JP7456516B2 - 信号電源分離回路が構成される多層回路基板 - Google Patents

信号電源分離回路が構成される多層回路基板 Download PDF

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Description

本発明は、マイクロストリップラインに形成される実装パッドおよび電源間にチップインダクタが実装されて信号電源分離回路が構成される多層回路基板に関するものである。
従来、マイクロストリップラインが形成されるこの種の多層回路基板として、例えば、特許文献1に開示された多層基板がある。この多層基板では、マイクロストリップ線路に部品を接続するための半田付けランドパターンを設けた場合、半田付けランドパターンの部分の内層アースパターンを除いて、下層アースパターンがマイクロストリップ線路のアースパターンとされる。これにより、半田付けランドパターンの下層部における板厚が大きくなり、板厚が大きくなった分、半田付けランドパターンのパターン幅が広がっても、マイクロストリップ線路の特性インピーダンスを変えることなく、半田付けランドパターンを設けることができる。
また、従来、マイクロストリップラインが形成されるこの種の多層回路基板として、例えば、特許文献2に開示されたものもある。この多層回路基板では、誘電体の表面に形成された信号線路と、誘電体の裏面に形成された裏面グランドと、それらの間の誘電体中に形成された内層グランドにより、マイクロストリップ線路が構成されている。内層グランドには信号線路に沿ってギャップが設けられている。このギャップの幅の値を調節することにより、信号線路の幅を一定に保持したまま、マイクロストリップ線路の特性インピーダンスを変化させることができる。また、ギャップの幅の値を調節することにより、マイクロストリップ線路の特性インピーダンスを一定に保持したまま、線路幅を任意に設定することができる。
特開平3-71703号公報 特開2014-171154号公報
マイクロストリップラインによって形成される1本の信号線に信号と直流バイアス電源とを重畳させて通信を行うPoC(Power Over Coax.)と呼ばれる伝送技術では、多層回路基板表面のマイクロストリップラインに形成される実装パッドおよび電源間にインダクタが実装されて、信号電源分離回路が構成される。マイクロストリップラインを伝搬する信号の高周波化や大電流化が進むこのPoCでは、マイクロストリップラインの特性インピーダンスに高い精度が要求され、また、インダクタ部品に大電流に対応できる性能が要求される。
インダクタ部品の大電流対応性能を向上させるためには、部品を大型化する必要が生じる。しかし、インダクタ部品を大型化すると、マイクロストリップラインの線路幅に対して、部品を実装するための実装パッドも大きくなり、実装パッド部分でマイクロストリップラインの特性インピーダンス変化が大きくなる。したがって、インダクタ部品の大型化とマイクロストリップラインの特性インピーダンスの高精度化の要求とは相反するものとなる。
このため、特許文献1に開示された、半田付けランドパターンの下層の内層グランドを除去する技術と、特許文献2に開示された、内層グランドの除去されるギャップ幅を調整する技術とを組み合わせ、実装パッドの下層の内層グランドを任意の寸法で除去することにより、実装パッド部分で生じる特性インピーダンス変化を最小限に抑制する対策が考えられる。
また、PoCにおいて信号電源分離回路を構成する、Bias-Tインダクタと呼ばれるインダクタは、その下層のグランド層との容量結合を抑制するため、一般的にその下層のグランド層が除去される対策がとられる。グランド層が除去されてインダクタのこの容量結合が抑制されることで、インダクタのインピーダンスの低下や、自己共振周波数(SRF周波数)の低下が防げ、Bias-Tインダクタとしての十分な特性が確保される。
したがって、実装パッド部分で生じる特性インピーダンス変化を最小限に抑制すると共に、Bias-Tインダクタの下層グランド層との容量結合を抑制するためには、上記の各対策を組み合わせて、実装パッドおよびインダクタの両部分の下層における内層グランドを除去する必要がある。
しかしながら、このように内層グランドを除去すると、その除去パターンがマイクロストリップラインの片側に広がる形状となり、マイクロストリップラインから見て非対称に内層グランドが無い状態となる。このため、このような対策では、Bias-Tインダクタの下層グランド層との容量結合を抑制できても、マイクロストリップラインの実装パッド部分で生じる特性インピーダンス変化を抑制することができない。
本発明はこのような課題を解消するためになされたもので、
部品実装面に形成されたマイクロストリップラインと、
マイクロストリップラインの線路幅より広い幅でマイクロストリップラインに形成される実装パッドと、
実装パッドおよび電源間に電気的に接続されて部品実装面に実装されるチップインダクタと、
部品実装面の直下に設けられる内層グランドにおけるチップインダクタの実装面直下部分所定の面積で形成されるインダクタ特性補償部と、
