JP7436956B2 - 印刷装置、および、コンピュータプログラム - Google Patents

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Description

本明細書は、主走査を行いつつ印刷ヘッドからインクを吐出する部分印刷と、副走査と、を、印刷実行部に複数回に亘って実行させる印刷装置、および、コンピュータプログラムに関する。
特許文献1には、印刷ヘッドを主走査方向に移動させつつインクを吐出する主走査と主走査方向と交差する副走査方向に印刷媒体を搬送する副走査とを行って、印刷画像を形成するプリンタが開示されている。このプリンタは、前回の主走査時に画像が形成される領域の端部と、今回の主走査時に画像が形成される領域の端部と、を重ねるオーバーラップ印刷を実行できる。重ねられた領域には、前回の主走査と今回の主走査との両方で画像が形成される。このプリンタは、2つの領域の境界部が高濃度である場合には、オーバーラップ印刷を行ってバンディングを抑制し、該境界部が低濃度である場合には、オーバーラップ印刷を行わずに印刷速度を向上させている。
特開2017-13407号公報
しかしながら、上記技術では、オーバーラップ印刷を行うか否かは、2つの領域の境界部、すなわち、オーバーラップ印刷が行われる場合に重ねられる領域の画像に基づいて行われている。このために、例えば、オーバーラップ印刷を行うかの判断が遅くなり、印刷データの生成のやり直しが発生して、印刷データの生成速度、ひいては、印刷速度が低下する可能性があった。
本明細書は、印刷速度の低下を抑制できる技術を開示する。
本明細書に開示された技術は、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]印刷実行部と制御装置とを備える印刷装置であって、前記印刷実行部は、インクを吐出する複数個のノズルであって副走査方向の位置が互いに異なる前記複数個のノズルを有する印刷ヘッドと、印刷媒体に対して前記副走査方向と交差する主走査方向に沿って前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する主走査部と、前記印刷ヘッドに対して前記副走査方向に沿って前記印刷媒体を移動させる副走査を実行する副走査部と、備え、前記制御装置は、複数個の画素で構成される対象画像を示す対象画像データを取得し、前記印刷媒体に印刷される際の前記対象画像における前記副走査方向の下流側から上流側に向かう順序で前記対象画像データを処理して、複数個の部分印刷データを生成し、前記複数個の部分印刷データを用いて、前記主走査を行いつつ前記印刷ヘッドからインクを吐出させる部分印刷と、前記副走査と、を、前記印刷実行部に複数回に亘って実行させ、前記対象画像は、特定部分と、前記特定部分よりも前記副走査方向の下流側に位置する下流部分と、前記特定部分よりも前記副走査方向の上流側に位置する上流部分と、を含み、複数回の前記部分印刷は、前記複数個の部分印刷データのうちの第1部分印刷データを用いて実行される第1部分印刷と、前記第1部分印刷の次に前記複数個の部分印刷データのうちの第2部分印刷データを用いて実行される第2部分印刷と、を含み、前記制御装置は、前記対象画像データのうち、前記特定部分に対応するデータを用いず、前記下流部分に対応するデータを用いて、前記特定部分が特定条件を満たすか否かを推定し、前記特定部分が前記特定条件を満たさないと推定される場合に、前記制御装置は、前記第1部分印刷にて前記下流部分の少なくとも一部を印刷し、前記第2部分印刷にて前記上流部分の少なくとも一部を印刷し、前記第1部分印刷と前記第2部分印刷との両方にて前記特定部分を印刷するように、前記第1部分印刷データと前記第2部分印刷データとを生成し、前記第1部分印刷と前記第2部分印刷との間の前記副走査の搬送量を第1量に設定し、前記特定部分が前記特定条件を満たすと推定される場合に、前記制御装置は、前記第1部分印刷にて前記下流部分の少なくとも一部を印刷し、前記第2部分印刷にて前記上流部分の少なくとも一部を印刷し、前記第1部分印刷にて前記特定部分を印刷し前記第2部分印刷にて前記特定部分を印刷しないように、前記第1部分印刷データと前記第2部分印刷データとを生成し、前記第1部分印刷と前記第2部分印刷との間の前記副走査の搬送量を前記第1量よりも大きな第2量に設定する、印刷装置。
上記構成によれば、特定条件が満たされない場合には、特定部分が第1部分印刷と第2部分印刷との両方にて印刷される。このために、特定部分にバンディングが発生することを抑制できる。さらに、特定条件が満たされる場合には、特定部分が第1部分印刷だけで特定部分が印刷されるために、副走査の搬送量を、特定条件が満たされない場合よりも大きくできるので、印刷速度の低下を抑制できる。この結果、印刷速度の低下を抑制しつつ、画質の低下を抑制できる。さらに、下流部分に対応するデータを用いて、特定部分に対応するデータを用いずに、特定部分が特定条件を満たすか否かが推定される。このために、特定部分に対応するデータが処理される前に、特定部分を第1部分印刷と第2部分印刷との両方にて印刷するか、特定部分を第1部分印刷だけで印刷するかが決定できる。この結果、例えば、特定部分を印刷するための部分印刷データ(例えば、第1部分印刷データの一部)の生成処理のやり直しが発生することを抑制できる。したがって、部分印刷データの生成速度の低下、ひいては、印刷速度の低下を抑制することができる。
なお、本明細書に開示された技術は、種々の形態で実現可能であり、例えば、印刷装置、印刷装置の制御方法、画像処理方法、これらの装置および方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
実施例の構成を示すブロック図。 印刷機構100の概略構成を示す図。 印刷ヘッド110の構成を示す図。 本実施例の印刷画像PIの一例を示す図。 印刷処理のフローチャート。 通常のドットデータ生成処理のフローチャート。 通常のドットデータ生成処理のフローチャート。 分配パターンデータPDと、ヘッド位置P1~P3での部分印刷の記録率と、を示す図。 対象画像RI、および、印刷画像PIの一例を示す第1の図。 対象画像RI、および、印刷画像PIの一例を示す第2の図。 変形例の推定方法の説明図。 変形例の印刷の説明図。
A.第1実施例:
A-1:プリンタ200の構成
次に、実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、実施例の構成を示すブロック図である。
プリンタ200は、例えば、印刷実行部としての印刷機構100と、印刷機構100のための制御装置としてのCPU210と、ハードディスクドライブなどの不揮発性記憶装置220と、ハードディスクやフラッシュメモリなどの揮発性記憶装置230と、ユーザによる操作を取得するためのボタンやタッチパネルなどの操作部260と、液晶ディスプレイなどの表示部270と、通信部280と、を備えている。プリンタ200は、通信部280を介して、外部装置、例えば、ユーザの端末装置(図示省略)と通信可能に接続される。
揮発性記憶装置230は、CPU210が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域231を提供する。不揮発性記憶装置220には、コンピュータプログラムCPが格納されている。コンピュータプログラムCPは、本実施例では、プリンタ200を制御するための制御プログラムであり、プリンタ200の出荷時に不揮発性記憶装置220に格納されて提供され得る。また、コンピュータプログラムCPは、サーバからダウンロードされる形態で提供される。これに代えて、コンピュータプログラムCPは、DVD-ROMなどに格納される形態で提供されてもよい。CPU210は、コンピュータプログラムCPを実行することにより、例えば、印刷機構100を制御して後述する印刷処理を実行する。
印刷機構100は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各インク(液滴)を吐出して印刷を行う。印刷機構100は、印刷ヘッド110とヘッド駆動部120と主走査部130と搬送部140とを備えている。
図2は、印刷機構100の概略構成を示す図である。印刷機構100は、さらに、複数枚の印刷前のシートSが重ねられて収容される給紙トレイ20と、印刷済みのシートが排出される排紙トレイ21と、印刷ヘッド110のノズル形成面111と対向して配置されたプラテン50と、を備えている。
搬送部140は、給紙トレイ20から、印刷ヘッド110とプラテン50との間を通って、排紙トレイ21に至る搬送経路TRに沿って、シートSを搬送する。搬送経路TRは、図2のX方向に沿って見た場合に湾曲した部分である湾曲経路VRを含んでいる。湾曲経路VRは、搬送経路TR上における後述するピックアップローラ143と上流側ローラ対141との間に配置されている。X方向は、搬送方向ARと垂直で、かつ、搬送されるシートSの印刷面と平行な方向である。搬送経路TRの上流側を、単に、上流側と呼び、搬送経路TRの下流側を、単に、下流側と呼ぶ。
