素発生材料では低い電圧において酸素が発生しやすいため、正極容量回復電極18において十分な量の酸素が発生しやすくなるからである。ただし、酸素発生材料は、単体(金属材料)でもよいし、合金でもよいし、酸化物などの化合物でもよいし、それらの2種類以上の複合材料でもよい。
水素酸化材料は、正極容量回復電極18の通電に応じて水素を酸化する材料である。この水素酸化材料を含んでいる正極容量回復電極18は、負極電解液16中において水素を酸化することにより、その正極13にアルカリ金属イオンを挿入させる反応(放電反応)を発生させる。
この水素酸化材料としては、燃料電池において燃料極(水素極)の触媒として用いられる材料などを使用可能である。具体的には、水素酸化材料は、白金、銀、酸化銀、酸化ジルコニウムおよびニッケルクロム合金などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。水素酸化材料では低い電圧において水素が酸化されやすいため、正極容量回復電極18において十分な量の水素が酸化されやすくなるからである。
なお、白金などは、酸素発生材料および水素酸化材料の双方を兼ねる材料(以下、「酸素発生材料兼水素酸化材料」と呼称する。)である。この酸素発生材料兼水素酸化材料を用いた場合には、正極容量回復電極18の通電に応じて、酸素が発生すると共に水素が酸化される。
正極容量回復電極18の一部は、接続端子部14ATと同様に、外装部材11の外部に導出されている。正極容量回復電極18の導出方向は、特に限定されないが、具体的には、接続端子部14ATの導出方向と同様である。
なお、負極14から正極容量回復電極18を離隔させるために、その負極14と正極容量回復電極18との間にセパレータ(図示せず)が配置されていてもよい。この離隔用のセパレータに関する詳細は、上記した通りである。
<1-2.動作>
この二次電池は、以下で説明するように、充放電処理および容量回復処理を行う。充放電処理は、二次電池において電池容量を発生させるための電極反応を進行させる処理である。一方、容量回復処理は、二次電池の充放電に応じて電池容量が減少した際、その電池容量を回復させるための電極反応を進行させる処理である。
[充放電処理]
二次電池の充放電処理を行う場合には、正極13および負極14が互いに接続される。
充電時には、正極13からアルカリ金属イオンが放出されると、そのアルカリ金属イオンが正極電解液15、隔壁12および負極電解液16をこの順に経由して負極14に移動するため、その負極14においてアルカリ金属イオンが吸蔵される。
一方、放電時には、負極14からアルカリ金属イオンが放出されると、そのアルカリ金属が負極電解液16、隔壁12および正極電解液15をこの順に経由して正極13に移動するため、その正極13においてアルカリ金属イオンが吸蔵される。
[容量回復処理]
この二次電池では、負極容量回復電極17および正極容量回復電極18のうちのいずれか一方を用いて容量回復処理が行われる。以下で説明する二次電池の容量回復処理は、後述する二次電池制御システムを用いて行われる。
(正極の容量回復処理)
正極13の容量回復処理が行われる場合には、正極容量回復電極18が用いられる。この場合には、負極14の代わりに正極容量回復電極18が選択されるため、正極13および正極容量回復電極18が互いに接続されると共に互いに通電される。これにより、正極容量回復電極18を用いて正極13が放電されるため、電池容量が回復する。
詳細には、二次電池が充放電されると、充電時の負極14において負極電解液16中の水性溶媒が分解されるため、水素が発生する。この場合には、負極14が放電されるため、電位が高電位側にシフトする。これにより、負極14の充電状態が正極13の充電状態からずれるため、二次電池において吸蔵放出されるリチウムイオンの量が減少する。よって、電池容量が減少する。
これに対して、正極13の容量回復処理では、正極容量回復電極18を用いて正極13が放電される。具体的には、正極容量回復電極18が酸素発生材料を含んでいる場合には、負極電解液16中の水が酸化されるため、酸素が発生しながら正極13が放電される。正極容量回復電極18が水素酸化材料を含んでいる場合には、負極電解液16中に溶存している水素が酸化されるため、その水素が消費されながら正極13が放電される。これにより、正極13の充電状態を負極14の充電状態に近づけることができるため、二次電池において吸蔵放出されるリチウムイオンの量が回復(増加)する。よって、容量回復反応が進行するため、電池容量が回復する。
なお、正極容量回復電極18が白金などの酸素発生材料兼水素酸化材料を含んでいる場合には、その正極容量回復電極18の構成材料として1種類の材料だけを用いることにより、酸素が発生しながら水素が消費される。
(負極の容量回復処理)
負極14の容量回復処理が行われる場合には、負極容量回復電極17が用いられる。この場合には、正極13の代わりに負極容量回復電極17が選択されるため、負極14および負極容量回復電極17が互いに接続されると共に互いに通電される。これにより、負極容量回復電極17を用いて負極14が放電されるため、電池容量が回復する。
詳細には、二次電池が充放電されると、充電時の正極13において正極電解液15中の水性溶媒が分解されるため、酸素が発生する。この場合には、正極13が放電されるため、電位が低電位側にシフトする。これにより、正極13の充電状態が負極14の充電状態からずれるため、二次電池において吸蔵放出されるリチウムイオンの量が減少する。よって、電池容量が減少する。
これに対して、負極14の容量回復処理では、負極容量回復電極17を用いて負極14が放電される。具体的には、負極容量回復電極17が水素発生材料を含んでいる場合には、正極電解液15中の水が還元されるため、水素が発生しながら負極14が放電される。負極容量回復電極17が酸素還元材料を含んでいる場合には、正極電解液15中に溶存している酸素が還元されるため、その酸素が消費されながら負極14が放電される。これにより、負極14の充電状態を正極13の充電状態に近づけることができるため、二次電池において吸蔵放出されるリチウムイオンの量が回復(増加)する。よって、容量回復反応が進行するため、電池容量が回復する。
なお、負極容量回復電極17が白金などの水素発生材料兼酸素還元材料を含んでいる場合には、その負極容量回復電極17の構成材料として1種類の材料だけを用いることにより、水素が発生しながら酸素が消費される。
<1-3.製造方法>
二次電池を製造する場合には、以下で説明するように、正極13および負極14のそれぞれを作製すると共に正極電解液15および負極電解液16のそれぞれを調製したのち、二次電池を作製する。
[正極の作製]
