JP7426767B1 - 螺旋コイルの製造装置及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長方形の断面形状を有する長尺の角パイプを、断面の形状を維持したままで、螺旋に巻く螺旋コイルの製造装置及び製造方法を提供する。【解決手段】螺旋コイルの製造装置1は、周壁に複数ターンの螺旋状の溝12が設けられた成形主ロール10と、成形主ロール10の周囲に互いに近接配置された補助ロール2a、2bとを具備して液体が充填された角パイプ3を螺旋に巻く装置である。溝12の断面形状は、短辺となる一対の側壁と、これに垂直な長辺となる底壁による長方形であって、角パイプ3の外形長辺に相当する幅を有し、補助ロール2と底壁との間隔は、角パイプ3の外形短辺に相当する間隔であり、溝12が設けられた周壁は、軸心の回りに特定の角度ずつ弧状の複数の周壁ブロックに分割されて、周壁ブロックは成形主ロール10の内側に向けて脱落可能なように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、長方形断面形状を有する角パイプにより螺旋コイルを製造する螺旋コイルの製造装置及び製造方法に関する。
一般的に、丸パイプを曲げるパイプベンダーは、特許文献1に示されるように、円弧状の固定シューに略半円状の凹溝が設けられ、可動シューには凹溝に対応する凹溝が設けられている。凹溝により、丸パイプが潰れることを抑止する。一方、角パイプを曲げる際には、丸パイプとは違い、形状崩れが発生することが問題になる。特に、曲げた角パイプの側面が内側に潰れ、内外周側にシワが発生する。自動2輪車のフレーム用の角パイプの変形を抑止して曲げる技術として、例えば、特許文献2では、リブ入りアルミ角パイプを曲げる際に、低融点合金を加熱して得た溶湯を該他端から角パイプの各層の空間内に注入し、角パイプ及び低融点合金を常温まで冷却させた後曲げ加工し、低融点合金を融点以上に加熱して該角パイプから排出させる技術が知られている。パイプベンダ(同文献、図2)の円盤シューのリムの間に角パイプを沿わせて曲げる。角パイプの上下の側壁、補強リブ間の側壁が内側に凹んで、凹面が形成され易いとされているが(同文献第2頁左上欄10乃至13行)、この技術によれば、角パイプの側壁の内側への変形は、側壁が凝固金属に衝合するため阻止されて凝固金属の曲げ方向厚さが変化しないため、外側への変形も阻止される。
さらに、特許文献3には、丸パイプから角パイプへの成形する過程で曲げる技術が開示されている。特許文献3では、自動車の骨組用の中空の丸パイプを角パイプに変形して曲げる際に、所謂、ハイドロベンド、ハイドロフォーミングという方法を利用し、丸パイプの中に水、油を封入して四方からロールで押し付けて四角断面の角パイプに成形する。曲げ成形時のしわ、形状崩れを抑止して曲げることができるとされている。
特開平11-226654号公報 特開平1-122623号公報 特開2022-110718号公報 特開2005-142568号公報
特許文献2では、元の角パイプの角形状や、面の弛みを抑止した上で曲げる事が可能であるが、低融点合金を扱う難しさがある。低融点合金の代わりに水を封入し、凍結させてから曲げ加工を行う方法も存在するが、長尺物を曲げようとすると、長尺に適した冷蔵庫を用意しなくてはならない。尚、角パイプの側壁は内側への変形しがちなものであるので、パイプベンダの円盤シューのリムは、角パイプの側面形状の変形を抑制するものではなく、角パイプの円板シューからの逸脱を抑制するものである。
また、特許文献3の技術では、最初から角パイプを曲げると面の部分の形状変化が大きく、丸パイプから曲げて角パイプに成形する方が良い結果となることが報告されている(同文献、図4)が、成形された角パイプの角の部分の丸みと、平坦部分の撓みが現れてしまう事は避けられない。
ところで、中実棒を螺旋状に巻いたコイルとして、ヘリカル共振に利用される螺旋コイルが、例えば特許文献4において知られている。この文献に開示されたヘリカル共振器は、プラズマにより半導体基板をエッチングする装置に利用されるものである。この他のヘリカル共振器の利用態様として、非接触電力送信への利用態様がある。これら用途のヘリカル共振器は、RF電源に接続されるものであり、螺旋コイルとして四角形断面のものが良いとされている(例えば、特許文献4の第0020欄)。高周波が使用されるRF電源に対応するには、導体金属により中実とされた角棒により作成された螺旋コイルより、中空方形導波管類似の断面形状を有する導体金属パイプにより作成された螺旋コイルの方が導体金属の使用効率上望ましい。そして、そのような導体金属としては、銅又は黄銅が望ましい。
