JP7436544B2 - ブロック状銀粉およびその製造方法、ならびに導電性ペースト - Google Patents

ブロック状銀粉およびその製造方法、ならびに導電性ペースト Download PDF

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Description

本発明は、ブロック状銀粉およびブロック状銀粉の製造方法、ならびに導電性ペーストに関する。
近年、太陽電池又は半導体等の電気配線が必要な機器において電気配線の細線化が求められている。そのため、電気配線が細くなっても、抵抗値が小さく、断線の恐れがない導電性ペーストが求められている。
このような導電性ペーストに用いられる銀粉としては、球状銀粉およびフレーク状銀粉のいずれかが一般的である。前記球状銀粉のアスペクト比の平均は1に近く、その形はほとんど球である。前記フレーク状銀粉は扁平形状を有しており、アスペクト比の平均は3以上であり、6以上であることが多い。このようなフレーク状銀粉は、例えば、球状銀粉とメディアを転動ボールミル又は振動ボールミルで混合し、衝突させることにより製造されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007-254845号公報
しかしながら、従来の球状銀粉およびフレーク状銀粉を用いた導電性ペーストで細線印刷を行うとライン抵抗が大きくなり、断線率が高くなってしまうという問題がある。
したがって、本発明は、ライン抵抗が小さく、断線率が低い電気配線を実現できる導電性ペーストに用いられるブロック状銀粉およびその製造方法ならびに導電性ペーストを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。すなわち、
<1> BET比表面積が0.5m/g以下であり、
100個以上の銀粒子断面を観察したときの、アスペクト比の平均が1.2以上2.0未満、下記(式1)で表される外接する長方形の周囲長に対する銀粒子の周囲長の比の平均が0.84以上であることを特徴とするブロック状銀粉である。
(式1):L/(2×長径+2×短径)
ただし、Lは銀粒子の周囲長(μm)、長径と短径は銀粒子断面の輪郭に外接する長方形の面積が最小になる長方形の長辺(μm)と短辺(μm)である。
<2> 下記(式2)で表される円形度係数の平均が0.65~0.88である、前記<1>に記載のブロック状銀粉である。
(式2):4πS/L
ただし、Sは銀粒子の面積(μm)、Lは銀粒子の周囲長(μm)である。
<3> 円形度係数が0.65~0.88である割合が40%以上である、前記<2>に記載のブロック状銀粉である。
<4> 下記(式3)で表される形状係数の平均が1.4~2.6である、前記<1>から<3>のいずれかに記載のブロック状銀粉である。
(式3):π(Lmax/4S
ただし、Sは銀粒子の面積(μm)、Lmaxは銀粒子の最大長(μm)を表す。
<5> 形状係数が1.4~2.6である割合が40%以上である、前記<4>に記載のブロック状銀粉である。
<6> レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積基準の累積50%粒径(D50)にBET比表面積を掛けた値が、6.5E-07m/g以上1.0E-06m/g以下である、前記<1>から<5>のいずれかに記載のブロック状銀粉である。
<7> BET比表面積が0.35m/g以下である、前記<1>から<5>のいずれかに記載のブロック状銀粉である。
<8> 球状銀粉とメディアを容器内に入れ容器の動作によって前記球状銀粉と前記メディアを衝突させて、ブロック状銀粉を得るブロック状化工程を含み、
前記ブロック状銀粉における、100個以上の銀粒子断面を観察したときの、アスペクト比の平均が1.2以上2.0未満、下記(式1)で表される外接する長方形の周囲長に対する銀粒子の周囲長の比の平均が0.84以上であることを特徴とするブロック状銀粉の製造方法である。
(式1):L/(2×長径+2×短径)
ただし、Lは銀粒子の周囲長(μm)、長径と短径は銀粒子断面の輪郭に外接する長方形の面積が最小になる長方形の長辺(μm)と短辺(μm)である。
<9> 前記ブロック状化工程は滑剤を用いずに行う、前記<8>に記載のブロック状銀粉の製造方法である。
<10> 前記<1>から<7>のいずれかに記載のブロック状銀粉を含有することを特徴とする導電性ペーストである。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、ライン抵抗が小さく、断線率が低い電気配線を実現できる導電性ペーストに用いられるブロック状銀粉およびその製造方法ならびに導電性ペーストを提供することができる。
