JP6572965B2 - 商品登録装置及び精算支援方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レジ処理の一部である精算処理を商品登録装置とは別に設けられた精算装置で行うPOS(Point Of Sale)レジシステムの技術に関する。
スーパーマーケット等の店舗におけるレジ端末では、(1)精算対象の商品を登録する処理(バーコードの読み取りなど)及び(2)登録された商品の精算を行う処理(代金の受け取りやおつりの返却など)という2つの処理が行われる。
そして、このようなレジ端末の処理を2つの装置に分離し、(1)の処理と(2)の処理とを異なる装置で行うという運用方法がある。例えば特許文献1は、(1)の処理に用いられる登録装置と、(2)の処理に用いられる会計装置とが分離して設けられている販売管理システムを開示している。このシステムによれば、店員は、登録装置を用いて商品の登録を行い、商品登録の完了に伴い、登録装置が登録レシートを発行する。購入客は、その登録レシートを会計装置に読み取らせることで、会計装置が、その登録レシートの内容に基づく会計処理を行う。購入客はその会計装置を操作(代金を投入するなど)して会計を行う。
上述の運用方法では、購入客が自由に精算を行う会計装置を選ぶことができる。これに対して、店員が、登録装置に表示される画面を操作することで購入客に精算させる会計装置を指定する方法がある。この場合は、下記特許文献1に記載されるような登録レシートは必要とされず、店員は、指定した会計装置を、口頭又は顧客用ディスプレイ等を介して顧客に知らせる。顧客は、指定された会計装置の所まで行き、当該会計装置を操作して登録装置で登録された商品を精算する。
特開2013−186495号公報
上述の運用方法では、レジ端末で従来行われていた処理の一部の精算処理を会計装置(本明細書では精算装置と表記する)に対する顧客の操作に委ねることになる。しかしながら、精算装置に対する顧客の操作のみで精算を完了させることができない場合があり得る。例えば、金券やクーポンの利用等、顧客が精算装置でサポートされていない支払い方法を望む場合や、通信障害等により精算装置が精算情報を取得できない場合が該当する。
本発明は、レジ処理の一部である精算処理を商品登録装置とは別に設けられた精算装置で行う運用方法において、レジの利便性を向上させる技術を提供する。
本発明の各側面では、上述した課題を解決するために、それぞれ以下の構成を採用する。
第1の側面は、商品登録装置に関する。第1の側面に係る商品登録装置は、精算対象として登録された商品の精算処理に関する精算情報を精算装置に送信する送信手段と、精算情報を出力できない状況を検出する検出手段と、その状況が検出された場合に、支払方法選択する会計画面を表示部に表示する表示制御手段と、を有する。
第2の側面は、商品登録装置により実行される精算支援方法に関する。第2の側面に係る精算支援方法は、精算対象として登録された商品の精算処理に関する精算情報を精算装置に送信する送信ステップと、精算情報を出力できない状況を検出する検出ステップと、その状況が検出された場合に、支払方法選択する会計画面を表示部に表示する表示制御ステップと、を含む。
なお、本発明の他の側面は、上記第の側面の方法を少なくとも1つのコンピュータに実行させるプログラムである。また他の側面は、そのプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。この記録媒体は、非一時的な有形の媒体を含む。
上記各側面によれば、レジ処理の一部である精算処理を商品登録装置とは別に設けられた精算装置で行う運用方法において、レジの利便性を向上させる技術を提供することができる。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
第一実施形態におけるPOSレジシステムのハードウェア構成例を概念的に示す図である。 第一実施形態における商品登録装置の処理構成例を概念的に示す図である。 商品登録画面の例を示す図である。 指定画面の例を示す図である。 会計画面の例を示す図である。 第一実施形態における商品登録装置の動作例を示すフローチャートである。 第二実施形態における商品登録装置の処理構成例を概念的に示す図である。 確認画面の例を示す図である。 第二実施形態における商品登録装置の動作例を示すフローチャートである。 第三実施形態における商品登録装置の処理構成例を概念的に示す図である。 第三実施形態における確認画面の例を示す図である。 第三実施形態における商品登録装置の動作例を示すフローチャートである。 第三実施形態の変形例における商品登録装置の処理構成例を概念的に示す図である。 第三実施形態の変形例における商品登録装置の動作例を示すフローチャートである。 第三実施形態の変形例における確認画面の例を示す図である。 第四実施形態における商品登録装置の処理構成例を概念的に示す図である。 第四実施形態における確認画面の例を示す図である。 第四実施形態における商品登録装置の動作例を示すフローチャートである。 第五実施形態における商品登録装置の処理構成例を概念的に示す図である。 第五実施形態における商品登録装置の動作例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。以下に挙げる各実施形態はそれぞれ例示であり、本発明は以下の各実施形態の構成に限定されない。
[第一実施形態]
〔システム構成〕
図1は、第一実施形態におけるPOSレジシステム1のハードウェア構成例を概念的に示す図である。第一実施形態におけるPOSレジシステム1は、商品登録装置10、精算装置20及びサーバ装置30を有する。商品登録装置10は、店員の操作に応じて精算対象の商品を登録する処理を行い、登録された商品の精算情報をサーバ装置30に送信する。サーバ装置30は、商品登録装置10から送られた商品情報を精算装置20に送信する。精算装置20は、顧客の操作に伴い、サーバ装置30から受信された精算情報に基づく精算処理を行う。各装置の具体的な処理内容については後述する。
商品登録装置10は、CPU(Central Processing Unit)2、メモリ3、通信ユニット4、入出力インタフェース(I/F)5等を有する。これら各ハードウェア要素は、例えば、バス等により接続される。CPU2は、一般的なCPU、特定用途向け集積回路(ASIC)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等の少なくとも一つに相当する。メモリ3は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)等である。通信ユニット4は、無線又は有線にて、他の装置(サーバ装置30等)と通信を行う。
入出力I/F5には、表示装置6、入出力装置7等が接続される。表示装置6は、店員用及び顧客用のディスプレイ、タッチパネルの表示部等の少なくとも一つである。入出力装置7は、タッチパネルのセンサ部、キーボード、スキャナ装置、スピーカ等を含む。商品登録装置10の入出力I/F5に接続される入出力装置7は、後述の精算装置20で実行される精算処理を完了させるうえで必要となる装置を含む。入出力I/F5は、CPU2により実行される処理に応じて出力装置に画面表示や音声等を出力する。また、入出力I/F5は、入力装置からの入力信号を受け付ける。
商品登録装置10は、このようなハードウェア要素により、店員の商品登録操作、店員の商品登録装置10への指示入力等を受け付け、商品登録処理を行う。店員の商品登録操作には、例えば、商品に付されたバーコードのスキャン操作、商品価格のキーボード入力等が含まれる。また、第一実施形態における商品登録装置10は、精算処理を実行することもできる。
精算装置20は、商品登録装置10と同様に、ハードウェア要素として、CPU2、メモリ3、通信ユニット4、入出力I/F5等を有する。精算装置20の入出力I/F5に接続される表示装置6は、顧客用のディスプレイ、タッチパネルの表示部等の少なくとも一つである。入出力装置7は、タッチパネルのセンサ部、釣銭機(紙幣及び硬貨)、クレジットカードリーダ、電子マネーリーダ、レシートプリンタ、スピーカ等を含む。精算装置20の入出力I/F5には、サーバ装置30から受信された精算情報に基づく精算処理を完了させるために必要となる表示装置6及び入出力装置7が接続される。
精算装置20は、上述のようなハードウェア要素により、顧客の精算装置20への指示入力、顧客の支払い操作等のユーザ操作を受け付け、精算処理を行う。顧客の支払い操作には、例えば、硬貨及び紙幣の投入操作、釣銭の取り出し操作、クレジットカード支払いの操作、電子マネーの支払いの操作等が含まれる。
サーバ装置30は、いわゆるコンピュータであり、図1に示されるように、バスで相互に接続される、CPU2、メモリ3、通信ユニット4、入出力I/F5等を有する。図示されていないが、入出力I/F5には、表示装置や入出力装置が接続されていてもよい。
