JP6763768B2 - シャープペンシル - Google Patents

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Description

本発明は、シャープペンシルに関し、特に芯の摩耗に伴い一定量の芯を繰り出す構造のシャープペンシルに関したものである。
従来、芯が摩耗した量だけ自動的に繰り出されるシャープペンシルとして、特許文献1が知られている。
具体的には、特許文献1の構造は、筆記時に芯ガイドパイプの先端が筆記面に当接することで該芯ガイドパイプが後退し、筆記を中断して芯ガイドパイプの先端を筆記面から離すものである。しかし、特許文献1の構造では、芯ホルダーを内蔵した芯ガイドパイプが芯を保持したまま前進することで芯を繰り出すため、筆記時の大半において芯ガイドパイプの先端は芯と共に筆記面に接触しており、筆記感を損なうものであった。
この問題を解決する手段として、特許文献2には、筆記時に、芯に掛かる筆圧の付加と解除により芯を繰り出すことで、芯ガイドとなる摺動ユニットの先端が筆記時に当接しないように構成した自動繰り出し式のシャープペンシルが記載されている。
また、特許文献2の実施例3には、軸筒内に芯の後退を阻止するチャックユニットと芯を保持する摺動ユニットが配置されたものが例示されており、筆記時に芯に筆圧が掛かった際、芯ガイドとなる摺動ユニットが芯とともに後退する為、摺動ユニットが筆記面に当接することがなく、筆記感を損なうことがないものである。更に、特許文献2の構造では摺動ユニットの後端面及び先部材内に複数の鋸歯状のカム山を形成し、その鋸歯状のカム山と係合する突起を有する円筒部材が、摺動ユニットの前後動によって回転及び前後動し且つ円筒部材の前後動の距離を間欠的にすることで、複数回の筆圧で1回芯が繰り出されるように構成され、必要以上の芯の繰り出しを防止することができる。そして、この構造であれば、シャープペンシルの使用状況、筆記する芯の硬度や紙質、書き込む言語等による芯の摩耗に応じて、摺動ユニットの前後動を何回すれば1回芯を繰り出すかを設定することが出来るものである。
しかしながら、特許文献2では構造が複雑化し、更に、シャープペンシルの使用状況、筆記する芯の硬度や紙質、書き込む言語等による芯の摩耗に応じて、摺動ユニットの前後動を何回行えば1回芯を繰り出すかを設定して製作することが出来るものの、製作後は使用中の状況変化には対応できないものであるため、設定と違う使い方をすると筆記時に摺動ユニットの先端から芯が出過ぎて芯の折損が発生する場合があった。
実公昭60−21273号公報 国際公開WO2012/014832号公報
本発明は、前記問題を鑑みて発明されたものであって、筆記時の芯の消耗に応じて、使用者が任意のタイミングで該芯を筆記面に押圧することで、当該芯が前方に繰り出されるシャープペンシルを単純な構造で提供することを目的とする。
本発明は、
「1.軸筒と、当該軸筒内に配設され、芯の前進は許容するが後退は阻止するチャックを有する芯繰出機構と、前記芯を適度な力で保持する芯保持部材と、を備え、前記芯を軸心に沿って後方へ押圧することにより当該芯を前方に繰り出すシャープペンシルであって、
前記軸筒に、前記芯保持部材を内設した先部材が、当該軸筒の前端開口部から前端を突出させて前後動可能に配設され、
前記軸筒が、前記先部材を前方に弾発する第一の弾発部材と、前記芯繰出機構を前方に弾発する第二の弾発部材と、を備え、
前記軸筒の側面に、軸心方向に対して傾斜したガイド部を有しており、
前記先部材の側面に、前記軸筒の前記ガイド部に挿入され当該ガイド部内を移動する突起部を有しており、
前記芯に当該芯を後方へ押圧する押圧力を加えることで、前記第一の弾発部材及び第ニの弾発部材の弾発力に抗して前記芯繰出機構及び前記先部材を前記軸筒に対して後退させ、
