JP2022182115A - 紙製容器、蓋材付き紙製容器およびブランク材 - Google Patents

紙製容器、蓋材付き紙製容器およびブランク材 Download PDF

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Abstract

【課題】リサイクル性を向上させることが可能な、紙製容器、蓋材付き紙製容器およびブランク材を提供する。【解決手段】紙製容器10は、底部21と、底部21に第1折れ線22を介して連結された複数の側部23と、各々の側部23にそれぞれ第2折れ線24を介して連結された複数のフランジ片25とを有する紙容器20と、紙容器20の表面に積層された成形フィルム40とを備えている。側部23同士は、互いに連続することなく隣り合っている。紙容器20の表面の少なくとも一部に、抗ヒートシール層AHが設けられている。【選択図】図2

Description

本開示は、紙製容器、蓋材付き紙製容器およびブランク材に関する。
従来より、持ち帰り用の飲食物(いわゆる、テイクアウト商品)や、宅配される飲食物を収容する容器が知られている。
近年、海洋汚染の問題や環境負荷の低減を目的として、このような容器に使用する樹脂量の低減が求められており、樹脂量を削減したり、容器に使用する材質を変更したりすることが進められている。このような容器としては、紙容器と、上記紙容器の内壁に積層された成形フィルムとを備える紙製容器が知られている(例えば、特許文献1)。このような紙製容器では、食品が充填された後、蓋材によって、紙製容器が覆われるようになっている。
特表2013-545675号公報
ところで、このような紙製容器では、環境負荷の低減を目的として、紙製容器に使用された紙のリサイクルが推進されている。しかしながら、このような紙製容器では、紙容器と紙容器上に積層された成形フィルムとの間の接着強度を部分的に変化させることや、成形フィルムを紙容器の一部分のみに接着することが困難な場合がある。この場合、紙容器から成形フィルムを剥離しにくくなってしまう可能性がある。このため、使用後に消費者が、紙容器から成形フィルムを簡単に剥離することができ、紙を容易にリサイクルできる容器が求められている。
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、リサイクル性を向上させることが可能な、紙製容器、蓋材付き紙製容器およびブランク材を提供することを目的とする。
一実施の形態による紙製容器は、底部と、前記底部に第1折れ線を介して連結された複数の側部と、各々の側部にそれぞれ第2折れ線を介して連結された複数のフランジ片とを有する紙容器と、前記紙容器の表面に積層された成形フィルムとを備え、前記側部同士は、互いに連続することなく隣り合っており、前記紙容器の前記表面の少なくとも一部に、抗ヒートシール層が設けられている、紙製容器である。
一実施の形態による紙製容器において、前記抗ヒートシール層が設けられた領域において、前記紙容器と前記成形フィルムとの間の接着強度は、0.05N/15mm以上0.4N/15mm以下であり、前記抗ヒートシール層が設けられていない領域において、前記紙容器と前記成形フィルムとの間の接着強度は、0.4N/15mmよりも大きくてもよい。
一実施の形態による紙製容器において、前記抗ヒートシール層は、前記底部上および前記側部上に設けられており、前記側部上に設けられた前記抗ヒートシール層の単位面積当たりの重量は、前記底部上に設けられた前記抗ヒートシール層の単位面積当たりの重量よりも小さくなっていてもよい。
一実施の形態による蓋材付き紙製容器は、本開示による前記紙製容器と、前記紙製容器を密封する蓋材とを備える、蓋材付き紙製容器である。
一実施の形態によるブランク材は、底部パネルと、前記底部パネルに第1折れ線を介して連結された複数の側部パネルと、各々の側部パネルにそれぞれ第2折れ線を介して連結された複数のフランジ片パネルとを備え、前記側部パネル同士の間に隙間が形成されており、表面の少なくとも一部に、抗ヒートシール層が設けられている、ブランク材である。
一実施の形態によるブランク材において、前記抗ヒートシール層は、前記底部パネル上および前記側部パネル上に設けられており、前記側部パネル上に設けられた前記抗ヒートシール層の単位面積当たりの重量は、前記底部パネル上に設けられた前記抗ヒートシール層の単位面積当たりの重量よりも小さくなっていてもよい。
本開示によれば、紙製容器および蓋材付き紙製容器のリサイクル性を向上できる。
図1は、本実施の形態による蓋材付き紙製容器を示す垂直断面図である。 図2は、本実施の形態による紙製容器を示す斜視図である。 図3は、本実施の形態による紙製容器を示す平面図である。 図4は、本実施の形態による紙製容器を作製するためのブランク材を示す展開図である。 図5は、本実施の形態による紙製容器の製造方法を示す断面図である。 図6は、本実施の形態による紙製容器の製造方法を示す断面図である。 図7は、本実施の形態による紙製容器の製造方法を示す断面図である。 図8は、本実施の形態の第1変形例による紙製容器を示す斜視図である。 図9は、本実施の形態の第1変形例による紙製容器を作製するためのブランク材を示す展開図である。 図10は、本実施の形態の第2変形例によるブランク材を示す斜視図である。 図11は、本実施の形態の第2変形例によるブランク材の他の例を示す展開図である。
