JP7420175B2 - 画像読取装置 - Google Patents

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Description

本発明は、搬送部によって搬送されている原稿の画像を読み取る読取部を備える画像読取装置に関する。
特許文献1には、セット部にセットされた原稿を所定の読み取り位置まで搬送し、同読み取り位置まで搬送された原稿の画像を読取部によって読み取る画像読取装置の一例が記載されている。
ところで、カラー原稿を搬送する際には、モノクロ原稿を搬送する際よりも紙ジャムなどの搬送不良が発生しやすい。そこで、特許文献1に記載の画像読取装置では、カラー原稿の画像の読み取り時には、モノクロ原稿の画像の読み取り時よりも原稿を低速で搬送するようにしている。具体的には、画像読取装置の制御装置では、ユーザー操作に基づいた情報が入力されると、カラー原稿の画像の読み取りか、モノクロ原稿の画像の読み取りかが判断される。そして、モノクロ原稿の画像の読み取り時には通常の搬送モードが選択され、カラー原稿の画像の読み取り時には、上記通常の搬送モードよりも低速搬送用の搬送モードが選択される。このようにして選択された搬送モードで搬送部を作動させるようになっている。
特開2003-128298号公報
ところで、画像読取装置にあっては、厚みの異なる様々な原稿の画像を読み取ることがある。厚みが薄い原稿を搬送する際には、厚みが厚い原稿を搬送する際よりも紙ジャムなどの搬送不良が発生しやすい。そこで、厚みが薄い原稿の画像の読み取り時には、厚みが厚い原稿の画像の読み取り時よりも原稿を低速で搬送することが望ましい。
しかしながら、搬送部によって搬送されている原稿の画像を読取部に読み取らせる画像読取装置では、一般的に、原稿の搬送速度と、取得される画像の解像度とに相関がある。具体的には、原稿の搬送速度が小さい場合ほど、解像度の高い画像のデータである画像データが生成される。そのため、原稿の厚みに応じて原稿の搬送速度を変更する場合、生成される画像データは、ユーザーの所望する解像度の画像のデータとは限らない。
本発明の目的は、原稿の搬送速度が可変される場合であっても、ユーザーの所望する解像度の画像のデータを生成することができる画像読取装置を提供することにある。
上記目的を達成するための画像読取装置は、原稿を搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送される原稿の画像を読み取る読取部と、前記読取部で読み取った画像のデータである画像データを生成する制御部と、を備えた画像読取装置において、前記読取部は、前記搬送部によって原稿が搬送されている場合、所定のタイミング毎に当該原稿の画像を読み取るようになっており、特定の設定情報が前記制御部に入力されていない場合に原稿から画像を読み取る動作を、第1の読取モードとし、前記特定の設定情報が前記制御部に入力されている場合に原稿から画像を読み取る動作を、第2の読取モードとした場合、前記制御部は、前記第1の読取モードでは、要求されている解像度に対応した速度で前記搬送部によって搬送される原稿から画像を前記読取部に読み取らせ、同読取部によって読み取られた画像の画像データを生成し、前記第2の読取モードでは、前記第1の読取モードの場合よりも低速で前記搬送部によって搬送される原稿から画像を前記読取部に読み取らせつつも、前記タイミングを前記第1の読取モードの場合よりも遅らせることにより、前記第1の読取モードの場合と等しい解像度の画像の画像データを生成するようになっており、前記制御部は、前記第2の読取モードを選択している状況下で、次のジョブに基づいた画像の読み取りを開始するときに、実施する読取モードを前記第2の読取モードから前記第1の読取モードに切り替える。
上記構成によれば、上記特定の設定情報が制御部に入力されていない状況下で画像の読み取りが指示されると、第1の読取モードが実施される。すなわち、原稿の厚みが薄くないとユーザーが認識している場合、上記特定の設定情報が制御部に入力されるようなユーザー操作が行われることなく、画像の読み取りがユーザーによって画像読取装置に指示される。この際、生成される画像データに基づいた画像の解像度は、読み取りの指示をユーザーが入力するときに、同ユーザーによって選択することができる。そのため、ユーザーが要求している解像度と相関する搬送速度で原稿が搬送され、ユーザーが要求している解像度の画像のデータが生成される。したがって、ユーザーの所望する解像度の画像のデータをユーザーに提供することができる。
その一方で、上記特定の設定情報が制御部に入力されている状況下で画像の読み取りが指示されると、第2の読取モードが実施される。すなわち、原稿の厚みが薄いとユーザーが認識している場合、上記特定の設定情報が制御部に入力されるようなユーザー操作が行われた上で、画像の読み取りがユーザーによって画像読取装置に指示される。この際、第1の読取モードの場合よりも原稿が低速で搬送されるようになるものの、第1の読取モードの場合と等しい解像度の画像の画像データが生成される。すなわち、紙ジャムなどの搬送不良を抑えつつ、原稿の搬送速度に依存しない画像データを、ユーザーに提供することができる。したがって、原稿の搬送速度が可変される場合であっても、ユーザーの所望する解像度の画像のデータを生成することができるようになる。
上記画像読取装置において、前記制御部は、複数の原稿の画像を連続して読み取るに際し、前記各原稿のうち一の原稿を前記搬送部が搬送している最中に前記特定の設定情報が入力された場合、当該一の原稿の次の原稿の画像の読み取りの開始時に、実施する読取モードを前記第1の読取モードから前記第2の読取モードに切り替えることが好ましい。
上記構成によれば、複数の原稿の画像を連続して読み取るに際し、各原稿のうち一の原稿が搬送されている最中に上記特定の設定情報が制御部に入力された場合、一の原稿の画像の読み取りが完了するまでは、第1の読取モードが継続される。すなわち、一の原稿の搬送途中では、読取モードが変更されず、同原稿の搬送速度が変更されることはない。そのため、画像の読取途中での読取モードの切り替わりに起因する制御負荷の増大を抑制することができる。
その後、次の原稿の画像の読み取りを行うときには、第1の読取モードではなく、第2の読取モードが実施される。すなわち、一の原稿以降の原稿の画像の読み取り時には、低速で原稿が搬送されるようになる。しかも、第2の読取モードであるため、低速で原稿が搬送されても、第1の読取モードの場合と等しい解像度の画像のデータである画像データが生成される。したがって、上記一の原稿以降の原稿の画像の読み取り時にあっては、原稿を低速で搬送することによって同原稿の搬送不良の発生を抑えつつも、搬送速度に依存しない画像データをユーザーに提供することが可能となる。
また、上記目的を達成するための画像読取装置は、原稿を搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送される原稿の画像を読み取る読取部と、前記読取部で読み取った画像のデータである画像データを生成する制御部と、を備えた画像読取装置において、前記搬送部によって搬送されている原稿の厚みが薄くない場合に同原稿から画像を読み取る動作を、第1の読取モードとし、前記搬送部によって搬送されている原稿の厚みが薄い場合に同原稿から画像を読み取る動作を、第2の読取モードとした場合、前記制御部は、前記第1の読取モードでは、要求されている解像度に対応した速度で前記搬送部によって搬送される原稿から画像を前記読取部に読み取らせ、同読取部によって読み取られた画像の画像データを生成し、前記第2の読取モードでは、前記第1の読取モードの場合よりも低速で前記搬送部によって搬送される原稿から画像を前記読取部に読み取らせつつも、前記第1の読取モードの場合と等しい解像度の画像の画像データを生成する。なお、「原稿の厚みが薄くない場合」とは、原稿の厚みが規定の厚みよりも薄くない場合のことであり、「原稿の厚みが薄い場合」とは、原稿の厚みが規定の厚みよりも薄い場合のことである。
