以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態の商品販売データ処理システムは、例えばスーパーマーケットなどの店舗に設置されるチェックアウトシステムとして実現される。チェックアウトシステム(商品販売データ処理システム)は、少なくとも1台の商品登録機と、少なくとも1台の会計機と、商品登録機及び会計機とネットワークを介して接続されるストアコンピュータ(店舗サーバ)とを含む。登録機と会計機とは、商品販売データ処理装置の構成に含まれる。
図1は、本実施形態のチェックアウトシステムにおける商品販売データ処理装置(登録機、会計機)の配置例を示す平面図である。図1では、1台の登録機10(商品登録レジ)と2台の会計機12(12−1,12−2)(会計レジ)を設けた例を示している。
登録機10は、買物客4(4−1)が購入しようとする商品の情報を登録して、会計機12における会計処理(決済処理)に用いる登録情報を生成するための装置である。登録機10は、チェッカー2と呼ばれる従業員によって商品の登録操作がされる。なお、登録機10は、登録情報に基づいて、チェッカー2の操作により会計機12と同様の会計処理をする機能を設けることも可能である。
会計機12は、登録機10により生成された登録情報を受信し、この登録情報に基づく会計処理をするための装置である。会計機12は、買物客4(4−2,4−3)により操作される。なお、会計機12は、チェッカー2、あるいはチェッカー2とは別の店員が操作することも可能である。
登録機10は、レジ台5に取り付けられる。レジ台5は、例えばL形の天板を有している。チェッカー2は、買物客4−1により商品が入れられた買い物カゴ7がレジ台5に置かれると、買い物カゴ7の商品について登録操作を行う。例えば、チェッカー2は、商品に付された商品情報(商品コード)をスキャナにより読み取らせるためのスキャン操作(商品情報の読み取り操作)をする。
本実施形態における商品販売データ処理装置では、登録機10において、1つの取引において販売の対象とされる全ての商品、すなわち買物客4−1が購入しようとする全ての商品について登録情報の生成が完了して、チェッカー2により登録処理の終了が指示される前(締め操作が実行される前)に、買物客4−1が会計機12に移動して会計処理を開始することができる。このため、チェッカー2は、登録処理が完了した買い物カゴ7を、レジ台5の会計機12の近くに置いて、会計機12の近くに移動した買物客4−2,4−3が取りやすいようにする。
会計機12は、例えば登録機10が取り付けられたレジ台5の近くに配置された袋詰め台6に取り付けられる。図1では、2台の会計機12−1,12−2が配置された例を示している。
図1に示すように、会計機12−1,12−2を登録機10の近くに配置することにより、チェッカー2は、作業的に余裕があれば、会計機12−1,12−2を操作する買物客4−2,4−3の様子を確認することができる。
なお、図1では、1台の登録機10に対して2台の会計機12−1,12−2が配置された例を示しているが、1台の登録機10に対して3台以上の会計機12を配置しても良い。また、登録機10と会計機12との組み合わせを不特定としても良い。すなわち、複数の登録機10によりそれぞれ生成された登録情報について、複数の会計機12の何れにおいても会計処理をできるようにしても良い。また、登録機10が設置されたレジ台5に、1台あるいは複数台の会計機12を配置するようにしても良い。
図2は、本実施形態におけるチェックアウトシステム(商品販売データ処理システム)の構成を示すブロック図である。
図2に示す例では、複数台(m台)の登録機10−1,…,10−mと、複数台(n台)の会計機12−1,…,12−nが設けられた例を示している。登録機10−1,…,10−m、会計機12−1,…,12−n、及びストアコンピュータ(サーバ)14は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク16を介して接続され、相互にデータを送受信することができる。
ストアコンピュータ14は、チェックアウトシステムに含まれる全ての登録機10及び会計機1を管理する。ストアコンピュータ14は、登録機10(10−1,…,10−m)により生成された登録情報を受信し、会計処理が実行される会計機12(12−1,…,12−n)の何れかに送信する。
図3は、本実施形態における登録機10(10−1,…,10−m)の構成を示すブロック図である。
登録機10は、CPU(central processing unit)20、ROM(read-only memory)21、RAM(random-access memory)22、ハードディスク装置(HDD(Hard disk drive))23、I/F(インタフェース)ユニット24、スキャナ25、キーボード26、タッチパネル27、通信部28、プリンタ29、及びカードリーダライタ30を含む。
CPU20は、ROM21及びRAM22に記録されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムに基づいて、登録機10としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
ROM21及びRAM22は、CPU20により実行される各種プログラムの他、CPU20が各種の処理を行う上で参照するデータを記録する。RAM22には、商品の情報をもとに登録情報を生成する処理が実行される場合、買物客4による商品の購入(取引)に対して発行された取引ID(詳細については後述する)と、各商品についてのスキャン操作により読み取られた情報をもとに生成した登録情報とを対応づけた登録情報リストが記録される。
CPU20により実行されるプログラムには、商品の情報(商品コード等)を入力する処理、商品の情報に応じた会計処理に用いられる登録情報を生成する処理、1つの取引(通常、一人の買物客4による商品の購入)を識別するための識別情報(取引ID)を発行する処理、登録情報をもとにした会計処理、登録情報をストアコンピュータ14に送信して記録させる処理などを実行するための制御プログラムが含まれる。
HDD23は、コンピュータの補助記録部分に相当する。HDD23は、CPU20が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU20での処理によって生成されたデータを保存する。なお、HDD23に代えて、例えばSSD(solid state drive)などを使用することもできる。
I/F(インタフェース)ユニット24は、CPU20、ROM21、RAM22、HDD23、スキャナ25、通信部28、タッチパネル27、プリンタ29、及びカードリーダライタ30の間で授受されるデータを伝送する。I/Fユニット24は、例えば、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものが利用できる。
スキャナ25は、光学的スキャンにより商品の情報を読み取って、商品に固有の商品コードを入力する。スキャナ25は、固定式またはハンディ式の2次元コードスキャナとしても良いし、商品を撮影した画像から画像認識技術を利用して商品を識別するタイプとしても良い。また、スキャナ25は、1つのタイプのみを設けても良いし、複数のタイプのものを設けても良い。
キーボード26は、金額を入力するための数字キー、小計及び合計等の演算を実行させるための演算キー、各種コマンド入力用のキー、複数の商品を割り当てることができる商品キーなどが設けられており、各キーに対する操作に応じたコマンドを出力する。
タッチパネル27は、表示デバイス及びタッチセンサを含む。表示デバイスは、GUI(Graphical User Interface)画面などの任意の画面を表示する。例えば、表示デバイスは、購入対象として登録された商品に関する登録情報(商品名、金額など)の一覧リスト、小計金額、各種のメニュー、及びコマンドを入力するためのボタンなどを表示する。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD(Liquid Crystal Display)等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置される。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU20へと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
通信部28は、LAN13を介して、ストアコンピュータ14及び会計機12との通信を行う。
プリンタ29は、例えばサーマルプリンタまたはドットインパクトプリンタなどであり、レシート用紙に対して各種の文字列、画像、コードパターン(2次元コードなど)などを印刷することにより、レシート等を発行する。
カードリーダライタ30は、カードに記録されたデータを読み取るとともに、カードへデータを書き込む。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどの決済用カードの他に、メンバーズカード、ポイントカードなどの会計処理に関わる情報を記録する各種のカードを含み得る。カードリーダライタ30は、磁気式、接触式、あるいは非接触式の何れのデバイスであっても良いし、また複数種のデバイスを含んでいても良い。カードリーダライタ30は、チェッカー2だけでなく、買物客4が操作することも可能である。
