JP2022170207A - シャープペンシル - Google Patents

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Abstract

【課題】繰り出し量が互いに異なる少なくとも2つのノック操作が可能なシャープペンシルを提供する。【解決手段】シャープペンシル1が、筆記芯8を保持する保持チャック9と、筆記芯8の前進を許容し後退を阻止するように構成されたチャックユニット11と、第1操作によってチャックユニット11を第1距離だけ前進させるように構成された第1操作部又は第3操作部と、第2操作によってチャックユニット11を第2距離だけ前進させるように構成された第2操作部と、を具備し、第1距離が第2距離よりも小さい。【選択図】図2

Description

本発明は、シャープペンシルに関する。
ボールチャックを有し、後端部又は外周面に設けられたノック操作部をノック操作することによって筆記芯が繰り出されるシャープペンシルにおいて、さらにスライダを備え、スライダの操作によっても筆記芯を繰り出すことが可能なシャープペンシルが公知である(特許文献1)。ノック操作では、ノック操作部を前方に押圧することによってボールチャックが筆記芯と共に前進し、次いで押圧を解除することによってボールチャックが後退する。ボールチャックの後退のとき、筆記芯を保持チャックに保持されたままであることから、結果として筆記芯の繰り出しが行われる。
スライダは、保持チャックを保持し、ボールチャックの前方において前方に付勢されながら前後動可能に配置されている。スライダを後方に移動させると、ボールチャックによって把持された筆記芯は後退することなく保持チャックのみ後退する。次いで、スライダが元に位置に復帰するため前進すると、保持チャックの前進と共に筆記芯が前進し、筆記芯の繰り出しが行われる。
実公平2-026701号公報
ところで、ノック操作部のノック操作によって繰り出される筆記芯の繰り出し量は、常に一定である。1回のノック操作による繰り出し量は、慣習的に0.5mm前後に設定されている。筆記時において、シャープペンシルの先端に配置された先端パイプからの筆記芯の突出量の好みは、筆記を行う使用者によって様々である。例えば、突出量が1.2mm程度の状態で筆記することを好む使用者の場合、筆記芯が先端パイプ内に引っ込んだ状態から、2回ノック操作をすると突出量が1.0mmとなり、筆記芯が短いと感じる。さらに1回ノック操作をして合計3回のノック操作をすると、突出量が1.5mmとなり、筆記芯が長いと感じる。この場合、長く出過ぎた筆記芯を、先端パイプ内に微小量だけ戻すという作業を強いられる。
また、使用者の突出量の好みとは関係なく、例えば芯径0.3mmのような比較的細い筆記芯の場合、先端パイプからの突出量が短いと頻繁にノック操作をしなければならない一方で、先端パイプからの突出量が長いと、筆記芯が折れ易くなってしまう。そのため、細い芯径において、0.5mmという慣習的な繰り出し量は大きすぎて適切でない場合がある。
したがって、顕微鏡の粗動ねじ及び微動ねじのように、大きな繰り出しが行える繰り出し操作と小さな繰り出しが行える繰り出し操作の少なくとも2つの繰り出し操作を行うことができるシャープペンシルがあると望ましい。それによって、例えば筆記芯が無くなったときに次の筆記芯を芯ケースから引き出す場合は、大きな繰り出し量の繰り出し操作を行うことができる。また、好みの突出量に達する前に小さい繰り出し量の繰り出し操作に切り替えることで、出過ぎた筆記芯を戻すという作業をすることなく、突出量の調整が可能となる。
特許文献1には、筆記芯の繰り出し量を自由に調整できることが開示されているが、1回当たりの繰り出し量が自由に調整できてしまうことから、意図せず繰り出し量が変わってしまう虞がある。また、一度繰り出し量を調整してしまうと、再び同じ繰り出し量に調整しなおすことが困難である。
本発明は、繰り出し量が互いに異なる少なくとも2つのノック操作が可能なシャープペンシルを提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、筆記芯を保持する保持チャックと、筆記芯の前進を許容し後退を阻止するように構成されたボールチャックと、第1操作によって前記ボールチャックを第1距離だけ前進させるように構成された第1操作部又は第3操作部と、第2操作によって前記ボールチャックを第2距離だけ前進させるように構成された第2操作部と、を具備し、前記第1距離が前記第2距離よりも小さいことを特徴とするシャープペンシルが提供される。
