JP7443949B2 - コンデンサの製造方法およびコンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、電解コンデンサなどに用いられる電極箔の端子技術に関する。
電解コンデンサなどのコンデンサは、電極箔に端子を接続する。電極箔に端子を接続する技術として、たとえばステッチ接続がある。このステッチ接続は、電極箔に端子の平板部を重ね、この平板部側からステッチ針を貫通させる。このステッチ針の貫通に追従して生じる端子側の切り起こし片を電極箔に貫通させ、この切り起こし片を電極箔側に成形して押し当て、電極箔と端子を接続させる。ステッチ接続は、端子および電極箔のみの最小限の部材を使用し、接続処理も端子材料の持つ成形性および保持性を利用する優れた接続技術である。
このステッチ接続に関し、電極箔と板状の端子を重ねて一体に挟持し、両者に貫通孔を形成し、電極箔に貫通させた端子側の切り起こし片を電極箔上に成形することが開示されている(たとえば、特許文献1)。また、電極箔にタブを重ねて下型に配置し、タブ上から電極箔に向かってステッチ針を貫通させ、タブから電極箔に貫通した切り起こし片を上型に向かって突き上げピンを押し付け、タブと電極箔を接続することが知られている(たとえば、特許文献2)。
ところで、電解コンデンサに用いられる電極箔には、アルミニウムや銅などの弁金属箔が用いられる。この弁金属箔の表面に拡面化処理によりエッチング層が形成され、その上に化成処理により誘電体酸化皮膜が形成されている。たとえば、アルミニウムを用いた電極箔ではアルミニウム自体は延伸性や柔軟性に優れるが、誘電体酸化皮膜は硬く、電極箔の延伸性や柔軟性が低下する。特に、近年、電解コンデンサの高容量化の要請に応えるため、より高倍率の拡面化処理を施し、電極箔の表面積を拡大させている。電極箔の表面積の拡大に伴い誘電体酸化皮膜の面積も拡大し、結果として、電極箔の脆弱化や硬化が進み、素材自体が持つ柔軟性が極度に低下する。このような電極箔に端子を重ねてステッチ針を貫通させるステッチ接続では、ステッチ針の貫通時または切り起こし片の圧接時、電極箔に応力が作用し、この応力によってひび割れや破断などを生じるおそれがあった。
このような課題を解決するため、電極箔に形成されたエッチング層の表面の誘電体酸化皮膜に対し、少なくとも端子との接続部に複数の分断部を形成し、電極箔に柔軟性を持たせて、押圧によるひび割れの発生を抑制し、また、ひび割れの拡大を防止することが知られている(たとえば、特許文献3)。
特公昭44-006110号公報 特開平7-106203号公報 特開2018-120939号公報
ところで近年、電解コンデンサの小型化が要求され、図6に示すように、端子2の切り起こし片7の先端と、電極箔1の縁部15との距離Lが小さくなる。このような状態でステッチ接続処理を行うと、ステッチ針の穿孔処理や切り起こし片7の折り返し処理により加えられた応力Xの一部または全部が切り起こし片7の先端から電極箔1のステッチ接続部の周囲に伝搬する。そして電極箔1は、たとえばステッチ接続部から近い電極箔1の縁部15側から応力Xが開放される。この電極箔1の縁部15はその断面部分が電極箔面より脆弱であることから、電極箔1には、たとえばステッチ接続部側に向けて割れや分断が生じ易く、大きなひび割れ19が形成されるおそれがある。このようなひび割れ19は、たとえばコンデンサの容量の低下、ESR(等価直列抵抗)の増加などに繋がり、コンデンサの特性低下に繋がる。
そこで、本発明は上記課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、高倍率の拡面化処理、化成処理が施され、分断部を形成した電極箔に対して端子を接続する処理においてひび割れや破断を防止し、コンデンサの信頼性を高めることにある。
上記目的を達成するため、本発明のコンデンサの製造方法は、エッチング層に形成された複数の分断部の表面に誘電体酸化皮膜を有する電極箔および端子を重ねて保持する工程と、前記端子側から前記電極箔にステッチ針を挿通し、前記端子に生じた切り起こし片を前記電極箔に挿通させる工程と、前記端子と接触する押し当て面部と前記押し当て面部から突出した突出押し当て面部を有する第1の成形型と、前記電極箔側から前記切り起こし片を変形させる第2の成形型とにより前記切り起こし片を加圧成形する工程と、を備え、前記加圧成形する工程において、前記突出押し当て面部が前記端子の端部を押圧することを特徴とする。
