JP7442456B2 - 熱電素子 - Google Patents

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Description

本発明は、熱電素子に関し、より詳しくは、熱電素子の接合構造に関する。
熱電現象は、材料内部の電子(electron)と正孔(hole)の移動によって発生する現象であって、熱と電気の間の直接的なエネルギー変換を意味する。
熱電素子は、熱電現象を用いる素子を総称し、P型熱電材料とN型熱電材料を金属電極の間に接合させてPN接合対を形成する構造を有する。
熱電素子は、電気抵抗の温度変化を用いる素子、温度差によって起電力が発生する現象であるゼーベック効果を用いる素子、電流による吸熱又は発熱が発生する現象であるペルチェ効果を用いる素子などに区分され得る。
熱電素子は、家電製品、電子部品、通信用部品などに多様に適用されている。例えば、熱電素子は、冷却用装置、温熱用装置、発電用装置などに適用され得る。これによって、熱電素子の熱電性能に対する要求はさらに高くなっている。
熱電素子は、基板、電極及び熱電脚を含み、上部基板と下部基板の間に複数の熱電脚がアレイ形態に配置され、複数の熱電脚と上部基板の間に複数の上部電極が配置され、複数の熱電脚と下部基板の間に複数の下部電極が配置される。
一般的に、熱電素子は、金属支持体上に配置され得る。熱電素子に含まれる上部基板及び下部基板がセラミックス基板である場合、セラミックス基板と金属支持体の界面での熱抵抗により熱損失が発生する。
本発明が解決しようとする課題は、熱電素子の接合構造を提供することである。
本発明の一実施例による熱電素子は、第1金属基板、前記第1金属基板上に配置され、前記第1金属基板と直接接触する第1樹脂層、前記第1樹脂層上に配置された複数の第1電極、前記複数の第1電極上に配置された複数の熱電脚、前記複数の熱電脚上に配置された複数の第2電極、前記複数の第2電極上に配置される第2樹脂層、及び前記第2樹脂層上に配置された第2金属基板を含み、前記第1樹脂層は、高分子樹脂及び無機充填剤を含み、前記複数の第1電極の側面の少なくとも一部は、前記第1樹脂層内に埋め立てられる。
前記第1樹脂層内に埋め立てられた前記側面の高さは、前記複数の第1電極の各々の厚さの0.1~1倍であってもよい。
隣接する二つの第1電極の間の前記第1樹脂層の厚さは、各第1電極の側面から前記隣接する二つの第1電極の間の中心領域に行くほど減少できる。
前記複数の第1電極下の前記第1樹脂層の厚さは、前記隣接する二つの第1電極の間の中心領域での前記第1樹脂層の厚さより小さくてもよい。
前記複数の第1電極下の前記第1樹脂層内の前記無機充填剤の分布は、前記隣接する二つの第1電極の間の前記第1樹脂層内の前記無機充填剤の分布と相異なっていてもよい。
前記複数の第1電極下の前記第1樹脂層内の前記無機充填剤の粒子サイズD50は、前記隣接する二つの第1電極の間の前記第1樹脂層内の前記無機充填剤の粒子サイズD50より小さくてもよい。
前記第1金属基板の前記第1樹脂層と対向する面は、第1領域及び前記第1領域の内部に配置される第2領域を含み、前記第2領域の表面粗さは、前記第1領域の表面粗さより大きく、前記第1樹脂層は、前記第2領域上に配置され得る。
前記第1金属基板と前記第2金属基板の間に配置されるシーリング部をさらに含み、前記シーリング部は、前記第1領域上に配置され得る。
前記シーリング部は、前記第1樹脂層の側面及び前記第2樹脂層の側面から所定距離離隔されて配置されるシーリングケース、及び前記シーリングケースと前記第1領域の間に配置されるシーリング材を含むことができる。
前記第1樹脂層は、前記高分子樹脂20~40wt%及び前記無機充填剤60~80wt%を含むことができる。
前記高分子樹脂は、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、EVA(Ethylene-Vinyl Acetate copolymer)系樹脂、ポリエステル系樹脂及びPVC(PolyVinyl Chloride)系樹脂のうち少なくとも一つを含み、前記無機充填剤は、酸化アルミニウム、窒化ホウ素及び窒化アルミニウムのうち少なくとも一つを含むことができる。
前記第2樹脂層は、前記第1樹脂層と同一の物質を含むことができる。
本発明の実施例によると、熱伝導度に優れ、熱損失が低く、且つ信頼性が高い熱電素子を得ることができる。特に、本発明の実施例による熱電素子は、金属支持体との接合強度が高く、製作工程が簡単である。
本発明の一実施例による熱電素子の断面図である。
本発明の一実施例による熱電素子に含まれる金属基板の上面図である。
本発明の一実施例による熱電素子の金属基板側の断面図である。
図3の一領域の拡大図である。
本発明の他の実施例による熱電素子に含まれる金属基板の上面図である。
図5の金属基板を含む熱電素子の金属基板側の断面図である。
本発明のまた他の実施例による熱電素子の断面図である。
図7による熱電素子の斜視図である。
図7による熱電素子の分解斜視図である。
本発明の一実施例による熱電素子の製作方法を示す。
本発明の実施例による熱電素子が適用された浄水器のブロック図である。
本発明の実施例による熱電素子が適用された冷蔵庫のブロック図である。
本発明は、多様に変更可能であり、さまざまな実施例を有することができる。以下、特定実施例を図面に例示して説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むことと理解すべきである。
第2、第1などのように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、前記構成要素は前記用語によって限定されるものではない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するための目的のみで用いられる。例えば、本発明の権利範囲を脱しない限り、第2構成要素は第1構成要素と命名されることができ、類似に第1構成要素も第2構成要素と命名されることができる。「及び/又は」という用語は、複数の関連された記載項目の組合せ又は複数の関連された記載項目のうちいずれか項目を含む。
