JP7437653B2 - 入力装置および移動体 - Google Patents

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Description

本開示は、入力装置、移動体およびステアリングシャフトシステムに関する。
従来、車両のステアリングシャフトに取り付けられる入力装置であるスイッチ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このスイッチ装置は、ステアリングシャフトを回転可能に支持するコラムポストが嵌め込まれる筒状の嵌込部を有する。この嵌込部には、リング状の弾性を有する締付バンド部材がその嵌込部を囲うように取り付けられている。また、この締付バンド部材が嵌込部を締め付けないように、その締付バンド部材にはピンが取り付けられている。このようなピンが締付バンド部材に取り付けられている状態で、コラムポストが嵌込部内に嵌め込まれる。そして、そのピンが締付バンド部材から取り外されると、締付バンド部材が嵌込部を締め付ける。これにより、嵌込部とコラムポストとが固定される。つまり、スイッチ装置がステアリングシャフトに取り付けられる。
特開2016-157612号公報
しかしながら、上記特許文献1のスイッチ装置には、締付バンド部材を嵌込部に取り付けるための空間がその嵌込部の周辺に必要であり、その結果、スイッチ装置の小型化が難しいという課題がある。
そこで、本開示は、容易に小型化可能な入力装置などを提供する。
本開示の一態様に係る入力装置は、ステアリングシャフトを回動自在に支持するコラムポストの一端側が嵌め込まれる筒状部を有し、かつ、運転者によって操作される操作部が取り付けられる筐体と、前記筒状部の中心軸方向における、前記筒状部の内側面に形成された鍔部と前記コラムポストとの間に配置される付勢部材と、前記筒状部の中心軸方向における、前記鍔部と前記コラムポストとの間に配置され、前記コラムポストに対する前記筒状部の周方向の回転を規制する回転規制部材とを備え、前記筒状部は、前記コラムポストの被係止部に対して前記中心軸方向に係止する係止部を有し、前記付勢部材は、前記係止部が前記被係止部に対して係止している状態で、前記中心軸方向に沿って前記鍔部が前記コラムポストから離れる向きに前記鍔部を付勢し、前記回転規制部材は、前記鍔部との間に前記付勢部材を挟んだ状態で、前記鍔部に対して前記周方向に係止し、かつ、前記コラムポストに対して前記周方向に係止することによって、前記筒状部の回転を規制する
本開示の入力装置は、容易に小型化することができる。
図1は、実施の形態1、2における入力装置が搭載された車両の一例を示す図である。 図2は、実施の形態1、2における入力装置の外観を示す斜視図である。 図3は、実施の形態1における入力装置の外観を模式的に示す斜視図である。 図4は、実施の形態1における入力装置の外観を模式的に示す正面図である。 図5は、実施の形態1における入力装置を分解して上側から見た分解斜視図である。 図6は、実施の形態1における入力装置を分解して下側から見た分解斜視図である。 図7は、実施の形態1における筐体の下面図である。 図8は、実施の形態1における付勢部材の外観を示す図である。 図9Aは、実施の形態1における回転規制部材の外観を示す図である。 図9Bは、実施の形態1における回転規制部材の他の外観を示す図である。 図10は、実施の形態1における回転規制部材の部分拡大図である。 図11は、実施の形態1における付勢部材が取り付けられた筐体の下面図である。 図12は、実施の形態1における付勢部材および回転規制部材が取り付けられた筐体の下面図である。 図13は、実施の形態1におけるステアリングシャフトおよびコラムポストを示す図である。 図14は、実施の形態1におけるステアリングシャフトおよびコラムポストの部分拡大図である。 図15は、実施の形態1における付勢部材、回転規制部材およびコラムポストの配置を示す図である。 図16は、実施の形態1における入力装置のXZ平面における断面図である。 図17は、実施の形態1における入力装置のXZ平面における断面の一部を拡大して示す図である。 図18は、実施の形態1における入力装置のステアリングシャフトへの取り付け順序を示す図である。 図19は、実施の形態1における入力装置がステアリングシャフトに取り付けられるときの回転規制部材および付勢部材の動きを示す図である。 図20は、実施の形態1における入力装置がステアリングシャフトに取り付けられるときの係止部の動きを示す図である。 図21は、実施の形態2における入力装置の外観を模式的に示す斜視図である。 図22は、実施の形態2における入力装置を分解して上側から見た分解斜視図である。 図23は、実施の形態2における入力装置を分解して下側から見た分解斜視図である。 図24は、実施の形態2における入力装置の筐体のZ軸方向負側から見た状態を示す下面図である。 図25は、実施の形態2における入力装置の付勢部材の外観を示す図である。 図26は、実施の形態2における入力装置の回転押圧部材の外観を示す図である。 図27は、実施の形態2における入力装置の付勢部材が取り付けられた筐体の下面図である。 図28は、実施の形態2における入力装置の付勢部材および回転押圧部材が取り付けられた筐体の下面図である。 図29は、実施の形態2における入力装置のステアリングシャフトおよびコラムポストを示す図である。 図30は、実施の形態2における入力装置のステアリングシャフトおよびコラムポストへの取り付け順序を示す図である。 図31は、実施の形態2における入力装置の回転押圧部材の回動動作を示す図である。
本開示の一態様に係る入力装置は、ステアリングシャフトを回動自在に支持するコラムポストの一端側が嵌め込まれる筒状部を有し、かつ、運転者によって操作される操作部が取り付けられる筐体と、前記筒状部の中心軸方向における、前記筒状部の内側面に形成された鍔部と前記コラムポストとの間に配置される付勢部材とを備え、前記筒状部は、前記コラムポストの被係止部に対して前記中心軸方向に係止する係止部を有し、前記付勢部材は、前記係止部が前記被係止部に対して係止している状態で、前記中心軸方向に沿って前記鍔部が前記コラムポストから離れる向きに前記鍔部を付勢する。
これにより、筒状部の係止部がコラムポストの被係止部に対して係止している状態で、筒状部の鍔部が付勢部材によってコラムポストから離れる向きに付勢される。したがって、係止部および被係止部が、その付勢部材による付勢によって中心軸方向に強く係り合い、筒状部とコラムポストとの間の摩擦力を高めることができる。その結果、コラムポストに対して筒状部がその中心軸方向にずれることを抑制することができ、かつ、コラムポストに対する筒状部の周方向の回転を抑制することができる。したがって、入力装置をコラムポストに固定することができる。さらに、入力装置のコラムポストへの固定に、上記特許文献1のような締付バンド部材が不要であるため、その締付バンド部材を取り付けるための空間を省くことができる。その結果、入力装置を容易に小型化することができる。さらに、上記特許文献1では、入力装置をステアリングシャフトから取り外すときには、その締付バンド部材による締め付けを緩めるための専用工具が必要である。しかし、本開示の一態様に係る入力装置では、締付バンド部材が不要であるため、そのような専用工具を用いることなく、入力装置を簡単に取り外すことができる。また、上記特許文献1では、締付バンド部材から外されたピンは廃棄されるが、本開示の一態様に係る入力装置では、そのようなピンは用いられないため、資源の無駄な廃棄を抑制することができる。
また、前記入力装置は、さらに、前記筒状部の中心軸方向における、前記鍔部と前記コラムポストとの間に配置され、前記コラムポストに対する前記筒状部の周方向の回転を規制する回転規制部材を備え、前記回転規制部材は、前記鍔部との間に前記付勢部材を挟んだ状態で、前記鍔部に対しして前記周方向に係止し、かつ、前記コラムポストに対して前記周方向に係止することによって、前記筒状部の回転を規制してもよい。
これにより、コラムポストに対する筒状部の周方向の回転が規制されるため、入力装置をコラムポストに強固に固定することができる。
また、前記回転規制部材は、ベースと、前記ベースから突出して前記コラムポストに当接する突起部とを有し、前記突起部の前記コラムポストへの当接によって前記付勢部材を押圧して弾性変形させるでもよい。例えば、前記コラムポストは、前記コラムポストの中心軸方向に凹み、前記突起部が挿入される第1凹部を有し、前記第1凹部の底面は、非傾斜底面と傾斜底面とを有し、前記非傾斜底面は、前記コラムポストの中心軸に略垂直な面であり、前記傾斜底面は、前記非傾斜底面から離れるほど前記第1凹部の深さが深くなるように傾斜している面であり、前記入力装置が前記ステアリングシャフトに取り付けられるときには、前記傾斜底面に対向するように前記第1凹部に挿入された前記回転規制部材の前記突起部が、前記筐体の回動によって前記傾斜底面に摺れながら前記非傾斜底面に移動することによって、前記回転規制部材が前記付勢部材を押圧して弾性変形させてもよい。