図1は、銀粒子断面の輪郭に外接し、面積が最小になる長方形を説明する図である。 図2は、外接する長方形の周囲長に対する粒子の周囲長の比、円形度係数、形状係数、およびアスペクト比の測定対象となる銀粒子を説明する銀粉の走査型電子顕微鏡写真である。 図3Aは、実施例1で作製した銀粉の走査型電子顕微鏡写真である。 図3Bは、実施例1で作製した銀粉断面の走査型電子顕微鏡写真である。 図4Aは、実施例2で作製した銀粉の走査型電子顕微鏡写真である。 図4Bは、実施例2で作製した銀粉断面の走査型電子顕微鏡写真である。 図5Aは、実施例3で作製した銀粉の走査型電子顕微鏡写真である。 図5Bは、実施例3で作製した銀粉断面の走査型電子顕微鏡写真である。 図6Aは、比較例1で作製した銀粉の走査型電子顕微鏡写真である。 図6Bは、比較例1で作製した銀粉断面の走査型電子顕微鏡写真である。 図7Aは、比較例2の銀粉の走査型電子顕微鏡写真である。 図7Bは、比較例2の銀粉断面の走査型電子顕微鏡写真である。
(ブロック状銀粉)
本発明のブロック状銀粉は、BET比表面積が0.5m/g以下であり、100個以上の銀粒子断面を観察したときの、アスペクト比の平均が1.2以上2.0未満、下記(式1)で表される外接する長方形の周囲長に対する銀粒子の周囲長の比の平均が0.84以上である。
(式1):L/(2×長径+2×短径)
ただし、Lは銀粒子の周囲長(μm)、長径と短径は銀粒子断面の輪郭に外接する長方形の面積が最小になる長方形の長辺(μm)と短辺(μm)である。
本発明において、前記ブロック状銀粉とは、100個以上の銀粒子断面を走査型電子顕微鏡で観察したときの、アスペクト比の平均が1.2以上2未満、外接する長方形の周囲長に対する銀粒子の周囲長の比の平均が0.84以上であるブロック形状を有する銀粒子を含む集合体を意味する。なお、銀粒子断面を観察する際の銀粒子の個数は100個以上であれば特に制限はない。測定した銀粒子の全数に対する、外接する長方形の周囲長に対する銀粒子の周囲長の比が0.84以上である粒子の割合(個数割合)が40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。
<外接する長方形の周囲長に対する粒子の周囲長の比>
本発明のブロック状銀粉は、上記(式1)で表される外接する長方形の周囲長に対する銀粒子の周囲長の比の平均が0.84以上であり、0.84以上1.00以下が好ましく、0.85以上1.00以下がより好ましい。
上記(式1)で表される外接する長方形の周囲長に対する銀粒子の周囲長の比の平均が0.84以上であると、導電性ペーストにしたときに低いライン抵抗の電気配線を得ることができる。
ここで、図1に、銀粒子の断面の輪郭に外接し銀粒子の面積が最小になる長方形について説明する図を示す。図1に示すように、測定対象となる銀粒子を選択し、選択した銀粒子を360度回転させながら、あらゆる外接する長方形を算出する。これらの中から、面積が最小となる長方形を取り出し、この長方形の長辺を長径、短辺を短径とする。
なお、上記(式1)中のL(銀粒子の周囲長)、および長径と短径の測定方法については、後述する。
本発明のブロック状銀粉は、フレーク状銀粉ほど扁平ではないものの、表面の一部に平坦な面を有しており、銀粒子の断面は円(楕円)よりも四角(長方形)に近い形状を有する。そのため、上記(式1)で表される銀粒子断面の輪郭に外接する長方形の周囲長に対する銀粒子の周囲長の比の平均が0.84以上となる。なお、前記平坦な面は、後述するように機械的に形成された面であるため、結晶構造(面心立方)に起因するような結晶面である必要はない。
<アスペクト比>
本発明のブロック状銀粉のアスペクト比(銀粒子の長径/銀粒子の短径)の平均は1.2以上2.0未満であり、1.2以上1.9以下であることが好ましく、1.3以上1.8以下であることがより好ましい。
前記アスペクト比の平均がフレーク状銀粉のアスペクト比の平均に比べて小さい1.2以上2.0未満であるため、導電性ペーストにしたときに銀粒子が詰まって吐出性が悪くなることが少なく、細線印刷用にノズル先端を小さくした場合に有利である。
ここで、前記銀粒子の長径と短径は、銀粒子断面の輪郭に外接する長方形の面積が最小になる長方形の長辺と短辺である。なお、銀粒子の長径と短径の測定方法については、後述する。
球状銀粉とフレーク状銀粉を混合する際には、アスペクト比が2未満を球状銀粉、アスペクト比が2以上をフレーク状銀粉と区別している場合があるが、それは球状銀粉とフレーク状銀粉の2種類しか存在しない場合である。球状銀粉のアスペクト比の平均は1に近いことが通常である。フレーク状銀粉の上記測定方法におけるアスペクト比の平均は3以上であることが通常である。
本発明のアスペクト比の測定方法とは異なり、フレーク形状の銀粒子の向きを揃えるようにして樹脂に入れ、一様に扁平形状の厚さを測定できるようにしてアスペクト比(長径/厚さ)を測定すると、そのアスペクト比の平均は6以上であることが通常である。
<円形度係数および形状係数>
本発明のブロック状銀粉は、下記(式2)で表される円形度係数の平均が0.65~0.88、又は、下記(式3)で表される形状係数の平均が1.4~2.6であることが好ましい。