ある構成要素が他の構成要素に「連結されている」とか「接続されている」と言及された場合には、その他の構成要素に直接的に連結されているか又は接続されていることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解すべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されている」とか「直接接続されている」と言及された場合には、中間に他の構成要素が存在しないことと理解すべきである。
本出願で使用した用語は、ただし、特定の実施例を説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文脈上明白に異に意味しない限り、複数の表現を含む。本出願で、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はそれらを組み合わせたものが存在することを指定するためのものであって、一つ又はその以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はそれらを組み合わせたものなどの存在又は付加可能性をあらかじめ排除しないことと理解すべきである。
異に定義しない限り、技術的や科学的な用語を含めてここで使用する全ての用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有した者により一般的に理解されることと同一の意味を有している。一般的に用いられる辞典に定義されている用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有することと解釈すべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的や過度に形式的な意味に解釈されない。
以下、添付図面を参照して実施例を詳しく説明するが、図面符号に関係なく同一であるか対応する構成要素には同一の参照番号を付与し、これに対する重複説明は省略する。
図1は、本発明の一実施例による熱電素子の断面図であり、図2は、本発明の一実施例による熱電素子に含まれる金属基板の上面図であり、図3は、本発明の一実施例による熱電素子の金属基板側の断面図であり、図4は、図3の一領域の拡大図であり、図5は、本発明の他の実施例による熱電素子に含まれる金属基板の上面図であり、図6は、図5の金属基板を含む熱電素子の金属基板側の断面図である。
図1を参照すると、熱電素子100は、第1樹脂層110、複数の第1電極120、複数のP型熱電脚130、複数のN型熱電脚140、複数の第2電極150及び第2樹脂層160を含む。
複数の第1電極120は、第1樹脂層110と複数のP型熱電脚130及び複数のN型熱電脚140の下面との間に配置され、複数の第2電極150は、第2樹脂層160と複数のP型熱電脚130及び複数のN型熱電脚140の上面との間に配置される。これによって、複数のP型熱電脚130及び複数のN型熱電脚140は、複数の第1電極120及び複数の第2電極150により電気的に連結される。第1電極120と第2電極150の間に配置されて電気的に連結される一対のP型熱電脚130及びN型熱電脚140は、単位セルを形成することができる。
各第1電極120には、一対のP型熱電脚130及びN型熱電脚140が配置され得、各第2電極150上には、各第1電極120に配置された一対のP型熱電脚130及びN型熱電脚140のうち一つが重なるように一対のN型熱電脚140及びP型熱電脚130が配置され得る。
ここで、第1電極120及び第2電極150に電圧を印加すると、ペルチェ効果によりP型熱電脚130からN型熱電脚140に電流が流れる基板は、熱を吸収して冷却部として作用し、N型熱電脚140からP型熱電脚130に電流が流れる基板は、加熱されて発熱部として作用することができる。又は、第1電極120及び第2電極150の間に温度差を加えると、ゼーベック効果によりP型熱電脚130及びN型熱電脚140内の電荷が移動して電気が発生できる。
ここで、P型熱電脚130及びN型熱電脚140は、ビスマス(Bi)及びテルル(Te)を主原料で含むビスマステルライド(Bi-Te)系熱電脚であってもよい。P型熱電脚130は、全体重量100wt%に対して、アンチモン(Sb)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、テルル(Te)、ビスマス(Bi)及びインジウム(In)のうち少なくとも一つを含むビスマステルライド(Bi-Te)系主原料物質99~99.999wt%とBi又はTeを含む混合物0.001~1wt%を含む熱電脚であってもよい。例えば、主原料物質がBi-Se-Teであり、Bi又はTeを全体重量の0.001~1wt%でさらに含むことができる。N型熱電脚140は、全体重量100wt%に対して、セレニウム(Se)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、テルル(Te)、ビスマス(Bi)及びインジウム(In)のうち少なくとも一つを含むビスマステルライド(Bi-Te)系主原料物質99~99.999wt%とBi又はTeを含む混合物0.001~1wt%を含む熱電脚であってもよい。例えば、主原料物質がBi-Sb-Teであり、Bi又はTeを全体重量の0.001~1wt%でさらに含むことができる。
P型熱電脚130及びN型熱電脚140は、バルク型又は積層型に形成され得る。一般的に、バルク型P型熱電脚130又はバルク型N型熱電脚140は、熱電素材を熱処理してインゴット(ingot)を製造し、インゴットを粉砕してスクリーニングして熱電脚用粉末を獲得した後、これを焼結し、焼結体をカッティングする過程を通じて得られる。積層型P型熱電脚130又は積層型N型熱電脚140は、シート状の基材上に熱電素材を含むペーストを塗布して単位部材を形成した後、単位部材を積層してカッティングする過程を通じて得られる。
このとき、一対のP型熱電脚130及びN型熱電脚140は、同一の形状及び体積を有するか、互いに異なる形状及び体積を有することができる。例えば、P型熱電脚130とN型熱電脚140の電気伝導特性が相異なるので、N型熱電脚140の高さ又は断面積をP型熱電脚130の高さ又は断面積と異に形成してもよい。
本発明の一実施例による熱電素子の性能は、熱電性能指数で示すことができる。 熱電性能指数(ZT)は、数学式1のように示すことができる。
Figure 0007442456000001
ここで、αは、ゼーベック係数[V/K]であり、σは、電気伝導度[S/m]であり、ασは、力率(Power Factor、[W/mK]である。そして、Tは、温度であり、kは、熱伝導度「W/mK」である。kは、a・c・ρで示すことができ、aは、熱拡散度「cm/S」であり、cは、比熱「J/gK」であり、ρは、密度[g/cm]である。