以下、図面を参照して本実施の形態について説明する。図1乃至図7は本実施の形態を示す図である。以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。なお、本明細書中、「上」および「下」とは、それぞれ紙製容器を正立させた状態(図1)における上方および下方のことをいう。なお、本明細書中、「表面」とは、内容物と向かい合う側の面、または紙製容器を正立させた際に上方を向く面のことをいう。
蓋材付き紙製容器
図1に示すように、本実施の形態による蓋材付き紙製容器1は、紙製容器10と、紙製容器10を密封する蓋材50とを備えている。ここでは、まず、紙製容器10について説明する。
紙製容器
図1乃至図3に示すように、紙製容器10は、紙容器20と、紙容器20の表面に積層された成形フィルム40とを備えている。このうち紙容器20は、後述するブランク材30を組み立てることにより作製されるものである。
(紙容器)
紙容器20は、底部21と、底部21に第1折れ線22を介して連結された複数の側部23と、各々の側部23にそれぞれ第2折れ線24を介して連結された複数のフランジ片25とを有している。
このうち底部21は、平面視略矩形状をもっている。なお、底部21が、平面視において八角形状等の多角形状をもっていてもよい。
底部21と側部23とを連結する第1折れ線22は、ミシン目状に形成されていてもよく、ハーフカット線であってもよい。これにより、側部23を底部21に対して折り曲げやすくすることができる。なお、第1折れ線22がミシン目状に形成されている場合、後述するキャビティ側型60の吸引孔61から空気を吸引することにより、第1折れ線22近傍において、成形フィルム40が紙容器20に押しつけられる。これにより、成形フィルム40と紙容器20との密着性を向上できる。
各々の側部23は、それぞれ底部21から上方に延びている。図示された例においては、紙容器20は4つの側部23を有しており、側部23は、全体として逆四角錐台形状に形成されている。しかしながら、これに限られるものではなく、側部23が、全体として逆八角錐台形状等の多角錐台形状に形成されていてもよい。
複数の側部23同士は、互いに連続することなく隣り合っている。すなわち、各側部23同士が重なり合うことなく、互いに隣り合っている。これにより、紙容器20の全周にわたって、側部23と成形フィルム40との密着性を向上できるようになっている。また、各側部23同士が重なり合うことなく、互いに隣り合っていることにより、紙容器20に成形フィルム40を接着する際に、成形フィルム40にピンホール等が生じることを抑制できるようになっている。なお、各側部23間には、空気が通過するための微少な隙間が形成されており、後述するキャビティ側型60の吸引孔61から空気を吸引することにより、成形フィルム40が紙容器20に押しつけられるように構成されている。
側部23とフランジ片25とを連結する第2折れ線24は、第1折れ線22と同様に、ミシン目状に形成されていてもよく、ハーフカット線であってもよい。これにより、フランジ片25を側部23に対して折り曲げやすくすることができる。なお、第2折れ線24がミシン目状に形成されている場合、後述するキャビティ側型60の吸引孔61から空気を吸引することにより、第2折れ線24近傍において、成形フィルム40が紙容器20に押しつけられる。これにより、成形フィルム40と紙容器20との密着性を向上できる。
各々のフランジ片25は、それぞれ側部23の上端から側方に向けて水平に突出している。図示された例においては、紙容器20は4つのフランジ片25を有しており、フランジ片25は、全体として環状に形成されている。
複数のフランジ片25同士は、互いに連続することなく隣接している。すなわち、各フランジ片25同士が重なり合うことなく、互いに隣接している。これにより、紙容器20の全周にわたって、フランジ片25と成形フィルム40との密着性を向上できるようになっている。また、各フランジ片25同士が重なり合うことなく、互いに隣接していることにより、紙容器20に成形フィルム40を接着する際に、成形フィルム40にピンホール等が生じることを抑制できるようになっている。さらに、各フランジ片25同士が重なり合うことなく、互いに隣接していることにより、紙製容器10の成形フィルム40のうち、フランジ片25に対応する領域に蓋材50をシールする際に、成形フィルム40と蓋材50との密着性を向上できるようになっている。これにより、蓋材50のシール不良が発生することを抑制できるようになっている。なお、本明細書中「隣接」とは、互いに隣り合う部材(例えば、フランジ片25)同士が全体にわたり隙間なく接触している場合の他、以下の(1)または(2)に該当する場合も含む。
(1)一の部材の一部のみが他の部材に対して接触した状態で、一の部材と他の部材とが互いに隣り合っていること。