搬送部140は、搬送経路TRに沿ってシートSをガイドする外側ガイド部材18、内側ガイド部材19と、搬送経路TR上に設けられたピックアップローラ143と、上流側ローラ対141と、下流側ローラ対142と、を備えている。
外側ガイド部材18と内側ガイド部材19とは、湾曲経路VRに配置されている。外側ガイド部材18は、湾曲経路VRにおいて、シートSが湾曲された状態で、シートSを外側の面(印刷面)側から支持する部材である。内側ガイド部材19は、湾曲経路VRにおいて、シートSが湾曲された状態で、シートSを内側の面(印刷面とは反対の面)側から支持する部材である。
ピックアップローラ143は、軸AX1を中心に回動可能なアーム16の先端に取り付けられ、給紙トレイ20との間でシートSを挟むことで、シートSを保持する。換言すれば、ピックアップローラ143は、上流側ローラ対141よりも搬送経路TRの上流側に設けられ、シートSを保持する。ピックアップローラ143は、給紙トレイ20に収容される複数枚のシートSから、1枚のシートSを分離して搬送経路TR上に送る。
上流側ローラ対141は、図示しないモータによって駆動される駆動ローラ141aと、駆動ローラ141aの回転に従って回転する従動ローラ142bと、を含む。同様に、下流側ローラ対142は、駆動ローラ142aと従動ローラ142bとを含む。下流側ローラ対142の従動ローラ142bは、同軸上に配置された複数個の薄板状の拍車を備えるローラである。これは、シートS上に印刷された印刷画像を傷つけないためである。駆動ローラ141aと、従動ローラ141bと、駆動ローラ142aと、は、例えば、円筒状のローラである。なお、駆動ローラ141a、142aが従動ローラであって、従動ローラ141b、142bが駆動ローラであっても良い。
上流側ローラ対141は、印刷ヘッド110より上流側でシートSを保持する。下流側ローラ対142は、印刷ヘッド110よりも下流側でシートSを保持する。なお、図2の搬送方向ARは、印刷ヘッド110とプラテン50との間におけるシートの搬送方向(+Y方向)である。
主走査部130は、印刷ヘッド110を搭載するキャリッジ133と、キャリッジ133を主走査方向(X軸方向)に沿って往復動可能に保持する摺動軸134と、を備えている。主走査部130は、図示しない主走査モータの動力を用いて、キャリッジ133を摺動軸134に沿って往復動させる。これによって、印刷ヘッド110を主走査方向に沿って印刷ヘッド110を往復動させる主走査が実現される。
図3は、-Z側(図2における下側)から見た印刷ヘッド110の構成を示す図である。図3に示すように、印刷ヘッド110のプラテン50と対向するノズル形成面111には、複数のノズルからなる複数のノズル列、すなわち、上述したC、M、Y、Kの各インクを吐出するノズル列NC、NM、NY、NKが形成されている。各ノズル列は、複数個のノズルNZを含んでいる。複数個のノズルNZは、搬送方向ARの位置が互いに異なり、搬送方向に沿って所定のノズル間隔NTで並ぶ。ノズル間隔NTは、複数のノズルNZの中で搬送方向ARに隣り合う2個のノズルNZ間の搬送方向の長さである。これらのノズル列を構成するノズルのうち、最も上流側(-Y側)に位置するノズルNZを、最上流ノズルNZuとも呼ぶ。また、これらのノズルのうち、最も下流側(+Y側)に位置するノズルNZを、最下流ノズルNZdと呼ぶ。最上流ノズルNZuから最下流ノズルNZdまでの搬送方向ARの長さに、さらに、ノズル間隔NTを加えた長さを、ノズル長Dとも呼ぶ。
ヘッド駆動部120は、搬送部140によって搬送されるシートS上において、主走査部130によって往復動する印刷ヘッド110を駆動する。すなわち、印刷ヘッド110は、印刷ヘッド110の複数個のノズルNZからインクを吐出させて、シートS上にドットを形成する。これによって、シートS上に画像が印刷される。
A-2.印刷の概要
プリンタ200のCPU210(図1)は、ユーザからの印刷指示に基づいて、詳細は後述する印刷処理を実行する。印刷処理は、RGB画像データ(対象画像データ)を用いて、複数個の部分印刷データを生成し、該複数個の部分印刷データを印刷機構100に出力する処理である。1個の部分印刷データは、後述する1回の部分印刷SP分の印刷データである。
複数回の部分印刷SPに対応する複数個の部分印刷データに従って印刷機構100による印刷が実行される。具体的には、CPU210は、複数の部分印刷データを印刷機構100に出力することによって、ヘッド駆動部120と主走査部130と搬送部140とを制御して、部分印刷SPとシート搬送Tとを、交互に繰り返し複数回に亘って実行させる。1回の部分印刷SPでは、シートSをプラテン50上に停止した状態で、1回の主走査を行いつつ、印刷ヘッド110のノズルNZからシートS上にインクを吐出することによって、印刷画像PIの一部分を構成する複数個のドットがシートSに形成される。1回のシート搬送Tは、所定の搬送量だけシートSを搬送方向ARに移動させる搬送である。本実施例では、CPU210は、m回(mは、2以上の整数)の部分印刷SPmを印刷機構100に実行させる。
図4は、本実施例の印刷画像PIの一例を示す図である。図4の印刷画像PIは、ドットによって構成される画像データである。
図4には、印刷画像PIが印刷されるシートSが図示されている。さらに、図4には、ヘッド位置P、すなわち、シートSに対する印刷ヘッド110の搬送方向の相対的な位置が、部分印刷SPごと(すなわち、主走査ごと)に図示されている。複数回の部分印刷SPに対して、実行順に、パス番号k(kは、1以上m以下の整数)を付し、k回目の部分印刷SPを、部分印刷SPkとも呼ぶ。そして、部分印刷SPkを行う際のヘッド位置Pを、ヘッド位置Pkと呼ぶ。そして、k回目の部分印刷SPkと、(k+1)回目の部分印刷SP(k+1)と、の間に行われるシート搬送Tを、k回目のシート搬送Tkとも呼ぶ。図4には、1~5回目の部分印刷SP1~SP5に対応するヘッド位置P1~P5と、シート搬送T1~T5と、が図示されている。また、部分印刷SPkにて印刷可能な領域を部分領域RAkとする。図4には、部分印刷SP1~SP5に対応する部分領域RA1~RA5が図示されている。
なお、図4において、シートS上に形成される印刷画像PIは、複数個の1パス領域NA1~NA5(図4のハッチングされていない領域)と、複数個の重複領域SA1、SA2(図4のハッチングされた領域、2パス領域とも呼ぶ)と、を含む。重複領域SA1、SA2の搬送方向ARの長さHは、例えば、対象画像RIにおける5~10画素分の長さである。
1パス領域NA1~NA5内のドットは、それぞれ、1回の部分印刷にて形成される。具体的には、1パス領域NAk内のドットは、k回目の部分印刷SPk、すなわち、ヘッド位置Pkで行われる部分印刷SPkのみで形成される。
重複領域SA1、SA2内のドットは、2回の部分印刷にて形成される。具体的には、重複領域SAk内のドットは、k回目の部分印刷SPkと(k+1)回目の部分印刷SP(k+1)とにて形成される。すなわち、重複領域SAk内のドットは、ヘッド位置Pkで行われる部分印刷SPkと、ヘッド位置P(k+1)で行われる部分印刷SP(k+1)と、にて形成される。
図4の例では、2個の1パス領域NA1、NA2の間に、重複領域SA1が配置されている。同様に、2個の1パス領域NA2、NA3の間に、重複領域SA2が配置されている。また、2個の1パス領域NA3、NA4の間、および、2個の1パス領域NA4、NA5の間には、重複領域は配置されない。このような印刷は、後述する印刷処理(図5)によって実現される。
A-3.印刷処理
プリンタ200のCPU210(図1)は、ユーザからの印刷指示に基づいて、印刷処理を実行する。印刷指示には、印刷すべき画像を示す画像データの指定が含まれる。図5は、印刷処理のフローチャートである。S100では、CPU210は、印刷指示によって指定される画像データを、外部装置や揮発性記憶装置230から取得する。画像データは、例えば、JPEG圧縮された画像データや、ページ記述言語で記述された画像データなどの各種のフォーマットを有する画像データである。
S102では、CPU210は、取得された画像データに対して、ラスタライズ処理を実行して、RGB値で画素ごとの色を表すRGB画像データを生成する。これによって、本実施例の対象画像データとしてのRGB画像データが取得される。RGB値は、例えば、赤(R)と緑(G)と青(B)との3個の成分値を含む色値である。各成分値の階調数は、例えば、256階調である。
図4の印刷画像PIは、対象画像データ(RGB画像データ)に基づいて印刷される画像であるので、図4は、対象画像データによって示される対象画像RIを示す図とも言うことができる。対象画像RIは、複数個の画素で構成される画像である。図4に示すように、対象画像RIは、複数個の黒文字TXと、写真POと、白色の背景BGと、を含んでいる。対象画像RI(図4)は、複数本のラスタラインRLを含んでいる。ここで、対象画像RIの2次元座標系における図4の上下方向(Y方向)は、印刷時の搬送方向ARに対応する方向であり、左右方向(X方向)は、印刷時の主走査方向に対応する方向である。このために、対象画像データによって示される対象画像RIにおける上下方向を、対象画像RIにおける搬送方向とも呼び、対象画像RIにおける左右方向を、対象画像RIにおける主走査方向とも呼ぶ。なお、以下では、搬送方向ARの下流側(図4の上側)を単に下流側とも呼び、搬送方向ARの上流側(図4の下側)を単に上流側とも呼ぶ。ラスタラインRLは、例えば、図4のラスタラインRL1~RL7のように、主走査方向に沿って延びるラインであり、複数個の画素によって構成される。
