しかしながら、従来の部分ライニング工法(管補修方法)は、アウターフィルム114を未硬化層115の外側に重ねた構造になっているので、地中管路110内の地中管路110が屈曲する部分に接触しても未硬化層115を保護することができ、未硬化層115が劣化したり、筒状物117から未硬化層115が剥がれることを防止することができるが、筒状物117に紫外線を照射して未硬化層115の光硬化性樹脂を光硬化させても、補修すべき地中管路110の内周面と未硬化層115の間にアウターフィルム114が存在するために、補修すべき地中管路110の内面と光硬化後の未硬化層115を十分密着させることができず、地中管路110内面の部分的補修が完了した後において、光硬化後の未硬化層115が補修すべき地中管路110の内面から剥がれてしまう可能性があるいう問題があった。また、アウターフィルム114は未硬化層115と密着されていることから、インナーフィルム116のように、アウターフィルム114を筒状物117から簡単に取り外すことができないというものであった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、地中管路内面の部分的補修が完了した後においても、ライニング材が地中管路の補修内面からより完全に離れないようにでき、地中管路内面の補修をより完全に行うことができるライニング装置およびそれを用いた部分ライニング工法を提供することを目的とする。
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様に係るものは、地中管路の内部に挿入され、地中管路内面の部分的補修に使用されるライニング装置であって、縦断面に対し横方向長さが長く形成されたライニング装置本体と、ライニング装置本体の先端部に設けられたライニング装置連結部と、ライニング装置連結部の先端部に着脱自在に設けられたライニング装置先端部と、を有し、ライニング装置本体は、棒状形状で形成され、横長手方向に沿って設けられたセンター部材と、中空円柱形状で、センター部材の外周面が被覆されるフレキ管と、フレキ管の外周面に設けられ、外方向に向けて光を照射する発光部材と、中空円柱形状で光透過性を有し、外周面に発光部材が配されたフレキ管の外周面が被覆される可撓性ホースと、光透過性を有するシリコンを材質とした中空円柱形状で、可撓性ホースの外周面が被覆されるシリコンスリーブと、光透過性を有し、シリコンスリーブの外周面が被覆されるインナーフィルムと、光硬化性材料を材質とし、中空円柱形状でインナーフィルムの外周面上に設けられ、シリコンスリーブが放射状に膨張されることにより地中管路内面に密着するライニング材と、先端部がライニング装置連結部に結合され、先端部からライニング材の外周面が被覆されるようにしてライニング材の後端方向に向かい、ライニング材の外周面の略全面が被覆された位置で外側に折り返されてライニング材の先端方向に向かい、後端部がライニング装置先端部に結合されたアウターフィルムと、を有し、アウターフィルムは、地中管路内に挿入されシリコンスリーブが放射状に膨張される前に、地中管路の先方側のマンホール内からライニング装置先端部が引っ張られることにより、ライニング装置先端部がライニング装置連結部と分離し、ライニング装置先端部とともに先方方向に移動されることにより、ライニング材の外周面からすべてが離れ、ライニング装置先端部とライニング装置連結部と結合されながら地中管路内に保持されることを特徴とするものである。
ライニング材と地中管路の間にアウターフィルムを残した状態で、ライニング材を光硬化させてもライニング材と地中管路の間にアウターフィルムの層が残るために、ライニング材と地中管路とが接着する接着力が弱くなるが、本発明によれば、先端部がライニング装置連結部に結合され、その先端部からライニング材の外周面が被覆されるようにしてライニング材の後端方向に向かい、ライニング材の外周面の略全面が被覆された位置で外側に折り返されてライニング材の先端方向に向かい、後端部がライニング装置先端部に結合されたアウターフィルムが設けられ、そのアウターフィルムが、地中管路内に挿入されシリコンスリーブが放射状に膨張される前に、地中管路の先方側のマンホール内からライニング装置先端部が引っ張られることにより、ライニング装置先端部がライニング装置連結部と分離し、ライニング装置先端部とともに先方方向に移動されることにより、ライニング材の外周面からすべてが離れるので、簡単な作業でアウターフィルムをライニング材の外周面から取り外すことができるとともに、アウターフィルムが地中管路の内面とライニング材との接着の障害にならず、ライニング材を地中管路の補修内面により強く接着させることができる。これにより、地中管路内面の部分的補修が完了した後においても、ライニング材が地中管路の補修内面から離れ難くなり、地中管路内面の補修をより完全に行うことができる。
本発明のうち第2の態様に係るものは、第1の態様に係るライニング装置であって、アウターフィルムの先端部から後端部まで貼付されたガラステープを、さらに有し、ガラステープは、アウターフィルムが折り返された状態で、内面側の対抗する面に貼付されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、アウターフィルムの先端部から後端部までガラステープが貼付されているので、アウターフィルムがライニング装置先端部とともに先方方向に引っ張り出される際においても、引っ張り力に対する十分な強度を保有することができる。
本発明のうち第3の態様に係るものは、第1の態様に係るライニング装置であって、発光部材は、LED部材から構成され、LED部材は、センター部材の先端側からフレキ管の外周面上を螺旋状に後端部に向かって配された前後方向LED部材と、前後方向LED部材の螺旋状の各螺旋状線と隣り合いながら、センター部材の後端側からフレキ管の外周面上を螺旋状に先端部に向かって配された後前方向LED部材と、を有し、前後方向LED部材は、前方側から供給される電流により光照射し、後前方向LED部材は、後方側から供給される電流により光照射することを特徴とするものである。
LED部材は、電源供給側のLED部材は明るく発光され、そして、電圧降下により先端に向かうにつれ発光量が小さくなるが、本発明によれば、前後方向LED部材が前方側から供給される電流により光照射し、後前方向LED部材は後方側から供給される電流により光照射することにより、前後方向LED部材と後前方向LED部材のそれぞれの発光量を補完することができるので、LED部材全体についてほぼ均一な発光量とすることができる。これにより、ライニング材をほぼ均一に光硬化させることができる。
本発明のうち第4の態様に係るものは、第3の態様に係るライニング装置であって、前後方向LED部材は、それぞれ前方側から電流が供給される複数の前後方向並行LED部材が並行して構成され、後前方向LED部材は、それぞれ後方側から電流が供給される複数の後前方向並行LED部材が並行して構成され、前後方向並行LED部材と後前方向並行LED部材とは、それぞれ互い違いに配されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、前後方向LED部材は、それぞれ前方側から電流が供給される複数の前後方向並行LED部材が並行して構成され、後前方向LED部材は、それぞれ後方側から電流が供給される複数の後前方向並行LED部材が並行して構成され、前後方向並行LED部材と後前方向並行LED部材とは、それぞれ互い違いに配されているので、それぞれの前後方向並行LED部材および後前方向並行LED部材の1本の長さを短くすることができる。これにより、前後方向並行LED部材および後前方向並行LED部材単位で電圧降下が小さくなり発光量の低下を小さくすることができるので、LED部材全体についての発光量をより多くすることができ、ライニング材をより確実に短時間で光硬化させることができる。