(2)一の部材と他の部材とが互いに接触していない状態で、一の部材と他の部材とが互いに隣り合っている場合に、一の部材と他の部材との間の隙間の少なくとも一部が、一の部材および他の部材に対して成形フィルム40を接着する際に、成形フィルム40(後述するフィルム40a)が入り込むことができない程度の隙間であること。
ここで、紙容器20の表面(後述するブランク材30の表面)のうち、フランジ片25(フランジ片パネル35)以外の部分の表面の少なくとも一部に、抗ヒートシール層AHが設けられている。これにより、紙容器20と成形フィルム40との間の接着強度を容易に調整できるようになっている。このため、所望の接着強度を容易に得ることができるようになっている。本実施の形態では、抗ヒートシール層AHは、底部21および側部23(後述する底部パネル31および側部パネル33)の表面の全域に設けられている。この抗ヒートシール層AHは、底部21および側部23(後述する底部パネル31および側部パネル33)上に抗ヒートシール剤を塗布することにより形成されたものである。抗ヒートシール剤は、アクリレート系樹脂を原料に用いたインキ、シリコーンやフッ素を含むインキ、またはワックス、ニスであってもよい。また、抗ヒートシール剤は、グラビア印刷法、フレキソ印刷法またはオフセット印刷法等により、底部21および側部23(後述する底部パネル31および側部パネル33)上に塗布されてもよい。なお、図2等において、抗ヒートシール層AHが設けられた領域を網掛けで示している。
また、側部23(後述する側部パネル33)上に設けられた抗ヒートシール層AHの単位面積当たりの重量は、底部21(後述する底部パネル31)上に設けられた抗ヒートシール層AHの単位面積当たりの重量よりも小さくなっていてもよい。すなわち、側部23(後述する側部パネル33)上への抗ヒートシール剤の塗布量が、底部21(後述する底部パネル31)上への抗ヒートシール剤の塗布量よりも少なくなっていてもよい。この場合、紙製容器10において、紙容器20と成形フィルム40との間の接着強度を容易に調整できる。このため、所望の接着強度を容易に得ることができる。
ここで、蓋材50の開封性を向上させるためには、フランジ片25と成形フィルム40との間の接着強度を大きくすることが好ましい。一方、紙容器20のリサイクル性を向上させるためには、側部23と成形フィルム40との間の接着強度、および底部21と成形フィルム40との間の接着強度を小さくすることが好ましい。しかしながら、側部23と成形フィルム40との間の接着強度、および底部21と成形フィルム40との間の接着強度を小さくし過ぎた場合、紙製容器10から蓋材50を取り外す際に、成形フィルム40が紙容器20の底部21または側部23から意図せず剥離してしまう可能性がある。とりわけ、側部23と成形フィルム40との間の接着強度を小さくし過ぎた場合、紙製容器10から蓋材50を取り外す際に、成形フィルム40のうち、側部23に接着している部分をきっかけとして、成形フィルム40が紙容器20から剥離しやすくなる。このため、蓋材50の開封性を向上させつつ、紙容器20のリサイクル性を向上させるためには、フランジ片25と成形フィルム40との間の接着強度を、側部23と成形フィルム40との間の接着強度よりも大きくし、かつ、側部23と成形フィルム40との間の接着強度が所定の接着強度を有するように、側部23と成形フィルム40との間の接着強度を、底部21と成形フィルム40との間の接着強度よりも大きくすることが好ましい。
本実施の形態では、フランジ片25(フランジ片パネル35)上には、抗ヒートシール剤が塗布されていない。また、側部23上への抗ヒートシール剤の塗布量が、底部21上への抗ヒートシール剤の塗布量よりも少なくなっている。このため、フランジ片25と成形フィルム40との間の接着強度を、側部23と成形フィルム40との間の接着強度よりも大きくすることができ、側部23と成形フィルム40との間の接着強度を、底部21と成形フィルム40との間の接着強度よりも大きくすることができる。これにより、紙製容器10から蓋材50を取り外す際に、成形フィルム40が紙容器20のフランジ片25、側部23および底部21から剥離してしまうことを抑制できる。また、紙容器20をリサイクルする際に、紙容器20と成形フィルム40とを容易に分離できる。このため、蓋材50の開封性が低下することを抑制できるとともに、紙容器20をリサイクルする際に、紙容器20と成形フィルム40とを容易に分離できる。
