JP7446721B2 - 偏光板、偏光板中間体、偏光板の製造方法および打ち抜き刃型 - Google Patents

偏光板、偏光板中間体、偏光板の製造方法および打ち抜き刃型 Download PDF

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Description

本発明は、偏光板、偏光板中間体、偏光板の製造方法および打ち抜き刃型に関する。
近年、ディスプレイは、様々な場面で用いられており、そのデザインも多様化している。それに伴い、ディスプレイに用いられる偏光板の形状を、矩形のみではなく異形(例えば、角部を丸くした形状)にすることが望まれている。異形の偏光板を得る方法としては、エンドミルにより端面を切削する方法、レーザー加工により所定形状の偏光板を切り出す方法等が挙げられる。しかしながら、これらの方法を用いる場合、多大な設備投資が必要となる。
特開2016-182658号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、異形状の偏光板を低コストで製造し得る方法、当該製造方法に用いられる偏光板中間体、当該製造方法により得られる偏光板を提供することにある。
本発明の偏光板は、平面視における外郭が、直線部分および異形部分から構成され、該直線部分の端面が、切削加工面であり、該異形部分の端面が、非切削加工面である。
1つの実施形態においては、上記異形部分が、外側に凸の曲線状である。
本発明の別の局面によれば偏光板中間体が提供される。この偏光板中間体は、異形部分と、切削加工が予定された削りしろ部分とを有し、削りしろ部分が、広幅部と、広幅部の少なくとも一端で異形部分と広幅部との間に位置し、該異形部分の端部から広幅部に向けて拡幅しているテーパ部とから構成される。
1つの実施形態においては、上記広幅部の幅が、0.5mm以上である。
1つの実施形態においては、上記テーパ部のテーパ角度が45°以下である。
本発明のさらに別の局面によれば、上記偏光板の製造方法が提供される。この偏光板の製造方法は、上記偏光板中間体を複数枚重ねてワークを形成すること、該ワーク外周面に垂直な回転軸と該外周面側に突出して設けられた切削刃とを有する切削手段を回転させながら、該ワークおよび該切削手段を相対的に移動させて、該ワークにおける上記偏光板中間体の上記削りしろ部分を切削することを含む。
本発明のさらに別の局面によれば、偏光板打ち抜き用の打ち抜き刃型が提供される。この偏光板打ち抜き用の打ち抜き刃型は、異形状打ち抜き部と、直線状打ち抜き部とを有し、かつ、該異形状打ち抜き部と該直線状打ち抜き部との間に、テーパ打ち抜き部が配置されて構成される、打ち抜き刃を備える。
本発明によれば、異形状の偏光板を低コストで製造し得る方法、当該製造方法に用いられる偏光板中間体、当該製造方法により得られる偏光板を提供することができる。
本発明の1つの実施形態による偏光板の概略平面図である。 本発明の1つの実施形態による偏光板中間体の概略平面図である。 本発明の1つの実施形態における偏光板中間体が有する削りしろ部分の部分拡大平面図である。 本発明の1つの実施形態における打ち抜き刃型の概略平面図である。 本発明の製造方法における切削加工を説明するための概略斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。なお、見やすくするために図面は模式的に表されており、さらに、図面における長さ、幅、厚み等の比率、ならびに角度等は、実際とは異なっている。また、本明細書において、「異形」とは直線状以外の形状を意味する。
A.偏光板
図1は、本発明の1つの実施形態による偏光板の概略平面図である。偏光板10は、異形部分12を含む異形状の偏光板である。偏光板10の平面視における外郭は、直線部分11および異形部分12から構成される。代表的には、直線部分11と異形部分12とは連続している。1つの実施形態においては、図1に示すように、偏光板10の平面視における外郭は、2組の対向する直線部分11を含み、各直線部分11間は、異形部分12を介して連結し、曲線状のコーナーを有する矩形に近い形状である。
1つの実施形態においては、上記異形部分12は、外側に凸の曲線状であり、好ましくは円弧状である。異形部分が円弧状であるとき、円弧状異形部分の半径は、例えば、1mm~50mmであり、好ましくは2mm~20mmであり、より好ましくは3mm~10mmであり、さらに好ましくは3mm~6mmである。また、円弧状異形部分の中心角は、例えば、30°~150°であり、好ましくは30°~110°であり、より好ましくは40°~100°であり、さらに好ましくは50°~90°である。なお、円弧状異形部分の半径および中心角は、所望とする偏光板の形状に応じて適切な値とされ得る。また、偏光板が複数の異形部分を有する場合、各異形部分は同じ形状であってもよく、異なる形状であってもよい。
