JP7418059B1 - 処理システム、及び移送機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】設置面積を必要以上に拡大させない。【解決手段】把持システム1は、多関節ロボット30と、対象物を移送させる移送機構21と、多関節ロボット30及び移送機構21の動作を制御する制御装置40と、を備える。制御装置40は、移送機構21により、ベルトコンベア2の搬送面で搬送中の対象物を、搬送中の位置よりも多関節ロボット30に近い位置である処理位置に対して移送する第1移送動作と、多関節ロボット30により、処理位置で対象物に対して処理をする処理動作と、移送機構21により、処理された対象物を搬送面に再度移送することで、該対象物をベルトコンベア2に再度搬送させる第2移送動作と、を多関節ロボット30及び移送機構21に実行させる。【選択図】図6

Description

本発明は、処理システム、及び移送機構に関する。
近年、把持機能を備えたロボットにより、様々な作業が行われている。例えば、惣菜の盛り付け作業をロボットが行う場合、バット等の収容部に蓄えられた具材をロボットが所定量把持し、惣菜の容器に解放(リリース)することで盛り付け(プレース)作業が実現される。
このような、盛り付けを行うロボットに関する技術は、例えば、特許文献1や非特許文献1に開示されている。
特開2021-30407号公報
日経BP著、「日経Robotics 2022年8月号(第85号)」日経BP出版、2022年7月10日、第14~20頁
特許文献1に記載されているような一般的な技術では、ベルトコンベアで搬送中の容器に対し、ベルトコンベア上で直接盛り付け作業を行う。このような構成とした場合、盛り付けのために具材を解放した際に、ベルトコンベア上に具材を落下させてしまうおそれがある。
これに対し、非特許文献1の記載の技術では、ロボットの周辺に容器の供給機を配置し、この供給機が供給した容器に盛りつけた後に、この容器をベルトコンベアに送り出す。このような構成であれば、解放に伴うベルトコンベアへの具材の落下を防止することができる。また、ロボットの近傍にて盛り付けを行うことから、アームを伸ばして遠方で盛り付けを行う場合と比べて、より精度の高い動きが実現でき、適切な盛り付けを実現できる。
しかしながら、この非特許文献1の構成とした場合、ロボットの周辺に、供給機を配置する場所や、供給する容器をストックする場所を用意する必要があり、設置面積が拡大してしまう。特に、1つのベルトコンベアに対して、複数のロボットを配置するような場合には、複数のロボットそれぞれに対応して、複数の供給機等が必要となるので、この問題は、より顕著となる。
また、この課題は、対象物が食材である場合に限られるものではなく、工業分野等の、ロボットによる把持や解放を行う様々な分野全般に共通するものである。
すなわち、従来の技術では、設置面積を必要以上に拡大させることなく、具材を適切に盛り付けることについて、未だ改善の余地があった。
本発明の課題は、設置面積を必要以上に拡大させないことである。
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る処理システムは、
ロボットと、対象物を移送させる移送機構と、前記ロボット及び前記移送機構の動作を制御する制御装置と、を備えた処理システムであって、
前記制御装置は、
前記移送機構により、搬送装置の搬送面で搬送中の前記対象物を、前記搬送中の位置よりも前記ロボットに近い位置である処理位置に対して移送する第1移送動作と、
前記ロボットにより、前記処理位置で前記対象物に対して処理を する処理動作と、
前記移送機構により、処理された前記対象物を前記搬送面に再度移送することで、該対象物を前記搬送装置に再度搬送させる第2移送動作と、
を前記ロボット及び前記移送機構に実行させることを特徴とする。
本発明によれば、設置面積を必要以上に拡大させないことができる。
本発明に係る把持システム1の構成を模式的に示す模式図である。 ハンド31の先端に設置される把持部材31aの形状例を示す模式図である。 把持動作等の動作を実行する場合の、収容空間10A、ハンド31、把持部材31a、ロボットアーム32、及び具材の位置関係について示す図である。 一対の把持部材31aの開閉について示す図である。 制御装置40のハードウェア構成を示す模式図である。 制御装置40の機能的構成を示すブロック図である。 多関節ロボット30による把持動作の一例を示す模式図である。 第1実施形態における移送位置P1及び解放位置P2の近傍を拡大して示す斜視図である。 第1実施形態における移送位置P1及び解放位置P2の近傍を拡大して示す斜視図である。 移送機構21が駆動するための構成を示す図である。 把持システム1が実行する具材盛り付け処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態における移送位置P1及び解放位置P2の近傍を示す模式図である。 第2実施形態を鉛直上方から俯瞰した図である。 第3実施形態における移送位置P1及び解放位置P2の近傍を示す模式図である。 第3実施形態を鉛直上方から俯瞰した図である。 接続部材27の形状例を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[実施形態]
[構成]
図1は、本発明に係る把持システム1の構成を模式的に示す模式図である。
以下では、第1の実施形態~第3実施形態について、それぞれ詳細に説明するが、図1~図4を参照して説明する全体的な構成、図5及び図6を参照して説明する制御装置40のハードウェア及び機能的構成、及び図7を参照して説明する具材の把持の方法については、各実施形態で共通する。
ここで、各実施形態における把持システム1は、材料を盛り付けるシステムに本発明を適用することを想定したものである。以下の説明においては、把持システム1が、対象物として惣菜等の具材を把持し、この具材を個別の惣菜の容器に盛り付ける場合を例に挙げて説明する。なお、この個別の惣菜の容器への盛りつけは例示に過ぎず、他にも、例えば、複数の惣菜のそれぞれを、弁当の容器の対応する領域に個別に盛り付ける用途等に各実施形態を適用することも可能である。また、以下の説明において、盛り付けられる具材の量として、重量を例に挙げて説明するが、本発明は、重量以外であっても、体積、かさ、質量等、各種呼称の物理量を対象に適用することが可能である。
図1に示すように、把持システム1は、具材収容部10と、多関節ロボット30と、制御装置40と、遮蔽部50と、容器検出センサ61と、具材検出センサ62と、を備えている。制御装置40と、多関節ロボット30、容器検出センサ61、及び具材検出センサ62とは、有線又は無線によって通信接続されており、相互に通信可能となっている。
なお、把持システム1は、さらに、実施形態毎に、移送機構21,22,23をそれぞれ備えるが、これらの配置位置は各実施形態によってそれぞれ異なるので、図1においては、移送機構21,22,23の図示を省略する。
さらに、把持システム1に隣接して、総菜の容器を上流から下流に向かって自動的に運搬するベルトコンベア2が設置されている。ベルトコンベア2は、容器を運搬するための搬送面を有しており、容器はこの搬送面に載置された状態で搬送される。
また、このベルトコンベア2には、容器の進行方向(すなわち、ベルトコンベア2の下流)を前方向とした場合における左右の方向に、案内部材2Aが設置されている。案内部材2Aは、進行方向に向かってその左右幅が狭まっていくテーパ状の形状をしており、容器を所定の位置に案内できる構造となっている。食品が盛り付けられた容器は、案内部材2Aよりも上流においてベルトコンベア2の様々な位置(例えば、左右方向における異なる位置)にて運搬されているが、この案内部材2Aにより案内されることで、ここに到着した容器を移送先に移送する位置である移送位置P1に搬送される。
なお、各実施形態において、把持システム1のさらなる上流にて容器をベルトコンベア2の搬送面に供給する作業は、人手によって行われてもよいし、容器の供給装置によって行われてもよい。
具材収容部10は、把持システム1において盛り付けられる惣菜等の具材を収容する収容空間10Aを備えている。この収容空間10Aは、例えば、具材収容部10自体により構成されてもよいし、具材収容部10に設置可能な大型のバットやトレイ等の汎用の容器により構成されてもよい。そして、この収容空間10Aには、例えば、例えば、ポテトサラダ等の練りサラダ(粘性や粘着性を有する具材を含むサラダ)、卯の花(おから)、切り干し大根、なます、ひじき、煮豆、バターコーン等の惣菜が収容される。各実施形態において、具材収容部10には、1種類の具材が複数食分(例えば、数十食分~数百食分)収容されているものとする。そして、複数の把持システム1が何れかの惣菜等の具材を、対応する惣菜の容器に盛り付けることで、惣菜の盛り付け作業を完了させることができる。
