JP7444157B2 - 積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、積層フィルムに関する。
近年、タッチパネルが備えられた画像表示装置の需要が伸びており、タッチパネルの部材である、透明導電性フィルムの開発が進んでいる。透明導電性フィルムとしては、基材である樹脂フィルムの上に、透明導電層が積層されているフィルムが開示されている(特許文献1、2)。
画像表示装置は、太陽光などの、紫外線を含む光の下で使用されうる。画像表示装置を紫外線による劣化から保護するために、紫外線吸収剤を含む樹脂フィルムが、透明導電性フィルムの基材フィルムや、偏光板保護フィルムなどとして用いられている。樹脂フィルムとしては、紫外線吸収剤を含む樹脂の層を中間層として備える、三層構造の積層フィルムが開示されている(特許文献3~5)。
特開2017-061069号公報 国際公開第2014/136701号(対応公報:米国特許出願公開第2015/0378461号明細書) 特開2005-181615号公報 特開2018-161789号公報 特開2015-045845号公報
紫外線吸収剤を含む樹脂の層を中間層として備える積層フィルムは、中間層の厚みにばらつきが存在すると、紫外線吸収の性能も不均一となりうる。また、積層フィルムは、その製造工程などにおいて、高温に曝される場合がある。高温に曝されることにより、積層フィルムにシワが生じると、積層フィルムを含む部材又は装置の光学的特性を保持できない場合がある。また、かかる部材又は装置を効率的に製造できない場合がある。
したがって、紫外線吸収剤を含む中間層において厚みのばらつきが抑制されており、かつ高温に曝されてもシワが生じにくい積層フィルムが求められている。
本発明者は、前記課題を解決するべく、鋭意検討した。その結果、第1外側層、中間層、及び第2外側層をこの順で含む積層フィルムにおいて、各層のガラス転移温度、各層の厚みの比、中間層における紫外線吸収剤の濃度を所定の範囲内に収めることにより、前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下を提供する。
[1] 第1外側層、中間層、及び第2外側層をこの順で含み、
前記第1外側層は、脂環式構造を含有する重合体を含み、ガラス転移温度がTgA1(℃)である樹脂A1からなり、
前記第2外側層は、脂環式構造を含有する重合体を含み、ガラス転移温度がTgA2(℃)である樹脂A2からなり、
前記中間層は、脂環式構造を含有する重合体及び紫外線吸収剤を含み、ガラス転移温度がTgB(℃)である樹脂Bからなり、
TgA1及びTgA2が、それぞれ独立して150℃以上であり、
TgA1とTgBとの差(TgA1-TgB)及びTgA2とTgBとの差(TgA2-TgB)が、それぞれ独立して0℃以上60℃以下であり、
前記樹脂Bにおける前記紫外線吸収剤の濃度が、5重量%以上20重量%以下であり、
前記中間層の厚みTBの、前記第1外側層の厚みTA1及び前記第2外側層の厚みTA2の合計に対する割合(TB/(TA1+TA2))が、0.1以上0.35以下である、積層フィルム。
[2] 前記樹脂A1の280℃及び荷重2.16kgにおけるメルトマスフローレートが、RA1(g/10min)であり、
前記樹脂A2の280℃及び荷重2.16kgにおけるメルトマスフローレートが、RA2(g/10min)であり、
前記樹脂Bの280℃及び荷重2.16kgにおけるメルトマスフローレートが、RB(g/10min)であり、
RBのRA1に対する割合(RB/RA1)及びRBのRA2に対する割合(RB/RA2)が、それぞれ独立して3.5以上15.0以下である、[1]に記載の積層フィルム。
[3] 前記樹脂A1における紫外線吸収剤の濃度及び前記樹脂A2における紫外線吸収剤の濃度が、それぞれ独立して0重量%以上5重量%未満である、[1]又は[2]に記載の積層フィルム。
[4] 前記中間層の一方の面に直に接して前記第1外側層が設けられ、前記中間層の他方の面に直に接して前記第2外側層が設けられている、[1]~[3]のいずれか1項に記載の積層フィルム。
[5] 波長320nm以上380nm以下における光線透過率が、1.0%以下であり、前記中間層に含まれる前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びトリアジン系紫外線吸収剤からなる群から選択される1種以上を含む、[1]~[4]のいずれか1項に記載の積層フィルム。
[6] 透明導電層を更に含む、[1]~[5]のいずれか1項に記載の積層フィルム。
[7] 前記透明導電層が、インジウムスズオキサイドを含む層、銀ナノワイヤを含む層、又は銅メッシュ構造を含む層である、[6]に記載の積層フィルム。
本発明によれば、紫外線吸収剤を含む中間層において厚みのばらつきが抑制されており、かつ高温に曝されてもシワが生じにくい積層フィルムを提供できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層フィルムを模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の別の実施形態に係る積層フィルムを模式的に示す断面図である。
以下、本発明について実施形態及び例示物を示して詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、「長尺」のフィルムとは、幅に対して、5倍以上の長さを有するフィルムをいい、好ましくは10倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻き取られて保管又は運搬される程度の長さを有するフィルムをいう。フィルムの長さの上限は、特に制限は無く、例えば、幅に対して10万倍以下としうる。
以下の説明において、層の面内方向におけるレターデーションReは、別に断らない限り、Re=(nx-ny)×dで表される値である。ここで、nxは、層の厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表す。nyは、層の前記面内方向であってnxの方向に直交する方向の屈折率を表す。dは、層の厚みを表す。測定波長は、別に断らない限り、590nmである。
以下の説明において、要素の方向が「平行」、「垂直」及び「直交」とは、別に断らない限り、本発明の効果を損ねない範囲内、例えば±3°、±2°又は±1°の範囲内での誤差を含んでいてもよい。
本明細書において「剤」とは、単一種の物質であってもよく、複数種の物質を含むものであってもよい。
[1.積層フィルム]
[1.1.積層フィルムの概要]
本発明の一実施形態に係る積層フィルムは、第1外側層、中間層、及び第2外側層をこの順で含む。図1は、本発明の一実施形態に係る積層フィルムを模式的に示す断面図である。図1に示すように、積層フィルム100は、第1外側層110、中間層120、第2外側層130をこの順で含む。第1外側層110は、中間層120の一方の面120Uに直に接して設けられている。第2外側層130は、中間層120の他方の面120Dに直に接して設けられている。第1外側層110は、厚みTA1を有する。第2外側層130は、厚みTA2を有する。中間層120は、厚みTBを有する。
