JP7435188B2 - 記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録装置に関する。
従来、記録ヘッドと被記録媒体の支持面とのギャップを複数段階に調整する機構を備えた記録装置が知られている。例えば、特許文献1のギャップ調整機構は、キャリッジと一体に幅方向に移動する摺動部材と、鉛直方向にキャリッジを移動させるカム部材を備え、摺動部材とカム部材とによってギャップを複数段階に切り替える記録装置が開示されている。
特開2014-14938号公報
特許文献1に記載の記録装置は、摺動部材に対してキャリッジを所定の方向に付勢するコイルばねを備え、ギャップを切り替える際に、そのコイルばねの端面とキャリッジとが摺動する。しかしながら、コイルばねの端面は、ばねの断面によってその摺動が阻害されて所望のギャップが得られず、印字品質が低下する恐れがあった。
記録装置は、搬送される媒体に記録を行う記録ヘッドと、前記記録ヘッドが搭載されて前記媒体の搬送方向と交差する幅方向に移動可能なキャリッジと、前記幅方向に延設され、前記キャリッジを前記幅方向にガイドするガイド部材と、前記記録ヘッドと対向する位置において前記媒体を支持する支持面と前記記録ヘッドとの間のギャップが変化する第1方向に前記キャリッジを変位させるギャップ調整手段と、を備え、前記ギャップ調整手段は、前記ガイド部材に対して摺動しつつ、前記キャリッジと一体に前記幅方向に移動する摺動部材と、前記キャリッジと前記摺動部材との間に介在し、前記第1方向における前記キャリッジの位置を維持する維持面と、前記第1方向における前記キャリッジの位置を変化させる調整面と、が前記幅方向に交互に配置された階段状部を備えたカム部材と、前記キャリッジを前記摺動部材に対して前記搬送方向と逆方向に付勢する第1付勢部材と、を有し、前記第1付勢部材には、前記キャリッジとの間を摺動する摺接部材が設けられている。
実施形態に係るインクジェットプリンター複合機の内観斜視図。 インクジェットプリンター複合機の外観斜視図。 インクジェットプリンター複合機のY方向の断面図。 プリンターユニットの斜視図。 プリンターユニットのY方向の断面図。 ギャップ調整手段の全体の斜視図。 ギャップ調整手段の分解図。 カム部材の平面図。 ギャップ調整手段の第1段部への切替図。 ギャップ調整手段の第2段部への切替図。 ギャップ調整手段の第3段部への切替図。 ギャップ調整手段の第4段部への切替図。 ギャップ調整手段の第5段部への切替図。 別形態の摺接部材の図。 別形態の摺接面と受け面の図。 別形態の摺接面と受け面の図。 階段状の受け面とキャリッジのモーメントを説明した図。
以下、本発明の一実施形態に係る記録装置の概略について説明する。本実施形態において、記録装置の一例としてシリアル方式のインクジェットプリンター複合機1を挙げる。
尚、各図において示すX-Y-Z座標系は、X方向が幅方向もしくは走査方向、Y方向が奥行方向もしくは搬送方向と平行な方向、Z方向が高さ方向もしくは鉛直方向もしくは第1方向を示している。
Y方向を示す矢印の先端側を前方もしくは下流とし、基端側を後方もしくは上流とする。また、装置前方から見てX方向を示す矢印側を左とし、基端側を右とする。また、Z方向を示す矢印側を上方とし、基端側を下方もしくは重力方向とする。なお、搬送方向とは、Y方向を示す矢印の基端側から先端側に向かう方向である。
図1に示されるインクジェットプリンター複合機1は、箱状の筐体2の内部に収納され媒体Pに記録を行う記録部8を有するプリンターユニット3と、プリンターユニット3の上部に積載され、原稿の画像を読み取るスキャナーユニット4と、を備えている。
スキャナーユニット4は、プリンターユニット3の上部に対して回動可能に設けられている。図2に示すように、スキャナーユニット4は、筐体2の後方にX方向に沿って回動軸4aを有し、筐体2の前方を自由端4bとして回動できる。スキャナーユニット4は、回動することによりプリンターユニット3の上部を開放する開閉可能な蓋体としての機能を有する。
図3に示すように、スキャナーユニット4は内部に図示しない読取部を備えるスキャナー本体40と、スキャナー本体40の上部に設けられる原稿台41を開閉可能な原稿台カバー42を備えている。原稿台カバー42は単体で開閉することができる。原稿台カバー42を開くと、原稿台41が露呈される。読取部は、原稿台41に載置された原稿を読み取る。原稿は、読み取り面を原稿台41と対向させるようにして原稿台41に載置される。
スキャナーユニット4を操作する操作部6は、装置前方に備えられ、液晶タッチパネル式の表示機能を有している。操作部6は、記録や画像読み取りのための各種設定操作や実行操作の他、設定内容や画像のプレビュー表示などを行うことができる。操作部6はスキャナーユニット4に設けられているが、プリンターユニット3の機能である紙種設定やインク交換などを行うこともできる。
プリンターユニット3は、搬送される媒体Pに向けてインクを吐出することで記録を行う記録ヘッド10と、記録ヘッド10が搭載されて媒体Pの搬送方向と交差する幅方向に往復移動させるキャリッジ20と、を有する記録部8と、媒体Pを複数積層収容できる下段トレイ30と、上段トレイ31とを有する媒体給送部32と、媒体給送部32から給送された媒体Pを記録部8へ搬送し排紙する搬送部33と、を備えている。
プリンターユニット3は、記録を行うことによって減ったインクを補充することができる。図1に示すように、本実施形態のプリンターユニット3は、筐体2の内部の前方側に液体収容部24を配置し、スキャナーユニット4を開いた状態で、液体収容部24にインクの補充が行われる。各液体収容部24の上部には、インク供給口を閉じるキャップ5が設けられている。ユーザーによりキャップ5を開けて、別体のインクボトルよりインクを液体収容部24に注入することができる。筐体2の前面2aの一部に切り欠きが設けられている。液体収容部24は、切り欠きを通して液体収容部24内のインク量を視認できる窓部3aを備えている。液体収容部24には、ユーザーにより液体収容部24内のインク量を視認しながら適宜適切にインクが補充される。