前記押圧力を解除した時点から前記先部材が前進して元の位置に戻るまでの時間t1と、前記押圧力を解除した時点から前記芯繰出機構が前進して元の位置に戻るまでの時間t2とが、t1>t2の関係を満足することを特徴としたシャープペンシル。
2.前記先部材の突起部が、前記軸筒の側面から外方に向かって突出するよう形成され、
前記突起部を把持し、前記軸筒のガイド部に沿って当該ガイド部内を往復移動させることで前記芯が前方へ繰り出されることを特徴とした前記1項に記載のシャープペンシル。
3.前記先部材に、前記芯保持部材を内設したスライド部材が、当該先部材の先端開口部から前端を突出させて前後動可能に配設され、
前記先部材と前記スライド部材との間に第三の弾発部材を張架することで、当該スライド部材を前方に弾発し、
筆記時に、前記スライド部材が前記先部材に対して後退することで前記芯を前方に繰り出すことを特徴とした前記1項または2項に記載のシャープペンシル。
4.前記芯繰出機構の後方に、前記軸筒の後端開口部から後方に向かって突出するノック体を備え、前記ノック体を前方へ押動することで前記芯が前方へ繰り出すことを特徴とした前記1項ないし3項のいずれか1項に記載のシャープペンシル。」である。
本発明のシャープペンシルは、筆記先端である芯を筆記面等の平面部に押圧することで、芯と共に芯繰出機構と先部材とを軸筒に対して後退させ、芯を筆記面から離して当該芯への押圧力を解除した際、先部材が前進して元の位置に戻るまでの時間をt1、芯繰出機構が前進して元の位置に戻るまでの時間をt2とした時、t1>t2の関係を満足するよう構成することが肝要である。そして、t1>t2とすることで、芯を筆記面から離した際、芯繰出機構は先部材より先に前進し元の位置に戻るが、この際、チャックで狭持した芯を芯繰出機構により前進させる力は、芯保持部材の保持力よりも高いため、芯を先部材に対して前進させる。更に、遅れて前進する先部材は芯保持部材で芯を保持し、且つ、チャックは芯の前進を許容するため、チャックで狭持した芯を前方に引き出しつつ元の位置に戻る。
このため、本発明のシャープペンシルは、第一の芯繰出手段として、芯を後方に押圧することで芯を前方に繰り出すことが可能となる。
また、外方へ突出するように形成した先部材の突起部を、前記軸筒の側面に軸心方向に対して傾斜するよう形成したガイド部に摺動可能に挿入することで、先部材はガイド部に沿って軸周方向へ回転しつつ前進するため、先部材の移動距離は軸心に沿って真っ直ぐ移動する芯繰出機構の移動距離に対して長くなり、先部材が元の位置に戻るまでの時間t1を、芯繰出機構が元の位置に戻るまでの時間t2に対して遅延させることができる。
更に、前記ガイド部の傾きは、軸心方向に対して大きく傾けるほど先部材の移動距離が長くなり、元の位置に戻るまでの時間を遅延させることができるが、先部材をスムーズに摺動させるには前記第一の弾発部材の弾発力を強くすることが必要になる。また、ガイド部の傾きが小さいと先部材の移動距離も短くなり、先部材が元の位置に戻るまでの時間も短くなる。このため、先部材が軸筒に対してスムーズに動き且つ先部材と芯繰出機構の前進に適度に時間差が発生するよう、ガイド部の傾きは軸心方向に対して10度から70度に傾けることが好ましい。
尚、前記ガイド部は軸心方向に対して傾斜していれば、直線状でもよく、曲線状でもよく、途中で傾斜角度が変化するよう形成してもよい。
また、前記突起部が前記ガイド部を摺動する際、前記突起部と前記ガイド部が擦れることで適度な摺動抵抗を発生させ、遅延させる速度を調整してもよい。この場合、突起部とガイド部との当接部の表面粗さを調整することで摺動抵抗を発生させてもよく、突起部やガイド部の材質を合成ゴムやシリコンゴムなどの弾性材料を用いて形成することで摺動抵抗を発生させてもよい。
更に、前記摺動抵抗を調整する手段としては、軸筒と先部材との間の摺動部(隙間)に粘性材料を塗布してもよい。
前記粘性材料としては、ダンパー用グリースを好適に用いることができ、その稠度(グリースの硬さ)は適度に摺動抵抗を出せるように 130以上385以下が好ましく、175以上340以下がより好ましい。
