JP7409558B2 - 回路基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、回路基板の製造方法に関する。
ウェハレベルパッケージ(WLP)やパネルレベルパッケージ(PLP)といった半導体パッケージの製造において、再配線基板等の回路基板は、一般に、硬化性樹脂材料をウェハやパネル基板上に設け硬化させて絶縁層を形成した後、該絶縁層上に導体層を形成し、これを繰り返して多層化することにより形成される(例えば、特許文献1)。
特開2012-015191号公報
電子機器の高性能化に伴い、半導体パッケージに用いる回路基板には更なる微細配線化が求められている。しかし絶縁層上に導体層を形成する従来の方法では、微細配線化に限界が生じている。
また、回路基板に用いる絶縁層に関しては、低熱膨張率や低誘電正接等の特性を達成するにあたりシリカ等の無機充填材を含有する場合があるが、斯かる場合には微細配線化はいっそう困難である。
本発明は、絶縁層が無機充填材を含有する場合であっても微細なパターンにて導体回路を形成し得る、新規な回路基板の製造方法を提供する。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記構成を有する回路基板の製造方法によれば上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] 下記工程(X)、(Y)及び(Z):
(X)金属層付き基材の該金属層上に、第1導体回路を形成する工程
(Y)前記金属層上に形成された第1導体回路を埋め込むように樹脂組成物により樹脂組成物層を形成し、該樹脂組成物層を硬化させて絶縁層を形成する工程
(Z)金属層付き基材を除去して、第1導体回路が露出した第1の主面を有する回路基板を形成する工程
を含む、回路基板の製造方法であって、
樹脂組成物が、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含む、回路基板の製造方法。
[2] 樹脂組成物中の無機充填材の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、20質量%以上75質量%以下である、[1]に記載の方法。
[3] 無機充填材の平均粒子径が0.6μm以下である、[1]又は[2]に記載の方法。
[4] 無機充填材がシリカである、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5] 樹脂組成物の最低溶融粘度が5000poise以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6] 金属層の厚みが0.5μm未満である、[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7] 金属層表面の算術平均粗さRaが200nm以下であり、金属層付き基材の厚み方向に測定した該金属層表面の高さの最大値と最小値の差TTVが50μm以下である、[1]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8] 金属層付き基材において、基材が、金属層とは組成が異なる金属基材、無機基材及び有機基材から選ばれる、[1]~[7]のいずれかに記載の方法。
[9] 工程(Z)が、基材を除去した後、金属層を除去することによって行われる、[1]~[8]のいずれかに記載の方法。
[10] 工程(X)が、
(X-1)金属層上にフォトレジストを設け、該フォトレジストを露光・現像して、形成すべき第1導体回路の回路パターンに対応して金属層を露出させること、及び
(X-2)露出した金属層上に導体層を形成し、第1導体回路を形成すること
を含む、[1]~[9]のいずれかに記載の方法。
[11] 第1導体回路が、トレンチ型の導体回路を含む、[1]~[10]のいずれかに記載の方法。
[12] 工程(Y)が、支持フィルムと該支持フィルム上に設けられた樹脂組成物層とを含む樹脂シートを、該樹脂組成物層が第1導体回路と接合するように、基材に積層することを含む、[1]~[11]のいずれかに記載の方法。
[13] 工程(Y)の後に、
(i)絶縁層表面上に、第2導体回路を形成する工程、及び
(ii)第2導体回路を埋め込むように樹脂組成物層を形成し、該樹脂組成物層を硬化させて絶縁層を形成する工程
を含む、[1]~[12]のいずれかに記載の方法。
[14] 回路基板が、半導体パッケージ用である、[1]~[13]のいずれかに記載の方法。
[15] 第1の主面及び第2の主面を有する回路基板であって、
第1の主面においてトレンチ型の導体回路を含み、
トレンチ型の導体回路の最小ライン/スペース比(L/S)が2/2μm以下であり、
第1の主面に垂直であり且つトレンチ型の導体回路の延在方向にも垂直な方向Yにおける断面において、トレンチ型の導体回路の側壁が画定する直線の方向y1と方向Yとの角度差が20°以下であり、
トレンチ型の導体回路と共に第1の主面を画定する絶縁層が、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含む樹脂組成物の硬化物からなる、回路基板。
[16] トレンチ型の導体回路が、第1の主面から回路基板の深さ方向に向かって幅が増大する逆テーパー形状を有する、[15]に記載の回路基板。
[17] 第1の主面に垂直であり且つトレンチ型の導体回路の延在方向にも垂直な方向Yにおける断面において、トレンチ型の導体回路の厚さTと幅Wの比(T/W)が1.5以上である、[15]又は[16]に記載の回路基板。
[18] 第1の主面に垂直であり且つトレンチ型の導体回路の延在方向にも垂直な方向Yにおける断面において、トレンチ型の導体回路の露出面が、トレンチ型の導体回路と共に第1の主面を画定する絶縁層の露出面より0.05W以上凹んでいる、[15]~[17]のいずれかに記載の回路基板。
[19] 回路層数が2以上の多層構造を有する、[15]~[18]のいずれかに記載の回路基板。
[20] [15]~[19]のいずれかに記載される回路基板と、該回路基板のトレンチ型の導体回路と電気的に接続されるように第1の主面上に設けられた半導体チップとを含む、半導体パッケージ。
[21] ファンアウト(Fan-Out)型パッケージである、[20]に記載の半導体パッケージ。
