JP7360632B2 - ブランク材、紙製容器および蓋材付き紙製容器 - Google Patents

ブランク材、紙製容器および蓋材付き紙製容器 Download PDF

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Description

本開示は、ブランク材、紙製容器および蓋材付き紙製容器に関する。
従来より、持ち帰り用の飲食物(いわゆる、テイクアウト商品)や、宅配される飲食物を収容する容器が知られている。
近年、海洋汚染の問題や環境負荷の低減を目的として、このような容器に使用する樹脂量の低減が求められており、樹脂量を削減したり、容器に使用する材質を変更したりすることが進められている。このような容器としては、紙容器と、上記紙容器の内壁に積層された成形フィルムとを備える紙製容器が知られている(例えば、特許文献1)。このような紙製容器では、食品が充填された後、蓋材によって、紙製容器が覆われる。
特表2013-545675号公報
しかしながら、このような紙製容器では、紙容器はブランク材を組み立てることにより、作製されている。このため、紙製容器の強度が低下するおそれがある。このため、紙製容器の強度を向上させることが望まれている。
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、紙製容器の強度を向上させることが可能な、ブランク材、紙製容器および蓋材付き紙製容器を提供することを目的とする。
一実施の形態によるブランク材は、底部パネルと、前記底部パネルに第1折れ線を介して連結された複数の側部パネルと、各々の側部パネルにそれぞれ第2折れ線を介して連結された複数のフランジ片パネルとを備え、前記側部パネル同士の間に隙間が形成されており、一の側部パネルの側縁に、第1凹部が形成されており、前記一の側部パネルに前記隙間を介して対向する他の側部パネルの側縁に、前記第1凹部内に収容される第1凸部が形成されており、前記第1凹部は、前記一の前記側部パネルの前記側縁の全域にわたって形成されており、前記第1凸部は、前記他の前記側部パネルの前記側縁の全域にわたって形成されている、ブランク材である。
一実施の形態によるブランク材は、底部パネルと、前記底部パネルに第1折れ線を介して連結された複数の側部パネルと、各々の側部パネルにそれぞれ第2折れ線を介して連結された複数のフランジ片パネルとを備え、前記側部パネル同士の間に隙間が形成されており、一の側部パネルの側縁に、第1凹部を含む第1凹凸部が形成されており、前記一の側部パネルに前記隙間を介して対向する他の側部パネルの側縁に、前記第1凹部内に収容される第1凸部を含む第2凹凸部が形成されており、前記第1凹凸部は、第2凸部を含み、前記第2凹凸部は、前記第2凸部が収容される第2凹部を含み、前記第1凹凸部は、前記一の前記側部パネルの前記側縁の全域にわたって形成されており、前記第2凹凸部は、前記他の前記側部パネルの前記側縁の全域にわたって形成されている、ブランク材である。
一実施の形態によるブランク材において、平面視において、前記第1凸部の輪郭の少なくとも一部は、円弧形状をもっていてもよい。
一実施の形態によるブランク材において、平面視において、前記第1凸部の輪郭の少なくとも一部は、直線形状をもっていてもよい。
一実施の形態による紙製容器は、本開示による前記ブランク材を組み立てることにより作製された紙容器と、前記紙容器の表面に積層された成形フィルムとを備える、紙製容器である。
一実施の形態による紙製容器は、底部と、前記底部に第1折れ線を介して連結された複数の側部と、各々の側部にそれぞれ第2折れ線を介して連結された複数のフランジ片とを有する紙容器と、前記紙容器の表面に積層された成形フィルムとを備え、前記側部同士は、互いに連続することなく隣り合っており、一の側部の側縁に、第1凹部が形成されており、前記一の側部に隣り合う他の側部の側縁に、前記第1凹部内に収容される第1凸部が形成されており、前記第1凹部は、前記一の前記側部の前記側縁の全域にわたって形成されており、前記第1凸部は、前記他の前記側部の前記側縁の全域にわたって形成されている、紙製容器である。
一実施の形態による紙製容器は、底部と、前記底部に第1折れ線を介して連結された複数の側部と、各々の側部にそれぞれ第2折れ線を介して連結された複数のフランジ片とを有する紙容器と、前記紙容器の表面に積層された成形フィルムとを備え、前記側部同士は、互いに連続することなく隣り合っており、一の側部の側縁に、第1凹部を含む第1凹凸部が形成されており、前記一の側部に隣り合う他の側部の側縁に、前記第1凹部内に収容される第1凸部を含む第2凹凸部が形成されており、前記第1凹凸部は、第2凸部を含み、前記第2凹凸部は、前記第2凸部が収容される第2凹部を含み、前記第1凹凸部は、前記一の前記側部の前記側縁の全域にわたって形成されており、前記第2凹凸部は、前記他の前記側部の前記側縁の全域にわたって形成されている、紙製容器である。
一実施の形態による紙製容器において、側面視において、前記第1凸部の輪郭の少なくとも一部は、円弧形状をもっていてもよい。
一実施の形態による紙製容器において、側面視において、前記第1凸部の輪郭の少なくとも一部は、直線形状をもっていてもよい。
一実施の形態による蓋材付き紙製容器は、本開示による前記紙製容器と、前記紙製容器を密封する蓋材とを備える、蓋材付き紙製容器である。
本開示によれば、紙製容器の強度を向上させることができる。