具材収容部10の収容空間10Aは、作業者が手作業によって、又は、多関節ロボット30が自動的に交換することが可能である。
移送機構21,22,23は、ベルトコンベア2の搬送面における移送位置P1に搬送された容器を、多関節ロボット30が把持している具材を解放する位置である、解放位置P2に対して移送する。そして、多関節ロボット30が解放位置P2において、具材を容器に解放した後に、この容器を再度移送位置P1に戻す。これにより、解放によって具材を盛り付けられた容器は、再度ベルトコンベア2の搬送面に載置され、下流に向かって搬送される。
なお、移送機構21,22,23と同様に、解放位置P2の位置についても各実施形態によってそれぞれ異なるので、図1においては、解放位置P2についても図示を省略する。
多関節ロボット30は、例えば、水平多関節ロボットあるいは垂直多関節ロボット等によって構成され、盛り付けられる具材を把持可能なハンド31と、可動範囲において任意の位置にハンド31を移動させるロボットアーム32と、を備えている。
また、多関節ロボット30のハンド31を保持する関節には、ハンド31が把持部材31aにより把持した具材の物理量を取得する手段の一例として、把持した具材の重量を計測する重量センサ30Aが設置されている。また、多関節ロボット30のハンド31を保持する関節には、ハンド31が具材に接触したことを検出する手段の一例として、接触した具材からの反力(表面に接触されることで得られる力覚を含む)を計測する力センサ30Bが設置されている。重量センサ30Aによって計測された具材の重量(すなわち、把持された具材の重量)のデータや、力センサ30Bによって計測された具材からの反力(すなわち、具材への接触の検出結果)のデータは、制御装置40に出力される。
さらに、ハンド31を保持する関節は、ロボットアーム32に対してハンド31を捻り方向に回転させる軸を備えている。そのため、ハンド31が具材を把持する際に、ハンド31の向きを変化させることで、ハンド31が開閉する方向を調整することができる。これにより、ハンド31が容器の内壁面近傍に達した際に、収容空間10Aの内壁面と平行な方向にハンド31が開閉するようにハンド31の向きを変更することが可能となり、容器内壁面近傍の具材を把持し易くなる。
図2は、ハンド31の先端に設置される把持部材31aの形状例を示す模式図である。
なお、図2においては、一対で用いられる把持部材31aの一方のみが示されている。
図2に示すように、各実施形態における把持部材31aは、天板部と、主板部と、第1側板部と、第2側板部と、により構成されている。天板部は、長方形状の平面を有している。また、主板部は、天板部の有する平面を水平な状態とした場合に、この平面の長手方向の一端から、この平面の長手方向の他端の鉛直下方の離間した位置に向かって傾斜して延在している。さらに、第1側板部と第2側板部は、天板部の有する平面を水平な状態とした場合に、この平面の両端それぞれから鉛直下方に向かって延在している。
なお、以下の説明において、これら一対の把持部材31aのそれぞれを区別することなく説明する際は、単に「把持部材31a」と称する。
図3は、把持動作等の動作を実行する場合の、収容空間10A、ハンド31、把持部材31a、ロボットアーム32、及び具材の位置関係について示す図である。図10では、鉛直方向をZ方向と称し、このZ方向と直交する第1の水平方向(紙面と直交する方向)をY方向と称し、これらZ方向及びY方向のそれぞれと直交する第2水平方向をX方向と称する。すなわち、Z方向、Y方向、及びX方向はそれぞれ互いに直行する方向である。
ハンド31は、ロボットアーム32の先端に配置される。また、把持部材31aは、結合部材により、このハンド31に結合されることで、ハンド31に支持される。そして、このハンド31及びこれに結合された把持部材31aは、制御装置40の制御するロボットアーム32の動作に従って、X方向、Y方向、及びZ方向の各方向における、可動範囲内に移動することが可能である。また、ハンド31は、不図示のアクチュエータによって、一対の把持部材31aをY方向に開閉することで、把持動作を実現する。
また、ハンド31及びこれに結合された把持部材31aは、Z方向を回転軸として回転することが可能である。
このような構成により、各実施形態では、ハンド31及び把持部材31aの、位置や向きを任意に変化させることができ、これにより様々な動きで把持動作や解放動作等の動作を適切に実行することが可能となる。
図4は、一対の把持部材31aの開閉について示す図である。図2に示す把持部材31aは、結合部材により、それぞれの開口部が対向するようにハンド31に結合される。また、図4におけるX方向、Y方向、及びZ方向の各方向は、図3において定義した各方向と同一である。一対の把持部材31aは、図4(a)に示すように開閉方向(Y方向)に沿って、開く動作を行うことで、開状態となる。また、一対の把持部材31aは、把持動作を行うにあたって、図4(b)に示すように開閉方向(Y方向)に沿って、閉じる動作を行うことで、閉状態となる。
そして、一対の把持部材31aが閉状態となり、把持部材31a同士が当接することで、少なくとも先端及び側板部が閉じた内面が具材を把持するための容器形状となる。このような把持部材31aの形状の場合、練りサラダ等の具材に対して、把持部材31aの先端を表面から垂直に差し込み、所定の深さで一対の把持部材31aを閉じて具材を持ち上げることで、ほぼ一定量の具材を把持して収容空間10Aから取り出すことができる。
また、把持をした一対の把持部材31aを盛り付け位置P1の惣菜の容器の上に移送した後に、一対の把持部材31aが開状態となり、容器形状の開口部が露出することで、把持により取り出した具材が解放され、惣菜の容器にほぼ一定量の具材を盛り付けることができる。
図1に戻り、制御装置40は、PC(Personal Computer)又はプログラマブルコントローラ等の情報処理装置によって構成され、各種プログラムを実行することにより、把持システム1全体を制御する。例えば、制御装置40は、多関節ロボット30が具材収容部10から具材を把持して、惣菜の容器に解放することで具材を盛り付ける動作等を制御する。より詳細には、例えば、制御装置40は、ロボットアーム32の駆動を制御することで、ハンド31を予め設定された所定位置に所定ルート及び所定速度で移動させる動作や、ハンド31のアクチェータの駆動を制御することで、把持部材31aによる具材の把持や解放をする動作を実現する。他にも、例えば、制御装置40は、容器検出センサ61や具材検出センサ62の検出結果に基づいて、移送機構21,22,23の動作を制御する。
遮蔽部50は、把持システム1において、具材収容部10、及び多関節ロボット30が設置された領域の周囲及び情報を囲う板状部材によって構成されている。遮蔽部50を構成する板状部材は、ガラス又は樹脂等の透明な材料によって構成され、外部から把持システム1の稼動状況を視認することが可能となっている。また、遮蔽部50が構成する側壁の一部には、開閉可能な扉が設置されている。具材収容部10の収容空間10Aの交換、あるいは把持システム1のメンテナンス等が行われる場合、作業者は遮蔽部50の扉を開けて各種作業を行うことができる。
容器検出センサ61は、ベルトコンベア2にて運搬中の容器の位置を検出するセンサである。容器検出センサ61は、例えば、光学センサにより構成される。容器検出センサ61は、例えば、案内部材2Aにより案内された容器が、移送位置P1に運搬されたこと、あるいは、移送位置P1に運搬される直前であることを検出する。容器検出センサ61によって検出された容器の位置のデータは、制御装置40に出力される。
具材検出センサ62は、容器に盛り付けられている具材を検出するセンサである。具材検出センサ62は、容器検出センサ61と同様に、例えば、光学センサにより構成される。具材検出センサ62は、例えば、案内部材2Aにより案内された容器に具材が盛り付けられているか否かを検出する。具材検出センサ62によって検出された具材が盛り付けられているか否かのデータは、制御装置40に出力される。
なお、図1では、具材収容部10や多関節ロボット30の組を一組のみ示しているがこれは例示に過ぎず、1つのベルトコンベア2に対して、具材収容部10や多関節ロボット30の組が複数組存在していてもよい。すなわち、複数の多関節ロボット30が協働して作業するような状況に、各実施形態を適用することも可能である。
[制御装置40のハードウェア構成]
図5は、制御装置40のハードウェア構成を示す模式図である。
