JP7461816B2 - シャープペンシル - Google Patents

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Description

本発明は、シャープペンシルに関する。
軸筒を前後に振ることによって、軸筒の内部において前後に移動可能に配置された錘体(重量体)の運動を利用して筆記芯の繰り出しを行う、いわゆる振り出し式のシャープペンシルが公知である(例えば特許文献1)。特許文献1に記載のシャープペンシルでは、錘体の前後の移動は、錘体の前方及び後方に配置された弾性片と衝突することによって停止するように構成されている。錘体が前方の弾性片と衝突するときの衝撃によってチャックを前進させ、それによって筆記芯の繰り出しが行われる。錘体の衝突時の衝撃は、弾性片によって吸収されることから衝突音が或る程度低減される。
特開2012-240407号公報
一般に振り出し式のシャープペンシルでは、筆記芯の繰り出しを確実に行うために、すなわち一定以上の衝撃をチャックに伝達させるために、錘体を所定以上の速度で運動させる必要がある。そのため使用者は、まず軸筒を後方に引いた後すぐに軸筒を前方に振り戻すという振り出し操作を行う必要がある。この一連の振り出し操作は、老若男女の誰でも確実に筆記芯の繰り出しができるように、コンパクトな動作、すなわち短いストロークで且つ軽い力で行えることが望ましい。
また、錘体が軸筒の内部において自由に前後に移動可能に配置されていることから、たとえ特許文献1に記載のシャープペンシルであっても、弾性片に当接する直前の運動量は大きく、したがって衝突音を完全に減らすことはできない。また、錘体の移動に伴う軸筒の内面との摺接音を低減させることが望ましい。
本発明は、コンパクトな動作で且つ軽い力で筆記芯の繰り出しを行うことができる振り出し式のシャープペンシルを提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、軸筒と、前記軸筒の内部において前後に移動可能に配置された錘体と、前記軸筒に対して前記錘体を後方に付勢するスプリングと、筆記芯を把持するチャック本体部と、前記チャック本体部と分離して配置されたノック伝達用円筒体とを有し、且つ、筆記芯の前進を許容し後退を阻止するように構成されたチャックユニットと、前記チャックユニットの前方に配置され、筆記芯を保持するように構成された保持チャックと、を具備し、振り出し操作及びノック操作によって筆記芯の繰り出しが可能なシャープペンシルであって、振り出し操作時には、前記スプリングの付勢力に抗して前記錘体が前進し、前記錘体の前進に伴って前記チャック本体部のみが前進して筆記芯の繰り出しが行われるように構成され、ノック操作時には、前記ノック伝達用円筒体が前進して前記チャック本体部の後端部を保持し、前記チャック本体部及び前記ノック伝達用円筒体が前進して筆記芯の繰り出しが行われるように構成されていることを特徴とするシャープペンシルが提供される。
前記チャックユニットが、円筒状に形成された中継部材をさらに有し、前記錘体が、前記中継部材を介して前記スプリングによって付勢されていてもよい。前記チャックユニットが、前記チャック本体部を包囲する締め具であって、内周面には前方に向かって拡がるテーパ面が形成された締め具と、前記締め具の前記テーパ面と前記チャック本体部の外面との間に配置されたボールと、前記締め具に対して前記チャック本体部を後方に付勢するチャックスプリングとを有し、前記中継部材が前記締め具の外周面に嵌合していてもよい。前記錘体の移動を阻止するロック機構をさらに具備してもよい。前記錘体の外周面には、前記錘体の移動時に前記軸筒の内周面と摺接する突起が設けられていてもよい。前記スプリングのばね定数が0.001~0.1N/mmの範囲であってもよい。前記錘体の質量が2~20gの範囲であってもよい。
本発明の態様によれば、コンパクトな動作で且つ軽い力で筆記芯の繰り出しを行うことができる振り出し式のシャープペンシルを提供する。また、本発明の態様によれば、錘体の移動に伴う衝突音及び摺接音を低減させることができる。