図1は、本実施の形態による蓋材付き紙製容器を示す垂直断面図である。 図2は、本実施の形態による紙製容器を示す斜視図である。 図3は、本実施の形態による紙製容器を示す平面図である。 図4Aは、本実施の形態による紙製容器を示す側面図(図2のIVA方向から見た矢視図)である。 図4Bは、本実施の形態による紙製容器の紙容器を示す側面図(図2のIVB方向から見た矢視図)である。 図4Cは、本実施の形態による紙製容器の比較例を示す側面図(図4Aに対応する図)である。 図5は、本実施の形態によるブランク材を示す平面図である。 図6は、本実施の形態によるブランク材を示す拡大平面図(図5のVI部に対応する拡大平面図)である。 図7は、本実施の形態による紙製容器の製造方法を示す断面図である。 図8は、本実施の形態による紙製容器の製造方法を示す断面図である。 図9は、本実施の形態による紙製容器の製造方法を示す断面図である。 図10は、本実施の形態による紙製容器の紙容器の第1変形例を示す側面図(図4Bに対応する図)である。 図11は、本実施の形態によるブランク材の第1変形例を示す平面図である。 図12は、本実施の形態による紙製容器の紙容器の第2変形例を示す側面図(図4Aに対応する図)である。 図13は、本実施の形態によるブランク材の第2変形例を示す平面図である。 図14は、本実施の形態による紙製容器の紙容器の第3変形例を示す斜視図である。 図15は、本実施の形態によるブランク材の第3変形例を示す平面図である。 図16は、本実施の形態による紙製容器の紙容器の第3変形例の他の例を示す斜視図である。 図17は、本実施の形態によるブランク材の第3変形例の他の例を示す平面図である。 図18は、実施例による強度測定試験を説明する図である。 図19は、実施例において、比較例1のブランク材を示す平面図である。 図20は、実施例において、比較例2のブランク材を示す平面図である。
以下、図面を参照して本実施の形態について説明する。図1乃至図9は本実施の形態を示す図である。以下に示す各図は、模式的に示した図である。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施できる。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用できる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含めて解釈することとする。なお、本明細書中、「上」および「下」とは、それぞれ紙製容器を正立させた状態(図1)における上方および下方のことをいう。なお、本明細書中、「表面」とは、内容物と向かい合う側の面、または紙製容器を正立させた際に上方を向く面のことをいう。
蓋材付き紙製容器
図1に示すように、本実施の形態による蓋材付き紙製容器1は、紙製容器10と、紙製容器10を密封する蓋材50とを備えている。ここでは、まず、紙製容器10について説明する。
紙製容器
図1乃至図3に示すように、紙製容器10は、紙容器20と、紙容器20の表面に積層された成形フィルム40とを備えている。このうち紙容器20は、後述するブランク材30を組み立てることにより作製される容器である。
(紙容器)
紙容器20は、底部21と、底部21に第1折れ線22を介して連結された複数の側部23と、各々の側部23にそれぞれ第2折れ線24を介して連結された複数のフランジ片25とを有している。
このうち底部21は、平面視略矩形状をもっている。なお、底部21が、平面視において八角形状等の多角形状をもっていてもよい。
底部21と側部23とを連結する第1折れ線22は、ミシン目状に形成されていてもよく、ハーフカット線であってもよい。これにより、側部23を底部21に対して折り曲げやすくできる。なお、第1折れ線22がミシン目状に形成されている場合、後述するキャビティ側型60の吸引孔61から空気を吸引することにより、第1折れ線22近傍において、成形フィルム40が紙容器20に押しつけられる。これにより、成形フィルム40と紙容器20との密着性を向上できる。
各々の側部23は、それぞれ底部21から上方に延びている。図示された例においては、紙容器20は4つの側部23を有している。具体的には、紙容器20は、底部21が画定する矩形の短辺に沿って延びる一対の第1側部23aと、底部21が画定する矩形の長辺に沿って延びる一対の第2側部23bとを有しており、側部23は、全体として逆四角錐台形状に形成されている。しかしながら、これに限られるものではなく、側部23が、全体として逆八角錐台形状等の多角錐台形状に形成されていてもよい。
複数の側部23同士は、互いに連続することなく隣り合っている。すなわち、各側部23同士が重なり合うことなく、互いに隣り合っている。これにより、紙容器20の全周にわたって、側部23と成形フィルム40との密着性を向上できる。また、各側部23同士が重なり合うことなく、互いに隣り合っていることにより、紙容器20に成形フィルム40を接着する際に、成形フィルム40にピンホール等が生じることを抑制できる。なお、各側部23間には、空気が通過するための微少な隙間が形成されており、後述するキャビティ側型60の吸引孔61から空気を吸引することにより、成形フィルム40が紙容器20に押しつけられるように構成されている。
側部23とフランジ片25とを連結する第2折れ線24は、第1折れ線22と同様に、ミシン目状に形成されていてもよく、ハーフカット線であってもよい。これにより、フランジ片25を側部23に対して折り曲げやすくできる。なお、第2折れ線24がミシン目状に形成されている場合、後述するキャビティ側型60の吸引孔61から空気を吸引することにより、第2折れ線24近傍において、成形フィルム40が紙容器20に押しつけられる。これにより、成形フィルム40と紙容器20との密着性を向上できる。
各々のフランジ片25は、それぞれ側部23の上端から側方に向けて水平に突出している。図示された例においては、紙容器20は4つのフランジ片25を有している。具体的には、紙容器20は、底部21が画定する矩形の短辺に沿って延びる一対の第1フランジ片25aと、底部21が画定する矩形の長辺に沿って延びる一対の第2フランジ片25bとを有しており、フランジ片25は、全体として環状に形成されている。