熱電素子の 熱電性能指数を得るために、Zメーターを用いてZ値(V/K)を測定し、測定したZ値を用いてゼーベック指数(ZT)を計算することができる。
ここで、第1樹脂層110とP型熱電脚130及びN型熱電脚140との間に配置される複数の第1電極120、そして、第2樹脂層160とP型熱電脚130及びN型熱電脚140との間に配置される複数の第2電極150は、銅(Cu)、銀(Ag)及びニッケル(Ni)のうち少なくとも一つを含むことができる。
そして、第1樹脂層110と第2樹脂層160のサイズは異に形成されてもよい。例えば、第1樹脂層110と第2樹脂層160のうち一つの体積、厚さ又は面積は、他の一つの体積、厚さ又は面積より大きく形成され得る。これによって、熱電素子の吸熱性能又は放熱性能を高めることができる。
このとき、P型熱電脚130又はN型熱電脚140は、円筒状、多角柱状、楕円形柱状などを有することができる。
または、P型熱電脚130又はN型熱電脚140は、積層型構造を有してもよい。例えば、P型熱電脚又はN型熱電脚は、シート状の基材に半導体物質が塗布された複数の構造物を積層した後、これを切断する方法により形成され得る。これによって、材料の損失を阻んで電気伝導特性を向上させ得る。
または、P型熱電脚130又はN型熱電脚140は、ゾーンメルティング(zonemelting)方式又は粉末焼結方式によって製作され得る。ゾーンメルティング方式によると、熱電素材を用いてインゴット(ingot)を製造した後、インゴットにゆっくり熱を加えて単一の方向に粒子が再配列されるようにリファイニングし、ゆっくり冷凍させる方法で熱電脚を得る。粉末焼結方式によると、熱電素材を用いてインゴットを製造した後、インゴットを粉砕してスクリーニングして熱電脚用粉末を獲得し、これを焼結する過程を通じて熱電脚を得る。
本発明の実施例によると、第1金属基板170に第1金属基板170と直接接触するように第1樹脂層110が配置され、第2金属基板180に第2金属基板180と直接接触するように第2樹脂層160が配置され得る。
第1金属基板170及び第2金属基板180は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、アルミニウム-銅合金などからなってもよい。第1金属基板170及び第2金属基板180は、第1樹脂層110、複数の第1電極120、複数のP型熱電脚130及び複数のN型熱電脚140、複数の第2電極150、第2樹脂層160などを支持することができ、第1金属基板170及び第2金属基板180のうち少なくとも一つは、本発明の実施例による熱電素子100が適用されるアプリケーションに直接付着される領域であってもよい。これによって、第1金属基板170及び第2金属基板180は、それぞれ第1金属支持体及び第2金属支持体と混用され得る。
第1金属基板170の面積は、第1樹脂層110の面積より大きくてもよく、第2金属基板180の面積は、第2樹脂層160の面積より大きくてもよい。すなわち、第1樹脂層110は、第1金属基板170の縁から所定距離離隔された領域内に配置され得、第2樹脂層160は、第2金属基板180の縁から所定距離離隔された領域内に配置され得る。
このとき、第1金属基板170の幅は、第2金属基板180の幅より大きいか、第2金属基板180の厚さは、第1金属基板170の厚さより大きくてもよい。または、第1金属基板170の総面積は、第2金属基板180の総面積より大きくてもよい。第1金属基板170は、熱を放出する放熱部であり、第2金属基板180は、熱を吸収する吸熱部であってもよい。これのために、第1金属基板170の両面のうち第1樹脂層110が配置される面の反対面及び第2金属基板180の両面のうち第2樹脂層160が配置される面の反対面のうち少なくとも一面には、複数の突出パターンが配置され得る。このような突出パターンは、ヒートシンクであってもよい。
第1樹脂層110及び第2樹脂層160は、高分子樹脂及び無機充填剤を含む樹脂組成物からなってもよい。ここで、高分子樹脂は、絶縁、接着又は放熱の機能が付与された高分子物質を含む場合、全ての物質が可能である。例えば、高分子樹脂は、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、EVA(Ethylene-Vinyl Acetate copolymer)系樹脂、ポリエステル系樹脂及びPVC(PolyVinyl Chloride)系樹脂のうち選択されたいずれか一つであってもよい。好ましくは、高分子樹脂は、エポキシ樹脂であってもよい。ここで、エポキシ樹脂は、20~40wt%で含まれ、無機充填剤は、60~80wt%で含まれ得る。無機充填剤が60wt%未満で含まれると、熱伝導効果が低くなり、無機充填剤が80wt%を超過して含まれると、樹脂層と金属基板の間の接着力が弱くなり、樹脂層が容易に割れる恐れがある。
第1樹脂層110及び第2樹脂層160は、同一の物質を含むことができ、第1樹脂層110及び第2樹脂層160の厚さは、20~200μmであってもよく、熱伝導度は、1W/mK以上、好ましくは、10W/mK以上、より好ましくは、20W/mK以上であってもよい。第1樹脂層110と第2樹脂層160の厚さがこのような数値範囲を満足する場合、第1樹脂層110及び第2樹脂層160が温度変化によって収縮及び膨脹を繰り返しても第1樹脂層110と第1金属基板170との間の接合及び第2樹脂層160と第2金属基板180との間の接合には影響を及ぼさない。
それのために、エポキシ樹脂は、エポキシ化合物及び硬化剤を含むことができる。このとき、エポキシ化合物10体積比に対して硬化剤1~10体積比で含まれ得る。ここで、エポキシ化合物は、結晶性エポキシ化合物、非結晶性エポキシ化合物及びシリコンエポキシ化合物のうち少なくとも一つを含むことができる。結晶性エポキシ化合物は、メソゲン(mesogen)構造を含むことができる。メソゲン(mesogen)は、液晶(liquid crystal)の基本単位であり、剛性(rigid) 構造を含む。そして、非結晶性エポキシ化合物は、分子中にエポキシ基を2個以上有する通常の非結晶性エポキシ化合物であってもよく、例えば、ビスフェノールA又はビスフェノールFから誘導されるグリシジルエーテル化物であってもよい。ここで、硬化剤は、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ポリメルカプタン系硬化剤、ポリアミノアミド系硬化剤、イソシアネート系硬化剤及びブロックイソシアネート系硬化剤のうち少なくとも一つを含むことができ、2種類以上の硬化剤を混合して用いてもよい。
