以下に、実施の形態にかかる送風機能付き机を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる送風機能付き机100の使用状態を側方から見た模式図である。図2は、実施の形態1にかかる送風機能付き机100を上方から見た斜視図である。図3は、図2に示す送風機能付き机100を右側から見た右側面図である。図2および図3における中太矢印は、吸気口14から送風機能付き机100の内部に流入して吹出口15から流出する気流の流れる方向を示している。図4は、図2に示す送風機能付き机100の内部風路16のイメージを示す概念図である。図5は、図2に示す送風機能付き机100における他人検知センサ部32の検知範囲を示す図であり、送風機能付き机100の上面図である。図6は、図2に示す送風機能付き机100の機構構成を示す図である。なお、図における太い矢印は、空気流の流れを示している。
図1に示すように、本実施の形態1にかかる送風機能付き机100は、感染症防止のために、送風機能付き机100の使用者201と、送風機能付き机100の周囲に位置する他人202との間に空気流を発生させる机である。送風機能付き机100の使用者201は、送風機能付き机100の前方に椅子203を置き、椅子203に座って任意の作業を行う。送風機能付き机100では、送風機能付き机100の使用者201と送風機能付き机100の周囲に位置する他人202との間に発生させた気流がエアーカーテンとなり、送風機能付き机100の使用者201または送風機能付き机100の周囲に位置する他人202から発生した飛沫が他方の人に到達することを抑制する。
なお、図1においては送風機能付き机100の使用者201が送風機能付き机100の前方に置かれた椅子203に座った状態で使用される状態について示しているが、送風機能付き机100の使用形態はこれに限定されない。すなわち、送風機能付き机100は、送風機能付き机100の前方に置かれた椅子203に使用者201が座った状態で使用される物であってもよく、また通常の机よりも高さが高くされており使用者201が立った状態で作業をするスタンディングデスクであってもよく、また机の高さを変更できる上下昇降デスクであってもよい。また、送風機能付き机100が設置される空間である使用空間は、例えば、家の室内および事務所の室内といった閉鎖された空間である閉鎖空間であってもよく、屋外の空間であってもよい。
送風機能付き机100は、本体部1と、送風部2と、センサ部3と、操作部4と、表示部5と、記憶部6と、報知部7と、制御部8と、を備える。送風機能付き机100は、不図示の外部電源から供給される電力により動作する。
本体部1は、送風機能付き机100の上部に配置された天板部11と、天板部11の左右の端部の下部に接続されて配置された脚部12と、2つの脚部12に挟まれて天板部11の背面側の下部に接続されて配置された背面部13と、を備える。脚部12は、天板部11の左側の下部に配置された第1脚部である左側脚部121と、天板部11の右側の下部に配置された第2脚部である右側脚部122と、を有する。
なお、本実施の形態1においては、天板部11の上面11aに垂直な方向を上下方向とし、天板部11の上面11aの長辺に沿った方向を左右方向とし、天板部11の上面11aの短辺に沿った方向を前後方向とする。上下方向は、図におけるZ軸方向に対応する。左右方向は、使用者201から見た左右方向であり、図におけるX軸方向に対応する。図2において、紙面の左側が使用者201から見た左方向である。図2において、紙面の右側が使用者201から見た右方向である。前後方向は、送風機能付き机100の奥行き方向であり、上下方向および左右方向に直行する方向であって、図におけるY軸方向に対応する。左右方向を第1方向とすると、前後方向は、天板部11の上面11aの面内方向において第1方向に直行する第2方向である。天板部11の上面11aの面内方向は、水平方向に平行な方向である。また、左右方向である第1方向は、送風機能付き机100および本体部1の長手方向と換言できる。また、前後方向である第2方向は、送風機能付き机100および本体部1の短手方向と換言できる。
送風機能付き机100は、天板部11の上面11aが水平面に平行な状態で設置される。天板部11の上面11aは、長方形状を有し、平行な状態に配置されている。天板部11と右側脚部122と左側脚部121とが接続されることによりU形状の接続体が構成されている。背面部13は、接続体における背面側を塞いだ状態で配置されている。
図2および図3に示すように、本体部1の内部には、送風部2が組み込まれている。送風部2は、後述する吸気口14から本体部1の内部に流入して後述する吹出口15から流出する気流を形成する。また、図4に示すように、送風機能付き机100の内部、すなわち本体部1の内部には、後述するように吸気口14から本体部1の内部に流入して後述する吹出口15から流出する気流が流れる内部風路16が形成されている。すなわち、送風部2は、天板部11の内部に形成された内部風路16に配置されて、吸気口14から内部風路16に流入して吹出口15から流出する気流を発生させる。送風部2は、吸気口14から内部風路16に流入して吹出口15から流出する気流を形成する不図示のファン、およびファンを回転駆動する不図示のモータを有する。内部風路16は、一端部は吸気口14とされ、他端部は吹出口15とされている。
図2および図3に示すように、背面部13の前面13aには、本体部1の内部に形成された内部風路16における送風部2の吸気側の空間と、本体部1の外部と、を連通する吸気口14が形成されている。具体的に、吸気口14は、背面部13の内部に形成された内部風路16おける送風部2の吸気側の空間と、背面部13の前面13aの前方の空間と、を連通する。吸気口14は、吹出口15よりも下方において、背面部13より手前側に向かって開口した状態に形成されている。送風部2が動作することによって、背面部13の前面13aの前方の空気が、吸気口14から本体部1の内部に吸い込まれて、吸気口14から本体部1の内部に流入して吹出口15から流出する気流となる。
図2に示すように、送風機能付き机100の上面、すなわち天板部11の上面11aには、本体部1の内部に形成された内部風路16における送風部2の排気側の空間と、本体部1の外部と、を連通する吹出口15が形成されている。具体的に、吹出口15は、天板部11の内部に形成された内部風路16における送風部2の排気側の空間と、天板部11の上方の空間と、を連通する。吹出口15は、天板部11の上方に向かって開口した状態に形成されている。天板部11の上面11aは、本体部1の上面であり、送風機能付き机100の上面である。