インダクタ特性補償部と所定の距離をおいて実装パッド直下部分における内層グランドインダクタ特性補償部と電気的に分離されて所定の面積で形成される信号伝送特性補償部
を備えて、信号電源分離回路が構成される多層回路基板を構成した。
本構成によれば、マイクロストリップラインに形成される実装パッド、および、その実装パッドに接続されるチップインダクタの両部分の下層における内層グランドは、実装パッド直下部分所定の面積で形成される信号伝送特性補償部と、チップインダクタの実装面直下部分所定の面積で形成されるインダクタ特性補償部との間に所定の距離が空けられ、電気的に分離される。このため、信号伝送特性補償部とインダクタ特性補償部とが合体して、マイクロストリップラインの片側に広がる形状に形成されていた内層グランドの除去部は、信号伝送特性補償部が、インダクタ特性補償部から信号伝送特性の補償に影響を与えない距離離されて、マイクロストリップラインから見てその両側にほぼ等しく張り出す形状になる。
この結果、本発明によれば、チップインダクタの下層グランド層との容量結合を抑制できると共に、マイクロストリップラインの実装パッド部分で生じる特性インピーダンス変化を抑制することが可能な、信号電源分離回路が構成される多層回路基板を提供することができる。
本発明の第1の実施形態による多層回路基板を示す図である。 従来の多層回路基板の問題点を説明する図である。 第1の実施形態による多層回路基板の作用を説明する図である。 第1の実施形態による多層回路基板における信号伝送特性補償除去部とインダクタ特性補償除去部との間の距離を説明する図である。 本発明の第2の実施形態による多層回路基板を示す図である。 本発明の第3の実施形態による多層回路基板を示す図である。 第3の実施形態による多層回路基板における信号伝送特性補償除去部とマイクロストリップラインとの間の距離を説明する図である。 第3の実施形態による多層回路基板における各信号伝送特性補償除去部間の距離を説明する図である。
次に、本発明による信号電源分離回路が構成される多層回路基板を実施するための形態について、説明する。なお、以下の説明において、同一または相当する部分には同一符号を付して説明する。
図1(a)は、本発明の第1の実施形態による多層回路基板1の平面図、図1(b)は、多層回路基板1の部品実装面1aに実装された各部品を取り払った際に見える表層パターン図、図1(c)は、部品実装面1aの直下の多層回路基板1の内部に形成される内層グランド1bのパターン図である。
多層回路基板1の部品実装面1aにはマイクロストリップライン2が形成されており、IC(高集積化回路)3、DCカットコンデンサ4、チップインダクタ5a,5b、および、チップ抵抗6a,6bが実装されている。マイクロストリップライン2の端部にはコネクタ7が設けられており、コネクタ7には図示しない同軸ケーブルが接続される。この同軸ケーブルにはIC3と通信する図示しないICが接続され、マイクロストリップライン2には高周波信号が伝搬する。部品実装面1aに実装されたIC3および図示しないICのそれぞれの内部には、SerDes(Serializer Deserializer:サーデス)回路が通信回路として形成されている。
チップインダクタ5a,5bはBias-Tインダクタであり、配線パターン8aで直列に接続されて、マイクロストリップライン2にシャントに接続されている。すなわち、直列接続されたチップインダクタ5a,5bの一方端はマイクロストリップライン2に接続され、他方端は配線パターン8bを介して図示しない回路電源に接続されている。チップ抵抗6a,6bは、配線パターン8c,8d,8eで各チップインダクタ5,5に並列に接続されている。これらチップインダクタ5a,5bおよびチップ抵抗6a,6bの組は1組や、3組以上のこともあり、また、チップ抵抗6a,6bは実装されない場合もある。
マイクロストリップライン2を使って行われる通信には、1本のマイクロストリップライン2に信号と直流バイアス電源とを重畳させて通信を行うPoC伝送技術が使用されている。多層回路基板1には、チップインダクタ5a,5bおよびチップ抵抗6a,6bによって信号電源分離回路が構成されている。PoC伝送技術では、マイクロストリップライン2を伝搬する信号と、マイクロストリップライン2へ供給されるDC5[V]の直流バイアス電源とをこの信号電源分離回路によって分離している。
つまり、マイクロストリップライン2には、図示しないバイアス供給源から同軸ケーブルを経由し、コネクタ7を介して、直流バイアス電源が供給される。信号電源分離回路は、マイクロストリップライン2に供給された直流バイアス電源を通過させて、通過させた直流バイアス電源を多層回路基板1の回路電源とさせる。また、これと共に、マイクロストリップライン2を伝搬する高周波信号の回路電源への漏れを阻止して、マイクロストリップライン2を伝搬する高周波信号に影響を与えないようにする。DCカットコンデンサ4は、IC3への直流バイアス電源の通過を阻止して、マイクロストリップライン2およびIC3間における高周波信号の授受を許容させる。チップインダクタ5a,5bに並列に接続されるチップ抵抗6a,6bは信号電源分離回路の共振を抑制する。
