本発明は、ボビンから接着ラベルを除去する方法に関連する。
さらに、本発明は、ボビンのコイル状シートの端部から接着ラベルを取り外すための装置に関連する。特に、接着ラベルは、ボビンの端部と外部表面との間に位置する。
エアロゾル発生物品の製造において、フォイル形式であり、ボビンに送達される材料が使用されることが多い。
こうした材料は、均質化したたばこ材料、例えば乾燥されたたばこキャストリーフ(TCL)であってもよく、それによって乾燥されて、貯蔵および搬送のためにボビンに巻き取られた箔またはシートで切断される。この材料は、ボビンにコイル状に巻かれた時に、適切に巻き出すことが困難でありうる。というのも、TCLは粘着性のあるものとしうるため、それを巻き出すためにかなり高い力を加える必要があり、かつ脆弱としうるため、簡単に裂ける可能性があるためである。
その他の材料は、エアロゾル発生物品のフィルターの特定の部分を製造するために使用されるポリ乳酸(PLA)でありうる。
これらのボビンは、通常、接着ラベル、すなわち、ボビンの緩んだ端部に貼り付けられ、緩んだ端部をボビンの外部表面に取り付けるステッカーで閉じられる。情報は、シートの材料の性質およびその特徴、例えば、製造時間または予想される最新の使用日に関する情報などが、よくラベル上に印刷されてもよい。
製造工程中、特定の機械はこれらのボビンを、一つずつ巻き出して、それらのシートまたは箔を使用してエアロゾル発生物品の一部を作り出す。
こうした機械の巻出部分では、「回転部品」が提供されてもよく、通常は軸ツリーに結合されたハブを含む。ボビンはハブ上に置かれてもよく、その後、ボビンから取り出される箔が機械の特定のローラーによってドラッグされる間、ボビンを回転および巻き出しうる。
製造中に、ボビンから来る箔が通常、約200メートル/分~約400メートル毎分の間の速度で処理されうるように、ボビンは高速で巻き出されることが好ましい。
こうした機械では、センサー(例えば、光学センサー)が通常提供され、特に「直径センサー」が提供されており、これはボビンの現在の直径の値に関する情報を機械に与える。この直径センサーは、例えば、ボビンがほとんど消耗しており、交換されなければならないときに、知るのに役立ちうる。
こうしたボビンの取り扱い、および特にこのようなボビンの交換は、ラベルを読み取ることを意味し(ボビンの材料が正しいことを確認するために)、次にボビンからラベルを回収すること、新しいボビンの緩んだ端を取り、それを後で取り扱うことができる製造機械の特定の部分に結合することを意味しうる。
従って、これらのタスクを自動的に実施するための方法および装置、特にボビン内のコイル状シートの端部から接着ラベルを自動的に除去することのニーズがある。これらの方法および装置は、生産ラインの全体的な製造レートを増加させることができる可能性がある。
第一の態様では、本発明は、ボビンから接着ラベルを除去する方法に関し、ボビンは端部および外部表面を含み、この方法は、コイル状シートの端部の上に位置付けられた接着ラベルの上に位置付けられた接着ラベルによって閉じられたコイル状シートのボビンを提供し接着ラベルをボビンの外部表面に取り付けることと、接着ラベルの位置決めをすることと、接着ラベルおよびコイル状シートの端部をボビンから取り外すため、吸引力を接着ラベルの位置に加えることと、接着ラベルを含む取り外された端部の一部をボビンから切断することと、を含む。
本発明によると、接着ラベルが検出され、ボビンに巻かれた材料シートの端部を「吸引」することによって、ボビンから自動的に除去される。端部は、その上に取り付けられた接着ラベルを保持する。端部が吸い込まれ、そのためボビンの残りの部分から取り外されるという事実によって、接着ラベルを保持する端部は、それを切断することによって除去することができ、その結果、接着ラベルも同時に取り外される。
本明細書で使用される「シート」という用語は、実質的にその厚さより大きい幅および長さを有する平坦な要素を意味する。シートの幅は、約10ミリメートルより大きいことが好ましく、約20ミリメートルまたは約30ミリメートルより大きいことがより好ましい。シートの幅は、約100ミリメートル~300ミリメートルの間であることがさらにより好ましい。
好ましい実施形態では、シートはTCLまたはPLAシートである。
