JP7454077B2 - ペン型コンパス - Google Patents
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Description
従来、持ち運びに便利なコンパスとして、ペン型でキャップを備えたペン型コンパスがある。
ペン型コンパスは、本体の脚部を閉じた場合に筆記具のような略円柱形状となり、針や芯の先端が露出した先端部を保護するキャップが設けられたものである。
キャップを装着することによって、針や芯が露出しないため、安全に取り扱うことができると共に、ペンケースに収納した場合に他の物品を傷つけることが無く、またコンパスの先端部分を保護することができ、携帯に便利なものとなっている。
閉じた状態がペン型であるため、他のペン類と同様にペンケースに収納できるものである。
従来のシャープペンシルタイプのペン型コンパスでは、一般的なシャープペンシル用の芯に比べて長さが短い専用の芯を用いるようになっていた。
尚、コンパスに関する従来技術としては、実用新案登録第3178069号公報「コンパス」(特許文献1)、実用新案登録第3179264号公報「コンパス」(特許文献2)、実開昭60-141289号公報「鉛筆芯の見えるコンパス」(特許文献3)がある。
特許文献2には、針が黒色に形成され、鉛筆を取り付けることができるコンパスが記載されている。
特許文献3には、替え芯を内蔵することができるコンパスが記載されている。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係るペン型コンパス(本コンパス)は、針が設けられた針側本体と、シャープペンシル機構部を備えたシャープペンシル側本体(シャープ側本体)とを備え、針側本体とシャープ側本体とを合わせて閉じると、略円柱形状のペン型となるものである。
そして、シャープ側本体は、シャープ側本体上部と、シャープ側本体下部と、シャープ側本体上部とシャープ側本体下部とを接続する連結部とを備え、連結部が、軸方向に貫通孔を有し、シャープペンシル機構部に挿入された一般的な60mmの長さの芯の上部を保護する略円筒形状の芯保護部を備えると共に、当該芯の上端部を収納可能な長さに形成されているものであり、シャープペンシル機構部の上に十分な空間を形成して、専用の芯を用いることなく一般的なシャープペンシル用の芯を利用することができ、利便性を向上させることができるものである。
本コンパスの概略構成について図1,図2を用いて説明する。図1は、本コンパスの概略構成を示す斜視図であり、図2は、キャップを閉めた状態の斜視図である。
図1に示すように、本コンパスは、本体1と、本体1の先端部に被せる(装着される)キャップ2とを備え、図2に示すように、キャップを閉めた状態では、ボールペンなどの筆記具によく似た形状となっている。
尚、本コンパスは、本体1の脚部にシャープペンシルを備えたシャープペンシルタイプの構成である。
更に、シャープ側本体11は、シャープ側本体上部11aと、シャープ側本体下部11bと、連結部13と、ノック部14とを備えている。
シャープ側本体上部11a、シャープ側本体下部11b、針側本体12は亜鉛ダイキャスト等で形成され、中心部10、連結部13、ノック部14はプラスチック等で構成されている。
ノック部14がノックされることで、ペン先31から芯32が繰り出される。ここで、芯32は、コンパス専用の短いものではなく、一般的なシャープペンシルに用いられる60mmの長さの芯である。一般的な長さの芯が利用可能となったことにより、ユーザは、通常使用しているシャープペンシルの芯を使ったり、好みの硬さの芯を選ぶことができる。
また、針側本体12は、先端に針33が設けられている。
黒色とすることで、白地であることが多いノート等の上で本コンパスを使用する際に、針33の先端が見やすくなり(視認性が向上し)、使い勝手を向上させることができるものである。
本体接続部15は、ネジとナットとを備え、中心部10の内部にシャープ側本体上部11aと針側本体12の上端部が収納された状態で、シャープ側本体上部11aと針側本体12を摺動可能に固定する。本体接続部15のナットは、図1,2の裏側に設けられている。
尚、シャープ側本体11及び針側本体12は、中心器によって、同じ角度だけ開くようになっており、これにより、中心部10のつまみが常に本コンパスの中心に位置するようになっている。
そして、連結部13は、シャープ側本体上部11a及びシャープ側本体下部11bに着脱可能に接続している。
ノック部14の表面には、指が掛かりやすいよう、複数の筋状の凹凸である凹凸部や突起部145が設けられている。
