JP2017094617A - 液体吐出装置、液体吐出ユニット、液体吐出装置の制御方法、及びプログラム - Google Patents

液体吐出装置、液体吐出ユニット、液体吐出装置の制御方法、及びプログラム Download PDF

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広 松本
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Abstract

【課題】駆動ノズル数が少ない場合でも、インク滴の吐出速度の変動による画像品質の劣化を低減することができる液体吐出装置を提供する。【解決手段】駆動データを生成するステップは、走査画像が重なるオーバーラップ領域における駆動データにインク滴を吐出させない位置の分布を予め定めた初期マスクを適用するステップと(ステップS1)、初期マスクを適用した後において記録ヘッドの全体から吐出されるインク滴の数が所定範囲に収まるか否かを判定するステップと(ステップS3)、インク滴の数が所定の範囲に収まらない場合に、記録ヘッドの全域から吐出されるインク滴の数が所定範囲に収まるようにオーバーラップ領域において駆動されるヘッド数を増す全ノズル吐出マスク又は減じる全ノズル不吐出マスクを適用するステップと(ステップS4)、を含む。【選択図】図16

Description

本発明は、液体吐出装置、液体吐出ユニット、液体吐出装置の制御方法、及びプログラムに関する。
従来、液滴吐出装置の一形態として、インクジェット方式の記録ヘッドを備えた画像形成装置が知られている。このタイプの画像形成装置は比較的安価に構成できることから、個人・業務用を問わず、様々なユーザに使用されている。ユーザは高品質な画像を望んでおり、この要望に応えるためには、インク滴を吐出して画像を形成するこの画像形成装置においては、インク滴を狙いの位置に着弾させる必要がある。
画像形成に際しては、駆動ノズル数、即ち同一記録ヘッド内の同時にインク滴を吐出するノズルの数がばらつき、インク滴の吐出速度(Vj)が均一にならない。その結果としてインク滴の記録紙への着弾位置がばらつくことになる。このためインク滴が所望の位置に着弾せず、記録画像の品質が劣化するといった問題があった。
インク滴の吐出速度(Vj)の変動による記録画像の劣化を低減するため、駆動ノズル数を予め検知して、駆動ノズル数に応じて、記録ヘッドに印加する駆動電圧を制御する技術が既に知られている。
特許文献1には、記録ヘッドの吐出特性の変動を抑制し、画像劣化を低減する目的で、駆動ノズル数の検出を行い、ノズル数に応じて駆動電圧を制御する、即ち駆動波形を補正する技術が開示されている。
しかしながら、従来の技術にあっては、駆動ノズル数が少ない場合には画像劣化が低減できないといった問題があった。
また、特許文献1に記載のものにあっても駆動ノズル数が少ない場合の滴吐出速度の特性が改善できず、画像品質劣化を充分に低減できないという問題は解消できない。更に、回路も規模が大きくてハードウエアを追加するコストもかかるといった問題もあった。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的は、駆動ノズル数が少ない場合でも、インク滴の吐出速度の変動による画像品質の劣化を低減することにある。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、形成データに基づいて生成された駆動データにより複数のノズルから液滴を吐出する液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置において、単一の液体吐出ヘッドで一度に形成される形成対象物の第一の部分が、同一の液体吐出ヘッドによる他のタイミングで形成される形成対象物の第二の部分又は他の液体吐出ヘッドにより形成される形成対象物の第三の部分と重なるように、前記液体吐出ヘッドによる形成を制御する制御部と、前記第一の部分と前記第二の部分又は前記第三の部分の形成対象物のうち所定の形成単位素に当たる駆動データを、前記形成データに基づくそれぞれの液体吐出ヘッドの一度の駆動ノズル数に応じて生成するデータ生成部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、液体吐出ヘッドから一度に吐出される液滴が少ない場合でも、液滴の吐出速度の変動による品質の劣化を低減できる。
本発明の実施形態である画像形成装置の構成を示す模式図である。 同画像形成装置の画像形成状態を示す模式図である。 同画像形成装置の記録ヘッドのノズルの配置状態を示す図である。 同画像形成装置の制御系を示すブロック図である。 (a)(b)は同画像形成装置におけるオーバーラップ領域の形成について説明する模式図である。 同画像形成装置におけるオーバーラップ領域の印字状態を示す模式図である。 画像形成装置における記録ヘッドの駆動ノズル数とインク滴吐出速度の関係を示すグラフ図である。 従来の画像形成装置におけるインク滴吐出速度の補正について説明するグラフ図であり、(a)は各駆動電圧における吐出速度特性を示すグラフ図、(b)は従来の補正の一例を示すグラフ図である。 (a)〜(f)は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の画像変換部における変換処理を説明する図である。 (a)(b)は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の画像変換部の構成を示すブロック図である。 (a)(b)は同画像形成装置における画像の打ち分け処理を示す図である。 同画像形成装置における画像の打ち分け処理を示す図である。 本発明の第1実施形態の変形例に係る画像形成装置における画像の打ち分け処理を示す図である。 (a)〜(c)は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置における画像の打ち分け処理を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置におけるマスク生成処理を説明するグラフ図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置におけるマスク生成処理の手順を示すフローチャートであり、(b)は初期マスクの一例を示す模式図である。 (a)〜(e)は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置における画像の打ち分けの変更処理を示す図である。 (a)〜(c)は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置における画像の打ち分けマスクを示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の効果を説明するためのグラフ図である。 本発明の第2実施形態に係る画像形成装置を説明するものであり、(a)はノズル数とインク滴速度の関係を示すテーブル、(b)はノズル数とインク滴速度の関係を示すグラフ図である。
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
本発明は、駆動ノズル数が少ない場合でも、インク滴の吐出速度の変動による画像品質の劣化を低減するために、以下の構成を有する。