本発明のうち第5の態様に係るものは、第4の態様に係るライニング装置であって、前後方向並行LED部材と後前方向並行LED部材は、単一の電流線から分岐した分岐電流線によりぞれぞれ略同量の電流が供給されることを特徴とするものである。
本発明によれば、前後方向並行LED部材と後前方向並行LED部材は、単一の電流線から分岐した分岐電流線によりぞれぞれ略同量の電流が供給されるので、電流線から供給される電流によりバラツキをなくすることができる。これにより、LED部材全体についてほぼ均一な発光量とすることができる。
本発明のうち第6の態様に係るものは、第1の態様に係るライニング装置であって、ライニング装置本体は、横長手方向に可撓性を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、ライニング装置本体が横長手方向に可撓性を有しているので、段差や屈曲部を有する地中管路であっても、その段差や屈曲部に沿って、横長手方向に可撓性を有するライニング装置本体を移動させることができるとともに、可撓性を有するフレキ管の外周面上に配されたLED部材により、ライニング材を光硬化させ、地中管路内面を補修することができる。
本発明のうち第7の態様に係るものは、第1の態様に係るライニング装置であって、糸形状で、シリコンスリーブとインナーフィルムの間に配され、先端がライニング装置本体の先端部に結合され、後端がライニング装置本体の後端部に結合された空気抜き糸体を、さらに有し、シリコンスリーブとインナーフィルムの間で発生した空気溜まりは、空気抜き糸体に沿ってシリコンスリーブとインナーフィルムの両端側に集めることができるものである。
可撓性ホースとシリコンスリーブの間に圧縮空気が供給されると、シリコンスリーブはその圧縮空気によりインナーフィルムの径までほぼ均一に放射状に膨張されるが、シリコンスリーブがインナーフィルムの径まで膨張すると、インナーフィルムの外周を被覆するライニング材によりシリコンスリーブの膨張が拘束されるために、シリコンスリーブの両端付近が先行して膨張することになり、ライニング材の両端から地中管路の内面に密着することになる。そして、地中管路の内面との密着がライニング材の両端から中央方向に進むと、中央付近のシリコンスリーブとインナーフィルムの間のわずかな隙間に空気溜まりが発生することになる。このように中央付近のシリコンスリーブとインナーフィルムの間に空気溜まりが発生した状態で、地中管路の折れ部や曲がり部でライニングが行われると、その地中管路の折れ部や曲がり部の管路外側(伸び側)の曲線半径と管路内側(縮み側)の曲線半径の差が生じることにより、インナーフィルムとシリコンスリーブの間の管路内側(縮み側)に空気溜まりが集まり、管路内側(縮み側)のインナーフィルムにしわが発生し、そのインナーフィルムのしわはライニング材が光硬化するとライニング材の仕上がり面のしわとなって残ってしまうが、本発明によれば、シリコンスリーブとインナーフィルムの間に配され、先端がライニング装置本体の先端部に結合され、後端がライニング装置本体の後端部に結合された空気抜き糸体を有しているので、シリコンスリーブとインナーフィルムの間で発生した空気溜まりが空気抜き糸体に沿ってシリコンスリーブとインナーフィルムの両端側に集めることができる。これにより、シリコンスリーブとインナーフィルムを密着させることができ、地中管路内面を補修したライニング材にしわが残ることなく、地中管路内面の補修をより完全に行うことができる。
本発明のうち第8の態様に係るものは、第1の態様に係るライニング装置であって、ライニング材は、インナーフィルム側の内側ライニング材と、アウターフィルム側の外側ライニング材とが積層され構成された2重構造体から形成され、内側ライニング材は、光硬化性樹脂が含侵されたガラス繊維が網目状に編まれた伸縮性を有する中空円柱形状からなる構成で、外側ライニング材は、光硬化性樹脂が含侵されたガラス繊維が内側ライニング材より網目が密に編まれた平面形状からなり、内側ライニング材の外周面に2周以上巻き付けられることにより構成され、外側ライニング材は、シリコンスリーブが放射状に膨張されることにより、内側ライニング材および1周目以降の外側ライニング材の外周面を円周方向にずれるように移動し拡径されるので、ガラス繊維の網目に空隙が発生し難くなり、光硬化後においても、ガラス繊維の網目から水が略浸透しない水密性が有することを特徴とするものである。
地中管路の折れ部や曲がり部でライニングを行うと、管路外側(伸び側)と管路内側(縮み側)の曲線半径の差により管路内側(縮み側)のライニング材の仕上がり面にしわが生じやすくなるが、本発明によれば、伸縮性を有する中空円柱形状の内側ライニング材の外周面に外側ライニング材が2周以上巻き付けられて構成されているので、シリコンスリーブが放射状に膨張された場合には、内側ライニング材がシリコンスリーブに追随した形状で伸び、外側ライニング材がそれに追随して内側ライニング材および1周目以降の外側ライニング材の外周面を円周方向にずれるように移動することになる。これにより、地中管路の折れ部や曲がり部でライニングを行う場合でも、外側ライニング材にしわが生じず伸びるので、ライニング材の仕上がり面にしわが発生することを防止することができる。また、ライニング材が伸縮性ライニング材のみから構成されている場合は、シリコンスリーブが膨張されることにより、伸縮性ライニング材がシリコンスリーブに追随した形状で伸びると、伸縮性ライニング材を構成するガラス繊維の網目状の網目に空隙が発生し、その空隙はライニング材が光硬化するとライニング材の小さな空隙となり、そのライニング材の小さな空隙から漏水する可能性が生じるが、本発明によれば、内側ライニング材の外周面にガラス繊維が内側ライニング材より網目が密に編まれた平面形状から形成された外側ライニング材が2周以上巻き付けられて構成されているので、シリコンスリーブが放射状に膨張された場合、外側ライニング材は内側ライニング材および1周目以降の外側ライニング材の外周面を円周方向にずれるように移動され拡径される。これにより、ガラス繊維の網目に空隙が発生し難くなり、光硬化後においても、外側ライニング材は水密性が有することができるとともに、内側ライニング材の外周面を2周以上巻き付けているので、光硬化後の内側ライニング材に小さな空隙が形成されても、外側ライニング材により漏水することを防止することができる。さらに、ライニング材が伸縮性ライニング材のみから構成されている場合は、シリコンスリーブが膨張されることにより、伸縮性ライニング材がシリコンスリーブに追随した形状で伸びると、地中管路の内面に欠損している箇所があれば、シリコンスリーブの膨張により伸縮性ライニング材が地中管路の内面の欠損部に入り込み、地中管路の内面の欠損部が大きく広がることになるが、本発明によれば、伸縮性を有する内側ライニング材の外周面に、水密性を有するガラス繊維が密に編まれた外側ライニング材が巻き付けられているので、シリコンスリーブが膨張してもシリコンスリーブの外側の外側ライニング材が地中管路の内面の欠損部に入り込むことがなく、地中管路の内面の欠損部が大きく広がることを防止することができる。
本発明のうち第9の態様に係るものは、第1の態様に係るライニング装置であって、先端部がライニング装置先端部に結合され、その先端部からアウターフィルムの外周面が被覆されるようにしてアウターフィルムの折り返し部方向に向かい、後端部がアウターフィルムの折り返し部外側面に結合された保護シートを、さらに有し、保護シートは、地中管路の内部に挿入される際に、アウターフィルムが破損しないように保護することを特徴とするものである。