図4に示すように、キャリッジ20の前方と液体収容部24の後方のスペースに、インク供給チューブ25が幅方向に敷設される。各色ごとにインク供給チューブ25の一方の口が、液体収容部24と接続され、X方向に沿って並べられ、液体収容部24の設置場所と反対の幅方向に沿って延設される。インク供給チューブ25は、キャリッジ20の走査幅の中間地点までインク供給チューブ25と交差する方向に適宜、結束バンドにて装置フレームと共に結束して固定される。結束バンドにて結束されたインク供給チューブ25は、中間地点の結束バンドを中軸にして、上方へ緩やかにU字を描くように折り返され、液体収容部24の接続される位置ぐらいまで延設される。インク供給チューブ25の他方の口は、キャリッジ20の筐体前面から挿入され、各色の記録ヘッド10に接続される。また、U字状に上方に折り返されたインク供給チューブ25の途中には、インク供給チューブ25と交差する方向にインク供給チューブ25を結束しつつ、インク供給チューブ25前方側の下方に立設する板状のFPC規制部材27が設けられている。FPC規制部材27は、キャリッジ20の走査幅のほぼ中間地点に設置されるが、U字状に上方に折り返されたインク供給チューブ25のX方向の任意位置に設けたり、複数設置することができる。
また、FPC規制部材27の前方側には、インク供給チューブ25の敷設仮想線と略平行に記録ヘッド10にインク吐出信号を伝達するフレキシブルプリント基板26が設けられる。フレキシブルプリント基板26は、各色ごとに1つずつ必要であり、フレキシブルプリント基板26の平たい面を積層して1つに束ねられている。1つに束ねられたフレキシブルプリント基板26は、平たい面をY方向に向けて、液体収容部24の設置場所とは反対位置からX方向に延設される。延設されたフレキシブルプリント基板26は、キャリッジ20の筐体とは遠い側面側から各色の記録ヘッド10に接続される。このように、シリアル方式の記録ヘッド10を備えたプリンターユニット3は、キャリッジ20の前方と液体収容部24の後方のスペースに、インク供給チューブ25とフレキシブルプリント基板26とを併設することで設置スペースが節約される。
ここで、図4で示すように、紙面右にあるキャリッジ20の位置から左方向へ走査しつつ、搬送された媒体Pに記録を行う場合を考える。キャリッジ20の走査に連れて、右方向から延設してあるインク供給チューブ25は、U字状に上方に折り返された部分を左方向に伸ばしながら移動する。逆に、フレキシブルプリント基板26は、左方向から延設しているため、キャリッジ20の走査に伴い、装置の奥方向に弛みが大きくなっていく。その際、右方向から移動してきたキャリッジ20にフレキシブルプリント基板26が巻き込まれ破損する可能性がある。そのため、FPC規制部材27は、キャリッジ20の走査時にフレキシブルプリント基板26の弛みが大きくなり、キャリッジ20の走査スペースに飛び出さないようにインク供給チューブ25の下方に立設する板状部で規制している。
図3に示すように、プリンターユニット3は筐体2の前面の下方に、下部カバー7が設けられている。下部カバー7は、下部カバー7の下部にX方向に沿って回動軸7aを有している。下部カバー7の上部は、自由端7bとなっている。下部カバー7の自由端7b側を前方に開きながら引くことで記録前の媒体Pを収容する下段トレイ30が引き出される。下部カバー7を開いた状態において、ユーザーは装置奥にある上段トレイ31にアクセス可能となる。
プリンターユニット3は、媒体給送部32の下段トレイ30と上段トレイ31には複数枚の媒体Pを収容可能であり、筐体2に対して着脱可能となっている。下段トレイ30と上段トレイ31は媒体Pのサイズにより使い分けられる。本実施形態のインクジェットプリンター複合機1では、下段トレイ30には、例えばA4サイズの普通紙、写真用光沢紙、ボード紙などの厚紙、普通紙より薄い薄紙が収納され記録可能である。上段トレイ31には、例えば、ハガキや封筒などの厚紙、Lサイズ等の写真用光沢紙などが収納され記録可能である。さらに図示しない装置付属のCDトレイを、開いた下部カバー7の前方より挿入することで、CDやDVDなどのディスク型媒体のラベル面への記録も可能である。
また、下部カバー7が開いた状態で記録後に排紙される媒体Pを受ける排紙トレイ12が露呈できる。排紙トレイ12は、筐体2に収納された収納状態と、筐体2の前方側に突出した突出状態と、を切換可能に構成されており、突出状態で記録後の媒体Pを受けることができる。排紙トレイ12は、不図示の駆動源によって収納状態と突出状態とを切り換え可能に構成されている。
媒体給送部32を構成する図示しないモーターによって回転駆動されるピックアップローラー28aが設けられている。ピックアップローラー28aは、揺動軸28bを中心に揺動する揺動部材28に設けられている。ピックアップローラー28aは、上段トレイ31が給送可能位置にある場合、上段トレイ31に収容された媒体Pの最上位のものと接して回転することにより、上段トレイ31から最上位の媒体Pをピックアップして給送経路へ送り出す。ピックアップローラー28aは、例えば、上段トレイ31が装着されていない場合、下段トレイ30に収容された媒体Pの最上位のものと接して回転することにより、最上位の媒体Pを下段トレイ30からピックアップする。
ピックアップされた媒体Pは、必ずしも単離されているとは限らない。そこで媒体Pが重送された場合に備え、下段トレイ30に収容された媒体Pの先端及び上段トレイ31に収容された媒体Pの先端と対向する位置に分離手段11が設けられている。分離手段11は、下段トレイ30又は上段トレイ31からピックアップローラー28aの回転により繰り出された媒体Pの先端と接し、媒体Pが分離手段11と接した状態で給送経路下流側へと給送されることにより、最上位の媒体Pと次位以降の媒体Pとの分離を行う。そして、媒体Pは、給送ローラー13を取り巻くように給送ローラー13と挟持する第1給送従動ローラー14a、同じく給送ローラー13との間で媒体Pを挟持する第2給送従動ローラー14bを経由して、搬送部33へ送り出される。
