JP2000301240A - 薄壁管体の成形方法 - Google Patents

薄壁管体の成形方法

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JP2000301240A
JP2000301240A JP11108474A JP10847499A JP2000301240A JP 2000301240 A JP2000301240 A JP 2000301240A JP 11108474 A JP11108474 A JP 11108474A JP 10847499 A JP10847499 A JP 10847499A JP 2000301240 A JP2000301240 A JP 2000301240A
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walled
tube
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Hiromasa Fukuyama
寛正 福山
Toshio Takahashi
利夫 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストの低減を図りつつ、真円度等の加
工精度を著しく向上すること。 【解決手段】 薄壁管体1の内側に、この薄壁管体1の
熱膨張係数より大きい熱膨張係数を有する矯正内壁体2
を挿入すると共に、薄壁管体1の外側に、矯正外壁体3
を嵌め合わせ、次いで、薄壁管体1にアニーリング熱処
理を施し、矯正内壁体2を熱膨張させることにより、薄
壁管体1を矯正外壁体3の内形状に倣わせて薄壁管体の
形状を矯正し、その後、薄壁管体1を徐々に冷却してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、比較的薄い肉厚で
筒状に形成した薄壁管体を矯正して成形するための薄壁
管体の成形方法に関し、詳しくは、製造コストの低減を
図りつつ、真円度等の加工精度を著しく向上した薄壁管
体の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、比較的薄い肉厚で筒状に形成した
薄壁管体の一用途として、例えば、図12に示すよう
に、ポンプ、コンプレッサー、またはブロアーなどの、
磁気軸受を用いた密閉型流体装置がある。先ず、以下
に、この磁気軸受を用いた密閉型流体装置を説明する。
【0003】図12は、磁気軸受を用いた密閉型流体装
置の断面図であり、密閉室10内に、作動ガスを導入口
(図示略)から導入して送出口(図示略)から送出する
ための複数段の羽根車11が回転自在に配設してあり、
この羽根車11のための回転軸12が密閉室10の壁内
に前記磁気によって非接触に回転自在に支持してある。
なお、回転軸の異常回転時用にタッチダウン軸受13,
13が設置してある。
【0004】この密閉室10から突出した回転軸12
は、その両側で、一対のラジアル磁気軸受14,14に
より非接触で回転自在に支持してあり、各ラジアル磁気
軸受14は、コイル14aを有するステータ部14b
と、回転軸12側のロータ部14cとから構成してあ
る。
【0005】このラジアル磁気軸受14は、回転軸12
との径方向のギャップを検出するためのセンサーコイル
15を有し、これにより、径方向のギャップの変化に基
づいて変化するセンサーコイル15のインダクタンスを
コントローラ(図示略)が検出して、このインダクタン
スの変化に対応してステータ部14bのコイル14aに
流す電流を増減するフィードバック制御を行って、径方
向のギャップをコンスタントに維持するようになってい
る。
【0006】また、回転軸12は、駆動モータ16によ
り回転駆動するようになっており、この駆動モータ16
は、コイル16aを有するステータ部16bと、回転軸
12側のロータ部16cとから構成してある。さらに、
回転軸12の両端は、一対のスラスト磁気軸受17,1
7により非接触で回転自在に支持してある。
【0007】さらに、密閉室10から突出した回転軸1
2を、密閉シールド薄壁20(薄壁管体)により取り囲
んであると共に、ラジアル磁気軸受14、駆動モータ1
6、およびスラスト磁気軸受17は、この密閉磁気シー
ルド薄壁20(薄壁管体)の外側に配置してある。さら
に、この密閉シールド薄壁20(薄壁管体)は、例え
ば、ステンレス材や真鍮材などの非磁性体から形成して
ある。
【0008】このように、密閉シールド薄壁20(薄壁
