JP2006315010A - 管材の液圧バルジ加工用中子およびこれを用いた中空部材の成形方法 - Google Patents

管材の液圧バルジ加工用中子およびこれを用いた中空部材の成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 管材の液圧バルジ加工において、従来方法よりも少ない軸押し量で管素材を成形加工しても、従来方法以上の張出し量を有する中空部材を得ることができる管材の液圧バルジ加工用中子とこれを用いた中空部材の成形方法を提供する。
【解決手段】 管素材の内面に液体圧を負荷しながら該管素材の端面を軸押しする液圧バルジ加工において、液圧バルジ加工用中子21を管素材10に挿入し、管素材10が変形している際に中子21が管素材10の内面と接触することで中空部材14の内面を成形
して、肉厚分布をほぼ均一にする。また、液圧バルジ加工用中子21は、管素材10の内面に液体圧を負荷する際に液体を管素材10の外部から導入するための流路23を有する。また、液圧バルジ加工用中子24,25は、分割可能にして管素材10の両端部から管素材10内部に出し入れ可能とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、管材の液圧バルジ加工またはチューブ・ハイドロフォーミングと呼ばれる管素材の塑性加工において用いられる中子と、その中子を用いた中空部材の成形方法に関する。
管素材の長手方向の中間部を張出し変形させて中空部材を製造する方法として、従来から液圧バルジ加工またはチューブ・ハイドロフォーミングと呼ばれる塑性加工法が知られている。この加工法の従来の方法では、まず、例えば、図1に示されるような空洞部2を有する分割された成形型1の内部に、図2に示されるような管素材10をセットし、図3に示されるような液圧供給口5を備えた一対の軸押しシリンダ4を、それらの端面が管素材10の両端部に接触するように成形型1の内部にセットする。その後、分割された成形型1を図示しない他方の成形型と組み合わせて閉じ、管素材10の内部に液圧を負荷し、また、管素材10の両端部を軸押しシリンダ4で軸押しして、最終的に管素材10を図3に示す中空部材11のような張出部12を有する成形型1の空洞部2と張出成形部3の形状に沿った形状に塑性加工する。
この管材の液圧バルジ加工によって管素材から中空部材を成形加工する際には、通常、成形品である中空部材が該中空部材に期待されている機能を果たすべく外観を有するように管素材を変形させる必要がある。そのため、管材の液圧バルジ加工もしくはチューブ・ハイドロフォーミングに関する従来の発明の多くは、成形加工中の管素材に生じる破裂や座屈を防ぐ手段を提供することを目的としている。液圧バルジ加工では、管素材が所用の張出し形状に変形する前に破裂すると、加工の目的を達成できない。また、管素材を大きく張出し変形させる目的で行われる管素材の端面からの軸押しが、管素材を座屈させて管壁を折り曲げるように働くと、成形品の中空部材の外観は、成形型1のような成形型を用いた成形加工の場合には、空洞部2と張出成形部3の形状に沿った中空部材11のようにはならない。
成形品としての中空部材11は外観上の問題はない。しかし、中空部材の内側を流体の流路として使用する場合、中空部材の内側形状に起因する流体の流通効率の低下は極力小さく抑えられることが要求されるため、上記の管素材の破裂や座屈の問題を解決するだけでは不足であり、中空部材の内面形状および肉厚分布を有意なものとする成形加工方法が必要となる。
張出し変形量の大きい中空部材を作製する際、その成形加工法として中空部材の内面形状および肉厚分布を有意なものとする成形加工方法を採る場合、その方法は座屈を生じさせない方法でなければならない。しかし、管素材に生じる座屈を抑制することのできる成形加工方法を採る場合、その方法が必ずしも中空部材の内面形状および肉厚分布を有意なものとする方法であるとは限らない。