尚、本発明において、前記稠度とは、グリースの硬さを表す数値であり、JIS−K2220に準拠した方法で測定したものである。
本発明の芯繰出ユニットは、芯の前進は許容するが後退は阻止するものであればその構造は特に限定さればいが、例えばチャックと締め具との間にボールを配置した公知のボールチャック構造が好適に使用できる。
また、第一の弾発部材は、先部材を前方に弾発していれば、形状や構成は限定されないが、例えば、軸筒と先部材との間に第一の弾発部材を張架して当該先部材を前方に弾発してもよく、芯繰出機構と先部材との間に第一の弾発部材を張架して当該先部材を前方に弾発してもよい。
更に、第ニの弾発部材は芯繰出機構を前方へ弾発していれば、第一の弾発部材と同様に、形状や構成は限定されないが、例えば、軸筒と芯繰出機構との間に張架して当該芯繰出機構を前方に弾発してもよい。
また、筆記時の筆圧では芯が後退しないよう、第二の弾発部材の弾発力は筆圧より高くすることが好ましい。このため、一般的に筆記具で筆記する際の筆圧は1.5Nから2.5N程度であり、高くても4.0N程度であることから、第二の弾発部材の取付時の弾発力は4.0N以上が好ましく、5.0N以上がより好ましい。
次に、第2の芯繰出手段としては、前記突起部を前記軸筒の側面から外方へ向かって突出するよう形成し、突起部をガイド部に沿って移動させることで芯出させるサイドスライド式を構成してもよい。この場合、突起部を把持して軸筒のガイド部内をスライド移動することで先部材が軸筒に対して後方に移動し、突起部を離すと、第一の弾発部材の弾発力で先部材は前進する。この際、先部材は芯保持部材で芯を保持していることから芯繰出機構のチャックに狭持されている芯を前方へ引き出し、芯を繰り出すことができる。
尚、この第2の芯繰出手段では、シャープペンシルを筆記する体制のまま突起部を指でスライドすることで芯を繰り出させるため、芯を筆記面等に押圧する必要が無く、芯の押圧箇所を当該芯で汚すことがない。また、筆記時に軸筒を把持する力は軸方向前方側に掛かかるが、第2の芯繰出手段において芯を繰り出すには当該突起部を後方側に移動させる必要があることから、筆記時に誤って突起部に指が当たっても突起部は動くことがなく、使用者の意に反して芯が前方に繰り出されるのを防止する効果を奏する。
また、第3の芯繰出手段としては、前記先部材の内部に前後動可能なスライド部材を配し、第三の弾性部材によりスライド部材を前方に弾発することで芯を繰り出す自動芯出式として構成してもよく、この場合、筆記時に芯が摩耗してスライド部材が筆記面に当接して後退すると、筆記面からスライド部材が離れて当該スライド部材が前進する際に、当該スライド部材の内部の芯保持部材が芯を保持したまま芯繰出機構のチャックに狭持されている芯を前方へ引き出し、芯を前方へ繰り出すことができる。
尚、この第3の芯繰出手段では、スライド部材から芯が出ていない場合でもスライド部材と共に芯を後方に押圧することで芯を前方へ繰り出すことができ、また、スライド部材の先端が筆記面に常に当接状態であることを許容すれば、自動芯出式であることから芯繰出ユニットが芯を保持できなくなるまで筆記を継続することができ、使い勝手が向上する。
さらに、第4の芯繰出手段としては、軸筒の後端開口部から後方に向かって突出するノック体を設け、ノック体を前方へ押動することで芯繰出機構を作動させ、前記芯を前方へ繰り出す後端ノック式の芯繰出構造を設けてもよい。
尚、この第4の芯繰出手段では、筆記により芯を使い切った際、芯繰出ユニット内の次芯を先部材の先端から突出させるまでの操作が容易となる。
以上、本発明では4種類の芯繰出手段は同時に併設することができるため、使用時の様々な状況や使用者の好みにより芯繰出手段を任意に選択することができる。
尚、芯繰出手段は、前述した4種類以外にも、軸筒内に前後動可能な重量体を配設し、軸筒を振ることで重量体の慣性力により芯繰出機構を作動させて芯を繰り出す振出構造や、軸筒の側面に操作部を設け、操作部を押圧することにより芯を繰り出すサイドノック構造を設けてもよい。