管体)は、密閉室10と協働して、羽根車11と回転軸
12を内部に有する閉じた空間を形成し、この閉じた空
間の外側に磁気軸受14,17および駆動モータ16を
配置している。そのため、羽根車11により密閉室10
内に導入した作動ガスは、この閉じた空間内に封入する
ことができ、この閉じた空間から外部に漏洩することが
ないと共に、不純物等が外部から閉じた空間内に浸入す
ることがない。したがって、作動ガスが腐食性ガスであ
る場合でも、磁気軸受14,17や駆動モータ16のモ
ールド樹脂材質の腐食を効果的に防止することができ、
磁気軸受14,17や駆動モータ16からの作動ガスへ
の不純物の混入を確実に防止することができる。
【0009】この際、ラジアル磁気軸受14、駆動モー
タ16、およびスラスト磁気軸受17は、上記のよう
に、この密閉シールド薄壁20(薄壁管体)の外側に配
置してあるが、回転軸12を磁気力により非接触で支持
または回転駆動する構成であり、しかも、密閉シールド
薄壁20(薄壁管体)は、上記のように、ステンレス材
等の非磁性体から形成してあるため、磁気軸受14,1
7や駆動モータ16は、この密閉シールド薄壁20から
磁気的な影響を受けることなく、回転軸12を磁気力に
より非接触で回転自在に良好に支持できると共に、回転
軸12を磁気力により非接触で良好に回転駆動すること
ができる。このように、磁気軸受や駆動モータが十分な
性能を発揮するためには、磁気軸受やモータのステータ
とロータ部とのギャップは小さい必要がある。従って、
その間に介在するシールド薄壁の厚さも必然的に薄くす
る必要がある。
【0010】なお、上記の場合には、腐食性ガスが密閉
室10から外部に漏洩することを防止するため、密閉シ
ールド薄壁20(薄壁管体)を用いているが、密閉室1
0または容器が高真空を要求され、駆動モータ16のモ
ールド樹脂材質等が真空度を低下させる場合にも、同様
の密閉シールド薄壁20(薄壁管体)を用いることがで
き、高真空を維持することができる。
【0011】また、駆動モータ16のステータ部16b
と、回転軸12側のロータ部16cとの隙間は、磁気軸
受の性能を決める重要な仕様であり、肉厚が薄く真円に
近い密閉シールド薄壁20(薄壁管体)を用いるほど、
磁気軸受の設計の自由度が広がり軸受性能が向上する。
【0012】さらに、密閉シールド薄壁20を構成する
薄壁管体は、上述した磁気軸受の用途だけでなく、高い
真円度要求される薄肉円管や、正確な平行度が要求され
る薄肉の矩体にも用いることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述したような薄壁管
体を成形するに際して、従来、第1には、厚さが均一な
板材を丸めて、つき合わせ部を溶接して管構造とする成
形方法、第2には、一定肉厚のチューブ材の外径を切削
等の機械加工により加工し、同じく内径を切削等の機械
加工により薄肉の管構造とする成形方法、第3には、一
定肉厚のチューブ材の内側に内径拡張用の治具を挿入
し、径寸法を拡大することを複数回繰り返して必要な肉
厚にする成形方法がある。
【0014】しかしながら、上述した成形方法のうち、
厚さが均一な板材を丸めて、つき合わせ部を溶接して管
構造とする第1の成形方法では、溶接部近辺の形状を真
円にするのが困難であり、溶接部を中心として径方向外
方に突出するといったことがあり、また、円形に曲げる
程度が十分でなく溶接部近辺が平坦に近くなったりする
ことがあり、さらに、肉厚は均等になるものの形状精度
が十分とはいえないといったことがある。
【0015】具体的には、図10に示すように、板材を
丸めて、つき合わせ部aを溶接して管構造とした場合、
このつき合わせ部aの溶接箇所が外側に突き出して、真
円度が悪くなるといったことがある。
【0016】また、図11に示すように、同様に、板材
を丸めて、つき合わせ部aを溶接して管構造とした場
合、このつき合わせ部aの溶接部付近では、丸めが不十
分で平坦になるといったことがある。
【0017】さらに、一定肉厚のチューブ材に切削等の
機械加工を施す第2の成形方法では、チューブ材は規格
があり、とびとびのサイズしかないため、軸やハウジン
グに適合するように使用するとなると、チューブ材の内
径・外径を機械加工するのに多大な加工時間を要し、製
造コストの高騰を招くといったことがある。また、チュ
ーブ材を薄肉に仕上げるには、外径側または内径側に加
工用の治具をあてることにより、機械加工の切削力をそ