吹出口15は、送風部2が動作することによって本体部1の内部に発生する気流が、上方へ吹き出される。すなわち、本体部1の内部に吸い込まれた空気が、吹出口15から天板部11の上方へ吹き出される。送風機能付き机100には、吹出口15である、背面側吹出口151と、左側吹出口152と、右側吹出口153と、が形成されている。
背面側吹出口151は、天板部11の上面11aにおける背面側の端部に隣り合う領域に形成された第1吹出口である。背面側吹出口151は、天板部11の上面11aにおける背面側の領域において、左右方向における中央部を中心として、左右方向に沿って直線状に形成されている。背面側吹出口151の開口形状は、前後方向の寸法よりも左右方向の寸法が大きくされている。
左側吹出口152は、天板部11の上面11aにおける左側の端部に隣り合う領域に形成された第2吹出口である。左側吹出口152は、天板部11の上面11aにおける左端部側の領域において、前後方向における中央部を中心として、前後方向に沿って直線状に形成されている。左側吹出口152の開口形状は、左右方向の寸法よりも前後方向の寸法が大きくされている。
右側吹出口153は、天板部11の上面11aにおける右側の端部に隣り合う領域に形成された第3吹出口である。右側吹出口153は、天板部11の上面11aにおける右端部側の領域において、前後方向における中央部を中心として、前後方向に沿って直線状に形成されている。右側吹出口153の開口形状は、左右方向の寸法よりも前後方向の寸法が大きくされている。
センサ部3は、送風機能付き机100の送風動作の制御において用いられる各種の状態を検知する。センサ部3は、検知結果を制御部8に送信する。センサ部3と制御部8との通信は、無線通信であってもよく、有線通信であってもよい。センサ部3は、送風機能付き机100の使用者201が送風機能付き机100の前方に居ることを検知する使用者検知センサ部31と、送風機能付き机100の使用者201以外の他人202の有無を検知する他人検知センサ部32と、を備える。
使用者検知センサ部31は、送風機能付き机100の前方における使用者201の有無を、予め決められた周期で検知するセンサであり、送風機能付き机100における第1の在人センサである。使用者検知センサ部31は、公知の技術を用いることにより、送風機能付き机100の前方における使用者201の有無を検知することができ、例えば赤外線を利用した赤外線センサなどの人感センサを用いることができる。使用者検知センサ部31は、検知結果を制御部8に送信する。制御部8は、送風機能付き机100の前方に人が居るときに送風機能付き机100が使用中と判定することができる。
なお、使用者検知センサ部31は、使用者201が送風機能付き机100の前方に居て送風機能付き机100を使用していることを検知できるため、送風機能付き机100が使用中であることを検知する使用中センサともいえる。
なお、送風機能付き机100への電源の投入の情報により送風機能付き机100の使用中を判断し、送風機能付き机100の電源の切断の情報により送風機能付き机100の不使用を判断することも可能である。しかしながら、使用者201が送風機能付き机100への電源の投入操作および電源の切断操作を忘れても送風機能付き机100を動作させるためには、赤外線センサなどを用いて送風機能付き机100の前方における人の有無を検知するセンサ検知が実施されることが好ましい。
他人検知センサ部32は、送風機能付き机100の周囲における、使用者201以外の他人202の有無を、予め決められた周期で検知する。他人検知センサ部32は、使用者201から見て吹出口15より外側に居る他人202の検知を行う。他人検知センサ部32は、公知の技術を用いることにより、送風機能付き机100の周囲における、使用者201以外の他人202の有無を検知することができ、例えば赤外線を利用した赤外線センサなどの人感センサを用いることができる。他人検知センサ部32は、検知結果を制御部8に送信する。
図5に示すように、他人検知センサ部32の検知範囲は、背面側吹出口151より背面側の検知範囲である背面側検知ゾーン321と、左側吹出口152より左側の検知範囲である左側検知ゾーン322と、右側吹出口153より右側の検知範囲である右側検知ゾーン323と、がある。他人検知センサ部32は、背面側検知ゾーン321と左側検知ゾーン322と右側検知ゾーン323とについて、ゾーンごとに送風機能付き机100の周囲における他人202の有無を検知する。
背面側検知ゾーン321は、前後方向において、背面部13に対して背面側に隣り合う領域である。また、背面側検知ゾーン321は、左右方向において、背面側吹出口151に対応する領域を含み、さらに背面側吹出口151よりも左右に長い領域とされる。
左側検知ゾーン322は、左右方向において、左側脚部121に対して左側に隣り合う領域である。また、左側検知ゾーン322は、前後方向において、左側吹出口152に対応する領域を含み、さらに左側吹出口152よりも前後に長い領域とされる。
右側検知ゾーン323は、左右方向において、右側脚部122に対して右側に隣り合う領域である。また、右側検知ゾーン323は、前後方向において、右側吹出口153に対応する領域を含み、さらに右側吹出口153よりも前後に長い領域とされる。
操作部4は、送風機能付き机100の送風動作の制御に関する各種操作をユーザから受け付ける。操作部4では、送風機能付き机100の電源のオンおよびオフを操作することができる。操作部4は、受け付けたユーザからの操作に対応する情報を制御部8に送信する。
表示部5は、送風機能付き机100の送風動作の制御に関する各種情報を表示する。
記憶部6は、送風機能付き机100の送風動作の制御に関する各種情報を記憶する。
報知部7は、天板部11の上面11aにおける吹出口15の上または吹出口15の周囲に物体が有ると判定されて、吹出口15からの吹き出し空気流の吹き出しが停止している間、吹出口15からの吹き出し空気流の吹き出しが止まっている旨の注意喚起の報知を行う。また、報知部7は、天板部11の上面11aにおける吹出口15の上または吹出口15の周囲に物体が有ると判定されて、吹出口15からの吹き出し空気流の流量が減少している間、吹出口15からの吹き出し空気流の流量が減少している旨の注意喚起の報知を行う。
制御部8は、送風機能付き机100の各構成部の制御を含む、送風機能付き机100における送風動作の制御を行う。上述した送風機能付き机100の各構成部は、互いに情報の送受信が可能である。制御部8は、センサ部3の検知結果に基づいて、送風部2の運転を自動で制御する。すなわち、送風機能付き机100は、センサ部3の検知結果に基づいて、自動で運転および風量を制御することが可能である。具体的に、制御部8は、使用者検知センサ部31の検知結果と他人検知センサ部32の検知結果とに基づいて送風部2の運転を制御する。