例えば、特許文献1(特開2000−312925公報)に開示されている中子は、座屈を抑制することができるが、中空部材の内面形状および肉厚分布を有意なものとする成形加工方法とはなっていない。この中子は予め金属管の内部にセットして用いられるものであり、液圧バルジ加工の過程において金属管が変形していく履歴中を、柔軟な連結部材を利用して柔軟に変形しつつ、変形防止エレメントが金属管の内側への変形を防止する。このため膨出部の対面のような座屈し易い部位についても座屈の発生が防止されるとあり、当該発明の中子は、金属管が予曲げ加工を受けている場合等の成形加工を行う場合に効果が大きいとされている。当該公報による中子は、複数の変形防止エレメントが柔軟な連結部材で連結されて構成されているため、隣り合う変形防止エレメントの間に隙間があり、中空部材の内面の成形状態は、該変形防止エレメントの連結状態を反映した凹凸となる可能性がある。
また、特許文献2(特開2000−317538公報)に開示されている軸押し金具とこれを用いた金属管の加工法は、特許文献1に開示されている中子と同様な機能を発する発明である。すなわち管素材の座屈や折れ込みの発生を防止することのできる発明である。しかし、当該公報による発明によって中空部材の内面形状および肉厚分布を有意なものとすることは、当該押し金具の構成上困難であると予想される。
一方、特許文献3(特開2003−311342公報)に開示されている分岐管の製造方法およびその装置に記載のマンドレルは、該マンドレルを軸方向に移動させることで管素材の厚肉化した部分をしごき成形するものであり、中空部材の内面を成形することができる発明である。そして、その内面を成形することができる結果として、張出し変形量が大きな中空部材を得ることができる成形加工方法を提供している。
上記に説明した背景技術をまとめると、管材の液圧バルジ加工もしくはチューブ・ハイドロフォーミングに関する従来の発明は、その目的を大きく2通りに分けることができる。1つは、成形加工中の管素材の破裂や座屈を防ぐ手段を提供することで、成形品である中空部材が該中空部材に期待されている機能を果たすべく外観を有するように管素材を変形させることである。残る1つは、中空部材の内側を流体の流路として使用する場合などを考慮して、中空部材の内面形状および肉厚分布を有意なものとする成形加工方法を提供することである。2通りの目的は、上述したように、中空部材に求められる機能に由来するものであるが、それぞれの目的を達成することで、張出し量が大きな中空部材を得ることができている。
なお、管素材を張出し変形させて大きな張出し量の中空部材を得ることができる発明として、管材の液圧バルジ加工ではない発明がある。特許文献4(特開平04−71741公報)に開示されている多方異形管継手の製造方法および多方異形管継手では、金属パイプ内に、該パイプを形成する金属材料よりも低融点の軟質金属材料を充填する方法により一定の厚みの肉厚を有する、すなわち、管素材の肉厚が成形によって増減することの少ない中空部材の製造方法を提供している。当該発明は、管素材をその両端部から軸押しすることにより張出し変形させて図9に示す中空部材14のような肉厚分布がほぼ均一な中空部材を成形する方法に関するものであり、結果的に成形中の肉厚増加を抑制することで中空部材の張出部15のように張出部の長さを長くしている。
以下に、上述した管材の液圧バルジ加工もしくはチューブ・ハイドロフォーミングの背景技術を詳細に説明する。
従来の発明や研究の目的が2通り存在する理由は、管材の液圧バルジ加工もしくはチューブ・ハイドロフォーミングにより成形加工される中空部材の用途とその用途に適切な管素材の寸法に由来すると考えることができる。中空部材の用途は大きく2つに分類することができ、1つは軽量構造部材としての用途、残る1つは流体の流路としての用途である。流体の流路として中空部材を用いることは古くから行われてきているが、近年の液圧バルジ加工もしくはチューブ・ハイドロフォーミング技術の向上は、中空部材を軽量構造部材として使用することで製品の差別化を図ることができる分野、例えば自動車のための構造部材の生産分野において盛んに進められている。