最初に、正極活物質と共に正極結着剤および正極導電剤などを互いに混合させることにより、正極合剤とする。続いて、水性溶媒に正極合剤を投入することにより、ペースト状の正極合剤スラリーを調製する。最後に、正極集電体13A(接続端子部13ATを除く。)の両面に正極合剤スラリーを塗布することにより、正極活物質層13Bを形成する。こののち、ロールプレス機などを用いて正極活物質層13Bを圧縮成型してもよい。この場合には、正極活物質層13Bを加熱してもよいし、圧縮成型を複数回繰り返してもよい。これにより、正極13が作製される。
[負極の作製]
上記した正極13の作製手順と同様の手順により、負極集電体14Aの両面に負極活物質層14Bを形成する。具体的には、負極活物質と共に負極結着剤および負極導電剤などを互いに混合させることにより、負極合剤としたのち、水性溶媒に負極合剤を投入することにより、ペースト状の負極合剤スラリーを調製する。続いて、負極集電体14A(接続端子部14ATを除く。)の両面に負極合剤スラリーを塗布することにより、負極活物質層14Bを形成する。こののち、負極活物質層14Bを圧縮成型してもよい。これにより、負極14が作製される。
[正極電解液および負極電解液のそれぞれの調製]
水性溶媒にイオン性物質を添加することにより、正極電解液15および負極電解液16のそれぞれを調製する。
[二次電池の組み立て]
最初に、あらかじめ隔壁12が内部に取り付けられている外装部材11(正極室S1および負極室S2)を準備する。続いて、正極室S1の内部に正極13および負極容量回復電極17のそれぞれを収納すると共に、負極室S2の内部に負極14および正極容量回復電極18のそれぞれを収納する。この場合には、正極室S1の外部に接続端子部13ATを導出させると共に、負極室S2の外部に接続端子部14ATを導出させる。また、正極室S1の外部に負極容量回復電極17の一部を導出させると共に、負極室S2の外部に正極容量回復電極18の一部を導出させる。最後に、正極室S1に連通された正極注入孔(図示せず)から、その正極室S1の内部に正極電解液15を供給すると共に、負極室S2に連通された負極注入孔(図示せず)から、その負極室S2の内部に負極電解液16を供給する。こののち、正極注入孔および負極注入孔のそれぞれを封止する。
これにより、正極13および負極容量回復電極17のそれぞれが配置されている正極室S1の内部に正極電解液15が収容されると共に、負極14および正極容量回復電極18のそれぞれが配置されている負極室S2の内部に負極電解液16が収容される。よって、2種類の水系電解液(正極電解液15および負極電解液16を用いた二次電池が完成する。
<1-4.作用および効果>
この二次電池によれば、正極13、負極14および2種類の水系電解液(正極電解液15および負極電解液16)と共に、負極容量回復電極17および正極容量回復電極18を備えている。この負極容量回復電極17は、水素発生材料および酸素還元材料のうちの一方または双方を含んでいると共に、正極容量回復電極18は、酸素発生材料および水素酸化材料のうちの一方または双方を含んでいる。
この場合には、上記したように、二次電池が充放電された際に、正極13の電位上昇に起因して電池容量が減少しても、その正極13および正極容量回復電極18が互いに通電されることに応じて正極13の電位が下降するため、電池容量が回復する。
また、上記したように、二次電池が充放電された際に、負極14の電位上昇に起因して電池容量が減少しても、その負極14および負極容量回復電極17が互いに通電されることに応じて負極14の電位が上昇するため、電池容量が回復する。
これらのことから、二次電池の使用に応じて電池容量が減少しても、負極容量回復電極17および正極容量回復電極18のそれぞれを用いて正極13および負極14のそれぞれの状態が回復するため、電池容量を回復させることができる。
この場合には、電池容量を回復させるために、正極電解液15および負極電解液16のそれぞれに特別な添加剤を添加する必要がない。また、正極電解液15および負極電解液16のそれぞれに含まれている水性溶媒が枯渇しない限り、何度でも繰り返して電池容量が回復する。よって、容易かつ継続的に電池容量を回復させることができる。
特に、水素発生材料が白金、イリジウム、ニッケル、鉄およびパラジウムのうちのいずれか1種類または2種類以上を構成元素として含んでいれば、低い電圧において十分な量の水素が発生しやすくなるため、より高い効果を得ることができる。酸素還元材料が白金、白金ルテニウム合金、多孔質炭素、酸化ニオブ、酸化ケイ素および酸化チタンのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいれば、低い電圧において十分な量の酸素が還元されやすくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、酸素発生材料がニッケル、マンガン、イリジウム、パラジウム、タンタルおよび白金のうちのいずれか1種類または2種類以上を構成元素として含んでいれば、低い電圧において十分な量の酸素が発生しやすくなるため、より高い効果を得ることができる。水素酸化材料は、白金、銀、酸化銀、酸化ジルコニウムおよびニッケルクロム合金のうちの少なくとも1種を含んでいれば、低い電圧において十分な量の水素が還元されやすくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、正極13が標準水素電極の電位を基準として0.4V以上の電位においてアルカリ金属イオンを吸蔵放出する正極活物質を含んでいれば、その正極13および正極容量回復電極18において電力をほとんど消費しないで容量回復反応が進行しやすくなると共に、容量回復処理において電池容量が回復しやすくなるため、より高い効果を得ることができる。
同様に、負極14が標準水素電極の電位を基準として0V以下の電位においてアルカリ金属イオンを吸蔵放出する負極活物質を含んでいれば、その負極14および負極容量回復電極17において電力をほとんど消費しないで容量回復反応が進行しやすくなると共に、容量回復処理において電池容量が回復しやすくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、負極電解液16のpHが正極電解液15のpHよりも大きくなっていれば、電力をほとんど消費しないで容量回復処理が進行しやすくなると共に、その容量回復処理において電池容量が回復しやすくなるため、より高い効果を得ることができる。この場合には、正極電解液15のpHが3~8であると共に、負極電解液16のpHが11以上であれば、容量回復反応が十分に進行しやすくなると共に、その容量回復処理において電池容量が十分に回復しやすくなるため、さらに高い効果を得ることができる。
<2.二次電池制御システム>
次に、上記した二次電池を用いた二次電池制御システムに関して説明する。