(式2):4πS/L
ただし、Sは銀粒子の面積(μm)、Lは銀粒子の周囲長(μm)である。
(式3):π(Lmax/4S
ただし、Sは銀粒子の面積(μm)、Lmaxは銀粒子の最大長(μm)を表し、最大長は銀粒子の輪郭を2本の平行線で挟んだ場合に平行線間の距離が最大になる距離である。
なお、上記(式2)中のS(銀粒子の面積)、L(銀粒子の周囲長)、S(銀粒子の面積)、およびLmax(銀粒子の最大長)の測定方法については、後述する。
本発明のブロック状銀粉の円形度係数の平均は0.65~0.88であることが好ましく、0.75~0.85であることがより好ましい。また、前記ブロック状銀粉の円形度係数が0.65~0.88である(個数)割合は40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。
本発明のブロック状銀粉の形状係数の平均は1.4~2.6であることが好ましく、1.5~2.0であることがより好ましい。また、前記ブロック状銀粉の形状係数が1.4~2.6である(個数)割合は40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。
上述したように円形度係数および形状係数の数値範囲を充たし、銀粉の断面が円から四角に近づいた形状(球状ではなくブロック状の形状)を有することにより、導電性ペーストにしたときに低いライン抵抗の電気配線を得ることができる。その理由については定かではないが、本発明のブロック状銀粉によって配線電極内の銀粒子の密度を上げることができ、銀粒子間の接点も増えるためであると考えられる。
<外接する長方形の周囲長に対する粒子の周囲長の比、円形度係数、形状係数、およびアスペクト比の求め方>
銀粉を樹脂(ストルアス社製、エポフィックス樹脂)、硬化剤(ストルアス社製、エポフィックス硬化剤)中に入れて固化し、クロスセクションポリッシャー(日本ハイテクノロジーズ社製、ArBlade5000)により研磨することにより銀粒子の断面を露出させ、走査型電子顕微鏡(JEOL JSM-IT300LV、日本電子株式会社製)により銀粒子の断面を5,000倍で観察する。なお、銀粉と樹脂とは手で混合したまま型に流し入れて固化しており、研磨後に露出する銀粒子の向きはランダムである。図2に示すように、視野内において輪郭全体をとらえることができる銀粒子の断面に対して測定を行う。
次に、任意に選択した100個以上の銀粒子の断面について、画像解析ソフト(株式会社マウンテック製、画像解析式粒度分布測定ソフトウェアMacView)を用いて銀粒子外周をなぞることで、各銀粒子の長径、短径、周囲長(L)、銀粒子の面積(S)、および銀粒子の最大長(Lmax)を測定する。長径と短径は外接する長方形の面積が最小になるときの値が自動算出される。それらの値から、外接する長方形の周囲長に対する粒子の周囲長の比を上記(式1)に基づいて計算する。また、円形度係数と形状係数の平均を上記(式2)および上記(式3)に基づいて計算し、円形度係数が0.65~0.88である割合、および形状係数が1.4~2.6である割合を求める。また、アスペクト比(長径/短径)の平均を算出する。
球状銀粉は、本発明のブロック状銀粉と異なり、上記(式1)で表される外接する長方形の周囲長に対する銀粒子の周囲長の比の平均が、本発明のブロック状銀粉の値よりも円の場合である0.79に近い値を有する。
球状銀粉の円形度係数および形状係数は、本発明のブロック状銀粉の円形度係数および形状係数よりも1に近い値を有する。
本発明のブロック状銀粉は、アスペクト比の平均だけであれば球状銀粉の範囲内であるが、上記(式1)で表される外接する長方形の周囲長に対する銀粒子の周囲長の比、円形度係数の平均および形状係数の平均によって球状銀粉とは区別できる。
本発明のブロック状銀粉は、走査型電子顕微鏡により観察すると、球状銀粉ではなく、アスペクト比の平均が2以上のフレーク状銀粉でもない。
したがって、本発明のブロック状銀粉は、球状銀粉でもフレーク状銀粉でもない。
<BET比表面積>
本発明のブロック状銀粉のBET比表面積は0.5m/g以下であり、0.35m/g以下であることが好ましく、0.30m/g以下であることがより好ましく、0.1m/g以上0.27m/g以下であることが更に好ましい。
前記BET比表面積が0.5m/g以下であると、導電性ペーストにしたときに銀粒子をスムーズにノズル先端から吐出することができ、細線印刷における断線の抑制に有利である。
前記BET比表面積は、Macsorb HM-model 1210(MOUNTECH社製)を用いて窒素吸着によるBET1点法で測定することができる。なお、前記BET比表面積の測定において、測定前の脱気条件は60℃、10分間である。
<体積基準の累積50%粒径(D50)、比[(D90-D10)/D50]、およびD50にBET比表面積を掛けた値>
