JP6838456B2 - 透明導電性フィルム - Google Patents

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本発明は、透明導電性フィルムに関する。
従来より、基材フィルムの表面に導電層を形成し、導電性フィルムとすることが知られている。また、基材フィルム及び導電層として透明な層を採用し、透明な導電性フィルムを得ることも知られている。
そのような導電層としては、ITO等の無機透明導電材料が多く用いられている。しかしながら無機透明導電材料の多くは、製造に真空度の高い作業環境が必要であり製造工程が煩雑であり、且つ変形により破損しやすいという問題点があった。かかる問題点を解決するために、ポリチオフェン系化合物を含む有機導電層が提案されている(例えば特許文献1)。
特開2016−3312号公報
透明な導電性フィルムの基材フィルムを構成する材料として、脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂の利用が考えられる。かかる脂環式構造含有重合体樹脂を基材フィルムの材料として用いた場合、その透明性の高さ、吸水性の低さ、機械的強度の高さ、及び様々な光学的特性を付与しうる特性等の利点を生かし、有用な導電性フィルムを得うる可能性がある。しかしながら、脂環式構造含有重合体樹脂は、導電層、特に有機導電層との親和性が低く、これらの密着強度が不十分となる傾向にある。
脂環式構造含有重合体樹脂で形成された基材フィルムと、導電層との密着性を向上させるために、これらの間に、密着性を向上させる接着補助層を設けることが考えられる。このような接着補助層は、透明導電性フィルムの性能を毀損しないものが求められる。例えば、基材フィルム及び導電層の密着性を向上させる性能に加えて、透明導電性フィルムの光線透過率及び外観精度を損ねる傾向が少ないことが求められる。そのような性質を十分に備えた接着補助層は、これまで得られていない。
従って、本発明の目的は、脂環式構造含有重合体樹脂の基材フィルムによる利点を享受しつつ、且つ、機械的強度が高く、光線透過率及び外観精度が良好な、透明導電性フィルムを提供することにある。
本発明者は前記の課題を解決するべく検討した結果、接着補助層として特定のものを用いることにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は以下の通りである。
〔1〕 基材フィルム、前記基材フィルム上に設けられた接着補助層、及び前記接着補助層上に設けられた導電層を備える透明導電性フィルムであって、
前記基材フィルムは、脂環式構造含有重合体樹脂のフィルムであり、
前記接着補助層は、材料Yを用いて構成される層であり、
前記材料Yは、ポリエステル(A)およびエポキシ化合物(C)を含み、前記ポリエステル(A)100重量部に対する前記エポキシ化合物(C)の割合が1重量部以上15重量部以下である、透明導電性フィルム。
〔2〕 基材フィルム、前記基材フィルム上に設けられた接着補助層、及び前記接着補助層上に設けられた導電層を備える透明導電性フィルムであって、
前記基材フィルムは、脂環式構造含有重合体樹脂のフィルムであり、
前記接着補助層は、材料Yを用いて構成される層であり、
前記材料Yは、ポリウレタン(B)およびエポキシ化合物(C)を含み、前記ポリウレタン(B)100重量部に対する前記エポキシ化合物(C)の割合が13重量部以上25重量部以下である、透明導電性フィルム。
〔3〕 前記導電層が、ポリチオフェン系化合物及びポリスチレンスルホン酸化合物を含む、〔1〕又は〔2〕に記載の透明導電性フィルム。
〔4〕 前記脂環式構造含有重合体樹脂のガラス転移温度が100℃以上180℃以下である、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の透明導電性フィルム。
〔5〕 前記基材フィルムが延伸フィルムである、〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の透明導電性フィルム。
〔6〕 前記延伸フィルムが斜め延伸フィルムである、〔5〕に記載の透明導電性フィルム。
〔7〕 前記基材フィルムが多層フィルムである、〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の透明導電性フィルム。
〔8〕 前記多層フィルムが、第1表面層、中間層および第2表面層をこの順に備え、前記中間層が紫外線吸収層を含み、前記多層フィルムの厚みが10μm以上100μm以下である、〔7〕に記載の透明導電性フィルム。
本発明の透明導電性フィルムは、脂環式構造含有重合体樹脂の基材フィルムによる利点を享受しつつ、且つ、機械的強度が高く、光線透過率及び外観精度が良好な透明導電性フィルムとすることができる。
以下、実施形態及び例示物を示して本発明について詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、フィルムの面内レターデーションReは、別に断らない限り、Re=(nx−ny)×dで表される値である。ここで、nxは、フィルムの厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表す。nyは、フィルムの前記面内方向であってnxの方向に直交する方向の屈折率を表す。レターデーションの測定波長は、別に断らない限り、550nmである。
以下の説明において、「長尺」のフィルムとは、幅に対して、5倍以上の長さを有するフィルムをいい、好ましくは10倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻き取られて保管又は運搬される程度の長さを有するフィルムをいう。長尺のフィルムの長さの上限は、特に制限は無く、例えば、幅に対して10万倍以下としうる。
〔1.透明導電性フィルム:概要〕
本発明の透明導電性フィルムは、基材フィルム、基材フィルム上に設けられた接着補助層、及び接着補助層上に設けられた導電層を備える。
〔2.基材フィルム〕
基材フィルムは、脂環式構造含有重合体樹脂のフィルムである。即ち、基材フィルムは、脂環式構造含有重合体を含む樹脂から形成されたフィルムとしうる。
〔2.1.脂環式構造含有重合体樹脂〕
脂環式構造含有重合体とは、その重合体の構造単位が脂環式構造を有する重合体である。脂環式構造含有重合体は、例えば、主鎖に脂環式構造を有する重合体、側鎖に脂環式構造を有する重合体、主鎖及び側鎖に脂環式構造を有する重合体、並びに、これらの2以上の任意の比率の混合物としうる。中でも、機械的強度及び耐熱性の観点から、主鎖に脂環式構造を有する重合体が好ましい。
脂環式構造の例としては、飽和脂環式炭化水素(シクロアルカン)構造、及び不飽和脂環式炭化水素(シクロアルケン、シクロアルキン)構造が挙げられる。中でも、機械強度及び耐熱性の観点から、シクロアルカン構造及びシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造が特に好ましい。
脂環式構造を構成する炭素原子数は、一つの脂環式構造あたり、好ましくは4個以上、より好ましくは5個以上であり、好ましくは30個以下、より好ましくは20個以下、特に好ましくは15個以下である。脂環式構造を構成する炭素原子数がこの範囲であると、基材フィルムの機械強度、耐熱性及び成形性が高度にバランスされる。
脂環式構造含有重合体において、脂環式構造を有する構造単位の割合は、好ましくは55重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。脂環式構造含有重合体における脂環式構造を有する構造単位の割合がこの範囲にあると、基材フィルムの透明性及び耐熱性が良好となる。
脂環式構造含有重合体の中でも好ましいものとしては、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン重合体、環状共役ジエン重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、及び、これらの水素化物等が挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体は、透明性及び成形性が良好なため、特に好適である。