この二次電池制御システムは、二次電池を用いて容量回復処理を行うことにより、その二次電池の電池容量を回復させるシステムである。以下では、随時、既に説明した図1を参照すると共に、既に説明した二次電池の構成要素を引用する。
<2-1.構成>
図2は、二次電池制御システムのブロック構成を表している。図2では、上記した二次電池である二次電池1が二次電池制御システムに装着(接続)された状態を示していると共に、その二次電池1に淡い網掛けを施している。
この二次電池制御システムは、図2に示したように、制御部21と、装着部22と、接続配線23~26とを備えている。
なお、図2では、制御部21および装着部22が互いに別体化されている。しかしながら、制御部21および装着部22は、互いに一体化されていてもよい。
[制御部]
制御部21は、二次電池の容量回復処理を統括的に管理および実行する制御回路であり、中央処理装置(CPU)およびメモリなどを含んでいる。この制御部21は、装着部22に二次電池1が装着されると、接続配線23~26を介して二次電池1と接続される。これにより、制御部21は、接続配線23~26を介して正極13、負極14、負極容量回復電極17および正極容量回復電極18と接続されるため、その正極13、負極14、負極容量回復電極17および正極容量回復電極18のそれぞれに通電可能である。
なお、制御部21は、ポテンショスタットおよびガルバノスタットのうちの一方または双方を含んでいてもよい。このポテンショスタットおよびガルバノスタットのそれぞれは、正極13、負極14、負極容量回復電極17、正極容量回復電極18および後述する参照電極のうちの2個以上に接続されている。これにより、容量回復処理を行うための通電時において、電圧、電流および電力のうちのいずれか1種類または2種類以上が一定となるように維持されてもよい。
また、制御部21は、各電極の電位を検出すると共に互いに接続された電極間の電流を検出する計器を備えていてもよい。具体的には、計器は、正極13、負極14、負極容量回復電極17、正極容量回復電極18および参照電極のうちの1個以上が接続されている電流検出部および電流測定部などである。
これにより、制御部21は、正極13、負極14、負極容量回復電極17、正極容量回復電極18および参照電極のうちの2個以上の電極間の電位差、その電極間に流れる電流および電力を参照しながら、容量回復処理時において通電を制御可能である。
具体的には、制御部21は、正極13と正極容量回復電極18とを互いに接続させたのち、その正極13および正極容量回復電極18を互いに通電させることにより、容量回復処理を行うことが可能である。また、制御部21は、負極14と負極容量回復電極17とを互いに接続させたのち、その負極14および負極容量回復電極17を互いに通電させることにより、容量回復処理を行うことが可能である。さらに、制御部21は、通電時の電流値、または互いに接続されている電極間の電圧値が所定の値に到達した場合に、正極13と負極14とが互いに接続されるように接続先を切り替えることにより、容量回復処理を終了させることが可能である。
より具体的には、所定の放電終止条件が満たされるまで二次電池が放電されたのち、制御部21は、正極13の接続先を負極14から正極容量回復電極18に切り替えると共に、その正極13および正極容量回復電極18を互いに通電させることにより、容量回復処理を行う。こののち、定電圧条件で容量回復処理を行うことにより、通電時の電流値が所定の電流値よりも小さくなった場合に、制御部21は、正極13の接続先を正極容量回復電極18から負極14に切り替えることにより、容量回復処理を終了させる。
[装着部]
装着部22は、二次電池1を保持すると共に、接続配線23~26を介して二次電池1を制御部21に接続させる。
[接続配線]
接続配線23~26は、制御部21に接続されていると共に、装着部22に設けられている4個の接続端子(図示せず)に接続されている。これにより、装着部22に二次電池1が装着されると、その二次電池1が接続配線23~26を介して制御部21に接続される。
具体的には、接続配線23用の接続端子に負極容量回復電極17が接続されるため、その接続配線23を介して負極容量回復電極17が制御部21に接続される。接続配線24用の接続端子に接続端子部13ATが接続されるため、その接続配線24を介して正極13が制御部21に接続される。接続配線25用の接続端子に接続端子部14ATが接続されるため、その接続配線25を介して負極14が制御部21に接続される。接続配線26用の接続端子に正極容量回復電極18が接続されるため、その接続配線26を介して正極容量回復電極18が制御部21に接続される。
[他の構成要素]
なお、二次電池は、さらに、図示しない他の構成要素のうちのいずれか1種類または2種類以上を備えていてもよい。
具体的には、二次電池は、制御部21に接続された外部電源を備えていてもよい。なお、後述するように、電池パックが複数個の二次電池を備えている場合には、容量回復処理が行われる二次電池以外の他の二次電池が外部電源として用いられてもよい。この場合において、容量回復処理が行われる二次電池の個数は、1個以上であれば、特に限定されないと共に、外部電源として用いられる二次電池の個数も同様に、1個以上であれば、特に限定されない。
また、二次電池は、制御部21に接続された参照電極を備えていてもよい。この参照電極は、耐酸性、耐塩基性、耐酸化性および耐還元性を有する材料を含んでいることが好ましい。また、多孔性の材料を含んでいることが好ましい。大容量が得られると共に、自己放電に起因する参照電極の劣化が抑制されるからである。なお、参照電極は、正極電解液15中に配置されていてもよいし、負極電解液16中に配置されていてもよい。
<2-2.動作>
この二次電池制御システムでは、装着部22に二次電池1が装着されると、その二次電池1が制御部21に接続されるため、以下で説明するように、その制御部21が二次電池1の容量回復処理を行う。
具体的には、制御部21は、正極13の接続先を負極14から正極容量回復電極18に切り替えると共に、その正極13および正極容量回復電極18を互いに接続させることにより、その正極13および正極容量回復電極18を互いに通電させる。これにより、上記したように、正極13の電位が下降するため、容量回復反応が進行する。よって、正極13の容量回復処理が行われるため、電池容量が回復する。
また、制御部21は、負極14の接続先を正極13から負極容量回復電極17に切り替えると共に、その負極14および負極容量回復電極17を互いに接続させることにより、その負極14および負極容量回復電極17を互いに通電させる。これにより、上記したように、負極14の電位が上昇するため、容量回復反応が進行する。よって、負極14の容量回復処理が行われるため、電池容量が回復する。
なお、制御部21は、正極13の容量回復処理と負極14の容量回復処理とを別個に行ってもよいし、正極13の容量回復処理と負極14の容量回復処理とを同時に行ってもよい。