直線部分11の端面は、切削加工面である。より具体的には、直線部分11は、削りしろを設けるように形成された偏光板中間体(例えば、打ち抜き加工により得られた偏光板中間体)を、複数枚重ねてワークを形成し、当該ワークの削りしろを切削して形成された端面を有する。
異形部分12は、非切削加工面である。非切削面は、切削加工に供されずに形成された面である。1つの実施形態においては、異形部分は打ち抜き加工により形成された部分であり得る。
本発明の偏光板は、直線部分が切削加工して形成されていることにより、寸法精度に優れ、かつ、クラックおよび層間剥離が防止されている。また、本発明の偏光板は、直線部分のみが切削加工して形成されていることにより、低コストで製造することができる。
1つの実施形態においては、上記偏光板は、偏光子と該偏光子の少なくとも片面に配置された保護層とを備え得る。また、最外面に表面保護フィルムおよび/またはセパレーターを有する偏光板を用いてもよい。表面保護フィルムまたはセパレーターは、任意の適切な粘着剤を介して偏光板に剥離可能に積層される。本明細書において「表面保護フィルム」とは偏光板を一時的に保護するフィルムであり、偏光板が備える保護層(偏光子を保護する層)とは異なるものである。偏光子は、代表的には、樹脂フィルム(例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム)に膨潤処理、延伸処理、二色性物質(例えば、ヨウ素、有機染料等)による染色処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等の各種処理を施すことにより得られる。樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムであってもよく、二層以上の積層体であってもよい。積層体を用いて得られる偏光子の具体例としては、樹脂基材と当該樹脂基材に積層されたPVA系樹脂層(PVA系樹脂フィルム)との積層体、あるいは、樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子が挙げられる。このような偏光子の製造方法の詳細は、例えば特開2012-73580号公報、特許第6470455号に記載されている。これらの特許文献の記載は、本明細書に参考として援用される。偏光板の厚みは、特に制限されず、目的に応じて適切な厚みが採用され得、例えば、20μm~200μmである。偏光子の厚みもまた特に制限されず、目的に応じて適切な厚みが採用され得る。偏光子の厚みは、代表的には、1μm~80μm程度であり、好ましくは3μm~40μmである。1つの実施形態においては、偏光子は、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは15μm以下であり、さらに好ましくは12μm以下であり、特に好ましくは10μm以下であり、さらに特に好ましくは8μm以下であり、とりわけ好ましくは6μm以下であり、最も好ましくは5μm以下である。偏光子の厚みの下限は、好ましくは2μmであり、より好ましくは1μmである。偏光子の厚みをこのような範囲とすることにより、偏光子と保護層との間や保護層に生じるクラックが抑制される。
保護層は、偏光子の保護層として使用できる任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001-343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN-メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。保護層には、必要に応じて、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、アンチグレア処理等の表面処理が施されていてもよい。
B.偏光板の製造方法
1つの実施形態において、上記偏光板の製造方法は、異形部分と切削加工が予定された削りしろ部分とを有する偏光板中間体を複数枚重ねてワークを形成すること;該ワーク外周面に垂直な回転軸と該外周面側に突出して設けられた切削刃とを有する切削手段を回転させながら、該ワークおよび該切削手段を相対的に移動させて、該ワークにおける上記偏光板中間体の上記削りしろ部分を切削することを含む。削りしろ部分を切削することにより、上記偏光板の直線部分が形成される。