上記に例示したような近年の特開公報で開示されている管材の液圧バルジ加工もしくはチューブ・ハイドロフォーミングに関わる発明には、中空部材を軽量構造部材として使用する分野における当該技術の適用に主眼をおいたものが多く含まれると推察される。軽量構造部材に要求される機能は、その部材の大きさに対して該部材の重量が小さく、かつ十分な強度を有することである。その要求機能を満たす中空部材を作製するための管素材は、例えば管素材を円管とすると、高強度を有する金属で作製された外径の大きい薄肉管である。一方、中空部材を流体の流路として使用する場合には、その中空部材への要求機能は流路に流れる流体の種類、流量、温度、圧力などよる。したがって、その要求使用を満たす中空部材を作製するための管素材の寸法と材料の種類は多種多様となる。
薄肉管材を管素材として軽量構造部材を作製する際の液圧バルジ加工もしくはチューブ・ハイドロフォーミングにおいては、管素材から成形加工される中空部材の内面形状および肉厚分布を有意なものとすることよりも、成形加工中の管素材の破裂や座屈を防ぐことが優先される。それは管素材が薄肉であるため、管素材を液体圧と軸押しによって成形加工する際、該管素材に破裂や座屈が生じ易いためである。したがって、軽量構造部材を作製することを念頭においた液圧バルジ加工もしくはチューブ・ハイドロフォーミングに関わる近年の発明は、管素材として薄肉管材を用いる場合についてのみに適用できる限定的なものである可能性がある。
液圧バルジ加工もしくはチューブ・ハイドロフォーミングに関わる今後の発明・研究によって、軽量構造部材を作製する際の薄肉管材の成形加工において生じやすい管材の破裂や座屈の発生の問題が解決されれば、中空部材を流体の流路として使用する際に配慮されている中空部材の内面形状および肉厚分布を有意なものとする成形加工法上の観点が、中空部材を軽量構造部材として使用する場合の成形加工法にも必要になると考えられる。
特開2000−312925公報 特開2000−317538公報 特開2003−311342公報 特開平04−71741公報
本発明の課題は、管材の液圧バルジ加工もしくはチューブ・ハイドロフォーミングにおいて、従来方法よりも少ない軸押し量で管素材を成形加工しても、従来方法以上の張出し量を有する中空部材を得ることができる管材の液圧バルジ加工用中子とこれを用いた中空部材の成形方法を提供することである。
本発明では、中空部材の内側を流体の流路として使用する場合などを考慮して中空部材の内面形状および肉厚分布を有意なものとする成形加工方法を用いて課題を解決する。
すなわち、本発明は、金型の軸方向中間に張出成形部を有する成形型内にセットされた管素材の内面に液体圧を負荷しながら該管素材の端面を軸押しする液圧バルジ加工において該管素材に挿入して用いられる中子であって、少なくとも前記張出成形部に位置する部分を除く管素材の内周面に略密接する外周面を有し、軸押し工程中に管素材が本中子の表面に沿って移動変形するようにしたことを特徴とする。ここで、前記中子は、本体長手方向内部に液体圧を負荷するための流路が形成されるとともに、本体長手方向中間に液体を吐出するための液圧供給口が開口されていることが好ましい。また、前記中子は、本体の軸線に交差する分割面により中間部分で二分割して、管素材の両端からそれぞれの挿抜を可能にすることも可能である。
また、本発明に係る中空部材の成形方法は、金型の軸方向中間に張出成形部を有する成形型内に管素材をセットし、前記管素材内に前記液圧バルジ加工用中子を挿入するとともに前記張出成形部に対向する管素材内面に前記中子の外周面を略密接させ、管素材の内面に液体圧を負荷しながら管素材の端面を軸押しすることを特徴とする。