これにより、筐体の筒状部内にコラムポストの一端側を押し込んで、筒状部の係止部をコラムポストの被係止部に対して係止させた状態で、その筐体を回動させれば、付勢部材を簡単に弾性変形させることができる。その結果、入力装置を簡単、かつ、より強固にコラムポストに固定することができる。
また、前記回転規制部材の前記ベースは、前記筒状部の中心軸方向に撓み、かつ、前記コラムポスト側に突出する回転係止部を有し、前記コラムポストは、さらに、前記コラムポストの中心軸方向に凹み、前記回転係止部が挿入される第2凹部を有し、前記入力装置が前記ステアリングシャフトに取り付けられるときには、前記第2凹部に挿入されている前記回転規制部材の前記回転係止部が、前記筐体の回動によって撓みながら移動することによって前記第1凹部に挿入され、前記第1凹部に挿入された前記突起部は、前記第1凹部の両側面のうちの一方の面に対して係止し、前記第1凹部に挿入された前記回転係止部は、前記第1凹部の両側面のうちの他方の面に対して係止してもよい。
これにより、筐体の筒状部内にコラムポストの一端側を押し込んで、筒状部の係止部をコラムポストの被係止部に対して係止させた状態で、その筐体を回動させれば、突起部および回転係止部を第1凹部に簡単に嵌め込むことができる。その結果、筒状部の周方向のどちらの向きにも、突起部および回転係止部のうちの何れか一方が第1凹部の側面に対して係止し、コラムポストに対する筒状部の周方向の回転を適切に規制することができる。したがって、入力装置をコラムポストにより強固に、かつ簡単に固定することができる。
また、前記付勢部材は、環状の板部材であって、前記筒状部の中心軸方向に湾曲した形状を有していてもよい。
これにより、筒状部の中心軸方向における付勢部材の厚みを抑えながら、筒状部の鍔部を強く付勢することができる。その結果、入力装置をコラムポストにより強固に固定することができる。
また、前記回転規制部材は、少なくとも1つの挿入孔が形成されている環状の部材であって、前記少なくとも1つの挿入孔のそれぞれには、前記筒状部の前記鍔部に形成されている凸部が挿入されてもよい。
これにより、筒状部の凸部が、回転規制部材の挿入孔の周縁に対して、筒状部の周方向に係止する。したがって、回転規制部材に対する筒状部の回転を適切に規制することができる。
また、本開示の一態様に係る移動体は、入力装置と、前記ステアリングシャフトおよび前記コラムポストと、を備えてもよい。例えば、移動体は車両である。
これにより、移動体は、小型化された入力装置を備えることができ、その結果、その移動体の室内空間をより広くすることができる。
また、本開示の一態様に係るステアリングシャフトシステムは、ステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトを回動自在に支持するコラムポストとを備え、前記コラムポストには、前記コラムポストの中心軸方向に凹む凹部であって、入力装置を前記ステアリングシャフトに取り付けるための部材に形成された突起部が挿入される第1凹部が形成され、前記第1凹部の底面は、非傾斜底面と傾斜底面とを有し、前記非傾斜底面は、前記コラムポストの中心軸に略垂直な面であり、前記傾斜底面は、前記非傾斜底面から離れるほど前記第1凹部が深くなるように傾斜している面であってもよい。また、前記コラムポストには、さらに、前記コラムポストの中心軸方向に凹む凹部であって、前記入力装置を前記ステアリングシャフトに取り付けるための部材に形成された回転係止部が挿入される第2凹部が形成されていてもよい。
これにより、小型化された入力装置をステアリングシャフトに取り付けることができる。また、入力装置をコラムポストに強固に固定することができる。
また、前記入力装置は、さらに、前記筒状部の中心軸方向における、前記鍔部と前記コラムポストとの間に配置される前記回転規制部材に代えて回転押圧部材を備え、前記回転押圧部材は、前記鍔部との間に前記付勢部材を挟んだ状態で回動することによって、前記付勢部材を押圧し弾性変形させてもよい。
これにより、回転押圧部材を回動させて筒状部とコラムポストとの間の摩擦力を高めることができるため、入力装置のコラムポストへの固定が簡易な作業で行うことができる。
また、前記回転押圧部材は、ベースと、前記ベースから突出して前記付勢部材に当接する少なくとも1つ以上の押圧部とを有し、前記回転押圧部材の回動に伴う前記押圧部の前記付勢部材への当接によって前記付勢部材を押圧し弾性変形させてもよい。
これにより、例えば、回転押圧部材の押圧部を付勢部材に対して突出するように傾斜部を有した山状に形成することで、容易に形成することができる。
また、前記入力装置が前記ステアリングシャフトに取り付けられるときには、前記回転押圧部材の回動によって、前記押圧部が前記付勢部材へ当接して前記付勢部材を押圧し弾性変形させてもよい。
これにより、回転押圧部材を回動させて筒状部とコラムポストとの間の摩擦力を高めることができるため、入力装置のコラムポストへの固定を簡易な作業で行うことができる。
また、前記筒状部の前記鍔部に中心軸方向に突出または凹んだ被規制部を有し、前記コラムポストは前記コラムポストの中心軸方向に凹みまたは突出した規制部を有し、前記被規制部が前記規制部に係合した状態で、前記筒状部は前記コラムポストに対し周方向の回転が規制されてもよい。
これにより、コラムポストに対する筒状部の周方向の回転が規制されるため、入力装置をコラムポストにより強固に固定することができる。
また、前記付勢部材は、環状の板部材であって、前記筒状部の中心軸方向に湾曲した形状を有してもよい。
これにより、筒状部の中心軸方向における付勢部材の厚みを抑えながら、筒状部の鍔部を強く付勢することができる。その結果、入力装置をコラムポストにより強固に固定することができる。
また、前記回転押圧部材は外周から外方向へ延出する回転操作部を有してもよい。
これにより、回転操作部を操作して回転押圧部材を回動させることができるため、入力装置をコラムポストに簡単に固定することができる。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。また、以下の実施の形態において、略垂直などの表現を用いている。例えば、略垂直は、完全に垂直であることを意味するだけでなく、実質的に垂直である、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略垂直は、本開示による効果を奏し得る範囲において垂直という意味である。他の「略」を用いた表現についても同様である。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における入力装置が搭載された車両の一例を示す図である。
本実施の形態における入力装置100は、図1に示すように、例えば右ハンドルの車両4の運転席に搭載されたステアリングシャフト300に配置される。そして、入力装置100は、運転者による車両4のステアリングホイール8の操舵、並びにターンレバー131Rおよびワイパーレバー131Lの各操作を受け付ける。車両4は、例えば普通乗用車、バスまたはトラック等の自動車である。なお、車両4は、自動車に限定されず、例えば建機または農機等であってもよい。
図2は、本実施の形態における入力装置100の外観を示す斜視図である。なお、本実施の形態では、入力装置100の厚み方向をZ軸方向と称し、Z軸方向に垂直な2つの方向をX軸方向およびY軸方向と称する。X軸方向は、入力装置100の幅方向(すなわち左右方向)であり、Y軸方向は、入力装置100の奥行き方向であって、X軸方向に垂直である。また、Z軸方向正側は、上側、上向きまたは上とも言われ、Z軸方向負側は、下側、下向きまたは下とも言われる。X軸方向正側は、右側、右向きまたは右とも言われ、X軸方向負側は、左側、左向きまたは左とも言われる。Y軸方向正側は、奥側、奥行き向きまたは奥とも言われ、Y軸方向負側は、手前側、手前向きまたは手前とも言われる。
入力装置100は、図2に示すように、筐体110と、ターンレバーユニット130Rと、ワイパーレバーユニット130Lとを備えている。
筐体110は、筒状部120を有する例えば樹脂成型品である。筒状部120の中心軸はZ軸方向に沿い、その筒状部120には、ステアリングシャフト300が挿入される。
ターンレバーユニット130Rは、筐体110のX軸方向正側に取り付けられ、例えば車両4の運転者の右手で操作される。ターンレバーユニット130Rは、例えば、a)ターンシグナルランプを点滅させるためのターンシグナルスイッチ、b)ヘッドランプ、スモールランプおよびテールランプを点灯させるためのライティングスイッチ、c)ヘッドランプをパッシング点灯させるためのパッシングスイッチ、並びに、d)ヘッドランプのハイビームとロービームとを切り替えるためのディマスイッチ等を有するコンビネーションスイッチレバーである。