S105では、CPU210は、1個の注目画素を選択する。注目画素は、対象画像RIがシートSに印刷される際の搬送方向ARの下流側から上流側に向かう順序で対象画像データが処理されるように、順次に選択される。具体的には、対象画像RIに含まれる複数本のラスタラインRLから、1本の注目ラスタラインが選択される。注目ラスタラインは、搬送方向ARの下流側から上流側に向かって(すなわち、図4の上側から下側に向かって)1本ずつ順次に選択される。注目画素は、注目ラスタラインを構成する複数個の画素の中から、主走査方向の一端(例えば、図4の左端)から他端(例えば、図4の右端)に向かって、1個ずつ順次に選択される。
ここで、注目画素および注目ラスタラインに対応するドットを形成する部分印刷を注目部分印刷とも呼ぶ。ただし、注目画素および注目ラスタラインが2回の部分印刷で印刷される場合、すなわち、注目画素および注目ラスタラインが、重複領域内に位置する場合には、2回の部分印刷のうち、先に行われる部分印刷を注目部分印刷とする。例えば、ラスタラインRL1~RL3が、注目ラスタラインである場合には、注目部分印刷は、ヘッド位置P1で行われる部分印刷SP1である。注目部分印刷にて印刷可能な領域を注目部分領域とも呼ぶ。注目部分印刷が部分印刷SP1である場合には、注目部分領域は部分領域RA1である。
S110では、CPU210は、注目画素は、重複候補領域内に位置するか否かを判断する。本実施例では、図4を参照して上述したように、注目部分領域の上流側の端部に重複領域が設定される場合とされない場合とがある。重複候補領域は、重複領域が設定される場合に、重複領域とされる領域である。すなわち、重複候補領域は、注目部分領域の上流端を含む領域であり、搬送方向ARの長さHの帯状の領域である。例えば、注目画素を含む注目ラスタラインが図4のラスタラインRL2、RL3、RL6、RL7である場合には、注目画素は重複候補領域内に位置すると判断される。注目画素を含む注目ラスタラインが図4のラスタラインRL1、RL4、RL5である場合には、注目画素は重複候補領域内に位置しないと判断される。
注目画素が重複候補領域内に位置しない場合には(S110:NO)、S115にて、CPU210は、注目画素の値(RGB値)に基づいて、注目画素が白画素または黒画素であるかを判断する。白画素は白色を示す画素であり、本実施例では、RGB値が(255、255、255)である画素である。黒画素は黒色を示す画素であり、本実施例では、RGB値が注目画素のRGB値が(0、0、0)である画素である。なお、白画素でもなく、黒画素でもない画素を中間色画素とも呼ぶ。
注目画素が白画素ではなく、かつ、注目画素が黒画素でもない場合には、すなわち、注目画素が中間色画素である場合には(S115:NO)、S120にて、CPU210は、注目部分領域の上流側の端部に重複領域を設定することを決定して、S150に処理を進める。すなわち、上述した搬送方向ARの長さHを有する重複候補領域が重複領域として設定される。注目画素が白画素または黒画素である場合には(S115:YES)、CPU210は、S120をスキップして、S150に処理を進める。
注目画素が重複候補領域内に位置する場合には(S110:YES)、S125にて、CPU210は、注目部分領域の上流側の端部に重複領域を設定することが決定済みであるか否かを判断する。本実施例では、重複候補領域内の画素が注目画素として処理される前に、重複候補領域よりも下流側の画素が注目画素として処理される際に、注目部分領域の上流側の端部に重複領域を設定することが決定される場合がある(S120)。
重複領域を設定することが決定済みである場合には(S125:YES)、CPU210は、S160に処理を進める。
重複領域を設定することが決定されていない場合には(S125:NO)、CPU210は、S130にて、CPU210は、注目画素の値に基づいて、注目画素が白画素または黒画素であるかを判断する。注目画素が白画素または黒画素である場合には(S130:YES)、CPU210は、S150に処理を進める。
注目画素が白画素ではなく、かつ、注目画素が黒画素でもない場合には、すなわち、注目画素が中間色画素である場合には(S130:NO)、S135にて、CPU210は、注目部分領域の上流側の端部に重複領域を設定することを決定する。S140では、CPU210は、次の注目画素を、設定された重複領域の先頭まで戻すことを決定して、S105に戻る。すなわち、この場合には、S105にて、重複領域の先頭の画素が注目画素として選択される。例えば、図4の重複領域SA1の先頭の画素は、重複領域SA1の最下流のラスタラインRL2の左端の画素である。
S150では、CPU210は、通常のドットデータ生成処理を実行する。通常のドットデータ生成処理は、注目画素について、1パス領域(例えば、図4のNA1~NA5)に形成されるべきドットのドットデータを生成する処理である。通常のドットデータ生成処理については後述する。
S160では、CPU210は、重複領域用のドットデータ生成処理を実行する。重複領域用のドットデータ生成処理は、注目画素について、重複領域(例えば、図4のSA1、SA2)に形成されるべきドットのドットデータを生成する処理である。重複領域用のドットデータ生成処理については後述する。
S165では、CPU210は、注目部分印刷分の画素が、注目画素として全て処理されたか否かを判断する。例えば、図4のヘッド位置P1にて行われる部分印刷SP1が、注目部分印刷である場合において、ヘッド位置P1に対応する複数本のラスタラインRLのうち、搬送方向ARの最上流に位置するラスタラインRL3の右端の画素が注目画素である場合には、注目部分印刷分の画素を全て処理したと判断される。
注目部分印刷分の画素が全て処理された場合には(S165:YES)、この時点で、出力バッファに、注目部分印刷分のドットデータが格納されている。したがって、この場合には、S170にて、CPU210は、注目部分印刷分のドットデータを部分印刷データとして印刷機構100に出力する。その際に、出力される部分印刷データには、注目部分印刷の後に行うべきシート搬送Tの搬送量を示す搬送量データが付加される。
注目部分印刷の直後に実行すべきシート搬送Tの搬送量は、注目部分領域の上流側の端部に重複領域が設定される場合には、第1量(D-H)に設定される。第1量は、上述したノズル長D(図3)から、重複領域の搬送方向ARの長さHだけ減じた量である。例えば、本実施例では、重複領域の搬送方向ARの長さHは6画素分である。1画素分の長さは、ノズル間隔NTと等しいので、本実施例では、H=(6×NT)である。
注目部分印刷の直後に実行すべきシート搬送Tの搬送量は、注目部分領域の上流側の端部に重複領域が設定されない場合には、第2量(D-α)に設定される。第2量は、上述したノズル長D(図3)から、αだけ減じた量である。αは、調整量であり、例えば、ノズル間隔NTの0.2倍~2倍程度の値である。本実施例では、αは、ノズル間隔NTの0.5倍の値である。調整量αは、上述した長さHよりも短いので、第2量(D-α)は、第1量(D-H)よりも長い。
S175では、CPU210は、出力済みの部分印刷データを出力バッファから消去して、一次保存バッファに格納されたデータを、出力バッファにコピーする。例えば、図4のヘッド位置P1に対応する最後のラスタラインRL3の画素が処理された時点で、ヘッド位置P2に対応する複数個の画素のうち、重複領域SA1内の画素は、既に処理済みである。そして、これらの処理済みの画素に対応するドットデータのうち、ヘッド位置P2にて行われる部分印刷SP2にて用いられるデータは、一次保存バッファに格納済みである。本ステップでは、これらのデータが出力バッファにコピーされる。
注目部分印刷分の未処理の画素がある場合には(S165:NO)、CPU210は、S170とS175とをスキップする。
S180では、CPU210は、対象画像RI内の全ての画素を注目画素として処理したか否かを判断する。未処理の画素がある場合には(S180:NO)、CPU210は、S105に戻って、未処理の画素を注目画素として選択する。対象画像RI内の全ての画素が処理された場合には(S180:YES)、CPU210は、印刷処理を終了する。
A-4.通常のドットデータ生成処理
図5のS150の通常のドットデータ生成処理について説明する。図6は、通常のドットデータ生成処理のフローチャートである。S210では、CPU210は、注目画素に対して色変換処理を実行する。色変換処理は、注目画素のRGB値をCMYK値に変換する処理である。CMYK値は、印刷に用いられるインクIkに対応する成分値(本実施例では、C、M、Y、Kの成分値)を含む色値である。C、M、Y、Kの成分値は、それぞれ、例えば、256階調の階調値である。色変換処理は、例えば、公知のルックアップテーブルを参照して実行される。