各回路部品は、図1(b)に示す各実装パッドに各端子が電気的に接続されて、部品実装面1aに実装されている。つまり、チップインダクタ5aは、一方の端子が実装パッド5a1、他方の端子が実装パッド5a2に接続されており、チップインダクタ5bは、一方の端子が実装パッド5b1、他方の端子が実装パッド5b2に接続されている。したがって、直列接続されたチップインダクタ5a,5bは、実装パッド5a1および回路電源間に電気的に接続されて、部品実装面1aに実装される。
また、チップ抵抗6aは一方の端子が実装パッド6a1、他方の端子が実装パッド6a2に、チップ抵抗6bは一方の端子が実装パッド6b1、他方の端子が実装パッド6b2に接続されて、部品実装面1aに実装される。IC3は実装パッド3a、コンデンサ4は実装パッド4a,4b、コネクタ7は実装パッド7aに各端子が接続されて、部品実装面1aに実装される。マイクロストリップライン2上の実装パッド3a,4a,4b,5a1,6a1,7aは、マイクロストリップライン2の線路幅より広い幅でマイクロストリップライン2に形成されている。
マイクロストリップライン2上の実装パッド3a,4a,4b,5a1,6a1,7a、並びに、チップインダクタ5a,5bおよびチップ抵抗6a,6bの直下部分の内層グランド1bは、図1(c)に示すように、所定の面積で除去されて、次の各部が形成されている。なお、多層回路基板1の部品実装面1aと反対の裏面にはグランドパターンが全面に形成される。
すなわち、実装パッド3a,4a,4b,5a1,6a1,7aの直下部分の内層グランド1bには、内層グランド1bが所定の面積で除去されて信号伝送特性補償除去部3a1,4a1,4b1,5a2,6a2,7a1が信号伝送特性補償部として形成されている。これら信号伝送特性補償除去部3a1,4a1,4b1,5a2,6a2,7a1の各面積は、その上層にある実装パッド3a,4a,4b,5a1,6a1,7aがマイクロストリップライン2の幅方向にそれぞれ張り出すことによって生じるマイクロストリップライン2の特性インピーダンス変化をそれぞれ抑制する所定の任意の各面積となっている。
また、チップインダクタ5a,5bおよびチップ抵抗6a,6bの部品実装面の直下部分、並びに、配線パターン8a~8eの直下部分の内層グランド1bには、内層グランド1bが所定の面積で除去されて形成された部品特性補償除去部9が部品特性補償部として形成されている。この部品特性補償除去部9は、チップインダクタ5a,5bの複数個にわたる部品実装面の直下部分の内層グランド1bが所定の面積で除去されてインダクタ特性補償部として形成されたインダクタ特性補償除去部と、チップ抵抗6a,6bの複数個にわたる部品実装面の直下部分の内層グランド1bが所定の面積で除去されて抵抗特性補償部として形成された抵抗特性補償除去部とが合体してまとめられた形状となっている。インダクタ特性補償除去部の面積は、その上層にあるチップインダクタ5a,5bと内層グランド1bとの容量結合を抑制する所定の任意の面積となっている。また、抵抗特性補償除去部の面積は、その上層にあるチップ抵抗6a,6bと内層グランド1bとの容量結合を抑制する所定の任意の面積となっている。
また、部品特性補償除去部9は、チップインダクタ5aが接続される実装パッド5a1の信号伝送特性補償除去部5a2とインダクタ特性補償除去部とが所定の距離D1をおいて互いに電気的に分離されると共に、チップ抵抗6aが接続される実装パッド6a1の信号伝送特性補償除去部6a2と抵抗特性補償除去部とが所定の距離D2をおいて電気的に分離されて、形成される。所定の距離D1は、部品特性補償除去部9を形成するインダクタ特性補償除去部が、信号伝送特性補償除去部5a2によるマイクロストリップライン2の特性インピーダンスの補償に影響を与えない任意の距離に設定される。所定の距離D2は、部品特性補償除去部9を形成する抵抗特性補償除去部が、信号伝送特性補償除去部6a2によるマイクロストリップライン2の特性インピーダンスの補償に影響を与えない任意の距離に設定される。
上記の構成をした本実施形態による多層回路基板1に対して、相反するインダクタ部品の大型化とマイクロストリップラインの特性インピーダンスの高精度化の要求とに対応するため、従来、前述したように、特許文献1に開示された、半田付けランドパターンの下層の内層グランドを除去する技術と、特許文献2に開示された、内層グランドの除去されるギャップ幅を調整する技術とを組み合わせ、実装パッドの下層の内層グランドを任意の寸法で除去することにより、実装パッド部分で生じる特性インピーダンス変化を最小限に抑制する対策が考えられた。
すなわち、特許文献1に開示された技術では、図2(a)に示すように、多層回路基板の部品実装面11に形成されたマイクロストリップライン12に半田付けランドパターン13が形成される。そして、図2(b)に示すように、半田付けランドパターン13の下層における内層グランド14に内層グランド除去部15が形成される。
