以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.画像形成装置の構成]
図1に左側面図を示すように、画像形成装置1は、モノクロ用電子写真式プリンタであり、例えばA3サイズやA4サイズ等の大きさでなる1枚のシート状の紙である用紙Pに対し、所望のモノクロ画像を印刷する。画像形成装置1は、略箱型に形成された筐体2の内部に種々の部品が配置されている。因みに以下では、図1における紙面上の右端部分を画像形成装置1の正面とし、この正面と対峙して見た場合の上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義した上で説明する。また以下では、用紙Pが搬送される方向に関し、任意の位置から見て用紙Pの供給源となる用紙カセット11(後述する)に近い位置を搬送方向上流側と呼び、用紙カセット11から遠い位置を搬送方向下流側と呼ぶ。また以下では、用紙Pが進行する方向を搬送方向と呼び、この搬送方向と該用紙Pの厚さ方向とに直交する左右方向を搬送幅方向(回転軸方向)と呼ぶ。
画像形成装置1は、筐体2の内部に、例えば用紙Pに対して画像を転写する画像形成部3と、この画像形成部3の搬送方向上流側に位置し、画像形成部3へ用紙Pを供給する印刷媒体供給部10とが設けられている。
印刷媒体供給部10は、用紙カセット11、給紙ユニット40、分離ローラ14、レジストローラ17、プレッシャローラ18、給入センサ19及び書き出しセンサ20を有する。給紙ユニット40は、給紙ローラ12、給紙サブローラ(ピックアップローラ)13、中間搬送ローラ15及びピンチローラ16を有する。
筐体2の前面側において給紙ローラ12及び給紙サブローラ13の前方には、筐体開口部2Aが形成されている。筐体開口部2Aは、左右方向に長い開口部であり、筐体2の前面板の後方と前方、すなわち、筐体2により囲まれた内部空間と外部とを連通させる。画像形成装置1は、筐体2に対し用紙カセット11が筐体開口部2Aを介し着脱可能に装着される。この筐体開口部2Aは、筐体2に用紙カセット11が装着された際に、該用紙カセット11により塞がれる。
用紙カセット11は、筐体2内部の下部において筐体2に装着されており、複数の用紙Pを積層した状態で収納する。この用紙カセット11は、水平方向に沿う前後方向である用紙カセット挿抜方向へ移動可能に構成されていることにより、筐体2に対し着脱可能になっている。
画像形成装置1は、印刷処理を行う場合には筐体2内部に用紙カセット11が収容されることにより、用紙カセット装着状態となり、該用紙カセット11に集積された用紙Pを繰り出して該用紙Pに画像を形成する。
一方、画像形成装置1は、用紙Pが補充される用紙補充作業時や、給紙ローラ12や給紙サブローラ13が交換されるローラ交換作業等の保守作業時には、用紙カセット装着状態から、用紙カセット挿抜方向のうちの前方向である用紙カセット取外方向に向かって用紙カセット11が筐体2から引き出されることにより、筐体2から外部へ用紙カセット11が取り外された用紙カセット取外状態となる。続いて画像形成装置1は、用紙カセット11に用紙Pが補充されたり給紙ローラ12や給紙サブローラ13が交換されたりした後に、用紙カセット取外状態から、用紙カセット挿抜方向のうちの後方向である用紙カセット装着方向に向かって用紙カセット11が筐体2へ押し込まれることにより、用紙カセット装着状態となる。このローラ交換作業時において作業者は、筐体開口部2Aの前方から後方へ可動レバー把持部44G(後述する)を目視し、筐体開口部2Aを介し前方から後方へ向かって筐体2内部へ手を入れて可動レバー把持部44Gを操作することにより、給紙ローラ12又は給紙サブローラ13を交換する。
給紙ローラ12、給紙サブローラ13及び分離ローラ14は、用紙カセット11に収納されている複数の用紙Pのうち、最上層に位置する用紙Pを1枚ずつ分離して順次取り出し、中間搬送ローラ15へ向けて繰り出す給紙機構である。これにより画像形成装置1は、用紙カセット11の最上層に位置する用紙Pを、その下層に位置する他の用紙Pから確実に分離する。
中間搬送ローラ15及びピンチローラ16は、給紙ローラ12、給紙サブローラ13及び分離ローラ14から繰り出された用紙Pを対になって挟持して搬送方向下流側へ搬送する。レジストローラ17及びプレッシャローラ18は、中間搬送ローラ15及びピンチローラ16から搬送された用紙Pを対になって挟持し、その用紙Pの斜行を修正しつつ搬送方向下流側へ搬送する。レジストローラ17及びプレッシャローラ18の搬送方向上流側には、給入センサ19が設けられている。給入センサ19は、用紙Pの位置を検知する。レジストローラ17及びプレッシャローラ18の搬送方向下流側には、書き出しセンサ20が設けられている。書き出しセンサ20は、用紙Pへ画像を形成するタイミングが画像形成部3に対し指示される際、用紙Pの位置を検知する。
図1に示したように画像形成部3は、トナーカートリッジ21、イメージドラム22、露光ヘッド23、転写ローラ24及び定着ユニット25を有しており、例えば黒色のトナー(現像剤)を用いて、用紙P上に黒色の画像(トナー像)を形成する。
トナーカートリッジ21は、所定の色のトナーが収容されている容器である。すなわち、この画像形成部3の例では、トナーカートリッジ21内にはブラックトナーが収容されている。
イメージドラム22は、静電潜像を表面に担持する部材であり、感光体(例えば有機系感光体)を用いて構成されている。このイメージドラム22は、所定の周速度で回転するようになっており、トナーカートリッジ21から例えばブラックトナーが供給される。したがって、イメージドラム22には、静電潜像にブラックトナーが付着した黒色の画像(トナー像)が形成される。
露光ヘッド23は、例えば、照射光を発する複数の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)やレーザ素子等の光源と、この照射光をイメージドラム22の表面に結像させるレンズアレイとを含んで構成されている。この露光ヘッド23は、イメージドラム22の表面に照射光を照射してイメージドラム22の表面を露光することにより、イメージドラム22の表面に静電潜像を形成する。
転写ローラ24は、例えば、発泡性の半導電性弾性ゴム材により構成されている。この転写ローラ24は、イメージドラム22と対向配置されており、イメージドラム22で形成された例えば黒色の画像(トナー像)を、用紙P上に静電的に転写する。
定着ユニット25は、転写ローラ24から搬送された用紙P上のトナー(トナー像)に対して熱及び圧力を付与することにより、トナー像を用紙Pに定着させる。この定着ユニット25は、ヒートローラ26及び加圧ローラ27を含んで構成されている。ヒートローラ26は、その内部にハロゲンランプ等の加熱ヒータ26Aを含んで構成されており、用紙P上のトナーに対して熱を付与する。加圧ローラ27は、ヒートローラ26との間に圧接部が形成されるように配置されており、用紙P上のトナーに対して圧力を付与する。
