JP7441337B2 - 転造盤を用いたボールねじの製造方法 - Google Patents

転造盤を用いたボールねじの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、転造盤及びこの転造盤で製造されるボールねじの製造方法に関する。
この種の転造盤としては、ダイスの種類などによって丸ダイス転造盤やプラネタリ転造盤など種々のものが提供されているが、その一つとして以下の特許文献1に記載された丸ダイス転造盤が知られている。この丸ダイス転造盤は、円柱状のねじ素材(ブランク)の外周面を塑性変形させて雄ねじなどを加工する装置である。
この丸ダイス転造盤は、一対の主軸に一対のねじ転造ダイスがそれぞれ挿入されると共に、これらのねじ転造ダイスがキー及びキー溝によって各主軸にそれぞれ取り付け固定されている。この一対の主軸は、駆動モータ及び減速機により構成された駆動装置によって、同一方向へ同期して回転させるように構成されている。この各主軸の回転によって前記一対の転造ダイスが同方向へそれぞれ回転駆動されて、ブランクの外周面に雄ねじを加工してねじ部材が形成されるようになっている。
特開2001-1095号公報(図1)
特許文献1に記載の転造盤は、各転造ダイスの回転加工中に高熱の加工熱が発生するが、この高熱が該各転造ダイスから各主軸に伝熱されて、この高熱により各転造ダイスの貫通孔の内周面が各主軸の外周面に固着してしまうおそれがある。
そうすると、各転造ダイスを交換する際に、転造ダイスを取り外すことが極めて困難になり、この取り外し作業性が悪化して引いては転造作業能率の低下を招いている。
本発明は、前記従来技術の技術的課題に鑑みて案出されたもので、主軸に対する転造ダイスの固着の発生を抑制して、該転造ダイスの取り外し作業が容易になる転造盤を提供することを一つの目的としている。
この発明の態様としては、軸状部材の外周面に当接回転しながら前記軸状部材を押圧することで前記外周面を塑性変形させて雄ねじを形成する転造ダイスと、前記転造ダイスの回転軸線方向に貫通形成された貫通孔に挿入され、前記転造ダイスに回転力を伝達する主軸と、前記主軸に対する前記転造ダイスの相対回転を規制する規制部と、前記貫通孔の内周面または主軸の外周面に設けられて、前記貫通孔の軸方向の端部側から内部軸方向に延びる線状の油溝と、を有することを特徴としている。
この発明の態様によれば、転造ダイスと主軸との間の固着の発生を抑制して、転造ダイスを主軸から取り外す作業性の向上を図ることができる。
本発明の実施形態に係る丸ダイス転造盤の全体構成図である。 本発明の第1実施形態に供される転造ダイスの正面図である。 図2のA-A線断面図である。 本実施形態の転造ダイスを示し、(a)は転造ダイスの斜視図、(b)は(a)の要部拡大図である。 本実施形態に供される油溝の形成位置が異なる2つの転造ダイスを示し、(a)(b)は2つの油溝の形成位置がそれぞれ異なっている転造ダイスの一部断面図、(c)(d)は(a)(b)にそれぞれ対応した各転造ダイスの正面図である。 本発明の転造盤の第2実施形態に供される転造ダイスを示し、(a)は転造ダイスの正面図、(b)は(a)のC-C線断面図である。 本発明の転造盤の第3実施形態に供される転造ダイスを示し、(a)は転造ダイスの正面図、(b)は(a)のD-D線断面図である。
以下、本発明に係る転造盤及びこの転造盤を用いたボールねじの製造方法の実施形態を図面に基づいて詳述する。
本実施形態の転造盤は、丸ダイス転造盤であって、被転造物(軸状部材)としては、例えば特開2019-189925号公報や特開2020-026185号公報などに記載された電動パワーステアリング装置に用いられるボールねじの操舵軸を対象としている。
つまり、ボールねじは、内周面に螺旋状の雌ねじ溝が形成されたナットと、該ナットが組み付けられ、外周面に前記雌ねじ溝に対向する螺旋状の雄ねじ溝が形成された軸状部材である操舵軸と、雌ねじ溝と雄ねじ溝との間に配置された循環ボールと、を有している。そして、ナットの回転に伴ってボール移動通路の中で循環ボールが移動することによってナットの回転軸線方向において、ナットに対して操舵軸を移動させるようになっている。
図1は本発明の実施形態に係る丸ダイス転造盤の全体構成図、図2は本実施形態に供される転造ダイスの正面図、図3は図2のA-A線断面図、図4(a)は転造ダイスの斜視図、(b)は(a)の要部拡大図である。