尚、螺旋に複数ターンに巻く技術として、熱交換器用に丸銅パイプを螺旋に巻くことは古くから知られている。例えば、ロールに巻き付ける方法や、銅パイプを通す螺旋状の経路を複数の小ロールで取り囲み、小ロールで銅パイプを送りながら、螺旋に巻く方法である。ロールに巻き付ける方法では、巻き終えた銅パイプが巻き戻しにより、螺旋の径が円筒状ロールよりも大きくなり、自然に円筒状ロールから外れる。また、螺旋状の経路を複数の小ロールで取り囲む方法では、銅パイプを連続的に螺旋状にすることができる。
しかしながら、これらの熱交換器用の技術で角パイプを巻くと、断面に変形が生じてしまうため、ヘリカル共振器として安定した性能を得ることができず、これを適用することができない。
本発明の目的は、中空方形導波管の長方形の断面形状を有する長尺の角パイプを、断面の形状を維持したままで、螺旋に巻く螺旋コイルの製造装置及び製造方法を提供することである。
本発明の螺旋コイルの製造装置は、周壁に複数ターンの螺旋状の溝が設けられ、軸心の回りを回転する成形主ロールと、前記成形主ロールの周囲に互いに近接して配置され、成形主ロールと平行な軸を有する複数の補助ロールとを具備し、流動状態の液体が充填された導体金属による直線状の角パイプを螺旋に巻く螺旋コイルの製造装置であって、前記溝の断面形状は、短辺となる一対の側壁と、これに垂直な長辺となる底壁による長方形であって、前記角パイプの断面外周形状の外形長辺に相当する幅を有し、前記補助ロールの表面と前記底壁との間隔は、前記角パイプの断面外周形状の外形短辺に相当する間隔であり、前記溝が設けられた周壁は、軸心の回りに特定の角度ずつ弧状の複数の周壁ブロックに分割されて、周壁ブロックは前記成形主ロールの内側に向けて脱落可能なように構成されている。
また、本発明の螺旋コイルの製造方法は、上記製造装置を使用し、前記角パイプの内部に液体を充填して、前後の開口を封鎖板で塞ぎ、前記角パイプの端部を溝と前記補助ロールとの間に差し入れ、前記成形主ロールを回転させて、前記角パイプを前記成形主ロールの中に巻き込んでゆき、巻き込みが終了したら、前記周壁ブロックを前記成形主ロールの内側に向けて脱落させて、その後、他の周壁ブロックを取り外して螺旋コイルを製造する。
本発明によれば、角パイプの軸心側の短縮する側の面に発生するシワに対応するだけではなく、成形主ロールの溝の側壁によって、液体である水による押し出し力とバランスして、角パイプの側面の平行を保つことができ、角パイプの側面の形状維持に効果を発揮する。結果として、角パイプの断面形状を維持したままで、螺旋コイルに成形することができる。
螺旋コイルの製造装置の斜視図である。 成形主ロールを説明する図であり、図2Aは成形主ロールの斜視図、図2Bは周壁の溝と角パイプの関係を説明する図、図2C-図2Eは成形主ロールの分解過程を示す図である。 成形された螺旋コイルを示す図である。 製作した製造装置を示す図である。 他の実施例を示す図である。
[実施例1]
本発明の一実施例である螺旋コイルの製造装置1を示す。本実施例としては、導体金属として銅を用いた角パイプを複数ターンの螺旋コイルに成形する。図1において、成形前の角パイプ3は、直線状であり、前後の開口を銅の封鎖板3a、3bを溶接して塞がれている。前後の開口を塞ぐ一方の封鎖板3bには、水の注入口3dと空気の排出口3cが設けられている。
製造装置1は、断面が長方形の角パイプ3を、螺旋コイルに成形する。製造装置1は、成形主ロール10と、複数の補助ロール2と、軸心cを中心に成形主ロール10を回転させる駆動装置4とを備える。成形主ロール10は、周壁に螺旋状の溝12が設けられている。複数補助ロール2は、滑らかな円筒状のロールであり、成形主ロール10と平行な軸を有している。尚、本明細書において、「長方形」の語は、正方形を含む広義の意味で用いている。また、本明細書において、「短辺」、「長辺」の語は、正方形の場合は「一辺」の意味である。