画像形成装置1は、画像形成部3の搬送方向下流側に、排出センサ28、排出ローラ29及び30、ピンチローラ31及び32並びに排出トレイ33をさらに有している。
排出センサ28は、定着ユニット25から排出された用紙Pを検知する。排出ローラ29及び30は、それぞれピンチローラ31及び32と対向して配置され、定着ユニット25によってトナーが定着された用紙Pを挟持し、画像形成装置1の外部である排出トレイ33へ排出する。
[2.画像形成装置の動作]
かかる構成において画像形成装置1は、用紙Pに対してトナー像を転写する際、まず、用紙カセット11に収納されている用紙Pを、給紙サブローラ13により最上部から1枚ずつピックアップし、搬送方向下流側の給紙ローラ12の方向へ繰り出す。次に画像形成装置1は、給紙サブローラ13から繰り出された用紙Pを、給紙ローラ12及び分離ローラ14により搬送し、中間搬送ローラ15及びピンチローラ16へ向かわせる。次に画像形成装置1は、中間搬送ローラ15及びピンチローラ16を経由してレジストローラ17及びプレッシャローラ18に用紙Pを到達させてから、これらレジストローラ17及びプレッシャローラ18により斜行を矯正しつつ搬送方向下流側の画像形成部3へ用紙Pを搬送する。
画像形成部3は、所定の印加電圧が供給される帯電ローラ(図示せず)により、イメージドラム22の表面を一様に帯電させる。次に画像形成部3は、イメージドラム22の表面に向けて露光ヘッド23から照射光を照射し露光させることにより、印刷パターンに応じた静電潜像をイメージドラム22上に形成する。次に画像形成部3は、イメージドラム22上の静電潜像に対して、図示しない現像ローラからトナーを付着させる。次に画像形成部3は、イメージドラム22上のトナー(トナー像)を、イメージドラム22と転写ローラ24との間の電界により、用紙P上に転写する。このような電子写真プロセスにより、画像形成部3は、黒色のトナー像を用紙P上に形成する。
その後、画像形成装置1は、定着ユニット25において用紙Pに熱及び圧力を付与することにより、用紙P上のトナー(トナー像)を該用紙Pに定着させる。続いて画像形成装置1は、排出ローラ29及び30等により、トナーが定着された用紙Pを排出トレイ33へ排出する。
[3.給紙ユニットの構成]
図2に示すように給紙ユニット40は、外装を形成する給紙ユニット外装部39の内部において、給紙フレーム42に、前後方向に互いに隣り合うように配置された給紙ローラ12及び給紙サブローラ13と、給紙シャフト41等とが支持されている。この給紙ローラ12及び給紙サブローラ13は、搬送される用紙Pにおける搬送幅方向のほぼ中央部分に1個ずつ配置されている。
[3-1.給紙ローラ周辺の構成]
図2及び図3に示すように、給紙シャフト41は、例えば金属製の円柱部材であり、走査方向(回転軸方向)に沿って延在する。この給紙シャフト41は、給紙ユニット40に立設する給紙フレーム42に取り付けられた1対の軸受46及び47により、回転可能に支持されている。
また給紙シャフト41の左端部には、ギヤ48とカップリング49とが固定されている。給紙シャフト41の右端部には、モータ(図示せず)が直接的又は間接的に接続されている。給紙シャフト41は、給紙ローラ12に嵌まり込むことにより、給紙ローラ12を支持している。またカップリング49は、ワンウェイクラッチが内蔵されており給紙ローラ12に嵌まり込むことにより、該給紙ローラ12に駆動力を伝達する。このため給紙ローラ12は、モータからの駆動力により、給紙シャフト41及びギヤ48と共に、矢印R1(図2)の方向へ回転する。
第2のローラ部材としての給紙ローラ12は、給紙サブローラ13が回転することにより用紙カセット11からピックアップされた用紙Pを1枚ずつ分離ローラ14(図1)との間に挟持し、矢印R1の方向へ回転することにより、その用紙Pを搬送方向下流側へ繰り出す。給紙ローラ12は、給紙ローラ軸部54と、給紙ローラゴム56とにより構成されている。
給紙ローラ軸部54は、例えば樹脂製であり、回転中心部において右端部から給紙ローラ軸部54の回転軸方向のほぼ中央部まで、回転軸方向に沿う円柱形状の孔である嵌合部54Mが形成された、略円筒形状の部材である。また給紙ローラ軸部54は、左端面の回転中心部から、該給紙ローラ軸部54の直径よりも小さい直径を有する円筒形状の給紙ローラボス部54Bが、回転軸方向に沿って左方向へ突出している。この給紙ローラ軸部54には、外周面に給紙ローラゴム56を保持する給紙ローラゴム保持部54Kが形成されている。また給紙ローラ軸部54における給紙ローラゴム保持部54Kに対し回転軸方向の両外側には、給紙ローラゴム56の内径よりも外径が大きく、該給紙ローラゴム56の回転軸方向の移動を規制する、給紙ローラ軸部フランジ54Fが形成されている。
給紙ローラゴム56は、例えば合成ゴム等の弾性材料により形成されており、給紙ローラ軸部54の周囲における、回転軸方向において左右の給紙ローラ軸部フランジ54Fの間、すなわち給紙ローラゴム保持部54Kを、回転方向において連続的に覆っている。
給紙ローラ軸部54は、給紙ローラ12が画像形成装置1に装着された給紙ローラ装着状態(図2、図3及び図5)において、嵌合部54Mにおける右側端部に給紙シャフト41が嵌まり込んで固定されることにより、右端部が給紙シャフト41により支持されると共に、カップリング49により給紙シャフト41の回転が伝達される。また給紙ローラ軸部54は、給紙ローラ装着状態において、給紙ローラボス部54Bが、可動軸受50(後述する)に形成された円柱形状の凹部である給紙ローラ嵌合孔50Aに嵌まり込むことにより、左端部が可動軸受50により回転可能に支持される。このように給紙ローラ軸部54は、給紙ローラ装着状態において、給紙シャフト41と可動軸受50とにより、回転軸方向の両端部が支持されている。
第2の保持部としての可動軸受50は、軸受であり、回転軸方向に関し給紙ローラ12を挟んで給紙シャフト41の反対側において給紙シャフト41と同軸上に位置する。この可動軸受50は、給紙フレーム42に固定された可動レバー44により、ローラ付勢方向Du(右方向)及びローラ退避方向De(左方向)(図6)へ、回転軸方向に沿って移動可能に支持されている。また可動軸受50の給紙ローラ嵌合孔50Aにおける法線を右方向に向けた給紙ローラ嵌合孔左内壁面50ASl(図8)は、給紙ローラボス部54Bにおける左端面に当接している。
