JP7446636B2 - 商品販売データ処理装置及びプログラム - Google Patents
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Description
複数台のPOS端末を設置すれば、設置台数に応じた客捌きの効率の向上は図られるものの、1台ごとのPOS端末において、顧客ごとに順次商品の登録、精算、袋詰め作業等が行われることに変わりはなく、客捌きの効率の向上には限界がある。
[POSシステムの構成例]
図1は、本発明の一実施形態に係るPOS(Point Of Sales)システムのネットワーク構成図である。図1に示すPOSシステム1は、3台のPOS端末20-1、POS端末20-2、POS端末20-3と、ストアコントローラ(ストアコンピュータ、管理装置)10を備え、夫々はLAN11を介して通信可能に接続されている。以下、POS端末20-1、20-2、20-3について特に区別しない場合には、POS端末20と総称する。
ROM202は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
客側スキャナ部206は、客用のスキャナ部であり、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード等)等を光学的に読み取る。
キー操作部211は、各種のキー(ボタン)から構成され、店員から種々の入力を受け付ける。
店員側スキャナ部212は、店員用のスキャナ部であり、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード等)や店員の名札に付された店員コード等を光学的に読み取る。
通信部215は、他の装置(他のPOS端末20、ストアコントローラ10)との間において情報を送受信する。
続いて、POS端末20の動作モードについて説明する。POS端末20は、複数の動作モードを有する。具体的には、POS端末20は、4種類の動作モード(通常モード、フルセルフモード、ダブルスキャンモード、セミセルフモード)を有する。なお、以下の説明する動作モードは、通常業務中での会計に関する動作モード(商品登録処理や精算処理に係る動作モード)であり、売上や在高等を集計、照会等する集計モード、店員や保守員等が設定作業や保守作業を行う際のメンテナンスモード、新人がトレーニングを行う際のトレーニングモード等は含まない。
なお、本実施形態において「会計」は、例えば一取引における商品登録から登録された商品についての精算(決済)までを含む概念である。
通常モードは、図5(A)に示すように、店員側にて登録処理を実行し、客側にて精算処理を実行する動作モードである。即ち、図5(B)に示すように、通常モードの場合、店員側が登録モードになり、客側が精算モードになる。つまり、POS端末20は、登録処理~精算処理の全体を通して見た場合、登録精算モードとして動作する。
フルセルフモードは、図6(A)に示すように、客側にて登録処理を実行し、客側にて精算処理を実行する動作モードである。即ち、図6(B)に示すように、フルセルフモードの場合、客側が登録モードにも精算モードにもなる。つまり、POS端末20は、登録処理~精算処理の全体を通して見た場合、登録精算モードとして動作する。
例えば、フルセルフモードでの動作中において、店員側表示部210には、客側にて行われている登録処理や精算処理に応じて客側表示部205に表示されているのと同様の画面が表示されるようにしてよい。つまり、店員側表示部210にて、客側表示部205にて表示される内容がミラーリングされるように表示されてよい。これにより、店員は、フルセルフモードにおいて、客がどのような操作を行っており、また、POS端末20がどのような処理状況にあるのかを把握できる。
ダブルスキャンモードは、図7(A)に示すように、店員側及び客側の両側にて登録処理を実行し、客側にて精算処理を実行する動作モードである。即ち、図7(B)に示すように、ダブルスキャンモードの場合、店員側及び客側の両側が登録モードになり、客側が精算モードになる。つまり、POS端末20は、登録処理~精算処理の全体を通して見た場合、登録精算モードとして動作する。
セミセルフモードは、2台以上のPOS端末20による動作モードであって、図8(A)に示すように、少なくとも1台のPOS端末20(図8の例ではPOS端末20-1)の店員側にて登録処理を実行し、他の1台のPOS端末20(図8の例ではPOS端末20-2、POS端末20-3のうちの1台)の客側にて精算処理を実行する動作モードである。即ち、セミセルフモードの場合、1台以上(図8の例では図8(B)に示すようにPOS端末20-1の1台)が登録専用モードになり、他の1台以上(図8の例では図8(C)に示すようにPOS端末20-2、20-2の2台)が精算専用モードになる。