複数のフランジ片25同士は、互いに連続することなく隣接している。すなわち、各フランジ片25同士が重なり合うことなく、互いに隣接している。これにより、紙容器20の全周にわたって、フランジ片25と成形フィルム40との密着性を向上できる。また、各フランジ片25同士が重なり合うことなく、互いに隣接していることにより、紙容器20に成形フィルム40を接着する際に、成形フィルム40にピンホール等が生じることを抑制できる。さらに、各フランジ片25同士が重なり合うことなく、互いに隣接していることにより、紙製容器10の成形フィルム40のうち、フランジ片25に対応する領域に蓋材50をシールする際に、成形フィルム40と蓋材50との密着性を向上できる。これにより、蓋材50のシール不良が発生することを抑制できる。なお、本明細書中「隣接」とは、互いに隣り合う部材(例えば、フランジ片25)同士が全体にわたり隙間なく接触している場合の他、以下の(1)または(2)に該当する場合も含む。
(1)一の部材(例えば第1フランジ片25a)の一部のみが他の部材(例えば第2フランジ片25b)に対して接触した状態で、一の部材と他の部材とが互いに隣り合っていること。
(2)一の部材(例えば第1フランジ片25a)と他の部材(例えば第2フランジ片25b)とが互いに接触していない状態で、一の部材と他の部材とが互いに隣り合っている場合に、一の部材と他の部材との間の隙間の少なくとも一部が、一の部材および他の部材に対して成形フィルム40を接着する際に、成形フィルム40(後述するフィルム40a)が入り込むことができない程度の隙間であること。
ところで、図3乃至図4Bに示すように、一の側部23の側縁23cに、第1凹部71が形成されている。また、当該一の側部23に隣り合う他の側部23の側縁23cに、第1凹部71内に収容される第1凸部72が形成されている。言い換えれば、一の側部23の側縁23cに、第1凹部71を含む第1凹凸部70Aが形成されている。また、当該一の側部23に隣り合う他の側部23の側縁23cに、第1凹部71内に収容される第1凸部72を含む第2凹凸部70Bが形成されている。第2凹凸部70Bの第1凸部72は、第1凹凸部70Aの第1凹部71内に収容されるように、一の側部23側へ折り曲げられている。
図示された例においては、第1凹凸部70Aは第1側部23aに形成されており、第2凹凸部70Bは第2側部23bに形成されている。この場合、第1凹凸部70Aは、第1側部23aの両側縁(長手方向(図3の上下方向)の両端縁)23cに形成されており、第1側部23aには、それぞれ2つの第1凹凸部70Aが形成されている。同様に、第2凹凸部70Bは、第2側部23bの両側縁(長手方向(図3の左右方向)の両端縁)23cに形成されており、第2側部23bには、それぞれ2つの第2凹凸部70Bが形成されている。そして、第2凹凸部70Bの第1凸部72は、第1凹凸部70Aの第1凹部71内に収容されるように、第1側部23a側へ折り曲げられている。なお、図示はしないが、第1凹部71を含む第1凹凸部70Aが第2側部23bに形成されていてもよく、第1凸部72を含む第2凹凸部70Bが第1側部23aに形成されていてもよい。
本実施の形態では、第1凹凸部70Aの第1凹部71は、第1側部23aの側縁23cの全域にわたって形成されている。同様に、第2凹凸部70Bの第1凸部72は、第2側部23bの側縁23cの全域にわたって形成されている。
この第1凹凸部70Aおよび第2凹凸部70Bは、紙製容器10の強度を高める役割を果たす。すなわち、第2凹凸部70Bの第1凸部72が第1凹凸部70Aの第1凹部71内に収容されることにより、紙製容器10に対して上下方向に沿った力が加えられた場合に、側部23の変形を抑制できる。
ここで、図4Cに示すように、側部23に第1凹凸部70Aおよび第2凹凸部70Bが形成されていない紙容器20Aを備える紙製容器10Aでは、紙製容器10Aに対して上下方向に沿った力F(以下、単に力Fとも記す)が加えられた場合に、側部23が潰されやすくなる可能性がある。また、側部23が潰された場合や、側部23が変形した場合、互いに隣り合う側部23の側縁23c同士が離れる場合がある。この場合、互いに隣り合う側部23の側縁23c同士の間から、成形フィルム40が外方に露出する可能性がある。
これに対して本実施の形態では、上述したように一の側部23の側縁23cに、第1凹部71を含む第1凹凸部70Aが形成されており、一の側部23に隣接する他の側部23の側縁23cに、第1凹部71内に収容される第1凸部72を含む第2凹凸部70Bが形成されている。この場合、紙製容器10に対して力Fが加えられることによって側部23が変形しようとした際に、第1凹凸部70Aの第1凹部71と、第2凹凸部70Bの第1凸部72とが、互いに干渉する。これにより、側部23の変形を抑制できる。
また、この場合、第1凹部71内に第1凸部72が収容されることにより、互いに隣り合う側部23の側縁23c同士の間に隙間が形成された場合であっても、隙間のうち、例えば上下方向に沿って一直線状に延びる部分の長さを短くできる。すなわち、隙間の形状を複雑にできる。このため、紙製容器10の搬送時等に、周囲の構造物等が外方から成形フィルム40に接触することを抑制できる。ここで、側部23の側縁23c近傍においては、成形フィルム40を構成する後述するフィルム40aが延伸されることにより、成形フィルム40が他の部分と比較して薄くなる可能性がある。このように、成形フィルム40が他の部分と比較して薄くなった場合であっても、本実施の形態では、周囲の構造物等が外方から成形フィルム40に接触することを抑制できるため、薄くなった成形フィルム40が破れることを抑制できる。
また、側面視において、第1凹部71の輪郭の少なくとも一部は、円弧形状をもっている。同様に、側面視において、第1凸部72の輪郭の少なくとも一部は、円弧形状をもっている。これにより、第1凸部72を第1凹部71内に収容する際に、第2側部23bに形成された第1凸部72が、第1側部23aに干渉することを抑制でき、第1凸部72を第1凹部71に収容させやすくできる。