さらに、前記電極箔の幅方向に形成された前記分断部に対して、前記第1の成形型による端子の端部側の押圧する面が直交方向としてもよい。
また、前記端子側から前記電極箔にステッチ針を挿通し、前記端子に生じた切り起こし片を前記電極箔に挿通させる工程の前に、先行して前記電極箔に透孔を形成する工程と、前記端子側からの前記ステッチ針の挿通により、前記端子に生じた切り起こし片を前記電極箔の前記透孔に挿通させる工程と、を含んでもよい。
また、前記電極箔側から第2の成形型により前記切り起こし片を加圧成形し、前記電極箔に接続させる工程において、前記端子側から前記端子を固定する第1の成形型であって、前記第1の成形型は前記端子の平板部の両端側を押圧してもよい。
上記目的を達成するため、本発明のコンデンサは、透孔を形成した電極箔と、前記透孔に挿通させる切り起こし片が形成された端子と、前記電極箔の前記透孔に挿通させた前記切り起こし片の成形により、前記電極箔と前記端子とを接続する折り返し接続部と、前記端子の平板部の端部側であって、前記電極箔の縁部と前記切り起こし片の間にステッチ工程中に押圧されて形成された薄肉部であることを特徴とする。
また、前記薄肉部を前記端子の前記平板部の両端部側に形成してもよい。
本発明によれば、切り起こし片を押圧する際に端子の端部を押圧することで、電極箔に加わる応力が電極箔の縁部まで伝わらず、押圧によるひび割れの発生を抑制し、また、ひび割れの拡大を防止できる。
第1の実施の形態に係る製造処理を示す図である。 電極箔の表面状態の一例を示す図である。 第1の実施の形態に係る電極箔と端子の接続部を示す図である。 第2の実施の形態に係る穿孔処理を示す図である。 他の実施の形態に係る製造処理を示す図である。 従来の端子と電極箔の接続状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る電解コンデンサについて説明する。本実施形態では、電解液を有する電解コンデンサを例示して説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものでない。
〔第1の実施の形態〕
本発明の第1の実施の形態について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電極箔と端子との接続方法の一例を示すものであり、電極箔の幅方向の断面図である。図1に示す構成は一例であり、本発明に係る構成に限定されない。
本発明の第1の実施の形態に係る電極箔1は、たとえば主に陽極側の電極箔であって、電極箔1の表面に高倍率なエッチング層11が形成されている(図2の(B))。図2の(A)に示すように、電極箔1の幅方向(短辺方向)に沿って線状の分断部12が形成される。図2の(A)のXは電極箔1の幅方向(短手方向)、Yは電極箔1の長さ方向を表す。分断部12は、たとえば長さやそれぞれの形成間隔は任意に設定すればよく、またはその形成手法に応じて線方向が決まればよい。なお、分断部12の形成方向は、電極箔1の長辺方向に沿う場合や、電極箔1の長辺方向、または斜め方向に形成してもよい。
図2の(B)に示すように、厚み方向中心に所定厚さの芯部13と、その両表面に拡面化処理されたエッチング層11が形成されている。そして分断部12は、電極箔1のうちのエッチング層11に形成されている。そして電極箔1は、エッチング層11および分断部12の表面に図示しない誘電体酸化皮膜が形成されている。芯部13の厚みは、たとえば20~60〔μm〕であり、エッチング層11の厚みは両面合わせて40~200〔μm〕の範囲とすればよい。
分断部12は、たとえば電極箔1の表面から芯部13に向けて所定の深さでエッチング層11を分断することで形成される。分断部12の形成深さは、芯部13を分断させないようにすればよく、たとえば電極箔1の厚み方向に対し、エッチング層11の深さと同じ程度にすればよい。全ての分断部12の深さを一定の値に揃える必要はない。分断部12の形成では、たとえばエッチング層11を厚み方向にひび割れさせるほか、所定の治具を利用して電極箔1表面を裂き、切り込み、切り欠き、または彫り込む手法を用いればよい。ひび割れを形成するには、たとえば拡面化処理や化成処理した電極箔1の表面に対して所定量の圧力や張力を付加する手法を用いてもよい。