可動軸受50と、該可動軸受50の左側に対向する給紙フレーム42に形成された円柱形状のばね支持ボス部42Aとの間には、圧縮ばねである第2の付勢部材としてのばね52が、通常状態よりも圧縮された状態で取り付けられている。このため可動軸受50は、ばね52の付勢力により、右方向であるローラ付勢方向Duに向かって付勢されている。
このように、給紙ローラ12は、可動軸受50を介しばね52の付勢力によりローラ付勢方向Duへ押し付けられ、給紙フレーム42に形成され法線を左方向に向けた平面状の位置決め部としてのローラ支持面42Bに、右側の給紙ローラ軸部フランジ54Fにおける右端面が押し付けられることにより、回転軸方向の位置が保持される。
可動レバー44は、給紙ユニット外装部39に形成された孔部を介し該給紙ユニット外装部39から下方へ突出するレバーである可動レバー把持部44G(後述する)(図2)が形成されている。作業者により可動レバー44の可動レバー把持部44Gがばね52及びばね68(後述する)の付勢力に逆らってローラ付勢方向Duとは逆方向のローラ退避方向Deへ向かって移動されると、可動軸受50は、可動レバー44によって押されて可動レバー44と共にローラ退避方向Deへ向かって移動する。これにより可動軸受50は、給紙ローラ12の給紙ローラ軸部54よりも左側へ離隔し、給紙ローラ軸部54をローラ付勢方向Duへ付勢しない状態となる。
[3-2.給紙サブローラ周辺の構成]
図2、図4及び図5に示すように給紙サブローラ13は、矢印R2の方向へ回転することにより用紙Pを用紙カセット11から1枚ずつピックアップし、その用紙Pを給紙ローラ12へ受け渡す。給紙サブローラ13における給紙サブローラゴム62の表面は、用紙カセット11に収納された複数の用紙Pのうち、最上層に位置する1枚の用紙Pの上面と当接した状態となっている。給紙サブローラ13は、給紙サブローラ軸部60と、給紙サブローラゴム62とにより構成されている。
給紙サブローラ軸部60は、例えば樹脂製であり、回転中心部において回転軸方向に沿う円柱形状の給紙サブローラ軸部シャフト60Sが形成されている。給紙サブローラ軸部シャフト60Sは、左端部が給紙サブローラ軸部シャフト一端部60S1、右端部が給紙サブローラ軸部シャフト他端部60S2となっている。
この給紙サブローラ軸部60には、外周面に給紙サブローラゴム62を保持する給紙サブローラゴム保持部60Kが形成されている。また給紙サブローラ軸部60における給紙サブローラゴム保持部60Kに対し回転軸方向の両外側には、給紙サブローラゴム62の内径よりも外径が大きく、該給紙サブローラゴム62の回転軸方向の移動を規制する、給紙サブローラ軸部フランジ60Fが形成されている。
また給紙サブローラ軸部60における右側の給紙サブローラ軸部フランジ60Fと、給紙サブローラ軸部シャフト他端部60S2との間には、給紙サブローラ軸部ギヤ60Gが形成されている。給紙サブローラ軸部ギヤ60Gは、アイドルギヤ70(図2)を介し給紙シャフト41のギヤ48と噛み合っている。このためモータの駆動力は、給紙シャフト41、ギヤ48、アイドルギヤ70を介して給紙サブローラ軸部ギヤ60Gへ伝達される。これにより給紙ローラ12及び給紙サブローラ13は、互いに同期して同方向へ回転する。このように給紙ユニット40は、給紙ローラ12及び給紙サブローラ13に対する回転軸方向の一方向側である右側のみにおいて、給紙ローラ12を回転させる駆動力を給紙サブローラ13に伝達させるようにした。
給紙サブローラゴム62は、例えば合成ゴム等の弾性材料により形成され、給紙サブローラ軸部60の周囲における、回転軸方向において左右の給紙サブローラ軸部フランジ60Fの間、すなわち給紙サブローラゴム保持部60Kを回転方向において連続的に覆っており、その外周面が用紙カセット11に収納された用紙Pと接している。
給紙サブローラ軸部60は、給紙サブローラ13が画像形成装置1に装着された給紙サブローラ装着状態において、給紙サブローラ軸部シャフト60Sの給紙サブローラ軸部シャフト他端部60S2が、給紙フレーム42に形成された円柱形状の凹部である給紙サブローラ他端部嵌合孔42Fに嵌まり込むことにより、右端部が給紙サブローラ他端部嵌合孔42Fにより回転可能に支持される。また給紙サブローラ軸部60は、給紙サブローラ装着状態において、給紙サブローラ軸部シャフト60Sの給紙サブローラ軸部シャフト一端部60S1が、可動軸受66に形成された円柱形状の凹部である給紙サブローラ一端部嵌合孔66Aに嵌まり込むことにより、左端部が可動軸受66により回転可能に支持される。このように給紙サブローラ軸部60は、給紙サブローラ装着状態において、給紙サブローラ他端部嵌合孔42Fと可動軸受66とにより、回転軸方向の両端部が支持されている。以下では、給紙ローラ装着状態及び給紙サブローラ装着状態をまとめて、ローラ装着状態とも呼ぶ。
可動軸受66は、軸受であり、回転軸方向に関し給紙サブローラ13を挟んで給紙サブローラ他端部嵌合孔42Fの反対側において給紙サブローラ他端部嵌合孔42Fと同軸上に位置している。この可動軸受66は、給紙フレーム42に固定された可動レバー44により、ローラ付勢方向Du及びローラ退避方向Deへ、回転軸方向に沿って移動可能に支持されている。また可動軸受66の給紙サブローラ一端部嵌合孔66Aにおける法線を右方向に向けた給紙サブローラ一端部嵌合孔左側面66ASl(図8)は、給紙サブローラ軸部シャフト一端部60S1における左端面に当接している。
可動軸受66と、該可動軸受66の左側に対向する給紙フレーム42に形成された円柱形状のばね支持ボス部42Dとの間には、圧縮ばねであるばね68が、通常状態よりも圧縮された状態で取り付けられている。このため可動軸受66は、ばね68の付勢力により、右方向であるローラ付勢方向Duに向かって付勢されている。
このように、給紙サブローラ13は、可動軸受66を介しばね68の付勢力によりローラ付勢方向Duへ押し付けられ、給紙ローラ12の給紙ローラ軸部フランジ54Fが当接しているローラ支持面42Bと同一面であるローラ支持面42Bに右側の給紙サブローラ軸部フランジ60Fにおける右端面が押し付けられることにより、回転軸方向の位置が保持される。
作業者により可動レバー44の可動レバー把持部44Gがばね52及び68の付勢力に逆らってローラ退避方向Deへ向かって移動されると、可動軸受50と共に可動軸受66は、可動レバー44によって押されて可動レバー44と共にローラ退避方向Deへ向かって移動する。これにより可動軸受66は、給紙サブローラ13の給紙サブローラ軸部シャフト60Sよりも左側へ離隔し、給紙サブローラ軸部60をローラ付勢方向Duへ付勢しない状態となる。
このように給紙ユニット40は、それぞれ、ばね52により給紙ローラ12をローラ付勢方向Duに向かって、ばね68により給紙サブローラ13をローラ付勢方向Duに向かって、付勢するようにした。すなわち給紙ユニット40は、給紙ローラ12と給紙サブローラ13とを、回転軸方向に関し、互いに同じ方向へ付勢するようにした。