ノルボルネン系重合体の例としては、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体及びその水素化物;ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体及びその水素化物が挙げられる。また、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体の例としては、ノルボルネン構造を有する1種類の単量体の開環単独重合体、ノルボルネン構造を有する2種類以上の単量体の開環共重合体、並びに、ノルボルネン構造を有する単量体及びこれと共重合しうる任意の単量体との開環共重合体が挙げられる。さらに、ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体の例としては、ノルボルネン構造を有する1種類の単量体の付加単独重合体、ノルボルネン構造を有する2種類以上の単量体の付加共重合体、並びに、ノルボルネン構造を有する単量体及びこれと共重合しうる任意の単量体との付加共重合体が挙げられる。これらの重合体としては、例えば、特開2002−321302号公報等に開示されている重合体が挙げられる。これらの中で、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体の水素化物は、透明性、成形性、耐熱性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などの観点から、特に好適である。
ノルボルネン構造を有する単量体の例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、およびこれらの化合物の誘導体(例えば、環に置換基を有するもの)を挙げることができる。ここで、置換基の例としては、アルキル基、アルキレン基、及び極性基を挙げることができる。また、これらの置換基は、同一または相異なって、複数個が環に結合していてもよい。ノルボルネン構造を有する単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
極性基の例としては、ヘテロ原子、及びヘテロ原子を有する原子団が挙げられる。ヘテロ原子の例としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、及びハロゲン原子が挙げられる。極性基の具体例としては、カルボキシル基、カルボニルオキシカルボニル基、エポキシ基、ヒドロキシル基、オキシ基、エステル基、シラノール基、シリル基、アミノ基、アミド基、イミド基、ニトリル基、及びスルホン酸基が挙げられる。
ノルボルネン構造を有する単量体と開環共重合可能な単量体の例としては、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどのモノ環状オレフィン類およびその誘導体;シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエンなどの環状共役ジエンおよびその誘導体が挙げられる。ノルボルネン構造を有する単量体と開環共重合可能な単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体は、例えば、単量体を開環重合触媒の存在下に重合又は共重合することにより製造しうる。
ノルボルネン構造を有する単量体と付加共重合可能な単量体の例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどの炭素原子数2〜20のα−オレフィンおよびこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセンなどのシクロオレフィンおよびこれらの誘導体;並びに1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエンなどの非共役ジエンが挙げられる。これらの中でも、α−オレフィンが好ましく、エチレンがより好ましい。また、ノルボルネン構造を有する単量体と付加共重合可能な単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体は、例えば、単量体を付加重合触媒の存在下に重合又は共重合することにより製造しうる。
上述した開環重合体及び付加重合体の水素添加物は、例えば、これらの開環重合体及び付加重合体の溶液において、ニッケル、パラジウム等の遷移金属を含む水素添加触媒の存在下で、炭素−炭素不飽和結合を、好ましくは90%以上水素添加することによって製造しうる。
ノルボルネン系重合体の中でも、構造単位として、X:ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4−ジイル−エチレン構造と、Y:トリシクロ[4.3.0.12,5]デカン−7,9−ジイル−エチレン構造とを有し、これらの構造単位の量が、ノルボルネン系重合体の構造単位全体に対して90重量%以上であり、かつ、Xの割合とYの割合との比が、X:Yの重量比で100:0〜40:60であるものが好ましい。このような重合体を用いることにより、基材フィルムを、長期的に寸法変化がなく、光学特性の安定性に優れるものにできる。
脂環式構造含有重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
脂環式構造含有重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10,000以上、より好ましくは15,000以上、特に好ましくは20,000以上であり、好ましくは100,000以下、より好ましくは80,000以下、特に好ましくは50,000以下である。脂環式構造含有重合体の重量平均分子量がこのような範囲にあるときに、基材フィルムの機械的強度および成型加工性が高度にバランスされ好適である。ここで、前記の重量平均分子量は、溶媒としてシクロヘキサンを用いて(但し、試料がシクロヘキサンに溶解しない場合にはトルエンを用いてもよい)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量である。
脂環式構造含有重合体の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は、好ましくは1以上、より好ましくは1.2以上であり、好ましくは10以下、より好ましくは4以下、特に好ましくは3.5以下である。
〔2.2.重合体以外の任意成分〕
基材フィルムの材料となる樹脂は、上に挙げた各種の重合体に加えて、任意の配合剤を含みうる。配合剤の例としては、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、塩素捕捉剤、難燃剤、結晶化核剤、強化剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、離型剤、顔料、有機又は無機の充填剤、中和剤、滑剤、分解剤、金属不活性化剤、汚染防止剤、及び抗菌剤が挙げられる。これらの成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。任意の配合剤の割合は、樹脂における重合体の割合が好ましい割合となる範囲内で適宜調整しうる。樹脂における重合体の割合は、好ましくは50重量%〜100重量%、より好ましくは70重量%〜100重量%、特に好ましくは90重量%〜100重量%である。重合体の割合を前記範囲にすることにより、基材フィルムが十分な耐熱性及び透明性を得ることができる。
〔2.3.脂環式構造含有重合体樹脂の性質等〕
脂環式構造含有重合体樹脂は、そのガラス転移温度が100℃以上180℃以下であることが好ましい。脂環式構造含有重合体樹脂が、かかる範囲のガラス転移温度を有することにより、導電層の形成に際しての加熱による基材フィルムの変形や緩和等の不具合の発生を抑制することができる。
〔2.4.基材フィルムの構造、性質等〕
基材フィルムは、単一の層からなる単層フィルムであってもよく、複数の層からなる多層フィルムであってもよい、多層の場合、複数の層を構成する材料は同一であっても異なっていてもよい。
基材フィルムが多層フィルムである場合の、その好ましい例としては、第1表面層、中間層および第2表面層をこの順に備え、前記中間層が紫外線吸収層を含む多層フィルムが挙げられる。基材フィルムが、このような(第1表面層)/(中間層)/(第2表面層)の層構成を有することにより、脂環式構造含有重合体樹脂による優れた耐熱性及び耐湿性を発揮でき、基材フィルムが、基材フィルムを透過する紫外線を弱める効果を発現でき、且つ紫外線吸収剤のブリードアウトを抑制できる。
中間層を構成する材料としては、上に述べた脂環式構造含有重合体と、紫外線吸収剤とを含む樹脂を用いうる。紫外線吸収剤の例としては、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、アクリロニトリル系紫外線吸収剤等の有機紫外線吸収剤が挙げられる。一方、第1表面層及び第2表面層を構成する材料としては、上に述べた脂環式構造含有重合体樹脂を用いうる。表面層は紫外線吸収剤を含みうるが、表面層における紫外線吸収剤の量は少ないことが好ましく、表面層は紫外線吸収剤を含まないことがより好ましい。表面層が紫外線吸収剤を含まないことにより、紫外線吸収剤のブリードアウトを効果的に抑制することができる。
