JP7444201B2 - 合成樹脂製ボトル - Google Patents

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Description

本発明は合成樹脂製ボトル、特に、胴部に減圧吸収パネルを有し、ラベルを装着した胴部の外観が真円に近い円筒を呈する合成樹脂製ボトルに関する。
PET(ポリエチレンテレフタレート)等の合成樹脂からなる飲料用の合成樹脂製ボトルは、安価で軽量であるなどの種々の利点を有している。そして、非炭酸飲料においては、飲料を高温に加熱殺菌して高温の状態で耐熱ボトルに充填し密封する熱間充填、或いは飲料を高温短時間で殺菌し、ボトルを薬剤等により滅菌して、無菌条件下で飲料を常温(30℃程度)でボトルに充填、密封する無菌(アセプティック)充填が行われている。また、前述した無菌充填が行われるボトル(アセプティックボトル)は、未開封状態において経時的に体積変化による内部圧力の低下(減圧)が生じ、それによって変形を生じるおそれがあり、このため胴部には減圧吸収パネルが設けられている。
一方、特許文献1に記載されている合成樹脂製ボトルでは、底板に螺旋状の凹状溝が形成された擂鉢状凹部から成る減圧吸収部を設け、胴部に高さ方向に並列する複数の周状溝から成る補強部を設けている。
また、特許文献2に記載されているプラスチックボトルでは、ボトル胴部の断面を八角形とし、各角部に円弧壁面を形成し、各円弧壁面の間に傾斜壁と平坦壁とからなる減圧吸収面を配設した加熱充填可能な八面体のボトルで、円弧壁面の両側に接続された傾斜壁のなす柱角度が60°~115°の範囲とした減圧吸収面を備えたプラスチックボトルとしている。
特開2015-131664号公報 特開2001-206331号公報
特許文献1に開示されている底板に減圧吸収部を設け、胴部に高さ方向に並列する複数の周状溝(ビード)から成る補強部を設けた合成樹脂製ボトル、或いは特許文献2に開示されているボトル胴部に減圧吸収面(減圧吸収パネル)を配設したプラスチックボトルにおいては、胴部にラベル、特に熱収縮フィルムからなるシュリンクラベルを装着すると、ビードや減圧吸収パネルが合成樹脂製ボトルにおいて特有の外観を呈する。そして、このような合成樹脂製ボトルの外観は、充填、密封される飲料の種類によっては容器としての外観適性を有さない場合がある。例えば、ガラス製や金属製のボトルと同様、合成樹脂製ボトルの胴部の外観が真円の円筒状であることが好まれる場合がある。しかしながら、合成樹脂製ボトルにおいては、前述した減圧吸収性能とラベルを装着した胴部の外観が真円の円筒状を呈するように両立させることは困難であった。
そこで本発明の目的は、内部の圧力低下を吸収する減圧吸収性能を有し、かつラベルを装着した胴部の外観が真円に近い円筒を呈する、合成樹脂製ボトルを提供することにある。
本発明は、筒状の胴部を有する、アセプティック充填用の合成樹脂製ボトルにおいて、アセプティック充填のみに用いられる、アセプティックボトルであり、前記胴部に等間隔に配置された8つの減圧吸収パネルと、前記減圧吸収パネル同士の間にそれぞれ配置された円弧状壁面からなる柱部とを有し、前記減圧吸収パネルは、常温の液体の充填および前記合成樹脂製ボトルの密封の後の減圧を吸収するものであり、前記胴部の横断面における前記柱部の円弧状壁面が仮想的な1つの真円の一部を構成し、前記柱部の円弧状壁面の周長の合計が、前記真円の全周長の20~50%であることを特徴とする。
また、本発明は、筒状の胴部を有する、アセプティック充填用の合成樹脂製ボトルにおいて、アセプティック充填のみに用いられる、アセプティックボトルであり、前記胴部に等間隔に配置された8つの減圧吸収パネルと、前記減圧吸収パネル同士の間にそれぞれ配置された円弧状壁面からなる柱部とを有し、前記減圧吸収パネルは、常温の液体の充填および前記合成樹脂製ボトルの密封の後の減圧を吸収するものであり、前記胴部の横断面における前記柱部の円弧状壁面が仮想的な1つの真円の一部を構成し、前記柱部の周方向中心を通る径方向線と、前記柱部の周方向の端縁を通る径方向線とがなす角度が、前記柱部の周方向中心を通る径方向線と、前記柱部に隣接する減圧吸収パネルの周方向中心を通る径方向線とがなす角度の20~50%であることをもう1つの特徴とする。
