JP7427337B2 - ウエーハの検査方法 - Google Patents

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本発明は、内部に改質層が形成されたウエーハを検査するウエーハの検査装置、及び、該検査装置を用いたウエーハの検査方法に関する。
デバイスチップの製造工程では、互いに交差する複数の分割予定ライン(ストリート)によって区画された複数の領域の表面側にそれぞれ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)等のデバイスが形成されたウエーハが用いられる。このウエーハを分割予定ラインに沿って分割することにより、デバイスをそれぞれ備える複数のデバイスチップが得られる。
ウエーハの分割には主に、環状の切削ブレードでウエーハを切削する切削装置が用いられる。切削ブレードを回転させてウエーハに切り込ませることにより、ウエーハが切断されて複数のデバイスチップに分割される。一方、近年では、レーザー加工によってウエーハを分割する技術も着目されている。
例えば、ウエーハに対して透過性を有するレーザービームをウエーハの裏面側から照射し、ウエーハの内部に改質された領域(改質層)を分割予定ラインに沿って形成する手法が実用化されている。ウエーハの改質層が形成された領域は、他の領域よりも脆くなる。そのため、改質層が形成されたウエーハに外力を付与すると、ウエーハが改質層を起点として破断し、分割予定ラインに沿って分割される。
なお、ウエーハの内部に改質層が適切に形成されていないと、ウエーハに外力を付与してもウエーハが適切に分割されず、デバイスチップが破損したり、デバイスチップの寸法に誤差が生じたりする。そこで、ウエーハに改質層を形成する工程の後、改質層が適切に形成されているか否かを判定する検査が行われることがある。
例えば特許文献1には、ウエーハに改質層が形成されるとウエーハの裏面側に凹凸が生じる現象を利用して、改質層が適切に形成されているか否かを判定する検査方法が開示されている。この手法では、光源から照射された光をウエーハの裏面側で反射させ、ウエーハの裏面側に形成されている凹凸を投影させる。そして、投影された凹凸の幅に基づいて、改質層が適切に形成されているか否かが判定される。
特開2017-220480号公報
ウエーハの分割予定ラインに沿って改質層が適切に形成されると、改質層からクラックが進展し、このクラックがウエーハの表面に達する。その結果、ウエーハの表面側には改質層に対応する格子状のクラックパターンが現れる。従って、ウエーハの表面側におけるクラックパターンの有無は、改質層が適切に形成されているか否かを判断する指標になる。
ただし、改質層が形成された後のウエーハの表面側には、デバイスを構成する各種の膜(導電膜、絶縁膜等)や、デバイスを保護するテープ等が存在する。そのため、ウエーハの表面側を直接観察して所定のクラックパターンが形成されているか否かを確認することは難しい。
一方、クラックがウエーハの表面に達すると、ウエーハの裏面側に、クラックが形成された領域に沿って凹凸が形成されることが確認されている。具体的には、改質層が適切に形成されている場合には、ウエーハの表面側に格子状のクラックパターンが形成されるとともに、このクラックパターンに対応してウエーハの裏面側に格子状の凹凸パターンが現れる。そのため、ウエーハの裏面側に形成されている凹凸パターンに基づいて、ウエーハの表面側に所望のクラックパターンが存在するか否か、すなわち、ウエーハに改質層が適切に形成されているか否かを確認できる。
しかしながら、ウエーハの裏面側に形成される凹凸パターンは微細であり、ウエーハの裏面側を観察しても凹凸パターンを認識しにくいことが多い。例えば、ウエーハの裏面側を撮像しても、凹凸パターンが画像のコントラストに反映されにくく、画像に凹凸パターンの輪郭が明確に表れないことがある。また、凹凸パターンのコントラストは、ウエーハの撮像が行われる環境(外光の強さ等)に左右されやすい。そのため、凹凸パターンの画像に画一的な画像処理を施すような手法では、ウエーハの表面側に所定のクラックパターンが形成されているか否かを正確には判別しにくい。
そこで、改質層の形成後におけるウエーハの検査は、通常、熟練の作業者がウエーハの裏面側の凹凸パターンを確認し、作業者自身の経験則に基づいて、ウエーハの表面側に所望のクラックパターンが得られているかを判断することによって行われる。ただし、このような経験則に基づく検査手法は自動化が難しく、ウエーハの検査には手間と時間がかかる。また、判断の正確性が作業者の熟練度に依存し、検査の精度が安定しないという問題がある。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、改質層が形成されたウエーハの検査を簡易且つ高精度で実施することが可能なウエーハの検査装置、及び、該検査装置を用いたウエーハの検査方法の提供を目的とする。
発明の一態様によれば、第1面及び第2面を有するウエーハに、該ウエーハに対して透過性を有するレーザービームを、該レーザービームの集光点を該ウエーハの内部に位置づけた状態で該ウエーハの該第2面側から照射することによって内部に改質層が形成された該ウエーハを検査するウエーハの検査装置を用いたウエーハの検査方法であって、該ウエーハの検査装置は、該ウエーハを保持する保持テーブルと、該保持テーブルによって保持された該ウエーハを撮像し、該ウエーハの内部に形成された該改質層から該ウエーハの該第1面側に延びるクラックに起因して該ウエーハの該第2面側に形成される凹凸パターンを含む画像を取得する撮像ユニットと、該保持テーブルと該撮像ユニットとを相対的に移動させる移動ユニットと、該保持テーブルによって保持された該ウエーハに光を照射する光源と、該光源から照射される光の光量又は色彩を変化させる光源制御部と、該画像に基づいて、該ウエーハの該第1面側に所定のクラックパターンが形成されているか否かを判定する判定部と、を備え、該判定部は、該撮像ユニットによって取得され該クラックパターンの有無でラベリングされた複数の学習用画像を用いた機械学習によって