第1外側層110は、樹脂A1からなり、樹脂A1を材料として形成されている。
第2外側層130は、樹脂A2からなり、樹脂A2を材料として形成されている。
中間層120は、樹脂Bからなり、樹脂Bを材料として形成されている。
中間層120の厚みTBの、第1外側層110の厚みTA1及び第2外側層130の厚みTA2の合計に対する割合(TB/(TA1+TA2))は、通常0.1以上0.35以下である。
積層フィルム100が、前記構成を有することにより、中間層120において厚みのばらつきが抑制されており、かつ高温に曝されてもシワが生じにくい積層フィルムとしうる。
[1.2.樹脂A1]
第1外側層を形成する樹脂A1は、脂環式構造を含有する重合体を含み、ガラス転移温度がTgA1(℃)である。
脂環式構造を含有する重合体とは、繰り返し単位中に脂環式構造を含有する重合体である。以下、脂環式構造を含有する重合体を、「脂環式構造含有重合体」ともいう。
脂環式構造含有重合体は、機械的強度に優れる。また、脂環式構造含有重合体は、通常、透明性、低吸水性、耐湿性、寸法安定性及び軽量性に優れる。
脂環式構造含有重合体の例としては、環状オレフィンを単量体として用いた重合反応によって得られうる重合体又はその水素化物などが挙げられる。また、前記の脂環式構造含有重合体としては、主鎖中に脂環式構造を含有する重合体、及び、側鎖に脂環式構造を含有する重合体のいずれも用いることができる。中でも、脂環式構造含有重合体は、主鎖に脂環式構造を含有することが好ましい。脂環式構造としては、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造等が挙げられるが、熱安定性等の観点からシクロアルカン構造が好ましい。
1つの脂環式構造に含まれる炭素原子の数は、好ましくは4個以上、より好ましくは5個以上、より好ましくは6個以上であり、好ましくは30個以下、より好ましくは20個以下、特に好ましくは15個以下である。1つの脂環式構造に含まれる炭素原子の数が前記範囲内にあることで、機械的強度、耐熱性、及び成形性が高度にバランスされる。
脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、好ましくは30重量%以上、より好ましくは50重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。脂環式構造を有する繰り返し単位の割合を前記のように多くすることにより、耐熱性を高めることができる。
また、脂環式構造含有重合体において、脂環式構造を有する繰り返し単位以外の残部は、格別な限定はなく、使用目的に応じて適宜選択しうる。
脂環式構造含有重合体の例としては、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン重合体、(3)環状共役ジエン重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物が挙げられる。これらの中でも、透明性及び成形性の観点から、ノルボルネン系重合体及びこの水素化物が好ましい。
ノルボルネン系重合体の例としては、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体及びその水素化物;ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体及びその水素化物が挙げられる。また、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体の例としては、ノルボルネン構造を有する1種類の単量体の開環単独重合体、ノルボルネン構造を有する2種類以上の単量体の開環共重合体、並びに、ノルボルネン構造を有する単量体及びこれと共重合しうる任意の単量体との開環共重合体が挙げられる。さらに、ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体の例としては、ノルボルネン構造を有する1種類の単量体の付加単独重合体、ノルボルネン構造を有する2種類以上の単量体の付加共重合体、並びに、ノルボルネン構造を有する単量体及びこれと共重合しうる任意の単量体との付加共重合体が挙げられる。これらの中で、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体の水素化物は、成形性、耐熱性、低吸湿性、低透湿性、寸法安定性及び軽量性の観点から、特に好適である。
ノルボルネン構造を有する単量体としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン(慣用名:ノルボルネン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3,7-ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、7,8-ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3-エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、及びこれらの化合物の誘導体(例えば、環に置換基を有するもの)を挙げることができる。ここで、置換基としては、例えばアルキル基、アルキレン基、及び極性基を挙げることができる。これらの置換基は、同一または相異なって、複数個が環に結合していてもよい。ノルボルネン構造を有する単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体は、例えば、単量体を開環重合触媒の存在下に重合又は共重合することにより製造しうる。
ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体は、例えば、単量体を付加重合触媒の存在下に重合又は共重合することにより製造しうる。
上述した開環重合体及び付加重合体の水素化物は、例えば、開環重合体及び付加重合体の溶液において、ニッケル、パラジウム等の遷移金属を含む水素化触媒の存在下で、炭素-炭素不飽和結合を、好ましくは90%以上水素化することによって製造しうる。
樹脂A1に含まれる脂環式構造含有重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10,000以上、より好ましくは15,000以上、更に好ましくは20,000以上であり、好ましくは100,000以下、より好ましくは80,000以下、更に好ましくは50,000以下である。このような重量平均分子量を有する脂環式構造含有重合体は、機械的強度、成形加工性及び耐熱性のバランスに優れる。