つぎに、送風機能付き机100の動作について説明する。送風機能付き机100の電源がオンにされると、制御部8の制御に従って使用者検知センサ部31と他人検知センサ部32とが、予め決められた周期で検知動作を開始する。そして、使用者検知センサ部31の検知結果と他人検知センサ部32の検知結果とが、制御部8に送信される。制御部8は、使用者検知センサ部31の検知結果と他人検知センサ部32の検知結果とに基づいて、送風部2の運転および送風部2の停止を制御する。
図7は、図2に示す送風機能付き机100の動作の手順を説明するフローチャートである。
ステップS110において、制御部8は、送風機能付き机100の前方に使用者201が居るか否かを判定する。具体的に、制御部8は、使用者検知センサ部31から予め決められた周期で送信される検知結果に基づいて、送風機能付き机100の前方に使用者201が居るか否かを判定する。制御部8は、送風機能付き机100の前方において使用者201が検知された旨の検知結果、すなわち送風機能付き机100が使用中である旨の検知結果を受信した場合に、送風機能付き机100の前方に使用者201が居ると判定する。制御部8は、送風機能付き机100の前方において使用者201が検知されていない旨の検知結果、すなわち送風機能付き机100が使用中でない旨の検知結果を受信した場合に、送風機能付き机100の前方に使用者201が居ないと判定する。
ここで、制御部8が使用者検知センサ部31から受信する検知結果は、送風機能付き机100の前方における使用者201の有無を示す情報であるため、送風機能付き机100の前方に使用者201が居るか否かを示す情報である使用者有無情報である。したがって、制御部8は、使用者有無情報を受信して、使用者有無情報に基づいて使用者201の有無を判定する。
送風機能付き机100の前方に使用者201が居ると判定された場合は、ステップS110においてYesとなり、ステップS120に進む。送風機能付き机100の前方に使用者201が居ないと判定された場合は、ステップS110においてNoとなり、ステップS110を繰り返す。
ステップS120において、制御部8は、送風機能付き机100の周囲に他人202が居るか否かを判定する。すなわち、制御部8は、送風機能付き机100の周囲における、送風機能付き机100の使用者201以外の他人202の有無を判定する。ここでの、送風機能付き机100の周囲は、送風機能付き机100の前方を除いた、送風機能付き机100の背面側、右側および左側である。具体的に、制御部8は、他人検知センサ部32から予め決められた周期で送信される検知結果に基づいて、送風機能付き机100の周囲に他人202が居るか否かを判定する。
制御部8は、背面側検知ゾーン321と左側検知ゾーン322と右側検知ゾーン323とについて、ゾーンごとに送風機能付き机100の周囲における他人202の有無を判定する。そして、制御部8は、背面側検知ゾーン321と左側検知ゾーン322と右側検知ゾーン323とにおける少なくとも1つのゾーンに他人202が存在する場合に、送風機能付き机100の周囲に他人202が居ると判定する。制御部8は、背面側検知ゾーン321と左側検知ゾーン322と右側検知ゾーン323とにおける全てのゾーンに他人202が存在しない場合に、送風機能付き机100の周囲に他人202が居ないと判定する。
ここで、制御部8が他人検知センサ部32から受信する検知結果は、送風機能付き机100の周囲における他人202の有無を示す情報であるため、送風機能付き机100の周囲に他人202が居るか否かを示す情報である他人有無情報である。したがって、制御部8は、他人有無情報を受信して、他人有無情報に基づいて送風機能付き机100の周囲における他人202の有無を判定する。
送風機能付き机100の周囲に他人202が居ると判定された場合は、ステップS120においてYesとなり、ステップS130に進む。送風機能付き机100の周囲に他人202が居ないと判定された場合は、ステップS120においてNoとなり、ステップS120を繰り返す。
ステップS130において、制御部8は、送風部2を運転させる制御を行う。これにより、吸気口14から本体部1の内部風路16に流入して吹出口15から流出する気流が形成される。すなわち、制御部8は、背面側吹出口151、右側吹出口153および左側吹出口152のそれぞれのゾーンにおける少なくとも1つのゾーンに他人202が存在するときにのみ、送風部2を運転させる。
ステップS140において、制御部8は、背面側検知ゾーン321と左側検知ゾーン322と右側検知ゾーン323との各ゾーンにおける他人202の有無に基づいて、他人202が検知されたゾーンに対応する吹出口15から吹き出し空気流を吹き出させる制御を行い、背面側吹出口151、左側吹出口152および右側吹出口153のそれぞれから吹き出される吹き出し空気流を、互いに独立して制御する。ここで、制御部8は、吹き出し空気流が吹き出される吹出口15を、各ゾーンにおける他人202の有無に対応して判定して、他人202が居ると判定されたゾーンに対応する吹出口15のみから吹き出し空気流を発生させる制御を行う。すなわち、制御部8は、他人202が存在すると判定されたゾーンに対応する吹出口15から吹き出し空気流を吹き出させ、他人202が存在すると判定されていないゾーンに対応する吹出口15からは吹き出し空気流を吹き出させない。
図8は、図2に示す送風機能付き机100の内部における内部風路16のイメージを示す概念図である。なお、図8に示す内部風路16は、理解の容易化を目的として、図2に示す送風機能付き机100に設けられた内部風路16の配置で記載している。内部風路16は、吸気口側内部風路161と、第1吹出口側内部風路162と、第2吹出口側内部風路163と、第3吹出口側内部風路164と、を含む。
吸気口側内部風路161は、内部風路16において送風部2よりも吸気口14側に位置する風路である。第1吹出口側内部風路162は、内部風路16において送風部2よりも背面側吹出口151側に位置して吸気口側内部風路161と背面側吹出口151とを連通させる風路である。第2吹出口側内部風路163は、内部風路16において送風部2よりも左側吹出口152側に位置し、吸気口側内部風路161と左側吹出口152とを連通させる風路である。第3吹出口側内部風路164は、内部風路16において送風部2よりも右側吹出口153側に位置して吸気口側内部風路161と右側吹出口153とを連通させる風路である。
吸気口側内部風路161と、第1吹出口側内部風路162と、第2吹出口側内部風路163と、第3吹出口側内部風路164とには、吹出風路切替部45が設けられている。吹出風路切替部45は、吸気口14から内部風路16に流入して吹出口15から流出する気流が流れる風路を切り替えるための風路切替部である。吹出風路切替部45は、例えば電動式のシャッタおよび電動式のダンパが挙げられる。吹出風路切替部45の動作は、制御部8によって制御される。