本発明のうち第10の態様に係るものは、第9の態様に係るライニング装置を用いた部分ライニング工法であって、地上からマンホール内にライニング装置が挿入されるマンホール内挿入工程と、マンホール内挿入工程によりマンホール内に挿入されたライニング装置が地中管路内に挿入されるライニング装置管内挿入工程と、ライニング装置管内挿入工程により地中管路内に挿入されたライニング装置が地中管路の補修位置に到着し、その位置でライニング装置の先方側のマンホール内からライニング装置先端部が引っ張られることにより、ライニング装置先端部がライニング装置連結部と分離し、ライニング装置先端部と結合しているアウターフィルムおよび保護シートが先方方向にライニング装置先端部とともに移動することにより、アウターフィルムがライニング材の外周面から離れ、ライニング装置先端部とライニング装置連結部に結合しているアウターフィルム、および保護シートが地中管路内に保持されるアウターフィルム撤去工程と、可撓性ホースとシリコンスリーブの間に圧縮空気が供給され、圧縮空気によりシリコンスリーブが放射状に膨張されることにより、シリコンスリープの外周側のライニング材が補修すべき地中管路の内面に密着されるシリコンスリーブ拡径工程と、発光部材が発光されることにより、シリコンスリーブ拡径工程により補修すべき地中管路の内面に密着されたライニング材が光硬化されるライニング材光硬化工程と、ライニング材光硬化工程が実行された後に、可撓性ホースとシリコンスリーブの間の圧縮空気が排気され、ライニング装置が地中管路外に引き抜かれるライニング装置管外引抜工程と、ライニング装置管外引抜工程により地中管路外に引き抜かれたライニング装置がマンホールを介し地上に引き上げられるライニング装置引上工程と、を有するものである。
本発明によれば、ライニング装置管内挿入工程により地中管路内に挿入されたライニング装置が地中管路の補修位置に到着し、その位置でライニング装置の先方側のマンホール内からライニング装置先端部が引っ張られることにより、ライニング装置先端部がライニング装置連結部と分離し、ライニング装置先端部と結合しているアウターフィルムおよび保護シートが先方方向にライニング装置先端部とともに移動することにより、アウターフィルムがライニング材の外周面から離れるので、アウターフィルムが地中管路の内面とライニング材との接着の障害にならず、ライニング材を地中管路の補修内面により強く接着させることができる。これにより、地中管路内面の部分的補修が完了した後においても、ライニング材が地中管路の補修内面から離れ難くなり、地中管路内面の補修をより完全に行うことができる。
本発明のライニング装置およびそのライニング装置を用いた部分ライニング工法によれば、地中管路内面の部分的補修が完了した後においても、ライニング材が地中管路の補修内面からより離れ難くすることができ、地中管路内面の補修をより完全に行うことができる。
まず、ライニング装置が用いられる地中管路について説明する。ここで、図1は、本発明の一実施形態におけるライニング装置が用いられるマンホールから地中管路内を示す概略図である。
図1に示すように、地中管路1内には、電力ケーブル(電線)2などが敷設され、10m~400mに亘る地中管路1毎にマンホール3が設けられている。そして、地中管路1内の電力ケーブル(電線)2を点検等する際には、マンホール3に入って行われる。ここで、地中管路1の管路径は、100mm~200mmであり、電力ケーブル(電線)2は、地中管路1にほぼ接しながら挿入されているが、図1では、わかりやすくするように、地中管路1と電力ケーブル(電線)2を離して図示している。
次に、本発明の一実施形態におけるライニング装置について具体的に説明する。ここで、図2は本発明の一実施形態におけるライニング装置の斜視図であり、図3(a)は同ライニング装置の正面図であり、図3(b)は図3(a)のA-A断面を示す図であり、図4は図3(a)のB-B断面を示す図であり、図5(a)は図3(a)のB-B断面の先端拡大図であり、図5(b)は図3(a)のB-B断面の後端拡大図であり、図6は図3(a)のC-C断面を示す図であり、図7は本発明の一実施形態におけるライニング装置の各構成の配置説明図である。
ライニング装置4は、地中管路1の内部に挿入され、地中管路1内面の部分的補修のために用いられる。具体的には、地中管路1が経年劣化や外的損傷等した場合に、その地中管路1の内面部分を部分的に補修するために用いられる。ここで、地中管路1内面の部分補修は、地中管路1内に電力ケーブル(電線)2などが敷設されてない状態で行なわれる。ライニング装置4は、ライニング装置本体5と、ライニング装置連結部6と、ライニング装置先端部7と、ライニング装置後端部8と、を有している(図2参照)。ここで、図2では、見やすくするために、ライニング装置本体5のシリコンスリーブ15より外側の部材を省略して図示している。
ライニング装置本体5は、縦断面に対し横方向長さが長く形成された形状から構成され、センター部材9と、フレキ管10と、LED部材11と、可撓性ホーススペーサー12と、可撓性ホース13と、シリコンスリーブスペーサー14と、シリコンスリーブ15と、インナーフィルム16と、ライニング材17と、アウターフィルム18と、保護シート19と、を有している(図4、図5参照)。
センター部材9は、略棒状形状で形成され、ライニング装置4の横長手方向の中心軸に沿って設けられている(図4、図5参照)。センター部材9は、ステンレスワイヤを材質として製造され、横長手方向に可撓性を有している。
フレキ管10は、中空略円柱状で形成され、センター部材9の外周面が被覆されている(図4、図5、図8参照)。フレキ管10は、ステンレスを材質として製造され、横長手方向に可撓性を有している。なお、本実施形態では、フレキ管10は、ステンレスを材質として製造されたが、これに限らず、ステンレス以外を材質として製造されたものであってもよい。ここで、図8は、本発明の一実施形態におけるライニング装置のフレキ管の斜視図である。
LED部材11は、フレキ管10の外周面に設けられ、外方向に向けて光を照射する部材である(図4、図5参照)。具体的には、LED部材11は、LEDテープから構成され、センター部材9の先端側からフレキ管10の外周面上を螺旋状に後端部に向かって配された前後方向LED部材11aと、その前後方向LED部材11aの螺旋状の各螺旋状線と隣り合いながら、センター部材9の後端側からフレキ管10の外周面上を螺旋状に先端部に向かって配された後前方向LED部材11bとから構成されている(図7、図9(b)参照)。なお、本実施形態では、LED部材11をLEDテープから構成させたが、これに限らず、LEDテープ以外の部材から構成させてもよく、さらに、LED部材11を含む外方向に向けて光を照射する発光部材から構成させるものであってもよい。また、本実施形態では、LED部材11を前後方向LED部材11aと後前方向LED部材11bとから構成させたが、これに限らず、1本のLED部材11から構成されるなどの他の形態から構成させてもよい。ここで、図9(a)は本発明の一実施形態におけるライニング装置の前後方向LED部材と後前方向LED部材を別々に示す図であり、図9(b)は同ライニング装置の前後方向LED部材と後前方向LED部材の組合わせ説明図であり、図9(c)は図9(b)のD-D断面を示す図である。