前記第1操作が、当該シャープペンシルの外周面に設けられた前記第1操作部を、前方にスライドさせるスライド操作又は当該シャープペンシルの中心軸線回りに回転させる回転操作のいずれか一方であり、前記第2操作が、当該シャープペンシルの後端部又は外周面に設けられた前記第2操作部を前方に押圧するノック操作であってもよい。前記第1操作が、当該シャープペンシルの外周面に設けられた前記第1操作部を前方にスライドさせて前記ボールチャックを前記第1距離だけ前進させるスライド操作であり、前記第1操作部が、第3操作によって前記ボールチャックを第3距離だけ前進させるように構成され、前記第3操作が、前記第1操作部を当該シャープペンシルの中心軸線回りに回転させる回転操作であり、前記第2操作が、当該シャープペンシルの後端部又は外周面に設けられた前記第2操作部を前方に押圧するノック操作であってもよい。前記第3距離が前記第1距離よりも小さくてもよい。前記第1操作部の端面に第1カム面が設けられ、前記ボールチャックと共に前進する第2カム面が設けられ、前記第1カム面と前記第2カム面とが前記回転操作に伴い協働して前記ボールチャックを前進させるようにしてもよい。前記第1操作部が、当該シャープペンシルの軸方向における中央部分に配置されていてもよい。前記第1操作部が、円筒状部材であってもよい。前記第1距離が、0.05mm以上で0.4mm以下であってもよい。
本発明の態様によれば、繰り出し量が互いに異なる少なくとも2つのノック操作が可能なシャープペンシルを提供するという共通の効果を奏する。
図1は、シャープペンシルの側面図である。 図2は、図1のシャープペンシルの縦断面図である。 図3は、図1のシャープペンシルの前半分の縦断面図である。 図4は、第1操作部及び環状部材の斜視図である。 図5は、通常時の第1操作機構を示すシャープペンシルの縦断面図である。 図6は、スライド操作時の第1操作機構を示すシャープペンシルの縦断面図である。 図7は、ノック操作を段階的に示すシャープペンシルの縦断面図である。 図8は、第1操作部の回転操作を説明する図である。 図9は、第1操作部の回転操作時の第1操作機構を示すシャープペンシルの縦断面図である。 図10は、別の第1操作部の回転操作を説明する図である。 図11は、別のシャープペンシルの側面図である。 図12は、クリック操作時の第3操作機構を示すシャープペンシルの縦断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に亘り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図1は、シャープペンシル1の側面図であり、図2は、図1のシャープペンシル1の縦断面図であり、図3は、図1のシャープペンシル1の前半分の縦断面図である。
シャープペンシル1は、前軸2と、後軸3と、前軸2及び後軸3を接続する接続部材4と、前軸2の前端部の内周面に螺合する口先部材5とを有している。前軸2の外周面の前半部分には、シャープペンシル1を把持する際の滑り止めとして、複数の溝からなる把持部2aが形成されている。接続部材4は、筒状の部材であり、接続部材4の前端部は前軸2の後端部の内周面と嵌合し、接続部材4の後端部は後軸3の前端部の内周面と嵌合する。前軸2、後軸3及び接続部材4は、軸筒6を構成する。なお、口先部材5も含めて軸筒6と称してもよい。口先部材5の先端には、先端パイプ7が取り付けられており、筆記芯8は、先端パイプ7から突出する。先端パイプ7の後方には、中央に通孔が形成されたゴム製の保持チャック9が配置されている。保持チャック9の通孔は、筆記芯8の外周面に摺接し、筆記芯8を一時的に保持するように構成されている。本明細書では、シャープペンシル1の軸線方向において、先端パイプ7側を「前」側と規定し、先端パイプ7側とは反対側を「後」側と規定する。
軸筒6、特に前軸2の内部には、前後に移動可能に配置され且つ円筒状に形成された摺動体10と、筆記芯8を把持するチャックユニット11とが配置されている。チャックユニット11は、例えばボールチャックである。チャックユニット11は、円筒状に形成された中継部材12と、円筒状に形成された締め具13と、締め具13内に配置されたチャック本体部14と、円筒状に形成されたノック伝達用円筒体15と、複数のボール16と、環状のストッパ部材17と、チャックスプリング18とを有している。