図1は、本発明の実施形態によるシャープペンシルの斜視図である。 図2は、図1のシャープペンシルの縦断面図である。 図3は、図1のシャープペンシルの前半分の縦断面図である。 図4は、錘体のロック解除状態を説明する図である。 図5は、錘体のロック状態を説明する図である。 図6は、振り出し操作直後のシャープペンシルの縦断面図である。 図7は、錘体のロック解除状態におけるノック操作を段階的に示すシャープペンシルの縦断面図である。 図8は、錘体のロック状態におけるノック操作を説明するシャープペンシルの縦断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図1は、本発明の実施形態によるシャープペンシル1の斜視図であり、図2は、図1のシャープペンシル1の縦断面図であり、図3は、図1のシャープペンシル1の前半分の縦断面図である。
シャープペンシル1は、前軸2と、後軸3と、前軸2及び後軸3を接続する接続部材4と、前軸2の前端部の内周面に螺合する口先部材5とを有している。前軸2の外周面の前半部分には、シャープペンシル1を把持する際の滑り止めとして、複数の溝からなる把持部2aが形成されている。接続部材4は、筒状の部材であり、接続部材4の前端部は前軸2の後端部の内周面と嵌合し、接続部材4の後端部は後軸3の前端部の内周面と嵌合する。前軸2、後軸3及び接続部材4は、軸筒6を構成する。なお、口先部材5も含めて軸筒6と称してもよい。口先部材5の先端には、先端パイプ7が取り付けられており、筆記芯8は、先端パイプ7から突出する。先端パイプ7の後方には、中央に通孔が形成されたゴム製の保持チャック9が配置されている。保持チャック9の通孔は、筆記芯8の外周面に摺接し、筆記芯8を一時的に保持するように構成されている。本明細書では、シャープペンシル1の軸線方向において、先端パイプ7側を「前」側と規定し、先端パイプ7側とは反対側を「後」側と規定する。
軸筒6、特に前軸2の内部には、前後に移動可能に配置され且つ円筒状に形成された錘体10と、筆記芯8を把持するチャックユニット11とが配置されている。チャックユニット11は、本実施形態においてボールチャックである。チャックユニット11は、円筒状に形成された中継部材12と、円筒状に形成された締め具13と、締め具13内に配置されたチャック本体部14と、円筒状に形成されたノック伝達用円筒体15と、複数のボール16と、環状のストッパ部材17と、チャックスプリング18とを有している。
中継部材12は、締め具13の後端部の外周面に対して圧入によって嵌合している。中継部材12及び締め具13は、軸筒6内において、一体的に前後に移動可能に配置されている。締め具13の前端部の内周面には、前方に向かって拡がるテーパ面が形成されている。チャック本体部14は、中心軸線に沿って筆記芯8の通孔が形成され、チャック本体部14の前端部は、軸線方向に沿って複数に分割されている。ノック伝達用円筒体15は、何らの操作が行われていない初期状態においてチャック本体部14とは分離して配置されており、チャック本体部14を保持していない。複数のボール16は、チャック本体部14の外面と締め具13のテーパ面との間に配置されている。チャック本体部14は、締め具13に対して軸線方向に移動可能である。
筆記芯8に筆記圧が加わった場合には、チャック本体部14がボール16と共に円筒状の締め具13内のテーパ面に当接するため、筆記芯8はチャック本体部14によって把持される。これにより、筆記芯8の後退は阻止される。他方、筆記芯8を前方に引き出す力が働いた場合には、チャック本体部14が締め具13による作用を受けないため、筆記芯8を抵抗なく前方に引き出すことができる。すなわち、チャックユニット11は、筆記芯8の前進を許容し後退を阻止するように構成されている。なお、ストッパ部材17は、締め具13の前端部の内周面に嵌め込まれてボール16の脱落を阻止する。
チャック本体部14を包囲するようにチャックスプリング18が配置されている。チャックスプリング18の後端部は、チャック本体部14の外面に嵌合しており、チャックスプリング18の前端部は、締め具13の内周面に形成された段部によって支持されている。チャックスプリング18は、締め具13に対してチャック本体部14を後方に付勢し、その結果、チャックユニット11は、筆記芯8を把持した状態を維持することができる。
ノック伝達用円筒体15の後端部には、芯ケース19の前端部が嵌合している。芯ケース19は、円筒状に形成され、内部には筆記芯8が収容される。ノック伝達用円筒体15及び芯ケース19の嵌合部並びに芯ケース19の前端部を覆うように、円筒状に形成された継手部材20が嵌合している。
