JP2002227956A - ボールねじ装置 - Google Patents

ボールねじ装置

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JP2002227956A
JP2002227956A JP2001027192A JP2001027192A JP2002227956A JP 2002227956 A JP2002227956 A JP 2002227956A JP 2001027192 A JP2001027192 A JP 2001027192A JP 2001027192 A JP2001027192 A JP 2001027192A JP 2002227956 A JP2002227956 A JP 2002227956A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ナット部材の内周面に形成された負荷転動溝の
連続巻数が多い場合であっても、負荷領域中におけるボ
ール詰まりを回避することができ、ねじ軸とナット部材
との間における相対的な回転運動を円滑化することが可
能なボールねじ装置を提供する。 【解決手段】ナット部材の内周面には、ボールがねじ軸
側のボール転動溝との間で荷重を負荷しながら転動する
第1及び第2の負荷転動溝が軸方向に距離を隔てて形成
されると共に、これら第1及び第2の負荷転動溝の端部
同士を連結する連結溝が形成され、上記ボールが連結溝
を介して第1及び第2の負荷転動溝を連続して転動する
一方、かかる連結溝内において一時的に荷重から解放さ
れるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無限循環する多数
のボールを介してナット部材がねじ軸に螺合し、例えば
工作機械のワークテーブル等においてモータの回転運動
を直線運動に変換するボールねじ装置に係り、詳細に
は、ボールの無限循環を円滑化するための改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、モータの回転運動を直線運動に変
換するボールねじ装置としては、外周面に所定のリード
で螺旋状のボール転動溝が形成されたねじ軸と、多数の
ボールを介してこのねじ軸に螺合するナット部材とから
構成されたものが知られている。かかるナット部材の内
周面にはねじ軸のボール転動溝と対向する負荷転動溝が
形成されており、ボールはねじ軸側のボール転動溝とナ
ット部材側の負荷転動溝との間で荷重を負荷しながら転
動する。また、ナット部材には上記負荷転動溝を転動し
終えたボールを該負荷転動溝の始端に戻す無負荷転動通
路が設けられており、ボールはこの無負荷転動通路を介
して無限循環するように構成されている。
【0003】このように構成されるボールねじ装置で
は、ナット部材の負荷転動溝とねじ軸のボール転動溝と
の間に挟み込まれるボール数が大きい程、かかるボール
ねじ装置が大きな荷重を負荷しながら作動することがで
き、それ故に工作機械のワークテーブル等の如く重荷重
向けの用途に使用されるボールねじ装置では、ナット部
材の内周面における負荷転動溝の長さを長く設定するこ
とが必要となる。
【0004】一方、ナット部材側の負荷転動溝における
リード誤差や有効径の誤差、ねじ軸のボール転動溝にお
けるリード誤差や有効径の誤差を完全に排除することは
困難であり、ボールがこれら負荷転動溝とボール転動溝
との間の負荷領域を転動すると、かかるボールの転動速
度は微妙に変化することになる。また、ボール径の誤差
もこのような速度変動の一因である。このため、負荷領
域においては前後して転動するボール間の距離が変動す
るのを避けることができず、かかる負荷領域内では局所
的にボール同士が強く接触し合って、ボールの円滑な転
動が阻害される場合がある。
【0005】ボールは負荷領域から無負荷転動通路に転
がり出れば、無負荷状態となって自由に転動し得るの
で、前述のようなボール同士の接触は該ボールが負荷領