搬送部33は、図示しないモーターにより駆動される搬送駆動ローラー15と、搬送駆動ローラー15に圧接して従動回転する搬送従動ローラー16とを備え、媒体Pを下流側にある記録部8へと搬送させる。
記録部8のキャリッジ20には、記録ヘッド10に対向する位置において媒体Pを支持する支持面17と記録ヘッド10との間のギャップを変化させるギャップ調整手段94を備えている。詳細は後述するが、ギャップ調整手段94は、媒体Pの厚みの違いに応じて、キャリッジ20を鉛直方向に変位させることで記録ヘッド10と媒体との擦れを低減させて高品位な画像を提供するのに最適なギャップに調整する機構である。
図4に示すように記録部8のキャリッジ20は、幅方向に延設され、キャリッジ20を幅方向にガイドするガイド部材66に摺動可能に設けられており、駆動モーター55によって媒体Pの幅方向に記録ヘッド10を走査することができる。媒体Pを支持する支持面17に媒体Pが送られ、記録ヘッド10からインクを吐出させながらキャリッジ20を一方向に走査し、さらに媒体Pが前方に送られ、記録ヘッド10からインクを吐出させながらキャリッジ20を他方向に走査することを繰り返して記録が行われる。
図3に示すように、記録部8で記録が行われた媒体Pは、第1ローラー52と第2ローラー54とに挟持され、筐体2の前方側に突出した突出状態の排紙トレイ12に排紙される。また、媒体Pに両面記録を行う場合は、記録部8によって媒体Pの第1面に記録が行われた後、媒体Pは搬送部33を逆方向に搬送される。すなわち、排紙トレイ12に完全に排紙される直前に第1ローラー52と第2ローラー54とに挟持された状態で、搬送方向とは逆方向に搬送される。その際、媒体P後端が先頭となり、搬送方向とは逆方向にある媒体給送部32へ搬送される。
媒体Pは、媒体給送部32の再給送ローラー18と給送ローラー13とに挟持されて再給送される。給送ローラー13を取り巻くように配置された再給送ローラー18、第1給送従動ローラー14a、第2給送従動ローラー14bの順に挟持されて、給送ローラー13の周りを一周させることで媒体Pは、第1面の裏面である第2面を上方に向けて反転させられる。そして、媒体Pは、搬送部33により記録部8へ送られ、第2面に記録ヘッド10により記録が行われ、装置前方に設けられた排紙トレイ12に排紙される。
<ギャップ調整手段について>
図5を参照してギャップ調整手段の概要について説明する。
ギャップ調整手段94は、キャリッジ20の筐体の背面88から後方に突出した部分とその後方にあるガイド部材66との係合部分に設けられる。記録ヘッド10を搭載するキャリッジ20は、ギャップ調整手段94を介してガイド部材66に支持されている。ガイド部材66は、その後方にある図示しない装置フレームに重ねた状態でネジ止めして固定されている。
ガイド部材66は、幅方向に延設されガイド部材66の底面を形成するガイド摺動面70と、ガイド摺動面70の後方の端面からZ方向に立設されたガイド支持面72と、ガイド摺動面70の前方の端面からZ方向に立設されたガイド面74aと、ガイド面74aの上方の端面から後方に延設された規制面76と、を備えている。
キャリッジ20の筐体の背面88と接する板状の背面部材74は、その裏面にガイド面74aを形成しているガイド部材66の一部である。そして、ギャップ調整手段94が設けられる場所は、キャリッジ20の筐体の背面88から後方に突出して背面部材74を覆いつつガイド摺動面70付近まで延設され、Y方向とZ方向を壁で囲われている。この四方を壁で囲われたキャリッジ20の筐体の背面88とガイド部材66との係合部分を以降ハウス部89と呼ぶ。ギャップ調整手段94は、ハウス部89に組み込まれている。
ギャップ調整手段94は、ガイド摺動面70に当接しつつ摺動する摺動部材114を備えている。さらにギャップ調整手段94は、その摺動部材114と、ハウス部89のキャリッジ20の筐体の背面88と対向する内壁としての受け面90と、を備えている。そして、ギャップ調整手段94は、摺動部材114と受け面90とに挟持される図7に示す第1付勢部材としてのコイルばね150を備えている。そのため、キャリッジ20の一部であるハウス部89の内壁としての受け面90は、摺動部材114に対して搬送方向と逆方向にコイルばね150で付勢されながら、ギャップ調整手段94をキャリッジ20と一体に、幅方向に往復移動させることができる。
図6は、ハウス部89に組み込まれたギャップ調整手段94を取り出した全体斜視図である。図7は、図6に示したギャップ調整手段94を各部品に分解した分解斜視図である。図8は、後述するカム部材116を搬送方向とは逆方向から見た平面図である。図5から図8を参照して、ギャップ調整手段94の構造と動作について説明する。
図7に示すように、ギャップ調整手段94は、前述した摺動部材114と、受け面90と、コイルばね150と、さらにその摺動部材114と受け面90との間に介在して係合するカム部材116と、カム部材116と係合する係合部材118と、が備えられている。
摺動部材114は、その前部をガイド部材66の一部である背面部材74の裏面のガイド面74aと接している。摺動部材114は、その後部に幅方向に階段状の係合部124を並列に2セット有している。2セットの階段状の係合部124の中間には、後方側にあるカム部材116の切り欠け部126aと係合する第1の係合ピン126を備えている。摺動部材114は、2セットの階段状の係合部124の最上段部の端面からさらに上方に延設した頂上には接触部130を一つずつ備えている。
摺動部材114は、その後部の左右端部に搬送方向と逆方向に突出する一対の突出部120を備えている。その突出部120は、コイルばね150の内側に挿入される。コイルばね150の先端には左右一対のキャップ形状をした摺接部材115が被ぶせられる。摺接部材115の先端は、キャリッジ20の受け面90と摺動する摺動面91を有している。図5に示すように、媒体Pを支持する支持面17と記録ヘッド10との間のギャップの調整時にキャリッジ20の受け面90が摺接部材115に対してZ方向にスムーズに摺動することでコイルばね150の座屈が抑制される。