抗ヒートシール層AHの単位面積当たりの重量(すなわち、底部21および側部23(後述する底部パネル31および側部パネル33)上に塗布された抗ヒートシール剤の塗布量)は、0.1g/m以上10.0g/m以下であってもよい。底部21および側部23(後述する底部パネル31および側部パネル33)上に塗布された抗ヒートシール剤の塗布量が0.1g/m以上であることにより、底部21および側部23と成形フィルム40との間の接着強度を所望の強度まで容易に小さくすることができる。このため、紙容器20をリサイクルする際に、紙容器20と成形フィルム40とを容易に分離できる。また、底部21および側部23(後述する底部パネル31および側部パネル33)上に塗布された抗ヒートシール剤の塗布量が10.0g/m以下であることにより、抗ヒートシール剤の乾燥不足や硬化不足に起因する品質の低下を抑制できる。ここで、側部23と成形フィルム40との間の接着強度、および底部21と成形フィルム40との間の接着強度を小さくし過ぎた場合、上述したように、紙製容器10から蓋材50を取り外す際に、成形フィルム40が紙容器20の底部21または側部23から意図せず剥離してしまう可能性がある。これに対して、底部21および側部23と成形フィルム40との間の接着強度が小さくなり過ぎることを抑制できるため、蓋材50の開封性が低下することを抑制できる。
次に、紙容器20と、成形フィルム40との間の接着強度について説明する。
抗ヒートシール層AHが設けられた領域において、紙容器20と成形フィルム40との間の接着強度は、0.05N/15mm以上0.4N/15mm以下であってもよい。すなわち、底部21と成形フィルム40との間の接着強度、および側部23と成形フィルム40との間の接着強度は、それぞれ0.05N/15mm以上0.4N/15mm以下であってもよい。これらの接着強度が0.05N/15mm以上であることにより、成形フィルム40が紙容器20から意図せず剥離してしまうことを抑制できる。とりわけ、蓋材付き紙製容器1の紙製容器10から蓋材50を取り外す際に、成形フィルム40が紙容器20の底部21または側部23から意図せず剥離してしまうことを抑制できる。また、これらの接着強度が0.4N/15mm以下であることにより、紙容器20をリサイクルする際に、紙容器20と成形フィルム40とを容易に分離できる。なお、上述したように、底部21と成形フィルム40との間の接着強度と、側部23と成形フィルム40との間の接着強度とが互いに異なっていてもよい。例えば、側部23と成形フィルム40との間の接着強度が、底部21と成形フィルム40との間の接着強度よりも大きくなっていてもよい。また、接着強度は、JIS Z 0238:1998に準拠して、15mm巾の短冊状にカットしたサンプルについて、引張試験機(例えば、株式会社オリエンテック社製、テンシロン万能材料試験機:RTC1310A)を用いて、剥離速度50mm/minで、90°剥離試験を行うことにより測定できる。
また、抗ヒートシール層AHが設けられていない領域において、紙容器20と成形フィルム40との間の接着強度は、0.4N/15mmよりも大きくてもよい。すなわち、フランジ片25と成形フィルム40との間の接着強度は、0.4N/15mmよりも大きくてもよい。これにより、紙製容器10から蓋材50を取り外す際に、成形フィルム40がフランジ片25から剥離してしまうことを抑制できる。このため、蓋材50の開封性が低下することを抑制できる。
また、フランジ片25と成形フィルム40との間の接着強度は、5.0N/15mm以下であってもよい。これにより、紙容器20をリサイクルする際に、紙容器20から成形フィルム40を剥離することが困難になってしまうことを抑制できる。なお、この場合、紙容器20をリサイクルする際に、成形フィルム40が剥離された紙容器20に紙剥け(紙容器の一部が剥がれること)が生じていてもよい。
(ブランク材)
次に、紙容器20を作製するためのブランク材30について説明する。図4に示すように、ブランク材30は、底部パネル31と、底部パネル31に第1折れ線32を介して連結された複数の側部パネル33と、各々の側部パネル33にそれぞれ第2折れ線34を介して連結された複数のフランジ片パネル35とを備えている。図示された例においては、ブランク材30は、側部パネル33およびフランジ片パネル35を4つずつ備えている。ブランク材30の底部パネル31、第1折れ線32、側部パネル33、第2折れ線34およびフランジ片パネル35は、それぞれ紙容器20の底部21、第1折れ線22、側部23、第2折れ線24およびフランジ片25に対応するものである。
ブランク材30の底部パネル31、側部パネル33およびフランジ片パネル35は、一体に形成されている。このようなブランク材30は、ブランク材30を構成する紙材料に対して打ち抜き加工等を施すことによって作製することができる。
また、側部パネル33同士の間に隙間36が形成されている。この場合、各々の側部パネル33は、それぞれ台形状に形成されている。また、各々の側部パネル33は、それぞれ底部パネル31から延びる一対の側縁33aを有している。そして、側部パネル33の側縁33a同士の間に隙間36が形成されている。これにより、上述した紙製容器10において、各側部23同士が重なり合うことはなく、互いに隣り合うようになっている(図2および図3参照)。図示された例においては、各々の側部パネル33において、一対の側縁33aは、それぞれ、第1折れ線32側から第2折れ線34側に向かうにつれて、互いに離間する方向に延びている。
このようなブランク材30を構成する紙材料としては、例えば、坪量150g/m以上600g/m以下程度の各種の板紙、コート紙、カード紙、アイボリー紙、ミルクカートン原紙、カップ原紙、コートボール等の加工紙等を使用することができる。
(成形フィルム)