また、登録機10には、買物客4に各種情報を提供するためのディスプレイ(例えばLCD)、あるいは買物客4の入力操作を受け付けることができるタッチパネルを設けることも可能である。さらに、登録機10には、硬貨及び紙幣を収受する釣り銭機を設けることも可能である。
図4は、本実施形態における会計機12(12−1,…,12−n)の構成を示すブロック図である。
会計機12は、CPU40、ROM41、RAM42、HDD43、I/F(インタフェース)ユニット44、スキャナ45、タッチパネル46、釣り銭機47、通信部48、プリンタ49、及びカードリーダライタ50を含む。
CPU40は、ROM41及びRAM42に記録されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムに基づいて、会計機12としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
ROM41及びRAM42は、各種プログラムの他、CPU40が各種の処理を行う上で参照するデータを記録する。
CPU40により実行されるプログラムには、各種処理を実行するための制御プログラムが含まれる。各種処理には、例えば登録機10における登録処理により生成された登録情報を受信して、この登録情報に基づいた買物客4の操作による会計処理がある。本実施形態では、会計処理に含まれる決済準備処理は、登録機10における1取引についての登録処理が完了する前に開始することができる。例えば、決済準備処理には、支払い方法の選択(例えば、現金、クレジットカード、電子マネーなどの選択、クレジットカードや電子マネーの種類の選択など)、クーポン情報の入力などがある。決済準備処理には、その他の決済処理の前に行われる処理が含まれていても良い。
HDD43は、コンピュータの補助記録部分に相当する。HDD43は、CPU40が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU40での処理によって生成されたデータを保存する。なお、HDD43に代えて、例えばSSDなどを使用することもできる。
I/F(インタフェース)ユニット44は、CPU40、ROM41、RAM42、HDD43、スキャナ45、タッチパネル46、釣り銭機47、通信部48、プリンタ49、カードリーダライタ50の間で授受されるデータを伝送する。I/F(インタフェース)ユニット44は、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものが利用できる。
スキャナ45は、光学的スキャンにより情報を読み取って、コードを入力する。例えば、スキャナ45は、登録機10のプリンタ29によって印刷されたレシートのコード(例えば、2次元コード)を読み取るために使用される。レシートには、登録機10において発行される、1つの取引(通常は一人の買物客による商品購入)を識別するための識別情報(取引ID)を示すコードが印刷される。スキャナ25は、固定式またはハンディ式の2次元コードスキャナとしても良いし、商品を撮影した画像から画像認識技術を利用して商品を識別するタイプとしても良い。また、スキャナ25は、1つのタイプのみを設けても良いし、複数のタイプのものを設けても良い。
タッチパネル46は、表示デバイス及びタッチセンサを含む。表示デバイスは、GUI画面などの任意の画面を表示する。例えば、表示デバイスは、購入対象として登録された商品に関する登録情報(商品名、金額など)の一覧リスト、小計金額、各種のメニュー、及びコマンドを入力するためのボタンなどを表示する。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD(Liquid Crystal Display)等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置される。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU40へと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
釣り銭機47は、投入される硬貨及び紙幣を収受する。また釣り銭機47は、釣銭とする硬貨及び紙幣を排出する。
通信部48は、LAN13を介して、ストアコンピュータ14及び登録機10との通信を行う。
プリンタ49は、例えばサーマルプリンタまたはドットインパクトプリンタなどであり、レシート用紙に対して各種の文字列または画像などを印刷することにより、レシート等を発行する。
カードリーダライタ50は、カードに記録されたデータを読み取るとともに、カードへデータを書き込む。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどの決済用カードの他に、メンバーズカードまたはポイントカードなどの会計処理に関わる情報を記録する各種のカードを含み得る。カードリーダライタ50は、磁気式、接触式、あるいは非接触式の何れのデバイスであっても良いし、また複数種のデバイスを含んでいても良い。
また、会計機12には、買物客4が近づいたことを検知することができる人感センサなどを設けても良い。
図5は、本実施形態におけるストアコンピュータ14の構成を示すブロック図である。
ストアコンピュータ14は、CPU(central processing unit)60、ROM(read-only memory)61、RAM(random-access memory)62、ハードディスク装置(HDD(Hard disk drive))63、I/F(インタフェース)ユニット64、キーボード66、ディスプレイ67、通信部68、及びプリンタ69を含む。
CPU60は、ROM61及びRAM62に記録されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムに基づいて、ストアコンピュータ14としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
ROM61及びRAM62は、CPU60により実行される各種プログラムの他、CPU60が各種の処理を行う上で参照するデータを記録する。RAM62には、登録機10から会計機12へ送信される登録情報リストを含む各種データ、登録機10から通知される登録処理の完了を示す登録確定情報などが一時的に記録される。
CPU60により実行されるプログラムには、複数の登録機10と会計機12の動作状況を管理するための制御プログラムの他、登録機10から登録情報リスト(取引IDと対応づけられた登録情報)を受信する処理、登録機10から受信した登録情報リストを会計機12に送信する処理、登録機10から受信される登録確定情報を、会計処理を実行する会計機12に送信する処理などを実行するための制御プログラムが含まれる。
HDD63は、コンピュータの補助記録部分に相当する。HDD63は、CPU60が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU60での処理によって生成されたデータを保存する。なお、HDD63に代えて、例えばSSD(solid state drive)などを使用することもできる。
I/F(インタフェース)ユニット64は、CPU60、ROM61、RAM62、HDD63、通信部68、ディスプレイ67、及びプリンタ69の間で授受されるデータを伝送する。I/Fユニット64は、例えば、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものが利用できる。
キーボード66は、金額を入力するための数字キー、小計及び合計等の演算を実行させるための演算キー、各種コマンド入力用のキー、複数の商品を割り当てることができる商品キーなどが設けられており、各キーに対する操作に応じたコマンドを出力する。
ディスプレイ67は、例えばカラーLCD(Liquid Crystal Display)等の周知のデバイスにより構成され、GUI(Graphical User Interface)画面などの任意の画面を表示する。例えば、ディスプレイ67は、登録機10及び会計機12の動作状況を管理するための画面、商品の販売状況を管理するための画面等などを表示する。
通信部68は、LAN13を介して、登録機10及び会計機12との通信を行う。
プリンタ69は、例えばサーマルプリンタまたはドットインパクトプリンタなどであり、各種データを印刷する。
次に、本実施形態における商品販売データ処理システムの動作について説明する。
図6は、本実施形態における登録機10の動作を説明するためのフローチャート、図7は、本実施形態におけるストアコンピュータ14の動作を説明するためのフローチャート、図8は、本実施形態における会計機12の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、図6に示すフローチャートを参照しながら、登録機10における登録処理について説明する。
チェッカー2は、買物客4によって買い物カゴ7がレジ台5に置かれると、登録機10により取引IDを発行させるための操作をする。CPU20は、チェッカー2の操作による取引IDの発行指示を検出すると(ActA1、Yes)、1つの取引に固有の取引IDを発行する(ActA2)。本実施形態における登録機10は、1つの取引における登録情報の生成終了を示す指示(締めキーに対する操作)が入力される前、すなわち1つの取引における登録情報の生成が開始される前、さらには登録情報の生成が開始された後の購入対象とする全ての商品について登録情報の生成が完了される前であっても、取引IDの発行の指示に応じて、1つの取引に固有の取引IDを発行することができる。