本発明の合成樹脂製ボトルでは、胴部を構成する減圧吸収パネルの数と、横断面における胴部の柱部が占める領域の割合に関し、内部の圧力低下の減圧吸収と、ラベルを装着した胴部の外観が真円に近い円筒を呈することが両立できる範囲を規定している。
本発明の合成樹脂製ボトルによれば、内部の圧力低下を吸収する減圧吸収性能を有し、かつラベルを装着した胴部の外観が真円に近い円筒を呈する合成樹脂製ボトルとすることができる。
本発明の第1の実施形態の合成樹脂製ボトルの正面図である。 図1のS-S線における外形を輪郭線によって模式的に示す横断面図である。 図2の一部の拡大横断面図である。 図1の合成樹脂製ボトルにシュリンクラベルを装着した状態を示す正面図である。 図4のS-S線における外形の一部を輪郭線によって模式的に示す拡大横断面図である。 図1の合成樹脂製ボトルに飲料を充填した際の加熱前と加熱後における外形の一部を輪郭線によって模式的に示す拡大横断面図である。 図6に示す飲料を充填した合成樹脂製ボトルの減圧吸収パネルの凹部の曲率半径と加熱状態における膨らみ量との関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態の合成樹脂製ボトルの正面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[合成樹脂製ボトルの基本構造]
図1は本発明の第1の実施形態の合成樹脂製ボトル1の正面図を示し、図2は図1のS-S線における横断面形状を模式的に示している。図3は図2の一部を拡大して示している。この合成樹脂製ボトル1は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの合成樹脂からなり、コーヒー、茶等の非炭酸飲料を収容して保存するものであり、特に、前述したアセプティック充填に適した合成樹脂製ボトルである。この合成樹脂製ボトル1は、図1に示すように、下方から上方に向かって、ヒール部2と、筒状の胴部3と、上方に向かって先細になるテーパ状(略円錐状)の肩部4と、小径の首部5が設けられたボトルであり、ヒール部2が平面(例えば机やテーブルの天面や床面等)の上に載置された状態で自立可能である。首部5の端部は飲み口となる開口部である。開口部の外周には雄ねじ部6が設けられており、雌ねじ部(図示せず)を有するスクリューキャップ7がねじ込まれて封止される。
[胴部の構造]
図1,2に示すように、合成樹脂製ボトル1の胴部3には、上下を円弧状とした8つの減圧吸収パネル8が等間隔に配置され、減圧吸収パネル8同士の間にそれぞれ柱部9が設けられ、減圧吸収パネル8は凹部8aを有している。図2,3に示すように、柱部9は円弧状壁面9aからなり、胴部3の横断面における全ての柱部9の円弧状壁面9aが、仮想的な1つの真円10の一部をそれぞれ構成している。一方、減圧吸収パネル8の壁面は凹状または平面状であり、全ての柱部9の円弧状壁面9aを繋いで仮想的に構成する真円10には重ならない。本発明では、胴部3の横断面(例えばS-S線における横断面)において、各柱部9の円弧状壁面9aの周長の合計(「全柱部総周長A」と称する)が、全ての柱部9の円弧状壁面9aを繋いで仮想的に構成する真円10の全周長(「真円全周長B」と称する)の20~50%である。図示している具体例では、全柱部総周長Aが真円全周長Bの27%である。