第1吹出口側内部風路162には、第1吹出風路切替部451が設けられている。第1吹出風路切替部451は、第1吹出口側内部風路162の開放および閉鎖を切り替えて、第1吹出口側内部風路162における気流の吹き出しの可否を制御する。第1吹出口側内部風路162は、開放された状態においては、吸気口14から内部風路16に流入して吹出口15から流出する気流が流れ、閉鎖された状態においては、吸気口14から内部風路16に流入して吹出口15から流出する気流が流れない。
第2吹出口側内部風路163には、第2吹出風路切替部452が設けられている。第2吹出風路切替部452は、第2吹出口側内部風路163の開放および閉鎖を切り替えて、第2吹出口側内部風路163における気流の吹き出しの可否を制御する。第2吹出口側内部風路163は、開放された状態においては、吸気口14から内部風路16に流入して吹出口15から流出する気流が流れ、閉鎖された状態においては、吸気口14から内部風路16に流入して吹出口15から流出する気流が流れない。
第3吹出口側内部風路164には、第3吹出風路切替部453が設けられている。第3吹出風路切替部453は、第3吹出口側内部風路164の開放および閉鎖を切り替えて、第3吹出口側内部風路164における気流の吹き出しの可否を制御する。第3吹出口側内部風路164は、開放された状態においては、吸気口14から内部風路16に流入して吹出口15から流出する気流が流れ、閉鎖された状態においては、吸気口14から内部風路16に流入して吹出口15から流出する気流が流れない。
制御部8は、第1吹出風路切替部451と第2吹出風路切替部452と第3吹出風路切替部453とを制御して第1吹出口側内部風路162と第2吹出口側内部風路163と第3吹出口側内部風路164とにおける気流の吹き出しの可否を制御し、他人202が居ると判定されたゾーンに対応する吹出口15のみから吹き出し空気流を発生させる制御を行う。
図7の説明に戻る。ステップS150において、制御部8は、ステップS120と同様に、送風機能付き机100の周囲に他人202が居るか否かを判定する。すなわち、制御部8は、送風機能付き机100の周囲における、送風機能付き机100の使用者201以外の他人202の有無を判定する。
送風機能付き机100の周囲に他人202が居ると判定された場合は、ステップS150においてYesとなり、ステップS140に戻る。送風機能付き机100の周囲に他人202が居ないと判定された場合は、ステップS150においてNoとなり、ステップS160に進む。
ステップS160において、制御部8は、送風部2を停止させる制御を行い、ステップS110に戻る。
上述したように、送風機能付き机100は、使用者201が存在し、背面側吹出口151、右側吹出口153および左側吹出口152のそれぞれのゾーンのうち少なくとも1つのゾーンに他人202が存在するときのみに送風部2を運転させて、他人202が存在するゾーンに対応する吹出口15のみから吹き出し空気流を発生させる。すなわち、制御部8は、他人202が存在しないゾーンに対応する吹出口15からは吹き出し空気流を発生させない。
このように、送風機能付き机100は、使用者201と他人202との間を遮断するエアーカーテンが吹き出し空気流によって形成される。これにより、送風機能付き机100を挟んで対面する使用者201と他人202との間において、飛沫を含んだ空気が相手に飛び散ることが防止され、飛沫が相手に及ぼされ難くなる。これにより、送風機能付き机100を挟んで対面する使用者201と他人202との一方の人から生じる飛沫に含まれるウイルスに起因した、相手のウイルス感染のリスクを低減することができる。
また、送風機能付き机100は、使用者201が存在する場合のみ送風部2を運転させて吹出口15から吹き出し空気流を発生させるので、送風機能付き机100に使用者201が存在しない場合には吹き出し空気流は発生せず、送風部2を運転させるために無駄に大きな消費電力を発生させたり、騒音が大きくなったりすることが無い。また、送風機能付き机100は、他人202が存在するゾーンに対応する吹出口15のみから吹き出し空気流を発生させるため、送風部2を運転させるために無駄に大きな消費電力を発生させたり、騒音が大きくなったりすることが無い。
また、送風機能付き机100は、人が呼吸、会話、咳およびくしゃみといった動作を行って飛沫が発生した後に送風部2を運転させて吹出口15から吹き出し空気流を発生させるのではなく、使用者201と他人202とが存在することが判定された時点で送風部2を運転させて吹出口15から吹き出し空気流を発生させる。これにより、送風機能付き机100では、使用者201と他人202との間の飛沫感染を防ぐために大電力で急速に送風部2を起動して運転する必要がなく、送風部2を運転させるために無駄に大きな消費電力を発生させることが無い。
すなわち、送風機能付き机100は、送風機能付き机100を挟んで対面する人の一方の人から生じる飛沫に含まれるウイルスに起因した、相手のウイルス感染のリスクを低減することができるとともに、送風機能付き机100の小電力化と低騒音化とが可能になる。
上述したステップS120においては、他人検知センサ部32自体で検知した検知結果が他人有無情報とされた場合について説明した。他人有無情報は、送風機能付き机100が設置された設置空間に設置されている、送風機能付き机100の外部の外部機器から制御部8が受信してもよい。この場合、送風機能付き机100は、外部機器と通信を行って他人有無情報を外部機器から受信する通信部である他人有無情報受信部9を備える。
例えばエアーコンディショナおよび照明といった電気機器が設置された事務所内に、送風機能付き机100が配置されている場合を想定する。事務所に設置されたエアーコンディショナおよび照明といった電気機器においても、人の有無および人の位置を赤外線センサ等により検知することが可能な場合がある。この場合、送風機能付き机100は、電気機器と通信を行って、送風機能付き机100が設置された設置空間である事務所内における人の有無の情報および人の位置の情報を含む設置空間における人の検知結果の情報を、他人有無情報として受信して制御を行ってもよい。送風機能付き机100と電気機器との間の通信は、無線通信であってもよく有線通信であってもよい。
制御部8は、電気機器から取得した他人有無情報に含まれる事務所内における人の有無の情報に基づいて、送風機能付き机100の周囲に他人202が居るか否かを判定できる。また、制御部8は、電気機器から取得した他人有無情報に含まれる人の位置の情報に基づいて、背面側検知ゾーン321と左側検知ゾーン322と右側検知ゾーン323とにおけるどこのゾーンに人が居るのかを判定できる。