、該画像が入力されると該クラックパターンの有無の判定結果が出力されるように構成され、内部に該改質層が形成された撮像用の該ウエーハを該保持テーブルによって保持する第1保持工程と、該光源制御部を作動させて該光源から照射される光の光量又は色彩を変化させると共に該移動ユニットを作動させて該保持テーブルと該撮像ユニットとを相対的に移動させながら、該撮像ユニットによって撮像用の該ウエーハを複数回撮像して、該凹凸パターンを含む複数の該学習用画像を取得する第1撮像工程と、該第1撮像工程で取得され、該クラックパターンの有無でラベリングされた複数の該学習用画像を用いて、該判定部の機械学習を行う学習工程と、検査すべき該ウエーハを該保持テーブルによって保持する第2保持工程と、該撮像ユニットによって検査すべき該ウエーハを撮像して、検査すべき該ウエーハの該第2面側の画像を取得する第2撮像工程と、該第2撮像工程で取得された該画像を該判定部に入力し、該クラックパターンの有無の判定結果を該判定部から出力させる判定工程と、を含むウエーハの検査方法が提供される。
なお、好ましくは、該判定部は、該画像が入力される入力層と、該画像に基づいて該クラックパターンの有無を判定するための情報を含む隠れ層と、該クラックパターンの有無の判定結果を出力する出力層と、を含むニューラルネットワークを備え、該学習工程では、該入力層に複数の該学習用画像が入力されることによって該ニューラルネットワークの深層学習が行われ、該判定工程では、該入力層に該画像が入力されることによって、該出力層から該クラックパターンの有無の判定結果が出力される。また、好ましくは、該ニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワークである。また、好ましくは、該ウエーハは、複数の分割予定ラインによって区画されデバイスが形成された複数の領域を該第1面側に備え、該改質層は、該レーザービームを、該レーザービームの集光点を該分割予定ラインに対応する領域に位置づけて該ウエーハの該第2面側から照射することにより、該分割予定ラインに沿って形成され、該ウエーハは、該第1面側が該保持テーブルによって保持される。
本発明の一態様に係るウエーハの検査装置では、撮像ユニットによって取得されクラックパターンの有無でラベリング(分類)された複数の学習用画像を用いた機械学習によって、ウエーハの第2面側の画像に基づいてウエーハの第1面側におけるクラックパターンの有無を判定可能な判定部が構成される。これにより、所定のクラックパターンの有無を自動で正確に判定することが可能となり、ウエーハに改質層が適切に形成されているか否かを確認する検査が簡易且つ高精度で実施される。
ウエーハを示す斜視図である。 ウエーハを支持するフレームを示す斜視図である。 レーザー加工装置を示す斜視図である。 改質層が形成されたウエーハの一部を拡大して示す断面図である。 検査装置を示す斜視図である。 撮像ユニットを示す底面図である。 撮像用のウエーハを保持テーブルで保持する検査装置を示す斜視図である。 図8(A)は連続的な凹凸パターンが示された学習用画像を示す画像図であり、図8(B)は不連続な凹凸パターンが示された学習用画像を示す画像図である。 学習工程における判定部を示すブロック図である。 検査すべきウエーハを保持テーブルで保持する検査装置を示す斜視図である。 判定工程における判定部を示すブロック図である。
以下、添付図面を参照して本発明の一態様に係る実施形態を説明する。まず、本実施形態に係るウエーハの検査装置による検査の対象となるウエーハの構成例について説明する。図1は、ウエーハ11を示す斜視図である。
ウエーハ11は、例えばシリコン等でなる円盤状の半導体ウエーハであり、互いに概ね平行な表面(第1面)11a及び裏面(第2面)11bを備える。ウエーハ11は、互いに交差するように格子状に配列された複数の分割予定ライン(ストリート)13によって、複数の領域に区画されている。そして、分割予定ライン13によって区画された領域の表面11a側にはそれぞれ、IC、LSI等のデバイス15が形成されている。
なお、ウエーハ11の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えばウエーハ11は、シリコン以外の半導体(GaAs、InP、GaN、SiC等)、サファイア、ガラス、セラミックス、樹脂、金属等でなる任意の形状及び大きさのウエーハであってもよい。また、デバイス15の種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はない。
ウエーハ11を加工し、分割予定ライン13に沿って分割することにより、デバイス15をそれぞれ備える複数のデバイスチップが得られる。例えばウエーハ11は、後述の通りレーザー加工によって複数のデバイスチップに分割される。
ウエーハ11を加工する際は、ウエーハ11の取り扱い(搬送、保持等)の便宜のため、ウエーハ11が環状のフレームによって支持される。図2は、ウエーハ11を支持する環状のフレーム19を示す斜視図である。
ウエーハ11の表面11a側(デバイス15側)には、ウエーハ11より径の大きい円形のテープ17が貼付される。例えばテープ17として、円形に形成されたフィルム状の基材と、基材上に設けられた粘着層(糊層)とを有するシート等が用いられる。基材はポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂でなり、粘着層はエポキシ系、アクリル系、又はゴム系の接着剤等でなる。また、粘着層には、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型の樹脂を用いてもよい。
テープ17の外周部は、金属等でなる環状のフレーム19に貼付される。フレーム19の中央部には、ウエーハ11よりも直径が大きい円形の開口19aが設けられている。そして、ウエーハ11は、フレーム19の開口19aの内側に配置されるように、テープ17の中央部に貼付される。これにより、ウエーハ11がテープ17を介してフレーム19によって支持される。