POS端末20は、現在の動作モードを報知する。例えば、店員側表示部210において現在の動作モードを表示してもよい。具体的には、店員側表示部210に動作モード表示欄を有する画面を表示し、該画面上の動作モード表示欄に現在の動作モードを表示してもよい。また、各動作モードに対応する画像(例えば、ボタン風の画像)を配置した画面を店員側表示部210に表示し、該画面上において現在の動作モードを対応する画像を、現在の動作モードを対応しない画像と異なる表示態様(例えば、他の画像の表示態様よりも目立つ表示態様)にて表示してもよい。なお、客側表示部205においても同様に動作モードを表示してもよい。
続いて、POS端末20の動作モードの移行(切替)について説明する。POS端末20は、店員による明示的なモード移行操作(動作モードの設定画面上の入力や動作モードの設定ボタンの操作等)に従って動作モードが移行する。また、POS端末20は、店員による明示的なモード移行操作以外の他の操作(例えば、店員コードの読取等)に従って動作モードが移行する。また、POS端末20は、店員の操作等に拠らない所定の条件(経過時間や所定時刻(スケジュール)等の時間に関する条件、他の端末等との間における命令等の情報の送受信に関する条件等)に基づいて動作モードが移行する。
図9(A)のフローチャートは、POS端末20(通常モード)が不使用中の状態になったときに開始する(つまり店員及び客のいずれも使用しなくなったときに開始する)。
ステップS101:店員又は客により使用が開始されたか否か判断する。使用が開始されていない場合にはステップS102に進む。使用が開始された場合にはステップS104に進む。
ステップS103:動作モードを通常モードからフルセルフモードに移行する。
ステップS104:不使用時間の計時を終了する。そして図9(A)のフローチャートは終了する。
図9(B)のフローチャートは、POS端末20(フルセルフモード)において、常時(非常に短い時間間隔で定期的に)、開始する。
図10(A)のフローチャートは、POS端末20(通常モード)において、常時(非常に短い時間間隔で定期的に)、開始する。
ステップS123:指定された他のPOS端末20に対し、セミセルフモード(精算専用モード)への移行指示を送信する。
ステップS125:動作モードを通常モードからセミセルフモード(登録専用モード)に移行する。そして図10(A)のフローチャートは終了する。
図10(B)のフローチャートは、POS端末20(通常モード)において、常時(非常に短い時間間隔で定期的に)、開始する。
ステップS132:動作モードを通常モードからセミセルフモード(精算専用モード)に移行する。そして図10(B)のフローチャートは終了する。
ダブルスキャンモードは、店員側及び客側の両側にて登録処理を実行するモードであるが、以下、登録処理時における、店員側表示部210、客側表示部205の表示について説明する。
ステップS402:当該商品を店員側表示部210に通常の表示態様により表示する。
ステップS403:当該商品を客側表示部205に通常の表示態様よりも強調した表示態様により表示する。
ステップS412:当該商品を店員側表示部210に通常の表示態様よりも強調した表示態様により表示する。
ステップS413:当該商品を客側表示部205に通常の表示態様により表示する。
ステップS422:印刷部213によりレシートを発行する。そして図11のフローチャートは終了する。なお、店員側にて登録された商品と客側にて登録された商品とを区別可能に印刷したレシートを発行してもよい。例えば、店員側又は客側にて登録された商品のいずれか一方に、米印や星印等のマーク、下線等を付してもよい。また例えば、客側にて登録された商品の印刷領域と店員側にて登録された商品の印刷領域とが分れたレシートを発行してもよい。つまり、客側にて登録された商品と店員側にて登録された商品とを異なる領域に印刷したレシートを発行してもよい。
ダブルスキャンモードにおける店員側、客側の表示は、図13の表示例を用いて説明したものに限定されない。図14は、店員側及び客側における他の表示例である。具体的には、図14(A)は、店員側表示部210に表示される登録画面の一例である。図14(B)は、客側表示部205に表示される登録画面の一例である。
ダブルスキャンモードにおける店員側、客側の表示は、図13の表示例や図14の表示例を用いて説明したものに限定されない。図15は、店員側及び客側における他の表示例である。具体的には、図15(A)は、店員側表示部210に表示される登録画面の一例である。図15(B)は、客側表示部205に表示される登録画面の一例である。
本実施形態のPOS端末20は、通常モードにおいて店員の操作に応じた商品登録処理と、客の操作に応じた精算処理とを並行して実行することが可能とされている。この点で、本実施形態は、店員側で商品登録と精算とに対応する操作を行うようにされたPOS端末の場合と比較して、一取引に応じた会計に要する時間が短縮されるため客捌きの効率化が図られる。