第1凹部71の凹み量D1(図4B参照)は、第1凹凸部70Aが形成された側部23(ここでは、第1側部23a)の長さL1(図3参照)の5%以上30%以下であってもよい。ここで、図4Bに示すように、凹み量D1は、第1凹部71と第1折れ線22との交点と、第1凹部71と第2折れ線24との交点とを結ぶ直線をX1とした場合に、直線X1に直交する方向への凹み量である。また、側部23の長さL1は、第1凹凸部70Aが形成された側部23(ここでは、第1側部23a)と、底部21とを連結する第1折れ線22の長さである。また、第1凸部72の突出量P1(図4B参照)は、第2凹凸部70Bが形成された側部23(ここでは、第2側部23b)の長さL2(図3参照)の5%以上30%以下であってもよい。ここで、突出量P1は、直線X1に直交する方向への突出量である。また、側部23の長さL2は、第2凹凸部70Bが形成された側部23(ここでは、第2側部23b)と、底部21とを連結する第1折れ線22の長さである。
(ブランク材)
次に、紙容器20を作製するためのブランク材30について説明する。図5に示すように、ブランク材30は、底部パネル31と、底部パネル31に第1折れ線32を介して連結された複数の側部パネル33と、各々の側部パネル33にそれぞれ第2折れ線34を介して連結された複数のフランジ片パネル35とを備えている。ブランク材30の底部パネル31、第1折れ線32、側部パネル33、第2折れ線34およびフランジ片パネル35は、それぞれ紙容器20の底部21、第1折れ線22、側部23、第2折れ線24およびフランジ片25に対応するものである。図示された例においては、ブランク材30は、側部パネル33およびフランジ片パネル35を4つずつ備えている。
また、側部パネル33同士の間に隙間36が形成されている。また、各々の側部パネル33は、それぞれ底部パネル31から延びる一対の側縁33cを有している。そして、側部パネル33の側縁33c同士の間に隙間36が形成されている。これにより、上述した紙製容器10において、各側部23同士が重なり合うことはなく、互いに隣り合うようになっている(図2および図3参照)。
上述したように、ブランク材30の側部パネル33は、紙容器20の側部23に対応している。このため、ブランク材30は、底部パネル31が画定する矩形の短辺に沿って延びる一対の第1側部パネル33aと、底部パネル31が画定する矩形の長辺に沿って延びる一対の第2側部パネル33bとを備えている。
また、上述したように、ブランク材30のフランジ片パネル35は、紙容器20のフランジ片25に対応している。このため、ブランク材30は、底部パネル31が画定する矩形の短辺に沿って延びる一対の第1フランジ片パネル35aと、底部パネル31が画定する矩形の長辺に沿って延びる一対の第2フランジ片パネル35bとを備えている。
ここで、図5および図6に示すように、一の側部パネル33の側縁33cに、第1凹部81が形成されている。また、当該一の側部パネル33に隣り合う他の側部パネル33の側縁33cに、第1凹部81内に収容される第1凸部82が形成されている。言い換えれば、一の側部パネル33の側縁33cに、第1凹部81を含む第1凹凸部80Aが形成されている。また、当該一の側部パネル33に隙間36を介して対向する他の側部パネル33の側縁33cに、第1凹部81内に収容される第1凸部82を含む第2凹凸部80Bが形成されている。
図示された例においては、第1凹凸部80Aは第1側部パネル33aに形成されており、第2凹凸部80Bは第2側部パネル33bに形成されている。この場合、第1凹凸部80Aは、第1側部パネル33aの両側縁(長手方向(図5の上下方向)の両端縁)33cに形成されており、第1側部パネル33aには、それぞれ2つの第1凹凸部80Aが形成されている。同様に、第2凹凸部80Bは、第2側部パネル33bの両側縁(長手方向(図5の左右方向)の両端縁)33cに形成されており、第2側部パネル33bには、それぞれ2つの第2凹凸部80Bが形成されている。
また、第1凹凸部80Aは、第1側部パネル33aの側縁33cの全域にわたって形成されている。同様に、第2凹凸部80Bは、第2側部パネル33bの側縁33cの全域にわたって形成されている。
第1凹凸部80Aおよび第2凹凸部80Bは、それぞれ紙容器20の第1凹凸部70Aおよび第2凹凸部70Bに対応するものである。すなわち、第1凹部81および第1凸部82は、それぞれ紙容器20の第1凹部71および第1凸部72に対応するものである。このため、平面視において、第1凹部81の輪郭の少なくとも一部は、円弧形状をもち、第1凸部82の輪郭の少なくとも一部は、円弧形状をもっている。
また、第1凹部81の凹み量D2(図6参照)は、第1凹凸部80Aが形成された側部パネル33(ここでは、第1側部パネル33a)の長さL3(図5参照)の5%以上30%以下であってもよい。ここで、図6に示すように、凹み量D2は、第1凹部81と第1折れ線32との交点と、第1凹部81と第2折れ線34との交点とを結ぶ直線をX2とした場合に、直線X2に直交する方向への凹み量である。また、側部パネル33の長さL3は、第1凹凸部80Aが形成された側部パネル33(ここでは、第1側部パネル33a)と、底部パネル31とを連結する第1折れ線32の長さである。また、第1凸部82の突出量P2(図6参照)は、第2凹凸部80Bが形成された側部パネル33(ここでは、第2側部パネル33b)の長さL4(図5参照)の5%以上30%以下であってもよい。ここで、図6に示すように、突出量P2は、第1凸部82と第1折れ線32との交点と、第1凸部82と第2折れ線34との交点とを結ぶ直線をX3とした場合に、直線X3に直交する方向への突出量である。また、側部パネル33の長さL4は、第2凹凸部80Bが形成された側部パネル33(ここでは、第2側部パネル33b)と底部パネル31とを連結する第1折れ線32の長さである。
このようなブランク材30の底部パネル31、側部パネル33およびフランジ片パネル35は、一体に形成されている。ブランク材30は、ブランク材30を構成する紙材料に対して打ち抜き加工等を施すことによって作製することができる。
ブランク材30を構成する紙材料としては、例えば、坪量150g/m以上800g/m以下程度の各種の板紙、コート紙、カード紙、アイボリー紙、ミルクカートン原紙、カップ原紙、コートボール等の加工紙等を使用することができる。