軸筒6の後端部には、ノック部材21が軸筒6に対して前後に移動可能に設けられている。ノック部材21は、ノックスプリング22によって後方に付勢されている。ノック部材21の後端部の内部には、消去部材として消しゴム23が着脱可能に装着されている。ノック部材21の後端部の外周面には、ノックカバー24が着脱可能に取り付けられ、消しゴム23を汚れ等から保護している。ノック部材21は、芯ケース19の後端部に設けられた継手部材19aを介して嵌合している。
錘体10の前方の軸筒6内には、中継部材12を包囲するコイルスプリングとしてスプリング25が配置されている。接続部材4の内部には、弾性材料からなるOリング26が配置されている。接続部材4は、錘体10の移動を阻止するロック機構30の一部を構成する。ロック機構30は、接続部材4の外周面に配置され且つ円筒状に形成されたカム形成部材31と、錘体10の後端部の外周面に形成された環状の凹部32と、凹部32内に配置されたカム部材33と、カム形成部材31の外周面に配置され且つ円筒状に形成された操作部材34とを有している。
図3を参照すると、中継部材12の軸線方向における中央部分には、フランジ部12aが形成されている。スプリング25の前端部は、軸筒6の内壁、すなわち口先部材5の内壁に配設され、スプリング25の後端部は、中継部材12のフランジ部12a近傍に配設されている。
後述するように、ロック機構30において錘体10がロック解除状態にあるとき、錘体10は、軸筒6内において前後に移動可能である。したがって、錘体10は、スプリング25によって後方に付勢された中継部材12のフランジ部12aの後端面と、錘体10の前端面とが当接することよって、一体的に後方に付勢されている。言い換えると、錘体10は、中継部材12を介して後方に付勢されている。錘体10及び中継部材12の後退は、上述したように、Oリング26によって規制される。錘体10の外周面には、軸線方向に離間して配置された2つの環状の突起10aが設けられている(図2)。錘体10に環状の突起10aが設けられていることによって、錘体10の移動時に突起10aが軸筒6の内周面と摺接し、軸筒6の内周面との摩擦抵抗及び摺接音が低減される。なお、環状の突起に代えて、周方向に沿って等間隔に設けられた複数の突起、周方向に沿って等間隔に設けられ且つ軸線方向に延びるリブ状の突起等であってもよい。すなわち、軸筒6の内周面と錘体10の外周面との接触面積を低減し、摩擦抵抗を低減させることができる限りにおいて、錘体10の外周面に任意の形状の突起を設けてもよい。また、錘体10の外周面に突起を設ける代わりに、軸筒6の内周面に同様の突起を設けてもよい。
図4及び図5を参照しながら錘体10のロック機構30について説明する。図4は、錘体10のロック解除状態を説明する図であり、図5は、錘体10のロック状態を説明する図である。図4(A)及び図5(A)は、操作部材34が省略して描かれている斜視図であり、図4(B)及び図5(B)は、ロック機構30の縦断面図である。
図4(A)及び図4(B)を参照すると、カム部材33は、カム形成部材31の表面に露出する平行四辺形状のカム部33aと、錘体10の凹部32内に配置された摺動部33bとを有している。カム形成部材31は、カム部材33のカム部33aが移動可能に相補的な形状に形成されたカム溝31aが設けられている。カム溝31aは、図4(A)に示されるように周方向に沿って斜めに後方に延び、次いで軸線方向に沿って後方に延びるように形成されている。図5(A)を参照すると、接続部材4には、軸線方向に延びる矩形の長孔4aが形成されている。カム部材33は、摺動部33bが凹部32内に配置された状態で、長孔4aを介してカム部33aがカム溝31a内に配置されている。
操作部材34は、カム形成部材31と一体的に嵌合している。したがって、軸筒6に対して操作部材34を中心軸線周りに回転させると、カム形成部材31も一体的に回転する。図4の状態から操作部材34を回転させると、カム溝31aに沿ってカム部33aが相対的に移動する。カム部33aがカム溝31aに沿って移動することによって、摺動部33bが凹部32内において後方に移動する。結果として、カム部材33が長孔4aに沿って後方に移動し、ロック機構30は図5に示されたロック状態となる。
このとき、図5(B)に示されるように、摺動部33bが凹部32内の後端に配置される。したがって、錘体10は、凹部32内の摺動部33bと錘体10の後端部に当接するOリング26との間で挟持され、錘体10がロックされる。この状態で振り出し操作を行ったとしても、錘体10が移動しないことから、筆記芯8の繰り出しを行うことができない。なお、操作部材34を逆方向に回転することによって、カム部材33が長孔4aに沿って前方に移動し、ロック機構30は図4に示されたロック解除状態となる(図4)。