すなわち、本発明の液体吐出装置は、形成データに基づいて生成された駆動データにより複数のノズルから液滴を吐出する液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置において、単一の液体吐出ヘッドで一度に形成される形成対象物の第一の部分が、同一の液体吐出ヘッドによる他のタイミングで形成される形成対象物の第二の部分又は他の液体吐出ヘッドにより形成される形成対象物の第三の部分と重なるように、液体吐出ヘッドによる形成を制御する制御部と、第一の部分と第二の部分又は第三の部分の形成対象物のうち所定の形成単位素に当たる駆動データを、形成データに基づくそれぞれの液体吐出ヘッドの一度の駆動ノズル数に応じて生成するデータ生成部と、を備えることを特徴とする。
以上の構成を備えることにより、液体吐出ヘッドから一度に吐出される液滴が少ない場合でも、液滴の吐出速度の変動による品質の劣化を低減できる。
上記の本発明の特徴に関して、以下、図面を用いて詳細に説明する。
以下、本発明の実施形態に係る液体吐出装置としての画像形成装置を図面に基づいて説明する。
先ず、本発明の実施形態に係る画像形成装置について説明する。
<画像形成装置の構成>
図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す模式図、図2は本発明の実施形態に係る画像形成装置の記録動作を説明する模式図である。
図1に示すように、液滴吐出装置である画像形成装置11において、記録紙Pは、ロール状に巻き取られて配置されている。この記録紙Pは、搬送ローラ2によって副走査方向(Y方向)へと搬送される。
搬送ローラ2は、紙送りモータ9によって回転駆動され、紙送りモータ9は、モータ制御部10によって制御される。搬送された記録紙Pは、プラテン7によって支持される。プラテン7の下部には空気吸引装置3が備えられている。
空気吸引装置3は、プラテン7上に空けられた空気穴から空気を吸引し、記録紙Pのたわみを防止しつつ、記録紙Pをプラテン上で搬送する。
記録紙Pが一定量搬送されると、液体吐出ヘッドとして液滴であるインク滴を吐出する記録ヘッド5Y、5M、5C、5Bkを支持するキャリッジ4が主走査方向(X方向)に走査される。記録ヘッド5Y、5M、5C、5Bkは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)のインク滴を吐出する。なお、本実施形態では、記録ヘッドを4つ備えたこととして説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく記録ヘッドを少なくとも1つ備えていれば良い。
<キャリッジ>
図2に示すように、キャリッジ4は、ガイドロッド6によって支持されており、キャリッジモータ8によって主走査方向に駆動される。
キャリッジモータ8は、モータ制御部10によって制御される。キャリッジ4が主走査方向に走査すると同時に、記録ヘッド5に、主走査方向に対して交差する方向に備えられた複数のノズルからインクが吐出され、記録紙P上に走査画像を形成する。
このような記録紙Pの搬送と、キャリッジ4の走査を繰り返して記録紙Pに画像記録を行う。記録紙Pに記録するべきデータが無くなると、画像記録動作を終了し、記録紙Pはカッター1によって裁断され、搬送ローラ2によって排出される。
各記録ヘッド5Y、5M、5C、5Bkは同様の構造を備え、同様に制御されるため、インク滴の色による区別をしない場合には、単に記録ヘッド5として説明する。
<記録ヘッド>
次に記録ヘッドの構成について説明する。図3は記録ヘッドの構成の一例を示す模式図である。
記録ヘッド5は、複数のノズルN1〜N200を有し、ノズルN1〜N200はキャリッジの移動方向(X方向)に対して垂直な方向(Y方向)に並び、第一のノズル列21及び第二のノズル列22を形成している。第一のノズル列21は、ノズルN2、N4、N6、・・・、N200で構成される。
また第二のノズル列22は、ノズルN1、N3、N5、・・・、N199で構成される。第一のノズル列21、第二のノズル列22は、同色、又は必要に応じて異色のインク滴を吐出することができる。
図2に示したように、キャリッジ4内に複数個配置された各記録ヘッド5の第一のノズル列21、第二のノズル列22からインクが吐出されることで、記録紙P上に画像を形成する。以下、複数のノズルN1〜N200について区別をせずに説明するときには単にノズルNという。
上述したように、記録ヘッド5には複数のノズルNが配置され、各ノズルNからインク滴が吐出される。
記録ヘッド5には、駆動信号で動作するピエゾ素子が配置されている。一つのピエゾ素子は、各ノズルNに対応して同じタイミングで駆動信号が入力される複数の電極が配置されており、それぞれの電極に入力される駆動信号に応じてピエゾ素子が変形してインク滴を吐出する。
このような記録ヘッド5においては、一つのピエゾ素子で駆動されるノズルNの数によってインク滴の吐出速度が変化することが知られている。
ここで駆動されるノズル数は、同時に駆動制御される記録ヘッドのノズル数を意味する。例えば、複数の記録ヘッドが同一の基台に取付けられている場合には、同時に駆動されるピエゾ素子のノズル数によってインク滴の吐出速度が変化する。
<画像形成装置の制御>
次に本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御について説明する。図4は本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御ブロック図である。
画像形成装置11によって画像形成が開始されると、パーソナルコンピュータ(PC)もしくはスキャナ等30から入力画像データがCTL部31へ送られる。CTL部31は入力画像データを、形成データとして画像処理部40へ送る。
この形成データは、画像処理部40によって画像変換処理される。即ち画像処理部40は、形成データに記録ヘッド5の構成に合わせる処理や後述するオーバーラップ印刷に必要な変換処理を行い、駆動データを生成する。
この駆動データは、制御部である画像記録部50に伝送され、画像記録部50では、駆動データが記録ヘッド5を備える記録ヘッド部55に出力される。これと同時に、記録紙Pの搬送、キャリッジの移動を行うことで、記録紙P上に記録を行う。
CTL部31は、記録手段であるRAM32上に入力画像データを保持すると共に、記録エンジン(画像処理部40及び画像記録部50の総称)の特性に合わせた画像処理及び画像変換を行い、形成データを画像処理部40へ送出する。
画像処理部40は、記録手段である画像処理部RAM44上に多値の形成データを記録し、記録した形成データに対し階調処理部42によって小値のデータ(吐出するインク滴の種類に等しい階調数)に変換し、階調補正形成データとする。
データ生成部である画像変換部43は、画像処理部RAM44上の1バンド分の形成データを、外部装置との通信を行うインターフェース41を介して、CPU33から与えられた印刷モードと記録ヘッド部55の構成に合わせて、一度のヘッド走査(1スキャン)で出力する画像単位に形成データを変換して、駆動データを生成する。
ここで、1バンド分の形成データとは、記録ヘッドの印字幅(Y方向)相当の形成データをいう。また、印刷モードとしては、「カラー印刷」、「モノクロ印刷」、「オーバーラップ印刷の有無」の他、後述する各駆動ノズルの印刷順序(マルチパスとインターレース)を指定する。
画像記録部50は、インターフェース53を介して画像処理部40から駆動データを受信し、この駆動データを画像記録部RAM51上へと格納する。
CPU33から通知される紙送り量に応じて、モータ制御部52によって、紙送りモータ9を制御し、記録紙Pを副走査方向へ送る。
記録ヘッド制御部54は、画像記録部RAM51上に保持された駆動データを、記録ヘッド部55へと転送する。記録ヘッド部55は記録ヘッド5Y、5M、5C、5Bkを備える。
この画像記録用駆動データの転送と同期して、モータ制御部52はキャリッジモータ8を制御し、記録ヘッド5を搭載するキャリッジ4を主走査方向へと移動させる。記録ヘッド部55は、転送される駆動データに応じて記録ヘッド5Y、5M、5C、5Bkから記録紙Pに各色のインク滴を吐出する。このインク滴の吐出に伴い、モータ制御部52は、紙送りモータ9を制御し、記録紙Pを副走査方向へと移動させる。