しかし、第1客の次に会計を受けようとして順番待ちをしている2番目の客(以下、「第2客(次客)」と記載する)が、例えば老人や小さい子供などで、自分で精算の操作を行うことになれておらず、精算の操作に手間取ることが予想される客であった。
つまり、自分で精算の操作を行うことに慣れている第1客には、POS端末20-1での商品登録処理が完了したタイミングで、休止状態であった他のPOS端末20(POS端末20-2またはPOS端末20-3)で精算の操作を行ってもらうようにする。
この際、POS端末20-1は、例えば店員の操作(精算移転指示操作)に応じて、他のPOS端末20に対して、商品登録処理の結果が反映された登録情報を含む精算指示情報を他のPOS端末20に送信する。登録情報を受信したPOS端末20は、休止状態から、例えばセミセルフモードにおける精算専用モードで起動し、受信された精算指示情報に基づく精算処理を第1客の操作に応じて実行する。
このようにすれば、第1客に対応する他のPOS端末20での精算処理と、第2客に対応するPOS端末20-1での会計に関する処理(商品登録処理、精算処理)とが並行して行われる。これにより、第1客がPOS端末20-1にて精算までを終えてから、第2客に対応する会計をPOS端末20-1にて行うようにする場合と比較して、第1客に対応の会計が開始されてから第2客の会計が終了するまでの時間を短縮でき、客捌きの効率を高めることができる。
また、精算移転に対応する精算指示情報の送信が可能な精算移転元のPOS端末20は、通常モードのPOS端末20だけではなく、例えばダブルスキャンモードが設定されたPOS端末20であってもよい。つまり、ダブルスキャンモードが設定されたPOS端末20は、店員と客とによる商品登録操作に応じて実行した商品登録処理に対応する登録情報を他のPOS端末20に送信(出力)して、他のPOS端末20に精算処理を実行させることができる。
精算終了宣言操作は、客による精算終了の宣言に対応する操作である。具体的には、POS端末20は、精算処理において決済完了の段階(例えば、現金による決済の場合は、支払金額以上の預かり金が入金されて釣銭等が確定された段階)に至ると、客側表示部205に、精算の終了を客に確認させるための精算終了ボタンを表示する。客は、例えば現金による決済の場合には、釣銭等が排出されて精算が終了したことを確認したうえで、精算終了ボタンを操作する。このような精算終了ボタンに対する操作が精算終了宣言操作である。
精算終了宣言操作が行われた段階では、既に精算移転元のPOS端末20において、精算処理が終了してしまっているので、精算移転を行う必要が無く、また、精算移転を行うこともできない。
一方で、本実施形態のPOSシステムは、精算終了宣言操作が行われるまで精算移転が可能であることから、精算移転元の精算処理が終了してさえいなければ、いつでも精算移転を行わせることが可能である。これにより、例えば店員は、精算終了宣言操作が行われるまでは、自分の判断で精算移転が必要であると判断すれば、いつでも精算移転指示操作を行って精算移転を行わせることができる。
このような場合、本実施形態の精算移転の第1例としては、客は、精算移転先のPOS端末20にて、残りの預かり金としての貨幣を釣銭機209に投入して精算を行うことができる。具体的に、支払金額が500円である場合に、客が精算移転元のPOS端末20の釣銭機209に預かり金として100円分の貨幣を投入した段階で精算移転が行われた、この場合、支払金額に対する預かり金の不足金額は400円である。そこで、客は、精算移転先のPOS端末20にて、引き続き、400円以上の預かり金としての貨幣を投入することで精算を行うことができる。
このようにして、本実施形態においては精算移転元のPOS端末20に入金された預かり金が精算移転先のPOS端末20にて引き継がれる。これにより、精算移転元のPOS端末20にて精算移転前の段階において支払金額に対する入金が行われた状態であっても、客は、精算移転先のPOS端末20にて適切に精算を行える。
ステップS501:POS端末20は、例えば商品種別ごとに対応する店員の商品登録操作が行われたか否かについて判定する。
ステップS502:商品登録操作が行われた場合、POS端末20は、商品登録操作により指定された商品種別、個数等に応じた商品登録処理を実行する。
ステップS503:ステップS501にて商品登録操作の行われなかったことが判定された場合、あるいはステップS502にて商品登録処理が実行された後、POS端末20は、商品登録の終了を指示する操作(商品登録終了操作)が行われたか否かについて判定する。商品登録終了操作は、例えば小計操作であってよい。ステップS503にて商品登録終了操作の行われなかったことが判定された場合、ステップS501に処理が戻される。
図20は、店員側表示部210において表示される商品登録画面の一例を示している。
図20は、店員用表示部210に表示される表示例を示した図である。具体的には、図20は、商品登録処理中に店員用表示部210に表示される商品登録画面の例を示した図である。より詳細には、図20は、第3品目の商品「ポタージュスープ」が登録されたときの商品登録画面の例を示している。