概略を説明すれば、丸ダイス転造盤は、図1に示すように左右対称形状に形成されており、基台1上に配置された一対の主軸台2,2と、該各主軸台2,2の対向位置に配置されて図外の駆動機構によって回転駆動される一対の主軸3,3と、該主軸3,3の外周に取り付けられた一対の転造ダイス4,4と、を備えている。
主軸台2,2は、支持フレーム5,5によって支持された移動機構6,6の図外の一対の電動モータや減速機によって相対的に図中左右横方向(矢印方向)、つまり、近接あるいは離間する方向へ相対移動可能になっている。また、各主軸台2,2は、支持フレーム5,5の上下に跨って配置された上下2本ずつの4本の支柱7、8によって左右横方向へ案内支持されている。なお、前記移動機構6,6は、電動モータなどを用いて各主軸台2,2を電気的に相対移動させるようになっているが、油圧シリンダやカム機構によって相対移動させることも可能である。
主軸3,3は、主軸台2,2の内部に設けられた図外の電動モータや減速機からなる駆動機構によって同一方向(図中矢印X方向)へ同期回転するように構成されている。また、主軸3,3は、主軸台2,2に設けられた傾動機構9,9によって上下方向へ傾斜できるように構成されている。なお、駆動機構は、いわゆるCNC制御によって駆動制御されるようになっている。
各転造ダイス4,4は、図2~図4に示すように、転造に適した合金工具鋼または高速度工具鋼の金属材でそれぞれ円筒状に形成されている。各転造ダイス4、4は、内部中心軸方向に各主軸3,3が挿入される貫通孔10,10が貫通形成されていると共に、外周面にはねじ加工用のねじ切り歯11、11が形成されている。
また、転造ダイス4,4は、貫通孔10、10の内周面10a、10aに軸方向に直線状に形成された規制部(目印部)であるキー溝12,12及び該キー溝12、12に挿入されるキー13,13によって主軸3,3に相対回転が規制されている。各転造ダイス4,4は、各主軸3,3から回転力が伝達されて、図1の矢印で示すように、各主軸3,3と同じく反時計方向へ回転するようになっている。各転造ダイス4のキー溝12,12及びキー13,13は、貫通孔10、10の周方向の同じ位置(基準位置)に設けられている。
この両転造ダイス4,4の間には、前述した被転造物である操舵軸14が挟持状態に配置されており、この操舵軸14の外周面をねじ切り歯11,11によって塑性変形させて雄ねじ溝を形成する。操舵軸14は、基台1の上面に設けられた支持部材15の上端部に回転可能に載置されている。支持部材15は、板状に形成されていると共に、両転造ダイス4,4の間の下方に配置されて下端部が基台1上に固定されている。
そして、転造ダイス4,4の各貫通孔10、10の内周面10a、10aには、図2~図4(a)(b)に示すように、油溝16、16が形成されている。
以下では、一例として一つの転造ダイス4の油溝16について説明する。この油溝16は、貫通孔10の内周面10aの全体に螺旋状に形成されて、軸方向の一端部16aが転造ダイス4の一側面4a側に開口形成され、他端部16bが転造ダイス4の他側面4bに開口形成されている。油溝16は、螺旋幅Wが所定の距離に設定され、一側面4aに開口した一端部16aが図4(a)(b)に示すように周方向に長い半円弧状に形成されている。また、他側面4bに開口した他端部16bも同じように周方向に長い半円弧状に形成されている。
また、他の転造ダイス4の貫通孔10の内周面10aにも螺旋状の油溝16が形成されている。この他の転造ダイス4の油溝16は、螺旋幅Wが一方側の油溝16と同じであるが、内周面10aに対する旋回形成位置(周方向位置)が相違している。したがって、他方側の油溝16は、それぞれ半円弧状の一端部16aと他端部16bの周方向の形成位置が一方側の油溝16の形成位置と相違している。
また、前記各転造ダイス4のそれぞれの油溝16は、キー溝12とキー13を基準として円周方向で異なる位置に形成されている。
この各油溝16、16には、各転造ダイス4,4が各貫通孔10,10を介して各主軸3,3に挿入固定された際に、いずれか一方の端部16a、16bからオイルが例えば手作業によって注入されるようになっている。
図5(a)(b)は複数の油溝16の形成位置がそれぞれ異なっている転造ダイスの一部断面図、(c)(d)は(a)(b)にそれぞれ対応した各転造ダイスの正面図である。