例えばウエーハ11は、ウエーハ11の内部に形成された分割起点(分割のきっかけ)に沿って分割される。具体的には、まず、レーザービームの照射によって、ウエーハ11の内部に改質された領域(改質層、変質層)が分割予定ライン13に沿って形成される。この改質層が形成された領域は、ウエーハ11の他の領域よりも脆くなる。そのため、改質層が形成されたウエーハ11に外力を付与すると、改質層を起点としてウエーハ11が分割される。
改質層の形成には、レーザービームの照射によってウエーハ11を加工するレーザー加工装置が用いられる。図3は、レーザー加工装置2を示す斜視図である。レーザー加工装置2は、ウエーハ11を保持する保持テーブル(チャックテーブル)4と、レーザービーム8を照射するレーザー照射ユニット6とを備える。
保持テーブル4には、ボールねじ式の移動機構(不図示)と、モータ等の回転駆動源(不図示)とが接続されている。移動機構は、保持テーブル4をX軸方向(加工送り方向、第1水平方向)及びY軸方向(割り出し送り方向、第2水平方向)に沿って移動させる。また、回転駆動源は、保持テーブル4をZ軸方向(鉛直方向、上下方向)に概ね平行な回転軸の周りで回転させる。
保持テーブル4の上面は、ウエーハ11を保持する保持面を構成する。保持テーブル4の保持面は、X軸方向及びY軸方向と概ね平行な平坦面であり、例えばウエーハ11の形状に対応して円形に形成される。ただし、保持テーブル4の保持面の形状及び大きさはウエーハ11に応じて適宜変更できる。そして、保持テーブル4の保持面は、保持テーブル4の内部に形成された流路(不図示)、バルブ(不図示)等を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。
保持テーブル4の上方には、レーザー照射ユニット6が設けられている。レーザー照射ユニット6は、所定の波長のレーザービーム8をパルス発振するYAGレーザー、YVOレーザー、YLFレーザー等のレーザー発振器と、レーザー発振器からパルス発振されたレーザービーム8を集光させる集光レンズとを備える。
レーザー照射ユニット6は、保持テーブル4によって保持されたウエーハ11に向かってレーザービーム8を照射する。なお、レーザービーム8の照射条件は、ウエーハ11のレーザービーム8が照射された領域が多光子吸収によって改質されて変質し、改質層(変質層)21が形成されるように設定される。
具体的には、レーザービーム8の波長は、レーザービーム8がウエーハ11に対して透過性を示すように設定される。そのため、レーザー照射ユニット6からウエーハ11には、少なくとも一部がウエーハ11を透過する(ウエーハ11に対して透過性を有する)レーザービーム8が照射される。また、レーザービーム8の他の照射条件(出力、パルス幅、スポット径、繰り返し周波数等)も、ウエーハ11に改質層21が形成されるように適宜設定される。
レーザー加工装置2でウエーハ11を加工する際は、まず、ウエーハ11を保持テーブル4によって保持する。具体的には、ウエーハ11を、表面11a側(テープ17側)が保持テーブル4の保持面に対向し、裏面11b側が上方に露出するように、保持テーブル4上に配置する。この状態で、保持面に吸引源の負圧を作用させると、ウエーハ11の表面11a側がテープ17を介して保持テーブル4によって吸引保持される。
次に、保持テーブル4を回転させ、一の分割予定ライン13(図1参照)の長さ方向をX軸方向に合わせる。また、レーザービーム8の集光点が一の分割予定ライン13の延長線上に配置されるように、保持テーブル4のY軸方向における位置を調整する。
そして、レーザー照射ユニット6からレーザービーム8を照射しながら、保持テーブル4をX軸方向に沿って移動させ(加工送り)、保持テーブル4とレーザー照射ユニット6とをX軸方向に沿って相対的に移動させる。これにより、レーザービーム8の集光点がウエーハ11の内部に位置づけられた状態で、レーザービーム8がウエーハ11の裏面11b側から一の分割予定ライン13に沿って照射される。その結果、ウエーハ11の内部には一の分割予定ライン13に沿って改質層21が形成される。
その後、同様の手順を繰り返し、他の分割予定ライン13に沿って改質層21を形成する。そして、全ての分割予定ライン13に沿って改質層21が形成されると、改質層21が格子状に形成されたウエーハ11が得られる。なお、ウエーハ11の厚さや材質に応じて、ウエーハ11の厚さ方向に2層以上の改質層21を形成してもよい。
図4は、改質層21が形成されたウエーハ11の一部を拡大して示す断面図である。レーザービーム8の照射によって改質層21を形成すると、改質層21でクラック23が発生する。このクラック23は、レーザービーム8が入射した面(裏面11b)とは反対側の面(表面11a)に向かって進展する。
ウエーハ11のうち改質層21又はクラック23が形成された領域は、ウエーハ11の他の領域よりも脆くなる。そのため、改質層21及びクラック23が形成されたウエーハ11に対して外力を付与すると、ウエーハ11は改質層21及びクラック23を起点として分割される。すなわち、改質層21及びクラック23は、ウエーハ11が分割される際の分割起点として機能する。
ここで、改質層21の深さ位置やレーザービーム8の照射条件は、改質層21が適切に形成された際にクラック23がウエーハ11の表面11aに達するように設定される。そのため、レーザービーム8の照射によって改質層21が適切に形成されると、図4に示すように、改質層21で発生したクラック23が進展してウエーハ11の表面11aに達する。その結果、ウエーハ11の表面11a側には、改質層21に対応する格子状のクラックパターンが現れる。このように、クラック23がウエーハ11の表面11aに達すると、ウエーハ11が分割予定ライン13に沿って適切に破断しやすくなる。
また、クラック23がウエーハ11の表面11aに達すると、ウエーハ11の裏面11b側のうちクラック23が形成された領域に対応する位置に、微細な凹凸が形成される。そのため、改質層21が分割予定ライン13に沿って適切に形成され、ウエーハ11の表面11a側に格子状のクラックパターンが形成されると、ウエーハ11の裏面11b側にはこのクラックパターンに対応する格子状の凹凸パターンが現れる。
