JP6403408B2 - 既設管補修器材及びそれを用いた既設管補修方法 - Google Patents

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本発明は、既設管補修器材及びそれを用いた既設管補修方法に関し、特に地中に埋設された既設管の部分補修を行う既設管補修器材及びそれを用いた既設管補修方法に関する。
地中に埋設されたヒューム管や塩ビ管等で構成される下水管は、長年の使用により劣化し、その耐用年数は一般に約50年とされているため、耐用年数を超えた下水管は年々増加している。老朽化した下水管は変形や亀裂等が生じており、下水の流下機能が低下するだけでなく、下水管周囲の地下水や土砂が下水管内に流入することによって地中に空洞が生じることから地面陥没の原因にもなっている。また、地中に埋設される下水管は地震等の地盤変動による影響を受けやすいこともあり、所定の時期に何らかの補修が必要となるのが現状である。
下水管の補修方法には、マンホール間に設置された下水管全体を補修する全体補修(スパン補修)と、特定箇所の亀裂、破損、及び変形等を部分的に補修する部分補修がある。一般に、全体補修は下水管全体が老朽化し破損箇所が多く、強度も低下している場合に採用され、部分補修は下水管自体の強度は一定の水準にあるものの、部分的に亀裂や破損が生じている場合に採用される。
特許文献1は、全体補修について開示しており、所定の厚みを有する管状ライニング材を、マンホール間に亘る既設管全域に容易に設置することのできる既設管更生工法が開示されている。このライニング材の設置による既設管の補修方法は、マンホール間に亘る既設管全域の補修を行うには極めて有効である。一方、特許文献2は、ステンレスリーブと、これに嵌めたゴムスリーブから成る補修用部材を、嵌合機と呼ばれる装置に装着して管路の部分補修を行う技術が開示されている。この嵌合機は補修の必要な箇所へ搬送され、補修用部材を拡径させる動作が行われる。
特許文献3及び非特許文献1には、いわゆるFRP内面補修工法が開示されている。この工法は、例えば、未硬化の樹脂を含浸させたガラス繊維マットをパッカーと称する装置により補修対象部分で拡径させ、その後拡径させた状態で未硬化の樹脂を硬化させる方法である。
特開2013−28172号公報 特開平11−270774号公報 特開2009−137128号公報
FRP内面補修工法協会 ホームページ
しかしながら、上記特許文献2の技術では、上述した様な嵌合機を用いた煩雑な作業が必要であった。特に、既設管に曲り等がある場合には、嵌合機を補修対象部分に移動させることは容易ではなく、作業時間が長時間となっていた。
また、いわゆるFRP内面補修工法では、上記と同様にパッカーを用いた煩雑な作業が必要であった。例えば、パッカーは、半透明のゴム部材等を用いて構成され、硬化作業時の光照射はこの半透明のゴム部材等(厚さは、例えば3から5mm程度)を通して行われるため多くの光が吸収されてしまい硬化作業は長時間を要していた。
本発明はこれら課題を解決すべくなされたものであり、その目的は、簡単で容易に既設管の部分補修を実行することのできる既設管補修器材及びそれを用いた既設管補修方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の既設管補修器材は、補修対象部分を挟んだ両隣のマンホール間に敷設された既設管を部分的に補修するための既設管補修器材であって、記マンホール間の前記既設管の間隔長さと同程度の長さ及び少なくとも前記既設管の内径よりも大きな外径を有し、柔軟性及び非通気性の材料で形成された誘導用筒状体と、前記誘導用筒状体の一方の端部からの該誘導用筒状体の伸長方向の長さが、予め測定された一方の前記マンホール内の前記既設管の端部から前記補修対象部分までの距離である該誘導用筒状体の所定箇所の外周面に周着された未硬化の硬化性材料で管状に形成された補修用管体と、を有することを特徴とする。