基材フィルムの厚みは、特に制限されず、透明導電性フィルムの用途に応じた厚みに適宜調節しうる。例えば、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、一方好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下である。基材フィルムの厚みを、前記範囲の下限値以上にすることにより、基材フィルムの機械的強度を十分に高めることができ、また、前記範囲の上限値以下にすることにより、基材フィルムの厚みを薄くできる。
基材フィルムが、(第1表面層)/(中間層)/(第2表面層)の層構成を有する多層フィルムである場合、その厚みは10μm以上100μm以下であることが、基材フィルムとしての機能を発揮し且つ十分な紫外線吸収の効果をも発現する上で好ましい。
基材フィルムは、接着補助層及び導電層の形成に先立ち、その表面に表面処理が施されたものであってもよい。表面処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、薬品処理等が挙げられる。これにより、接着補助層を介した基材フィルムと導電層との密着性を高めることができる。
基材フィルムは、面内レターデーションReが小さく光学的に実質的に等方性のフィルムであってもよく、面内レターデーションReを有する光学的に異方性のフィルムであってもよい。
透明導電性フィルムを、オンセル型又はミッドセル型のタッチパネルの構成要素として用いる場合、基材フィルムは、複屈折性が小さいフィルムであることが好ましい。その場合にReの値の上限は、好ましくは20nm以下、より好ましくは10nm以下であり、Reの値の下限は理想的には0nmである。
透明導電性フィルムを、位相差を発現する機能を備えた導電性フィルムとして用いる場合、基材フィルムは、かかる位相差を有するフィルムであることが好ましい。その場合の位相差は、所望の用途に応じて適宜設定しうる。
〔2.5.基材フィルムの製造方法〕
基材フィルムの製造方法は、特に限定されず、上に述べた材料を任意の成形方法により成形することにより製造しうる。成形方法の例としては、溶融成形法及び溶液流延法が挙げられる。溶融成形法の例としては、溶融押し出しにより成形する溶融押出法、並びに、プレス成形法、インフレーション成形法、射出成形法、ブロー成形法、及び延伸成形法が挙げられる。これらの方法の中でも、機械強度及び表面精度に優れた基材フィルムを得る観点から、溶融押出法、インフレーション成形法及びプレス成形法が好ましい。その中でも特に、残留溶媒の量を減らせること、並びに、効率良く簡単な製造が可能なことから、溶融押出法が特に好ましい。基材フィルムが多層フィルムである場合、その製造方法は、共押出による溶融押出法が、高品質な基材フィルムを効率的に製造する上で好ましい。
透明導電性フィルムの用途によっては、基材フィルムは、成形後に延伸処理をしたものであってもよい。その場合、溶融押出法等の製造方法により延伸前のフィルムを長尺のフィルムとして成形し、かかるフィルムをさらに連続的に延伸の工程に供することが、効率的な製造の観点から好ましい。延伸の方向は、長尺のフィルムの長手方向への延伸、幅方向への延伸、それらと異なる斜め方向の延伸、及びそれらの組み合わせのいずれであってもよい。本発明の透明導電性フィルムを表示装置の表示面の構成要素として用いる場合においては、矩形の表示面の辺と45°の角をなす方向に遅相軸を有するフィルムが求められる場合がある。そのような場合においては、長尺のフィルムの長手方向に対して45°に近い角度、例えば、40°以上50°以下の角をなす方向への斜め延伸を行い、基材フィルムを斜め延伸フィルムとして得ることが、製造効率の向上の観点から好ましい。
〔3.接着補助層〕
接着補助層は、特定の材料Yを用いて構成される層である。
本願において、接着補助層が材料Yを「用いて構成される」層であるとは、接着補助層が、材料Yを材料として用いた層形成工程により形成された層であることを意味する。そのような成形により、材料Yはそのまま、又は必要に応じてその中の成分の反応、溶媒の揮発等を経て、接着補助層となる。例えば、材料Yは、ポリエステル(A)又はポリウレタン(B)、架橋剤及び水等の揮発性の媒体を含む溶液又は分散液であり、媒体の揮発及びポリエステル(A)又はポリウレタン(B)と架橋剤との架橋反応により、接着補助層が形成される。
接着補助層は、通常、基材フィルムに直接に接する。即ち、透明導電性フィルムは、通常は基材フィルムと接着補助層との間に他の層を備えない。しかし、本発明の効果を著しく損なわない限り、必要であれば、透明導電性フィルムは、基材フィルムと接着補助層との間に任意の層を備えうる。
〔3.1.材料Y〕
材料Yは:
(i)ポリエステル(A)およびエポキシ化合物(C)を特定割合で含むか、又は
(ii)ポリウレタン(B)およびエポキシ化合物(C)を特定割合で含む。
本願において、材料Yのうち、上記(i)に該当するものを材料(Y−i)、上記(ii)に該当するものを材料(Y−ii)という場合がある。
〔3.2.ポリウレタン(B)〕
材料(Y−ii)に含まれるポリウレタン(B)の例としては、1分子中に平均2個以上の水酸基を有するポリオール成分と、1分子中に平均2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート成分とを反応させて得られるポリウレタンを用いうる。また、ポリウレタンの例としては、例えば、前記ポリオール成分及び前記イソシアネート成分をウレタン化反応させて得たイソシアネート基含有プレポリマーを、鎖延長剤を用いて鎖延長し、水を加えて分散体とすることによって製造されるポリウレタンを用いうる。前記のプレポリマーは、前記ポリオール成分及び前記イソシアネート成分を、イソシアネート基過剰の条件下でウレタン化反応させることで得られうる。また、前記のウレタン化反応は、反応に不活性で水との親和性の大きい有機溶媒中で行いうる。さらに、前記プレポリマーの鎖延長の前には、該プレポリマーを中和してもよい。イソシアネート基含有プレポリマーの鎖延長方法の例としては、イソシアネート基含有プレポリマーと鎖延長剤とを、必要に応じて触媒の存在下で反応させる方法が挙げられる。この際、鎖延長剤の例としては、水、水溶性ポリアミン、及びグリコール類が挙げられる。
前記ポリオール成分の例としては、(1)脂肪族ポリエステルポリオール、(2)ポリエーテルポリオール、(3)ポリカーボネートポリオール、(4)ポリエステルエーテルポリオール、及び(5)ポリエチレンテレフタレートポリオール、が挙げられる。
(1)脂肪族ポリエステルポリオールの例としては、脂肪族ポリオールと、脂肪族の多塩基酸との反応により得られる反応物が挙げられる。
脂肪族ポリオールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサングリコール、2,5−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2−ジメチルプロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタメチレンジオール、グリセリン、及びトリメチロールプロパンが挙げられる。脂肪族ポリオールは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
脂肪族の多塩基酸の例としては、多価カルボン酸及びその無水物が挙げられる。多価カルボン酸の例としては、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸;及びトリメリット酸等のトリカルボン酸が挙げられる。多塩基酸は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
(2)ポリエーテルポリオールの例としては、ポリ(オキシプロピレンエーテル)ポリオール及びポリ(オキシエチレン−プロピレンエーテル)ポリオールが挙げられる。
(3)ポリカーボネートポリオールの例としては、式HO−R−(O−C(O)−O−R)X−OH(ただし、式中、Rは炭素原子数1〜12の飽和脂肪酸ポリオール残基を示す。また、Xは分子の構造単位の数を示し、通常5〜50の整数である。)で表される化合物が挙げられる。このようなポリカーボネートポリオールは、飽和脂肪族ポリオールと置換カーボネートとを、水酸基が過剰の条件で反応させるエステル交換法;飽和脂肪族ポリオールとホスゲンとを反応させるか、または必要に応じて、その後さらに飽和脂肪族ポリオールを反応させる方法;などにより製造しうる。この際、置換カーボネートしては、例えば、炭酸ジエチル、ジフェニルカーボネートを用いうる。また、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