(成形フィルム)
次に、図1乃至図4Bにより、成形フィルム40について説明する。この成形フィルム40は、紙容器20を保護する役割を果たす。また、成形フィルム40は、容器形状をもっており、紙容器20の表面の全面を覆っている。これにより、紙製容器10に充填された内容物が、紙製容器10から漏れ出すことを抑制している。成形フィルム40は、例えばヒートシール(熱溶着)により、紙容器20に接着されている。
このような成形フィルム40としては、耐水性、密封性、そして熱融着性を有する熱可塑性樹脂からなるフィルムであればよい。成形フィルム40としては、例えば、各種のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ-ト(PET)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン-アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカーボネート、ポリブテン、ポリビニルアルコ-ル、その他の各種の熱可塑性樹脂のフィルムを単独ないしラミネートして使用できる。特に、紙製容器10に対してガスバリア性を付与したい場合には、例えば、中間層にエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)などのガスバリア性材料を積層した積層体、具体的には、PE/EVOH/PE、PP/EVOH/PE、A(アモルファス)・PET/EVOH/PEなどの層構成の積層体を用いることができる。なお、「/」は、互いに隣接する層同士の境界を意味する。
成形フィルム40は、例えば以下の層構成の積層体から作製されてもよい。
(外側)ポリエチレン(40μm)/アイオノマー(40μm)/ポリエチレン(40μm)(内側)
(外側)ポリプロピレン(30μm)/接着層(10μm)/アイオノマー(40μm)/接着層(10μm)/ポリプロピレン(30μm)(内側)
(外側)ポリエチレン(20μm)/アイオノマー(30μm)/接着層(10μm)/エチレン-ビニルアルコール共重合体(10μm)/接着層(10μm)/アイオノマー(15μm)/エチレン・酢酸ビニル共重合体(20μm)(内側)
なお、上記各層は常法に従い、ドライラミネーション法、押出ラミネーション法、押出コーティング法その他のコーティング法によって形成される。
蓋材
次に、蓋材50について説明する。蓋材50は、紙製容器10の成形フィルム40のうち、フランジ片25に対応する領域に全周にわたってシールされている。
このような蓋材50は、例えば、PET/シーラント層、PP/シーラント層、PET/PP/シーラント層、PET/PE/シーラント層、Kコート延伸ナイロン(KON)/PE/シーラント層、などの層構成の積層体を用いることができる。また、蓋材50を構成する積層体は、例えば、中間層にエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)などのガスバリア性材料を積層した積層体であってもよい。蓋材50は、例えば、PET/PE/エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)/PE/シーラント層、などの層構成の積層体を用いることができる。また、バリア層として、アルミ箔や蒸着フィルム(アルミ蒸着や透明蒸着)を用いてもよい。さらに、シーラントには、いわゆるイージーピール性を発現させることができる樹脂材料を用いることが好ましい。
蓋材50は、例えば以下の層構成の積層体から作製されてもよい。
(外側)透明蒸着層付きポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/ナイロンフィルム(15μm)/ポリエチレンフィルム(40μm)(内側)
なお、上記各層は常法に従い、ドライラミネーション法、押出ラミネーション法、押出コーティング法その他のコーティング法によって形成される。
このような構成からなる蓋材付き紙製容器1では、まず、紙製容器10内に内容物が充填される。次に、紙製容器10の成形フィルム40のうち、フランジ片25に対応する領域に蓋材50がシールされる。これにより、内容物が充填された蓋材付き紙製容器1が得られる。なお、蓋材付き紙製容器1は、チルド食品用や冷凍食品用の容器であってもよく、あるいは、テイクアウト用の容器として使用できる。また、内容物としては、惣菜、精肉、乳製品等の食品であってもよい。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、紙製容器10の製造方法および蓋材付き紙製容器1の製造方法について、図7乃至図9を用いて説明する。
紙容器の製造方法
まず、ブランク材30を準備する。この際、まず、紙材料を準備し、次に、紙材料に対して打ち抜き加工等を施すことによって、ブランク材30が得られる。
次に、図7に示すように、ブランク材30を、キャビティ側型60に装着する。このキャビティ側型60には、吸引孔61が形成されており、吸引孔61から空気を吸引することによって、ブランク材30がキャビティ側型60に装着される。この際、ブランク材30の側部パネル33が、第1折れ線32に沿って底部パネル31に対して折り曲がる。同様に、ブランク材30のフランジ片パネル35が、第2折れ線34に沿って側部パネル33に対して折り曲がる。また、この際、第2側部パネル33bに形成された第2凹凸部80Bの第1凸部82が、第1側部パネル33aに形成された第1凹凸部80Aの第1凹部81内に収容される。これにより、キャビティ側型60に装着された紙容器20が得られる。