具体的には、TCLシートを形成するプロセスは一般的に、スラリーを形成するためにたばこダストと結合剤とを混合する工程を含む。次に、スラリーがたばこウェブを作り出すために使用される。例えば、いわゆるキャストリーフが、粘性のあるスラリーを移動する構成要素上にキャスティングすることによって製造される。別の方法として、再構成たばこを作り出すために、粘性が低くかつ含水量が高いスラリーを製紙と似たプロセスで使用することができる。
たばこのシート材料は、再構成されたシート材料と呼ぶこともでき、たばこ組成物を形成する、粒子状のたばこ(例えば、再構成たばこ)またはたばこ粒子状の混合物、湿潤剤、および水溶性溶剤を使用して形成されうる。このたばこ組成物は次に、キャスティング、押出成形、圧延、またはプレスされて、たばこ組成物からシート材料を形成する。たばこのシートは、紙様の材料を作製するためにたばこの微粉が使用される湿式プロセス、またはたばこの微粉が結合剤材料と一緒に混合されて、移動するベルトの上へとキャスティングされてシートを形成するキャストリーフプロセスを利用して形成されることができる。
均質化したたばこ材料シートは次に、ボビンに巻き込まれて(さらに処理するために巻き出される必要がある)、例えばエアロゾル形成物品の部分となり、これがエアロゾル形成物品のエアロゾル形成基体に含まれるようになる。
「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品では、エアロゾル形成基体はエアロゾルを形成するがたばこ材料の燃焼は防止するために、比較的低い温度に加熱される。さらに、均質化したたばこシート中に存在するたばこは典型的に唯一のたばこであるか、このような「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品の均質化したたばこ材料中に存在するたばこの大部分を含む。これは、このような「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品によって発生されるエアロゾル組成物が実質的に、均質化したたばこ材料のみに基づくことを意味する。
本明細書で使用される「エアロゾル形成材料」という用語は、加熱されると揮発性化合物を放出してエアロゾルを発生させる能力を持つ材料を示す。たばこは、エアロゾル形成材料、特に、エアロゾル形成体を含む均質化したたばこシートとして分類されうる。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成材料を含むか、それによって構成されうる。
均質化したたばこシートは一般に、たばこに加えて、結合剤およびエアロゾル形成体を含む。この組成物は「粘着性」のあるシートにつながり、すなわち、隣接した物体に貼り付くようになり、また同時に、むしろ脆弱性があり、比較的低い引張強さを有するようになる。
本発明は特に、上述の通り均質化したたばこ材料で作製されたボビンに適合されうるが、好ましくは均質化したたばこ材料シートに同様の特性を持つシートをボビンから巻き出す必要のある任意のプロセスにも適用されうる。
ボビン形状は任意のものとしうる。これは実質的に円筒形状を持ちうるが、卵形または、基礎を成す円筒形状が変形した突出部を持つボビンなど、何らかの形に変形された形状も、本発明の教示の適用を妨げない。
巻き出されるボビンは、接着ラベルによって「閉鎖」される。
こうしたボビンを巻き出すために、まず接着ラベル全体が除去される必要がある。
接着ラベルは、ボビンの移動をブロックするためにボビンの端部の上に位置付けられ、すなわち、端部が接着ラベルによってボビンの外部表面に取り付けられるように、接着ラベルはボビンの端部とボビンの外部表面の残りの部分との間に位置付けられる。
「糊付け機能」に加えて、接着ラベルは、ボビンの特性およびその中にコイル状に巻かれた材料シートに関して自身に記述された情報を含みうる。情報は、例えば、バーコードとしてまたは接着ラベルに取り付けられたRFID内に任意の公知の方法で記述することができる。さらに、ボビンのシリアル番号も接着ラベルに記述することができる。
本発明によると、ボビンの外部表面上の接着ラベルの位置が決定される。接着ラベルの位置の識別は、例えば、ボビンの表面上の接着ラベルの存在を識別しうる光学センサーによるなど、任意の公知のセンサーによって作製されうる。