前後方向LED部材11aは、上述したように、センター部材9の先端側からフレキ管10の外周面上を螺旋状に後端部に向かって配されている。そして、前後方向LED部材11aは、センター部材9の前方側の電流線20からそれぞれ電流が供給される複数の前後方向並行LED部材11xが並行して構成されている(図9(a)参照)。具体的には、センター部材9の前方側の電流線20から分岐した分岐電流線20aによりぞれぞれの前後方向並行LED部材11xに電流が供給される。そして、前後方向LED部材11aは、電流線20から前方側から供給される電流により光照射される。すなわち、センター部材9の前方側の電流線20から分岐した分岐電流線20aは、前後方向並行LED部材11xの前方側に接続され、センター部材9の前方側の電流線20から供給される電流により光照射される。ここで、センター部材9の前方側の電流線20は、電流線221と接続されている。また、「前後方向並行LED部材11xが並行して構成されている」とは、複数の前後方向並行LED部材11xが同方向に並行して巻かれていることを意味する。」のことである。なお、本実施形態では、前後方向LED部材11aを複数の前後方向並行LED部材11xが並行して構成させたが、これに限らず、並行しない1つの前後方向LED部材11aから構成させてもよい。この場合には、センター部材9の前方側の電流線20は、前後方向LED部材11aの前方側と接続され、そして、その電流線20から供給される電流により光照射される。また、本実施形態では、センター部材9の前方側の電流線20から分岐した分岐電流線20aによりぞれぞれの前後方向並行LED部材11xに電流が供給されるとしたが、これに限らず、それぞれの前後方向並行LED部材11xに対応したセンター部材9の前方側の別々の電流線からぞれぞれの前後方向並行LED部材11xに電流が供給されるようにしてもよい。
後前方向LED部材11bは、上述したように、前後方向LED部材11aの螺旋状の各螺旋状線と隣り合いながら、センター部材9の後端側からフレキ管10の外周面側を螺旋状に先端部に向かって配されている。そして、後前方向LED部材11bについても、前後方向LED部材11aと同様、センター部材9の後方側の電流線21からそれぞれ電流が供給される複数の後前方向並行LED部材11yが並行して構成され、前後方向並行LED部材11aと後前方向並行LED部材11bとは、それぞれ互い違いに配されている(図9(a)、図9(b)、図9(c)参照)。具体的には、センター部材9の後方側の電流線21から分岐した分岐電流線21aによりそれぞれの後前方向並行LED部材11yに電流が供給される。そして、後前方向LED部材11bは、電流線21から後方側から供給される電流により光照射される。すなわち、センター部材9の後方側の電流線21から分岐した分岐電流線21aは、後前方向並行LED部材11yの後方側に接続され、センター部材9の後方側の電流線21から供給される電流により光照射される。ここで、センター部材9の後方側の電流線21は、電流線221と接続されている。このように、前後方向並行LED部材11xと後前方向並行LED部材11yが、単一の電流線221から電流線20、21を介して分岐した分岐電流線20a、21aによりぞれぞれ略同量の電流が供給されるので、電流線から供給される電流によりバラツキをなくすることができる。これにより、LED部材11全体についてほぼ均一な発光量とすることができる。また、「後前方向並行LED部材11yが並行して構成されている」とは、上述した前後方向並行LED部材11xと同様、複数の後前方向並行LED部材11yが同方向に並行して巻かれていることを意味する。」のことである。なお、本実施形態では、後前方向LED部材11bを複数の後前方向並行LED部材11yが並行して構成されたが、これに限らず、並行しない1つの後前方向LED部材11bから構成させてもよい。この場合には、センター部材9の後方側の電流線21は、後前方向LED部材11bの後方側と接続され、そして、その電流線21から供給される電流により光照射される。また、本実施形態では、センター部材9の後方側の電流線21から分岐した分岐電流線21aによりぞれぞれの後前方向並行LED部材11yに電流が供給されるとしたが、これに限らず、ぞれぞれの後前方向並行LED部材11yに対応したセンター部材9の後方側の別々の電流線からぞれぞれの後前方向並行LED部材11yに電流が供給されるようにしてもよい。
可撓性ホーススペーサー12は、フレキ管10の外面上に設けられ、フレキ管10の外周面に設けられたLED部材11より高さが高く形成されている(図5、図7参照)。具体的には、可撓性ホーススペーサー12は、C型形状で、C型形状の開口からフレキ管10の外周面に設けられたLED部材11の螺旋状の各螺旋状線に沿って嵌められ、フレキ管10の外周面に設けられたLED部材11より高い形状で構成されている。これにより、フレキ管10の外面のLED部材11と後述する可撓性ホース13が接触しないようにすることができ、フレキ管10と可撓性ホース13の間にスペース(空間)を確保することができる。
可撓性ホース13は、中空略円柱形状で光透過性を有するホース形状で、外周面にLED部材11が配されたフレキ管10の外周面が被覆されるように設けられている(図5、図7、図10参照)。そして、可撓性ホース13の外周面には、螺旋状の凸部13aが形成され、横長手方向に可撓性を有している。そして、フレキ管10と可撓性ホース13の間は、密封空間となっている。このように、LED部材11は、フレキ管10と可撓性ホース13の間の密封空間に配されているので、地中管路1に水が存在していても、また、地中管路1が多湿な環境であっても、絶縁性能の劣化を防止することができる。本実施形態では、可撓性ホース13として、カナフレックスコーポレーション株式会社の「サクション・デリバリー共用のV.S.-A型」が用いられている。ここで、図10は、本発明の一実施形態におけるライニング装置のシリコンスリーブスペーサーが装着された可撓性ホースの斜視図である。
シリコンスリーブスペーサー14は、可撓性ホース13の外周面に形成された凸部13aより高さが高く形成されている(図10参照)。具体的には、シリコンスリーブスペーサー14は、開口を有する円形形状で、円形形状の開口から可撓性ホース13の外周面に形成された凸部13aの螺旋状の各螺旋状線に沿って嵌められ、可撓性ホース13の外周面に形成された凸部13aより高い形状で構成されている(図10参照)。これにより、可撓性ホース13と後述するシリコンスリーブ15が接触しないようにすることができ、可撓性ホース13とシリコンスリーブ15の間にスペース(空間)を確保することができる。
シリコンスリーブ15は、光透過性を有するシリコンを材質とした外径が92mmの中空略円柱形状で、可撓性ホース13の外周面が被覆されるように設けられている(図4、図5参照)。
インナーフィルム16は、硬化前のライニング材17とシリコンスリーブ15が付着するのを防止するために設けられ、径が115mmの中空略円柱形状で光透過性を有し、シリコンスリーブ15の外周面が被覆されるように設けられている(図4、図5参照)。具体的には、インナーフィルム16は、先端部がライニング装置連結部6a(先端部)の外周部に結束バンド22aで固縛されて結合され、その先端部からシリコンスリーブ15の外周面が被覆されるようにして後端方向に向かい、そして、インナーフィルム16の後端部がライニング装置連結部6b(後端部)の外周部に結束バンド22bで固縛され結合されている(図5参照)。このインナーフィルム16としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを用いることができる。そして、インナーフィルム16は、後述するように、ライニング材17が硬化した後に剥離される。なお、本実施形態では、インナーフィルム16を中空略円柱形状で形成させたが、これに限らず、シリコンスリーブ15の外周面が被覆されるものであれば、中空略円柱形状以外の形態であってもよい。