域から無負荷転動通路に転がり出ることによって解消さ
れる。従って、負荷転動溝の長さが短い場合、すなわち
ナット部材の内周面における負荷転動溝の連続巻数が少
ない場合は、ボールが負荷領域と無負荷転動通路との間
を比較的頻繁に出入りするので、前述のようなボール同
士の接触は余り問題とならない。
【0006】しかし、ナット部材の内周面における負荷
転動溝の連続巻数が多い場合には、ボールが負荷領域か
ら無負荷転動通路へなかなか転がり出ないので、かかる
負荷領域内におけるボール同士の接触、すなわちボール
詰まりが解消されず、ねじ軸とナット部材との間の円滑
な回転運動が阻害され易い。特に、ねじ軸がナット部材
に対して小刻みに正逆転を繰り返す場合には、前述した
ボール詰まりが発生し易いことが確認されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところ
は、ナット部材の内周面に形成された負荷転動溝の連続
巻数が多い場合であっても、負荷領域中におけるボール
詰まりを回避することができ、ねじ軸とナット部材との
間における相対的な回転運動を円滑化することが可能な
ボールねじ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のボールねじ装置は、外周面に螺旋状のボー
ル転動溝が所定のリードで形成されたねじ軸と、多数の
ボールを介してこのねじ軸に螺合すると共にこれらボー
ルの無限循環路を具備したナット部材とから構成され、
上記ナット部材の内周面には、上記ボールがねじ軸側の
ボール転動溝との間で荷重を負荷しながら転動する第1
及び第2の負荷転動溝が軸方向に距離を隔てて形成され
ると共に、これら第1及び第2の負荷転動溝の端部同士
を連結する連結溝が形成され、上記ボールが連結溝を介
して第1及び第2の負荷転動溝を連続して転動する一
方、かかる連結溝内において一時的に荷重から解放され
ることを特徴とするものである。
【0009】このような技術的手段によれば、ボールは
荷重を負荷しながら上記ナット部材の内周面に形成され
た第1及び第2の負荷転動溝を転動するが、これら負荷
転動溝は同じくナット部材の内周面に形成された連結溝
によって連結されており、かかるボールは第1及び第2
の負荷転動溝を連続して転動する。これにより、ナット
部材の内周面における負荷転動溝の連続巻数を多く設定
することができ、荷重負荷能力の向上を図ることができ
るものである。一方、上記連結溝内に転がり込んだボー
ルは一時的に荷重から解放されるので、隣接するボール
同士が強く接触し合っている状態はこの連結溝内におい
て解消される。従って、第1の負荷転動溝内においてボ
ール詰まりが発生しそうになっていても、該当するボー
ルが連結溝内に転がり出ることによってその状態は解消
され、ボール同士の接触状態が改善された後に第2の負
荷転動溝に転がり込むことになる。このため、一条の連
続する負荷転動溝をナット部材の内周面に形成している
場合と比較して、ボール詰まりが発生し難く、ナット部
材とねじ軸との円滑な回転運動を得ることができるもの
である。
【0010】また、このように構成される本発明のボー
ルねじ装置において、負荷転動溝を転動するボールに対
して予圧を付与する方法としては、互いに対向するナッ
ト部材側の負荷転動溝とねじ軸側のボール転動溝との間
に、これらの間の距離よりも若干大きめの直径を有する
所謂オーバサイズボールを挟み込む等、種々の与圧方法
を採用することができる。但し、第1の負荷転動溝と第
2の負荷転動溝との間に連結溝が形成されるという構造
的特徴からすれば、第1の負荷転動溝又は第2の負荷転
動溝をねじ軸のボール転動溝に対する正体位置から僅か
に変位させ、これによって第1及び第2の負荷転動溝を
転動するボールに対して予圧を付与するのが好ましい。
このような構成は、第1の負荷転動溝と第2の負荷転動
溝との間の距離をボール転動溝のリード長の整数倍に対
して僅かに変位させることで実現することができ、その