(4)ポリエステルエーテルポリオールの例としては、エーテル基を含むポリオール化合物と多価カルボン酸又はその無水物とを反応させた反応物が挙げられる。エーテル基を含むポリオール化合物の例としては、前記の(2)ポリエーテルポリオール;及び、ジエチレングリコールが挙げられる。エーテル基を含むポリオール化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。また、多価カルボン酸又はその無水物の例としては、(1)脂肪族ポリエステルポリオールの説明で挙げた例示物が挙げられる。多価カルボン酸又はその無水物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。ポリエステルエーテルポリオールの具体例としては、ポリテトラメチレングリコール−アジピン酸縮合物が挙げられる。
ポリオール成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ポリイソシアネート成分の例としては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環式ポリイソシアネート化合物、及び、芳香族ポリイソシアネート化合物が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、炭素原子数1〜12の脂肪族ジイソシアネートが好ましい。そのような脂肪族ジイソシアネートの例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、及びヘキサンジイソシアネート(HDI)が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネート化合物としては、炭素原子数4〜18の脂環式ジイソシアネートが好ましい。そのような脂環式ジイソシアネートの例としては、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネート化合物としては、芳香族ジイソシアネートが好ましい。芳香族ジイソシアネートの例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、及びキシリレンジイソシアネートが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
材料(Y−ii)が含むポリウレタンは、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応後に反応せず残った水酸基を含むものであってもよい。当該水酸基は、架橋剤における官能基との架橋反応が可能な極性基として利用することができる。
上述した物の中でも、ポリウレタン(B)としては、カーボネート系ポリウレタン及びエステル−エーテル系ポリウレタンが好ましく、カーボネート系ポリウレタンが特に好ましい。
カーボネート系ポリウレタンとは、当該ポリウレタンの分子骨格にカーボネート構造を有するポリウレタンであり、例えば、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネート成分とから製造されるポリウレタンが挙げられる。カーボネート構造は加水分解し難いので、カーボネート系ポリウレタンを用いることにより、接着補助層の耐湿性を高めることができる。さらに、カーボネート構造は伸度が高く且つ機械的強度に優れるので、カーボネート系ポリウレタンを用いることにより、接着補助層の伸度、耐湿性及び機械強度のバランスを高めることができる。
また、ポリエステル−エーテル系ポリウレタンとは、当該ポリウレタンの分子構造にエステル結合及びエーテル結合を有するポリウレタンであり、例えば、ポリエステルエーテルポリオールとポリイソシアネート成分とから製造されるポリウレタン等が挙げられる。ポリエステル−エーテル系ポリウレタンを用いることにより、伸度と機械強度のバランスに優れる接着補助層を得ることができる。
前記のポリウレタンは、その分子構造に酸構造を含んでいてもよい。酸構造を含むポリウレタンは、界面活性剤を使用せずに、若しくは界面活性剤の量が少なくても、水中に容易に分散できる性質を有する。このような性質を有するポリウレタンを自己乳化型ポリウレタンといい、界面活性剤が無くても分子イオン性のみで水中にポリウレタンの粒子が分散安定化しうることを意味する。自己乳化型ポリウレタンを用いることにより、接着補助層の耐湿性の改善が期待される。また、酸構造を含むポリウレタンは、界面活性剤が不要又は少量で済むので、接着性に優れ、かつ高い透明性が得られる。
酸構造の例としては、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SOH)等の酸基を挙げることができる。また、酸構造は、ポリウレタンにおいて側鎖に存在していてもよく、末端に存在していてもよい。酸構造は、1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
酸構造の量は、材料Yにおける酸価として、好ましくは10mgKOH/g以上、より好ましくは15mgKOH/g以上であり、好ましくは250mgKOH/g以下、より好ましくは150mgKOH/g以下である。酸価を前記範囲の下限値以上にすることによりポリウレタンの水分散性を良好にできる。また、上限値以下にすることにより、接着補助層の耐水性を良好にできる。
また、ポリウレタンが含む酸構造の一部又は全部は、アミン等の塩基によって中和されていてもよい。酸構造が中和されていることにより、複層フィルムは、高温下に曝された熱履歴を有しても、光学特性等の特性を維持したり、高い接着性を維持したりできる。また、酸構造を中和しても、界面活性剤を使用せずに、若しくは界面活性剤の量が少なくても、ポリウレタンの粒子を水中に分散させることは可能である。
ポリウレタンが含む酸構造のうち、中和される酸構造の割合は、20%以上が好ましく、50%以上が特に好ましい。酸構造のうちの20%以上が中和されることにより、複層フィルムが高温下に曝された熱履歴を有しても、光学特性等の特性を維持したり、高い接着性を維持したりできる。
ポリウレタン(B)は、架橋剤との反応を可能にするため、極性基を含むことが好ましい。極性基の例としては、カルボキシル基、カルボニルオキシカルボニル基、エポキシ基、ヒドロキシル基、オキシ基、エステル基、シラノール基、シリル基、アミノ基、ニトリル基、及びスルホ基が挙げられる。中でも、メチロール基、水酸基、カルボキシル基及びアミノ基が好ましく、水酸基及びカルボキシル基がより好ましく、カルボキシル基が特に好ましい。ポリウレタン中の極性基の量は、好ましくは0.0001当量/1kg以上、より好ましくは0.001当量/1kg以上であり、好ましくは1当量/1kg以下である。
ポリウレタン(B)としては、水系ウレタン樹脂として市販されている水系エマルションに含まれるものを用いうる。水系ウレタン樹脂とは、ポリウレタンと水とを含む組成物であり、通常、ポリウレタン及び必要に応じて含まれる任意の成分が水の中に分散しているものである。水系ウレタン樹脂の例としては、ADEKA社製の「アデカボンタイター」シリーズ、三井化学社製の「オレスター」シリーズ、DIC社製の「ボンディック」シリーズ、「ハイドラン(WLS201,WLS202など)」シリーズ、バイエル社製の「インプラニール」シリーズ、花王社製の「ポイズ」シリーズ、三洋化成工業社製の「サンプレン」シリーズ、第一工業製薬社製の「スーパーフレックス」シリーズ、楠本化成社製の「NEOREZ(ネオレッズ)」シリーズ、及びルーブリゾール社製の「Sancure」シリーズを用いうる。また、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
〔3.3.ポリエステル(A)〕
材料(Y−i)に含まれるポリエステル(A)の例としては、前記ポリオール化合物と前記多塩基酸との反応により得られる重合体が挙げられる。例えば、ポリオールと多塩基酸との反応により得られた重合体であって、未反応の水酸基、カルボキシル基等の基を含むものが挙げられる。このような未反応の基は、架橋剤との架橋反応が可能な官能基(極性基)として利用することができる。または、水酸基やカルボキシル基等の極性基を有する第三成分をコポリマーとして加えた単量体組成物を重合したものであってもよい。
ポリエステルは、接着力向上のため、他の重合体と混合して用いうる。例えば、アクリル酸、アクリル酸アルキル等のアクリル酸エステル類、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸アルキル等のメタクリル酸エステル類、メタクリルアミド及びメタクリロニトリルのいずれかのモノマーの単独重合体、これらのモノマー2種以上の重合により得られる共重合体、前記モノマー1種以上と前記モノマー以外のコモノマーとの重合により得られる共重合体等を、ポリエステルと混合し、ポリエステル樹脂アクリル樹脂複合物としたものを、ポリエステル(A)として用いうる。