この構成により、誘導用筒状体は、柔軟性があるので嵩を小さくして管路内に導入し、補修用管体が周着されている状態でも容易に移動させることが可能である。また、誘導用筒状体の長さはマンホール間の間隔長さと同程度に合わせているので、一方又は他方のマンホール側から補修対象部分までの長さと、誘導用筒状体の一方又は他方の端部から周着された補修用管体までの長さを合わせておくことで、補修用管体は補修対象部分に容易に位置合わせすることができる。したがって、補修用管体は、管路に曲り等があっても素早くピンポイントで補修対象部分に位置合わせすることが可能であり、その後、誘導用筒状体に空気を送り込んで拡径させ、補修用管体を補修対象部分の管路に内周面に押圧させ管路の部分補修を簡単且つ容易に行うことができる。
請求項2に記載の既設管補修器材は、請求項1に記載の既設管補修器材において、前記誘導用筒状体は、樹脂製のフィルム体で形成されたことを特徴とする。したがって、誘導用筒状体は、軽量で強度のあるものとなり、既設管内での移動を容易とする。然も、フィルム体であるので厚さは薄く、後の工程の光を照射して未硬化の樹脂を硬化させる作業において、照射される光の透過率は良好であり照射された光を効率良く使用できるので、硬化作業の時間を短縮することができる。
上記目的を達成するため、請求項3に記載の既設管補修方法は、請求項1又は2に記載の既設管補修器材を用いた既設管補修方法において、前記補修用管体が周着された誘導用筒状体を前記既設管内に導入して、該既設管内を移動させることにより前記補修用管体の前記既設管内における位置を合わせる補修用管体位置合わせ工程と、前記誘導用筒状体を拡径して前記補修用管状の外周面を前記補修対象部分の管路の内周面に押圧させる補修用管体拡径工程と、前記押圧状態の前記補修用管体を硬化させる補修用管体硬化工程と、前記誘導用筒状体を前記補修用管体から分離させ前記既設管から除去する誘導用筒状体除去工程と、を有することを特徴とする。
この方法によれば、補修用管体が周着された誘導用筒状体が既設管内に導入され、補修用管体の補修対象部分への位置合わせが行われる。そして、誘導用筒状体が拡径され、補修用管体の外周面が管路の内周に押圧され、押圧された状態で未硬化の樹脂が硬化される。その後、誘導用筒状体が補修用管体から分離され既設管から除去される。したがって、補修用管体を、補修対象部分に管路の曲り等があっても素早くピンポイントで位置合わせすることが可能であり、その後、補修用管体押圧工程、補修用管体硬化工程、誘導用筒状体除去工程の一連の工程を実施することで、既設管の部分補修を簡単且つ容易に行うことができる。
請求項4に記載の既設管補修方法は、前記誘導用筒状体位置合わせ工程の前に、前記既設管の管内底部に前記補修用管体が周着された誘導用筒状体の前記既設管内での移動時に生じる摩擦力を低減するための摩擦軽減シートを敷く摩擦軽減シート敷設工程を有することを特徴とする。これにより、誘導用筒状体を補修用管体と共に管路内を移動させている状態において、補修用管体と管路内面との間に生じる摩擦力を軽減し、補修用管体の損傷を防止することができる。また、このような摩擦力を低減することによって、補修用管体が管路内部の底面上をスムーズに移動することができるので、誘導用筒状体と補修用管体とを剥離しようとする力を低下させることができ、これらが分離してしまうことを防止することができる。
請求項5に記載の既設管補修方法は、請求項3又は4に記載の既設管補修方法において、前記補修用管体拡径工程は、前記誘導用筒状体内に圧縮空気を注入して行われることを特徴とする。これにより、誘導用筒状体の両端を閉塞して内部に圧縮空気を供給することで、これを容易に拡径することができ、これに周着された補修用管体を補修対象部分の管路の内周に容易に押圧させることができる。
請求項6に記載の既設管補修方法は、請求項3から5の何れか1項に記載の既設管補修方法において、前記誘導用筒状体除去工程は、前記誘導用筒状体を一方のマンホール側から引き動作することにより行われることを特徴とする。これにより、誘導用筒状体は、補修用管体から容易に剥離され、既設管から容易に除去することが可能である。
本発明によれば、大掛かりな装置を使用せずに、誘導用筒状体を用いてこれに周着された補修用管体を、既設管の補修対象部分にピンポイントで素早く位置合わせして、既設管の部分補修を行うことが可能である。したがって、簡単且つ容易に既設管の部分補修が実現でき、作業時間が大幅に短縮される。