本発明によれば、絶縁層が無機充填材を含有する場合であっても微細なパターンにて導体回路を形成し得る、新規な回路基板の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態における回路基板の製造方法(以下、単に「回路基板の製造方法」という。)を説明するための模式図(1)である。 図2は、回路基板の製造方法を説明するための模式図(2)である。 図3は、回路基板の製造方法を説明するための模式図(3)である。 図4は、回路基板の製造方法を説明するための模式図(4)である。 図5は、回路基板の製造方法を説明するための模式図(5)である。 図6は、回路基板の製造方法を説明するための模式図(6)である。 図7は、回路基板の製造方法を説明するための模式図(7)である。 図8は、回路基板の製造方法を説明するための模式図(8)である。 図9は、回路基板の製造方法を説明するための模式図(9)である。 図10は、回路基板の製造方法を説明するための模式図(10)である。 図11は、回路基板の製造方法を説明するための模式図(11)である。 図12は、回路基板の製造方法を説明するための模式図(12)である。 図13は、回路基板の製造方法を説明するための模式図(13)である。 図14は、回路基板の製造方法を説明するための模式図(14)である。 図15は、回路基板の製造方法を説明するための模式図(15)である。 図16は、回路基板の製造方法を説明するための模式図(16)である。 図17は、回路基板の製造方法を説明するための模式図(17)である。 図18は、回路基板の製造方法を説明するための模式図(18)である。 図19は、回路基板の製造方法を説明するための模式図(19)である。 図20は、回路基板の製造方法を説明するための模式図(20)である。 図21は、回路基板の製造方法を説明するための模式図(21)である。 図22は、回路基板の製造方法を説明するための模式図(22)である。 図23は、回路基板の製造方法を説明するための模式図(23)である。図23はまた、本発明の一実施形態における回路基板の模式図である。 図24は、本発明の一実施形態に係る半導体パッケージを説明するための模式図(1)である。 図25は、本発明の一実施形態に係る半導体パッケージを説明するための模式図(2)である。 図26は、本発明の一実施形態に係る半導体パッケージを説明するための模式図(3)である。
本発明の回路基板の製造方法について詳細に説明する前に、本発明の製造方法において使用する「樹脂組成物」について説明する。
<樹脂組成物>
本発明の回路基板の製造方法においては、導体回路を埋め込むように樹脂組成物層を形成し、該樹脂組成物層を硬化させて絶縁層を形成する。ここで、樹脂組成物層は、導体回路を埋め込むように形成し得ると共に硬化後に十分な絶縁性を呈する等の観点から、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含む樹脂組成物を用いて形成される。
-エポキシ樹脂-
エポキシ樹脂としては、例えば、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物は、エポキシ樹脂として、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、エポキシ樹脂の不揮発成分100質量%に対して、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。
エポキシ樹脂は、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下「液状エポキシ樹脂」という。)と、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下「固体状エポキシ樹脂」という。)に分類される。樹脂組成物は、エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよく、固体状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよいが、本発明の効果を顕著に得る観点から、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて含むことが好ましい。
液状エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する液状エポキシ樹脂が好ましい。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂がより好ましい。
液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「828US」、「jER828EL」、「825」、「エピコート828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER807」、「1750」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「630」、「630LSD」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品);ナガセケムテックス社製の「EX-721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂);ダイセル社製の「セロキサイド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂);ダイセル社製の「PB-3600」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ZX1658」、「ZX1658GS」(液状1,4-グリシジルシクロヘキサン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
固体状エポキシ樹脂としては、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する固体状エポキシ樹脂が好ましく、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する芳香族系の固体状エポキシ樹脂がより好ましい。
固体状エポキシ樹脂としては、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂が好ましく、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂がより好ましい。
固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032H」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「HP-4700」、「HP-4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂)、「N-690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「N-695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、「HP-7200」、「HP-7200HH」、「HP-7200H」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、「EXA-7311」、「EXA-7311-G3」、「EXA-7311-G4」、「EXA-7311-G4S」、「HP6000」、「HP6000L」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「EPPN-502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂)、「