樹脂A1に含まれる脂環式構造含有重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上、特に好ましくは1.8以上であり、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.4以下、特に好ましくは3.3以下である。分子量分布が前記範囲の下限値以上であることにより、脂環式構造含有重合体の生産性を高め、製造コストを抑制できる。また、上限値以下であることにより、低分子成分の量が小さくなるので、第1外側層の安定性を高めることができる。
樹脂A1に含まれる脂環式構造含有重合体及び後述する樹脂A2に含まれる脂環式構造含有重合体の重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnは、溶媒としてシクロヘキサンを用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略す。)により、ポリイソプレン換算の値で測定しうる。樹脂がシクロヘキサンに溶解しない場合には、溶媒としてトルエンを用いたGPCにより、ポリスチレン換算の値で測定しうる。
脂環式構造含有重合体を含む樹脂としては、様々な商品が市販されているので、それらのうち、所望の特性を有するものを適宜選択し、使用しうる。かかる市販品の例としては、商品名「ZEONOR」(日本ゼオン株式会社製)、「アートン」(JSR株式会社製)、「アペル」(三井化学株式会社製)、「TOPAS」(TOPAS Advanced Polymers社製)の製品群が挙げられる。
樹脂A1における脂環式構造含有重合体の量は、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、更に好ましくは95重量%以上であり、通常100重量%以下であり、98重量%以下であってもよい。樹脂A1における脂環式構造含有重合体の量が、前記下限値以上であることにより、樹脂A1が、脂環式構造含有重合体が有する特性を備えうる。
樹脂A1は、脂環式構造含有重合体を1種類単独で含んでいてもよく、2種類以上の任意の比率の組み合わせとして含んでいてもよい。
樹脂A1は、脂環式構造含有重合体の他に、任意の成分を含んでいてもよい。
任意の成分の例としては、脂環式構造含有重合体以外の重合体;無機微粒子;酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤等の安定剤;滑剤、可塑剤等の樹脂改質剤;染料や顔料等の着色剤;及び帯電防止剤が挙げられる。これらの任意の成分としては、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
樹脂A1は、任意の成分として、紫外線吸収剤を含んでいてもよい。紫外線吸収剤が第1外側層からブリードアウトすることを抑制する観点から、樹脂A1における紫外線吸収剤の濃度は、好ましくは5重量%未満、より好ましくは3重量%以下、更に好ましくは1重量%以下であり、通常0重量%以上であり、0重量%であってもよい。
樹脂A1が含みうる紫外線吸収剤の例としては、樹脂Bが含む紫外線吸収剤の例として後述する紫外線吸収剤が挙げられる。
[樹脂A1の物性]
樹脂A1のガラス転移温度TgA1(℃)は、通常150℃以上、好ましくは155℃以上、より好ましくは160℃以上であり、好ましくは185℃以下、より好ましくは175℃以下である。ガラス転移温度TgA1が、前記下限値以上であることにより、積層フィルムにおいて高温暴露時のシワの発生を抑制できる。
樹脂A1のガラス転移温度TgA1(℃)、後述する樹脂Bのガラス転移温度TgB(℃)、及び後述する樹脂A2のガラス転移温度TgA2(℃)は、JIS K7121に基づき、示差走査熱量分析法(以下、DSCともいう。)により測定しうる。
DSCによるガラス転移温度の測定は、室温から200℃まで20℃/minで昇温し、次いで40℃まで20℃/minで冷却した試料について、40℃から200℃まで10℃/minで昇温する条件で行いうる。
樹脂A1の、280℃及び荷重2.16kgにおけるメルトマスフローレートRA1は、好ましくは0.5g/10min以上、より好ましくは1g/10min以上、更に好ましくは3g/10min以上であり、好ましくは50g/10min以下、より好ましくは30g/10min以下、更に好ましくは20g/10min以下である。樹脂A1のメルトマスフローレートRA1を前記範囲内とすることにより、より効果的に積層フィルムにおいて高温暴露時のシワの発生を抑制できる。樹脂A1のメルトマスフローレートRA1は、例えば、樹脂A1の重量平均分子量を調整する方法、滑剤;可塑剤などの樹脂改質剤;及び紫外線吸収剤などの、添加剤の含有量を調整する方法により、調整しうる。
樹脂A1並びに後述する樹脂A2及び樹脂Bのメルトマスフローレート(以下、メルトマスフローレートをMFRともいう。)は、JIS K7210に基づき、メルトインデクサを用いて、温度280℃、荷重2.16kgの条件で測定しうる。
[1.3.樹脂A2]
第2外側層を形成する樹脂A2は、脂環式構造を含有する重合体を含み、ガラス転移温度がTgA2(℃)である。
樹脂A2に含まれる脂環式構造含有重合体の例としては、樹脂A1に含まれる脂環式構造含有重合体の例と同様の例が挙げられる。樹脂A2に含まれる脂環式構造含有重合体としては、樹脂A1に含まれる脂環式構造含有重合体の好適な例から適宜選択しうる。
樹脂A2に含まれる脂環式構造含有重合体の重量平均分子量は、樹脂A1に含まれる脂環式構造含有重合体における重量平均分子量(Mw)の好適な範囲と同様の範囲としうる。
樹脂A2に含まれる脂環式構造含有重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、樹脂A1に含まれる脂環式構造含有重合体における分子量分布の好適な範囲と同様の範囲としうる。
樹脂A2における脂環式構造含有重合体の量は、樹脂A1における脂環式構造含有重合体の好適な量と同様の範囲としうる。
樹脂A2は、脂環式構造含有重合体を1種類単独で含んでいてもよく、2種類以上の任意の比率の組み合わせとして含んでいてもよい。
樹脂A2は、脂環式構造含有重合体の他に、任意の成分を含んでいてもよい。
任意の成分の例としては、樹脂A1に含まれうる任意成分と同様の例が挙げられる。任意の成分としては、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
樹脂A2は、任意の成分として、紫外線吸収剤を含んでいてもよい。紫外線吸収剤が第2外側層からブリードアウトすることを抑制する観点から、樹脂A2における紫外線吸収剤の濃度は、好ましくは5重量%未満、より好ましくは3重量%以下、更に好ましくは1重量%以下であり、通常0重量%以上であり、0重量%であってもよい。
樹脂A2が含みうる紫外線吸収剤の例としては、樹脂Bが含みうる紫外線吸収剤の例として後述された紫外線吸収剤が挙げられる。
[樹脂A2の物性]
樹脂A2のガラス転移温度TgA2(℃)は、通常150℃以上、好ましくは155℃以上、より好ましくは160℃以上であり、好ましくは185℃以下、より好ましくは175℃以下である。ガラス転移温度TgA2が、前記下限値以上であることにより、積層フィルムにおいて高温暴露時のシワの発生を抑制できる。