中継部材12は、締め具13の後端部の外周面に対して圧入によって嵌合している。中継部材12及び締め具13は、軸筒6内において、一体的に前後に移動可能に配置されている。締め具13の前端部の内周面には、前方に向かって拡がるテーパ面が形成されている。チャック本体部14は、中心軸線に沿って筆記芯8の通孔が形成され、チャック本体部14の前端部は、軸線方向に沿って複数に分割されている。ノック伝達用円筒体15は、何らの操作が行われていない初期状態においてチャック本体部14とは分離して配置されており、チャック本体部14を保持していない。複数のボール16は、チャック本体部14の外面と締め具13のテーパ面との間に配置されている。チャック本体部14は、締め具13に対して軸線方向に移動可能である。
筆記芯8に筆記圧が加わった場合には、チャック本体部14がボール16と共に円筒状の締め具13内のテーパ面に当接するため、筆記芯8はチャック本体部14によって把持される。これにより、筆記芯8の後退は阻止される。他方、筆記芯8を前方に引き出す力が働いた場合には、チャック本体部14が締め具13による作用を受けないため、筆記芯8を抵抗なく前方に引き出すことができる。すなわち、チャックユニット11は、筆記芯8の前進を許容し後退を阻止するように構成されている。なお、ストッパ部材17は、締め具13の前端部の内周面に嵌め込まれてボール16の脱落を阻止する。
チャック本体部14を包囲するようにチャックスプリング18が配置されている。チャックスプリング18の後端部は、チャック本体部14の外面に嵌合しており、チャックスプリング18の前端部は、締め具13の内周面に形成された段部によって支持されている。チャックスプリング18は、締め具13に対してチャック本体部14を後方に付勢し、その結果、チャックユニット11は、筆記芯8を把持した状態を維持することができる。
ノック伝達用円筒体15の後端部には、芯ケース19の前端部が嵌合している。芯ケース19は、円筒状に形成され、内部には筆記芯8が収容される。ノック伝達用円筒体15及び芯ケース19の嵌合部並びに芯ケース19の前端部を覆うように、円筒状に形成された継手部材20が嵌合している。
軸筒6の後端部には、ノック部材21が軸筒6に対して前後に移動可能に設けられている。ノック部材21は、ノックスプリング22によって後方に付勢されている。ノック部材21の後端部の内部には、消去部材として消しゴム23が着脱可能に装着されている。ノック部材21の後端部の外周面には、ノックカバー24が着脱可能に取り付けられ、消しゴム23を汚れ等から保護している。ノック部材21は、芯ケース19の後端部に設けられた継手部材19aを介して嵌合している。摺動体10の前方の軸筒6内には、中継部材12を包囲するコイルスプリングとしてスプリング25が配置されている。接続部材4の内部には、弾性材料からなるOリング26が配置されている。
シャープペンシル1の軸方向における中央部分、すなわち軸筒6の中央部分には、第1操作機構30が配置されている。第1操作機構30は、接続部材4の外周面に配置され且つ円筒状部材である第1操作部31と、摺動体10の後端部の外周面に形成された環状の凹部33と、凹部33内に配置された環状部材32とを有している。環状部材32は、第1操作部31の前方に配置されている。
なお、第1操作機構30、具体的には第1操作部31を、軸筒6の中央部分ではなく、前寄り又は後ろ寄りに配置してもよい。第1操作部31は、円筒状部材ではなく、C字状の横断面の略筒状の部材であってもよい。
図3を参照すると、中継部材12の軸線方向における中央部分には、フランジ部12aが形成されている。スプリング25の前端部は、軸筒6の内壁、すなわち口先部材5の内壁に配設され、スプリング25の後端部は、中継部材12のフランジ部12a近傍に配設されている。
摺動体10は、スプリング25によって後方に付勢された中継部材12のフランジ部12aの後端面と、摺動体10の前端面とが当接することよって、一体的に後方に付勢されている。言い換えると、摺動体10は、中継部材12を介して後方に付勢されている。摺動体10及び中継部材12の後退は、Oリング26によって規制される。摺動体10の外周面には、軸線方向に離間して配置された2つの環状の突起10aが設けられている(図2)。摺動体10に環状の突起10aが設けられていることによって、摺動体10の移動時に突起10aが軸筒6の内周面と摺接し、軸筒6の内周面との摩擦抵抗及び摺接音が低減される。なお、環状の突起に代えて、周方向に沿って等間隔に設けられた複数の突起、周方向に沿って等間隔に設けられ且つ軸線方向に延びるリブ状の突起等であってもよい。すなわち、軸筒6の内周面と摺動体10の外周面との接触面積を低減し、摩擦抵抗を低減させることができる限りにおいて、摺動体10の外周面に任意の形状の突起を設けてもよい。また、摺動体10の外周面に突起を設ける代わりに、軸筒6の内周面に同様の突起を設けてもよい。