また給紙ユニット40は、給紙ローラ12を回転可能に保持する可動軸受50と、給紙サブローラ13を回転可能に保持する可動軸受66とを、給紙サブローラ13及び給紙ローラ12の左側に配置するようにした。すなわち給紙ユニット40は、可動軸受50と可動軸受66とを、回転軸方向に関し、給紙ローラ12及び給紙サブローラ13に対し同じ側に配置するようにした。
[3-3.可動レバーの構成]
図6に示すように可動レバー44は、全体として、左右方向に所定の厚さを有し、英大文字の「E」が左側面視で90[°]回転したような形状となっている。この可動レバー44は、前後方向の中央部において、下方向へ突出する直方体形状である把持部としての可動レバー把持部44Gが形成されている。この可動レバー把持部44Gは、作業者が手で摘みやすい形状となっている。
また可動レバー44は、可動レバー把持部44Gの前側に、英大文字の「U」が左側面視で180[°]回転したような下側が開口する形状である給紙ローラ可動軸受収容部44Afが形成されている。この給紙ローラ可動軸受収容部44Afは、前後方向に対向する内壁面が形成された上下方向に延びる可動軸受支持壁44Wが前側及び後側に形成されている。また給紙ローラ可動軸受収容部44Afは、前側の可動軸受支持壁44Wと後側の可動軸受支持壁44Wとの間に、可動軸受50を収容する空間である可動軸受収容空間44Sが形成されている。可動軸受支持壁44Wの内壁面には、可動軸受支持壁44Wの左端面から、右端面よりも僅かに左側までに亘って、左右方向に延びる直方体形状の可動軸受嵌合溝44Rが刻設されている。この可動軸受嵌合溝44Rにおける右端部には、法線を左方向に向けた平面状の係合部としての可動軸受位置決め面44Pが形成されている。
さらに可動レバー44は、可動レバー把持部44Gの後側に、給紙ローラ可動軸受収容部44Afとほぼ同一形状である給紙サブローラ可動軸受収容部44Abが形成されている。給紙サブローラ可動軸受収容部44Abは、給紙ローラ可動軸受収容部44Afとほぼ同一形状であるため、その説明を省略する。以下では、給紙ローラ可動軸受収容部44Af及び給紙サブローラ可動軸受収容部44Abをまとめて可動軸受収容部44Aとも呼ぶ。
[3-4.可動軸受の構成]
図8に示すように可動軸受50及び66は、全体として、左右方向に可動レバー44と同様の厚さを有する略円柱形状であり、上端面が平面形状になっている。可動軸受50及び66は、可動レバー44に取り付けられる箇所が異なるものの、互いにほぼ同一形状であるため、以下では可動軸受50について説明する。
可動軸受50は、左端面において、可動レバー44に取り付けられた際に、該可動レバー44の左端面と面一となるように法線を左方向に向けた平面である可動軸受左側面50LSが形成されている。また可動軸受50は、右端面において、可動軸受右側面50RSが形成されている。可動軸受右側面50RSは、上半分に平行面50RS1が、下半分に傾斜面50RS2が、それぞれ形成されている。平行面50RS1は、可動軸受左側面50LSと平行であり、可動軸受50が可動レバー44に取り付けられた際に、該可動レバー44の右端面と面一となるように法線を右方向に向けた平面である。傾斜面50RS2は、下方向に向かうに連れて可動軸受50の左右方向の厚さが薄くなるように、平行面50RS1に対し下端部が左側(可動軸受左側面50LS側)へ傾斜する平面である。
可動軸受50は、ばね52の後端部が嵌まり込むよう、可動軸受左側面50LSに略円柱形状の凹部であるばね固定部50Sが形成されている。また可動軸受50は、給紙ローラ12の給紙ローラボス部54Bが嵌まり込むよう、可動軸受右側面50RSに略円柱形状の凹部である給紙ローラ嵌合孔50Aが形成されている。以下では、可動軸受50において、それぞれ、給紙ローラ嵌合孔50Aの上側半分を形成する湾曲形状の面を給紙ローラ嵌合孔上内壁面50ASuとも呼び、給紙ローラ嵌合孔50Aの下側半分を形成する湾曲形状の面を給紙ローラ嵌合孔下内壁面50ASdとも呼び、給紙ローラ嵌合孔50Aの左端部を形成する円形状の平面を給紙ローラ嵌合孔左内壁面50ASlとも呼ぶ。給紙ローラ嵌合孔50Aの中心は、上下方向に関し、平行面50RS1と傾斜面50RS2との接点とほぼ同じ位置に位置している。
また、給紙ローラ嵌合孔上内壁面50ASuの左右方向の長さは、給紙ローラ嵌合孔上内壁面50ASuの上下方向の全ての位置において一定である。一方、給紙ローラ嵌合孔下内壁面50ASdの左右方向の長さは、上側から下側に向かうに連れて徐々に短くなっている。さらに、給紙ローラ嵌合孔上内壁面50ASuの左右方向の長さは、給紙ローラ嵌合孔下内壁面50ASdの左右方向の長さよりも長くなっている。
また、給紙ローラ嵌合孔上内壁面50ASuの左右方向の長さ、すなわち、給紙ローラ嵌合孔左内壁面50ASlから可動軸受50の平行面50RS1までの長さは、給紙ローラボス部54Bの左右方向の長さよりも短くなっている。このため給紙ローラ嵌合孔左内壁面50ASlは、給紙ローラボス部54Bにおける左端面に当接している。
ここで、給紙ローラ嵌合孔50Aに給紙ローラ12の給紙ローラボス部54Bが嵌合した状態における、回転軸方向に関し給紙ローラ嵌合孔50Aと給紙ローラボス部54Bとが重なる長さ、すなわち、給紙ローラ嵌合孔上内壁面50ASuと給紙ローラボス部54Bとが重なる長さは、給紙ローラ嵌合孔50Aにおける下半分よりも上半分の方が、長くなる。このように回転軸方向に関し給紙ローラ嵌合孔50Aと給紙ローラボス部54Bとが重なる箇所のうち、最も長い箇所の長さを、給紙ローラ嵌合深さD1とも呼ぶ。給紙ローラボス部54Bは、回転軸方向に関し、給紙ローラ嵌合深さD1の分だけ、その先端が給紙ローラ嵌合孔50Aに入り込んでいる。
また可動軸受50は、左右方向に沿う前側面及び後側面において、前側面及び後側面の左端部から、右端面よりも僅かに左側までに亘って、左右方向に延びる直方体形状の可動レバー嵌合突起50Cが突出している。この被係合部としての可動レバー嵌合突起50Cにおける右端部には、法線を右方向に向けた平面状の当接面50Tが形成されている。
以上は可動軸受50について説明したが、可動軸受66は、可動軸受50と対応する部材の符号の末尾に、可動軸受50と同一のアルファベットを付したように、可動軸受50とほぼ同様に構成されている。