本発明のブロック状銀粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定による体積基準の累積50%粒径(D50)は0.5μm以上5μm以下であることが好ましく、1μm以上4μm以下であることがより好ましい。
前記ブロック状銀粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積基準の累積50%粒子径(D50)に対する、累積10%粒子径(D10)と累積90%粒子径(D90)との差の比[(D90-D10)/D50]としては、2.0以下が好ましく、1.5以下がより好ましく、1.3以下が更に好ましい。
前記体積基準の累積50%粒径(D50)にBET比表面積を掛けた値が、6.5E-07m/g以上1.0E-06m/g以下であることが好ましく、6.5E-07m/g以上9.0E-07m/g以下であることがより好ましい。
ここで、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数″であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E-07」であれば、「1.0×10-7」であることを示す。
前記体積基準の累積50%粒径(D50)にBET比表面積を掛けた値は、フレーク状銀粉の方がブロック状銀粉よりも大きくなる傾向がある。
<タップ密度>
前記ブロック状銀粉のタップ密度としては、3.0g/mL~7.0g/mLが好ましく、4.0g/mL~7.0g/mLがより好ましい。
前記ブロック状銀粉のタップ密度の測定方法としては、例えば、タップ密度測定装置(柴山科学社製、カサ比重測定装置SS-DA-2)を使用し、銀粉試料30gを計量して20mLの試験管に入れ、落差20mmで1,000回タッピングし、タップ密度=試料重量(30g)/タッピング後の試料体積(mL)から算出することができる。
<強熱減量>
前記ブロック状銀粉の強熱減量は、Ig-Lossとも言い、室温から800℃まで加熱したときの重量の変化量を示す。具体的には、前記ブロック状銀粉が有している銀以外の組成物の量を表し、ブロック状銀粉に残存する成分として、球状銀粉が有する表面処理剤やブロック化を行うときの銀スラリーに添加する滑剤などの残存成分の量の多さを示す指標となる。
前記ブロック状銀粉の強熱減量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05%~3.0%が好ましく、0.1%~1.0%がより好ましい。
(ブロック状銀粉の製造方法)
本発明のブロック状銀粉の製造方法は、球状銀粉とメディアを容器内に入れ容器の動作によって前記球状銀粉と前記メディアを衝突させて、ブロック状銀粉を得るブロック状化工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
前記ブロック状銀粉における、100個以上の銀粒子断面を観察したときの、アスペクト比の平均が1.2以上2.0未満、下記(式1)で表される外接する長方形の周囲長に対する銀粒子の周囲長の比の平均が0.84以上である。
(式1):L/(2×長径+2×短径)
ただし、Lは銀粒子の周囲長(μm)、長径と短径は銀粒子断面の輪郭に外接する長方形の面積が最小になる長方形の長辺(μm)と短辺(μm)である。
本発明のブロック状銀粉の製造方法において使用する球状銀粉(元粉)としては、以下の特性を有する銀粉であることが好ましい。
・レーザー回折散乱式粒度分布測定による体積基準の累積50%粒径(D50)が0.5μm以上5μm以下であることが好ましく、1μm以上4μm以下であることがより好ましい。
・BET比表面積は0.5m/g以下であることが好ましく、0.3m/g以下であることがより好ましく、0.1m/g以上0.27mm/g以下であることが更に好ましい。
・アスペクト比の平均が1~1.5であることが好ましく、1に近いことがより好ましい。
・形状係数の平均が1.4より小さいことが好ましく、1に近いことがより好ましい。
・円形度係数の平均が0.88より大きいことが好ましく、1に近いことがより好ましい。
なお、レーザー回折散乱式粒度分布測定による体積基準の累積50%粒径(D50)、BET比表面積、アスペクト比の平均、形状係数の平均、および円形度係数の平均の測定方法については、上記ブロック状銀粉と同様である。
前記球状銀粉としては、市販品であってもよく、公知の製造方法(例えば、湿式還元法)により製造したものであってもよい。前記市販品としては、例えば、AG-5-54F、AG-5-1F(いずれも、DOWAエレクトロニクス株式会社製)などが挙げられる。前記湿式還元法の詳細については、例えば、特開平7-76710号公報などに記載されている。