図6を参照しながら振り出し操作による筆記芯8の繰り出しについて説明する。図6は、振り出し操作直後のシャープペンシル1の縦断面図である。振り出し操作は、図3に示された状態から、シャープペンシル1の軸筒6を指で把持し、まず軸筒6を後方に引いた後すぐに軸筒を前方に振ることによって行われる。なお、後述するように、軸筒6を後方に引くという初動を省略してもよい。前方に振ったシャープペンシル1の動作を止めると、特に錘体10に作用した慣性力によって、図6に示された状態となる。
具体的には、慣性力によって軸筒6に対して錘体10が前進すると、錘体10の前端面に当接しているフランジ部12aを介して、中継部材12がスプリング25の付勢力に抗して前進する。このとき、中継部材12と嵌合する締め具13、さらには、チャック本体部14、ボール16、ストッパ部材17及びチャックスプリング18が、一体的に前進する。要するに、チャックユニット11において、ノック伝達用円筒体15以外の部材は、一体的に前進する。筆記芯8は、チャックユニット11の前方において保持チャック9によって保持されているが、上述したように、チャックユニット11は、筆記芯8の後退を阻止するように構成されている。したがって、チャック本体部14によって把持された筆記芯8は、チャックユニット11と共に前進する。チャックユニット11の前進は、チャックユニット11の前端面、すなわちストッパ部材17の前端面が、口先部材5の内周面に設けられた段部5aと当接することによって停止する。
振り出し操作によるチャックユニット11の前進が停止すると、スプリング25の付勢力によって、中継部材12とフランジ部12aを介した錘体10とが後退し始める。このとき、チャックユニット11において、ノック伝達用円筒体15以外の部材は、一体的に後退する。上述したようにチャックユニット11は、筆記芯8の前進を許容するように構成されていることから、筆記芯8は、チャックユニット11と共に後退することなく、保持チャック9によって保持される。したがって、筆記芯8は、チャックユニット11から、すなわちチャック本体部14から相対的に引き出される。チャックユニット11の後退は、中継部材12を介して錘体10がOリング26に衝突することによって停止する。
以上より、筆記芯8は、振り出し操作によって、チャックユニット11の軸線方向におけるストロークの分だけ繰り出される。すなわち、振り出し操作を繰り返すごとに、筆記芯8を所定量ずつ繰り出すことができる。ノック伝達用円筒体15は、チャック本体部14とは分離して配置されていることから、振り出し操作において軸筒6内で移動することはない。
図7を参照しながら錘体10のロック解除状態におけるノック操作による筆記芯8の繰り出しについて説明する。図7は、錘体10のロック解除状態におけるノック操作を段階的に示すシャープペンシル1の縦断面図である。ノック操作は、シャープペンシル1の操作部、すなわち、ノックカバー24、消しゴム23又はノック部材21を、ノックスプリング22の付勢力に抗して前方へ押圧することによって行われる。
図3に示された状態からノック操作によって操作部を押圧すると、図7(A)に示されるように、ノック部材21に嵌合する芯ケース19が前進する。芯ケース19の前進によって、芯ケース19の前端部に嵌合するノック伝達用円筒体15及び継手部材20前進する。継手部材20の前進によって、継手部材20の後端部の突起と、中継部材12の後端部の突起とが係合する
さらに操作部を押圧すると、図7(B)に示されるように、中継部材12及び継手部材20とが係合した状態で、スプリング25の付勢力に抗してチャックユニット11全体が前進する。したがって、シャープペンシル1の前端部が下方を向いている場合、重力によって、中継部材12と共に錘体10が前進する。チャックユニット11の前進は、チャックユニット11の前端面、すなわちストッパ部材17の前端面が、口先部材5の内周面に設けられた段部5aと当接することによって停止する。なお、このとき、チャックスプリング18は、圧縮されていない。