図2において、成形主ロール10を説明する。図2Aにおいて、成形主ロール10は、周壁に螺旋状に複数ターンの溝12を有している。本実施例では8ターンのものを示した。図2Bの成形主ロール10の断面によると、溝12の断面形状は、長方形であり、この長方形の短辺となる一対の側壁12a、12bと、これに垂直な長辺となる底壁12cにより構成される。底壁12cの対辺は開口されている。溝12は、深さh、幅wである。溝と溝の間の頂面も軸心cに対して平行な面になっている。角パイプ3の断面は、長方形であり、その断面の外周形状において、深さh、幅wに相当する外形短辺a、外形長辺bの長さを有している。
外形長辺bの方が幅wよりも若干狭いがこれらの相違は機械的に溝に角パイプが嵌合できる程度の相違である。一方、外形短辺aは深さhと同じである。そして、成形主ロール10の周囲に配置されている補助ロール2は、その表面と底壁12cの間を、外形長辺bの間隔を維持するように作用する。
補助ロール2は、成形主ロール10の複数ターンの溝12を覆う長さを有している。補助ロール2は、成形主ロール10の周囲に5本を1つのグループとして成形主ロール10の円周上の2箇所に離散的に配置されており、夫々が自己の軸回りに回転する。補助ロール2のグループの間で空いている箇所(図2の紙面上、グループの最初の補助ロール2aの右の箇所)に対して、角パイプ3を差し込むようになっている。補助ロール2の径は、全てが同一径に統一されていなくても良いが、本実施例においては、補助ロール2の径は、成形主ロール10に比べて小さくされ、5分の1程度に統一している。各グループの補助ロール2は、互いに近接して配置されており、本実施例では、22.5度の角度間隔である。最初の補助ロール2aとこれに隣接する補助ロール2bとは互いに近接配置されている。両者間の角度間隔22.5度は、グループの最初の補助ロール2aの表面と、これに隣接する次の補助ロール2bの表面とを僅かに離す角度である。補助ロール2aに差し入れられた角パイプ3の先端が補助ロール2bに到達したときに、補助ロール2bにより溝12側に誘導されるような位置関係になっている。
図2Cにおいて、成形主ロール10を分解する過程を示している。成形主ロール10は、上下の底板11a、11bと、複数の周壁ブロック13、14、15に分解することができる。周壁ブロック13、14、15は、成形主ロール10の周壁を、軸心cの回りに特定の角度ずつ弧状に分割したものである。よって、特定の角度ずつ周壁ブロック13、14、15に設けられた溝12が分割されるのである。特定の角度は、周壁ブロック13、14、15に共通でも良いし、異なっていても良い。周壁ブロック13、14、15は、その上面、下面において、底板11a、11bにボルト5等を用いて連結することができる。図2Dにおいて、本実施例においては、周壁ブロック13、14、15は6つであり、これらを組み合わすことにより一周した成形主ロール10の周壁を形成する。
図2Eにおいて、6つの周壁ブロック13、14、15は、内側に向けて脱落可能なようになっている。本実施例の場合は、対向する2つの周壁ブロック15が、内側に向けて脱落可能なようになっている。具体的には、隣りの周壁ブロック13、14と接触する周壁ブロック15の2面の側面15a、15bが互いに平行とした。この周壁ブロック15を内側に押し込めて脱落させると、他の周壁ブロック13、14も脱落する。
次に、製造装置1を用いて螺旋コイル30を製造する工程を説明する。
直線状の角パイプ3に対して、銅を軟化させるため焼き鈍し処理を行う。角パイプ3に前後の開口に対して封鎖板3a、3bを溶接して封鎖する。角パイプ3の前側の開口は、長さ方向に鋭角となる角度θに斜めに切断されて封鎖板3aが取り付けられている。これは、製造装置1に巻き込みやすくするためである。角パイプの後側を封鎖する封鎖板3bの注入口3dから水を充填して排出口3cから空気を排出する。その後、注入口3d及び排出口3cを塞ぎ、密閉する。水の代わりに液体、例えば油でもよい。本例においては、塞いだときの角パイプ3の内圧は0MPaである。成型主ロール10の溝12と最初の補助ロール2aの間に角パイプ3の一端を差し入れる。
駆動装置4により成形主ロール10を回転させると、次の補助ロール2bにより溝12に押し込まれようとする過程で角パイプ3が若干膨らもうとし、差し入れられた成型主ロール10の溝12と補助ロール2a、2bの間から抜けられなくなって、そのまま角パイプ3は溝12の中に巻き込まれる。巻き込まれるにつれて、角パイプ3は、軸心cに近い側の面が圧縮力を受け、遠い側の面が引張力を受ける。そして、両側面は曲げ力を受ける。角パイプ3内部の水は周囲の壁を押し出そうとするため、両側面の曲げ力は、角パイプ3を扁平に広げるように作用するが、溝12の側壁12a、12bは、これを阻止する。よって、角パイプ3の側面は平行を保ったまま維持される。補助ロール2bに続く補助ロール2c乃至2eにより、角パイプ3の巻き込みを確実にする。また、補助ロール2は、成形主ロール10の複数ターンの溝12を覆う長さを有しているので、成形主ロール10が回転しても、定角度位置で角パイプ3を溝12へ押さえ続ける。