ワイパーレバーユニット130Lは、筐体110のX軸方向負側に取り付けられ、例えば車両4の運転者の左手で操作される。ワイパーレバーユニット130Lは、ワイパーレバーユニット130Lは、例えば、a)フロントワイパーを動作させるためのフロントワイパースイッチ、b)フロントガラスにウォッシャ液を噴射するためのフロントウォッシャスイッチ、c)リアワイパーを動作させるためのリアワイパースイッチ、および、d)リアガラスにウォッシャ液を噴射するためのリアウォッシャスイッチ等を有するコンビネーションスイッチレバーである。
これらのターンレバーユニット130Rおよびワイパーレバーユニット130Lは、それぞれ運転者によって操作される操作部として筐体110に取り付けられる。そして、このような入力装置100は、筐体110の筒状部120の中心軸がステアリングシャフト300の中心軸に一致するように、そのステアリングシャフト300に取り付けられる。
図3は、本実施の形態における入力装置100の外観を模式的に示す斜視図であり、図4は、本実施の形態における入力装置100の外観を模式的に示す正面図である。なお、本実施の形態における入力装置100について、説明を分かり易くするために、以下、模式的な図面を用いて説明する。
入力装置100は、図3および図4に示すように、筐体110の筒状部120内にステアリングシャフト300が挿入されるように、そのステアリングシャフト300に取り付けられる。このステアリングシャフト300は、コラムポスト200によって回動自在に支持されている。具体的には、コラムポスト200は、ステアリングシャフト300の一部を周方向に囲い、そのステアリングシャフト300の中心軸が回転中心となるようにそのステアリングシャフト300を回動自在に支持する。
したがって、入力装置100がステアリングシャフト300に取り付けられるときには、Z軸方向負側からその筒状部120内にステアリングシャフト300が挿入され、コラムポスト200が筒状部120内に嵌め込まれる。また、筒状部120の上端側(すなわちZ軸方向正側)の開口は、下端側(すなわちZ軸方向負側)の開口よりも狭い。したがって、入力装置100がステアリングシャフト300に取り付けている状態では、ステアリングシャフト300の上端側は、筒状部120の上端側開口から上に突き出しているが、コラムポスト200の上端側は突き出すことなく筒状部120内にある。
図5は、本実施の形態における入力装置100を分解して上側から見た分解斜視図であり、図6は、本実施の形態における入力装置100を分解して下側から見た分解斜視図である。なお、図5および図6に示す一点鎖線は、筐体110の筒状部120と、後述の付勢部材140および回転規制部材150と、ステアリングシャフト300と、コラムポスト200とのそれぞれの中心軸に相当し、Z軸方向に沿っている。また、後述の回転は、その中心軸を回転中心とする回転である。
入力装置100は、図5および図6に示すように、筐体110、ターンレバーユニット130Rおよびワイパーレバーユニット130Lの他にも、付勢部材140と、回転規制部材150とを備える。
ターンレバーユニット130Rは、ターンレバー131Rと、レバーホルダ132Rとを備える。レバーホルダ132Rの内部には、例えば、ターンレバー131Rの操作に応じて動作する機構などが配置されている。ワイパーレバーユニット130Lは、ワイパーレバー131Lと、レバーホルダ132Lとを備える。レバーホルダ132Lの内部には、例えば、ワイパーレバー131Lの操作に応じて動作する機構などが配置されている。
筐体110は、筒状部120よりもX軸方向正側に配置される第1ホルダ取付部112Rと、筒状部120よりもX軸方向負側に配置される第2ホルダ取付部112Lとを有する。第1ホルダ取付部112Rには、ターンレバーユニット130Rのレバーホルダ132Rが取り付けられる。第2ホルダ取付部112Lには、ワイパーレバーユニット130Lのレバーホルダ132Lが取り付けられる。
付勢部材140は、例えば環状に形成された金属製の板部材であって、筐体110の筒状部120内にZ軸方向負側から挿入される。筒状部120の内側面の上端側には鍔部が形成されている。付勢部材140は、その鍔部と当接するように配置される。
回転規制部材150は、例えば環状の樹脂成型の部材であって、筐体110の筒状部120内にZ軸方向負側から挿入される。回転規制部材150は、上述の筒状部120の鍔部との間に付勢部材140を挟み込むように、その筒状部120内に配置される。
このような入力装置100がステアリングシャフト300に取り付けられるときには、ステアリングシャフト300は、回転規制部材150、付勢部材140および筒状部120のそれぞれの内部に挿入される。そして、コラムポスト200の上端側は、筒状部120内に嵌め込まれる。このとき、そのコラムポスト200の上端部は、筒状部120内に配置されている回転規制部材150と当接する。つまり、コラムポスト200の上端部は、筒状部120の内側面上端側に形成されている鍔部との間に、付勢部材140および回転規制部材150をZ軸方向に挟み込む。
図7は、本実施の形態における筐体110の下面図である。具体的には、図7は、筐体110をZ軸方向負側から見た状態を示す図である。
筐体110の筒状部120の内側面には、その筒状部120の中心軸側に突出する上述の鍔部124が形成されている。本実施の形態における鍔部124は、その内側面の上端にあって環状に形成されている。したがって、筒状部120の上端側の開口は、下端側の開口よりも狭い。
さらに、この鍔部124におけるZ軸方向負側の面には、3つの凸部121と、2つの爪122とが形成されている。3つの凸部121は、Z軸方向負側に突出し、上述の付勢部材140および回転規制部材150のXY平面におけるずれを抑制するために用いられる。2つの爪122は、Z軸方向負側に突出している。さらに、それらの爪122の先端側は、XY平面における筒状部120の中心軸から離れる向きに突出している。これらの爪122は、上述の付勢部材140および回転規制部材150のZ軸方向負側への落下を抑制するために用いられる。
また、筒状部120は、2つの係止部123を有する。この係止部123は、コラムポスト200に形成されている被係止部に対して係止する。
図8は、本実施の形態における付勢部材140の外観を示す図である。具体的には、図8の(a)は、付勢部材140の斜視図であり、図8の(b)は、XY平面に沿う方向から付勢部材140を見た状態を示す図であり、図8の(c)は、付勢部材140の上面図である。
付勢部材140には、図8の(a)および(b)に示すように、3つの挿入孔141が形成されている。この挿入孔141には、図7に示す筐体110の凸部121が挿入される。
さらに、本実施の形態における付勢部材140は、いわゆるウェーブワッシャであって、図8の(b)に示すようにZ軸方向に波打つように形成されている。言い換えれば、付勢部材140は、筒状部120の中心軸方向、すなわちZ軸方向に湾曲した形状を有する。これにより、付勢部材140は、Z軸方向に弾性を有する。なお、このような付勢部材140は、例えばZ軸方向に0.3~0.8mmだけ縮まる弾性変形によって、Z軸方向に180Nの付勢力を発する。
図9Aは、本実施の形態における回転規制部材150の外観を示す図である。具体的には、図9Aの(a)は、回転規制部材150の斜視図であり、図9Aの(b)は、XY平面に沿う方向から回転規制部材150を見た状態を示す図である。また、図9Bは、本実施の形態における回転規制部材150の他の外観を示す図である。具体的には、図9Bの(a)は、回転規制部材150の上面図であり、図9Bの(b)は、回転規制部材150の下面図である。
回転規制部材150は、ベース152と、3つの突起部152aと、嵌入部153とを有する。
嵌入部153は、環状に形成され、筒状のコラムポスト200の上端側開口内に嵌め込まれる。
ベース152は、嵌入部153の上端からXY平面における外側に突出するように、略環状に形成されている。したがって、ベース152は、嵌入部153がコラムポスト200の上端側開口内に嵌め込まれた状態では、そのコラムポスト200の上端とZ軸方向に対向する。
また、ベース152には、付勢部材140と同様、3つの挿入孔151が形成されている。この挿入孔151には、上述の筐体110の凸部121が挿入される。
さらに、ベース152は、3つの回転係止部152bを有する。これらの回転係止部152bは、筒状部120の中心軸方向(すなわちZ軸方向)に撓み、かつ、コラムポスト200側(すなわちZ軸方向負側)に突出する。
3つの突起部152aは、それぞれベース152からZ軸方向負側に突出している。つまり、これらの突起部152aは、ベース152から突出してコラムポスト200に当接する。回転規制部材150は、これらの突起部152aのコラムポスト200への当接によって付勢部材140を押圧して弾性変形させる。
図10は、本実施の形態における回転規制部材150の部分拡大図である。具体的には、図10は、図9Aの(b)によって示される回転規制部材150の突起部152aおよび回転係止部152bの拡大図である。