取引IDの発行は、例えば、第1の方法として、買物客4が所有しているメンバーズカードなどの記録媒体を利用する方法、第2の方法として、メンバーズカードなどの記録媒体を利用しないで登録機10が独自に発行する方法がある。
第1の方法では、チェッカー2は、例えばメンバーズカードを買物客4から預かり、カードリーダライタ30によりメンバーズカードに電子的に記録されたデータ、例えば買物客4に固有の会員(メンバー)番号を示すデータを読み取らせる。CPU20は、カードリーダライタ30によるメンバーズカードのデータ(会員番号)の読み取りを検出すると、取引IDの発行の指示が入力されたものと判別する。CPU20は、カードリーダライタ30によって読み取られたデータをもとに今回の取引に固有の取引IDを生成する。例えば、CPU20は、会員番号そのものを取引IDとすることもできるし、会員番号を含むように取引IDを生成することもできる。さらに、CPU20は、会員番号をもとに所定の規則に従って一意に生成されるデータを取引IDとすることも可能である。
なお、第1の方法を用いる場合、メンバーズカードのように電子的にデータが記録された媒体に限らず、紙媒体に記録(印刷)された、買物客4に固有の会員番号などを表す2次元コードなどのコードあるいは文字等を利用することができる。紙媒体を利用する場合には、登録機10は、スキャナ25により光学的に読み取られたコードあるいは文字をもとに取引IDを生成する。
CPU20は、第1の方法により、メンバーズカードから読み取ったデータをもとに買物客4(取引)に対する取引IDを生成すると、この取引IDを発行する(ActA2)。すなわち、CPU20は、タッチパネル27において取引IDと、取引IDが発行されたことをチェッカー2に通知するための画面を表示させる。また、CPU20は、以下に説明するように、商品から読み取られる商品コードをもとに登録情報を生成した場合に、登録情報に取引IDを対応づけて登録情報リストに記録する。
第1の方法により取引IDを発行した場合、買物客4は、会計機12において会計処理をする際に、取引IDの発行に用いたメンバーズカードなどの媒体を会計機12により読み取らせる。これにより、会計機12は、会計処理のための入力操作を受け付けない待機状態から、会計処理(決済準備処理)を開始可能な状態へ切り替えられる。
第1の方法では、メンバーズカードなどの既存のカードを利用することで、レシート紙の消費を抑え、また買物客4に対して会計処理でメンバーズカードを使用することを促すことが可能となる。また、第1の方法では、メンバーズカードに限らず、データの書き込み(記録)が可能なカードを利用することができる。この種のカードを使用する場合、CPU20は、生成した取引IDを示すデータをカードに記録する。買物客4は、取引IDが記録されたカードを会計機12により読み取らせて、会計機12を待機状態から会計処理を開始可能な状態へ切り替える。
一方、第2の方法は、例えば、メンバーズカードなどを所有していない買物客4に対して利用することができる。第2の方法では、チェッカー2は、キーボード26あるいはタッチパネル27に設けられたキー(あるいはボタン)(図9参照)に対する操作を検出すると、取引IDの発行の指示が入力されたものと判別する。
CPU20は、チェッカー2の操作による指示に応じて、今回の取引に固有の取引IDを決定する。例えば、CPU20は、他の登録機10において発行される取引IDと重複しないようにするアルゴリズムに従って取引IDを生成する。
CPU20は、第2の方法により、買物客4(取引)に対する取引IDを生成すると、この取引IDを発行する(ActA2)。すなわち、CPU20は、例えば取引IDを表す2次元コードを生成してプリンタ29によりレシート紙に印刷出力させる。また、CPU20は、タッチパネル27において取引IDと、取引IDが発行されたことをチェッカー2に通知するための画面を表示させる。また、CPU20は、以下に説明するように、商品から読み取られる商品コードをもとに登録情報を生成した場合に、登録情報に取引IDを対応づけて登録情報リストに記録する。
第2の方法により取引IDを発行した場合、買物客4は、会計機12において会計処理をする際に、取引IDを表す2次元コードが印刷されたレシートを会計機12により読み取らせる。これにより、会計機12は、会計処理のための入力操作を受け付けない待機状態から、会計処理(決済準備処理)を開始可能な状態へ切り替えられる。なお、2次元コードをレシート紙に印刷するだけでなく、数字などの文字、記号、あるいは絵柄などを、取引IDを表す情報としてレシート紙に印刷するようにしても良い。
第2の方法では、メンバーズカードなどを所有していない買物客4についても、メンバーズカードなどを所有している買物客4と同様にして、商品販売データ処理装置を利用させることが可能となる。
なお、前述した第1の方法と第2の方法では、何れもチェッカー2の操作に応じて取引IDを発行しているが、買物客4による取引IDの発行を指示する操作を検出して取引IDを発行するようにしても良い。この場合、登録機10には、買物客4の操作を受け付けるタッチパネルあるいはキーボードを設け、また買物客4の操作によりメンバーズカードなどのカードを読み取らせることができるカードリーダライタを設ける。
例えば、買物客4は、会計機12において自らの操作により会計処理をする場合には、タッチパネルあるいはキーボードに対する操作、あるいはカードリーダライタによりメンバーズカードのデータを読み取らせる操作をする。CPU20は、買物客4による操作を検出して、前述と同様にして、取引IDを発行するための処理を実行する。
このようにして、買物客4の操作によって取引IDを発行させることができるので、チェッカー2は、レジ台5に置かれた買い物カゴ7の商品について、取引IDを発行するための操作をすることなく直ちに登録処理のためのスキャン操作を開始することできる。従って、チェッカー2の操作による登録処理が完了するまでの時間を短縮することができる。
本実施形態における商品販売データ処理装置では、前述したように、登録機10において取引IDが発行されると、買物客4は、登録機10での登録処理が完了する前(例えば、締めキーに対する操作がされていない間)に、会計機12に移動して取引IDを読み取らせることで会計処理を開始させることができる。会計処理の詳細については後述する(図8)。
取引IDを発行した後、CPU20は、チェッカー2のスキャン操作(登録操作)によりスキャナ25により商品の情報(商品コード)が読み取られたことを検出すると(ActA3)、商品コードに対応する商品に関するデータ(商品名、定価、その他のデータ)をストアコンピュータ14から受信して、会計処理の対象とする登録情報を生成する(ActA4)。CPU20は、1つの商品の商品コードをもとに生成した登録情報を、取引IDと対応づけて、RAM22に記録された登録情報リストに追加する(ActA5)。
また、CPU20は、取引IDと対応づけられた登録情報を、ストアコンピュータ14に送信する(ActA6)。すなわち、CPU20は、取引IDが発行済みの場合、会計機12において会計処理が開始される可能性があるため、全ての商品についての登録情報の生成が終了する前に、1つの商品に対応する登録情報が生成される毎に登録情報をストアコンピュータ14に送信する。CPU20は、購入対象として登録された商品に関する登録情報(商品名、金額など)及び小計金額などを、タッチパネル27に表示する登録画面中の一覧リストに追加する。
図9は、本実施形態における登録機10において表示される登録画面SC1の一例を示す図である。
図9に示す登録画面SC1は、領域R1,R2を含む。領域R1は、最後に登録商品テーブルに登録された商品に関する商品名、個数及び単価と、その商品を登録した後の買上商品の合計個数及び合計金額とを表示するための領域である。領域R2は、登録画面SC1に示された商品よりも前に登録された商品に関する商品名、個数、単価及び金額の一覧リストを表示するための領域である。また、登録画面SC1には、登録処理(締めキーが操作される前)に、会計機12において会計処理を開始させるための会計機決済ボタンB01が設けられている。
チェッカー2は、買い物カゴ7に入れられた購入対象とする各商品について、前述と同様にして、スキャン操作を繰り返して実行する。CPU20は、各商品についての登録情報を生成して、順次、ストアコンピュータ14に送信する(ActA3〜A6)。
チェッカー2は、全ての商品についてスキャン操作が終了すると、キーボード26あるいはタッチパネル27に対する操作(例えば、締めキーに対する操作)により、1つの取引における登録情報の生成終了を示す指示を入力する。CPU20は、チェッカー2の操作により入力された登録情報の生成終了を示す指示を検出すると(ActA7、Yes)、ストアコンピュータ14に対して登録確定情報を送信して、1つの取引における登録情報の生成終了を通知する(ActA8)。
なお、前述した説明では、商品についてのスキャン操作(商品情報の読み取り操作)を開始する前に、取引IDの発行をしているが、スキャン操作を開始した後の登録処理の完了前に取引IDを発行することも可能である。例えば、登録機10において順番待ちをしている買物客4が少ない場合には、基本的にはチェッカー2が登録機10において会計処理をするようにし(スキャン操作前に取引IDの発行しない)、混雑してきた場合には、チェッカー2の判断により買物客4により会計機12において会計処理をするようにして、状況に応じた対応ができるようにする。また、スキャン操作を開始した後に、買物客4が会計機12での会計処理を希望した場合に、その時点で買物客4により会計機12において会計処理を開始できるようにする。