次いで、さらに操作部を押圧すると、図7(C)に示されるように、継手部材20の後端部の突起が中継部材12の後端部の突起を乗り越えて係合が解除され、継手部材20が中継部材12に対して前進する。継手部材20の前進によって、ノック伝達用円筒体15が前進してチャック本体部14に当接する。さらに、筆記芯8を把持したチャック本体部14及びノック伝達用円筒体15が、チャックスプリング18の付勢力に抗して、締め具13に対して前進する。このとき、ノック伝達用円筒体15は、チャック本体部14の後端部を内部に深く受け入れる。ここで、ノック伝達用円筒体15の内周面には前方に向かって拡がるテーパ面15aが形成されている。ノック伝達用円筒体15の前進によって、チャック本体部14の後端部がノック伝達用円筒体15のテーパ面15aに押し付けられると、チャック本体部14の後端部が径方向内方に移動する一方で、チャック本体部14の前端部は径方向外方に拡がり、筆記芯8が解放される。ノック伝達用円筒体15の前進は、ノック伝達用円筒体15に嵌合する継手部材20の前端面が、中継部材12の内周面に設けられた段部12bに当接することによって停止する。
次いで、ノック操作による操作部の押圧を解除すると、ノックスプリング22の付勢力によって、ノック部材21は、後退して元の位置に復帰する。それに伴って、チャック本体部14は、チャックスプリング18の付勢力によって後退すると共に、スプリング25の付勢力によって、チャックユニット11全体が後退する。上述したようにチャックユニット11は、筆記芯8の前進を許容するように構成されていることから、筆記芯8は、チャックユニット11と共に後退することなく、保持チャック9によって保持される。したがって、筆記芯8は、チャックユニット11から、すなわちチャック本体部14から相対的に引き出される。チャックユニット11の後退は、中継部材12を介して錘体10がOリング26に衝突することによって停止する。
以上より、筆記芯8は、ノック操作を繰り返すごとに、筆記芯8を所定量ずつ繰り出すことができる。図7(C)に示されるように、筆記芯8がチャック本体部14から解放された状態では、先端パイプ7から繰り出された状態の筆記芯8を指先等で押し戻すことができる。
したがって、シャープペンシル1は、振り出し操作及びノック操作によって筆記芯の繰り出しが可能なシャープペンシルであって、振り出し操作時には、スプリング25の付勢力に抗して錘体10が前進し、錘体10の前進に伴ってチャック本体部14のみが前進して筆記芯の繰り出しが行われるように構成され、ノック操作時には、ノック伝達用円筒体15が前進してチャック本体部14の後端部を保持し、チャック本体部14及びノック伝達用円筒体15が前進して筆記芯8の繰り出しが行われるように構成されている。
図8を参照しながら錘体10のロック状態におけるノック操作による筆記芯8の繰り出しについて説明する。図8は、錘体10のロック状態におけるノック操作を説明するシャープペンシル1の縦断面図である。図8におけるノック操作の状態は、図7(C)におけるノック操作の状態に対応する。
錘体10のロック状態におけるノック操作は、図7を参照しながら説明した錘体10のロック解除状態におけるノック操作の場合と比較して、重力によって錘体10が前進しない点においてのみ異なる。したがって、図8において、錘体10の前端面と中継部材12の段部12bの後端面とは、当接しておらず、離間している。ノック操作における他の点については、図7を参照しながら上述したとおりであるから、説明を省略する。
振り出し操作によって筆記芯8を確実に繰り出すためには、振り出し操作による錘体10の加速度や錘体10の質量、スプリング25のばね定数等が重要な要素である。
スプリング25による中継部材12に対する後方への付勢力をFsとし、保持チャック9による筆記芯8の後退に対する抵抗力をFhとし、チャックユニット11から筆記芯8を引き出すのに必要な力をFpとする。また、鉛直方向に対するシャープペンシル1の傾斜角をθとし、錘体10の質量をmとし、重力加速度をgとし、錘体10の外周面と軸筒6の内周面との間に作用する動摩擦係数をμとした場合、重力により錘体10に対して作用する力は、mg・cosθ=Fgであり、錘体10の移動時に錘体10に作用する摩擦力は、μ・mg・sinθ=Ffである。さらに、スプリング25のばね定数をkとし、初期状態(図3)からのスプリング25の圧縮量、すなわちチャックユニット11のストローク量をxとした場合において、筆記芯8を繰り出すのに最低限必要な錘体10の加速度aを求める。
なお、保持チャック9による筆記芯8の後退に対する抵抗力Fhが、チャックユニット11から筆記芯8を引き出すのに必要な力Fpよりも大きいため、上述したようにチャックユニット11から筆記芯8を引き出すことが可能となる。