図4は、第1操作部31及び環状部材32の斜視図である。第1操作部31の前端面には、周方向に沿って等間隔に配置された複数の第1突起31aが設けられており、前端面は第1カム面を構成する。第1操作部31の外周面には、軸線方向に亘って延び且つ周方向に沿って等間隔に配置された複数の縦溝31bが設けられている。環状部材32の後端面には、2つの第2突起32aが設けられており、後端面は第2カム面を構成する。第2カム面は、後述するようにボールチャックと共に前進する。環状部材32の内周面には、径方向内方に突出する2つの係止突起32bが設けられている。第1突起31a及び第2突起32aは、略半球面形状である。
図5及び図6を参照しながら、第1操作部31のスライド操作による筆記芯8の繰り出しについて説明する。図5は、通常時の第1操作機構30を示すシャープペンシル1の縦断面図であり、図6は、スライド操作時の第1操作機構30を示すシャープペンシル1の縦断面図である。環状部材32の係止突起32bは、摺動体10の凹部33内に突出している。上述したように、摺動体10は後方に付勢されていることから、環状部材32の係止突起32bが摺動体10の凹部33の内面と係止し、環状部材32も後方に付勢されている。また、第1操作部31は、環状部材32を介して後方に付勢され、第1操作部31の後方への移動は、後軸3の前端面によって規制されている。
スライド操作は、図5に示された状態から、例えばシャープペンシル1を把持しながら親指で第1操作部31をスライドさせて前進させることによって行われる。具体的には、第1操作部31の前進によって、環状部材32を介して摺動体10が前進する。次いで、摺動体10の前端面に当接しているフランジ部12aを介して、中継部材12がスプリング25の付勢力に抗して前進する。このとき、中継部材12と嵌合する締め具13、さらには、チャック本体部14、ボール16、ストッパ部材17及びチャックスプリング18が、一体的に前進する。要するに、チャックユニット11において、ノック伝達用円筒体15以外の部材は、一体的に前進する。
筆記芯8は、チャックユニット11の前方において保持チャック9によって保持されているが、上述したように、チャックユニット11は、筆記芯8の後退を阻止するように構成されている。したがって、チャック本体部14によって把持された筆記芯8は、チャックユニット11と共に前進する。チャックユニット11の前進は、環状部材32の前端面が前軸2の後端面に当接することによって停止する(図6)。なお、チャックユニット11の前端面、すなわちストッパ部材17の前端面が、口先部材5の内周面に設けられた段部5aと当接することによって、チャックユニット11の前進が停止するようにしてもよい。
図6に示された状態から、スライド操作を解除すると、スプリング25の付勢力によって、中継部材12とフランジ部12aを介した摺動体10とが後退する。このとき、チャックユニット11において、ノック伝達用円筒体15以外の部材は、一体的に後退する。上述したようにチャックユニット11は、筆記芯8の前進を許容するように構成されていることから、筆記芯8は、チャックユニット11と共に後退することなく、保持チャック9によって保持される。したがって、筆記芯8は、チャックユニット11から、すなわちチャック本体部14から相対的に引き出される。チャックユニット11の後退は、第1操作部31の後端面が後軸3の前端面に当接することによって停止する(図5)。なお、中継部材12を介して摺動体10がOリング26に衝突することによって、チャックユニット11の後退が停止するようにしてもよい。
以上より、筆記芯8は、第1操作部31のスライド操作によって、チャックユニット11の軸線方向におけるストロークの分、すなわち環状部材32の前端面と前軸2とのクリアランスである距離D1(図5)だけ繰り出される。言い換えると、スライド操作を繰り返すごとに、筆記芯8を所定量ずつ繰り出すことができる。ノック伝達用円筒体15は、チャック本体部14とは分離して配置されていることから、スライド操作において軸筒6内で移動することはない。なお、スライド操作は、第1操作部31を前方に押圧する操作であることから、ノック操作と称してもよい。