従って、ウエーハ11の裏面11b側の凹凸パターンは、ウエーハ11の表面11a側にクラックパターンが形成されていることの目印になる。そして、ウエーハ11の裏面11b側に所定の凹凸パターンが形成されているか否かを確認することにより、ウエーハ11の表面11a側に所望のクラックパターンが存在するか否か、すなわち、ウエーハ11に改質層21が適切に形成されているか否かを確認する検査を実施できる。
上記の検査は、例えば、熟練の作業者がウエーハ11の裏面11b側の凹凸パターンを確認し、作業者自身の経験則に基づいて、ウエーハ11の表面11a側に所望のクラックパターンが得られているかを判断することによって行われる。しかしながら、このような経験則に基づく検査手法は自動化が難しく、ウエーハ11の検査には手間と時間がかかる。また、判断の正確性が作業者の熟練度に依存し、検査の精度が安定しないという問題がある。
そこで、本実施形態においては、ウエーハ11の裏面11b側の凹凸パターンに基づいてウエーハ11の表面11a側のクラックパターンの有無を判定する判定部を機械学習によって構成し、この判定部を備えた検査装置を用いてウエーハ11の検査を行う。これにより、あらゆる凹凸パターンに基づいてクラックパターンの有無を自動で高精度に判定することが可能となる。
以下、改質層21が形成されたウエーハ11を検査する検査装置の構成例について説明する。図5は、ウエーハ11に改質層21が適切に形成されているか否かを検査するウエーハの検査装置10を示す斜視図である。
検査装置10は、検査装置10を構成する各構成要素を支持する基台12を備える。基台12の表面(上面)12aは、X軸方向(左右方向、第1水平方向)及びY軸方向(前後方向、第2水平方向)と概ね平行に形成されており、基台12の表面12a上には移動ユニット(移動機構)14が設けられている。移動ユニット14は、X軸移動ユニット(X軸移動機構)16と、Y軸移動ユニット(Y軸移動機構)26とを備える。
X軸移動ユニット16は、基台12の表面12a上にX軸方向に沿って配置された一対のX軸ガイドレール18を備える。一対のX軸ガイドレール18には、板状のX軸移動テーブル20が、X軸ガイドレール18に沿ってX軸方向にスライド可能な状態で装着されている。
X軸移動テーブル20の裏面(下面)側にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部は、一対のX軸ガイドレール18の間にX軸に沿って配置されたX軸ボールねじ22に螺合されている。また、X軸ボールねじ22の端部には、X軸ボールねじ22を回転させるX軸パルスモータ24が連結されている。X軸パルスモータ24でX軸ボールねじ22を回転させると、X軸移動テーブル20がX軸ガイドレール18に沿ってX軸方向に移動する。
Y軸移動ユニット26は、X軸移動テーブル20の表面(上面)側にY軸方向に沿って配置された一対のY軸ガイドレール28を備える。一対のY軸ガイドレール28には、板状のY軸移動テーブル30が、Y軸ガイドレール28に沿ってY軸方向にスライド可能な状態で装着されている。
Y軸移動テーブル30の裏面(下面)側にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部は、一対のY軸ガイドレール28の間にY軸に沿って配置されたY軸ボールねじ32に螺合されている。また、Y軸ボールねじ32の端部には、Y軸ボールねじ32を回転させるY軸パルスモータ34が連結されている。Y軸パルスモータ34でY軸ボールねじ32を回転させると、Y軸移動テーブル30がY軸ガイドレール28に沿ってY軸方向に移動する。
Y軸移動テーブル30の表面(上面)上には、検査装置10による検査の対象となるウエーハ11を保持する保持テーブル(チャックテーブル)36が配置されている。そして、保持テーブル36の位置が、移動ユニット14によって調整される。具体的には、X軸移動ユニット16は保持テーブル36をX軸方向に沿って移動させ、Y軸移動ユニット26は保持テーブル36をY軸方向に沿って移動させる。
保持テーブル36の上面は、ウエーハ11を保持する保持面36aを構成する。また、保持テーブル36の周囲には、ウエーハ11を支持するフレーム19(図2参照)を把持して固定する複数(図5では4個)のクランプ38が設けられている。
保持テーブル36の保持面36aは、X軸方向及びY軸方向と概ね平行な平坦面であり、例えばウエーハ11の形状に対応して円形に形成される。ただし、保持面36aの形状及び大きさはウエーハ11に応じて適宜変更できる。そして、保持面36aは、保持テーブル36の内部に形成された流路(不図示)、バルブ(不図示)等を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。
また、保持テーブル36にはモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。この回転駆動源は、保持テーブル36をZ軸方向(鉛直方向、上下方向)に概ね平行な回転軸の周りで回転させる。
基台12の後端部(移動ユニット14及び保持テーブル36の後方)には、支持構造40が設けられている。支持構造40は、基台12の表面12a上に配置された柱状の基部40aと、基部40aの上部から前方に突出する柱状の支持部40bとを有する。そして、支持部40bの先端部(前端部)には、保持テーブル36によって保持されたウエーハ11を撮像する撮像ユニット42が配置されている。
図6は、撮像ユニット42を示す底面図である。撮像ユニット42は、金属、樹脂等でなる円柱状の枠体44を備える。この枠体44の下面44a側には、保持テーブル36によって保持されたウエーハ11に光を照射する光源46が設けられている。
例えば光源46は、枠体44の下面44aに固定された複数のLED48によって構成される。複数のLED48は、互いに隣接するように枠体44の外周縁に沿って環状に配列されている。なお、図6では一部のLED48の図示を省略している。