このような突起部152aおよび回転係止部152bは、コラムポスト200の上端に形成された凹部に挿入される。その結果、コラムポスト200に対する回転規制部材150の回転が規制される。
図11は、本実施の形態における付勢部材140が取り付けられた筐体110の下面図である。
付勢部材140は、図11に示すように、筒状部120の鍔部124におけるZ軸方向負側の面に載置される。このとき、付勢部材140の3つの挿入孔141には、鍔部124に形成されている3つの凸部121がそれぞれ挿入される。これにより、付勢部材140の鍔部124に対するXY平面に沿う方向のずれが抑制される。
図12は、本実施の形態における付勢部材140および回転規制部材150が取り付けられた筐体110の下面図である。
回転規制部材150は、図12に示すように、筒状部120内に載置された付勢部材140の下側に重なるように配置される。つまり、回転規制部材150は、筒状部120の鍔部124におけるZ軸方向負側の面との間に、付勢部材140を挟み込むように、その筒状部120内に配置される。また、この回転規制部材150が筒状部120内に配置されるときには、回転規制部材150のベース152は、付勢部材140側に向けられ、突起部152aおよび回転係止部152bは、付勢部材140側とは反対側に向けられる。
このように配置された回転規制部材150は、Z軸方向負側に落ちないように、筒状部120の2つの爪122によって支持される。
図13は、本実施の形態におけるステアリングシャフト300およびコラムポスト200を示す図である。なお、図13の(a)は、ステアリングシャフト300およびコラムポスト200をXY平面に沿う方向から見た図であり、図13の(b)は、それらをXY平面に沿う他の方向から見た図である。
ステアリングシャフト300は、図13に示すように、コラムポスト200によって回動自在に支持されている。コラムポスト200は、例えば円筒形に構成されている。ステアリングシャフト300は、その上端側がコラムポスト200からZ軸方向正側に突き出るように、そのコラムポスト200内に挿入されている。
コラムポスト200の上端縁には、それぞれZ軸方向負側に凹んだ第1凹部210と第2凹部220とが形成されている。なお、図13には、その第1凹部210と第2凹部220との組は1つだけが示されているが、そのコラムポスト200の上端縁には、その組が3つ形成されている。
入力装置100がステアリングシャフト300に取り付けられているときには、第1凹部210には、回転規制部材150の突起部152aおよび回転係止部152bが挿入される。
第2凹部220は、入力装置100をステアリングシャフト300に取り付けるために一時的に用いられる。このとき、第2凹部220には、回転規制部材150の回転係止部152bが挿入される。
また、コラムポスト200の側部には2つの被係止部201が形成されている。この2つの被係止部201は、それぞれ略矩形の貫通孔の周縁部から構成され、XY平面において互いに対向するように配置されている。この被係止部201に対して、筒状部120の係止部123がZ軸方向に係止する。具体的には、筒状部120内にコラムポスト200の上端側が嵌め込まれたときには、その筒状部120の係止部123がコラムポスト200の被係止部201に対して係止する。これによって、筒状部120のZ軸方向のずれ、すなわち、筒状部120のコラムポスト200からのZ軸方向正側へのずれが抑制される。
図14は、本実施の形態におけるステアリングシャフト300およびコラムポスト200の部分拡大図である。
第1凹部210の底面は、非傾斜底面211と、傾斜底面212とを有する。非傾斜底面211は、コラムポスト200の中心軸(すなわちZ軸)に略垂直な面であり、傾斜底面212は、非傾斜底面211から離れるほど第1凹部210の深さが深くなるように傾斜している。なお、その深さは、Z軸方向の深さである。したがって、非傾斜底面211は、傾斜底面212よりも浅い位置にある。
また、第2凹部220における第1凹部210側の側面は、第1凹部210に近づくほど第2凹部220の深さが浅くなるように傾斜している。
図15は、本実施の形態における付勢部材140、回転規制部材150およびコラムポスト200の配置を示す図である。
付勢部材140、回転規制部材150およびコラムポスト200は、入力装置100がステアリングシャフト300に取り付けられているときには、図15に示すように、配置される。つまり、付勢部材140および回転規制部材150のそれぞれは、その内部にステアリングシャフト300が挿入された状態で、コラムポスト200の上端縁に載置される。つまり、コラムポスト200の上端縁の上に回転規制部材150が載置され、その回転規制部材150の上に付勢部材140が載置される。
ここで、回転規制部材150の突起部152aおよび回転係止部152bは、図15に示すように第1凹部210に挿入されている。また、突起部152aは、第1凹部210の2つの側面のうちの一方の側面に当接し、回転係止部152bは、他方の側面に当接している。これにより、コラムポスト200に対する回転規制部材150の回転が規制される。
また、突起部152aは、コラムポスト200の第1凹部210における非傾斜底面211に当接している。この非傾斜底面211は、傾斜底面212よりも浅い位置にあるため、その突起部152aの非傾斜底面211への当接によって、回転規制部材150のベース152は、付勢部材140をZ軸方向正側に突き上げる。ここで、付勢部材140のZ軸方向正側には、筒状部120の鍔部124が配置されているため、ベース152によってZ軸方向正側に突き上げられた付勢部材140は、その鍔部124側へ押圧される。つまり、付勢部材140は、中心軸方向(すなわちZ軸方向)に沿って鍔部124がコラムポスト200から離れる向きにその鍔部124を付勢する。
図16は、本実施の形態における入力装置100のXZ平面における断面図であり、図17は、そのXZ平面における断面の一部を拡大して示す図である。なお、図16および図17に示す断面図では、説明を分かり易くするために、ステアリングシャフト300およびコラムポスト200が一体化された構造物として示されている。
入力装置100がステアリングシャフト300に取り付けられているときには、図17に示すように、筐体110の筒状部120における係止部123は、コラムポスト200の被係止部201に対して係止する。また、付勢部材140および回転規制部材150は、Z軸方向において、そのコラムポスト200の上端縁と、筒状部120の鍔部124との間に挟み込まれる。このとき、付勢部材140は、上述のように突起部152aのコラムポスト200への当接によって、Z軸方向正側に押圧されて弾性変形する。この弾性変形によって、付勢部材140は、中心軸方向(すなわちZ軸方向)に沿って鍔部124がコラムポスト200から離れる向きにその鍔部124を付勢する。
図18は、本実施の形態における入力装置100のステアリングシャフト300への取り付け順序を示す図である。なお、図18の(a)は、入力装置100を上方から見たときのその入力装置100の経時的な状態の変化を示す。また、図18の(b)および(c)は、入力装置100における筐体110と、ステアリングシャフト300およびコラムポスト200とをXY平面に沿う方向から見たときのそれらの経時的な状態の変化を示す。
例えば、まず、時刻t1において、入力装置100の筐体110における筒状部120の中心軸と、ステアリングシャフト300およびコラムポスト200のそれぞれの中心軸とが位置合わせされる。このとき、筒状部120の下端側開口が、ステアリングシャフト300およびコラムポスト200に向けられる。また、このとき、入力装置100は、その入力装置100の長手方向が例えば水平方向に対して傾けられた状態で配置されている。
次に、時刻t2において、その筒状部120内にステアリングシャフト300の上端側が挿通され、コラムポスト200の上端側がその筒状部120内に嵌め込まれる。
そして、時刻t3において、水平方向に対して傾けられている入力装置100の長手方向が水平方向に沿うように、入力装置100は、上述の中心軸を回転中心にして回動される。これにより、筐体110は、ステアリングシャフト300およびコラムポスト200に対して例えば時計回りに回動する。この回動によって、入力装置100は、コラムポスト200に固定され、ステアリングシャフト300に取り付けられる。
図19は、本実施の形態における入力装置100がステアリングシャフト300に取り付けられるときの回転規制部材150および付勢部材140の動きを示す図である。具体的には、図19の(a)は、図18における時刻t2のときの回転規制部材150および付勢部材140の状態を示し、図19の(b)は、図18における時刻t3のときの回転規制部材150および付勢部材140の状態を示す。図20は、本実施の形態における入力装置100がステアリングシャフト300に取り付けられるときの係止部123の動きを示す図である。具体的には、図20の(a)は、図18における時刻t2のときの係止部123の状態を示し、図20の(b)は、図18における時刻t3のときの係止部123の状態を示す。