無機充填剤は、酸化アルミニウム又は窒化物を含むことができ、窒化物は、無機充填剤の55~95wt%で含まれ得、より好ましくは、60~80wt%であってもよい。窒化物がこのような数値範囲で含まれる場合、熱伝導度及び接合強度を高めることができる。ここで、窒化物は、窒化ホウ素及び窒化アルミニウムのうち少なくとも一つを含むことができる。ここで、窒化ホウ素は、板状窒化ホウ素であるか、板状窒化ホウ素が固まれた窒化ホウ素凝集体であってもよく、窒化ホウ素の表面は、高分子樹脂でコーティングされ得る。ここで、窒化ホウ素と結合可能であるか、窒化ホウ素の表面をコーティングすることができるものであれば、全ての高分子樹脂が用いられ得る。高分子樹脂は、例えば、アクリル系高分子樹脂、エポキシ系高分子樹脂、ウレタン系高分子樹脂、ポリアミド系高分子樹脂、ポリエチレン系高分子樹脂、EVA(ethylene vinyl acetate copolymer)系高分子樹脂、ポリエステル系高分子樹脂及びPVC(polyvinyl chloride)系高分子樹脂からなるグループより選択され得る。そして、高分子樹脂は、下記単位体1を有する高分子樹脂であってもよい。
単位体1は、次の通りである。
[単位体1]
Figure 0007442456000002
ここで、R、R、R及びRのうち一つは、Hであり、残りは、C~Cアルキル、C~Cアルケン及びC~Cアルキンで構成されたグループから選択され、Rは、線型、分枝型又は環型の炭素数1~12の2価有機リンカーであってもよい。
一実施例で、R、R、R及びRのうちHを除いた残りのうち一つは、C~Cアルケンから選択され、残りのうち他の一つ及びまた他の一つは、C~Cアルキルから選択され得る。例えば、本発明の実施例による高分子樹脂は、下記単位体2を含むことができる。
[単位体2]
Figure 0007442456000003
または、前記R、R、R及びRのうちHを除いた残りは、C~Cアルキル、C~Cアルケン及びC~Cアルキンで構成されたグループから互いに相異なるように選択されてもよい。
このように、単位体1又は単位体2による高分子樹脂が窒化ホウ素にコーティングされると、作用基の形成が容易になり、窒化ホウ素上に作用基が形成されると、樹脂との親和度が高くなり得る。
このとき、窒化ホウ素の粒子サイズD50は、酸化アルミニウムの粒子サイズD50より大きくてもよい。例えば、窒化ホウ素の粒子サイズD50は、40~200μmであり、酸化アルミニウムの粒子サイズD50は、10~30μmであってもよい。窒化ホウ素の粒子サイズD50と酸化アルミニウムの粒子サイズD50がこのような数値範囲を満足する場合、窒化ホウ素と酸化アルミニウムがエポキシ樹脂組成物内に均一に分散され得、これによって、樹脂層が全体的に均一な熱伝導効果及び接着性能を有することができる。
このように、第1金属基板170と複数の第1電極120の間に第1樹脂層110が配置されると、別途のセラミックス基板がなくても第1金属基板170と複数の第1電極120の間の熱伝逹が可能であり、第1樹脂層110自体の接着性能により別途の接着剤又は物理的な締結手段が不必要である。特に、第1樹脂層110は、既存セラミックス基板に比べて顕著に薄い厚さで具現できるので、複数の第1電極120と第1金属基板170の間の熱伝逹性能を改善することができ、熱電素子100の全体的なサイズを減らすこともできる。
ここで、第1金属基板170は、第1樹脂層110と直接接触することができる。これのために、第1金属基板170の両面のうち第1樹脂層110が配置される面、すなわち、第1金属基板170の第1樹脂層110と対向する面には、表面粗さが形成され得る。これによると、第1金属基板170と第1樹脂層110の間の熱圧搾時に第1樹脂層110が浮き上がる問題を防止することができる。本明細書で、表面粗さは、凹凸を意味し、表面粗度と混用されてもよい。
図2~図4を参照すると、第1金属基板170の両面のうち第1樹脂層110が配置される面、すなわち、第1金属基板170の第1樹脂層110と対向する面は、第1領域172及び第2領域174を含み、第2領域174は、第1領域172の内部に配置され得る。すなわち、第1領域172は、第1金属基板170の縁から中心領域に向いて所定距離内に配置され得、第1領域172は、第2領域174を取り囲むことができる。
このとき、第2領域174の表面粗さは、第1領域172の表面粗さより大きく、第1樹脂層110は、第2領域174上に配置され得る。ここで、第1樹脂層110は、第1領域172と第2領域174の間の境界から所定距離離隔されるように配置され得る。すなわち、第1樹脂層110は、第2領域174上に配置されるが、第1樹脂層110の縁は、第2領域174の内部に位置することができる。これによって、第2領域174の表面粗さにより形成された溝400の少なくとも一部には、第1樹脂層110の一部、すなわち、第1樹脂層110に含まれるエポキシ樹脂600及び無機充填剤の一部604が染み込まれ、第1樹脂層110と第1金属基板170の間の接着力が高くなり得る。
ただし、第2領域174の表面粗さは、第1樹脂層110に含まれる無機充填剤のうち一部の粒子サイズD50よりは大きく、他の一部の粒子サイズD50よりは小さく形成され得る。ここで、粒子サイズD50は、粒度分布曲線で重量百分率の50%に該当する粒径、すなわち、通過質量百分率が50%になる粒径を意味し、平均粒径と混用され得る。第1樹脂層110が無機充填剤で酸化アルミニウムと窒化ホウ素を含む場合を例で挙げると、酸化アルミニウムは、第1樹脂層110と第1金属基板170の間の接着性能に影響を及ぼさないが、窒化ホウ素は、表面が滑らかなので、第1樹脂層110と第1金属基板170の間の接着性能に良くない影響を及ぼすことができる。これによって、第2領域174の表面粗さを第1樹脂層110に含まれる酸化アルミニウムの粒子サイズD50よりは大きいが、窒化ホウ素の粒子サイズD50よりは小さく形成すれば、第2領域174の表面粗さによって形成された溝内には酸化アルミニウムのみが配置され、窒化ホウ素は配置されにくいので、第1樹脂層110と第1金属基板170は、高い接合強度を維持することができる。