各転造ダイス4は、長い時間の転造作業によってねじ切り歯11が摩耗すると他のものに交換されるが、これら交換される新たな転造ダイス4は予め複数用意されている。また、これらの交換用としての複数の転造ダイス4は、貫通孔10の内周面10aに形成された螺旋状の油溝16が図5(a)(b)に示すように、他に複数用意されており、これらそれぞれの油溝16の旋回形成位置が軸方向で僅かにずれている。
これによって、例えば、一つの転造ダイス4の油溝16は、図5(c)に示すように一端部16aの開口位置が貫通孔10の上端に位置している。これに対して、他の転造ダイス4の油溝16は、図5(b)に示すように一端部16a(他端部16bも含む)の開口位置が貫通孔10の上端から周方向の右約45度の側部に位置している。他の複数の転造ダイス4の油溝16も、その形成位置が軸方向でずれているか螺旋幅Wの長さが相違しているなどしてそれぞれ異なっている。
本実施形態の丸ダイス転造盤によって操舵軸14の外周面に雄ねじ溝を転造する方法は、CNC制御に基づいて一般的な方法によって行われることから具体的な説明は省略する。
以上のように、本実施形態の丸ダイス転造盤は、例えば各転造ダイス4を、貫通孔10を介して各主軸3に挿入した際に、予め螺旋状の油溝16にオイルを注入して充填する。これよって、転造盤の駆動中に主軸3の外周面と転造ダイス4の貫通孔10の内周面10aとの間にほぼ均一な油膜が形成される。このため、例えば転造盤の駆動中に発生する高い加工熱によって各主軸3の外周面に各転造ダイス4が固着することがなくなる。これによって、主軸3に対する転造ダイス4の取り外しが容易になり、交換作業の能率化が図れる。
すなわち、特許文献1に記載の従来の転造盤は、長時間に亘る各転造ダイスの回転加工中に高熱の加工熱が発生するが、この高熱が該各転造ダイスから各主軸に伝熱されて、この高熱により各主軸の外周面に各転造ダイスの貫通孔の内周面が固着してしまうおそれがある。
また、転造ダイスを、例えばハンマーで強く叩くなど無理に取り外そうとすると、主軸や設備などに歪みが発生して転造精度の低下が懸念される。
しかし、本実施形態では、油溝16内に注入されたオイルによって、主軸3の外周面と転造ダイス4の貫通孔10の内周面10aとの間に油膜が形成されることから、加工高熱による主軸3と転造ダイス4との間の固着の発生が十分に抑制できる。この結果、転造ダイス4の交換時における交換作業能率が向上すると共に、ハンマーなどで叩いて無理に外す必要もないので主軸3や設備などの歪みが発生することがないので、転造精度の低下を抑制できる。
なお、前述した特許文献1に記載の従来の転造盤は、図2(b)に示すように、転造ダイスの貫通孔の内部中央位置に環状溝が形成されているが、この環状溝は、軸方向の幅長さが比較的大きく形成されている。このため、転造盤の駆動中における貫通孔の内周面と主軸の外周面との接触面積が小さくなって、主軸に対する耐圧荷重が大きくなる。この結果、主軸の外周面が摩耗し易くなって耐久性が低下するおそれがある。
これに対して、本実施形態では、油溝16は、幅の小さな螺旋状あるいは直線状の線状に形成されていることから、貫通孔10の内周面16aと主軸3の外周面との間の接触面積を十分に確保することができる。したがって、耐圧荷重を受ける主軸3の摩耗の発生を抑制できる。
また、本実施形態では、複数の転造ダイス4毎にそれぞれの油溝16の軸方向の旋回形成位置を変更したことによって、転造ダイス4の交換時に油溝16の形成位置が異なるものに交換できる。これによって、主軸3の外周面は、交換された貫通孔10の内周面10aとの摺動による局部的な摩耗の発生が抑制できることから、耐久性の向上が図れる。
また、油溝16には、転造盤の駆動停止時に一端部16aあるいは他端部16bの各開口からオイルを手作業によって注入することができるので、コストの低減化が図れる。つまり、注入器を用いて手作業によって注入することから、機器類を用いて自動的に注入する場合などに比較して、コストの低減化が図れる。
油溝16の一端部16aや他端部16bは、半円弧状に形成されて全体の開口面積が直線状の断面積よりも十分に大きくなっている。このため、注入器を用いて一端部16aあるいは他端部16bから油溝16内に注油する作業が容易になると共に、一回の注入で多量のオイルを注入することが可能になる。