本発明の既設管補修器材の概略説明図である。 本発明の既設管補修方法に係り、誘導用筒状体を既設管に導入し、補修用管体の位置合わせを行ったときの、概略平面図である。 本発明の既設管補修方法に係り、誘導用筒状体を既設管に導入し、補修用管体の位置合わせを行ったときの補修対象部分の概略断面図を示す。 本発明の既設管補修方法に係り、補修用管体拡径工程及び補修用管体硬化工程を説明する概略断面図を示す。 本発明の既設管補修方法に係り、誘導用筒状体除去工程を説明する概略断面図を示す。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る既設管補修器材の概略説明図である。誘導用筒状体12の長手方向の外表面に部分的に補修用管体としての管状ライニング材16が周着された構成になっている。ここで、誘導用筒状体12は、例えば、ポリエステル、ポリエーテル、若しくはポリ塩化ビニル等の高分子材料等で構成したフィルム状の薄膜体で筒状に形成され、柔軟性及び非通気性を有する。厚さは、例えば、0.3から0.5mmとすることができる。したがって、誘導用筒状体12は嵩を小さくすることができ、また、誘導用筒状体12内に空気を送り込んだ場合に容易に拡径させることができる。また、誘導用筒状体12は、厚さが薄いことから、後の工程の光を照射して未硬化の樹脂を硬化させる作業において、照射される光の透過率は良好である。したがって、照射された光を効率良く使用できるので、硬化作業の時間を短縮することができる。
筒状長尺誘導部体12の長さは、マンホール間の既設管の間隔長さ(例えば、30から50m)と同程度であり、外径は既設管の内径より大きい。既設管は、例えば、内径が200から600mmである。誘導用筒状体12の長さは、マンホール間の間隔長さと同程度若しくは後述する閉塞のための余長として50から1m足した長さにしているので、一方又は他方のマンホール側から補修対称部分までの長さと、誘導用筒状体12の一方又は他方の端部から周着された管状ライニング材16までの長さを余長の分を考慮して合わせておくことで、管状ライニング材16を補修対象部分に素早く容易に位置合わせすることができる。
誘導用筒状体12の外径は既設管の内径より大きくしているので、周着された管状ライニング材16の外周面は、誘導用筒状体12が拡径されたときに、既設管の内周面に押し当てられることとなる。
管状ライニング材16は、例えば、ガラス繊維やフェルト(不織布)、若しくは両方の組み合わせから成るライニング芯材に未硬化の樹脂を含浸させて形成されている。本実施の形態では、管状ライニング材16は、未硬化の熱硬化型の樹脂を含浸させた外側樹脂層と、未硬化の光硬化型の樹脂を含浸させた内側樹脂層とを有する。この管状ラインニング材16の長さは、例えば、50cmから2m程度である。なお、管状ライニング材16の内周面側と外周面側には、含浸した未硬化の樹脂が漏れ出さないように又は含浸した未硬化の樹脂に塵等が付着しないようにフィルム等(図示していない)が保護膜として接着されている。更に、管状ライニング材16と誘導用筒状体12とは、例えば、両面テープ等を用いて簡易的に周着されており、最終工程の誘導用筒状体除去工程において、比較的容易に誘導用筒状体12が管状ライニング材16から剥離できるように構成されている。
本実施の形態によれば、誘導用筒状体12は、柔軟性があるので嵩を小さくし、管路内に容易に導入し、移動させることが可能である。管状ライニング材16が周着された部分においても、樹脂が未だ硬化していないので、例えばオメガ状に畳むことができ、管路内を容易に移動させることが可能である。また、誘導用筒状体12の長さはマンホール間の間隔長さと同程度に合わせているので、管状ライニング材16は補修対象部分に容易に位置合わせすることができる。したがって、未硬化の硬化性樹脂が含浸された管状ライニング材16は、管路に曲り等があっても素早くピンポイントで補修対象部分に位置合わせすることが可能である。その後、誘導用筒状体12を拡径させ、管状ライニング材16の外周面を既設管の内周に押し当てて硬化させることで簡単且つ容易に既設管の部分補修を行うことが可能である。以下、図1に示した既設管補修器材を用いた既設管補修方法について詳述する。