POSレジシステム1に含まれる各装置のハードウェア構成は、図1の例に制限されない。また、各装置の数、及び各装置のハードウェア要素の数も、図1の例に制限されない。また、POSレジシステム1は、サーバ装置30を含まなくてもよい。この場合、精算装置20は商品登録装置10から精算情報を取得すればよい。また、POSレジシステム1は、レジ端末の処理の一部である精算処理を商品登録装置とは別に設けられた精算装置に対する顧客の操作に委ねる運用方法に対応していればよく、POSレジシステム1がサポートする具体的な運用方法は制限されない。
例えば、POSレジシステム1は、特許文献1のように、精算装置が、顧客により持ち運ばれる可搬媒体(会計券、会員カード、携帯端末等)から得られる情報を利用して、精算処理を行う運用方法(以降、「会計券方式」と表記される)に対応可能である。この場合、精算装置20に接続される入出力装置7には、可搬媒体から情報を読み取るリーダ装置が含まれればよい。精算装置20は、その可搬媒体から読み取られた識別情報(精算識別情報等)をサーバ装置30に送ることで、サーバ装置30からその識別情報に対応する精算情報を取得することができる。また、POSレジシステム1は、商品登録装置10自身又はサーバ装置30自身、若しくは、それら装置のオペレータにより指定された精算装置20が精算処理を行う運用方法(以降、「指定方式」と表記される)にも対応可能である。
〔処理構成〕
図2は、第一実施形態における商品登録装置10の処理構成例を概念的に示す図である。商品登録装置10は、登録部11、取引格納部12、表示制御部13、出力制御部14、情報取得部15等を有する。登録部11、取引格納部12、表示制御部13、出力制御部14及び情報取得部15は、例えば、CPU2によりメモリ3に格納されるプログラムが実行されることにより実現される。また、当該プログラムは、例えば、CD(Compact Disc)、メモリカード等のような可搬型記録媒体やネットワーク上の他のコンピュータから通信ユニット4を介してインストールされ、メモリ3に格納されてもよい。また、商品登録装置10は、図2に示されていない他の処理部を有してもよい。
登録部11は、商品登録処理を行い、取引毎に精算情報をそれぞれ取引格納部12に格納する。精算情報は、精算対象として登録された各商品の情報を含み、精算装置20が精算処理を行う際に利用する情報である。例えば、精算情報は、精算対象に登録された各商品についての、商品コード、売価情報、販売数量、値引き情報等を含む。商品コードとは、各商品を特定するために予め決められた、文字、数字、記号等から形成される識別データである。商品コードには、例えば、PLU(Price Look Up)コード、Non−PLUコード等が利用される。精算対象の商品に商品コードが付されていない場合には、商品コードの代わりに部門コード等の他のコードが利用されてもよい。精算情報の具体的内容は制限されない。
例えば、登録部11は、各商品の商品コードを、タッチパネルユニットを介した商品登録画面に対する操作や、商品に付された商品識別ラベルに対するスキャナ装置又はハンディスキャナを用いたスキャン操作などに基づいて取得する。登録部11は、このように取得された商品コードに基づいて、商品情報テーブル(図示せず)から各商品に関する商品情報(商品名、売価等)を取得する。登録部11は、このように取得された情報をまとめて精算情報として取引格納部12に格納する。また、登録部11は、後述の表示制御部13により表示される商品登録画面に対する、個数の変更、商品のキャンセル、値引きの適用等のような変更操作を検出し、その操作に基づいて、取引格納部12に格納される精算情報を更新する。
取引格納部12は、取引毎に精算情報を格納する。後述する情報取得部15により部分支払情報が取得される場合には、取引格納部12は、取引毎に精算情報及び部分支払情報を格納する。
表示制御部13は、登録部11により精算対象に登録された商品の情報を表示装置6に表示する。具体的には、表示制御部13は、対象取引(登録処理中の取引)に関し、精算対象に登録される商品の情報を登録部11又は取引格納部12から取得し、この取得された情報を提示する画面を表示する。
図3は、商品登録画面の例を示す図である。図3の例では、商品登録画面は、登録部11により精算対象に登録された商品の情報のリストを提示する。例えば、表示制御部13は、商品が精算対象に登録される度に、即ち、取引格納部12にレコードが格納される度に、商品登録画面を更新する。これにより、精算対象に登録された商品が登録画面に逐次追加表示される。
図3に示されるように、商品登録画面は、「取引出力」ボタンB1及び「小計」ボタンB2を含む。通常の取引では、商品の登録作業を終えた店員は、「取引出力」ボタンB1を押すことで、その取引の精算処理を顧客の操作に基づく精算装置20に委譲する。POSレジシステム1が指定方式に対応する場合、表示制御部13は、ボタンB1の押下操作により、指定画面を表示装置6に表示してもよい。この場合、表示制御部13は、精算情報の送信先候補となる精算装置20の情報(識別情報、名称、状態等)をサーバ装置30又は各精算装置20から取得し、取得された情報を指定画面に反映させる。一方で、POSレジシステム1が会計券方式に対応する場合、ボタンB1の押下操作により、後述の出力制御部14が動作する。
図4は、指定画面の例を示す図である。図4の例では、指定画面には、送信先候補となる3台の精算装置20の情報が含まれる。各精算装置20の情報には装置名称及び状態が含まれる。また、「送信」ボタンB3、B4及びB5が送信先候補の各精算装置20についてそれぞれ設けられている。この場合、表示制御部13は、各精算装置20の状態に基づいて、精算情報を送信できる精算装置20と精算情報を送信できない精算装置20とを判別し、両者を識別可能に表示する。例えば、表示制御部13は、精算情報を送信できる精算装置20(名称「精算装置1」)に対応する「送信」ボタンB3を操作可能状態で表示し、精算情報を送信できない精算装置20(名称「精算装置2」及び「精算装置3」)に対応する「送信」ボタンB4及びB5を操作不可能状態で表示する。「送信」ボタンがユーザにより操作されると、後述の出力制御部14が動作する。
表示制御部13は、商品登録画面が表示されている際に所定のユーザ操作を検出すると、出力制御部14が精算情報を出力せず、又は出力制御部14が精算情報を出力する前に、複数の支払い方法に対応する支払情報を設定可能な会計画面を表示装置6に表示する。所定のユーザ操作は、例えば、商品登録画面に表示されている画面構成要素に対するユーザ操作、キーボードに設けられた特定キーの押下操作、確認画面(確認メッセージ画面)に対するユーザ操作などである。図3の例では、表示制御部13は、「小計」ボタンB2がユーザにより操作されたことを検出すると、会計画面を表示する。また、表示制御部13は、商品登録画面が表示されている際に、キーボードに設けられた特定キー(例えば小計キー)が押されたことを検出して、上記処理を行ってもよい。
図5は、会計画面の例を示す図である。図5の例では、会計画面は、釣銭機現金(自動釣銭機)、手入力現金、金券、クレジット、ポイント、電子マネーの複数の支払い方法に対応している。釣銭機現金は、自動釣銭機に投入された現金を示す。即ち、図5の例では、商品登録装置10は、入出力装置7として自動釣銭機を有する。また、手入力現金は、その自動釣銭機を用いずにキャッシュドロア(入出力装置7)に入れられる現金を意味する。商品登録装置10のユーザである店員は、複数の支払い方法の少なくとも一つの方法での支払いを受け、その支払い方法での受け取った支払い金額をその会計画面に対して設定する。表示制御部13は、金券画面に対するユーザ操作を検出し、各支払い方法に関し設定された支払い金額(お預り金額)を会計画面に反映させる。但し、本実施形態では、会計画面でサポートされる支払い方法種を制限しない。
図5に示されるように、会計画面は、「取引出力」ボタンB6及び「預/現計」ボタンB7を含む。表示制御部13は、会計画面の初期状態では、ボタンB7を操作不可能状態又は非表示状態に設定しておき、会計画面で設定された「お預り金額」が「合計金額」以上となったことを検出することで、ボタンB7を操作可能状態又は表示状態に切り替えることもできる。表示制御部13は、ボタンB7に対するユーザ操作を検出すると、会計画面に設定された支払情報に基づく精算処理を精算処理部(図示せず)に実行させる。精算処理部により実行される精算処理は、お釣りの出力、レシートの発行、領収書の発行等を含む。その精算処理が終了すると、その取引が完了する。表示制御部13は、「取引出力」ボタンB6がユーザにより操作されると、例えば、図4に例示される指定画面を表示する。