次に、図1乃至図3により、成形フィルム40について説明する。この成形フィルム40は、紙容器20を保護する役割を果たす。また、成形フィルム40は、容器形状をもっており、紙容器20の表面の全面を覆っている。これにより、紙製容器10に充填された内容物が、紙製容器10から漏れ出すことを抑制している。成形フィルム40は、例えばヒートシール(熱溶着)により、紙容器20に接着されている。
このような成形フィルム40としては、耐水性、密封性、そして熱融着性を有する熱可塑性樹脂からなるフィルムであればよい。成形フィルム40としては、例えば、各種のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ-ト(PET)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン-アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカーボネート、ポリブテン、ポリビニルアルコ-ル、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、その他の各種の熱可塑性樹脂のフィルムを単独ないしラミネートして使用することができる。特に、紙製容器10に対してガスバリア性を付与したい場合には、例えば、中間層にエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)などのガスバリア性材料を積層した積層体、具体的には、PE/EVOH/PE、PP/EVOH/PE、A(アモルファス)・PET/EVOH/PEなどの層構成の積層体を用いることができる。
成形フィルム40は、例えば以下の層構成の積層体から作製されてもよい。
(外側)ポリエチレン(40μm)/アイオノマー(40μm)/ポリエチレン(40μm)(内側)
(外側)ポリプロピレン(30μm)/接着層(10μm)/アイオノマー(40μm)/接着層(10μm)/ポリプロピレン(30μm)(内側)
(外側)ポリエチレン(20μm)/アイオノマー(30μm)/接着層(10μm)/エチレン-ビニルアルコール共重合体(10μm)/接着層(10μm)/アイオノマー(15μm)/エチレン・酢酸ビニル共重合体(20μm)(内側)
なお、上記各層は常法に従い、ドライラミネーション法、押出ラミネーション法、押出コーティング法その他のコーティング法によって形成される。
蓋材
次に、蓋材50について説明する。蓋材50は、紙製容器10の成形フィルム40のうち、フランジ片25に対応する領域に全周にわたってシールされている。
このような蓋材50は、例えば、PET/シーラント、延伸ナイロン(ONY)/シーラント、PET/延伸ナイロン(ONY)/シーラント、PET/PE/シーラント、Kコート延伸ナイロン(KONY)/PE/シーラント、などの層構成の積層体を用いることができる。また、蓋材50を構成する積層体は、例えば、中間層にエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)などのガスバリア性材料を積層した積層体であってもよい。蓋材50は、例えば、PET/PE/エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)/PE/シーラント、などの層構成の積層体を用いることができる。
蓋材50は、例えば以下の層構成の積層体から作製されてもよい。
(外側)透明蒸着層付きポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/ナイロンフィルム(15μm)/ポリエチレンフィルム(40μm)(内側)
なお、蓋材50を構成する積層体には、いわゆるイージーピール性を発現させることができる樹脂材料を用いることが好ましい。また、上記各層は常法に従い、ドライラミネーション法、押出ラミネーション法、押出コーティング法その他のコーティング法によって形成される。
このような構成からなる蓋材付き紙製容器1では、まず、紙製容器10内に内容物が充填される。次に、紙製容器10の成形フィルム40のうち、フランジ片25に対応する領域に蓋材50がシールされる。これにより、内容物が充填された蓋材付き紙製容器1が得られる。なお、蓋材付き紙製容器1は、チルド食品用や冷凍食品用の容器であってもよく、あるいは、テイクアウト用の容器として使用することができる。また、内容物としては、惣菜、精肉、乳製品等の食品であってもよい。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、紙製容器10の製造方法および蓋材付き紙製容器1の製造方法について、図5乃至図7を用いて説明する。
紙容器の製造方法
まず、ブランク材30を準備する。この際、まず、紙材料を準備し、この紙材料の所定の位置に、抗ヒートシール剤を塗布する。抗ヒートシール剤は、グラビア印刷法、フレキソ印刷法またはオフセット印刷法等により塗布してもよい。このようにして、紙材料の所定の位置に、抗ヒートシール層AHが設けられる。次に、紙材料をトムソン刃等により打ち抜くことによって、ブランク材30が得られる。