また、図2(c)に示すように、多層回路基板の部品実装面11に形成されたマイクロストリップライン12に、例えばBias-Tインダクタ16a,16b,16cがシャントに接続される場合、図2(d)に示すように、部品実装面11には、Bias-Tインダクタ16a,16b,16cを部品実装面11に実装するための実装パッド16a1,16a2,16b1,16b2,16c1,16c2が形成される。そして、Bias-Tインダクタ16a,16b,16cとその下層の内層グランド14との容量結合を抑制するため、図2(e)に示すように、Bias-Tインダクタ16a,16b,16cの部品実装面下層における内層グランド14に内層グランド除去部17が形成される。
特許文献1に開示されたマイクロストリップライン12の特性インピーダンス変化を抑制する上記の技術と、特許文献2に開示された、内層グランド14の除去されるギャップ幅a(図2(b)参照)を調整する技術とを組み合わせ、半田付けランドパターン13の下層の内層グランド14を任意の寸法で除去して内層グランド除去部15を形成することにより、半田付けランドパターン13の部分で生じる特性インピーダンス変化を最小限に抑制する対策が考えられる。この対策と、内層グランド除去部17を形成して、Bias-Tインダクタ16a,16b,16cの内層グランド14との容量結合を抑制する上記の対策とを組み合わせ、Bias-Tインダクタ16a,16b,16cと、半田付けランドパターン13(図2(d)では実装パッド16a1)との両部分の下層の内層グランド14を図2(f)に示すように除去して、内層グランド除去部18を形成することで、相反するインダクタ部品の大型化とマイクロストリップラインの特性インピーダンスの高精度化の要求とに対応することが考えられる。
しかしながら、このように内層グランド14を除去して内層グランド除去部18を形成することとすると、その除去パターンが図2(f)に示すようにマイクロストリップライン12の片側に広がる形状となり、マイクロストリップライン12から見て非対称に内層グランド14が無い状態となる。このため、このような対策では、インダクタ16a,16b,16cの内層グランド14との容量結合を抑制できても、マイクロストリップライン12の実装パッド部分である半田付けランドパターン13で生じる特性インピーダンス変化を抑制することができない。
しかし、本実施形態によれば、図3(a)に示す、部品実装面11に形成されたマイクロストリップライン12上の実装パッド13下方の内層グランド14には、図3(b)に示すように、インダクタ16a,16b,16cの内層グランドとの容量結合を抑制する内層グランド除去部17と所定の距離D1をおいて、マイクロストリップライン12の特性インピーダンス変化を補償する内層グランド除去部19が形成される。すなわち、内層グランド除去部17と内層グランド除去部19との間には所定幅D1の導体が存在することとなり、内層グランド除去部19はマイクロストリップライン12から見てその両側にほぼ等しく張り出す形状になる。
図3(c)に示すように、図2(f)に示した形状をした内層グランド除去部18が内層グランド14に形成される場合には、同軸ケーブルを経由してコネクタ7(図1(a)参照)を介し、マイクロストリップライン12を伝搬してIC3に戻ってくる高周波信号のリターン電流I1,I2は、内層グランド除去部18の下方に偏って流れる。このため、内層グランド除去部18の図で下方における内層グランド14を流れるリターン電流I1,I2の電流密度が高くなってノイズ源となり、マイクロストリップライン12の特性インピーダンスに悪影響を与える。
一方で、図3(b)に示すように、内層グランド除去部19が内層グランド除去部17から所定距離D1離れて内層グランド14に形成される場合には、図3(d)に示すように、IC3に戻ってくる高周波信号のリターン電流I1,I2は、内層グランド除去部19の両側を均等に流れる。このため、リターン電流I1,I2によるノイズがマイクロストリップライン12の特性インピーダンスに与える影響が抑制される。
このように、上述した本実施形態の多層回路基板1によれば、図1に示すように、マイクロストリップライン2に形成される実装パッド5a1、および、その実装パッド5a1に接続されるチップインダクタ5a,5bの両部分の下層における内層グランド1bは、実装パッド5a1の直下部分が所定の面積で除去されて形成される信号伝送特性補償除去部5a2と、チップインダクタ5a,5bの実装面直下部分が所定の面積で除去されて形成されるインダクタ特性補償除去部とに分けられて、除去される。そして、信号伝送特性補償除去部5a2とインダクタ特性補償除去部とは、それらの間に所定の距離D1が空けられ、電気的に分離される。このため、図2(f)に示すように、信号伝送特性補償除去部である内層グランド除去部15とインダクタ特性補償除去部である内層グランド除去部17とが合体して、マイクロストリップライン12の片側に広がる形状に形成されていた内層グランド除去部18は、本実施形態では、図1(c)に示すように、信号伝送特性補償除去部5a2が、部品特性補償除去部9を形成するインダクタ特性補償除去部から信号伝送特性の補償に影響を与えない距離D1離される。そして、信号伝送特性補償除去部5a2は、マイクロストリップライン2から見てその両側にほぼ等しく張り出す形状になる。この結果、チップインダクタ5a,5bの内層グランド1bとの容量結合を抑制できると共に、マイクロストリップライン2の実装パッド5a1の部分で生じる特性インピーダンス変化を抑制することが可能な、信号電源分離回路が構成される多層回路基板1を提供することができる。