連結部13、ノック部14の内側の構成については後述する。
窪み部16a,16bは、図1,2の裏側にも同様に形成されている。
次に、シャープ側本体11の内側の構成について図3を用いて説明する。図3は、シャープ側本体11の内側の外観図である。
図3に示すように、シャープ側本体11の内側(針側本体12に当接する側)は、シャープ側本体上部11aと、連結部13の接続部132と、シャープ側本体下部11bとで構成されている。
シャープ側本体下部11bの内部は空洞になっており、当該空洞部分にシャープ機構部が収納されている。具体的には、シャープ側本体下部11bの内部空洞は2段階の太さになっており、上部は太く(径が大きく)、下部は細く(径が小さく)なっている。
連結部13の接続部132については後述する。
次に、シャープ側本体11の構成について図4を用いて説明する。図4は、シャープ側本体11の構成を示す分解説明図である。
図4に示すように、本コンパスのシャープ側本体11は、シャープ側本体下部11b、シャープ機構部21、ノック部14、連結部13、シャープ側本体上部11aを備えている。
軸の外側に、スプリング部24と、スプリング部24の上部に設けられた押下部23とを備え、更に、押下部23には、ノック部14の突出部142と係合する係合部231が設けられている。
各部の長さは、シャープ側本体下部11b>連結部13>シャープ側本体上部11a>ノック部14となっている。
また、シャープ側本体下部11bの外側側面(図4の背面側)には、ノック部14が摺動可能に係合するスリット111が形成されている。
ノック部14は、シャープ機構部21の上部を押さえている。
図4では、分かりやすくするために、固定部40がシャープ機構部21の側に取り付けられた状態を示しているが、実際には、固定部40は予めシャープ側本体下部11bの円筒内部に固定されて設けられている。
固定部40は変形可能な素材であるため、力が加われば変形して、本コンパスの製造時にシャープ機構部21を挿入することが可能となる。
本コンパスでは、シャープ側本体11に、この突出部分を収納する空間を設けることにより、一般的なシャープペンシルの芯を使用可能としているものである。尚、従来のようなコンパス専用の短い芯も使用可能である。
ノック部側面141は、連結部側面131に当接する。
突出部142は、円盤形状で中心付近にシャープ機構部21の上部が貫通する穴が設けられている。
ノック部側面141と突出部142とを接続する部分が、シャープ側本体下部11bの凹部111に係合して、ノック部14が上下にスライドする。
そして、ノック部14が押下されると、突出部142によって押下部23が下に押され、押下部23がスプリング部24を押し縮めて、ペン先31から芯32が繰り出される。
芯保護部133は、シャープ機構部21から突出した芯の上部を保護するものである。
また、芯保護部133の内部を貫通する穴は、シャープ機構部21の穴と軸が一致するよう形成されており、芯32の上部を収納する空間となるものである。
すなわち、シャープ機構部21と連結部13の芯保護部133に亘って形成される空間は、一般的なシャープペンシル用の芯の長さ(60mm)より長く、芯32の上端部分まで十分収納されるものである。
従って、ユーザは、わざわざコンパス専用の芯を用意しなくても、普通のシャープペンシルに使用する芯を本コンパスに用いることができるものである。
芯32を入れる場合には、シャープ側本体上部11aからシャープ側本体11を取り外し、芯保護部133の上端の開口部から芯を挿入する。
従来のコンパスでは、円を描画する際に、シャープ側本体11と針側本体12を開いて、シャープペンシルの芯32と針33の間隔を定規等で測って所望の半径に合わせるよう、開き加減を調節していた。
また、円を描画している最中に半径がずれてしまい、正しい円を描けない場合があった。
本コンパスの応用例では、付属部品として簡易的な目盛り部を本体とは別に設けておき、目盛り部を本体に取り付け可能とし、定規で測らなくても特定寸法の円を描画できるようにしており、更に描画中に寸法がずれないよう、シャープ側本体11と針側本体12の間隔(角度)を固定できるようにしている。
応用例について説明する。
目盛り部の構成(1)について、図5を用いて説明する。図5は、目盛り部の構成(1)を示す説明図であり、(a)は、本体側に設けられた突起部、(b)は、本コンパスに目盛り部4を取り付けた状態を示している。
目盛り部4は、シャープ側本体11′又は針側本体12′のいずれに取り付けてもよいが、ここでは、針側本体12′に取り付ける構成について説明する。