ここで、給紙サブローラ一端部嵌合孔66Aに給紙サブローラ13の給紙サブローラ軸部シャフト一端部60S1が嵌合した状態における、回転軸方向に関し給紙サブローラ一端部嵌合孔66Aと給紙サブローラ軸部シャフト一端部60S1とが重なる長さ、すなわち、給紙サブローラ一端部嵌合孔上側面66ASuと給紙サブローラ軸部シャフト一端部60S1とが重なる長さは、給紙サブローラ一端部嵌合孔66Aにおける下半分よりも上半分の方が、長くなる。このように回転軸方向に関し給紙サブローラ一端部嵌合孔66Aと給紙サブローラ軸部シャフト一端部60S1とが重なる箇所のうち、最も長い箇所の長さを、給紙サブローラ嵌合深さD2とも呼ぶ。給紙サブローラ軸部シャフト一端部60S1は、回転軸方向に関し、給紙サブローラ嵌合深さD2の分だけ、その先端が給紙サブローラ一端部嵌合孔66Aに入り込んでいる。給紙ローラ嵌合深さD1と給紙サブローラ嵌合深さD2とは、同一の値となっている。
図9に示すように、可動軸受50は、可動レバー44の左側面よりも左側から、可動レバー嵌合突起50Cが可動レバー44の可動軸受嵌合溝44Rに嵌まり込むように右方向へ押されることにより、可動レバー44に対し左右方向に移動可能に支持される。さらに可動軸受50は、ばね固定部50Sにばね52の右端部が嵌まり込むことによりローラ付勢方向Duに付勢される。このとき可動軸受50は、当接面50T(図8)が可動レバー44の可動軸受位置決め面44P(図7)に押し付けられることにより、位置決めされ、その位置が保持される。また可動軸受50は、給紙ローラ嵌合孔50A(図8)に給紙ローラ12の給紙ローラボス部54B(図3)が嵌まり込むことにより、給紙ローラ12を回転可能に支持する。
一方、可動軸受66は、可動レバー44の左側面よりも左側から、被係合部としての可動レバー嵌合突起66Cが可動レバー44の可動軸受嵌合溝44Rに嵌まり込むように右方向へ押されることにより、可動レバー44に対し左右方向に移動可能に支持される。さらに可動軸受66は、ばね固定部66Sにばね68の右端部が嵌まり込むことによりローラ付勢方向Duに付勢される。このとき可動軸受66は、当接面66T(図8)が可動レバー44の可動軸受位置決め面44P(図7)に押し付けられることにより、位置決めされ、その位置が保持される。また可動軸受66は、給紙サブローラ一端部嵌合孔66A(図8)に給紙サブローラ13の給紙サブローラ軸部シャフト一端部60S1(図4)が嵌まり込むことにより、給紙サブローラ13を回転可能に支持する。
図10に示すように、可動レバー44は、給紙フレーム42の底部の上に載るように給紙フレーム42に支持される。このとき可動レバー44は、給紙フレーム42に形成されたガイド部42C及び42Eが上端面に当接することにより、上下方向の位置が保持される。また可動レバー44は、ばね52及びばね68の付勢力の方向であるローラ付勢方向Duに反したローラ退避方向Deに移動可能に給紙フレーム42に支持される。このとき可動レバー把持部44Gは、給紙ユニット外装部39に形成された孔部を介し該給紙ユニット外装部39から下方へ突出している。
[4.給紙ローラ及び給紙サブローラの交換方法について]
ここで、画像形成装置1における、給紙ローラ12及び給紙サブローラ13の交換方法について説明する。まず作業者は、画像形成装置1本体の電源を落としてから、用紙カセット11を筐体2から前方へ完全に抜き出す。これにより筐体開口部2A(図1)が開放され、作業者は、図2に示したように筐体2の外部から給紙ローラ12及び給紙サブローラ13を視認可能となる。
作業者は、図6に示したローラ装着状態から、図11に示すように、可動レバー44の可動レバー把持部44Gを把持しローラ退避方向Deに移動させる。このため可動レバー44の可動軸受位置決め面44P(図7)が可動軸受50及び66の当接面50T(図8)をローラ退避方向Deへ押す。これにより、図12に示すように、可動軸受50が給紙ローラ12における給紙ローラ軸部54の給紙ローラボス部54Bからローラ退避方向Deへ離隔し、給紙ローラ12をカップリング49から取り外し可能な状態である給紙ローラ着脱可能状態となる。これと共に、図13に示すように、可動軸受66が給紙サブローラ13における給紙サブローラ軸部シャフト60Sの給紙サブローラ軸部シャフト一端部60S1からローラ退避方向Deへ離隔し、給紙サブローラ13を給紙サブローラ他端部嵌合孔42Fから取り外し可能な状態である給紙サブローラ着脱可能状態となる。上述したように、給紙ローラ嵌合深さD1と給紙サブローラ嵌合深さD2とは、同一の値となっている。このため可動レバー44がローラ退避方向Deに移動して可動軸受50及び66が互いに同じ量だけローラ退避方向Deに移動すると、給紙ユニット40は、同じタイミングで、給紙ローラ着脱可能状態と給紙サブローラ着脱可能状態とになる。以下では、給紙ローラ着脱可能状態及び給紙サブローラ着脱可能状態をまとめて、ローラ着脱可能状態とも呼ぶ。
続いて作業者は、給紙ローラ12を左方向へ動かしてカップリング49から離隔させてから、給紙ローラ12及び給紙サブローラ13が給紙フレーム42から取り外される際に移動する下方向であるローラ取外方向へ取り外す。さらに作業者は、給紙サブローラ13を左方向へ動かして給紙サブローラ他端部嵌合孔42Fから離隔させてからローラ取外方向へ取り外す。
以下では、給紙サブローラ13の取り付け方法について説明する。続いて作業者は、給紙サブローラ着脱可能状態において、可動レバー44の可動レバー把持部44Gから手を離した状態で、図14に示すように、新たな給紙サブローラ13を給紙サブローラ他端部嵌合孔42Fの下側から、給紙ローラ12及び給紙サブローラ13が給紙フレーム42へ取り付けられる際に移動する上方向であるローラ取付方向へ向けて移動させて、給紙サブローラ他端部嵌合孔42Fに給紙サブローラ13の給紙サブローラ軸部シャフト他端部60S2を入れ込む。続いて作業者は、給紙サブローラ軸部シャフト一端部60S1をローラ取付方向へ移動させ可動軸受66の傾斜面66RS2に当接させる。さらに作業者は、可動軸受66の傾斜面66RS2に給紙サブローラ軸部シャフト一端部60S1の上側を当接させた状態で給紙サブローラ13をローラ取付方向へ押し込む。このため図15に示すように、給紙サブローラ13がローラ取付方向へ移動するに連れて可動軸受66が給紙サブローラ13によってローラ退避方向Deへ押されて移動していき、給紙サブローラ軸部シャフト一端部60S1が可動軸受66の給紙サブローラ一端部嵌合孔66Aに嵌合する。これにより、給紙サブローラ13が可動軸受66を介しばね68によりローラ支持面42Bへ向けてローラ付勢方向Duへ付勢されて図4に示した給紙サブローラ装着状態となる。
上述したように、可動軸受50及び66は、可動レバー44に対し左右方向へ移動となるように、可動レバー44に支持されている。このため可動軸受66が給紙サブローラ13に押されてローラ退避方向Deへ移動しても、可動レバー44は可動軸受66と共にローラ退避方向Deへは移動しない。