これによって、第2領域174の表面粗さは、第1樹脂層110内に含まれた無機充填剤のうちサイズが相対的に小さい無機充填剤604、例えば、酸化アルミニウムの粒子サイズD50の1.05~1.3倍であり、第1樹脂層110内に含まれた無機充填剤のうちサイズが相対的に大きい無機充填剤602、例えば、窒化ホウ素の粒子サイズD50より小さい。例えば、第2領域174の表面粗さは、40μm未満、好ましくは、10.5~39μmであってもよい。これによると、第2領域174の表面粗さによって形成された溝内に配置される窒化ホウ素を最小化することができる。
このような表面粗さは、表面粗さ測定機を用いて測定され得る。表面粗さ測定機は、探針を用いて断面曲線を測定し、断面曲線の山頂線、谷底線、平均線及び基準長さを用いて表面粗さを算出することができる。本明細書で、表面粗さは、中心線平均算出法による算術平均粗さ(Ra)を意味することができる。算術平均粗さ(Ra)は、下の数学式2を通じて得られる。
Figure 0007442456000004
すなわち、表面粗さ測定機の探針を用いて得た断面曲線を基準長さ(L)ほど取得して、平均線方向をx軸にし、高さ方向をy軸にして、関数(f(x))で表現したとき、数学式2により求められる値をμmで示すことができる。
本発明の他の実施例によれば、図5~図6を参照すると、第1金属基板170の両面のうち第1樹脂層110が配置される面、すなわち、第1金属基板170の第1樹脂層110と対向する面は、第1領域172及び、第1領域172により取り囲まれ、第1領域172より表面粗さが大きく形成された第2領域174を含むが、第3領域176をさらに含むことができる。
ここで、第3領域176は、第2領域174の内部に配置され得る。すなわち、第3領域176は、第2領域174により取り囲まれるように配置され得る。そして、第2領域174の表面粗さは、第3領域176の表面粗さより大きく形成され得る。
このとき、第1樹脂層110は、第1領域172と第2領域174の間の境界から所定距離離隔されるように配置されるが、第1樹脂層110は、第2領域174の一部及び第3領域176をカバーするように配置され得る。
一方、さらに図1を参照すると、複数の第1電極120の側面121の少なくとも一部は、第1樹脂層110内に埋め立てられる。このとき、第1樹脂層110内に埋め立てられた複数の第1電極120の側面121の高さH1は、複数の第1電極120の厚さHの0.1~1倍、好ましくは、0.2~0.9倍、より好ましくは、0.3~0.8倍であってもよい。このように、複数の第1電極120の側面121の少なくとも一部が第1樹脂層110内に埋め立てられると、複数の第1電極120と第1樹脂層110の間の接触面積が広くなり、これによって、複数の第1電極120と第1樹脂層110の間の熱伝逹性能及び接合強度が一層高くなり得る。第1樹脂層110内に埋め立てられた複数の第1電極120の側面121の高さH1が複数の第1電極120の厚さHの0.1倍未満である場合、複数の第1電極120と第1樹脂層110の間の熱伝逹性能及び接合強度を十分に得にくくなり、第1樹脂層110内に埋め立てられた複数の第1電極120の側面121の高さH1が複数の第1電極120の厚さHの1倍を超過する場合、第1樹脂層110が複数の第1電極120上に上がることができ、これによって、電気的に短絡される可能性がある。
より詳しくは、隣接する二つの第1電極120の間で第1樹脂層110の厚さは、各電極の側面から中心領域に行くほど減少できる。ここで、中心領域は、二つの第1電極120の間の中間地点を含む所定の領域を意味することができる。すなわち、第1樹脂層110の厚さは、一つの第1電極120の側面から遠くなるほどますます減ってから隣接する他の第1電極120の側面に近くなるほどますます大きくなり得る。このとき、隣接する二つの第1電極120の間で第1樹脂層110の厚さは、緩慢に減ってから大きくなり得る。これによって、隣接する二つの第1電極120の間で第1樹脂層110の上面は、頂点が緩やかな「V」字状を有することができる。したがって、隣接する二つの第1電極120の間の第1樹脂層110は、厚さの偏差を有することができる。例えば、第1電極120の側面121と直接接触する領域での第1樹脂層110の高さT2が最も高く、中心領域での第1樹脂層110の高さT3は、第1電極120の側面121と直接接触する領域での第1樹脂層110の高さT2より低い。すなわち、隣接する二つの第1電極120の間の第1樹脂層110の中心領域の高さT3は、隣接する二つの第1電極120の間の第1樹脂層110内で最も低い。
ただし、各第1電極120下の第1樹脂層110の高さT1は、隣接する二つの第1電極120の間の第1樹脂層110の中心領域の高さT3よりさらに低い。すなわち、第1電極120の側面と直接接触する領域での第1樹脂層110の高さT2、隣接する二つの第1電極120の間の中心領域での第1樹脂層110の高さT3及び各第1電極120下に配置された第1樹脂層110の高さT1を比較するとき、T2>T3>T1の順に高さの偏差が発生できる。
このような高さの偏差は、未硬化又は半硬化状態の第1樹脂層110を成す組成物上に複数の第1電極120を配置して加圧した後、第1樹脂層110を成す組成物が硬化される過程で、組成物内部の空気が熱エネルギーにより排出されることによって形成され得る。すなわち、複数の第1電極120の側面は、第1樹脂層110を成す組成物内部の空気が排出されるチャンネルになり得、これによって、第1樹脂層110を成す組成物は、複数の第1電極120の側面に沿って重力方向に降りる形態で硬化され得る。
このとき、複数の第1電極120下の第1樹脂層110の厚さT1は、20~80μmであり、第1電極120の側面121と直接接触する領域での第1樹脂層110の厚さT2は、各第1電極120下に配置された第1樹脂層110の厚さT1の1.5~4倍、好ましくは、2~4倍、より好ましくは、3~4倍であってもよい。そして、隣接する二つの第1電極120の間の中心領域に配置された第1樹脂層110の厚さT3は、各第1電極120の下に配置された第1樹脂層110の厚さT1の1.1~3倍、好ましくは、1.1~2.5倍、より好ましくは、1.1~2倍であってもよい。また、第1電極120の側面121と直接接触する領域での第1樹脂層110の厚さT2は、隣接する二つの第1電極120の間の中心領域に配置された第1樹脂層110の厚さT3の1.5~3.5倍、好ましくは、2~3倍、より好ましくは、2.2~2.7倍であってもよい。