また、制御部21は、外部電源を用いて容量回復処理を行ってもよい。具体的には、制御部21は、外部電源を用いて正極13および正極容量回復電極18を互いに通電させることにより、容量回復処理を行ってもよい。また、制御部21は、外部電源を用いて負極14および負極容量回復電極17を互い通電させることにより、容量回復処理を行ってもよい。
<2-3.作用および効果>
この二次電池制御システムによれば、正極13および正極容量回復電極18を互いに通電させる容量回復処理および負極14および負極容量回復電極17を互いに通電させる容量回復処理の双方を行う制御部21を備えている。よって、上記したように、制御部21により正極13の容量回復処理および負極14の容量回復処理が行われるため、2種類の水系電解液(正極電解液15および負極電解液16)を備えた二次電池の電池容量を回復させることができる。
なお、二次電池制御システムに関する他の作用および効果は、上記した二次電池に関する他の作用および効果と同様である。
<3.変形例>
上記した二次電池および二次電池制御システムのそれぞれの構成は、以下で説明するように、適宜、変更可能である。ただし、以下で説明する一連の変形例のうちの任意の2種類以上は、互いに組み合わされてもよい。
[変形例1,2]
図1では、二次電池が負極容量回復電極17および正極容量回復電極18の双方を備えている。しかしながら、図1に対応する図3に示したように、二次電池が負極容量回復電極17を備えておらずに正極容量回復電極18だけを備えていてもよいし(変形例1)、図1に対応する図4に示したように、二次電池が正極容量回復電極18を備えておらずに負極容量回復電極17だけを備えていてもよい(変形例2)。
これらの場合においても、上記したように、正極容量回復電極18を用いた正極13の容量回復処理が行われると共に、負極容量回復電極17を用いた負極14の容量回復処理が行われるため、図1に示した場合と同様の効果を得ることができる。
[変形例3]
図1では、二次電池が液状の電解質である2種類の水系電解液(正極電解液15および負極電解液16)を備えている。しかしながら、図1に対応する図5に示したように、二次電池は、2種類の水系電解液の代わりに、ゲル状の電解質である2種類の水系電解質層(正極電解質層19および負極電解質層20)を備えていてもよい。図5に示した二次電池の構成は、以下で説明することを除いて、図1に示した二次電池の構成と同様である。
正極電解質層19は、正極13と隔壁12との間に配置されていると共に、負極電解質層20は、負極14と隔壁12の間に配置されている。すなわち、正極電解質層19は、正極13および隔壁12のそれぞれに隣接されていると共に、負極電解質層20は、負極14および隔壁12のそれぞれに隣接されている。
具体的には、正極電解質層19は、正極電解液15と共に高分子化合物を含んでおり、その正極電解液15は、高分子化合物により保持されている。負極電解質層20は、負極電解液16と共に高分子化合物を含んでおり、その負極電解液16は、高分子化合物により保持されている。高分子化合物の種類は、特に限定されないが、具体的には、ポリフッ化ビニリデンおよびポリエチレンオキサイドなどのうちのいずれか1種類または2種類以上である。図5では、正極電解液15を含んでいる正極電解質層19に淡い網掛けを施していると共に、負極電解液16を含んでいる負極電解質層20に濃い網掛けを施している。
正極電解質層19を形成する場合には、正極電解液15および高分子化合物と共に溶媒を互いに混合させることにより、ゾル状の前駆溶液を調製したのち、正極13の表面に前駆溶液を塗布する。負極電解質層20を形成する場合には、負極電解液16および高分子化合物と共に溶媒を互いに混合することにより、ゾル状の前駆溶液を調製したのち、負極14の表面に前駆溶液を塗布する。ただし、正極電解質層19を形成するために、隔壁12の表面に前駆溶液を塗布してもよいと共に、負極電解質層20を形成するため、隔壁12の表面に前駆溶液を塗布してもよい。
この場合においても、正極13と負極14との間において正極電解質層19および負極電解質層20を介してリチウムイオンが移動可能になるため、図1に示した場合と同様の効果を得ることができる。なお、正極電解液15と負極電解質層20とを併用してもよいし、正極電解質層19と負極電解液16とを併用してもよい。
[変形例4]
図1では、正極室S1の内部に正極電解液15が充填されているため、その正極室S1の内部では余剰空間S1Zが存在していないと共に、負極室S2の内部に負極電解液16が充填されているため、その負極室S2の内部では余剰空間S2Zが存在していない。この余剰空間S1Zは、正極室S2の内部において正極電解液15が存在していない空間であると共に、余剰空間S2Zは、負極室S2の内部において負極電解液16が存在していない空間である。
しかしながら、図1に対応する図6に示したように、何らかの要因に起因して正極電解液15の収容量が減少したため、その正極室S1の内部に余剰空間S1Zが存在していると共に、何らかの要因に起因して負極電解液16の収容量が減少したため、その負極室S2の内部に余剰空間S2Zが存在していてもよい。正極電解液15の収容量が減少する要因は、その正極電解液15の揮発および漏洩などであると共に、負極電解液16の収容量が減少する要因は、その負極電解液16の揮発および漏洩などである。
この場合には、正極電解液15の収容量の減少に応じて、正極13における正極活物質層13Bの一部が露出していてもよいし、その正極活物質層13Bの一部が露出していなくてもよい。また、負極電解液16の収容量の減少に応じて、負極14における負極活物質層14Bの一部が露出していてもよいし、その負極活物質層14Bの一部が露出していなくてもよい。
なお、正極電解液15の液面(上面)の位置は、特に限定されないため、その正極電解液15が正極活物質層13Bに接触可能である範囲内において、任意に設定可能である。また、負極電解液16の液面(上面)の位置は、特に限定されないため、その負極電解液16が負極活物質層14Bに接触可能である範囲内において、任意に設定可能である。
この場合においても、上記したように、正極容量回復電極18を用いた正極13の容量回復処理が行われると共に、負極容量回復電極17を用いた負極14の容量回復処理が行われるため、図1に示した場合と同様の効果を得ることができる。
この場合には、特に、酸素還元材料を含んでいる負極容量回復電極17を用いて、正極電解液15中に溶存している酸素が還元されるだけでなく、余剰空間S1Z中に存在している酸素も還元される。よって、酸素の消費量が増加するため、より高い効果を得ることができる。
また、水素酸化材料を含んでいる正極容量回復電極18を用いて、負極電解液16中に溶存している水素が酸化されるだけでなく、余剰空間S2Z中に存在している水素も酸化される。よって、水素の消費量が増加するため、より高い効果を得ることができる。