なお以上は、給紙サブローラ13の取り付け手順について説明したが、給紙ローラ12についても給紙サブローラ13と同様の手順で取り付け可能である。また、給紙ローラ12と給紙サブローラ13との両方が交換される場合について説明したが、給紙ローラ12又は給紙サブローラ13の何れか一方が交換される場合は、片方のローラの交換作業のみが行われる。
[5.効果等]
以上の構成において画像形成装置1は、給紙ユニット40において、給紙ローラ12をばね52の付勢力により可動軸受50を介してローラ支持面42Bに向かってローラ付勢方向Duへ押し付けると共に、給紙サブローラ13をばね68の付勢力によりローラ支持面42Bに向かってローラ付勢方向Duへ押し付けるようにした。また画像形成装置1は、給紙ユニット40において、可動軸受50及び66と係合し、可動軸受50及び66と共にローラ付勢方向Duとローラ退避方向Deとに移動可能な可動レバー44を設け、可動軸受50及び66を、可動レバー44に対してローラ退避方向Deに移動可能に構成した。
このため画像形成装置1は、可動レバー44がばね52及び68の付勢力に逆らってローラ退避方向Deへ向かって移動されるだけで、可動軸受50を給紙ローラ12から離隔させカップリング49から容易に取り外し可能にできると共に、可動軸受66を給紙サブローラ13から離隔させ給紙サブローラ他端部嵌合孔42Fから容易に取り外し可能にできる。
また画像形成装置1は、可動レバー44は移動せずに可動軸受50及び66が可動レバー44に対してローラ退避方向Deに移動可能にした。このため画像形成装置1は、作業者が可動レバー把持部44Gを摘んで可動レバー44をローラ退避方向Deに移動させなくとも、可動レバー把持部44Gから手を離した状態で、給紙ローラ12を片手で把持して可動軸受50に当接させて該可動軸受50をローラ退避方向Deに退避させつつ可動軸受50に容易に取り付け可能にできると共に、給紙サブローラ13を可動軸受66に当接させて該可動軸受66をローラ退避方向Deに退避させつつ可動軸受66に容易に取り付け可能にできる。これにより画像形成装置1は、ローラの交換作業性を向上させ、ユーザビリティを向上できる。
このように画像形成装置1は、給紙ローラ12及び給紙サブローラ13の前方に形成された筐体開口部2Aの外部からしか覗き込んだり手を入れたりすることができないような、目視できる方向が限られており、視認性と作業性とが比較的悪い給紙ユニット40に対し、可動レバー44をローラ退避方向Deへ移動させるだけで給紙ローラ12及び給紙サブローラ13を給紙フレーム42から取り外し可能にできると共に、可動レバー44をローラ退避方向Deへ移動させなくとも給紙ローラ12及び給紙サブローラ13を給紙フレーム42へ取り付け可能にできる。
また画像形成装置1は、給紙ユニット40の可動軸受50において、給紙ローラ12と対向する可動軸受右側面50RSにおけるローラ取外方向側に、ローラ取外方向側に向かうに連れてローラ退避方向De側へ傾斜する、すなわち、法線をローラ付勢方向Duよりもローラ取外方向側へ向けた傾斜面50RS2を形成するようにした。
このため画像形成装置1は、可動軸受50の傾斜面50RS2に給紙ローラ12の給紙ローラボス部54Bの上側が当接された状態で給紙ローラ12がローラ取付方向へ押し込まれるだけで、給紙ローラ12からローラ取付方向に向かって可動軸受50に加わる力の一部分を、ローラ退避方向Deへ向かう力へ変換し、可動軸受50を給紙ローラ12によってローラ退避方向Deへ退避させることができる。
これにより画像形成装置1は、可動レバー44がローラ退避方向Deへ向けて押されるように操作されなくとも、給紙ローラ12が可動軸受50に当接した状態でローラ取付方向へ押し込まれるだけで、可動軸受50を給紙ローラ12によってローラ退避方向Deへ退避させ、給紙ローラボス部54Bを可動軸受50の給紙ローラ嵌合孔50Aに嵌合させることができ、ローラの交換作業性を向上させることができる。以上は可動軸受50及び給紙ローラ12について説明したが、可動軸受66及び給紙サブローラ13においても同様である。
さらに画像形成装置1は、可動軸受50及び66を1つの可動レバー44に取り付け、可動軸受50及び66のそれぞれの当接面50Tを可動レバー44の可動軸受位置決め面44Pに当接させるようにした。このため画像形成装置1は、可動レバー44がばね52及び68の付勢力に逆らってローラ退避方向Deへ向かって移動されるだけで、可動軸受50と可動軸受66との両方をローラ退避方向Deへ移動させ、給紙ローラ12及び給紙サブローラ13の両方を同時に取り外し可能な状態にできる。これにより画像形成装置1は、給紙ローラ12を取り外すための可動レバーと、給紙サブローラ13を取り外すための可動レバーとを互いに別体で設ける場合と比較して、ローラを取り外す際の作業性を向上させることができる。
さらに画像形成装置1は、可動軸受50及び66を、可動軸受50と可動軸受66とが連動しないように互いに独立して可動レバー44に対し左右方向へ移動可能に構成した。このため画像形成装置1は、可動軸受50と可動軸受66とを互いに連動せず独立させた状態で可動レバー44に対しローラ退避方向Deへ移動させることができる。これにより給紙ユニット40は、給紙ローラ12と給紙サブローラ13とを個別に取り付け可能にでき、ローラの交換性を向上できる。
さらに画像形成装置1は、給紙ローラ12と給紙サブローラ13とを、互いに回転軸方向の位置が同一であるローラ支持面42Bに向けてローラ付勢方向Duへ押し付けるようにした。これにより画像形成装置1は、給紙ローラ12及び給紙サブローラ13の搬送幅方向の中心を合わせやすくして位置精度を向上させ、搬送不良を発生しにくくでき、搬送性能を向上できる。
また従来の給紙ユニットにおいては、交換を容易とするために、給紙ローラ12及び給紙サブローラ13が、回転軸方向に関し片側からのみ支持される片持ち支持構造になっているものがある。しかしながら、片持ち支持構造の場合、用紙カセットから用紙が搬送される際に、用紙の搬送幅方向の中心に対しローラの搬送幅方向の中心がずれて斜行が発生したり、最初に用紙とローラとの搬送幅方向の中心が一致した位置で真っ直ぐ搬送されても、途中の用紙走行路から受ける用紙走行抵抗の左右の偏りで用紙に傾く力が働き、その力にローラが追従して軸移動し、2つのローラの位置がずれてしまい、斜行を抑制することができなったりしてしまう。また、給紙ローラが片持ち支持である場合、支持されていない側が振れるため、分離ローラとの当接位置が安定せず、斜行が発生しやすい構造となっている。