このように、複数の第1電極120の下の第1樹脂層110の厚さT1、第1電極120の側面121と直接接触する領域での第1樹脂層110の厚さT2及び隣接する二つの第1電極120の間の中心領域に配置された第1樹脂層110の厚さT3が互いに相異なる場合、複数の第1電極120下の第1樹脂層110内の無機充填剤の分布は、複数の第1電極120の間の第1樹脂層110内の無機充填剤の分布と相異なっていてもよい。例えば、第1樹脂層110が、D50が40~200μmである窒化ホウ素及びD50が10~30μmである酸化アルミニウムを含む場合、窒化ホウ素及び酸化アルミニウムが第1樹脂層110内に全体的に均一に分散されても部分的にはその分布が相異なっていてもよい。例えば、D50が40~200μmである窒化ホウ素の密度は、約2.1g/cmであり、D50が10~30μmである酸化アルミニウムの密度は、約3.95~4.1g/cmである。これによって、密度が高くてサイズが小さい酸化アルミニウムは、相対的に密度が低くてサイズが大きい窒化ホウ素に比べて下に沈む傾向がある。特に、第1樹脂層110内の複数の第1電極120の下に配置される領域、すなわち、厚さがT1である領域では、T1に比べて粒子サイズが大きい無機充填剤は、複数の第1電極120の間の領域、すなわち、厚さがT2~T3である領域に押され得る。これによって、複数の第1電極120の下の第1樹脂層110内の無機充填剤の分布は、複数の第1電極120の間の第1樹脂層110内の無機充填剤分布と相異なっていてもよい。例えば、複数の第1電極120の下の第1樹脂層110内の全体無機充填剤に対する窒化ホウ素の含量比(例えば、重量比)は、複数の第1電極120の間の第1樹脂層110内の全体無機充填剤に対する窒化ホウ素の含量比(例えば、重量比)より小さくてもよい。これによって、複数の第1電極120下の第1樹脂層110内の無機充填剤の粒子サイズD50は、複数の第1電極120の間の第1樹脂層110内の無機充填剤の粒子サイズD50より小さくてもよい。酸化アルミニウムは、第1樹脂層110と複数の第1電極120の間の接着性能に影響を及ぼさないが、窒化ホウ素は、表面が滑らかなので、第1樹脂層110と複数の第1電極120の間の接着性能に悪影響を及ぼすことができる。本発明の実施例のように、複数の第1電極120が第1樹脂層110内に埋め立てられると、複数の第1電極120の下に配置される第1樹脂層110内の窒化ホウ素の含量が減るようになり、これによって、複数の第1電極120が第1樹脂層110内に埋め立てられない場合に比べて複数の第1電極120と第1樹脂層110の間の接合強度を高めることができる。
図7は、本発明のまた他の実施例による熱電素子の断面図であり、図8は、図7による熱電素子の斜視図であり、図9は、図7による熱電素子の分解斜視図である。図1~図6で説明した内容と同一の内容に対する重複された説明は省略する。
図7~図9を参照すると、本発明の実施例による熱電素子100は、シーリング部190を含む。
シーリング部190は、第1金属基板170上で第1樹脂層110の側面と第2樹脂層160の側面に配置され得る。すなわち、シーリング部190は、第1金属基板170と第2金属基板180の間に配置され、複数の第1電極120の最外郭、複数のP型熱電脚130及び複数のN型熱電脚140の最外郭、複数の第2電極150の最外郭及び第2樹脂層160の側面を取り囲むように配置され得る。これによって、第1樹脂層110、複数の第1電極120、複数のP型熱電脚130、複数のN型熱電脚140、複数の第2電極150及び第2樹脂層は、外部の湿気、熱、汚染などからシーリングされ得る。
このとき、シーリング部190は、第1領域172上に配置され得る。このように、表面粗さが小さい第1領域172上にシーリング部190が配置されると、シーリング部190と第1金属基板170の間のシーリング効果を高めることができる。
ここで、シーリング部190は、第1樹脂層110の側面、複数の第1電極120の最外郭、複数のP型熱電脚130及び複数のN型熱電脚140の最外郭、複数の第2電極150の最外郭及び第2樹脂層160の側面から所定距離離隔されて配置されるシーリングケース192、シーリングケース192と第1金属基板170の第1領域172の間に配置されるシーリング材194、シーリングケース192と第2金属基板180の側面の間に配置されるシーリング材196を含むことができる。このように、シーリングケース192は、シーリング材194、196を媒介として第1金属基板170及び第2金属基板180と接触することができる。これによって、シーリングケース192が第1金属基板170及び第2金属基板180と直接接触する場合、シーリングケース192を通じて熱伝導が起きるようになり、結果的に、△Tが低くなる問題を防止することができる。特に、本発明の実施例によると、シーリングケース192の内壁の一部は傾くように形成され、シーリング材196は、第2金属基板180の側面で第2金属基板180とシーリングケース192の間に配置される。これによって、シーリングケース192と第2金属基板180の間の接触面積を最小化することができ、第1金属基板170と第2金属基板180の間の体積が大きくなって熱交換が活発に行われるので、一層高い△Tを得ることができる。
ここで、シーリング材194、196は、エポキシ樹脂及びシリコン樹脂のうち少なくとも一つを含むか、エポキシ樹脂及びシリコン樹脂のうち少なくとも一つが両面に塗布されたテープを含むことができる。シーリング材194、196は、シーリングケース192と第1金属基板170の間及びシーリングケース192と第2金属基板180の間を機密する役目をし、第1樹脂層110、複数の第1電極120、複数のP型熱電脚130、複数のN型熱電脚140、複数の第2電極150及び第2樹脂層160のシーリング効果を高めることができ、仕上げ材、仕上げ層、防水材、防水層などと混用され得る。
一方、シーリングケース192には、電極に連結されたワイヤ200、202を引き出すためのガイド溝Gが形成され得る。それのために、シーリングケース192は、プラスチックなどからなった射出成形物であってもよく、シーリングカバーと混用され得る。