即ち、同図の商品登録画面においては、登録商品領域330が配置されている。登録商品領域330は、1客(1取引)に対応して登録された商品が示される領域である。同図の登録商品領域330においては、1番目に「ロコモコ丼」が第1品目として登録され、2番目に「牛丼」が第2品目として登録され、3番目に「ポタージュスープ」が第3品目として登録されたことが示されている。
選択領域300には、1番目の客の表示をしている旨の情報304(値「1」)と、現在までの預かり金額(現在までに当該客が釣銭機60に入金(投入)した釣機入金額)301と、現在までの合計金額(現在までに当該客の買上商品として登録した全商品の合計金額、支払金額ともいう)302と、当該客を他の客と識別するためのキャラクタ303(図20では、猫)とが表示されている。
具体的には、例えば、預かり金額301が合計金額302に達していない場合には、差分金額として、合計金額302から預かり金額301を減算した不足金額を表示してもよい。
また、預かり金額301が合計金額302を超えている場合には、差分金額として、預かり金額301から合計金額302を除した過剰金額を表示してもよい。
また、選択領域300には、上記に代えてまたは加えて、会計(決済)が完了したか否かなどを示すステータス情報などを表示してもよい。第2客の選択領域320(後述)についても同様である。
例えば、商品登録を受けていた客が、客が商品の追加のためにPOS端末20から離れて売り場に行ったような場合、レシート用紙が残りわずかであるときや無くなってしまった場合、釣銭が残り僅か(ニアエンド)になった場合や無くなってしまった場合に、処理の保留が行われる。
また、仮締めの解除は、所定の操作により行われる。例えば、再度、仮締めキー308を操作することにより、仮締めを解除してもよい。つまり、仮締めキー308が操作されることで登録商品領域330において登録された商品が全て消去されたうえで、登録商品領域330から消去された商品のデータが一時的に記憶される。これにより、取引の一時的な保留(即ち、仮締め)が行われる。そして、次の客の商品登録を待っている状態において、POS端末20から一旦離れた客が戻ってきた場合には、再度、仮締めキー308を押すことで、戻ってきた客に対応して記憶されていた商品データにより示される商品が登録商品領域330に再び表示される。これにより、取引の保留(仮締め)が解除され、戻ってきた客に応じた取引を再開させることができる。
なお、同時に複数の処理が仮締めになることを禁止しない態様において、複数の処理が仮締めとなっている場合には、仮締めを解除する処理を特定した後に、仮締めキー308を操作することにより、特定の処理の仮締めを解除してもよい。
次客登録キー309を操作することによって、POS端末20は、次客に対応する商品登録画面を最上面に表示し、次客の取引に関する店員の操作を受付可能な状態となる。
ここで、本実施形態における取引関連処理は、商品の登録処理、小計キー操作に応じた商品登録の完了に応じた処理、精算処理などを含む。
本実施形態における次客登録キー309は、本実施形態における宣言手段に含まれる。また、本実施形態における宣言手段は、次客登録キー309を表示し、次客登録キー309に対する操作を受け付けたことに応じて第2客に対応する取引の開始を宣言する制御部の機能を含む。
ステップS504:ステップS503にて商品登録終了操作が行われた後において、POS端末20は、今回の商品登録終了操作に対応するのと同じ一取引に対応する精算終了宣言操作が既に客側にて行われたか否かについて判定する。
ステップS505:精算終了宣言操作が行われていないことが判定された場合、POS端末20は、店員による精算移転指示操作が行われたか否かについて判定する。精算移転指示操作が行われないと判定された場合には、ステップS504に処理が戻される。
同図においては、商品登録画面に対してウィンドウ500が重畳して表示された状態が示されている。
同図のウィンドウ500には、合計欄501と、釣機入金額欄502と、入金取消キー505と、仮締めキー508と、次客登録キー509と、精算移転キー510とが設けられている。
釣機入金額欄502には、小計キー操作時の預かり金額が表示される。同図の場合、釣機入金額欄502の「500円」は、小計キー操作時の預かり金額が500円である旨を表示している。
店員が精算移転のために精算移転キー510を操作すると、店員側表示部210の表示は、図21から図22に遷移する。図22においては、図21と同じ商品登録画面上において、ウィンドウ500に代えてウィンドウ600が配置された状態に遷移した例が示されている。
ウィンドウ600は、精算移転先のPOS端末20を指定(選択)する操作が行われる画面である。同図のウィンドウ600は、POS端末20-1~20-3のうちPOS端末20-1が精算移転元である場合の例が示されている。