合成樹脂製ボトル1の胴部3において、全ての減圧吸収パネル8の周方向長さが等しく、全ての柱部9が同一形状であって、それらの周方向長さが等しい場合には、前述した真円全周長Bに対する全柱部総周長Aの割合A/Bは、以下のように求めることができる。すなわち、図3に示すように、横断面において、減圧吸収パネル8の周方向中心8bを通る径方向線L1と、それに隣接する柱部9の周方向中心9cを通る径方向線L2とがなす角度Yに対する、径方向線L2と柱部9(減圧吸収パネル8)の周方向の端縁9bを通る径方向線L3とがなす角度Xの割合X/Yが、前述した長さの割合A/Bに相当する。柱部9の周方向の端縁9bとは、円弧状壁面9aの曲率が変化する点であって、仮想的な真円10に重なる部分と重ならない部分との境界の点である。なお、本実施形態における減圧吸収パネル8と柱部9の数はいずれも8であるので、角度Yは360°/16=22.5°である。
本発明において、前述したように全柱部総周長Aを真円全周長Bの20~50%に設定することの技術的意義について説明する。
従来の一般的な合成樹脂製ボトル1では、胴部3の横断面における全柱部総周長Aは、真円全周長Bの10%以下である。言い換えると、減圧吸収パネル8が占める割合が約90%以上であり、減圧を十分に吸収して容器1の変形を小さく抑えることができる。しかし、胴部3の大部分は、壁面が円弧状ではなく凹状または平面状である減圧吸収パネル8から構成されているので、横断面形状は略多角形状であり、シュリンクラベルを装着した胴部3の外観が略多角形の角筒を呈する。
これに対し、本発明の合成樹脂製ボトルでは前述した胴部の構造を、減圧吸収性能を維持しつつ、シュリンクラベルを装着した胴部3(図4参照)の外観が真円10に近い円筒を呈する設計条件を導き出している。まず、アセプティック充填により飲料が充填された合成樹脂製ボトル1の未開封状態の経時的な減圧は、主に、首部5のヘッドスペース内の酸素が飲料に溶け込む酸素の体積減少と、合成樹脂製ボトル1内に収容された飲料の僅かな胴部3からの水分透過による飲料の体積減少とに起因する。一方、熱間充填により飲料が充填された合成樹脂製ボトルの減圧は、前述のアセプティック充填における体積減少に加え、高温で充填・密封された飲料及びヘッドスペース内の気体の温度が常温に冷える事による体積減少も起因する。この為、アセプティック充填用の合成樹脂製ボトル(アセプティックボトル)1における必要減圧吸収量は、熱間充填用の合成樹脂製ボトル(耐熱ボトル)に比して少量である。例えば、内容量400ml程度(高さ:162mm、胴径:66mm、胴部の長さ:103mm、口径:38mm)のアセプティックボトルでは、約1年で7ml程度である。そして、このような体積減少の違いを考慮し、減圧を吸収して過度の変形が生じない減圧吸収パネル8の大きさを確保するには、減圧吸収パネル8が胴部3の壁面全体の50%以上を占める必要があることを見出した。そこで、本発明では、胴部3の横断面における柱部9の総周長Aを、真円10の全周長Bの50%以下に設定して減圧吸収パネル8の大きさを確保し、減圧吸収を可能にしている。なお、十分な減圧吸収性能を得るためには、減圧吸収パネル8の上下方向の長さは、胴部3の上下方向の全長の70%以上であることが好ましい。
一方、胴部3の壁面が凹状または平面状の減圧吸収パネル8が占める割合が大き過ぎると、胴部3の横断面形状が略多角形状になる。そこで、本発明では、胴部3の横断面における全柱部総周長Aを真円全周長Bの20%以上に設定するとともに、減圧吸収パネルの数を8つにすることにより、シュリンクラベルを装着した胴部3の外観が真円10に近い円筒とすることができる。尚、減圧吸収パネル8の数が少ないと、減圧吸収性能を得るために個々の減圧吸収パネル8を大きくしなければならず、凹状または平坦面である壁面が大きくなり、シュリンクラベルを装着した胴部3の外観が真円10に近い円筒を呈することが困難になる。一方、減圧吸収パネル8の数が多いと、個々の減圧吸収パネル8が小さくなり減圧吸収性能が大幅に低下する為、必要な減圧吸収性能が得られなくなる。従って、これらの状況を考慮した上で、本発明では、減圧吸収パネルの数(8つ)と、胴部3の横断面における全柱部総周長Aの真円全周長Bに対する割合(20%以上、すなわち従来の2倍以上)を特定した合成樹脂製ボトルとした。