次に、図5に示すように、ブランク材30を、キャビティ側型60に装着する。このキャビティ側型60には、吸引孔61が形成されており、吸引孔61から空気を吸引することによって、ブランク材30がキャビティ側型60に装着される。この際、ブランク材30の側部パネル33が、第1折れ線32に沿って底部パネル31に対して折り曲がる。同様に、ブランク材30のフランジ片パネル35が、第2折れ線34に沿って側部パネル33に対して折り曲がる。これにより、キャビティ側型60に装着された紙容器20が得られる。
次いで、紙容器20の表面に成形フィルム40を積層する。この際、まず、図6に示すように、成形フィルム40を構成するフィルム40aが、紙容器20の上方に配置される。次に、フィルム40aが、コア側型62(図7参照)によって加熱される。そして、フィルム40aがコア側型62によって十分に加熱された後、吸引孔61から空気が吸引される。これにより、フィルム40aが、紙容器20に吸い付けられる。また、この際、コア側型62が、フィルム40aを紙容器20に押しつける。これにより、フィルム40aが、紙容器20に密着する。
その後、フィルム40aは、コア側型62設けられた切断機構63によって所望の形状に切断される。これにより、図7に示すように、紙容器20に積層された成形フィルム40が得られる。このようにして、紙製容器10が得られる。
また、紙製容器10を作製することと並行して、蓋材50を準備する。この際、所定の積層体をドライラミネート法等によって作製する。その後、当該積層体を刃物等により所定の形状に打ち抜くことにより、蓋材50を作製する。
次に、紙製容器10に内容物を充填し、蓋材50によって紙製容器10を密閉する。この際、まず、紙製容器10に内容物(図示せず)を充填する。次に、成形フィルム40のうちフランジ片25に対応する位置に、蓋材50を載置する。
次いで、図示しないシール熱板等によって、蓋材50を成形フィルム40にシールする。この際、例えば窒素ガス等により、紙製容器10内の空気を置換してもよい。
このようにして、紙製容器10と、紙製容器10を密閉する蓋材50とを備える、蓋材付き紙製容器1が得られる。
以上のように本実施の形態によれば、紙容器20の表面の少なくとも一部に、抗ヒートシール層AHが設けられている。これにより、紙容器20と成形フィルム40との間の接着強度を容易に調整できる。また、紙容器20と成形フィルム40との間の接着強度を部分的に変化させることや、成形フィルム40を紙容器20の一部分のみに接着させることもできる。さらに、紙容器20と成形フィルム40との間の接着強度を調整できるため、成形フィルム40に使用する樹脂に制約が生じることもない。このため、製造条件の自由度を向上できる。また、紙容器20と成形フィルム40との間の接着強度を容易に調整できるため、所望の接着強度を容易に得ることができる。
また、所望の接着強度を容易に得ることができるため、成形フィルム40が紙容器20から意図せず剥離してしまうことを抑制でき、蓋材付き紙製容器1の密閉性を向上できる。すなわち、成形フィルム40が紙容器20から意図せず剥離してしまった場合、紙容器20が容器としての形状を保持できなくなる可能性があり、紙容器20が座屈してしまう場合がある。この場合、蓋材50および成形フィルム40に対して意図しない力が加えられ、蓋材50が紙製容器10から意図せず取り外されてしまう可能性がある。これに対して本実施の形態では、成形フィルム40が紙容器20から意図せず剥離してしまうことを抑制できるため、蓋材50が紙製容器10から意図せず取り外されてしまうことを抑制できる。これにより、蓋材付き紙製容器1の密閉性を向上できる。このため、蓋材付き紙製容器1のバリア性を高めることができ、内容物のロングライフ化を図ることができる。この結果、フードロスを低減できる。
さらに、本実施の形態によれば、側部23上に設けられた抗ヒートシール層AHの単位面積当たりの重量は、底部21上に設けられた抗ヒートシール層AHの単位面積当たりの重量よりも小さくなっている。また、フランジ片25(フランジ片パネル35)上には、抗ヒートシール剤が塗布されていない。このため、フランジ片25と成形フィルム40との間の接着強度を、側部23と成形フィルム40との間の接着強度よりも大きくすることができ、側部23と成形フィルム40との間の接着強度を、底部21と成形フィルム40との間の接着強度よりも大きくすることができる。これにより、紙製容器10から蓋材50を取り外す際に、成形フィルム40が紙容器20のフランジ片25、側部23および底部21から剥離してしまうことを抑制できる。また、紙容器20をリサイクルする際に、紙容器20と成形フィルム40とを容易に分離できる。このため、蓋材50の開封性が低下することを抑制できるとともに、紙容器20をリサイクルする際に、紙容器20と成形フィルム40とを容易に分離できる。
変形例
次に、図8乃至図11により、本実施の形態による紙製容器10およびブランク材30の変形例について説明する。図8乃至図11において、図1乃至図7に示す実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