ポリエステル(A)は、ポリウレタン(B)と同様に、その分子構造に酸構造を含んでいてもよい。その場合の酸構造の例及び量の好ましい態様は、ポリウレタン(B)におけるそれらと同様としうる。
材料Yの調製に際しては、ポリエステルの水溶液または水分散液を用いうる。このようなポリエステルの水溶液又は水分散液としては、適宜調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品の例としては、「ニチゴポリエスター(ニチゴポリエスターW−0030、ニチゴポリエスターW−0005S30WO、ニチゴポリエスターWR−961等)」シリーズ(日本合成化学社製)、「ペスレジンA(ペスレジンA−210、ペスレジンA−520、ペスレジンA−684G、ペスレジンA−695GE等)」シリーズ(高松油脂社製)などが挙げられる。
〔3.4.エポキシ化合物(C)〕
エポキシ化合物(C)としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有する多官能のエポキシ化合物を用いうる。このようなエポキシ化合物を用いることにより、架橋反応を進行させて層の機械的強度を効果的に向上させることができる。
エポキシ化合物としては、水に溶解性があるか、または水に分散してエマルション化しうるものが好ましい。このようなエポキシ化合物を用いることにより、塗布が容易な材料Yを、水系の樹脂組成物として調製することができ、接着補助層の形成を容易に行うことができる。
エポキシ化合物の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類1モルと、エピクロルヒドリン2モルとのエーテル化によって得られるジエポキシ化合物;グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール類1モルと、エピクロルヒドリン2モル以上とのエーテル化によって得られるポリエポキシ化合物;フタル酸、テレフタル酸、シュウ酸、アジピン酸等のジカルボン酸1モルと、エピクロルヒドリン2モルとのエステル化によって得られるジエポキシ化合物;などが挙げられる。
より具体的はエポキシ化合物の例としては、1,4−ビス(2’,3’−エポキシプロピルオキシ)ブタン、1,3,5−トリグリシジルイソシアヌレート、1,3−ジクリシジル−5−(γ−アセトキシ−β−オキシプロピル)イソシヌレート、ソルビトールポリグリシジルエーテル類、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル類、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル類、ジグリセロ−ルポリグルシジルエーテル、1,3,5−トリグリシジル(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールポリグリセロールエーテル類およびトリメチロ−ルプロパンポリグリシジルエーテル類が挙げられる。これらの中でも、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル類が特に好ましい。
また、市販品として入手可能なエポキシ化合物の例としては、ナガセケムテックス社製の「デナコール(デナコールEX−521,EX−614Bなど)」シリーズ等が挙げられる。
エポキシ化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
〔3.5.硬化促進剤及び硬化助剤〕
材料Yは、硬化促進剤、硬化助剤、またはこれらの両方を含みうる。
エポキシ化合物(C)と共に用いうる硬化促進剤の例としては、第3級アミン系化合物(4−位に3級アミンを有する2,2,6,6−テトラメチルピペリジル基を有する化合物を除く)、及び三弗化ホウ素錯化合物が挙げられる。硬化促進剤は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。硬化促進剤の量は、使用目的に応じて適宜調節しうる。具体的には、硬化促進剤の量は、ポリエステル(A)又はポリウレタン(B)の100重量部に対して、通常、0.001〜30重量部、好ましくは0.01〜20重量部、より好ましくは0.03〜10重量部である。
硬化助剤の例としては、キノンジオキシム、ベンゾキノンジオキシム、p−ニトロソフェノール等のオキシム・ニトロソ系硬化助剤;N,N−m−フェニレンビスマレイミド等のマレイミド系硬化助剤;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系硬化助剤;エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のメタクリレート系硬化助剤;及びビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン等のビニル系硬化助剤が挙げられる。これらの硬化助剤は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。硬化助剤の量は、エポキシ化合物(C)100重量部に対して、通常、1〜100重量部、好ましくは10〜50重量部である。
〔3.6.その他の任意成分〕
材料Yは、本発明の効果を著しく損わない限り、前記した以外の任意成分を含みうる。
材料Yは、通常、媒体を含み、それにより材料Yは液体として調製される。媒体は、水、水溶性の物質又はこれらの混合物としうる。水溶性の媒体の例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、メチルエチルケトン、トリエチルアミンなどが挙げられる。媒体としては、水を用いることが好ましい。材料Yの調製に際し、材料Yを構成する成分の溶液又は分散液を用いた場合、かかる溶液又は分散液中の媒体の一部又は全部を、そのまま材料Yの媒体として用いうる。媒体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。配合する媒体の量は、材料Yの粘度が、塗布に適した範囲になるように設定することが好ましい。具体的には、材料Yの固形分(材料Yを用いた接着補助層の形成の結果、接着補助層に残留する成分)の割合が1重量%以上、50重量%以下としうる。
〔3.7.主成分の割合〕
材料(Y−i)においては、ポリエステル(A)100重量部に対するエポキシ化合物(C)の割合は、1重量部以上、好ましくは2重量部以上であり、15重量部以下、好ましくは10重量部以下である。
材料(Y−ii)においては、ポリウレタン(B)100重量部に対する前記エポキシ化合物(C)の割合は、13重量部以上、好ましくは15重量部以上であり、25重量部以下、好ましくは17重量部以下である。
ポリエステル(A)又はポリウレタン(B)に対するエポキシ化合物(C)の割合を上に述べた範囲とすることにより、基材フィルムと導電層との密着性を高めながら、且つ光線透過率及び外観精度を良好なものとすることができる。
また、ポリエステル(A)又はポリウレタン(B)として官能基を有する重合体を用いた場合、エポキシ化合物(C)の量は、当該官能基と当量になるエポキシ化合物(C)の量に対し、重量基準で、好ましくは0.2倍以上、より好ましくは0.4倍以上、特に好ましくは0.6倍以上であり、好ましくは5倍以下、より好ましくは4.5倍以下、特に好ましくは4倍以下である。ここで、前記官能基と当量になるエポキシ化合物(C)の量とは、ポリエステル(A)又はポリウレタン(B)における官能基の全量と過不足無く反応できるエポキシ化合物(C)の理論量をいう。ポリエステル(A)又はポリウレタン(B)の官能基は、エポキシ化合物(C)のエポキシ基と反応しうる。エポキシ化合物の量を前記範囲に収めることにより、官能基とエポキシ化合物(C)との反応を適切な程度に進行させて、接着補助層の機械的強度を効果的に向上させることができる。
〔3.8.接着補助層の形成方法、性状等〕
接着補助層は、基材フィルムの表面に、材料Yを用いて形成しうる。具体的には、基材フィルムの表面に材料Yを塗布して材料Yの層を形成する工程、及び材料Y中の成分を硬化させる工程により形成しうる。材料Y中の成分の硬化の工程は、材料Yが媒体を含む場合は、乾燥の操作を行い、それにより媒体を除去し、硬化を達成することが一般的である。乾燥方法は任意であり、例えば、減圧乾燥、加熱乾燥などの任意の方法で行いうる。特に、加熱乾燥は、材料Y中における架橋反応等の反応を速やかに進行させ、溶媒の除去と反応とを同時に行いうるため好ましい。加熱温度は、溶媒を揮発させて材料Y中の成分を硬化させることができる範囲で適切に設定しうる。