また、摺動部材114の上部に突き出された左右端部には、摺動部材114をキャリッジ20を第1方向としての鉛直方向に付勢する第2付勢部材としての引っ張りばね128が備えられている。そして、引っ張りばね128を掛止する第1接続部としての第1フック部132が摺動部材114の上部に突き出された左右端部にそれぞれ設けられている。図5に示すように、第1フック部132には、引っ張りばね128の一端が摺動部材114の上部の端部に掛止される。第2接続部としての第2フック部133は、キャリッジ20のハウス部89における左右の外壁に設けられ、引っ張りばね128の他端が掛止される。仮に、あるギャップに調整がなされる際、摺動部材114に設けられたコイルばね150が、キャリッジ20の受け面90を常に付勢しているため、キャリッジ20がZ方向へスムーズに変位することを妨げる可能性がある。その状態を抑制するため、摺動部材114と接続させる第1フック部132と第2フック部133に引っ張りばね128が設けられている。引っ張りばね128は、摺動部材114に掛止しているキャリッジ20を常に上方へ付勢させる。そのため、キャリッジ20は、摺動部材114に設けた摺接部材115との間でZ方向へスムーズに変位することができる。
尚、摺動部材114は、キャリッジ20の自重でガイド部材66のガイド摺動面70に押し付けられており、キャリッジ20がX方向に沿って往復走査する際、ガイド摺動面70からキャリッジ20が浮き上がることが抑制される。
また、図5に示すように、キャリッジ20のハウス部89の左右の外壁に取り付けられている第2フック部133は、デフォルト状態で、摺動部材114の第1フック部132と鉛直方向に沿って掛止可能に設けられている。
しかし、図5の破線部に示すように、キャリッジ20のハウス部89の左右の外壁に取り付けられている第2フック部133が、摺動部材114の第1フック部132に対して後方に掛止可能に設けてもよい。つまり、引っ張りばね128は、摺動部材114の第1フック部132から搬送方向上流側に傾斜させてキャリッジ20のハウス部89の左右の外壁に取り付けられている第2フック部133と掛止される。これにより、摺動部材114の第1フック部132を介してキャリッジ20の後方側に第2フック部133に掛止された引っ張りバネ128の復元力により搬送方向と逆方向に付勢力が発生する。すなわち、引っ張りばね128は、摺動部材114に設けたコイルばね150によるキャリッジ20の受け面90を搬送方向と逆方向へ付勢するのをアシストすることができる。
尚、摺動面91は、さらに摺動性を向上させるために、潤滑剤を塗布しておいてもよい。そして、図14に示すように、潤滑剤が摺動面91に常に供給される形態として例えば、摺動面91に潤滑剤を保持する溝91aを設けてもよい。他実施形態としては、図示しないが、摺動面91に少なくとも一つ以上の凹状のピット部を設け、潤滑剤を保持させて摺動性を向上させてもよい。
また、図15に示すように、例えば、一方の面である摺動面91に鉛直方向に延在する凹部91bが設けられ、その凹部91bと係合する他方の面である受け面90に凸部90bを設けて摺動性を向上させてもよい。また、逆のパターンも考えられる。図示しないが、一方の面である受け面90に鉛直方向に延在する凹部が設けられ、凹部と係合する他方の面である摺動面91に凸部を設けて摺動性を向上させてもよい。
また、図16に示すように、例えば、一方の面として摺動面91を凸状の円弧面に形成し、摺動面91と係合させる受け面90としての他方の面を凹状の円弧面に形成することで摺動性を向上させてもよい。また、逆のパターンも考えられる。図示しないが、一方の面として受け面90を凸状の円弧面に形成し、受け面90と係合させる摺動面91としての他方の面は、凹状の円弧面に形成することで摺動性を向上させてもよい。
尚、本実施形態では、コイルばね150を左右ともに同荷重のものを用いているが、コイルばね150を互いにばね定数の異なるばねを用いてもよい。本実施形態のようにコイルばね150の左右とも同荷重にした場合には、ギャップ調整時の動作音が大きくなる傾向がある。つまり、コイルばね150の左右の付勢力は、詳細は後述するカム部材116の左右に一対の階段状部138と、その階段状部138と係合している摺動部材114の2つの接触部130と、で記録ヘッド10と媒体Pを支持する支持面17との間のギャップの維持をサポートしている。そのため、コイルばね150の左右とも同荷重にした場合には、左右に一対の階段状部138と係合している2つの接触部130が同時に段差を落下して大きな落下音が発生する。しかし、コイルばね150が、摺動部材114の幅方向における両端で互い付勢力が異なる場合には、カム部材116の左右に一対の階段状部138を片側ずつ接触部130が落下するので落下音の発生タイミングをずらすことができる。そのため、ギャップ調整手段94の動作時に発生する落下音を相対的に小さくすることができる。
図5から図7に示すように、摺動部材114の後方に配置されるカム部材116は、キャリッジ20の受け面90と摺動部材114との間に介在する。図8に示すように、カム部材116は、摺動部材114に接する側に幅方向に交互に配置された左右に一対の階段状部138を備える。階段状部138の最下段部の端面からさらに下方に延設した頂点部には第2の係合ピン136を備えている。図7に示すように、第2の係合ピン136は、摺動部材114の階段状の係合部124と係合しX方向にカム部材116をスライド可能にさせる。また、カム部材116の上部の左右端部には一対の上部係合部142を有している。図9に示すように、上部係合部142は、キャリッジ20のハウス部89の上部のX方向に沿って設けたガイド溝89aと係合し、カム部材116のキャリッジ20のハウス部89からの脱落を防止している。
図7に示すようにカム部材116の後方に配置される係合部材118は、X方向に沿って延びるガイド溝144と、Z方向に延びるとともにX方向にも傾斜して延びている長穴146と、が並んで設けられている。図6に示すように摺動部材114の第1の係合ピン126は、カム部材116の切り欠け部126aを介して係合部材118のガイド溝144と係合している。また、図7に示すようにカム部材116は、摺動部材114に接触する側とは反対側に、第3の係合ピン140が設けられている。カム部材116の第3の係合ピン140は係合部材118の長穴146と係合される。