入力装置100が傾けられた状態で筒状部120内にコラムポスト200の上端側が嵌め込まれたときには、図20の(a)に示すように、筒状部120の係止部123がコラムポスト200の被係止部201に対して係止する。つまり、係止部123は、コラムポスト200の側部に形成されている略矩形の貫通孔の周縁部のうちの上側の部分、すなわち上縁部に対して係止する。より具体的には、係止部123は、その上縁部のうちの周方向の一端側(図20の右側)の部分に対して係止する。なお、筒状部120は、2つの係止部123を有するため、これらの係止部123のそれぞれが、その係止部123に対応するコラムポスト200の被係止部201に対して係止する。その結果、筒状部120は、コラムポスト200に仮止めされる。つまり、筒状部120がコラムポスト200からZ軸方向正側に離れることが抑制される。
このとき、図19の(a)に示すように、回転規制部材150の突起部152aは、コラムポスト200の第1凹部210に挿入され、回転規制部材150の回転係止部152bは、コラムポスト200の第2凹部220に挿入される。また、突起部152aは、第1凹部210の底面のうちの傾斜底面212に対向する位置に配置される。
次に、入力装置100の傾きが解消されるようにその入力装置100が例えば時計回りに回動される。つまり、入力装置100の筐体110が時計回りに回動される。これにより、図20の(b)に示すように、その筐体110の筒状部120に形成されている係止部123も時計回りに回動する。つまり、係止部123は、コラムポスト200の被係止部201に対して係止した状態を維持しながら、上述の貫通孔の上縁部のうちの周方向における一端側から他端側(図20の右側から左側)の部分に移動する。
このとき、図19の(b)に示すように、回転規制部材150の突起部152aは、筒状部120と共に回動する。その結果、突起部152aは、第1凹部210の傾斜底面212に当接しながらその傾斜底面212を上り、非傾斜底面211に対向する位置まで移動する。したがって、回転規制部材150のベース152は、Z軸方向正側に押し上げられ、付勢部材140をZ軸方向正側に押圧する。付勢部材140は、筒状部120の鍔部124によってZ軸方向正側への動きが規制されているため、回転規制部材150のベース152による押圧によって弾性変形する。その結果、付勢部材140は、中心軸方向(すなわちZ軸方向)に沿って鍔部124がコラムポスト200から離れる向きにその鍔部124を付勢する。
同時に、回転規制部材150の回転係止部152bは、第2凹部220の傾斜している側面に当接しながら、かつ、Z軸方向上側に撓みながら移動し、第1凹部210に挿入される。その結果、回転規制部材150の突起部152aは、第1凹部210の2つの側面のうちの一方(具体的には図19における左側の側面)に当接する。さらに、回転規制部材150の回転係止部152bは、その2つの側面のうちの他方(具体的には図19における右側の側面)に当接する。これにより、コラムポスト200に対する回転規制部材150の回転が規制される。
以上のように、本実施の形態における入力装置100は、筐体110と付勢部材140とを備える。筐体110は、ステアリングシャフト300を回動自在に支持するコラムポスト200の一端側が嵌め込まれる筒状部120を有し、かつ、運転者によって操作される操作部が取り付けられる。付勢部材140は、筒状部120の中心軸方向における、筒状部120の内側面に形成された鍔部124とコラムポスト200との間に配置される。筒状部120は、コラムポスト200の被係止部201に対して上述の中心軸方向に係止する係止部123を有する。そして、付勢部材140は、係止部123が被係止部201に対して係止している状態で、その中心軸方向に沿って鍔部124がコラムポスト200から離れる向きにその鍔部124を付勢する。
これにより、筒状部120の係止部123がコラムポスト200の被係止部201に対して係止している状態で、筒状部120の鍔部124が付勢部材140によってコラムポスト200から離れる向きに付勢される。したがって、係止部123および被係止部201が、その付勢部材140による付勢によって中心軸方向に強く係り合い、筒状部120とコラムポスト200との間の摩擦力を高めることができる。その結果、コラムポスト200に対して筒状部120がその中心軸方向にずれることを抑制することができ、かつ、コラムポスト200に対する筒状部120の周方向の回転を抑制することができる。したがって、入力装置100をコラムポスト200に固定することができる。さらに、入力装置100のコラムポスト200への固定に、上記特許文献1のような締付バンド部材が不要であるため、その締付バンド部材を取り付けるための空間を省くことができる。その結果、入力装置100を容易に小型化することができる。さらに、上記特許文献1では、入力装置をステアリングシャフトから取り外すときには、その締付バンド部材による締め付けを緩めるための専用工具が必要である。しかし、本実施の形態における入力装置100では、締付バンド部材が不要であるため、そのような専用工具を用いることなく、入力装置100をステアリングシャフト300から簡単に取り外すことができる。また、上記特許文献1では、締付バンド部材から外されたピンは廃棄されるが、本実施の形態における入力装置100では、そのようなピンは用いられないため、資源の無駄な廃棄を抑制することができる。なお、本実施の形態では、入力装置100は、回転規制部材150を備えるが、この回転規制部材150を備えていなくてもよい。
また、本実施の形態における入力装置100は、回転規制部材150を備える。この回転規制部材150は、筒状部120の中心軸方向における、鍔部124とコラムポスト200との間に配置され、コラムポスト200に対する筒状部120の周方向の回転を規制する。つまり、回転規制部材150は、鍔部124との間に付勢部材140を挟んだ状態で、その鍔部124に対して周方向に係止し、かつ、コラムポスト200に対して周方向に係止することによって、筒状部120の回転を規制する。
これにより、コラムポスト200に対する筒状部120の周方向の回転が規制されるため、入力装置100をコラムポスト200に強固に固定することができる。
また、回転規制部材150は、ベース152と、ベース152から突出してコラムポスト200に当接する突起部152aとを有し、突起部152aのコラムポスト200への当接によって付勢部材140を押圧して弾性変形させる。具体的には、コラムポスト200は、コラムポスト200の中心軸方向に凹み、突起部152aが挿入される第1凹部210を有する。第1凹部210の底面は、非傾斜底面211と傾斜底面212とを有する。非傾斜底面211は、コラムポスト200の中心軸に略垂直な面である。傾斜底面212は、非傾斜底面211から離れるほど第1凹部210の深さが深くなるように傾斜している面である。入力装置100がステアリングシャフト300に取り付けられるときには、傾斜底面212に対向するように第1凹部210に挿入された回転規制部材150の突起部152aが、筐体110の回動によって傾斜底面212に摺れながら非傾斜底面211に移動することによって、回転規制部材150が付勢部材140を押圧して弾性変形させる。
これにより、筐体110の筒状部120内にコラムポスト200の一端側を押し込んで、筒状部120の係止部123をコラムポストの被係止部201に対して係止させた状態で、その筐体110を回動させれば、付勢部材140を簡単に弾性変形させることができる。その結果、入力装置100を簡単、かつ、より強固にコラムポスト200に固定することができる。
また、回転規制部材150のベース152は、筒状部120の中心軸方向に撓み、かつ、コラムポスト200側に突出する回転係止部152bを有する。そのコラムポスト200は、さらに、コラムポスト200の中心軸方向に凹み、回転係止部152bが挿入される第2凹部220を有する。入力装置100がステアリングシャフト300に取り付けられるときには、第2凹部220に挿入されている回転規制部材150の回転係止部152bが、筐体110の回動によって撓みながら移動することによって第1凹部210に挿入される。そして、第1凹部210に挿入された突起部152aは、その第1凹部210の両側面のうちの一方の面に対して係止し、第1凹部210に挿入された回転係止部152bは、第1凹部210の両側面のうちの他方の面に対して係止する。
これにより、筐体110の筒状部120内にコラムポスト200の一端側を押し込んで、筒状部120の係止部123をコラムポスト200の被係止部201に対して係止させた状態で、その筐体110を回動させれば、突起部152aおよび回転係止部152bを第1凹部210に簡単に嵌め込むことができる。その結果、筒状部120の周方向のどちらの向きにも、突起部152aおよび回転係止部152bのうちの何れか一方が第1凹部210の側面に対して係止し、コラムポスト200に対する筒状部120の周方向の回転を適切に規制することができる。したがって、入力装置100をコラムポスト200により強固に、かつ簡単に固定することができる。