樹脂A2の、280℃及び荷重2.16kgにおけるメルトマスフローレートRA2は、好ましくは0.5g/10min以上、より好ましくは1g/10min以上、更に好ましくは3g/10min以上であり、好ましくは50g/10min以下、より好ましくは30g/10min以下、更に好ましくは20g/10min以下である。樹脂A2のMFRを前記範囲内とすることにより、より効果的に積層フィルムにおいて高温暴露時のシワの発生を抑制できる。樹脂A2のMFRは、樹脂A1のMFRの調整方法として例示した方法と同様の方法により、調整しうる。
樹脂A2は、樹脂A1と異なる樹脂であってもよい。例えば、樹脂A2は、樹脂A1と、含まれる脂環式構造含有重合体の、種類、重量平均分子量、分子量分布、含有割合などが異なっていてもよく、含まれうる任意成分の、種類、含有割合などが異なっていてもよい。また例えば、樹脂A2は、樹脂A1と、ガラス転移温度、メルトマスフローレートなどの物性が異なっていてもよい。
しかし、積層フィルムの製造を簡便とし、積層フィルムのカールを抑制する観点から、樹脂A2は、樹脂A1と同じ樹脂であることが好ましい。
[1.4.樹脂B]
中間層を形成する樹脂Bは、脂環式構造を含有する重合体及び紫外線吸収剤を含み、ガラス転移温度がTgB(℃)である。
樹脂Bに含まれる脂環式構造含有重合体の例としては、樹脂A1に含まれる脂環式構造含有重合体の例と同様の例が挙げられる。樹脂Bに含まれる脂環式構造含有重合体としては、樹脂A1に含まれる脂環式構造含有重合体の好適な例から適宜選択しうる。
樹脂Bに含まれる脂環式構造含有重合体の重量平均分子量は、好ましくは10,000以上、より好ましくは15,000以上、更に好ましくは20,000以上であり、好ましくは100,000以下、より好ましくは80,000以下、更に好ましくは50,000以下である。このような重量平均分子量を有する脂環式構造含有重合体は、機械的強度、成形加工性及び耐熱性のバランスに優れる。
樹脂Bに含まれる脂環式構造含有重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上、特に好ましくは1.8以上であり、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.4以下、特に好ましくは3.3以下である。分子量分布が前記範囲の下限値以上であることにより、脂環式構造含有重合体の生産性を高め、製造コストを抑制できる。また、上限値以下であることにより、低分子成分の量が小さくなるので、中間層の安定性を高めることができる。
樹脂Bにおける脂環式構造含有重合体の量は、好ましくは80重量%以上、より好ましくは82重量%以上、更に好ましくは85重量%以上であり、通常95重量%以下であり、90重量%以下であってもよい。
樹脂Bは、脂環式構造含有重合体を1種類単独で含んでいてもよく、2種類以上の任意の比率の組み合わせとして含んでいてもよい。
樹脂Bに含まれる紫外線吸収剤の例としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、アクリロニトリル系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、アゾメチン系紫外線吸収剤、インドール系紫外線吸収剤、ナフタルイミド系紫外線吸収剤、フタロシアニン系紫外線吸収剤等の、有機紫外線吸収剤が挙げられる。
中でも、樹脂Bは、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びトリアジン系紫外線吸収剤からなる群から選択される1種以上を含むことが好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、分子内にベンゾトリアゾール構造を含む。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の例としては、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-p-クレゾール、及び2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェノールが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の市販品の例としては、ADEKA社製「アデカスタブLA-31」、「アデカスタブLA-32」、「アデカスタブLA-36」が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤は、分子内にトリアジン構造を含む。トリアジン系紫外線吸収剤として、分子内に1,3,5-トリアジン構造を含む化合物が好ましい。
トリアジン系紫外線吸収剤の例としては、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-3-メチル-4-ヘキシルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン―2-イル)-5-(2-(2-エチルヘキサノイロキシ)エトキシ)フェノール、及び2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジンが挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤の市販品の例としては、ADEKA社製「アデカスタブLA-F70」、「アデカスタブLA-46」、及びBASFジャパン社製「チヌビン1577」が挙げられる。
紫外線吸収剤の別の具体例としては、特開2017-154401号公報に記載された紫外線吸収剤が挙げられる。
樹脂Bは、紫外線吸収剤を、1種単独で含んでいてもよく、2種以上を任意の比率の組み合わせで含んでいてもよい。
樹脂Bにおける紫外線吸収剤の含有率は、通常5重量%以上、好ましくは7重量%以上、より好ましくは8重量%以上であり、通常20重量%以下、好ましくは15重量%以下、より好ましくは13重量%以下である。
樹脂Bにおける紫外線吸収剤の含有率が、前記下限値以上であることにより、積層フィルムにおける紫外線吸収性能が向上する。樹脂Bにおける紫外線吸収剤の含有率が、前記上限値以下であることにより、紫外線吸収剤による樹脂Bの着色を抑制し、樹脂Bにおいて紫外線吸収剤がより良好に分散しうる。
樹脂Bは、脂環式構造含有重合体及び紫外線吸収剤の他に、任意の成分を含んでいてもよい。
任意の成分の例としては、樹脂A1に含まれうる任意成分と同様の例が挙げられる。任意の成分としては、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
[樹脂Bの物性]
樹脂A1のガラス転移温度TgA1(℃)と樹脂Bのガラス転移温度TgB(℃)との差(TgA1-TgB)は、通常60℃以下であり、好ましくは50℃以下、より好ましくは48℃以下であり、通常0℃以上である。
また、樹脂A2のガラス転移温度TgA2(℃)と樹脂Bのガラス転移温度TgB(℃)との差(TgA2-TgB)は、通常60℃以下であり、好ましくは50℃以下、より好ましくは48℃以下であり、通常0℃以上である。