請求項1の管材の液圧バルジ加工用中子は、管素材の内面に液体圧を負荷しながら該管素材の端面を軸押しする液圧バルジ加工において、当該管素材に挿入して用いる中子であって、管素材が変形している際に該管素材の内面と接触することで該管素材から成形される中空部材の内面を成形することを特徴とするものである。請求項2の液圧バルジ加工用中子は、管素材の内面に液体圧を負荷する際に液体を管素材の外部から導入するための流路を有することを特徴とする請求項1に記載の液圧バルジ加工用中子である。請求項3の液圧バルジ加工用中子は、分割可能であることによって管素材の端部から該管素材内部に出し入れ可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の液圧バルジ加工用中子である。請求項4の成形方法は、請求項1〜3のいずれかに記載の液圧バルジ加工用中子を用いることを特徴とする中空部材の成形方法である。
請求項1の管材の液圧バルジ加工用中子は、管素材の内面と接触するものであり、本発明が解決しようとする課題を最も効果的に解決するためには、管素材を変形させる前の状態において管素材の内面全体が該中子に接触していることが望ましい。しかしながら、中空部材に求められる該中空部材の内面の形状や管素材の寸法のばらつきなどを考えれば、そのような理想的な状態を実現できるとは限らないため、該中子の寸法は管素材の内面の寸法よりも小さくても良い。つまり、管素材を変形させる前の状態において管素材の内面全体が該中子に接触していなくとも良い。ただし、管素材が変形している際には、本発明の中子が管素材の内面と接触する必要がある。
請求項2の液圧バルジ加工用中子は、管素材の内面に液体圧を加える際に液体を管素材の外部から導入するための流路を有するものであるため、該中子には管素材の内側の位置において少なくとも1つの液圧供給口を必要とする。
請求項3の液圧バルジ加工用中子は、分割可能であるため、少なくとも1つの分割面によって2分割されなければならない。
請求項4の成形方法は、本発明による液圧バルジ加工用中子を使用するものである。成形型は従来の液圧バルジ加工もしくはチューブ・ハイドロフォーミングで用いるものと同じである。しかし、本発明による成形方法で用いる軸押しシリンダは、従来法における軸押しシリンダのように液体の流路を有する必然性はない。
本発明の液圧バルジ加工用中子は、液圧バルジ加工中に管素材と接触して該管素材の内面を成形する際、管素材の材料を張出成形部により多く流入させるため、従来の液圧バルジ加工の際の軸押し量よりも少ない軸押し量で張出部の長い中空部材を作製することができる。また、そのことにより、管素材の初期長さを短くしても従来法と同等の張出部長さを有する中空部材を作製することが可能であり、管素材の材料の節約が可能となる。
また、本発明の液圧バルジ加工用中子を用いる成形方法によれば、従来、張出部の長い中空部材を作製するために用いられてきた、環境破壊に関わる可能性の高い鉛などの低融点金属を管素材内部に充填して概管素材を張出し変形させる成形方法を用いることなく、液圧成形で張出部の長い中空部材を作製ことができる。さらに、本発明の中子を用いて作製された中空部材は、該中空部材の内面が成形されているため、該中空部材を流体の流路として使用する場合には、流体の流通効率の高い分岐管として使用することができる。
また、従来の液圧バルジ加工では、管素材の内側全体に液圧媒体である液体を充満させない限り管素材の内面に液体圧を負荷することができないが、本発明の中子を用いれば、管素材内部に占める該中子の体積分の液体を節約することが可能となるため、資源の節約となるにのみならず、液体の充填時間を減らすことが可能となり、生産速度を大きくすることができる。
また、圧力媒体としての液体を本発明の中子と管素材との間の潤滑液体として使用することも可能であり、軸押しに要する力を減らすことができるほか、成形後の中空部材を該中子から取り外す際にも取り外しが容易となる。本発明の液圧バルジ加工用中子には、該中子に超音波振動を与えることやヒーターを埋め込むことなどが可能であり、成形型内部における管素材の材料流れや管素材の変形能を向上させることも可能である。
本発明の液圧バルジ加工用中子を用いる成形方法について、その基本的な成形手順を図1、図2、図4、図5、図6を用いて説明する。この成形方法では、図2に示す管素材10を塑性変形させて、最終的に図4に示す中空部材14のような張出部を有する部材を成形する。まず、管素材10に、図5に示すような本発明の液圧バルジ加工用中子21を挿入する。次に、図4に示す各要素の配置と同様に、液圧バルジ加工用中子21に軸押しシリンダ20をそれぞれ配置する。