本発明では、筆記時の芯の消耗に応じて、使用者が任意のタイミングで該芯を筆記面に押圧することで、当該芯が前方に繰り出されるシャープペンシルを単純な構造で得ることができた。
本実施例のシャープペンシルの側面図である。 本実施例のシャープペンシルの縦断面図である。 本実施例の要部を拡大した断面図である。 図3のA−A線における断面図である。 本実施例の操作部を拡大した側面図である。 本実施例のシャープペンシルの筆記状態を示す縦断面図である。 図6の状態から芯に強い押圧を掛けた状態の縦断面図である。 図7の状態から芯への押圧を解除した状態の縦断面図である。 図8の状態から芯繰り出し動作が終了した状態の縦断面図である。 本実施例の操作部の操作状態を示す説明図であり、図10(A)は操作部を操作する前の側面図であり、図10(B)は操作部をガイド部に沿って移動させた状態を示す側面図である。
以下に、図面を参照して本実施例のシャープペンシルについて説明をするが、本発明は以下のシャープペンシルに限定されるものではない。
尚、本実施例では筆記先端部がある側を前方と表現し、その反対側を後方と表現する。また、軸筒の軸心に近い側を内方と表現し、その反対側を外方と表現する。
図1は、本実施例のシャープペンシルの側面図であり、図2は、図1のシャープペンシル1の縦断面図であり、図3は要部を拡大した縦断面図であり、図4は図3のA−A線における断面図であり、図5は操作部を拡大した側面図である。
図1及び図2に示すように、シャープペンシル1は、筒状に形成された前軸部材2と、前軸部材2の後部に螺合された後軸部材3と、前軸部材2の前方開口部から挿入された先部材4と、後軸部材3の後部に装着されたキャップ5とを備えている。また、先部材4の先端にはスライド部材6が挿通可能な先端開口部4aが形成してある。更に、スライド部材6の先端には芯7が挿通可能な先端孔部6aを形成してある。
尚、本実施例では前軸部材2と後軸部材3とで軸筒8を構成してある。
図2及び図3に示すように、軸筒8の内方には、頭部9aが二分割されたボールチャック9を配置してあり、頭部9aの外側面には半球状の凹部9bが形成してある。また、ボールチャックの凹部9bには球状の鋼製ボール10を挿入してあり、鋼製ボール10及びボールチャック9を囲うように筒状の締具11を配置してある。
また、締具11の前部内面には前方に向かって拡径する傾斜部11aを形成してあり、傾斜部11aにはボールチャック9の凹部9bに挿入した鋼製ボール10が当接するよう配置してある。
更に、ボールチャック9の外側面には段部9cが形成してあり、段部9cと締具11の内面に形成した内段との間にチャックスプリング12を張架して、ボールチャック9を締具11に対して後方に弾発してある。
ボールチャック9の後方には芯7が通過可能な内孔を有する筒状のコネクター13を配設してあり、コネクター13が前進した際にボールチャック9の後端とコネクター13の前方段部13aとが当接するよう配置してある。
また、コネクター13の中間部13bには摺動筒14が配設してあり、摺動筒14はコネクター13に対して前後動可能に装着してある。また、摺動筒14の前端は締具11の後端に当接しており、摺動筒14の後部14bとコネクター13の後方段部13cとの間にノックスプリング15を張架することで摺動筒14に対してコネクター13を後方に弾発してある。
尚、コネクター13の後部には筒状の芯タンク16を圧入してあり、芯タンク16の後部内孔には消しゴム17が着脱自在に取り付けてある。また、後軸部材3の後方内孔より後方へ突出する芯タンク16の後部外面にはキャップ5(ノック体)が着脱自在に取り付けてある。