接着ラベルを除去するために、ボビンに巻き取られたシートの可能性のある脆弱性および粘着性を考慮するために、本発明によれば、接着ラベルの位置が識別されるとすぐに、シートを比較的穏やかに「穏やかに」取り扱うことが好ましい。この目的で、シートの端部は吸い込まれる。シートに損傷を与える可能性がある、ボビンの端部を機械的に把持することはなく、空気吸込み口を使用してそれを持ち上げる。
接着ラベルを含むシートの端部がボビンの残りから取り外された時、端部は切断され、接着ラベルが結果的に除去される。剥離は吸引力に起因し、このようにシートの端部はボビンの残りの部分から持ち上げられうる。
従って、有効なラベル除去が実施されるが、これは材料シートの特性を考慮したものである。有利なことに、接着ラベルは、コイル状シートの取り外された端部とともに自動的に除去され、その結果、ボビンは巻き出される準備が整う。
方法は、巻出方向にボビンを回転させること、および回転させる間に接着ラベルを見つけることを含むことが好ましい。接着ラベルを見つけるために、ボビンの全体的な外部表面がセンサーによって感知されるように、かつ接着ラベルの位置が相応に決定されるように、センサーをある位置に固定してボビンを回転させることが好ましい。ボビンが位置付けられ、接着ラベルが除去される装置は、巻出のために使用される装置と同一であることが好ましい。このため、ボビンの回転は既に提供されており、この機能を追加するために装置を修正する必要はない。
接着ラベルを見つけることは、接着ラベルをボビンの外部表面から部分的に持ち上げることを含むことが好ましい。強すぎる吸引力が材料シートを引き裂く恐れがあるため、ボビンの端部をボビンの残りの部分から取り外すために、強すぎる吸引力が適用されないことが好ましい。従って、外部表面から、接着ラベルの端部の除去に必要な吸引力を減少させるように、接着ラベルをボビンの外部表面から部分的に取り外したり、持ち上げたりすることが好ましい。剥離は、接着ラベルをボビンの外部表面から持ち上げるように位置付けられた「剥がし要素」によって動作することができる。剥がし要素は、その縁または先端の一つによって接着ラベルの一部を持ち上げる平坦な要素であってもよい。
本発明の方法は、接着ラベルの持ち上げられた部分によって接着ラベル位置のセンサーを起動することを含むことがより好ましい。有利なことに、接着ラベルは、センサーのトリガーとして部分的に取り外された接着ラベルによって形成される「フラップ」を使用することによって、簡単に見つけられる。部分的に取り外された接着ラベルによって形成された「フラップ」がセンサー応答を保証する、センサーに対する追加的なトリガーの必要性はない。
本発明の方法は、接着ラベルを見つけた後、ボビンの回転を逆にすることを含むことが好ましい。接着ラベルは、シートの端部に取り付けられた第一の部品と、ボビンの外部表面に取り付けられた第二の部品とを有するボビンに取り付けられる。接着ラベルの一部を持ち上げるために、ボビンの外部表面から部分的に取り外され、シートの端部に取り付けられたままになるように、接着ラベルの第二の部分が回転中に前または上流にあるように、ボビンは巻出方向にまず回転することが好ましい。このように、ボビンの外部表面に取り付けられたラベルの第二の部分は、まず「剥がし要素」と接触してもよく、外部表面自体から部分的に取り外されてもよい。「剥がす」が実施された後、ボビンはその後反対方向に回転し、接着ラベルを剥がし要素から遠ざかる方向に移動させる。このように、部分的に取り外された接着ラベルを持つコイル状シートの端部は、特定の位置に戻される。
吸引力を加えることは、接着ラベルおよびコイル状シートを吸引面に対して置くように、接着ラベルおよびそれに取り付けられたコイル状シートの端部を吸引することを含むことが好ましい。吸引が実施され、結果として端部がボビンから取り外される。吸引力によって、端部は、吸引面と呼ばれ、表面と当接し、さらなる処理のために保持される。吸引面はまた、吸引力がそこから作用する表面であることが好ましい。吸引面は移動可能であることがより好ましい。シートの終端部が吸引力によって取り付けられるとすぐに、表面は、さらなる可能性のある処理工程を実施するために、端部を異なる場所に移動するよう端部と共に移動できることが好ましい。