また、付勢部材140は、環状の板部材であって、筒状部120の中心軸方向に湾曲した形状を有する。これにより、筒状部120の中心軸方向における付勢部材140の厚みを抑えながら、筒状部120の鍔部124を強く付勢することができる。その結果、入力装置100をコラムポスト200により強固に固定することができる。
また、回転規制部材150は、少なくとも1つの挿入孔151が形成されている環状の部材である。そして、その少なくとも1つの挿入孔151のそれぞれには、筒状部120の鍔部124に形成されている凸部121が挿入される。
これにより、筒状部120の凸部121が、回転規制部材150の挿入孔151の周縁に対して、筒状部120の周方向に係止する。したがって、回転規制部材150に対する筒状部120の回転を適切に規制することができる。
また、本開示の一態様に係る移動体は、上述のような入力装置100と、ステアリングシャフト300およびコラムポスト200とを備える。例えば、移動体は車両4である。これにより、移動体は、小型化された入力装置100を備えることができ、その結果、その移動体の室内空間をより広くすることができる。
また、本開示の一態様に係るステアリングシャフトシステムは、ステアリングシャフト300と、ステアリングシャフト300を回動自在に支持するコラムポスト200とを備える。コラムポスト200には、そのコラムポスト200の中心軸方向に凹む凹部であって、入力装置100をステアリングシャフト300に取り付けるための部材に形成された突起部152aが挿入される第1凹部210が形成されている。その第1凹部210の底面は、非傾斜底面211と傾斜底面212とを有する。非傾斜底面211は、コラムポスト200の中心軸に略垂直な面であり、傾斜底面212は、非傾斜底面211から離れるほど第1凹部210が深くなるように傾斜している面である。また、コラムポスト200には、さらに、そのコラムポスト200の中心軸方向に凹む凹部であって、入力装置100をステアリングシャフト300に取り付けるための部材に形成された回転係止部152bが挿入される第2凹部220が形成されている。
これにより、小型化された入力装置100をステアリングシャフト300に取り付けることができる。また、入力装置100をコラムポスト200に強固に固定することができる。
(実施の形態2)
図21は、実施の形態2における入力装置101の外観を模式的に示す斜視図である。
本実施の形態の入力装置101の構成は、特に明記しない場合、実施の形態1と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
図22は本実施の形態における入力装置101を分解して上側から見た分解斜視図であり、図23は、本実施の形態における入力装置101を分解して下側から見た分解斜視図である。
入力装置101は、図22および図23に示すように、筐体160 、ターンレバーユニット130Rおよびワイパーレバーユニット130Lの他にも、付勢部材180と、回転押圧部材190とを備える。
筐体160の第1ホルダ取付部162Rにターンレバーユニット130Rのレバーホルダ132Rが取り付けられ、第2ホルダ取付部162Lにワイパーレバーユニット130Lのレバーホルダ132Lが取り付けられることは、実施の形態1と同様である。
付勢部材180は、例えば環状に形成された金属製の板部材であって、筐体160の筒状部170内にZ軸方向負側から挿入される。筒状部170の内側面の上端側には鍔部174が形成されて、付勢部材180は、その鍔部174と当接するように配置されることも、実施の形態1と同様である。
回転押圧部材190は、例えば環状の樹脂成型の部材であって、筐体160の筒状部170内にZ軸方向負側から挿入される。回転押圧部材190は、上述の筒状部170の鍔部174との間に付勢部材180を挟み込むように、筒状部170内に配置される。
このような入力装置101がステアリングシャフト300に取り付けられるときには、ステアリングシャフト300は、回転押圧部材190、付勢部材180および筒状部170のそれぞれの内部に挿入される。そして、コラムポスト230の上端側は、筒状部170内に嵌め込まれる。
このとき、そのコラムポスト230の上端部は、筒状部170内に配置されている回転押圧部材190と当接する。つまり、コラムポスト230の上端部は、筒状部170の内側面上端側に形成されている鍔部174との間に、付勢部材180および回転押圧部材190をZ軸方向に挟み込む。
図24は、本実施の形態における筐体160のZ軸方向負側から見た状態を示す下面図である。図24において、筐体160の筒状部170の内側面には、その筒状部170の中心軸側に突出する上述の環状の鍔部174が形成されている。
この鍔部174におけるZ軸方向負側の面には、2つの被規制部175と、2つの爪172とが形成されている。2つの被規制部175は、筒状部170の内側面から中心軸側へ突出すると共に、Z軸方向負側に延出する。
2つの被規制部175は、後述するコラムポスト230に形成された2つの規制部232に各々係合して、コラムポスト230に対する筐体160の中心軸周りの回転を規制する。
2つの爪172は、Z軸方向負側に突出している。さらに、それらの爪172の先端側は、XY平面における筒状部170の中心軸から離れる向きに突出している。これらの爪172は、上述の付勢部材180および回転押圧部材190のZ軸方向負側への落下を抑制するために用いられる。
また、筒状部170は、2つの係止部173を有する。この係止部173は、コラムポスト230に形成されている被係止部231に対して係止する。
さらに、図23および図24に示すように、筒状部170の側部および筐体160の側部には中心軸方向に、筒状部170のZ軸方向負側の下端から正側の上方へ延出するスリット部176が形成されている。回転押圧部材190を筒状部170の下方の開口から筒状部170内に挿入する際に、回転操作部194がスリット部176に案内されて、上方へ配置される。
図25は、本実施の形態における付勢部材180の外観を示す図である。具体的には、図25の(a)は、付勢部材180の斜視図であり、図25の(b)は、XY平面に沿う方向から付勢部材180を見た状態を示す図であり、図25の(c)は、付勢部材180の上面図である。
付勢部材180には、図25の(a)および(c)に示すように、環状の外形の外周側に2つの第1切欠き部181が形成されている。この第1切欠き部181には、図24に示す筐体160の2つの被規制部175が各々挿入される。また、付勢部材180の内周側の2つの第2切欠き部182には筐体160の2つの爪172が各々挿入される。
さらに、本実施の形態における付勢部材180は、いわゆるウェーブワッシャであって、図25の(b)に示すようにZ軸方向に波打つように形成されていることは、実施の形態1と同様である。
図26は、本実施の形態における回転押圧部材190の外観を示す図である。具体的には、図26の(a)は回転押圧部材190のZ軸方向正側から見た上面図であり、図26の(b)は斜視図であり、図26の(c)はXY平面に沿う方向から見た状態を示す図である。
回転押圧部材190は、ベース191と、回転操作部194と、嵌入部193とを有する。嵌入部193は、環状に形成され、筒状のコラムポスト230の上端側開口内に嵌め込まれる。
ベース191は、嵌入部193の上端からXY平面における外側に突出するように、略環状に形成されている。したがって、ベース191は、嵌入部193がコラムポスト230の上端側開口内に嵌め込まれた状態では、そのコラムポスト230の上端とZ軸方向に対向する。
ベース191上面には、Z軸方向正側に突出する3つの押圧部192が略等間隔に形成されている。押圧部192は、図26の(c)に示すように、例えば、X軸方向負側(左側)から正側(右側)に向けて徐々に高くなるように傾斜した山状である。なお、押圧部192は少なくとも1つ以上あればよい。
また、回転押圧部材190は、ベース191の外周に外方に延出するレバー状形状の回転操作部194を有する。コラムポスト230に回転押圧部材190が嵌まった状態で、回転操作部194を時計方向又は反時計方向へ手で操作することによって、押圧部192も時計方向又は反時計方向へ回動する。
なお、回転操作部194はレバー状形状以外に、略フック状形状や略台形形状であって、所定の工具で回動させるものや、ベース191の外周面に凹凸を形成して所定の工具で回動させるなど、回転押圧部材190を所定の範囲、回動可能な形状のものでもよい。
さらに、ベース191の外周に沿って所定の範囲に切り欠いた2つの切欠き部195が形成されている。2つの切欠き部195によって、鍔部174に形成された被規制部175に対し所定の範囲、回転押圧部材190が回動可能となっている。