図4,5に示すように、本実施形態の合成樹脂製ボトル1の胴部3の外面には熱収縮フィルムからなるシュリンクラベル11が装着されるが、図5の拡大横断面に模式的に示すように、シュリンクラベル11は主に柱部9の円弧状壁面9aに装着される。そして、減圧吸収パネル8の凹部8aには密着せずに僅かに浮いた状態で凹部8aを覆う。この結果、シュリンクラベル11によって、胴部3の外観は真円10に近い円筒を呈することになる。しかしながら、減圧吸収パネル8と柱部9の境界である端縁9b(図3参照)が鋭角的で、シュリンクラベル11が端縁9bに圧接すると、縦方向(上下方向)に延びる筋がシュリンクラベル11に形成され、外観が多角形の角筒のような印象を与える。このため、柱部9の端縁9bと繋がる減圧吸収パネル8の端部8cの横断面形状(図3参照)を、丸みを持った曲線形状に形成することが好ましく、前記曲線形状の曲率半径R(b)を5mm以上にすることにより、前述した筋の形成が防止され、シュリンクラベル11によって、胴部3の外観が真円10に近い円筒を呈するという目的の妨げにならない。好ましい例としては、曲率半径R(b)は10mm程度である。
[加熱変形について]
本実施形態の合成樹脂製ボトル1は、飲料を充填、密封し、ホットウォーマー、ホットベンダー等によって、例えば50℃~60℃程度の温度に加熱して加温販売されると、内部の空気及び内容液の膨張等によって内部の圧力が上昇する。そして、この圧力の上昇によって、図6の拡大横断面図に模式的に示すように、各減圧吸収パネル8の凹部8aが変形して外向きに凸状に膨らみ、柱部9の円弧状壁面9aと揃って横断面形状が略円弧状になり、合成樹脂製ボトル1の胴部3が真円10に近い円筒を呈し、より一層、その外観を真円10に近い円筒とすることが期待できる。図6には、変形前(加熱前)の凹部8aの形状を破線で、変形後(加熱後)の凹部8aの形状を実線でそれぞれ示している。この減圧吸収パネル8の凹部8aの変形は、減圧吸収パネル8の凹部8aの曲率半径R(a)が小さいと、合成樹脂製ボトル1が加熱されても凹部8aが外向きに凸状に膨らむ変形は生じにくく、合成樹脂製ボトル1の胴部3が真円10に近い円筒を呈さない傾向を示す。一方、凹部8aの曲率半径R(a)が大きいと、合成樹脂製ボトル1が高温になると凹部8aが外向きに凸状に膨らんで、ボトル1の胴部3が真円10に近い円筒を呈する傾向を示す。
図7に、前述した加熱後の減圧吸収パネル8の凹部8aの形状を解析した結果を示す。解析において、減圧吸収パネル8の端部8cの横断面における曲率半径R(b)を3mm,6.5mm,10mmの3通りに設定し、かつ凹部8aの横断面における曲率半径R(a)を10mm,15mm,25mm,40mmの4通りに設定して、それぞれの設定の様々な組み合わせにおける、加熱後の凹部8aの膨らみ量を、図7に示した。膨らみ量は、膨らみも凹みもなく壁面が平坦な直線状の場合を0mmとし、壁面が内向きに凹んでいる場合を負の値、壁面が外向きの凸状の場合を正の値として示している。図7に示す解析結果によると、減圧吸収パネル8の端部8cの曲率半径R(b)が3mm,6.5mm,10mmのいずれの場合も、凹部8aの曲率半径R(a)が10mm以下の場合には、加熱時に凹部8aが外向きに凸状に膨らむ変形は生じず、内向きの凹状のままである。従って、これらの場合には、加熱による変形は、ボトル1の胴部3を真円10に近い円筒とする実現にあまり寄与しない。これに対し、凹部8aの曲率半径R(a)が15mm以上の場合には、減圧吸収パネル8の端部8cの曲率半径R(b)にかかわらず、加熱時に凹部8aが外向きに凸状に膨んで、ボトル1の胴部3を真円10に近い円筒とする実現に寄与することが判る。このことから、本実施形態の合成樹脂製ボトル1においては、前述した加温販売を行い、ボトル1の胴部3を真円10に近い円筒にするためには、減圧吸収パネル8の凹部8aの曲率半径R(a)が15mm以上であることが効果的である。
[他の実施形態]