取り外された部分の一部を切断することは、コイル状シートの端部に取り付けられた接着ラベルの端にその吸引面上に形成された溝を位置付けること、およびボビンから接着ラベルを含むコイル状シートの端部の一部を切断するように、溝の中へブレードを摺動させることを含むことがより好ましい。有利なことに、端部が当接している吸引面内に形成される溝は、ブレードが表面自体を損傷することなくコイル状シートの端部の一部を切断し、端部が表面に当接している間に端部を切断することに加えて、正確な切断ができることを可能にする。
本発明の方法は、ボビンの外部表面を平坦な要素で接触させることおよびボビンを回転させる間に平坦な要素によって接着ラベルを持ち上げることを含むことが好ましい。平坦な要素は、シートの端部の剥離が非常に強い吸引力を必要としないように、接着ラベルをボビンの外部表面から少なくとも部分的に持ち上げるのに役立つ「剥がし要素」であることが好ましい。
吸引力を加えることは、吸引面をボビンの外部表面と接触させることおよび吸引面によってコイル状シートの接着ラベルおよび端部を吸引することを含むことが好ましい。吸引力は表面から作用することが好ましく、例えば、複数の穴が形成され、空気が孔に引き込まれる。ボビンの端部をゆっくりと持ち上げるために、好ましくは第一の吸引面が端部と接触して置かれ、次に吸引面を移動することによって、端部はボビンから取り外される。実際に、ボビンの端部は、吸引力によって吸引面に当接して保たれ、吸引面と一緒に移動する。
本発明の方法は、接着ラベルに含まれる情報を読み取ることおよび読み取り情報に基づいてエラーの存在を判断することを含むことが好ましい。接着ラベルに存在する情報は、ボビンの正しい加工に重要でありうる。例えば、接着ラベルに含まれる情報および本発明による読み取りが、ボビンが正しいまたは望ましいものではないことを示す場合、ボビンが交換されうるように信号が誘起される。
その第二の態様によれば、本発明は、ボビンのコイル状シートの端部から接着ラベルを取り外す装置に関連し、接着ラベルはボビンの端部と外部表面との間に位置し、装置は、ボビンの中央穴に挿入されるように適合された回転可能ハブと、ボビンの外部表面上の接着ラベルの存在を感知するように適合された位置センサーと、接着ラベルおよびコイル状シートの端部を吸引して、ボビンから接着ラベルを取り外すように適合された吸引装置と、吸引装置が接着ラベルおよびコイル状シートの端部を吸引して、ボビンから接着ラベルを取り外すとき、接着ラベルを含有するコイル状シートの端部を切断するように適合されたブレードと、を含む。
こうした装置の利点については、本発明の第一の態様を参照して既に考察してきたため、ここでは繰り返さない。
吸引装置は、ボビンの外部表面に向かっておよび離れる方向に移動可能であることが好ましい。この動きにおいて、吸引装置はボビンの端部に取り付けられ、それと共に移動する。
吸引装置は、第一および第二の端を含むことがより好ましく、位置センサーは、吸引装置の第一の端に位置付けられ、第一の端で枢支点の周りに回転可能である。位置センサーは、ラベルの存在をできるだけ簡単に感知するように位置付けられている。したがって、位置センサーを回転および移動する可能性は、ボビン上の複数の異なる位置の接着ラベルを見つけるために望ましい。
好ましくは、装置は、ボビンの直径を決定するよう適合される直径センサーを含む。ボビンの直径は、吸引装置を正しく動かすために重要な情報である。吸引装置は、ボビンの外部表面と接触することが好ましく、外部表面の位置はボビンの直径に依存することが好ましい。
吸引装置は、溝を有する吸引面を含み、またブレードは溝内で並進移動するよう適合されることが好ましい。有利なことに、溝は、ブレードが吸引面を損傷することなくコイル状シートの端部を切断することを可能にする。
装置は、ボビンの外部表面に向かっておよびそこから離れる方向に移動可能な平坦な要素を含むことが好ましく、平坦な要素は、ボビンが回転する間に接着ラベルの一部を持ち上げるよう適合される。
装置は、平坦な要素をボビンに向かっておよびそこから離れる方向に動かすように適合された線形アクチュエータを含むことがより好ましい。接着ラベルが常に同じ位置にあるとは限らないため、平坦な要素は柔軟な位置も持つことが好ましい。
本発明のさらなる有利な点は、非制限的に添付の図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を読むことで明らかになろう。
図1は、第一の動作状態にある、ボビン(図示)のコイル状シートの端部から接着ラベルを取り外すための本発明による装置の概略側面図である。