ここで、使用中の状態にあるPOS端末20-3に対応の選択キーKY22は、例えばグレーアウトなどの表示により、操作が不可であることが示されている。なお、POS端末20-3に対応の選択キーKY22については、表示されないようにしてもよい。
本実施形態における精算移転指示操作は、ウィンドウ500における精算移転キー510(図21)に対する操作と、ウィンドウ600における選択キー(KY21、KY22)に対する操作である。
店員は、ウィンドウ600が表示された状態において精算移転を取り消す必要のある場合には、ウィンドウ600に配置されたキャンセルキーKY23を操作すればよい。
ステップS506:ステップS505にて精算移転指示操作が行われたことが判定された場合、POS端末20は、今回のステップS501~S503による商品登録処理に対応するのと同じ取引に対応する入金記録情報が存在する(記憶されている)か否かについて判定する。
今回の取引に応じて、客が決済種別として現金を選択したうえで、釣銭機209への預かり金としての貨幣(現金)の投入(入金)を行うと、POS端末20は、投入された貨幣の金額を預かり金額として示す入金記録情報を生成し、生成した入金記録情報を記憶する。従って、入金記録情報が存在していれば、現金による支払いのための預かり金の入金が既に開始されていることになる。
一方、客が決済種別として現金を選択したが、未だ、預かり金としての貨幣の投入を開始していない段階では入金記録情報は存在していない。また、例えば客がクレジットカード、電子マネー、品券等の現金以外の決済種別を選択した場合にも、入金記録情報は存在しない。
登録情報は、今回の取引に対応する商品登録処理の結果が反映された情報である。決済種別指定情報は、今回の取引に対応する客の精算操作において指定された決済種別を示す情報である。入金記録情報は、ステップS506にて存在していると判定された情報である。入金記録情報には、例えば、入金された金額と、入金された貨幣内訳(金種及び金種ごとの枚数)を示す情報が含まれる。
なお、入金記録情報が存在する場合の決済種別指定情報は、決済種別が現金であることを示す。つまり、入金記録情報が存在すれば、決済種別は現金であることになる。このため、ステップS507にて送信される精算指示情報には、決済種別指定情報は含まれなくともよい。
なお、客が決済種種別を指定する操作を行わないうちに精算移転指示操作が行われる場合がある。この場合、ステップS508により送信される精算指示情報には、決済種別指定情報は含まれなくともよい。この場合、精算指示情報は、登録情報は含むが、入金記録情報と決済種別情報とのいずれも含まない。このような精算指示情報を受信した場合、精算移転先のPOS端末20は、精算操作として、決済種別を指定する操作を受け付けたうえで、指定された決済種別に応じた決済が行われるように精算処理を実行すればよい。
ステップS521:また、精算移転元のPOS端末20は、客側で行われる精算操作において、決済種別指定操作が行われたか否かについて判定する。
ステップS522:決済種別指定操作が行われた場合、POS端末20は、決済種別指定操作により指定された決済種別による決済が可能なように設定を行う。
POS端末20は、入金対応処理として、例えば釣銭機209に入金された貨幣の金種及び枚数の情報を取得し、入金金額を算出する。また、入金された金額を、これまでの預かり金額に加算することで、預かり金額を更新する。また、POS端末20は、入金対応処理として、最初の入金に対応して、預かり金額を示す情報を含む入金記録情報を生成し、2回目以降の入金に対応して、更新された預かり金額が反映されるように入金記録情報を更新する。
ステップS525にて精算終了宣言操作の行われたことが判定された場合には、精算移転が行われることなく、1つのPOS端末20にて商品登録処理と精算処理とが完了したことになる。この場合、POS端末20は、ステップS527の精算終了処理として、例えば現金による決済種別のもとで釣銭が発生した場合には、釣銭機209から釣銭としての貨幣を排出させ、印刷部213からレシートを発行させる。また、POS端末20は、自機にて完了した精算処理に応じた実績の履歴を記憶する。
また、ステップS526にて精算移転の実行されたことが判定された場合、POS端末20は、ステップS527の精算終了処理として、例えばこれまでの精算処理についてキャンセルしてよい。あるいは、この場合のPOS端末20は、ステップS527の精算終了処理として、例えば精算移転が実行されるまでの入金等の記録を含み、精算移転により中断された旨を示す精算履歴情報を記憶するようにされてもよい。
ステップS601:精算移転先のPOS端末20は、例えば休止状態のもとで、精算移転元のPOS端末20から送信される精算指示情報が受信されるのを待機している。
ステップS602:精算指示情報が受信されたことに応じて、POS端末20は、例えば精算専用モードで起動する。