図8に、本発明の第2の実施形態の合成樹脂製ボトル20を示す。この合成樹脂製ボトル20は、ヒール部2、胴部3、肩部4の外周面の全面に亘って、多数の微小な凹凸が形成されている。このような多数の微小な凹凸を有する形状を、ここでは「エンボス加工部」と称する。前述した本発明の第1の実施形態の合成樹脂製ボトル1において、前記外周面にこのようなエンボス加工部12を形成すると、合成樹脂製ボトルの胴部3を、より一層、真円10に近い円筒の外観の印象を与えることが可能になる。その理由について以下に説明する。尚、エンボス加工部は少なくとも胴部3に形成されていれば良い。
合成樹脂製ボトルの胴部の外観の形状が、真円の円筒ではなく多角形の角筒の印象を与える大きな要因の1つは、減圧吸収パネル8と柱部9の境界に位置する端縁9b、またはその近傍が、縦方向(上下方向)に延びる筋として認識されることである。すなわち、縦方向に延びる筋が認識されると、ボトルの胴部の形状が曲面ではなく平面と平面とが接合し、その接合部分が縦方向に延びる筋として見えていると認識される。その結果、合成樹脂製ボトルの胴部の形状が真円の円筒ではなく多角形の角筒と認識される。従って、縦方向に延びる筋を目立たないようにすれば、胴部の形状が真円の円筒であるような印象を与え易い。すなわち、図8に示すように、合成樹脂製ボトル20の胴部3の外周面にエンボス加工部12を設けると、端縁9bまたはその近傍に縦方向に延びる筋が生じていても、エンボス加工部12の多数の微小な凹凸が目に入るため、筋が目立たなくなる。その結果、筋が認識され難いため、胴部の形状が真円の円筒の印象を与える。本実施形態の合成樹脂製ボトルでは、このように意図的に錯視を利用して、合成樹脂製ボトル20の胴部3の形状が真円10に近い円筒であるという印象を効果的に与えることができる。特に、前述したように図3に示す曲率半径R(b)を5mm以上に設定することに加えて、図8に示すエンボス加工部12を形成すると、胴部3の形状が真円10の円筒であるような印象を与える上でより効果的である。この観点からは、エンボス加工部12は、少なくとも端縁9bとその近傍のみに設けられていれば良いと考えられる。しかしながら、エンボス加工部12とそれ以外の部分との外観の印象が大きく異なることを避けるため、胴部3の外周面の全面にエンボス加工部12を形成することが好ましい。また、このエンボス加工部12は、合成樹脂製ボトル20に飲料を充填、密封して加温販売された場合に、購入者が合成樹脂製ボトル20保持した際に熱さを感じさせにくくする(熱を伝えにくくする)という効果も奏する。
図8に示す例では、エンボス加工部12は、互いに交差する複数の細い溝状の凹部を形成することによって、1cm2あたり1~8個程度(一例としては4.5個)の凸部を形成したものである。従って、凹部の深さは、0.1~0.5mm程度(一例としては0.3mm)である。
なお、本実施形態の合成樹脂製ボトル20においても、胴部3の横断面における全柱部総周長Aは、真円全周長Bの20~50%である。その他の構成に関しては、前述した第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
[変形例]
以上説明した各実施形態の合成樹脂製ボトルは、上下方向に沿って延びる形状の減圧吸収パネル8を有しているが、上下方向に対して傾斜する減圧吸収パネル8を有することもできる。その場合には、柱部9も同様に上下方向に対して傾斜する形状になる。これらの上下方向に対する傾斜角度は30度以下であることが好ましい。
1 合成樹脂製ボトル
2 ヒール部
3 胴部
4 肩部
5 首部
6 雄ねじ部
7 スクリューキャップ
8 減圧吸収パネル
8a 凹部
8b 周方向中心
8c 端部
9 柱部
9a 円弧状壁面
9b 端縁
9c 周方向中心
10 仮想的な真円
11 シュリンクラベル
12 エンボス加工部

Claims (7)

  1. 筒状の胴部を有する、アセプティック充填用の合成樹脂製ボトルにおいて、