分断部12の開口幅は、たとえば電極箔1を平坦状にした際に、0~50〔μm〕以下となるように形成すればよい。また、分断部12は、電極箔1両面のエッチング層11に形成する場合に限らず、電極箔1の巻回方向やステッチ処理において変形や押圧を受ける面側のみに形成してもよい。分断部12は、複数の切り込みが形成されることで、電極箔1の表面を所謂、蛇腹状にしている。分断部12の形成位置や範囲、形成数やその形成間隔は、たとえば電極箔1に加えられる押圧力や変形による曲げ応力の大きさなどに応じて設定してもよい。隣接する分断部12の間隔は、たとえば平均ピッチ220〔μm〕としてもよい。
電極箔1に接続される端子2は一例として、アルミニウム線と金属線21とから構成されており、アルミニウム線と金属線21とはアーク溶接等で接続されている。アルミニウム線は、略円柱形状の丸棒部22と、この丸棒部22がプレス加工等されて形成された平板部23とを備えており、丸棒部22の平板部23側には、平板部23の厚みまで直線的に厚みが減少する傾斜部24が形成されている。電極箔1には、平板部23が配置されている。
次に、コンデンサの製造処理の一例を示す。このコンデンサの製造処理では、たとえば陽極箔への分断部12の形成を含む電極箔1の形成処理、電極箔1に端子2を接続する処理を含む。電極箔1の形成処理には、たとえばアルミニウム箔などを成形する処理、陽極側の表面に拡面化処理によるエッチング層11を形成する処理、化成処理による誘電体酸化皮膜を形成する処理が含まれる。そして電極箔1の表面には、所定の位置に分断部12を形成した後、その分断部12の表面に誘電体酸化皮膜を形成する再化成処理を行ってもよい。
電極箔1と端子2の接続処理では、たとえば図1の(A)に示すように、電極箔1の上面に端子2の平板部23が重ねられる。これら電極箔1および端子2は第2の保持治具5の上に載置され、端子2の上面には第1の保持治具4が設置されている。つまり、電極箔1および端子2は第1の保持治具4と第2の保持治具5との間に挟み込まれて保持される。
第1の保持治具4および第2の保持治具5には、それぞれ透孔部41,51が形成されている。第1の保持治具4の透孔部41の中央にはステッチ針3が配置される。このステッチ針3はたとえば円柱状の軸部31に鋭角状の角錐形の先端部32を備えている。
ステッチ針3の穿孔工程では図1の(B)に示すように、第1の保持治具4と第2の保持治具5との間に電極箔1および端子2の平板部23を保持し、これら電極箔1および平板部23に対し、端子2側からステッチ針3を挿通させる。第1の実施の形態における穿孔工程は、ステッチ針3を端子2および電極箔1に挿通し、電極箔1の切り起こし片6と端子2の切り起こし片7を電極箔1に挿通させる工程の一例である。この挿通により、ステッチ針3の先端部32で切り込まれた平板部23には、切り起こし片7が生成され、電極箔1には切り起こし片6が生成される。このとき、切り起こし片6,7は、電極箔1の裏側(第2の保持治具に載置した面側)に成形される。
ステッチ針3によって電極箔1の裏側に切り起こし片6,7を形成した後、ステッチ針3と第1の保持治具4を後退させる。ステッチ針3と第1の保持治具4を後退させた後、電極箔1の上方には第1の成形型8が配置され、電極箔1の下方には第2の成形型9が配置される。第2の成形型9には押し当て面91部が形成されている。この押し当て面部91を切り起こし片6,7に当て、第1の成形型8と第2の成形型9との間で押圧することで、切り起こし片6,7が電極箔1の裏面側に接触するように成形する。
切り起こし片6,7を第2の成形型9でプレスするとき、第1の成形型8により電極箔1と端子2は上方から固定される。第1の成形型8には押し当て面部81が形成されている。この押し当て面部81の端子2の端部25側に対応する部分には、押し当て面部81の他の面部より突出する突出押し当て面部82を備える。この突出押し当て面部82によって、端子2の端部25側および当該端部25側と重なる電極箔1には、圧力が付加される。第2の成形型9の押し当て面部91により切り起こし片6,7を電極箔1に押圧するときの応力は、電極箔1の縁部15に向かって伝搬するが、突出押し当て面部82によって電極箔1が押圧されていると、その伝搬が縁部15まで伝搬するのを阻止する。