図2は、第二の動作状態の図1の装置の概略側面図である。
図3は、第一の動作状態の図1の装置の概略側面図である。
図4は、第三の動作状態での、図1の装置の概略側面図である。
図5は、図1の装置の概略斜視図である。
図6は、図1の装置およびボビンの一部分(回転可能ハブ)の概略斜視図である。
図7は、図1の装置のさらなる部分(位置センサー)の概略斜視図である。
図8は、図7のさらなる部分の概略斜視図である。
図9は、下から見た、図1の装置の概略斜視図である。
図10は、第四の動作状態での、図1の装置の概略横断面図である。
図11は、前側から取られた図1の装置の概略斜視図である。
図12は、上から取られた図1の装置の概略斜視図である。
図面を参照すると、本発明による接着ラベル22(図6および10で見える)を取り外すための装置が表わされ、参照番号20で示される。
接着ラベル22は、ボビン28(図6)のコイル状シート26の端部24から取り外され、公知の方法で既に提供され、製造されている。
ボビン28は、材料のコイル状シート26によって形成され、内側中央穴29、外部表面25および端部24を画定する。
図に示すボビン28は、丸い、例えば円筒形の形状をしている。ところが、本発明は、ボビンが丸い形状を持たない時でさえも、いずれのボビンともうまく機能する。接着ラベル22は、ボビン28の端部24と外部表面25との間に位置する。
図1および図2を最初に参照すると、装置20は、ボビン28が配置される回転可能ハブ30を備える。回転可能ハブ30は、ボビン28の中央穴29に挿入されるように適合される。
装置20はまた、位置センサー32、吸引装置34およびブレード36を含む。
位置センサー32は、ボビン28の外部表面25上の接着ラベル22の存在を感知するように適合される。
吸引装置34は、コイル状シート26の接着ラベル22および端部24を吸って、ボビン28から接着ラベルを取り外すように適合される。吸引装置34は、ボビン28の外部表面25に向かっておよびそこから離れる方向に移動可能である。吸引装置34は、溝37を有する吸引面35を含む。吸引面35は、以下により良好に説明される複数の穴を含む。
ブレード36は、吸引装置34がコイル状シート26の接着ラベル22および端部24を吸引して、ボビン28から接着ラベルを取り外すとき、接着ラベル22を含むコイル状シート26の端部24を切断するように適合される。ブレード36は、溝37内で並進移動するように適合される。
位置センサー32は、吸引装置34の一方の端35に位置付けられ、一方の端35で枢支点4の周りに回転可能である。
装置はさらに、ボビン28の外部表面25に向かっておよびそこから離れる方向に移動可能である平坦な要素8(または実質的に平坦な要素)を含む。平坦な要素8は、位置センサー32を作動させるためにボビン28が回転する間に、接着ラベル22の一部を持ち上げるように適合される。線形アクチュエータ3は、平坦な要素8をボビン28に向かっておよびそこから離れる方向に移動させるように適合される。線形アクチュエータは吸引装置に接続され、また平坦な要素は吸引装置の同一の端で位置センサー32の近傍に位置する。
装置20はさらに、ボビン28の直径を決定するよう適合された直径センサー(図に図示せず)を含む。
好ましい実施形態において、装置20は、図1~4に図示した全体的構造を有する。
装置は吸引装置34を含む。吸引装置34は、接着ラベル22ならびに接着ラベル22に取り付けられたボビン28のコイル状シート26の端部24を掴むための空気吸込み効果を有する楕円ループを形成する、細長いコンベヤーベルト40を含む。コンベヤーベルトは、そのループ形状外部表面の一部として吸引面35を含む。コンベヤーベルト40は移動可能であり、すなわち、吸引面35は、ボビンの外部表面に面してもよく、またはそれと反対の方向であってもよい。
コンベヤーベルト40は、吸引効果を提供するために、ベルト40を通して外部空気が空気システムによって吸い込まれることを可能にする空気システムおよび真空貫通穴52を有し、それにより外部材料に吸引効果を作り出すことができる。穴は吸引面35で形成されることが好ましい。コンベヤーベルト40は、適切な接着性のための特定の材料を使用して特別に設計され、穴52を通した効果的な真空を可能にする。
コンベヤーベルト40は、吸引面35上に形成された直線溝37も含む。コンベヤーベルト40の真空貫通穴52は、溝37の前後にある。