図5に示すように、制御装置40は、CPU(Central Processing Unit)711と、ROM(Read Only Memory)712と、RAM(Random Access Memory)713と、バス714と、入力部715と、出力部716と、記憶部717と、通信部718と、ドライブ719と、を備えている。
CPU711は、ROM712に記録されているプログラム、又は、記憶部717からRAM713にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM713には、CPU711が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
CPU711、ROM712及びRAM713は、バス714を介して相互に接続されている。バス714には、入力部715、出力部716、記憶部717、通信部718及びドライブ719が接続されている。
入力部715は、マウスやキーボード等の入力装置を備え、制御装置40に対する各種情報の入力を受け付ける。なお、入力部715としてマイクを備え、作業者の音声入力によって各種情報の入力を受け付けることとしてもよい。
出力部716は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
記憶部717は、ハードディスクあるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各サーバで管理される各種データを記憶する。
通信部718は、ネットワークを介して他の装置との間で行う通信を制御する。
ドライブ719には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア731が適宜装着される。ドライブ719によってリムーバブルメディア731から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部717にインストールされる。
なお、上記ハードウェア構成は、制御装置40の基本的構成であり、一部のハードウェアを備えない構成としたり、付加的なハードウェアを備えたり、ハードウェアの実装形態を変更したりすることができる。
[機能的構成]
次に、制御装置40の機能的構成について説明する。
図6は、制御装置40の機能的構成を示すブロック図である。
図6に示すように、把持システム1の動作を制御するためのプログラムを実行することにより、制御装置40のCPU711においては、センサ情報取得部151と、具材状態判定部152と、具材量判定部153と、多関節ロボット制御部154と、移送機構制御部155と、記録制御部156と、が機能する。また、記憶部717には、パラメータ記憶部171と、履歴データベース(履歴DB)172と、が形成される。
パラメータ記憶部171には、把持システム1が動作する際に用いられる各種パラメータが記憶されている。例えば、パラメータ記憶部171には、具材収容部10の収容空間10Aの位置、惣菜の容器内における具材を盛り付ける領域の位置、具材を把持する際のハンド31の具材への差し込み量と把持される具材の重量との関係(関数あるいはテーブル形式のデータ等)、多関節ロボット30の動作パターンを定義するパラメータ等が記憶される。各実施形態において、ハンド31の具材への差し込み量は、具材の重量(物理量)を推定する指標となっている。すなわち、ハンド31の具材への差し込み量と把持される具材の重量との関係から、把持された具材の実際の重量(目標とする把持重量)は、ハンド31の具材への差し込み量に基づいて推定される。
履歴DB172には、把持システム1が動作した際に取得される制御に関するパラメータ、あるいは把持システム1で盛り付けられた具材の重量の計測データが履歴として記憶される。また、履歴DB172には、具材収容部10の収容空間10Aにおける具材の状態を示す具材状態マップも記憶される。この具材状態マップの詳細については、具材状態マップを作成及び更新する記録制御部156の説明と共に後述する。
センサ情報取得部151は、把持システム1に設置された各種センサによって検出された情報であるセンサ情報を取得する。例えば、センサ情報取得部151は、多関節ロボット30の関節に設置された重量センサ30Aによって計測された具材の重量のデータや、力センサ30Bによって計測された具材からの反力のデータや、容器検出センサ61によって検出された容器の位置のデータや、具材検出センサ62によって検出された具材が盛り付けられているか否かのデータを取得する。
具材状態判定部152は、力センサ30Bによって計測された具材からの反力のデータに基づいて、具材の状態を認識する。例えば、具材状態判定部152は、力センサ30Bによって計測された具材からの反力のデータから、収容空間10A内の具材の深さ(収容空間10A内の具材表面から収容空間10A底面までの深さ)、表面の平坦度合(表面がどの程度荒れているか)を認識する。各実施形態では、カメラを用いた画像解析で具材の状態を判定するといった手法ではなく、力センサ30Bを用いた反力に基づいて具材の状態を測定するといった手法を用いる。そのため、例えば、カメラの導入コストや管理コストを削減できると共に、カメラの死角等を考慮する必要がないので、多関節ロボット30と収容空間10Aの位置等の配置をより柔軟に選択することができる。また、カメラを用いないことから、具材から生じる湯気や照明による撮影への影響を考慮する必要もない。
また、具材状態判定部152は、具材の深さ及び表面の平坦度合を認識すると、これらが具材を把持するための条件に適合しているか否か(例えば、具材の深さ及び平坦度合が設定された閾値以上であるか否か)を判定する。なお、具材の表面の平坦度合は、例えば、表面が有する凹凸の大きさの絶対値等に基づいて定義することができ、具材の表面が平坦であるほど大きい値となるように定義することができる。また、具材の表面の部分毎に平坦度合を判定することとしてもよい。また、具材状態判定部152は、収容空間10A内の具材の状態が、一度の把持動作で規定量の具材を把持可能であるか否かを判定する。
具材量判定部153は、多関節ロボット30の重量センサ30Aによって計測された具材の重量のデータに基づいて、規定量の具材が把持されたか否かを判定する。
多関節ロボット制御部154は、多関節ロボット30の動作を制御し、把持システム1において定義されている動作パターンに従って、具材を盛り付けるための一連の動作を多関節ロボット30に実行させる。例えば、多関節ロボット制御部154は、多関節ロボット30のハンド31によって具材を把持する動作(把持動作)、把持した具材を惣菜の容器に移送する動作(移送動作)、把持している具材を解放する動作(解放動作)、盛り付け後の解放具材の表面を整形する動作(整形動作)等を多関節ロボット30に実行させる。
移送機構制御部155は、容器検出センサ61によって検出された容器の位置のデータや、具材検出センサ62によって検出された具材が盛り付けられているか否かのデータに基づいて、移送機構21,22,23の動作を制御する。移送機構制御部155による具体的な制御方法においては、各実施形態それぞれの説明の際に、より詳細に述べる。
記録制御部156は、把持システム1が把持動作した際に取得された制御に関するパラメータ及び把持システム1で盛り付けられた具材の重量の計測データを履歴DB172に記憶する。また、記録制御部156は、具材収容部10の収容空間10Aにおける具材の状態を示す具材状態マップを作成及び更新すると共に、この具材状態マップについても履歴DB172に記憶する。より詳細には、記録制御部156は、把持システム1が把持動作をした際に取得された具材の重量及び具材の反力の計測データや、後述の具材状態判定部152による判定結果や、把持システム1で盛り付けられた具材の重量の計測データに基づいて、収容空間10Aの各領域の具材の状態を検出し、各領域を識別する識別情報に紐づけて記憶することで、具材状態マップを生成する。この場合、具材の状態とは、各領域における具材の残量や、後述の具材状態判定部152が判定した具材の深さや平坦度合である。また、収容空間10A内の具材が盛り付けられた後に、収容空間10Aが新たに交換された場合には、予め定められた所定量の具材(例えば、収容空間10Aに対して充分な量の具材)が、所定の状態(例えば、表面が平坦な状態)で収容されているものとして具材状態マップが更新される。
次に、多関節ロボット制御部154の制御に基づいて多関節ロボット30が実行する把持動作の詳細について説明をする。
[把持動作]