より具体的には、光源46は、赤色の光を発するLED48(赤色LED48R)と、緑色の光を発するLED48(緑色LED48G)と、青色の光を発するLED48(青色LED48B)とを備える。そして、複数のLED48は、赤色LED48R、緑色LED48G、青色LED48Bが順番に配列されるように、枠体44の下面44a側に周期的に設けられる。
また、枠体44の下面44a側の中央部には、円柱状の凹部(溝)44bが形成されている。そして、凹部44bの内側にはカメラ50が設けられている。例えばカメラ50は、CCD(Charged-Coupled Devices)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子と、レンズ等の光学素子とを含んで構成される。
なお、光源46は、光源46から照射される光の光量及び色彩を制御する光源制御部(光源制御ユニット)52に接続されている。光源制御部52は、例えば各LED48に接続された調光器によって構成され、LED48それぞれの調光を行う。光源制御部52で赤色LED48R、緑色LED48G、青色LED48Bそれぞれの光量を変化させると、光源46から照射される光の光量及び色彩が変化する。
撮像ユニット42は、保持テーブル36(図5参照)によって保持されたウエーハ11の裏面11b側に光源46からの光が照射されている状態で、ウエーハ11の裏面11b側をカメラ50で撮像して画像を取得する。なお、保持テーブル36と撮像ユニット42との位置関係は、移動ユニット14(図5参照)によって調整される。具体的には、移動ユニット14は、保持テーブル36と撮像ユニット42とをX軸方向及びY軸方向に沿って相対的に移動させる。
光源46からウエーハ11の裏面11b側に光が照射されると、ウエーハ11の裏面11b側のうち凹凸が形成されている領域において光が拡散される。その結果、カメラ50によって取得された画像には、ウエーハ11の裏面11b側に形成された凹凸パターンに対応する模様が現れる。すなわち、カメラ50によって、ウエーハ11の裏面11b側に形成された凹凸パターンを含む画像が取得される。
図5に示すように、支持構造40の支持部40b上には、ウエーハ11の検査に関する情報を表示する表示部(表示ユニット)54が設けられている。例えば表示部54は、ディスプレイによって構成され、検査装置10の稼働状況、撮像ユニット42によって撮像されたウエーハ11の画像、検査装置10による検査の結果等を表示する。
なお、表示部54は、所定の情報を入力可能なタッチパネルによって構成されていてもよい。この場合、オペレーターはタッチパネルを用いて、検査装置10に検査条件等の情報を入力できる。すなわち、表示部54は所定の情報が入力される入力部(入力ユニット)としても機能する。
検査装置10を構成する各構成要素(移動ユニット14、保持テーブル36、保持テーブル36に接続された回転駆動源、クランプ38、撮像ユニット42、光源制御部52、表示部54等)はそれぞれ、制御部(制御ユニット)56に接続されている。制御部56は、検査装置10の各構成要素の動作を制御して、検査装置10を稼働させる。
例えば制御部56は、コンピュータによって構成され、検査装置10の稼働に必要な各種の処理(演算等)を行う処理部と、処理部による処理に用いられる各種の情報(データ、プログラム等)が記憶される記憶部とを含む。処理部は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含んで構成される。また、記憶部は、主記憶装置、補助記憶装置等を構成する各種のメモリを含んで構成される。
なお、光源制御部52の機能は、制御部56によって実現されてもよい。この場合には、制御部56が光源制御部52としても機能する。
また、制御部56は、ウエーハ11の裏面11b側の画像に基づいて、ウエーハ11の表面11a側に所定のクラックパターンが形成されているか否かを判定する判定部58を備える。具体的には、判定部58には、撮像ユニット42によって取得された凹凸パターンを含む画像(撮像画像)が入力される。そして、判定部58は、撮像画像に基づいてクラックパターンの有無を判定し、判定の結果を出力する。
ここで、判定部58は、撮像ユニット42によって取得された複数の学習用画像を用いた機械学習によって、撮像画像が入力されるとクラックパターンの有無の判定結果が出力されるように構成される。すなわち、判定部58は、撮像用のウエーハ11(学習用画像取得用のウエーハ11)を撮像ユニット42で撮像することによって取得された複数の学習用画像を用いた学習と、検査すべきウエーハ11(検査対象のウエーハ11)を撮像ユニット42で撮像することによって取得された撮像画像を入力データとして用いた推論とを行う。
以下、検査装置10を用いたウエーハの検査方法の具体例について説明する。なお、以下では一例として、判定部58がニューラルネットワークを備える場合について説明する。ただし、判定部58の構成は、機械学習が可能であれば制限はない。
まず、内部に改質層21が形成された撮像用のウエーハ11を保持テーブル36によって保持する(第1保持工程)。図7は、撮像用のウエーハ11(ウエーハ11A)を保持テーブル36で保持する検査装置10を示す斜視図である。
第1保持工程では、まず、ウエーハ11Aを準備する。ウエーハ11Aは、レーザービーム8の照射によって改質層21(図3参照)が分割予定ライン13に沿って形成された、学習用画像取得用のウエーハ11である。ウエーハ11Aの裏面11b側には、クラック23(図4参照)がウエーハ11の表面11aに達することによって形成された微細な凹凸パターンが存在する。なお、ウエーハ11Aに改質層21及びクラック23を形成する方法の詳細は前述の通りである。
ウエーハ11Aは、表面11a側が保持面36a(図5参照)に対向し、裏面11b側が上方に露出するように、保持テーブル36上に配置される。また、複数のクランプ38(図5参照)によってフレーム19が固定される。この状態で、保持面36aに吸引源の負圧を作用させると、ウエーハ11Aの表面11a側がテープ17を介して保持テーブル36によって吸引保持される。