このとき、突出押し当て面部82が、分断部12が形成されている方向に対して、直交方向であると好ましい。切り起こし片6,7を第2の成形型9で押圧するときに生じる応力は、分断部12の形成方向に沿って、伝搬しやすいが、分断部12と直交方向に突出押し当て面部82を電極箔1に押圧することで、伝搬する応力を断ち切りやすい。
切り起こし片6,7は、たとえば図1の(D)に示すように、電極箔1の裏面側に押圧されて電極箔1に接続される。これにより、電極箔1に端子2を密着させる折り返し接続部26が形成される。
折り返し接続部26を形成した後、第2の保持治具5と第1の成形型8と第2の成形型9を後退させ、ステッチ接続が終了する。ステッチ接続が終了した端子2には、図1の(E)および図5に示すように、電極箔1と端子2の平板部23には透孔10が形成されている。図3は、第1の実施の形態における電極箔1と端子2の接続部を示す図である。また、押し当て面部91によって押圧されていた端子2の端部25側の厚さがステッチ接続工程前より薄くなった薄肉部27が切り起こし片7の先端と電極箔1の縁部15との間を遮断するように形成されている。
このステッチ処理の後に、分断部12の表面に対してさらに誘電体酸化皮膜を形成する化成処理を行ってもよい。
このステッチ接続処理において、電極箔1には、たとえばステッチ針3の穿孔によって変形した端子2から受ける圧力や、第2の成形型9の押し当てにより受ける圧力が付加される。そして電極箔1の分断部12は、加えられた圧力を折り返し接続部26が含まれる範囲、またはその周辺部分で分散させる。しかし、コンデンサの小型化に伴い、端子2の切り起こし片7の先端と電極箔1の縁部15との距離Lが小さくなると、より具体的には2.0mm未満になると、加えられた応力が分断部12によって電極箔1の縁部15まで伝搬しやすくなる。第1の実施の形態のように、第2の成形型9の押し当てにより受ける圧力が付加される折り返し接続部26と電極箔1の縁部15との間を突出押し当て面部91により押圧することで、折り返し接続部26から伝搬してきた応力を電極箔1の縁部15まで伝搬するのを阻止する。
第1の実施の形態により、端子2の切り起こし片7の先端と電極箔1の縁部15との距離Lが小さくなっても、押圧によるひび割れの発生を抑制し、また、ひび割れの拡大を防止できる。
また、電極箔1の破損を抑制することで、電極箔1およびコンデンサの信頼性を向上することができる。
また、電極箔1の縁部15と端子2の端部25との間に生じる切り起こし片6,7の成形時に生じる応力の伝搬を抑制することで、加工精度の向上が図れるとともに、不適合品の発生確率を減らすことができる。
また、ステッチ接続における折り返し接続部26の成形処理時に加える力の調整が容易となる。
また、電極箔1の損傷発生率が低下することで、加工処理の迅速化や製品チェック処理の迅速化が図れる。
端子2の接続による電極箔1の損傷を阻止することで、加工後のエージング処理を省略または軽度の処理で済むことができ、コンデンサ製造処理の迅速化が図れる。
〔第2の実施の形態〕
図3で示すように、前述のステッチ工程の前に、ステッチ針3を突き刺す部分に予め貫通孔14を形成した電極箔を用いてもよい。
第2の実施の形態では、図4の(A)に示すように、ステッチ針3の挿通前の電極箔1には貫通孔14が形成されている。この貫通孔14はたとえば、四角形である。この貫通孔14は電極箔1の予備成形によって形成する。
この電極箔1は第2の保持治具5の上面に載置され、貫通孔14は第2の保持治具5の透孔部51の中央に配置されている。この電極箔1の上面には端子2の平板部23が設置され、この平板部23の中心軸に貫通孔14を合致させる。つまり、貫通孔14に平板部23の電極箔1との接続部分を重ね合わせる。この電極箔1の上面に平板部23が設置され、この平板部23の上に第1の保持治具4が設置されている。
次に、穿孔工程では図4の(B)に示すように、第1の保持治具4と第2の保持治具5との間に保持された電極箔1および端子2に対し、端子2側からステッチ針3を挿通させる。この挿通により、この実施の形態では、ステッチ針3の先端部32で切り込まれた平板部23には切り起こし片6を電極箔1の貫通孔14内に生成させる。つまり、貫通孔14は、ステッチ針3の挿通により平板部23に生成される切り起こし片6を想定した形状および大きさとすればよい。