図12に示すように、吸引装置34はまた、ブレード36を含み、これは例えば、電動式ローリングナイフである。ブレードは、溝37内で摺動できるようにコンベヤーベルト40との関係で位置付けられ、取り付けられる。このローリングナイフ36は、コンベヤーベルト40の吸引面35上で回転し、直線溝37がローリングナイフ36の線形軌道と一直線に並ぶことができるように位置付けられる。さらに、ベルト40の溝37がナイフ36の軌道と並ぶとき、ナイフ36は、以下に詳述するように、溝37の中へ走行し、空気吸込みコンベヤーベルト40に付着して保持される材料を切断することができる。
吸引装置34はさらに、接着ラベルに含まれる情報を読み取るためのラベルリーダー装置(図面に図示せず)を含む。こうしたラベルリーダー装置は、コードバーリーダーであってもよい。
吸引装置34、より具体的には、細長いコンベヤーベルト40は、第一の遠位端41および第二の遠位端42を含む。装置20はさらに、吸引装置34の第一の端41に取り付けられたラベル捕捉部品(label catching part)1を含む。ラベル捕捉部品1の遠位端31への取り付けは、ラベル捕捉部品1が吸引装置34の第一の遠位端41で枢支点4の周りを回転できるようにする。ラベル捕捉部品1は、本発明の方法の段階の間、ボビン28の外部表面25上で稼働するように位置付けられ、接着ラベル22を部分的に持ち上げる平坦な要素8および接着ラベル22が部分的に持ち上げられた時に検出する位置センサー32を含む。一つ以上の位置センサー32を備えてもよい。位置センサーは近接センサーとすることができる。好ましい実施形態において、位置センサー32は光学センサーを含む。例えば、光学センサーは、感光センサーに結合されたレーザー発光ダイオードを含みうる。ラベル捕捉部品1は、使用時にボビン28の外部表面25に部分的に面する。吸引装置34、特にコンベヤーベルト40に対するラベル捕捉部品1の位置は、ラベル捕捉部品1に一方の端と結合され、コンベヤーベルト40に一反対側の端と結合される線形アクチュエータ3によって変えることができる。したがって、線形アクチュエータ3の長さを変更することは、ラベル捕捉部品1にコンベヤーベルト40と形成された角度を変化させることになる。ボビン28に関してラベル捕捉部品1の位置は、ラベル捕捉部品に取り付けられた平坦な要素8がボビン28の外部表面25に接線方向に位置付けられるように、線形アクチュエータ3の長さを調節することで調整できる。
図7~10により詳細に示すように、ラベル捕捉部品1は、手部分48および位置センサー32を持つ。図7および図8に示すように、手部分48は、線形アクチュエータ3が取り付けられる側部構造体7と、好ましくはT字形状を持つ実質的に平坦な要素8とを含む。実質的に平坦な要素8は、線形アクチュエータ3がその最も長い長さにある時に、コンベヤーベルト40の吸引面35と同一平面上にある。平坦な要素8はさらに、接着ラベルと接触し、以下に詳述する通り、その一部分を取り外すように適合される先端50をさらに含む。位置センサー32は、光学センサー32の見通し線10が実質的に平坦な要素8の平面内にあり、実質的に平面の要素8の先端50に向くように位置付けられることが好ましい。
吸引装置34は、その位置を変更してもよく、すなわち、吸引装置は固定されていない。位置を変更するために、装置20は動力軸5を含む。電動軸5は、その角度位置を変化させるために、吸引装置34の第二の遠位端42に位置する。したがって、コンベヤーベルト40は、ボビンに向かって、またはボビンから離れるように移動することができる。このように、コンベヤーベルト40は、その表面の一つでボビン28の外部表面25に接することができるように、ボビンと接触するようになってもよい。コンベヤーベルトは、吸引面によってボビンと接触するようになることが好ましい。吸引面は、ボビンに面する位置から異なる位置へと移動することができる。
さらに、装置20は制御システム100を含む。制御システム(図1~3に概略的に図示)は、位置センサー32からの情報、ならびに回転可能ハブ30および直径センサー(図示せず)への情報を受信する。それに応じて、吸引装置34および動力軸5、ラベル捕捉部品1に命令する。そして、ボビン28の回転方法および速度を調節するように、ハブ30に情報を送信し命令する。