なお、この段階では図4の中空部材14は該中空部材の成形前の状態である管素材10である。軸押しシリンダ20の端部は管素材10の端部に接触させる。以上のように配置された管素材10、液圧バルジ加工用中子21、軸押しシリンダ20を図1に示すような成形型1の内部にセットすると図6のようになる。その後、成形型1を図示しない他方の成形型と組み合わせて閉じる。本発明の液圧バルジ加工用中子を用いる成形方法における成形型1の機能と動作および管素材10の成形型1内部における配置については従来の液圧バルジ加工の方法と同じである。
この状態で、管素材10に液体圧と軸押しを負荷する。液体圧は、図示しない液体圧発生装置からの液体を液圧バルジ加工用中子21に設けられた液体流路23を通じて管素材10の内部に導入して負荷する。軸押しは、図示しない軸押し力発生装置で軸押しシリンダ20を管素材10が圧縮される方向に押すことによって管素材10に負荷する。所定の液体圧と軸押しを管素材10に負荷することにより管素材10は中空部材14のような形状に成形される。
本発明による液圧バルジ加工用中子を用いた成形方法で作製された中空部材の肉厚分布は、図9に示す中空部材14のようになる。図9に示す中空部材11は、従来の成形方法の場合の肉厚分布を示している。中空部材11では、軸押しの際の圧縮軸力により素管部13の肉厚が管の内面側の変形拘束が無い状態で自由に増加するため、張出部12の長さを長くすることが困難となっている。中空部材素管部13の厚肉化は、管素材10の両端部からの軸押しによって成形型1の空洞部2に沿って移動した管素材の材料がその厚肉化した部分に留まった結果として生じたのであり、中空部材張出部12の部分には管素材の材料が素管部13に留まった分だけ材料が行き届かなかったことを意味している。一方、中空部材14では、本発明による中子を用いることで、素管部16の肉厚増加が抑制されるため、管素材の材料が従来法の場合よりも多く成形型1の張出成形部3に流入し、張出部15が長くなる。
請求項2の液圧バルジ加工用中子の実施形態としては、図5に示すような液体流路23と1つの液圧供給口5を有する液圧バルジ加工用中子21が基本的であり、該中子21を用いれば管素材の内面に液体圧を負荷するための液体を管素材の外部から管素材の内部に導入することができる。必要に応じて図7に示すような複数の液圧供給口5を有する液圧バルジ加工用中子22を用いれば、圧力媒体としての液体を本発明の中子と管素材との間の潤滑液体として使用することも可能であり、管素材と該中子とが接触した場合の摩擦を減らすことができ、管素材の端部からの軸押しに必要な力が減り、加工に必要なエネルギーを節約することができるほか、成形中に発生する可能性のある管素材と中子との凝着を防止することができ、成形後の中空部材を該中子から取り外す際にも取り外しが容易となる。
管素材と本発明の中子との間の摩擦を減らす方法としては、該中子の表面に適切な表面処理やコーティングを施しても良く、また、超音波振動を与えても良い。また、管素材が円管であり、中子が円柱状である場合には、該中子をその中子の中心軸周りに回転させても良い。本発明の中子には、ヒーターを埋め込むことも可能であり、例えば、管素材がステンレス鋼、アルミニウム合金、マグネシウム合金などのような場合、該管素材を温間成形することが可能となる。
請求項3の液圧バルジ加工中子の実施形態としては、図8に示すような分割がある。図5、図7に示したような中子を用いる場合、成形準備と成形終了の際に管素材の端部のどちらか一方から該中子を出し入れすることとなり、該中子を軸方向に移動する量が大きいが、図8に示すような分割を行えば、管素材の端部の両方から該中子を出し入れすることが可能となり、該中子の軸方向の移動量を減らすことができる。また、中子を分割することにより、本発明の中子は、その形状の自由度を高めることも可能となる。