そして、第1の実施の形態と同様に第1の成形型8と第2の成形型9によるプレス加工により、平板部23の切り起こし片6を含めて、電極箔1と平板部23とを圧接して切り起こし片6を偏平に成形して折り返し接続部26を形成し、電極箔1と端子2とを接続する。
このような構成とすれば、貫通孔14の内周面で切り起こし片6と電極箔1の芯部13とが直接に接触するように端子2と電極箔1とを接合することが可能である。このような構成では、陽極箔が表面に誘電体酸化皮膜を形成した電極箔であっても良好な電気的接続性が得られる。つまり、電極箔1の表面に形成された誘電体酸化皮膜は絶縁性を有するのに対し、電極箔1に貫通孔14を形成すれば、この貫通孔14により電極箔1からアルミニウムの基材を露出させることができる。この基材の露出面と端子2とを直接接触させることができ、誘電体酸化皮膜が形成された電極箔1の切り起こし片7を介在させることなく接続できるので、電極箔1と端子2との間の電気的抵抗を低減できる。
また、この実施の形態では、電極箔1に貫通孔14が予め形成されているので、ステッチ針3を挿通することによって生じる電極箔1への応力の発生を抑えることができ、より電極箔1の割れを防止できる。
なお、貫通孔14の形状は四角形に限らない。貫通孔14は円形や三角形でもよく、また五角形などの多角形状であってもよい。
〔実験例〕
分断部が形成された電極箔に対して端子をステッチ接続する場合に、切り起こし部のプレス加工時に、突出押し当て面部を設けた金型で端子端部を押圧して固定する場合の実験例を示す。
この実験例では、第2の実施の形態で示した予め貫通孔を形成した電極箔を用いた。電極箔の縁部と端子の端部との間L(図6参照)は0.6mmに設定し、突出押し当て面部を設けた成形型を用いるステッチ接続工程と、突出押し当て面部が形成されていない平面状の成形型を用いるステッチ接続工程で、それぞれ50個ステッチ接続をした。そして、それぞれの電極箔の縁部と端子の端部との間に発生したひび割れの状態を確認した。突出押し当て面部を設けた成形型を用いるステッチ接続工程を行った場合、端子の端部には、端子の平板部の他の部分より薄い薄肉部が形成されていた。一方、突出押し当て面部が形成されていない平面状の成形型を用いるステッチ接続工程を行った場合、端子の端部には薄肉部は形成されていなかった。なお、第2の成形型の突出押し当て面部の有無以外は、同様の条件である。実験例の結果を以下の表1に示す。
この実験の結果、切り起こし片をプレスする際に、端子の端部を押圧することで、ステッチ接続によるひび割れなしの個数が17個から50個となり、大幅な増加となった。
上記結果より、切り返し部をプレスする際に、端子の端部を押圧することで、ステッチ接続による電極箔への影響を大幅に減らすことができる。そして、分断部の形成により、ステッチ接続後の電極箔の補修が不要または軽減できるほか、ひび割れによって利用できない電極箔の発生数を減らすことができる。
〔他の実施の形態〕
(1)上記実施の形態では、電極箔と端子との接続を例示したが、この接続は電解コンデンサ、電解質に固体電解質を用いた固体電解コンデンサ、電解質に電解液と固体電解質の両方を用いた所謂ハイブリッドコンデンサ、電気二重層コンデンサなど、各種のコンデンサの端子と電極箔間接続に適用できる。
(2)上記実施の形態では、電極箔と端子との接続を説明しているが、コンデンサの製造方法では電極箔の巻回工程、外装ケースへの封入工程などの他の工程が含まれることは言うまでもない。
(3) 上記実施の形態では、第1の保持治具4を端子2から離し、第1の成形型8を再度端子2に載置し、押圧する処理を行っているが、第1の保持治具4の端子2の端部25に対応する位置に第1の成形型8と同様に突出押圧面部82を形成し、ステッチ接続工程中、平板部23を押圧し続けてもよい。
(4)上記実施の形態では、第1の成形型8は、端子2の端部25を押圧する手段として、押し当て面部81の他の面部より突出する突出押し当て面部82を備えることとしたが、第2の成形型9で切り起こし片6,7を電極箔1に押圧する工程で端子2の端部25を押圧できればよく、これに限らない。たとえば、端子2の端部25のみを押圧する形状や、端子2の平板部23の端部25と、平板部23の傾斜部24側の端部を押圧する形状としてもよい。また、第1の成形型8は、端子2の端部25を押圧する成形型と、平板部23の端部25以外の部分を押圧する成形型とを分割する構成であってもよい。