また、角パイプ3の底壁12c側の壁は、短縮する側にあるため、シワになろうとするが、角パイプ3内の水により底壁12cに押し付けられて、シワの発生が抑止される。そして、引張力を受けている角パイプ3の遠い側の面は、成形主ロール10の周囲に離散的に配置された補助ロール2により押さえられているので、角パイプ3は溝12に留まったまま成形主ロール10に巻き込まれる。
角パイプ3の管内の体積は、成形主ロール10への巻き込みにより縮小され、流動状態の液体である管内の水は角パイプ3内の全体にわたって角パイプ3を押し広げようとする。成形主ロール10に既に巻き取られている角パイプ3に対しても、管内の水の圧力は及ぶが、溝12の側壁12a、12bにより阻止が継続されている。また、角パイプ3の曲げを戻そうとする力に対しても、補助ロール2が成形主ロール10の周囲を取り囲んでいるので、これを阻止する。結局、角パイプ3の内部空間が縮小されて行き場を失った水は、成形主ロール10に巻き込まれずに残っている角パイプの端部Pに移動して外形を膨らませる。図3は成形された螺旋コイルを示す図であるが、角パイプの端部Pが膨らんでいる(尚、この状態は、図4Aにも見られる。)。一方、螺旋に巻かれた部分の角パイプ3の断面形状は長方形状のまま維持される。このように、溝12と補助ロール2により、特許文献2のように低融点の金属を管内で凝固させてから曲げた場合と同じような効果を、液体である水を利用して成し遂げることができる。
駆動装置4による巻き取りを停止し、螺旋コイル30を取り外す。図4Aに5mの角パイプ2を螺旋コイル30に成形した例を示す。図において、手前側の補助ロール2が成形主ロール10から取り外され、奥側の補助ロール2は残っている。螺旋コイル30の巻き始めと巻き終わりの位置に置いては、巻き戻しにより、螺旋コイル30の巻き径が若干大きくなって、溝12から若干浮き上がっている。一方で、中間部分においては、溝12の中に固着している。この固着は、角パイプ3が曲がる際に、溝12の側壁12a、12bに角パイプ3の外形短辺aが押し付けられた結果として生じたものである。
周壁ブロック13、14、15を分解して、螺旋コイル30を取り出す(図4B参照)。螺旋コイル30は、周壁ブロック13、14、15の側壁12a、12bに対して固着しているため、周壁ブロック15を成形主ロール10の内側に押し込むことにより、取り外すのである。
尚、角パイプへの最初の焼き鈍し処理をすると、表面に酸化銅が生成されて表面粗さが粗くなることから、成形主ロール10に巻く前に、研磨処理により表面粗さを調整するのが良い。螺旋コイル30を周壁ブロック13、14、15から取り外す際に支障を与えないように、螺旋コイル30と周壁ブロック13、14、15との固着の程度をコントロールすることができるからである。また、潤滑剤を予め溝12に塗布しておいても良い。
螺旋コイル30の巻き残した端部Pのように形状が不安定な部分は切り落とす。このように作成された螺旋コイル30を溶接により連結することによって、所望の巻き数を有する螺旋コイルを作成する。
[実施例2]
実施例1においては、角パイプ3に前後の開口を封鎖板3a、3bを溶接し、水を充填した後、注入口3d及び排出口3cを塞いで密閉した。この結果、角パイプ3の圧力が高まり、内部の圧力による形状の不安定さは、端部Pに集中した。実施例1の図4の例において、角パイプ3内の圧力を測定すると、当初0Mpaであったものが、1.2MPaに達していた。実施例2では、角パイプ3を図5に示すように、排出口3cにリリース弁3eを取り付ける変更を行った。リリース弁3eは、作動圧力0.4Mpaのものを使用した。また、製造装置1により巻き始める以前に、角パイプ3の内部圧力を0.4MPa(リリース弁3eの作動圧力)としておいた。他の構成は実施例1と同じである。リリース弁3eは、角パイプ3の圧力が0.4Mpa以上になろうとすると、内部の水を排出する。角パイプ3の断面形状は長方形状のまま維持した上で、螺旋コイル30の巻き残した端部Pの長さを短くすることができた。また、最初から0.4MPaに角パイプ3内の圧力を高めたことから、巻き始めにおける変形が減少した。