本発明の偏光板の製造法によれば、削りしろを有する偏光板中間体を用い、当該削りしろを上記切削手段により切削することにより、クラックおよび層間剥離の発生を防止しながら、寸法精度に優れる直線部分を有する上記偏光板を得ることができる。また、切削手段として上記の切削手段を用いることにより、寸法精度に優れる偏光板を低コストで製造することができる。
B-1.偏光板中間体
図2は、本発明の1つの実施形態による偏光板中間体の概略平面図である。偏光板中間体20は、その周辺において、異形部分22と、削りしろ部分21とを有する。図2においては、削りしろ部分21は着色して示されている。偏光板中間体は、切削前の上記偏光板に相当する。したがって、偏光板中間体の異形部分は、削りしろ部分の切削加工後、偏光板の異形部分となり得る。また、偏光板中間体の積層構成は、上記A項で説明した構成となり得る。1つの実施形態においては、図2に示すように、偏光板中間体20は平面視において、2組の対向する削りしろ部分21を含み、各削りしろ部分21間は、異形部分12を介して連結している。
図3は、本発明の1つの実施形態における偏光板中間体が有する削りしろ部分の部分拡大平面図である。1つの実施形態においては、図3に示すように、削りしろ部分21は、広幅部21aと、テーパ部21bとから構成される。テーパ部21は、広幅部21aの少なくとも一端(図4においては、両端)で異形部分22と広幅部21aとの間に位置し、異形部分22の端部から広幅部21aに向けて拡幅している。このようにテーパ部を設けることにより、削りしろ部分21を切削した後、異形部分と直線部分との境界に生じ得る段差を目立たなくすることができる。また、削りしろ部分の切削開始箇所をテーパ形状とすることにより、切削開始時に被切削体(偏光板中間体)にかかる力を低減することができ、その結果、偏光板中間体におけるクラック発生を防止することができる。
上記広幅部の幅(図3における幅W)は、好ましくは0.5mm以上である。偏光板中間体の周辺近傍は層間剥離等の不具合が発生しやすく、例えば、打ち抜き加工により偏光板中間体を得た場合には、このような不具合は顕著となるが、広幅部の幅を0.5mm以上とすることにより、不具合部分を切削により除去して、偏光板を得ることができる。特に、偏光子の片側または両側に(メタ)アクリル系フィルムが貼り合せて構成される偏光板を用いた場合、層間剥離等の不具合が顕著となるが、広幅部の幅を0.5mm以上とすることにより、不具合部分を切削により除去して、偏光板を得ることができる。上記広幅部の幅は、好ましくは0.6mm以上であり、より好ましくは0.7mm以上である。また、広幅部の幅の上限は、例えば、10mmであり、好ましくは5mmであり、より好ましくは3mmである。なお、広幅部の幅は、一定であってもよく、一定でなくてもよい。好ましくは、歩留まりの観点から、広幅部の幅一定である。広幅部の幅が一定でない場合、「広幅部の幅」とは、広幅部の最低幅を意味する。また、偏光板中間体が複数の削りしろ部分を有する場合、各削りしろ部分の形状は同じであってもよく、異なっていてもよい。すなわち、広幅部の幅は、各削りしろ部分間で同じであってもよく、異なっていてもよい。
上記テーパ部のテーパ角度(図3における角度A)は、好ましくは45°以下であり、より好ましくは40°以下であり、さらに好ましくは30°以下である。このような範囲であれば、テーパ部を設けることで得られる上記効果が顕著となる。テーパ角の下限は、例えば、10°であり、好ましくは15°である。偏光板中間体が複数の削りしろ部分を有する場合、テーパ部のテーパ角度は、各削りしろ部分間で同じであってもよく、異なっていてもよい。
上記テーパ部の長さ(図3における長さL)は、好ましくは1mm~20mmであり、より好ましくは1.5mm~15mmであり、さらに好ましくは1.5mm~10mmであり、特に好ましくは2mm~8mmである。このような範囲であれば、テーパ部を設けることで得られる上記効果が顕著となる。偏光板中間体が複数の削りしろ部分を有する場合、テーパ部の長さは、各削りしろ部分間で同じであってもよく、異なっていてもよい。