制御システム100は、ボビン28に取り付けられた接着ラベル22を除去するように、本発明の方法に従って以下の工程で装置20に命令することが好ましい。
ボビン28は、吸引装置40の下に配置され、そのハブ30の周りを回転する。ただし、吸引装置およびハブの位置の異なる構成が可能である(たとえば、吸引装置はハブに対して横方向に配置できる)。ボビン28は巻出方向に回転する。ボビン28を正しく巻き出すために、ボビン28が好ましくは製造時にコイル状シート26をボビン28の回転と同じ方向に回転させて装置20内に配置することが好ましいことが示されている。図6に示すように、「巻出方向」と呼ばれる回転方向は、ボビン28の外部表面25上の固定位置に置かれる一般的な基準物品46がまず接着ラベル22、その後端部24に遭遇するような回転方向である。すなわち、巻出方向と呼ばれる回転の方向は、最初にボビンの外部表面上に位置する一般的な品目が、ボビンの外部表面に取り付けられるラベル22の一部に接触し、その後、シートの端部に取り付けられるラベルの部分に接触するような方向である。
動力軸5および線形アクチュエータ3を使用して、ラベル捕捉部品1は、その要素の一つでボビン28の外部表面25と接触し、コンベヤーベルト40がボビン28に触れないように、最初に位置付けられる。
このような位置付けを得るために、動きは以下の通りである。
動力軸5は、コンベヤーベルト40がボビン28の外部表面25からの距離を変化させることができるように、コンベヤーベルト40を上または下に回転させる。コンベヤーベルト40をボビン28と正しい距離まで回転させるために必要な角度は、直径センサーから受信したデータから制御システム100によって決定される。その他の公知の近接センサーまたは接触センサーを使用して、このような位置を調整することができる。
さらに、ラベル捕捉部品1は、線形アクチュエータ3の長さを低減または増加させることによって、ラベル捕捉部品1が軸4の周りを回転するように、処理部品2に固定された軸4の周りを自由に回転することができる。
図3および4は、線形アクチュエータ3の異なる長さによる、ラベル捕捉部品1の二つの位置を持つ装置20を図示する。
図3では、線形アクチュエータ3は、その最も長い長さにあり、ラベル捕捉部品1の底面42は、コンベヤーベルト40の吸引面35と同一平面上にある。
図4では、ラベル捕捉部品1が軸4の周りに反時計回りに回転するように、線形アクチュエータ3は図2よりも短い。ラベル捕捉部品1がボビン28と接触するためにラベル捕捉部品1を回転させるために必要な角度は、制御システム100が受信する直径センサーからのデータならびにコンベヤーベルト40の現在の位置からのデータ(特に動力軸5の回転角度)から決定される。その他の公知の近接センサーまたは接触センサーを使用して、このような位置を調整することができる。
これらの二つの要素を使用して、動力軸5および線形アクチュエータ3、コンベヤーベルト40の吸引面35は、ボビンの外部表面からの所望の距離に位置付けることができ、ラベル捕捉部品1の底面42はボビン28の外部表面25に接線方向に接触することができる。
より詳細には、装置20の制御システム100は、実質的に平坦な要素8の先端50がボビン28の外部表面25と接線方向に接触するように、ラベル捕捉部品1を回転する。最終的な位置決めは、実質的に平坦な要素8の先端50が次に、ボビン28の巻出方向に対向する方向に面するようになる。
次に、制御システム100は、ボビン28を巻出方向(つまり、製造中に使用される方向)に回転するよう命令し、その結果、実質的に平坦な要素8の先端50は、ボビン28の外部表面25に沿って「軽くひっかく」。実質的に平坦な要素8の先端50が接着ラベル22に遭遇する時、回転の方向によってボビンの外部表面に取り付けられた接着ラベル22の端に突き当たる。ボビン28がその回転を保持する時、接着ラベル22は、実質的に平坦な要素8の先端50によって少なくとも部分的に押されて徐々に剥がれる。そうすることにより、接着ラベル22は、位置センサー32の見通し線10の中へと移動され(図7および8参照)、位置センサーを指導する(好ましい実施形態では、レーザーの光が接着ラベル22に反射して、感光センサーによって捕捉される。図面に図示せず。)、「フラップ」を形成する。