次いで、紙容器20の表面に成形フィルム40を積層する。この際、まず、図8に示すように、成形フィルム40を構成するフィルム40aが、紙容器20の上方に配置される。次に、フィルム40aが、コア側型62(図9参照)によって加熱される。そして、フィルム40aがコア側型62によって十分に加熱された後、吸引孔61から空気が吸引される。これにより、図9に示すように、フィルム40aが、紙容器20に吸い付けられる。また、この際、コア側型62が、フィルム40aを紙容器20に押しつける。これにより、フィルム40aが、紙容器20に密着する。
その後、フィルム40aは、コア側型62設けられた切断機構63によって所望の形状に切断される。これにより、図9に示すように、紙容器20に積層された成形フィルム40が得られる。このようにして、紙製容器10が得られる。
次に、蓋材付き紙製容器1の製造方法について説明する。
まず、紙製容器10を作製することと並行して、蓋材50を準備する。この際、所定の積層体をドライラミネート法等によって作製する。その後、当該積層体を刃物等により所定の形状に打ち抜くことにより、蓋材50を作製する。
次に、紙製容器10に内容物を充填し、蓋材50によって紙製容器10を密閉する。この際、まず、紙製容器10に内容物(図示せず)を充填する。次に、成形フィルム40のうちフランジ片25に対応する位置に、蓋材50を載置する。
次いで、図示しないシール熱板等によって、蓋材50を成形フィルム40にシールする。この際、例えば窒素ガス等により、紙製容器10内の空気を置換してもよい。
このようにして、紙製容器10と、紙製容器10を密閉する蓋材50とを備える、蓋材付き紙製容器1が得られる。
以上のように本実施の形態によれば、第1側部23a(一の側部23)の側縁23cに、第1凹部71が形成されており、第1側部23aに隣り合う第2側部23b(他の側部23)の側縁23cに、第1凹部71内に収容される第1凸部72が形成されている。また、第1凹部71が、第1側部23aの側縁23cの全域にわたって形成されており、第1凸部72が、第2側部23bの側縁23cの全域にわたって形成されている。これにより、紙製容器10に対して力Fが加えられることによって側部23が変形しようとした場合に、第1凹部71と第1凸部72とが互いに干渉する。このため、側部23の変形を抑制できる。とりわけ、第1凹部71および第1凸部72が、それぞれ側部23の側縁23cの全域にわたって形成されているため、側部23の変形を効果的に抑制できる。この結果、紙製容器10の強度を向上できる。
また、第1凹部71内に第1凸部72が収容されることにより、側縁23c同士の間に形成され得る隙間の形状を複雑にできる。これにより、紙製容器10の搬送時等に、周囲の構造物等が外方から成形フィルム40に接触することを抑制できる。このため、第1凸部72によって、成形フィルム40を保護できる。
また、本実施の形態によれば、側面視において、第1凸部72の輪郭の少なくとも一部が、円弧形状をもっている。これにより、第1凸部72を第1凹部71内に収容する際に、第2側部23bに形成された第1凸部72が、第1側部23aに干渉することを抑制でき、第1凸部72を第1凹部71に収容させやすくできる。
変形例
次に、図10乃至図17により、本実施の形態による紙製容器10およびブランク材30の変形例について説明する。図10乃至図17において、図1乃至図9に示す実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
(第1変形例)
上述した実施の形態において、側面視または平面視において、第1凹部71、81および第1凸部72、82の輪郭の少なくとも一部が、それぞれ円弧形状をもつ例について説明したが、これに限られない。例えば、図10または図11に示すように、第1凹部71、81の輪郭が、側面視または平面視において、それぞれ直線形状をもっていてもよく、第1凸部72、82の輪郭が、側面視または平面視において、それぞれ直線形状をもっていてもよい。この場合、図10または図11に示すように、第1凹部71、81および第1凸部72、82が、側面視または平面視において、それぞれ三角形状をもっていてもよい。
本変形例においても、紙製容器10に対して力Fが加えられることによって側部23が変形しようとした場合に、側部23の変形を抑制できる。このため、紙製容器10の強度を向上できる。
(第2変形例)
上述した実施の形態において、第1凹凸部70A、80Aが、第1凹部71、81を含み、第2凹凸部70B、80Bが、第1凸部72、82を含む例について説明した。この場合、図12または図13に示すように、第1凹凸部70A、80Aが、第2凸部720、820を含み、第2凹凸部70B、80Bが、第2凹部710、810を含んでいてもよい。そして、第2凸部720、820が、第2凹部710、810内に収容されるように構成されていてもよい。
図12または図13に示す例においては、第1凹凸部70A、80Aの第2凸部720、820の形状は、第1凹部71、81の形状と点対称な形状である。また、第2凹凸部70B、80Bの第2凹部710、810の形状は、第1凸部72、82の形状と点対称な形状である。しかしながら、これに限られず、第2凸部720、820の形状は、第1凹部71、81の形状と点対称な形状でなくてもよく、第2凹部710、810の形状は、第1凸部72、82の形状と点対称な形状でなくてもよい。
本変形例では、第1凹凸部70A、80Aが、第2凸部720、820を含み、第2凹凸部70B、80Bが、第2凹部710、810を含んでいる。これにより、側部23が変形してしまうことをより効果的に抑制できる。また、第1凹凸部70A、80Aが、第2凸部720、820を含み、第2凹凸部70B、80Bが、第2凹部710、810を含んでいることにより、側縁23c同士の間に形成され得る隙間の形状を更に複雑にできる。これにより、紙製容器10の搬送時等に、周囲の構造物等が外方から成形フィルム40に接触することを更に抑制できる。このため、第1凸部72によって、成形フィルム40を効果的に保護できる。
(第3変形例)
図14に示す例においては、紙容器20の底部21は、平面視略八角形状をもっている。この場合、紙容器20は8つの側部23を有している。具体的には、紙容器20は、第1側部23aと第2側部23bとの間に位置する第3側部23dを更に有しており、側部23は、全体として逆八角錐台形状に形成されている。