1つの実施形態において、偏光板中間体20における上記異形部分22は、外側に凸の曲線状であり、好ましくは円弧状である。偏光板中間体において、異形部分が円弧状であるとき、円弧状異形部分の半径は、例えば、1mm~50mmであり、好ましくは2mm~20mmであり、より好ましくは3mm~10mmであり、さらに好ましくは3mm~6mmである。また、偏光板中間体において、円弧状異形部分の中心角は、例えば、30°~150°であり、好ましくは30°~110°であり、より好ましくは40°~100°であり、さらに好ましくは50°~90°である。なお、円弧状異形部分の半径および中心角は、所望とする偏光板の形状に応じて適切な値とされ得る。また、偏光板中間体が複数の異形部分を有する場合、各異形部分は同じ形状であってもよく、異なる形状であってもよい。
1つの実施形態においては、上記偏光板中間体は、偏光板中間体の前駆体となる積層体(例えば、偏光子と保護フィルムとから構成される積層体)を、偏光板中間体の形状に応じた偏光板打ち抜き用の打ち抜き刃型(以下、単に打ち抜き刃型ともいう)による打ち抜いて得られ得る。図4は、本発明の1つの実施形態における打ち抜き刃型の概略平面図である。打ち抜き刃型100は、異形状打ち抜き部110aと、直線状打ち抜き部110bとを有する打ち抜き刃110を備える。打ち抜き刃110は、異形状打ち抜き部110aと直線状打ち抜き部110bとの間に、テーパ打ち抜き部110cが配置されて構成される。このような刃型を用いれば、上記のように、テーパ部を有する削りしろ部分、および、異形部分を備える偏光板中間体を得ることができる。代表的には、上記打ち抜き刃110は、閉じた平面視形状を有する。1つの実施形態においては、図4に示すように、打ち抜き刃110は平面視において、2組の対向する削直線状打ち抜き部110bを含む。また、各直線状打ち抜き部110b間においては、異形状打ち抜き部110aとテーパ打ち抜き部110cとが配置される。当該テーパ打ち抜き部110cは、上記のとおり、異形状打ち抜き部110aと直線状打ち抜き部110bとの間に配置される。図4に示すような打ち抜き刃型を用いれば、図2に示すような偏光板中間体を得ることができる。上記打ち抜き刃としては、任意の適切な刃物が用いられ得る。打ち抜き刃に用いられる刃物としては、例えば、トムソン刃、腐食刃、彫刻刃等が挙げられる。
上記打ち抜き加工は、偏光板中間体の前駆体となる積層体単体に対して行ってもよく、重ねられた複数枚の積層体に対して行ってもよい。
B-2.ワークの形成
図5は、切削加工を説明するための概略斜視図であり、本図にワーク1が示されている。図5に示すように、偏光板中間体を複数枚重ねたワーク1が形成される。ワーク1の平面視形状は、上記偏光板中間体の平面視形状と同様の形状であり得る。ワーク1は、互いに対向する削りしろ部分の外周面1a、1bおよびそれらと異形部分1eを介して連結する削りしろ部分の外周面1c、1dを有している。ワーク1は、好ましくは、クランプ手段(図示せず)により上下からクランプされている。ワークの総厚みは、例えば、50mm~100mmであり、好ましくは60mm~90mmであり、より好ましくは65mm~75mmである。このような厚みであれば、クランプ手段による押圧または切削加工時の衝撃による損傷を防止し得る。偏光板中間体は、ワークがこのような総厚みとなるように重ねられる。ワークを構成する偏光板中間体の枚数は、例えば10枚~500枚(1つの実施形態においては、10枚~300枚;別の実施形態においては、10枚~50枚)であり得る。クランプ手段(例えば、治具)は、軟質材料で構成されてもよく硬質材料で構成されてもよい。
B-3.切削加工
上記のようにして形成されたワーク1における上記偏光板中間体の上記削りしろ部分を、切削手段2により切削する。切削加工は、いわゆる両頭フライス加工であり得る。具体的には、切削手段2は、回転板3と切削刃4とを有し、ワーク外周面に垂直な回転軸Sを有し、任意の適切な駆動機構によって回転軸Sを中心としてR方向に回転可能に構成されている。回転板3は、ワーク1の外周面1a、1bに平行に配されるとともに、側面視円形を呈し、その直径がワーク1の厚みhを超える寸法に設計されている。切削刃4は、回転軸Sの軸方向に突き出して設けられており、回転板3の平面部分にそれぞれ所定の間隔を設けて配置されている。図示例では、一対の切削手段2が所定の間隔Dを設けて、切削刃4を有する平面部分を対向させることで、それぞれの切削刃4が外周面1a、1bに対応するように配置されている。切削手段2間の距離Dは、ワーク1を搬入可能であるとともに、切削刃4が所定の削りしろを切削するように設定される。一対の切削手段2は、距離Dを変化させることができるように回転軸S方向に移動可能に構成される。