したがって、他人検知センサ部32は、他人有無情報を制御部8に送信できればよく、送風機能付き机100に設けられた赤外線センサといったセンサでもよく、また他人有無情報を外部機器から受信する他人有無情報受信部9であってもよい。
また、送風機能付き机100は、物体検知センサ部33を備える。物体検知センサ部33は、天板部11の上面11aにおける吹出口15の上または吹出口15の周囲に存在する物体の有無を、予め決められた周期で検知する。物体検知センサ部33は、公知の技術を用いることにより、天板部11の上面11aにおける吹出口15の上または吹出口15の周囲に存在する物体の有無を検知することができ、例えば赤外線を利用した赤外線センサなどを備える。物体検知センサ部33は、検知結果を制御部8に送信する。
図9は、図2に示す送風機能付き机100の物体検知センサ部33の検知範囲を示す図であり、送風機能付き机100の上面図である。物体検知センサ部33の検知範囲は、天板部11の上面11aにおいて、吹出口15の領域と、吹出口15の周囲の領域と、を含む範囲である。吹出口15から吹き出される吹き出し空気流の風量が多い場合には、吹出口15から離れた位置の物体にも吹き出し空気流が当たる可能性がある。吹出口15の周囲の領域の範囲は、吹出口15から吹き出される吹き出し空気流の風量に基づいて設定されればよい。
図9に示すように、物体検知センサ部33の検知範囲は、背面側物体検知範囲331と、左側物体検知範囲332と、右側物体検知範囲333と、を含む。背面側物体検知範囲331は、天板部11の上面11aにおいて、背面側吹出口151の領域と、背面側吹出口151の周囲の領域と、を含む範囲である。右側物体検知範囲333は、天板部11の上面11aにおいて、右側吹出口153の領域と、右側吹出口153の周囲の領域と、を含む範囲である。左側物体検知範囲332は、天板部11の上面11aにおいて、左側吹出口152の領域と、左側吹出口152の周囲の領域と、を含む範囲である。
制御部8は、物体検知センサ部33から送信される検知結果に基づいて、天板部11の上面11aにおける吹出口15の上または吹出口15の周囲に存在する物体の有無を判定する。また、制御部8は、物体検知センサ部33から送信される検知結果に基づいて、どの検知範囲に物体が有るかを判定し、吹出口15の上または吹出口15の周囲に物体が有る吹出口15を判定する。
制御部8は、天板部11の上面11aにおける吹出口15の上または吹出口15の周囲に物体が有ると判定されている間は、吹出口15の上または吹出口15の周囲に物体が有ると判定されている吹出口15からの吹き出し空気流の吹き出しを停止させる空気流停止制御、および吹出口15の上または吹出口15の周囲に物体が有ると判定されている吹出口15から吹き出す吹き出し空気流の流量を予め設定された基準風量よりも減少させる空気流制限制御のうち一方を行うことができる。
吹出口15から吹き出される吹き出し空気流は、紙などの質量が比較的小さい物体を吹き飛ばす程度の大きな圧力がある。このため、吹出口15から吹き出される吹き出し空気流が物体に当たることにより、大きな音が出たり、また紙などの物体が吹き飛ばされたりする。
そこで、空気流停止制御および空気流制限制御のうち一方が行われることにより、吹出口15の上または吹出口15の周囲にある物体、および吹出口15から吹き出される吹き出し空気流の進行方向にある物体が、吹出口15から吹き出される吹き出し空気流により吹き飛ばされて飛散することを防止することができる。吹出口15から吹き出される吹き出し空気流の進行方向にある物体とは、例えば吹出口15の上に直接置かれていないが、天板部11の上面11a上に置かれた文具棚および書籍といった他の物体の上に置かれた書類などが挙げられる。
すなわち、送風機能付き机100では、吹出口15から吹き出される吹き出し空気流が当たるエリアに物体が存在するときには、空気流停止制御および空気流制限制御のうち一方が行われる。これにより、送風機能付き机100では、使用者201が作業している作業物に吹出口15からの吹き出し空気流が当たって大きな音が出ること、または使用者201の体の一部に吹出口15からの吹き出し空気流が当たって大きな音が出ることが、抑制または防止される。また、送風機能付き机100では、送風機能付き机100の上で使用者201が作業している作業物が吹出口15からの吹き出し空気流によって吹き飛ばされることが、抑制または防止される。これにより、送風機能付き机100の使用者201は、送風機能付き机100の上、すなわち天板部11の上面11aの上で快適に作業を行うことができる。
また、送風機能付き机100は、報知部7を備える。報知部7は、天板部11の上面11aにおける吹出口15の上または吹出口15の周囲に物体が有ると判定されて、吹出口15からの吹き出し空気流の吹き出しが停止している間、吹出口15からの吹き出し空気流の吹き出しが止まっている旨の注意喚起の報知を行う。また、報知部7は、天板部11の上面11aにおける吹出口15の上または吹出口15の周囲に物体が有ると判定されて、吹出口15からの吹き出し空気流の流量が減少している間、吹出口15からの吹き出し空気流の流量が減少している旨の注意喚起の報知を行う。すなわち、報知部7は、空気流停止制御が行われている間に、吹出口15からの吹き出し空気流の吹き出しが止まっている旨の注意喚起の報知を行う。また、報知部7は、空気流制限制御が行われている間に、吹出口15からの吹き出し空気流の流量が減少している旨の注意喚起の報知を行う。報知部7は、制御部8の制御によって報知を行う。
これにより、送風機能付き机100では、物体検知センサ部33の検知範囲内に物体が放置され続けることに起因して、吹出口15からの吹き出し空気流の吹き出しが停止している状態が継続されることを防止することができる。また、送風機能付き机100では、物体検知センサ部33の検知範囲内に物体が放置され続けることに起因して、吹出口15からの吹き出し空気流の流量が減少している状態が継続されることを防止することができる。
また、吹出口15からの吹き出し空気流の吹き出しが停止している状態は、使用者201と他人202との間における吹出口15からの吹き出し空気流による飛沫感染防止の効果が無い状態である。すなわち、上記の状態は、使用者201と他人202との間を吹出口15からの吹き出し空気流によるエアーカーテンによって分離して相手の飛沫に含まれるウイルスに起因したウイルス感染のリスクを低減する効果が無い状態である。また、吹出口15からの吹き出し空気流の流量が減少している状態は、使用者201と他人202との間における吹出口15からの吹き出し空気流による飛沫感染防止の効果が低くなっている状態である。すなわち、上記の状態は、使用者201と他人202との間を吹出口15からの吹き出し空気流によるエアーカーテンによって分離して相手の飛沫に含まれるウイルスに起因したウイルス感染のリスクを低減する効果が少なくなっている状態である。