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ESN475V」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX4000H」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)、「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂);大阪ガスケミカル社製の「PG-100」、「CG-500」、三菱ケミカル社製の「YX7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂)、「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂)、「jER1010」(固体状ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂として液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて用いる場合、それらの量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、好ましくは1:0.1~1:20、より好ましくは1:0.3~1:15、特に好ましくは1:0.5~1:10である。液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との量比が斯かる範囲にあることにより、本発明の所望の効果を顕著に得ることができる。さらに、通常は、樹脂シートの形態で使用する場合に、適度な粘着性がもたらされる。また、通常は、樹脂シートの形態で使用する場合に、十分な可撓性が得られ、取り扱い性が向上する。さらに、通常は、十分な破断強度を有する硬化物を得ることができる。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50g/eq.~5000g/eq.、より好ましくは50g/eq.~3000g/eq.、さらに好ましくは80g/eq.~2000g/eq.、さらにより好ましくは110g/eq.~1000g/eq.である。この範囲となることで、架橋密度が十分な樹脂組成物の硬化物をもたらすことができる。エポキシ当量は、1当量のエポキシ基を含むエポキシ樹脂の質量である。このエポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができる。
エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは100~5000、より好ましくは250~3000、さらに好ましくは400~1500である。エポキシ樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
エポキシ樹脂の含有量は、良好な機械強度、絶縁信頼性を示す硬化物を得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上である。エポキシ樹脂の含有量の上限は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、特に好ましくは45質量%以下、40質量%以下又は35質量%以下である。
エポキシ樹脂の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上又は50質量%以上であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である。本発明において、樹脂組成物についていう「樹脂成分」とは、樹脂組成物を構成する不揮発成分のうち、後述する無機充填材を除いた成分をいう。
-硬化剤-
硬化剤としては、例えば、活性エステル系硬化剤、フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤等が挙げられる。硬化剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
活性エステル系硬化剤としては、1分子中に1個以上の活性エステル基を有する化合物を用いることができる。中でも、活性エステル系硬化剤としては、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の、反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましい。当該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に、耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル系硬化剤が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル系硬化剤がより好ましい。
カルボン酸化合物としては、例えば、安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
活性エステル系硬化剤の好ましい具体例としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル系硬化剤、ナフタレン構造を含む活性エステル系硬化剤、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル系硬化剤、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル系硬化剤が挙げられる。中でも、ナフタレン構造を含む活性エステル系硬化剤、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル系硬化剤がより好ましい。「ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造」とは、フェニレン-ジシクロペンチレン-フェニレンからなる2価の構造単位を表す。
活性エステル系硬化剤の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル系硬化剤として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC-8000-65T」、「HPC-8000H-65TM」、「EXB-8000L-65TM」(DIC社製);ナフタレン構造を含むナフタレン型活性エステル系硬化剤として「EXB9416-70BK」、「EXB-8100L-65T」、「EXB-8150L-65T」、「EXB-8150-65T」、「HPC-8150-60T」、「HPC-8150-62T」、「HPB-8151-62T」(DIC社製)、「PC1300-02-65T」(エア・ウォーター社製);フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル系硬化剤として「DC808」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル系硬化剤として「YLH1026」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル系硬化剤として「DC808」(三菱ケミカル社製);フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル系硬化剤として「YLH1026」(三菱ケミカル社製)、「YLH1030」(三菱ケミカル社製)、「YLH1048」(三菱ケミカル社製);「EXB-8500-65T」(DIC社製);等が挙げられる。