なお、具体的に図示しないが、ここで説明した変形例4は、図1に限られず、図3に適用されてもよいし、図4に適用されてもよい。これらの場合においても、図6に示した場合と同様の効果を得ることができる。もちろん、正極室S1の内部に余剰空間S1Zが存在しているのに対して、負極室S2の内部に余剰空間S2Zが存在していなくてもよいし、負極室S2の内部に余剰空間S2Zが存在しているのに対して、正極室S1の内部に余剰空間S1Zが存在していなくてもよい。
[変形例5]
上記した変形例4(図6)では、負極容量回復電極17の一部が正極電解液15中に浸漬されているため、その負極容量回復電極17が正極電解液15に接触していると共に、正極容量回復電極18の一部が負極電解液16中に浸漬されているため、その正極容量回復電極18が負極電解液16に接触している。
しかしながら、図6に対応する図7に示したように、負極容量回復電極17の一部が正極電解液15中に浸漬されておらずに余剰空間S1Zにおいて終端しているため、その負極容量回復電極17が正極電解液15に接触していないと共に、正極容量回復電極18の一部が負極電解液16中に浸漬されておらずに余剰空間S2Zにおいて終端しているため、その正極容量回復電極18が負極電解液16に接触していなくてもよい。
この場合においても、上記したように、正極容量回復電極18を用いた正極13の容量回復処理が行われると共に、負極容量回復電極17を用いた負極14の容量回復処理が行われるため、図6に示した場合と同様の効果を得ることができる。
なお、具体的に図示しないが、負極容量回復電極17の一部が正極電解液15中に浸漬されていないため、その負極容量回復電極17が正極電解液15に接触していないのに対して、正極容量回復電極18の一部が負極電解液16中に浸漬されているため、その正極容量回復電極18が負極電解液16に接触していてもよい。また、負極容量回復電極17の一部が正極電解液15中に浸漬されているため、その負極容量回復電極17が正極電解液15に接触しているのに対して、正極容量回復電極18の一部が負極電解液16中に浸漬されていないため、その正極容量回復電極18が負極電解液16に接触していなくてもよい。
[変形例6]
図2に示した二次電池制御システムでは、制御部21が正極13および正極容量回復電極18を互いに通電させる容量回復処理および負極14および負極容量回復電極17を互いに通電させる容量回復処理の双方を行っている。しかしながら、制御部21は、正極13および正極容量回復電極18を互いに通電させる容量回復処理および負極14および負極容量回復電極17を互いに通電させる容量回復処理のうちのいずれか一方だけを行ってもよい。
この場合においても、負極容量回復電極17および正極容量回復電極18のうちのいずれか一方を用いて電池容量が回復するため、同様の効果を得ることができる。
<4.二次電池の用途>
二次電池の用途(適用例)は、特に限定されない。電源として用いられる二次電池は、電子機器および電動車両などの主電源でもよいし、補助電源でもよい。主電源とは、他の電源の有無に関係なく、優先的に用いられる電源である。補助電源は、主電源の代わりに用いられる電源、または主電源から切り替えられる電源である。
二次電池の用途の具体例は、以下の通りである。ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、携帯電話機、ノート型パソコン、ヘッドホンステレオ、携帯用ラジオおよび携帯用情報端末などの電子機器である。バックアップ電源およびメモリーカードなどの記憶用装置である。電動ドリルおよび電動鋸などの電動工具である。電子機器などに搭載される電池パックである。ペースメーカおよび補聴器などの医療用電子機器である。電気自動車(ハイブリッド自動車を含む。)などの電動車両である。非常時などに備えて電力を蓄積しておく家庭用または産業用のバッテリシステムなどの電力貯蔵システムである。これらの用途では、1個の二次電池が用いられてもよいし、複数個の二次電池が用いられてもよい。
電池パックは、単電池(1個の二次電池)を用いてもよいし、組電池(複数個の二次電池)を用いてもよい。電動車両は、二次電池を駆動用電源として作動(走行)する車両であり、その二次電池以外の駆動源を併せて備えたハイブリッド自動車でもよい。家庭用の電力貯蔵システムでは、電力貯蔵源である二次電池に蓄積された電力を利用して家庭用の電気製品などを使用可能である。
ここで、二次電池の適用例の一例に関して具体的に説明する。図8は、電池パックのブロック構成を表している。ここで説明する電池パックは、1個の二次電池を用いた簡易型の電池パック(いわゆるソフトパック)であり、スマートフォンに代表される電子機器などに搭載される。
この電池パックは、図8に示したように、電源51と、回路基板52とを備えている。この回路基板52は、電源51に接続されていると共に、正極端子53、負極端子54および温度検出端子55を含んでいる。
電源51は、1個の二次電池を含んでおり、その二次電池の構成は、上記した通りである。この二次電池では、正極リードが正極端子53に接続されていると共に、負極リードが負極端子54に接続されている。この電源51は、正極端子53および負極端子54を介して外部と接続可能であるため、充放電可能である。回路基板52は、制御部56と、スイッチ57と、熱感抵抗(PTC)素子58と、温度検出部59とを含んでいる。ただし、PTC素子58は省略されてもよい。
制御部56は、上記した二次電池制御システムの構成と同様の構成を有しており、電池パック全体の動作を制御する。この制御部56は、必要に応じて電源51の使用状態の検出および制御を行う。
なお、制御部56は、電源51(二次電池)の電圧が過充電検出電圧に到達すると、スイッチ57を切断することにより、電源51の電流経路に充電電流が流れないようにする。
スイッチ57は、充電制御スイッチ、放電制御スイッチ、充電用ダイオードおよび放電用ダイオードなどを含んでおり、制御部56の指示に応じて電源51と外部機器との接続の有無を切り換える。このスイッチ57は、金属酸化物半導体を用いた電界効果トランジスタ(MOSFET)などを含んでおり、充放電電流は、スイッチ57のON抵抗に基づいて検出される。
温度検出部59は、サーミスタなどの温度検出素子を含んでおり、温度検出端子55を用いて電源51の温度を測定すると共に、その温度の測定結果を制御部56に出力する。温度検出部59により測定される温度の測定結果は、異常発熱時において制御部56が充放電制御を行う場合および残容量の算出時において制御部56が補正処理を行う場合などに用いられる。
もちろん、二次電池の用途は、ここで例示した一連の用途以外の他の用途でもよい。
本技術の実施例に関して説明する。
<実施例1,2および比較例1>