変位量はこれら負荷転動溝をナット部材の内周面に対し
てNC加工機で加工する際に容易に調整することができ
る。また、予圧を与えるために必要な変位量は極僅かで
あり、しかも上記連結溝はボールを荷重から一時的に解
放すべくその幅が第1及び第2の負荷転動溝よりも若干
大きく形成されるので、かかる連結溝による第1の負荷
転動溝と第2の負荷転動溝との連結には何ら影響が及ぶ
ことはない。
【0011】更に、このような本発明は、ナット部材の
内周面に連続する一条の負荷転動溝を形成すると共に、
この負荷転動溝の途中に無負荷部を形成することでも実
現することができる。すなわち、かかる無負荷部が一条
の負荷転動溝を第1の負荷転動溝と第2の負荷転動溝に
二分し、それ自体は第1の負荷転動溝と第2の負荷転動
溝とを繋ぐ連結溝として機能することになる。上記無負
荷部(連結溝)をナット部材の内周面に形成するに当た
っては、NC加工によって負荷転動溝をナット部材の内
周面に対して研削加工する際に、無負荷部とする領域だ
けナット部材の内周面を余分に削り取れば良く、負荷転
動溝の加工と同時に行うことが可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
のボールねじ装置を詳細に説明する。図1及び図2は本
発明のボールねじ装置の一実施例を示すものである。こ
のボールねじ装置1は、図1及び図2に示すように、外
周に螺旋状のボール転動溝2が形成されたねじ軸3と、
内周に上記ボール転動溝2と対応する負荷転動溝4が形
成されたナット部材5とから構成され、互いに対向する
これらボール転動溝2及び負荷転動溝4によって多数の
ボール6が転動自在に介装される螺旋状の負荷領域7が
構成されている。
【0013】ナット部材5はフランジ8を有する略円筒
形状に形成されており、中実部9には軸方向に貫通する
ボール戻し通路10が設けられる一方、かかるナット部
材5の両端面には一対のエンドキャップ11が取り付け
られるようになっている。このエンドキャップ11には
前記負荷領域7の端部とボール戻し通路10の端部とを
連通する方向転換路12が設けられており、一対のエン
ドキャップ11,11をナット部材5に固定することで
ボール6の無限循環路が形成されるようになっている。
【0014】すなわち、ナット部材5とねじ軸3との相
対回転によって上記負荷ボール通路7から転がり出たボ
ール6は、一方のエンドキャップ11に形成された方向
転換路12を通じて上記ボール戻し通路10に送り込ま
れ、かかるボール戻し通路10を転動した後に他方のエ
ンドキャップ11の方向転換路12を通じて再度負荷ボ
ール通路7に送りこまれる。尚、この実施例のボールね
じ装置には循環するボール列60,60が2条組み込ま
れており、各ボール列は別個の無限循環路を循環する。
【0015】図3は上記方向転換路12が形成されたエ
ンドキャップ11を示すものである。この図から明らか
なように、上記ナット部材5の両端に固定される各エン
ドキャップ11は、上記方向転換路12を備えた一対の
リターンプレート12と、このリターンプレート12を
保持した状態で上記ナット部材5の端部に固定されるカ
バー部材19とから構成されている。図4に示すよう
に、上記カバー部材19には上記ナット部材5と同様に
ねじ軸3が貫通する貫通孔19aが形成されると共に、
上記リターンプレート12を収容するための略扇形状の
凹所11Aが上記貫通孔19aを挟んで二箇所に形成さ
れている。また、かかる貫通孔19aの内周面には、上
記ナット部材5の負荷転動溝4から転がり出たボール6
を上記リターンプレート12の方向転換路12へと導く
導入路4aが形成されている。かかる導入路4aは、ナ
ット部材5の負荷転動溝4と同一ピッチで、且つ、負荷
転動溝4よりも若干大きめに形成されており、導入路4
aとねじ軸3のボール転動溝2との間ではボール6に対
してラジアル荷重や軸方向荷重が作用しないようになっ
ている。
【0016】更に、このカバー部材19の凹所11Aに
嵌合するリターンプレート12は、図5に示すように、