樹脂Bのガラス転移温度TgBが、ガラス転移温度TgA1及びTgA2と前記関係にあることにより、加熱後における積層フィルムの寸法変化を抑制でき、また高温に曝されてもシワが生じにくい積層フィルムとしうる。
樹脂Bの、280℃及び荷重2.16kgにおけるメルトマスフローレートRB(g/10min)の、前記メルトマスフローレートRA1に対する割合(RB/RA1)は、通常3.5以上、好ましくは4.0以上であり、通常15.0以下、好ましくは14.5以下、より好ましくは14.0以下である。割合(RB/RA1)が、前記下限値以上であることにより、中間層における厚みのばらつきが抑制され、かつ高温に曝されてもシワが生じにくい積層フィルムとしうる。
また、メルトマスフローレートRBの前記メルトマスフローレートRA2に対する割合(RB/RA2)は、通常3.5以上、好ましくは4.0以上であり、通常15.0以下、好ましくは14.5以下、より好ましくは14.0以下である。割合(RB/RA2)が、前記下限値以上であることにより、中間層における厚みのばらつきが抑制され、かつ高温に曝されてもシワが生じにくい積層フィルムとしうる。
樹脂BのメルトマスフローレートRBは、樹脂A1のMFRの調整方法として例示した方法と同様の方法により、調整しうる。
[1.5.積層フィルムの構成、物性など]
積層フィルムにおいて、中間層の厚みTBの、第1外側層の厚みTA1及び第2外側層の厚みTA2の合計に対する割合(TB/(TA1+TA2))は、通常0.1以上、好ましくは0.13以上、より好ましくは0.16以上であり、通常0.35以下、好ましくは0.32以下、より好ましくは0.30以下である。割合(TB/(TA1+TA2))を、前記範囲内とすることにより、高温に曝されてもシワが生じにくい積層フィルムとしうる。
積層フィルムの厚みは、積層フィルムの使用目的などに応じて適宜に設定でき、特に限定されないが、好ましくは30μm以上150μm以下である。
中間層の厚みは、中間層に含まれる紫外線吸収剤の量などに応じて適宜に設定でき、特に限定されないが、好ましくは5μm以上35μm以下である。
積層フィルムは、波長320nm以上380nm以下における光線透過率が、通常1.0%以下であり、好ましくは0.8%以下であり、理想的には0%であり、0%以上であってもよい。
積層フィルムの波長320nm以上380nm以下における光線透過率が、前記上限値以下であることにより、積層フィルムがより効果的に紫外線をカットできる。
波長320nm以上380nm以下における光線透過率は、紫外可視近赤外分光光度計を用いて測定されうる。
積層フィルムは、面内方向におけるレターデーションReが、好ましくは5nm以下、より好ましくは3nm以下であり、通常0nm以上である。面内方向におけるレターデーションReは、市販の複屈折計を用いて測定されうる。
積層フィルムは、ヘイズが、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下であり、通常0%以上である。ヘイズは、市販のヘイズメーターを用いて測定されうる。
積層フィルムは、全光線透過率が、好ましくは90%以上、より好ましくは91%以上であり、通常100%以下である。全光線透過率は市販のヘイズメーターを用いて測定されうる。
積層フィルムは、145℃で60分間加熱後における寸法変化率の絶対値が、好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.1%未満であり、通常0%以上である。
145℃で60分間加熱した後における寸法変化率の絶対値は、加熱前の積層フィルムの寸法に対する、加熱後の積層フィルムの寸法変化率の絶対値として求めうる。
より具体的には、寸法変化率の絶対値は、実施例において説明する方法により求めうる。
[1.6.積層フィルムに含まれうる任意の層]
積層フィルムは、前記の第1外側層、中間層、及び第2外側層の他に、任意の層を含んでいてもよい。任意の層の例としては、透明導電層、接着層、接着補助層が挙げられる。
[透明導電層]
積層フィルムは、透明導電層を含んでいてもよい。
導電層は、例えば、積層フィルムの最外面に設けられる。
図2は、本発明の別の実施形態に係る積層フィルムを模式的に示す断面図である。積層フィルム200は、透明導電層240、第1外側層210、中間層220、及び第2外側層230をこの順で含む。第1外側層210、中間層220、及び第2外側層230を備える積層体250は、前記積層フィルム100と同様の構成を有し、第1外側層210、中間層220、及び第2外側層230は、それぞれ第1外側層110、中間層120、及び第2外側層130と同様の構成を有しているので、説明を省略する。
透明導電層は、導電性を有する層である。
透明導電層は、通常、可視光波長において高い透過率を有する導電性材料を含む。透明導電層に含まれる導電性材料の例としては、ITO(インジウムスズオキサイド)、IZO(インジウム亜鉛オキサイド)、ZnO(酸化亜鉛)、IWO(インジウムタングステンオキサイド)、ITiO(インジウムチタニウムオキサイド)、AZO(アルミニウム亜鉛オキサイド)、GZO(ガリウム亜鉛オキサイド)、XZO(亜鉛系特殊酸化物)、IGZO(インジウムガリウム亜鉛オキサイド)等の導電性金属酸化物;カーボンナノチューブ、銀ナノワイヤ等の導電性ナノワイヤ;金属ナノインク;銅メッシュなどの金属メッシュ;導電性ポリマー;などが挙げられる。また、これらの導電性材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
透明導電層は、インジウムスズオキサイドを含む層、銀ナノワイヤを含む層、又は銅メッシュ構造を含む層であることが好ましい。
透明導電層は、波長400nm~700nmの範囲における光線透過率が、好ましくは85%以上であり、より好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは95%以上である。
透明導電層は、所定のパターンを有していてもよい。
本実施形態では、透明導電層240は、第1外側層210よりも外側となるように、第1外側層210に直に接して設けられている。しかし、別の実施形態の積層フィルムでは、透明導電層は、第2外側層よりも外側となるよう、第2外側層に直に接して設けられていてもよい。
また別の実施形態に係る積層フィルムは、第1外側層に直に接して設けられている第1透明導電層と、第2外側層に直に接して設けられている第2透明導電層とを含んでいてもよい。
さらに別の実施形態に係る積層フィルムは、第1外側層と透明導電層との間、又は第2外側層と透明導電層との間に、任意の層が設けられていてもよい。
[1.7.積層フィルムの用途]
前記積層フィルムは、中間層における厚みのばらつきが抑制されている結果、紫外線吸収性能のばらつきが少ない。また、高温に曝されてもシワが生じにくい。そのため、例えば、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、高温下で製造されうる、タッチパネルの基材フィルムとして好適に使用されうる。