ライニング材17は、地中管路1を部分補修するための部材で、光硬化性樹脂が含侵された光硬化性材料を材質とし、内径がインナーフィルム16とほぼ同径の中空略円柱形状でインナーフィルム16の外周面上に設けられている(図4、図5参照)。具体的には、ライニング材17は、インナーフィルム16側の「光硬化性樹脂が含侵されたガラス繊維クロス」からなる内側ライニング材17aと、アウターフィルム18側の「光硬化性樹脂が含侵されたガラス繊維クロス」からなる外側ライニング材17bとが積層され構成された2重構造体から形成されている(図11参照)。ここで、ライニング材17は、ライニング長さ(長手方向長さ)が1500mmである。そして、内側ライニング材17aは、ガラス繊維が網目状に編まれた伸縮性を有する中空略円柱形状からなる構成で、インナーフィルム16の外周面が被覆されている。そして、外側ライニング材17bは、ガラス繊維が内側ライニング材17aより網目が密に編まれた平面形状からなり、拡径前(送気前)においては内側ライニング材17aの外周面を2.5周巻かれるようにして被覆されている(図11参照)。このように、外側ライニング材17bは、内側ライニング材17aの外周面を2.5周巻かれるようにして被覆させている。そして、シリコンスリーブ15が放射状に膨張し拡径された状態では、外側ライニング材17bは、シリコンスリーブ15の拡径に追随して内側ライニング材17aおよび1周目以降の外側ライニング材17bの外周面を円周方向にずれるように移動し、内側ライニング材17aの外周面を2周巻かれた構成となり、ライニング材17は、シリコンスリーブ15の方向である内側方向に締付力を生じさせながら、インナーフィルム16と密着して接することになる。この外側ライニング材17bとしては、本実施形態では、「極薄・稠密平織マイクロガラスクロス(「フェザーフィールド株式会社」製)」の100g/m2、厚さ0.096mm(略0.1mm)のものが用いられ、内側ライニング材17aとしては、伸縮性を有する「シームレスクロス(「株式会社SHINDO製」)」が用いられている。この外側ライニング材17bは、ガラス繊維が縦横に編み込まれ、内側ライニング材17aより、編み目の隙間が小さく構成されている(図11(a)、図11(b)参照)。ここで、図11(b)の外側ライニング材17bの側面の線と線の間は、ガラス繊維で編まれており、ほとんど編み目に隙間を有していない。そして、ライニング材17は、LED部材11が発光されることにより、光透過性を有する可撓性ホース13、シリコンスリーブ15、インナーフィルム16を介して、光硬化される。また、外側ライニング材17bは、光硬化前においてシリコンスリーブ15が放射状に膨張されることにより、内側ライニング材17aおよび1周目以降の外側ライニング材17bの外周面を円周方向にずれるように移動し拡径されるので、ガラス繊維の網目に空隙が発生し難くなっている。これにより、光硬化後の外側ライニング材17bは、ガラス繊維の網目から水が略浸透しない水密性を有している。なお、本実施形態では、光硬化後において、外側ライニング材17bは内側ライニング材17aの外周面に2周巻き付けられるようにしたが、これに限らず、内側ライニング材17aの外周面に2.5周や3周などの2周以上巻き付けられるようにしてもよい。ここで、図11(a)は本発明の一実施形態におけるライニング装置のライニング材の内側ライニング材を示す図であり、図11(b)は同ライニング装置のライニング材の外側ライニング材を示す図であり、図11(c)は同ライニング装置のライニング材の模式断面を示す図である。ここで、図11(c)は、わかりやすくするように、外側ライニング材17bを内側ライニング材17aの周りを隙間を空けて巻き付けている。
アウターフィルム18は、ライニング材17が地中管路1内面と接触しライニング材17が損傷することを防止するために設けられ、厚さが0.03mm、中空断面形状で、ライニング材17の外周面が被覆されるように設けられている。具体的には、アウターフィルム18は、先端部がライニング装置連結部6の外周部に結束バンド23aで固縛されて結合され、そのアウターフィルム18の先端部からライニング材17の外周面が被覆されるようにしてライニング材17の後端方向に向かい、そして、ライニング材17の外周面の略全面が被覆された位置で外側に折り返されてライニング材17の先端方向に向かい、アウターフィルム18の後端部がライニング装置先端部7の外周部に結束バンド23bで固縛され結合されている(図5参照)。このように、アウターフィルム18は、二重構造形状で、ライニング材17の外側に取り付けられている。
アウターフィルム18の略先端部から略後端部には、幅25mmからなるガラステープ18aが2本(アウターフィルム18の横断面中心に対し対象位置(図12(c)参照))に貼付されている。具体的には、ガラステープ18aは、アウターフィルム18が折り返された状態で、その折り返された内面側の対抗する面に貼付されている(図12参照)。さらに、具体的に説明すると、ガラステープ18aは、アウターフィルム18が展開された状態では、アウターフィルム18の外周面上をアウターフィルム18の略先端部から略後端部まで貼付されている(図12(a)参照)。そして、アウターフィルム18は、上述したように、ライニング装置連結部6に結合されたアウターフィルム18の先端部からライニング材17の外周面が被覆されるようにしてライニング材17の後端方向に向かい、ライニング材17の外周面の略全面が被覆された位置で外側に折り返されてライニング材17の先端方向に向かい、アウターフィルム18の後端部がライニング装置先端部7に固縛されていることから、このアウターフィルム18が折り返された状態では、ガラステープ18aはアウターフィルム18の折り返された内面側の対抗する面に貼付されている(図12(b)参照)。このように、アウターフィルム18の略先端部から略後端部までガラステープ18aが貼付されているので、アウターフィルム18がライニング装置先端部7とともに先方方向に引っ張り出される際においても、引っ張り力に対する十分な強度を保有することができる。このアウターフィルム18としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを用いることができる。なお、本実施形態では、ガラステープ18aを用いたが、これに限らず、先方方向の引っ張り力(例えば、100N以上など)に耐えることができるものであれば、他の材質から構成されるものであってもよい。ここで、図12(a)は本発明の一実施形態におけるライニング装置のガラステープが貼付されたアウターフィルムの展開図であり、図12(b)は同ライニング装置のガラステープが貼付されたアウターフィルムの折り返し途中を示す図であり、図12(c)は図12(b)の右方向側面を示す図である。
保護シート19は、地中管路1内にライニング装置4が挿入される際に、アウターフィルム18が地中管路1内面と接触しアウターフィルム18が破損することを防止するために設けられている。この保護シート19は、ポリエチレンを材質として形成され、先端部がライニング装置先端部7の外周部に結束バンド23xで固縛され結合され、そして、この先端部からアウターフィルム18の外周面が被覆されるようにしてアウターフィルム18の折り返し部方向に向かい、後端部がアウターフィルム18の折り返し部外側面端部から略2cmのところに幅広ビニルテープ19aで貼り付け結合させている。このように、アウターフィルム18の外周面に保護シート19が設けられているので、アウターフィルム18の破損を防止することができ、ライニング材17の劣化を防ぐことができる。なお、本実施形態では、保護シート19の材質をポリエチレンとしたが、これに限らず、ビニール、ポリウレタン、サニーホースなどの地中管路1の内面に密着しにくい材質のものを用いることができる。
ライニング装置本体5には、空気抜き糸体24が設けられている(図5参照)。この空気抜き糸体24は、糸形状で、シリコンスリーブ15とインナーフィルム16の間に配され、先端がライニング装置本体5の先端部に結合され、後端がライニング装置本体5の後端部に結合されている。これにより、シリコンスリーブ15とインナーフィルム16の間に空気溜まりが発生した場合でも、空気溜まりの空気は、空気抜き糸体24に沿って、シリコンスリーブ15とインナーフィルム16の中間部からシリコンスリーブ15とインナーフィルム16の両端側に集まるので、シリコンスリーブ15とインナーフィルム16を密着させることができ、地中管路1内面を補修したライニング材17にしわが残ることなく、地中管路1内面の補修をより完全に行うことができる。