前記メディア(「ボール」、「ビーズ」と称することもある)としては、直径が0.5mm~3mmで形状が球状のメディアが好ましい。前記メディアの直径が0.5mm未満であると、処理後の銀粉とメディアを分離する際、メディアの目詰まり等により、分離の効率が低下することがあり、3mmを超えると、銀粒子同士の結合が多くなり得られる銀粉の体積基準の累積50%粒径(D50)が過大になってブロック状銀粉を得ることが困難になることがある。
前記メディアの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チタン、ステンレス鋼等の金属、アルミナ、ジルコニア等のセラミックスなどが挙げられる。これらの中でも、銀粉中へのコンタミネーションの点から、ステンレス鋼が好ましい。
前記ブロック状化工程の処理時間は、10分間~180分間であることが好ましい。前記処理時間は、それぞれの銀粒子がメディアと衝突し、表面の一部に平坦面を形成するものの、扁平化が大きく進まない段階で停止する目的に見合うように、装置の回転数に応じて適宜調整することができる。前記処理時間が長くなって銀粒子に加わる仕事量が増えると、銀粒子同士が結合したり、アスペクト比が大きいフレーク状銀粉となる銀粒子の割合が増えてしまい、ブロック状の銀粒子が主であり、ブロック形状の銀粒子が電子顕微鏡観察で見られる銀粒子の40%以上を占めるような銀粉は得られなくなる恐れがある。アスペクト比がフレーク状銀粉ほど大きくならない程度に、各銀粒子がメディアと衝突するように「時間、回転数、容器容積に対するメディアと銀粉の充填率」を調整することで、100個以上の銀粒子断面を観察したときの、アスペクト比の平均が1.2以上2.0未満、上記式(1)で表される外接する長方形の周囲長に対する銀粒子の周囲長の比の平均が0.84以上の本発明のブロック状銀粉とすることができる。
前記ブロック状化工程に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビーズミル、ボールミル、アトライター等のメディア撹拌粉砕機などが挙げられる。
前記ブロック状化工程では、滑剤を使用してもよく、使用しなくてもよいが、強熱減量(Ig-Loss)の増加を抑制でき、ライン抵抗をより低下できる点から滑剤を使用しないことが好ましい。前記滑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸、オレイン酸などが挙げられる。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、例えば、球状銀粉作製工程、洗浄工程、乾燥工程などが挙げられる。
(導電性ペースト)
本発明の導電性ペーストは、本発明の前記ブロック状銀粉を含有し、樹脂および溶剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記導電性ペーストは、本発明の前記ブロック状銀粉以外に、他の形状の銀粉(球状銀粉又はフレーク状銀粉など)を含有してもよい。
前記ブロック状銀粉を含む銀粉全量の導電性ペースト中の含有量としては、前記導電性ペーストの全量に対して、50質量%~98質量%が好ましく、80質量%~95質量%がより好ましい。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、エチルセルロース又はこれらの混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テルピネオール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、テキサノールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、例えば、硬化剤、ガラスフリット、分散剤、界面活性剤、粘度調整剤などが挙げられる。
前記導電性ペーストの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記ブロック状銀粉、前記樹脂、前記溶剤、および必要に応じて前記他の形状の銀粉、前記その他の成分を混合することにより製造することができる。前記混合には、例えば、超音波分散、ディスパー、三本ロールミル、ボールミル、ビーズミル、二軸ニーダー、自公転式攪拌機などを用いることができる。
前記導電性ペーストの粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ペースト温度25℃、回転数1rpmの条件で、150Pa・s~800Pa・sが好ましく、200Pa・s~750Pa・sがより好ましい。
前記導電性ペーストの粘度が、150Pa・s未満であると、印刷時に「にじみ」が発生することがあり、800Pa・sを超えると、印刷むらが発生することがある。
前記導電性ペーストの粘度は、例えば、回転式の粘度計としてブルックフィールド社製5XHBDV-IIIUCを用い、コーンスピンドルにはCPE-52を用い、測定温度は25℃とし、コーンスピンドルの回転数は1rpmとし、粘度の値は、コーンスピンドルを5分間回転させた時点の値を採用した。