また、紙容器20は8つのフランジ片25を有している。具体的には、紙容器20は、第1フランジ片25aと第2フランジ片25bとの間に位置する第3フランジ片25cを更に有している。この場合においても、フランジ片25は、全体として環状に形成されている。
本変形例では、第1凹凸部70Aは第1側部23aおよび第2側部23bに形成されており、第2凹凸部70Bは第3側部23dに形成されている。この場合、第1凹凸部70Aは、第1側部23aの両側縁23cおよび第2側部23bの両側縁23cに形成されており、第1側部23aおよび第2側部23bには、それぞれ第1凹凸部70Aが2つずつ形成されている。また、第1凹凸部70Aは、第1側部23aの側縁23cの全域および第2側部23bの側縁23cの全域にわたって形成されている。
第2凹凸部70Bは、第3側部23dの両側縁23cに形成されており、第3側部23dには、それぞれ2つの第2凹凸部70Bが形成されている。また、第2凹凸部70Bは、第3側部23dの側縁23cの全域にわたって形成されている。
また、本変形例では、図15に示すように、ブランク材30は、側部パネル33およびフランジ片パネル35を8つずつ備えている。具体的には、ブランク材30は、第1側部パネル33aと第2側部パネル33bとの間に位置する第3側部パネル33dを更に有している。また、ブランク材30は、第1フランジ片パネル35aと第2フランジ片パネル35bとの間に位置する第3フランジ片パネル35cを更に有している。
本変形例では、第1凹凸部80Aは第1側部パネル33aおよび第2側部パネル33bに形成されており、第2凹凸部80Bは第3側部パネル33dに形成されている。この場合、第1凹凸部80Aは、第1側部パネル33aの両側縁33cおよび第2側部パネル33bの両側縁33cに形成されており、第1側部パネル33aおよび第2側部パネル33bには、それぞれ第1凹凸部80Aが2つずつ形成されている。また、第1凹凸部80Aは、第1側部パネル33aの側縁33cの全域および第2側部パネル33bの側縁33cの全域にわたって形成されている。
第2凹凸部80Bは、第3側部パネル33dの両側縁33cに形成されており、第3側部パネル33dには、それぞれ2つの第2凹凸部80Bが形成されている。また、第2凹凸部80Bは、第3側部パネル33dの側縁33cの全域にわたって形成されている。
本変形例においても、紙製容器10に対して力Fが加えられることによって側部23が変形しようとした場合に、側部23の変形を抑制できる。このため、紙製容器10の強度を向上できる。
なお、図16に示すように、例えば、第1凹凸部70Aが第3側部23dに形成され、第2凹凸部70Bが第1側部23aおよび第2側部23bに形成されていてもよい。この場合、図17に示すように、例えば、第1凹凸部80Aが第3側部パネル33dに形成され、第2凹凸部80Bが第1側部パネル33aおよび第2側部パネル33bに形成されていてもよい。
次に、上記実施の形態における具体的実施例について述べる。
(実施例1)
まず、紙容器20の成形性評価を行った。この際、まず、図5に示すブランク材30を作製した。この場合、ブランク材30の材料として、坪量が350g/mであるコート紙を準備した。そして、コート紙を所定の形状に打ち抜き、ブランク材30を作製した。
次に、得られたブランク材30をキャビティ側型60に装着して組み立てることにより、紙容器20を作製した。
(強度測定試験)
次に、強度測定試験を行った。この際、まず、成形フィルム40として、以下の層構成を有するフィルム(厚み120μm)を準備した。
PE(40μm)/アイオノマー(40μm)/PE(40μm)
次に、紙容器20の表面にフィルムを積層することにより、紙製容器10を作製した。
次いで、紙製容器10の強度を測定した。この際、図18に示すように、成形フィルム40を下にした状態で、フランジ片25が動かないように紙製容器10を固定治具91で固定した。次に、直径10mmの円柱形状を有する加圧治具92によって、紙製容器10の底部21のうち、第1側部23aと第2側部23bとの境界近傍を加圧した。このとき、第1側部23aおよび第2側部23bの少なくとも一方が潰れるまで底部21を加圧治具92によって加圧した。また、この際、加圧速度は50mm/minとした。そして、加圧治具92が紙製容器10に加えた最大荷重を測定した。
(実施例2)
図11に示すブランク材30を作製したこと、以外は実施例1と同様にして、強度測定試験を行った。
(実施例3)
図15に示すブランク材30を作製したこと、以外は実施例1と同様にして、強度測定試験を行った。
(実施例4)
図17に示すブランク材30を作製したこと、以外は実施例1と同様にして、強度測定試験を行った。
(比較例1)
図19に示すように、第1凹凸部80Aおよび第2凹凸部80Bが、それぞれ形成されていない側部パネル33(第1側部パネル33a、第2側部パネル33b)を備えるブランク材30Aを作製したこと、以外は実施例1と同様にして、強度測定試験を行った。
(比較例2)
図20に示すように、第1凹凸部80Aおよび第2凹凸部80Bが、それぞれ形成されていない側部パネル33(第1側部パネル33a、第2側部パネル33b、第3側部パネル33d)を備えるブランク材30Bを作製したこと、以外は実施例1と同様にして、強度測定試験を行った。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0007360632000001
この結果、表1に示すように、比較例1による紙製容器では、第1側部23aおよび第2側部23bの少なくとも一方が潰れるまでに加えられた最大荷重が、21.8Nであった。また、比較例2による紙製容器では、第1側部23aおよび第2側部23bの少なくとも一方が潰れるまでに加えられた最大荷重が、23.0Nであった。