図2は、本発明の既設管補修方法に係り、誘導用筒状体12を既設管100に導入し、補修用管体である管状ライニング材16の位置合わせを行ったときの既設管の概略平面図であり、図3は、誘導用筒状体12を既設管100に導入し、管状ラインニング材16の位置合わせを行ったときの既設管100の補修対象部分Cの概略断面図を示す。図2のA−A概略断面図である。なお、既設管100は、前述した通り長さが、例えば、30から50m、内径が200から600mmのものを想定している。
これらの前工程として、上述の管状ライニング材16が周着された誘導用筒状体12を、既設管100内にスムーズに導入するために、低摩擦材料で形成された摩擦力軽減シートであるスリップシート17が該管路100に予め敷設される(摩擦軽減シート敷設工程)。なお、この低摩擦材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、及びポリオレフィン系材料等の比較的摩擦係数が低いものが用いられる。スリップシート17を敷く方法としては、例えば、ワイヤ等の紐状体とスリップシート17を結び、地上で紐状体を巻取装置等で巻き取ることで行うことができる。この作業は既存の装置を用いて行うことができる。
スリップシート17を既設管100内の底部に敷設した後に、管状ライニング材16が周着された誘導用筒状体12を管路100内に導入し、管状ライニング材16が補修対象部分に位置合わせられる(補修用管体位置合わせ工程)。具体的には、スリップシート17と同様に誘導用筒状体12にワイヤ等を取り付けて巻取り機42でワイヤ等を捲き取り、管路100内に引き込み動作を行うことにより為される。なお、スリップシート17上に液体の滑剤等を撒いておき、誘導用筒状体12の移動が円滑に行われる様にしても良い。本実施の形態では、誘導用筒状体12の長さは、マンホール110、120間の既設管100の長さより、後述する誘導用筒状体12の閉塞のために少し長め(片端50cm程度、両端で合わせて1m程度)になっている。マンホール110内の既設管100の端部から補修対象部分までの距離Lは予め測定されており、管状ライニング材16は、誘導用筒状体12の端部から距離Lに余長分の50cmだけ足した長さの部分に周着されている。したがって、誘導用筒状体12の端部から50cmの位置をマンホール110における既設管100の端部に合わせることで、管状ライニング材16は、補修対象部分に正しく位置合わせられる。図2において、誘導用筒状体12の端部がちょうどマンホール110における既設管100の端部と位置合わせされている状態を示している。
誘導用筒状体12は、前述のように、嵩張らないように変形することができるので、管状ライニング材16が周着されていても容易に管路100内に導入し移動させることができる。更に、誘導用筒状体12を引き動作する際に、管状ライニング材16も共に引き動作されることとなるが、上述のように、管路100には、スリップシート17が予め敷いてあることから、牽引される際における管状ライニング材16の既設管100との摩擦力が大幅に低減されることとなって、誘導用筒状体12から管状ライニング材16が剥がれてしまうことを防止することができる。
スリップシート17は、補修用管体位置合わせ工程が終了した後に既設管100から取り除かれる。取り除く方法は、種々方法があるが、本実施の形態では、以下の様にして行った。スリップシート17は、管状ライニング材16が位置する部分にミシン目(図示していない)が入れてある。補修用管体位置合わせ工程が終了した後、マンホール110とマンホール120から同時にスリップシート17を引張する。すると、ミシン面が破れ、スリップシート17は2つに分離し、それぞれマンホール110、120から回収することができる。この方法により、位置合わせした管状ライニング材16が位置ずれを起こすことなく、スリップシート17を回収することが可能である。