ここで、第1金属基板170は、熱を放出する放熱部又は発熱部であり、第2金属基板180は、熱を吸収する吸熱部又は冷却部であってもよい。それのために、第1金属基板170の幅は、第2金属基板180の幅より大きいか、第1金属基板170の厚さは、第2金属基板180の厚さより薄い。これによって、放熱部又は発熱部である第1金属基板170は、熱抵抗が小さく具現され得、シーリング部190が安定的に配置され得る。特に、第1金属基板170は、シーリング部190を安定的に配置するために第1領域172に該当する面積ほど第2金属基板180より大きく形成され得る。吸熱部又は冷却部である第2金属基板180は、接触する対象物と最小限の面積で接触することができるので、熱損失を最小化することができる。本発明の実施例による熱電素子が冷却のためのアプリケーションに適用される場合、第2金属基板180の厚さは、要求される冷却システムの熱容量によって変わることができる。
図7~図9で説明した実施例は、第1金属基板170が第1領域172と第2領域174を含む図1~図4の実施例だけでなく、第1金属基板170が第1領域172、第2領域174及び第3領域176を含む図5及び図6の実施例にも適用され得る。
図10は、本発明の一実施例による熱電素子の製作方法を示す。
図10を参照すると、金属基板の両面のうち一面に表面粗さを形成する(ステップS1000)。表面粗さは、サンドブラスティング、ソーイング(sawing)、キャスティング(casting)、フォージング(forging)、旋削、ミーリング、ボーリング、ドリリング、放電加工などの多様な方法で行われ得、これに制限されるものではない。上述したように、表面粗さは、金属基板の両面のうち一面内の一部領域にのみ行われ得る。例えば、表面粗さは、図1~図4の実施例のように、金属基板の縁を含む一部領域、すなわち、第1領域を除いて金属基板の中間を含む残りの領域、すなわち、第2領域に行われ得る。又は、表面粗さは、図5及び図6の実施例のように、金属間の縁を含む一部領域、すなわち、第1領域及び金属基板の中間を含む一部領域、すなわち、第3領域を除いて残りの領域、すなわち、第2領域に行われてもよい。
そして、金属基板上に樹脂層を成す樹脂組成物、例えば、エポキシ樹脂組成物を塗布する(ステップS1010)。このとき、エポキシ樹脂組成物は、80~180μmの厚さで塗布され得る。樹脂層が未硬化又は半硬化の状態で樹脂層上に複数の電極を配置する(ステップS1020)。複数の電極は、アレイ形態に整列された後に配置され得る。このとき、複数の電極は、Cu層を含むことができ、Cu層上に順次にメッキされたNi層及びAu層をさらに含むか、Cu層上に順次にメッキされたNi層及びSn層をさらに含んでもよい。
そして、金属基板の下及び複数の電極の上で熱圧搾をする(ステップS1030)。これのために、フィルム上にアレイ形態に配置された複数の電極が未硬化又は半硬化状態の樹脂層に向けるように配置された後、熱圧搾を行い、フィルムを除去することができる。これによって、複数の電極の側面の一部が樹脂層内に埋め立てられた状態で樹脂層が硬化され得る。
以下では、図11を参照して本発明の実施例による熱電素子が浄水器に適用された例を説明する。
図11は、本発明の実施例による熱電素子が適用された浄水器のブロック図である。
本発明の実施例による熱電素子が適用された浄水器1は、原水供給管12a、浄水タンク流入管12b、浄水タンク12、フィルタアセンブリ13、冷却ファン14、蓄熱槽15、冷水供給管15a及び熱電装置1000を含む。
原水供給管12aは、水原から浄水対象である水をフィルタアセンブリ13に流入させる供給管であり、浄水タンク流入管12bは、フィルタアセンブリ13で浄水された水を浄水タンク12に流入させる流入管であり、冷水供給管15aは、浄水タンク12から熱電装置1000により所定温度に冷却された冷水が最終的にユーザーに供給される供給管である。
浄水タンク12は、フィルタアセンブリ13を経由しながら浄水され、浄水タンク流入管12bを通じて流入された水を貯蔵及び外部に供給するように浄水された水をしばらく収容する。
フィルタアセンブリ13は、沈澱フィルタ13aと、フリーカーボンフィルタ13bと、メンブレンフィルタ13cと、ポストカーボンフィルタ13dとで構成される。
すなわち、原水供給管12aに流入される水は、フィルタアセンブリ13を経由しながら浄水され得る。
蓄熱槽15が浄水タンク12と熱電装置1000との間に配置されて熱電装置1000で形成された冷気が貯蔵される。蓄熱槽15に貯蔵された冷気は、浄水タンク12に印加されて浄水タンク120に収容された水を冷却される。
冷気伝達が円滑に行われるように、蓄熱槽15は、浄水タンク12と面接触され得る。
熱電装置1000は、上述したように、吸熱面と発熱面を具備し、P型半導体及びN型半導体上の電子移動によって、一側は冷却され、他側は加熱される。
ここで、一側は、浄水タンク12側であり、他側は、浄水タンク12の反対側であってもよい。
また、上述したように熱電装置1000は、防水及び防塵性能に優れ、熱流動性能が改善されて浄水器内で浄水タンク12を効率的に冷却することができる。
以下では、図12を参照して本発明の実施例による熱電素子が冷蔵庫に適用された例を説明する。
図12は、本発明の実施例による熱電素子が適用された冷蔵庫のブロック図である。
冷蔵庫は、深温蒸発室内に深温蒸発室カバー23、蒸発室区画壁24、メイン蒸発器25、冷却ファン26及び熱電装置1000を含む。
冷蔵庫内は、深温蒸発室カバー23により深温貯蔵室と深温蒸発室に区画される。
詳しくは、前記深温蒸発室カバー23の前方に該当する内部空間が深温貯蔵室と定義され、深温蒸発室カバー23の後方に該当する内部空間が深温蒸発室と定義され得る。
深温蒸発室カバー23の前面には、吐出グリル23aと吸入グリル23bがそれぞれ形成され得る。
蒸発室区画壁24は、インナーキャビネットの後壁から前方に離隔される地点に設置され、深温室貯蔵システムが置かれる空間とメイン蒸発器25が置かれる空間を区画する。
メイン蒸発器25により冷却される冷気は、冷凍室に供給された後またメイン蒸発器側に帰る。
熱電装置1000は、深温蒸発室に収容され、吸熱面が深温貯蔵室の引き出しアセンブリ側に向け、発熱面が蒸発器側に向ける構造を成す。したがって、熱電装置1000から発生する吸熱現象を用いて引き出しアセンブリに貯蔵された食べ物を摂氏零下50℃以下の超低温状態で迅速に冷却させることに用いられる。
また、上述したように熱電装置1000は、防水及び防塵性能に優れ、熱流動性能が改善されて冷蔵庫内で引き出しアセンブリを効率的に冷却することができる。
本発明の実施例による熱電素子は、発電用装置、冷却用装置、温熱用装置などに作用され得る。具体的には、本発明の実施例による熱電素子は、主に光通信モジュール、センサー、医療機器、測定器機、航空宇宙産業、冷蔵庫、チラー(chiller)、自動車通風シート、カップホルダー、洗濯機、乾燥器、ワインセラー、浄水器、センサー用電源供給装置、サーモパイル(thermopile)などに適用され得る。