CPU20は、取引IDの発行指示を検出する前に(ActA1、No)、チェッカー2のスキャン操作によりスキャナ25により商品の情報(商品コード)が読み取られたことを検出すると(ActA9、Yes)、前述と同様にして、商品コードをもとに登録情報を生成し(ActA10)、取引IDと対応づけて、RAM22に記録された登録情報リストに追加する(ActA11)。取引IDが発行されていない場合、登録機10において生成された登録情報について、会計機12ではなく登録機10において会計処理をする可能性がある。このため、CPU20は、直ちに、登録情報をストアコンピュータ14に送信しない。
チェッカー2は、買い物カゴ7に入れられた購入対象とする各商品について、前述と同様にして、スキャン操作を繰り返して実行する。CPU20は、スキャナ25により読み取られた商品コードをもとに、各商品についての登録情報を生成して、RAM22に記録された登録情報リストに追加する(ActA9〜A11)。
なお、CPU20は、商品コードの入力が開始された後、チェッカー2の操作により1つの取引における登録情報の生成終了を示す指示が入力されていない間に(ActA13、No)、取引IDの発行指示を検出すると(ActA12、Yes)、1つの取引に固有の取引IDを発行する(ActA14)。すなわち、CPU20は、購入対象とする全ての商品について登録情報の生成が完了する前において、取引IDの発行の指示に応じて取引IDを発行することができる。
例えば、CPU20は、チェッカー2によるキーボード26あるいはタッチパネル27に対する操作、あるいはメンバーズカードの読み取りによって、取引IDの発行指示を検出すると、前述と同様にして取引IDを発行する。例えば、CPU20は、図9に示すように、スキャン操作中に表示される登録画面SC1に会計機決済ボタンB01を表示する。チェッカー2は、会計機決済ボタンB01に対する操作により取引IDの発行指示を入力することができる。また、前述したように、買物客4の操作により取引IDの発行指示が入力されても良い。これにより、買物客4は、チェッカー2によるスキャン操作が続けられている間に会計機12に移動して、取引IDを入力(メンバーズカードの読み取りなど)することで、会計機12を待機状態から会計処理を開始可能な状態に移行させ、決済処理の前に必要な様々な処理を含む決済準備処理を開始することができる。なお、決済処理は、1つの取引について、登録機10において全ての商品についての登録情報の生成が完了した(締め操作)後の支払い合計について決済するための処理である。
CPU20は、取引IDの発行指示を検出すると(ActA12、Yes)、1つの取引に固有の取引IDを発行する(ActA14)。また、CPU20は、RAM22に記録された登録情報リスト中の記録済みの登録情報を、取引IDと対応づけてストアコンピュータ14に送信する(ActA15)。
その後、CPU20は、スキャナ25により読み取られた商品コードをもとに、各商品についての登録情報を生成して、RAM22に記録された登録情報リストに追加すると共に、登録情報が生成される毎に登録情報をストアコンピュータ14に送信する(ActA3〜A7)。
CPU20は、登録情報の生成終了を示す指示(締めキーに対する操作)を検出すると(ActA7、Yes)、ストアコンピュータ14に対して登録確定情報を送信して、1つの取引における登録情報の生成終了を通知する(ActA8)。
一方、取引IDの発行指示が検出されず(ActA12、No)、チェッカー2の操作により入力された登録情報の生成終了を示す指示を検出した場合(ActA13、Yes)、CPU20は、この時点で取引IDを発行するか、すなわち買物客4により会計機12において会計処理をさせるかを判別する。
例えば、チェッカー2は、混雑しているため、買物客4に会計機12において会計処理をさせる場合には、キーボード26あるいはタッチパネル27に設けられたキー(あるいはボタン)に対する操作により取引IDの発行を指示する。あるいは、登録情報の生成終了を示す指示を検出した場合に、取引IDを発行するか否かを示す設定を予めしておき、CPU20が設定内容を参照するようにしても良い。
CPU20は、取引IDを発行すると判別した場合(ActA16、Yes)、全ての商品について登録情報の生成が完了した取引に固有の取引IDを発行する(ActA17)。また、CPU20は、ストアコンピュータ14に対して、RAM22に記録された登録情報リスト中の記録済みの登録情報を取引IDと対応づけて送信し(ActA18)、また登録確定情報を送信して、1つの取引における登録情報の生成終了を通知する(ActA8)。
なお、CPU20は、取引IDを発行しないと判別した場合(ActA16、No)、全ての商品について登録情報の生成が完了した取引について会計処理を実行する(ActA19)。すなわち、CPU20は、チェッカー2の操作に応じて、支払い方法の選択(現金、クレジットカードなど)などを含む決済準備処理をした後、全ての商品の登録情報をもとに、支払いの合計金額について決済を実行する。なお、決済準備処理の具体的内容については後述する。
こうして、本実施形態における登録機10は、スキャン操作を開始する前に取引IDを発行した場合には、入力される商品コードをもとに登録情報を生成する毎に、登録情報をストアコンピュータ14に送信する。また、登録機10は、スキャン操作が開始された後、登録情報の生成終了を示す指示が入力(締めキーの操作)されていない間に取引IDを発行した場合には、取引IDが発行される前に生成済みの登録情報をストアコンピュータ14に送信した後、入力される商品コードをもとに登録情報を生成する毎に、登録情報をストアコンピュータ14に送信する。
さらに、本実施形態における登録機10は、取引IDが発行されずに登録情報の生成終了を示す指示が入力された場合、その時点で、取引IDを発行して会計機12において買物客4により会計処理を実行させる、あるいは会計機12において会計処理を実行するかを選択することができる。
なお、前述した説明では、第1の方法と第2の方法の何れにおいても、スキャン操作が開始される前(商品コードの入力前)では、チェッカー2あるいは買物客4による操作に応じて取引IDを発行しているが、第2の方法では、その他の入力の検知に応じて取引IDを発行することもできる。例えば、登録機10は、前の取引における締めキーの操作を検出した場合(前に並んでいる買物客4についての登録操作の終了の指示が入力された場合)に、次の取引に対応する取引IDを発行することができる。ただし、空き状態の会計機12(次の取引についての会計処理を実行可能な会計機12)がある場合に限るものとする。また、登録機10は、会計機12が空き状態になったこと(買物客4による会計処理の終了)を示す通知を、例えばストアコンピュータ14を通じて受信し、この通知の受信に応じて取引IDを発行する。この場合、チェッカー2あるいは買物客4による操作を待たずに、チェッカー2によるスキャン操作が開始される前から会計機12において会計処理を開始することができる。なお、会計機12において会計処理(決済準備処理)が実行可能な状態となったことは、登録機10あるいは会計機12における表示あるいは音声等によって、チェッカー2及び買物客4に対して通知するものとする。
また、スキャン操作が開始された後では、例えば商品情報の入力(商品コードのスキャナによる検出)を検出した場合や、商品情報の入力開始を基準とした設定時間経過を検出した場合、さらには前述のように会計機12が空き状態になったこと(買物客4による会計処理の終了)を示す通知を受信した場合に、取引IDを発行することも可能である。
次に、図7に示すフローチャートを参照しながら、ストアコンピュータ14における登録情報を転送する転送処理について説明する。なお、説明を簡単にするために、1つの登録機10から登録情報を受信し、この登録機10から受信した登録情報を複数の会計機12−1,…,12−nから決定された1つの会計機12に送信する状況を対象として説明する。
CPU60は、登録機10から取引IDと対応づけられた登録情報を受信すると(ActB1、Yes)、この登録情報を例えばRAM62あるいはHDD63に記録する(ActB2)。登録機10は、前述したように、登録情報の生成終了を示す指示(締めキーに対する操作)が入力される前に取引IDを発行した場合には、入力される商品コードをもとに登録情報を生成する毎、あるいは取引IDが発行される前に生成済みの(複数の)登録情報を、ストアコンピュータ14に送信する。CPU60は、登録情報の転送先、すなわち登録機10から受信した登録情報について会計処理をする会計機12が決定されるまで、登録機10から受信される登録情報を順次記憶する(ActB1,B2)。
一方、会計機12は、買物客4による操作に応じて、メンバーズカードなどの記録媒体の読み取り、あるいはレシート紙に印刷された取引IDを表す2次元コードの読み取りによって取引IDを入力した場合には、取引IDをストアコンピュータ14に送信する。詳細については後述する(図8、ActC2)。
CPU60は、会計機12の何れかより取引IDを受信した場合(ActB3、Yes)、この取引IDに対応する会計処理の対象とする登録情報が記録されているか識別する(ActB4)。例えば、CPU60は、会計機12から受信した取引IDと、登録機10から受信された登録情報と対応づけられた取引IDとが一致するかを判別する。
取引IDが一致しないと判別された場合、CPU60は、取引IDの送信元の会計機12に対して、取引IDが正しくない(会計処理の対象とする登録情報が存在しない)ことを応答する。