各実施形態に係る把持システム1においては、具材及び使用される把持部材31aの種類に応じて、把持部材31aを具材に差し込む深さ(差し込み量)と、そのときに把持される具材の重量との関係が、予め把握されている。例えば、把持される具材の密度(単位深さあたりの重量を表すパラメータ)を予め計測しておき、具材の密度と把持部材31aを差し込む深さとの乗算値を要素とする関数によって、把持される重量を算出(推定)することができる。これにより、簡単な演算によって、把持される具材の重量を推定することができる。
また、このように算出される重量をテーブル形式のデータとして保持しておくこともできる。さらに、1回の把持動作で平坦度合いが低下する具材の表面の範囲が把握できるため、収容空間10A内の具材の表面において、把持動作毎に把持位置をずらすピッチが設定されている。また、予め設定された把持部材31aを差し込む深さ及びピッチに基づいて、具材の表面のいずれの位置からどのように具材を把持するかの把持用の動作パターンが設定されている。そして、この把持用の動作パターンに従って、以下のように把持動作が行われる。
図7は、多関節ロボット30による把持動作の一例を示す模式図である。
図7に示すように、多関節ロボット30が具材を把持する場合、(1)具材にアプローチする、(2)具材の表面を検出する、(3)把持部材31aを具材に差し込む、(4)把持部材31aを閉じることで把持部材31aを閉状態とする、(5)把持した具材の重量(物理量)を計測する、という手順で具材が把持される。把持した重量が規定量に適合する場合、惣菜の容器に具材が移送されて解放される。なお、把持した重量が規定量に適合するとは、例えば、目標とする重量に対して、把持した具材の重量が所定誤差以内(±15%以内等)にあることをいう。ただし、把持部材31aに具材が粘着して解放されないケースを考慮し、把持した重量が規定量よりも多い場合の誤差を少ない場合の誤差よりも大きく設定することとしてもよい。一方、把持した重量が規定量に適合しない場合、さらに、(6)収容空間10Aにおける把持した位置に具材を解放する(具材を戻す)、(7)把持した具材の重量が超過していた場合(例えば、把持した具材の重量が規定量の範囲の上限を超えている場合)には、前回よりも把持部材31aを具材に差し込む深さを浅く修正して具材を把持する、(8)把持した具材の重量が不足していた場合(例えば、把持した具材の重量が規定量の範囲の下限を下回っている場合)には、前回よりも把持部材31aを具材に差し込む深さを深く修正して具材を把持する、という手順で具材が再把持される。
手順(2)で具材の表面を検出することは、力センサ30Bにより、多関節ロボット30の把持部材31aが具材に接触することで受ける反力を計測することで可能である。
また、手順(3)で具材に把持部材31aを差し込む場合、多関節ロボット30の制御パラメータ(関節の回転角度等)から差し込み量を算出したり、手順(2)で具材の表面を検出して差し込みを開始してからの経過時間から差し込み量を算出したりすることが可能である。
また、手順(8)において、前回よりも把持部材31aを具材に深く差し込んだとしても、規定量の具材を把持できない場合(規定量を取るために必要な差し込み深さよりも、把持予定位置における具材の深さが浅い場合)等には、具材表面の複数箇所から具材を把持することにより、複数回で把持した合計の具材の量が規定量となるように制御することも可能である。この場合、例えば、具材の表面における複数箇所に把持部材31aを差し込む深さの合計(差し込み量の合計)が、一度で規定量の具材を把持する場合に把持部材31aを具材に差し込む深さと同一となるように制御することができる。また、例えば、2箇所目以降の把持を行う場合に、把持済みの具材を次の把持予定位置に一旦解放し、解放した具材が存在する具材の表面に対して、一度で規定量の具材を把持する場合に差し込む深さまで把持部材31aを具材に差し込み、規定量の具材を改めて一度で把持するように制御することも可能である。
なお、把持部材31aを具材に差し込む深さ(差し込み量)と、そのときに把持される具材の重量との関係については、具材の密度から算出(推定)することの他、把持部材31aを差し込んだ深さのデータと、そのときに把持された具材の重量を計測したデータとを機械学習し、機械学習によって生成された機械学習モデルを用いて、把持される重量を推定することとしてもよい。また、この機械学習の過程において具材の密度を算出し、算出した密度を用いて、把持部材31aを具材に差し込んだ深さ(差し込み量)から、把持された具材の重量を算出してもよい。
[第1実施形態]
[構成及び機能]
以上、各実施形態において共通する内容について説明をした。次に、第1実施形態の具体的構成及び動作について図面を参照して説明する。
図8及び図9は、第1実施形態における移送位置P1及び解放位置P2の近傍を拡大して示す斜視図である。これらの図では、図1と同様に、紙面の左側がベルトコンベア2における搬送の上流であり、紙面の右側がベルトコンベア2における搬送の下流となる。
図8には、ベルトコンベア2と、案内部材2Aと、具材収容部10と、移送機構21と、多関節ロボット30と、容器検出センサ61と、具材検出センサ62とを示す。これらの機能構成については、図1を参照して上述した通りである。
まず、多関節ロボット30は、具材の密度から、具材収容部10に対する差し込み深さを算出する。そして、多関節ロボット30は、算出した差し込み深さに基づいて、規定量の具材を把持して待機する。
次に、ベルトコンベア2の搬送面に載置された容器は、案内部材2Aにより案内されることで、容器を移送先に移送する位置である移送位置P1に搬送される。
この移送位置P1には、移送機構21が配置されている。この移送機構21は、移送位置P1に搬送された容器を、多関節ロボット30が把持している具材を解放する位置である、解放位置P2に対して移送する機構である。なお、移送機構21が移送のための動作しない場合、容器は移送機構21を通過して、そのままベルトコンベア2の下流に搬送される。
移送機構21の動作は、制御装置40の移送機構制御部155により制御される。そのために、移送機構制御部155は、センサ情報取得部151を介して、容器検出センサ61によって検出された容器の位置のデータや、具材検出センサ62によって検出された具材が盛り付けられているか否かのデータを取得する。そして、移送機構制御部155は、まず容器検出センサ61によって検出された容器の位置のデータに基づいて、容器が、移送位置P1に運搬されたこと、あるいは、移送位置P1に運搬される直前であることを検出する。なお、惣菜等の容器としては、色を有している容器も利用されるが、透明な容器も一般的に利用されている。容器検出センサ61は、このように色を有している容器や透明の容器の何れについても検出することが可能である。
移送機構制御部155は、移送位置P1への容器の搬送を検出すると、次に、この容器が惣菜の具材が盛り付けられていない容器(すなわち、空の容器)であるか、それとも、すでに具材が盛り付けられている容器であるかを、具材検出センサ62の検出結果に基づいて、判定する。なお、この判定を行う理由であるが、上述したように、1つのベルトコンベア2に対して、複数の多関節ロボット30が配置され、これら複数の多関節ロボット30が協働して作業しているような場合に、すでに上流の多関節ロボット30によって具材が盛り付けられている容器が搬送されてくる可能性があるからである。
具材検出センサ62は、距離検知型の光電センサであり、移送位置P1の鉛直上方に所定の高さ(例えば、搬送面から15[cm]程度)に配置される。移送機構制御部155は、具材がすでに盛り付けられている場合を想定した、搬送面からの具材の高さについて閾値を設定する。そして、移送機構制御部155は、具材検出センサ62の検出結果に基づいて、一定時間この閾値を超える高さが検出され続けた場合に、具材がすでに盛り付けられていると判定する。
なお、例えば、空の容器のある程度の高さのある部分(例えば、容器の周縁部)が、仮にこの閾値を超えたとしても、それは、短時間に過ぎず一定時間未満となる。従って、この空の容器について、具材がすでに盛り付けられていると、誤って判定してしまうことを防止することができる。
この場合、この一定時間の長さは、例えば、容器検出センサ61が容器を検出してから、この容器が搬送されて移送位置P1を通り過ぎてしまうまでの時間よりも短い時間の範囲で適宜設定することができる。
そして、移送機構制御部155は、容器検出センサ61により容器が検出され、且つ、具材検出センサ62の検出結果に基づいて具材が盛り付けられていないと判定できた場合に、この容器は具材を盛り付ける空の容器であると特定する。すると、移送機構制御部155は、この空の容器を、多関節ロボット30が把持している具材を解放する位置である、解放位置P2に対して移送するように、移送機構21を駆動する。一方で、移送機構制御部155は、容器が検出されない場合や、容器は検出されたが具材がすでに盛り付けられている場合には、移送機構21を駆動することなく、待機させる。