(5)上記実施の形態では、突出押し当て面部82を端子2の端部25側にのみ設けたが、さらに端子2の傾斜部24側に設けてもよい。具体的には、図4の(A)に示すように、傾斜部24に近い切り起こし片6,7の先端と電極箔1の傾斜部24に近接する縁部15との間に薄肉部27が形成されるように第1の成形型8の押し当て面部81に突出押し当て面部82を設ける。この実施の形態に係る製造処理によりステッチ接続された端子2には、図5の(B)に示すように、平板部23の傾斜部24側にも薄肉部27が形成される。このようにすることで、電極箔1の傾斜部24に近接する縁部15側のひび割れについても抑制できる。
1 電極箔
11 エッチング層
12 分断部
13 芯金部
14 貫通孔
15 縁部
2 端子
21 金属線
22 丸棒部
23 平板部
24 傾斜部
25 端部
26 折り返し接続部
27 薄肉部
3 ステッチ針
31 軸部
32 先端部
4 第1の保持治具
41 透孔部
5 第2の保持治具
51 透孔部
6 切り起こし片(電極箔)
7 切り起こし片(端子)
8 第1の成形型
81 押し当て面部
82 突出押し当て面部
9 第2の成形型
91 押し当て面部
10 透孔

Claims (6)

  1. 電極箔と端子を接続するコンデンサの製造方法であって、
    前記電極箔は、拡面化された表面に分断部が形成され、
    前記端子は、前記電極箔の縁部から突出する部分と、前記電極箔に重ね合わされる平板部とを備え、
    前記電極箔および前記平板部を重ねて保持する工程と、
    前記平板部側から前記電極箔にステッチ針を挿通し、前記平板部に生じた切り起こし片を前記電極箔に挿通させる工程と、
    前記端子と接触する押し当て面部と前記押し当て面部から突出した突出押し当て面部を有する第1の成形型と、前記電極箔側から前記切り起こし片を変形させる第2の成形型とにより前記切り起こし片を加圧成形する工程と、
    を備え、
    前記加圧成形する工程において、前記突出押し当て面部が前記平板部における前記端子の前記電極箔の縁部から突出する部分とは反対側の端部を押圧することを特徴とするコンデンサの製造方法。
  2. 前記電極箔の幅方向に形成された前記分断部に対して、前記第1の成形型による端子の端部側の押圧する面が直交方向であることを特徴と請求項1に記載のコンデンサの製造方法。
  3. 前記端子側から前記電極箔にステッチ針を挿通し、前記端子に生じた切り起こし片を前記電極箔に挿通させる工程の前に、先行して前記電極箔に透孔を形成する工程と、
    前記端子側からの前記ステッチ針の挿通により、前記端子に生じた切り起こし片を前記電極箔の前記透孔に挿通させる工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のコンデンサの製造方法。
  4. 前記電極箔側から第2の成形型により前記切り起こし片を加圧成形し、前記電極箔に接続させる工程において、
    前記端子側から前記端子を固定する第1の成形型であって、前記第1の成形型は前記端子の平板部の両端側を押圧することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のコンデンサの製造方法。
  5. 拡面化処理が施された表面に分断部と透孔が形成された電極箔と、
    前記電極箔の縁部から突出する部分と、前記電極箔に重ね合わされる平板部とを備え、前記平板部には前記透孔に挿通させる切り起こし片が形成された端子と、
    前記電極箔の前記透孔に挿通させた前記切り起こし片の成形により、前記電極箔と前記端子とを接続する折り返し接続部と、
    前記平板部における前記端子の前記電極箔の縁部から突出する部分とは反対側の端部であって、前記電極箔の縁部と前記切り起こし片の間にステッチ工程中に押圧されて形成された薄肉部と、
    を備えることを特徴とするコンデンサ。
  6. 前記薄肉部が前記端子の前記平板部の両端部側に形成されたことを特徴とする請求項5に記載のコンデンサ。
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