尚、本実施例は、前述したようにボールチャック9と締具11の間に鋼製ボール10を挟んだ一般的なボールチャック式の芯繰出機構を採用しているため、ボールチャック9で芯を挟持した際、芯7の後退時には楔作用が働き芯7を強く挟持するが、芯7の前進時には楔作用が解除され小さい力で引き抜くことを可能としてある。
また、本実施例では、ボールチャック9と鋼製ボール10と締具11とチャックスプリング12とコネクター13と摺動筒14とノックスプリング15と芯タンク16により芯繰出機構18を構成する。
また、軸筒8の内方且つ締具11の外方には筒状の筒体19を配設してあり、筒体19の側面に形成した窓部19aと、摺動筒14の外側面から外方へ突出するように形成した爪部14aとを係止することで、筒体19と摺動筒14とを一体に固定してある。
尚、筒体19の前部内孔には前段部19bを形成してあり、締具11が前進した際、締具11の外側面に形成した外段部11bと筒体19の前段部19bとが当接するよう構成することで締具11の前進を規制してある。また、筒体19の側面には内外を貫通し軸心方向に延びるスリット部19cを形成してある。
図2、図3及び図4に示すように、軸筒8(前軸部材2)の前端開口部8aから挿入された先部材4の後部内孔4cには、筒体19を前後動可能に挿入してある。また、先部材4の側面には内外を貫通する側孔4dが軸心を挟んで対称に2か所形成してある。この側孔4dには釘状に形成され、鍔部20a(突起部)を有するキー部材20を圧入固着してあり、キー部材20の先端は先部材4の内面から内方へ向かって突出しており、その突出した突出部20bを筒体19のスリット部19cに挿入することで、先部材4に対して筒体19を前後動可能且つ回動不能に構成してある。
更に、キー部材20は先部材4の外面から外方へ突出した状態で圧入してあり、図5に示すように、鍔部20aを前軸部材2の側面に軸心方向に対して傾斜させて形成したガイド部2a内に配置することで、前軸部材2に対して先部材4を前後動しつつ軸周方向へ回動するよう構成してある。
これにより、筒体19はキー部材20の突出部20bが筒体19のスリット部19c内でスリット部19cと突出部20bとの隙間分のみ先部材4に対して前後動可能となり、先部材4はキー部材20の鍔部20aと前軸部材2のガイド部2a内の前後端との隙間分のみ前軸部材2に対して前後動しつつ回動可能に構成してある。
尚、本実施例では、ガイド部2aは前軸部材2の軸心方向に対して45度傾斜するように形成してある。
また、キー部材20の鍔部20a(突起部)は、前軸部材2の外周面から外方に向けて突出するよう形成してあり、鍔部20a(突起部)を前軸部材2のガイド部2a内を外から往復動可能な操作部20cとして機能するよう構成してある。
尚、図5に示すように、操作部20cにはガイド部2aの長手方向に対して直交する方向に延びる複数の溝部20dを形成してあり、操作部20cを操作する際に滑らないようにしてある。
筒体19について更に詳述すると、筒体19は後部内面に内段部19dを形成してあり、内段部19dと後軸部材3の前段部3aとの間に後方スプリング21(第ニの弾発部材)を張架することで後軸部材3に対して筒体19を前方に弾発してある。尚、筒体19は芯繰出機構18の摺動筒14と連結していることから、芯繰出機構18は後方スプリング21(第二の弾発部材)により後軸部材3(軸筒8)に対して前方に弾発される。
また、筒体19は外面に外段部19eを形成してあり、前軸部材2の内周面に内方に向かって突出した内周突起2bと外段部19eとが当接することで、筒体19の前方への移動を制限してある。
尚、後方スプリング21(第二の弾発部材)は、本実施例のシャープペンシル1で筆記を行う場合、筆圧を支えるスプリングとなるため、筆圧で芯が後退しないよう、後方スプリング21の弾発力は筆圧より高く設定することが好ましい。また、通常、筆記時に芯に掛かる筆記圧は通常1.5N〜2.5N程度であり、高くても4.0N程度であることから、後方スプリングの弾発力は4.0N以上が好ましく、5.0N以上がより好ましい。
具体的に、本実施例では後方スプリング21の弾発力は5.5Nに設定した。