情報取得部15は、会計画面に設定された一部の支払い金額を含む部分支払情報を取得する。例えば、情報取得部15は、合計金額の一部が支払われ、その一部の支払い金額が会計画面に設定された状態で、「取引出力」ボタンB3が操作された場合に、その一部の支払い金額を含む部分支払情報を取得する。図4の例では、情報取得部15は、金券及び手入力現金で支払われた1900円(合計金額=1万円)を示す情報を含む部分支払情報を取得する。部分支払情報は、預り金額の合計だけを示してもよいし、支払い方法を示す情報及び支払い方法毎の支払い金額を示してもよいし、それらに加えて預り金額の合計並びに残金を示してもよい。情報取得部15は、取得された部分支払情報を取引格納部12に格納する。
出力制御部14は、対象取引の精算情報を出力する。具体的には、情報取得部15が部分支払情報を取得してない場合、即ち、未だ顧客による支払いが行われていない場合、出力制御部14は、対象取引の精算情報を出力する。一方、情報取得部15が部分支払情報を取得している場合、即ち、顧客により一部の支払いが行われている場合、出力制御部14は、精算情報に加えて、部分支払情報を出力する。但し、出力制御部14は、上記会計画面が表示され、顧客により全ての支払いが行われた場合には、対象取引の精算情報を出力しない。
POSレジシステム1が指定方式に対応しかつ精算装置を店員に選択させる場合、出力制御部14は、図4に例示される指定画面の「送信」ボタンに対するユーザ操作が検出されたタイミングで動作する。POSレジシステム1が指定方式に対応し精算装置がサーバ装置30又は商品登録装置10により自動で決定される場合、又は、POSレジシステム1が会計券方式に対応する場合には、出力制御部14は、図3に例示される商品登録画面の「取引出力」ボタンB1又は図4に例示される会計画面の「取引出力」ボタンB3に対するユーザ操作が検出されたタイミングで動作してもよい。
出力制御部14による出力形態は様々である。例えば、POSレジシステム1が指定方式に対応する場合、出力制御部14は、精算情報(及び部分支払情報)をサーバ装置30に送信する。このとき、出力先となる精算装置20が指定されている場合、出力制御部14は、精算情報に加えて、指定されている精算装置20の識別情報をサーバ装置30に送信する。サーバ装置30を介さず、出力制御部14は、精算情報(及び部分支払情報)を精算装置20に直接送信することもできる。この場合、送信先となる精算装置20は、商品登録装置10又はサーバ装置30により自動で決定されてもよいし、商品登録装置10に対するユーザ操作により指定されてもよい。
POSレジシステム1が会計券方式に対応する場合、出力制御部14は、精算情報(及び部分支払情報)に加えて、精算情報の識別情報をサーバ装置30に送信する。この場合、出力制御部14は、精算情報の識別情報を印刷装置(入出力装置7)に印刷させてもよい。また、出力制御部14は、会員カード又は携帯端末からリーダ装置により読み取られた会員の識別情報を、精算情報(及び部分支払情報)と共にサーバ装置30に送信してもよい。出力制御部14は、精算情報(及び部分支払情報)を二次元コードにコード化して、その二次元コードを印刷装置に印刷させてもよい。
サーバ装置30は、次のような処理を実行する。サーバ装置30は、商品登録装置10から精算情報及び送信先となる精算装置の識別情報を取得した場合、その精算情報をその識別情報で特定される精算装置20に送信する。サーバ装置30は、送信先となる精算装置を自動で決定することもできる。この場合、サーバ装置30は、商品登録装置10から精算情報を取得し、その精算情報を自動で決定された精算装置20に送信する。会計券方式では、サーバ装置30は、精算情報とその精算情報又は顧客の識別情報とを商品登録装置10から取得し、両者を関連付けて保持しておく。この場合、サーバ装置30は、精算装置20から精算情報又は顧客の識別情報を取得し、その識別情報により特定される精算情報をその識別情報の送信元の精算装置20に送信する。精算情報と共に部分支払情報を取得した場合、サーバ装置30は、両方の情報を上述のように精算装置20に送信する。
精算装置20は、商品登録装置10又はサーバ装置30から送られる精算情報を用いて、精算処理を実行する。精算処理は、合計金額を顧客に提示する処理、支払い方法を顧客に選択させる処理、選択された支払い方法での支払いを受け付ける処理、釣銭を払い出す処理、レシートを出力する処理、精算完了を提示する処理を含む。当該精算処理は、レシートの要否を顧客に選択させる処理、領収書の発行の要否を顧客に選択させる処理、領収書出力処理、会員カードの読み取り処理等、一般的な精算の流れに沿う他の処理を含んでもよい。また、支払い方法が固定的に決定される場合や、顧客が支払い操作をいきなり行った場合等には、精算処理は、支払い方法を顧客に選択させる処理を含まなくてもよい。
本実施形態では、精算装置20は、商品登録装置10側で既に支払われた一部の金額の残金分の精算処理を行う場合がある。この場合、精算装置20は、サーバ装置30又は商品登録装置10から精算情報と共に部分支払情報を取得し、両方の情報から残金を算出してもよい。また、精算装置20は、サーバ装置30又は商品登録装置10から残金の情報のみを取得し、その残金分の精算処理を行い、レシート発行時に精算情報及び部分支払情報を取得してもよい。
〔動作例〕
以下、第一実施形態におけるPOSレジシステム1の動作例について図6を用いて説明する。図6は、第一実施形態における商品登録装置10の動作例を示すフローチャートである。図6では、POSレジシステム1が指定方式に対応する場合の動作例が示され、図3、図4及び図5に例示される画面が用いられている。図示される各工程は、例えば、商品登録装置10の各処理モジュールにより実行される。各工程は、各装置の上述の処理内容と同様であるため、各工程の詳細は、適宜省略される。
店員は、商品登録装置10を操作して、顧客がレジに持ってきた商品を登録する作業を行う。このとき、商品登録装置10は、商品登録処理を行う(S61)。具体的には、商品登録装置10は、精算対象となる商品の情報(売価、個数、値引き額等)を順次取得し、その情報をまとめて精算情報を生成する。商品登録装置10は、取引毎の精算情報を取引格納部12に格納する。商品登録装置10は、精算対象に登録された商品のリストを含む商品登録画面を表示装置6に表示する。商品登録装置10は、商品登録画面に対するユーザ(店員)の操作に基づいて、精算情報の変更も行う。
以降、通常の運用でのPOSレジシステム1の動作例を説明する。
通常運用では、店員は、全ての商品を登録し終えると、図3の「取引出力」ボタンB1を押下する。このとき、商品登録装置10は、「取引出力」ボタンB1に対するユーザ操作を検出し(S62;NO)(S65;YES)、指定画面を表示装置6に表示する(S66)。商品登録装置10は、対象取引の精算処理を行わせる候補となる各精算装置20の情報(識別情報、状態等)をサーバ装置30から取得し、各精算装置20の情報を指定画面に反映させる。
店員は、指定画面に表示される候補の中から一つの精算装置20を選択し、その精算装置20に対応する「送信」ボタンB3を押下する。商品登録装置10は、指定画面の「送信」ボタンB3に対するユーザ操作を検出すると(S67;YES)、一部の支払いが行われているか、即ち、部分支払情報が取引格納部12に格納されているか否かを判定する(S68)。
このとき会計画面に対する一部支払いの設定が行われていないため(S68;NO)、商品登録装置10は、操作されたボタンB3に対応する精算装置20の識別情報と共に対象取引の精算情報をサーバ装置30に送信する(S69)。その精算情報の送信が成功すると、商品登録装置10は、新たな取引の商品登録処理を開始することができるようになる。
サーバ装置30は、商品登録装置10から送信された精算装置20の識別情報と精算情報とを受信し、その識別情報で特定される精算装置20にその精算情報を送信する。但し、商品登録装置10は、ボタンB3に対応する精算装置20に精算情報を直接送信してもよい。これにより、その精算情報を取得した精算装置20は、その精算情報に基づく精算処理を実行することができる。顧客は、指定された精算装置20の前に移動し、その精算装置20を操作することで、精算を完了させる。
次に、特殊な運用でのPOSレジシステム1の動作例を説明する。POSレジシステム1では、商品登録装置10側で店員が一部又は全部の支払いを受け取ることもできる。例えば、金券やポイントの利用、電子マネーの利用等、顧客が精算装置20でサポートされていない支払い方法を望む場合や、顧客単独では精算装置20で精算をすることができないと判断される場合等に、その特殊な運用が行われる。
この場合、店員は、全ての商品を登録し終えると、図3の「小計」ボタンB2を押下する。商品登録装置10は、「小計」ボタンB2に対するユーザ操作を検出すると(S62;YES)、会計画面を表示装置6に表示する(S63)。会計画面は、図5に例示されるように、複数の支払い方法に対応する支払情報を設定可能な画面である。店員は、複数の支払い方法の少なくとも一つの方法での支払いを受け、その支払い方法での受け取った支払い金額をその会計画面に対して設定する。商品登録装置10は、金券画面に対するユーザ操作を検出し、各支払い方法に関し設定された支払い金額(お預り金額)を会計画面に反映させ、かつ、会計画面に設定された一部支払い情報を対象の精算情報と関連付けて取引格納部12に格納する。