これに対し画像形成装置1は、給紙ユニット40において、給紙ローラ12を可動軸受50と給紙シャフト41とにより回転軸方向の両側で支持する両持ち支持構造にすると共に、給紙サブローラ13を可動軸受66と給紙サブローラ他端部嵌合孔42Fとにより回転軸方向の両側で支持する両持ち支持構造にした。このため画像形成装置1は、2つのローラを両持ち支持構造とすることにより、ローラの回転軸を傾けさせることなく、用紙を回転軸方向と垂直に、すなわち斜行させずに搬送できる。
また画像形成装置1は、給紙ユニット40において、給紙ローラ12をばね52の付勢力により給紙フレーム42のローラ支持面42Bに向かってローラ付勢方向Duへ押し付けると共に、給紙サブローラ13をばね68の付勢力により給紙フレーム42のローラ支持面42Bに向かってローラ付勢方向Duへ押し付けるようにした。
このように画像形成装置1は、ばねを用いて2つのローラが装着される共通の給紙フレーム42で同じ方向の付勢力を受ける構造とすることにより、給紙ローラ12及び給紙サブローラ13の回転軸方向のがたつきである軸ぶれをなくして、給紙ローラ12及び給紙サブローラ13の搬送幅方向の中心を合わせやすくし、搬送不良を発生しにくくでき、搬送性能を向上できる。
このように画像形成装置1は、給紙ローラ12と給紙サブローラ13とのそれぞれを回転軸方向の一方から他方に向けて付勢して給紙フレーム42に突き当てることにより、ローラの位置決め精度を向上できると共に、給紙ローラ12と給紙サブローラ13とのそれぞれを両持ち支持構造とすることにより、用紙の斜行を発生しにくくできる。
このように画像形成装置1は、用紙を斜行させずに安定的に搬送するように搬送性能を保ちつつ、給紙ローラ12及び給紙サブローラ13それぞれを容易に交換可能にし、交換作業性を向上できる。
以上の構成によれば給紙ユニット40は、回転軸方向(左右方向)に沿う回転軸を中心に回転し、媒体としての用紙Pを搬送する給紙サブローラ13と、給紙サブローラ13を回転可能に保持する可動軸受66と、給紙サブローラ13を回転軸方向に沿う第1の方向としてのローラ付勢方向Duに付勢する付勢力を生成するばね68と、可動軸受66と係合し、可動軸受66と共にローラ付勢方向Duと反対方向の第2の方向としてのローラ退避方向Deとに移動可能な可動レバー44とを設け、可動軸受66は、可動レバー44に対してローラ退避方向Deに移動可能であるようにした。
また画像形成装置1は、給紙ユニット40と、該給紙ユニット40を収容し、給紙ユニット40に対し回転軸方向と直交する方向である前方に形成され給紙ユニット40の少なくとも一部分を外部に露出させる筐体開口部2Aが形成された筐体2とを設けるようにした。
これにより画像形成装置1は、可動レバー44が操作されなくとも、給紙ローラ12が可動軸受50に当接すると可動軸受50をローラ退避方向Deに退避させつつ、給紙ローラ12を給紙フレーム42に容易に取り付けさせることができる。それと共に画像形成装置1は、可動レバー44が操作されなくとも、給紙サブローラ13が可動軸受66に当接すると可動軸受66をローラ退避方向Deに退避させつつ、給紙サブローラ13を給紙フレーム42に容易に取り付けさせることができる。
[6.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においては、嵌合部54Mに給紙シャフト41を挿入することにより給紙ローラ12の右端部を給紙シャフト41で支持し、給紙ローラボス部54Bを可動軸受50の給紙ローラ嵌合孔50Aに嵌合させることにより給紙ローラ12の左端部を可動軸受50で支持する場合について述べた。本発明はこれに限らず、図5と対応する部材に同一符号を付した図16に示すように、給紙ローラ12の左端部を給紙ローラボス部54Bに代えて嵌合部54Mとし、該嵌合部54Mに、可動軸受50に代えて回転軸方向に移動可能な第1の保持部としての可動シャフト72を挿入することにより、給紙ローラ12の左端部を可動シャフト72で支持しても良い。この場合、画像形成装置1は、給紙ローラ12と給紙サブローラ13との見た目を明確に異なる形状にでき、作業者に対し、給紙ローラ12と給紙サブローラ13との見分けをつけやすくさせ、交換作業性を向上できる。
また可動シャフト72におけるローラ付勢方向Du側の端部における外周部には、円周方向に沿って全周に亘って、法線をローラ付勢方向Duよりも可動シャフト72の半径方向の外周側へ向けた傾斜面72Sが形成されている。
このため画像形成装置1は、可動シャフト72の傾斜面72Sに給紙ローラ12の上側が当接された状態で給紙ローラ12がローラ取付方向へ押し込まれるだけで、給紙ローラ12からローラ取付方向に向かって可動シャフト72に加わる力の一部分を、ローラ退避方向Deへ向かう力へ変換し、可動シャフト72を給紙ローラ12によってローラ退避方向Deへ退避させることができる。
これにより画像形成装置1は、可動レバー44が操作されなくとも、給紙ローラ12が可動シャフト72に当接した状態でローラ取付方向へ押し込まれるだけで、可動シャフト72を給紙ローラ12によってローラ退避方向Deへ退避させ、嵌合部54Mを可動シャフト72に嵌合させることができ、ローラの交換作業性を向上させることができる。
また上述した実施の形態においては、給紙ローラ嵌合深さD1と給紙サブローラ嵌合深さD2とを同一の値とすることにより、可動レバー44をローラ退避方向Deへ移動させた際に同じタイミングで給紙ローラ着脱可能状態と給紙サブローラ着脱可能状態とにする場合について述べた。本発明はこれに限らず、給紙ローラ嵌合深さD1と給紙サブローラ嵌合深さD2とを互いに異なる値とすることにより、可動レバー44をローラ退避方向Deへ移動させた際に異なるタイミングで給紙ローラ着脱可能状態と給紙サブローラ着脱可能状態とにしても良い。また、上述したように可動軸受50に代えて可動シャフト72にした場合、可動シャフト72が給紙ローラ12の嵌合部54Mに入り込む回転軸方向の量を、給紙サブローラ13の給紙サブローラ嵌合深さD2と異なる値にしても良い。その場合、作業者は、給紙ローラ12と給紙サブローラ13とを異なるタイミングで1つずつ取り外すことができる。またその場合、給紙ローラ12と給紙サブローラ13とのうち、経時変化で搬送性能が低下しやすい傾向にあるローラの方を、可動レバー44をローラ退避方向Deへ移動させた際に先にローラ着脱可能状態になるようにし、優先的に交換できるようにしても良い。
さらに、可動軸受50の可動レバー嵌合突起50Cと可動軸受66の可動レバー嵌合突起66Cとの左右方向の長さを互いに異なるようにした上で、可動軸受左側面50LS及び66LSが可動レバー44の左側面と面一となるように可動軸受50及び66を可動レバー44に取り付けることにより、給紙ローラ12と給紙サブローラ13とを異なるタイミングで1つずつ取り外し可能にしても良い。