図27は、本実施の形態における付勢部材180が取り付けられた筐体160の下面図である。
付勢部材180は、図27に示すように、筒状部170の鍔部174におけるZ軸方向負側の面に載置される。このとき、付勢部材180の2つの第1切欠き部181には、鍔部174に形成された2つの被規制部175がそれぞれ挿通し係合する。これにより、付勢部材180の鍔部174に対するXY平面に沿う方向のずれが抑制される。
図28は、本実施の形態における付勢部材180および回転押圧部材190が取り付けられた筐体160の下面図である。
回転押圧部材190は、図28に示すように、筒状部170内に載置された付勢部材180の下側に重なるように配置される。つまり、回転押圧部材190は、筒状部170の鍔部174におけるZ軸方向負側の面との間に、付勢部材180を挟み込むように、その筒状部170内に配置される。
このように配置された回転押圧部材190は、Z軸方向負側に落ちないように、筒状部170の2つの爪172によって支持される。
また、回転押圧部材190には周方向に所定の範囲の切欠き部195が形成されている。切欠き部195の一端に鍔部174の被規制部175が配置され、回転押圧部材190は被規制部175が切欠き部195の他端へ当接するまでの範囲、回動可能となっている。
図29は、本実施の形態におけるステアリングシャフト300およびコラムポスト230を示す図である。なお、図29の(a)は、ステアリングシャフト300およびコラムポスト230をZ軸方向正側から見た上面図、図29の(b)はXY平面に沿う方向から見た図であり、図29の(c)は、それらをXY平面に沿う他の方向から見た図である。
コラムポスト230の上端縁には、Z軸方向負側に凹んだ2つの規制部232が所定の間隔で形成されている。入力装置101がステアリングシャフト300に取り付けられているときには、規制部232に、鍔部174の被規制部175が係合する。これにより筐体160はコラムポスト230に対して回転が規制される。
なお、鍔部174の被規制部175をZ軸方向負側に突出した形状で、コラムポスト230の規制部232をZ軸方向負側に凹んだ形状として、これらを係合させたが、鍔部174の被規制部175をZ軸方向正側に凹んだ形状で、コラムポスト230の規制部232をZ軸方向正側に突出した形状で、これらを係合させてもよい。
また、コラムポスト230の側部には2つの被係止部231が形成されている。この2つの被係止部231は、それぞれ略矩形の貫通孔の周縁部から構成され、XY平面において互いに対向するように配置されている。この被係止部231に対して、筒状部170の係止部173がZ軸方向に係止する。具体的には、筒状部170内にコラムポスト230の上端側が嵌め込まれたときには、その筒状部170の係止部173がコラムポスト230の被係止部231に対して係止する。これによって、筒状部170のZ軸方向のずれ、すなわち、筒状部170のコラムポスト230からのZ軸方向正側へのずれが抑制される。
ここで、入力装置101をステアリングシャフト300およびコラムポスト230に取り付けて、コラムポスト230に固定する手順を、図21、図30および図31を用いて説明する。
図30は、本実施の形態における入力装置101がステアリングシャフト300に取り付けられた状態を示し、Y軸方向正側から見ると共に、Z軸方向正側の上方から見た斜視図である。詳細には、図30の(a)は、回転押圧部材190を回動させる前の図であり、図30の(b)は、回転押圧部材190を回動させた後の図である。
図31は、本実施の形態における入力装置101がステアリングシャフト300に取り付けられた状態で、付勢部材180、回転押圧部材190、コラムポスト230の配置を示す図である。詳細には、図31の(a)は筐体160を除いた状態のXY平面のY軸方向正側から見た側面図で、回転押圧部材190を回動させる前の状態を示す図である。図31の(b)は同じく回転押圧部材190を回動させた後の状態を示す図である。
図21に示すように、入力装置101の筒状部170の中心軸と、ステアリングシャフト300およびコラムポスト230の中心軸を位置合わせし、筒状部170内にステアリングシャフト300の上端側が挿通され、コラムポスト230の上端側がその筒状部170内に嵌め込まれる。
このとき、入力装置101の筒状部170内には鍔部174とコラムポスト230の上端部との間に付勢部材180および回転押圧部材190が配置され、鍔部174に形成された爪172に係止されて筒状部170内にこれらが支持されている。
そして、図30の(a)に示すように、筒状部170内にコラムポスト230の上端側が嵌め込まれたときには、筒状部170の2つの係止部173はコラムポスト230側面を下方に弾接しながら移動して、その内側への弾性力により2つの被係止部231に各々係止する。いわゆる係止部173が被係止部231に対しスナップフィットによって係止して、コラムポスト230に対し、筐体160のZ軸方向正側への移動が規制されている。
さらに、このとき、筒状部170の被規制部175が対向するコラムポスト230の規制部232に係合して、入力装置101のコラムポスト230に対する回転が規制される。
また、図30の(a)に示すように、回転押圧部材190を回動させる前の状態では、図31の(a)に示すように、付勢部材180および回転押圧部材190のそれぞれは、その内部にステアリングシャフト300が挿入された状態で、コラムポスト230の上端縁に載置される。
このとき、回転押圧部材190の押圧部192はX軸方向正側(右側)端に位置して、付勢部材180の下方への突部180Aの位置から離れている。
つまり、回転押圧部材190の押圧部192は図31の(a)に示すように、付勢部材180の突部180Aから離れた位置に配置されている。よって、押圧部192による付勢部材180への押し上げは比較的小さいものとなっている。
図30の(a)の状態から、図30の(b)に示すように、回転押圧部材190の回転操作部194を時計方向へ回動操作すると、これに伴って押圧部192は図31の(b)に示すように、押圧部192がX軸方向負側(左側)へ回動して、付勢部材180の下方への突部180Aを押し上げて付勢部材180をZ軸方向正側に押圧する。その結果、付勢部材180は、中心軸方向(すなわちZ軸方向)に沿って鍔部174がコラムポスト230から離れる向きにその鍔部174を付勢する。
したがって、付勢部材180による鍔部とコラムポスト230の上端との間の摩擦力がより高まり、入力装置101とコラムポスト230との固定が強固なものとなる。
また、図30の(b)の入力装置101がコラムポスト230に強固に固定された状態から、入力装置101を取り換えるときには、回転操作部194を反時計方向へ回動させて図30の(a)の状態にすることで、入力装置101とコラムポスト230との固定が緩まり、容易な作業で、入力装置101を取り外すことができる。
以上のように、本実施の形態における入力装置101は、筐体160と付勢部材180とを備える。筐体160は、ステアリングシャフト300を回動自在に支持するコラムポスト230の一端側が嵌め込まれる筒状部170を有し、かつ、運転者によって操作される操作部が取り付けられる。付勢部材180は、筒状部170の中心軸方向における、筒状部170の内側面に形成された鍔部174とコラムポスト230との間に配置される。筒状部170は、コラムポスト230の被係止部231に対して上述の中心軸方向に係止する係止部173を有する。そして、付勢部材180は、係止部173が被係止部231に対して係止している状態で、その中心軸方向に沿って鍔部174がコラムポスト230から離れる向きにその鍔部174を付勢する。
これによる効果は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
また、本実施の形態における入力装置101は、回転押圧部材190を備える。この回転押圧部材190は、筒状部170の中心軸方向における、鍔部174とコラムポスト230との間に配置され、鍔部174との間に付勢部材180を挟んだ状態で回動することによって、付勢部材180を押圧し弾性変形させる。
これにより、回転押圧部材190を回動させて筒状部170とコラムポスト230との間の摩擦力を高めることができるため、入力装置101のコラムポスト230への固定が簡易な作業で行うことができる。
回転押圧部材190は、ベース191と、ベース191から突出して付勢部材180に当接する少なくとも1つ以上の押圧部192とを有し、回転押圧部材190の回動に伴う押圧部192の付勢部材180への当接によって付勢部材180を押圧し弾性変形させる。
これにより、例えば、回転押圧部材190の押圧部192を付勢部材180に対して突出するように傾斜部を有した山状に形成することで、容易に形成することができ、確実に付勢部材180に対して押圧することができる。