接着補助層を、材料(Y−i)を用いて構成する場合、接着補助層の厚みは、好ましくは30nm以上、より好ましくは40nm以上であり、好ましくは120nm以下、より好ましくは110nm以下である。
接着補助層を、材料(Y−ii)を用いて構成する場合、接着補助層の厚みは、好ましくは30nm以上、より好ましくは40nm以上であり、好ましくは90nm以下、より好ましくは80nm以下である。
接着補助層の厚みを上に述べた範囲とすることにより、基材フィルムと導電層との密着性を高めながら、且つ光線透過率及び外観精度を良好なものとすることができる。
接着補助層の屈折率は、好ましくは1.50以上、より好ましくは1.53以上であり、好ましくは1.60以下、より好ましくは1.58以下である。接着補助層の屈折率をこの範囲とすることにより、接着補助層と導電層との屈折率差を低い値とすることができ、界面での光の反射を低減し、透明導電性フィルムを透過する光の透過率を高め、且つヘイズを低減することができ、その結果、透明導電性フィルムを光が透過する際の光の損失を抑えることができる。
〔4.導電層〕
本発明の透明導電性フィルムにおける導電層は、有機又は無機の導電性材料を含む層としうる。無機の導電性材料の例としては、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)及びパラジウム(Pd)などの金属;並びに錫をドープしたインジウム酸化物(ITO)、アンチモンまたはフッ素をドープした錫酸化物(ATOまたはFTO)、アルミニウムをドープした亜鉛酸化物(AZO)、カドミウム酸化物、カドミウムと錫の酸化物、酸化チタン、酸化亜鉛、及びヨウ化銅などの金属酸化物が挙げられる。有機の導電性材料の例としては、導電性重合体、及びカーボンナノチューブ(以下、CNT)が挙げられる。導電層は、樹脂ペースト、及びその中に粒子又はコロイドの状態で分散した金属等の導電性材料を含む塗料を塗布することにより形成されたものであってもよい。導電層は通常は平坦な層であるが、これに限られず、例えば銀等の金属からなるナノワイヤー等の線状の構造物であってもよい。これらの中でも、脂環式構造含有重合体樹脂の基材フィルムによる利点を享受しつつ、且つ、機械的強度が高く、光線透過率及び外観精度が良好であることから、透明導電層を液晶表示素子用のタッチパネルとして用いる場合には、光線透過性、耐久性等の観点より、有機導電層が最も好ましい。
〔4.1.有機導電層の好ましい例〕
本発明の透明導電性フィルムにおける有機導電層の好ましい例としては、ポリチオフェン系化合物及びポリスチレンスルホン酸化合物を含む層が挙げられる。本願においては、ポリチオフェン系化合物及びポリスチレンスルホン酸化合物を、合わせて「導電性重合体」と呼ぶ場合がある。
〔4.1.1.ポリチオフェン系化合物〕
ポリチオフェン系化合物とは、チオフェン又はその誘導体が重合して得られる構造を有する重合単位(以下において、「チオフェン単位」という場合がある)を含む重合体である。チオフェン誘導体の例としては、チオフェン環の3位及び4位において置換基を有する誘導体が挙げられる。より具体的な例としては、3,4−エチレンジオキシチオフェンが挙げられる。
ポリチオフェン系化合物におけるチオフェン又はその誘導体の重合の態様としては、典型的には、チオフェン環の2位及び5位において他の環と結合した態様が挙げられ、より具体的には、エチレンジオキシチオフェンが、そのチオフェン環の2位及び5位において、他の環と結合した態様が挙げられる。本願では、そのようなポリエチレンジオキシチオフェンを、「PEDOT」という場合がある。
ポリチオフェン系化合物は、チオフェン単位以外の重合単位を有していてもよい。
ポリチオフェン系化合物の分子量は、特に限定されず、所望の導電性が得られる分子量のものを適宜選択しうる。
〔4.1.2.ポリスチレンスルホン酸化合物〕
ポリスチレンスルホン酸化合物とは、スチレンスルホン酸又はその誘導体が重合して得られる構造を有する重合単位(以下において、「スチレンスルホン酸単位」という場合がある)を含む重合体である。本願では、スチレンスルホン酸が重合して得られる構造を有する重合単位を含む重合体を「PSS」という場合がある。また、PEDOT及びPSSの組み合わせを「PEDOT/PSS」という場合がある。
ポリスチレンスルホン酸化合物は、スチレンスルホン酸単位以外の重合単位を有していてもよい。
特定の理論に拘束されるものではないが、ポリチオフェン系化合物及びポリスチレンスルホン酸化合物は、有機導電層内において電荷を持ちイオン対を形成し、それにより導電性を発現しうると考えられる。具体的には、ポリチオフェン系化合物内に非局在化した電荷と、ポリスチレンスルホン酸化合物内のスルホ基の電荷とが対を形成しうる。例えば、PEDOT及びPSSは、下記式(X)に模式的に示される対を形成しうる。
Figure 0006838456
有機導電層における導電性重合体の割合、及び導電性重合体におけるポリチオフェン系化合物及びポリスチレンスルホン酸化合物の割合は、所望の導電性等の性質が得られるよう適宜調整しうる。
PEDOT/PSSとしては、市販の製品を用いうる。市販の製品の例としては、ヘレウス社製の「Clevios(登録商標)」の「PH500」、「PH510」、及び「PH1000」が挙げられる。
〔4.1.3.有機導電層の任意成分〕
有機導電層は、導電性重合体に加えて、任意の成分を含みうる。例えば、導電層は、バインダーを含みうる。
バインダーとしては、有機導電層と他の層との密着性を向上しうる任意の重合体を用いうる。バインダーの例としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン−アクリル共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、及びポリエチレンオキサイドが挙げられる。バインダーとしては、有機導電層と他の層との密着性の向上の観点から、PVDFが特に好ましい。バインダーの割合は、有機導電層を構成する固形分全量に対して55重量%以上97重量%以下であることが好ましい。バインダーの割合を前記下限以上とすることにより、有機導電層と他の層との密着性を向上させることができ、バインダーの割合を前記上限以下とすることにより、良好な導電性を得ることができる。
〔4.2.有機導電層の形成方法〕
接着補助層上に導電層を形成する方法は特に限定されず、任意の方法を採用しうる。特に、有機導電層は、上に述べた有機導電層の成分を含む組成物(当該組成物を、以下において「導電性組成物」という場合がある)を有機導電層上に塗布して導電性組成物の層を形成し、これを乾燥することにより得られる。
導電性組成物は、上に述べた有機導電層の成分に加えて溶媒を含みうる。溶媒の例としては、プロトン性極性溶媒、非プロトン性極性溶媒、及び非極性溶媒が挙げられる。導電性組成物は、溶媒として、プロトン性極性溶媒及び非プロトン性極性溶媒を含むことが好ましい。これらを組み合わせて含むことにより、比較的低い乾燥温度で透明性に優れた有機導電層を容易に得ることができる。
プロトン性極性溶媒の例としては、水、エタノール、及び酢酸が挙げられる。非プロトン性極性溶媒の例としては、エチレングリコール、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、及びアセトンが挙げられる。
導電性組成物がプロトン性極性溶媒及び非プロトン性極性溶媒を含む場合における非プロトン性極性溶媒の割合は、溶媒の全重量に対して好ましくは25重量%以上50重量%以下である。非プロトン性極性溶媒の割合前記下限以上であることにより有機導電層の光学的特性を向上させることができ、前記下限以下であることにより有機導電層の耐湿性等の特性を向上させることができる。
導電性組成物における溶媒の割合は、導電性組成物の全重量に対して、70重量%以上99.5重量%以下としうる。導電性組成物の調製方法は、特に限定されず、上に述べた各成分を任意の手法により混合することにより、調製を行いうる。
導電性組成物の層の乾燥の条件は、所望の有機導電層が得られるよう適宜調整しうる。乾燥温度は、例えば70〜200℃としうる。乾燥時間は、例えば0.5分〜20分としうる。
〔4.3.導電層の形状等〕
導電層の厚みは、好ましくは50nm以上、より好ましくは80nm以上であり、一方好ましくは1000nm以下、より好ましくは900nm以下である。導電層が特に有機導電層の場合、導電層の厚みを前記下限以上とすることにより、導電性を向上させることができる。導電層の厚みを前記上限以下とすることにより、全光線透過率を向上させることができる。
導電層が有機導電層である場合、その屈折率は、好ましくは1.40以上、より好ましくは1.43以上であり、好ましくは1.50以下、より好ましくは1.48以下である。有機導電層の屈折率をこの範囲とすることにより、界面での光の反射を低減し、透明導電性フィルムを透過する光の透過率を高め、且つヘイズを低減することができ、その結果、透明導電性フィルムを光が透過する際の光の損失を抑えることができる。