本発明の導電性ペーストは、本発明の前記ブロック状銀粉を含有しているので、低いライン抵抗を有しながら細線化に適しているので、例えば、太陽電池セルの集電電極、チップ型電子部品の外部電極、RFID、電磁波シールド、メンブレンスイッチ、エレクトロルミネセンス等の電極又は電気配線用途や、振動子接着、シングルドセルのような太陽電池セル間の接着等の導電性接着剤用途などに好適に用いられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
球状銀粉(DOWAハイテック株式会社製、AG-5―54F)を1.16kg用意して、振動ボールミル(中央化工機商事株式会社製、B-1)の容量5Lの容器内に、メディアであるSUSボール(直径0.8mm)を12kgと共に入れて、800rpmで60分間、銀粒子とメディアとを衝突させる工程を行った。なお、銀粉とSUSボールの分離後、小型粉砕機(協立理工株式会社製、SK-M10)にて解砕を実施し、目開き25μmの篩をかけた。
実施例1で得られたブロック状銀粉の走査型電子顕微鏡写真を図3A、ブロック状銀粉の断面の走査型電子顕微鏡写真を図3Bに示した。
(実施例2)
球状銀粉(DOWAハイテック株式会社製、AG-5―54F)を1.16kg用意して、滑剤としてステアリン酸3.84gを加えてよく混ぜ、振動ボールミル(中央化工機商事株式会社製、B-1)の容量5Lの容器内に、メディアであるSUSボール(直径0.8mm)を12kgと共に入れて、800rpmで60分間、銀粒子とメディアとを衝突させる工程を行った。なお、銀粉とSUSボールの分離後、小型粉砕機(協立理工株式会社製、SK-M10)にて解砕を実施し、目開き25μmの篩をかけた。
実施例2で得られたブロック状銀粉の走査型電子顕微鏡写真を図4A、ブロック状銀粉の断面の走査型電子顕微鏡写真を図4Bに示した。
(実施例3)
球状銀粉(DOWAハイテック株式会社製、AG-5―1F)を1.61kg用意して、転動ボールミルの容量6Lの容器内に、SUSボール(直径1.6mm)を16.62kgと共に入れて、71rpmで180分間、銀粒子とメディアとを衝突させる工程を行った。なお、銀粉とSUSボールの分離後、小型粉砕機(協立理工株式会社製、SK-M10)にて解砕を実施し、目開き25μmの篩をかけた。
実施例3で得られたブロック状銀粉の走査型電子顕微鏡写真を図5A、ブロック状銀粉の断面の走査型電子顕微鏡写真を図5Bに示した。
(比較例1)
実施例1において、800rpmで240分間、銀粒子とメディアとを衝突させる工程を行った以外は、実施例1と同様にして、比較例1の銀粉を得た。
比較例1で得られた銀粉の走査型電子顕微鏡写真を図6A、銀粉断面の走査型電子顕微鏡写真を図6Bに示した。
(比較例2)
銀粒子とメディアとを衝突させる工程を行わず、球状銀粉(DOWAハイテック株式会社製、AG-5―54F)をそのまま使用した。比較例2の球状銀粉の走査型電子顕微鏡写真を図7A、銀粉断面の走査型電子顕微鏡写真を図7Bに示した。
次に、実施例1、2および比較例1、2に使用した球状銀粉(AG-5-54F)および、実施例3に使用した球状銀粉(AG-5-1F)の形状、BET比表面積、粒度分布、Ig-Loss、およびタップ密度の測定結果について、表1に示した。なお、球状銀粉(AG-5-54F)および球状銀粉(AG-5-1F)のBET比表面積、粒度分布、Ig-Loss、およびタップ密度の測定方法は、後述する実施例1~3および比較例1~2の測定方法と同様である。
次に、得られた実施例1~3および比較例1~2の銀粉について、以下のようにして、形状、BET比表面積、粒度分布、Ig-Loss、タップ密度、外接する長方形の周囲長に対する銀粒子の周囲長の比の平均、円形度係数の平均、円形度係数が0.65~0.88である割合、形状係数の平均、形状係数が1.4~2.6である割合、およびアスペクト比の平均を求めた。結果を表2に示した。
<BET比表面積>
作製した各銀粉のBET比表面積は、BET比表面積測定装置(Macsorb HM-model 1210、MOUNTECH社製)を用いて、窒素吸着によるBET1点法により測定した。なお、前記BET比表面積の測定において、測定前の脱気条件は60℃、10分間とした。
<粒度分布の測定方法>
作製した各銀粉の体積基準の累積10%粒子径(D10)、累積50%粒子径(D50)、累積90%粒子径(D90)を以下の方法により測定し、比[(D90-D10)/D50]を求めた。
銀粉0.1gをイソプロピルアルコール(IPA)40mLに加えて超音波ホモジナイザー(装置名:US-150T、株式会社日本精機製作所製;19.5kHz、チップ先端直径18mm)により2分間分散させた後、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製、マイクトロラックMT-3300 EXII)により測定した。