そのため、係合部材118をX方向にスライドさせると、図6に示すように摺動部材114の第1の係合ピン126と係合部材118のガイド溝144とが係合するしているため、係合部材118と摺動部材114はZ方向に変位はしない。しかし、カム部材116は、係合部材118の長穴146に沿って第3の係合ピン140がX方向に傾斜しながらZ方向へと移動する。つまり、係合部材118のスライドによりカム部材116と係合部材118とは一体にX方向に移動しつつ、カム部材116だけは、長穴146の高さ分程度、Z方向に変位する。Z方向に変位するとは、すなわち、カム部材116の第2の係合ピン136が、摺動部材114の階段状の係合部124の最下段部から最上段部までの高さである。
図6と図7に示すように、ギャップ調整手段94は、摺動部材114と、カム部材116と、係合部材118と、を組み合わせて機能させる。
カム部材116上面に設けられたラック100と係合される図示されないピニオン・ギアからモーターの動力が伝わりギャップ調整が行われる。例えば、X方向の矢印の基端側から先端側へカム部材116を移動させることで、媒体Pを支持する支持面17と記録ヘッド10との間のギャップを大きくさせる場合を説明する。
ピニオン・ギアから伝わった動力がラック100に伝達されカム部材116をX方向へ移動させる。カム部材116は、キャリッジ20のハウス部89の上部のX方向に沿って設けたガイド溝89aの長さ分、X方向に移動できる。その時、カム部材116は、自身の第2の係合ピン136が摺動部材114の階段状の係合部124と係合しながらX方向へ移動しながら上方へ変位させる。前述したようにキャリッジ20のハウス部89とカム部材116の上部係合部142が係合しているため、キャリッジ20は、カム部材116と一体的に上方へ変位する。
図8から図13を参照にして、ギャップ調整手段94の動作による媒体Pを支持する支持面17と記録ヘッド10の間のギャップについて説明する。ギャップ調整手段94の構造は、前述したように、左右に同じ階段状の部位を有する構造をしており、2セットとも連動して同じ動作をさせるため、1セットについてのみ説明する。
尚、図9から図13におけるギャップ調整手段94は、図6のZ方向における断面A-A´を示している。
図8に示すように、カム部材116は、摺動部材114と接触する側に、幅方向に交互に配置され、鉛直方向に階段状部138を備えたカム部が設けられている。カム部の階段状部138は、鉛直方向におけるキャリッジの位置を維持する維持面と、その維持面の間を傾斜で結んで鉛直方向におけるキャリッジの位置を変化させる調整面と、で構成されている。詳細には、ギャップの維持面としての第1段部138a、第2段部138c、第3段部138e、第4段部138g、第5段部138iと、ギャップの調整面としての第1傾斜部138b、第2傾斜部138d、第3傾斜部138f、第4傾斜部138hとを有している。すなわち、各段部138a,138c,138e,138g,138iと各傾斜部138b,138d,138f,138hとは幅方向に交互に階段状に配置されている。
第1段部138a、第2段部138c、第3段部138e、第4段部138g、第5段部138iのいずれかが摺動部材114の接触部130と係合して、ギャップを規定するとともにギャップを維持する。また、第1傾斜部138b、第2傾斜部138d、第3傾斜部138f、第4傾斜部138hは、摺動部材114に対してカム部材116がスライドする際、ギャップを変化させる。
カム部材116が摺動部材114に対してX方向にスライドする際、接触部130が各段部138a,138c,138e,138g,138iに順に係合し、あるいはカム部材116が摺動部材114に対してX方向に沿って逆方向にスライドする際、接触部130が各段部138i,138g,138e,138c,138aに順に係合することにより、ギャップの距離を変化させることができる。
次いで、各ギャップについて説明する。図9において、カム部材116の階段状部138の第1段部138aと摺動部材114の接触部130とが接触している状態である。この際、第1段部138aのZ方向における高さは、媒体Pを支持する支持面17と記録ヘッド10との間のギャップが最小の設定となる。このギャップは、例えば写真用光沢紙に記録する場合に設定される。
次に図10において、カム部材116の階段状部138の第2段部138cと摺動部材114の接触部130とが接触している状態である。この際、第2段部138cのZ方向における高さは、媒体Pを支持する支持面17と記録ヘッド10との間のギャップが最小の設定より一段階上方にキャリッジ20の位置を変位させる。このギャップは、例えば普通紙に記録する場合に設定される。また、最小の設定で写真用光沢用紙に記録を行った際に記録ヘッド10が接触する、いわゆる擦れが発生した場合の擦れ回避に設定される。
次に図11において、カム部材116の階段状部138の第3段部138eと摺動部材114の接触部130とが接触している状態である。この際、第3段部138eのZ方向における高さは、媒体Pを支持する支持面17と記録ヘッド10との間のギャップが最小の設定より二段階上方にキャリッジ20の位置を変位させる。このギャップは、例えば前記一段階のギャップの設定で普通紙に記録を行った際に、擦れが発生した場合に擦れ回避に設定される。
次に図12おいて、カム部材116の階段状部138の第4段部138gと摺動部材114の接触部130とが接触している状態である。この際、第4段部138gのZ方向における高さは、媒体Pを支持する支持面17と記録ヘッド10との間のギャップが最小の設定より三段階上方にキャリッジ20の位置を変位させる。このギャップは、例えばボード紙などの厚紙に記録する場合に設定される。
次に図13において、カム部材116の階段状部138の第5段部138iと摺動部材114の接触部130とが接触している状態である。この際、第5段部138iのZ方向における高さは、媒体Pを支持する支持面17と記録ヘッド10との間のギャップが最大となるように設定される。このギャップは、例えばCDなどのレーベルに記録する場合に設定される。