次に、撮像ユニット42によってウエーハ11Aを撮像して、凹凸パターンを含む学習用画像を取得する(第1撮像工程)。第1撮像工程では、光源制御部52を作動させて光源46から照射される光60の光量又は色彩を変化させると共に、移動ユニット14(図5参照)を作動させて保持テーブル36と撮像ユニット42とを相対的に移動させながら、ウエーハ11Aを複数回撮像する。これにより、ウエーハ11Aの裏面11b側に形成された凹凸パターンを含む複数の学習用画像が取得される。
具体的には、まず、移動ユニット14で保持テーブル36を所定の位置に配置した状態で、光源46から照射される光60の光量又は色彩を変化させつつ、撮像ユニット42でウエーハ11Aの裏面11b側を複数回撮像する。これにより、ウエーハ11Aの裏面11b側の凹凸が異なるコントラストで表された複数の学習用画像が得られる。
次に、移動ユニット14で保持テーブル36を移動させ、ウエーハ11Aの撮像ユニット42によって撮像されていない領域を撮像ユニット42の直下に位置付ける。そして、光源46から照射される光60の光量又は色彩を変化させつつ、撮像ユニット42でウエーハ11Aの裏面11b側を複数回撮像する。
上記の作業を繰り返すことにより、凹凸パターンの形状やコントラストが異なる多数の学習用画像が取得される。このようにして、第1撮像工程では1枚のウエーハ11Aを用いて多数(例えば300枚以上)の学習用画像が取得される。そして、取得された複数の学習用画像は、制御部56の記憶部に記憶される。
次に、第1撮像工程で取得された複数の学習用画像を用いて、判定部58の機械学習を行う(学習工程)。学習工程では、まず、第1撮像工程で取得された複数の学習用画像のラベリング(分類)を行う。具体的には、学習用画像に含まれる凹凸パターンが、ウエーハ11Aの表面11a側に所定のクラックパターンが形成されていることを示しているか否かによって、複数の学習用画像をそれぞれ分類する。
図8(A)は連続的な凹凸パターン70aが示された学習用画像70を示す画像図であり、図8(B)は不連続な凹凸パターン72aが示された学習用画像72を示す画像図である。学習用画像70は、格子状の凹凸パターン70aを含んでおり、ウエーハ11Aの表面11a側に格子状のクラックパターンが形成されている状態に対応する画像であると分類(ラベリング)される。一方、学習用画像72は、非格子状の不連続な凹凸パターン72aを含んでおり、ウエーハ11Aの表面11a側に格子状のクラックパターンが形成されていない状態に対応する画像であると分類(ラベリング)される。
学習用画像のラベリングは、例えば作業者によって行われる。具体的には、まず、制御部56(図5参照)が学習用画像を表示部54に表示させる。そして、作業者は表示部54に表示された学習用画像を目視で確認し、その学習用画像に含まれる凹凸パターンが、ウエーハ11の表面11a側に所定のクラックパターン(例えば格子状のクラックパターン)が形成されていることを示すか否かを判断する。作業者による判断結果は、検査装置10に入力され、制御部56の記憶部に記憶される。
ただし、学習用画像のラベリングの方法に制限はない。例えば、ウエーハ11Aの表面11a側を直接観察することが可能である場合には、学習用画像が取得された領域の表面11a側を観察し、所定のクラックパターンが形成されているか否かを確認してもよい。このようにして、複数の学習用画像がそれぞれクラックパターンの有無によってラベリングされる。
次に、ラベリングされた学習用画像を用いて、判定部58の機械学習を行う。図9は、学習工程における判定部58を示すブロック図である。
判定部58は、ニューラルネットワーク80を備える。例えばニューラルネットワーク80は、階層型のニューラルネットワークであり、データが入力される入力層82と、データを出力する出力層84と、入力層82と出力層84との間に設けられた複数の隠れ層(中間層)86とを含む。
入力層82、出力層84、隠れ層86はそれぞれ、複数のノード(ユニット、ニューロン)を含む。入力層82のノードは第1層目の隠れ層86のノードに接続され、出力層84のノードは最終層の隠れ層86のノードに接続されている。また、隠れ層86のノードは、入力層82又は前層の隠れ層86のノードと、出力層84又は後層の隠れ層86のノードとに接続されている。
入力層82、出力層84、隠れ層86に含まれるノードの数や、各ノードの活性化関数は、自由に設定できる。また、隠れ層86の層数にも制限はない。特に、2層以上の隠れ層86を含むニューラルネットワーク80は、ディープニューラルネットワーク(DNN)と呼ぶことができる。また、ディープニューラルネットワークの学習は、深層学習と呼ぶことができる。
なお、後述の通りニューラルネットワーク80は、凹凸パターンを含む画像の分類問題を扱う。そのため、ニューラルネットワーク80として、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)を用いることが好ましい。この場合には、畳み込み層、プーリング層、全結合層等が、隠れ層86として設けられる。また、局所コントラスト正規化(LCN)層が隠れ層86として設けられていてもよい。
学習工程では、ラベリングされた複数の学習用画像を用いて、ニューラルネットワーク80の深層学習を行う。具体的には、学習用画像を学習データ、ラベリングの結果(クラックパターンの有無)を教師データ(教師信号)として用いた教師あり学習を行う。学習のアルゴリズムとしては、例えば誤差逆伝播法が用いられる。ただし、ニューラルネットワーク80の学習方法に制限はない。
ニューラルネットワーク80の学習により、入力層82、出力層84、隠れ層86のノードの重み及びバイアスが更新される。なお、ニューラルネットワーク80が畳み込みニューラルネットワークである場合には、畳み込み層のフィルタ値、全結合層のノードの重み及びバイアス等が更新される。
上記の学習により、撮像画像に基づいてクラックパターンの有無を判定するための情報(パラメータ)を含む入力層82、出力層84、隠れ層86が得られる。その結果、ニューラルネットワーク80は、入力層82に凹凸パターンを含む画像が入力された際に、出力層84からクラックパターンの有無の判定結果が出力されるように構成される。そして、入力層82、出力層84、隠れ層86に適用されている各種のパラメータ(重み、バイアス等)の値が、制御部56の記憶部に記憶される。