S220では、CPU210は、注目部分印刷における対応ノズルを特定する。すなわち、CPU210は、対象画像RIにおける注目画素の搬送方向ARの位置に基づいて、注目部分印刷が行われる際に、注目画素に対応するC、M、Y、Kの各ドットの形成に用いられるノズルNZを特定する。
S230では、CPU210は、C、M、Y、Kの各対応ノズルの特性値を取得する。ノズルの特性値は、不揮発性記憶装置220に予め格納されたノズル特性テーブル(図示省略)から取得される。ノズル特性テーブルには、ノズルNZのそれぞれの特性値が、ノズル番号と対応付けて記録されている。ノズルNZの製造バラツキやノズルNZを駆動する圧電素子の製造バラツキなどに起因して、各ノズルNZのインクの吐出量にはバラツキがある。このために、各ノズルNZから吐出されるインクによって形成されるドットのサイズにはバラツキがあり、ひいては、該ドットによって表現される濃度にはバラツキがある。各ノズルNZの特性値は、ノズルNZを用いて形成されるドットによって表現される濃度と、基準濃度(平均的な濃度)と、の差分を示している。これらの特性値は、実際に各ノズルを用いて印刷された画像の濃度を測定することによって、実験的に定められた値である。
S240では、CPU210は、注目画素に対してハーフトーン処理を実行する。ハーフトーン処理は、注目画素のCMYK値を、ドットデータに変換する処理である。ドットデータは、CMYKのそれぞれの色成分について、ドット形成状態を画素ごとに表す。例えば、ドットデータの各画素の値は、例えば、「ドット無し」と「ドット有り」の2階調、あるいは、「ドット無し」「小」「中」「大」の4階調のドットの形成状態を示す。
本実施例のハーフトーン処理では、S230にて取得された対応ノズルの特性値が用いられる。例えば、CPU210は、対応ノズルの特性値を用いて、誤差拡散法で用いられる相対濃度値を補正する。CPU210は、補正後の相対濃度値を用いて、誤差拡散法に従うハーフトーン処理を実行して、注目画素のCMYK値をドットデータに変換する。このように、誤差拡散処理で用いる相対濃度値を、ノズルNZの特性に応じて異なる値とすることで、印刷される画像の濃度を適切な濃度にすることができる。これによって、例えば、印刷画像PIに、ノズルNZの特性のバラツキに起因した濃度ムラが表れることを抑制できる。
S250では、CPU210は、注目画素に対応するドットデータ(注目ドットデータとも呼ぶ)を出力バッファに格納して、通常のドットデータ生成処理を終了する。
A-5.重複領域用のドットデータ生成処理
図5のS160の重複領域用のドットデータ生成処理について説明する。図7は、通常のドットデータ生成処理のフローチャートである。S305では、CPU210は、図6のS210と同様に、注目画素に対して色変換処理を実行する。
重複領域内では、注目画素に対応するドットは、注目部分印刷にて形成される場合と、注目部分印刷の次の部分印刷にて形成される場合と、がある。このために、S310では、CPU210は、注目画素に対応するドットの分配先の部分印刷を、注目部分印刷と、次の部分印刷と、のいずれかに決定する。具体的には、CPU210は、注目ラスタラインに対応する分配パターンデータPDを取得し、分配パターンデータPDに従って、分配先の部分印刷を決定する。
図8は、分配パターンデータPDと、ヘッド位置P1~P3での部分印刷の記録率と、を示す図である。図8(A)に示すように、分配パターンデータPDは、注目ラスタラインの各画素に対応する値を有する二値データである。分配パターンデータPDの値「0」は、その画素に対応するドットが注目部分印刷にて形成されるべきこと、すなわち、そのドットの分配先の部分印刷が注目部分印刷であること、を示している。分配パターンデータPDの値「1」は、その画素に対応するドットが次の部分印刷にて形成されるべきこと、すなわち、そのドットの分配先の部分印刷が次の部分印刷であること、を示している。
ここで、図8(B)の記録率R1、R2、R3は、それぞれ、ヘッド位置P1、P2、P3での部分印刷SP1、SP2、SP3における記録率である。図8(B)では、搬送方向ARの位置に対する各記録率R1~R3が示されている。1パス領域NA1(図4)に対応する搬送方向ARの範囲では、記録率R1は、100%である。同様に、1パス領域NA2、NA3(図4)に対応する搬送方向ARの範囲では、記録率R2、R3は、100%である。
重複領域SA1(図4)に対応する搬送方向ARの範囲では、記録率R1は、搬送方向ARの上流側(図8(B)の下側)に向かうに連れて、直線的に減少する。重複領域SA1(図4)に対応する搬送方向ARの範囲では、記録率R2は、搬送方向ARの下流側(図8(B)の上側)に向かうに連れて、直線的に減少する。重複領域SA1(図4)に対応する搬送方向ARの範囲では、記録率R1と記録率R2との和は、100%である。重複領域SA2(図4)に対応する搬送方向ARの範囲における記録率R2、R3についても同様である。
S315では、CPU210は、注目画素に対応するドットの分配先が次の部分印刷であるか否かを判断する。分配先が次の部分印刷である場合には(S315:YES)、S320にて、CPU210は、次の部分印刷における対応ノズルを特定する。すなわち、CPU210は、対象画像RIにおける注目画素の搬送方向ARの位置に基づいて、次の部分印刷が行われる際に、注目画素に対応するC、M、Y、Kの各ドットの形成に用いられるノズルNZを特定する。
S325では、CPU210は、C、M、Y、Kの各対応ノズルの特性値を、上述したノズル特性テーブルから取得する。S330では、CPU210は、注目画素に対してハーフトーン処理を実行して、注目画素に対応する注目ドットデータを生成する。ハーフトーン処理では、図6のS240と同様に、S325にて取得された対応ノズルの特性値が用いられる。S335では、CPU210は、注目ドットデータを一時保存バッファに格納して、重複領域用のドットデータを生成する。
分配先が注目部分印刷である場合には(S315:NO)、CPU210は、S340~S360を実行する。S340~S360の処理は、図6のS220~250の処理と同一である。
以上説明した本実施例について、対象画像RI、および、印刷画像PIを例示しながら、さらに、説明する。図9、図10は、対象画像RI、および、印刷画像PIの一例を示す図である。RGB画像データによって示される対象画像RIとシートSに印刷される印刷画像PIとは対応しているので、図9、図10では、同じ図で示す。
図9(A)の対象画像RIaおよび印刷画像PIaでは、ヘッド位置P1aにて実行される部分印刷に対応する部分領域RA1aは、部分領域RA1aの上流端を含む重複候補領域JAaと、重複候補領域JAaよりも下流側に位置する下流部分DAaと、を含んでいる。また、対象画像RIaおよび印刷画像PIaは、重複候補領域JAaよりも上流側に位置する上流部分UAaを含む。
図9(B)の対象画像RIbおよび印刷画像PIbでは、ヘッド位置P1bにて実行される部分印刷に対応する部分領域RA1bは、部分領域RA1bの上流端を含む重複候補領域JAbと、重複候補領域JAbよりも下流側に位置する下流部分DAbと、を含んでいる。また、対象画像RIbおよび印刷画像PIbは、重複候補領域JAbよりも上流側に位置する上流部分UAbを含む。
図9(B)の例では、重複候補領域JAbは、黒文字TXとは異なるオブジェクト、具体的には、写真POを含んでいる。この場合には、重複候補領域JAbは、重複領域SAbとして設定されることが好ましい。すなわち、重複候補領域JAb内の画像は、図9(B)に示すように、ヘッド位置P1bで行われる部分印刷とヘッド位置P2bで行われる次の部分印刷(部分領域RA2bに対応)との両方で印刷されることが好ましい。
その理由を説明する。シートSの搬送量は、バラツキが生じる場合がある。仮に、重複領域SAbを設けないとすると、搬送量のばらつきに起因して、重複候補領域JAbの上流端と上流部分UAbの下流端との間隔が過度に広がる場合や過度に狭くなる場合がある。この場合には、白筋や黒筋などのバンディングが発生し得る。重複領域SAbを設けることで、白筋や黒筋の発生を抑制できる。重複領域SAb内では、1個のラスタライン上のドットが2回の部分印刷で形成されるので、1個のラスタライン上の全ドットが、他のラスタライン上の全ドットに対して、同じようにずれることを抑制できるためである。
図9(A)の例では、重複候補領域JAaは黒文字TXのみを含んでいる。この場合には、重複候補領域JAaは、重複領域に設定されないことが好ましい。すなわち、この場合には、図9(A)に示すように、重複候補領域JAaは、ヘッド位置P1aで行われる1回の部分印刷のみで印刷され、ヘッド位置P2aで行われる次の部分印刷(部分領域RA2aに対応)で印刷されないことが好ましい。
