JP7456318B2 - トレー容器 - Google Patents
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Description
紙を基材としたシートから製造したトレー容器は、耐熱性があって、かつ、断熱性があり、電子レンジ等で加熱しても、持って移動させやすいなど、使いやすい容器である。
以上の問題に対し、基材の紙の折り込み接合板部分を抜いておき、その状態で表裏にシーラント層等を積層することによって、融着時に段差や隙間を生じにくいトレー容器が考えられる。
しかしながら、このように折り畳まれる接合縁片部分を製造すると、底面の角部に隣接する部分が、細い角になって、紙片が残り、品質上の問題が発生するという新たな問題が発生していた。
表裏に熱可塑性樹脂層を有し紙を基材とする積層シートから形成され、
凸多角形形状の底面板と、
底面板の周縁の各底辺で谷折れ罫線を介して繋止した側面板と、
側面板の底辺に対向した上辺で山折り罫線を介して繋止するフランジと、
隣り合う側面板や隣り合うフランジの間にあって、該側面板やフランジの端辺同士を当接させるウェブコーナー片と、からなり、
該ウェブコーナー片が、底面板の各角部近傍から周縁に伸びる中央のウェブ中央谷折り罫線により折り込まれ、左右いずれかの側面板やフランジの面に融着して形成されるトレー容器において、
前記ウェブコーナー片が、底面角部と側面の端辺とが繋がる角部周縁に、1mm以上の幅を有するR形状によって形成され、かつ、積層シートの基材の無い樹脂部によって形成したことを特徴とするトレー容器である。
図1-1は本発明のトレー容器の第一実施形態例に用いられるブランク2の形状を示す図である。
本発明のトレー容器は、凸多角形形状の底面板3を有する。底面板3の形状は、周囲の頂角の大きさが180度未満の多角形である凸多角形であれば、正多角形でなくても良い。この第一実施形態例は、長方形の四隅を面取りした八角形の底面板3を有するトレー容器である。
底面板3周縁には、前記底面版3の各底周辺31を谷折り罫線とし、該谷折り罫線を介して繋止する側面板4を有している。該側面板4は、底面板3の各底周辺31を底辺とし、その向かい合う辺を上辺とした台形形状から出来ている。
又、上記側面板4の上辺に、山折り罫線を介して繋止したフランジ5を有している。
ー片6を有している。
ブランク2は、紙を基材とし表裏に熱可塑性樹脂層を有する積層シート20から形成されている。しかし、上記ウェブコーナー片6の部分だけは、基材を抜いて基材の無い表裏の熱可塑性樹脂層を主に構成されたシートから形成されている。
ウェブコーナー片6は基材層が無いので、積層シート状だけでも薄いが、融着時に、より圧着して薄くすることができる。
さらに、図7-1のように、基材層11と内側熱可塑性樹脂層12との間に、接着層15を介してバリア層13を含んだ構成であってもかまわない。
積層シートのウェブコーナー片6では、紙基材層を抜いた状態とするので、ウェブコーナー片6部分だけは薄くなっている。
ウェブコーナー片6は、底面板3の角部と左右二枚の側面板4端辺とが繋がる角部周縁が、R形状で形取られた一定以上の幅を有する形状に加工されている。
この、ウェブコーナー片6に接する側面板4の底面板角部32と接する下端が、基材が1mm以上のウェブ先端幅Bに削れられたウェブ切り欠き部434を有する形状に設定する。
第一実施形態例のウェブコーナー片6近傍では、底面板角部32に接する斜傾側面板43の端辺431先端を、短側面板42の端辺421に平行なウェブ切り欠き線432によってウェブ先端幅Bで基材をえぐるように切り欠き、その先端をR形状433にしている。ここでは、ウェブ先端幅Bの大きさをR3mmのR形状433で、かつ、3mmの幅を有する形状に設定している。ここでRは、前記R形状の丸みの半径である。
ここに示すように、ウェブコーナー片6部分を抜き落した基材を予め製造し、この基材の表裏に熱可塑性樹脂層を積層する。この表裏の熱可塑性樹脂層を積層するのには、エクストルーダーラミネーション機を用い、熱可塑性樹脂層を溶融した状態で、積層することが望ましい。
このウェブコーナー片6部分を抜き落す時は、底面側端部の抜き刃の内部に抜きカスをゴムなどの力で強制的に抜き型から外す型にしておくと良い。この時、1mm以上の幅を設けているので、その抜き落とす部材を隙間に設けることができる。また、1mm以上の幅Bがあり、その先端がR形状になっているので、その外側の広幅部分から切れたりして、抜きカスが発生したりしにくい。
さらに、ウェブコーナー片6の製品にはならない外側部分に、数mm飛び出した抜きシロ62を設けておくと、外形を抜く時に、抜きズレが発生しても、それをカバーして、基材のある部分がウェブコーナー片6に入り込む心配がなくなる。