活性エステル系硬化剤の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは4質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
活性エステル系硬化剤の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上であり、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ノボラック構造を有するものが好ましい。また、導体層との密着性の観点から、含窒素フェノール系硬化剤、含窒素ナフトール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤、トリアジン骨格含有ナフトール系硬化剤がより好ましい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤の具体例としては、例えば、明和化成社製の「MEH-7700」、「MEH-7810」、「MEH-7851」、日本化薬社製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、日鉄ケミカル&マテリアル社製の「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN-495V」「SN375」、「SN395」、DIC社製の「TD-2090」、「LA-7052」、「LA-7054」、「LA-1356」、「LA-3018-50P」、「EXB-9500」等が挙げられる。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、JFEケミカル社製の「JBZ-OD100」(ベンゾオキサジン環当量218g/eq.)、「JBZ-OP100D」(ベンゾオキサジン環当量218g/eq.)、「ODA-BOZ」(ベンゾオキサジン環当量218g/eq.);四国化成工業社製の「P-d」(ベンゾオキサジン環当量217g/eq.)、「F-a」(ベンゾオキサジン環当量217g/eq.);昭和高分子社製の「HFB2006M」(ベンゾオキサジン環当量432g/eq.)等が挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート、オリゴ(3-メチレン-1,5-フェニレンシアネート)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェニルシアネート)、4,4’-エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2-ビス(4-シアネート)フェニルプロパン、1,1-ビス(4-シアネートフェニルメタン)、ビス(4-シアネート-3,5-ジメチルフェニル)メタン、1,3-ビス(4-シアネートフェニル-1-(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4-シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4-シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート化合物;フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート化合物;これらシアネート化合物が一部トリアジン化したプレポリマー;などが挙げられる。シアネートエステル系化合物の具体例としては、ロンザジャパン社製の「PT30」、「PT30S」及び「PT60」(フェノールノボラック型多官能シアネートエステル)、「ULL-950S」(多官能シアネートエステル)、「BA230」、「BA230S75」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。
カルボジイミド系硬化剤の具体例としては、日清紡ケミカル社製のカルボジライト(登録商標)V-03(カルボジイミド基当量:216g/eq.、V-05(カルボジイミド基当量:216g/eq.)、V-07(カルボジイミド基当量:200g/eq.);V-09(カルボジイミド基当量:200g/eq.);ラインケミー社製のスタバクゾール(登録商標)P(カルボジイミド基当量:302g/eq.)が挙げられる。
アミン系硬化剤としては、1分子中に1個以上のアミノ基を有する樹脂が挙げられ、例えば、脂肪族アミン類、ポリエーテルアミン類、脂環式アミン類、芳香族アミン類等が挙げられ、中でも、本発明の所望の効果を奏する観点から、芳香族アミン類が好ましい。アミン系硬化剤は、第1級アミン又は第2級アミンが好ましく、第1級アミンがより好ましい。アミン系硬化剤の具体例としては、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルアニリン)、ジフェニルジアミノスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、m-フェニレンジアミン、m-キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジヒドロキシベンジジン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3-ジメチル-5,5-ジエチル-4,4-ジフェニルメタンジアミン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン等が挙げられる。アミン系硬化剤は市販品を用いてもよく、例えば、日本化薬社製の「KAYABOND C-200S」、「KAYABOND C-100」、「カヤハードA-A」、「カヤハードA-B」、「カヤハードA-S」、三菱ケミカル社製の「エピキュアW」等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、1分子内中に1個以上の酸無水物基を有する化合物が挙げられる。酸無水物系硬化剤の具体例としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンソフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、3,3’-4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-5-(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)-ナフト[1,2-C]フラン-1,3-ジオン、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、スチレンとマレイン酸とが共重合したスチレン・マレイン酸樹脂などのポリマー型の酸無水物などが挙げられる。