なお、前述のように、精算指示情報に入金記録情報が含まれる場合には、決済種別が現金であるので、決済種別指定情報は含まれなくともよい。ステップS603において、受信された精算指示情報において決済種別指定情報は含まれていないが入金記録情報が含まれている場合には、POS端末20は、ステップS603にて決済種別は現金であると判定してよい。また、この場合には次に説明するステップS604の処理をスキップして、後述のステップS605の処理に移行してよい。
また、精算移転元のPOS端末20にて決済種別指定操作が行われる前の段階で精算移転が行われた場合には、精算指示情報において入金記録情報及び決済種別指定情報は含まれない。この場合には、ステップS603の処理として、POS端末20は、決済種別指定操作画面を表示し、決済種別指定操作画面に対して行われた決済種別指定操作により指定された決済種別を認識する。そのうえで、決済種別指定操作により指定された決済種別が現金であるか否かについて判定すればよい。
レシートに印刷される預かり金額に関しては、精算移転元のPOS端末20に対して入金された金額と、精算移転先のPOS端末20に対して入金された金額とを合計した金額が示されていればよい。あるいは、レシートに印刷される預かり金額に関しては、精算移転元のPOS端末20に対して入金された金額と、精算移転先のPOS端末20に対して入金された金額との内訳が示されてもよい。
そこで、この場合のPOS端末20は、入金記録情報が示す貨幣内訳による現金が、精算移転元のPOS端末20に対して出金されたものとして扱われるように出金処理を実行する。これにより、理論在高としても、支払金額の総額における残り支払金額が入金されたものとして管理されることになり、実在高と一致することになる。また、精算移転元のPOS端末20においても、ステップS607の処理によって、精算移転先のPOS端末20から、入金記録情報が示す貨幣内訳による現金が入金されたものとして管理することから、理論在高と実在高とが一致することになる。この場合、精算移転元のPOS端末20では、精算移転が実行されるまでに行われた入金について、精算移転先のPOS端末20からの入金(釣銭補充)として扱った取引情報を記憶すればよい。
あるいは、精算移転先のPOS端末20は、上記のような出金処理に代えて、自己の精算処理結果を示す取引情報に、精算移転元のPOS端末20にて入金記録情報が示す貨幣内訳による現金が当該取引に対応して入金されていることを示す情報を含めておくようにしてよい。
また、上記のように、理論在高と実在高との違算を解消するために行った入出金や処理の結果は、例えば売上等の実績を出力したレポートにおいて反映されるようにしてよい。
例えば、違算の解消のために、例えばPOS端末20の締め処理に際して、精算移転先と精算移転元のPOS端末20との間で現金の入出金を行うように、店員に対する報知が行われるようにされてよい。報知は、精算移転先と精算移転元のPOS端末20のうちの少なくともいずれか一方において行われてよい。
報知を受けると、店員は、合計金額のうちで精算移転元のPOS端末20に入金された現金の出金処理を精算移転元のPOS端末20に実行させ、出金された現金を、精算移転先のPOS端末20に入金させるように操作を行う。
あるいは、逆に、報知を受けた店員は、合計金額のうちで精算移転先のPOS端末20に入金された金額の現金を精算移転先のPOS端末20から出金させ、出金された現金を、精算移転元のPOS端末20に入金させるように操作を行う。
続いて、本実施形態の精算移転の第2例について説明する。先の精算移転の第1例では、精算移転元のPOS端末20が精算指示情報を送信するタイミングで、既に客による預かり金の入金操作が行われていた場合には、精算指示情報に入金記録情報を含めるようにしていた。これにより、精算移転先のPOS端末20にて客が精算を行う際には、支払金額(商品の合計金額)から精算移転元のPOS端末20にて入金済みの金額を差し引いた残り支払金額に対応する分の預かり金の入金を行うようにされていた。
これに対して、精算移転の第2例では、精算移転元のPOS端末20が精算指示情報を送信するタイミングで、既に客による預かり金の入金操作が行われていた場合、精算移転元のPOS端末20は、入金された貨幣の払い出しを行うようにされる。この場合、精算移転元のPOS端末20は、入金記録情報を含まない精算指示情報を送信する。
客は、精算移転元のPOS端末20にて払い戻された貨幣を取り出したうえで、精算移転先のPOS端末20に移動する。客は、精算移転先のPOS端末20にて精算を行うにあたり、登録された商品の合計金額に対応する支払金額に対する預かり金の入金を行う。
このような第2例の態様によっても、精算移転元のPOS端末20にて客による預かり金の入金操作が開始された後に精算移転が行われた場合に対応して、精算移転先のPOS端末20にて、現金による決済を伴う精算を適正に行うことができる。