上記構成によれば、搬送部によって搬送されている原稿の厚みが薄くないときには、第1の読取モードが実施される。なお、原稿の画像の読み取りをユーザーが画像読取装置に指示するに際し、生成される画像データに基づいた画像の解像度はユーザーによって選択することができる。そのため、ユーザーの所望する解像度の画像のデータをユーザーに提供することができる。
その一方で、搬送部によって搬送されている原稿の厚みが薄いときには、第2の読取モードが実施される。この場合、第1の読取モードの場合よりも原稿が低速で搬送されるようになるものの、第1の読取モードの場合と等しい解像度の画像のデータが生成される。すなわち、紙ジャムなどの搬送不良を抑えつつ、原稿の搬送速度に依存しない画像データを、ユーザーに提供することができる。したがって、原稿の搬送速度が可変される場合であっても、ユーザーの所望する解像度の画像のデータを生成することができるようになる。
上記画像読取装置は、前記搬送部によって搬送されている原稿に対して音波を出力し、同音波の減衰率を検出する音波センサーを備え、前記制御部は、前記搬送部によって原稿が搬送されている状況下で前記音波センサーによって検出される音波の減衰率が判定減衰率未満であるときには、前記搬送部によって搬送されている原稿の厚みが薄いと判定し、前記第2の読取モードを実施することが好ましい。
原稿の厚みが薄いほど、音波センサーによって検出される音波の減衰率が小さくなりやすい。そこで、上記構成では、音波センサーによって検出される音波の減衰率が判定減衰率未満であるときには、搬送している原稿の厚みが薄いと判断することができるため、第2の読取モードを実施するようにしている。このように音波センサーによる検出結果を用いることにより、第2の読取モードを自動的に選択して実施することができる。
上記画像読取装置において、前記音波センサーは、複数の原稿が重なった状態で搬送されているか否かを検出するセンサーであり、複数の原稿が重なった状態で搬送されているか否かを判定するための閾値として、前記判定減衰率よりも大きい重送検出減衰率を設け、前記制御部は、前記搬送部によって原稿が搬送されている状況下で前記音波センサーによって検出される音波の減衰率が前記判定減衰率以上であって且つ前記重送検出減衰率未満であるときには、前記第1の読取モードを実施し、前記搬送部によって原稿が搬送されている状況下で前記音波センサーによって検出される音波の減衰率が前記重送検出減衰率以上であるときには、前記搬送部による原稿の搬送及び前記読取部による画像の読み取りを中止させることが好ましい。
複数の原稿が重なった状態で搬送される場合、1つの原稿のみを搬送している場合よりも音波センサーによって検出される音波の減衰率が大きくなりやすい。そして、厚みが薄い原稿が2つ重なっている場合における音波の減衰率は、厚みが薄くない原稿を1つ搬送している場合における音波の減衰率よりも大きくなる。そこで、上記構成によれば、複数の原稿が重なった状態で搬送されているか否かを判定するための閾値である重送検出減衰率を、判定減衰率よりも大きい値に決定した。そして、この重送検出減衰率を用いることにより、厚みが薄くない1つの原稿を搬送しているか、又は、複数の原稿が重なった状態で搬送されているかを判別することができる。そして、こうした判別結果を採用することにより、状況に応じて適切に画像読取装置を駆動させることが可能となる。
上記画像読取装置において、前記搬送部は、前記読取部よりも原稿の搬送方向上流側に位置する搬送ローラー対と、前記搬送ローラー対よりも原稿の搬送方向上流側に配置され、原稿を前記搬送ローラー対に向けて送り出す送り出しローラーと、を有しており、前記音波センサーは、前記原稿の搬送方向における前記送り出しローラーと前記搬送ローラー対との間に配置されていることが好ましい。
上記構成によれば、読取部よりも搬送方向上流側で、搬送されている原稿の厚みが薄いか否かを判断することが可能となる。
上記画像読取装置において、前記制御部は、前記第2の読取モードを選択している状況下で所定の終了条件が成立したときに、実施する読取モードを前記第2の読取モードから前記第1の読取モードに切り替えることが好ましい。
上記構成によれば、第2の読取モードの実施が不要となった場合には、モードを第2の読取モードから第1の読取モードに切り替えることができる。
上記画像読取装置において、前記制御部は、前記第2の読取モードを選択している状況下で、同第2の読取モードを終了する旨の設定情報が入力されたとき、次回の画像の読み取り時に実施する読取モードを前記第2の読取モードから前記第1の読取モードに切り替えることが好ましい。
上記構成によれば、第2の読取モードの実施を不要とする旨の設定情報が入力されると、次の画像の読み取り時に、第1の読取モードを実施させることができる。
上記画像読取装置において、前記制御部は、前記第2の読取モードを選択している状況下で、次のジョブに基づいた画像の読み取りを開始するときに、実施する読取モードを前記第2の読取モードから前記第1の読取モードに切り替えることが好ましい。
上記構成によれば、次のジョブに基づいた画像の読み取り時には、自動的に、第1の読取モードを実施させることができる。
画像読取装置の第1の実施形態の概略構成を示す斜視図。 同画像読取装置の搬送装置及びその周辺部材を示す側面図。 複数の第1の読取モードを説明するためのテーブル。 同画像読取装置の機能構成を説明するブロック図。 同画像読取装置で画像の読み取りを行う際の処理手順を説明するフローチャート。 第2の実施形態の画像読取装置で画像の読み取りを行う際の処理手順を説明するフローチャート。 第3の実施形態の画像読取装置の機能構成を説明するブロック図。 同画像読取装置で画像の読み取りを行う際の処理手順を説明するフローチャート。
(第1の実施形態)
以下、画像読取装置を具体化した第1の実施形態を図1~図5に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の画像読取装置11は、筐体12と、筐体12に回動可能に支持されているカバー部材13とを備えている。このカバー部材13には、本装置のユーザーインターフェース50が設けられている。すなわち、ユーザーインターフェース50は、複数のボタン51と、複数のランプ52とを有している。
各ボタン51のうち1つのボタンは、後述する第2の読取モードでの画像の読み取りの実施を指示する際に操作される特定用ボタン51Aである。また、各ランプ52のうち1つのランプは、特定用ボタン51Aがオン状態であるときに点灯される特定用ランプ52Aである。なお、特定用ランプ52Aは、特定用ボタン51Aがオフ状態であるときには消灯されている。
また、図2に示すように、画像読取装置11には、画像の読み取りが未だ行われていない原稿MSがセットされるセット部14が設けられている。このセット部14に複数の原稿MSがセットされる場合、セット部14上で各原稿MSが積層されることとなる。また、筐体12の内部には、原稿MSを搬送する搬送部としての搬送装置20と、搬送装置20によって搬送されている原稿MSの画像を読み取る読取装置30とが設けられている。そして、セット部14にセットされている原稿MSが1つずつ筐体12内に進入し、所定の搬送経路に沿って搬送される。そして、搬送されつつ原稿MSの画像が読み取られ、画像の読み取りが完了した原稿MSが筐体12外に排出される。
図2に示すように、搬送装置20は、原稿MSの搬送方向における上流から下流に向けて順に配置される、送り込みローラー21、送り出しローラー対22、搬送ローラー対23、排出ローラー対24を備えている。また、搬送装置20は、原稿MSを搬送するための駆動源として、送出モーター25と、搬送モーター26とを備えている。送出モーター25からの駆動力は送り込みローラー21に伝達され、搬送モーター26からの駆動力は送り出しローラー対22、搬送ローラー対23及び排出ローラー対24に伝達される。