報知部7が行う注意喚起の報知によって、使用者201または他人202が、物体検知センサ部33の検知範囲内の領域にある物体を物体検知センサ部33の検知範囲外の領域に移動させることにより、送風機能付き机100における使用者201と他人202との間のウイルス感染のリスク低減効果を本来の状態に戻すことができる。
報知部7は、例えば発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)などの光を用いたものでもよく、またブザー音または音声を用いたものであってもよい。
図10は、実施の形態1にかかる送風機能付き机100における物体検知センサ部33の検知結果に基づいて制御部8が吹き出し空気流の吹き出しを制御する場合の動作の手順を説明するフローチャートである。図10に示す手順は、吹出口15から吹き出し空気流が吹き出されている場合に行われる。
ステップS210において、制御部8は、物体検知センサ部33から送信される検知結果に基づいて、天板部11の上面11aにおける吹出口15の上または吹出口15の周囲に物体が有るか否かを判定する。
天板部11の上面11aにおける吹出口15の上または吹出口15の周囲に物体が有ると判定された場合は、ステップS210においてYesとなり、ステップS220に進む。天板部11の上面11aにおける吹出口15の上または吹出口15の周囲に物体が無いと判定された場合は、ステップS210においてNoとなり、ステップS210を繰り返す。
ステップS220において、制御部8は、空気流の吹き出しを制御する。具体的に、制御部8は、物体検知センサ部33から送信される検知結果に基づいて、吹出口15の上または吹出口15の周囲に物体が有ると判定されている吹出口15に対して、空気流停止制御および空気流制限制御のうち一方を行う制御を行う。空気流停止制御および空気流制限制御のうちどちらの制御を行うかは、吹出口15ごとに予め決められて制御部8に記憶されている。
ステップS230において、報知部7は、注意喚起の報知を行う。具体的に、制御部8が、報知部7に対して、空気流停止制御が行われている間に、吹出口15からの吹き出し空気流の吹き出しが止まっている旨の注意喚起の報知を行うように制御を実施する。また、制御部8が、報知部7に対して、空気流制限制御が行われている間に、吹出口15からの吹き出し空気流の流量が減少している旨の注意喚起の報知を行うように制御を実施する。
図11は、図2に示す送風機能付き机100の吹出口15に設けられた吹出口開閉部41を拡大して示す断面図である。吹出口15には、吹出口15を開閉する開閉部である吹出口開閉部41が設けられてもよい。吹出口開閉部41が設けられることにより、吹出口15から内部風路16への物の落下を防ぐことができる。吹出口開閉部41は、吹出口15を閉じる位置に配置された閉状態と、吹出口15を開く位置に配置された開状態とに移動する。吹出口開閉部41の開閉動作は、手動動作および制御部8による自動動作を問わない。吹出口開閉部41は、例えば、不図示の軸と、軸を中心に回動自在なシャッタ部42とにより構成できる。図11において、実線で示されたシャッタ部42は、吹出口開閉部41が閉状態である状態を示している。また、図11において、破線で示されたシャッタ部42は、吹出口開閉部41が開状態である状態を示している。
吹出口15が常時、開放された状態であると、送風機能付き机100の上に置かれた作業物が吹出口15から内部風路16へ落下することがあり、落下した作業物を内部風路16から取り出す作業が必要となる。吹出口15からの吹き出し空気流の吹き出しを停止している状態のときには、吹出口開閉部41によって吹出口15を閉じることによって、作業物が内部風路16に落下することを防ぐことができるため、作業者の手間を煩わすことを防ぐことができる。なお、吹出口開閉部41は、吹出口15から内部風路16への物の落下を防ぐことができれば、吹出口15を完全に閉鎖しなくてもよい。
また、図11に示すように、他人検知センサ部32として、吹出口開閉部41の開閉状態を検知する開閉状態検知センサ部34を設けてもよい。開閉状態検知センサ部34は、吹出口開閉部41の開閉状態を検知し、検知結果を制御部8に送信する。
制御部8は、吹出口開閉部41の開閉状態を示す開閉情報のうち吹出口開閉部41の開状態を示す情報を、他人202が居る旨の他人有無情報である他人有り情報とし、吹出口開閉部41の開閉状態を示す開閉情報のうち吹出口開閉部41の閉状態を示す情報を、他人202が居ない旨の他人有無情報である他人無し情報とする。この場合、開閉状態検知センサ部34における吹出口開閉部41の開閉状態の検知結果を、制御部8が受信する他人有無情報とすることにより、他人検知センサ部32と開閉状態検知センサ部34とを兼用できるため、低コスト化を実現できる。
図11に示すように、開閉状態検知センサ部34として、吹出口開閉部41の開閉状態を機械的に検知する接点オンオフスイッチを用いることができる。例えば、接点オンオフスイッチは、接点オンオフスイッチに開閉状態検知センサ部34が接触する吹出口開閉部41の開状態を接点オン、接点オンオフスイッチに開閉状態検知センサ部34が接触しない吹出口開閉部41の閉状態を接点オフとして検知する。接点オンオフスイッチは、単純な構造であり市場にも広く出回っているため、赤外線センサなどよりも低コストで他人202の有無を検知する他人検知センサ部32として用いることが可能である。
また、吹出口開閉部41が閉状態のときには、吹出口開閉部41のシャッタ部42の上面を送風機能付き机100の上面と同一面とすることにより、使い勝手の良い送風機能付き机100とすることができる。作業面となる送風機能付き机100の上面は、凹凸が無いフラットな状態が使い勝手が良い。したがって、図11に示すように吹出口開閉部41が閉状態のときに送風機能付き机100の上面とシャッタ部42の上面とが同一面となるようにすることにより、吹出口開閉部41が閉状態のときには送風機能付き机100の上面がフラットな状態となり、使い勝手のよい送風機能付き机100が得られる。
図12は、図2に示す送風機能付き机100の吹出口15が本体部1から取り外された状態を拡大して示す断面図である。吹出口15は、本体部1に対して着脱可能とされることにより、清掃および吹出口15への落下物の除去などのメンテナンスが容易となる。吹出口15は、空気が流れるため長時間使用すると埃などの異物が付着する。しかしながら、吹出口15は、手および掃除機のノズル等が入り難いため清掃し難い。また、送風機能付き机100の上面に開口された吹出口15は、上方が開口しているため、送風機能付き机100の上の作業物が落下しやすい。