一方、CPU60は、取引IDが一致すると判別された場合、取引IDの送信元の会計機12を、同じ取引IDと対応づけられた登録情報の送信先として設定する(ActB5)。すなわち、CPU60は、登録機10から受信した当該取引IDと対応づけられた登録情報について会計処理をする1つの会計機12を設定する。また、CPU60は、設定した会計機12に対して、会計処理の開始を指示する。その後、CPU60は、登録情報の送信先を設定する前に記録済みの登録情報を、送信先として設定した会計機12に送信する(ActB6)。
通常、買物客4が登録機10から会計機12に移動して会計処理(決済準備処理を開始)するまでの間に、チェッカー2は、複数の商品についてのスキャン操作をすることができる。従って、買物客4が会計機12において取引IDを入力して、この取引IDがストアコンピュータ14に識別された時点で、ストアコンピュータ14には複数の商品の登録情報が記憶済みとなっている。従って、CPU60は、登録情報の送信先とする会計機12を設定した場合、その直後では、記録済みの複数の登録情報を一括して会計機12に送信する。その後、CPU60は、登録機10において登録情報が生成される毎に、登録機10から登録情報を受信し(ActB7、Yes)、その都度、会計機12に送信(転送)する(ActB8)。
なお、CPU60は、会計処理の開始を指示した会計機12(買物客4により会計処理がされる会計機12)が設定された場合、登録情報の送信元とする登録機10に対して、その会計機12を通知するようにしても良い。登録機10は、ストアコンピュータ14からの通知に応じて、例えば登録機10において表示される登録画面SC1に、会計処理を実行する会計機12を示す会計機番号などの情報を表示して、チェッカー2に通知することができる。また、登録機10は、登録処理待ちの買物客4に対して、会計処理の実行中の会計機12を通知する表示をすることも可能である。
さらに、CPU60は、登録機10において1つの取引の対象とする全ての商品の登録情報の生成が完了することで登録確定情報を受信すると(ActB9、Yes)、会計機12に登録処理が完了したことを通知するために登録確定情報を送信する(ActB10)。
このようにして、本実施形態におけるストアコンピュータ14は、登録機10から送信された登録情報を送信先とする会計機12が確定されるまで記録しておき、送信先とする会計機12が設定された後に送信することができる。また、ストアコンピュータ14は、その後に受信された登録情報を、その都度、会計機12に転送することができる。従って、以下に説明する会計機12の会計処理において、登録処理が完了するまでの間の登録機10における登録処理の状況(スキャン操作された商品の情報)を買物客4に提示することが可能となる。
次に、図8に示すフローチャートを参照しながら、会計機12における会計処理について説明する。
会計機12は、会計処理(決済準備処理)のための入力操作を受け付けない待機状態では、待機状態を表す待機画面をタッチパネル46に表示している(ActC1)。待機状態の会計機12は、登録機10において発行された取引IDを入力するための処理のみが可能である。具体的には、会計機12は、待機状態において、カードリーダライタ50による記録媒体(登録機10において取引IDの生成に用いたメンバーズカードなど)のスキャン、あるいはスキャナ45による取引IDを示す二次元コードが印刷されたレシート紙のスキャンが可能である。
買物客4は、登録機10において取引IDが発行されると、登録処理が完了する前に会計機12に移動して会計処理を開始するために取引IDを入力するための操作をすることができる。前述した第1の方法あるいは第2の方法によって取引IDが発行されている場合には、買物客4は、他の買物客4が操作をしていない空き状態の会計機12を任意に選択することができる。
買物客4は、第1の方法によって取引IDが発行されている場合、取引IDの発行に利用した例えばメンバーズカードをカードリーダライタ50により読み取らせる(ActC2、Yes)。CPU40は、カードリーダライタ50によってメンバーズカードから読み取られた、買物客4に固有の会員番号を示すデータをもとに取引IDが発行されているかを確認する。例えば、CPU40は、メンバーズカードから読み取られたデータをもとに、登録機10と同じように取引IDを生成してストアコンピュータ14に送信する(ActC3)。取引IDを送信した結果、ストアコンピュータ14から会計処理の開始が指示された場合に、CPU40は、会計処理の対象とすべき登録情報と対応づけられた1つの取引に固有の取引IDが発行されていることを確認することができる。
この際、ストアコンピュータ14に送信した取引IDが正しくないことが応答された場合、CPU40は、例えば取引IDが正しくない(会計処理が実行不可である)ことを買物客4に通知するメッセージを一定時間、タッチパネル46に表示させる、あるいは音声により出力して待機状態を継続する。
なお、前述した説明では、会計機12は、メンバーズカードから読み取られたデータをもとに生成した取引IDをストアコンピュータ14に送信した結果、会計処理の開始が指示された場合に、会計処理の対象とすべき登録情報と対応づけられた取引IDが発行されていることを確認しているが、その他の方法によって取引IDの発行を確認できるようにしても良い。
例えば、登録機10によって発行された取引IDを全ての会計機12に送信する。会計機12のCPU40は、前述したように、メンバーズカードから読み取られたデータをもとに登録機10と同様に取引IDを生成して、登録機10により発行された取引IDと一致するかを判定する。この結果、取引IDが一致した場合、CPU40は、登録機10において1つの取引に固有の取引IDが発行されたことを確認することができる。取引IDが一致した場合、CPU40は、判別された取引IDをストアコンピュータ14に送信して、取引IDと対応づけられた登録情報の送信を要求する。
CPU40は、取引IDに対応する登録情報をストアコンピュータ14から受信する。また、CPU40は、待機状態を表す待機画面に代えて、会計処理(決済準備処理)のための入力操作を受け付けるための操作画面をタッチパネル46に表示する(ActC4)。
図10は、本実施形態における会計機12のタッチパネル46に表示される操作画面の一例を示す図である。図10に示す操作画面71は、支払い方法を買物客4により選択させるための画面である。操作画面71には、操作画面に対する操作を説明するためのメッセージ80と、支払い方法として、現金、クレジットカード、電子マネーの何れかを選択するためのボタン81A,81B,81Cが表示される。
さらに、操作画面71には、登録機10における登録処理の状況を表示するために、小計表示領域82と商品情報表示領域84とが設けられている。
小計表示領域82には、登録機10において登録情報が生成済みの商品の数(点数)と、商品の小計金額が表示される。また、小計表示領域82には、登録情報が生成済みの商品を一覧リスト(登録情報の明細)により表示させるための明細ボタン83が設けられている。商品の明細の具体例については後述する(図12、図13)。
商品情報表示領域84には、登録機10の動作状態を表すメッセージ85と、最後に登録された商品の情報86が表示される。図10に示す操作画面71では、メッセージ85として登録機10において登録処理が実行されていることを表す「商品登録中」が表示されている。登録機10において締めキーに対する操作がされた場合には、例えば「商品登録完了」のメッセージ85が表示される。また、商品の情報86としては、例えば商品名「商品C」と金額「498円」が表示される。
CPU40は、ストアコンピュータ14から登録情報を受信すると(ActC6、Yes)、登録情報の明細の表示中でない場合(ActC7、No)、すなわち図10に示すような操作画面の表示中の場合には、受信した登録情報に応じて小計表示領域82と商品情報表示領域84を更新する。すなわち、CPU40は、受信した登録情報の商品名と金額を商品情報表示領域84に追加表示すると共に、小計表示領域82の点数と小計金額を更新する(ActC8)。
CPU40は、操作画面を表示中には、前述したように、ストアコンピュータ14から登録情報が受信される毎に、小計表示領域82と商品情報表示領域84を更新する。従って、買物客4は、操作画面に対する操作をしながら、登録機10における商品の登録状況を把握することができる。
なお、CPU40は、買物客4により操作画面71に対する操作がされたことを検出した場合には(ActC9、Yes)、明細ボタン83に対する操作であるか、すなわち登録情報の明細表示の実行が指示されたかを判別する。ここで、買物客4により明細ボタン83以外の操作画面71に対する操作がされた場合には(ActC10、No)、CPU40は、入力操作に応じた処理を実行する(ActC11)。例えば、操作画面71において、支払い方法として現金を選択するためにボタン81Aが買物客4にタッチされたとする。この場合、CPU40は、ボタン81Aに対する操作を検出して、現金投入のための操作画面に表示を切り替える。
図11は、本実施形態における会計機12のタッチパネル46に表示される操作画面72の一例を示す図である。図11に示す操作画面72は、現金投入を買物客4に促すための画面である。操作画面72には、操作画面72に対する操作を説明するためのメッセージ80、買物客4に対する操作方法を説明するための操作ガイド86が表示される。
さらに、操作画面72には、登録機10における登録処理の状況を表示するために、小計表示領域87(小計表示領域82を含む)と商品情報表示領域90(登録機10の動作状態を表すメッセージ91と商品の情報92を含む)とが設けられている。小計表示領域87と商品情報表示領域80には、前述した操作画面71に示す小計表示領域82及び商品情報表示領域84と同様の情報が表示されるものとして説明を省略する。