エポキシ樹脂と硬化剤との量比は、[エポキシ樹脂のエポキシ基の合計数]:[硬化剤の反応基の合計数]の比率で、1:0.01~1:5の範囲が好ましく、1:0.05~1:3がより好ましく、1:0.1~1:2がさらに好ましい。ここで、「エポキシ樹脂のエポキシ基数」とは、樹脂組成物中に存在するエポキシ樹脂の不揮発成分の質量をエポキシ当量で除した値を全て合計した値である。また、「硬化剤の活性基数」とは、樹脂組成物中に存在する硬化剤の不揮発成分の質量を活性基当量で除した値を全て合計した値である。エポキシ樹脂と硬化剤との量比をかかる範囲内とすることにより、柔軟性に優れる硬化体を得ることができる。
硬化剤の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
硬化剤の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上又は20質量%以上であり、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。
-無機充填材-
無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、アルミノシリケート、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でも炭酸カルシウム、シリカが好適であり、シリカが特に好適である。シリカとしては、例えば、無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等が挙げられる。また、シリカとしては、球状シリカが好ましい。無機充填材は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機充填材の市販品としては、例えば、デンカ社製の「UFP-30」;日鉄ケミカル&マテリアル社製の「SP60-05」、「SP507-05」、「SPH516-05」;アドマテックス社製の「YC100C」、「YA050C」、「YA050C-MJE」、「YA010C」;トクヤマ社製の「シルフィルNSS-3N」、「シルフィルNSS-4N」、「シルフィルNSS-5N」;アドマテックス社製の「SC2500SQ」などが挙げられる。
無機充填材の平均粒子径は、最小ライン/スペース比(L/S)が2/2μm以下などといった極めて微細なパターンにおいて、優れた絶縁性を発揮する観点から、好ましくは0.6μm以下、より好ましくは0.5μm以下、さらに好ましくは0.4μm以下であり、また好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.02μm以上、さらに好ましくは0.03μm以上である。
無機充填材の比表面積は、好ましくは1m/g以上、より好ましくは2m/g以上、さらに好ましくは3m/g以上である。上限に特段の制限は無いが、好ましくは60m/g以下、50m/g以下又は40m/g以下である。比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置(マウンテック社製Macsorb HM-1210)を使用して試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて算出することができる。
無機充填材は、耐湿性及び分散性を高める観点から、表面処理剤で処理されていることが好ましい。表面処理剤としては、例えば、ビニルシラン系カップリング剤、(メタ)アクリル系カップリング剤、フッ素含有シランカップリング剤、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、アルコキシシラン、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。中でも、本発明の効果を顕著に得る観点から、ビニルシラン系カップリング剤、(メタ)アクリル系カップリング剤、アミノシラン系カップリング剤が好ましく、アミノシラン系カップリング剤がより好ましい。また、表面処理剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業社製「KBM1003」(ビニルトリエトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM503」(3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM403」(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM803」(3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBE903」(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM573」(N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「SZ-31」(ヘキサメチルジシラザン)、信越化学工業社製「KBM103」(フェニルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM-4803」(長鎖エポキシ型シランカップリング剤)、信越化学工業社製「KBM-7103」(3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン)等が挙げられる。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の分散性向上の観点から、所定の範囲に収まることが好ましい。具体的には、無機充填材100質量部は、0.2質量部~5質量部の表面処理剤で表面処理されていることが好ましく、0.2質量部~3質量部で表面処理されていることが好ましく、0.3質量部~2質量部で表面処理されていることが好ましい。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量によって評価することができる。無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m以上が好ましく、0.1mg/m以上がより好ましく、0.2mg/m以上がさらに好ましい。一方、樹脂ワニスの溶融粘度及びシート形態での溶融粘度の上昇を抑制する観点から、1mg/m以下が好ましく、0.8mg/m以下がより好ましく、0.5mg/m以下がさらに好ましい。
無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、堀場製作所社製「EMIA-320V」等を使用することができる。