互いに重ね合わせた状態で上記凹所11Aに嵌合する一
対の第1プレート12A及び第2プレート12Bから構
成されており、これらプレート12A,12Bを重ね合
わせることで上記方向転換路12が完成するようになっ
ている。各プレート12A,12Bは合成樹脂の射出成
形で製作されており、第1プレート12Aの表面及び第
2プレート12Bの裏面には上記方向転換路12をその
長手方向に沿って二分した断面略半円状の凹条溝12
1,122が夫々形成されている。
【0017】上記方向転換路12は、リターンプレート
12の内径側においてはカバー部材19の貫通孔19a
の接線方向へ延びる一方、外径側においては第1プレー
ト12Aの表面側へと立ち上がっている。これにより、
ナット部材5の負荷転動溝4を転動し終えたボール6は
カバー部材19の導入路4aを介して円滑に上記方向転
換路12に導かれる一方、かかる方向転換路12内にお
いてその転動方向をナット部材5の半径方向から軸方向
へと転換され、円滑にナット部材5のボール戻し通路1
0へと送りこまれる。
【0018】また、各プレート12A,12Bの表面に
は上記方向転換路12に対応して半円形状の突片が突設
されており、第1プレート12Aと第2プレート12B
とを重ね合わせた際に、これら突片が組合わさってリタ
ーンプレート12の位置決め用ボス125が方向転換路
12の端部に完成するようになっている。
【0019】そして、第2プレート12Bから順番にこ
れらプレート12A,12Bをカバー部材19の凹所1
1Aに嵌合させると共に、第1プレート12Aがナット
部材5と当接するように上記カバー部材19をナット部
材5に固定することにより、かかるナット部材5に対す
るエンドキャップ11の取付けが完了する。これによ
り、図1に示す如く負荷ボール通路7とボール戻し通路
10とが上記方向転換路12によって連通連結され,ボ
ール6の無限循環路が完成する。このとき、リターンプ
レート12に形成された位置決め用ボス125をナット
部材5のボール戻し通路10の端部に形成された凹所1
0bに嵌合させることにより、ナット部材5とエンドキ
ャップ11との位置関係は適正化され、ボール戻し通路
10と方向転換路12との間におけるボール6の転動の
円滑化が確保される。
【0020】図6はナット部材5の内周面に形成された
負荷転動溝4を示すものである。前述したように、この
ボールねじ装置は無限循環するボール列60を2条備え
ており、それ故にナット部材5の内周面には2条の負荷
転動溝4が交互に形成されている。明確化のため、図6
中には一方の負荷転動溝を4a、他方の負荷転動溝を4
bとして示すことにする。各負荷転動溝4a,abはナ
ット部材5の軸方向長さの全長にわたって形成されてい
るが、その長手方向の中央付近には無負荷部41が形成
され、かかる無負荷部41によって各負荷転動溝4a,
4bは二つの負荷領域に二分されている。図6中の網点
領域が負荷転動溝4aの途中に形成された無負荷部41
である。尚、もう一方の負荷転動溝4bの途中に形成さ
れた無負荷部はナット部材5の内周面において上記無負
荷部41と対向しているので、図6中には示されていな
い。
【0021】図7は螺旋状に形成された負荷転動溝4a
を仮想的に一直線状に延ばした状態を示すものである。
上記無負荷部41は負荷転動溝4a中の負荷領域と連続
する溝として形成されているが、その溝深さ及び溝幅は
負荷領域よりも僅かに広く、荷重を負荷しながら負荷転
動溝4aの負荷領域を転がってきたボール6が無負荷部
41に入り込むことによって該荷重から解放されるよう
になっている。また、無負荷部41を転動したボール6
は再度負荷領域に入り込むことによって荷重を負荷しな
がら負荷転動溝4aを転動する。かかる負荷転動溝4a
は数値制御を用いた研削加工によってナット部材5の内
周面に形成されるが、かかる研削加工の際に、無負荷部
41の領域だけナット部材5の内周面を余分に削り取る
ことによって、上記無負荷部41を簡易に形成すること