[2.積層フィルムの製造方法]
前記積層フィルムは、任意の方法により製造しうる。例えば、第1外側層、中間層、及び第2外側層のそれぞれを別々に、溶融成形法、溶液流延法などの、公知の方法により製造してから、それぞれを積層して製造してもよく、樹脂A1、樹脂B、及び樹脂A2を共押出の方法により積層して製造してもよい。
前記積層フィルムは、長尺のフィルムとして製造しうる。
積層フィルムが透明導電層を含む場合、透明導電層は、透明導電層に含まれる導電性材料に応じた方法により形成しうる。例えば、透明導電層は、蒸着法、スパッタリング法、塗布法などの方法により形成しうる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではなく、本発明の請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り、重量基準である。また、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温及び常圧の条件において行った。
[評価方法]
(ガラス転移温度)
試料のガラス転移温度を、JIS K7121に基づき示差走査熱量分析法により測定した。測定は、室温から200℃まで20℃/minで昇温し、次いで40℃まで20℃/minで冷却した試料について、40℃から200℃まで10℃/minで昇温する条件で行った。
(メルトマスフローレート)
試料のメルトマスフローレートを、JIS K7210に基づき、メルトインデクサ(東洋精機製作所社製「F-F01」)を用いて、温度280℃、荷重2.16kgの条件で測定した。
(分子量の測定)
脂環式構造含有重合体の重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)システム HLC-8320(東ソー社製)で、Hタイプカラム(東ソー社製)を用い、シクロヘキサンを溶媒として40℃で測定し、ポリイソプレン換算値として求めた。
(重合体の水素化率)
重合体の水素化率を、H-NMRにより測定した。
(積層フィルムのヘイズ)
積層フィルムの幅方向両端部及び幅方向中心部から、一辺が50mmである略正方形のフィルム片を、合計3枚切り出した。得られた3つのフィルム片それぞれのヘイズを、ヘイズメーター(日本電色工業社製「NDH-2000」)を用いて測定した。得られた3枚のフィルム片のヘイズの平均を、積層フィルムのヘイズの値とした。
(積層フィルムの全光線透過率)
積層フィルムの幅方向両端部及び幅方向中心部から、一辺が50mmである略正方形のフィルム片を、合計3枚切り出した。得られた3つのフィルム片それぞれの全光線透過率を、ヘイズメーター(日本電色工業社製「NDH-2000」)を用いて測定した。得られた3枚のフィルム片の全光線透過率の平均を、積層フィルムの全光線透過率の値とした。
(積層フィルムの面内方向におけるレターデーションRe)
積層フィルムの幅方向両端部及び幅方向中心部から、一辺が50mmである略正方形のフィルム片を、合計3枚切り出した。得られた3つのフィルム片それぞれの、面内方向におけるレターデーションReを、自動複屈折計(王子計測機器株式会社製「KOBLA-21ADH」)で測定した。測定波長は、590nmとした。得られた3枚のフィルム片のレターデーションReの平均を、積層フィルムのレターデーションReの値とした。
(紫外線透過率)
測定対象のフィルムの紫外線透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光社製「V-550」)を用いて、波長200nmから400nmの範囲で測定した。波長320nm、340nm、360nm、及び380nmにおける紫外線透過率(%)、並びに、波長320nmから380nmにおける紫外線透過率の最大値(%)を、得られたスペクトルから読み取った。
(TB/(TA1+TA2)及び中間層における厚みのばらつき)
ある箇所における積層フィルムの総厚み(μm)を、市販の接触式厚さ計を用いて測定した。
積層フィルムを厚み方向を含む面で切断して断面を光学顕微鏡で観察し、総厚みを測定した箇所において、中間層の厚みの、第1外側層の厚み及び第2外側層の厚みの合計に対する割合(TB/(TA1+TA2))を求めた。積層フィルムの総厚みと、割合(TB/(TA1+TA2))とから、中間層の厚みTB(μm)を求めた。
以上の測定を、幅方向(積層フィルムの製造における搬送方向に垂直な方向)に50mm間隔で10箇所、長手方向(積層フィルムの製造における搬送方向)に50mm間隔で10箇所の、合計20箇所で行った。ただし、積層フィルムの幅方向における端部から50mmの範囲を、測定箇所から除いた。
20箇所において測定された割合(TB/(TA1+TA2))の算術平均値を、積層フィルムの割合(TB/(TA1+TA2))の値とした。
また、20箇所において測定された中間層の厚みの、算術平均値TBave(μm)と、最小値TBmin(μm)と、最大値TBmax(μm)とから、下記の式により、d1及びd2を求めた。d1とd2とを比較し、d1及びd2の値が互いに同一である場合はその値を、値が互いに異なる場合は大きい方の値を、積層フィルムにおける中間層の厚みのばらつきD(μm)とした。
d1(μm)=TBave-TBmin
d2(μm)=TBmax-TBave
(寸法安定性及びシワ抑制)
積層フィルムの幅方向両端部及び幅方向中心部から、一辺が100mmである略正方形のフィルム片を、合計3枚切り出した。切り出しの際に、フィルム片の各辺が、積層フィルムの幅方向又は搬送方向と平行となるようにした。
3枚のフィルム片を、145℃で60分間加熱後、放冷した。加熱放冷後における3枚のフィルム片を目視にて観察し、以下の基準により高温暴露時のシワ抑制を評価した。
良:3枚のフィルム片のいずれにも、シワがない。
不良:3枚のフィルム片のいずれかに、シワがある。
加熱放冷後における3枚のフィルム片のそれぞれについて、各辺(幅方向における辺及び搬送方向と平行な方向における辺)の寸法X(mm)を測り、下記式に従い、加熱前の寸法(100mm)に対する寸法変化率の絶対値|R|(%)を求めた。
|R|(%)=|X-100|/100×100
さらに、3枚のフィルム片の各辺について得られた寸法変化率の絶対値|R|(%)の算術平均値Ave(%)を求め、下記基準により、高温暴露時における積層フィルムの寸法安定性を評価した。Aveが小さい程、高温暴露時における積層フィルムの寸法安定性が高い。
A:Ave<0.1%
B:0.1%≦Ave<0.2%
C:0.2%≦Ave
[製造例1:脂環式構造含有重合体C1の製造]
トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3,7-ジエン(ジシクロペンタジエン、以下、適宜「DCP」と略記する。)及び7,8-ベンゾトリシクロ[4.4.0.12,5.17,10]デカ-3-エン(メタノテトラヒドロフルオレン、以下、適宜「MTF」と略記する。)を、重量比87/13で混合した。この混合物を、特許第6256353号明細書[実施例1]に記載の方法により開環重合し、次いで水素化して、DCP/MTF開環重合体水素化物である、重合体C1を得た。