次に、内部に改質層21が形成された検査すべきウエーハ11を保持テーブル36によって保持する(第2保持工程)。図10は、検査すべきウエーハ11(ウエーハ11B)を保持テーブル36で保持する検査装置10を示す斜視図である。
第2保持工程では、まず、ウエーハ11Bを準備する。ウエーハ11Bは、レーザービーム8の照射によって改質層21(図3参照)が分割予定ライン13に沿って形成され、後の工程で分割予定ライン13に沿って分割されるウエーハ11(検査対象のウエーハ11)である。ウエーハ11Bの分割前に、ウエーハ11Bに改質層21が適切に形成されているか否かを検査装置10によって検査することにより、後の工程でウエーハ11Bを適切に分割することが可能となる。
ウエーハ11Bは、表面11a側が保持面36a(図5参照)に対向し、裏面11b側が上方に露出するように、保持テーブル36上に配置される。また、複数のクランプ38(図5参照)によってフレーム19が固定される。この状態で、保持面36aに吸引源の負圧を作用させると、ウエーハ11Bの表面11a側がテープ17を介して保持テーブル36によって吸引保持される。
次に、撮像ユニット42によってウエーハ11Bを撮像して、ウエーハ11Bの裏面11b側の画像を取得する(第2撮像工程)。第2撮像工程では、光源制御部52を作動させて光源46から光60を所定の光量及び色彩で照射しつつ、ウエーハ11Bを撮像ユニット42によって撮像する。これにより、ウエーハ11Bの裏面11bの画像(撮像画像)が撮像ユニット42によって取得される。取得された撮像画像は、制御部56の記憶部に記憶される。このとき制御部56は、表示部54に撮像画像を表示させてもよい。
次に、第2撮像工程で取得された撮像画像を判定部58に入力し、クラックパターンの有無の判定結果を判定部58から出力させる(判定工程)。図11は、判定工程における判定部58を示すブロック図である。
判定工程では、第2撮像工程で取得された撮像画像が判定部58に入力される。例えば、ウエーハ11Bの裏面11b側に形成されている所定の凹凸パターン74aが示された撮像画像74が、判定部58に入力される。そして、判定部58は、ウエーハ11Bのうち撮像画像74に表示されている領域の表面11a側に所定のクラックパターンが形成されているか否かを判定し、その判定の結果を出力する。
具体的には、判定部58は、ニューラルネットワーク80の推論によってクラックパターンの有無を判定する。判定を行う際は、撮像画像74が入力層82に入力される。そして、撮像画像74を入力データとして用いた演算が、入力層82、隠れ層86、出力層84において順に行われ、出力層84からクラックパターンの有無の判定結果が出力される。
なお、ニューラルネットワーク80が畳み込みニューラルネットワークである場合には、畳み込み層における畳み込み演算(特徴マップの生成)と、プーリング層におけるプーリング処理とによって、撮像画像74の特徴抽出が行われる。そして、全結合層において撮像画像74を分類する演算が行われ、活性化関数としてソフトマックス関数を用いた出力層84から撮像画像74の分類結果が出力される。
判定部58からクラックパターンの有無の判定結果が出力されると、制御部56は表示部54に判定結果を表示させる。これにより、判定部58による判定の結果がオペレーターに報知される。なお、表示部54に表示される判定結果は、クラックパターンの有無のみであってもよいし、判定部58(ニューラルネットワーク80の出力層84)から出力された出力値(数値)であってもよい。
撮像画像74に基づいて、ウエーハ11Bの表面11a側に所定のクラックパターンが存在すると判定された場合は、ウエーハ11Bに改質層21が適切に形成されていると判断され、ウエーハ11Bに次の処理が施される。一方、撮像画像74に基づいて、ウエーハ11Bの表面11a側に所定のクラックパターンが存在しないと判定された場合は、ウエーハ11Bに改質層21が適切に形成されていないと判断され、例えばウエーハ11Bに再度レーザービーム8を照射して適切な改質層21を形成する再加工処理が施される。
そして、分割予定ライン13に沿って改質層21が適切に形成されたウエーハ11Bに外力を付与することにより、ウエーハ11Bが分割予定ライン13に沿って分割される。例えば、テープ17を半径方向外側に引っ張ることにより、テープ17を引き延ばす。これにより、ウエーハ11Bに対し、ウエーハ11Bの半径方向外側に向かう外力が付与され、ウエーハ11Bが改質層21に沿って破断する。
ウエーハ11Bを分割することにより、デバイス15をそれぞれ備える複数のデバイスチップが製造される。このデバイスチップは、例えばコレット(不図示)によってピックアップされ、所定の基板(配線基板等)にダイボンディング等によって実装される。
以上の通り、本実施形態に係る検査装置10では、撮像ユニット42によって取得されクラックパターンの有無でラベリングされた複数の学習用画像を用いた機械学習によって、ウエーハ11の裏面11b側の画像に基づいてウエーハ11の表面11a側におけるクラックパターンの有無を判定可能な判定部58が構成される。これにより、クラックパターンの有無を自動で判定することが可能となり、ウエーハ11に改質層21が適切に形成されているか否かを確認する検査が簡易且つ高精度で実施される。
なお、判定部58の機能は、ソフトウェーハとハードウェーハのいずれによって実現されてもよい。例えば判定部58は、判定部58が行う一連の処理(演算等)が記述されたプログラムによって実現される。特に、判定部58がニューラルネットワーク80を備える場合には、入力層82、出力層84、隠れ層86における演算がプログラムによって記述され、このプログラムが制御部56の記憶部に記憶される。そして、クラックパターンの有無の判定を行う際は、制御部56の記憶部からプログラムが読み出され、制御部56の処理部によって実行される。