この理由を説明する。重複候補領域JAaが黒文字TXのみを含んでいる場合には、重複候補領域JAaの上流端と上流部分UAaの下流端との間隔が過度に狭くなった場合には、重複候補領域JAaの上流端に位置する黒のドットと上流部分UAaの下流端に位置する黒のドットとの重なりが大きくなり得る。しかしながら、黒は、最も濃度が高い色であるので、黒文字TXを表現する黒のドットどうしの重なりが大きくなったとしてもさらに濃い色は存在しないので、当該重なりの部分がさらに濃い色にとなって目立つことはない。したがって、重複候補領域JAaの上流端と上流部分UAaの下流端との間隔が過度に狭くなったとしても画質上の問題は生じない。一方、重複候補領域JAaの上流端と上流部分UAaの下流端との間隔が過度に広くなった場合には、重複候補領域JAaの上流端に位置する黒のドットと上流部分UAaの下流端に位置する黒のドットとの間に隙間が生じて、白筋が目立ちやすい。このように、重複候補領域JAaは黒文字TXのみを含んでいる場合には、重複候補領域JAaの上流端と上流部分UAaの下流端との間隔が狭くなることは許容されるが、該間隔が広くなることは許容されない。これに鑑みて、本実施例では、上述のように、重複領域に設定されない場合には、ヘッド位置P1aで行われる部分印刷の直後のシートSの搬送量は、ノズル長Dよりも調整量αだけ短い第2量(D-α)に設定される。このように、重複候補領域JAaが黒文字TXのみを含んでいる場合には、白筋が目立ち難いように手当されているので、重複領域を設定しなくても画質上の問題は生じない。画質上の問題が生じない場合には、重複領域を設けない方が、上述のように、シートSの搬送量を長く設定できるので、必要な部分印刷の回数が減る可能性があり、印刷時間を短くできる可能性があるので好ましい。
なお、図9(B)の例のように、重複候補領域JAbが黒文字とは異なるオブジェクトを含む場合には、白筋も黒筋も目立ち得るので、同様の手当では画質上の問題は解消できないため、上述のように重複領域を設けることが好ましい。
ここで、図9(A)の例では、下流部分DAaは、オブジェクトとして黒文字TXのみを含んでいる。この場合には、重複候補領域JAaも黒文字TXのみを含む可能性が高い。図9(A)の例では、上述のように、重複候補領域JAaも黒文字TXのみを含む。これに対して、図9(B)の例では、下流部分DAbは、黒文字TXとは異なるオブジェクト、具体的には、写真POを含んでいる。この場合には、重複候補領域JAbも黒文字TXとは異なるオブジェクトを含む可能性が高い。図9(B)の例では、上述のように、重複候補領域JAbも写真POを含む。これは、下流部分は搬送方向ARの長さが比較的長く(例えば、数百画素分)、重複候補領域は搬送方向ARの長さが比較的短い(例えば、6画素分)ために、下流部分と下流部分に隣接する重複候補領域とは、同様の画像である可能性が高いためである。
このように、重複候補領域JAa、JAbのオブジェクトは、下流部分DAa、DAbに基づいて推定できる。例えば、図9(A)のように、下流部分DAaが黒文字TXのみを含む場合には、重複候補領域JAaも黒文字TXのみを含むと推定できる。図9(B)のように、下流部分DAbが黒文字TXとは異なるオブジェクトを含む場合には、重複候補領域JAbも黒文字TXとは異なるオブジェクトを含むと推定できる。また、黒文字TXは、一般的なデジタル画像では、黒画素のみで構成されるために、黒文字TXのみを含む領域は、黒文字TXを構成する黒画素と背景BGを構成する白画素のみで構成される。したがって、対象画像RIのうちの下流部分(例えば、DAa)が黒画素と白画素のみで構成される場合には、該下流部分は、黒文字TXのみを含むと判断できる。対象画像RIのうちの下流部分(例えば、DAb)が黒画素と白画素とは異なる中間色画素を含む場合には、該下流部分は、黒文字TXとは異なるオブジェクトを含むと判断できる。
このことを利用して、本実施例では、RGB画像データのうち、下流部分DAa、DAbを示すデータに基づいて、重複候補領域JAa、JAbを重複領域に設定するか否かを判断している。
具体的には、CPU210は、下流部分内の注目画素を処理している際に(図5のS110にてNO)、注目画素が黒画素または白画素であるかを判断している(図5のS115)。注目画素が黒画素とも白画素とも異なる中間色画素である場合には(S115にてNO)、重複候補領域を重複領域として設定している(S120)。換言すれば、下流部分に1個でも中間色画素がある場合には、重複候補領域は重複領域として設定され、下流部分が全て黒画素と白画素である場合に限り、重複候補領域は重複領域として設定されない。
これによって、図9(A)の例では、重複候補領域JAa内の画素を注目画素として処理する前に、重複候補領域JAaを重複領域として設定しないことが決定される。この結果、重複候補領域JAa内の画素を注目画素として処理する際には、S150の通常のドットデータ生成処理にて、速やかに適切なドットデータを生成できる。
また、図9(B)の例では、重複候補領域JAb内の画素を注目画素として処理する前に、重複候補領域JAbを重複領域SAbとして設定することが決定される。この結果、重複候補領域JAb内の画素を注目画素として処理する際には、S160の重複領域用のドットデータ生成処理にて、速やかに適切なドットデータを生成できる。
以上の説明から解るように、本実施例によれば、CPU210は、対象画像データのうち、重複候補領域JAa、JAbに対応するデータを用いず、下流部分DAa、DAbに対応するデータを用いて、重複候補領域JAa、JAbが特定条件を満たすか否かを推定する(図5のS115)。本実施例では、特定条件は、重複候補領域JAa、JAbが白画素と黒画素のみで構成されていることである。CPU210は、重複候補領域JAbが特定条件を満たさないと推定される場合に(図5のS115にてNO)、重複領域SAbを設定する。すなわち、第1部分印刷(先の部分印刷)にて下流部分DAbを印刷し、第2部分印刷(後の部分印刷)にて上流部分UAbを印刷し、第1部分印刷と第2部分印刷との両方にて重複候補領域JAbを印刷するように、第1部分印刷のための第1部分印刷データと、第2部分印刷のための第2部分印刷データとを生成する(図5のS150、S160)。そして、第1部分印刷と第2部分印刷との間の副走査(シートSの搬送)の搬送量は第1量(D-H)に設定される。
CPU210は、重複候補領域JAbが特定条件を満たすと推定される場合に(下流部分DAb内の全ての画素について図5のS115にてYES)、重複領域を設定しない。すなわち、CPU210は、第1部分印刷にて下流部分DAaを印刷し、第2部分印刷にて上流部分UAaを印刷し、第1部分印刷にて重複候補領域JAaを印刷し第2部分印刷にて重複候補領域JAaを印刷しないように、第1部分印刷データと第2部分印刷データとを生成する(図5のS150)。第1部分印刷と第2部分印刷との間の副走査の搬送量は第1量(D-H)よりも大きな第2量(D-α)に設定される。
上記構成によれば、特定条件が満たされない場合には、重複領域が設けられるので、白筋や黒筋などのバンディングが発生することを抑制できる。さらに、特定条件が満たされる場合には、重複領域が設けられないので、シートSの搬送量を、特定条件が満たされない場合よりも大きくできるので、印刷速度の低下を抑制できる。この結果、印刷速度の低下を抑制しつつ、画質の低下を抑制できる。さらに、下流部分DAa、DAbに対応するデータを用いて、重複候補領域JAa、JAbに対応するデータを用いずに、特定条件を満たすか否かが推定される。この結果、部分印刷データの生成速度の低下、ひいては、印刷速度の低下を抑制することができる。
仮に、重複候補領域内の画素を解析して、重複候補領域内の画像が黒画素と白画素のみで構成されているか否かを判断してから、重複候補領域内の画素に対応するドットデータを生成するとする。この場合には、重複候補領域内の画素を解析するための時間が余分に必要となる。仮に、重複領域を設定する前提で、重複候補領域内の画素に対して重複領域用のドットデータ生成処理を実行し、重複候補領域内に中間色画素がないことが解った時点で重複領域を設定しないと判断するとする。この場合には、重複領域用のドットデータ生成処理で生成されたドットデータを破棄して、通常のドットデータ生成処理を実行し直す必要がある。上述のように、重複領域用のドットデータ生成処理(図7)と、通常のドットデータ生成処理(図6)と、は異なる処理であるためである。特に、本実施例では、対応ノズルの特性値を用いたハーフトーン処理が実行されるために、通常のドットデータ生成処理にて生成されるドットデータと、重複領域用のドットデータ生成処理(図7)にて生成されるドットデータと、は互いに異なる。いずれの場合であっても部分印刷データの生成時間が長くなり、ひいては、印刷時間が長くなる可能性がある。本実施例によれば、このような不都合を抑制して印刷時間が長くなることを抑制できる。
さらに、本実施例では、重複領域が設けられない場合のシート搬送Tの搬送量である第2量は、ノズル長Dよりも小さな量(D-α)である。この結果、上述したように重複候補領域JAaと上流部分UAaとの間に白筋が現れることを抑制できる。