先部材4について更に詳述すると、先部材4の内段4bと筒体19の前端との間に中間スプリング22(第一の弾発部材)を張架して、筒体19に対して先部材4を前方に弾発してある。尚、筒体19は芯繰出機構18の摺動筒14と連結していることから、先部材4は中間スプリング22(第一の弾発部材)により芯繰出機構18に対して前方に弾発される。
また、先部材4と前軸部材2との隙間23には、粘性材料としてダンパー用グリースを塗布してあり、ダンパー用グリースがダンパー効果を発揮することにより、先部材4と前軸部材2との間に摺動抵抗が発生するようにしてある。
尚、本実施例では、ダンパー用グリースとして、稠度(グリースの硬さ)が285のシリコーングリース(商品名G330 信越化学工業株式会社製)を使用してある。
更に、前述したように先部材4の内部にはスライド部材6が配設してあり、スライド部材6の後方からスライド部材6を囲むように、止具24を先部材4の中間内孔に圧入してある。
尚、スライド部材6の中間段部6bと止具24の外段部24aとの間に前方スプリング25(第三の弾発部材)を張架して、スライド部材6を先部材4に対して前方に弾発してある。
スライド部材について更に詳述すると、スライド部材6の内孔には芯7を適度の力で保持する合成ゴムで形成した芯ホルダー26を内蔵してある。芯ホルダー26を構成する合成ゴムは、シリコンゴムやニトリルゴムなどを採用することができ、本実施例ではシリコンゴムで成形してある。
尚、芯ホルダー26の芯保持力は、ボールチャック9で芯7を挟持した際の芯を前方へ引き抜く力より強く、芯を後方へ押しこむ力より弱く設定してある。
次に、図2、図3、図6、図7、図8及び図9を用いて、図3の状態のシャープペンシル1で筆記し、スライド部材6の先端孔部6aから突出した芯7が摩耗した際、芯7を後方に強く押圧することで芯7が繰り出される第1の芯繰出手段を説明する。
本発明のシャープペンシル1は、図3の状態で軸筒8を把持し、通常の筆記圧で筆記すると、スライド部材6の先端孔部6aから突出した芯7は筆記に伴い徐々に摩耗する。そして、図6の状態で、軸筒8を保持して芯7を筆記面100に強く押圧し後方スプリング21の弾発力より押圧力が上回ると、ボールチャック9、締具11、コネクター13、摺動筒14及び筒体19は停止しているが、手で把持された軸筒8は筒体19及び先部材4に対して前進し、図7の状態となる。この時、後方スプリング21が圧縮することにより筒体19は前方に弾発されるが、筒体19は摺動筒14に連結され、摺動筒14の前端は締具の後端に当接していることから筒体19は前方へ動くことはない。 また、先部材4は、中間スプリング22により筒体19に対して前方へ弾発されているが、先部材4に圧着されたキー部材20の突出部20bの前端が筒体19のスリット部19cの前端に当接していることから、筒体19と共に動くことはない。更に、先部材4内のスライド部材6も芯ホルダー26により芯を保持しているため動くことはなく停止したままとなる。
ここで、芯7への押圧を解除して芯7を筆記面100より離すと、後方スプリング21の弾発力により、軸筒8に対して筒体19が前進し、筒体19と共に筒体19に連結した芯繰出機構18全体が前方へ真っ直ぐ移動する。
この際、筒体19が前進することにより筒体19に対して中間スプリング22により前方へ弾発された先部材4も前進しようとするが、キー部材20の鍔部20aが前軸部材2のガイド部2aに沿って動くため、キー部材20と連結している先部材4もガイド部2aに沿って回転しつつ前進する。よって、回転しつつ前進する先部材4は、回転せずに前進する芯繰出機構18に対して前進する長さが延びるため、先部材4が前進して元の位置に戻るまでの時間(t1)>芯繰出機構18が前進して元の位置に戻るまでの時間(t2)の関係となる。