ができる。また、このような加工により、負荷転動溝4
内における負荷領域と無負荷部41との連続性も確保さ
れ、ボール6の負荷領域から無負荷部41への進入、無
負荷部41から負荷領域への進入が円滑なものとなる。
【0022】また、上記負荷転動溝4aを転動するボー
ル6に対して与圧を付与する方法としては、所謂オーバ
サイズボールを用いる方法、すなわちナット部材5側の
負荷転動溝4aとねじ軸3側のボール転動溝2との隙間
よりも大きな直径のボールを用い、これによってボール
6に与圧を与える方法を採ることが可能である。
【0023】また、本実施例のボールねじ装置では負荷
転動溝4aを無負荷部41によって二つの負荷領域に二
分していることから、無負荷部41を挟んで位置する一
対の負荷領域間のナット部材5の軸方向に沿った距離を
ボール転動溝2のリード長に対して僅かに大きく、ある
いは小さく設定することにより、これら負荷領域を転動
するボール6に対して予圧を付与することが可能とな
る。図8はこの方法によってボール6に予圧を付与した
際の、ナット部材5、ボール6及びねじ軸3の接触方向
を示した模式図であり、この図では無負荷部41を介し
て配置された一対の負荷領域間の距離がボール転動溝2
のリード長の2倍に対して僅かに大きく設定されてい
る。図中の一点鎖線が三者間の接触方向を示している。
このように、ナット部材の軸方向に沿った負荷領域間の
距離をリード長Lの2倍よりもαだけ大きく設定する
と、このαの大きさに応じた予圧がボールに対して付与
される。αの大きさは前述したNC加工によって負荷転
動溝4aを形成する際に自由に調整することが可能であ
り、また、かかるαの大きさは極僅かであることから、
無負荷部の溝幅を負荷領域よりも大きく形成することに
より、変位量αを設けたからといっても、負荷領域と無
負荷部との連続性が損なわれることはない。
【0024】尚、図7及び図8を用いた説明では二条の
負荷転動溝4a,4bのうち、一方の負荷転動溝4aに
ついてのみ説明したが、他方の負荷転動溝4bの構成も
180°位相がずれている他は負荷転動溝4aと全く同
一である。
【0025】また、この実施例では負荷転動溝4aの途
中に無負荷部41を形成し、かかる負荷転動溝4aを二
つの負荷領域に区分しているが、ナット部材5の内周面
に軸方向に距離を隔てて第1及び第2の負荷転動溝を形
成すると共に、これら負荷転動溝の端部同士を連結する
無負荷部としての連結溝を形成するようにしても、説明
したボールねじ装置と全く同一の構造を得ることができ
る。すなわち、前記器実施例においても、無負荷部を連
結溝、この無負荷部によって二分された負荷転動溝の負
荷領域を第1及び第2の負荷転動溝と把握することがで
きる。
【0026】このように構成された本実施例のボールね
じ装置では、荷重を負荷しながら負荷転動溝の負荷領域
を転動していたボールは無負荷部に達すると一時的に荷
重から解放されるので、かかる無負荷部では前後して転
動するボールの距離を自在に変更することが可能とな
る。ねじ軸のリード誤差や有効径誤差、ボールの直径の
誤差等が存在すると、負荷領域内におけるボールの転動
速度は微小ではあるが刻一刻と変化することになり、負
荷領域内では前後して転動するボール同士が強く接触し
合って、円滑な転動が阻害されてしまうといったトラブ
ルが発生する。このようなボール詰まりのトラブルは負
荷転動溝の連続巻数が多い場合に顕著である。しかし、
前記実施例のボールねじ装置では、ナット部材の内周面
に無負荷部を形成することにより、負荷転動溝を該ナッ
ト部材の内周面において細分化しているので、ボールが
細分化された負荷領域から無負荷部に転がり出ることに
よって、ボール同士の接触状態は改善される結果とな
る。このため、負荷転動溝の連続巻数が多い場合であっ
ても、ボール詰まりを発生させることなく、かかるボー
ルを円滑に循環させることができるものである。また、
これにより負荷転動溝の連続巻数が多い場合であって
も、かかる負荷転動溝の途中に無負荷部を設けること