また、第2撮像工程では、複数の撮像画像を取得してもよい。この場合には、撮像ユニット42でウエーハ11Bを撮像した後、移動ユニット14で保持テーブル36を移動させ、ウエーハ11Bの撮像ユニット42によって撮像されていない領域を撮像ユニット42の直下に位置付ける。そして、撮像ユニット42でウエーハ11Bを撮像する。
上記の手順を繰り返すことにより、ウエーハ11Bの異なる領域が表された複数の撮像画像(例えば、ウエーハ11Bの裏面11b側の全域分の撮像画像)が取得される。そして、判定工程では、第2撮像工程で取得された複数の撮像画像についてそれぞれ、クラックパターンの有無が判定される。
その他、本実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
11,11A,11B ウエーハ
11a 表面(第1面)
11b 裏面(第2面)
13 分割予定ライン(ストリート)
15 デバイス
17 テープ
19 フレーム
19a 開口
21 改質層(変質層)
23 クラック
2 レーザー加工装置
4 保持テーブル(チャックテーブル)
6 レーザー照射ユニット
8 レーザービーム
10 検査装置
12 基台
12a 表面(上面)
14 移動ユニット(移動機構)
16 X軸移動ユニット(X軸移動機構)
18 X軸ガイドレール
20 X軸移動テーブル
22 X軸ボールねじ
24 X軸パルスモータ
26 Y軸移動ユニット(Y軸移動機構)
28 Y軸ガイドレール
30 Y軸移動テーブル
32 Y軸ボールねじ
34 Y軸パルスモータ
36 保持テーブル(チャックテーブル)
36a 保持面
38 クランプ
40 支持構造
40a 基部
40b 支持部
42 撮像ユニット
44 枠体
44a 下面
44b 凹部(溝)
46 光源
48 LED
48R 赤色LED
48G 緑色LED
48B 青色LED
50 カメラ
52 光源制御部(光源制御ユニット)
54 表示部(表示ユニット)
56 制御部(制御ユニット)
58 判定部
60 光
70 学習用画像
70a 凹凸パターン
72 学習用画像
72a 凹凸パターン
74 撮像画像
74a 凹凸パターン
80 ニューラルネットワーク
82 入力層
84 出力層
86 隠れ層(中間層)

Claims (4)

  1. 第1面及び第2面を有するウエーハに、該ウエーハに対して透過性を有するレーザービームを、該レーザービームの集光点を該ウエーハの内部に位置づけた状態で該ウエーハの該第2面側から照射することによって内部に改質層が形成された該ウエーハを検査するウエーハの検査装置を用いたウエーハの検査方法であって、
    該ウエーハの検査装置は、
    該ウエーハを保持する保持テーブルと、
    該保持テーブルによって保持された該ウエーハを撮像し、該ウエーハの内部に形成された該改質層から該ウエーハの該第1面側に延びるクラックに起因して該ウエーハの該第2面側に形成される凹凸パターンを含む画像を取得する撮像ユニットと、
    該保持テーブルと該撮像ユニットとを相対的に移動させる移動ユニットと、
    該保持テーブルによって保持された該ウエーハに光を照射する光源と、
    該光源から照射される光の光量又は色彩を変化させる光源制御部と、
    該画像に基づいて、該ウエーハの該第1面側に所定のクラックパターンが形成されているか否かを判定する判定部と、を備え、
    該判定部は、該撮像ユニットによって取得され該クラックパターンの有無でラベリングされた複数の学習用画像を用いた機械学習によって、該画像が入力されると該クラックパターンの有無の判定結果が出力されるように構成され、
    内部に該改質層が形成された撮像用の該ウエーハを該保持テーブルによって保持する第1保持工程と、
    該光源制御部を作動させて該光源から照射される光の光量又は色彩を変化させると共に該移動ユニットを作動させて該保持テーブルと該撮像ユニットとを相対的に移動させながら、該撮像ユニットによって撮像用の該ウエーハを複数回撮像して、該凹凸パターンを含む複数の該学習用画像を取得する第1撮像工程と、
    該第1撮像工程で取得され、該クラックパターンの有無でラベリングされた複数の該学習用画像を用いて、該判定部の機械学習を行う学習工程と、
    検査すべき該ウエーハを該保持テーブルによって保持する第2保持工程と、
    該撮像ユニットによって検査すべき該ウエーハを撮像して、検査すべき該ウエーハの該第2面側の画像を取得する第2撮像工程と、
    該第2撮像工程で取得された該画像を該判定部に入力し、該クラックパターンの有無の判定結果を該判定部から出力させる判定工程と、を含むことを特徴とするウエーハの検査方法。
  2. 該判定部は、該画像が入力される入力層と、該画像に基づいて該クラックパターンの有無を判定するための情報を含む隠れ層と、該クラックパターンの有無の判定結果を出力する出力層と、を含むニューラルネットワークを備え、
    該学習工程では、該入力層に複数の該学習用画像が入力されることによって該ニューラルネットワークの深層学習が行われ、
    該判定工程では、該入力層に該画像が入力されることによって、該出力層から該クラックパターンの有無の判定結果が出力されることを特徴とする請求項1記載のウエーハの検査方法。
  3. 該ニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワークであることを特徴とする請求項2記載のウエーハの検査方法。
  4. 該ウエーハは、複数の分割予定ラインによって区画されデバイスが形成された複数の領域を該第1面側に備え、
    該改質層は、該レーザービームを、該レーザービームの集光点を該分割予定ラインに対応する領域に位置づけて該ウエーハの該第2面側から照射することにより、該分割予定ラインに沿って形成され、
    該ウエーハは、該第1面側が該保持テーブルによって保持されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のウエーハの検査方法。
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