接着ラベル22の端が薄すぎて先端50によって部分的に取り外せない場合、操作者は、ハブ30にボビン28を配置するときに、接着ラベル22の端を少し取り外して(手動で「フラップ」を形成して)、装置20がラベルを完全に除去して位置センサー32を起動するのを手助けしてもよい。このようにして、接着ラベル22の位置が検出される。
図10では、実質的に平坦な要素8は、巻出方向に回転するボビン28の外部表面25と接触するように回転されている。接着ラベル22は、実質的に平坦な要素8の先端50によって部分的に押され、位置センサー32を指導する。この工程では、コンベヤーベルト40の吸引面35は依然としてボビン28と接触していない。
ラベル位置が検出されたという位置センサー32の信号を受信するとき、制御システム100は、ボビン28の回転を停止し、その後に反対方向にボビン28を回転させる適切なコマンドを送信する。反対方向の回転、すなわち、巻出方向に対向する方向の回転は、その位置が今は既知である接着ラベル22が、コンベヤーベルト40の下の特定の位置に移動され、吸引面35に向くような角度で実行される。ボビン28が移動する正確な回転角度は、ボビン28の直径に対する情報、ならびに実質的に平坦な要素8の先端50とコンベヤーベルト40の吸引面35の標的領域との間の距離に対する情報を持つ制御システム100によって決定される。
次に、コンベヤーベルト40は、接着ラベル22の位置の前に溝37を位置付けるように移動される。以下では、「前」とは、巻出方向において、ラベル22が溝37の下流に位置することを意味する。溝を正しく位置付けるために、接着ラベル22のおおよそのサイズが既知であることが好ましい。
制御システム100はまた、以下に詳述するように、信号を送って、吸引装置34を移動し、調節する。
図2は、動力軸5によってボビン28と接触する吸引装置34を図示する。
この位置において、コンベヤーベルト40をボビン28に接触させるために吸引装置34の動力軸5を使用して、コンベヤーベルト40の直線溝37は、接着ラベル22の直前に位置付けられる。
従って、ベルト40の空気吸引力は、接着ラベル22およびボビン28の端部24がボビンの外部表面から持ち上げられ、コンベヤーベルト40の吸引面35に当接するように作動される。制御システム100は、空気圧力変動の測定値を使用して、ボビンのシートなどの材料が空気システムによってコンベヤーベルト40に貼り付けられているかどうかを判定しうる。このようにして、吸引力の適用がボビンの外部表面からボビンの端部を適切に除去したかどうかを判断することが可能である。
次に、接着ラベル22が当接しているコンベヤーベルト40は、シートの端部に取り付けられた接着ラベルが、コンベヤーベルト40のトップ面54に搬送されるように移動することが好ましい。別の言い方をすると、吸引面35は最初にボビン28に面していて、移動してコンベヤーベルト40のトップ面になる。この移動は、接着ラベル22に必要なコイル状シート26の量を放出してトップ面54に移動させるボビン28の回転との連携で行われる。
この位置で、ラベルリーダー装置は接着ラベル22を読み取る。接着ラベル内で読み取られた情報がボビン28の所望のまたは予想される情報と一致する場合、接着ラベル22の除去は以下に記述されるように進む。そうでない場合、本発明の方法は中断され、ボビンが交換される。この後者の場合、例えば、接着ラベル22がボビン28上に戻るように、ベルト40同様ボビン28も逆行して、ボビン28が交換されるように警告または警報信号が発動される。
正のボビン識別では、ラベル内の情報が予想されるものである場合、コンベヤーベルト40は再び移動され、直線溝37がローリングナイフの軌道と一直線に並ぶ。次に、ローリングナイフ36は、接着ラベル22の前にコイル状シート26を切断する。従って、接着ラベル22はシートの端部の一部と一緒に除去される。従って、ボビンの新しい端部が形成され、それでも以下の24で示される。
その後、ベルト40を再び移動して端部24をボビン表面上に戻す。これは、ボビン28の逆回転との連携で行われる。ベルト40ならびにボビン28によって行われる移動の正確な量は、既知である。移動の長さは、溝37とコンベヤーベルト40とボビン28の外部表面との間の接点との間の距離と等しい。
ボビンの新しい端部24が再びボビンの外部表面の上方に位置付けられた時、コンベヤーベルトの吸引面35によって実施される空気吸引は、ボビン28の新しい端部24を放出するために停止される。
従って、ボビンの巻出は開始することができる。