例えば、図8(b)に示すような液圧バルジ加工用中子25の場合には、もし左右2つの該中子25が一体成形されているとすると、成形準備の際には管素材に挿入することができるが、成形終了の際には中空部材から抜くことができなくなる。これは、管素材から中空部材が成形される際に生じる管素材の肉厚の増加によるものである。その肉厚増加により、例えば、成形終了の際に右側の中子25を左側に移動させて抜こうとすると該中子25が中空部材を変形させることになる。この変形を避けるためには当該中子25を右側に移動させて抜くことになる。
以下に実施例を示すが、以下の実施例における結果は、成形型と軸押しシリンダおよび本発明の中子を剛体とした場合のものである。
管素材10を初期外径8mm(内径6.6mm)、肉厚0.7mm、全長40mmの銅管として、該管素材からT字継手状中空部材を成形する第1の実施例の場合について例示する。成形型は図1に示す成形型1と同様であり、空洞部2および張出成形部3の径は管素材の径と同じである。管素材を変形させるための液体圧を65MPaとし、軸押しは8mmとする。成形後の該管素材の全長は24mmとなる。本発明の中子を円柱状として、図6に示すように管素材の内面が本発明の中子に成形開始前から接触している状態で管素材を成形する場合、管素材は中空部材14のように成形され、その張出部15の長さは約14mmとなる。一方、従来法では、管素材は中空部材11のように成形され、素管部13の肉厚が管素材の肉厚よりも厚くなり、張出部12の長さは約8mmとなる。本発明の液圧バルジ加工用中子を用いることにより、張出部の長さは従来法の約1.7倍となる。
従来法で作製されるT字継手状中空部材11が有する張出部12と同じ張出し長さの張出部15を有するT字継手状中空部材14を本発明の液圧バルジ加工用中子を用いる成形方法で作製する場合、管素材に負荷する液体圧を従来法の場合と同じ値として、管素材への軸押しの量を小さくすることが可能である。また、そのように軸押しの量を小さくできることによって、本発明の液圧バルジ加工用中子を用いる成形方法では、管素材の長さを従来法で用いる管素材の長さよりも短くすることができる。
従来法による成形として、上述した第1の実施例を再び引用すると、T字継手状中空部材11の張出部12の長さを約8mmとするために、全長40mmの管素材に軸押しを8mm負荷して該管素材の全長が24mmになるまで変形させている。該張出部12と同じ長さの張出部15を有するT字継手状中空部材14を本発明の液圧バルジ加工用中子を用いる成形方法で作製する場合、全長32mm(従来法の場合の0.8倍)の管素材に軸押しを4mm(従来法の場合の0.5倍)負荷して該管素材の全長が24mm(従来法の場合と同じ)になるまで軸押しすればよい。本発明の中子を用いる成形法で成形された中空部材は、管素材の材料が従来法の場合よりも少なくて済むため、従来法により成形されたものよりも軽量となる。
前述した第1の実施例において、本発明の中子の径を小さくして、6.3mmとした場合について例示する。管素材10の内径は6.6mmであるので、管素材の内面と本発明の中子とは成形開始前には接触しない。しかし、管素材が変形している際に該管素材の肉厚が増加するため、管素材の成形中に当該管素材の内面と該中子とが接触する。成形された中空部材は、中空部材14のようになるが、その素管部16の肉厚は0.85mmとなり、その張出部15の長さは約11mmとなる。一方、従来法では、管素材は中空部材11のように成形され、その張出部12の長さは約8mmとなる。本発明の液圧バルジ加工用中子を用いることにより、張出部の長さは従来法の約1.3倍となる。
管素材10を初期外径8mm(内径4mm)、肉厚2mm、全長40mmの銅管として、該管素材からT字継手状中空部材を成形する場合について例示する。成形型は図1に示す成形型1と同様であり、空洞部2および張出成形部3の径は管素材の径と同じである。管素材を変形させるための液体圧を230MPaとし、軸押しは8mmとする。成形後の該管素材の全長は24mmとなる。本発明の中子を円柱状として、図6に示すように管素材の内面が本発明の中子に成形開始前から接触している状態で管素材を成形する場合、管素材は中空部材14のように成形され、その素管部16の肉厚、内径、外径は変化しない。