店員は、対象取引の合計金額以上の支払いを受け取った場合、その支払い情報を会計画面に設定し、それから会計画面の「預/現計」ボタンB7を押下する。商品登録装置10は、「預/現計」ボタンB7に対するユーザ操作を検出すると(S64;YES)、会計画面に設定されている支払情報に基づく精算処理を実行する(S70)。精算処理において、商品登録装置10は、お釣りの払出し、レシートの発行、領収書の発行等を実行する。このように、店員は、商品登録後、商品登録装置10で精算処理を完了させることもできる。
また、店員は、金券やポイントの利用により合計金額の一部の支払いを受け取ることもできる。この場合、店員は、受け取った一部の支払い金額の情報を会計画面に設定し、会計画面の「取引出力」ボタンB6を押下する。商品登録装置10は、ボタンB6に対するユーザ操作を検出すると(S64;NO)(S65;YES)、上述のように指定画面を表示する(S66)。続いて、商品登録装置10は、指定画面の「送信」ボタンB3に対するユーザ操作を検出すると(S67;YES)、上述のように部分支払情報が取引格納部12に格納されているか否かを判定する(S68)。
このとき会計画面に対する一部支払いの設定が行われているため(S68;YES)、商品登録装置10は、取引格納部12からその部分支払情報を取得する(S71)。商品登録装置10は、操作されたボタンB3に対応する精算装置20の識別情報と共に対象取引の精算情報及び部分支払情報をサーバ装置30に送信する(S72)。
サーバ装置30は、商品登録装置10から送信された精算装置20の識別情報、精算情報及び部分支払情報を受信し、その識別情報で特定される精算装置20にその精算情報及び部分支払情報を送信する。但し、商品登録装置10は、ボタンB3に対応する精算装置20に精算情報及び部分支払情報を直接送信してもよい。これにより、その精算情報及び部分支払情報を取得した精算装置20は、商品登録装置10側で部分的に支払われた金額を除いた残金分の精算処理を実行することができる。この場合、顧客は、商品登録装置10側で一部の支払いを済ました後、指定された精算装置20の前に移動し、その精算装置20を操作することで、残金分の支払いを行い、精算を完了させることができる。
第一実施形態における商品登録装置10で実行される各処理の実行順序は、図6に示される例に限定されない。各処理の実行順序は、内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、商品登録装置10又はサーバ装置30により自動で精算装置20が選択される場合には、商品登録装置10は、指定画面を表示しなくてもよい。この場合、(S66)及び(S67)は不要となる。また、サーバ装置30により自動で精算装置20が選択される場合には、(S69)及び(S72)において精算装置20の識別情報が送信されなくてもよい。また、POSレジシステム1が会計券方式に対応する場合にも、(S66)及び(S67)は不要となる。精算情報の識別情報が可搬媒体に出力される場合には、商品登録装置10は、(S65;YES)の場合に、その出力処理を行えばよい。この場合、(S69)及び(S72)において、精算装置20の識別情報の代わりに、精算情報の識別情報がサーバ装置30に送信される。
〔第一実施形態の作用及び効果〕
上述したように第一実施形態では、商品登録装置10と精算装置20とが別体で設けられ、レジ処理が商品登録装置10での商品登録処理と精算装置20での精算処理とに分離される。通常運用では、商品登録装置10での商品登録処理で生成された精算情報は精算装置20に送られ、顧客は自ら精算装置20を操作することで精算を終える。これにより、第一実施形態によれば、レジの利用効率を向上し、顧客の精算にかかる時間を短縮することができる。
一方で、第一実施形態では、商品登録装置10に対する所定のユーザ操作(小計ボタンの操作)が検出されると、精算情報を出力する前に会計画面が表示される。商品登録装置10のユーザである店員は、会計画面を用いて、複数の支払い方法に対応する支払情報を設定することができる。ここで合計金額以上の支払いが行われ、会計画面に対して所定のユーザ操作(預/現計ボタンの操作)が行われると、商品登録装置10で精算処理が実行される。従って、店員は、精算装置20でサポートされていない支払い方法が要求された場合や、顧客が精算装置20の操作に困惑しそうと判断した場合などに、商品登録装置10において精算を終えることができる。これにより、高齢者や幼い子供等のように精算装置20を自ら操作することが難しい顧客にとっても、利用しやすいPOSレジを実現することができる。
更に、第一実施形態では、商品登録装置10に表示される会計画面で一部の支払い金額が設定された状態で、所定のユーザ操作(預/現計ボタンの操作)が検出されると、一部の支払い金額を含む部分支払情報が取得される。そして、その部分支払情報が、精算情報と共に、精算装置20に送られる。これにより、精算装置20では、商品登録装置10側で済まされた一部の支払いを除いた、残金分の精算処理が行われる。従って、第一実施形態によれば、合計金額の一部が商品登録装置10側で店員に対して支払われ、残りの金額が精算装置20の操作で支払われるといった支払い方法にも対応することができる。これにより、金券、ポイントやクーポン、電子マネー等を用いた支払いにも利用しやすいPOSレジを実現することができる。
[第二実施形態]
第二実施形態では、精算対象に特定商品が含まれる場合に、商品登録装置10で精算を完了させる。以下、第二実施形態におけるPOSレジシステム1について、第一実施形態と異なる内容を中心に説明する。以下の説明では、第一実施形態と同様の内容については適宜省略する。
〔処理構成〕
図7は、第二実施形態における商品登録装置10の処理構成例を概念的に示す図である。商品登録装置10は、情報取得部15に代えて、判定部16を更に有する。判定部16についても、他の処理モジュールと同様に、CPU2によりメモリ3に格納されるプログラムが実行されることにより実現される。プログラムについて上述したとおりである。
判定部16は、精算対象に特定商品が含まれるか否かを判定する。具体的には、判定部16は、取引格納部12に格納される、登録処理中の取引の精算情報を参照し、その精算情報に特定商品が含まれているかを判定する。また、判定部16は、精算対象に登録される商品の情報を登録部11から逐次取得することもできる。判定部16は、上記特定商品に該当する商品の商品コード又は商品名のリストを保持しておき、精算対象にそのリストに含まれる商品が含まれるか否かを判定する。
特定商品は、精算装置20で精算しないよう決められた商品である。例えば、タバコのクレジット決済を許可しない店舗がある。このような店舗において精算対象にタバコが含まれている場合には、顧客にその精算を精算装置20で行わせることは許されない。精算装置20では、クレジット決済を含む複数の支払い方法が自由に選択できるからである。このような場合に、判定部16は、精算対象にタバコが含まれるか否かを判定する。アルコール飲料等、消費者制限が設けられた商品が上記特定商品に設定されてもよい。
表示制御部13は、判定部16により精算対象に上記特定商品が含まれていると判定された場合に、会計画面を表示装置6に表示する。但し、第二実施形態で表示される会計画面には、第一実施形態と異なり、「取引出力」ボタンB6が設けられなくてもよい。
表示制御部13は、図3に例示される商品登録画面の「小計」ボタンB2を非表示状態又は操作不可能状態に設定しておき、判定部16により精算対象に上記特定商品が含まれていると判定された後に、「小計」ボタンB2を操作可能状態で表示してもよい。このとき、表示制御部13は、「取引出力」ボタンB1を非表示状態又は操作不可能状態に変えることもできる。このようにすれば、特定商品が清算対象に含まれている場合に、誤って精算装置20にその精算情報が送られることを防ぐことができる。
図8は、確認画面の例を示す図である。表示制御部13は、会計画面を表示する前に、図8に示されるような確認画面D1を表示装置6に表示することもできる。この場合には、商品登録画面には、「小計」ボタンB2は含まれていなくてもよい。表示制御部13は、確認画面D1に対するユーザ操作に基づいて、出力制御部14に精算情報を出力させるか、会計画面を表示するかを切り替えることもできる。図8の例では、「取引出力」ボタンB21が操作された場合に、表示制御部13は、その確認画面D1を表示する。表示制御部13は、「はい」ボタンB23が操作された場合には、会計画面を表示し、「いいえ」ボタンB22が操作された場合には、図4に例示される指定画面を表示する。
〔動作例〕
以下、第二実施形態におけるPOSレジシステム1の動作例について図9を用いて説明する。図9は、第二実施形態における商品登録装置10の動作例を示すフローチャートである。図9では、POSレジシステム1が指定方式に対応する場合の動作例が示され、図8に例示される画面が用いられている。図示される各工程は、例えば、商品登録装置10の各処理モジュールにより実行される。各工程は、各装置の上述の処理内容と同様であるため、各工程の詳細は、適宜省略される。