尚、図17に示すように、本実形態におけるギャップ調整手段94では、ガイド部材66の上部から重力方向に立設される上部支持面66aとその上部支持面66aと接するキャリッジ20の上部摺動面20aに掛かるモーメントはキャリッジ20のZ方向の変位により変化する。例えば、ギャップ調整でキャリッジ20を重力方向に変位させる図17で示す実線から破線になる場合を考える。キャリッジ20の重心点MG1は、重心点MG2に変化する。回転支点である上部摺動面20aは、そのままであるため、上部摺動面20aと重心点MG1を結ぶ線分に比べて上部摺動面20aと重心点MG2を結ぶ線分の方が長くなる。つまりは、キャリッジ20のZ方向の変位によりモーメントが変化している。このため、キャリッジの受け面90に掛かるコイルばね150の付勢力が変化しない場合、キャリッジ20に掛かるモーメントが変わってしまう。そこで、このギャップ調整手段94によるキャリッジ20に掛かるモーメントを一定にするには、キャリッジ20のハウス部89の受け面90を第1方向であるZ方向に向かって階段状となる段差を設ける。これにより、ギャップ調整手段94は、キャリッジ20のZ方向の変位に対して、コイルばね150の付勢力を強弱させることによりキャリッジ20に掛かるモーメントのバランスをとることができる。
以上述べたように、一実施形態としてのインクジェットプリンター複合機1によれば以下の効果を得ることができる。
インクジェットプリンター複合機1は、ガイド部材66を幅方向に延設して、キャリッジ20を幅方向に走査しながら、キャリッジ20に搭載された記録ヘッド10にて、支持面17に支持された媒体Pに記録を行う。インクジェットプリンター複合機1は、記録ヘッド10と対向する位置において媒体Pを支持する支持面17と記録ヘッド10との間のギャップを鉛直方向にキャリッジ20を変位させるギャップ調整手段94を備えている。ギャップ調整手段94は、キャリッジ20と一体に幅方向に移動する摺動部材114と、キャリッジ20と摺動部材114との間に介在して、幅方向に交互に維持面と調整面が配置された階段状部138を備えたカム部材116とを備えている。ギャップ調整手段94の摺動部材114の後方の左右端部には一対の突出部120を有しており、突出部120の外側にはコイルばね150を備える。コイルばね150は、キャリッジ20を摺動部材114に対して搬送方向と逆方向に付勢してる。
インクジェットプリンター複合機1は、摺動部材114に備えたコイルばね150の先端とキャリッジ20の受け面90の間に摺接部材115を設けることにより、コイルばね150の端部がキャリッジ20の受け面90に引っ掛ることが抑制される。それにより、媒体Pを支持する支持面17と記録ヘッド10との間のギャップが安定するので、印字品質が向上する。
インクジェットプリンター複合機1は、摺動部材114に設けられた突出部120にコイルばね150の内側を入れることで、摺接部材115とコイルばね150との中心軸のズレを抑制させる。さらにギャップ調整の際にコイルばね150が座屈しづらくなり、媒体Pを支持する支持面17と記録ヘッド10との間のギャップが安定するので、印字品質が向上する。
インクジェットプリンター複合機1は、摺動部材114に備えたコイルばね150の先端とキャリッジ20の受け面90の間に摺接部材115を設ける。摺接部材115は、キャリッジ20の受け面90と摺接部材115側の摺動面91に潤滑剤を保持する溝を設ける。そのため、インクジェットプリンター複合機1は、キャリッジ20の受け面90と摺接部材115の摺動面91とに潤滑剤が塗布されることにより、摩擦係数が下がりスムーズに摺動可能となる。それにより、媒体Pを支持する支持面17と記録ヘッド10との間のギャップが安定するので、印字品質が向上する。
インクジェットプリンター複合機1は、ギャップ調整手段94によりキャリッジ20を変位させることでキャリッジ20の重心点が変化する。しかし、回転支点である上部摺動面20aは、そのままである。そのため、回転支点である上部摺動面20aとキャリッジ20の重心点を結ぶ線分であるモーメントは変化する。つまり、キャリッジ20のZ方向の変位によりモーメントが変化しているにも関わらず、キャリッジの受け面90に掛かるコイルばね150の付勢力が変化しない場合には、キャリッジ20に掛かるモーメントが一定でなくなる。そこで、インクジェットプリンター複合機1は、キャリッジ20の受け面90をZ方向に向かって階段状となる段差を設ける。インクジェットプリンター複合機1は、キャリッジ20のZ方向の変位に対して、コイルばね150の付勢力を強弱させることによりキャリッジ20に掛かるモーメントのバランスをとることができる。それにより、媒体Pを支持する支持面17と記録ヘッド10との間のギャップが安定するので、印字品質が向上する。
インクジェットプリンター複合機1は、摺接部材115の摺動面91かキャリッジ20の受け面90のいずれか一方の面には、鉛直方向に延在する凹部か凸部を設けて係合させることにより、摺接部材115がキャリッジ20の受け面90に引っ掛ることが抑制される。それにより、媒体Pを支持する支持面17と記録ヘッド10との間のギャップが安定するので、印字品質が向上する。
インクジェットプリンター複合機1は、摺動部材114に備えたコイルばね150の先端とキャリッジ20の受け面90の間に摺接部材115を設ける。インクジェットプリンター複合機1は、摺接部材115の摺動面91と受け面90の間で摩擦係数を下げる形状を備える。インクジェットプリンター複合機1は、摺接部材115の摺動面91かキャリッジ20の受け面90のいずれか一方の面に凸状の円弧面か凹状の円弧面を設けて係合させることにより、摺接部材115の摺動面91がキャリッジ20の受け面90に引っ掛ることが抑制される。それにより、媒体Pを支持する支持面17と記録ヘッド10との間のギャップが安定するので、印字品質が向上する。