油溝16は、貫通孔10の内周面10aに螺旋状に形成されていることから、貫通孔10の内周面10aと主軸3の外周面の全体に油膜を形成し易く、また、フライス工具などを用いた成形加工が容易になると共に、軸方向への全体長を長く取れるのでオイルの貯留性も向上する。
また、長時間使用後の転造ダイス4を別のものに交換する際には、周方向で同じ位置に形成されたキー溝12やキー13を基準として、油溝16の形成位置がそれぞれ異なるものを選択して交換することができる。
〔第2実施形態〕
図6は本発明の転造盤の第2実施形態に供される転造ダイスを示し、(a)は転造ダイスの正面図、(b)は(a)のC-C線断面図である。
この各転造ダイス4は、図6(a)(b)に示すように、油溝16が貫通孔10の内周面10aに軸方向の一端から他端へ直線状に形成されている。つまり、この油溝16は、貫通孔10の軸線に直交する断面である横断面形状がほぼ半円状に形成されていると共に、転造ダイス4の両側面にそれぞれ開口した一端部16aから他端部16bまで貫通孔10の軸方向に沿って細長い直線状に形成されている。
また、貫通孔10の内周面10aの軸方向の3箇所には、前記油溝16と連通する3つの第1~第3環状溝17a、17b、17cが設けられている。この各環状溝は、貫通孔10の軸方向のほぼ中央位置に設けられた第1環状溝17aと、該第1環状溝17aの両側部に一定のスパンをもって配置された第2、第3環状溝17b、17cとから構成されている。該各環状溝17a~17cは、図6中の各上端部を油溝16が横断する形で連通している。したがって、油溝16の一端部16aあるいは他端部16bから内部に注入されたオイルは、油溝16から各環状溝17a~17c内に充填されるようになっている。
この第2実施形態によれば、直線状の油溝16の他に3つの環状溝17a~17cが形成されていることから、該各環状溝17a~17cが油溝16内に注入されたオイルの油溜部として機能する。このため、貫通孔10の内周面10aと主軸3の外周面との間の油膜形成作用が良好になって、長時間駆動後の主軸3に対する転造ダイス4の固着抑制効果がさらに向上する。
〔第3実施形態〕
図7は本発明の転造盤の第3実施形態に供される転造ダイスを示し、(a)は転造ダイスの正面図、(b)は(a)のD-D線断面図である。
この各転造ダイス4は、図7(a)(b)に示すように、油溝16が貫通孔10の内周面10aに軸方向に沿って複数本(本実施形態では10本)形成されている。この10本の油溝16は、それぞれが円周方向の約36°の等間隔位置にそれぞれ配置されていると共に、貫通孔10の軸心に直交する断面である横断面形状がほぼ半円状に形成されている。また、各油溝16は、転造ダイス4の両側面にそれぞれ開口した一端部16aから他端部16bまで貫通孔10の軸方向に沿って細長い直線状に形成されている。
この第3実施形態によれば、油溝16を貫通孔10の軸方向に沿って10本設けたことから、オイルの貯留性が良好になって、主軸3と転造ダイス4との間に油膜を十分に形成できる。
なお、本実施形態では、油溝16を10本としたが、10本以下でも以上でも良い。
〔第4実施形態〕
本発明の第4実施形態としては、具体的に図示しないが、油溝16を貫通孔10の内周面10aに転造ダイス4の回転軸に対して軸方向へ所定角度で傾斜状に形成した。つまり、前記実施形態の油溝16のように螺旋状や直線状ではなく、一端部16aと他端部16bまでを所定角度の傾斜状に形成したものである。
この実施形態では、油溝16を貫通孔10に対して軸方向に沿って所定角度で旋回傾斜状に一周未満で形成してある。このように、油溝16を傾斜状に形成することによって一端部16aや他端部16bのそれぞれの開口面積を直線状に形成した場合に比較して大きくすることができるので、油溝16内へのオイルの注入がし易くなる。
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、転造盤としては丸ダイス転造盤以外の転造盤にも適用可能である。
また、転造対象物である被転造物もボールねじに限定されるものではなく、一般的な軸状部材の外周に雄ねじを形成するものなども含む。
さらに、油溝16の一端部16aと他端部16bの少なくとも一方が外部に開口するように構成することも可能である。
また、油溝16を、貫通孔10の内周面10aに対応した主軸3の外周面のみに形成することも可能である。