さらに、上記実施例では、下流部分DAaが黒画素と白画素のみを含む場合に、換言すれば、RGB画像データのうち、下流部分DAaに対応する部分データが、黒インクの色である黒色を示す画素データと、シートSの色で表現されるべき白色を示す画素データと、のみを含む場合に、下流部分DAaが特定条件を満たすと推定する(図5のS115、図9(A))。この結果、重複候補領域JAaが特定条件を満たすか否かを適切に推定できる。例えば、重複候補領域JAaが黒インクで表現される最も濃い色である黒色のみで構成される場合に、重複候補領域JAaが特定条件を満たすと推定できる。この場合には、重複領域を設けなくてもバンディングの問題がない場合に、重複候補領域JAaが特定条件を満たすと推定できる。
ここで、下流部分に基づく推定に誤りがある可能性もある。本実施例では、このような推定の誤りに対応するための処理が含まれているので、図10を参照して説明する。
図10(A)の対象画像RIcおよび印刷画像PIcでは、ヘッド位置P1cにて実行される部分印刷に対応する部分領域RA1cは、部分領域RA1cの上流端を含む重複候補領域JAcと、重複候補領域JAcよりも下流側に位置する下流部分DAcと、を含んでいる。また、対象画像RIcおよび印刷画像PIcは、重複候補領域JAcよりも上流側に位置する上流部分UAcを含む。
図10(A)の例では、重複候補領域JAcは、黒文字TXとは異なるオブジェクト、具体的には、写真POを含んでいる。この場合には、上述したように、重複候補領域JAcは、重複領域SAcとして設定されることが好ましい。すなわち、重複候補領域JAc内の画像は、図10(A)に示すように、ヘッド位置P1cで行われる部分印刷とヘッド位置P2cで行われる次の部分印刷(部分領域RA2cに対応)との両方で印刷されることが好ましい。
しかしながら、図10(A)の例では、下流部分DAcは、オブジェクトとして黒文字TXのみを含んでいる。このために、重複候補領域JAc内の画素が処理される前の推定の段階では、重複候補領域JAcは重複領域SAcに設定されない。すなわち、下流部分DAcに基づく推定は、誤りである。本実施例では、重複候補領域JAc内の画素が注目画素として処理される際に(図5のS110にてYES)、重複候補領域JAcが重複領域SAcに設定されていない場合には(図5のS125にてNO)、注目画素が白画素または黒画素であるか否かが判断される(図5のS130)。そして、注目画素が白画素でもなく、黒画素でもない場合、すなわち、注目画素が中間色画素である場合には(図5のS130にてNO)、CPU210は、重複候補領域JAcを重複領域SAcに設定して(図5のS135)、次の注目画素を重複領域SAcの先頭に戻す(図5のS140)。
以上の説明から解るように、本実施例では、重複候補領域JAcが特定条件を満たすと推定される場合に、CPU210は、重複領域SAcを設定することなく、重複候補領域JAc内の画素について部分印刷データの生成を開始した後に、対象画像データのうちの重複候補領域JAcに対応するデータを用いて、重複候補領域JAcが特定条件を満たすか否かを判断する(図5のS130)。CPU210は、重複候補領域JAcが特定条件を満たさないと判断される場合に(図5のS130にてNO)、重複領域SAcを設定して、重複領域SAcのための部分印刷データを生成し直す(図5のS140、S160)。
推定が誤っており、実際には重複候補領域JAcが特定条件を満たさない場合に、仮に重複領域SAcを設定しないとすると、画質が低下し得る。本実施例では、このような場合には、重複領域SAcを設定して、重複領域SAcのための部分印刷データを生成し直すので、部分印刷データの生成速度は低下し得るが、印刷画像の画質の低下を抑制できる。
図10(B)の対象画像RIdおよび印刷画像PIdでは、ヘッド位置P1dにて実行される部分印刷に対応する部分領域RA1dは、部分領域RA1dの上流端を含む重複候補領域JAdと、重複候補領域JAdよりも下流側に位置する下流部分DAdと、を含んでいる。また、対象画像RIdおよび印刷画像PIdは、重複候補領域JAdよりも上流側に位置する上流部分UAdを含む。
図10(B)の例では、重複候補領域JAdは、黒文字TXのみを含んでいる。この場合には、上述したように、重複候補領域JAdは、重複領域SAdとして設定されないことが好ましい。
しかしながら、図10(B)の例では、下流部分DAdは、オブジェクトとして黒文字TXとは異なるオブジェクト、具体的には、写真POを含んでいる。このために、重複候補領域JAd内の画素が処理される前の推定の段階で、重複候補領域JAdは重複領域SAdに設定される。すなわち、下流部分DAdに基づく推定は、誤りである。本実施例では、この場合には、推定が誤っていたとしても、重複領域SAd内の画素が注目画素として処理される際に(図5のS110にてYES)、重複候補領域JAdが重複領域SAdに設定されている場合には(図5のS125にてYES)、注目画素が白画素または黒画素であるか否かは判断されない。このために、この場合には、重複領域SAdが設定されたままで、重複領域SCdのための部分印刷データが生成され(図5のS160)、印刷が行われる。すなわち、重複領域SCdは、ヘッド位置P1dで行われる部分印刷とヘッド位置P2dで行われる次の部分印刷(部分領域RA2dに対応)との両方で印刷される。
以上の説明から解るように、本実施例では、重複候補領域JAdが特定条件を満たさないと推定される場合に、CPU210は、実際には、重複候補領域JAdが特定条件を満たす場合であっても、部分印刷データを生成し直さない。そして、重複領域SCdの設定を維持したままで印刷が行われる。
重複候補領域JAdが特定条件を満たさないと推定される場合には、重複領域SCdが設定される。この場合には、推定が誤っていたとしても画質の低下は発生しない。また、仮に重複領域SCdを設定しないように、部分印刷データを生成し直したとすると、処理時間が増大するために印刷速度が低下する可能性がある。このために、仮に、部分印刷データを生成し直したとしても、シートSの搬送量を長くできるメリットよりも、処理時間が増大するデメリットが大きくなる可能性がある。本実施例では、この場合には、部分印刷データを生成し直さないので、部分印刷データを生成し直すことに起因して印刷速度が低下することを抑制できる。
以上の説明から解るように、実施例の搬送方向ARは、副走査方向の例であり、搬送部140は、副走査部の例であり、重複候補領域JAa~JAdは、特定部分の例である。
B.変形例
(1)上記実施例では、下流部分が白画素と黒画素のみで構成される場合に、該下流部分の上流側に隣接する重複候補領域は、重複領域に設定されない。すなわち、下流部分が白画素と黒画素のみで構成される場合に、重複候補領域は、特定条件を満たすと推定される。この推定方法は一例であり、これに限られない。
例えば、CPU210は、下流部分に対応するRGB画像データを用いて生成されるドットデータに基づいて、重複候補領域が特定条件を満たすか否かを推定しても良い。具体的には、CPU210は、下流部分に対応するドットデータに基づいて形成されるドットが、黒の大ドットのみである場合に、重複候補領域は特定条件を満たすと推定しても良い。
また、CPU210は、下流部分における黒画素や黒の大ドットの搬送方向ARの連続性を考慮して、重複候補領域が特定条件を満たすか否かを推定しても良い。図11を参照して、その一例を説明する。図11は、変形例の推定方法の説明図である。
図11(A)、(B)には、ドットで形成される印刷画像PIe、PIfの一例が図示されている。図11(A)の印刷画像PIeは、下流部分DAeと、重複候補領域JAeと、上流部分UAeと、を含んでいる。例えば、CPU210は、下流部分DAeのうち、重複候補領域JAeと隣接する所定領域AAe(ハッチング部分)に、大ドット群DGのみが形成されるか否かを判断する。大ドット群DGは、搬送方向ARに所定個数(図11(A)では、4個)以上連続する複数個の黒の大ドットDTである。図11(A)のように、所定領域AAeに、大ドット群DGのみが形成される場合には、CPU210は、重複候補領域JAeは特定条件を満たすと推定する。したがって、この場合には、重複候補領域JAeは重複領域に設定されない。所定領域AAeに、大ドット群DGのみが形成される場合には、重複候補領域JAeには、所定領域AAeに大ドット群DGと連続性を有する黒の大ドットが形成される可能性が高いと考えられるためである。このような大ドットは、例えば、黒文字を示す。
図11(B)の印刷画像PIfは、下流部分DAfと、重複候補領域JAfと、上流部分UAfと、を含んでいる。図11(B)の例では、下流部分DAfのうち、重複候補領域JAfと隣接する所定領域AAf(ハッチング部分)は、大ドット群DGを構成しない大ドットDTを含んでいる。この場合には、CPU210は、重複候補領域JAfは特定条件を満たさないと推定する。したがって、この場合には、重複候補領域JAfは重複領域に設定される。大ドット群DGを構成しないドットDT(例えば、他の色のドット、中ドット、小ドット、孤立した大ドット)は、例えば、写真POなどの中間色を表現する網点を構成していると考えられる。
なお、CPU210は、下流部分の所定領域AAe、AAfに大ドット群DGのみが形成されるか否かの判断を、RGB画像データに基づいて行っても良いし、ドットデータに基づいて行っても良い。