商品登録装置10は、商品登録処理を行う(S91)。(S91)は、図6の(S61)と同じである。店員は、全ての商品を登録し終えると、図8の「取引出力」ボタンB1を押下する。商品登録装置10は、「取引出力」ボタンB1に対するユーザ操作を検出すると(S92;YES)、(S91)で登録された精算対象に特定商品が含まれているか否かを判定する(S93)。特定商品は上述したとおりである。
商品登録装置10は、精算対象に特定商品が含まれていない場合(S94;NO)、指定画面を表示装置6に表示する(S95)。(S95)は、図6の(S66)と同じである。商品登録装置10は、指定画面の「送信」ボタンB3に対するユーザ操作を検出すると(S96;YES)、操作されたボタンB3に対応する精算装置20の識別情報と共に対象取引の精算情報をサーバ装置30に送信する(S97)。その精算情報の送信が成功すると、商品登録装置10は、新たな取引の商品登録処理を開始することができるようになる。精算情報送信後のサーバ装置30及び精算装置20の動作は、第一実施形態と同様である。
一方、商品登録装置10は、精算対象に特定商品が含まれている場合(S94;YES)、図8に例示されるような確認画面D1を表示装置6に表示する(S98)。確認画面D1は、商品登録装置10で精算処理を完了させるか否かを店員に選択させる画面である。商品登録装置10は、確認画面D1の「いいえ」ボタンB22に対するユーザ操作を検出すると(S99;いいえ操作)、指定画面を表示する(S95)。
商品登録装置10は、確認画面D1の「はい」ボタンB23に対するユーザ操作を検出すると(S99;はい操作)、会計画面を表示装置6に表示する(S100)。表示される会計画面は、「取引出力」ボタンB6が存在しない点を除き、図5に示される第一実施形態の会計画面と同一である。商品登録装置10は、会計画面の「預/現計」ボタンB7に対するユーザ操作を検出すると(S101;YES)、会計画面に設定されている支払情報に基づく精算処理を実行する(S102)。精算処理において、商品登録装置10は、お釣りの払出し、レシートの発行、領収書の発行等を実行する。このように、(S91)で登録された精算対象に特定商品が含まれている場合に、店員は、商品登録装置10で精算処理を完了させることができる。
図9に示される動作例では、確認画面が表示されたが(S98)、商品登録装置10は、確認画面を表示しなくてもよい。即ち、(S98)及び(S99)は実行されなくてもよい。この場合、商品登録装置10は、商品登録処理(S91)と並行して、特定商品の登録の判定(S93)を実行すればよい。商品登録装置10は、商品登録画面の初期状態において「小計」ボタンB2を非表示状態又は操作不可能状態に設定しておく。商品登録装置10は、精算対象に特定商品が含まれていると判定された後に、「小計」ボタンB2を表示状態又は操作可能状態に変更する。これにより、商品登録装置10は、店員が「小計」ボタンB2を押下した場合には、会計画面を表示し(S100)、店員が「取引出力」ボタンB1を押下した場合には、指定画面を表示する(S95)。
〔第二実施形態の作用及び効果〕
第二実施形態では、商品登録装置10において登録された精算対象に特定商品が含まれていない場合には、第一実施形態の通常運用時と同様に、精算情報が精算装置20に送られ、顧客は自ら精算装置20を操作することで精算を終える。これにより、レジの利用効率を向上し、顧客の精算にかかる時間を短縮することができる。
一方で、上述したとおり、店舗によっては、精算装置20で精算しないよう決められた商品が存在し得る。そこで、第二実施形態では、そのような特定商品が精算対象として登録された場合、確認画面が表示され、確認画面に対するユーザ操作に応じて、会計画面が表示されるか否かが切り替えられる。会計画面が表示されると、店員は、その会計画面を操作して、商品登録装置10側で精算処理を終えることができる。従って、第二実施形態によれば、店舗毎の特殊な運用にも適応することができ、店舗側にとっても利用しやすいPOSレジを実現することができる。
[第三実施形態]
第三実施形態では、精算情報を出力できない状況が検出された場合に、商品登録装置10で精算を完了させる。以下、第三実施形態におけるPOSレジシステム1について、第一及び第二実施形態と異なる内容を中心に説明する。以下の説明では、第一及び第二実施形態と同様の内容については適宜省略する。
〔処理構成〕
図10は、第三実施形態における商品登録装置10の処理構成例を概念的に示す図である。商品登録装置10は、情報取得部15及び判定部16を含まなくてもよい。
出力制御部14は、精算情報を出力できない状況を検出する。ここで、「精算情報を出力できない状況」は、商品登録装置10が精算情報を出力できない状況のみでなく、商品登録装置10は精算情報を出力できたが出力先でその精算情報を受信できない状況も含む。以降、「精算情報を出力できない状況」を「出力不可状況」と簡略して表記する場合もある。例えば、出力制御部14は、実際に精算情報の出力を試行し、その出力に失敗した際に、出力不可状況を検出する。また、出力制御部14は、精算情報の出力先となるサーバ装置30やプリンタなどの入出力装置7にデータを送れるかどうかを監視し、装置故障や通信異常などでデータを送れない状況であることを上記出力不可状況として検出することもできる。また、出力制御部14は、精算装置20に精算情報を直接送信できない状況を上記出力不可状況として検出することもできる。
表示制御部13は、出力制御部14により精算情報を出力できない状況が検出された場合に、会計画面を表示装置6に表示する。第三実施形態で表示される会計画面においても、第一実施形態と異なり、「取引出力」ボタンB6が設けられなくてもよい。表示制御部13は、会計画面を表示するために、図3に例示される商品登録画面を次のように制御することもできる。即ち、表示制御部13は、初期状態において、「小計」ボタンB2を非表示状態又は操作不可能状態に設定しておき、精算情報を出力できない状況が検出された後に、「小計」ボタンB2を表示状態又は操作可能状態に変更してもよい。このとき、表示制御部13は、「取引出力」ボタンB1を非表示状態又は操作不可能状態に変えることもできる。また、表示制御部13は、出力不可状況が検出された場合に、会計画面を表示する前に、確認画面を表示装置6に表示することもできる。
図11は、第三実施形態における確認画面の例を示す図である。表示制御部13は、会計画面を表示する前に、図11に示されるような確認画面D3を表示装置6に表示することもできる。この場合には、商品登録画面には、「小計」ボタンB2は含まれていなくてもよい。表示制御部13は、確認画面D3の「はい」ボタンB32に対するユーザ操作が検出されると、図5に例示される会計画面を表示する。
確認画面D3の表示タイミングは、出力制御部14による出力不可状況の検出タイミングに依存する。例えば、POSレジシステム1が会計券方式に対応する場合、「取引出力」ボタンB31に対するユーザ操作が検出されると、出力制御部14は、精算情報の印刷、又は精算情報の識別情報の印刷を行う。また、出力制御部14は、精算情報の識別情報及びその精算情報をサーバ装置30へ送信する。出力制御部14は、その実行の結果に基づいて出力不可状況を検出するか、又は、その実行の前に、既に出力不可状況を把握している。これにより、表示制御部13は、確認画面D3を表示する。結果として、図11に例示されるように、「取引出力」ボタンB31に対するユーザ操作の後に、確認画面D3が表示される場合がある。POSレジシステム1が指定方式に対応する場合については、動作例の項により説明する。
〔動作例〕
以下、第三実施形態におけるPOSレジシステム1の動作例について図12を用いて説明する。図12は、第三実施形態における商品登録装置10の動作例を示すフローチャートである。図12では、POSレジシステム1が指定方式に対応する場合の動作例が示され、図11に例示される画面が用いられている。図示される各工程は、例えば、商品登録装置10の各処理モジュールにより実行される。各工程は、各装置の上述の処理内容と同様であるため、各工程の詳細は、適宜省略される。
商品登録装置10は、商品登録処理を行う(S121)。(S121)は、図6の(S61)と同じである。店員は、全ての商品を登録し終えると、図11の「取引出力」ボタンB31を押下する。商品登録装置10は、「取引出力」ボタンB31に対するユーザ操作を検出すると(S122;YES)、指定画面の表示のために、対象取引の精算処理を行わせる候補となる各精算装置20の情報(識別情報、状態等)をサーバ装置30から取得する(S123)。このとき、商品登録装置10は、その情報の取得に成功すると(S124;YES)、その取得された各精算装置20の情報を反映させた指定画面を表示装置6に表示する(S125)。以降の(S126)及び(S127)は、図9に示される(S96)及び(S97)と同じである。