これにより、記録紙Pに走査画像が形成される。この走査画像を繰り返して形成して画像を行い、一定幅分の画像記録を行うと、モータ制御部52はカッターモータ56を制御してカッター1を動作させ記録紙Pをカットする。
本発明において、記録ヘッド5、データ生成部である画像変換部43、制御部である画像記録部50は、液体吐出ユニットとしてのインク滴吐出ユニットを構成し、各ユニットは構成単位であるが一体でなくとも良い。
このような画像形成装置において、記録紙Pに画像を形成するに際しては、記録ヘッド5の一走査で形成される走査画像の端部を重複させることがある。この重複して形成された領域をオーバーラップ領域(重ね領域)という。これにより、走査画像が隣接する部分の画像品質を保持することができる。
<オーバーラップ領域>
図5は同画像形成装置におけるオーバーラップ領域の形成について説明する模式図である。図5(a)はスキャン#nによる走査画像領域におけるオーバーラップ領域を示し、(b)は記録ヘッド5で形成する複数の走査画像のオーバーラップ領域を示している。
先ず、単一の記録ヘッドで複数の走査画像領域を形成する場合について説明する。
これは、単一の記録ヘッド(液体吐出ヘッド)で一度に形成される走査画像領域(形成対象物)の第一の部分が、同一の記録ヘッド(液体吐出ヘッド)による他の走査画像領域(形成対象物)の第二の部分と重なるように画像(形成対象物)を形成する場合に相当する。
<スキャン間オーバーラップ>
記録ヘッド5は、図5(b)に示すように、主走査方向(X方向)に走査しながらインク滴を吐出し、記録紙P上に走査画像を形成する(スキャン#1)。
その後、記録紙Pは副走査方向に搬送され、記録ヘッド5は、再度画像を形成する(スキャン#2)。このとき、記録紙Pの搬送量を、記録ヘッド5の副走査幅に対し、所定のノズル数分だけ減らすことにより、スキャン#1で形成する走査画像61と、スキャン#2で形成する走査画像62の一部を重複させる。
このように重複させて印刷することを、スキャン間オーバーラップと称し、この重複した領域を、スキャン間オーバーラップ領域63とする。
以下、記録ヘッド5の次回の走査(スキャン#2)による走査画像62に更に次回の走査(スキャン#3)の走査画像64を重ね、スキャン間オーバーラップ領域65を形成し、以下これを必要に応じて繰り返す。なお、記録ヘッド5のスキャン#1で形成する走査画像61の上端、記録ヘッド5の最終スキャンで形成する走査画像の下端にはスキャン間オーバーラップ領域は形成しない。
スキャン間オーバーラップ領域63、65、…は、記録紙Pの搬送方向(副走査方向)に対し直交する方向(主走査方向)に記録ヘッド5を走査させ、複数回の記録ヘッドの走査と、複数回の記録用紙の搬送を繰り返して画像形成を行う画像形成装置(シリアル方式のインクジェットプリンタ)のみに用いられる。
<ノズル間オーバーラップ領域>
これに対して、複数のヘッドを、その一部ノズルが重複するように配置して走査画像を重複させて印刷する画像形成装置がある。これは、単一の記録ヘッド(液体吐出ヘッド)で一度に形成される走査画像領域(形成対象物)の第一の部分が、他の記録ヘッド(液体吐出ヘッド)による他の走査画像領域(形成対象物)の第三の部分と重なるように画像(形成対象物)を形成する場合に相当する。
このような画像形成装置では、ノズル間オーバーラップと称し、重複した領域をノズル間オーバーラップ領域と称する。
ノズル間オーバーラップは、シリアル方式のインクジェットプリンタのみならず、記録幅分の記録ヘッドを有し、一度の用紙搬送で画像形成を行う画像形成装置(ラインヘッド方式のインクジェットプリンタ)においても用いられる。
スキャン間オーバーラップ領域で印字される領域と、ノズル間オーバーラップ領域で印字される領域は、どちらも所定のノズル数を重ねて印字するため、画像形成上は特に区別されない。
本発明は、スキャン間オーバーラップ及びノズル間オーバーラップのいずれにも適用され、以下オーバーラップ領域と呼ぶ場合、スキャン間オーバーラップ領域とノズル間オーバーラップ領域両方を含む。
<オーバーラップ領域の画像形成>
図6はオーバーラップ領域の画像形成について示した模式図である。
前述したように、オーバーラップ領域では、副走査位置(ラインヘッドの場合は、主走査位置)が重複したノズルで同一の画像を形成するが、そのままではインク滴が重ねて吐出されてしまい、画像のインク濃度が高くなる。
そのため、画像処理部40の画像変換部43で、オーバーラップ領域の各ノズルのインク吐出を制御して、濃度が高くなることを回避する。
図6には各ノズルのインク吐出制御の一例を示した。上流側の記録ヘッド5−1と、下流側の記録ヘッド5−2とは、オーバーラップ領域71に、図6に示すようにインク滴で形成される形成単位素が重ならないように打ち分ける。
オーバーラップ領域71におけるインク滴の打ち分けは、スキャン間オーバーラップであればスキャン毎の用紙搬送量のばらつき、ヘッド間オーバーラップであればヘッドの組み付け誤差を軽減する目的で行われる。
なお、図6においては、2つの記録ヘッド5−1、5−2が形成する形成単位素を主走査方向及び副走査方向において交互に形成されるように示しているが、通常はランダムなパターンとなるように打ち分けが行われる。
また、図6に示した例では、端部の10ノズル程度を重複させているが、本発明は10ノズルに限定するものではない。ここで、グラフィック用途機では、重複を多くとることが一般的である。
<吐出速度(Vj)の特性>
次に一つの記録ヘッドにおけるノズルの駆動数と、インク滴の吐出速度との関係について説明する。図7は各駆動ノズル数における吐出速度(Vj)の特性を表す図である。
ここで、駆動ノズル数とは、同一記録ヘッド内の同時にインク滴を吐出するノズルの数、即ち、同時に駆動制御される記録ヘッドのノズル数を意味する。例えば、複数の記録ヘッドが同一の基台に取付けられている場合には、同時に駆動されるピエゾ素子のノズル数によってインク滴の吐出速度が変化する。
駆動ノズル数に応じて、滴吐出速度(Vj)は大きく変動する。変動する理由には、構造的な要因と電気的な要因がある。構造的な要因として、ピエゾ(圧電素子)アクチュエータ方式の記録ヘッドの場合の一例を挙げる。
この方式では、ピエゾに駆動波形を印加して圧電素子を変異させることで、加圧室内のインクを加圧し、ノズルからインク滴を吐出させる。
このとき、駆動ノズル数によって加圧室内のインクへ加わる圧力が変化し、滴速度が変化する。サーマル方式のインクジェット記録装置であっても、加圧液室内でバブルを発生させてインクを加圧するので、同様の現象が起こる。
電気的な要因としては、記録ヘッドは、駆動ノズル数及び配線長によって、キャパシタンス、インダクタンスが変化するような振る舞いをする。この変化によって駆動波形生成回路から出力される波形に変動が生じ、インク滴吐出速度(Vj)に影響することになる。
駆動ノズル数によって、どちらの要因の影響が支配的なのかが異なる。駆動ノズル数が少ない駆動ノズル数n1付近は、構造的な要因による影響が大きい。駆動ノズル数n2を超えると、電気的な要因による影響が大きい。
電気的な要因による滴吐出速度(Vj)変動のばらつきは、回路定数の調整などで比較的容易に小さくすることができるが、構造的な要因によるばらつきを小さくすることは難しい。
<インク滴吐出特性の補正>
従来、このインク滴吐出特性の補正については以下のように行っている。
図8は従来のインク滴吐出特性の補正方法について示した図である。即ち、従来の補正方法では、駆動ノズル数に応じて駆動電圧Vを切り替える。図8(a)は、各駆動電圧Vにおける、インク滴吐出速度(Vj)特性の一例を示している。図8(b)は、駆動ノズル数に応じて駆動電圧を切り替えた場合のインク滴吐出速度(Vj)特性を示している。