図7を参照しながら、ノック操作による筆記芯8の繰り出しについて説明する。図7は、ノック操作を段階的に示すシャープペンシル1の縦断面図である。ノック操作は、シャープペンシル1の第2操作部、すなわち、ノックカバー24、消しゴム23又はノック部材21を、ノックスプリング22の付勢力に抗して前方へ押圧することによって行われる。第2操作部は、第2操作機構を構成する。なお、第2操作部は、シャープペンシルの後端部ではなく外周面に設けられていてもよい。
図3に示された状態からノック操作によって第2操作部を押圧すると、図7(A)に示されるように、ノック部材21に嵌合する芯ケース19が前進する。芯ケース19の前進によって、芯ケース19の前端部に嵌合するノック伝達用円筒体15及び継手部材20が前進する。継手部材20の前進によって、継手部材20の後端部の突起20aと、中継部材12の後端部の突起12cとが係合する。
さらに第2操作部を押圧すると、図7(B)に示されるように、中継部材12及び継手部材20とが係合した状態で、スプリング25の付勢力に抗してチャックユニット11全体が前進する。したがって、シャープペンシル1の前端部が下方を向いている場合、重力によって、中継部材12と共に摺動体10が前進する。チャックユニット11の前進は、チャックユニット11の前端面、すなわちストッパ部材17の前端面が、口先部材5の内周面に設けられた段部5aと当接することによって停止する。なお、このとき、チャックスプリング18は、圧縮されていない。
次いで、さらに第2操作部を押圧すると、図7(C)に示されるように、継手部材20の後端部の突起20aが中継部材12の後端部の突起12cを乗り越えて係合が解除され、継手部材20が中継部材12に対して前進する。継手部材20の前進によって、ノック伝達用円筒体15が前進してチャック本体部14に当接する。さらに、筆記芯8を把持したチャック本体部14及びノック伝達用円筒体15が、チャックスプリング18の付勢力に抗して、締め具13に対して前進する。このとき、ノック伝達用円筒体15は、チャック本体部14の後端部を内部に深く受け入れる。ここで、ノック伝達用円筒体15の内周面には前方に向かって拡がるテーパ面15aが形成されている。ノック伝達用円筒体15の前進によって、チャック本体部14の後端部がノック伝達用円筒体15のテーパ面15aに押し付けられると、チャック本体部14の後端部が径方向内方に移動する一方で、チャック本体部14の前端部は径方向外方に拡がり、筆記芯8が解放される。ノック伝達用円筒体15の前進は、ノック伝達用円筒体15に嵌合する継手部材20の前端面が、中継部材12の内周面に設けられた段部12bに当接することによって停止する。
次いで、ノック操作による第2操作部の押圧を解除すると、ノックスプリング22の付勢力によって、ノック部材21は、後退して元の位置に復帰する。それに伴って、チャック本体部14は、チャックスプリング18の付勢力によって後退すると共に、スプリング25の付勢力によって、チャックユニット11全体が後退する。上述したようにチャックユニット11は、筆記芯8の前進を許容するように構成されていることから、筆記芯8は、チャックユニット11と共に後退することなく、保持チャック9によって保持される。したがって、筆記芯8は、チャックユニット11から、すなわちチャック本体部14から相対的に距離D2だけ引き出される。チャックユニット11の後退は、中継部材12を介して摺動体10がOリング26に衝突することによって停止する。
以上より、筆記芯8は、第2操作部のノック操作によって、チャックユニット11の軸線方向におけるストロークの分、すなわち距離D2だけ繰り出される。図7(C)に示されるように、筆記芯8がチャック本体部14から解放された状態では、先端パイプ7から繰り出された状態の筆記芯8を指先等で押し戻すことができる。
図8及び図9を参照しながら、第1操作部31の回転操作による筆記芯8の繰り出しについて説明する。図8は、第1操作部31の回転操作を説明する図である。図8(A)は、通常時の第1操作部31及び環状部材32の位置関係を示しており、図8(B)は、回転操作時の第1操作部31及び環状部材32の位置関係を示している。図9は、第1操作部31の回転操作時の第1操作機構30を示すシャープペンシル1の縦断面図である。
