JP3789780B2 - 天板付き空気浄化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テーブル型空気浄化装置やカウンター型空気浄化装置、或いはスタンド型空気浄化装置のように、天板を備えた家具型空気浄化装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の天板付き空気浄化装置は、一般に、天板の下面に取付けた筒型のボデーにフィルターやファン等の浄化機構を内蔵している。
【0003】
そして、浄化された空気は、ボデーの下面から直接に床に吹き出したり(例えば特開平9−155231号公報参照)、ボデーの側面に形成した吹き出し口から外向きに排出したりしている。
【0004】
また、意匠登録第1052403号公報には、ボデーの左右両側部に上向きに開口した吹き出し口を設ける一方、天板のかなり上方に吸い込み口を設け、浄化済空気の噴出による空気流によって煙草の煙を吸い込み口に押しやるようにした空気浄化装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
フィルターが目詰まりするなどして浄化機能が低下すると、浄化済空気といえども僅かながら臭いが残ることがあるため、浄化済空気は、登録意匠第1052403号のように浄化済空気を天板の上方に吹き出すよりも、床の近くに吹き出すのが好ましいと言える。
【0006】
ところで、従来の空気浄化装置では、浄化済空気は平面視でボデーから放射方向に向けて流れるため、かなり遠くまで流れていくものである。
【0007】
このため、空気浄化装置の使用者の足に空気流が当たって、寒さを感じたり違和感を覚えたりする問題があった。この問題は、冬場であるほど、又、北国のように気温(正確には室温)が低いほど、更に、使用者がスカートをはいている女性であるほど顕著に現れていた。
【0008】
また、テーブルタイプ(机タイプ)の空気浄化装置の場合は、椅子に腰掛けると足が天板の下方に入り込むため、空気流の影響が特に強く現れていた。
【0009】
本発明は、浄化済空気を床の近くに噴出させるタイプの空気浄化装置において、空気流が人に悪影響を与える問題を改善することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、汚れた空気の吸い込み口を開口した天板と、前記天板の下方に配置された本体部とを備えており、前記本体部は筒状のボデーを備えており、このボデーに、汚れた空気を浄化するフィルター及びファンが内蔵されていると共に、浄化済空気を平面視で放射方向に放出する排気口が開口している天板付き空気浄化装置において、前記ボデーのうち前記排気口が空いている部分に、前記排気口を外側から覆って浄化済空気が本体部の外周回り方向に流れるように風向を変換させる風向案内カバーが取外し可能に装着されている。
【0011】
請求項2の発明では、請求項1において、前記ボデーは、4つの広幅面を有すると共に各コーナー部が面取りされている平面視略四角形状に形成されており、このボデーの各コーナー部に、前記排気口が開口している共に、前記排気口を外側から覆うように前記風向案内カバーが取り付けられており、ボデーの外周面と風向案内カバーとにより、前記排気口から放出された空気をボデーの広幅面に沿った方向に放出する放出口が形成されている。
【0012】
請求項3の発明では、請求項1又は2において、前記風向案内カバーの内部に、浄化済空気が斜め下向きに向かうように案内するリブを設けている。
【0013】
【発明の作用・効果】
本願発明によると、浄化済空気は、風向案内カバーによって本体部の外周を回るような方向に向いて流れるため、本体部のごく近くで減速・拡散する。
【0014】
このため、椅子に腰掛けた人が足(脛)を本体部に近づけた状態であっても、人が浄化済空気の流れを足に感じることは全く又は殆どない。実際に、本願発明者が本体部から100mmの場所で風速を計測したところ、風向案内カバーを取り付けることによって流速が4分の1程度まで低下していることが確認された。
【0015】
従って、本願発明によると、浄化済空気の空気流によって使用者に悪影響を与えることを防止または著しく抑制することができ、その結果、寒い地域(或いは室温の低い部屋)においても空気浄化装置を快適に使用することができる。
【0016】
また、風向案内カバーは後付けによって本体部に取り付けることがため、既設の空気浄化装置にも取り付けて、ユーザーの要望に応えることができる利点がある。