基準速度に近くなるように、駆動電圧を切り替える。即ち各電圧特性曲線のうち基準内にある部分を集める。図8(b)の例では、駆動ノズル数に応じて5段階で駆動電圧Vを切り替えるようにしている。
しかし、従来の制御では以下の問題がある。
(1)駆動ノズル数小の領域(構造的要因の影響大の領域)は変化が急峻で、影響を充分に低減できない。
(2)ヘッドの個体差によって、駆動電圧−インク滴吐出速度(Vj)特性は異なり、ヘッド毎に調整が必要であり手間がかかる。
(3)実際には駆動電圧はすぐには切り替えることが難しく、駆動ノズル数の切り替わり時に狙いのVjとすることは容易ではない。
<第1実施形態>
<画像変換部>
以下、本発明の第1実施形態に係る画像変換部における処理について説明する。
図9(a)〜(f)は画像変換部における変換処理について説明する図である。
図9では、各升目は、記録画像の1形成単位素を意味する。画像変換部43における処理は、前述したように、印刷モードと記録ヘッド部55の構成に合わせて、一度のヘッド走査(1スキャン)で出力する画像単位に駆動データを変換する。印刷モードとは、例えば図10に示したような、画像記録を行う場合の印字順序である。図中の数字はヘッド走査順を示しており、このパターンに従って駆動データが形成される。ここで、パスは、主走査方向の単位素形成の打ち分け方法を表し、インターレースは、副走査方向の単位素形成の打ち分け方法を表す。
即ち、1パスでは、記録画像の主走査方向の単位素形成を、1回のスキャンですべて印字し、4パスでは、記録画像の主走査方向の単位素形成を、4回のスキャンに分けて印字する。
1/1インターレースでは、記録画像の副走査方向の単位素形成を、1回のスキャンですべて印字する。1/4インターレースでは、記録画像の副走査方向の単位素形成を、4回のスキャンですべて印字する。
図9はこれを組み合わせた状態を表している。例えば、4パス1/4インターレースの図の場合、最初のスキャンでは、「1」と書かれた部分の駆動ノズルのみを形成する。次のスキャンでは、「2」と書かれた駆動ノズルのみを形成する(主走査・副走査に繰り返す)。
<画像変換部の処理>
次に画像変換部43の処理について説明する。
図10は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の画像変換部の構成を示す図である。図10(a)は画像変換部43の処理の流れを示すブロック図であり、(b)は1スキャン分画像領域を示す図である。
画像変換部43へ入力された階調補正形成データは、画像振り分け部81によって、一度のヘッド走査(1スキャン)で出力する画像単位に画像処理部RAM44の1スキャン分画像領域93へ記録される。
図9で説明したように、印刷モードと記録ヘッドの構成によって、駆動データは座標によってどのスキャンで印字されるのかが異なる。
画像振り分け部81は、入力される階調補正形成データを、先頭ラインから順次、形成単位素である画素のデータの座標に応じて、1スキャン分画像領域93の異なる領域へ振り分けて格納する。1スキャン分画像領域93の領域数は走査パターン数×2以上分を確保する。
なお、図10(a)においては、1スキャン分画像領域を4つ記載しているが、この1スキャン分画像領域の数は走査パターン数によって異なる。この1スキャン分画像領域に階調補正形成データが1スキャン分(即ち、ノズル数ライン分)格納されると、1スキャン分の画像記録のためのデータが蓄積されたとして、画像読み出し部82は階調補正形成データを読み出す。
画像読み出し部82は、1スキャン分画像領域93のうち、1スキャン分の画像記録のためのデータが蓄積された領域から、形成データを読み出す。このとき、一度のインク滴吐出で出力する階調形成データを同時に読み出していく。1スキャン分画像領域への格納方向、読み出し方向を図10(b)に示している。
その後、一度のインク滴吐出で出力する駆動データに対して、打ち分け制御部83は、オーバーラップ領域において、インク滴を打つ・打たないを決定する。打ち分けを行うためのデータ(駆動データ)は、画像処理部RAM44上に「打ち分け結果(1−2)」、「打ち分け結果(2−3)」、「打ち分け結果(3−4)」、「打ち分け結果(4−1)」として記録されている。
なお、かっこ中の数字(n−m)は、スキャン#nとスキャン#mとのオーバーラップ領域であることを示す。また、図10(a)では「打ち分け結果」領域は4つしか記載していないが、この数は、走査パターン数によって異なる。
本実施形態は、打ち分け制御部83の処理に特徴を有する。打ち分け制御部83は、階調補正形成データから、各インク滴吐出における駆動ノズル数を判別する。判別した駆動ノズル数に応じて、階調補正形成データを変換して駆動データを生成する。
<打ち分け制御部>
次に打ち分け制御部83の処理について説明する。
図11(a)(b)及び図12は本発明の第1実施態体に係る画像形成装置の打ち分け制御部の処理について示すものである。
例えば図6に示したように、スキャン#1とスキャン#2を重ねて印刷する場合、オーバーラップ領域の打ち分けを、スキャン#1(先行するスキャン)の駆動ノズル数から決定する。
スキャン#1の形成データのうち、各ヘッドの主走査1画素分の形成データ、即ち同時に滴吐出を行う形成データのうち、インク滴吐出するデータ数をカウントすれば、各ヘッドの駆動ノズル数が分かる。
これを主走査画素数分繰り返し、打ち分け結果をヘッド毎に主走査画素数分判定する。スキャン#1の形成データより判定した打ち分け結果(1−2)は、画像処理部RAM44に記録し、スキャン#1のオーバーラップ領域(後端側)の打ち分けに用いられる。
図12において、スキャン#1の形成データから求めた駆動ノズル数より判定した打ち分け結果(1−2)は、スキャン#2(後行するスキャン)のオーバーラップ領域(先端側)の打ち分けに使用される。
また同様に、スキャン#2とスキャン#3がオーバーラップ領域を重複させて画像形成を行うとすると、スキャン#2の形成データから求まる駆動ノズル数より、スキャン#2とスキャン#3のオーバーラップ領域の打ち分け結果(2−3)が求まる。
同様に、画像処理部RAM44に記録し、スキャン#2のオーバーラップ領域(後端側)、及びスキャン#3のオーバーラップ領域(先端側)の打ち分けに使用する。打ち分け結果はスキャン毎に異なる。
各主走査位置での各ヘッドの駆動ノズル数が、特定の駆動ノズル数にならないような打ち分けにすると、滴吐出速度(Vj)変動量を小さくすることができる。そのために、各主走査位置での形成データから駆動ノズル数を検出して、打ち分け方を決め、駆動データを生成する。
<画像の打ち分け処理>
図13は本発明の第1実施形態の変形例に係る画像形成装置における画像の打ち分け処理を示す図である。
図12に示した例では、スキャン#1とスキャン#2の打ち分け結果を、スキャン#1の駆動ノズル数から定めていたが、この例ではスキャン#2の駆動ノズル数を同時に判定の基準としている。この処理により、より高い効果を得ることができる。
図10に基づいて説明した処理において1スキャン分画像領域93のうち、スキャン#2(後行するスキャン)の1スキャン分画像領域にも形成データが蓄積されてから、画像読み出し部82が形成データを読み出すようにする。
このときに画像読み出し部82は、スキャン#1(先行するスキャン)の主走査1画素分の形成データと、同じ主走査位置のスキャン#2(後行するスキャン)の主走査1画素分の形成データを、打ち分け制御部83に入力するようにする。
打ち分け制御部83は、スキャン#1とスキャン#2の両方の形成データから、駆動ノズル数を判定し、打ち分け判定を行う。