第1操作部31は、接続部材4の外周面に対して、シャープペンシル1の中心軸線回りに回転可能に配置されている。上述したように、第1操作部31の外周面には複数の縦溝31bが形成されていることから、指が滑ることなく確実に第1操作部31を回転させることができる。図8(A)に示された通常時には、環状部材32の第2突起32aは、対向する第1操作部31の複数の第1突起31a間に配置されている。図5は、図8(A)における縦断面図に相当する。
回転操作は、例えばシャープペンシル1を把持しながら親指で第1操作部31を回転させることによって行われる。具体的には、図8(A)に示された状態から、第1操作部31を軸筒6に対して、すなわち環状部材32に対して回転させると、第1操作部31の第1突起31aと環状部材32の第2突起32aとが突合して、環状部材32が前進する。すなわち、環状部材32は、第1操作部31の第1突起31a又は環状部材32の第2突起32aの高さが小さい方の高さ分の距離D3だけ前進する(図8(B))。環状部材32が前進すると、上述したスライド操作のときと同様に、摺動体10が前進し、結果として距離D3だけチャックユニット11も前進する。
図8(B)に示された状態から、第1操作部31をさらに回転させると、第1操作部31の第1突起31aと環状部材32の第2突起32aとの突合が解除され、スプリング25の付勢力によって、中継部材12とフランジ部12aを介した摺動体10と共に、環状部材32が後退する。このとき、チャックユニット11において、ノック伝達用円筒体15以外の部材は、一体的に後退する。上述したようにチャックユニット11は、筆記芯8の前進を許容するように構成されていることから、筆記芯8は、チャックユニット11と共に後退することなく、保持チャック9によって保持される。したがって、筆記芯8は、チャックユニット11から、すなわちチャック本体部14から相対的に引き出される。チャックユニット11の後退は、第1操作部31の第1突起31a又は環状部材32の第2突起32aが対向する面に当接することによって停止する(図8(A))。
以上より、筆記芯8は、第1操作部31の回転操作によって、チャックユニット11の軸線方向におけるストロークの分、すなわち距離D3(図8(B))だけ繰り出される。回転操作によって、第1操作部31の第1突起31a及び環状部材32の第2突起32aの突合及び突合解除が繰り返されることによって、筆記芯8を所定量ずつ繰り出すことができる。ノック伝達用円筒体15は、チャック本体部14とは分離して配置されていることから、回転操作において軸筒6内で移動することはない。
回転操作は、第1操作部31を同一方向に回転させてもよく、第1操作部31を所定角度内で揺動させてもよい。所定角度で揺動させる場合、例えば第1操作部31に対してトーションスプリングを接続し、所定角度揺動後に、トーションスプリングの弾性力で元の位置に復帰するようにしてもよい。この場合、少なくとも1つの第1突起31aと少なくとも1つの第2突起32aを有していればよい。回転操作によれば、第1操作部31の回転運動をチャックユニット11の直進運動に変換することができる。第1操作部31と環状部材32との前後の配置を交換してもよい。
図10は、別の第1操作部41の回転操作を説明する図である。上述した第1操作部31の第1突起31a及び環状部材32の第2突起32aは、球面形状であったが、図10に示された第1操作部41の第1突起41a及び環状部材42の第2突起42aは、周方向に沿った一方に斜面が形成された鋸刃形状である。したがって、例えば図10において、第1操作部41を矢印R方向に回転させることはでき、環状部材42を前後動させることができる。他方、図10において、第1操作部41を矢印Rと反対方向に回転させると、第1操作部41の第1突起41a及び環状部材42の第2突起42aが互いに係止し、第1操作部41を回転させることができない。それによって、筆記芯8の繰り出しが可能な第1操作部41の回転方向を、一方に規制することが可能となる。
図11は、別のシャープペンシル100の側面図である。シャープペンシル100は、上述したシャープペンシル1と比較して、シャープペンシル100の軸方向における中央部分に配置された操作機構についてのみ異なる。すなわち、シャープペンシル100は、シャープペンシル1の第1操作機構30に代えて、第3操作機構130を有している。