例えば、シャープペンシル1の前端部が下方を向いた状態で行う振り出し操作等によって図6に示された状態となるまでスプリング25が圧縮され、所定量の筆記芯8を前進させるための条件は、以下の式(1)で表される。
(Fs+kx)+Fh+Ff≦Fg+(m×a) ・・・(1)
また、筆記芯8を引き出しながら、スプリング25が、図3に示された初期状態に戻るための条件は、以下の式(2)で表される。
Fs≧Fp+Fg+Ff ・・・(2)
式(1)及び式(2)より、加速度aは、以下の式(3)のとおり求められる。
a≧(Fs+kx+Fh-Fg+Ff)/m=(Fh+Fp+kx+2Ff)/m ・・・・(3)
式(3)から明らかなように、Fh、Fp、Ff及びkをより小さく且つmをより大きく設定することによって、より小さな加速度a、すなわち、より小さい振り出し操作によって筆記芯8の繰り出しを行うことが可能となる。
実施例として、具体的には、スプリング25による付勢力Fsを0.12Nとし、保持チャック9による抵抗力Fhを0.04Nとし、筆記芯8を引き出すのに必要な力Fpを0.03Nとし、鉛直方向に対するシャープペンシル1の傾斜角をθが0°、すなわち筆記部が真下を向く鉛直下向きとし、重力により錘体10に対して作用する力Fgを0.08Nとし、錘体10に作用する摩擦力Ffを0Nとし、スプリング25のばね定数kを0.003N/mmとし、チャックユニット11のストローク量xを0.5mmとし、錘体10の質量mを8gとした場合において、筆記芯8を繰り出すのに必要な錘体10の加速度aは、上記式(3)より約1.1Gとなる。
ばね定数kについて、より軽い力で筆記芯8の繰り出しを行うという観点で、好ましくは、0.001~0.1N/mmの範囲であり、より好ましくは、0.001~0.01N/mmの範囲であり、さらに好ましくは、0.001~0.005N/mmの範囲である。また、同様の観点、さらにはシャープペンシル1全体の重量が、一般的な筆記具の重量の範囲内に収めるという観点で、錘体10の質量mは、好ましくは、2~20gの範囲であり、より好ましくは、3~10gの範囲である。
本発明の実施形態によるシャープペンシル1によれば、従来の振り出し式のシャープペンシルと比較して、筆記芯8を繰り出すのに必要な振り出し操作の加速度aをより小さくできる。したがって、よりストローク量が少ない動作、すなわち、よりコンパクトな動作で且つより軽い力で筆記芯8の繰り出しを行うことができる。その結果、錘体10の移動に伴う衝突音及び軸筒6の内周面との摺接音を低減させることができる。
また、振り出し操作の初動である、シャープペンシル1を後方に引くという動作をすることなく、筆記芯8の繰り出しを行うことができる。すなわち、シャープペンシル1では、スプリング25によって軸筒6に対して錘体10が後方に付勢されていることから、特にシャープペンシル1の前端部が下方を向いている場合、重力に対して錘体10は弾性的に支持された状態といえる。したがって、使用者は、シャープペンシル1を把持した静止状態から、シャープペンシル1を前方に移動して停止させるだけで、錘体10を前進させる慣性力が作用し、チャックユニット11の前進及びその後の筆記芯8の繰り出しを行うことができる。
例えば、使用者が、シャープペンシル1を把持した筆記姿勢から行う手首のスナップ動作、すなわち前腕の回内運動又は回外運動による振り出し操作によって、筆記芯8を繰り出すことができる。また、シャープペンシル1に対して振動を与えることによって、筆記芯8を繰り出すことができる。例えば、前軸2に形成された複数の溝からなる把持部2aを、シャープペンシル1を把持する人差し指の爪で軸線方向に擦過することによって、シャープペンシル1に振動を与えるようにしてもよい。さらに、シャープペンシル1に小型のバッテリ及びモータを搭載し、モータの回転で以てシャープペンシル1に振動を与えるようにしてもよい。
シャープペンシル1は、こうした軽い力又は振動で筆記芯8の繰り出しを行うことができる一方でロック機構30を有していることから、鞄に入れた筆箱等の中で意図せず筆記芯8の繰り出しが行われることを防止することができる。また、上述したように、錘体10のロック状態においてもノック操作によって筆記芯8の繰り出しを行うことができる。
シャープペンシル1では、初期状態において、筆記芯8を把持するチャック本体部14とノック伝達用円筒体15とは分離して配置されている。そのため振り出し操作において、ノック伝達用円筒体15及びノック伝達用円筒体15に接続された芯ケース19、さらにノック部材21等は、軸筒6内において相対的に移動しない。言い換えると、シャープペンシル1では、チャックユニット11と芯ケース19とが分離して配置されている。その結果、シャープペンシル1の重心をより前方に設定し易くなることから、上述したような手首のスナップ動作のような小さな振り出し操作によっても確実な繰り出しを行うことが可能となる。