一方、商品登録装置10は、各精算装置20の情報の取得に失敗すると(S124;NO)、確認画面を表示装置6に表示する(S128)。この失敗には様々な原因があり得る。例えば、商品登録装置10の通信ユニット4の故障、商品登録装置10とサーバ装置30との間のネットワーク異常、サーバ装置30の故障などが発生した場合に失敗する。商品登録装置10は、図11に例示される確認画面D3に対するユーザ操作を検出すると、会計画面を表示する(S129)。表示される会計画面は、「取引出力」ボタンB6が存在しない点を除き、図5に示される第一実施形態の会計画面と同一である。以降の(S130)及び(S131)は、図9に示される(S101)及び(S102)と同じである。
図12に示される動作例では、確認画面が表示されたが(S98)、商品登録装置10は、確認画面を表示しなくてもよい。即ち、(S128)は実行されなくてもよい。この場合、商品登録装置10は、商品登録画面の初期状態において「小計」ボタンB2を非表示状態又は操作不可能状態に設定しておく。商品登録装置10は、各精算装置20の情報の取得に失敗した場合(S124;NO)、「取引出力」ボタンに対する操作では特に何も処理せず(エラー表示をしてもよい)、「小計」ボタンB2を表示状態又は操作可能状態に変更する。これにより、商品登録装置10は、店員が「小計」ボタンB2を押下することで、会計画面を表示する(S129)。
〔第三実施形態の作用及び効果〕
第三実施形態では、精算情報が正常に出力される場合には、第一実施形態の通常運用時と同様に、精算情報が精算装置20に送られ、顧客は自ら精算装置20を操作することで精算を終える。これにより、レジの利用効率を向上し、顧客の精算にかかる時間を短縮することができる。
一方で、通信異常、サーバ装置30の故障、商品登録装置10のプリンタ(入出力装置7)の故障などが発生した場合には、精算装置20が、商品登録装置10で登録された商品の精算情報を取得できず、精算処理を行うことができない。そこで、第三実施形態では、精算情報を出力できない状況が検出された場合に、会計画面が表示される。会計画面が表示されると、店員は、その会計画面を操作して、商品登録装置10側で精算処理を終えることができる。従って、第三実施形態によれば、POSレジシステム1の異常時にも商品登録装置10で精算を完了させることができるため、店舗側にとっても利用しやすいPOSレジを実現することができる。
[第三実施形態の変形例]
図13は、第三実施形態の変形例における商品登録装置10の処理構成例を概念的に示す図である。商品登録装置10は、情報取得部15及び判定部16に代えて、状態取得部17を更に有する。状態取得部17についても他の処理モジュールと同様に、CPU2によりメモリ3に格納されるプログラムが実行されることにより実現される。プログラムについて上述したとおりである。
状態取得部17は、精算情報の送信先候補の精算装置20の状態情報を取得する。サーバ装置30が各精算装置20の状態をそれぞれ管理している場合には、状態取得部17は、サーバ装置30からその状態情報を取得する。状態取得部17は、各精算装置20から状態情報を直接取得することもできる。精算装置20の状態情報は、新たな精算情報をその精算装置20に送ることが許される状態か否かを示せばよい。例えば、その状態情報は、精算装置20が新たな精算情報を受け付け可能な状態か否かを示す。精算装置20が、精算処理中の精算情報に加えて、処理待ちの精算情報を保持することができる場合、当該状態情報は、その保持できる数を超えているか否かを示してもよい。また、精算装置20が処理待ちの精算情報を保持できない場合、当該状態情報は、精算処理中か否か、又は空き状態か否かを示してもよい。
この場合、出力制御部14は、状態取得部17により取得された状態情報に基づいて、上述の出力不可状況を検出してもよい。例えば、精算情報の送信先候補の全ての精算装置20の状態が新たな精算情報を受け付け不可能な状態を示す場合に、出力制御部14は、出力不可状況を検出する。
図14は、第三実施形態の変形例における商品登録装置10の動作例を示すフローチャートである。本変形例では、図12に例示される動作に、(S141)が付加されている。商品登録装置10は、指定画面を表示し(S125)、指定画面に表示される全ての精算装置20の状態が新たな精算情報を受け付け不可能な状態を示す場合に(S141;NO)、確認画面を表示する(S128)。新たな精算情報を受け付け可能な精算装置20が1台でも存在した場合には、(S126)以降が実行される。
図15は、第三実施形態の変形例における確認画面の例を示す図である。表示制御部13は、指定画面を表示させた上で、図15に示されるような確認画面D4を表示することができる。指定画面を表示させることで、各精算装置20の状態を店員は確認することができる。表示制御部13は、確認画面D4の「はい」ボタンB41に対するユーザ操作が検出されると、図5に例示される会計画面を表示すればよい。
本変形例によれば、現取引の精算情報を直ぐに処理できる精算装置20が存在しない場合に、商品登録装置10で精算を完了させることができる。従って、レジの利用効率を向上し、顧客の精算にかかる時間を短縮することができる。
[第四実施形態]
第四実施形態では、顧客の情報が所定条件を満たす場合に、商品登録装置10で精算を完了させる。以下、第四実施形態におけるPOSレジシステム1について、上述と異なる内容を中心に説明する。以下の説明では、上述と同様の内容については適宜省略する。
〔処理構成〕
図16は、第四実施形態における商品登録装置10の処理構成例を概念的に示す図である。商品登録装置10は、情報取得部15、判定部16及び状態取得部17に代え、識別取得部18を更に有する。識別取得部18についても他の処理モジュールと同様に、CPU2によりメモリ3に格納されるプログラムが実行されることにより実現される。プログラムについて上述したとおりである。
識別取得部18は、顧客の個人識別情報を取得する。個人識別情報は、個人を識別し得る情報である。個人を識別し得るとは、完全に識別できることのみならず、識別の可能性を有することも含む。識別取得部18により取得される個人識別情報は、例えば、顧客のID(Indentification)データ、顧客の生体情報(顔、指紋、虹彩、静脈、声紋等)等である。商品登録装置10は、生体情報を採取する装置を入出力装置7として有し、識別取得部18は、その装置から取得された生体情報を個人識別情報として取得する。また、商品登録装置10は、カードリーダを入出力装置7として有し、識別取得部18は、カードリーダで顧客の所持する会員カードや携帯端末から読み取られる顧客のIDを取得してもよい。
表示制御部13は、識別取得部18により取得された個人識別情報に基づいて特定された顧客の情報が所定条件を満たす場合に、会計画面を表示装置6に表示する。具体的には、商品登録装置10又はサーバ装置30は、顧客毎に、個人識別情報とその顧客の情報とが関連付けられた顧客情報テーブル(図示せず)を保持する。表示制御部13は、識別取得部18により取得された個人識別情報を、その顧客情報テーブルに格納される個人識別情報と照合することで、その取得された個人識別情報で特定される顧客の情報を顧客情報テーブルから抽出する。個人識別情報に基づく顧客の情報の特定は、サーバ装置30により実行されてもよい。この場合には、表示制御部13は、個人識別情報をサーバ装置30に送ることで、サーバ装置30からその個人識別情報に対応する顧客の情報を取得することができる。
個人識別情報の取得タイミング、及び顧客情報の判定タイミングは、任意である。例えば、個人識別情報の取得後すぐに、その個人識別情報を用いて顧客の情報が取得され、その顧客の情報が所定条件を満たすか否かが判定されてもよい。また、個人識別情報の取得は前以て行われており、商品登録画面の「取引出力」ボタンB41に対するユーザ操作が検出されたタイミングで、顧客の情報が所定条件を満たすか否かが判定されてもよい。
本実施形態は顧客の情報の内容を制限しない。顧客の情報は、例えば、年齢、性別等の属性、精算方法の好み情報、支払い方法の指定情報等の少なくとも一つを含む。精算方法の好み情報は、例えば、精算装置20で精算をしたいか否かを示す。支払い方法の指定情報は、顧客が選択する基本的な支払い方法を指定する情報であり、例えば、クレジットカード支払い、電子マネー支払い等を指定する。商品登録装置10又はサーバ装置30で保持される顧客情報テーブルは、顧客により、携帯端末等のコンピュータを介して更新されてもよい。これにより、顧客は、予め、好みの支払い方法を指定することができる。