<外接する長方形の周囲長に対する粒子の周囲長の比、円形度係数、形状係数、およびアスペクト比の求め方>
各銀粉を樹脂(ストルアス社製、エポフィックス樹脂)、硬化剤(ストルアス社製、エポフィックス硬化剤)中に入れて固化し、クロスセクションポリッシャー(日本ハイテクノロジーズ社製、ArBlade5000)により研磨することにより銀粒子の断面を露出させ、走査型電子顕微鏡(JEOL JSM-IT300LV、日本電子株式会社製)により各銀粒子の断面を5,000倍で観察した。そして、図2に示すように視野内において輪郭全体をとらえることができる銀粒子の断面の中から任意に選択した100個の銀粒子の断面について、画像解析ソフト(株式会社マウンテック製、画像解析式粒度分布測定ソフトウェアMacView)を用いて銀粒子外周をなぞることで、各銀粒子の長径、短径、周囲長(L)、銀粒子の面積(S)、および銀粒子の最大長(Lmax)を測定した。長径と短径は外接する長方形の面積が最小になるときの値が自動算出された。それらの値から、外接する長方形の周囲長に対する粒子の周囲長の比を下記(式1)に基づいて計算した。また、円形度係数の平均と形状係数の平均を下記(式2)および下記(式3)に基づいて計算し、円形度係数が0.65~0.88である割合、および形状係数が1.4~2.6である割合を求めた。また、アスペクト比(長径/短径)の平均を算出した。
(式1):L/(2×長径+2×短径)
ただし、Lは銀粒子の周囲長(μm)、長径と短径は銀粒子断面の輪郭に外接する長方形の面積が最小になる長方形の長辺(μm)と短辺(μm)である。
(式2):4πS/L
ただし、Sは銀粒子の面積(μm)、Lは銀粒子の周囲長(μm)である。
(式3):π(Lmax/4S
ただし、Sは銀粒子の面積(μm)、Lmaxは銀粒子の最大長(μm)を表す。
<強熱減量(Ig-Loss)の測定方法>
作製した各銀粉の強熱減量(Ig-Loss)は、銀粉試料3gを精密に秤量(秤量値:w1)して磁性るつぼに入れ、800℃まで加熱した。そして恒量に至るのに十分な時間として800℃で30分間保持した。その後、冷却し、再度秤量(秤量値:w2)した。前記w1およびw2を下記(式4)に代入し、強熱減量値を求めた。
強熱減量(Ig-Loss)値(質量%)=(w1-w2)/w1×100・・・(式4)
<タップ密度の測定方法>
作製した各銀粉のタップ密度は、タップ密度測定装置(柴山科学株式会社製、カサ比重測定装置SS-DA-2)を使用し、銀粉30gを計量して、20mLの試験管に入れ、落差20mmで1,000回タッピングし、次式から求めた。
タップ密度(g/mL)=試料重量(15g)/タッピング後の試料体積(mL)
(導電性ペーストの製造)
実施例1~3および比較例1~2の各銀粉と、球状銀粉(球形状の銀粒子を含む銀粉、DOWAハイテック株式会社製、AG-2-1CAgent Added)とを、重量比で5:5となるように混合して原料銀粉を調製した。
次に、エポキシ樹脂(jER1009、三菱ケミカル株式会社製)を溶剤(ブチルカルビトールアセテート、以下、「BCA」と称する)に添加し、完全に溶解するまで加熱しながら攪拌し、エポキシ樹脂jER1009ビヒクルを得た。エポキシ樹脂ビヒクル中のjER1009の濃度は62.23質量%であった。
上記原料銀粉92.60質量%、エポキシ樹脂(EP-4901E、株式会社ADEKA製)3.90質量%、上記エポキシ樹脂jER1009ビヒクル1.57質量%、硬化剤(三ふっ化ほう素モノエチルアミン錯体)0.24質量%、および溶剤(BCA)適量を混合混練した。
混合混練は、まず、プロペラレス自公転式攪拌脱泡装置(株式会社EME製、VMX-N360)を用いて公転1,200rpm/自転600rpmで30秒間攪拌して混合した後、得られた混合物を、3本ロール(オットハーマン社製、EXAKT80S)を用いて混練した。以上により、実施例1~3および比較例1~2の粘度調整前の導電性ペーストを得た。得られた粘度調整前の各導電性ペーストについて、以下のようにして、粘度を測定した。結果を表3に示した。
<導電性ペーストの粘度>
各導電性ペーストの粘度は、回転式の粘度計としてブルックフィールド社製5XHBDV-IIIUCを用い、以下の条件で粘度を測定した。コーンスピンドルにはCPE-52を用いた。測定温度は25℃とし、コーンスピンドルの回転数は1rpmとした。粘度の値は、コーンスピンドルを5分間回転させた時点の値を採用した。
Figure 0007436544000003
更に、各実施例および比較例における粘度調整前の導電性ペーストに適宜BCAを添加し、約300Pa・sの粘度に調整した実施例1~3および比較例1~2の粘度調整済み導電性ペーストを得た。
得られた粘度調整済みの各導電性ペーストについて、上記と同様にして、粘度を測定した。結果を表4に示した。
<導電膜の形成>