このとき、スキャン#2とスキャン#3との打ち分け結果は未定であり、スキャン#2の駆動ノズル数は暫定であることから、スキャン#1の駆動ノズル数が、特定の駆動ノズル数とならないことを優先させる。
図14(a)〜(c)は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置における画像の打ち分け処理を示す図である。
打ち分け制御部83では、前述したように打ち分けの判定を行うが、この反転は、例えば図14(a)に示す初期マスク100を適用して得るものとする。
この初期マスク100には、主走査位置毎に、即ち各インク滴吐出にノズル数分の打ち分け情報が記録される。図14(b)(c)の例は、図6に示した、上流側スキャンと下流側スキャン主走査方向、及び副走査方向において交互に打ち分けるパターンを示しているが、実際に打ち分けがランダムに分布するものを使用することができる。
1スキャン分画像領域93から読み出された1スキャン分形成データのうち、オーバーラップ領域のデータに対して打ち分け結果に従った画像マスクをかけて、後段へ出力する。本発明では、駆動ノズル数に応じて打ち分け結果のマスクデータを生成することで、打ち分け方を制御して駆動ノズル数の制御を行う。以下、打ち分け結果を打ち分けマスクと呼ぶ場合がある。
次に画像変換部43における打ち分け判定と打ち分けの画像マスク生成方法の一例について説明する。
図15は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置におけるマスク生成処理を説明するグラフ図、図16は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置におけるマスク生成処理の手順を示すフローチャートである。
<駆動ノズル数とインク滴吐出速度(Vj)の関係>
図15は、図7で示した駆動ノズル数とインク滴吐出速度(Vj)の関係について構造的要因の影響が大きい領域を拡大している。
ここでは、インク滴吐出速度(Vj)が目標下限以下になるような駆動ノズル数を指定の範囲とした。駆動ノズル数が指定の範囲内になる記録ヘッド5については当該記録ヘッド5の駆動ノズル数を変更するように打ち分け方を変更する。例えば、電気的要因の影響をチューニングした後に残る、上記範囲は±10ノズルくらいとなる。
<打ち分け判定の方法と打ち分けの画像マスクの生成方法>
図16に基づいて打ち分け判定の方法と打ち分けの画像マスクの生成方法について説明する。
図16(a)は画像マスクの生成手順を示すフローチャート、図16(b)は初期マスクの一例を示す模式図である。
前述したように、1スキャン分の形成データの蓄積が完了すると、主走査1画素分の形成データが、打ち分け制御部83へ入力され、打ち分け判定を以下の手順で行う。
ステップS1では、打ち分け制御部83は、主走査1画素分の形成データのオーバーラップ領域に対して、初期マスク100を適用する。
このとき、初期マスク100は予め設定されており、記録用紙の搬送誤差や、記録ヘッドの組み付け誤差を低減できるようなパターンであることが望ましい。このパターンは例えばランダムパターンとするが、ここでは図16(b)に示したように隣会う駆動ノズルが交互に異なる記録ヘッドにより形成した規則的なパターンとして説明する。
ステップS2では、打ち分け制御部83は、初期マスク100を適用した後の形成データに基づいて、各記録ヘッドの駆動ノズル数をカウントする。主走査において1画素(形成単位素)分の「インク滴無し」でないデータの数を計数することにより、各ヘッドの駆動ノズル数が分かる。
ステップS3では、打ち分け制御部83は、各記録ヘッドの駆動ノズル数のうち、指定の範囲内の駆動ノズル数となる記録ヘッドがあるかどうか判定する。
指定の範囲内となる駆動ノズル数となる記録ヘッドがあれば、その記録ヘッドの打ち分け方法(初期マスク100)を変更する。指定の範囲内ではない場合、変更はせずに、初期マスクを適用した結果を実際の打ち分け結果とする。
ステップS4では、打ち分け制御部83は、指定の範囲内の駆動ノズル数となるヘッドに対して、打ち分け方法を変更する。この変更は、打ち分けマスクを変更することにより行うものであり、駆動ノズル数が指定の範囲外になるようにする。
ステップS5では、打ち分け制御部83は、マスクデータが決定したため、この結果を画像処理部RAM44に保存する。
ステップS6では、以下1スキャン分が終了するまで上記の処理を繰り返す。
以上の処理で、各主走査位置での各記録ヘッドにおける駆動ノズル数が指定の範囲から外れるようにして、ノズルからのインク滴吐出速度(Vj)のばらつきを小さくする。
<マスクの変更処理>
次に、上述した打ち分け方法の変更(マスクの変更)処理について説明する。
図17(a)〜(e)は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置における画像の打ち分けの変更処理を示す図、図18(a)〜(c)は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置における画像の打ち分けマスクを示す模式図である。
なお、図17(a)〜(e)では、オーバーラップ領域を重ね領域として表記している。
図16(a)に示した処理の打ち分けマスクの変更(ステップS4)を行う場合、駆動可能ノズル数をカウントする。
このとき、主走査の1画素分データのうち、オーバーラップ領域以外の駆動ノズル数と、オーバーラップ領域の駆動ノズル数をカウントする。ここで、駆動ノズル数は、インク滴の吐出を行うノズルの数である。カウントは、記録ヘッド毎に行う。
カウント結果から、以下のいずれのケースであるかを判定し、判定結果に応じて打ち分け方を変更する。
ケース(1)においては、初期マスクを適用するだけで指定の範囲外である。このため、マスクの変更処理を行う必要がない。このため、オーバーラップ領域でのマスクは初期マスク100(図18(a))のままである。
ケース(2)においては、初期マスクを適用すると駆動可能ノズル数が、指定の範囲の上限を超える。この場合、オーバーラップ領域においてインク滴数が増加するマスクに変更する。例えば、オーバーラップ領域においてすべてのノズルからインク滴を吐出する全ノズル吐出マスク110(図18(b))を使用する。
なお、インク滴が増加するマスク(増加マスク)としては、図18(b)に示した全ノズルでインク滴を吐出するものに限らず、異なるパターンのものを使用することができる。
ケース(3)においては、オーバーラップ領域以外の領域の駆動ノズル数が、指定の範囲の下限を下回る。この場合オーバーラップ領域においてインク滴数が減少するマスクに変更する。
例えば、オーバーラップ領域において、すべてのノズルからインク滴を吐出させない全ノズル不吐出マスク120(図18(c))を使用する。なお、インク滴が減少するマスク(減少マスク)としては、図18(c)に示した全ノズルでインク滴を吐出するものに限らず、異なるパターンのものを使用することができる。
ケース(4)においては、ケース(1)、ケース(2)、ケース(3)以外である。この場合には、初期マスク100はそのままでは打ち分け方を変更しない。
なお、ケース(2)とケース(3)を同時に満たす場合があるが、この場合は、どちらのケースによる処理を実行してもよい。
以上の処理は、先行してスキャンする記録ヘッドの駆動ノズル数に基づいて判定を行う場合であり、後行してスキャンする記録ヘッドの駆動ノズル数に基づいて判定を行う場合には、打ち分けマスクの変更方法は逆になる。
以上の処理を行うことにより、一回のインク吐出を行うとき、記録ヘッド5の駆動ノズル数が指定の範囲から外れるため、インク滴の吐出速度が一定値より小さくなることが防止される。このため、インク滴の滴吐出速度(Vj)の特性が極端に異なる駆動ノズル数での、インク滴吐出を行う回数を大幅に減らすことができる。