入力装置101がステアリングシャフト300に取り付けられるときには、回転押圧部材190の回動によって、押圧部192が付勢部材180へ当接して付勢部材180を押圧し弾性変形させる。
これにより、回転押圧部材190を回動させて筒状部170とコラムポスト230との間の摩擦力を高めることができるため、入力装置101のコラムポスト230への固定が簡易な作業で行うことができる。
筒状部170の鍔部174は中心軸方向に突出又は凹んだ被規制部175を有し、コラムポスト230はコラムポスト230の中心軸方向に凹み又は突出した規制部232を有し、被規制部175が規制部232に係合した状態で、筒状部170はコラムポスト230に対し周方向の回転が規制される。
これにより、コラムポスト230に対する筒状部170の周方向の回転が規制されるため、入力装置101をコラムポスト230に、より強固に固定することができる。
また、付勢部材180は、環状の板部材であって、筒状部170の中心軸方向に湾曲した形状を有する。
これにより、筒状部170の中心軸方向における付勢部材180の厚みを抑えながら、筒状部170の鍔部174を強く付勢することができる。その結果、入力装置101をコラムポスト230に、より強固に固定することができる。
回転押圧部材190は外周に回転操作部194を有する。
これにより、例えば、レバー状に形成された回転操作部194を操作して回転押圧部材190を回動させることができるため、入力装置101をコラムポスト230に容易に固定または取り外すことができる。
以上、一つまたは複数の態様に係る入力装置などについて、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、他の構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれてもよい。
例えば、付勢部材140、180は、例えば、コイルばね、または、板ばねなどのばねであってもよく、スプリングワッシャーなどのワッシャーであってもよい。
本開示は、例えば車両などのステアリングシャフトに取り付けられる入力装置などに利用可能である。
100、101 入力装置
110、160 筐体
112R、162R 第1ホルダ取付部
112L、162L 第2ホルダ取付部
120、170 筒状部
121 凸部
122、172 爪
123、173 係止部
124、174 鍔部
130R ターンレバーユニット
131R ターンレバー
132R レバーホルダ
130L ワイパーレバーユニット
131L ワイパーレバー
132L レバーホルダ
140、180 付勢部材
180A 突部
141 挿入孔
150 回転規制部材
151 挿入孔
152、191 ベース
152a 突起部
152b 回転係止部
153、193 嵌入部
175 被規制部
176 スリット部
181 第1切欠き部
182 第2切欠き部
190 回転押圧部材
192 押圧部
194 回転操作部
195 切欠き部
200、230 コラムポスト
201、231 被係止部
210 第1凹部
211 非傾斜底面
212 傾斜底面
220 第2凹部
232 規制部
300 ステアリングシャフト

Claims (14)

  1. ステアリングシャフトを回動自在に支持するコラムポストの一端側が嵌め込まれる筒状部を有し、かつ、運転者によって操作される操作部が取り付けられる筐体と、
    前記筒状部の中心軸方向における、前記筒状部の内側面に形成された鍔部と前記コラムポストとの間に配置される付勢部材と
    前記筒状部の中心軸方向における、前記鍔部と前記コラムポストとの間に配置され、前記コラムポストに対する前記筒状部の周方向の回転を規制する回転規制部材とを備え、
    前記筒状部は、前記コラムポストの被係止部に対して前記中心軸方向に係止する係止部を有し、
    前記付勢部材は、前記係止部が前記被係止部に対して係止している状態で、前記中心軸方向に沿って前記鍔部が前記コラムポストから離れる向きに前記鍔部を付勢
    前記回転規制部材は、前記鍔部との間に前記付勢部材を挟んだ状態で、前記鍔部に対して前記周方向に係止し、かつ、前記コラムポストに対して前記周方向に係止することによって、前記筒状部の回転を規制する、
    入力装置。
  2. 前記回転規制部材は、ベースと、前記ベースから突出して前記コラムポストに当接する突起部とを有し、前記突起部の前記コラムポストへの当接によって前記付勢部材を押圧して弾性変形させる、
    請求項に記載の入力装置。
  3. 前記コラムポストは、前記コラムポストの中心軸方向に凹み、前記突起部が挿入される第1凹部を有し、
    前記第1凹部の底面は、非傾斜底面と傾斜底面とを有し、
    前記非傾斜底面は、前記コラムポストの中心軸に略垂直な面であり、
    前記傾斜底面は、前記非傾斜底面から離れるほど前記第1凹部の深さが深くなるように傾斜している面であり、
    前記入力装置が前記ステアリングシャフトに取り付けられるときには、
    前記傾斜底面に対向するように前記第1凹部に挿入された前記回転規制部材の前記突起部が、前記筐体の回動によって前記傾斜底面に摺れながら前記非傾斜底面に移動することによって、前記回転規制部材が前記付勢部材を押圧して弾性変形させる、
    請求項に記載の入力装置。
  4. 前記回転規制部材の前記ベースは、前記筒状部の中心軸方向に撓み、かつ、前記コラムポスト側に突出する回転係止部を有し、
    前記コラムポストは、さらに、前記コラムポストの中心軸方向に凹み、前記回転係止部が挿入される第2凹部を有し、
    前記入力装置が前記ステアリングシャフトに取り付けられるときには、
    前記第2凹部に挿入されている前記回転規制部材の前記回転係止部が、前記筐体の回動によって撓みながら移動することによって前記第1凹部に挿入され、
    前記第1凹部に挿入された前記突起部は、前記第1凹部の両側面のうちの一方の面に対して係止し、前記第1凹部に挿入された前記回転係止部は、前記第1凹部の両側面のうちの他方の面に対して係止する、
    請求項に記載の入力装置。
  5. 前記付勢部材は、環状の板部材であって、前記筒状部の中心軸方向に湾曲した形状を有する、
    請求項1~の何れか1項に記載の入力装置。
  6. 前記回転規制部材は、少なくとも1つの挿入孔が形成されている環状の部材であって、
    前記少なくとも1つの挿入孔のそれぞれには、前記筒状部の前記鍔部に形成されている凸部が挿入される、
    請求項の何れか1項に記載の入力装置。
  7. 請求項1~の何れか1項に記載の入力装置と、前記ステアリングシャフトおよび前記コラムポストと、
    を備える移動体。
  8. ステアリングシャフトを回動自在に支持するコラムポストの一端側が嵌め込まれる筒状部を有し、かつ、運転者によって操作される操作部が取り付けられる筐体と、
    前記筒状部の中心軸方向における、前記筒状部の内側面に形成された鍔部と前記コラムポストとの間に配置される付勢部材と、 前記筒状部の中心軸方向における、前記鍔部と前記コラムポストとの間に配置された回転押圧部材を備え、
    前記筒状部は、前記コラムポストの被係止部に対して前記中心軸方向に係止する係止部を有し、
    前記付勢部材は、前記係止部が前記被係止部に対して係止している状態で、前記中心軸方向に沿って前記鍔部が前記コラムポストから離れる向きに前記鍔部を付勢し、
    前記回転押圧部材は、前記鍔部との間に前記付勢部材を挟んだ状態で回動することによって、前記付勢部材を押圧し弾性変形させる、
    力装置。
  9. 前記回転押圧部材は、ベースと、前記ベースから突出して前記付勢部材に当接する少なくとも1つ以上の押圧部とを有し、前記回転押圧部材の回動に伴う前記押圧部の前記付勢部材への当接によって前記付勢部材を押圧し弾性変形させる、
    請求項に記載の入力装置。
  10. 前記入力装置が前記ステアリングシャフトに取り付けられるときには、
    前記回転押圧部材の回動によって、前記押圧部が前記付勢部材へ当接して前記付勢部材を押圧し弾性変形させる、
    請求項に記載の入力装置。
  11. 前記筒状部の前記鍔部は前記中心軸方向に突出または凹んだ被規制部を有し、
    前記コラムポストは前記コラムポストの中心軸方向に凹みまたは突出した規制部を有し、
    前記被規制部が前記規制部に係合した状態で、前記筒状部は前記コラムポストに対し周方向の回転が規制される、
    請求項10の何れか1項に記載の入力装置。
  12. 前記付勢部材は、環状の板部材であって、前記筒状部の中心軸方向に湾曲した形状を有する、
    請求項11の何れか1項に記載の入力装置。
  13. 前記回転押圧部材は外周に回転操作部を有する、
    請求項12の何れか1項に記載の入力装置。
  14. 請求項13の何れか1項に記載の入力装置と、前記ステアリングシャフトおよび前記コラムポストと、
    を備える移動体。
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