の治具で受けるといった手間が必要であり、その結果、
このような煩雑な加工作業を要することから、製造コス
トの高騰を招くといったことがある。
【0018】さらに、上述した第1ないし第3のいずれ
の成形方法においても、素材の弾性が関与するため、成
形後の形状には、弾性変形の影響が残り、第1ないし第
3のいずれの成形方法でも、真円度等の加工精度を一定
値以上に向上させることは、極めて困難であるといった
ことがある。
【0019】本発明は、上述したような事情に鑑みてな
されたものであって、製造コストの低減を図りつつ、真
円度等の加工精度を著しく向上した薄壁管体の成形方法
を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る薄壁管体の成形方法は、薄い肉厚で筒
状に形成した薄壁管体を矯正して成形するための薄壁管
体の成形方法であって、薄壁管体の内側に、この薄壁管
体の熱膨張係数より大きい熱膨張係数を有する矯正内壁
体を挿入すると共に、薄壁管体の外側に、矯正外壁体を
嵌め合わせ、薄壁管体にアニーリング熱処理を施し、矯
正内壁体を熱膨張させることにより、薄壁管体を矯正外
壁体の内形状に倣わせて薄壁管体の形状を矯正し、その
後、薄壁管体を徐々に冷却することを特徴とする。
【0021】このように、本発明によれば、薄壁管体の
内側に、熱膨張係数の大きい矯正内壁体を挿入すると共
に、薄壁管体の外側に、矯正外壁体を嵌め合わせ、薄壁
管体にアニーリング熱処理を施し、矯正内壁体を熱膨張
させることにより、薄壁管体を矯正外壁体の内形状に倣
わせて薄壁管体の形状を矯正している。そのため、真円
度等の加工精度が十分でなく、突出または平坦等の変形
が生じている薄壁管体であっても、本成形(矯正)方法
により、薄壁管体の形状を矯正して、偏肉がなく、真円
度等の加工精度を著しく向上した薄壁管体を提供するこ
とができる。また、矯正方法が極めて簡易であり、コス
トの高騰を招くこともなく、さらに、アニーリング熱処
理を施しているため、突出または平坦等の変形の際に生
じる内部応力も解除することができる。
【0022】なお、本発明に係る薄壁管体は、上記従来
技術で図示した磁気軸受の用途だけでなく、高い真円度
要求される薄肉円管や、正確な平行度が要求される薄肉
の矩体の矯正にも用いることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
薄壁管体の成形方法を図面を参照しつつ説明する。
【0024】図1は、本発明の第1実施の形態に係る薄
壁管体を成形する際の断面図であって、成形処理前の状
態を示し、図2は、図1に示した薄壁管体を成形する際
の断面図であって、成形処理中の状態を示し、図3は、
図1に示した薄壁管体を成形する際の断面図であって、
成形処理後の状態を示している。
【0025】図1に示すように、薄壁管体1は、例え
ば、厚さが均一な板材を丸めて、つき合わせ部を溶接ま
たは接着により接合して管構造とし、仕上がり寸法より
若干小径の状態にしてある。
【0026】この薄壁管体1の内側には、薄壁管体1の
熱膨張係数(αs)より大きい熱膨張係数(αi)を有
すると共に薄壁管体1より小径に形成した矯正内壁体2
を挿入している。この矯正内壁体2は、後述するよう
に、アニーリング熱処理の際、自身が薄壁管体1より大
きく熱膨張することにより、薄壁管体1を矯正するため
のものであり、薄壁管体1が鋼である場合には、鋼より
熱膨張係数が大きい金属、例えば、銅、アルミニウム、
ニッケル、マグネシウム、およびそれらを主成分とする
合金から形成してある。なお、アルミニウム合金の場合
はタフラム処理のような表面処理をすることにより表面
を硬くかつなめらかな面とすることができ、銅やその他
の材料およびそれらを主成分とする合金についても同様
である。
【0027】薄壁管体1の外側には、薄壁管体1より大
径に形成した矯正外壁体3を嵌め合わせている。この矯
正外壁体3は、アニーリング熱処理の際、薄壁管体1を
自身の内周面に倣わせることにより、薄壁管体1を矯正
するためのものであり、その内周面は、薄壁管体1を矯
正する基準となるものである。矯正外壁体3は、その内
周面を形状精度よく仕上げてあり、その材質は、その熱
膨張係数(αo)が薄壁管体1の熱膨張係数(αs)と
同程度かまたはそれ以下であり、熱処理温度に耐えるも
のであれば、その材質は問わない。
【0028】本実施の形態に係る成形(矯正)方法で
は、薄壁管体1の内側に矯正内壁体2を挿入すると共に
薄壁管体1の外側に矯正外壁体を嵌め合わせた状態で、