(第1変形例)
上述した実施の形態において、底部21および側部23(底部パネル31および側部パネル33)の表面の全域に抗ヒートシール層AHが設けられている例について説明したが、これに限られない。例えば、図8に示すように、抗ヒートシール層AHが、底部21上のみに設けられていてもよい。この場合、図9に示すように、ブランク材30において、抗ヒートシール層AHが、底部パネル31上のみに設けられていてもよい。この場合においても、紙製容器10から蓋材50を取り外す際に、成形フィルム40が紙容器20から剥離してしまうことを抑制でき、紙容器20をリサイクルする際に、紙容器20と成形フィルム40とを容易に分離できる。このため、蓋材50の開封性が低下することを抑制できるとともに、紙容器20をリサイクルする際に、紙容器20と成形フィルム40とを容易に分離できる。
(第2変形例)
また、図10および図11に示すように、抗ヒートシール層AHは、ブランク材30の表面の全面に、所定のパターンで設けられていてもよい。例えば、図10に示すように、抗ヒートシール層AHは、水玉模様を呈するように、ブランク材30の表面に設けられていてもよい。また、図11に示すように、抗ヒートシール層AHは、ブランク材30の表面にストライプ状に設けられていてもよい。なお、抗ヒートシール層AHが構成するパターン形状は、特に限定されない。図示はしないが、抗ヒートシール層AHは、抗ヒートシール層AHが設けられていない領域が水玉模様を呈するように、ブランク材30の表面に設けられていてもよい。また、抗ヒートシール層AHは、市松模様等の他の模様を呈するように、ブランク材30の表面に設けられていてもよく、ブランク材30の表面に格子状に設けられていてもよい。また、この際、図示はしないが、ブランク材30から作製される紙容器20においても、抗ヒートシール層AHは、紙容器20の表面の全面に、所定のパターンで設けられる。なお、抗ヒートシール層AHは、所定のパターンでブランク材30の表面の一部分に設けられていてもよい。
(第3変形例)
また、図示はしないが、紙容器20の表面のうち、フランジ片25の表面の少なくとも一部に、抗ヒートシール層AHが設けられていてもよい。この場合、ブランク材30において、抗ヒートシール層AHが、フランジ片パネル35の表面の少なくとも一部に設けられていてもよい。この場合においても、紙製容器10から蓋材50を取り外す際に、成形フィルム40が紙容器20から剥離してしまうことを抑制でき、紙容器20をリサイクルする際に、紙容器20と成形フィルム40とを容易に分離できる。このため、蓋材50の開封性が低下することを抑制できるとともに、紙容器20をリサイクルする際に、紙容器20と成形フィルム40とを容易に分離できる。
次に、上記実施の形態における具体的実施例について述べる。
(実施例1)
まず、図2および図3に示す紙製容器10を作製した。この際、まず、紙容器20の材料として紙材(コート紙)(三菱製紙社製、Nパールカード(製品名)、坪量260g/m)を準備した。次に、紙材の表面のうち、底部パネル31および側部パネル33に対応する領域の表面の全面に、オフセット印刷により、アクリレート系樹脂を含む抗ヒートシール剤(T&K TOKA社製、UV Lカートン(製品名))を塗布した。また、成形フィルム40として、エチレン・酢酸ビニル共重合体を含むフィルムを準備した。次に、紙材の表面にフィルムを積層することにより、紙製容器10を作製した。
(1)接着強度測定試験
次に、紙容器20と成形フィルム40との間の接着強度評価試験を行った。試験片としては、成形フィルム40が接着した底部21を、幅15mm、長さ50mmの矩形状に切り出したものを用いた。この際、計3個の試験片を作製した。次に、これらの試験片について、引張試験機(例えば、株式会社オリエンテック社製、テンシロン万能材料試験機:RTC1310A)を用いて、剥離速度50mm/minで、90°剥離試験を行うことにより、底部21と成形フィルム40との間の接着強度を測定した。そして、全試験片の平均値を底部21と成形フィルム40との間の接着強度とした。
また、側部23と成形フィルム40との間の接着強度評価試験を行った。試験片としては、成形フィルム40が接着した側部23を、幅15mm、長さ50mmの矩形状に切り出したものを用いた。この際、各々の側部23において、それぞれ3つずつ、計12個の試験片を作製した。次に、底部21と成形フィルム40との間の接着強度を測定した場合と同様にして、側部23と成形フィルム40との間の接着強度を測定した。そして、全試験片の平均値を側部23と成形フィルム40との間の接着強度とした。
さらに、フランジ片25と成形フィルム40との間の接着強度評価試験を行った。試験片としては、成形フィルム40が接着したフランジ片25を、幅15mm、長さ50mmの矩形状に切り出したものを用いた。この際、各々のフランジ片25において、それぞれ3つずつ、計12個の試験片を作製した。次に、底部21と成形フィルム40との間の接着強度を測定した場合と同様にして、フランジ片25と成形フィルム40との間の接着強度を測定した。そして、全試験片の平均値をフランジ片25と成形フィルム40との間の接着強度とした。