表示制御部13は、このような顧客の情報が所定条件を満たす場合に、会計画面を表示する。会計画面は、上述の各実施形態と同様である。表示制御部13はこの所定条件を予め保持することができる。本実施形態は、この所定条件を制限しない。例えば、表示制御部13は、顧客の年齢が所定上限年齢(70歳)を超える場合、又は所定下限年齢(7歳)を下回る場合に、会計画面を表示する。これにより、精算装置20の操作に不慣れな高齢者や幼児が顧客の場合には、商品登録装置10で精算を完了させることができる。また、表示制御部13は、クレジットカード支払いや電子マネー支払いのように、現金支払いに比べて支払いに時間を要しない支払い方法の指定情報を登録している顧客の精算については、商品登録装置10で精算を完了させてもよい。また、精算装置20がサポートしていない支払い方法(電子マネー等)を指定情報として登録している顧客の精算を商品登録装置10で完了させてもよい。
表示制御部13は、図3に例示される商品登録画面において、「小計」ボタンB2を非表示状態又は操作不可状態に設定しておき、顧客の情報が所定条件を満たすことを認識した際に、そのボタンB2を表示状態又は操作可能状態に変更することもできる。表示制御部13は、ボタンB2を表示状態又は操作可能状態に変更する際に、「取引出力」ボタンB1を非表示状態又は操作不可状態に変更することもできる。これにより、店員は、「小計」ボタンB2を操作することにより、会計画面を開くことができる。また、表示制御部13は、顧客の情報が所定条件を満たすことを認識した際に、会計画面を表示する前に、確認画面を表示装置6に表示することもできる。
図17は、第四実施形態における確認画面の例を示す図である。表示制御部13は、商品登録画面の「取引出力」ボタンB41に対するユーザ操作が検出されると、顧客の属性情報が所定条件を満たすか否かを判定し、満たす場合に、確認画面D5を表示する。表示制御部13は、確認画面D5に対するユーザ操作に基づいて、出力制御部14に精算情報を出力させるか、会計画面を表示するかを切り替えることができる。表示制御部13は、「はい」ボタンB43が操作された場合には、会計画面を表示し、「いいえ」ボタンB42が操作された場合には、出力制御部14に精算情報を出力させる。
〔動作例〕
以下、第四実施形態におけるPOSレジシステム1の動作例について図18を用いて説明する。図18は、第四実施形態における商品登録装置10の動作例を示すフローチャートである。図18では、POSレジシステム1が指定方式に対応する場合の動作例が示され、図17に例示される画面が用いられている。図示される各工程は、例えば、商品登録装置10の各処理モジュールにより実行される。各工程は、各装置の上述の処理内容と同様であるため、各工程の詳細は、適宜省略される。
商品登録装置10は、商品登録処理を行う(S181)。(S181)は、図6の(S61)と同じである。商品登録装置10は、(S181)の前、又は(S181)を実行しながら、任意のタイミングで、顧客の個人識別情報を取得する(S182)。個人識別情報については上述のとおりである。店員は、全ての商品を登録し終えると、図17の「取引出力」ボタンB41を押下する。顧客の個人識別情報の取得(S182)は、「取引出力」ボタンB41に対するユーザ操作が検出された後に実行されてもよい。
商品登録装置10は、「取引出力」ボタンB41に対するユーザ操作を検出すると(S183;YES)、(S182)で取得された個人識別情報に基づいて特定された顧客の情報が所定条件を満たすか否かを判定する(S184)。この判定についても(S182)の実行後の任意のタイミングで実行可能である。商品登録装置10は、顧客の情報が所定条件を満たさない場合(S184;NO)、図4に例示される指定画面を表示装置6に表示する(S185)。以降の(S186)及び(S187)は、図9に示される(S96)及び(S97)と同じである。
一方、商品登録装置10は、顧客の情報が所定条件を満たす場合(S184;YES)、図17に例示される確認画面D5を表示装置6に表示する(S188)。商品登録装置10は、図17に例示される確認画面D5の「はい」ボタンB43に対するユーザ操作を検出すると(S189;YES)、図5に例示される会計画面を表示する(S190)。以降の(S191)及び(S192)は、図9に示される(S101)及び(S102)と同じである。商品登録装置10は、確認画面D5の「いいえ」ボタンB42に対するユーザ操作を検出すると(S189;NO)、指定画面を表示する(S185)。
図18に示される動作例では、確認画面が表示されたが(S188)、商品登録装置10は、確認画面を表示しなくてもよい。即ち、(S188)及び(S189)は実行されなくてもよい。この場合、商品登録装置10は、商品登録処理(S181)と並行して、個人識別情報の取得(S182)及び顧客情報の判定(S184)を実行すればよい。商品登録装置10は、商品登録画面の初期状態において「小計」ボタンB2を非表示状態又は操作不可能状態に設定しておく。商品登録装置10は、顧客の情報が所定条件を満たすことを認識した後に、「小計」ボタンB2を表示状態又は操作可能状態に変更する。これにより、商品登録装置10は、店員が「小計」ボタンB2を押下した場合には、会計画面を表示し(S190)、店員が「取引出力」ボタンB1を押下した場合には、指定画面を表示する(S185)。
〔第四実施形態の作用及び効果〕
第四実施形態では、顧客の個人識別情報が取得され、POSレジシステム1で予め保持される顧客情報テーブルからその個人識別情報に対応する顧客の情報が取得される。この顧客の情報が所定条件を満足しない場合には、第一実施形態の通常運用時と同様に、精算情報が精算装置20に送られ、顧客は自ら精算装置20を操作することで精算を終える。これにより、レジの利用効率を向上し、顧客の精算にかかる時間を短縮することができる。
一方で、第四実施形態では、顧客の情報が所定条件を満足する場合には、会計画面が表示される。会計画面が表示されると、店員は、その会計画面を操作して、商品登録装置10側で精算処理を終えることができる。第四実施形態によれば、顧客毎に予め登録されている情報に応じて、顧客毎の精算を、商品登録装置10で済ませるか、顧客の操作に委ねて精算装置20で行うかを切り替えることができる。従って、顧客の年齢や支払いパターンに応じて、顧客にとって便利な方法で精算を行うことができるため、顧客にとって利便性の高いPOSレジを実現することができる。
[変形例]
上述の第二、第三、及び第四実施形態、並びに第三実施形態の変形例では、確認画面に対するユーザ操作、又は「小計」ボタンに対するユーザ操作により、会計画面が表示された。しかしながら、商品登録装置10は、ユーザ操作によらず、自動で会計画面を表示してもよい。また、上述の商品登録画面の例では、「小計」ボタンが会計画面を表示させるための操作ボタンであり、「取引出力」ボタンが精算情報の出力を行うための操作ボタンである。言うまでもなく、各操作ボタンの名称(表記)は、「小計」及び「取引出力」に限定されない。
更に、上述の第二、第三、及び第四実施形態、並びに第三実施形態の変形例においても、図5に例示されるように、会計画面に「取引出力」ボタンB6が存在していてもよい。
[第五実施形態]
以下、第五実施形態における商品登録装置及び精算支援方法について図19及び図20を用いて説明する。また、第五実施形態は、この精算支援方法を少なくとも1つのコンピュータに実行させるプログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録した当該少なくとも1つのコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。
第五実施形態における商品登録装置は、図1に示される商品登録装置10と同様のハードウェア構成を有する。
図19は、第五実施形態における商品登録装置100の処理構成例を概念的に示す図である。図19に示されるように、商品登録装置100は、表示制御部101及び出力制御部102を有する。表示制御部101及び出力制御部102は、例えば、CPU2によりメモリ3に格納されるプログラムが実行されることにより実現される。また、当該プログラムは、例えば、CD、メモリカード等のような可搬型記録媒体やネットワーク上の他のコンピュータから通信ユニット4を介してインストールされ、メモリ3に格納されてもよい。
表示制御部101は、精算対象に登録された商品の情報を表示装置6(表示部)に表示する。表示制御部101は、表示制御部13に相当する。
出力制御部102は、当該精算対象に登録された商品の精算処理を行う際に精算装置20が利用する精算情報を出力する。出力制御部102は出力制御部14に相当する。精算情報の出力形態は上述の通り様々である。
所定条件に応じて、出力制御部102が当該精算情報を出力せずに、表示制御部101が複数の支払い方法に対応する支払情報を設定可能な会計画面を表示装置6に表示する。若しくは、所定条件に応じて、出力制御部102が当該精算情報を出力する前に、表示制御部101が当該会計画面を表示装置6に表示する。当該「所定条件」の具体例が、上述の各実施形態でそれぞれ例示されている。例えば、第一実施形態では、「商品登録画面が表示されている際に所定のユーザ操作が検出されること」が「所定条件」に相当する。第二実施形態では、「精算対象に特定商品が含まれていること」が「所定条件」に相当する。第三実施形態及び第三実施形態の変形例では、「精算情報を出力できない状況が検出されること」が「所定条件」に相当する。第四実施形態では、「顧客の情報が所定条件を満たすこと」が「所定条件」に相当する。但し、「所定条件」の具体的内容は、このような例に制限されない。