C-C断面における工程図で示されるように、傾斜側面板43の端辺と長側面板41の端辺とが当接し、その間のウェブコーナー片6は、ウェブ中央罫線61を折り目にして18
0度折り曲げられ、側面板4より外側に押し出される。
その押し出されたウェブコーナー片6は、A-A断面に示すように、傾斜側面板43に押し付けられて、シールされ、融着される。
この時、底面角部32近傍の部分拡大図(右中図)に示すように、基材を切り欠いたウェブ切り欠き部434が傾斜側面板43の外側に見えている。
図7-2では、基材の無いウェブコーナー片6は腰がないので、容易にウェブ中央罫線61を折り目にして180度折り曲げられ、側面板4より外側に押し出される。
図7-3では、その押し出されたウェブコーナー片6は、傾斜側面板43外面に押し付けられて、シールされ、融着される
平面図に示すように、ウェブコーナー片6は下方に押し出され、傾斜側面板43やフランジ5の下面に融着されているので、トレー容器1の内側には、ウェブコーナー片6は見えない。
しかし、傾斜側面板43の底面角部32近傍には、基材を切り欠いたウェブ切り欠き部434が傾斜側面板43の内側に見えている。
ここに設けたウェブ切り欠き部は、単にウェブコーナー片の先端を抜きカスの出ない幅にするのに、傾斜側面板側ではなく、短側面板42や、長側面板41に設けたもので、幅を設けた部分には先端をR形状としている。
ここに設けたウェブ切り欠き部は、単にウェブコーナー片の先端を抜きカスの出ない幅にするのに、傾斜側面板側だけではなく、短側面板42や、長側面板41にも、両方にまたがって設けたもので、幅を設けた部分の左右両方をR形状としている。
さらに、ウェブコーナー近傍を抜き落した基材層の表裏に積層する熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂など、互いに融着性の高い樹脂が使用できる。
さらに、図7に示すように、基材層11と内側熱可塑性樹脂層12との間に、接着層15を介してバリア層13を含んだ構成であってもかまわない。
バリア層13としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリアミド樹脂、などが
使用できる。また、アルミニウムなどの金属箔や、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリアミドフィルムに酸化珪素などの酸化金属やアルミニウムなどの金属を蒸着したものであってもかまわない。
これらは、タンデムエクストルーダーラミネート機を使用したり、ドライラミネーション機を使用して貼り合せることができる。
紙基材2として、カップ用原紙(坪量260g/m2)を用意し、予め、図2に示す第一実施形態例の形状に、ウェブコーナー片6や抜きシロ65部分を窓状に抜いておいた。
この時、傾斜側面板端部に設けたR形状433はR3mmとし、先端幅Bも3mmとした。
上記ウェブコーナー等を抜いた原紙に対し、タンデム式エクストルーダーラミネーション機を出用い、表面側にポリプロピレン樹脂を30μm、内面側にポリプロピレン樹脂を40μmで押し出して積層し、積層シートを作成した。
ここで、ブランクは、積層シートを図1の形状にビク刃で外形を抜き、同時に罫線を設けた。
上記ブランクを用い、8カ所それぞれのウェブコーナー片のウェブ谷折り罫線61で折り曲げ、その左右を図7-2のように当接させ、さらに、図7-3に示すように、上記折り曲げたウェブコーナー片を傾斜側面板の外面に融着して、図3、図4に示すトレー容器を得た。
積層シートは、実施例1と同じカップ用原紙を用い、予め打ち抜いておくウェブコーナー片は、図5-1に示す第二実施形態例の形状で抜いておいた。
すなわち、短側面板や長側面板端部に設けたR形状はR3mmとし、先端幅も3mmとした。
上記ウェブコーナー等を抜いた原紙に対し、実施例1と同じようにタンデム式エクストルーダーラミネーション機を用い、表面側にポリプロピレン樹脂を30μm、内面側にポリプロピレン樹脂を40μmで押し出して積層し、積層シートを作成した。
ここで、ブランクは、積層シートを図5-1の形状にビク刃で外形を抜き、同時に罫線を設けた。
上記ブランクを用い、8カ所それぞれのウェブコーナー片のウェブ谷折り罫線で折り曲げ、その左右を図7-2のように当接させ、さらに、図7-3に示すように、上記折り曲げたウェブコーナー片を傾斜側面板の外面に融着して、図5-2に示すトレー容器を得た。
積層シートは、実施例1と同じカップ用原紙を用い、予め打ち抜いておくウェブコーナー片は、図6-1に示す第三実施形態例の形状で抜いておいた。
すなわち、短側面板や長側面板端部、傾斜側面部に設けたR形状はR1.5mmとし、先端幅Bも3mmとした。