【0017】
更に請求項3のように構成すると、浄化済空気を床面に沿って拡散させることができるため、浄化済空気が人の脛に当たることをより一層抑制することができて好適であった。
【0018】
【発明の実施形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
(1).第1実施形態(図1〜図5)
図1〜図5では第1実施形態を示している。図1は全体の斜視図、図2は図1のII−II視断面図、図3は図1の III-III視断面図、図4は要部の斜視図、図5のうち(A)は要部の正面図、(B)は(A)のB−B視図である。
【0020】
(2).概要
本実施形態は、人が椅子に腰掛けて使用できるテーブルタイプの空気浄化装置に適用しており、空気浄化装置は、平面視略矩形の天板1と、その下方に配置した本体部2とを備えている。
【0021】
天板1の中央部には吸い込み口3が空いており、吸い込み口3は着脱自在な穴空きの防護カバー4で塞がれている。図3に二点鎖線で示すように、天板1は円形に形成しても良い。
【0022】
なお、必ずしも防護カバー4は必要ない。また、吸い込み口3には様々の形態の吸気ヘッドを装着しても良い。吸気筒を高く立ち上げて、その上端に集気傘を設けることも可能である。
【0023】
本体部2は、コーナー部5aが面取りされた平面視略四角形状(箱型)のボデー5と、ボデー5におけるコーナー部5aの下端から放射状に延びる脚6とを備えている。ボデー5の一面にはメンテナンス用の扉7を開閉自在(又は着脱自在)に設けている。脚6の先端にはアジャスターボルト8を設けている(キャスターを設けてもよい)。
【0024】
図2に示すように、ボデー5の内部には、上から順に、ゴミ取り用ネット9と、フィルターユニット10と、殺菌と脱臭効果を向上するための光触媒ユニット11と、吸引用のファン(シロッコファン)12とが配置されている。ボデー5の下端は底板13で塞がれており、ファン12は底板13に固定されている。
【0025】
(3).吹き出し部
ボデー5における各コーナー部5aの下部には吹き出し部14を設けている。吹き出し部14は、ボデー5のコーナー部5aに形成した排気口15と、これを覆う合成樹脂製等の風向案内カバー16とから成っている。排気口15は、複数段の縦溝群から成っているが、丸穴群で構成したり、大きな角穴で構成したりしても良い。
【0026】
風向案内カバー16の壁板は平面視で円弧状に形成されており、かつ、一側縁はボデー5に当接し、他側縁はボデー5との間に間隔が空くようになっており、このため、風向案内カバー16とボデー5との間には、ボデー5の広幅面に沿った方向に向いた水平横向きの放出口17が空いている。
【0027】
風向案内カバー16の内部には、補助案内手段の一例として、上下に隣り合った溝穴群の間に位置する2枚の傾斜リブ18が一体に形成されている。この場合、図5に明瞭に示すように、傾斜リブ18は、放出口17に位置した部分が低くなるように、浄化済空気の流れ方向に向かって斜め下向きに傾斜している。
【0028】
リブ18は、傾斜角度を変更できるようにルーバ状に構成することも可能である。この場合、水平状から斜め下向きの姿勢に変更可能でもよいし、水平状の姿勢を挟んで斜め上向きと斜め下向きとに変更可能とすることもできる。また、風向を斜め上向きにガイドするように傾斜させることも可能である。
【0029】
風向案内カバー16の内部のうち上座左右の4ヵ所には、排気口15を構成する縦溝に弾性的に嵌まり係合する係合爪19が一体に形成されている。係合爪19は2本程度でも良い。
【0030】
(4).まとめ
風向案内カバー16がない場合は、浄化済空気は排気口15から平面視で放射方向に噴出するだけであり、このため、ボデー5の遠くまで流れていく。しかし、風向案内カバー16を取り付けているため、図3に示すように、浄化済空気はボデー5の広幅面に沿うようにして放出される。
【0031】
すなわち、全体として見ると、浄化済空気はボデー5を周囲を旋回するような状態で放出される。このため、浄化済空気はボデー5のごく近くにおいて拡散してしまい、その結果、空気流が人の足に当たって悪影響を及ぼすことを防止又は著しく抑制できる。
【0032】
更に、傾斜リブ18の存在により、浄化済空気は斜め下向きに向かうように風向が方向付けられるため、床面を這うように流れて拡散することになり、その結果、人への悪影響をより一層なくすことができる。また、風向案内カバー16は排気口15の箇所に着脱自在であるため、既設の空気浄化装置にも適用できる。