送り込みローラー21は、セット部14にセットされている複数の原稿MSのうち最下位の原稿MSを筐体12の内部に送り込む。また、送り込みローラー21よりも上方に、ガイド部材27が配置されている。このガイド部材27によって、最下位の原稿MS以外の原稿の筐体12内への進入が制限されている。
送り出しローラー対22は、搬送モーター26に駆動連結されている駆動ローラー221と、駆動ローラー221を通じて搬送モーター26からの駆動力が伝達される従動ローラー222とを有している。そして、駆動ローラー221及び従動ローラー222が回転することにより、両ローラー221,222によって原稿MSが挟持され、原稿MSが搬送ローラー対23に向けて送り出される。
送り出しローラー対22の従動ローラー222は、トルクリミッターなどのトルク制限機構によって一定の回転負荷が付与されているリタードローラーである。そのため、複数の原稿MSが重なった状態でセット部14から筐体12内に送り込まれた場合、この送り出しローラー対22によって、1つの原稿MSのみが搬送方向下流に送り出されるようになっている。この点で、送り出しローラー対22を構成する2つのローラー221,222が、原稿MSを搬送ローラー対23に向けて送り出す「送り出しローラー」として機能する。
搬送ローラー対23は、読取装置30よりも図中右側である搬送方向上流に配置されている。こうした搬送ローラー対23は、搬送モーター26に駆動連結されている駆動ローラー231と、駆動ローラー231を通じて搬送モーター26からの駆動力が伝達される従動ローラー232とを有している。そして、駆動ローラー231及び従動ローラー232が回転することにより、両ローラー231,232によって原稿MSが挟持され、原稿MSが読取装置30に向けて搬送される。
排出ローラー対24は、読取装置30よりも図中左側である搬送方向下流に配置されている。こうした排出ローラー対24は、搬送モーター26に駆動連結されている駆動ローラー241と、駆動ローラー241を通じて搬送モーター26からの駆動力が伝達される従動ローラー242とを有している。そして、駆動ローラー241及び従動ローラー242が回転することにより、両ローラー241,242によって原稿MSが挟持され、原稿MSが筐体12外に排出される。
読取装置30は、搬送経路に沿って搬送される原稿MSを挟んだ上下両側に配置される2つの読取部31,32を有している。各読取部31,32のうち、下側に位置する読取部が第1の読取部31であり、上側に位置する読取部が第2の読取部32である。すなわち、第1の読取部31が原稿MSの一面(図中下面)の画像を読み取り、第2の読取部32が原稿MSの他面(図中上面)の画像を読み取る。なお、読取部としては、例えば、密着型イメージセンサーモジュール(CISM:Contact Image Sensor Module)を挙げることができる。もちろん、CISM以外の他のモジュールを読取部として採用してもよい。
なお、図2に示すように、原稿MSの搬送方向における読取装置30と搬送ローラー対23との間には、原稿MSの端部を検出する端部検出センサー600が設けられている。
また、原稿MSの搬送方向における送り出しローラー対22と搬送ローラー対23との間には、複数の原稿MSが重なった状態で搬送されていることを検出するための重送検出センサー610が設けられている。この重送検出センサー610は、音波センサーであり、音波を出力する出力部611と、出力部611から出力された音波が入力される入力部612とを有している。そして、搬送経路に沿って搬送される原稿MSよりも図中上方に、出力部611及び入力部612の一方が配置され、搬送経路に沿って搬送される原稿MSよりも図中下方に、出力部611及び入力部612の他方が配置されている。図2に示す例では、図中上方に入力部612が配置され、図中下方に出力部611が配置されている。
そして、重送検出センサー610は、音波の減衰率αを検出する。出力部611から出力された音波の出力値を「X1」とし、入力部612に入力された音波の入力値を「X2」とした場合、減衰率αは、以下に示す関係式(式1)を用いて算出することができる値である。
α = (X1-X2)/X1 ・・・(式1)
ところで、本実施形態の画像読取装置11では、同装置から出力される画像データに基づいた画像の解像度を、ユーザーによって選択することができる。すなわち、ユーザーによるユーザーインターフェース50の操作、又は画像読取装置11と通信している外部装置のユーザーによる操作によって、画像の読取モードの一例である第1の読取モードが選択可能となっている。
また、搬送されている原稿MSの画像を読取部31,32によって読み取らせる画像読取装置11にあっては、原稿MSの搬送速度が小さいほど、解像度の高い画像のデータである画像データが生成される。そのため、解像度の高い画像のデータをユーザーに提供するための第1の読取モードは、ユーザーの要求している解像度と相関する速度で原稿MSを搬送するモードであるともいうことができる。
図3には、複数(ここでは3つ)の第1の読取モードを示すテーブルの一例が図示されている。図3に示すように、第1のモードは、原稿MSの搬送速度が大きく、解像度の低い画像のデータを生成する読取モードである。第2のモードは、原稿MSの搬送速度が中程度であり、中程度の解像度の画像のデータを生成する読取モードである。第3のモードは、原稿MSの搬送速度が小さく、解像度の高い画像のデータを生成する読取モードである。
そして、ユーザーは、画像の読み取りを画像読取装置11に指示するに際し、上記3つのモードの中から1つの読取モード(すなわち、第1の読取モード)を選択することができる。
ここで、本実施形態の画像読取装置11では、厚みの異なる様々な原稿MSの画像の読み取りを実施可能となっている。そして、原稿MSの厚みが薄いほど、搬送中に紙ジャムなどの搬送不良が発生しやすい。こうした搬送不良の発生を抑制するためには、原稿MSを低速で搬送することが望ましい。
そこで、上述したように、ユーザーインターフェース50には、特定用ボタン51Aが設けられている。この特定用ボタン51Aは、例えば厚みの薄い原稿MSのように、搬送途中で搬送不良が発生しやすい原稿MSの画像の読み取り時に、オン状態にされるボタンである。そして、ユーザーの操作によって特定用ボタン51Aがオン状態にされると、特定のユーザー操作に関する情報である特定の設定情報が画像読取装置11の制御部としての制御装置60(図4参照)に入力され、第1の読取モードとは異なる第2の読取モードが実施される。なお、ここでいう「特定のユーザー操作」とは、特定用ボタン51Aをオン状態にするためのユーザーによるボタン操作である。
すなわち、特定の設定情報が制御装置60に入力されていない場合に原稿MSから画像を読み取る動作が、第1の読取モードとされる。また、特定の設定情報が制御装置60に入力されている場合に原稿MSから画像を読み取る動作が、第2の読取モードとされる。
第2の読取モードは、第1の読取モードの場合よりも原稿MSを低速で搬送しつつも、第1の読取モードの場合と等しい解像度の画像のデータを生成するためのモードである。例えば、上記第1のモードの実施をユーザーが選択している状況下、すなわちユーザーの要求している解像度が低い状況下で、特定用ボタン51Aがオン状態にされた場合、以下に示す第2の読取モードが実施される。
・第1のモードを実施するときよりも原稿MSを低速で搬送する。例えば、第3のモードの場合の原稿MSの搬送速度、又は同搬送速度に準じた速度で搬送する。
・第1のモードの場合と等しい解像度の画像のデータを生成する。
また、上記第3のモードの実施をユーザーが選択している状況下、すなわちユーザーの要求している解像度が高い状況下で、特定用ボタン51Aがオン状態にされた場合、以下に示す第2の読取モードが実施される。
・第3のモードを実施するときよりも原稿MSを低速で搬送する。
・第3のモードの場合と等しい解像度の画像のデータを生成する。