また、本実施形態の多層回路基板1では、チップインダクタ5a,5bが部品実装面1aにおいて実装パッド5a1および回路電源間に複数個直列に設けられるが、インダクタ特性補償除去部は、チップインダクタ5a,5bの複数個にわたる実装面直下の内層グランド1bが所定の面積で除去されて形成される。このため、複数個のチップインダクタ5a,5bの下層の内層グランド1bとの容量結合を抑制できると共に、マイクロストリップライン2の実装パッド5a1の部分で生じる特性インピーダンス変化を抑制することができる。
また、本実施形態の多層回路基板1では、マイクロストリップライン2が、チップインダクタ5aの実装パッド5a1以外にも、マイクロストリップライン2の線路幅より広い幅の他の実装パッド3a,4a,4b,6a1,7aを実装パッド5a1と異なる箇所に1箇所以上有し、他の実装パッド3a,4a,4b,6a1,7aの直下部分の内層グランド1bが所定の面積で除去されて形成される信号伝送特性補償除去部3a1,4a1,4b1,6a2,7a1をさらに備える。本実施形態の多層回路基板1によれば、このような他の実装パッド3a,4a,4b,6a1,7aの直下部分の内層グランド1bにも同様な信号伝送特性補償除去部3a1,4a1,4b1,6a2,7a1をさらに備えることで、マイクロストリップライン2の全体にわたって特性インピーダンス変化が抑制される。このため、マイクロストリップライン2を含んで構成される回路全体の信号伝送特性が向上する。
また、本実施形態の多層回路基板1では、チップインダクタ5a,5bに並列に回路の共振を抑制するチップ抵抗6a,6bが接続される。また、チップ抵抗用の他の実装パッド6a1、および、その他の実装パッド6a1に接続されるチップ抵抗6a,6bの両部分の下層における内層グランド1bは、チップ抵抗用の他の実装パッド6a1の直下部分が所定の面積で除去されて形成される信号伝送特性補償除去部6a2と、チップ抵抗6a,6bの実装面直下部分が所定の面積で除去されて部品特性補償除去部9に形成される抵抗特性補償除去部とに分けられて、除去される。そして、信号伝送特性補償除去部6a2と抵抗特性補償除去部は、それらの間に所定の距離D2が空けられ、電気的に分離される。このため、チップ抵抗用の他の実装パッド6a1の直下における信号伝送特性補償除去部6a2は、部品特性補償除去部9に形成される抵抗特性補償除去部から信号伝送特性の補償に影響を与えない距離D2離されて、マイクロストリップライン2から見てその両側にほぼ等しく張り出す形状になる。この結果、チップ抵抗6a,6bの内層グランド1bとの容量結合を抑制できると共に、チップ抵抗用の他の実装パッド6a1の部分で生じるマイクロストリップライン2の特性インピーダンス変化を抑制することができる。
図4(a)は、マイクロストリップライン2に形成される実装パッド5a1の下層に信号伝送特性補償除去部5a2が形成された初期状態を示している。図4(b)は、図4(a)に示す初期状態に加えて、チップインダクタ5a,5bの下層に、信号伝送特性補償除去部5a2から距離D1離れてインダクタ特性補償除去部9aが形成された本実施形態の状態を示している。
図4(c)は、図4(b)におけるマイクロストリップライン2の長さを図示するように30[mm]に設定して距離D1を変化させた際に、タイム・ドメイン・リフレクトメータ(TDR)によってシミュレーションされるマイクロストリップライン2の特性インピーダンスのシミュレーション結果を示すグラフである。ここで、多層回路基板1における各層間に設けられる誘電体の比誘電率εr=4.25、マイクロストリップライン2の線路幅=0.43[mm]、実装パッド5a1の幅×長さの寸法=0.9[mm]×2.2[mm]、インダクタ特性補償除去部9aの幅×長さの寸法=1.6[mm]×2.2[mm]、部品実装面1aおよび内層グランド1b間の層間厚さ=0.05[mm]とした。後述する各シミュレーションにおいても、同様な各寸法に設定した。
同グラフの横軸は時間[s]、縦軸はマイクロストリップライン2の特性インピーダンス値[Ω]を表す。横軸の時間は、マイクロストリップライン2の延伸方向における各箇所の位置に相当しており、約2×e-10~2.8×e-10間は、実装パッド5a1の幅部分にほぼ相当している。また、薄墨色の太い実線で示す特性線31は、図4(b)に示すインダクタ特性補償除去部9aが形成されていない、図4(a)に示す初期状態時のシミュレーション結果を表し、細い実線で示す特性線32は、D1=0で信号伝送特性補償除去部5a2とインダクタ特性補償除去部9aとの間に距離が無くて一体となっている状態時のシミュレーション結果を表す。また、長い破線で示す特性線33は、D1=0.2[mm]のときのシミュレーション結果を表し、短い破線で示す特性線34は、D1=0.3[mm]のときのシミュレーション結果を表す。