図19は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の効果を説明するためのグラフ図である。
図19に示すように、駆動ノズル数がn1a以下、もしくは(n+b)以上となるため、ほとんどの画像記録のためのインク滴吐出において、図19に示す実線部の駆動ノズル数(インク滴吐出速度(Vj))で画像記録が行われる。このため、インク滴吐出速度(Vj)の変動幅、ひいてはインク滴着弾位置の変動幅を狭めることができ、記録画像品質が改善する。
なお、上述のように、オーバーラップ領域のマスクを変更しても、駆動ノズル数を変えることができない場合(例えば図17(d)に示すケース(4)のような場合)はあるが、この場合は、オーバーラップ領域、即ち次スキャンの境界部分の画像形成が少ない場合であり、画質劣化が目立たない。
<第2実施形態>
次に本発明の第2実施形態について説明する。
図20(a)(b)は本発明の第2実施形態に係る画像形成装置について説明するものであり、(a)はノズル数とインク滴速度の関係を示すテーブル、ノズル数とインク滴速度の関係を示すグラフ図である。
前述した実施形態では、駆動ノズル数が指定の範囲内か否かだけでマスク変更の判断を行っていた。しかし、目標の速度に近い駆動ノズル数になるように打ち分け方を変更することで、よりインク滴吐出速度(Vj)の変動幅を狭めて、高い効果を得ることができる。
<対応テーブル>
図20(a)は指定の範囲内における、駆動ノズル数とインク滴吐出速度(Vj)の対応テーブルを示す。
このテーブルは、各駆動ノズル数におけるインク滴吐出速度(Vj)を表しており、打ち分け制御部83は、印刷前にCPU33からテーブルデータを受け取り、RAM上に格納しておく。このテーブルのデータは、事前評価などで測定された値である。
打ち分け制御部は、上記のテーブルデータによって、各駆動ノズル数におけるインク滴吐出速度(Vj)が分かる。
第2実施形態では、図17(a)〜(e)及び図18(a)〜(c)に示した打ち分けの判定を行う際に、最も目標下限速度に近い駆動ノズル数を選択するようにする。
即ち、以下の3種類の基準で駆動ノズル数におけるインク滴吐出速度(Vj)を求める。
Vj1=初期マスクでマスクした場合の駆動ノズル数における滴吐出速度
Vj2=駆動可能ノズル数における滴吐出速度
Vj3=重ね部以外の駆動ノズル数における滴吐出速度
この3つの滴吐出速度のうち、最も目標下限速度に近い速度がどれかを判定し、打ち分けマスクを選択する。
Vj1が最も近い場合、打ち分け方を変更しない。打ち分けマスクを変更しない。
Vj2が最も近い場合、打ち分け方を変更する。マスクを変更する。すべて打つようなマスクに変更する。
Vj3が最も近い場合、打ち分け方を変更する。マスクを変更する。すべて打たないようなマスクに変更する。
<液体吐出装置>
なお、上記実施形態では液体吐出装置として、インクジェット式の画像形成装置を記載したが、本発明は他の液体吐出装置を対象とすることができる。
液体吐出装置は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。液体吐出装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置、例えば立体造形装置、処理液塗布装置、噴射造粒装置が含まれる。
また、この液体吐出装置は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、液体吐出装置として、上述したインクジェット式の画像形成装置の他、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、液体吐出装置は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、又は加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。
より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
また、「液体吐出装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体吐出装置」としては他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
<液体吐出ユニット>
また、「液体吐出ユニット」とは、液体吐出ヘッドに機能部品、機構を有するものであり、液体の吐出に関連する部品を有する。例えば、「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
ここで、「液体吐出ユニット」は、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていてもよい。
例えば、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとヘッドタンクとを有するものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されてなくとも良い。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されてなくとも良い。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されてなくとも良い。また、液体吐出ヘッドとキャリッジと主走査移動機構が一体化されてなくとも良い。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されてなくとも良い。
また、液体吐出ユニットとして、ヘッドタンクもしくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されてなくとも良い。このチューブを介して、液体貯留源の液体が液体吐出ヘッドに供給される。
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものとする。
<本発明の実施態様例の構成、作用、及び効果>
<第1態様>
本態様の画像形成装置11は、形成データに基づいて生成された駆動データにより複数のノズルN1〜N200から液滴を吐出する記録ヘッド5を備えた画像形成装置において、単一の記録ヘッド5で一度に形成される走査画像61の第一の部分であるスキャン間オーバーラップ領域63が、同一の記録ヘッド5による他のタイミングで形成される走査画像62の第二の部分であるスキャン間オーバーラップ領域63、又は他の記録ヘッド5による走査画像62の第三の部分であるノズル間オーバーラップ領域と重なるように、液体吐出ヘッドによる形成を制御する画像記録部50と、2つの走査画像61、62とスキャン間オーバーラップ領域63又はノズル間オーバーラップのうち所定の画素に当たる駆動データを、形成データに基づくそれぞれの液体吐出ヘッドの一度の駆動ノズル数に応じて生成する画像変換部43とを備えることを特徴とする。
本態様によれば、画像形成装置11は、画像記録部50により単一の記録ヘッド5で一度に形成される走査画像61の第一の部分であるスキャン間オーバーラップ領域63が、同一の記録ヘッド5による他のタイミングで形成される走査画像62の第二の部分であるスキャン間オーバーラップ領域63、又は他の記録ヘッド5による走査画像62の第三の部分であるノズル間オーバーラップ領域と重なるように、液体吐出ヘッドによる形成を制御し、このとき画像変換部43は、スキャン間オーバーラップ領域63とスキャン間オーバーラップ領域63又はノズル間オーバーラップ領域の形成対象物のうち所定の形成単位素に当たる駆動データを、形成データに基づくそれぞれの液体吐出ヘッドの一度の駆動ノズル数に応じて生成する。