図9は、移送機構21が駆動し、容器を移送位置P1から解放位置P2に移送した状態を示す。解放位置P2は、移送位置P1よりも多関節ロボット30のハンド31に近い位置である。本実施形態では、解放位置P2は、搬送面の鉛直上方の位置となる。移送機構21は、解放動作が終了するまで容器を解放位置P2において保持する。そして、多関節ロボット30は、一対の把持部材31aを開く動作を行うことで、把持している具材を、解放位置P2で保持されている容器に対して解放する。このように、把持部材31aの近くで解放を行うことで、解放時の勢いを抑制でき、解放時に具材が飛散等することを防止できる。また、把持部材31aを必要以上に移動させる必要がなくなることから、把持部材31aの移動経路において、具材が落下してしまうことも防止できる。
そして、移送機構制御部155は、多関節ロボット30による解放が終了すると、移送機構21を再度駆動させて、容器(ここでは、具材を盛り付け済みの容器)を解放位置P2から、移送位置P1に移送させる。容器は、移送位置P1に移送されると、ベルトコンベア2の搬送面に再度載置され、ベルトコンベア2の下流に向かって搬送される。
この場合に、単に多関節ロボット30による解放が終了したことのみを条件として、容器を移送位置P1に移送してしまうと、移送位置P1に運搬された他の容器と衝突してしまう可能性がある。そこで、移送機構制御部155は、容器検出センサ61の検出結果に基づいて、他の容器が、移送位置P1に運搬されていないことや、移送位置P1に運搬される直前ではないことを確認できたタイミングで、容器を移送位置P1に移送する。そのため、容器同士の衝突という事態の発生を防止することができる。
これにより、第1実施形態における一連の動作は、終了する。
ここで、移送機構21は、図に示すアクチュエータ25によって、上述したように移送を行うために駆動する。アクチュエータ25は、直動運動を行うアクチュエータであって、例えば、エアシリンダーによって実現される。
図10は、移送機構21が駆動するための構成を示す図である。図10では、移送機構21が、容器を移送位置P1から解放位置P2に移送させたタイミングを図示する。なお、移送位置P1にあった容器については、破線の想像線によって示す。
移送機構21は、第1駆動機構211と、第2駆動機構212と、容器保持部213と、を備える。
第1駆動機構211と、第2駆動機構212は、細長い板状の部材であり、それぞれネジ等の固定具で回動可能な状態で固定される。容器保持部213は、移送の際に容器を保持する部材であり、例えば、容器の両端の側面及び両端の底面に沿った形状に形成される。第1駆動機構211と、第2駆動機構212は、ネジ等で固定されていない端によって、容器保持部213を支持する。
このような各部により移送機構21は、リンク機構を形成する。そして、アクチュエータ25が直動運動する力(ここでは、アクチュエータ25が伸びる力)を第1駆動機構211に対して伝達することにより、第1駆動機構211が回動すると共に、リンク機構を形成している第2駆動機構212も回動する。そして、この回動に伴い、容器保持部213は、移送位置P1から解放位置P2に上昇するように移動する。また、その後、アクチュエータ25が逆方向に直動運動し、アクチュエータ25が縮むことで、第1駆動機構211と、第2駆動機構212は、逆方向に回動する。そして、この回動に伴い、容器保持部213は、解放位置P2から移送位置P1に下降するように移動する。これにより、移送機構21による、移送は実現される。
[全体動作]
次に、把持システム1の全体動作を説明する。
図11は、把持システム1が実行する具材盛り付け処理の流れを示すフローチャートである。具材盛り付け処理は、例えば、作業者によって具材盛り付け処理を開始させる操作が行われたことを契機として開始される。
具材盛り付け処理が開始されると、図11のステップS11において、多関節ロボット制御部154は、具材盛り付け処理における一連の動作を実行するための動作用のデータ(動作パターンのデータ及びハンド31の差し込み量のデータ等)をパラメータ記憶部171から読み込むことで、具材を把持するための準備を行う。
ステップS12において、多関節ロボット制御部154は、動作パターンのデータに従って、収容空間10Aへ、ハンド31を移送する。
ステップS13において、具材状態判定部152は、具材収容部10の収容空間10Aにおける具材の状態を示す具材状態マップを履歴DB172から読み込むことで、収容空間10Aにおける具材の状態を認識する。具材状態判定部152は、その後も、センサ情報取得部151が取得した、力センサ30Bによって計測された具材からの反力のデータに基づいて、具材の状態の認識を継続する。
ステップS14において、ステップS11において読み込んだ動作パターンのデータと、ステップS13において認識した収容空間10Aにおける具材の状態とに基づいて、具材に対して把持部材31aを差し込む深さを決定する。
ステップS15において、多関節ロボット制御部154は、決定された差し込み深さまで、具材に対して把持部材31aを差し込む。
ステップS16において、多関節ロボット制御部154は、把持部材31aを閉じて具材を把持する。
ステップS17において、具材量判定部153は、把持している把持具材の重量(物理量)を計測し、規定量の具材が把持されているか否かを判定する。規定量の具材が把持されている場合は、ステップS17においてYesと判定され、処理はステップS18に進む。一方で、規定量の具材が把持されていない場合は、ステップS17においてNoと判定され、処理はステップS14から再度行われる。この場合、把持している把持具材が規定量より超過しているのであれば、再度行われるステップS14において、差し込み深さはより浅くなるように再決定される。一方で、把持している把持具材が規定量より不足しているのであれば、再度行われるステップS14において、差し込み深さはより深くなるように再決定される。なお、このステップS14からステップS17までの処理は、図8を参照して説明した把持動作に相当する。
ステップS18において、移送機構制御部155は、容器検出センサ61の検出結果に基づいて、移送位置P1において容器が検出されたか否かを判定する。容器が検出された場合は、ステップS18においてYesと判定され、処理はステップS19に進む。一方で、容器が検出されていない場合は、ステップS18においてNoと判定され、処理はステップS18の判定を繰り返す。
ステップS19において、移送機構制御部155は、具材検出センサ62の検出結果に基づいて、すでに具材が盛り付けられている容器であるか否かを判定する。すでに具材が盛り付けられている場合は、ステップSにおいてYesと判定され、処理はステップS18に戻り、ステップS18の判定を再度行う。一方で、具材が盛り付けられていない場合は、ステップS19においてNoと判定され、処理はステップS20に進む
ステップS20において、移送機構制御部155は、移送機構21を駆動させ、容器を移送位置P1から解放位置P2に移送させる。
ステップS21において、多関節ロボット制御部154は、把持している具材を、解放位置P2において、容器に解放する。
ステップS22において、移送機構制御部155は、容器検出センサ61の検出結果に基づいて、移送位置P1において容器が検出されたか否かを判定する。容器が検出された場合は、ステップS22においてYesと判定され、処理はステップS22の判定を繰り返す。一方で、容器が検出されていない場合は、ステップS22においてNoと判定され、処理はステップS23に進む。
ステップS23において、移送機構制御部155は、移送機構21を駆動させ、容器を解放位置P2から移送位置P1に移送させる。容器(ここでは、具材を盛り付け済みの容器)は、移送位置P1に移送されると、ベルトコンベア2の搬送面に再度載置され、ベルトコンベア2の下流に向かって搬送される。
ステップS24において、記録制御部156は、具材盛り付け処理において取得された制御に関するパラメータ及び盛り付けられた具材の重量の計測データ(履歴データ)を履歴DB172に記憶する。また、記録制御部156は、具材収容部10の収容空間10Aにおける具材の状態を示す具材状態マップを更新し、この更新後の具材状態マップも履歴DB172に記憶する。なお、この場合に、盛り付けられた具材の重量に過不足がある場合には、作業者に対してアラートを出力する等してもよい。
ステップS25において、多関節ロボット制御部154は、具材盛り付け処理を終了する条件に適合したか否かを判定する。この場合、具材盛り付け処理を終了する条件としては、予定された数の惣菜の容器に具材を盛り付けたこと、あるいは、作業者によって具材盛り付け処理を終了させる操作が行われたこと等を定義することができる。