得られた粘度調整済みの各導電性ペーストを、スクリーン印刷機(マイクロテック社製、MT-320T)で、設計幅(線幅)30μmおよび35μmのそれぞれの長さ105mmのラインパターン9本を、150mm/sの速度でアルミナ基板上に印刷して各導電性ペーストの膜を形成した。この膜を、大気循環式乾燥機を用い、150℃で10分間乾燥させた後、更に、200℃で30分間加熱により硬化させてライン状の導電膜を形成した。
得られた各導電膜について、以下のようにして、ライン抵抗、断線率、および配線断面積を評価した。結果を表4に示した。
<ライン抵抗>
粘度調整済みの各導電性ペーストにより作製した各導電膜について、デジタルマルチメーター(ADVANTEST社製、R6551)を用いて抵抗値を測定し、ラインパターン9本の平均値から、設計幅(線幅)が30μmおよび35μmのライン抵抗を求めた。なお、ライン抵抗の測定値が100kΩ以上と非常に高いものは断線とみなし、平均値の計算から除外した。
<断線率>
粘度調整済みの各導電性ペーストにより作製した各導電膜について、上記ライン抵抗測定時に、ライン抵抗の測定値が100kΩ以上と非常に高いものを断線とみなした場合の、全9本のラインパターン中で前記断線が見られた本数の割合である、設計幅(線幅)が30μmおよび35μmの断線率を求めた。
<配線断面積>
粘度調整済みの各導電性ペーストにより作製した各導電膜について、ラインパターン9本の内、任意の3本を選んで各々の長さ方向の中心部をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製、VKX-1000)により膜厚(μm)と線幅(μm)を測定し、膜厚×線幅から、設計幅(線幅)が30μmおよび35μmの配線断面積(μm)を求めた。
表4の結果から、実施例1~3のブロック状銀粉を用いた導電性ペーストにより作製した導電膜は、比較例1~2の銀粉を用いた導電性ペーストにより作製した導電膜に比べて、ライン抵抗が低く、断線率が低いことがわかった。

Claims (9)

  1. BET比表面積が0.5m/g以下であり、
    100個以上の銀粒子断面を観察したときの、アスペクト比の平均が1.2以上2.0未満、以下の(式1)で表される外接する長方形の周囲長に対する銀粒子の周囲長の比の平均が0.84以上であり、
    レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積基準の累積50%粒径(D 50 )にBET比表面積を掛けた値が、6.5E-07m /g以上1.0E-06m /g以下であることを特徴とするブロック状銀粉。
    (式1):L/(2×長径+2×短径)
    ただし、Lは銀粒子の周囲長(μm)、長径と短径は銀粒子断面の輪郭に外接する長方形の面積が最小になる長方形の長辺(μm)と短辺(μm)である。
  2. 以下の(式2)で表される円形度係数の平均が0.65~0.88である、請求項1に記載のブロック状銀粉。
    (式2):4πS/L
    ただし、Sは銀粒子の面積(μm)、Lは銀粒子の周囲長(μm)である。
  3. 円形度係数が0.65~0.88である割合が40%以上である、請求項2に記載のブロック状銀粉。
  4. 以下の(式3)で表される形状係数の平均が1.4~2.6である、請求項1から3のいずれかに記載のブロック状銀粉。
    (式3):π(Lmax/4S
    ただし、Sは銀粒子の面積(μm)、Lmaxは銀粒子の最大長(μm)を表す。
  5. 形状係数が1.4~2.6である割合が40%以上である、請求項4に記載のブロック状銀粉。
  6. BET比表面積が0.35m /g以下である、請求項1から5のいずれかに記載のブロック状銀粉。
  7. 球状銀粉とメディアを容器内に入れ容器の動作によって前記球状銀粉と前記メディアを衝突させて、ブロック状銀粉を得るブロック状化工程を含み、
    前記ブロック状銀粉における、100個以上の銀粒子断面を観察したときの、アスペクト比の平均が1.2以上2.0未満、以下の(式1)で表される外接する長方形の周囲長に対する銀粒子の周囲長の比の平均が0.84以上であり、
    レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積基準の累積50%粒径(D 50 )にBET比表面積を掛けた値が、6.5E-07m /g以上1.0E-06m /g以下であることを特徴とするブロック状銀粉の製造方法。
    (式1):L/(2×長径+2×短径)
    ただし、Lは銀粒子の周囲長(μm)、長径と短径は銀粒子断面の輪郭に外接する長方形の面積が最小になる長方形の長辺(μm)と短辺(μm)である。
  8. 前記ブロック状化工程は滑剤を用いずに行う、請求項7に記載のブロック状銀粉の製造方法。
  9. 請求項1から6のいずれかに記載のブロック状銀粉を含有することを特徴とする導電性ペースト。
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