さらに、チャック本体部14とノック伝達用円筒体15とが分離して配置されていることによって、振り出し操作に影響を与える錘体10を含む部材の重量の変化による影響を軽減させることができる。具体的には、ノック伝達用円筒体15に接続された芯ケース19内に収容された筆記芯の量の違いによる振り出し操作に対する影響を軽減させることができる。さらにその結果、錘体10を支持するスプリング25のばね荷重をより厳密に設定することができることから、より軽い振り出し操作で筆記芯8の繰り出しが行えるよう、ばね荷重をより小さくすることができる。
上述した実施形態では、チャックユニット11がボールチャックであったが、筆記芯の前進を許容し後退を阻止する限りにおいて、ボールチャック以外であってもよい。また、中継部材12と締め具13とを一体的に形成してもよい。
1 シャープペンシル
2 前軸
3 後軸
4 接続部材
5 口先部材
6 軸筒
7 先端パイプ
8 筆記芯
9 保持チャック
10 錘体
11 チャックユニット
12 中継部材
13 締め具
14 チャック本体部
15 ノック伝達用円筒体
16 ボール
17 ストッパ部材
18 チャックスプリング
19 芯ケース
20 継手部材
21 ノック部材
22 ノックスプリング
23 消しゴム
24 ノックカバー
25 スプリング
26 Oリング
30 ロック機構
31 カム形成部材
32 凹部
33 カム部材
34 操作部材

Claims (7)

  1. 軸筒と、
    前記軸筒の内部において前後に移動可能に配置された錘体と、
    前記軸筒に対して前記錘体を後方に付勢するスプリングと、
    筆記芯を把持するチャック本体部と、前記チャック本体部と分離して配置されたノック伝達用円筒体とを有し、且つ、筆記芯の前進を許容し後退を阻止するように構成されたチャックユニットと、
    前記チャックユニットの前方に配置され、筆記芯を保持するように構成された保持チャックと、を具備し、振り出し操作及びノック操作によって筆記芯の繰り出しが可能なシャープペンシルであって、
    振り出し操作時には、前記スプリングの付勢力に抗して前記錘体が前進し、前記錘体の前進に伴って前記チャック本体部のみが前進して筆記芯の繰り出しが行われるように構成され、
    ノック操作時には、前記ノック伝達用円筒体が前進して前記チャック本体部の後端部を保持し、前記チャック本体部及び前記ノック伝達用円筒体が前進して筆記芯の繰り出しが行われるように構成されていることを特徴とするシャープペンシル。
  2. 前記チャックユニットが、円筒状に形成された中継部材をさらに有し、前記錘体が、前記中継部材を介して前記スプリングによって付勢されている請求項1に記載のシャープペンシル。
  3. 前記チャックユニットが、前記チャック本体部を包囲する締め具であって、内周面には前方に向かって拡がるテーパ面が形成された締め具と、前記締め具の前記テーパ面と前記チャック本体部の外面との間に配置されたボールと、前記締め具に対して前記チャック本体部を後方に付勢するチャックスプリングとを有し、前記中継部材が前記締め具の外周面に嵌合している請求項2に記載のシャープペンシル。
  4. 前記錘体の移動を阻止するロック機構をさらに具備する請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシャープペンシル。
  5. 前記錘体の外周面には、前記錘体の移動時に前記軸筒の内周面と摺接する突起が設けられている請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシャープペンシル。
  6. 前記スプリングのばね定数が0.001~0.1N/mmの範囲である請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシャープペンシル。
  7. 前記錘体の質量が2~20gの範囲である請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシャープペンシル。
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