以上説明した実施形態に基づく転造盤及び該転造盤を用いたボールねじの製造方法としては、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
その1つの態様として、軸状部材の外周面に当接回転しながら前記軸状部材を押圧することで前記外周面を塑性変形させて雄ねじを形成する転造ダイスと、前記転造ダイスの回転軸線方向に貫通形成された貫通孔に挿入され、前記転造ダイスに回転力を伝達する主軸と、前記主軸に対する前記転造ダイスの相対回転を規制する規制部と、前記貫通孔の内周面または主軸の外周面に設けられて、前記貫通孔の軸方向の端部側から内部軸方向に延びる線状の油溝と、を有している。
この発明の態様によれば、主軸の外周面と転造ダイスの貫通孔の内周面との間には、前記油溝内に供給されたオイルによって油膜が形成されることから、例えば転造盤の駆動中に発生する高い加工熱によって主軸と転造ダイスが固着することがなくなる。このため、主軸に対する転造ダイスの取り外しが容易になり、交換作業の能率化が図れる。
さらに好ましくは、前記油溝は、前記転造ダイスの貫通孔の内周面に形成されている。
この発明の態様によれば、転造ダイスの貫通孔の内周面に油溝を形成することによって、複数の転造ダイス毎に油溝の形成位置を変更することができる。つまり、油溝の形成位置をそれぞれ異ならせることによって、転造ダイスの交換時に油溝の形成位置の異なるものに交換できる。これによって、主軸の外周面は、交換された貫通孔の内周面との摺動による局部的な摩耗の発生が抑制できることから、耐久性の向上が図れる。
さらに好ましくは、前記油溝は、前記貫通孔の軸方向の一端部が外部に開口していると共に、軸方向の他端部も外部に開口している。
この発明の態様によれば、転造盤の駆動停止時に、油溝内に一端部あるいは他端部の各開口からオイルを注入することができるので、注入作業が容易になる。
さらに好ましくは、前記油溝は、前記貫通孔の内周面に転造ダイスの回転軸に対して軸方向へ傾斜状に形成されている。
この発明の態様によれば、油溝を貫通孔に対して軸方向に沿って所定角度で旋回傾斜状に一周未満で形成することも可能である。このように、油溝を傾斜状に形成することによって、貫通孔の内周面と主軸の外周面の全体に油膜を均一に形成できることは勿論のこと、一端開口や他端開口のそれぞれの開口面積を直線状に形成した場合に比較して大きくすることができるので、油溝内へのオイルの注入がし易くなる。
さらに好ましくは、前記油溝は、前記貫通孔の内周面に螺旋状に形成されている。
この発明の態様によれば、油溝が螺旋状に形成されていることから、貫通孔の内周面と主軸の外周面の全体に油膜を均一に形成できると共に、この油溝を比較的形成し易い。また、一端部開口や他端部開口の開口面積を大きく取れるのでオイルを注入し易くなると共に、螺旋状に形成することによって油溝全体の長さを長く取れるので、オイルの貯留性も向上する。
さらに好ましくは、前記油溝は、一端部の開口と他端部の開口が周方向に延びている。
この発明の態様によれば、一端部と他端部のそれぞれの開口が周方向に延びていることから、開口面積が大きくなる。このため、それぞれの開口からオイルを注入し易くなり、その作業性が良好になる。
さらに好ましくは、前記油溝は、前記貫通孔の内周面に軸方向へ直線状に設けられ、前記貫通孔の内周面の周方向に、前記油溝と連通する1又は2以上の環状溝が形成されている。
この発明の態様によれば、貫通孔の内周面には、直線状の油溝の他に環状溝が形成されていることから、該各環状溝が油溝から送られてきたオイルの油溜りとして機能する。このため、貫通孔の内周面と主軸の外周面との間の油膜形成効果が大きくなって、主軸に対する転造ダイスの固着の抑制効果がさらに向上する。
さらに好ましくは、前記油溝は、前記貫通孔の内周面に軸方向へ沿って複数設けられている。
この発明の態様によれば、油溝を複数設けたことによって、主軸の外周面と貫通孔の内周面との十分な接触面積を確保しつつオイルの十分な量を保持できる。
さらに好ましくは、前記油溝は、前記主軸の前記貫通孔に対応する外周面に形成されている。
別の好ましい態様として、請求項1に記載の転造盤を用いたボールねじの製造方法であって、
前記ボールねじは、内周面に雌ねじが形成されたナットと、前記ナットが組み付けられ、外周面に前記雌ねじに対向する雄ねじが形成された金属製の軸状部材と、前記雌ねじと雄ねじとの間に配置された複数のボールと、を有し、