具材盛り付け処理を終了する条件に適合していない場合は、ステップS25においてNoと判定されて、処理はステップS12から再度行われる。一方で、具材盛り付け処理を終了する条件に適合している場合は、ステップS25においてYesと判定されて、具材盛り付け処理は終了する。
以上のように、本実施形態に係る把持システム1は、ベルトコンベア2の搬送面ではなく、多関節ロボット30に近い位置である解放位置P2において、盛り付けのための解放を行うことができる。そのため、多関節ロボット30は、解放の際に長い距離を移動する必要がなく、移動経路での具材の落下を防止できる。また、多関節ロボット30は、容器の近傍にて盛り付けを行うことから、ロボットアーム32を伸ばして遠方で盛り付けを行う場合と比べて、より精度の高い動きが実現でき、適切な盛り付けを実現できる。そのため、盛り付けのために、具材を解放した際に、ベルトコンベア2上に具材を落下させてしまうことを抑制できる。
また、このような各搬送動作を行う移送機構21,22,23は、設置面積をほとんど拡大することのない、比較的簡単な構成の駆動機構で実現することができる。また、把持システム1は、上述した従来技術のように、多関節ロボット30の周辺に、供給機を配置する必要や、供給する容器をストックする必要はない。さらに、具材が解放された容器を同じベルトコンベア2の搬送面に再度移送することから、例えば、盛り付け前の容器を搬送する第1ベルトコンベアと、盛り付け後の容器を搬送する第2ベルトコンベアと、のように複数のベルトコンベアを用意する必要もない。
従って、把持システム1によれば、ロボットによって把持した具材を解放する場合に、設置面積を必要以上に拡大させることなく、具材を適切に盛り付けることができる。
また、把持システム1では、搬送面の進行方向と交わる方向において、搬送面、多関節ロボット30、具材収容部10の順に配置されている。
これにより、解放の際に容器と多関節ロボット30の距離が近付くのみならず、把持の際に多関節ロボット30と具材収容部10との距離が短くなるよう配置される。従って、多関節ロボット30が把持の際に移動すべき距離と、解放の再起に移動すべき距離との合計距離も短くすることができる。そのため、移動経路での具材の落下を、より防止できる。
[第2実施形態]
[構成及び機能]
上述した第1実施形態では、解放位置P2は、搬送面の鉛直上方の位置であった。このようにすれば、多関節ロボット30の周辺に、解放位置P2となる場所を用意する必要がなくなり、設置面積をより縮小できる。また、第1実施形態では、把持部材31aの近くで解放を行うことで、解放時の勢いを抑制でき、解放時に具材が飛散等することを防止できる。しかしながら、具材の特性(例えば、汁気が多い)によっては、飛散等が全く生じないとはいえない場合がある。
そこで、第2実施形態では、多関節ロボット30の側面を解放位置P2とする。これにより、解放位置P2を設けるための場所が多少必要にはなるが、ベルトコンベア2の搬送面への具材の飛散を、より確実に防止することができる。
図12は、第2実施形態における移送位置P1及び解放位置P2の近傍を示す模式図である。図12では、ベルトコンベア2の進行方向を紙面の手前側とした側面図である。なお、以下の説明において、上述した各実施形態で共通する構成や機能、及び第1実施形態と共通する構成や機能については、重複する説明や図示を適宜省略する。
図12には、ベルトコンベア2、移送機構22、アクチュエータ25、及び多関節ロボット30を示す。また、移送機構22は、第1駆動機構221と、第2駆動機構222と、容器保持部223と、を備える。
本実施形態では、移送位置P1は、第1実施形態と同様である。一方で、解放位置P2は、図示するように多関節ロボット30の側面部分に設けられた作業台の上となる。移送機構22は、移送機構21と同様に、アクチュエータ25により駆動するリンク機構を形成している。ここで、第2実施形態では、第1実施形態のように容器を搬送面で上昇させるのではなく、水平方向に移動させる必要がある。そのため、図12では視認できないが、第2駆動機構222は紙面奥側にも1つ存在しており、紙面手前側の第2駆動機構222と同様に、第1駆動機構221に固定されている。すなわち、本実施形態では、一対の(2つの)第2駆動機構222で、第1駆動機構221を挟み込むような構成で、一対の第2駆動機構222が並列(パラレル)で駆動する、パラレルリンク機構を形成している。このように、一対の第2駆動機構222で、容器保持部223を両端から支持することで、より安定した状態となり、容器保持部223を水平方向に適切に移動させることができる。
図13は、本実施形態を鉛直上方から俯瞰した図である。図13には、ベルトコンベア2、具材収容部10、移送機構22、アクチュエータ25、及び多関節ロボット30を図示する。
図13(a)に示すように、移送機構制御部155は、移送位置P1に空の容器が搬送されると、移送機構22を駆動させ、容器を移送位置P1から解放位置P2に移送する。また、図13(b)に示すように、移送機構制御部155は、多関節ロボット30により具材が解放されると、移送機構22を駆動させ、容器を解放位置P2から移送位置P1に移送する。何れの場合も、移送を行う条件は、第1実施形態と同様である。
ここで、移送機構22と、解放位置P2の間には遮蔽板が配置されている。これにより、移送機構22の、第1駆動機構221と第2駆動機構222については、解放位置P2から遮蔽される。これにより、仮に解放位置P2において解放を行う際に、具材が飛散したとしても、第1駆動機構221や第2駆動機構222には、この飛散した具材は付着しない。なお、遮蔽板には、移送機構22による移送を阻害しないように、側面の一部分が切り抜かれている。具体的に、パラレルリンク機構による駆動では、毎回同じ軌跡を通って移動するので、遮蔽板は、この軌道に沿った形状で切り抜かれている。これにより、遮蔽板と、第1駆動機構221や第2駆動機構222と干渉することなく、移送を行うことができる。
[第3実施形態]
[構成及び機能]
上述した第1実施形態や第2実施形態では、リンク機構により移送機構21や移送機構22を実現し、このリンク機構によって移送を行っていた。この点、リンク機構は、高さ方向にも移動するので、ベルトコンベア2の高さが多少異なる機種であったとしても、ある程度は、対応可能である。第3実施形態では、高さ方向の差異に、よりに対応可能な構成とする。
図14は、第3実施形態における移送位置P1及び解放位置P2の近傍を示す模式図である。図14では、ベルトコンベア2の進行方向を紙面の手前側とした側面図である。なお、以下の説明において、上述した各実施形態で共通する構成や機能、及び第1実施形態や第2実施形態と共通する構成や機能については、重複する説明や図示を適宜省略する。
図13には、ベルトコンベア2、移送機構23、アクチュエータ26、及び多関節ロボット30を示す。また、移送機構23は、第1駆動機構231と、容器保持部233と、を備える。
本実施形態では、移送位置P1は、第1実施形態及び第2実施形態と同様である。また、解放位置P2は、第2実施形態と同様に、また図示するように、多関節ロボット30の側面部分に設けられた作業台の上となる。
本実施形態では、アクチュエータ25に代えてアクチュエータ26が、ベルトコンベア2の鉛直上方に配置される。アクチュエータ26は、エアシリンダーであり、本実施形態では、ベルトコンベア2の進行方向と直交する方向(紙面における左右方向)に直動運動をする。
移送機構23の第1駆動機構231は、アクチュエータ26の駆動部と連結されており、アクチュエータ26の直動運動に伴って、ベルトコンベア2の進行方向と直交する方向(紙面における左右方向)に直動運動をする。この第1駆動機構231は、さらに容器保持部233とも連結されており、結果として、容器保持部233も同様の直動運動をする。このように、本実施形態の移送機構23は、リンク機構等ではなく、比較的簡単な構成の駆動機構で実現することができる。
図15は、本実施形態を鉛直上方から俯瞰した図である。図15には、ベルトコンベア2、具材収容部10、移送機構23、接続部材27、及び多関節ロボット30を図示する。
接続部材27は、ベルトコンベア2の搬送面と、解放位置P2が設けられた作業台の天面とを接続する部材である。接続部材27の詳細な構造については、図16を参照して後述する。
このように、本実施形態では、接続部材27を介して、ベルトコンベア2の搬送面と作業台の天面とが接続されている。そこで、移送機構23は、アクチュエータ26の水平方向への直動運動を利用して、搬送面の移送位置P1から作業台の天面の解放位置P2まで容器をスライドさせることで容器の移送をする。