これにより、オーバーラップ領域におけるインク滴の吐出数を調整でき、記録ヘッド5からのインク滴の吐出数が少ない場合であっても、記録ヘッド5全体でのインク滴の吐出数を制御できる。
この結果、液体吐出ヘッドから一度に吐出される液滴が少なくなる駆動データが入力された場合でも、液滴の吐出速度の変動による品質の劣化を低減できる。
<第2態様>
本態様に係る画像形成装置11において、画像変換部43は、記録ヘッド5が同時に吐出するインク滴の吐出数と、インク滴の吐出速度との関係に基づいて駆動データを生成することを特徴とする。
本態様によれば、画像変換部43は、同時に吐出するインク滴の吐出数と、インク滴の吐出速度の関係に基づいて駆動データを生成する。
これにより、インク滴の吐出酢数を制御することにより、インク滴の吐出速度の制御が実現できる。
<第3態様>
本態様に係る画像形成装置11において、駆動データに基づいて駆動したと仮定したときの記録ヘッド5からの液滴の吐出数を計数する計数手段として機能する打ち分け制御部83を備え、画像変換部43は、計数結果に基づいて駆動データを生成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体吐出装置である。
本態様によれば、分け制御部83は駆動データに基づいて駆動したと仮定したときの記録ヘッド5からの液滴の吐出数を計数する計数手段として機能する。
これにより、実際の駆動データに基づく制御が実現できる。
<第4態様>
本態様の画像形成装置11において、打ち分け制御部83は、複数の走査画像について計数を行い、画像変換部43は、印刷用形成データを、複数の走査画像について作成することを特徴とする。
本態様によれば、打ち分け制御部83により複数の走査画像について計数を行い、画像変換部43により印刷用形成データを複数の走査画像について作成する。
これにより、連続して形成される複数の走査画像について記録ヘッド5からインク滴の吐出速度を制御できる。
<第5態様>
本態様の画像形成装置11において、画像変換部43は、駆動データを、記録ヘッド5からのインク滴の吐出速度が予め定めた範囲に収まるように生成することを特徴とする。
本態様によれば、インターフェース53の駆動データの変換により記録ヘッド5からのインク滴の吐出速度が予め定めた範囲に収まる。
これにより、品質を低下させることなく画像の形成を実現できる。
<第6態様>
本態様に係るインク滴吐出ユニットは、形成データに基づいて生成された駆動データにより複数のノズルN1〜N200から液滴を吐出する記録ヘッド5と、単一の記録ヘッド5で一度に形成される走査画像61の第一の部分であるスキャン間オーバーラップ領域63が、同一の記録ヘッド5による他のタイミングで形成される走査画像62の第二の部分であるスキャン間オーバーラップ領域63、又は他の記録ヘッド5による走査画像62の第三の部分であるノズル間オーバーラップ領域と重なるように、液体吐出ヘッドによる形成を制御する画像記録部50と、2つの走査画像61、62とスキャン間オーバーラップ領域63又はノズル間オーバーラップのうち所定の画素に当たる駆動データを、形成データに基づくそれぞれの液体吐出ヘッドの一度の駆動ノズル数に応じて生成する画像変換部43と、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、画像記録部50により単一の記録ヘッド5で一度に形成される走査画像61の第一の部分であるスキャン間オーバーラップ領域63が、同一の記録ヘッド5による他のタイミングで形成される走査画像62の第二の部分であるスキャン間オーバーラップ領域63、又は他の記録ヘッド5による走査画像62の第三の部分であるノズル間オーバーラップ領域と重なるように、液体吐出ヘッドによる形成を制御し、このとき画像変換部43は、スキャン間オーバーラップ領域63とスキャン間オーバーラップ領域63又はノズル間オーバーラップ領域の形成対象物のうち所定の形成単位素に当たる駆動データを、形成データに基づくそれぞれの液体吐出ヘッドの一度の駆動ノズル数に応じて生成する。
これにより、オーバーラップ領域におけるインク滴の吐出数を調整でき、記録ヘッド5からのインク滴の吐出数が少ない場合であっても、記録ヘッド5全体でのインク滴の吐出数を制御できる。
この結果、液体吐出ヘッドから一度に吐出される液滴が少なくなる駆動データが入力された場合でも、液滴の吐出速度の変動による品質の劣化を低減できる。
<第7態様>
本態様に係る画像形成装置の制御方法は、形成データに基づいて生成された駆動データにより複数のノズルN1〜N200からインク滴を吐出する記録ヘッド5を備えた液体吐出装置による制御方法において、単一の記録ヘッド5で一度に形成される走査画像61の第一の部分であるスキャン間オーバーラップ領域63が、同一の記録ヘッド5による他のタイミングで形成される走査画像62の第二の部分であるスキャン間オーバーラップ領域63、又は他の記録ヘッド5による走査画像62の第三の部分であるノズル間オーバーラップ領域と重なるように、液体吐出ヘッドによる形成を制御し、2つの走査画像61、62とスキャン間オーバーラップ領域63又はノズル間オーバーラップのうち所定の画素に当たる駆動データを、形成データに基づくそれぞれの液体吐出ヘッドの一度の駆動ノズル数に応じて生成する、ことを特徴とする。
本態様によれば、画像形成装置11は、画像記録部50により単一の記録ヘッド5で一度に形成される走査画像61の第一の部分であるスキャン間オーバーラップ領域63が、同一の記録ヘッド5による他のタイミングで形成される走査画像62の第二の部分であるスキャン間オーバーラップ領域63、又は他の記録ヘッド5による走査画像62の第三の部分であるノズル間オーバーラップ領域と重なるように、液体吐出ヘッドによる形成を制御し、スキャン間オーバーラップ領域63とスキャン間オーバーラップ領域63又はノズル間オーバーラップ領域の形成対象物のうち所定の形成単位素に当たる駆動データを、形成データに基づくそれぞれの液体吐出ヘッドの一度の駆動ノズル数に応じて生成する。
これにより、オーバーラップ領域におけるインク滴の吐出数を調整でき、記録ヘッド5からのインク滴の吐出数が少ない場合であっても、記録ヘッド5全体でのインク滴の吐出数を制御できる。
この結果、液体吐出ヘッドから一度に吐出される液滴が少なくなる駆動データが入力された場合でも、液滴の吐出速度の変動による品質の劣化を低減できる。
<第8態様>
本態様に係わるプログラムは、形成データに基づいて生成された駆動データにより複数のノズルN1〜N200から液滴を吐出する記録ヘッド5と、単一の記録ヘッド5で一度に形成される走査画像61の第一の部分であるスキャン間オーバーラップ領域63が、同一の記録ヘッド5による他のタイミングで形成される走査画像62の第二の部分であるスキャン間オーバーラップ領域63、又は他の記録ヘッド5ッドにより形成される走査画像62の第三の部分であるノズル間オーバーラップ領域と重なるように、液体吐出ヘッドによる形成を制御する画像記録部50と、を備えた画像形成装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、2つの走査画像61、62とスキャン間オーバーラップ領域63又はノズル間オーバーラップのうち所定の画素に当たる駆動データを、形成データに基づくそれぞれの液体吐出ヘッドの一度の駆動ノズル数に応じて生成するデータ生成ステップを実行することを特徴とする。
本態様によれば、画像形成装置11の画像変換部43は、画像記録部50により単一の記録ヘッド5で一度に形成される走査画像61の第一の部分であるスキャン間オーバーラップ領域63が、同一の記録ヘッド5による他のタイミングで形成される走査画像62の第二の部分であるスキャン間オーバーラップ領域63、又は他の記録ヘッド5により形成される走査画像62の第三の部分であるノズル間オーバーラップ領域と重なるように、液体吐出ヘッドによる形成を制御するとき、スキャン間オーバーラップ領域63とスキャン間オーバーラップ領域63又はノズル間オーバーラップ領域の形成対象物のうち所定の形成単位素に当たる駆動データを、形成データに基づくそれぞれの液体吐出ヘッドの一度の駆動ノズル数に応じて生成する。