前記主軸から伝達された回転力によって回転した前記転造ダイスを、前記軸状部材の外周面に当接させて、前記軸状部材を押圧することで前記外周面を塑性変形させて前記雄ねじを形成するように構成されている。
さらに好ましくは、前記転造ダイスを交換する際において、交換された後の転造ダイスは、前記油溝の周方向の形成位置が交換前の転造ダイスの前記油溝の周方向の形成位置とは異なっているものを用いるようになっている。
この発明の態様によれば、転造ダイスの交換時には、油溝の形成位置が異なるものを用いることから、形成位置が同じものに比べて主軸の外周面の局部的な摩耗の発生を抑制できる。
さらに好ましくは、交換のための複数の前記転造ダイスは、周方向の同じ位置に目印部が形成され、前記油溝は、前記目印部とは周方向の位置で異なる位置に形成されている。
この発明の態様によれば、転造ダイスを交換する際には、周方向で同じ位置に形成された前記目印部を基準として、油溝がそれぞれ異なるものを選択して交換することができる。
さらに好ましくは、前記目印部は、前記貫通孔の孔縁から内部軸方向に形成されたキー溝であって、前記キー溝にキーが軸方向から挿入固定されることによって前記転造ダイスの前記主軸に対する相対回転を規制するようになっている。
さらに好ましくは、前記ボールねじは、電動モータの回転力を前記ナットに伝達することによって前記軸状部材を軸方向に移動させて転舵力を付与するパワーステアリング装置に用いられるものである。
1…基台、2…主軸台、3…主軸、4…転造ダイス、4a…一側面、4b…他側面、5…支持フレーム、6…電動モータ、7・8…支柱、9…傾動機構、10…貫通孔、10a…内周面、12…キー溝(規制部)、13…キー(規制部)、14…操舵軸(軸状部材)、16…油溝、16a…一端部、16b…他端部、17a、17b、17c…環状溝。

Claims (4)

  1. 軸状部材の外周面に当接回転しながら前記軸状部材を押圧することで前記外周面を塑性変形させて雄ねじを形成する転造ダイスと、
    前記転造ダイスの回転軸線方向に貫通形成された貫通孔に挿入され、前記転造ダイスに回転力を伝達する主軸と、
    前記主軸に対する前記転造ダイスの相対回転を規制する規制部と、
    前記貫通孔の内周面または主軸の外周面に設けられて、前記貫通孔の軸方向の端部側から内部軸方向に延びる線状の油溝と、
    を有する転造盤を用いたボールねじの製造方法であって、
    前記ボールねじは、内周面に雌ねじが形成されたナットと、前記ナットが組み付けられ、外周面に前記雌ねじに対向する雄ねじが形成された金属製の軸状部材と、前記雌ねじと雄ねじとの間に配置された複数のボールと、を有しており、
    前記主軸から伝達された回転力によって回転した前記転造ダイスを、前記軸状部材の外周面に当接させて、前記軸状部材を押圧することで前記外周面を塑性変形させて前記雄ねじを形成し、
    前記転造ダイスを交換する際において、交換された後の転造ダイスは、前記油溝の周方向の形成位置が交換前の転造ダイスの前記油溝の周方向の形成位置とは異なっているものを用いることを特徴とする転造盤を用いたボールねじの製造方法。
  2. 請求項1に記載の転造盤を用いたボールねじの製造方法であって、
    交換のための複数の前記転造ダイスは、周方向の同じ位置に目印部が形成され、
    前記油溝は、前記目印部とは周方向の位置で異なる位置に形成されていることを特徴とする転造盤を用いたボールねじの製造方法。
  3. 請求項2に記載の転造盤を用いたボールねじの製造方法であって、
    前記目印部は、前記貫通孔の孔縁から内部軸方向に形成されたキー溝であって、前記キー溝にキーが軸方向から挿入固定されることによって前記転造ダイスの前記主軸に対する相対回転を規制することを特徴とする転造盤を用いたボールねじの製造方法。
  4. 請求項1に記載の転造盤を用いたボールねじの製造方法であって、
    前記ボールねじは、電動モータの回転力を前記ナットに伝達することによって前記軸状部材を軸方向に移動させて転舵力を付与するパワーステアリング装置に用いられることを特徴とする転造盤を用いたボールねじの製造方法。
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