そこで、図12に示すように吹出口15を着脱可能とすることによって、吹出口開閉部41など送風機能付き机100の内部に収められる機構部も清掃が行いやすくなり、メンテナンスが容易である。また、吹出口15を着脱可能とすることによって、吹出口15に落下した落下物を、吹出口15を取り外したときに容易に取り出すことができる。
この場合、吹出口15は、吹出口開閉部41および開閉状態検知センサ部34が収納される収納部154と、収納部154の上端部から外側に延在するフランジ部155と、を備える。収納部154は、上面が開放された箱状を有する。また、収納部154は、収納部154の内部と内部風路16とを連通する不図示の開口部を有する。フランジ部155は、箱状の収納部154の上面よりも大きく形成されている。これにより、フランジ部155が送風機能付き机100の上面に支持されることで、収納部154が送風機能付き机100の上面に支持される。収納部154は、内部風路16の端部に着脱可能とされて吹出口15を構成する。
なお、吸気口14についても、吹出口15と同様に着脱可能とすることによって、開閉部などの送風機能付き机100の内部に収められる機構部が装着された場合に清掃が行いやすくなり、メンテナンスが容易である。また、吸気口14を着脱可能とすることによって、吸気口14に入り込んだ物を、吸気口14を取り外したときに容易に取り出すことができる。
また、図13は、図2に示す送風機能付き机100の吹出口15に風向調整部である風向板46が設けられた状態を拡大して示す断面図である。図13に示すように、吹出口15に風向調整部を設け、吹出方向を可変とすることにより、必要な場合に涼風感を得られる。風向調整部は、吹出口15から吹き出される吹き出し空気流の吹出方向を、鉛直方向から使用者201側に向かって可変とする。すなわち、夏場などの暑いときには、吹出口15から吹き出される吹き出し空気流の風向を、送風機能付き机100の使用者201に対して風が当たる方向とする。また、冬場などの寒いときには、吹出口15から吹き出される吹き出し空気流の風向を、送風機能付き机100の使用者201に対して吹き出し空気流が当たらない方向とする。
吹出口15から吹き出される吹き出し空気流の吹出方向は、室内の温湿度環境に合わせて使用者201が調整してもよい。また、吹出口15から吹き出される吹き出し空気流の吹出方向の調整は、送風機能付き机100が温湿度センサを備え、温湿度センサの検知結果に基づいて制御部8が調整する自動調整としてもよい。
また、吹出口15から吹き出される吹き出し空気流の吹出方向の範囲は、使用者201に吹き出し空気流が当たらないようにする場合は、使用者201の側から鉛直上方までとすることが好ましい。使用者201に吹き出し空気流が当たらないようにする場合に、吹出口15から吹き出される吹き出し空気流の吹出方向の範囲を使用者201の側から鉛直上方までとすることにより、周囲の他人202には風が当たることがなく、他人202を不快にすることが無い。
上記のように吹出口15に風向調整部が設けられることにより、送風機能付き机100の吹出口15から吹き出される吹き出し空気流の吹出方向を所望の方向に調整することができ、使い勝手の良い送風機能付き机100が得られる。
図14は、図2に示す送風機能付き机100において吸気口14が内側吸気口141に切り替えられた状態の送風機能付き机100を右側から見た右側面図である。図15は、図2に示す送風機能付き机100において吸気口14が外側吸気口142に切り替えられた状態の送風機能付き机100を右側から見た右側面図である。送風機能付き机100は、内側吸気口141と、外側吸気口142とが形成され、使用する吸気口14として内側吸気口141と外側吸気口142とを切り替える吸気口切替部47を備えてもよい。内側吸気口141は、送風機能付き机100の前方に向かって開口した吸気口14であり、送風機能付き机100における第1の吸気口である。外側吸気口142は、送風機能付き机100の背面側に向かって開口した吸気口14であり、送風機能付き机100における第2の吸気口である。
吸気口切替部47は、内部風路16における送風部2の吸気側の空間と本体部1の外部とを連通する吸気口14を、内側吸気口141と外側吸気口142とのうちのどちらか一方に切り替える。吸気口切替部47は、内部風路16における吸気口側内部風路161に設置され、例えば、不図示の軸と、軸を中心に回動自在なダンパ部とにより構成できる。
内部風路16における送風部2の吸気側の空間と送風機能付き机100の外部とを連通する吸気口14を、内側吸気口141と外側吸気口142とのうちどちらか一方に切り替えることにより、使用者201は、必要な場合に涼風感を得られる。
内側吸気口141が選択されると、すなわち、内部風路16における送風部2の吸気側の空間と送風機能付き机100の外部とを連通する吸気口14を内側吸気口141に切り替えると、内側吸気口141に吸い込まれる空気の風が使用者201に当たる送風経路が実現される。また、外側吸気口142が選択されると、すなわち、内部風路16における送風部2の吸気側の空間と送風機能付き机100の外部とを連通する吸気口14を外側吸気口142に切り替えると、外側吸気口142に吸い込まれる空気の風が使用者201に当たらない送風経路が実現される。
図16は、図2に示す送風機能付き机100に設けられたフィルター部43を示す送風機能付き机100の右側面図である。本体部1の内部の内部風路16には、図16に示すように、吸気口14と吹出口15との間にフィルター部43が設けられてもよい。フィルター部43は、吸気口14を介して本体部1の内部に吸い込まれた空気、すなわち内部風路16に吸い込まれた空気を浄化する。フィルター部43には、空気の除菌および殺菌を行う除菌殺菌装置、または空気中の塵を捕集する除塵フィルタを用いることができる。
フィルター部43が吸気口14と吹出口15との間に設けられることにより、吹出口15から吹き出される吹き出し空気流を浄化して清浄な空気とすることができる。内部風路16に吸い込まれた空気を除菌殺菌または除塵して吹き出し空気流として吹出口15から吹き出すと、使用者201に吹出口15から吹き出し空気流を当てる場合には、吹き出し空気流は清浄な空気流となる。
また、他人202が検知されていない場合にも送風部2を運転することによって、吹き出し空気流は除菌殺菌または除塵された清浄な空気流となるため、室内空気を除菌殺菌または除塵して浄化することができる。他人202が検知されていない場合には、吹き出し空気流の流量を減少させておけば、吹き出し空気流の騒音を抑えることができる。