図12は、第3操作機構130を示すシャープペンシル100の縦断面図である。図12(A)は、通常時の第3操作機構130を示し、図12(B)は、クリック操作時の第3操作機構130を示している。第3操作機構130は、シャープペンシル100の中心軸線に対して直交する方向に移動可能に設けられ且つ軸筒6から径方向外方に突出する操作突起131aを備えた第3操作部131と、軸筒6内に配置されたドームスプリング132とを有している。第3操作部131には、操作突起131aと反対側に突起状の押圧部131bが設けられている。また、第3操作部131において、操作突起131a及び押圧部131b間の側面には、第1傾斜面131cが形成されている。第3操作部131の第1傾斜面131cに対向して、摺動体10の側面には第2傾斜面10bが形成されている。
クリック操作は、例えばシャープペンシル1を把持しながら親指で第3操作部131を軸筒6に対して押圧することによって行われる。具体的には、図12(A)に示された状態から第3操作部131の操作突起131aを軸筒6に対して押圧することによって行われる。第3操作部131が、シャープペンシル100の中心軸線に対して直交する方向に移動すると、押圧部131bによってドームスプリング132を変形させる(図12(B))。このとき、第3操作部131の移動によって、第3操作部131の第1傾斜面131cと摺動体10の第2傾斜面10bとが協働し、摺動体10が距離D4だけ前進し、結果として、距離D4だけチャックユニット11も前進する。ドームスプリング132の変形によって、使用者はクリック感が得られる。
図12(B)に示された状態から、クリック操作を解除すると、スプリング25の付勢力によって、中継部材12とフランジ部12aを介した摺動体10とが後退する。摺動体10の後退によって、第3操作部131の第1傾斜面131cと摺動体10の第2傾斜面10bとが協働し、第3操作部131を元の位置に復帰させる。また、上述したように、スプリング25の付勢力によってチャックユニット11が後退し、筆記芯8は、チャックユニット11から相対的に引き出される。
以上より、筆記芯8は、第3操作部131のクリック操作によって、チャックユニット11の軸線方向におけるストロークの分、すなわち距離D4(図12(B))だけ繰り出される。なお、クリック操作は、第3操作部131を軸筒6に対して押圧する操作であることから、ノック操作と称してもよい。
上述したように、シャープペンシルによれば、第1操作として第1操作部31のスライド操作若しくは回転操作又は第3操作部131のクリック操作と、第2操作としてのシャープペンシルの後端部のノック操作によって、筆記芯8の繰り出しを行うことができる。第1操作によってボールチャックが第1距離として対応する距離D1、距離D3又は距離D4だけ前進してその分だけ筆記芯8が繰り出され、第2操作によってボールチャックが第2距離として距離D2だけ前進してその分だけ筆記芯8が繰り出される。
シャープペンシル1によれば、第2距離は、第1距離よりも大きく設定されている。距離D1は、上述したように、環状部材32の前端面と前軸2とのクリアランスを調整することによって、調整可能である。また、距離D3は、第1突起31a又は第2突起32aの高さを調整することによって、調整可能である。また、距離D4は、第1傾斜面131c及び第2傾斜面10bの角度を調整することによって、調整可能である。
要するに、上述したシャープペンシルは、繰り出し量が互いに異なる少なくとも2つのノック操作が可能である。さらにその繰り出し量は、製品出荷時には予め定められていることから、使用者によって変更されることはない。したがって、操作を切り替えることによって、常に期待された繰り出し量を得ることができる。
第2操作は通常のノック操作であり、第2距離、すなわち第2操作による筆記芯8の繰り出し量は、慣習的に0.5mmに設定されている。他方、第1距離、すなわち第1操作による筆記芯8の繰り出し量は、0.05mm以上で0.4mm以下が好ましく、0.1mm以上で0.3mm以下がより好ましく、特に0.2mmが好ましい。繰り出し量を0.05mm未満にすると、繰り出し量の微調整は可能となるが、繰り出し量が小さすぎて多くの繰り出し操作を必要とする。他方、0.4mmより大きくすると、ノック操作による繰り出し量との差がなく、繰り出し量を異ならせた意義がなくなる。そのため、0.2mmの繰り出し量が特に好ましい。例えば、第1距離を0.3mmとした場合、0.3mmの倍数と0.5mmの倍数とを組み合わせることによって、多くの使用者の好みに応じた筆記芯8の突出量を得ることができる。