同グラフの実線で示す特性線32から、D1=0のときには、実装パッド5a1の中央部分で特性インピーダンス値が大きく跳ね上がっていることが理解される。これは、D1=0で、信号伝送特性補償除去部5a2とインダクタ特性補償除去部9aとが一体となるときは、実装パッド5a1の下層の内層グランド除去部がマイクロストリップライン2から見て片側に広がった形状となるためである。また、長い破線で示す特性線33から、D1=0.2[mm]で、信号伝送特性補償除去部5a2がインダクタ特性補償除去部9aから0.2[mm]離れたときには、薄墨色の太い実線で示す特性線31で表される初期状態に対して、特性インピーダンス値が±0.5[Ω]以内の変化に収まっていることが理解される。また、短い破線で示す特性線34から、D1=0.3[mm]で、信号伝送特性補償除去部5a2がインダクタ特性補償除去部9aから0.3[mm]離れたときには、太い薄墨色で示す特性線31で表される初期状態に対して、特性インピーダンス値が一致することが理解される。
このシミュレーション結果から、信号伝送特性補償除去部5a2がインダクタ特性補償除去部9aから0.2[mm]離れれば、実害は生じないと考えられ、0.3[mm]離れれば、信号伝送特性補償除去部5a2は隣接するインダクタ特性補償除去部9aの影響を全く受けないことが確認された。このことは、チップ抵抗6a,6bについての信号伝送特性補償除去部6a2と抵抗特性補償除去部との関係についても、同様に考えることができる。
図5(a)は、本発明の第2の実施形態による多層回路基板1Aにおける、チップインダクタ5,5の部分の平面図、図5(b)は、チップインダクタ5,5の実装面直下の多層回路基板1Aの内部に形成される内層グランド1bのパターン図である。この他の実施形態による多層回路基板1Aでは、上記の第1の実施形態の構成をしたマイクロストリップライン2が多層回路基板1Aに2本形成され、上記の第1の実施形態で説明した直列接続されたチップインダクタ5a,5bに代えて1つのインダクタ5が用いられる。各マイクロストリップライン2,2は、図1(a)に示すDCカットコンデンサ4,4を介してそれぞれIC3に接続される。
本実施形態では、部品実装面1aにおいて、チップインダクタ5,5が、並設された2本のマイクロストリップライン2,2を挟んだ両側に配置される。また、各マイクロストリップライン2,2に形成されて各チップインダクタ5,5の一端に接続される各実装パッド5a1,5a1の下層の内層グランド1bにおいて、各信号伝送特性補償除去部5a2,5a2は、2本のマイクロストリップライン2,2の各延伸方向Xにおいて並ぶ位置で、かつ、各延伸方向Xに直交する方向Yにおいて、互いに所定の距離D1離れて配置される。
図4に示したシミュレーション結果から、各信号伝送特性補償除去部5a2,5a2が所定の距離D1=0.2[mm]離れれば、各マイクロストリップライン2,2の特性インピーダンスに実害は生じないと考えられる。また、0.3[mm]離れれば、各信号伝送特性補償除去部5a2,5a2は互いに隣接するものの影響を全く受けないものと、考えられる。このことから、距離D1は0.2[mm]以上とすることが好ましい。
この第2の実施形態による多層回路基板1Aによれば、各マイクロストリップライン2,2のそれぞれに形成されるチップインダクタ5,5間およびマイクロストリップライン2,2間の距離を、各マイクロストリップライン2,2の特性インピーダンス変化を抑制しながら、最小に設定することができる。このため、チップインダクタ5,5間およびマイクロストリップライン2,2間の距離を詰めることができるため、多層回路基板1Aの部品実装密度を高めて、多層回路基板1Aの大きさを抑制することができる。
図6(a)は、本発明の第3の実施形態による多層回路基板1Bにおける、チップインダクタ5,5の部分の平面図、図6(b)は、チップインダクタ5,5の実装面直下の多層回路基板1Bの内部に形成される内層グランド1bのパターン図である。この第3の実施形態による多層回路基板1Bでも、上記の第1の実施形態の構成をしたマイクロストリップライン2が多層回路基板1Bに2本形成され、上記の第1の実施形態で説明した直列接続されたチップインダクタ5a,5bに代えて1つのインダクタ5が用いられる。また、各マイクロストリップライン2,2は、図1(a)に示すDCカットコンデンサ4,4を介してそれぞれIC3に接続される。
本実施形態でも、部品実装面1aにおいて、チップインダクタ5,5が、並設された2本のマイクロストリップライン2,2を挟んだ両側に配置される。また、各信号伝送特性補償除去部5a2,5a2は、各マイクロストリップライン2,2に形成されて各チップインダクタ5,5の一端に接続される各実装パッド5a1,5a1の下層において、一方の実装パッド5a1の下方に形成される一方のものが、2本のマイクロストリップライン2,2の各延伸方向Xにおいて他方のものから所定の距離D3離れて、他方のものと並ばない位置で、かつ、各延伸方向Xに直交する方向Yにおいて、他方の実装パッド5a1が形成される一方のマイクロストリップライン2から所定の距離D4離れて、配置される。
図7(a)は、図6に示した一方のマイクロストリップライン2と一方の信号伝送特性補償除去部5a2とを示す。図7(b)は、マイクロストリップライン2の長さを図7(a)に図示するように30[mm]に設定して、マイクロストリップライン2と信号伝送特性補償除去部5a2との間の上記距離D4を変化させた際に、タイム・ドメイン・リフレクトメータ(TDR)によってシミュレーションされるマイクロストリップライン2の特性インピーダンスのシミュレーション結果を示すグラフである。