〔5.透明導電性フィルムの性質〕
透明導電性フィルムは、その導電層側の表面で測定した表面抵抗が低いことが好ましい。表面抵抗は、好ましくは200Ω/□以下であり、さらに好ましくは150Ω/□以下である。表面抵抗の下限は特に限定されず、理想的には0Ω/□である。本発明の透明導電性フィルムは、導電層の成分を上に述べた特定のものとすることにより、かかる低い表面抵抗を実現しながら、且つ高い透明性及び良好な基材フィルムと導電層との密着性を得ることができる。表面抵抗は、例えば三菱化学社製ロレスタ−AP MCP−T400を用いて測定しうる。
透明導電性フィルムは、その透明性が高いことが好ましい。具体的には、高い全光線透過率を有することが好ましい。透明導電性フィルムの全光線透過率は、好ましくは83%以上、さらに好ましくは85%以上である。全光線透過率の上限は特に限定されず、理想的には100%である。導電層の成分を上に述べた特定のものとすることにより、かかる高い全光線透過率を実現しながら、且つ低い表面抵抗及び良好な基材フィルムと導電層との密着性を得ることができる。
透明導電性フィルムのヘイズは、特に限定されず用途に応じた値としうる。透明導電性フィルムを、タッチパネルの構成要素として用いる場合、透明導電性フィルムのヘイズは、通常は低いことが好ましく、好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下である。
透明導電性フィルムの全光線透過率及びヘイズは、例えば日本電色社製ヘイズメーターNDH−2000を用いて全光線透過率はJIS K7136ヘイズはJIS K7136に従って測定しうる。
〔6.用途〕
本発明の透明導電性フィルムの用途は任意である。用途の例としては、表示装置における導電性の構成要素としての用途が挙げられる。かかる導電性の構成要素としては、帯電防止フィルム、及びタッチパネルにおける接触を検出するための構成要素が挙げられる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものでは無く、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温常圧大気中において行った。
〔評価方法〕
(碁盤目剥離試験による密着性評価)
(基材フィルム)/(接着補助層)の層構成を有する複層物の密着性は、接着補助層側の表面において碁盤目剥離試験を行って評価した。また、透明導電性フィルムの密着性は、導電層側の表面において碁盤目剥離試験を行って評価した。碁盤目剥離試験は、JIS−K5400−8.5.1の記載に準じた試験方法で密着性を実施した。具体的には、基材に達する100個の升目状の切り傷を、隙間間隔1mmのカッターガイドを用いて付けた。次いで、セロハン粘着テープ(ニチバン社製、セロテープ(登録商標)CT−18)を升目状の切り傷面に張り付け、消しゴムでこすって完全に付着させた後、垂直に引き剥がして目視により下記の式から密着性を求めた。
密着性(%)=(1−剥がれ面積/評価面積)×100
(全光線透過率)
日本電色社製ヘイズメーターNDH−2000を用いてJIS K7361に従って測定した。
(接着補助層及び導電層の厚み)
反射率分光法により測定した。
(屈折率)
プリズムカプラ−(Metricon社製、model 2010)を用いて測定した。測定は、JIS B 7071−1に規定する最小偏角法に従って行った。
(外観精度)
本発明の導電性フィルムの導電層側の面を、目視により観察した。導電層の表面に、はじきや表面張力の差により水玉状の濃淡が形成されているか否かを、以下の評価基準で判定した。
濃淡が確認される:不良
濃淡が確認されない:良
(表面抵抗値の測定)
三菱化学社製ロレスタ−AP MCP−T400を用いて測定した。
〔実施例1〕
(1−1.基材フィルム)
脂環式構造重合体樹脂のフィルム(日本ゼオン社製、商品名「ゼオノアフィルムZF16−100」、厚さ100μm、樹脂のガラス転移温度158℃)を用意した。このフィルムの片面に、春日電機社製コロナ処理装置を用い、大気中で放電量150W/m/分でコロナ処理を施し、基材フィルムを得た。
(1−2.材料Y)
ポリエステル(A)の分散液(商品名「ペスレジンA−163G」、高松油脂株式会社製、親水基として−SONaを有する飽和ポリエステルの水分散液)と、エポキシ化合物(C)(商品名「デナコールEX521」、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ナガセケムテックス株式会社製)とを混合し、さらに水を加えて固形分濃度を4%の材料Yを調整した。混合割合は、ポリエステル(A)100重量部に対するエポキシ化合物(C)の割合が10重量部となるよう調整した。
(1−3.接着補助層の形成)
(1−2)で得た材料Yを、(1−1)で得た基材フィルムの、コロナ処理を施した側の表面に塗布した。塗布厚みは、硬化後の厚みが30nmとなるよう調整した。塗布した材料Yを、100℃にて乾燥させた。これにより、基材フィルム上に接着補助層を形成し、(基材フィルム)/(接着補助層)の層構成を有する複層物を得た。得られた接着補助層の屈折率は1.57であった。
得られた複層物について、碁盤目剥離試験により、基材フィルムと接着補助層との密着性の評価を行った。
(1−4.有機導電層の形成)
以下の成分を混合して、導電性組成物を調製した。
(1)導電性重合体分散液(商品名「PH−500」、ヘレウス社製、PEDOT/PSSの分散液、固形分濃度:1.0重量%、溶媒:水):2.5部
(2)バインダー(ポリフッ化ビニリデンの分散液、ポリフッ化ビニリデンの平均粒子径:0.2μm、固形分濃度:20重量%、溶媒:水):2.4部
(3)エタノール:1.2部
(4)エチレングリコール:3.9部
(1−3)で得た複層物の接着補助層側の面に、導電性組成物を、#14のバーコーターで塗布し、120℃で5分間乾燥した。これにより、接着補助層の表面に厚み300nmの有機導電層を形成し、(基材フィルム)/(接着補助層)/(有機導電層)の層構成を有する透明導電性フィルムを得た。
得られた透明導電性フィルムについて、有機導電層の屈折率測定、碁盤目剥離試験、全光線透過率測定、外観精度及び表面抵抗値の評価を行った。
〔実施例2〜4〕
下記の変更点の他は、実施例1と同じ操作により、複層物及び透明導電性フィルムを得て評価した。
・(1−3)における材料Yの塗布厚みを変更し、それにより硬化後の接着補助層の厚みを表1に示す通りとした。
〔実施例5〕
(5−1.多層基材フィルム)
表面層用の樹脂として、脂環式構造を含有する重合体を含む樹脂(Z1)(日本ゼオン社製、ガラス転移温度126℃)を用意した。
また、樹脂(Z1)100部と、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ADEKA社製「LA−31])7.5部とを混合し、混練した。これにより、中間層用の樹脂として、紫外線吸収剤を含有率7.0%で含む樹脂(Z2)を得た。
樹脂(Z1)及び樹脂(Z2)を、樹脂(Z1)の層、樹脂(Z2)の層、及び樹脂(Z1)の層をこの順に有するフィルム状に吐出されるように、260℃の溶融状態で単層ダイから吐出させ、共押出成形を行った。そして、吐出された樹脂を、100℃に温度調整された冷却ロールにキャストし、50℃に温度調整された冷却ロールに通して冷却した。これにより、(樹脂(Z1)の層)/(樹脂(Z2)の層)/(樹脂(Z1)の層)の2種3層の層構成を有する延伸前積層体を得た。得られた延伸前積層体の総厚みは、70μmであった。また、樹脂(Z1)の表面層2層の合計厚みに対する樹脂(Z2)の中間層の厚みの比は、0.92であった。
前記の延伸前積層体を、その長手方向に搬送して、テンター延伸機に連続的に供給した。そして、前記のテンター延伸機によって延伸前積層体を連続的に延伸し、更に幅方向の両端をトリミングして、幅1290mm、総厚み47μmの長尺の延伸積層体を得た。前記の延伸は、延伸後に得られる延伸積層体の遅相軸が、当該延伸積層体の幅方向に対して45°の角度をなすように、斜め方向に行った。その後、製造された延伸積層体をロール状に巻き取って回収した。
延伸積層体のロールから延伸積層体を繰り出し、春日電機社製コロナ処理装置を用い、大気中で放電量150W/m/分で、延伸積層体の片面にコロナ処理を施し、多層基材フィルムを得た。
(5−2.接着補助層及び有機導電層の形成)
基材フィルムとして、(1−1)で得た基材フィルムに代えて、(5−1)で得た多層基材フィルムを用いた他は、実施例1の(1−2)〜(1−4)と同じ操作により、複層物及び透明導電性フィルムを得て評価した。
〔実施例6〜8〕
下記の変更点の他は、実施例1と同じ操作により、複層物及び透明導電性フィルムを得て評価した。