(2)上記実施例では、特定条件は、重複候補領域内の複数個の画素が黒画素と白画素のみを含むことである。特定条件は、これに限られない。より一般的に言えば、特定条件は、印刷時において、重複候補領域(例えば、図11(A)のJAe)に対応するドット(第1端ドットと呼ぶ)のうち、上流端に形成されるドットと、上流部分(例えば、図11(A)のUAe)の下流端に位置するドット(第2端ドットと呼ぶ)と、が重なる場合に表現される色と、第1端ドットと第2端ドットとが重ならない場合に表現される色と、の相違に関する指標(例えば、濃度、彩度、明度)が基準以下である場合に満たされる条件である。このような場合には、第1端ドットと第2端ドットとが重なったとしても黒筋が目立ち難いので、重複候補領域を、重複領域として設定する必要性が低いためである。
例えば、特定条件は、重複候補領域内の複数個の画素が、黒画素と、黒とは異なるインクに対応する色(例えば、シアン、マゼンタ)の画素と、白画素と、のみを含むことであっても良い。この場合には、例えば、下流部分内の複数個の画素が、黒画素と、黒とは異なるインクに対応する色(例えば、シアン、マゼンタ)の画素と、白画素と、のみを含む場合に、重複候補領域は特定条件を満たすと推定されても良い。あるいは、特定条件は、重複候補領域内の複数個の画素が、特定の基準濃度より濃い色の画素と、白画素と、のみを含むことであっても良い。この場合には、下流部分内の複数個の画素が、特定の基準濃度より濃い色の画素と、白画素と、のみを含む場合に、重複候補領域は特定条件を満たすと推定されても良い。
また、黒画素と判断される画素は、RGB値が(0、0、0)である画素に加えて、他の画素を含んでも良い。例えば、黒画素と判断される画素は、RGB値が(1、1、1)である画素を含んでも良い。例えば、特定の色を表現するドットが他のドットと重なったとしても、当該重なりによる色の変化が小さく、当該重なりの部分が濃い色の筋(黒筋)として目立ち難い場合には、当該特定の色を有する画素が、他の画素として加えられる。例えば、RGB値が上述の条件を満たす所定範囲内のRGB値を有する画素、具体的には、RGB値が(2、2、2)である画素やRGB値が(1、2、2)である画素が、他の画素として加えられても良い。また、黒画素と判断される画素は、例えば、印刷媒体の種類や印刷モードによって変更されても良い。
また、CPU210は、対象画像データのうち、下流部分に対応するデータを解析して、下流部分に示されるオブジェクトの種類と位置を特定しても良い。この場合には、CPU210は、下流部分に示されるオブジェクトが文字のみである場合には、重複候補領域は特定条件を満たすと推定し、下流部分に示されるオブジェクトが文字とは異なるオブジェクトを含む場合には、重複候補領域は特定条件を満たさないと推定しても良い。
また、上記実施例または変形例において、重複候補領域が特定条件を満たすか否かを推定する際に用いられる範囲は、下流部分の全体である必要はない。例えば、下流部分のうちの一部、例えば、重複候補領域に隣接する一部や重複候補領域に比較的近い一部に基づいて、重複候補領域が特定条件を満たすか否かが推定されても良い。
(3)上記実施例では、重複候補領域JAa、JAb(図9)は、対象画像RIa、RIbのうち、ヘッド位置P1a、P1bでの部分印刷にて印刷される部分領域RA1a、RA1bの上流端を含んでいる。したがって、ヘッド位置P1aにて印刷される部分領域RA1a、RIbには、重複候補領域JAa、JAbよりも上流部分は含まれない。これに代えて、重複候補領域よりも上流側に、常に重複領域として設定される領域(固定重複領域とも呼ぶ)を設けても良い。
図12は、変形例の印刷の説明図である。図12(A)の対象画像RIgおよび印刷画像PIgでは、ヘッド位置P1gにて実行される部分印刷に対応する部分領域RA1gは、重複候補領域JAgと、重複候補領域JAgよりも下流側に位置する下流部分DAgと、重複候補領域JAgよりも上流側に位置する固定重複領域SAxと、を含んでいる。図12(A)の例では、下流部分DAgは黒文字TXのみを含む。このために、下流部分DAgに基づく推定によって、重複候補領域JAgおよび固定重複領域SAxが特定条件を満たすと推定されるので、重複候補領域JAgは、重複領域に設定されない。本変形例では、この場合にも固定重複領域SAxは、重複領域に設定される。したがって、ヘッド位置P1gでの部分印刷とヘッド位置P2gでの部分印刷(部分領域RA2gに対応)との間のシート搬送T1gの搬送量は、例えば、ノズル長Dから固定重複領域SAxの搬送方向ARの幅Hを減じた量(D-H)に設定される。
図12(B)の対象画像RIhおよび印刷画像PIhでは、ヘッド位置P1hにて実行される部分印刷に対応する部分領域RA1hは、重複候補領域JAhと、重複候補領域JAhよりも下流側に位置する下流部分DAhと、重複候補領域JAhよりも上流側に位置する固定重複領域SAxと、を含んでいる。図12(B)の例では、下流部分DAhは黒文字TXとは異なるオブジェクトである写真POを含む。このために、下流部分DAhに基づく推定によって、重複候補領域JAhおよび固定重複領域SAxが特定条件を満たさないと推定されるので、重複候補領域JAhは、重複領域に設定される。本変形例では、この場合には、固定重複領域SAxと重複候補領域JAhとの両方が、重複領域に設定される。したがって、ヘッド位置P1hでの部分印刷とヘッド位置P2hでの部分印刷(部分領域RA2hに対応)との間のシート搬送T1hの搬送量は、例えば、ノズル長Dから2個の重複領域SAh、SAxの搬送方向ARの幅の合計(2H)を減じた量(D-2H)に設定される。
換言すれば、図12の本変形例では、下流部分DAg、DAhに基づく推定によって、設けるべき重複領域の搬送方向ARの幅が変更される。
(4)シートSに代えて、他の媒体、例えば、OHP用のフィルム、CD-ROM、DVD-ROM、綿や化繊の織物などの布地、スマートフォンの樹脂製のケースが採用されても良い。
(5)上記実施例の印刷機構100では、副走査部としての搬送部140は、シートSを搬送することによって、印刷ヘッド110に対してシートSを搬送方向AR(副走査方向)に相対的に移動させている。これに代えて、副走査部は、固定されたシートSに対して、印刷ヘッド110を副走査方向と反対方向に移動させることによって、印刷ヘッド110に対してシートSを副走査方向に相対的に移動させる構成であっても良い。また、副走査部は、例えば、印刷ヘッド110のノズル形成面111と対向する位置において印刷媒体としてのスマートフォンのケースを支持するステージと、当該ステージを副走査方向に移動させる機構(例えば、モータやギヤを含む機構)と、を備える構成であっても良い。
(6)上記実施例では、主走査方向は、搬送方向AR(副走査方向)と直角に交差する方向である。これに代えて、主走査方向は、搬送方向ARと斜めに交差する方向であっても良い。
(7)上記実施例では、図5の印刷処理を実行する制御装置は、CPU210である。これに代えて、図5の印刷処理を実行する制御装置は、ASICなどの専用のハードウエア回路であっても良く、CPUと専用のハードウエア回路とを組み合わせた制御回路であっても良い。すなわち、実施例では、図5の印刷処理は、ソフトウェアによって実現されているが、印刷処理の一部あるいは全部は、ハードウエア回路によって実現されても良い。
(8)図5の印刷処理は、プリンタ200と通信可能な他の装置、例えば、図示しないユーザの端末装置によって実行されても良い。この場合には、例えば、端末装置は、ドライバプログラムを実行することによってプリンタドライバとして動作し、該プリンタドライバとしての機能の一部としてプリンタを制御して、図5の印刷処理を実行する。この場合には、端末装置は、部分印刷データと搬送量を示す制御データとを含む印刷ジョブを、プリンタに供給することによって、プリンタに印刷を実行させる。
また、図5の印刷処理は、例えば、プリンタや端末装置から画像データを取得して該画像データを用いて印刷ジョブを生成するサーバによって実行されても良い。このようなサーバは、ネットワークを介して互いに通信可能な複数個の計算機であっても良い。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
100…印刷機構,110…印刷ヘッド,111…ノズル形成面,120…ヘッド駆動部,130…主走査部,133…キャリッジ,134…摺動軸,140…搬送部,141…上流側ローラ対,141a…駆動ローラ,141b…従動ローラ,142…下流側ローラ対,142a…駆動ローラ,142b…従動ローラ,143…ピックアップローラ,16…アーム,18…外側ガイド部材,19…内側ガイド部材,20…給紙トレイ,200…プリンタ,21…排紙トレイ,210…CPU,220…不揮発性記憶装置,230…揮発性記憶装置,231…バッファ領域,260…操作部,270…表示部,280…通信部,50…プラテン,AR…搬送方向,AX1…軸,BG…背景,CP…コンピュータプログラム,D…ノズル長,Ik…インク,NC…ノズル列,NT…ノズル間隔,NZ…ノズル

Claims (11)

  1. 印刷実行部と制御装置とを備える印刷装置であって、
    前記印刷実行部は、