    アセプティック充填のみに用いられる、アセプティックボトルであり、
    前記胴部に等間隔に配置された8つの減圧吸収パネルと、前記減圧吸収パネル同士の間にそれぞれ配置された円弧状壁面からなる柱部とを有し、
    前記減圧吸収パネルは、常温の液体の充填および前記合成樹脂製ボトルの密封の後の減圧を吸収するものであり、
    前記胴部の横断面における前記柱部の円弧状壁面が仮想的な1つの真円の一部を構成し、前記柱部の円弧状壁面の周長の合計が、前記真円の全周長の20~50%であることを特徴とする合成樹脂製ボトル。
  2. 筒状の胴部を有する、アセプティック充填用の合成樹脂製ボトルにおいて、
    アセプティック充填のみに用いられる、アセプティックボトルであり、
    前記胴部に等間隔に配置された8つの減圧吸収パネルと、前記減圧吸収パネル同士の間にそれぞれ配置された円弧状壁面からなる柱部とを有し、
    前記減圧吸収パネルは、常温の液体の充填および前記合成樹脂製ボトルの密封の後の減圧を吸収するものであり、
    前記胴部の横断面における前記柱部の円弧状壁面が仮想的な1つの真円の一部を構成し、前記柱部の周方向中心を通る径方向線と、前記柱部の周方向の端縁を通る径方向線とがなす角度が、前記柱部の周方向中心を通る径方向線と、前記柱部に隣接する減圧吸収パネルの周方向中心を通る径方向線とがなす角度の20~50%であることを特徴とする合成樹脂製ボトル。
  3. 筒状の胴部を有する、アセプティック充填用の合成樹脂製ボトルにおいて、
    アセプティック充填のみに用いられる、減圧吸収量が、内容量400mlあたり7ml以下であるアセプティックボトルであり、
    前記胴部に等間隔に配置された8つの減圧吸収パネルと、前記減圧吸収パネル同士の間にそれぞれ配置された円弧状壁面からなる柱部とを有し、
    前記減圧吸収パネルは、常温の液体の充填および前記合成樹脂製ボトルの密封の後の減圧を吸収するものであり、
    前記胴部の横断面における前記柱部の円弧状壁面が仮想的な1つの真円の一部を構成し、前記柱部の円弧状壁面の周長の合計が、前記真円の全周長の20~50%であることを特徴とする合成樹脂製ボトル。
  4. 筒状の胴部を有する、アセプティック充填用の合成樹脂製ボトルにおいて、
    アセプティック充填のみに用いられる、減圧吸収量が、内容量400mlあたり7ml以下であるアセプティックボトルであり、
    前記胴部に等間隔に配置された8つの減圧吸収パネルと、前記減圧吸収パネル同士の間にそれぞれ配置された円弧状壁面からなる柱部とを有し、
    前記減圧吸収パネルは、常温の液体の充填および前記合成樹脂製ボトルの密封の後の減圧を吸収するものであり、
    前記胴部の横断面における前記柱部の円弧状壁面が仮想的な1つの真円の一部を構成し、前記柱部の周方向中心を通る径方向線と、前記柱部の周方向の端縁を通る径方向線とがなす角度が、前記柱部の周方向中心を通る径方向線と、前記柱部に隣接する減圧吸収パネルの周方向中心を通る径方向線とがなす角度の20~50%であることを特徴とする合成樹脂製ボトル。
  5. 前記柱部の円弧状壁面の周長の合計が、前記真円の全周長の27~50%である、請求項1または3に記載の合成樹脂製ボトル。
  6. 前記柱部の周方向中心を通る径方向線と、前記柱部の周方向の端縁を通る径方向線とがなす角度が、前記柱部の周方向中心を通る径方向線と、前記柱部に隣接する減圧吸収パネルの周方向中心を通る径方向線とがなす角度の27~50%である、請求項2または4に記載の合成樹脂製ボトル。
  7. 少なくとも前記胴部の外周面の、前記柱部の周方向の端縁を含む部分にエンボス加工部が設けられており、前記エンボス加工部は、深さ0.1~0.5mmの凹部を形成することによって1cm2あたり1~8個の凸部を形成したものである、請求項1から6のいずれか1項に記載の合成樹脂製ボトル。
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