ライニング装置連結部6a(先端部)は、ライニング装置本体5の先端部に設けられている。具体的には、ライニング装置連結部6a(先端部)は、ライニング装置本体5の先端部にライニング装置本体5と一体となって設けられ、外周面に連結外周結束バンド固縛部6xが形成されている(図5参照)。この連結外周結束バンド固縛部6xには、上述したように、インナーフィルム16の先端部が結束バンド22aにより固縛されるとともに、アウターフィルム18の先端部が結束バンド23aにより固縛される。具体的には、後述する。
ライニング装置先端部7は、ライニング装置連結部6の先端部に着脱自在に設けられている。具体的には、ライニング装置先端部7には、外周面に先端外周結束バンド固縛部7xが形成されている(図5参照)。そして、この先端外周結束バンド固縛部7xには、上述したように、アウターフィルム18の後端部が結束バンド23bにより固縛されるとともに、保護シート19の先端部が結束バンド23xにより固縛される。また、ライニング装置先端部7の先端中心部には、先端部ピン挿入孔25が形成されている。そして、この先端部ピン挿入孔25には、アイボルト26aが取り付けられた先端部ピン26が貫通して挿入されている。そして、この先端部ピン26に取り付けられているアイボルト26aは、ライニング装置連結部6aとライニング装置先端部7が分離するときには、ライニング装置先端部7の先端部ピン挿入孔25から抜けて離れることになる。また、ライニング装置先端部7の先端側には、先端アイボルト27がライニング装置先端部7と結合して取り付けられている。そして、アイボルト26a(先端部ピン26)には引き込みワイヤー28が取り付けられ、先端アイボルト27にはアウターフィルム反転ロープ29が取り付けられる(図13参照)。また、先端部ピン26は、センター部材9と連結して構成されている(図5(a)参照)。このように、先端部ピン26がセンター部材9と結合して設けられているので、引き込みワイヤー28の引き込み力が、アイボルト26a→先端部ピン26→センター部材9に伝わり、引き込みワイヤー28の引き込み力をライニング装置4全体に伝達することができ、ライニング装置4を牽引することができる。また、シリコンスリーブ15の内部は、上述したように、「フレキ管10の外周に巻き付けられたLED部材11」→(可撓性ホーススペーサー12)→「可撓性ホース13」→(シリコンスリーブスペーサー14)→「シリコンスリーブ15」の3重構造となっているので、ライニング装置4が引き込みワイヤー28により引っ張られて、地中管路1の段差や屈曲部などを通過する際にはライニング装置4(シリコンスリーブ15)に側圧が生じるが、この場合でも、スペーサー12、14を設けた3重構造によりシリコンスリーブ15に作用した側圧からLED部材11を保護することができる。
ライニング装置連結部6b(後端部)は、ライニング装置本体5の後端部に設けられている。具体的には、ライニング装置連結部6b(後端部)は、ライニング装置連結部6aと同様、ライニング装置本体5の後端部にライニング装置本体5と一体となって設けられ、外周面に連結外周結束バンド固縛部6yが形成されるとともに、後端にはエアー注入口30が形成されている(図5(b)参照)。この連結外周結束バンド固縛部6yには、インナーフィルム16の後端部が結束バンド22bにより固縛される。このライニング装置連結部6bのエアー注入口30には、後述するように、外部からライニング装置エアホース36を介し圧縮空気が供給される(図13参照)。そして、エアー注入口30に供給された圧縮空気は、可撓性ホース13とシリコンスリーブ15の間に供給され、シリコンスリーブ15を放射状に膨張させる。具体的には、後述する。
ライニング装置後端部8は、ライニング装置先端部7と同様の形状で、後端部の後端アイボルト35にバックワイヤー35aが取り付けられる(図13参照)。
次に、地中管路1の内面(内壁)を補修する際のライニング装置4の周辺機器について、図13を用いて説明する。ここで、図13は、本発明の一実施形態におけるライニング装置が用いられている構成概略図である。図13では、わかりやすくするように、ライニング装置4が挿入される地中管路1を拡大して図示している。
ライニング装置後端部8の後方部には、連結ワイヤー31を介し管内カメラ32が取り付けられている。この管内カメラ32は、カメラケーブル33を介し、地上のカメラ車34に接続されている。そして、カメラ車34から管内カメラ32により撮影された地中管路1の内面の映像を確認しながら、地中管路1の内面の補修すべきところを確認することができる。また、ライニング装置後端部8の後端部の後端アイボルト35には、バックワイヤー35aが取り付けられている。そして、このバックワイヤー35aに印を付けることにより、ライニング装置4を地中管路1の補修すべきところの位置に合わせることができる。具体的には、後述する。
ライニング装置連結部6bの後方部は、ライニング装置エアホース36を介し、地上のエアコンプレッサ37に接続されている。そして、エアコンプレッサ37から圧縮空気が供給されると、その圧縮空気はライニング装置連結部6bのエアー注入口30を介して、可撓性ホース13とシリコンスリーブ15の間に供給されることにより、シリコンスリーブ15が放射状に膨張される。
ライニング装置本体5の後方部は、ライニング装置電源ケーブル38を介し、地上の直流電源39に接続されている。また、直流電源39は、電源ケーブル40を介し、発電機41に接続されている。そして、直流電源39は、発電機41によって充電された電力により、LED部材11を発光させることができる。また、地上には牽引ウインチ42が配置され、その牽引ウインチ42により、ライニング装置4を地上に引き上げることができる。
次に、地中管路1内のライニング装置4のアウターフィルム18および保護シート19の撤去方法について、図14を用いて説明する。ここで、図14(a)は本発明の一実施形態におけるライニング装置を地中管路に挿入されている状態を示す図であり、図14(b)は同ライニング装置のアウターフィルムがライニング材の外周面から離れている状態を示す図であり、図14(c)は同ライニング装置のアウターフィルムがライニング装置先端部とライニング装置連結部に結合しながら保護シートとともに地中管路内に保持されている状態を示す図である。
アウターフィルム18および保護シート19の撤去は、ライニング装置4が地中管路1に挿入された後で、シリコンスリーブ15が放射状に拡張される前に行われる。ここで、上述したように、シリコンスリーブ15は、可撓性ホース13とシリコンスリーブ15の間に外部から圧縮空気が供給されることにより、放射状に膨張される。
図14に示すように、ライニング装置4は、地中管路1の内部に挿入される。ライニング装置先端部7の先端のアイボルト26a(先端部ピン26)には、上述したように、引き込みワイヤー28が取り付けられている。また、先端アイボルト27には、上述したように、アウターフィルム反転ロープ29が取り付けられている(図5、図14参照)。そして、ライニング装置4の先方方向のマンホール3a内から引き込みワイヤー28およびアウターフィルム反転ロープ29が先方方向に引かれることにより、ライニング装置4が地中管路1の内部に挿入させることができる(図14(a)参照)。また、ライニング装置4が地中管路1の補修位置に到着した後においては、ライニング装置4の先方方向のマンホール3a内からライニング装置先端部7の先端アイボルト27に取り付けられたアウターフィルム反転ロープ29が引かれることにより、ライニング装置先端部7がライニング装置連結部6と分離し、ライニング装置先端部7がライニング装置連結部6から離れることになる(図14(b)参照)。そして、ライニング装置連結部6と分離されたライニング装置先端部7がアウターフィルム反転ロープ29により更に先方方向に引かれることにより、ライニング装置先端部7とともにアウターフィルム18の後端部が先方方向に移動されるとともに、アウターフィルム18の外側の保護シート19も先方方向に移動される。これにより、アウターフィルム18がライニング材17の外周面から離れることになる。そして、ライニング装置先端部7がアウターフィルム反転ロープ29により更に先方方向に引かれることにより、アウターフィルム18がライニング材17の外周面からすべて離れ、アウターフィルム18がライニング装置先端部7とライニング装置連結部6と結合しながら保護シート19とともに地中管路1内に保持される(図14(c)参照)。