インクジェットプリンター複合機1は、ギャップ調整手段94の摺動部材114の上部に突き出された左右端部には、キャリッジ20を鉛直方向に付勢する第2付勢部材としての引っ張りばね128が備えられている。しかし、キャリッジ20を付勢する付勢力が不足する場合に、インクジェットプリンター複合機1は、引っ張りばね128を鉛直方向に対してキャリッジ20のハウス部89の外壁に設けた第2フック部133を搬送方向上流側に傾斜させて配置する。これにより、摺動部材114の第1フック部132を介してキャリッジ20の後方側に第2フック部133に掛止された引っ張りバネ128の復元力により搬送方向と逆方向に付勢力が発生する。すなわち、引っ張りばね128は、摺動部材114に設けたコイルばね150によるキャリッジ20の受け面90を搬送方向と逆方向へ付勢するのをアシストすることができる。それにより、媒体Pを支持する支持面17と記録ヘッド10との間のギャップが安定するので、印字品質が向上する。
インクジェットプリンター複合機1は、通常、左右に一対のコイルばね150による付勢力によりキャリッジ20を支持しており、カム部材116の左右に一対の階段状部138と係合している摺動部材114の2つの接触部130で記録ヘッド10と媒体Pを支持する支持面17とのギャップを維持するのをサポートしている。そのため、コイルばね150の左右とも同荷重にした場合には、左右に一対の階段状部138と係合している2つの接触部130が同時に段差を落下するときに大きな落下音が発生する。
そこで、インクジェットプリンター複合機1は、コイルばね150が、摺動部材114の幅方向における両端で互い付勢力が異なるようにばね定数等を変え、カム部材116の左右に一対の階段状部138を片側ずつ接触部130が落下タイミングを変えることができる。そのため、インクジェットプリンター複合機1は、ギャップ調整手段94の動作時に発生する落下音を小さくすることができる。それにより、インクジェットプリンター複合機1は、ユーザーを不快感にさせる音を抑制することができる。
1…記録装置としてのインクジェットプリンター複合機、10…記録ヘッド、17…媒体を支持する支持面、20…キャリッジ、66…ガイド部材、90…受け面、90b…凸部、91…摺動面、91a…潤滑剤を保持する溝、91b…凹部、94…ギャップ調整手段、114…摺動部材、115…摺接部材、116…カム部材、120…突出部、128…第2付勢部材としての引っ張りばね、138…階段状部、138a…第1維持面としての第1段部、138c…第2維持面としての第2段部、138e…第3維持面としての第3段部、138g…第4維持面としての第4段部、138i……第5維持面としての第5段部、138b…第1調整面としての第1傾斜部、138d…第2調整面としての第2傾斜部、138f…第3調整面としての第3傾斜部、138h…第4調整面としての第4傾斜部、150…第1付勢部材としてのコイルばね。

Claims (12)

  1. 搬送される媒体に記録を行う記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドが搭載されて前記媒体の搬送方向と交差する幅方向に移動可能なキャリッジと、
    前記幅方向に延設され、前記キャリッジを前記幅方向にガイドするガイド部材と、
    前記記録ヘッドと対向する位置において前記媒体を支持する支持面と前記記録ヘッドとの間のギャップが変化する第1方向に前記キャリッジを変位させるギャップ調整手段と、を備え、
    前記ギャップ調整手段は、
    前記ガイド部材に対して摺動しつつ、前記キャリッジと一体に前記幅方向に移動する摺動部材と、
    前記キャリッジと前記摺動部材との間に介在し、前記第1方向における前記キャリッジの位置を維持する維持面と、前記第1方向における前記キャリッジの位置を変化させる調整面と、が前記幅方向に交互に配置された階段状部を備えたカム部材と、
    前記キャリッジを前記摺動部材に対して前記搬送方向と逆方向に付勢する第1付勢部材と、を有し、
    前記第1付勢部材には、前記キャリッジとの間を摺動する摺接部材が設けられ、
    前記摺接部材は前記キャリッジと摺動する摺動面を有し、
    前記摺動面には、潤滑剤を保持する溝が設けられること、
    を特徴とする記録装置。
  2. 搬送される媒体に記録を行う記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドが搭載されて前記媒体の搬送方向と交差する幅方向に移動可能なキャリッジと、
    前記幅方向に延設され、前記キャリッジを前記幅方向にガイドするガイド部材と、
    前記記録ヘッドと対向する位置において前記媒体を支持する支持面と前記記録ヘッドとの間のギャップが変化する第1方向に前記キャリッジを変位させるギャップ調整手段と、を備え、
    前記ギャップ調整手段は、
    前記ガイド部材に対して摺動しつつ、前記キャリッジと一体に前記幅方向に移動する摺動部材と、
    前記キャリッジと前記摺動部材との間に介在し、前記第1方向における前記キャリッジの位置を維持する維持面と、前記第1方向における前記キャリッジの位置を変化させる調整面と、が前記幅方向に交互に配置された階段状部を備えたカム部材と、
    前記キャリッジを前記摺動部材に対して前記搬送方向と逆方向に付勢する第1付勢部材と、
    前記摺動部材を前記キャリッジに対して前記第1方向に付勢する第2付勢部材を有し、
    前記第1付勢部材には、前記キャリッジとの間を摺動する摺接部材が設けられ、
    前記第2付勢部材の前記キャリッジと接続される第2接続部は、前記摺動部材と接続される第1接続部よりも前記搬送方向上流に位置すること、
    を特徴とする記録装置。
  3. 搬送される媒体に記録を行う記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドが搭載されて前記媒体の搬送方向と交差する幅方向に移動可能なキャリッジと、
    前記幅方向に延設され、前記キャリッジを前記幅方向にガイドするガイド部材と、
    前記記録ヘッドと対向する位置において前記媒体を支持する支持面と前記記録ヘッドとの間のギャップが変化する第1方向に前記キャリッジを変位させるギャップ調整手段と、を備え、