で、ボール詰まりを解消することができ、荷重負荷能力
の大きいボールねじ装置を提供することが可能となる。
【0027】尚、前記実施例ではナット部材の軸方向の
両端部にエンドキャップを装着することでボールの無限
循環路を構成したが、ナット部材の周壁を貫通するリタ
ーンパイプを設けることによってボールの無限循環路を
形成するようにしても差し支えない。
【0028】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のボー
ルねじ装置によれば、ナット部材の内周面における負荷
転動溝の連続巻数を多く設定し場合であっても、ボール
が一時的に荷重から解放される連結溝(無負荷部)がナ
ット部材の内周面に設けられているので、負荷転動溝内
におけるボール詰まりを回避することができ、ねじ軸と
ナット部材との間における相対的な回転運動を円滑化す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のボールねじ装置の実施例を示す正面
断面図である。
【図2】 本発明のボールねじ装置の実施例を示す側面
図である。
【図3】 実施例に係るナット部材及びエンドキャップ
の分解斜視図である。
【図4】 実施例に係るエンドキャップを示す図であ
り、分図(a)はその正面図、分図(b)は分図(a)
のb−b線断面図、分図(c)は背面図である。
【図5】 実施例に係るリターンプレートを示す斜視図
及び側面図である。
【図6】 実施例に係るナット部材を示す正面断面図で
ある。
【図7】 実施例に係る負荷転動溝を直線状に展開した
状態を示す仮想図である。
【図8】 実施例に係るナット部材、ボール及びねじ軸
の接触状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1…ボールねじ装置、3…ねじ軸、4…負荷転動溝、5
…ナット部材、6…ボール、41…無負荷部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に螺旋状のボール転動溝が所定の
    リードで形成されたねじ軸と、多数のボールを介してこ
    のねじ軸に螺合すると共にこれらボールの無限循環路を
    具備したナット部材とから構成され、 上記ナット部材の内周面には、上記ボールがねじ軸側の
    ボール転動溝との間で荷重を負荷しながら転動する第1
    及び第2の負荷転動溝が軸方向に距離を隔てて形成され
    ると共に、これら第1及び第2の負荷転動溝の端部同士
    を連結する連結溝が形成され、 上記ボールはこの連結溝を介して第1及び第2の負荷転
    動溝を連続して転動する一方、かかる連結溝内において
    一時的に荷重から解放されることを特徴とするボールね
    じ装置。
  2. 【請求項2】 上記ナット部材の軸方向に沿った第1の
    負荷転動溝と第2の負荷転動溝との間の距離をねじ軸の
    ボール転動溝のリード長の整数倍に対して変位させるこ
    とにより、上記第1及び第2の負荷転動溝を転動するボ
    ールに予圧が付与されていることを特徴とする請求項1
    記載のボールねじ装置。
  3. 【請求項3】 外周面に螺旋状のボール転動溝が所定の
    リードで形成されたねじ軸と、多数のボールを介してこ
    のねじ軸に螺合すると共にこれらボールの無限循環路を
    具備したナット部材とから構成され、 上記ナット部材の内周面には上記ボールがねじ軸側のボ
    ール転動溝との間で荷重を負荷しながら転動する負荷転
    動溝が形成されると共に、この負荷転動溝の途中には該
    負荷転動溝を転動するボールを一時的に荷重から解放す
    る無負荷部が形成され、かかる無負荷部によって上記負
    荷転動溝が複数の負荷領域に区分されていることを特徴
    とするボールねじ装置。
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