次に、地中管路内面の部分的補修に使用されるライニング装置を用いた部分ライニング工法について説明する。ここで、図15は、本発明の一実施形態におけるライニング装置を用いた部分ライニング工法のフローチャートである。
まず、S1において、ライニング装置位置決め工程が実施される。ライニング装置位置決め工程では、地中管路1の補修位置までの距離が計測され、ライニング装置5が地中管路1内の補修位置に挿入できるように設定される。具体的には、管内カメラ32が地中管路口1a(図13参照)から地中管路1内に挿入され、管内カメラ32が地中管路1内の補修すべき位置に到着したところで、管内カメラ32に取り付けられたバックワイヤー35aの地中管路口1aの位置に印を付ける。これにより、地中管路口1aから地中管路1内の補修すべき位置(管内カメラ32の位置)までの長さを、バックワイヤー35aにマーク(印)することができる。そして、地中管路1の補修を行う際には、管内カメラ32の前方にライニング装置4が取り付けられるので、管内カメラ32とライニング装置4の長さ(1.6m)の分だけバックワイヤー35aの印(マーク)位置を前方に移動させる。これにより、バックワイヤー35aのマーク(印)の位置までライニング装置4を地中管路1内に挿入することにより、ライニング装置4を地中管路1内の補修すべき位置に到着させることができる。そして、S2に進む。
S2において、マンホール内挿入工程が実施される。このマンホール内挿入工程では、ライニング装置4が地上からマンホール3内に挿入される。具体的には、地上に設置された牽引ウインチ42を用いて、ライニング装置4が地上からバックワイヤー35aで吊されながらマンホール3内に挿入され、マンホール3内に設置された作業台(図示略)で、引き込みワイヤー28およびアウターフィルム反転ロープ29の取り付け等のライニング装置4を地中管路1に挿入するための準備が行われる。そして、S3に進む。
S3において、ライニング装置弛み除去工程が実施される。このライニング装置弛み除去工程では、ライニング装置先端部7に取り付けられた引き込みワイヤー28およびアウターフィルム反転ロープ29、ライニング装置後端部8の後端部に取り付けられたバックワイヤー35aを引っ張り、それぞれのワイヤーおよびロープの弛みが取られる。そして、S4に進む。
S4において、ライニング装置管内挿入工程が実施される。このライニング装置管内挿入工程では、マンホール3内に挿入されたライニング装置4が地中管路1内に挿入される。具体的には、ライニング装置先端部7の先端部に取り付けられた引き込みワイヤー28およびアウターフィルム反転ロープ29が地中管路1の先方方向に均一に引っ張られ、ライニング装置4が地中管路1内に挿入される(図14(a)参照)。ここで、ライニング装置4のライニング装置本体5は横長手方向に可撓性を有しているので、段差や屈曲部を有する地中管路1であっても、その段差や屈曲部に沿って、ライニング装置本体5を移動させることができる。このライニング装置4が地中管路1内に挿入される際には、ライニング装置4を包んでいるアルミ筒状フィルム(図示略)が地中管路1に挿入される直前にライニング装置4の先端から剥がされながら、ライニング装置4の先方部から地中管路1内に挿入される。このアルミ筒状フィルム(図示略)は、ライニング材17の光硬化を防止するとともに、ライニング装置4の損傷を防止するためのもので、幅350mm×長さ250cmで、アルミを材質とした袋状形状で形成されている。ここで、アルミ筒状フィルム(図示略)は、ライニング装置4の製作後に、ライニング装置4が入れられ、ライニング装置4が地中管路1に挿入される直前にライニング装置4の先端から剥がされる。そして、S5に進む。
S5において、アウターフィルム撤去工程が実施される。このアウターフィルム撤去工程では、ライニング装置4が地中管路1の補修位置に到着し、その位置でライニング装置4の先方側のマンホール3a(図1参照)内からライニング装置先端部7に取り付けられたアウターフィルム反転ロープ29が引っ張られることにより、ライニング装置先端部7がライニング装置連結部6と分離し、ライニング装置先端部7と結合しているアウターフィルム18および保護シート19が先方方向にライニング装置先端部7とともに移動することにより、アウターフィルム18がライニング材17の外周面から離れ、ライニング装置先端部7とライニング装置連結部6に結合しているアウターフィルム18、および保護シート19が地中管路1内に保持される(図14(b)、図14(c)参照)。具体的には、アウターフィルム18の折り返し点(センター部材9の後方側)の外側に長さ50cmの確認用テープ43が取り付けられている(図14(a)参照)。そして、ライニング装置4が地中管路1の補修位置に到着した後に、その位置でアウターフィルム反転ロープ29が引っ張られ、アウターフィルム18の折り返し点の確認用テープ43が動き出してから、アウターフィルム反転ロープ29が4.0mの長さが引っ張られる。これにより、アウターフィルム18がライニング材17の外周面から離され、そして、そのライニング装置先端部7とライニング装置連結部6に結合しているアウターフィルム18、および保護シート19は地中管路1内に保持される。そして、S6に進む。
S6において、シリコンスリーブ拡径工程が実施される。このシリコンスリーブ拡径工程では、可撓性ホース13とシリコンスリーブ15の間に圧縮空気が供給され、圧縮空気によりシリコンスリーブ15が放射状に膨張されることにより、シリコンスリープ15の外周側のライニング材17が補修すべき地中管路1の内面に密着される(図16(a)参照)。具体的には、地上のエアコンプレッサ37からライニング装置連結部6bの後方部のエアー注入口30を介し可撓性ホース13とシリコンスリーブ15の間に0.21MPaの圧力で圧縮空気が5分間供給され、その圧縮空気によりシリコンスリーブ15が放射状に膨張される(図5、図13、図16(a)参照)。これにより、ライニング材17を補修すべき地中管路1の内面に密着させることができる。また、このライニング材17は、伸縮性を有する中空略円柱形状のインナーフィルム側の内側ライニング材17aと、平面形状のアウターフィルム側の外側ライニング材17bとから構成され、そして、その外側ライニング材17bは、内側ライニング材17aの外周面に巻き付けられた構成であるので、シリコンスリーブ15が放射状に膨張された場合には、内側ライニング材17aがシリコンスリーブ15に追随した形状で伸び、外側ライニング材17bはそれに追随して内側ライニング材17aおよび1周目以降の外側ライニング材17bの外周面を円周方向にずれるように移動することになる(図16(c)、図16(d)参照)。これにより、地中管路1の折れ部や曲がり部でライニングを行う場合でも、外側ライニング材17bにしわが生じさせず伸ばすことができるので、ライニング材17の仕上がり面にしわが発生することを防止することができる。さらに、ライニング材17が、伸縮性を有する内側ライニング材17aの外周面に、ガラス繊維が内側ライニング材17aより網目が密に編まれた外側ライニング材17bが巻き付けられているので、シリコンスリーブ15が膨張してもシリコンスリーブ15の外側の外側ライニング材17bが地中管路1の内面の欠損部に入り込むことがなく、地中管路1の内面の欠損部が大きく広がることも防止することができる。なお、本実施形態では、可撓性ホース13とシリコンスリーブ15の間に圧縮空気を0.21MPaの圧力で5分間供給したが、これに限らず、圧縮空気の圧力および供給時間については適宜変更して使用することができる。ここで、図16(a)は本発明の一実施形態におけるライニング装置のシリコンスリープを放射状に膨張させている状況を示す図であり、図16(b)は同ライニング装置のライニング材を光硬化させている状況を示す図であり、図16(c)は同ライニング装置の拡径前の内側ライニング材と外側ライニング材を示す図であり、図16(d)は同ライニング装置の拡径後の内側ライニング材と外側ライニング材を示す図である。そして、S7に進む。