そして、先部材4は隙間23に塗布されたシリコングリースにより摺動抵抗(ダンパー機能)が働くことで、先部材4が前進して元の位置に戻るための時間(t2)は更に遅延され、芯繰出機構18が先に前進した図8の状態となる。尚、このとき、先部材4が前進する前に芯繰出機構18が芯7と共に先に前進するため、芯7はスライド部材6の先端孔部6aから前方へ突出した状態となる。
更に、前進が遅れていた先部材4が中間スプリング22の弾発力でスライド部材6と共に前進するが、スライド部材6は芯ホルダー26により芯7を保持しているため、前進が終了している芯繰出機構18のボールチャック9から芯7を前方へ引き出し、図9に示すように、スライド部材6の先端孔部からの芯7の突出量が増加した状態で動作が終了する。
次に、第2の芯繰出手段として、先部材4に圧入して連結したキー部材20の操作部20cを操作することで、芯が前方に繰り出される状態を説明する。
図2の状態から、操作部20cを指などで図10(A)から図10(B)の状態になるようガイド部2a内を後方側に移動させると、キー部材20と連結している先部材4も中間スプリング22の弾発力に抗して後方側へ移動する。この際、先部材4に対して前方に弾発されているスライド部材6も先部材4に押させて芯7を保持したまま後方へ移動しようとするが、前述したようにボールチャック9は後方側へは芯7を強く狭持しているため芯7は動くことなく、スライド部材6のみが芯7を滑らせつつ後方へ移動し、スライド部材6の先端孔部6aからの芯7の突出量が増加した状態となる。
ここで、操作部20cを離すと、前軸部材2(軸筒8)に対して、中間スプリング22の弾発力により先部材4が前進し、先部材4と共に前方スプリング25により前方へ弾発されているスライド部材6も前方へ移動する。
尚、スライド部材6は芯ホルダー26により芯7を保持しているため、ボールチャック9から芯7を前方へ引き出し芯7が前方へ繰り出された状態で動作が終了する。
次に、第3の芯繰出手段として、筆記時に芯の摩耗によりスライド部材6の先端が筆記面に当接することで芯が前方に繰り出される状態を説明する。
スライド部材6は前方スプリング25により先部材4に対して前方へ弾発してあるため、筆記により芯7が摩耗し、スライド部材6が筆記面に接触すると、筆記圧によりスライド部材6が前方スプリング25の弾発力に抗して先部材4に対して後方へ移動する。
ここで、筆記を止めて芯7に掛かる筆圧を解除すると、スライド部材6は前方スプリング25の弾発力により芯ホルダー26で芯7を保持したまま前方へ移動する。この際、スライド部材6は芯ホルダー26により芯7を保持しているため、ボールチャック9から芯7を前方へ引き出し芯7が前方へ繰り出され、自動芯出式のシャープペンシルとしても機能するよう構成してある。
次に、第4の芯繰出手段として、キャップ5を前方へ押圧(ノック操作)することで芯7が前方に繰り出される状態を説明する。
ノック操作での芯7の繰り出し動作を説明すると、図2の状態からキャップ5を前方に押圧(ノック操作)すると、キャップ5に押された芯タンク16が前方に移動し、それに伴ってボールチャック9とボールチャック9に狭持された芯7とコネクター13と鋼製ボール10と締具11とが前進するが、外段部11bが筒体19の前段部19bに当接することで締具11の前進が規制され、ボールチャック9と芯7が締具11に対して前進し、更に、ボールチャック9の頭部9aが拡開することで芯7の狭持状態が解除され芯7の前進が停止する。
また、キャップ5の押圧(ノック操作)を解除すると、ボールチャック9と鋼製ボール10とコネクター13と芯タンク16がチャックスプリング12とノックスプリング15の弾発力で後退するが、芯7は芯ホルダー26により保持されているため、後退することは無く、芯繰出機構18の各部品は元の位置に戻り、芯7のみが前方へ繰り出された状態となり、本実施例のシャープペンシル1は従来の後端ノック式のシャープペンシルとしても機能する。
以上により、筆記時の芯の消耗に応じて、使用者が任意のタイミングで芯を筆記面に押圧することで、当該芯が前方に繰り出されるシャープペンシルを単純な構成で得ることができた。