薄壁管体1にアニーリング熱処理を施している。
【0029】この矯正内壁体2の熱膨張係数(αi)
は、薄壁管体1の熱膨張係数(αs)や矯正外壁体3の
熱膨張係数(αo)より大きく設定してある。
【0030】すなわち、αo≦αs<αi そのため、このアニーリング熱処理の際、矯正内壁体2
は、その熱膨張の度合いが薄壁管体1や矯正外壁体3の
熱膨張の度合いより著しく大きく、薄壁管体1や矯正外
壁体3よりも著しく速く膨張し、図2に示すように、薄
壁管体1を矯正外壁体3の内形状に倣わせることができ
る。これにより、薄壁管体1の形状を矯正することがで
き、真円度等の加工精度が十分でなく、突出または平坦
等の変形が生じている薄壁管体1であっても、本成形
(矯正)方法により、薄壁管体1の形状を矯正して、偏
肉がなく、真円度等の加工精度を著しく向上した薄壁管
体を提供することができる。また、矯正方法が極めて簡
易であり、コストの高騰を招くこともなく、さらに、ア
ニーリング熱処理を施しているため、アニーリング効果
によって、突出または平坦等の変形の際に生じる内部応
力(矯正応力)も解除することができる。
【0031】図3は、第1実施の形態の熱処理後の状態
であり、薄壁管体1の形状が矯正外壁体3によって矯正
され、断面形状が真円になっている様子を示している。
【0032】この熱処理後には、適当な温度降下条件に
よって矯正された形状を保ったまま薄壁管体1が徐々に
冷却される。これにより、図3に示すように、薄壁管体
1が矯正外壁体3の内周面に接着した状態から熱収縮し
て、矯正外壁体3の内周面から離れるため、薄壁管体1
を取り出すことができる。また、薄壁管体1は、温度を
下げても、矯正効果が残存しており、矯正外壁体3の内
周面に倣った形状になっている。
【0033】なお、矯正内壁体2の材質、寸法は、矯正
する薄壁管体1の材質、寸法、および熱処理温度を考慮
して以下のように選定する。
【0034】薄壁管体1の内径をds、熱膨張係数をα
s、アニーリング熱処理温度をt1、室温をt0とする
と、薄壁管体1の熱膨張後の寸法ds´は、 ds´=αs・ds・(t1−t0) 矯正内壁体2の外径をdi、熱膨脹係数をαiとする
と、矯正内壁体の熱膨張後の寸法di´は、 di´=αi・di・(t1−t0) この時、di´> ds´となれば、この径の歪量の差
が薄壁管体1に加わり、矯正内壁体2の外径に倣うよう
に薄壁管体1が変形し、この状態でアニーリング熱処理
を施すことにより、溶接時の形状を矯正する。すなわ
ち、di´> ds´となるように選定する。
【0035】この時、熱膨張差によって、図7に示すよ
うな内部応力pが発生し、管体の肉厚をt、管体の半径
をrとすると、管体には引っ張り応力σが円周状均一に
作用し、その大きさは以下の式で表される。
【0036】σ=p・r/t このとき、σが降伏応力以下ならば、アニーリング熱処
理を行った後の平均径および肉厚は矯正前とほぼ同じ状
態で管体が矯正される。σが降伏応力を超えると塑性変
形を生じ、矯正前より径が大きく薄肉の状態で矯正され
る。di´が大きくなりすぎるとσが薄壁管体1の破断
応力を超えることが懸念されるので、大きくなりすぎる
ことを避けるとか、矯正外壁体1の熱膨張係数を小さく
して静水圧状態にすることが考えられる。
【0037】また、サブゼロ処理を施すことにより、時
効変形を最小にすることができ、寸法安定性を向上で
き、より安定した薄肉の薄壁管体1を製作することがで
きる。
【0038】次に、本発明の第2実施の形態を説明す
る。図4は、本発明の第2実施の形態に係る薄壁管体を
成形する際の断面図であって、成形処理前の状態を示
し、図5は、図4に示した薄壁管体を成形する際の断面
図であって、成形処理中の状態を示し、図6は、図4に
示した薄壁管体を成形する際の断面図であって、成形処
理後の状態を示している。
【0039】上述した第1実施の形態では、薄壁管体1
は、円管であったが、第2実施の形態では、断面が矩形
形状をした管体になっている。従って、矯正外壁体3の
内側断面形状も矩形をしている。矯正外壁体3の内法形
状が矯正の基準形状となっている。矯正内壁体2の外法
形状も、矯正外壁体3の内法と同じく矩形形状をしてい
る。矯正外壁体3、薄壁管体1、矯正内壁体2の順に図
4に示すように組み合わせ熱処理を施す。図5に示すよ
うに、第1実施の形態と同じく矯正外壁体3の材質は薄
壁管体1と同じか、違う場合には熱膨張係数が小さい材
質である。矯正内壁体2の熱膨張係数は、矯正外壁体