突起部21a,21b,21cを設ける位置は、ノック部14の動きを妨げない位置であれば任意であるが、例えば窪み部16a,16bに設けてもよい。
目盛り部4は、プラスチック等の薄板で弓型(円弧状)に形成されており、一方の端部には孔部41a,41bが形成され、他方の端部に向かって複数の穴部42が円弧上に配置されている。
穴部42は、半径2.0cm、2.5cm、3.0cm、3.5cm…に対応しており、対応する半径寸法の値が各穴部42の近くに記載されている。つまり、それぞれの穴部42を突起部21cに係合させることにより、針33とシャープペンシルの芯32の先端との間隔が対応する半径寸法となるものである。
また、シャープ側本体11′に設けられた突起部21cは、目盛り部4の穴部42のいずれかと係合して、特定の半径寸法となるよう針側本体12′とシャープ側本体11′の間隔(角度)を固定する。
上述した目盛り部の構成(1)では、コンパス本体に突起部を形成しておく必要があったが、目盛り部の構成(2)では、コンパス本体に変更を加える必要がなく、容易に実現できるものである。
目盛り部の構成(2)について図6を用いて説明する。図6は、目盛り部の構成(2)を示す説明図であり、(a)は、本コンパスに目盛り部5を取り付けた状態、(b)は針側本体12における取付け部分、(c)はシャープ側本体11における係合部分を示している。
目盛り部5は、本コンパスの針側本体12、シャープ側本体11のいずれか一方に着脱可能に固定される部品であり、ここでは針側本体12に取り付けられた場合を示している。
押さえ部54は、目盛り部5をシャープ側本体11上で軽く押さえる部品であり、図6(a)において左右方向に貫通する貫通孔56(図6(c)参照)が形成され、当該貫通孔56を目盛り部5が貫通し、シャープ側本体11の開閉動作に伴って押さえ部54が目盛り部5上を摺動するものである。
そして、ユーザが、シャープ側本体11を開閉しつつ、透明な押さえ部54を通して目盛り部5の目盛り線51を見ながら、目盛り線51を目安として目盛り合わせ部55に所望の半径の長さを合わせることで、本コンパスの針32とシャープペンシルの芯の間隔が当該半径の長さとなる。
固定部52は、例えば、針側本体12の窪み部16bにぴったり嵌合する大きさ及び長さに形成されている。これにより、目盛り部5は常に同じ位置に取り付けられることになり、半径寸法のバラツキを防ぐものである。
別の応用例として、シャープ機構部21を取り外し可能とし、種々のシャープ機構部を付属部品として用意しておき、任意のシャープ機構部を取り付けて用いてもよい。
例えば、ノックしなくても自動で芯が出てくるタイプのシャープ機構部を取り付けてもよい。
また、芯の太さを一般的な0.5mmに限らず、0.3mmや0.7mmの芯に対応するシャープ機構部を取り付けてもよい。
これにより、ユーザは、操作方法や芯の太さを、好みや用途に合わせて選択できるものである。
本コンパスによれば、シャープ側本体11が、シャープ側本体上部11aと、シャープ側本体下部11bと、連結部13とを備え、連結部13が、軸方向に貫通孔を備え、シャープ機構部21に挿入された一般的な長さ(60mm)の芯の上部を保護する芯保護部133を備えると共に、芯の上端部分まで収納可能な空間を備えたペン型コンパスとしているので、コンパス専用の芯を用意しなくても、一般的なシャープペンシル用の芯を利用することができ、利便性を向上させることができる効果がある。
Claims (2)
- 針が設けられた脚部となる針側本体と、シャープペンシル機構部が収納される脚部となるシャープ側本体と、前記針側本体と前記シャープ側本体の上端を収納して保持する中心部とを備え、前記針側本体と前記シャープ側本体とを合わせて閉じると、ペン型の形状となるペン型コンパスであって、
前記シャープ側本体において、前記シャープペンシル機構部より前記中心部寄りにシャープペンシルの芯を収納する収納部が設けられ、
前記シャープ側本体には、閉じた状態から開く操作を行うための第1の窪み部が前記収納部の長手方向の途中の位置に設けられ、
前記針側本体には、閉じた状態から開く操作を行うための第2の窪み部が前記第1の窪み部に対応する位置に設けられるペン型コンパス。 - 前記シャープペンシル機構部と前記収納部とは、前記シャープ側本体と前記針側本体とを閉じた場合に、前記針側本体に対向する前記シャープ側本体の内側の中空部分に設けられている請求項1記載のペン型コンパス。
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