以下で説明するように、アルカリ金属イオンであるリチウムイオンを用いて二次電池を作製したのち、その二次電池の電池特性を評価した。
[実施例1,2の二次電池の作製]
以下の手順により、図3に示した正極容量回復電極18を備えている二次電池を作製した。
(正極の作製)
最初に、正極活物質(スピネル型の結晶構造を有するリチウム複合酸化物であるLiMn2 4 )91質量部と、正極結着剤(ポリフッ化ビニリデン)3質量部と、正極導電剤(黒鉛)6質量部とを互いに混合させることにより、正極合剤とした。続いて、溶媒(有機溶剤であるN-メチル-2-ピロリドン)に正極合剤を投入したのち、その有機溶剤を撹拌することにより、ペースト状の正極合剤スラリーを調製した。最後に、コーティング装置を用いて、接続端子部13ATを除いた正極集電体13A(厚さ=10μmであるチタン箔)の両面に正極合剤スラリーを塗布したのち、その正極合剤スラリーを乾燥させることにより、正極活物質層13Bを形成した。これにより、正極13が作製された。
(負極の作製)
最初に、負極活物質(チタン酸化物であるTiO2 (アナターゼ型))89質量部と、負極結着剤(ポリフッ化ビニリデン)10質量部と、負極導電剤(黒鉛)1質量部とを互いに混合させることにより、負極合剤とした。続いて、溶媒(有機溶剤であるN-メチル-2-ピロリドン)に負極合剤を投入したのち、その有機溶剤を撹拌することにより、ペースト状の負極合剤スラリーを調製した。最後に、コーティング装置を用いて、接続端子部14ATを除いた負極集電体14A(厚さ=10μmであるチタン箔)の両面に負極合剤スラリーを塗布したのち、その負極合剤スラリーを乾燥させることにより、負極活物質層14Bを形成した。これにより、負極14が作製された。
(正極電解液の調製)
水性溶媒(純水)にイオン性物質(硫酸リチウム(Li2 SO4 ))を投入したのち、その水性溶媒を撹拌した。これにより、水性溶媒中においてイオン性物質が分散または溶解されたため、水系電解液である正極電解液15が調製された。この場合には、濃度=3mol/kgおよびpH=5とした。
(負極電解液の調製)
水性溶媒(純水)にイオン性物質(水酸化リチウム(LiOH))を投入したのち、その水性溶媒を撹拌した。これにより、水性溶媒中においてイオン性物質が分散または溶解されたため、水系電解液である負極電解液16が調製された。この場合には、濃度=4mol/kgおよびpH=12とした。すなわち、正極電解液15のpHよりも負極電解液16のpHを大きくした。
(二次電池の組み立て)
最初に、隔壁12(シグマアルドリッチジャパン合同会社製のカチオン交換膜 Nafion115(登録商標))が内部に取り付けられたガラス製容器である外装部材11(正極室S1および負極室S2)を準備した。
続いて、正極室S1の内部に正極13を収納すると共に、負極室S2の内部に負極14および正極容量回復電極18を収納した。正極容量回復電極18の材質は、表1に示した通りである。ここでは、正極容量回復電極18の材質(構成材料)として、酸素発生材料であるニッケル(Ni)と、酸素発生材料兼水素酸化材料である白金(Pt)とを用いた。この場合には、外装部材11の外部に接続端子部13AT,14ATのそれぞれを導出させると共に、その外装部材11の外部に正極容量回復電極18の一部を導出させた。
最後に、正極室S1の内部に正極電解液15を供給すると共に、負極室S2の内部に負極電解液16を供給した。これにより、正極13が配置されている正極室S1の内部に正極電解液15が収容されると共に、負極14および正極容量回復電極18が配置されている負極室S2の内部に負極電解液16が収容された。よって、2種類の水系電解液(正極電解液15および負極電解液16)を用いた二次電池が完成した。
[比較例1の二次電池の作製]
正極容量回復電極18を用いなかったことを除いて同様の手順により、その正極容量回復電極18を備えていない二次電池を作製した。正極容量回復電極18の有無は、表1に示した通りである。
[電池特性の評価]
二次電池の電池特性として容量回復特性を評価したところ、表1に示した結果が得られた。
(実施例1,2の二次電池を用いた容量回復特性の評価)
最初に、正極13および負極14が互いに接続された二次電池を用いて、常温環境中(温度=25℃)において二次電池を充放電させることにより、放電容量(1サイクル目の放電容量)を測定した。
続いて、正極13および負極14が互いに接続された二次電池を用いて、同環境中においてサイクル数(充放電回数)が50サイクルに到達するまで二次電池を繰り返して充放電させることにより、放電容量(50サイクル目の放電容量)を測定した。
充電時には、2Cの電流で電池電圧が2.0Vに到達するまで二次電池を定電流充電させたと共に、放電時には、2Cの電流で電池電圧が1.5Vに到達するまで二次電池を定電流放電させた。なお、2Cとは、電池容量(理論容量)を0.5時間で放電しきる電流値である。
続いて、正極13の接続先を負極14から正極容量回復電極18に切り替えたのち、正極13および正極容量回復電極18が互いに接続された二次電池を用いて、その二次電池(正極13)の容量回復処理を行った。この場合には、同環境中において正極13および正極容量回復電極18を互いに通電させることにより、その正極13を放電させた。放電時には、0.05Cの電流で電位差(正極13の電位と正極容量回復電極18の電位との差)が0Vに到達するまで二次電池を放電させた。なお、0.05Cとは、電池容量を20時間で放電しきる電流値である。
続いて、正極13の接続先を正極容量回復電極18から負極14に切り替えたのち、再び正極13および負極14が互いに接続された二次電池を用いて、同環境中において二次電池を充放電させることにより、放電容量(51サイクル目の放電容量)を測定した。
最後に、容量回復率(%)=[(51サイクル目の放電容量-50サイクル目の放電容量)/1サイクル目の放電容量)]×100という計算式に基づいて、容量回復特性を評価するための指標である容量回復率を算出した。
(比較例1の二次電池を用いた容量回復特性の評価)
二次電池が正極容量回復電極18を備えていないため、その二次電池(正極13)の容量回復処理を行わなかったことを除いて同様の手順により、容量回復率を算出した。
Figure 0007464146000001
[考察]
表1に示したように、容量回復率は、二次電池の構成(正極容量回復電極18の有無)、すなわち容量回復処理の有無に応じて変動した。
具体的には、二次電池が正極容量回復電極18を備えていないため、正極13の容量回復処理を行わなかった場合(比較例1)には、容量回復率が0%であったため、電池容量が回復されなかった。これに対して、二次電池が正極容量回復電極18を備えているため、正極13の容量回復処理を行った場合(実施例1,2)には、容量回復率が13%および20%であったため、電池容量が回復された。