・基材フィルムとして、(1−1)で得た基材フィルムに代えて、実施例5の(5−1)で得た多層基材フィルムを用いた。
・(1−3)における材料Yの塗布厚みを変更し、それにより硬化後の接着補助層の厚みを表1〜表2に示す通りとした。
〔実施例9〕
(9−1.材料Y)
ポリウレタン(B)の分散液(商品名「スーパーフレックス870」、第一工業製薬株式会社製、親水基として−COOHを有するポリエーテル・ポリウレタン樹脂の水分散液)と、エポキシ化合物(C)(商品名「デナコールEX521」、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ナガセケムテックス株式会社製)とを混合し、これによりポリウレタン(B)及びエポキシ化合物(C)を含む材料Yを調製した。混合割合は、ポリウレタン(B)100重量部に対するエポキシ化合物(C)の割合が20重量部となるよう調整した。
(9−2.接着補助層及び有機導電層の形成)
材料Yとして、(1−2)で得たものに代えて、(9−1)で得たものを用いた他は、実施例1の(1−1)及び(1−3)〜(1−4)と同じ操作により、複層物及び透明導電性フィルムを得て評価した。
〔実施例10〜11〕
下記の変更点の他は、実施例1と同じ操作により、複層物及び透明導電性フィルムを得て評価した。
・材料Yとして、(1−2)で得たものに代えて、実施例9の(9−1)で得たものを用いた。
・(1−3)における材料Yの塗布厚みを変更し、それにより硬化後の接着補助層の厚みを表2に示す通りとした。
〔実施例12〜15〕
下記の変更点の他は、実施例1と同じ操作により、複層物及び透明導電性フィルムを得て評価した。
・基材フィルムとして、(1−1)で得た基材フィルムに代えて、実施例5の(5−1)で得た多層基材フィルムを用いた(実施例14及び15)。
・(1−2)の材料Yの調製において、ポリエステル(A)100重量部に対するエポキシ化合物(C)の割合を、表2〜表3に示す通りとした。
・(1−3)における材料Yの塗布厚みを変更し、それにより硬化後の接着補助層の厚みを表2〜表3に示す通りとした。
〔比較例1〕
下記の変更点の他は、実施例1の(1−1)〜(1−3)と同じ操作により、複層物を得て評価した。
・(1−2)の材料Yの調製において、エポキシ化合物(C)を添加しなかった。
・(1−3)における材料Yの塗布厚みを変更し、それにより硬化後の接着補助層の厚みを表3に示す通りとした。
得られた複層物を用い、実施例1の(1−4)と同じ操作により有機導電層の形成を試みたが、接着補助層の密着性が不十分であったため、有機導電層の形成を行うことができなかった。
〔比較例2〕
下記の変更点の他は、実施例1の(1−2)〜(1−3)と同じ操作により、複層物を得て評価した。
・基材フィルムとして、(1−1)で得た基材フィルムに代えて、実施例5の(5−1)で得た多層基材フィルムを用いた。
・(1−2)の材料Yの調製において、ポリエステル(A)100重量部に対するエポキシ化合物(C)の割合を、表3に示す通りとした。
・(1−3)における材料Yの塗布厚みを変更し、それにより硬化後の接着補助層の厚みを表3に示す通りとした。
得られた複層物を用い、実施例1の(1−4)と同じ操作により有機導電層の形成を試みたが、接着補助層の密着性が不十分であったため、有機導電層の形成を行うことができなかった。
〔比較例3〕
(C3−1.材料Y)
エポキシ化合物(C)を添加しなかった他は、実施例9の(9−1)と同じ操作により、ポリウレタン(B)を含む材料Yを調製した。
(C3−2.接着補助層及び有機導電層の形成)
下記の変更点の他は、実施例1の(1−1)及び(1−3)と同じ操作により、複層物を得て評価した。
・材料Yとして、(1−2)で得たものに代えて、(C3−1)で得たものを用いた。
・(1−3)における材料Yの塗布厚みを変更し、それにより硬化後の接着補助層の厚みを表3に示す通りとした。
得られた複層物を用い、実施例1の(1−4)と同じ操作により有機導電層の形成を試みたが、接着補助層の密着性が不十分であったため、有機導電層の形成を行うことができなかった。
〔比較例4〜6〕
(C4−1.材料Y)
ポリエステル(A)100重量部に対するエポキシ化合物(C)の割合を、表3に示す通りとした他は、実施例9の(9−1)と同じ操作により、ポリウレタン(B)及びエポキシ化合物(C)を含む材料Yを調製した。
(C4−2.接着補助層及び有機導電層の形成)
下記の変更点の他は、実施例1の(1−1)及び(1−3)と同じ操作により、複層物を得て評価した。
・材料Yとして、(1−2)で得たものに代えて、(C4−1)で得たものを用いた。
・(1−3)における材料Yの塗布厚みを変更し、それにより硬化後の接着補助層の厚みを表3に示す通りとした。
得られた複層物を用い、実施例1の(1−4)と同じ操作により有機導電層の形成を試みたが、接着補助層の密着性が不十分であったため、有機導電層の形成を行うことができなかった。
〔比較例7〕
接着補助層の形成を行わず、基材フィルムのコロナ処理を施した側の表面に直接有機導電層を形成した他は、実施例1(1−1)及び(1−4)と同じ操作により、透明導電性フィルムを得て評価した。但し、外観精度が不良であり、製品として不適格であった。
実施例及び比較例の結果を、表1〜表3に示す。
Figure 0006838456
Figure 0006838456
Figure 0006838456
表中の略号の意味は、下記の通りである。
基材種類:使用した基材フィルム種類。F1:実施例1(1−1)で調製した単層の基材フィルム。F5:実施例5(5−1)で調製した多層基材フィルム。
補助層:使用した接着補助層種類。PE:ポリエステル(A)を含む材料Yを用いて構成されたもの。PU:ポリウレタン(B)を含む材料Yを用いて構成されたもの。
エポキシ量:材料Yの調製に際し使用したエポキシ化合物(C)の量。単位は、ポリエステル(A)又はポリウレタン(B)100重量部に対する重量部。
補助層密着性:(基材フィルム)/(接着補助層)の層構成を有する複層物における、基材フィルムと接着補助層との密着性の評価結果。
補助層厚み:接着補助層の厚み。単位nm。
導電層密着性:透明導電性フィルムにおける、接着補助層を介した、基材フィルムと導電層との密着性の評価結果。
表1〜表3の結果から明らかな通り、本願発明の所定の要件を満たす接着補助層を備える実施例の透明導電性フィルムは、比較例に比べて、高い全光線透過率、高い密着性、良好な外観精度等の利点を兼ね備えることが分かる。
接着補助層を設けなかった比較例7は、形成させた導電層に濃淡が見られ外観不良であった。

Claims (7)

  1. 基材フィルム、前記基材フィルム上に設けられた接着補助層、及び前記接着補助層上に設けられた導電層を備える透明導電性フィルムであって、
    前記基材フィルムは、脂環式構造含有重合体樹脂のフィルムであり、
    前記接着補助層は、材料Yを用いて構成される層であり、
    前記材料Yは、固形分としてのポリエステル(A)およびエポキシ化合物(C)並びに媒体のみからなり、前記ポリエステル(A)100重量部に対する前記エポキシ化合物(C)の割合が1重量部以上15重量部以下であり、
    前記導電層が、ポリチオフェン系化合物及びポリスチレンスルホン酸化合物を含む、透明導電性フィルム。
  2. 基材フィルム、前記基材フィルム上に設けられた接着補助層、及び前記接着補助層上に設けられた導電層を備える透明導電性フィルムであって、
    前記基材フィルムは、脂環式構造含有重合体樹脂のフィルムであり、
    前記接着補助層は、材料Yを用いて構成される層であり、
    前記材料Yは、固形分としてのポリウレタン(B)およびエポキシ化合物(C)並びに媒体のみからなり、前記ポリウレタン(B)100重量部に対する前記エポキシ化合物(C)の割合が13重量部以上25重量部以下であり、
    前記導電層が、ポリチオフェン系化合物及びポリスチレンスルホン酸化合物を含む、透明導電性フィルム。
  3. 前記脂環式構造含有重合体樹脂のガラス転移温度が100℃以上180℃以下である、請求項1又は2に記載の透明導電性フィルム。
  4. 前記基材フィルムが延伸フィルムである、請求項1〜のいずれか1項に記載の透明導電性フィルム。
  5. 前記延伸フィルムが斜め延伸フィルムである、請求項に記載の透明導電性フィルム。
  6. 前記基材フィルムが多層フィルムである、請求項1〜のいずれか1項に記載の透明導電性フィルム。
  7. 前記多層フィルムが、第1表面層、中間層および第2表面層をこの順に備え、前記中間層が紫外線吸収層を含み、前記多層フィルムの厚みが10μm以上100μm以下である、請求項に記載の透明導電性フィルム。
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