ステップS727:ステップS726にて精算移転指示操作の行われたことが判定された場合、POS端末20は、ステップS723に対応して実行された入金に対応する貨幣払出処理を実行する。精算移転指示操作が行われたタイミングで、未だ入金が行われていなかった場合には、ステップS727はスキップされてよい。
ステップS727の貨幣払出処理として、POS端末20は、現時点までにおいて入金された貨幣を釣銭機209から排出させる。また、POS端末20は、貨幣払出処理に際して、これまでの入金に関する履歴を示す入金記録情報を消去してよい。あるいは、POS端末20は、これまでの入金に関する履歴を示す入金記録情報について、消去せずに、さらに払い出しに関する履歴を追加して更新するようにしてもよい。
そこで、入金に対応する貨幣払出処理として、精算移転元のPOS端末20は、紙幣のみを払い出し、硬貨については、入金済みとして扱って払い出しをしないようにしてもよい。この場合、精算移転先のPOS端末20では、登録された商品の合計金額に応じた支払金額から、精算移転元のPOS端末20にて入金済みの硬貨に応じた金額を差し引いた残り支払金額に対する入金に応じた精算が行われるようにされればよい。
以上、本発明の実施形態等について説明したが、機器の構成、データの構成、処理の流れ、表示及び出力の態様などは、例えば下記変形例のように、適宜、変更及び修正が可能である。
〔動作モードについて〕
POS端末20は、不使用である状態が続くとフルセルフモードに移行するが(図9(A)参照)、店員が使用(フルセルフモードに設定する操作を除く)しているときには、フルセルフモードへの移行を禁止してもよい。
当該POS端末20からの登録情報の送信先として許可する1以上のPOS端末20を予め決めておき(即ち、登録側と精算側のカップリングを予め決めておき)、これに基づいて、送信ボタンを表示してもよい。
〔ダブルスキャンモードにおける表示等について〕
上記フローチャートでは(図11参照)、店員側表示部210に表示された小計キー、又は、客側表示部205に表示された登録完了キーのいずれかが押下された場合に(ステップS420:YES)、小計画面(図17参照)を表示している。換言すれば、店員側(小計キー)、又は、客側(登録完了キー)のいずれか一方により商品登録を完了させている。しかしながら、商品登録を完了させる態様(小計画面を表示させる操作)は、これに限定されない。
〔分析等について〕
POSシステム1では、電子ジャーナルを記憶し、種々の分析等に活用してもよい。なお、電子ジャーナルは、図13、図14、図12等に示した種々の情報等や、図16や図18等に示した出力情報等を含む(客に関する情報も含む)ものであってもよい。例えば、POS端末20(又は、ストアコントローラ10)は、取引ごとに電子ジャーナルを記憶し、各動作モードの稼働状況(例えば、時間帯曜日別、担当者別、又は、無条件の、各モードの稼働時間等)や、商品の販売実績(例えば、販売個数等)や、引換券の運用状況(例えば、引換券の発行枚数、商品の販売個数に対する引換券の発行割合、引換券の発行後における商品引渡しまでの所要時間等)や、ダブルスキャンモードにおける店員と客の登録状況(店員と客の商品登録数の割合等。店員別であってもよいし、会員番号等に基づいて客の属性(男女年齢)等を把握できる場合には客別であってもよい)を分析してもよい。分析結果は、リスト等に出力してもよい。
なお、上記では、自POS端末20の現在の動作モードを表示しているが(例えば、図17の符号M)、例えば、LAN11を介して他のPOS端末20における動作モードに関する情報を取得することにより、他のPOS端末20の現在の動作モードについても表示してもよい。
上記実施形態のPOS端末20は、例えば店員側表示部210の表示面に対して客側表示部205が反対側に表示面を向けており、釣銭機209は、客側表示部205の表示面が向いた側にて操作が可能とされている。つまり、上記実施形態のPOS端末20は、店員と客とが対向する位置関係となるようにされている。
しかしながらPOS端末20は、例えば店員と客とがそれぞれ正面にたって顔を向けた際の方向がほぼ直交するような位置関係となるように、店員側表示部210、客側表示部205、及び釣銭機209等が配置される構成であってもよい。
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、商品登録操作者(例えば、店員)と客とが操作可能な商品販売データ処理装置(例えば、POS端末20)であって、商品登録者が行う操作を受け付ける第1操作受付手段と、客が精算に関して行う操作を受け付ける第2操作受付手段と、前記第1操作受付手段に対する商品登録者の操作に応じた商品登録処理と、前記第2操作受付手段に対する操作に応じた精算処理とを並行して実行可能な会計手段と、所定の条件が成立する前のタイミングで、前記商品登録処理による商品の登録結果が反映された登録データ(登録情報)を他の商品販売データ処理装置に出力可能な出力手段とを備える商品販売データ処理装置である。