同グラフも、横軸は時間[s]、縦軸はマイクロストリップライン2の特性インピーダンス値[Ω]を表し、横軸の時間は、マイクロストリップライン2の延伸方向における各箇所の位置に相当している。また、黒色の太い実線で示す特性線41は、図7(a)に示す信号伝送特性補償除去部5a2が形成されていない初期状態時のシミュレーション結果を表し、短い破線で示す特性線42は、D4=0で信号伝送特性補償除去部5a2とマイクロストリップライン2との間に距離が無くて、接している状態時のシミュレーション結果を表す。また、一点鎖線で示す特性線43はD4=0.1[mm]のときのシミュレーション結果を表し、細い実線で示す特性線44はD4=0.2[mm]のとき、薄墨色の太い実線で示す特性線45はD4=0.3[mm]のとき、長い破線で示す特性線46はD4=0.7[mm]のときのシミュレーション結果を表す。
同グラフにおける黒色の太い実線で示す特性線41および短い破線で示す特性線42から、初期状態時およびD4=0のときには、信号伝送特性補償除去部5a2の中央部分で特性インピーダンス値が大きく跳ね上がっていることが理解される。また、特性線43,44,45および46から、D4=0.1[mm],0.2[mm],0.3[mm]および0.7[mm]と距離D4が大きくなるのに伴って、特性インピーダンスが初期状態時の特性線41に近付いて行き、D4=0.2[mm]以上で初期状態時の特性インピーダンスに対して差異が1[Ω]未満になることが理解される。このことから、距離D4は0.2[mm]以上とすることが好ましい。
図8(a)は、図6に示した一方のマイクロストリップライン2に形成された他方の実装パッド5a1と、その実装パッド5a1の下方に設けられた他方の信号伝送特性補償除去部5a2と、図示しない一方の実装パッド5a1の下方に設けられた一方の信号伝送特性補償除去部5a2とを示す。図8(b)は、マイクロストリップライン2の長さを図8(a)に図示するように30[mm]に設定して、各信号伝送特性補償除去部5a2,5a2間の上記距離D3を変化させた際に、タイム・ドメイン・リフレクトメータ(TDR)によってシミュレーションされるマイクロストリップライン2の特性インピーダンスのシミュレーション結果を示すグラフである。
同グラフも、横軸は時間[s]、縦軸はマイクロストリップライン2の特性インピーダンス値[Ω]を表し、横軸の時間は、マイクロストリップライン2の延伸方向Xにおける各箇所の位置に相当している。また、薄墨色の太い実線で示す特性線51は、図8(a)に示す図示しない一方の実装パッド5a1の下方に設けられた一方の信号伝送特性補償除去部5a2が形成されていない初期状態時のシミュレーション結果を表し、破線で示す特性線52は、D3=0で各信号伝送特性補償除去部5a2,5a2間に距離が無くて、接している状態時のシミュレーション結果を表す。また、実線で示す特性線53は、D3=0.2[mm]のときのシミュレーション結果を表す。
同グラフにおける破線で示す特性線52から、D3=0のときには、各信号伝送特性補償除去部5a2,5a2間付近で、特性インピーダンス値が大きく跳ね上がっていることが理解される。また、実線で示す特性線53から、D3=0.2[mm]で、各信号伝送特性補償除去部5a2,5a2間が0.2[mm]離れたときには、薄墨色の太い実線で示す特性線51で表される初期状態に対して、特性インピーダンス値がほぼ一致することが理解される。このことから、距離D3も0.2[mm]以上とすることが好ましい。
この第3の実施形態による多層回路基板1Bによれば、各マイクロストリップライン2,2のそれぞれに形成されるチップインダクタ5,5間の距離D3およびマイクロストリップライン2,2間の距離を、各マイクロストリップライン2,2の特性インピーダンス変化を抑制しながら、さらに縮めることができる。このため、チップインダクタ5,5間の距離D3およびマイクロストリップライン2,2間の距離をさらに詰めることができるため、多層回路基板1Bの部品実装密度をさらに高めて、多層回路基板1Bの大きさをさらに抑制することができる。
なお、上記の各実施形態の説明においては、信号伝送特性補償除去部5a2およびインダクタ特性補償除去部9aは、内層グランド1bが除去されて形成される場合について、説明した。しかし、信号伝送特性補償除去部5a2およびインダクタ特性補償除去部9aの両方またはいずれか一方は、層間の誘電体を挟んで導体が網目状に位置する導電メッシュが内層グランド1bの除去部に形成されているように、構成してもよい。また、信号伝送特性補償除去部5a2およびインダクタ特性補償除去部9aの両方またはいずれか一方は、抵抗膜が内層グランド1bの除去部に形成されているように、構成してもよい。また、信号伝送特性補償除去部5a2およびインダクタ特性補償除去部9aの両方またはいずれか一方は、内層グランド1bと絶縁された浮島状の導電体が内層グランド1bの除去部に部分的に1個または複数個形成されているように、構成してもよい。このような各構成によっても、各多層回路基板1,1A,1Bは上記の実施形態と同様な作用効果を奏する。また、このような各構成によれば、さらに、図3(d)を用いて説明した、リターン電流I1,I2によるノイズ問題をさらに改善させることができる。