    前記ギャップ調整手段は、
    前記ガイド部材に対して摺動しつつ、前記キャリッジと一体に前記幅方向に移動する摺動部材と、
    前記キャリッジと前記摺動部材との間に介在し、前記第1方向における前記キャリッジの位置を維持する維持面と、前記第1方向における前記キャリッジの位置を変化させる調整面と、が前記幅方向に交互に配置された階段状部を備えたカム部材と、
    前記キャリッジを前記摺動部材に対して前記搬送方向と逆方向に付勢する第1付勢部材と、を有し、
    前記第1付勢部材には、前記キャリッジとの間を摺動する摺接部材が設けられ、
    前記第1付勢部材は、前記摺動部材の前記幅方向における両端に設けられ、互いに付勢力が異なること、
    を特徴とする記録装置。
  4. 前記第1付勢部材は、コイルばねであり、
    前記摺動部材は、前記コイルばねの内側に突出する突出部を有すること、
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の記録装置。
  5. 前記摺接部材は前記キャリッジと摺動する摺動面を有し、
    前記摺動面には、潤滑剤を保持する溝が設けられること、
    を特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の記録装置。
  6. 前記キャリッジは、前記摺動面と摺動する受け面を有し、
    前記受け面には、前記第1方向に向かって階段形状となる段差が設けられること、
    を特徴とする請求項1又は請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記摺動面、及び前記受け面のいずれか一方の面には、前記第1方向に延在する凹部が設けられ、
    他方の面には、前記凹部と係合する凸部が設けられること、
    を特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  8. 前記摺動面、及び前記受け面のいずれか一方の面は、凹状の円弧面であり、
    他方の面は、凸状の円弧面であること、
    を特徴とする請求項6又は請求項7に記載の記録装置。
  9. 前記ギャップ調整手段は、前記摺動部材を前記キャリッジに対して前記第1方向に付勢する第2付勢部材を有し、
    前記第2付勢部材の前記キャリッジと接続される第2接続部は、前記摺動部材と接続される第1接続部よりも前記搬送方向上流に位置すること、
    を特徴とする請求項1、請求項3から請求項8のいずれか一項に記載の記録装置。
  10. 前記第1付勢部材は、前記摺動部材の前記幅方向における両端に設けられ、互いに付勢力が異なること、
    を特徴とする請求項1、2、請求項4から請求項9のいずれか一項に記載の記録装置。
  11. 搬送される媒体に記録を行う記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドが搭載されて前記媒体の搬送方向と交差する幅方向に移動可能なキャリッジと、
    前記幅方向に延設され、前記キャリッジを前記幅方向にガイドするガイド部材と、
    前記記録ヘッドと対向する位置において前記媒体を支持する支持面と前記記録ヘッドとの間のギャップが変化する第1方向に前記キャリッジを変位させるギャップ調整手段と、を備え、
    前記ギャップ調整手段は、
    前記ガイド部材に対して摺動しつつ、前記キャリッジと一体に前記幅方向に移動する摺動部材と、
    前記キャリッジと前記摺動部材との間に介在し、前記第1方向における前記キャリッジの位置を維持する維持面と、前記第1方向における前記キャリッジの位置を変化させる調整面と、が前記幅方向に交互に配置された階段状部を備えたカム部材と、
    前記キャリッジを前記摺動部材に対して前記搬送方向と逆方向に付勢する第1付勢部材と、を有し、
    前記第1付勢部材には、前記キャリッジとの間を摺動する摺接部材が設けられ、
    前記摺接部材は前記キャリッジと摺動する摺動面を有し、
    前記キャリッジは、前記摺動面と摺動する受け面を有し、
    前記摺動面、及び前記受け面のいずれか一方の面には、前記第1方向に延在する凹部が設けられ、
    他方の面には、前記凹部と係合する凸部が設けられること、
    を特徴とする記録装置。
  12. 搬送される媒体に記録を行う記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドが搭載されて前記媒体の搬送方向と交差する幅方向に移動可能なキャリッジと、
    前記幅方向に延設され、前記キャリッジを前記幅方向にガイドするガイド部材と、
    前記記録ヘッドと対向する位置において前記媒体を支持する支持面と前記記録ヘッドとの間のギャップが変化する第1方向に前記キャリッジを変位させるギャップ調整手段と、を備え、
    前記ギャップ調整手段は、
    前記ガイド部材に対して摺動しつつ、前記キャリッジと一体に前記幅方向に移動する摺動部材と、
    前記キャリッジと前記摺動部材との間に介在し、前記第1方向における前記キャリッジの位置を維持する維持面と、前記第1方向における前記キャリッジの位置を変化させる調整面と、が前記幅方向に交互に配置された階段状部を備えたカム部材と、
    前記キャリッジを前記摺動部材に対して前記搬送方向と逆方向に付勢する第1付勢部材と、を有し、
    前記第1付勢部材には、前記キャリッジとの間を摺動する摺接部材が設けられ、
    前記摺接部材は前記キャリッジと摺動する摺動面を有し、
    前記キャリッジは、前記摺動面と摺動する受け面を有し、
    前記摺動面、及び前記受け面のいずれか一方の面は、凹状の円弧面であり、
    他方の面は、凸状の円弧面であること、
    を特徴とする記録装置。
JP2020070870A 2020-04-10 2020-04-10 記録装置 Active JP7435188B2 (ja)

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