一方、従来法では、管素材は中空部材11のように成形され、その素管部13の肉厚は増加し、その内径は約3mmとなり狭まる。このT字継手状中空部材を流体の流路として使用する場合、従来法で作製した中空部材11の内径は、管素材の内径よりも狭まっており、該中空部材に流すことができる流量が減ることとなるが、本発明の液圧バルジ加工用中子を用いる成形方法で作製した中空部材14は、この問題を避けることができる。
管素材10として、初期外径40mm、肉厚1mmの円管を用いて、本発明の液圧バルジ加工用中子を用いる成形方法を適用した場合の例を記す。本発明の中子を円柱状とし、図6に示すように管素材の内面が本発明の中子に接触している状態で管素材を成形する。液圧バルジ加工用中子として、図5に示される液体流路23を有する液圧バルジ用中子21を用い、該液体流路23の径を4mmとした場合、管素材内側の容積に占める中子21の材料の体積は約99%となる。液圧バルジ加工法において管素材の内側に液体圧を負荷するためには、管素材の内側の空洞を液体で満たさなければならないが、本発明の液圧バルジ加工用中子を用いる場合には、管素材に導入しなければならない液体の量を従来法に比べて大幅に減らすことが可能となる。
本発明は、流体を導く配管用T継ぎ手等の製造以外に、自転車用フレーム継ぎ手(ハンガーラック)等の軽量の構造用の継ぎ手の製造にも利用可能である。
本発明で用いられる二分割の成形型の片方を示した斜視図である。 管素材を示した断面図である。 従来の液圧バルジ加工における中空部材と軸押しシリンダを示した斜視図である。 本発明の実施形態における中空部材と軸押しシリンダと液圧バルジ加工用中子を示した斜視図である。 第1の実施形態における液体流路パターンを示した液圧バルジ加工用中子の断面図である。 第1の実施形態における成形型と管素材と軸押しシリンダと液圧バルジ加工用中子を示した断面図である。 第2の実施形態における液体流路パターンを示した液圧バルジ加工用中子の断面図である。 分割された液圧バルジ加工用中子を示した断面図である。 液圧バルジ加工により成形された2つの中空部材を示した断面図である。
符号の説明
1 成形型
2 空洞部
3 張出成形部
4 軸押しシリンダ
5 液圧供給口
10 管素材
11 中空部材
12 中空部材の張出部
13 中空部材の素管部
14 中空部材
15 中空部材の張出部
16 中空部材の素管部
20 軸押しシリンダ
21 液圧バルジ加工用中子
22 液圧バルジ加工用中子
23 液体流路
24 液圧バルジ加工用中子
25 液圧バルジ加工用中子

Claims (4)

  1. 金型の軸方向中間に張出成形部を有する成形型内にセットされた管素材の内面に液体圧を負荷しながら該管素材の端面を軸押しする液圧バルジ加工において該管素材に挿入して用いられる中子であって、少なくとも前記張出成形部に位置する部分を除く管素材の内周面に略密接する外周面を有し、軸押し工程中に管素材が本中子の表面に沿って移動変形するようにしたことを特徴とする管材の液圧バルジ加工用中子。
  2. 本体長手方向内部に液体圧を負荷するための流路が形成されるとともに、本体長手方向中間に液体を吐出するための液圧供給口が開口されたことを特徴とする請求項1に記載の管材の液圧バルジ加工用中子。
  3. 本体の軸線に交差する分割面により中間部分で二分割されて、管素材の両端からそれぞれの挿抜を可能にした請求項1または2に記載の管材の液圧バルジ加工用中子。
  4. 金型の軸方向中間に張出成形部を有する成形型内に管素材をセットし、前記管素材内に請求項1乃至3のいずれかに記載の液圧バルジ加工用中子を挿入するとともに前記張出成形部に対向する管素材内面に前記中子の外周面を略密接させ、管素材の内面に液体圧を負荷しながら管素材の端面を軸押しすることを特徴とする中空部材の成形方法。
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