回転板3は、側面視円形以外の任意の適切な形状であってもよい。
切削刃4の数は、任意の適切な数とされ得る。1つの実施形態においては、回転軸Sから切削刃4までの距離に応じて、切削刃4の数が決定され得る。例えば、回転軸Sから切削刃4までの距離が遠いほど切削刃4の個数が多い方が好ましい。このとき、切削刃4の配置は特に限定されるものではないが、加工効率等の観点から回転軸Sから等距離に複数個の切削刃4が所定の間隔に設けられることが好ましい。
切削刃4の形状は特に限定されず、図5に示したような円柱状だけでなく、例えば、角柱状や断面台形の柱状、半球状などであってもよい。切削刃4は、要求される加工効率等に応じて、任意の適切な形状および大きさとされ得る。また、切削刃4は、回転軸Sと平行方向に配置されていてもよく、任意の適切な角度で傾斜してもよい。切削刃4を構成する材料としては、例えば、金属、ダイヤモンド等が挙げられる。
ワーク1は、回転軸Sに直交する方向(図5の矢印A方向)に移動可能であり、かつ、当該移動面内で回転可能に構成された載置台に載置される。図5に示すように、載置台をA方向に移動させて外周面1a、1bを切削する。次に、切削手段2の距離Dを外周面1c、1dに対応するよう変更するとともに、載置台を90°回転させる。この状態で載置台をA方向に移動させて外周面1c、1dを切削する。このようにして、ワーク1における上記偏光板中間体の上記削りしろ部分の切削(直線的切削)が完了する。なお、図示例ではワークを矢印A方向に移動させているが、切削手段をA方向と反対方向に移動させてもよく、ワークをA方向に移動させるとともに切削手段をA方向と反対方向に移動させてもよい。
切削時、回転板3の回転速度は、例えば、800回転/分~11000回転/分である。ワーク1の移動速度(切削手段2に対する相対移動速度)は、例えば、10mm/分~15000mm/分である。
なお、切削加工(両頭フライス加工)の詳細については、例えば、特開2005-224935号公報および特開2007-223021号公報に記載されており、当該公報の記載は本明細書に参考として援用される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例には限定されない。実施例における評価項目は以下のとおりである。
(1)端部クラック
実施例および比較例の切削加工で得られた偏光板の端部のクラックの個数を顕微鏡で確認し、以下の基準で評価した。
〇:0.3mm以上のクラック0個
△:0.3mm以上のクラック1個以上3個未満
×:0.3mm以上のクラック3個以上
(2)層間剥離
実施例および比較例の切削加工で得られた偏光板に生じた層間剥離(主に、端部における層間剥離)の幅を顕微鏡観察により測定し、以下の基準で評価した。
○:層間剥離なし
△:0.3mm未満の層間剥離が見られた
×:0.3mm以上の層間剥離が見られた
[実施例1]
熱可塑性樹脂基材として、長尺状で、ガラス転移温度(Tg)が約75℃である、非晶質のイソフタル共重合ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:100μm)を用い、当該熱可塑性樹脂基材の片面に、コロナ処理を施した。
ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマー」)を9:1で混合したPVA系樹脂100重量部に、ヨウ化カリウム13重量部を添加したものを水に溶かし、PVA水溶液(塗布液)を調製した。
上記熱可塑性樹脂基材のコロナ処理面に、上記PVA水溶液を塗布して60℃で乾燥することにより、厚み13μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体aを作製した。
得られた積層体を、130℃のオーブン内で縦方向(長手方向)に2.4倍に一軸延伸した(空中補助延伸処理)。次いで、積層体を、液温40℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。次いで、液温30℃の染色浴(水100重量部に対して、ヨウ素とヨウ化カリウムを1:7の重量比で配合して得られたヨウ素水溶液)に、最終的に得られる偏光子の単体透過率(Ts)が所望の値となるように濃度を調整しながら60秒間浸漬させた(染色処理)。次いで、液温40℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を5重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(ホウ酸濃度4重量%、ヨウ化カリウム濃度5重量%)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸処理)。その後、積層体を液温20℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。その後、約90℃に保たれたオーブン中で乾燥しながら、表面温度が約75℃に保たれたSUS製の加熱ロールに接触させた(乾燥収縮処理)。このようにして、熱可塑性樹脂基材上に厚み約5μmの偏光子を形成し、熱可塑性樹脂基材/偏光子の構成を有する積層体bを得た。