また、本発明では芯を筆記面に押圧することを含め4種類の芯繰出手段を有しており、使用者の好みや使用状況に合わせて芯繰出手段を任意に選択可能であるため、使い勝手が著しく向上したシャープペンシルを提供することができる。
1…シャープペンシル、
2…前軸部材、2a…ガイド部、2b…内周突起、
3…後軸部材、3a…前段部、
4…先部材、4a…先端開口部、4b…内段、4c…後部内孔、4d…側孔、
5…キャップ、
6…スライド部材、6a…先端孔部、6b…中間段部
7…芯、
8…軸筒、8a…前端開口部、
9…ボールチャック、9a…頭部、9b…凹部、9c…段部、
10…鋼製ボール、
11…締具、11a…傾斜部、11b…外段部、
12…チャックスプリング、
13…コネクター、13a…前方段部、13b…中間部、13c…後方段部、
14…摺動筒、14a…爪部、14b…後部、
15…ノックスプリング、
16…芯タンク、
17…消しゴム、
18…芯繰出機構、
19…筒体、19a…窓部、19b…前段部、19c…スリット部、19d…内段部、
19e…外段部、
20…キー部材、20a…鍔部、20b…突出部、20c…操作部、20d…溝部、
21…後方スプリング(第二の弾発部材)、
22…中間スプリング(第一の弾発部材)、
23…隙間、
24…止具、24a…外段部、
25…前方スプリング(第三の弾発部材)、
26…芯ホルダー、
100…筆記面。

Claims (4)

  1. 軸筒と、当該軸筒内に配設され、芯の前進は許容するが後退は阻止するチャックを有する芯繰出機構と、前記芯を適度な力で保持する芯保持部材と、を備え、前記芯を軸心に沿って後方へ押圧することにより当該芯を前方に繰り出すシャープペンシルであって、
    前記軸筒に、前記芯保持部材を内設した先部材が、当該軸筒の前端開口部から前端を突出させて前後動可能に配設され、
    前記軸筒が、前記先部材を前方に弾発する第一の弾発部材と、前記芯繰出機構を前方に弾発する第二の弾発部材と、を備え、
    前記軸筒の側面に、軸心方向に対して傾斜したガイド部を有しており、
    前記先部材の側面に、前記軸筒の前記ガイド部に挿入され当該ガイド部内を移動する突起部を有しており、
    前記芯に、当該芯を後方へ押圧する押圧力を加えることで、前記第一の弾発部材及び第ニの弾発部材の弾発力に抗して前記芯繰出機構及び先部材を前記軸筒に対して後退させ、
    前記押圧力を解除した時点から前記先部材が前進して元の位置に戻るまでの時間t1と、前記押圧力を解除した時点から前記芯繰出機構が前進して元の位置に戻るまでの時間t2とが、t1>t2の関係を満足することを特徴としたシャープペンシル。
  2. 前記先部材の突起部が、前記軸筒の側面から外方に向かって突出するよう形成され、
    前記突起部を把持し、前記軸筒のガイド部に沿って当該ガイド部内を往復移動させることで前記芯が前方へ繰り出されることを特徴とした請求項1に記載のシャープペンシル。
  3. 前記先部材に、前記芯保持部材を内設したスライド部材が、当該先部材の先端開口部から前端を突出させて前後動可能に配設され、
    前記先部材と前記スライド部材との間に第三の弾発部材を張架することで、当該スライド部材を前方に弾発し、
    筆記時に、前記スライド部材が前記先部材に対して後退することで前記芯を前方に繰り出すことを特徴とした請求項1または2に記載のシャープペンシル。
  4. 前記芯繰出機構の後方に、前記軸筒の後端開口部から後方に向かって突出するノック体を備え、前記ノック体を前方へ押動することで前記芯が前方へ繰り出すことを特徴とした請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシャープペンシル。
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