(2)剥離性評価試験
次に、剥離性評価試験を行った。この際、紙製容器10の紙容器20から成形フィルム40を剥離した。そして、成形フィルム40の剥がしやすさを評価した。
(実施例2)
ワックスを含む抗ヒートシール剤(DICグラフィックス社製、UV低臭剥離OPニス)を使用したこと、以外は実施例1と同様にして、接着強度測定試験および剥離性評価試験を行った。
(実施例3)
シリコーンを含む抗ヒートシール剤(DICグラフィックス社製、UVカルトンUS剥離ニス)を使用したこと、以外は実施例1と同様にして、接着強度測定試験および剥離性評価試験を行った。
(実施例4)
耐油性樹脂を含む抗ヒートシール剤(ソルベイソクレシス社製、ソルベラPT5060(製品名))を使用したこと、以外は実施例1と同様にして、接着強度測定試験および剥離性評価試験を行った。
(比較例1)
抗ヒートシール剤を紙材の表面に塗布しなかったこと、以外は実施例1と同様にして、接着強度測定試験および剥離性評価試験を行った。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2022182115000002
上記表1の剥離性の欄において、「○」は、紙容器20から成形フィルム40を剥離した際に、紙容器20に紙剥け(紙容器の一部が剥がれること)が生じていなく、かつ、成形フィルム40を紙容器20から容易に剥離できたことを意味する。また、「×」は、紙容器から成形フィルムを剥離した際に、紙容器に一部紙剥けが生じていたことを意味する。
この結果、表1に示すように、剥離性評価試験において、比較例1による紙製容器では、紙容器から成形フィルムを剥離した際に、紙容器に紙剥けが生じていた。
これに対して、実施例1乃至実施例4による紙製容器10では、紙容器20から成形フィルム40を剥離した際に、紙容器20に紙剥けが生じていなく、かつ、成形フィルム40を紙容器20から容易に剥離できた。このため、本実施の形態による紙製容器10では、紙容器20をリサイクルする際に、紙容器20と成形フィルム40とを容易に分離でき、リサイクル性を向上できることがわかった。
本開示は上記実施の形態および各変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態および各変形例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。実施の形態および各変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 紙製容器
20 紙容器
21 底部
22 第1折れ線
23 側部
24 第2折れ線
25 フランジ片
30 ブランク材
31 底部パネル
32 第1折れ線
33 側部パネル
34 第2折れ線
35 フランジ片パネル
40 成形フィルム
50 蓋材
AH 抗ヒートシール層

Claims (6)

  1. 底部と、前記底部に第1折れ線を介して連結された複数の側部と、各々の側部にそれぞれ第2折れ線を介して連結された複数のフランジ片とを有する紙容器と、
    前記紙容器の表面に積層された成形フィルムとを備え、
    前記側部同士は、互いに連続することなく隣り合っており、
    前記紙容器の前記表面の少なくとも一部に、抗ヒートシール層が設けられている、紙製容器。
  2. 前記抗ヒートシール層が設けられた領域において、前記紙容器と前記成形フィルムとの間の接着強度は、0.05N/15mm以上0.4N/15mm以下であり、
    前記抗ヒートシール層が設けられていない領域において、前記紙容器と前記成形フィルムとの間の接着強度は、0.4N/15mmよりも大きい、請求項1に記載の紙製容器。
  3. 前記抗ヒートシール層は、前記底部上および前記側部上に設けられており、前記側部上に設けられた前記抗ヒートシール層の単位面積当たりの重量は、前記底部上に設けられた前記抗ヒートシール層の単位面積当たりの重量よりも小さい、請求項1または2に記載の紙製容器。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の前記紙製容器と、
    前記紙製容器を密封する蓋材とを備える、蓋材付き紙製容器。
  5. 底部パネルと、前記底部パネルに第1折れ線を介して連結された複数の側部パネルと、各々の側部パネルにそれぞれ第2折れ線を介して連結された複数のフランジ片パネルとを備え、
    前記側部パネル同士の間に隙間が形成されており、
    表面の少なくとも一部に、抗ヒートシール層が設けられている、ブランク材。
  6. 前記抗ヒートシール層は、前記底部パネル上および前記側部パネル上に設けられており、前記側部パネル上に設けられた前記抗ヒートシール層の単位面積当たりの重量は、前記底部パネル上に設けられた前記抗ヒートシール層の単位面積当たりの重量よりも小さい、請求項5に記載のブランク材。
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