さらに、可動軸受50の可動レバー嵌合突起50Cと可動軸受66の可動レバー嵌合突起66Cとの左右方向の長さを互いに同じ長さだけ短くし、可動レバー44における給紙ローラ可動軸受収容部44Afと給紙サブローラ可動軸受収容部44Abとで、可動レバー44の右側面から可動軸受位置決め面44Pまでの距離を互いに異なるようにした上で、可動軸受左側面50LS及び66LSが可動レバー44の左側面と面一となるように可動軸受50及び66を可動レバー44に取り付けることにより、給紙ローラ12と給紙サブローラ13とを異なるタイミングで1つずつ取り外し可能にしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、可動レバー44に可動レバー把持部44Gが一体に形成される場合について述べた。本発明はこれに限らず、可動レバー把持部44Gは、少なくとも、該可動レバー把持部44Gが操作された際に可動レバー44を連動して移動させることができれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、ローラ退避方向Deに移動させた可動レバー44により可動軸受50と可動軸受66との両方をローラ退避方向Deに移動させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、可動軸受50をローラ退避方向Deに移動させる可動レバーと、可動軸受66をローラ退避方向Deに移動させる可動レバーとの2つの可動レバーを設けても良い。
さらに上述した実施の形態においては、可動レバー44に対し可動軸受50と可動軸受66との両方がローラ退避方向Deに移動可能である場合について述べた。本発明はこれに限らず、可動レバー44に対し可動軸受50又は可動軸受66の何れか一方は固定されており可動レバー44に対しローラ退避方向Deに移動不能にしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、給紙ローラ装着状態において可動軸受50の当接面50Tが可動レバー44の可動軸受位置決め面44Pに当接する場合について述べた。本発明はこれに限らず、給紙ローラ装着状態から可動軸受50をローラ退避方向Deに移動させた場合に、可動軸受位置決め面44Pに当接面50Tが当接するようにしても良い。給紙サブローラについても同様である。
さらに上述した実施の形態においては、給紙ローラ12及び給紙サブローラ13の2つのローラを有する給紙ユニット40に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、給紙ローラ12又は給紙サブローラ13の何れか一方の1つのローラを有する給紙ユニット40に本発明を適用しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、可動軸受51及び可動軸受66を、給紙ローラ12及び給紙サブローラ13の左側に配置する場合について述べた。本発明はこれに限らず、可動軸受51と可動軸受66とを、回転軸方向に関し、給紙ローラ12及び給紙サブローラ13を挟んで互いに反対側に配置しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、給紙ローラ12と給紙サブローラ13とを、回転軸方向に関し互いに同じ方向である右方向へ付勢する場合について述べた。本発明はこれに限らず、給紙ローラ12と給紙サブローラ13とを、回転軸方向に関し互いに反対方向へ付勢しても良い。その場合、給紙ローラ12を着脱可能にする可動レバーと、給紙サブローラ13を着脱可能にする可動レバーとを別個に設ければ良い。
さらに上述した実施の形態においては、アイドルギヤ70により、モータの駆動力を給紙シャフト41から給紙サブローラ軸部ギヤ60Gへ伝達させ給紙サブローラ13を回転させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、他の種々の機構からなる駆動伝達機構により、モータの駆動力を給紙シャフト41から給紙サブローラ13へ伝達させても良い。
さらに上述した実施の形態においては、搬送される用紙Pにおける搬送幅方向のほぼ中央部分に1個の給紙ローラ12及び給紙サブローラ13を配置する場合について述べた。本発明はこれに限らず、搬送幅方向の長さよりも短い間隔を空けて、複数個の給紙ローラ12及び給紙サブローラ13を配置しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、用紙に画像を形成する画像形成装置1の印刷媒体供給部10に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば用紙に画像を形成せずに、ラベルを貼り付ける装置のフィーダー等に本発明を適用しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、ブラックの色に対応した1個のトナーカートリッジ21を有する画像形成部3においてモノクロ印刷を行うモノクロプリンタである画像形成装置1に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン又はブラックの1色に対応した1個のトナーカートリッジを有する画像形成装置や、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色に対応した4個のトナーカートリッジを有する画像形成部においてカラー印刷を行うカラープリンタである画像形成装置や、3個以下や5個以上のトナーカートリッジを有する画像形成装置等、種々の画像形成装置に本発明を適用しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、画像形成装置に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、ファクシミリ機、MFP(MultiFunction Printer:複合機)、複写機等の装置にも本発明を適用して良い。
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した実施の形態においては、第1のローラ部材としての給紙サブローラ13と、第1の保持部としての可動軸受66と、第1の付勢部材としてのばね68と、可動部と可動レバー44とによって、媒体搬送装置としての給紙ユニット40を構成し、さらに、媒体搬送装置としての給紙ユニット40と、筐体としての筐体2とによって、画像形成装置としての画像形成装置1を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる第1のローラ部材と、第1の保持部と、第1の付勢部材と、可動部とによって、媒体搬送装置を構成し、その他種々の構成でなる媒体搬送装置と、筐体とによって、画像形成装置を構成しても良い。