このような第2の読取モードが実施されることにより、原稿MSが低速で搬送されるため、厚みの薄い原稿MSの画像の読み取り時であっても同原稿MSの搬送不良の発生が抑制される。しかも、このように原稿MSが低速で搬送されても、生成される画像データに基づいた画像の解像度は、ユーザーの要求している解像度、すなわちユーザーによって選択された第1の読取モードの場合と等しい解像度となる。
次に、図4を参照し、画像読取装置11の制御装置60について説明する。
制御装置60は、CPU、ROM及びRAMなどで構成されるマイクロコンピューターと、各種のドライバー回路とを備えている。こうした制御装置60は、図4に示すように、ソフトウェア及びハードウェアのうち少なくとも一方で構成される機能部として、搬送制御部61、モード選択部66、データ生成部64及びデータ出力部65を含んでいる。
搬送制御部61は、搬送装置20を制御する。すなわち、原稿MSの搬送開始指示、すなわち原稿MSの画像の読み取り指示が入力された場合、搬送制御部61は、送出モーター25を駆動させることにより、送り込みローラー21を回転させる。これにより、セット部14から1つの原稿MSが筐体12内に送り込まれる。そして、搬送制御部61は、送り込みローラー21の回転によって搬送される原稿MSが、送り出しローラー対22を構成する2つのローラー221,222によって挟持されるようになると、送出モーター25の駆動を停止させる。
また、搬送制御部61は、搬送モーター26を駆動させることにより、送り出しローラー対22、搬送ローラー対23及び排出ローラー対24の各ローラー221,231,241,222,232,242を回転させる。なお、搬送モーター26の駆動開始のタイミングは、送出モーター25の駆動開始のタイミングと同じであってもよいし、送出モーター25の駆動開始のタイミングよりも後であってもよい。そして、搬送制御部61は、原稿MSの後端が排出ローラー対24を通過したタイミング以降で搬送モーター26の駆動を停止させる。
なお、この搬送制御部61には、原稿MSの搬送速度に関する情報がモード選択部66から入力される。そして、搬送制御部61は、入力された情報に基づいた速度で原稿MSを搬送するように搬送モーター26の駆動を制御する。
モード選択部66は、画像の読み取りを実施するに際して入力されたユーザー情報に基づき、実施する読取モードを決定する。すなわち、モード選択部66は、ユーザーインターフェース50又は外部装置から、画像の解像度を特定するための情報が入力されると、ユーザーの要求している画像の解像度に応じた第1の読取モードを選択する(図3参照)。例えば、高解像度の画像をユーザーが要求している場合、モード選択部66は、第3のモードを選択する。そして、モード選択部66は、選択した読取モードに関する情報を搬送制御部61及びデータ生成部64に出力する。また、モード選択部66は、特定用ボタン51Aがオン状態である場合、第2の読取モードを選択し、同読取モードに関する情報を搬送制御部61及びデータ生成部64に出力する。
データ生成部64は、読取装置30の各読取部31,32を制御するとともに、各読取部31,32が読み取った画像を取得する。そして、データ生成部64は、読取部31,32が読み取った画像のデータである画像データを生成し、この画像データをデータ出力部65に出力する。
この際に生成される画像データに基づく画像の解像度は、モード選択部66から入力された解像度に関する情報に応じた解像度である。すなわち、特定用ボタン51Aがオフ状態である場合、データ生成部64は、原稿MSの搬送速度に応じた解像度の画像のデータを生成する。一方、特定用ボタン51Aがオン状態である場合、データ生成部64は、原稿MSの搬送速度が小さくても、ユーザーの要求している解像度の画像のデータを生成する。
ここで、原稿MSからの画像の取得は、原稿MSが搬送されているときに所定のタイミング毎に画像の読み取りを読取部31,32に行わせることで実現される。そのため、読取部31,32によって取得される画像の解像度は、原稿MSの搬送速度が小さいほど高くなる。そのため、第2の読取モードの実施時に取得された画像の解像度は、ユーザーが所望している解像度よりも高いおそれがある。そこで、データ生成部64は、第2の読取モードでは、取得した画像の解像度を、ユーザーの所望している解像度まで低くし、同解像度の画像のデータを生成する。
また、第2の読取モードの実施時には、データ生成部64は、解像度の低い画像(すなわち、第1の読取モードを実施したと仮定した場合の解像度の画像)を取得できるように、読取部31,32を制御するようにしてもよい。例えば、上記の所定のタイミングを遅らせることにより、原稿MSの搬送速度に準じた解像度よりも低い解像度の画像の取得を実現することができる。この場合、データ生成部64は、原稿MSの搬送速度が小さくても、ユーザーの要求している解像度の画像のデータを生成することができる。すなわち、取得した画像の解像度を低くする処理の実施が不要となる。
データ出力部65は、データ生成部64で生成された画像データを外部装置に送信する。
次に、図5に示すフローチャートを参照し、原稿MSの画像の読み取りを行う際の処理手順について説明する。
図5に示すように、第1のモード、第2のモード及び第3のモードの何れか1つのモードが選択されている状況下で、特定用ボタン51Aがオン状態であるか否かが判定される(ステップS11)。特定用ボタン51Aがオフ状態である場合(ステップS11:NO)、第1の読取モードが選択され(ステップS12)、その処理が後述するステップS14に移行される。一方、特定用ボタン51Aがオン状態である場合(ステップS11:YES)、第2の読取モードが選択され(ステップS13)、特定用ランプ52Aが点灯され、その処理が次のステップS14に移行される。
ステップS14において、選択した読取モードの実施を開始することにより、画像の読み取りが開始される。例えば、特定用ボタン51Aがオフ状態であり、第2のモードが選択されている場合、搬送装置20によって原稿MSが中速度で搬送され、中程度の解像度の画像のデータが生成される。また、特定用ボタン51Aがオン状態であり、第2のモードが選択されている場合、搬送装置20によって原稿MSが低速で搬送され、中程度の解像度の画像の画像データが生成される。
そして、このように画像の読み取りが行われている最中で、重送検出センサー610によって検出された減衰率αが重送検出減衰率αTh1以上であるか否かが判定される(ステップS15)。重送検出減衰率αTh1は、複数の原稿MSが重なった状態で搬送されているか否かを判定するための閾値である。例えば、普通の厚さの原稿MSが1つのみ搬送されており、この原稿MSが重送検出センサー610の出力部611と入力部612との間に位置する場合における減衰率αを「標準減衰率」としたとする。この場合、重送検出減衰率αTh1は、標準減衰率よりも大きい値に設定されている。
そして、減衰率αが重送検出減衰率αTh1以上である場合(ステップS15:YES)、複数の原稿MSが重なった状態で搬送されていると判定することができるため、画像の読み取りが中止される(ステップS16)。この場合、原稿MSの搬送が中止され、ユーザーインターフェース50によってエラーがユーザーに対して報知される。その後、本処理が終了される。
一方、減衰率αが重送検出減衰率αTh1未満である場合(ステップS15:NO)、1つの原稿MSのみが搬送されていると判定することができるため、画像の読み取りが継続される。そして、画像の読み取りが完了したか否かが判定される(ステップS17)。
なお、読取部31,32による読み取り結果に基づいて原稿MSの後端を検出することができる。すなわち、読取部31,32による読み取り結果に基づき、原稿MSの後端が読取部31,32よりも搬送方向下流に位置するようになったか否かを判定することができる。そして、原稿MSの後端が読取部31,32よりも搬送方向下流に位置するようになったときに、原稿MSの画像の読み取りが完了したと判定することができる。