長尺の角パイプを密閉して螺旋状に巻くと、内部圧力が上昇し、端部Pを巻き残した状態で容易に巻けなくなるか、若しくは破裂することになるが、本実施例2のようにリリース弁3eを取り付けて角パイプ2の内部圧力を一定値以下にしておけば、長尺の角パイプでも端部Pの巻き残しを少なくして巻くことができる。
本実施例によれば、角パイプ3の軸心c側の短縮する側の面に発生するシワに対応するだけではなく、成形主ロール10に側壁12a、12bが設けられているので、角パイプ3内の水による押し出し力とバランスして、角パイプ3の側面の平行を保つことにより、角パイプ3の側面の形状維持に効果を発揮する。結果として、角パイプ3の断面形状を維持したままで、螺旋コイル30に成形することができる。また、周壁ブロック13、14、15は成形主ロール10の内側に押し込むことで分解ができるので、溝12に固着した螺旋コイル30を容易に取り外すことができる。補助ロール2aと補助ロール2bにより、角パイプ3を成形主ロール10から抜け出せなくさせることができるため、角パイプ3を成形主ロール10に固定するため手段や固定作業を改めてしなくても良い。
本実施例では、隣りの周壁ブロック13、14と接触する周壁ブロック15の2面の側面15a、15bは互いに平行としたが、周壁ブロック13、14、15が脱落する構造は、どのような構造でも良い。例えば、側面15a、15bが軸心cに近くなるほど距離を離す構造でもよい。また、周壁ブロック13、14、15を軸心c側から支えるバックアップ機構を備えて、バックアップ機構側を分解できる様にしても良い。また、本実施例において、補助ロール2の各グループに5つの補助ロール2を備えたが、最初の補助ロール2aと近接して配置された次の補助ロール2bの2本だけでもよい。また、1つのグループのみでもよい。
1 製造装置
2 補助ロール
3 角パイプ
3a、3b 封鎖板
3c 排出口
3d 注入口
4 駆動装置
5 ボルト
10 成形主ロール
11a、11b 底板
12 溝
12a、12b 側壁
12c 底壁
13、14、15 周壁ブロック
15a、15b 側面
30 螺旋コイル


Claims (3)

  1. 周壁に複数ターンの螺旋状の溝が設けられ、軸心の回りを回転する成形主ロールと、
    前記成形主ロールの周囲に互いに近接して配置され、前記成形主ロールと平行な軸を有する複数の補助ロールとを具備し、流動状態の液体が充填された導体金属による直線状の角パイプを螺旋に巻く螺旋コイルの製造装置であって、
    前記溝の断面形状は、短辺となる一対の側壁と、これに垂直な長辺となる底壁による長方形であって、前記角パイプの断面外周形状の外形長辺に相当する幅を有し、
    前記補助ロールの表面と前記底壁との間隔は、前記角パイプの断面外周形状の外形短辺に相当する間隔であり、
    前記溝が設けられた周壁は、軸心の回りに特定の角度ずつ弧状の複数の周壁ブロックに分割されて、周壁ブロックは前記成形主ロールの内側に向けて脱落可能なように構成されていることを特徴とする螺旋コイルの製造装置。
  2. 請求項1の螺旋コイルの製造装置を用いた螺旋コイルの製造方法であって、
    前記角パイプの内部に液体を充填して、前後の開口を封鎖板で塞いで密閉し、
    前記角パイプの端部を最初の前記補助ロールと前記溝との間に差し入れ、
    前記成形主ロールを回転させて、前記角パイプを前記成形主ロールの中に巻き込んでゆき、
    巻き込みが終了したら、前記周壁ブロックを前記成形主ロールの内側に向けて脱落させて、その後、他の周壁ブロックを取り外して螺旋コイルを製造する方法。
  3. 請求項1の螺旋コイルの製造装置を用いた螺旋コイルの製造方法であって、
    前記角パイプの内部に液体を充填して、前後の開口を封鎖板で塞ぐとともに前記角パイプの液体を排出するリリース弁をとりつけ、
    前記角パイプの端部を最初の前記補助ロールと前記溝との間に差し入れ、
    前記成形主ロールを回転させて、前記角パイプを前記成形主ロールの中に巻き込んでゆき、
    巻き込みが終了したら、前記周壁ブロックを前記成形主ロールの内側に向けて脱落させて、その後、他の周壁ブロックを取り外して螺旋コイルを製造する方法。


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