[まとめ]
表1に示した結果から、正極13、負極14および2種類の水系電解液(正極電解液15および負極電解液16)を用いた二次電池が正極容量回復電極18を備えており、その正極13および正極容量回復電極18を互いに通電させると、容量回復率が増加した。よって、二次電池の電池容量を回復させることができた。
なお、ここでは具体的に検証していないが、正極13、負極14および2種類の水系電解液(正極電解液15および負極電解液16)を用いた二次電池が負極容量回復電極17を備えており、その負極14および負極容量回復電極17を互いに通電させても、容量回復率が増加するため、二次電池の電池容量を回復させることができる。
以上、一実施形態および実施例を挙げながら、本技術の二次電池の構成に関して説明した。しかしながら、本技術の二次電池の構成は、一実施形態および実施例において説明された構成に限られず、種々に変形可能である。
本明細書中に記載された効果は、あくまで例示であるため、本技術の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されない。よって、本技術に関して他の効果が得られてもよい。

Claims (7)

  1. 正極空間と負極空間との間に配置されると共にアルカリ金属イオンを透過させる隔壁と、
    前記正極空間の内部に配置されると共に前記アルカリ金属イオンを吸蔵放出する正極と、
    前記負極空間の内部に配置されると共に前記アルカリ金属イオンを吸蔵放出する負極と、
    前記正極空間の内部に収容されると共に水性溶媒および前記アルカリ金属イオンを含む正極電解液と、
    前記負極空間の内部に収容されると共に水性溶媒および前記アルカリ金属イオンを含む負極電解液と、
    前記正極空間の内部に配置された負極容量回復電極および前記負極空間の内部に配置された正極容量回復電極のうちの少なくとも一方と
    を備え、
    前記負極容量回復電極は、水素発生材料および酸素還元材料のうちの少なくとも一方を含み、
    前記正極容量回復電極は、酸素発生材料および水素酸化材料のうちの少なくとも一方を含む、
    二次電池。
  2. 前記水素発生材料は、白金、イリジウム、ニッケル、鉄およびパラジウムのうちの少なくとも1種を構成元素として含み、
    前記酸素還元材料は、白金、白金ルテニウム合金、多孔質炭素、酸化ニオブ、酸化スズおよび酸化チタンのうちの少なくとも1種を含み、
    前記酸素発生材料は、ニッケル、マンガン、イリジウム、パラジウム、タンタルおよび白金のうちの少なくとも1種を構成元素として含み、
    前記水素酸化材料は、白金、銀、酸化銀、酸化ジルコニウムおよびニッケルクロム合金のうちの少なくとも1種を含む、
    請求項1記載の二次電池。
  3. 前記正極は、標準水素電極の電位を基準として0.4V以上の電位において前記アルカリ金属イオンを吸蔵放出する正極活物質を含み、
    前記負極は、前記標準水素電極の電位を基準として0V以下の電位において前記アルカリ金属イオンを吸蔵放出する負極活物質を含む、
    請求項1または請求項2に記載の二次電池。
  4. 前記負極電解液のpHは、前記正極電解液のpHよりも大きい、
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の二次電池。
  5. 前記正極電解液のpHは、3以上8以下であり、
    前記負極電解液のpHは、11以上である、
    請求項4に記載の二次電池。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の二次電池と接続される制御回路を備え、
    前記制御回路は、前記正極の接続先を前記負極から前記正極容量回復電極に切り替えると共に前記正極および前記正極容量回復電極を互いに通電させる処理、および前記負極の接続先を前記正極から前記負極容量回復電極に切り替えると共に前記負極および前記負極容量回復電極を互いに通電させる処理のうちの少なくとも一方を行う、
    二次電池制御システム。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の二次電池と、
    請求項6記載の二次電池制御システムと
    を備えた、電池パック。
JP2022563851A 2020-11-20 2021-11-19 二次電池、二次電池制御システムおよび電池パック Active JP7464146B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020193480 2020-11-20
JP2020193480 2020-11-20
PCT/JP2021/042659 WO2022107892A1 (ja) 2020-11-20 2021-11-19 二次電池、二次電池制御システムおよび電池パック

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2022107892A1 JPWO2022107892A1 (ja) 2022-05-27
JP7464146B2 true JP7464146B2 (ja) 2024-04-09

Family

ID=81708049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022563851A Active JP7464146B2 (ja) 2020-11-20 2021-11-19 二次電池、二次電池制御システムおよび電池パック

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20230238593A1 (ja)
JP (1) JP7464146B2 (ja)
CN (1) CN116636026A (ja)
WO (2) WO2022107391A1 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002324585A (ja) 2001-04-24 2002-11-08 Japan Storage Battery Co Ltd 非水電解質二次電池およびその容量回復方法
WO2008041714A1 (en) 2006-10-03 2008-04-10 Ube Industries, Ltd. Charging device, and its manufacturing method
JP2014110184A (ja) 2012-12-04 2014-06-12 Japan Steel Works Ltd:The ニッケル水素電池およびニッケル水素電池の容量回復方法
JP2017152377A (ja) 2016-02-19 2017-08-31 株式会社半導体エネルギー研究所 蓄電装置、蓄電システム