3、薄壁管体1の熱膨張係数に比較して大きな値を持つ
材質で製作され、熱処理中は矯正内壁体2の外法は薄壁
管体1の内法より大きく熱膨張する。そのことによって
薄壁管体1は矯正外壁体3の内法に押し付けられ、その
形状が矯正外壁体3の内法に倣いかつ、アニーリング効
果によって内部応力(矯正応力)が解除され矯正され
る。熱処理後、適当な温度降下条件によって矯正された
形状を保ったまま温度が下げられる。図6は、第2実施
の形態の熱処理後の状態であり、矯正前に正しい矩形か
ら逸脱していた薄壁管体1の断面形状が熱処理によって
矯正され、温度を下げても、矯正効果が残り基準の形状
に倣っている。
【0040】なお、薄板材を溶接して薄壁管体1を形成
した場合には、溶接部に溶接ビートによる凸部が生じる
ことがある。この凸部を変形矯正前に加工する方法もあ
るが、図8および図9に示すように、矯正内壁体2や矯
正外壁体3のその凸部があたる位置に逃げ(凹所4)を
設けることにより、溶接部の凸部があるままでも薄壁管
体1の矯正が可能である。
【0041】特に、凸部の大きさが肉厚と比べてその影
響が避けることができる程度の場合には、逃げ(凹所
4)を設ける本方法を用いることが有効である。逃げ
(凹所4)が無い場合は、真円度が悪くなり形状が問題
となるが、図8および図9の方法を用いた場合には、真
円度は確保されるので、設計・組立て時にその凸部だけ
を考慮すれば、機能をみたすように使用可能である。
【0042】なお、本発明は、上述した実施の形態に限
定されず、種々変形可能である。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
薄壁管体の内側に、熱膨張係数の大きい矯正内壁体を挿
入すると共に、薄壁管体の外側に、矯正外壁体を嵌め合
わせ、薄壁管体にアニーリング熱処理を施し、矯正内壁
体を熱膨張させることにより、薄壁管体を矯正外壁体の
内形状に倣わせて薄壁管体の形状を矯正している。その
ため、真円度等の加工精度が十分でなく、突出または平
坦等の変形が生じている薄壁管体であっても、本成形
(矯正)方法により、薄壁管体の形状を矯正して、偏肉
がなく、真円度等の加工精度を著しく向上した薄壁管体
を提供することができる。また、矯正方法が極めて簡易
であり、コストの高騰を招くこともなく、さらに、アニ
ーリング熱処理を施しているため、突出または平坦等の
変形の際に生じる内部応力も解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る薄壁管体を成形
する際の断面図であって、成形処理前の状態を示す。
【図2】図1に示した薄壁管体を成形する際の断面図で
あって、成形処理中の状態を示す。
【図3】図1に示した薄壁管体を成形する際の断面図で
あって、成形処理後の状態を示す。
【図4】本発明の第2実施の形態に係る薄壁管体を成形
する際の断面図であって、成形処理前の状態を示す。
【図5】図4に示した薄壁管体を成形する際の断面図で
あって、成形処理中の状態を示す。
【図6】図4に示した薄壁管体を成形する際の断面図で
あって、成形処理後の状態を示す。
【図7】薄壁管体の応力分布を示す模式図。
【図8】薄壁管体に溶接凸部が形成されている場合に、
矯正外壁体に凹所を設けた例の模式図。
【図9】薄壁管体に溶接凸部が形成されている場合に、
矯正内壁体に凹所を設けた例の模式図。
【図10】従来に係る成形方法に成形した薄壁管体の断
面図。
【図11】従来に係る成形方法に成形した薄壁管体の断
面図。
【図12】磁気軸受を用いた密閉型流体装置の断面図。
【符号の説明】
1 薄壁管体 2 矯正内壁体 3 矯正外壁体 4 凹所 20 密閉シールド薄壁(薄壁管体)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄い肉厚で筒状に形成した薄壁管体を矯正
    して成形するための薄壁管体の成形方法であって、 薄壁管体の内側に、この薄壁管体の熱膨張係数より大き
    い熱膨張係数を有する矯正内壁体を挿入すると共に、薄
    壁管体の外側に、矯正外壁体を嵌め合わせ、 薄壁管体にアニーリング熱処理を施し、矯正内壁体を熱
    膨張させることにより、薄壁管体を矯正外壁体の内形状
    に倣わせて薄壁管体の形状を矯正し、 その後、薄壁管体を徐々に冷却することを特徴とする薄
    壁管体の成形方法。
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