さらに、シャープペンシル1の第1操作部31について、スライド操作を第1操作として、回転操作を第3操作とした場合、第3操作によってボールチャックが前進する距離D3を第3距離とする。このとき、上述したように、第2距離を、第1距離よりも大きく設定し、第3距離を、第1距離よりも小さく設定してもよい。具体的には、ノック操作による筆記芯8の繰り出し量(距離D2)よりもスライド操作による筆記芯8の繰り出し量(距離D1)を小さく設定し、スライド操作による筆記芯8の繰り出し量(距離D1)よりも回転操作による筆記芯8の繰り出し量(D3)を小さく設定してもよい。それによって、より細かな繰り出し量の調整が可能となる。回転操作を第1操作とし、スライド操作を第2操作としてもよい。
上述したように、新規な繰り出し機構を備えたシャープペンシルを提供することができる。上述した第1操作機構30を備えたシャープペンシルにおいて、スライド操作又は回転操作のいずれか一方のみ又は両方を可能にしてもよい。第1操作機構30を備えたシャープペンシルにおいて、スライド操作及び回転操作の両方を可能にする場合、スライド操作による筆記芯8の繰り出し量を0.5mmに設定し、回転操作による筆記芯8の繰り出し量を0.3mmに設定してもよい。
1 シャープペンシル
2 前軸
3 後軸
4 接続部材
5 口先部材
6 軸筒
7 先端パイプ
8 筆記芯
9 保持チャック
10 摺動体
11 チャックユニット
12 中継部材
13 締め具
14 チャック本体部
15 ノック伝達用円筒体
16 ボール
17 ストッパ部材
18 チャックスプリング
19 芯ケース
20 継手部材
21 ノック部材
22 ノックスプリング
23 消しゴム
24 ノックカバー
25 スプリング
26 Oリング
30 第1操作機構
31 第1操作部
31a 第1突起
31b 縦溝
32 環状部材
32a 第2突起
32b 係止突起
33 凹部

Claims (8)

  1. 筆記芯を保持する保持チャックと、筆記芯の前進を許容し後退を阻止するように構成されたボールチャックと、第1操作によって前記ボールチャックを第1距離だけ前進させるように構成された第1操作部又は第3操作部と、第2操作によって前記ボールチャックを第2距離だけ前進させるように構成された第2操作部と、を具備し、
    前記第1距離が前記第2距離よりも小さいことを特徴とするシャープペンシル。
  2. 前記第1操作が、当該シャープペンシルの外周面に設けられた前記第1操作部を、前方にスライドさせるスライド操作又は当該シャープペンシルの中心軸線回りに回転させる回転操作のいずれか一方であり、前記第2操作が、当該シャープペンシルの後端部又は外周面に設けられた前記第2操作部を前方に押圧するノック操作である請求項1に記載のシャープペンシル。
  3. 前記第1操作が、当該シャープペンシルの外周面に設けられた前記第1操作部を前方にスライドさせて前記ボールチャックを前記第1距離だけ前進させるスライド操作であり、
    前記第1操作部が、第3操作によって前記ボールチャックを第3距離だけ前進させるように構成され、前記第3操作が、前記第1操作部を当該シャープペンシルの中心軸線回りに回転させる回転操作であり、
    前記第2操作が、当該シャープペンシルの後端部又は外周面に設けられた前記第2操作部を前方に押圧するノック操作である請求項1に記載のシャープペンシル。
  4. 前記第3距離が前記第1距離よりも小さい請求項3に記載のシャープペンシル。
  5. 前記第1操作部の端面に第1カム面が設けられ、前記ボールチャックと共に前進する第2カム面が設けられ、前記第1カム面と前記第2カム面とが前記回転操作に伴い協働して前記ボールチャックを前進させる請求項2乃至4のいずれか一項に記載のシャープペンシル。
  6. 前記第1操作部が、当該シャープペンシルの軸方向における中央部分に配置されている請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシャープペンシル。
  7. 前記第1操作部が、円筒状部材である請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシャープペンシル。
  8. 前記第1距離が、0.05mm以上で0.4mm以下である請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシャープペンシル。
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