なお、上記の実施の形態では、既設管100内にスリップシート17を敷いた後に、管状ライニング材16が周着された誘導用筒状体12を導入したが、スリップシート17と誘導用筒状体12は同時に既設管100に導入しても良い。すなわち、一方のマンホール110又は120から、スリップシート17と管状ライニング材16が周着された誘導用筒状体12を、端部を合わせて重ね、スリップシート17と誘導用筒状体12を共に同時にマンホール110又は120において引っ張り既設管100に導入しても良い。更に、図2では、誘導用筒状体12に1つの管状ラインニング材16が周着されているが、2つ又はそれ以上であっても良い。これらの管状ラインイング材16は、誘導用筒状体12により補修対象部分にそれぞれ適切に位置決めされる。なお、1つの管状ラインイング材16は、例えば、長さが50cmから2m、厚さは4から15mmを想定しているが、これは補修する既設管100の内径等により適宜設計される。
図3に示す様に、筒状長尺誘導部12の導入と管状ライニング材16の位置合わせが終了したとき、管状ライニング材16は、オメガ状に折り畳まれている。ここで、前述した管状ラインイング材16の内周面側と外周面側に接着された保護としてフィルム等は図示してない。また、誘導用筒状体12と管状ライニング材16は、図3では密着して示されているが、密着していなくても良い。誘導用筒状体12は、図2に示す様にマンホール間の管路100全体に亘り萎んだ状態で延在している。
図4は、本発明の既設管補修方法に係り、補修用管体拡径工程及び補修用管体硬化工程を説明する概略断面図を示す。まず、誘導用筒状体12を拡径させる前に、マンホール120、若しくはマンホール110からUVランプ装置40を誘導用筒状体12の内部に設置する。このUVランプ装置40は、後述する補修用管体硬化工程で使用するものであり、この段階で導入される。ここで、UVランプ装置40は略円筒形状の本体部の筒状表面に複数のUV光源(LED光源)が配置された形態をとる公知の装置である。この本体部の内部には、電源や発光制御部等のUV光の発光に係る図示しない種々の装置が内蔵されている。
次に、誘導用筒状体12に圧縮空気を注入して拡径させるために、誘導用筒状体12の両端を閉塞する。具体的には、閉塞するために閉塞用部材52が用いられる。閉塞用部材52は、略円筒形状であり、直径が既設管100の内径よりも小さく、端部46に開口穴44が設けられている。開口穴44が設けられた端部46と反対側の端部は、開口しており、閉塞用部材52の伸長方向の略中央部の2箇所には、所定の高さで径方向に突出した突起部48が周方向全周にわたり形成されている。
閉塞用部材52の開口穴44が設けられた端部46を既設管100の外側にして、誘導用筒状体12が被せられる。この時、繊維質等で構成されたジャケット50が共に被せられる。ジャケット50は、拡げた状態で2段階の直径を有し、それぞれの直径は、閉塞用部材50の外径と既設管100の内径とに合わせられている。ジャケット50は、誘導用筒状体12が拡径された時に、既設管100と閉塞用部材52との間が膨れて破裂しないようにするためのものである。閉塞用部材52への誘導用筒状体12とジャケット50の取り付けは、図示した様に、それぞれの端部を揃え2つの突起部48の間で束ね、紐状体等で縛り上げることで誘導用筒状体12の閉塞が為される。
閉塞用部材52の端部46には複数の開口穴44が設けられている。1つは、誘導用筒状体12を拡径するために導入する圧縮空気を外部に逃がすためのものであり、他は、例えば、UVランプ装置40を牽引するためのワイヤ39、及びUVランプ装置40の電源コードが付属しているワイヤ39aを通すためのものである。ワイヤ39、39aはプーリ34等を介して地上から引張可能に構成されている。
誘導用筒状体12を拡径するための閉塞用部材52及び誘導用筒状体12を保護するためのジャケット50の取り付けは、誘導用筒状体12の両端においてそれぞれ為される。ただし、本実施の形態では、マンホール120側では、閉塞用部材52の端部46の開口穴44の1つには、誘導用筒状体12内部と外部とを連通する連通管33が取り付けられる。
更に、マンホール120側で、誘導用筒状体12内部と外部とを連通する連通管33にはエアーコンプレッサ38が接続されている。このエアーコンプレッサ38から圧縮空気が誘導用筒状体12内に注入される。