これにより、オーバーラップ領域におけるインク滴の吐出数を調整でき、記録ヘッド5からのインク滴の吐出数が少ない場合であっても、記録ヘッド5全体でのインク滴の吐出数を制御できる。
この結果、液体吐出ヘッドから一度に吐出される液滴が少なくなる駆動データが入力された場合でも、液滴の吐出速度の変動による品質の劣化を低減できる。
<第9態様>
本態様に係るプログラムにおいて、データ生成ステップは、走査画像が重なるオーバーラップ領域における駆動データにインク滴を吐出させない位置の分布を予め定めた初期マスク100を適用するステップと(ステップS1)、初期マスク100を適用した後において記録ヘッド5の全体から吐出されるインク滴の数が所定範囲に収まるか否かを判定するステップと(ステップS3)、インク滴の数が所定の範囲に収まらない場合に、記録ヘッドの全域から吐出されるインク滴の数が所定範囲に収まるようにオーバーラップ領域において駆動されるヘッド数を増す全ノズル吐出マスク110又は減じる全ノズル不吐出マスク120を適用するステップと(ステップS4)、を含むことを特徴とする。
本態様によれば、オーバーラップ領域に初期マスク100を適用したとき、記録ヘッド5の全領域におけるインク滴の吐出数が所定の範囲に収まらない場合、全ノズル吐出マスク110又は全ノズル不吐出マスク120を適用して、インク滴の吐出数が所定の範囲になるようにする。
これにより、インク滴の速度を所定の範囲内に収め、画像の品質を保持することができる。
5…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)、5Y、5M、5C、5Bk…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)、11…画像形成装置(液体吐出装置)、40…画像処理部、43…画像変換部(データ生成部)、50…画像記録部(制御部)、54…記録ヘッド制御部、55…記録ヘッド部、61、62…走査画像、63…スキャン間オーバーラップ領域(オーバーラップ領域)
特開2013−199025公報

Claims (9)

  1. 形成データに基づいて生成された駆動データにより複数のノズルから液滴を吐出する液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置において、
    単一の液体吐出ヘッドで一度に形成される形成対象物の第一の部分が、同一の液体吐出ヘッドによる他のタイミングで形成される形成対象物の第二の部分又は他の液体吐出ヘッドにより形成される形成対象物の第三の部分と重なるように、前記液体吐出ヘッドによる形成を制御する制御部と、
    前記第一の部分と前記第二の部分又は前記第三の部分の形成対象物のうち所定の形成単位素に当たる駆動データを、前記形成データに基づくそれぞれの液体吐出ヘッドの一度の駆動ノズル数に応じて生成するデータ生成部と、
    を備えることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記データ生成部は、前記液体吐出ヘッドが同時に吐出する前記液滴の吐出数と、前記液滴の吐出速度との関係に基づいて前記形成データを生成することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記形成データに基づいて駆動したと仮定したときの前記液体吐出ヘッドからの液滴の吐出数を計数する計数手段を備え、
    前記データ生成部は、前記計数手段の計数結果に基づいて前記形成データを生成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記計数手段は、複数の形成対象物について計数を行い、
    前記データ生成部は、前記形成データを、前記複数の形成対象物について作成することを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記データ生成部は、前記形成データを、前記液体吐出ヘッドからの前記液滴の吐出速度が予め定めた範囲に収まるように生成することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  6. 形成データに基づいて生成された駆動データにより複数のノズルから液滴を吐出する液体吐出ヘッドと、
    単一の液体吐出ヘッドで一度に形成される形成対象物の第一の部分が、同一の液体吐出ヘッドによる他の形成対象物の第二の部分又は他の液体吐出ヘッドにより形成される形成対象物の第三の部分と重なるように、前記液体吐出ヘッドによる形成を制御する制御部と、
    前記第一の部分と前記第二の部分又は前記第三の部分の形成対象物のうち所定の形成単位素に当たる駆動データを、前記形成データに基づくそれぞれの液体吐出ヘッドの一度の駆動ノズル数に応じて生成するデータ生成部と、
    を備えることを特徴とする液体吐出ユニット。
  7. 形成データに基づいて生成された駆動データにより複数のノズルから液滴を吐出する液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置による制御方法において、
    単一の液体吐出ヘッドで一度に形成される形成対象物の第一の部分が、同一の液体吐出ヘッドによる他のタイミングで形成される形成対象物の第二の部分又は他の液体吐出ヘッドにより形成される形成対象物の第三の部分と重なるように、前記液体吐出ヘッドによる形成を制御し、
    前記第一の部分と前記第二の部分又は前記第三の部分の形成対象物のうち所定の形成単位素に当たる駆動データを、前記形成データに基づくそれぞれの液体吐出ヘッドの一度の駆動ノズル数に応じて生成する、
    ことを特徴とする液体吐出装置の制御方法。
  8. 形成データに基づいて生成された駆動データにより複数のノズルから液滴を吐出する液体吐出ヘッドと、単一の液体吐出ヘッドで一度に形成される形成対象物の第一の部分が、同一の液体吐出ヘッドによる他のタイミングで形成される形成対象物の第二の部分又は他の液体吐出ヘッドにより形成される形成対象物の第三の部分と重なるように、前記液体吐出ヘッドによる形成を制御する制御部と、を備えた液体吐出装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記第一の部分と前記第二の部分又は前記第三の部分の形成対象物のうち所定の形成単位素に当たる駆動データを、前記形成データに基づくそれぞれの液体吐出ヘッドの一度の駆動ノズル数に応じて生成するデータ生成ステップを実行することを特徴とするプログラム。
  9. 前記データ生成ステップは、
    前記形成対象物が重なるオーバーラップ領域における前記形成データに前記液滴を吐出させない位置の分布を予め定めた初期マスクを適用するステップと、
    前記初期マスクを適用した後において前記液体吐出ヘッドの全体から吐出される前記液滴の数が所定範囲に収まるか否かを判定するステップと、
    前記液滴の数が所定の範囲に収まらない場合に、前記液体吐出ヘッドの全域から吐出される前記液滴の数が所定範囲に収まるように前記オーバーラップ領域において駆動されるヘッド数を増す増加マスク又は減じる減少マスクを適用するステップと、
    を含むことを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
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