原稿MSの画像の読み取りが未だ完了していない場合(ステップS17:NO)、その処理が前述したステップS15に移行され、画像の読み取りが継続される。一方、原稿MSの画像の読み取りが完了した場合(ステップS17:YES)、その処理が次のステップS18に移行される。
ステップS18において、画像の読み取りを行うべき次の原稿MSがあるか否かが判定される。次の原稿MSがある場合(ステップS18:YES)、その処理が前述したステップS14に移行され、次の原稿MSの搬送が開始される。この場合、次の原稿MSの搬送速度は前の原稿MSの搬送速度と等しい。一方、次の原稿MSがない場合(ステップS18:NO)、データ生成部64によって生成された画像データがデータ出力部65によって出力され(ステップS19)、本処理が終了される。
なお、複数の原稿MSの画像を連続して読み取るに際し、一連の画像の連続読み取りの最中に特定用ボタン51Aがユーザーによって操作されることがある。本実施形態の画像読取装置11では、こうしたユーザーによる特定用ボタン51Aの操作が無効とされる。すなわち、画像の連続読み取りの最中に特定用ボタン51Aが操作されても、一の原稿の搬送速度と、該一の原稿の次の原稿の搬送速度とは等しくされる。言い換えると、一連の画像の連続読み取りの実施が開始される前まで、すなわち図5を用いて説明する処理が開始される前までの特定用ボタン51Aの操作は有効とされる。
以上、本実施形態の画像読取装置11によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)特定用ボタン51Aがオフ状態である状況下で画像の読み取りが指示されると、第1の読取モードが実施される。すなわち、セット部14にセットした原稿MSの厚みが薄くないとユーザーが認識している場合、特定用ボタン51Aがオン状態にされることなく、画像の読み取りがユーザーによって画像読取装置11に指示される。この際、生成される画像データに基づいた画像の解像度は、読み取りの指示をユーザーが入力するときに、同ユーザーによって選択することができる。そのため、ユーザーが要求している画像の解像度に対応する搬送速度で原稿MSが搬送され、ユーザーが要求している解像度の画像のデータが生成される。したがって、ユーザーの所望する解像度の画像のデータをユーザーに提供することができる。
その一方で、特定用ボタン51Aがオン状態である状況下で画像の読み取りが指示されると、第2の読取モードが実施される。すなわち、セット部14にセットした原稿MSの厚みが薄いとユーザーが認識している場合、特定用ボタン51Aがオン状態にされた上で、画像の読み取りがユーザーによって画像読取装置11に指示される。この際、第1の読取モードの場合よりも原稿MSが低速で搬送されるようになるものの、第1の読取モードの場合と等しい解像度の画像のデータが生成される。すなわち、紙ジャムなどの搬送不良を抑えつつ、原稿MSの搬送速度に依存しない画像データをユーザーに提供することができる。したがって、原稿MSの搬送速度が可変される場合であっても、ユーザーの所望する解像度の画像のデータを生成することができる。
(第2の実施形態)
次に、画像読取装置11を具体化した第2の実施形態を図6に従って説明する。なお、第2の実施形態では、特定用ボタン51Aがオン状態であるときの処理手順の一部が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一の部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図6には、原稿MSの画像の読み取りを行う際の処理手順を説明するフローチャートが図示されている。
図6に示すように、第1のモード、第2のモード及び第3のモードの何れか1つのモードが選択されている状況下で、特定用ボタン51Aがオン状態であるか否かが判定される(ステップS11)。特定用ボタン51Aがオフ状態である場合(ステップS11:NO)、第1の読取モードが選択され(ステップS12)、その処理が後述するステップS14に移行される。一方、特定用ボタン51Aがオン状態である場合(ステップS11:YES)、第2の読取モードが選択され(ステップS13)、その処理が次のステップS14に移行される。
ステップS14において、選択した読取モードの実施を開始することにより、画像の読み取りが開始される。そして、このように画像の読み取りが行われている最中で、重送検出センサー610によって検出された減衰率αが重送検出減衰率αTh1以上になった場合(ステップS15:YES)、複数の原稿MSが重なった状態で搬送されていると判定することができるため、画像の読み取りが中止される(ステップS16)。この場合、原稿MSの搬送が中止され、ユーザーインターフェース50によってエラーがユーザーに対して報知される。例えば、特定用ランプ52Aが点灯される。その後、本処理が終了される。
一方、減衰率αが重送検出減衰率αTh1未満である場合(ステップS15:NO)、1つの原稿MSのみが搬送されていると判定することができるため、画像の読み取りが継続される。そして、原稿MSの画像の読み取りが未だ完了していない場合(ステップS17:NO)、その処理が前述したステップS15に移行され、原稿MSの画像の読み取りが継続される。一方、原稿MSの画像の読み取りが既に完了している場合(ステップS17:YES)、その処理が次のステップS18に移行される。
ステップS18において、画像の読み取りを行うべき次の原稿MSがあるか否かが判定される。次の原稿MSがない場合(ステップS18:NO)、データ生成部64によって生成された画像データがデータ出力部65によって出力され(ステップS19)、本処理が終了される。
一方、次の原稿MSがある場合(ステップS18:YES)、その処理が前述したステップS11に移行され、次の原稿MSの搬送が開始される。すなわち、前回の画像の読み取り途中で特定用ボタン51Aが変更された場合、今回の画像の読み取り時から原稿MSの搬送速度が変更されるものの、生成される画像モードに基づく画像の解像度は前回の画像の読み取り時と等しい解像度となる。
例えば、前回の画像の読み取り途中で、特定用ボタン51Aがオフ状態からオン状態に移行された場合、前回の画像の読み取り時には第1の読取モードが実施されたのに対し、今回の画像の読み取り時には第2の読取モードが実施される。すなわち、今回の画像の読み取りの開始時に、実施するモードが第1の読取モードから第2の読取モードに切り替えられる。
一方、前回の画像の読み取り途中で、特定用ボタン51Aがオン状態からオフ状態に移行された場合、前回の画像の読み取り時には第2の読取モードが実施されたのに対し、今回の画像の読み取り時には第1の読取モードが実施される。すなわち、第2の読取モードを選択している状況下で、第2の読取モードを終了する旨の設定情報が入力されたときには、今回の画像の読み取りの開始時に、実施するモードが第2の読取モードから第1の読取モードに切り替えられる。したがって、本実施形態の画像読取装置11では、ユーザーによる特定用ボタン51Aの操作によって特定用ボタン51Aがオン状態からオフ状態に移行されることが、「所定の終了条件」に相当する。
以上、本実施形態の画像読取装置11によれば、上記第1の実施形態における効果(1)と同等の効果に加え、以下に示す効果をさらに得ることができる。
(2)複数の原稿MSの画像を連続して読み取るに際し、各原稿MSのうち一の原稿が搬送されている最中に特定用ボタン51Aがオン状態にされた場合、一の原稿の画像の読み取りが完了するまでは、第1の読取モードの実施が継続される。すなわち、一の原稿の搬送途中では、読取モードが変更されず、同原稿の搬送速度が変更されることはない。そのため、画像の読取途中での読取モードの切り替わりに起因する制御負荷の増大を抑制することができる。