S7において、ライニング材光硬化工程が実施される。このライニング材光硬化工程では、LED部材11が発光されることにより、シリコンスリーブ拡径工程により補修すべき地中管路1の内面に密着されたライニング材17が光硬化される(図16(b)参照)。具体的には、地上の直流電源39からライニング装置電源ケーブル38を介し10Aの電流が20分間供給されることにより、LED部材11が発光され、その光により補修すべき地中管路1の内面に密着されたライニング材17が光硬化される(図13参照)。また、このLED部材11は、センター部材9の先端側からフレキ管10の外周面上を螺旋状に後端部に向かって配された前後方向LED部材11aと、前後方向LED部材11aの螺旋状の各螺旋状線と隣り合いながら、センター部材9の後端側からフレキ管10の外周面上を螺旋状に先端部に向かって配された後前方向LED部材11bとから構成され、前後方向LED部材11aが前後方向LED部材11aの前方側から供給される電流により光照射され、後前方向LED部材11bは後前方向LED部材11bの後方側から供給される電流により光照射されることにより、前後方向LED部材11aと後前方向LED部材11bのそれぞれの発光量を補完することができるので、LED部材11全体についてほぼ均一な発光量とすることができる。さらに、前後方向LED部材11aはそれぞれ前方側から電流が供給される複数の前後方向並行LED部材11xが並行して構成され、また、後前方向LED部材11bはそれぞれ後方側から電流が供給される複数の後前方向並行LED部材11yが並行して構成され、前後方向並行LED部材11xと後前方向並行LED部材11yとは、それぞれ互い違いに配されているので、それぞれの前後方向並行LED部材11xおよび後前方向並行LED部材11yの1本の長さを短くできる。これにより、前後方向並行LED部材11xおよび後前方向並行LED部材11y単位で電圧降下が小さくなり発光量の低下を小さくすることができるので、LED部材11全体についての発光量をより多くすることができ、ライニング材17をより確実に短時間で光硬化させることができる。なお、本実施形態では、LED部材11を20分発光させたが、これに限らず、略6分でライニング材17が硬化することから、略6分~略20分としてもよい。そして、S8に進む。
S8において、補修仕上がり確認工程が実施される。この補修仕上がり確認工程では、管内カメラ32を前方方向に移動させ、地中管路1の補修箇所の仕上がり状態が確認される(図17参照)。具体的には、可撓性ホース13とシリコンスリーブ15の間の空気が抜かれた後に、アイボルト26a(先端部ピン26)に取り付けられた引き込みワイヤー28が地中管路1の先方方向に引っ張られることにより、ライニング装置4の後方の連結ワイヤー31に取り付けられていた管内カメラ32が前方方向に移動され、地中管路1の補修箇所の仕上がり状態が管内カメラ32により撮影される(図13参照)。そして、管内カメラ32より撮影された地中管路1の補修箇所の仕上がり状態が管内カメラ32から地上のカメラ車34に送信され、地上のカメラ車34において確認される。ここで、ライニング材17の外側ライニング材17bは、内側ライニング材17aの外周面に巻き付けられ、内側ライニング材17aよりガラス繊維の網目が密に編まれ、シリコンスリーブ15が放射状に膨張された場合、外側ライニング材17bが内側ライニング材17aおよび1周目以降の外側ライニング材17bの外周面を円周方向にずれるように移動され拡径されるので、外側ライニング材17bのガラス繊維の網目に空隙が発生し難くなり、光硬化後においても、外側ライニング材17bは水密性を有することができるとともに、外側ライニング材17bが内側ライニング材17aの外周面を2周巻き付けているので、光硬化後の内側ライニング材17aに小さな空隙が形成されても、外側ライニング材17bによりライニング材17から漏水することを防止することができ、地中管路1内面の補修をより完全に行うことができる。ここで、図17は、本発明の一実施形態におけるライニング装置により補修された地中管路の仕上がり状態を確認している状況を示す図である。そして、S9に進む。
S9において、ライニング装置管外引抜工程が実施される。このライニング装置管外引抜工程では、ライニング装置4が地中管路1外に引き抜かれる。具体的には、ライニング装置後端部8の後端部のアイボルト35に取り付けられたバックワイヤー35aが地中管路1の後方方向に引っ張られ、ライニング装置4が地中管路1外に引き抜かれる。そして、S10に進む。
S10において、ライニング装置引上工程が実施される。このライニング装置引上工程では、地上に設置された牽引ウインチ42を用いて、ライニング装置4が地上からバックワイヤー35aで引き上げながらマンホール3外に出され、ライニング装置4が引き上げられる(図13参照)。そして、S11に進む。
S11において、地中管路1内に他の補修箇所がないか判断される。そして、地中管路1内に他の補修箇所がある場合は、S2に進み、地中管路1内に他の補修箇所がないと判断されるまで、S11→S2→S3→・・→S9→S10→S11の処理が繰り返し実施される。ここで、地中管路1の部分補修の最大施工長は、150cm程度であることから、部分補修の施工長が150cm以上であれば、地中管路1内に他の補修箇所と判断される。また、地中管路1内に他の補修箇所がないと判断された場合は、部分ライニング工法が終了する。
以上説明したように、ライニング装置管内挿入工程(S4)により地中管路1内に挿入されたライニング装置4が地中管路1の補修位置に到着し、その位置でライニング装置4の先方側のマンホール3a内からライニング装置先端部7に取り付けられたアウターフィルム反転ロープ29が引っ張られることにより、ライニング装置先端部7をライニング装置連結部6aと分離させ、ライニング装置先端部7と結合しているアウターフィルム18および保護シート19が先方方向にライニング装置先端部7とともに移動することにより、アウターフィルム18がライニング材17の外周面から離れるので、アウターフィルム18が地中管路1の内面とライニング材17との接着の障害にならず、ライニング材17を地中管路1の補修内面により強く接着させることができる。これにより、地中管路1内面の部分的補修が完了した後においても、ライニング材17が地中管路1の補修内面から離れ難くなり、地中管路1内面の補修をより完全に行うことができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。さらに本発明の範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲の記載によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。