具体的には、図15(a)に示すように、移送機構制御部155は、移送位置P1に空の容器が搬送されると、移送機構23を駆動させ、容器保持部233の一端(紙面における左側の端)で容器に当接しながら、容器を移送位置P1から解放位置P2に移送する。また、図15(b)に示すように、移送機構制御部155は、多関節ロボット30により具材が解放されると、移送機構23を駆動させ、容器保持部233の他端(紙面における右側の端)で容器に当接しながら、容器を解放位置P2から移送位置P1に移送する。何れの場合も、移送を行う条件は、第1実施形態と同様である。
このように、本実施形態では、リンク機構等ではなく、比較的簡単な構成の駆動機構で移送機構23を実現することができる。また、スライドをさせるのみなので、作業台の天面の高さをベルトコンベア2に合わせればよく、移送機構23の構成等を変更せずとも、様々な高さのベルトコンベア2に対応することが可能となる。さらに、本実施形態では、アクチュエータ26が解放位置P2よりも鉛直上方に離間した位置にあるため、仮に解放時に具材の飛散があったとしても、アクチュエータ26に具材が付着することを防止することができる。
図16は、接続部材27の形状例を示す模式図である。接続部材27は、スリットが設けられた底部と、左右に設けられた一対のガイド部により構成される。一対のガイド部は、移送位置P1側から解放位置P2側に向かってその幅が狭まっていくテーパ状の形状をしており、容器を解放位置P2に案内できる構造となっている。
また、接続部材27は、底部にスリットが設けられたことによって、仮に解放位置P2において具材の汁気等が飛散したとしても、その飛散した汁気等は、スリットから落下するので、盛り付け後に移送位置P1に移送される容器の底部に付着することを防止できる。
また、接続部材27の、移送位置P1側の先端部分は、鉛直上方に隆起した山型の形状となっている。仮に、このような形状ではなく、平坦な形状の場合、搬送面の高さと、作業台の天面の高さが多少でも相違していると、その部材は、一方から他方に傾いた形状となり、他方から一方側にスライドさせることが困難となる。これに対して、接続部材27は、この山型の形状を乗り越えれば他方に下っていくようにスライドすることになるので、搬送面の高さと、作業台の天面の高さが多少相違していたとしても、この相違を吸収して、容器を適切にスライドできる。
このように、本実施形態では、接続部材27も特徴的な構造とすることで、より確実に容器の移送を実現することができる。
[変形例1]
上述した各実施形態では、多関節ロボット30は、容器の近傍にて盛り付けを行うことから、ロボットアーム32を伸ばして遠方で盛り付けを行う場合と比べて、より精度の高い動きが実現でき、適切な盛り付けを実現できる。そこで、多関節ロボット30は、このより精度の高い動きを利用して、容器に具材を解放した後に、さらに解放した具材を整形する動作や、解放後に把持部材31aに付着した具材を、容器に残さず解放する動作を行うようにしてもよい。
この場合に、解放した具材を整形する動作としては、例えば、一度解放した具材を、容器から再度把持して、さらに再度容器に解放することでより安定した形状に整形する動作が考えられる。他にも、例えば、容器に解放した状態から把持部材31aを閉じながら上昇することで山型の形状に整形する動作が考えられる。他にも、例えば、把持部材31aの先端で解放した具材を突っつくことで、具材同士を強固に結合させ、解放した具材が崩れることを防止する整形動作が考えられる。
また、解放後に把持部材31aに付着した具材を、容器に残さず解放する動作としては、例えば、把持部材31aを振動させ、これにより把持部材31aに付着した具材を落下させる動作が考えられる。また、容器の鉛直上方から下降し、その際に急停止することで、慣性力で把持部材31aに付着した具材を落下させる動作が考えられる。
一般的な技術のように、ベルトコンベアの搬送面で盛り付けを行う場合には、このような動作を行うことは困難である。しかしながら、上述した各実施形態では、多関節ロボット30は、容器の近傍にて、停止している容器に対して動作を行うので、これら例示したような複雑な動作をさらに行うことが可能となる。
[変形例2]
上述の実施形態において、一対の把持部材31a(すなわち、2つの把持部材31a)を用いることを想定したが、これに限られない。3つ以上の複数の把持部材31aを用いるようにしてもよい。そして、各把持部材31aの開口部を近づけることで把持動作を行い、各把持部材31aの開口部を遠ざけることで解放動作を行うような構成としてもよい。
この場合、例えば、3つの把持部材31aを用いるのであれば、鉛直上方から俯瞰した場合に、それぞれの中心角が120°の3つの把持部材31aの先端を中央に近づけたり遠ざけたりするようにする。
このようにしても、上述した案内動作等の各動作を実行することができる。
[変形例3]
上述の実施形態において、具材状態判定部152は、力センサ30Bによって計測された具材からの反力(すなわち、具材への接触の検出結果)のデータに基づいて、具材の状態を判定するものとしたが、これに限られない。
カメラの設置コスト等が問題とならない場合には、カメラ(すなわち、撮像装置)によって撮影を行うことにより、具材の状態を判定するようにしてもよい。また、上述の実施形態において、多関節ロボット30が把持した具材の重量あるいは惣菜の容器に盛り付けられた具材の重量を重量センサ30Aによって計測するものとしたが、これに限られない。
例えば、撮像装置によって撮像された具材の画像から、具材の体積を推定し、密度と推定された体積を乗算すること等により、具材の重量を算出することも可能である。
この場合、重量センサ30Aを用いることなく、具材の重量を算出する手段を実装することができる。
[構成例]
以上のように、本実施形態における把持システム1は、把持部材31aを備えた多関節ロボット30と、容器を移送させる移送機構21,22,23と、多関節ロボット30及び移送機構21,22,23の動作を制御する制御装置40と、を備える。
制御装置40は、
移送機構21,22,23により、ベルトコンベア2の搬送面で搬送中の容器を、搬送中の位置よりも多関節ロボット30に近い位置である解放位置P2に対して移送する第1移送動作と、
多関節ロボット30により、把持部材31aが把持している具材を解放位置P2で容器に対して解放する解放動作と、
移送機構21,22,23により、具材が解放された容器を搬送面に再度移送することで、該容器をベルトコンベア2に再度搬送させる第2移送動作と、
を多関節ロボット30及び移送機構21,22,23に実行させる。
これにより、把持システム1は、ベルトコンベア2の搬送面ではなく、多関節ロボット30に近い位置である解放位置P2において、盛り付けのための解放を行うことができる。そのため、多関節ロボット30は、解放の際に長い距離を移動する必要がなく、移動経路での具材の落下を防止できる。また、多関節ロボット30は、容器の近傍にて盛り付けを行うことから、ロボットアーム32を伸ばして遠方で盛り付けを行う場合と比べて、より精度の高い動きが実現でき、適切な盛り付けを実現できる。そのため、盛り付けのために、具材を解放した際に、ベルトコンベア2上に具材を落下させてしまうことを抑制できる。
また、このような各搬送動作を行う移送機構21,22,23は、設置面積をほとんど拡大することのない、比較的簡単な構成の駆動機構で実現することができる。また、把持システム1は、上述した従来技術のように、多関節ロボット30の周辺に、供給機を配置する必要や、供給する容器をストックする必要はない。さらに、具材が解放された容器を同じベルトコンベア2の搬送面に再度移送することから、例えば、盛り付け前の容器を搬送する第1ベルトコンベアと、盛り付け後の容器を搬送する第2ベルトコンベアと、のように複数のベルトコンベアを用意する必要もない。
従って、把持システム1によれば、ロボットによって把持した具材を解放する場合に、設置面積を必要以上に拡大させることなく、具材を適切に盛り付けることができる。
把持部材31aが解放動作に先立って把持しておく具材が収容された具材収容部10をさらに備えると共に、
搬送面の進行方向と交わる方向において、搬送面、多関節ロボット30、具材収容部10の順に配置されている。
これにより、解放の際に容器と多関節ロボット30の距離が近付くのみならず、把持の際に多関節ロボット30と具材収容部10との距離が短くなるよう配置される。従って、多関節ロボット30が把持の際に移動すべき距離と、解放の再起に移動すべき距離との合計距離も短くすることができる。そのため、移動経路での具材の落下を、より防止できる。