注入された圧縮空気は、誘導用筒状体12を膨らませて行き、誘導用筒状体12の外径が既設管100の内径より大きくしているので、拡径に伴い誘導用筒状体12は管路100の内周面に押し当てられる。周着された管状ライニング材16は、図3に示した様な断面オメガ状の形状から円筒形状に膨張変形して行き、最終的には管状ライニング材16の外周面が補修対象部分Cの管路100の内周に押し当てられた状態となる(補修用管体拡径工程)。なお、圧縮空気は、以下の補修用管体硬化工程が終了するまで誘導用筒状体12に続けて流される。したがって、マンホール110側では、閉塞用部材52に設けられた開口穴44からは、既設管100内が略一定の圧力に維持されながら注入した空気の一部が漏出し続けることとなる。本実施の形態では、誘導用筒状体12の内部の圧力は、例えば、0.03から0.12Mpa程度になっている。好ましくは、0.05から0.08Mpaである。
次に、管状ライニング材16が管路100の内周に押し当てられた状態で、UVランプ装置40により補修用管体硬化工程が実施される。UVランプ装置40は、両端に取り付けられたワイヤ39により管状ライニング材16の何れか一方の端部付近に移動させられる。管状ライニング材16の端部付近に到着した後に、UVランプを発光させ管状ライニング材16の開口端部から他方の開口端部にまで移動させながら、紫外線により徐々に管状ライニング材16に含浸された光硬化型樹脂を硬化させることができる(補修用管体硬化工程)。図4では、UVランプ装置40の移動方向を矢印200で示している。なお、上述のように、誘導用筒状体12は、圧縮空気が供給された状態で拡径していることから、UVランプ装置40は誘導用筒状体12の内部を自由に移動することができる。
UVランプ装置40から発せられる紫外線は波長380nm〜420nm程度の光であり、場合により一部可視光線が含まれるものである。この紫外線の照射により管状ライニング材16に含浸させた未硬化の光硬化型の樹脂が硬化され、光硬化型の樹脂の硬化の際に発する熱により管状ライニング材16に含浸された未硬化の熱硬化型樹脂が硬化される。このようにして、既設管100の部分補修が行われる。なお、誘導用筒状体12は、前述のようにフィルム状の薄膜体であるので、前述した様に光の吸収等の問題はなく、UVランプ装置40から放射された光は効率良く硬化作業に用いられることとなる。
図5は、誘導用筒状体除去工程の概略説明図である。まず、管状ライニング材16に含浸された未硬化の樹脂が硬化した後に、誘導用筒状体12が拡径された状態のまま、UVランプ装置40がマンホール110又はマンホール120までワイヤ39により移動させられる。
次に、閉塞用部材52、ジャケット50を取り除いて圧縮空気を排出し、同時にUVランプ装置40を取り除く。ここで、誘導用筒状体12内部には空気が圧縮されて供給された状態であるから、基本的には連通管33を開放状態とするだけで空気が排出されるが、誘導用筒状体12内の空気を完全に排出するために吸引ポンプ等を用いて排出を行うようにしても良い。誘導用筒状体12内部の空気が抜かれることにより、管状ライニング材16が周着されていない部分は収縮して潰れた状態となる。
そして、上述した状態になった誘導用筒状体12を、既設管100から除去する。具体的に、地上に設置した巻取装置36を用いて誘導用筒状体12を引き出すことができる。巻取装置36はワイヤ39を捲き取るように構成されており、このワイヤ39に誘導用筒状体12の端部が取り付けられている。巻取装置36によりワイヤ39を巻き取ることで、誘導用筒状体12は、管状ライニング材16と誘導用筒状体12との間の簡易的な接着が解除され、地上に引き出されて行くこととなる。すなわち、使用後の誘導用筒状体12を管路100から容易に除去することができる。
本実施の形態によれば、既設管100の補修対象部分Cに対応する位置に管状ライニング材16が周着された誘導用筒状長体12を既設管100内に導入して、管状ラインニング材16をピンポイントで補修対象部分Cに位置合わせ(補修用管体位置合わせ工程)、導入された誘導用筒状体12に圧縮空気を注入して管状ライニング材16の外周面を管路100の内周に押圧させ(補修用管体拡径工程)、管状ライニング材に含浸させた未硬化の硬化性樹脂を硬化させ(補修用管体硬化工程)、誘導用筒状体12を管路100内から除去(誘導用筒状体除去工程)される。このような一連の工程を実行することにより、管路100の補修対象部分Cの部分補修を簡単且つ容易に実行することができる。