その後、次の原稿の画像の読み取りを行うときには、第1の読取モードではなく、第2の読取モードが実施される。すなわち、一の原稿以降の原稿の画像の読み取り時には、低速で原稿が搬送されるようになる。しかも、第2の読取モードであるため、低速で原稿が搬送されても、第1の読取モードの場合と等しい解像度の画像のデータが生成される。したがって、上記一の原稿以降の原稿の画像の読み取り時にあっては、原稿MSを低速で搬送することによって同原稿MSの搬送不良の発生を抑えつつも、搬送速度に依存しない画像データをユーザーに提供することができる。
(3)ただし、第2の読取モードでの原稿MSの画像の読み取りが実施されているときに、特定用ボタン51Aがオン状態からオフ状態に移行されると、第2の読取モードの実施の終了条件が成立したと判定することができる。そのため、次の原稿MSの画像の読み取り時にあっては、第1の読取モードが実施されることとなり、第1の読取モードによって規定されている速度で原稿MSが搬送されるようになる。したがって、第2の読取モードの実施が不要となったときには、第2の読取モードから第1の読取モードに適切に切り替えることができる。
(第3の実施形態)
次に、画像読取装置11を具体化した第3の実施形態を図7及び図8に従って説明する。なお、第3の実施形態では、画像の読み取り対象となる原稿MSの厚みを自動で検出し、同検出結果に基づいて第2の読取モードを実施するか第1の読取モードを実施するかを判断する点が第1及び第2の各実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1及び第2の各実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1及び第2の各実施形態と同一の部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図7を参照し、画像読取装置11の制御装置60について説明する。
制御装置60は、CPU、ROM及びRAMなどで構成されるマイクロコンピューターと、各種のドライバー回路とを備えている。こうした制御装置60は、図7に示すように、ソフトウェア及びハードウェアのうち少なくとも一方で構成される機能部として、搬送制御部61、モード選択部66、データ生成部64及びデータ出力部65を含んでいる。
モード選択部66は、重送検出センサー610によって検出される減衰率αに基づき、搬送されている原稿MSの厚みが薄いか否かを判定している。そして、原稿MSの厚みが薄くないと判定した場合、モード選択部66は、ユーザーの要求している画像の解像度に応じた第1の読取モード(図3参照)を選択し、選択した第1の読取モード(例えば、第3のモード)に関する情報を搬送制御部61及びデータ生成部64に出力する。一方、原稿MSの厚みが薄いと判定した場合、モード選択部66は、第2の読取モードを選択し、選択した第2の読取モードに関する情報を搬送制御部61及びデータ生成部64に出力する。
ここで、搬送されている原稿MSの厚みが薄いか否かの判定方法の一例について説明する。
すなわち、重送検出センサー610の出力部611と入力部612との間に原稿MSが位置する場合、出力部611から出力された音波は、原稿MSを通過して入力部612に入力される。この際、原稿MSを音波が透過するに際し、同原稿MSの厚みが薄いほど音波が減衰されにくい。すなわち、音波の減衰率αに基づき、原稿MSの厚みをある程度推定することができる。したがって、原稿MSの厚みが薄いか否かの判断基準となる減衰率として判定減衰率αTh2を設け、減衰率αが判定減衰率αTh2未満であるときには、搬送している原稿MSの厚みが薄いと判定するようにしている。
なお、厚みの薄い複数の原稿MSが重なった状態で搬送されることがある。例えば、2つの原稿MSが重なっている場合、重送検出センサー610によって検出される減衰率αは、厚みの薄くない1つの原稿MSが搬送されているときの減衰率よりも大きくなる。そのため、重送検出減衰率αTh1は、厚みの薄くない1つの原稿MSが搬送されているときの減衰率よりも大きい値に設定されている。これにより、減衰率αが判定減衰率αTh2以上であって且つ重送検出減衰率αTh1未満であるときには、搬送している原稿MSの厚みが薄くないと判定することができる。一方、減衰率αが重送検出減衰率αTh1以上であるときには、複数の原稿MSが重なった状態で搬送されていると判定することができる。
次に、図8に示すフローチャートを参照し、原稿MSの画像の読み取りを行う際の処理手順について説明する。
図8に示すように、ユーザーによって要求されている画像の解像度に応じた第1の読取モードでの原稿MSの搬送が開始される(ステップS31)。そして、重送検出センサー610の出力部611と入力部612との間に原稿MSが位置するようになると、重送検出センサー610によって検出されている減衰率αが判定減衰率αTh2未満であるか否かが判定される(ステップS32)。すなわち、ステップS32では、搬送されている原稿MSの厚みが薄いか否かが判定される。
そして、減衰率αが判定減衰率αTh2未満である場合(ステップS32:YES)、厚みの薄い原稿MSが搬送されていると判定され、読取モードが第1の読取モードから第2の読取モードに切り替わる(ステップS33)。これにより、原稿MSの搬送速度が小さくされる。このように第2の読取モードが実施されるようになると、特定用ランプ52Aが点灯される。そして、処理が次のステップS34に移行される。
ステップS34において、端部検出センサー600によって原稿MSの前端が検出されたか否かが判定される。原稿MSの前端が未だ検出されていない場合(ステップS34:NO)、その処理が前述したステップS32に移行される。一方、原稿MSの前端が検出されている場合(ステップS34:YES)、その処理が後述するステップS37に移行される。すなわち、原稿MSの前端が端部検出センサー600を通過して読取装置30の直前にまで達すると、読取モードの変更が禁止され、原稿MSの搬送速度が変更されなくなる。
その一方で、ステップS32において、減衰率αが判定減衰率αTh2以上である場合(NO)、搬送されている原稿MSの厚みが薄くないと判定することができるため、同減衰率αが重送検出減衰率αTh1未満であるか否かが判定される(ステップS35)。このステップS35では、複数の原稿MSが重なった状態で搬送されているか否かが判定される。そして、減衰率αが重送検出減衰率αTh1未満である場合(ステップS35:YES)、厚みの薄くない1つの原稿MSが搬送されていると判定することができるため、その処理が前述したステップS34に移行される。この場合、第1の読取モードで規定されている搬送速度で原稿MSが搬送されつつ、読取部31,32によって画像が読み取られることとなる。なお、このように第1の読取モードで原稿MSが搬送されている場合、特定用ランプ52Aが消灯されている。
一方、減衰率αが重送検出減衰率αTh1以上である場合(ステップS35:NO)、複数の原稿MSが重なった状態で搬送されていると判定することができるため、画像の読み取りが中止される(ステップS36)。この場合、原稿MSの搬送が中止され、ユーザーインターフェース50によってエラーがユーザーに対して報知される。その後、本処理が終了される。
ステップS37において、搬送されている原稿MSの画像の読み取りが開始される。そして、このように画像の読み取りが行われている最中で重送検出センサー610によって検出される減衰率αが、重送検出減衰率αTh1未満であるか否かが判定される(ステップS38)。減衰率αが重送検出減衰率αTh1以上である場合(ステップS38:NO)、複数の原稿MSが重なった状態で搬送されていると判定することができるため、その処理が前述したステップS36に移行される。すなわち、複数の原稿MSが重なった状態で搬送されていることが検出された場合、実施されている最中の画像の読み取りが中止される。
一方、減衰率αが重送検出減衰率αTh1未満である場合(ステップS38:YES)、搬送されている原稿MSの画像の読み取りが完了したか否かが判定される(ステップS39)。画像の読み取りが未だ完了していない場合(ステップS39:NO)、その処理が前述したステップS38に移行され、画像の読み取りが継続される。一方、画像の読み取りが完了している場合(ステップS39:YES)、その処理が次のステップS40に移行される。