解放位置P2は、搬送面の鉛直上方の位置であり、
第1移送動作を行った移送機構21は、解放動作が終了するまで容器を解放位置P2において保持する。
これにより、多関節ロボット30の周辺に、解放位置P2を用意する必要がなくなり、設置面積をより縮小できる。
解放位置P2は、搬送面の進行方向と交わる方向にある位置であり、
移送機構22の駆動部分は、解放位置P2とは遮蔽された位置で駆動する。
これにより、解放を行った際に、解放位置P2において仮に具材の飛散等が発生しても、移送機構22の駆動部分に具材が付着することを防止できる。
解放位置P2は、搬送面の進行方向と交わる方向において搬送面と近接する位置であり、
第1移送動作において、移送機構23は、容器を搬送面から解放位置P2までスライドさせることで容器の移送をする。
これにより、スライドさせるための比較的簡単な構成の駆動機構で、移送機構23を実現することができる。
搬送面で搬送されている容器を検出する容器検出センサ61をさらに備え、
制御装置40は、検出手段の検出結果に基づいて、第2移送動作の対象とする容器と、搬送面で搬送されている他の容器とが衝突しないタイミングで、移送機構21,22,23に第2移送動作を実行させる。
これにより、第2移送動作において、具材を盛り付け済みの容器と、他の容器とが衝突することを防止できる。
搬送面で搬送されている容器を検出する容器検出センサ61と、
搬送面で搬送されている容器に開放されている具材を検出する具材検出センサ62と、
をさらに備え、
制御装置40は、
容器検出センサ61で検出された容器であって、且つ、具材検出センサ62で具材が検出されなかった容器を対象として移送機構21,22,23に実行させる。
これにより、具材が既に盛り付け済みの容器を移送することなく、具材をこれから盛り付けるべき容器(すなわち、空の容器)のみを移送することができる。
多関節ロボット30及び移送機構21,22,23の組を、複数組備え、
制御装置40は、
複数組の多関節ロボット30及び移送機構21,22,23に、1つのベルトコンベア2の1つの搬送面を対象として、第1移送動作及び第2移送動作を実行させる。
これにより、上述した各センサによる制御を利用した盛り付け済みの容器を検出することや衝突を防ぐことというメリットを有効に活用して、複数の多関節ロボット30を協働させることができる。
なお、上述の実施形態及び変形例は、本発明の実施形態の一例であり、本発明の機能を実現する種々の実施形態が本発明の範囲に含まれる。
例えば、上述の実施形態及び変形例において、惣菜を盛り付ける把持システムに本発明を適用する場合を例に挙げて説明したが、本発明は、種々の対象物を把持するシステムに適用することができる。例えば、練ったモルタル、コンクリート、漆喰、粘土等、粘性あるいは粘着性が高い材料を把持するシステムに本発明を適用することができる。本発明は、作業温度又は室温において中粘度以上(5000mPa・s)以上の粘度を有する対象物を把持する際に好適である。
また、上述の実施形態に記載された例を適宜組み合わせて、本発明を実施することが可能である。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図6の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。すなわち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が把持システム1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図5の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
プログラムを記憶する記憶媒体は、装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディア、あるいは、装置本体に予め組み込まれた記憶媒体等で構成される。リムーバブルメディアは、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクあるいはフラッシュメモリ等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu-ray Disc(登録商標)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。フラッシュメモリは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリあるいはSDカードにより構成される。また、装置本体に予め組み込まれた記憶媒体は、例えば、プログラムが記憶されているROMやハードディスク等で構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
上記実施形態は、本発明を適用した一例を示しており、本発明の技術的範囲を限定するものではない。すなわち、本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができ、上記実施形態以外の各種実施形態を取ることが可能である。本発明が取ることのできる各種実施形態及びその変形は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 把持システム、2 ベルトコンベア、2A 案内部材、10 具材収容部、10A 収容空間、21、22、23 移送機構、211、221 第1駆動機構、212、222 第2駆動機構、213、223 容器保持部、25、26 アクチュエータ、27 接続部材、30 多関節ロボット、30A 重量センサ、30B 力センサ、31 ハンド、31a 把持部材、32 ロボットアーム、40 制御装置、50 遮蔽部、61 容器検出センサ、62 具材検出センサ、151 センサ情報取得部、152 具材状態判定部、153 具材量判定部、154 多関節ロボット制御部、155 移送機構制御部、156 記録制御部、171 パラメータ記憶部、172 履歴データベース(履歴DB)、711 CPU、712 ROM、713 RAM、714 バス、715 入力部、716 出力部、717 記憶部、718 通信部、719 ドライブ、731 リムーバブルメディア

Claims (5)

  1. ロボットと、容器を移送させる移送機構と、前記ロボット及び前記移送機構の動作を制御する制御装置と、を備えた処理システムであって、
    前記制御装置は、
    前記移送機構により、搬送装置の搬送面で搬送中の前記容器を、前記搬送中の位置よりも前記ロボットに近い位置である解放位置に対して移送する第1移送動作と、
    前記ロボットにより、前記解放位置で前記容器に対して対象物を解放する解放動作と、
    前記移送機構により、前記対象物が解放された前記容器を前記搬送面に再度移送することで、該容器を前記搬送装置に再度搬送させる第2移送動作と、
    を前記ロボット及び前記移送機構に実行させ
    前記第1移送動作及び前記第2移送動作において、前記移送機構は、前記容器の端部に水平方向から当接しながら水平方向に動くことで前記容器を移送する、
    ことを特徴とする処理システム。
  2. 前記移送機構は、前記搬送装置の搬送方向と交差する方向に隔てて並ぶ2つの壁体を備え、前記2つの壁体の間に搬送された容器を移送する、
    ことを特徴とする、請求項に記載の処理システム。
  3. 前記ロボット及び前記移送機構の組を、複数組備え、
    前記制御装置は、
    前記複数組の前記移送機構それぞれに、1つの前記搬送装置の1つの前記搬送面を対象として、前記第1移送動作及び第2移送動作を実行させる、
    ことを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の処理システム。
  4. 移送機構であって、
    搬送装置の搬送面で搬送中の容器を、前記搬送中の位置よりもロボットに近い位置である解放位置に対して移送し、
    前記ロボットが前記解放位置で前記容器に対して対象物を解放した後に、該容器前記搬送面に再度移送することで、該容器を前記搬送装置に再度搬送させ
    前記解放位置への移送及び前記搬送面への移送において、前記容器の端部に水平方向から当接しながら水平方向に動くことで前記容器を移送する、
    ことを特徴とする移送機構。
  5. 前記移送機構は、前記搬送装置の搬送方向と交差する方向に隔てて並ぶ2つの壁体を備え、前記2つの壁体の間に搬送された容器を移送する、
    ことを特徴とする、請求項に記載の移送機構。
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