図19に示されるように、商品登録装置100は、登録部11及び取引格納部12を有していなくてもよい。表示制御部101は、精算対象に登録された商品の情報を、取引格納部12を有する他の装置から取得することができる。表示制御部101が判断する上記所定条件には、上述の各実施形態で例示された条件が用いられてもよいし、それ以外の条件が用いられてもよい。
図20は、第五実施形態における商品登録装置100の動作例を示すフローチャートである。図20に示されるように、第五実施形態における精算支援方法は、商品登録装置100のような少なくとも1つのコンピュータにより実行される。例えば、図示される各工程は、商品登録装置100が有する各処理モジュールにより実行される。
第五実施形態における精算支援方法は、精算対象に登録された商品の情報を表示装置6(表示部)に表示し(S201)、その精算対象に登録された商品の精算処理を行う際に精算装置20が利用する精算情報を出力する(S203)ことを含む。この出力された精算情報に基づいて精算装置20により精算処理が行われ、精算が完了する。第五実施形態における精算支援方法は、所定条件が発生した場合に(S202;YES)、精算情報を出力せず(F205)、又は精算情報の出力の前に(F206)、会計画面を表示する(S204)ことを更に含む。会計画面が表示され(S204)、かつ精算情報が出力されない(F205)場合には、精算装置20で精算ができないため、精算情報を有する商品登録装置100又は他の装置がその精算情報に基づく精算処理を行うことになる。
第五実施形態によれば、上述の各実施形態及び変形例と同様の作用効果を得ることができる。
なお、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態及び各変形例で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態及び各変形例では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態及び各変形例は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
上記の内容の一部又は全部は、以下のようにも特定され得る。但し、上述の内容が以下の記載に限定されるものではない。
1. 精算対象に登録された商品の情報を表示部に表示する表示制御手段と、
前記精算対象に登録された商品の精算処理を行う際に精算装置が利用する精算情報を出力する出力制御手段と、
を備え、
所定条件に応じて、前記出力制御手段が前記精算情報を出力せずに、前記表示制御手段が複数の支払い方法に対応する支払情報を設定可能な会計画面を前記表示部に表示する、又は、
前記所定条件に応じて、前記出力制御手段が前記精算情報を出力する前に、前記表示制御手段が前記会計画面を表示する、
商品登録装置。
2. 前記会計画面に設定された一部の支払い金額を含む部分支払情報を取得する情報取得手段、
を更に備え、
前記出力制御手段は、前記取得された部分支払情報及び前記精算情報を出力する、
1.に記載の商品登録装置。
3. 前記精算対象に特定商品が含まれるか否かを判定する判定手段、
を更に備え、
前記表示制御手段は、前記精算対象に特定商品が含まれる場合に、前記会計画面を前記表示部に表示する、
1.又は2.に記載の商品登録装置。
4. 前記出力制御手段は、前記精算情報を出力できない状況を検出し、
前記表示制御手段は、前記状況が検出された場合に、前記会計画面を前記表示部に表示する、
1.から3.のいずれか1つに記載の商品登録装置。
5. 前記精算情報の送信先候補の精算装置の状態情報を取得する状態取得手段、
を更に備え、
前記出力制御手段は、前記取得された状態情報に基づいて、前記精算情報を出力できない状況を検出する、
4.に記載の商品登録装置。
6. 顧客の個人識別情報を取得する識別取得手段、
を更に備え、
前記表示制御手段は、前記取得された個人識別情報に基づいて特定された前記顧客の情報が所定条件を満たす場合に、前記会計画面を前記表示部に表示する、
1.から5.のいずれか1つに記載の商品登録装置。
7. 前記表示制御手段は、前記会計画面を表示する前に確認画面を前記表示部に表示し、前記確認画面に対するユーザ操作に基づいて、前記会計画面を表示する、
1.から6.のいずれか1つに記載の商品登録装置。
8. 商品登録装置により実行される精算支援方法において、
精算対象に登録された商品の情報を表示部に表示し、
前記精算対象に登録された商品の精算処理を行う際に精算装置が利用する精算情報を出力し、
所定条件に応じて、前記精算情報を出力せず、又はその出力の前に、複数の支払い方法に対応する支払情報を設定可能な会計画面を前記表示部に表示する、
ことを含む精算支援方法。
9. 前記会計画面に設定された一部の支払い金額を含む部分支払情報を取得し、
前記精算情報と共に、前記取得された部分支払情報を出力する、
ことを更に含む8.に記載の精算支援方法。
10. 前記精算対象に特定商品が含まれるか否かを判定する、
ことを更に含み、
前記会計画面の表示は、前記精算対象に特定商品が含まれる場合に、前記会計画面を前記表示部に表示する、
8.又は9.に記載の精算支援方法。
11. 前記精算情報を出力できない状況を検出する、
ことを更に含み、
前記会計画面の表示は、前記状況が検出された場合に、前記会計画面を前記表示部に表示する、
8.から10.のいずれか1つに記載の精算支援方法。
12. 前記精算情報の送信先候補の精算装置の状態情報を取得する、
ことを更に含み、
前記精算情報を出力できない状況の検出は、前記取得された状態情報を用いる、
11.に記載の精算支援方法。
13. 顧客の個人識別情報を取得する、
ことを更に含み、
前記会計画面の表示は、前記取得された個人識別情報に基づいて特定された前記顧客の情報が所定条件を満たす場合に、前記会計画面を前記表示部に表示する、
8.から12.のいずれか1つに記載の精算支援方法。
14. 前記会計画面を表示する前に確認画面を前記表示部に表示する、
ことを更に含む8.から13.のいずれか1つに記載の精算支援方法。
15. 8.から13.のいずれか1つに記載の精算支援方法を少なくとも1つのコンピュータに実行させるプログラム。
この出願は、2015年2月27日に出願された日本出願特願2015−039638号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (8)

  1. 精算対象として登録された商品の精算処理に関する精算情報を精算装置に送信する送信手段と、
    前記精算情報を出力できない状況を検出する検出手段と、
    前記状況が検出された場合に、支払方法選択する会計画面を表示部に表示する表示制御手段と、を有する商品登録装置。
  2. 前記会計画面を用いて登録された一部の支払い金額を含む部分支払情報を取得する情報取得手段を備え、
    前記送信手段は、前記取得された部分支払情報及び前記精算情報を送信する、請求項1に記載の商品登録装置。
  3. 前記精算情報の送信先候補の精算装置の状態情報を取得する状態取得手段を備え、
    前記検出手段は、前記取得された状態情報に基づいて、前記精算情報を出力できない状況を検出する、請求項1又は2に記載の商品登録装置。
  4. 前記精算対象に特定商品が含まれるか否かを判定する判定手段を備え、
    前記表示制御手段は、前記精算対象に特定商品が含まれる場合に、前記会計画面を前記表示部に表示する、請求項1から3のいずれか1項に記載の商品登録装置。
  5. 顧客の個人識別情報を取得する識別取得手段を備え、
    前記表示制御手段は、前記取得された個人識別情報に基づいて特定された前記顧客の情報が所定条件を満たす場合に、前記会計画面を前記表示部に表示する、請求項1から4のいずれか1項に記載の商品登録装置。
  6. 前記表示制御手段は、前記会計画面を表示する前に確認画面を前記表示部に表示し、前記確認画面に対するユーザ操作に基づいて、前記会計画面を表示する、請求項1から5のいずれか1項に記載の商品登録装置。
  7. 商品登録装置により実行される精算支援方法において、
    精算対象として登録された商品の精算処理に関する精算情報を精算装置に送信する送信ステップと、
    前記精算情報を出力できない状況を検出する検出ステップと、
    前記状況が検出された場合に、支払方法選択する会計画面を表示部に表示する表示制御ステップと、を含む精算支援方法。
  8. 請求項7に記載の精算支援方法を少なくとも1つのコンピュータに実行させるプログラム。
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