【0033】
複数の風向案内カバー16を設けている場合、放出口を開閉する(又は風量を0から全開まで調節できる)シャッター(蓋)を設けて、浄化済空気が噴出する吹き出し部を選択できるように構成することも可能である。
【0034】
また、各風向案内カバー16の左右両側部にシャッターを開閉自在に設けて、浄化済空気を右向きに噴出させる態様と左向きに噴出させる態様とを選択できるようにすることも可能てある。
【0035】
更に、排気口15から吹き出す浄化済空気の風速を低減するため、ボテー4の内部に、風速を低減する邪魔板を設けることも可能である。
【0036】
(5).第2〜第3実施形態(図6〜図7)
ところで、風向案内カバー16は使用者の足元に位置しているため、人が不用意に蹴って係合爪19が折れてしまう虞がある。従って、風向案内カバー16は外れても簡単に取り付けできるようにするか、又は、人が足で蹴っても外れないようにするのが好ましい。
【0037】
そこで、図6に示す第2実施形態では、ボデー5が鋼板製であることを利用して、風向案内カバー16にマグネット20を設けることにより、外れても簡単に取り付けできるようにしている。いうまでもないが、マグネット20は浄化済空気の流れを損なわない部位に設けている。マグネットに代えて、両面粘着テープや接着剤を使用することも可能である。
【0038】
図7に示す第3実施形態では、ボデー5の周囲を囲う鉢巻き状のバンド21を設け、このバンド21に風向案内カバー16を取り付けている。言うまでもないが、バンド21には排気口15と連通する穴が空いており、浄化済空気の排気を損なわないようになっている。
【0039】
この場合、2本のバンド21でボデー5を前後から抱持するようになっており、両バンド21の端部は互いに引っ掛かる鉤部21aを形成している(両バンド21を上下方向に相対動させると、鉤部21aが嵌脱する)。なお、風向案内カバー16をボデー5にねじ止めしても良いし、溶接で固定しても良い。
【0044】
(6).その他
本発明は、更に様々に具体化することができる。例えばボデーは単なる四角形としたり円形にしたりするなど、様々の形態に設定できる。また、2つのボデーで1枚の天板を支持したツインタイプの構造とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る空気浄化装置の斜視図である。
【図2】図1のII−II視断面図である。
【図3】図1の III-III視断面図である。
【図4】要部の斜視図である。
【図5】(A)は天板の対角方向から見た要部正面図、(B)は(A)のB−B視図である。
【図6】第2実施形態を示す平断面図である。
【図7】第3実施形態を示す平断面図である。
【符号の説明】
1 天板
2 本体部
3 吸い込み口
5 ボデー
9 ゴミ取りネット
10 フィルターユニット
11 光触媒ユニット
12 ファン
14 吹き出し部
15 吹き出し口
16 風向案内カバー
17 放出口
18 傾斜リブ
Claims (3)
- 汚れた空気の吸い込み口を開口した天板と、前記天板の下方に配置された本体部とを備えており、前記本体部は筒状のボデーを備えており、このボデーに、汚れた空気を浄化するフィルター及びファンが内蔵されていると共に、浄化済空気を平面視で放射方向に放出する排気口が開口している天板付き空気浄化装置であって、
前記ボデーのうち前記排気口が空いている部分に、前記排気口を外側から覆って浄化済空気が本体部の外周回り方向に流れるように風向を変換させる風向案内カバーが取外し可能に装着されている、
天板付き空気浄化装置。 - 前記ボデーは、4つの広幅面を有すると共に各コーナー部が面取りされている平面視略四角形状に形成されており、このボデーの各コーナー部に、前記排気口が開口している共に、前記排気口を外側から覆うように前記風向案内カバーが取り付けられており、ボデーの外周面と風向案内カバーとにより、前記排気口から放出された空気をボデーの広幅面に沿った方向に放出する放出口が形成されている、
請求項1に記載した天板付き空気浄化装置。 - 前記風向案内カバーの内部に、浄化済空気が斜め下向きに向かうように案内するリブを設けている、
請求項1に記載した天板付き空気浄化装置。
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