また、操作画面72には、買物客4の操作に投入された紙幣及び硬貨の合計を示す投入金額88、現在の小計金額と投入金額の差を表す不足金額89が表示される。不足金額89は、登録機10において登録情報が生成されることにより更新される小計金額と、実際に買物客4により投入された投入金額に応じて更新される。買物客4は、不足金額89を参照することにより、さらに投入する必要がある金額を容易に認識することができる。また、操作画面72には、前の操作画面に戻すための戻るボタン93が設けられている。
なお、操作画面71に設けられた明細ボタン83に対する操作を検出した場合(ActC10、Yes)、CPU40は、タッチパネル46の表示を、操作画面71に代えて登録情報の明細(一覧リスト)を表示させる(ActC12)。
図12は、本実施形態における会計機12のタッチパネル46に表示される登録情報の明細画面の一例を示す図である。図12に示す明細画面73には、1取引についての登録終了前の登録機10により生成済みの登録情報(ストアコンピュータ14から受信済みの登録情報)が一覧表示される。図12に示す明細画面73では、例えば最後に登録された商品の情報が表示される商品情報表示領域95と、商品情報表示領域95に表示された情報の商品より前に登録済みの商品の情報が表示される商品情報一覧表示領域96が設けられる。また、明細画面73には、操作画面71,72に戻すための戻るボタン97が設けられている。
商品情報表示領域95には、例えば商品に関する商品名、個数および単価と、その商品を登録した後の登録済み商品の合計個数および小計金額とが表示される。商品情報一覧表示領域96には、商品情報表示領域95に表示された商品を除く登録済みの各商品に関する商品名、個数、単価および金額のリストが表示される。
CPU40は、ストアコンピュータ14から1つの商品についての登録情報を受信した際に(ActC6、Yes)、明細画面73を表示中である場合(ActC7、Yes)、新たに受信した登録情報を明細画面73に追加表示する(ActC13)。すなわち、CPU40は、商品情報一覧表示領域96に表示していた情報を商品情報一覧表示領域96のリストに追加すると共に、商品情報表示領域95に新たに受信した登録情報に対応する商品の情報を表示する。
図13は、本実施形態における会計機12のタッチパネル46に表示される登録情報が追加された明細画面の一例を示す図である。図13では、「商品D」の情報が商品情報表示領域95に表示され、図13に示す明細画面73の商品情報表示領域95に表示されていた「商品C」の情報が商品情報一覧表示領域96に追加されている。
CPU40は、明細画面73の戻るボタン97の操作が検出されていない場合(ActC14、No)、前述した明細画面73の表示を継続する。一方、CPU40は、明細画面73の戻るボタン97が操作されたことを検出した場合(ActC14、Yes)、明細画面73の表示に切り替える前の操作画面を表示する状態に戻る(ActC4)。
また、CPU40は、買物客4の入力操作に応じて操作画面あるいは明細画面を表示している間、ストアコンピュータ14から登録確定情報が受信されたかを確認する(ActC5)。CPU40は、ストアコンピュータ14から登録確定情報が受信されていない間(ActC5、No)、前述したように、買物客4の操作に応じた決済準備処理を実行する(ActC4〜C14)。この間、CPU40は、ストアコンピュータ14から登録情報が受信された場合には(ActC6、Yes)、新たに受信した登録情報を操作画面あるいは明細画面に追加表示する。
従って、買物客4は、操作画面あるいは明細画面において、登録機10における登録処理の状況、すなわち登録済みの商品と小計金額などをリアルタイムで確認することが可能となる。
CPU40は、ストアコンピュータ14から登録確定情報が受信されていない間(ActC5、No)、すなわち登録機10において登録情報の生成終了が指示されるまでの間に、買物客4による操作に応じて以下のような、決済処理のために必要な決済準備処理をすることができる。
例えば、現金により支払いをする場合には、買物客4は、前述した操作画面71,72を操作することで、現金支払いを会計機12に対して指定した後、財布から硬貨や紙幣を取り出して、釣り銭機47に投入することができる。タッチパネル46には、会計機12において1つの商品について登録情報が生成される毎に、小計表示領域82,87及び商品情報表示領域84,90にリアルタイムで商品の情報が追加表示されるため、買物客4は、合計額を予想して、支払いに必要な金額を予め投入することができる。この場合、CPU40は、釣り銭機47に投入された硬貨及び紙幣を収納して、投入金額88と不足金額89を操作画面72に表示させる。
なお、登録済みの商品の小計金額が投入済みの金額を超えた場合には、CPU40は、現金の追加投入を買物客4に促すメッセージを出力(タッチパネル46における表示、あるいは図示しないスピーカからの音声など)することも可能である。
また、買物客4は、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどの決済用カードを利用する場合には、カード支払いを会計機12に対して指定した後、会計処理に使用するカードを選んでカードリーダライタ50に予め挿入しておくことができる。
さらに、買物客4は、商品の割引きを受けることができるクーポンを所有している場合には、クーポンについての処理をすることができる。例えば、クーポンによる割引きを受けるために入力操作が必要な場合には、買物客4は、タッチパネル46に表示される登録済みの商品の情報をもとに入力操作をすることができる。
その他、会計機12では、登録機10での登録処理が完了する前に、会計処理のために必要な決済準備処理を予めすることができる。なお、前述した決済準備処理の内容は一例であって、他の処理を実行することも可能である。
一方、CPU40は、ストアコンピュータ14から登録確定情報を受信すると(ActC5、Yes)、決済処理の前に実行すべき全ての決済準備処理が完了しているかを判別する。
ここで、決済準備処理が完了していないと判別される場合(ActC15、No)、CPU40は、引き続き決済準備処理をするための操作画面を表示する(ActC16)。CPU40は、操作画面に対する買物客4による入力操作を検知して(ActC17、Yes)、入力操作に応じた処理を実行する(ActC19)。また、CPU40は、前述したように、操作画面に設けられた明細ボタン83に対する操作を検出した場合(ActC18、Yes)、操作画面に代えて登録情報の明細画面73(一覧リスト)を表示させる(ActC20)。この時の明細画面73では、登録処理が完了されているため、買物客4が購入対象とする全ての商品の登録情報が一覧表示され、決済処理により決済される合計金額が表示される。
CPU40は、明細画面73の戻るボタン97が操作されたことを検出していない場合(ActC21、No)、前述した明細画面73の表示を継続する。一方、CPU40は、明細画面73の戻るボタン97が操作されたことを検出した場合(ActC21、Yes)、明細画面73の表示に切り替える前の操作画面を表示する状態に戻り、決済準備処理を実行する(ActC16)。
こうして、決済準備処理が完了すると(ActC15、Yes)、CPU40は、決済処理を実行する(ActC22)。すなわち、CPU40は、購入対象として登録された全ての商品についての登録情報をもとに、支払いの合計金額について決済処理を実行する。
例えば、CPU40は、現金支払いが指定されている場合、予め投入されている金額から合計金額を引いて、お釣りを釣り銭機47から排出させる。また、CPU40は、決済用カードによる支払いが指定されている場合、合計金額について使用されたカードに応じた決済処理を実行する。なお、クーポン処理がされている場合には、CPU40は、割引きの対象とする商品について所定の割引きをした額により決済をする。
こうして、決済処理が完了すると、CPU40は、プリンタ49によりレシートを印刷出力させて、1つの取引(一人の買物客4)についての会計処理を終了する。
図14は、本実施形態の商品販売データ処理装置における登録処理と会計処理に要する時間を説明するための図である。
図14(A)は、登録機10における登録処理(スキャン操作)の開始に応じて会計処理を実行可能にした例を示している。この場合、最初の買物客4について登録機10において登録処理(1)を実行すると共に、会計機1において会計処理(1)を並行して実行することができる。会計機1では、登録処理(1)が完了するまでの間に決済準備処理をすることができる。そして、登録処理(1)が完了すると、直ちに、決済処理を実行して会計処理(1)を終了する。
次の買物客4については、登録機10において登録処理(1)が完了した後に、登録処理(2)を実行する。そして、同様にして、登録処理(2)と並行して会計処理(2)を実行して、登録処理(1)が完了するまでの間に決済準備処理をすることができる。そして、登録処理(2)が完了すると、直ちに、決済処理を実行して会計処理(2)を終了する。
図14(B)は、登録機10において登録処理を実行中に会計処理を開始する場合について示している。この場合、最初の買物客4について登録機10において登録処理(1)を実行している間に、任意のタイミングで会計機1において会計処理(1)を開始させる。その後、登録処理(1)を実行している間に、会計機1において会計処理(1)を並行して実行することができる。会計機1では、登録処理(1)が完了するまでの間に決済準備処理をすることができる。そして、登録処理(1)が完了すると、直ちに、決済処理を実行して会計処理(1)を終了する。