ステップS40において、画像の読み取りを行うべき次の原稿MSがあるか否かが判定される。次の原稿MSがある場合(ステップS40:YES)、その処理が前述したステップS31に移行され、次の原稿MSの搬送が開始される。この場合、第2の読取モードでの画像の読み取りが行われた後であっても、第1の読取モードでの原稿MSの搬送が開始される。すなわち、原稿MSの画像の読み取りの完了が、第2の読取モードから第1の読取モードにモードを切り替えるための「所定の終了条件」に相当する。
一方、次の原稿MSがない場合(ステップS40:NO)、データ生成部64によって生成された画像データがデータ出力部65によって出力され(ステップS41)、本処理が終了される。
以上、本実施形態の画像読取装置11によれば、以下のような効果を得ることができる。
(4)搬送装置20によって搬送されている原稿MSの厚みが薄くないときには、第1の読取モードが実施される。なお、原稿MSの画像の読み取りをユーザーが画像読取装置11に指示するに際し、生成される画像データに基づいた画像の解像度はユーザーによって選択することができる。そのため、ユーザーの所望する解像度の画像のデータである画像データをユーザーに提供することができる。
その一方で、搬送装置20によって搬送されている原稿MSの厚みが薄いときには、第2の読取モードが実施される。この場合、第1の読取モードの場合よりも原稿MSが低速で搬送されるようになるものの、第1の読取モードの場合と等しい解像度の画像のデータが生成される。すなわち、紙ジャムなどの搬送不良を抑えつつ、原稿MSの搬送速度に依存しない画像データをユーザーに提供することができる。したがって、原稿MSの搬送速度が可変される場合であっても、ユーザーの所望する解像度の画像のデータを生成することができる。
(5)本実施形態の画像読取装置11では、重送検出センサー610によって検出される音波の減衰率αが判定減衰率αTh2未満であるときには、搬送している原稿MSの厚みが薄いと判定することができるため、第2の読取モードを実施するようにしている。このように重送検出センサー610による検出結果を用いることにより、第2の読取モードを自動的に選択して実施することができる。
(6)複数の原稿MSが重なった状態で搬送されているか否かを判定するための閾値である重送検出減衰率αTh1を、判定減衰率αTh2よりも大きい値に決定した。そして、この重送検出減衰率αTh1を用いることにより、厚みの薄くない1つの原稿のみを搬送しているか、又は、複数の原稿が重なった状態で搬送されているかを判別することができる。そして、こうした判別結果を採用することにより、状況に応じて適切に画像読取装置11を駆動させることができる。
(7)なお、重送検出センサー610は、搬送方向における搬送ローラー対23と送り出しローラー対22との間に配置されている。そのため、原稿MSの先端が読取装置30の位置に達する前に、搬送されている原稿MSの厚みが薄いか否かを判定することができる。そのため、読取部31,32による画像の読み取りが実際に開始される前に、モードを第1の読取モードから第2の読取モードに切り替えるのか、又は、第1の読取モードを継続するのかを決定することができる。したがって、読取部31,32によって画像が実際に読み取られている最中に、原稿MSの搬送速度を変更しなくてもよくなる。
(8)そして、第2の読取モードでの原稿MSの搬送が終了すると、第2の読取モードの終了条件が成立するため、第1の読取モードでの原稿MSの搬送が開始される。そのため、複数の原稿MSの画像を連続して読み取るに際し、各原稿MSの一部が厚みの薄い原稿である場合、厚みの薄い原稿の画像の読み取りを行うときにだけ、同原稿を低速で搬送することができる。したがって、厚みの薄くない原稿の画像の読み取りを行うときでも、原稿を低速で搬送する場合と比較し、画像読取装置11のスループットの低下を抑制することができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・第3の実施形態において、重送検出センサー610が読取装置30よりも搬送方向上流に配置されるのであれば、同重送検出センサー610を、搬送方向における送り出しローラー対22と搬送ローラー対23との間以外の他の位置に配置してもよい。例えば、重送検出センサー610を、搬送方向における読取装置30と搬送ローラー対23との間に配置するようにしてもよい。
・搬送されている原稿MSの厚みが薄いか否か、及び複数の原稿MSが重なった状態で搬送されているか否かを検出可能なセンサーであれば、音波センサー以外の他のセンサーを重送検出センサーとして適用してもよい。
・原稿MSの搬送時に搬送モーター26に流れる電流値は、搬送モーター26を駆動源として回転するローラー対にかかる負荷が大きいほど大きくなる。そして、こうした負荷は、搬送されている原稿MSの厚みや、重なっている原稿MSの数によって変わる。そこで、第2の実施形態において、重送検出センサー610によって検出される減衰率αに代わり、搬送モーター26に流れる電流値に基づいて、搬送されている原稿MSの厚みが薄いか否かを判定するようにしてもよい。同様に、第1及び第2の各実施形態において、搬送モーター26に流れる電流値に基づいて、複数の原稿MSが重なった状態で搬送されているか否かを判定するようにしてもよい。
・第1及び第2の各実施形態において、第2の読取モードを選択させるためのユーザー操作を、画像読取装置11のユーザーインターフェース50ではなく、画像読取装置11と通信可能な外部装置で実施させるようにしてもよい。この場合、ユーザー操作に関する情報である特定の設定情報を外部装置から画像読取装置11の制御装置60が受信したときに、第2の読取モードが実施されることとなる。
・第1及び第2の各実施形態において、第2の読取モードでの画像の読み取りが終了し、次のジョブに基づいた画像の読み取りを行うときには、特定用ボタン51Aをオフ状態にするとともに特定用ランプ52Aを消灯させ、第1の読取モードを実施するようにしてもよい。この場合、次のジョブに基づいた画像の読み取り指示が制御装置60に入力されることが、「終了条件」に相当する。
・上記各実施形態では、ユーザーによって第3のモードが選択されているときでも第2の読取モードが必要に応じて実施されるようになっているが、これに限らず、第3のモードが選択されているときには第2の読取モードを実施しないようにしてもよい。この場合、例えば、第1及び第2の各実施形態では、第3のモードが選択されている場合には、特定用ボタン51Aがオン状態であってもオフ状態であっても、第3のモードが実施されることとなる。また、第3の実施形態では、第3のモードが選択されている場合には、重送検出センサー610によって検出される音波の減衰率αが判定減衰率αTh2未満であっても、第3のモードが実施されることとなる。
・第1及び第2の各実施形態において、特定用ボタン51Aがオン状態である場合であっても、重送検出センサー610によって検出されている音波の減衰率αが判定減衰率αTh2以上であるときには、第1の読取モードを実施するようにしてもよい。また、特定用ボタン51Aがオン状態であり、重送検出センサー610によって検出されている音波の減衰率αが判定減衰率αTh2未満であるときに、第2の読取モードを実施するようにしてもよい。
また、特定用ボタン51Aがオフ状態である場合には、重送検出センサー610によって検出されている音波の減衰率αが判定減衰率αTh2未満であっても第1の読取モードを実施するようにしてもよい。
・読取装置30は、第1の読取部31及び第2の読取部32の何れか一方のみを備える構成であってもよい。
・搬送装置20は、送出モーター25を備えない構成であってもよい。この場合、搬送モーター26の駆動によって送り込みローラー21を回転させるようにしてもよい。