特に、誘導用筒状体12は、長さがマンホール間の既設管100の長さと同程度の長さであり、外径は既設管100の内径より大きく、柔軟性及び非通気性を有することから、上述の補修用管体位置合わせ工程、補修用管体拡径工程、誘導用筒状体除去工程の各作業を容易に行うことができ、既設管路の部分補修が大掛かりな装置を使用せずに簡単、容易に行われる。
誘導用筒状体12の長さは、本実施の形態ではマンホール間の既設管100の長さと同程度の長さとしたが、マンホール間の既設管100の長さよりも短い場合であっても、マンホール内で閉塞用部材52、ジャケット50を取り付ける作業が可能であれば問題なく本願発明の補修方法を適用することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、UVランプ装置40は、UVランプが数珠つなぎにされたライトトレイン型としても良い。更に、水銀ランプやメタルハライドランプ等を使用しても良い。また、管状ライニング材16は、未硬化の熱硬化型の樹脂を含浸させた外側樹脂層と未硬化の光硬化型の樹脂を含浸させた内側樹脂層との2層構造のものを例示したがこの構成に拘らない。更に、実施の形態では、補修用管体としての管状ライニング材16は1つの場合、すなわち補修対象部分が1箇所の場合を示したが、2以上であっても良い。
10 既設管補修器材
12 誘導用筒状体
16 管状ライニング材(管状の補修用管体)
17 スリップシート
33 連通管
36 巻取装置(牽引手段)
38 エアーコンプレッサ
39 ワイヤ
40 UVランプ装置
42 巻取り機
50 ジャケット
52 閉塞用部材
100 既設管
110、120 マンホール
C 亀裂等(補修対象部分)

Claims (6)

  1. 補修対象部分を挟んだ両隣のマンホール間に敷設された既設管を部分的に補修するための既設管補修器材であって、
    記マンホール間の前記既設管の間隔長さと同程度の長さ及び少なくとも前記既設管の内径よりも大きな外径を有し、柔軟性及び非通気性の材料で形成された誘導用筒状体と、
    前記誘導用筒状体の一方の端部からの該誘導用筒状体の伸長方向の長さが、予め測定された一方の前記マンホール内の前記既設管の端部から前記補修対象部分までの距離である該誘導用筒状体の所定箇所の外周面に周着された未硬化の硬化性材料で管状に形成された補修用管体と、
    を有することを特徴とする既設管補修器材。
  2. 前記誘導用筒状体は、樹脂製のフィルム体で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の既設管補修器材。
  3. 請求項1又は2に記載の既設管補修器材を用いた既設管補修方法において、
    前記補修用管体が周着された誘導用筒状体を前記既設管内に導入して、該既設管内を移動させることにより前記補修用管体の前記既設管内における位置を合わせる補修用管体位置合わせ工程と、
    前記誘導用筒状体を拡径して前記補修用管状の外周面を前記補修対象部分の管路の内周面に押圧させる補修用管体拡径工程と、
    前記押圧状態の前記補修用管体を硬化させる補修用管体硬化工程と、
    前記誘導用筒状体を前記補修用管体から分離させ前記既設管から除去する誘導用筒状体除去工程と、
    を有することを特徴とする既設管補修方法。
  4. 前記誘導用筒状体位置合わせ工程の前に、前記既設管の管内底部に前記補修用管体が周着された誘導用筒状体の前記既設管内での移動時に生じる摩擦力を低減するための摩擦軽減シートを敷く摩擦軽減シート敷設工程を有することを特徴とする請求項3に記載の既設管補修方法。
  5. 前記補修用管体拡径工程は、
    前記誘導用筒状体内に圧縮空気を注入して行われることを特徴とする請求項3又は4に記載の既設管補修方法。
  6. 前記誘導用筒状体除去工程は、
    前記誘導用筒状体を一方のマンホール側から引き動作することにより行われることを特徴とする請求項3から5の何れか1項に記載の既設管補修方法。
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