得られた積層体bの偏光子表面(熱可塑性樹脂基材とは反対側の面)に、保護層としてアンチグレア-(メタ)アクリル系フィルムを貼り合わせた。なお、アンチグレア-(メタ)アクリル系フィルムは、(メタ)アクリル系フィルム(厚み40μm)にアンチグレア層(厚み6μm)が形成されたフィルムであり、(メタ)アクリル系フィルムが偏光子側となるようにして貼り合わせた。次いで、熱可塑性樹脂基材を剥離し、当該剥離面に粘着剤層(厚み20μm)を形成し、位相差フィルム(厚み138μm)を貼り合わせた。次いで、位相差フィルムの偏光子と反対側の面に粘着剤層(厚み20μm)を介してセパレーター(38μm)を貼り合せた。また、アンチグレア-(メタ)アクリル系フィルムの偏光子と反対側の面に表面保護フィルム(60μm)を貼り合せ、長尺状の積層体cを得た。
所定形状のトムソン刃を備える刃型を用いて、得られた積層体cを打ち抜き、図2に示すように削りしろ部分および異形部分を有する偏光板中間体を得た(削りしろ部分の幅:1.5mm、テーパ部のテーパ角:10°、テーパ部の長さ:2.5mm:円弧状異形部分の半径:3mm、円弧状異形部分の中心角:90°)。得られた偏光板中間体を200枚重ねてワークとした。
上記ワークをクランプ(治具)で挟んだ状態で、図5に示すような装置を用いた両頭フライス加工(回転板の回転速度:4500prm、ワークの相対移動速度:900mm/min)により、ワークにおける偏光板中間体の削りしろ部分を直線的に切削して、偏光板(サイズ:704.66mm×399.45mm)を得た。
得られた偏光板を上記評価(1)および(2)に供した。結果を表1に示す。
[実施例2]
削りしろ部分の幅を0.3mmとし、それに伴い、テーパ部のテーパ角を15°とし、テーパ部の長さを3.0mmとしたこと以外は、実施例1と同様にして偏光板を得た。
得られた偏光板を上記評価(1)および(2)に供した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1と同様にして長尺状の積層体を得た。この積層体を打ち抜き加工して、実施例1と同サイズの偏光板を得た。
得られた偏光板を上記評価(1)および(2)に供した。結果を表1に示す。
Figure 0007446721000001
1 ワーク
2 切削手段
10 偏光板
11 直線部分
12 異形部分
20 偏光板中間体
21 削りしろ部分
22 異形部分
100 打ち抜き型

Claims (4)

  1. 光板中間体を複数枚重ねてワークを形成すること、
    該ワーク外周面に垂直な回転軸と該外周面側に突出して設けられた切削刃とを有する切削手段を回転させながら、該ワークおよび該切削手段を相対的に移動させて、該ワークにおける前記偏光板中間体の前記削りしろ部分を切削することを含む、偏光板の製造方法であって、
    該偏光板中間体が、
    異形部分と、切削加工が予定された削りしろ部分とを有し、
    削りしろ部分が、広幅部と、広幅部の少なくとも一端で異形部分と広幅部との間に位置し、該異形部分の端部から広幅部に向けて拡幅しているテーパ部とから構成され、
    該偏光板が、
    平面視における外郭が、直線部分および異形部分から構成され、
    該直線部分の端面が、切削加工面であり、
    該異形部分の端面が、非切削加工面である、
    偏光板の製造方法。
  2. 前記異形部分が、外側に凸の曲線状である、請求項1に記載の偏光板の製造方法
  3. 前記広幅部の幅が、0.5mm以上である、請求項1または2に記載の偏光板の製造方法
  4. 前記テーパ部のテーパ角度が45°以下である、請求項1から3のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
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