上記構成によれば、POS端末20は、店員側での商品登録操作と客側での精算操作とを並行して行うことが可能とされている。そのうえで、本実施形態おいては、客側で精算終了宣言操作が行われるまでは、店員側の操作によって精算移転を行うことができる。これにより、例えば第2客(次客)が精算操作に不慣れであるような場合には、第1客の取引について精算移転を行い、第1客には精算移転先のPOS端末20で精算操作を行ってもらう。第1客の精算操作と並行して、店員は、精算移転先のPOS端末20にて次客に対応する会計を進めていくことができる。これにより、商品登録処理と精算処理とが行われるPOS端末20を複数備えるPOSシステムにおいて、客捌きの効率の向上が図られる。
上記構成によれば、精算移転元のPOS端末20にて客が精算を終了させる前のタイミングであれば、精算移転を実行させることができる。
上記構成によれば、客が精算移転元のPOS端末20にて入金を開始して後に、入金が完了していないタイミングで段階で精算移転が行われた場合、客は、精算移転先のPOS端末20にて、以下のように精算を行える。即ち、客は、登録された商品の合計金額から精算移転元のPOS端末20に入金した金額を差し引いた残りの支払金額に応じた入金を行って精算を行うことができる。これにより、精算移転元となるPOS端末20にて現金による決済に応じた預かり金としての貨幣の入金が行われた後であっても、精算移転先のPOS端末20にて精算を適正に完了させることができる。
上記構成によれば、客が精算移転元のPOS端末20にて入金を開始して後に、入金が完了していないタイミングで段階で精算移転が行われた場合には、入金された貨幣の払い戻しが行われる。客は、精算移転元のPOS端末20にて、改めて登録された商品の合計金額に応じた支払金額に対して預かり金の入金を行うことで精算ができる。これにより、精算移転元となるPOS端末20にて現金による決済に応じた預かり金としての貨幣の入金が行われた後であっても、精算移転先のPOS端末20にて精算を適正に完了させることができる。
上記構成によれば、精算移転が行われる前の段階で精算移転元のPOS端末20にて決済種別指定操作が行われていた場合には、精算移転元のPOS端末20に対して決済種別指定操作により指定された決済種別が通知されることになる。この場合、精算移転元のPOS端末20は、決済種別指定操作を受け付けなくとも、通知された決済種別による精算処理を実行できる。つまり、客は、精算移転先のPOS端末20にて精算を行うにあたり、既に精算移転元のPOS端末20にて決済種別指定操作を行っている場合には、精算移転先のPOS端末20に対して改めて決済種別指定操作を行う必要がない。
10…ストアコントローラ
20…POS端末
201…CPU
202…ROM
203…RAM
204…ハードディスク
205…客側表示部
206…客側スキャナ部
208…カード決済部
209…釣銭機
210…店員側表示部
211…キー操作部
212…店員側スキャナ部
213…印刷部
214…音声出力部
215…通信部
Claims (3)
- 動作モードとして、他の商品販売データ処理装置から送信され商品登録処理による商品の登録結果が反映された登録データに基づき顧客の操作に応じて精算処理を実行する精算専用モードと、顧客の操作に応じて商品登録処理を実行する登録手段と顧客の操作に応じて精算処理を実行する精算手段が動作するフルセルフモードとを有し、
前記フルセルフモードと前記精算専用モードとで切り替えを行う切替手段を備え、
前記切替手段は、前記フルセルフモードにある状態で他の商品販売データ処理装置から送信された登録データを受信したことに応じて前記精算専用モードへ切り替え、前記精算専用モードにある状態で不使用の状態が所定時間継続した場合には、前記フルセルフモードへ切り替える
商品販売データ処理装置。 - 商品販売データ処理装置を操作する顧客側に向けられた表示部を備え、
前記表示部は、前記切替手段によりフルセルフモードに切り替えられた旨を表示する
請求項1に記載の商品販売データ処理装置。 - 商品販売データ処理装置としてのコンピュータを、
動作モードとして、他の商品販売データ処理装置から送信され商品登録処理による商品の登録結果が反映された登録データに基づき顧客の操作に応じて精算処理を実行する精算専用モードと、顧客の操作に応じて商品登録処理を実行する登録手段と顧客の操作に応じて精算処理を実行する精算手段が動作するフルセルフモードとを有させ、
前記フルセルフモードと前記精算専用モードとで切り替えを行う切替手段として機能させるためのプログラムであって
前記切替手段は、前記フルセルフモードにある状態で他の商品販売データ処理装置から送信された登録データを受信したことに応じて前記精算専用モードへ切り替え、前記精算専用モードにある状態で不使用の状態が所定時間継続した場合には、前記フルセルフモードへ切り替える
プログラム。
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