1,1A,1B…多層回路基板
1a…部品実装面
1b…内層グランド
2…マイクロストリップライン
3…IC
3a,4a,4b,5a1,6a1,7a…実装パッド
3a1,4a1,4b1,5a2,6a2,7a1…信号伝送特性補償除去部
4…DCカットコンデンサ
5a,5b,5…チップインダクタ
6a,6b…チップ抵抗
7…コネクタ
8a,8b,8c,8d,8e…配線パターン
9…部品特性補償除去部
9a…インダクタ特性補償除去部

Claims (9)

  1. 部品実装面に形成されたマイクロストリップラインと、
    前記マイクロストリップラインの線路幅より広い幅で前記マイクロストリップラインに形成される実装パッドと、
    前記実装パッドおよび電源間に電気的に接続されて前記部品実装面に実装されるチップインダクタと、
    前記部品実装面の直下に設けられる内層グランドにおける前記チップインダクタの実装面直下部分所定の面積で形成されるインダクタ特性補償部と、
    前記インダクタ特性補償部と所定の距離をおいて前記実装パッド直下部分における前記内層グランド前記インダクタ特性補償部と電気的に分離されて所定の面積で形成される信号伝送特性補償部
    を備えて信号電源分離回路が構成される多層回路基板。
  2. 前記チップインダクタは前記部品実装面において前記実装パッドおよび電源間に複数個直列に設けられ、
    前記インダクタ特性補償部は、前記チップインダクタの複数個にわたる実装面直下の前記内層グランド所定の面積で形成されることを特徴とする請求項1に記載の多層回路基板。
  3. 前記マイクロストリップラインは、前記実装パッド以外にも前記マイクロストリップラインの線路幅より広い幅の他の実装パッドを前記実装パッドと異なる箇所に1箇所以上有し、
    前記他の実装パッド直下部分の前記内層グランド所定の面積で形成される信号伝送特性補償部をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多層回路基板。
  4. チップ抵抗用の前記他の実装パッドに一方の端子が接続されて前記チップインダクタに並列に前記部品実装面に実装されるチップ抵抗と、
    前記チップ抵抗の実装面直下の前記内層グランド所定の面積で形成される抵抗特性補償部とを備え、
    チップ抵抗用の前記信号伝送特性補償部は、前記抵抗特性補償部と所定の距離をおいてチップ抵抗用の前記他の実装パッド直下部分における前記内層グランド前記抵抗特性補償部と電気的に分離されて所定の面積で形成される
    ことを特徴とする請求項3に記載の多層回路基板。
  5. 前記チップインダクタは並設された2本の前記マイクロストリップラインを挟んだ両側に配置され、
    前記信号伝送特性補償部は、各前記マイクロストリップラインに形成されて各前記チップインダクタの一端に接続される各前記実装パッドの下層において、2本の前記マイクロストリップラインの各延伸方向において並ぶ位置で、かつ、前記各延伸方向に直交する方向において互いに所定の距離離れて配置される
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の多層回路基板。
  6. 前記チップインダクタは並設された2本の前記マイクロストリップラインを挟んだ両側に配置され、
    前記信号伝送特性補償部は、各前記マイクロストリップラインに形成されて各前記チップインダクタの一端に接続される各前記実装パッドの下層において、一方の前記実装パッドの下方に形成される一方のものが、2本の前記マイクロストリップラインの各延伸方向において他方のものから所定の距離離れて他方のものと並ばない位置で、かつ、前記各延伸方向に直交する方向において他方の前記実装パッドが形成される一方の前記マイクロストリップラインから所定の距離離れて配置される
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の多層回路基板。
  7. 前記信号伝送特性補償部および前記インダクタ特性補償部の両方またはいずれか一方は、誘電体を挟んで導体が網目状に位置する導電メッシュが形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の多層回路基板。
  8. 前記信号伝送特性補償部および前記インダクタ特性補償部の両方またはいずれか一方は、抵抗膜が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の多層回路基板。
  9. 前記信号伝送特性補償部および前記インダクタ特性補償部の両方またはいずれか一方は、前記内層グランドと絶縁された浮島状の導電体が部分的に1個または複数個形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の多層回路基板。
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