ここで、本発明の実施例による熱電素子が医療機器に適用される例として、PCR(Polymerase Chain Reaction)機器がある。PCR機器は、DNAを増幅してDNAの塩基配列を決定するための装備であり、精緻な温度制御が要求され、熱循環(thermal cycle)が必要な器機である。それのために、ペルチェ基盤の熱電素子が適用され得る。
本発明の実施例による熱電素子が医療機器に適用される他の例として、光検出器がある。ここで、光検出器は、赤外線/紫外線検出器、CCD(Charge Coupled Device)センサー、X-ray検出器、TTRS(Thermoelectric Thermal Reference Source)などがある。光検出器の冷却(cooling)のためにペルチェ基盤の熱電素子が適用され得る。これによって、光検出器内部の温度上昇による波長変化、出力低下及び解像力低下などを防止することができる。
本発明の実施例による熱電素子が医療機器に適用されるまた他の例として、免疫分析(immunoassay)分野、インビトロ診断(In vitro Diagnostics)分野、温度制御及び冷却システム(general temperature control and cooling systems)、物理治療分野、液状チラーシステム、血液/プラズマ温度制御分野などがある。これによって、精緻な温度制御が可能である。
本発明の実施例による熱電素子が医療機器に適用されるまた他の例として、人工心臓がある。これによって、人工心臓に電源を供給することができる。
本発明の実施例による熱電素子が航空宇宙産業に適用される例として、スタートラッカーシステム、熱イメージングカメラ、赤外線/紫外線検出器、CCDセンサー、ハッブル宇宙望遠鏡、TTRSなどがある。これによって、イメージセンサーの温度を維持することができる。
本発明の実施例による熱電素子が航空宇宙産業に適用される他の例として、冷却装置、ヒーター、発電装置などがある。
この外にも本発明の実施例による熱電素子は、その他産業分野に発電、冷却及び温熱のために適用され得る。
上記では本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野の通常の知識を有した者は、下記の特許請求の範囲に記載した本発明の思想及び領域から脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更できることは理解すべきである。

Claims (15)

  1. 基板、
    前記基板上に配置される絶縁層、
    前記絶縁層上に配置される電極、及び
    前記電極上に配置される半導体構造物、を含み、
    前記絶縁層は、前記電極が配置される第1凹部、及び前記第1凹部の周辺に配置される第2凹部を含み、
    前記第2凹部の最小厚さは前記第1凹部の最小厚さよりも大きく、前記電極の上面と前記基板の間の垂直距離より小さい、熱電素子
  2. 前記電極は、底面、前記電極の底面と対向する上面、及び前記電極の上面と前記電極の底面の間に配置される側面を含み、
    前記第1凹部は、前記電極の底面と接触する第1面、及び前記電極の側面と接触する第2面を含む、請求項に記載の熱電素子。
  3. 前記電極の前記側面の高さは、前記第1凹部の前記第2面の高さよりも大きい、請求項に記載の熱電素子。
  4. 前記第1凹部の前記第2面の高さは、前記電極の側面の高さの0.3倍以上、0.8倍以下である、請求項に記載の熱電素子。
  5. 前記半導体構造物上に配置される最上部電極、及び、
    前記最上部電極上に配置される最上部基板、を含み、
    前記最上部電極は、前記電極と垂直に重畳される重畳部、及び垂直に重畳されない延長部を含み、
    前記半導体構造物は、前記最上部電極の前記重畳部と前記電極の間に配置される、請求項1に記載の熱電素子。
  6. 前記最上部電極の延長部は、前記第2凹部と垂直に重畳される、請求項に記載の熱電素子
  7. 前記絶縁層は、無機充填剤、及び高分子樹脂を含む、請求項に記載の熱電素子。
  8. 前記第1凹部の上面及び前記第2凹部の上面は、前記基板に向けて凹む、請求項に記載の熱電素子。
  9. 前記第2凹部は、前記電極の側面に沿って配置される、請求項に記載の熱電素子。
  10. 前記電極は、互いに離隔される複数の第1電極を含み、前記第2凹部は、前記複数の第1電極のそれぞれの間に配置される、請求項に記載の熱電素子。
  11. 基板、
    前記基板上に配置される絶縁層、
    前記絶縁層上に配置される電極、及び
    前記電極上に配置される半導体構造物、を含み、
    前記絶縁層は、前記電極が配置される第1領域、及び前記第1領域の周りに配置される第2領域を含み、
    前記第1領域の上面及び前記第2領域の上面は、前記基板に向けて凹んでおり、
    前記第2領域の最小厚さは前記第1領域の最小厚さよりも大きく、前記電極の上面と前記基板の間の垂直距離より小さい、熱電素子。
  12. 前記電極は、底面、前記底面と対向する上面、及び前記上面と前記底面の間に配置される側面を含む、請求項11に記載の熱電素子。
  13. 前記第1領域の前記上面は、前記電極の前記底面に接触する第1表面、及び前記電極の前記側面に接触する第2表面を含み、
    前記第2表面の高さは、前記電極の前記側面の高さの0.3倍以上、0.8倍以下である、請求項12に記載の熱電素子。
  14. 前記絶縁層は、無機充填剤、及び高分子樹脂を含み、
    前記絶縁層の厚さは、20μm~200μmである、請求項11に記載の熱電素子
  15. 基板、
    前記基板上に配置される絶縁層、
    前記絶縁層上に配置される電極、及び
    前記電極上に配置される半導体構造物、を含み、
    前記絶縁層は、前記電極が配置される第1領域、及び前記第1領域の周りに配置される第2領域を含み、
    前記絶縁層の前記第2領域の上面は、前記基板に向けて凹んでおり、
    前記第2領域の最小厚さは前記第1領域の最小厚さよりも大きく、前記電極の上面と前記基板の間の垂直距離より小さい、熱電素子。
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