図17から図20は、図2に示す送風機能付き机100の吹出口開口調整部44を拡大して示す断面図である。吹出口15には、吹出口開口調整部44が設けられてもよい。吹出口開口調整部44は、吹出口開口調整部44の姿勢を調整することで、吹出口15から吹き出される吹き出し空気流の到達する範囲を広げるとともに吹出口15から吹き出される吹き出し空気流の吹出方向を変更する。吹出口開口調整部44は、吹出口15における空気流の流路を2つの流路に分割する風路分割部44aと、分割された流路から吹出口15の外に吹き出す吹き出し空気流の吹出方向を変更する吹き出し方向変更部44bとを有する。
図17に示すように、吹出口15における空気流の流路は、風路分割部44aによって2つに分割された分割風路である第1風路51と第2風路52とに分割される。これにより、内部風路16を流れてきた吹出口15に流入した空気流は、風路分割部44aによって第1風路51と第2風路52とに分割される。吹き出し方向変更部44bは、例えば1つの頂点が上部に位置し、2つの頂点が下部に位置する三角形状の断面形状を有する。この場合、吹き出し方向変更部44bは、本体部1の上面11aに垂直な方向に対して傾斜した、すなわち垂直方向に対して傾斜した、上部に位置する頂点に向かって傾斜する2つの傾斜面を有する。
内部風路16を流れてきて第1風路51を流れる空気流と、内部風路16を流れてきて第2風路52を流れる空気流とは、吹出口15から吹き出された後に互いに衝突して合流する。これにより、衝突して合流した吹き出し空気流は、勢いが増すため、吹出口開口調整部44が設けられていない場合の吹き出し空気流よりも遠い位置まで到達する。これにより、吹出口15から吹き出される吹き出し空気流の到達する範囲が広がる。
図18に示すように、風路分割部44aの姿勢を調整することにより、2つの流路のうち一方の風路を遮断することができる。これにより、他方の風路から吹き出される吹き出し空気流は、勢いが増し、吹出口開口調整部44が設けられていない場合の吹き出し空気流よりも遠い位置まで到達する。図18では、第1風路51が遮断された状態を示している。すなわち、風路分割部44aは、第1風路51と第2風路52との2つの流路のうち一方の流路の開口量を調節可能である。
また、図19に示すように、風路分割部44aが設けられない場合でも、吹き出し方向変更部44bが存在することによって吹出口15における空気流の流路が第1風路51と第2風路52とに分割されるため、図17の場合と同様の効果が得られる。
そして、図20に示すように、風路分割部44aが設けられない場合においても吹き出し方向変更部44bの姿勢を調整することにより、図17の場合と同様の効果が得られるとともに、吹出口15から吹き出される吹き出し空気流の吹出方向を変更することができる。吹出口15から吹き出される吹き出し空気流の吹出方向を変更することにより、風向調整部である風向板46と同じように必要な場合に涼風感を得られる効果を奏する。
したがって、吹出口開口調整部44は、吹出口15において空気流が流れる風路を2つの分割風路に分割し、2つの分割風路から吹出口15の外に吹き出される空気流の吹き出し方向を変更可能であり、姿勢が調整されることにより、2つの分割風路から吹出口の外に吹き出される空気流を衝突させ、または2つの分割風路のうち一方の分割風路を閉鎖することが可能である。
図21は、図2に示す送風機能付き机100において吸気口14と吹出口15とを入れ替えた送風機能付き机100aを上方から見た斜視図である。図22は、図21に示す送風機能付き机100aを右側から見た右側面図である。送風機能付き机100aでは、送風機能付き机100における吹出口15が吸気口14aとされ、送風機能付き机100における吸気口14が吹出口15aとされている。吸気口14aの機能は、吸気口14と同じである。吹出口15aの機能は吹出口15と同じである。
すなわち、送風機能付き机100は、吹出口15と吸気口14とは、吹出口15が本体部1の上面11aにおいて上方に向かって開口して配置されるとともに吸気口14が本体部1における本体部1の上面11a以外の位置に配置される第1の配置パターンで配置されている。
一方、送風機能付き机100aは、吹出口15aと吸気口14aとは、吸気口14aが本体部1の上面11aにおいて上方に向かって開口して配置されるとともに吹出口15aが本体部1における本体部1の上面11a以外の位置に配置される第2の配置パターンで配置されている。
そして、送風機能付き机100aでは、送風部2は、吸気口14aから本体部1の内部に流入して吹出口15aから流出する気流を形成する。送風機能付き机100aは、他の部分については、送風機能付き机100と同様の構成を有する。
これにより、送風機能付き机100aは、送風機能付き机100と同様の効果が得られる。すなわち、送風機能付き机100aでは、使用者201と他人202との間を遮断するエアーカーテンが、吸気口14aから本体部1の内部に吸い込まれる気流によって形成される。これにより、送風機能付き机100aを挟んで対面する使用者201と他人202との間において、飛沫を含んだ空気が相手に飛び散ることが防止され、飛沫が相手に及ぼされ難くなる。これにより、送風機能付き机100aを挟んで対面する使用者201と他人202との一方の人から生じる飛沫に含まれるウイルスに起因した、相手のウイルス感染のリスクを低減することができる。
そして、送風機能付き机100aは、上述した送風機能付き机100に設けられる各種の構成と同様の構成を備えることで、上述した送風機能付き机100と同様の各種の効果が得られる。
また、送風機能付き机100の制御部8は、例えば、図23に示したハードウェア構成の処理回路として実現される。図23は、実施の形態1にかかる処理回路のハードウェア構成の一例を示す図である。制御部8が図23に示す処理回路により実現される場合、制御部8は、例えば、図23に示すメモリ402に記憶されたプログラムをプロセッサ401が実行することにより、実現される。また、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して制御部の機能を実現してもよい。また、制御部8の機能のうちの一部を電子回路として実装し、他の部分をプロセッサ401およびメモリ402を用いて実現するようにしてもよい。
上述したように、本実施の形態1にかかる送風機能付き机100は、送風機能付き机100の使用者201と送風機能付き机100の周囲に位置する他人202との間に、小電力で且つ低騒音で空気流を発生することができる。これにより、送風機能付き机100は、送風機能付き机100を挟んで対面する使用者201と他人202との一方の人から生じる飛沫に含まれるウイルスに起因した、相手のウイルス感染のリスクを低減することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。