上記ウェブコーナー等を抜いた原紙に対し、実施例1と同じようにタンデム式エクストルーダーラミネーション機を用い、表面側にポリプロピレン樹脂を30μm、内面側にポリプロピレン樹脂を40μmで押し出して積層し、積層シートを作成した。
ここで、ブランクは、積層シートを図5-1の形状にビク刃で外形を抜き、同時に罫線を設けた。
上記ブランクを用い、8カ所それぞれのウェブコーナー片のウェブ谷折り罫線で折り曲げ、その左右を図7-2のように当接させ、さらに、図7-3に示すように、上記折り曲げたウェブコーナー片を傾斜側面板の外面に融着して、図6-2に示すトレー容器を得た。
積層シートは、実施例1と同じカップ用原紙を用い、予め打ち抜いておくウェブコーナー片は、図8-1に示す従来例の形状で抜いておいた。
すなわち、短側面板や長側面板端部や傾斜側面板に設けたウェブ切り欠き部は設けず、鋭角で尖ったウェブコーナー片と抜きシロだけの形状で、窓状に打ち抜いた。
上記ウェブコーナー等を抜いた原紙に対し、実施例1と同じようにタンデム式エクストルーダーラミネーション機を用い、表面側にポリプロピレン樹脂を30μm、内面側にポリプロピレン樹脂を40μmで押し出して積層し、積層シートを作成した。
ここで、ブランクは、積層シートを図8-1の形状にビク刃で外形を抜き、同時に罫線を設けた。
上記ブランクを用い、8カ所それぞれのウェブコーナー片のウェブ谷折り罫線で折り曲げ、その左右を図7-2のように当接させ、さらに、図7-3に示すように、上記折り曲げたウェブコーナー片を傾斜側面板の外面に融着して、図8-2に示すトレー容器を得た。
ウェブコーナー抜き片の混入の有無を、拡大鏡を使用した目視で観察した。
実施例1、実施例2、実施例3では、ウェブコーナー抜き片の混入はなかった。
しかし、比較例1では、鋭角部分の引っ掛かりによるウェブコーナー片が残り、紙片の混入が発生した。
ウェブコーナー片の鋭角部分に紙片が残ると、底面板の角部近傍で、しっかり側面板の端辺同士を接するように組み立てることができない。この為、膨らんだ状態に組み上がってしまう問題や、ウェブ谷折り罫線で折り畳むように左右を融着することができなくなってしまう問題が発生した。
特に、ウェブコーナーの鋭角部分の先端に幅とR形状を設けるだけなので、生産性も高く、組み立て性も向上させ、かつ、密封性を向上させるものであり、価格も低く抑えることができるなど、本発明のメリットは高い。
11・・・・・・・基材層(紙)
12・・・・・・・内側熱可塑性樹脂層
13・・・・・・・バリア層
14・・・・・・・外側熱可塑性樹脂層
15・・・・・・・接着層
2・・・・・・・・ブランク
20・・・・・・・積層シート
3・・・・・・・・底面版
31・・・・・・・底周辺
32・・・・・・・底面板角部
4・・・・・・・・側面板
41・・・・・・・長側面板
42・・・・・・・短側面板
421・・・・・・端辺(短側面板の端辺)
424・・・・・・ウェブ切り欠き部(短側面板)
43・・・・・・・傾斜側面板
431・・・・・・端辺(傾斜側面板の端辺)
432・・・・・・ウェブ切り欠き線
433・・・・・・R形状
434・・・・・・ウェブ切り欠き部(傾斜側面板)
5・・・・・・・・フランジ
6・・・・・・・・ウェブコーナー片
61・・・・・・・ウェブ谷折り罫線
62・・・・・・・抜きシロ
B・・・・・・・・先端幅(ウェブコーナー片先端幅)
Claims (4)
- 表裏に熱可塑性樹脂層を有し紙を基材とする積層シートから形成され、
凸多角形形状の底面板と、
底面板の周縁の各底辺で谷折れ罫線を介して繋止した側面板と、
側面板の底辺に対向した上辺で山折り罫線を介して繋止するフランジと、
隣り合う側面板や隣り合うフランジの間にあって、該側面板やフランジの端辺同士を当接させるウェブコーナー片と、からなり、
該ウェブコーナー片が、底面板の各角部近傍から周縁に伸びる中央のウェブ中央谷折り罫線により折り込まれ、左右いずれかの側面板やフランジの面に融着して形成されるトレー容器において、
前記ウェブコーナー片が、底面角部と側面の端辺とが繋がる角部周縁で、1mm以上の幅を有するR形状によって形成され、かつ、積層シートの基材の無い樹脂部によって形成したことを特徴とするトレー容器。 - 上記ウェブコーナー片が、底面と左右いずれかの側面との繋ぎに、R1mm以上の曲線で切り欠いた形状としたことを特徴とする請求項1に記載のトレー容器。
- 上記ウェブコーナー片が、底面と左右側面との繋ぎに、R0.5mm以上の曲線で切り欠いた形状としたことを特徴とする請求項1に記載のトレー容器。
- 底面が、長方形の角を斜めに切り欠いた八角形としたことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のトレー容器。
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