得られたこの重合体C1中の各ノルボルネン系単量体の共重合比率を、重合後の溶液中に残留するノルボルネン系単量体の組成からガスクロマトグラフィー法による分析で計算したところ、DCP/MTF=87/13で、ほぼ仕込み組成に等しかった。
また、この重合体C1の重量平均分子量(Mw)は38,000、分子量分布(Mw/Mn;Mnは数平均分子量)は2.2、水素化率は99.9%、ガラス転移温度Tgは125℃であった。
[製造例2:脂環式構造含有重合体C2の製造]
DCP及びMTFを重量比85/15で混合した。この混合物を、前記公知の方法により開環重合し、次いで水素化して、DCP/MTF開環重合体水素化物である、重合体C2を得た。
得られた重合体C2中の各ノルボルネン系単量体の共重合比率を、重合後の溶液中に残留するノルボルネン系単量体の組成からガスクロマトグラフィー法による分析で計算したところ、DCP/MTF=85/15で、ほぼ仕込み組成に等しかった。
また、この重合体C2の重量平均分子量(Mw)は33,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.1、水素化率は99.9%、ガラス転移温度Tgは135℃であった。
[製造例3:脂環式構造含有重合体C3の製造]
DCP、MTF、及びテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン(テトラシクロドデセン、以下、適宜「TCD」と略記する。)を重量比5/70/25で混合した。この混合物を、前記公知の方法により開環重合し、次いで水素化して、DCP/MTF/TCD開環重合体水素化物である、重合体C3を得た。
得られた重合体C3中の各ノルボルネン系単量体の共重合比率を、重合後の溶液中に残留するノルボルネン系単量体の組成からガスクロマトグラフィー法による分析で計算したところ、DCP/MTF/TCD=5/70/25で、ほぼ仕込み組成に等しかった。また、この重合体C3の重量平均分子量(Mw)は35,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.1、水素化率は99.9%、ガラス転移温度Tgは162℃であった。
[実施例1]
(樹脂Bの製造)
重合体C1を91部と、紫外線吸収剤9部とを、二軸押出機により混合して、樹脂B1を得た。紫外線吸収剤としては、分子内にベンゾトリアゾール構造を含む、ADEKA社製「LA-31」を用いた。
(積層フィルムの製造)
フィードブロック及びこれに連結される単層ダイを備える、2種3層の積層フィルムを製造しうる共押出フィルム成形機を用意した。第1外側層、中間層、及び第2外側層をこの順で備えるフィルム状に吐出されるように、フィードブロックに、各層の材料として、280℃に溶融した樹脂を供給して単層ダイから吐出させ、共押出成形した。第1外側層及び第2外側層の材料として、樹脂A1及び樹脂A2としての重合体C3を供給した。中間層の材料として、樹脂B1を供給した。
共押出されたフィルム状の樹脂を、100℃に温度調整された冷却ロールにキャストし、50℃に温度調整された別の冷却ロールに通して冷却した。これにより、幅600mmの長尺の積層フィルムを得た。積層フィルムは、(重合体C3からなる第1外側層/樹脂B1からなる中間層/重合体C3からなる第2外側層)の、2種3層の構成を有する。
得られた積層フィルムについて、前記評価方法に従って評価した。
[実施例2]
以下の事項を変更した以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得て、評価した。
・樹脂Bの製造において、重合体C1を91部の代わりに、重合体C2を84部用い、紫外線吸収剤として、ADEKA社製「LA-31」を9部の代わりに、ADEKA社製「LA-F70」を16部を用いて、樹脂B2を製造した。「LA-F70」は、分子内に1,3,5-トリアジン構造を含む。
・積層フィルムの製造において、樹脂B1の代わりに、樹脂B2を供給し、各層が表に示す厚みとなるように共押出の条件を調整した。
積層フィルムは、(重合体C3からなる第1外側層/樹脂B2からなる中間層/重合体C3からなる第2外側層)の、2種3層の構成を有する。
[実施例3]
以下の事項を変更した以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得て、評価した。
・樹脂Bの製造において、重合体C1を91部の代わりに、重合体C3を88部用い、紫紫外線吸収剤としてのADEKA社製「LA-31」の量を、9部から12部に変更して、樹脂B3を製造した。
・積層フィルムの製造において、樹脂B1の代わりに、樹脂B3を供給し、各層が表に示す厚みとなるように共押出の条件を調整した。
積層フィルムは、(重合体C3からなる第1外側層/樹脂B3からなる中間層/重合体C3からなる第2外側層)の、2種3層の構成を有する。
[比較例1]
以下の事項を変更した以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得て、評価した。
・積層フィルムの製造において、重合体C3の代わりに、重合体C1を供給し、各層が表に示す厚みとなるように共押出の条件を調整した。
積層フィルムは、(重合体C1からなる第1外側層/樹脂B1からなる中間層/重合体C1からなる第2外側層)の、2種3層の構成を有する。
[比較例2]
以下の事項を変更した以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得て、評価した。
・積層フィルムの製造において、各層が表に示す厚みとなるように共押出の条件を調整した。
積層フィルムは、(重合体C3からなる第1外側層/樹脂B1からなる中間層/重合体C3からなる第2外側層)の、2種3層の構成を有する。
[比較例3]
以下の事項を変更した以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得て、評価した。
・樹脂Bの製造において、紫外線吸収剤として、ADEKA社製「LA-31」の代わりに、ADEKA社製「LA-F70」を用いて、樹脂B4を製造した。
・積層フィルムの製造において、樹脂B1の代わりに、樹脂B4を供給し、各層が表に示す厚みとなるように共押出の条件を調整した。
積層フィルムは、(重合体C3からなる第1外側層/樹脂B4からなる中間層/重合体C3からなる第2外側層)の、2種3層の構成を有する。
[比較例4]
以下の事項を変更した以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得て、評価した。
・樹脂Bの製造において、重合体C1を91部の代わりに、重合体C2を84部用い、紫外線吸収剤として、ADEKA社製「LA-31」を9部の代わりに、ADEKA社製「LA-F70」を16部を用いて、樹脂B2を製造した。
・積層フィルムの製造において、樹脂B1の代わりに、樹脂B2を供給し、重合体C3の代わりに、重合体C1を供給し、各層が表に示す厚みとなるように共押出の条件を調整した。