次の買物客4については、登録機10において登録処理(2)が開始される前に登録処理(2)が開始された例を示している。同様にして、登録処理(2)と並行して会計処理(2)を実行して、登録処理(2)が完了するまでの間に決済準備処理をすることができる。そして、登録処理(2)が完了すると、直ちに、決済処理を実行して会計処理(2)を終了する。
図14(C)は、登録機10において登録処理が開始される前に会計処理を実行する場合について示している。この場合、最初の買物客4について登録機10において登録処理(1)を開始する前に、会計機1において会計処理(1)を開始する。会計機1では、登録処理(1)が開始される前から決済準備処理をすることができる。そして、登録処理(1)が完了すると、直ちに、決済処理を実行して会計処理(1)を終了する。次の買物客4については、例えば登録処理(1)が完了した後、登録処理(2)が開始される前に会計機2での会計処理を開始可能にする。これにより、登録処理(2)が開始される前から決済準備処理をすることができ、登録処理(2)の実行中に決済準備処理を完了させることができる。従って、登録処理(2)が完了すると、直ちに、決済処理を実行して会計処理(2)を終了することができる。
図14(D)は、例えば登録処理(2)が短時間で終了する場合について示している(例えば、購入する商品の数が少ない場合など)。最初の買物客4について登録機10において登録処理(1)を開始する前に、会計機12において会計処理(1)を開始する。会計機1では、登録処理(1)が開始される前から決済準備処理をすることができる。そして、登録処理(1)が完了すると、直ちに、決済処理を実行して会計処理(1)を終了する。次の買物客4については、例えば買物客4の操作により、登録処理(1)の実行中(登録処理(2)が開始される前)に会計機2での会計処理を開始させている。これにより、登録処理(1)が終了される前(登録処理(2)が開始される前)から会計処理(2)としての決済準備処理をすることができる。会計処理は、購入対象とする商品の数に関係なく、必要な操作が決まっているので、処理完了までに要する時間もある程度必要となる。図14(D)に示すように、2台の会計機がある場合には、一方の会計機における登録処理(1)の実行中においても他方の会計機2において登録処理(2)に対する決済準備処理を開始することができる。登録処理(2)が完了するまでに決済準備処理が完了していれば、登録処理(2)が完了すると、直ちに、決済処理を実行して会計処理(2)を終了することができる。これにより、登録処理(2)が短時間で完了する場合であっても、会計処理(2)が完了するまでの時間を大幅に短縮することができる。
このようにして、本実施形態における商品販売データ処理装置では、登録機10における登録処理が開始される前、さらに登録機10における登録処理が完了する前に取引IDを発行することで、待機状態にある会計機12に取引IDを入力して会計処理(決済準備処理)が開始可能な状態に移行させて、登録機10における登録処理と並行して買物客4が会計機12において決済準備処理を実行させることができる。従って、1つの取引について会計処理が完了するまでの時間を短縮することが可能となる。
なお、前述した説明では、1人の買物客4(1つの取引)について登録機10により登録処理が開始される前に取引IDを発行する場合には、1つの取引に関わるチェッカー2あるいは買物客4の操作(メンバーズカードの読み取り操作、ボタン操作など)がされるとしているが、その他の条件に応じて取引IDを発行するようにしても良い。
例えば、登録機10は、1人の買物客4(1つの取引)について登録処理の終了が指示された場合(締めキーに対する操作がされた場合)に、次の買物客4(次の取引)のための取引IDを発行する。従って、次の登録処理を待っている客は、登録機10において登録処理が開始される前に会計機12に移動して会計処理(決済準備処理)を開始することができる。例えば、チェッカー2が直ちに登録処理を開始できない状況の場合(例えば、他の顧客対応、チェッカー2の交代、登録機10のメンテナンスなど)であっても、前の買物客4についての登録処理が完了した時点で取引IDが発行されているため、会計機12において決済準備処理を開始することができる。
また、登録機10は、複数の会計機12のうち空き状態となった会計機12ができたタイミングで取引IDを発行するようにしても良い。例えば、ストアコンピュータ14は、複数の会計機12の動作状況を監視しており、会計機12が空き状態となった(会計処理が完了した)ことを検出すると登録機10に通知する。登録機10は、ストアコンピュータ14から通知を受けたタイミングで次の買物客4に対する取引IDを発行する。この際、登録機10は、空き状態となった会計機12を買物客4に通知するための表示を買物客用のディスプレイに表示しても良い。また、登録機10は、レシート紙に取引IDと共に空き状態となった会計機12を通知する印刷をしても良い。なお、登録機10により印刷されるレシート紙は、チェッカー2のスキャン操作を中断させることがないように、チェッカー2を介さずに買物客4が直接取得できるようにすることが望ましい。こうして、前述と同様にして、買物客4は、登録機10の登録処理が開始される前に、操作可能な空き状態の会計機12に移動して決済準備処理を開始することができる。
なお、前述した説明では、登録機10において取引IDを発行して、会計機12において買物客4の操作により取引IDを読み取らせることで、会計機12において会計処理を開始させているが、買物客4による会計機12に対する取引IDの読み取り操作を不要とすることも可能である。
この場合、登録機10は、キーボード26あるいはタッチパネル27に設けられたキー(あるいはボタン)に対するチェッカー2による操作に応じて、会計機12における会計処理の実行要求を出力する。ストアコンピュータ14は、登録機10から出力された会計処理の実行要求を会計機12に対して通知する。なお、チェッカー2の操作だけでなく、買物客4の操作を受け付けるタッチパネルあるいはキーボードを設けることで、買物客4の操作に応じて、同様にして会計機12に対して会計処理の実行要求を出力することができる。
登録機10は、登録処理が実行されていない間(前の買物客に対する登録処理の完了(締めキーの操作)後)、及び登録処理の実行中においても、任意のタイミングで会計処理の実行要求を出力することができるようにチェッカー2あるいは買物客4からの操作を受け付ける。例えば、登録機10は、常に、図9に示す会計機決済ボタンB01を、チェッカー2と買物客4が操作可能なタッチパネルに表示させておき、会計機決済ボタンB01に対する操作を検出した場合に会計処理の実行要求を出力する。
複数の会計機12は、登録機10から出力される会計処理の実行要求に対して、例えば、以下に説明する予め決められた方法(第1〜第3の決定方法)に従って会計処理を実行する1つの会計機12を決定することができる。
第1の決定方法では、複数の会計機12に対して設定された優先順位に従って、優先順位の高い会計機12から順番に会計処理が実行可能な状態(空き状態)にあるかを判別する。この場合、ストアコンピュータ14は、優先順位が最上位の会計機12に対して会計処理の実行要求を通知する。優先順位が最上位の会計機12は、ストアコンピュータ14から通知に応じて会計処理が実行可能な状態であるか判別し、その結果、会計処理が実行な状態でない場合には、次の優先順位の会計機12に通知して、同様にして会計処理が実行可能な状態であるかを判別させる。以下、同様にして、会計処理が実行な状態と判別する会計機12があるまで、順次、優先順位に従って会計機12において会計処理が実行可能な状態であるかを判別させる。会計処理を実行可能と判別した会計機12は、例えば買物客4による所定の操作に応じて待機状態から会計処理を開始可能な状態にすると共に、ストアコンピュータ14に対して、会計機番号を応答する。ストアコンピュータ14は、会計処理の実行要求元の登録機10に対して、会計処理を実行する会計機12の会計機番号を通知する。登録機10は、ストアコンピュータ14からの通知に応じて会計機番号を表示するなどして、チェッカー2あるいは買物客4に対して、会計機12において会計処理を開始可能であることを通知する。
第2の決定方法では、複数の会計機12は、会計処理の実行要求に対して、それぞれ個別に会計処理が実行な状態にあるかを判別して、その結果をストアコンピュータ14に通知する。ストアコンピュータ14は、各会計機12からの判別結果(会計処理の実行可/不可)をまとめて、複数の会計機12に対して送信する。各会計機12は、ストアコンピュータ14から受信した判別結果を参照して、自機が、会計処理を実行可能な会計機12のうち、予め複数の会計機12に対して設定された優先順位が最も高いと判別した場合に、会計処理を実行するものと判別する。会計処理を実行するものと判別した会計機12は、前述した第1の決定方法と同様にしてストアコンピュータ14に応答する。
第3の決定方法では、第2の決定方法のようにストアコンピュータ14において複数の会計機12の判別結果をまとめるのではなく、会計機12の間で相互に判別結果を送受信して、前述と同様にして各会計機12における判別結果と優先順位に基づいて、各会計機12において自機が会計処理を実行するかを判別する。会計処理を実行するものと判別した会計機12は、前述した第1の決定方法と同様にしてストアコンピュータ14に応答する。