・画像読取装置を、原稿の画像に関する画像データを生成して外部装置に出力する装置であれば、ファクシミリ装置などの他の装置に具体化してもよい。
11…画像読取装置、20…搬送部としての搬送装置、221,222…送り出しローラーとして機能するローラー、23…搬送ローラー対、31,32…読取部、60…制御部としての制御装置、600…音波センサーによって構成される端部検出センサー、MS…原稿、α…減衰率、αTh1…重送検出減衰率、αTh2…判定減衰率。

Claims (7)

  1. 厚みの異なる原稿を搬送可能な搬送部と、
    前記搬送部によって搬送されている原稿に対して音波を出力し、同音波の減衰率を検出する音波センサーと、
    前記搬送部によって搬送される原稿の画像を読み取る読取部と、
    原稿の搬送方向において前記搬送部と前記読取部との間に設けられ、原稿の端部を検出する端部検出センサーと、
    前記読取部で読み取った画像のデータである画像データを生成する制御部と、を備えた画像読取装置において、
    前記読取部は、前記搬送部によって原稿が搬送されている場合、所定のタイミング毎に当該原稿の画像を読み取るようになっており、
    前記音波センサーは、複数の原稿が重なった状態で搬送されているか否かを検出するセンサーであり、
    前記制御部は、特定の設定情報が前記制御部に入力されていない場合に第1の読取モードを選択し、前記特定の設定情報が前記制御部に入力されている場合に第2の読取モードを選択し、
    前記制御部は、
    前記第1の読取モードでは、要求されている解像度に対応した速度で前記搬送部によって搬送される原稿から画像を前記読取部に読み取らせ、同読取部によって読み取られた画像の画像データを生成し、
    前記第2の読取モードでは、前記第1の読取モードの場合よりも低速で前記搬送部によって搬送される原稿から画像を前記読取部に読み取らせつつも、前記タイミングを前記第1の読取モードの場合よりも遅らせることにより、前記第1の読取モードの場合と等しい解像度の画像の画像データを生成するようになっており、
    前記制御部は、
    複数の原稿の画像を読み取る1つのジョブを実行する場合において前記第2の読取モードを選択している状況下で、当該ジョブの実行中に所定の終了条件が成立すると、前記所定の終了条件が成立した後に行われる原稿の画像の読み取りから前記第1の読取モードを実施し、
    前記所定の終了条件は、ユーザーの操作によって、前記特定の設定情報が入力されている状態から前記特定の設定情報が入力されていない状態に切り替えられた場合であり、
    前記制御部は、前記第1の読取モードでの原稿の搬送を開始した後、前記音波センサーによって検出される音波の減衰率に基づき、読取モードを前記第1の読取モードから前記第2の読取モードに切り替え、前記端部検出センサーによって原稿の端部を検出した後、前記音波センサーによって検出される音波の減衰率に基づき、複数の原稿が重なった状態で搬送されていることの検出を行う
    ことを特徴とする画像読取装置。
  2. 厚みの異なる原稿を搬送可能な搬送部と、
    前記搬送部によって搬送されている原稿に対して音波を出力し、同音波の減衰率を検出する音波センサーと、
    前記搬送部によって搬送される原稿の画像を読み取る読取部と、
    原稿の搬送方向において前記搬送部と前記読取部との間に設けられ、原稿の端部を検出する端部検出センサーと、
    前記読取部で読み取った画像のデータである画像データを生成する制御部と、を備えた画像読取装置において、
    前記音波センサーは、複数の原稿が重なった状態で搬送されているか否かを検出するセンサーであり、
    前記読取部は、前記搬送部によって原稿が搬送されている場合、所定のタイミング毎に当該原稿の画像を読み取るようになっており、
    前記制御部は、特定の設定情報が前記制御部に入力されていない場合に第1の読取モードを選択し、前記特定の設定情報が前記制御部に入力されている場合に第2の読取モードを選択し、
    前記制御部は、
    前記第1の読取モードでは、要求されている解像度に対応した速度で前記搬送部によって搬送される原稿から画像を前記読取部に読み取らせ、同読取部によって読み取られた画像の画像データを生成し、
    前記第2の読取モードでは、前記第1の読取モードの場合よりも低速で前記搬送部によって搬送される原稿から画像を前記読取部に読み取らせつつも、前記読取部によって読み取られた画像の解像度を低くすることにより、前記第1の読取モードの場合と等しい解像度の画像の画像データを生成するようになっており、
    前記制御部は、
    複数の原稿の画像を読み取る1つのジョブを実行する場合において前記第2の読取モードを選択している状況下で、当該ジョブの実行中に所定の終了条件が成立すると、前記所定の終了条件が成立した後に行われる原稿の画像の読み取りから前記第1の読取モードを実施し、
    前記所定の終了条件は、ユーザーの操作によって、前記特定の設定情報が入力されている状態から前記特定の設定情報が入力されていない状態に切り替えられた場合であり、
    前記制御部は、前記第1の読取モードでの原稿の搬送を開始した後、前記音波センサーによって検出される音波の減衰率に基づき、読取モードを前記第1の読取モードから前記第2の読取モードに切り替え、前記端部検出センサーによって原稿の端部を検出した後、前記音波センサーによって検出される音波の減衰率に基づき、複数の原稿が重なった状態で搬送されていることの検出を行う
    ことを特徴とする画像読取装置。
  3. 前記ユーザーの操作を受け付けるインターフェイスを備え、
    前記所定の終了条件は、前記ユーザーによる前記インターフェイスの操作によって、前記特定の設定情報が入力されている状態から前記特定の設定情報が入力されていない状態に切り替えられた場合である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置。
  4. 前記音波センサーによって検出される音波の減衰率に対する閾値として、判定減衰率と、当該判定減衰率よりも大きい重送検出減衰率と、を設け、
    前記制御部は、
    前記搬送部によって原稿が搬送されている状況下で前記音波センサーによって検出される音波の減衰率が前記判定減衰率以上であって且つ前記重送検出減衰率未満であるときには、前記第1の読取モードを実施し、
    前記搬送部によって原稿が搬送されている状況下で前記音波センサーによって検出される音波の減衰率が前記重送検出減衰率以上であるときには、前記搬送部による原稿の搬送及び前記読取部による画像の読み取りを中止させる
    ことを特徴とする請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の画像読取装置。
  5. 前記制御部は、前記特定の設定情報が前記制御部に入力されている状況下で、前記音波センサーによって検出される音波の減衰率が前記判定減衰率以上であるときには、前記第1の読取モードを実施する
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像読取装置。
  6. 前記制御部は、前記特定の設定情報が前記制御部に入力されている状況下で、前記音波センサーによって検出される音波の減衰率が前記判定減衰率未満であるときには、前記第2の読取モードを実施する
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の画像読取装置。
  7. 前記制御部は、前記特定の設定情報が前記制御部に入力されていない状況下で、前記音波センサーによって検出される音波の減衰率が前記判定減衰率未満であるときには、前記第1の読取モードを実施する
    ことを特徴とする請求項4~請求項6のうち何れか一項に記載の画像読取装置。
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