これに対して、実施例1乃至実施例10による紙製容器10では、第1側部23aおよび第2側部23bの少なくとも一方が潰れるまでに加えられた最大荷重が、33.1N以上であった。このため、本実施の形態による紙製容器10では、強度を向上できることがわかった。
本開示は上記実施の形態および各変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態および各変形例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。実施の形態および各変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
1 蓋材付き紙製容器
10 紙製容器
20 紙容器
21 底部
22 第1折れ線
23 側部
23a 第1側部
23b 第2側部
23c 側縁
23d 第3側部
24 第2折れ線
25 フランジ片
30 ブランク材
31 底部パネル
32 第1折れ線
33 側部パネル
33a 第1側部パネル
33b 第2側部パネル
33c 側縁
33d 第3側部パネル
34 第2折れ線
35 フランジ片パネル
40 成形フィルム
50 蓋材
70A 第1凹凸部
70B 第2凹凸部
71 第1凹部
72 第1凸部
710 第2凹部
720 第2凸部
80A 第1凹凸部
80B 第2凹凸部
81 第1凹部
82 第1凸部
810 第2凹部
820 第2凸部

Claims (10)

  1. ブランク材であって、
    底部パネルと、
    前記底部パネルに第1折れ線を介して連結された複数の側部パネルと、
    各々の側部パネルにそれぞれ第2折れ線を介して連結された複数のフランジ片パネルとを備え、
    前記側部パネル同士の間に隙間が形成されており、
    一の側部パネルの側縁に、第1凹部が形成されており、
    前記一の側部パネルに前記隙間を介して対向する他の側部パネルの側縁に、前記第1凹部内に収容される第1凸部が形成されており、
    前記第1凹部は、前記一の前記側部パネルの前記側縁の全域にわたって形成されており、
    前記第1凸部は、前記他の前記側部パネルの前記側縁の全域にわたって形成されており、
    前記ブランク材を組み立てたときに、前記他の前記側部パネルにおいて、前記第1凸部は、他の部分に対して折り曲げられる、ブランク材。
  2. 底部パネルと、
    前記底部パネルに第1折れ線を介して連結された複数の側部パネルと、
    各々の側部パネルにそれぞれ第2折れ線を介して連結された複数のフランジ片パネルとを備え、
    前記側部パネル同士の間に隙間が形成されており、
    一の側部パネルの側縁に、第1凹部を含む第1凹凸部が形成されており、
    前記一の側部パネルに前記隙間を介して対向する他の側部パネルの側縁に、前記第1凹部内に収容される第1凸部を含む第2凹凸部が形成されており、
    前記第1凹凸部は、第2凸部を含み、
    前記第2凹凸部は、前記第2凸部が収容される第2凹部を含み、
    前記第1凹凸部は、前記一の前記側部パネルの前記側縁の全域にわたって形成されており、
    前記第2凹凸部は、前記他の前記側部パネルの前記側縁の全域にわたって形成されている、ブランク材。
  3. 平面視において、前記第1凸部の輪郭の少なくとも一部は、円弧形状をもつ、請求項1または2に記載のブランク材。
  4. 平面視において、前記第1凸部の輪郭の少なくとも一部は、直線形状をもつ、請求項1または2に記載のブランク材。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の前記ブランク材を組み立てることにより作製された紙容器と、
    前記紙容器の表面に積層された成形フィルムとを備える、紙製容器。
  6. 底部と、前記底部に第1折れ線を介して連結された複数の側部と、各々の側部にそれぞれ第2折れ線を介して連結された複数のフランジ片とを有する紙容器と、
    前記紙容器の表面に積層された成形フィルムとを備え、
    前記側部同士は、互いに連続することなく隣り合っており、
    一の側部の側縁に、第1凹部が形成されており、
    前記一の側部に隣り合う他の側部の側縁に、前記第1凹部内に収容される第1凸部が形成されており、
    前記第1凹部は、前記一の前記側部の前記側縁の全域にわたって形成されており、
    前記第1凸部は、前記他の前記側部の前記側縁の全域にわたって形成されており、
    前記他の前記側部において、前記第1凸部は、他の部分に対して折り曲げられている、紙製容器。
  7. 底部と、前記底部に第1折れ線を介して連結された複数の側部と、各々の側部にそれぞれ第2折れ線を介して連結された複数のフランジ片とを有する紙容器と、
    前記紙容器の表面に積層された成形フィルムとを備え、
    前記側部同士は、互いに連続することなく隣り合っており、
    一の側部の側縁に、第1凹部を含む第1凹凸部が形成されており、
    前記一の側部に隣り合う他の側部の側縁に、前記第1凹部内に収容される第1凸部を含む第2凹凸部が形成されており、
    前記第1凹凸部は、第2凸部を含み、
    前記第2凹凸部は、前記第2凸部が収容される第2凹部を含み、
    前記第1凹凸部は、前記一の前記側部の前記側縁の全域にわたって形成されており、
    前記第2凹凸部は、前記他の前記側部の前記側縁の全域にわたって形成されている、紙製容器。
  8. 側面視において、前記第1凸部の輪郭の少なくとも一部は、円弧形状をもつ、請求項6または7に記載の紙製容器。
  9. 側面視において、前記第1凸部の輪郭の少なくとも一部は、直線形状をもつ、請求項6または7に記載の紙製容器。
  10. 請求項5乃至9のいずれか一項に記載の前記紙製容器と、
    前記紙製容器を密封する蓋材とを備える、蓋材付き紙製容器。
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