なお、第1〜第3の決定方法の何れの場合においても、会計処理の実行要求時に会計処理を実行可能な会計機12がない場合には、例えば、登録機10において、チェッカー2あるいは買物客4の操作に対して、会計処理が実行不可であることを表示などによって通知する。また、ストアコンピュータ14は、会計処理を実行する会計機12が決定された後、前述した取引IDを会計機12に読み取らせる場合と同様にして、登録機10から出力された登録情報を、会計処理をする会計機12に送信する。
図15は、本実施形態における登録機10において会計処理を実行する会計機番号が表示された登録画面SC1の一例を示す図である。図15では、登録処理中に会計機決済ボタンB01に対するチェッカー2の操作により会計処理の実行要求が指示された場合の例を示している。
登録機10のCPU20は、会計機決済ボタンB01に対する操作を検出して、会計処理の実行要求を出力した結果、ストアコンピュータ14から会計処理を実行する会計機12の会計機番号(例えば、会計機No1)が通知されると、会計処理を実行する会計機12(会計機番号)を通知するためのメッセージMを登録画面SC1に表示する。チェッカー2は、メッセージMを確認することで、会計処理をする会計機12を判別することができ、買物客4に対して会計処理に使用する会計機12を口頭により案内することができる。同様にして、買物客4が表示内容を確認できるタッチパネル(あるいはディスプレイ)に同様にメッセージMを表示することで、直接、買物客4に対して会計処理を実行する会計機12を通知することができる。買物客4は、会計機番号を確認することで、登録処理の完了を待たずに会計機12に移動して会計処理(決済準備処理)のための操作を始めることができる。
会計処理を開始可能な状態にある会計機12は、買物客4により例えばタッチパネル46に対して所定の操作がされた場合に、登録機10における登録処理が開始される前、あるいは登録機10における登録処理と並行して会計処理(決済準備処理)を実行する。
なお、会計機12は、タッチパネル46に対して所定の操作がされた場合に会計処理をするだけでなく、例えば近くに買物客4が移動してきたことを人感センサなどにより検知した場合に会計処理を開始するようにしても良い。会計機12は、買物客4が近づいてきた場合に、会計処理の開始可能な状態となっていることを表す画面をタッチパネル46に表示するなどして買物客4に通知する。これにより、空き状態にある会計機12が複数ある場合であっても、開始可能な状態にされた会計機12のみが買物客4が近づいた際に反応するため、買物客4は、会計処理をすべき会計機12を容易に判別することができる。
以下、前述と同様にして、会計機12は、ストアコンピュータ14を介して、登録機10から出力された登録情報を受信して、会計処理を実行することができる。
このようにして、登録機10において会計処理の実行要求を出力させるための操作をするだけで、会計機12において取引IDを読み取らせる操作をすることなく、会計処理を実行させる会計機12を決定することができる。
なお、前述した説明では、登録機10と会計機12とは、ストアコンピュータ14を介して情報等を送受信しているが、登録機10と会計機12とが直接、情報等を送受信するようにしても良い。また、登録機10におけるチェッカー2あるいは買物客4の操作に応じて会計処理をする会計機12を決定するだけでなく、その他の条件に応じて会計処理を実行する会計機12を決定するようにしても良い。例えば、前の買物客4(1つの取引)について登録処理の終了が指示されたタイミング、あるいは会計機12が空き状態となったタイミングで、次の取引の会計処理を実行する会計機12を決定することも可能である。
なお、前述した説明では、登録機10から出力される会計処理の実行要求に応じて、複数の会計機12から会計処理を実行する会計機12を決定しているが、登録機10におけるチェッカー2あるいは買物客4による操作によって、会計処理を実行させる会計機12を選択するようにしても良い。
この場合、ストアコンピュータ14は、複数の会計機12の動作状況を監視し、会計処理中でない(空き状態の)会計機12を判別する。ストアコンピュータ14は、登録機10に対して会計処理中でない会計機12を通知する。登録機10は、ストアコンピュータ14からの通知に応じて、例えばチェッカー2及び買物客4が確認可能なタッチパネルにおいて、会計処理中でない会計機12を選択するための会計機選択ボタンを表示させる。基本的には、登録機10が設置された場所の近くに設置された会計機12が優先して選択されるようにボタンを表示させる。なお、登録機10は、会計機選択ボタンを、登録処理の開始前、また登録処理が開始された後の登録処理が完了するまでの間においても継続して表示することで、チェッカー2あるいは買物客4が任意のタイミングで会計処理を実行する会計機12を選択して、会計処理を開始できるようにする。
登録機10は、チェッカー2あるいは買物客4の操作によって何れかの会計機12が選択されると、この選択された会計機12をストアコンピュータ14に通知する。ストアコンピュータ14は、選択された会計機12を会計処理が開始可能な状態にさせる。また、登録機10は、取引IDを生成して、ストアコンピュータ14に通知し、その後にスキャン操作に応じて生成される登録情報と取引IDとを対応づけて出力するようにしても良い。これにより、ストアコンピュータ14は、登録機10から出力される登録情報を、例えば登録機10を示すデータ(登録機番号など)や、登録機10から通知された取引IDと対応づけて記憶し、会計処理を実行する会計機12に送信することができる。
なお、前述した説明では、会計処理を実行する会計機12が決定された後、登録機10においてスキャン操作がされた商品のついての登録情報を、ストアコンピュータ14を介してリアルタイムで会計機12に送信して、順次、追加表示させるとしているが他の方法を用いることもできる。
例えば、登録機10は、スキャン操作により生成した各商品の登録情報を記録しておき、登録処理が完了した時点でストアコンピュータ14に一括して登録情報をストアコンピュータ14に送信する。ストアコンピュータ14は、全ての商品についての登録情報を登録機10から受信した後、一括して全ての商品の登録情報を会計機12に送信する。会計機12は、ストアコンピュータ14から受信した登録情報をもとに、全ての商品についての情報をまとめて一覧リストに表示する。
こうして、複数の商品についての登録情報を一括して、登録機10、ストアコンピュータ14、会計機12の間で送受信することにより、ネットワーク16のトラフィック(データ通信量)を削減することができる。
なお、前述した説明では、登録機10において作成された登録情報は、ストアコンピュータ14を介して会計機12に送信されるとしているが、ストアコンピュータ14を介さないで登録機10から会計機12に対して取引IDが対応づけられた登録情報を送信するようにしても良い。この場合、登録機10は、図7のフローチャートに示すストアコンピュータ14の処理と同様にして、生成された登録情報の記録、送信先とする会計機12が設定された後の登録情報の送信を制御する。また、登録確定情報(登録処理の完了通知)についても、登録機10から会計機12に対して、直接、送信することができる。
また、前述した説明では、登録機10を店員が操作し、会計機12を買物客4が操作する例について説明しているが、登録機10と会計機12の何れも従業員あるいは買物客4が操作する構成としても良いし、登録機10を買物客4が操作し、会計機12を店員が操作する構成としても良い。
また、前述した説明では、登録機10は、例えばスーパーマーケットなどのレジ台5に取り付けられた据え置き型を想定しているが、店員などが手持ちして操作可能な可搬型にすることもできる。この可搬型の登録機10は、例えばタッチパネルなどを備え、店員のタッチ操作などにより商品の登録(商品情報の入力や選択操作など)をすることができる。登録機10は、前述した会計機12と同様な機能を設けた本体装置(ドッキングステーション)と無線通信により情報を送受信する、あるいは本体装置に装着された場合にネットワーク接続されて情報を送受信することができる。こうした構成の商品販売データ処理装置においても、登録機10において全ての商品の登録が完了する前(1取引について締め操作がされる前)に、店員または買物客4による操作、あるいは予め設定された条件に応じて会計処理の実行要求を本体装置に出力することで、本体装置を待機状態から会計処理を実行可能な状態にして、買物客4により決済準備処理を開始させることができる。
また、図2に示す商品販売データ処理装置の構成では、複数の登録機10と複数の会計機12を設けているが、1台の登録機10と複数の会計機12とからなる構成、複数台の登録機10と1台の会計機12とからなる構成、さらには登録機10と会計機12とがそれぞれ1台からなる構成とすることも可能である。さらに、前述した説明では、登録機10と会計機12とが独立した装置として実現されているが、前述した登録機10と会計機12の機能を有する1つの装置(商品販売データ処理装置)として実現することも可能である。
また、前述した説明では、会計機12においてのみ買物客4による決済のための操作をするとしているが、例えば登録機10に釣り銭機を設けることで、1つの取引についての登録処理が完了する前(登録処理前、登録処理中)に、決済準備処理として登録機10において現金を投入して、会計機12における決済処理が終了した後に、会計機12の釣り銭機47においてお釣りを受け取るようにしても良い。また、現金投入だけでなく、その他の決済準備処理に含まれる処理の一部を、前述のように登録機10において実行するようにしても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。