    インクを吐出する複数個のノズルであって副走査方向の位置が互いに異なる前記複数個のノズルを有する印刷ヘッドと、
    印刷媒体に対して前記副走査方向と交差する主走査方向に沿って前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する主走査部と、
    前記印刷ヘッドに対して前記副走査方向に沿って前記印刷媒体を移動させる副走査を実行する副走査部と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    複数個の画素で構成される対象画像を示す対象画像データを取得し、
    前記印刷媒体に印刷される際の前記対象画像における前記副走査方向の下流側から上流側に向かう順序で前記対象画像データを処理して、複数個の部分印刷データを生成し、
    前記複数個の部分印刷データを用いて、前記主走査を行いつつ前記印刷ヘッドからインクを吐出させる部分印刷と、前記副走査と、を、前記印刷実行部に複数回に亘って実行させ、
    前記対象画像は、特定部分と、前記特定部分よりも前記副走査方向の下流側に位置する下流部分と、前記特定部分よりも前記副走査方向の上流側に位置する上流部分と、を含み、
    複数回の前記部分印刷は、前記複数個の部分印刷データのうちの第1部分印刷データを用いて実行される第1部分印刷と、前記第1部分印刷の次に前記複数個の部分印刷データのうちの第2部分印刷データを用いて実行される第2部分印刷と、を含み、
    前記制御装置は、前記対象画像データのうち、前記特定部分に対応するデータを用いず、前記下流部分に対応するデータを用いて、前記特定部分が特定条件を満たすか否かを推定し、
    前記特定部分が前記特定条件を満たさないと推定される場合に、前記制御装置は、
    前記第1部分印刷にて前記下流部分の少なくとも一部を印刷し、前記第2部分印刷にて前記上流部分の少なくとも一部を印刷し、前記第1部分印刷と前記第2部分印刷との両方にて前記特定部分を印刷するように、前記第1部分印刷データと前記第2部分印刷データとを生成し、
    前記第1部分印刷と前記第2部分印刷との間の前記副走査の搬送量を第1量に設定し、
    前記特定部分が前記特定条件を満たすと推定される場合に、前記制御装置は、
    前記第1部分印刷にて前記下流部分の少なくとも一部を印刷し、前記第2部分印刷にて前記上流部分の少なくとも一部を印刷し、前記第1部分印刷にて前記特定部分を印刷し前記第2部分印刷にて前記特定部分を印刷しないように、前記第1部分印刷データと前記第2部分印刷データとを生成し、
    前記第1部分印刷と前記第2部分印刷との間の前記副走査の搬送量を前記第1量よりも大きな第2量に設定する、印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記特定部分は、前記対象画像のうち、前記第1部分印刷にて印刷される部分の前記副走査方向の上流端を含み、
    前記特定部分が前記特定条件を満たすと推定される場合に、前記制御装置は、前記第1部分印刷にて前記上流部分を印刷しない、印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記第2量は、前記印刷ヘッドのノズル長よりも小さな量である、印刷装置。
  4. 請求項3に記載の印刷装置であって、
    前記特定条件は、前記特定部分に対応するドットのうち、前記副走査方向の上流端に位置する複数個の第1端ドットと、前記上流部分に対応するドットのうち、前記副走査方向の下流端に位置する複数個の第2端ドットと、が重なる場合に表現される色と、前記複数個の第1端ドットと前記複数個の第2端ドットとが重ならない場合に表現される色と、の相違に関する指標が基準以下である場合に満たされる条件である、印刷装置。
  5. 請求項4に記載の印刷装置であって、
    前記制御装置は、前記下流部分の少なくとも一部に対応する部分データが、特定のインクの色を示す画素データと、前記印刷媒体の色で表現されるべき色を示す画素データと、のみを含む場合に、前記特定部分が前記特定条件を満たすと推定する、印刷装置。
  6. 請求項5に記載の印刷装置であって、
    前記特定のインクの色を示す画素データは、黒色を示す画素データであり、
    前記印刷媒体の色で表現されるべき色を示す画素データは、白色を示す画素データである、印刷装置。
  7. 請求項4に記載の印刷装置であって、
    前記制御装置は、前記下流部分に対応するデータに基づいて、前記下流部分のうち、前記特定部分と隣接する所定領域に、1以上の連続ドット群のみが形成されると判断される場合に、前記特定部分が前記特定条件を満たすと推定し、
    前記連続ドット群は、前記副走査方向に連続する複数個のドットである、印刷装置。
  8. 請求項4に記載の印刷装置であって、
    前記制御装置は、
    前記下流部分のうちの所定領域に含まれるオブジェクトの種類を特定し、
    前記所定領域が文字のみを含む場合に、前記特定部分が前記特定条件を満たすと推定する、印刷装置。
  9. 請求項1~8のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記特定部分が前記特定条件を満たすと推定される場合に、前記制御装置は、
    前記第1部分印刷にて前記特定部分を印刷し前記第2部分印刷にて前記特定部分を印刷しないように、前記第1部分印刷データの生成を開始した後に、前記対象画像データのうち、前記特定部分に対応するデータを用いて、前記特定部分が特定条件を満たすか否かを判断し、
    前記特定部分が前記特定条件を満たさないと判断される場合に、前記第1部分印刷と前記第2部分印刷との両方にて前記特定部分を印刷するように、前記第1部分印刷データを生成し直す、印刷装置。
  10. 請求項9に記載の印刷装置であって、
    前記特定部分が前記特定条件を満たさないと推定される場合に、前記制御装置は、前記特定部分が前記特定条件を満たす場合であっても、前記第1部分印刷データを生成し直さない、印刷装置。
  11. 印刷実行部を制御するためのコンピュータプログラムであって、
    前記印刷実行部は、
    インクを吐出する複数個のノズルであって副走査方向の位置が互いに異なる前記複数個のノズルを有する印刷ヘッドと、
    印刷媒体に対して前記副走査方向と交差する主走査方向に沿って前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する主走査部と、
    前記印刷ヘッドに対して前記副走査方向に沿って前記印刷媒体を移動させる副走査を実行する副走査部と、
    を備え、
    前記コンピュータプログラムは、
    複数個の画素で構成される対象画像を示す対象画像データを取得する取得機能と、
    前記印刷媒体に印刷される際の前記対象画像における前記副走査方向の下流側から上流側に向かう順序で前記対象画像データを処理して、複数個の部分印刷データを生成する生成機能と、
    前記複数個の部分印刷データを用いて、前記主走査を行いつつ前記印刷ヘッドからインクを吐出させる部分印刷と、前記副走査と、を、前記印刷実行部に複数回に亘って実行させる実行機能と、
    をコンピュータに実現させ、
    前記対象画像は、特定部分と、前記特定部分よりも前記副走査方向の下流側に位置する下流部分と、前記特定部分よりも前記副走査方向の上流側に位置する上流部分と、を含み、
    複数回の前記部分印刷は、前記複数個の部分印刷データのうちの第1部分印刷データを用いて実行される第1部分印刷と、前記第1部分印刷の次に前記複数個の部分印刷データのうちの第2部分印刷データを用いて実行される第2部分印刷と、を含み、
    前記コンピュータプログラムは、前記対象画像データのうち、前記特定部分に対応するデータを用いず、前記下流部分に対応するデータを用いて、前記特定部分が特定条件を満たすか否かを推定する推定機能をコンピュータに実現させ
    前記特定部分が前記特定条件を満たさないと推定される場合に、前記生成機能は、
    前記第1部分印刷にて前記下流部分の少なくとも一部を印刷し、前記第2部分印刷にて前記上流部分の少なくとも一部を印刷し、前記第1部分印刷と前記第2部分印刷との両方にて前記特定部分を印刷するように、前記第1部分印刷データと前記第2部分印刷データとを生成し、
    前記第1部分印刷と前記第2部分印刷との間の前記副走査の搬送量は第1量に設定され、
    前記特定部分が前記特定条件を満たすと推定される場合に、前記生成機能は、
    前記第1部分印刷にて前記下流部分の少なくとも一部を印刷し、前記第2部分印刷にて前記上流部分の少なくとも一部を印刷し、前記第1部分印刷にて前記特定部分を印刷し前記第2部分印刷にて前記特定部分を印刷しないように、前記第1部分印刷データと前記第2部分印刷データとを生成し、
    前記第1部分印刷と前記第2部分印刷との間の前記副走査の搬送量は前記第1量よりも大きな第2量に設定される、コンピュータプログラム。
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