JP2018163893A (ja) 2018-07-25 2018-10-18 株式会社東芝 二次電池、電池パック及び車両

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103430371B (zh) * 2011-03-14 2016-01-20 三菱自动车工业株式会社 恢复锂离子蓄电池容量的方法
US10593988B2 (en) * 2013-06-20 2020-03-17 GM Global Technology Operations LLC Electrochemical cell for lithium-based batteries
JP2016119249A (ja) * 2014-12-22 2016-06-30 株式会社日立製作所 リチウムイオン二次電池システム
JP2017069011A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 株式会社日立製作所 寿命制御型二次電池システム
JP2020057564A (ja) * 2018-10-04 2020-04-09 トヨタ自動車株式会社 水系リチウムイオン電池の制御方法
JP7332418B2 (ja) * 2019-10-04 2023-08-23 イビデン株式会社 リチウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池の製造方法及びリチウムイオン二次電池の容量回復方法
JP2021082531A (ja) * 2019-11-21 2021-05-27 株式会社日立ハイテク 二次電池の容量回復方法及び製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002324585A (ja) 2001-04-24 2002-11-08 Japan Storage Battery Co Ltd 非水電解質二次電池およびその容量回復方法
WO2008041714A1 (en) 2006-10-03 2008-04-10 Ube Industries, Ltd. Charging device, and its manufacturing method
JP2014110184A (ja) 2012-12-04 2014-06-12 Japan Steel Works Ltd:The ニッケル水素電池およびニッケル水素電池の容量回復方法
JP2017152377A (ja) 2016-02-19 2017-08-31 株式会社半導体エネルギー研究所 蓄電装置、蓄電システム
JP2018163893A (ja) 2018-07-25 2018-10-18 株式会社東芝 二次電池、電池パック及び車両

Also Published As

Publication number Publication date
WO2022107892A1 (ja) 2022-05-27
JPWO2022107892A1 (ja) 2022-05-27
US20230238593A1 (en) 2023-07-27
WO2022107391A1 (ja) 2022-05-27
CN116636026A (zh) 2023-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10886560B2 (en) All-solid-state lithium secondary battery containing LLZO solid electrolyte and method for preparing same
JP5256816B2 (ja) リチウムイオン電池用正極材料
JP7272427B2 (ja) 二次電池
JP6776291B2 (ja) 組電池、電池パック、車両、及び、定置用電源
CN104882637B (zh) 电解液和电化学储能装置
JP2005044743A (ja) 非水電解液二次電池用正極活物質および非水電解液二次電池
JP2013065453A (ja) リチウム二次電池
JPWO2020059131A1 (ja) 電池及び電池パック
US20190131623A1 (en) Method for charging lithium-ion secondary battery, lithium-ion secondary battery system, and power storage device
JP2012124026A (ja) 非水電解液二次電池
JP2005285545A (ja) リチウム二次電池
JP6052168B2 (ja) リチウム二次電池
JP5742402B2 (ja) リチウム二次電池及びその製造方法
KR101888775B1 (ko) 비수 전해액 이차 전지
JP7464146B2 (ja) 二次電池、二次電池制御システムおよび電池パック
CN112689916A (zh) 蓄电元件
US11251627B2 (en) Charge and discharge control device for preventing battery deterioration, battery pack, vehicle, and charge and discharge control method
JP2003123836A (ja) リチウム二次電池
JP4983356B2 (ja) 水系リチウム二次電池
JP7420271B2 (ja) 二次電池
JP7462142B2 (ja) 二次電池
JP2006040572A (ja) 水系リチウム二次電池用正極活物質及び水系リチウム二次電池
US20240097222A1 (en) Secondary battery, battery pack, vehicle, and stationary power supply
JP4581524B2 (ja) 水系リチウム二次電池用正極活物質及び水系リチウム二次電池
JP4765282B2 (ja) 水系リチウム二次電池用負極活物質及びその製造方法、並びに水系リチウム二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230120

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20231226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240311

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7464146

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150