積層フィルムは、(重合体C1からなる第1外側層/樹脂B2からなる中間層/重合体C1からなる第2外側層)の、2種3層の構成を有する。
[比較例5]
以下の事項を変更した以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得て、評価した。
・樹脂Bの製造において、重合体C1の量を、91部から、76部に変更し、紫外線吸収剤としてのADEKA社製「LA-31」の量を、9部から24部に変更して、樹脂B5を製造した。
・積層フィルムの製造において、樹脂B1の代わりに、樹脂B5を供給し、各層が表に示す厚みとなるように共押出の条件を調整した。
積層フィルムは、(重合体C3からなる第1外側層/樹脂B5からなる中間層/重合体C3からなる第2外側層)の、2種3層の構成を有する。
[比較例6]
以下の事項を変更した以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得て、評価した。
・樹脂Bの製造において、重合体C1を91部の代わりに、重合体C2を78部用い、紫外線吸収剤として、ADEKA社製「LA-31」を9部の代わりに、ADEKA社製「LA-F70」を22部を用いて、樹脂B6を製造した。
・積層フィルムの製造において、樹脂B1の代わりに、樹脂B6を供給し、各層が表に示す厚みとなるように共押出の条件を調整した。
積層フィルムは、(重合体C3からなる第1外側層/樹脂B6からなる中間層/重合体C3からなる第2外側層)の、2種3層の構成を有する。
積層フィルムの構成及び評価結果を、下表に示す。
下表における略語は、以下の意味を表す。
UVA:紫外線吸収剤
ベンゾトリアゾール系:ADEKA社製「LA-31」
トリアジン系:ADEKA社製「LA-F70」
TB:中間層の厚み
TA1+TA2:第1外側層の厚み(TA1)及び第2外側層の厚み(TA2)の合計
RB:樹脂Bのメルトマスフローレート
TgB:樹脂Bのガラス転移温度
TgA:樹脂A1及び樹脂A2のガラス転移温度
RA:樹脂A1及び樹脂A2のメルトマスフローレート
C1:製造例1で製造された重合体C1
C2:製造例2で製造された重合体C2
C3:製造例3で製造された重合体C3
紫外線透過率の最大値:波長320nm以上380nm以下における紫外線透過率の最大値
Figure 0007444157000001
Figure 0007444157000002
以上の結果から、以下が分かる。
実施例1~3に係る積層フィルムは、中間層における厚みのばらつきが小さく、かつ145℃の高温に曝された後において、シワの発生が抑制されていること分かる。
一方、比較例1~6に係る積層フィルムは、シワ発生が抑制されていないことが分かる。
詳細には、比較例5及び6に係る積層フィルムは、樹脂Bにおける紫外線吸収剤の濃度が20重量%より多く、シワ発生が抑制されておらず、寸法安定性が実施例よりも劣る。
比較例1及び4に係る積層フィルムは、第1外側層及び第2外側層が、ガラス転移温度が150℃未満である樹脂から形成されており、シワ発生が抑制されていない。
比較例5に係る積層フィルムは、TgA-TgBが、60℃より高く、シワ発生が抑制されておらず、寸法安定性が実施例よりも劣る。
比較例1及び2に係る積層フィルムは、割合(TB/(TA1+TA2))が、0.35より大きく、中間層における厚みのばらつきが大きく、シワ発生が抑制されていない。
比較例3に係る積層フィルムは、割合(TB/(TA1+TA2))が、0.1未満であり、シワ発生が抑制されていない。
比較例6に係る積層フィルムは、RB/RAが、15.0より大きく、中間層における厚みのばらつきが大きく、シワ発生が抑制されておらず、寸法安定性が実施例よりも劣る。
以上の結果は、本発明の積層フィルムが、紫外線吸収剤を含む中間層において厚みのばらつきが抑制されており、かつ高温に曝されてもシワが生じにくいことを示す結果である。
100:積層フィルム
110:第1外側層
120:中間層
130:第2外側層
120D:面
120U:面
200:積層フィルム
210:第1外側層
220:中間層
230:第2外側層
240:透明導電層
250:積層体

Claims (6)

  1. 第1外側層、中間層、及び第2外側層をこの順で含み、
    前記第1外側層は、脂環式構造を含有する重合体を含み、ガラス転移温度がTgA1(℃)である樹脂A1からなり、
    前記第2外側層は、脂環式構造を含有する重合体を含み、ガラス転移温度がTgA2(℃)である樹脂A2からなり、
    前記中間層は、脂環式構造を含有する重合体及び紫外線吸収剤を含み、ガラス転移温度がTgB(℃)である樹脂Bからなり、
    TgA1及びTgA2が、それぞれ独立して150℃以上であり、
    TgA1とTgBとの差(TgA1-TgB)及びTgA2とTgBとの差(TgA2-TgB)が、それぞれ独立して0℃以上60℃以下であり、
    前記樹脂Bにおける前記紫外線吸収剤の濃度が、5重量%以上20重量%以下であり、
    前記中間層の厚みTBの、前記第1外側層の厚みTA1及び前記第2外側層の厚みTA2の合計に対する割合(TB/(TA1+TA2))が、0.1以上0.35以下であり、
    前記樹脂A1の280℃及び荷重2.16kgにおけるメルトマスフローレートが、RA1(g/10min)であり、
    前記樹脂A2の280℃及び荷重2.16kgにおけるメルトマスフローレートが、RA2(g/10min)であり、
    前記樹脂Bの280℃及び荷重2.16kgにおけるメルトマスフローレートが、RB(g/10min)であり、
    RBのRA1に対する割合(RB/RA1)及びRBのRA2に対する割合(RB/RA2)が、それぞれ独立して3.5以上15.0以下である、積層フィルム。
  2. 前記樹脂A1における紫外線吸収剤の濃度及び前記樹脂A2における紫外線吸収剤の濃度が、それぞれ独立して0重量%以上5重量%未満である、請求項に記載の積層フィルム。
  3. 前記中間層の一方の面に直に接して前記第1外側層が設けられ、前記中間層の他方の面に直に接して前記第2外側層が設けられている、請求項1又は2に記載の積層フィルム。
  4. 波長320nm以上380nm以下における光線透過率が、1.0%以下であり、前記中間層に含まれる前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びトリアジン系紫外線吸収剤からなる群から選択される1種以上を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  5. 透明導電層を更に含む、請求項1~のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  6. 前記透明導電層が、インジウムスズオキサイドを含む層、銀ナノワイヤを含む層、又は銅メッシュ構造を含む層である、請求項に記載の積層フィルム。
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