樹脂組成物中の無機充填材の含有量(ひいては樹脂組成物層、絶縁層中の無機充填材の含有量)は、絶縁層の熱膨張率や誘電正接を十分に低下させる観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。後述のとおり、絶縁層が無機充填材を含有する場合、トレンチ型の導体回路を微細なパターンにて形成することは困難であった。これに対し、本発明の方法によれば、無機充填材の含有量が更に高い場合であっても、トレンチ型の導体回路を極めて微細なパターンにて形成することが可能である。例えば、樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、45質量%以上、50質量%以上又は55質量%以上にまで高めてもよい。該無機充填材の含有量の上限は、好ましくは75質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは65質量%以下である。
樹脂組成物は、さらに他の成分を含有してもよい。斯かる他の成分としては、例えば、硬化促進剤、熱可塑性樹脂、その他の添加剤等が挙げられる。以下、各成分について説明する。
-硬化促進剤-
樹脂組成物は、硬化促進剤を含有していてもよい。硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、金属系硬化促進剤等が挙げられ、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤が好ましく、アミン系硬化促進剤がより好ましい。硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リン系硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n-ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4-メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられ、トリフェニルホスフィン、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩が好ましい。
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、4-ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン等が挙げられ、4-ジメチルアミノピリジン、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセンが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられ、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾールが好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、三菱ケミカル社製の「P200-H50」等が挙げられる。
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1-メチルグアニジン、1-エチルグアニジン、1-シクロヘキシルグアニジン、1-フェニルグアニジン、1-(o-トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、1-メチルビグアニド、1-エチルビグアニド、1-n-ブチルビグアニド、1-n-オクタデシルビグアニド、1,1-ジメチルビグアニド、1,1-ジエチルビグアニド、1-シクロヘキシルビグアニド、1-アリルビグアニド、1-フェニルビグアニド、1-(o-トリル)ビグアニド等が挙げられ、ジシアンジアミド、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エンが好ましい。
金属系硬化促進剤としては、例えば、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体等が挙げられる。有機金属塩としては、例えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
硬化促進剤の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、特に好ましくは0.03質量%以上であり、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下である。
硬化促進剤の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
-熱可塑性樹脂-
樹脂組成物は、熱可塑性樹脂を含有していてもよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ、フェノキシ樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは38000以上、より好ましくは40000以上、さらに好ましくは42000以上である。上限は、好ましくは100000以下、より好ましくは70000以下、さらに好ましくは60000以下である。熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される。具体的には、熱可塑性樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は、測定装置として島津製作所社製LC-9A/RID-6Aを、カラムとして昭和電工社製Shodex K-800P/K-804L/K-804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度を40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、及びトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。フェノキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱ケミカル社製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂)、「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂)、及び「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂)が挙げられ、その他にも、日鉄ケミカル&マテリアル社製の「FX280」及び「FX293」、三菱ケミカル社製の「YX7800BH40」、「YL7500BH30」、「YX6954BH30」、「YX7553」、「YX7553BH30」、「YL7769BH30」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」及び「YL7482」等が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられ、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、例えば、電気化学工業社製の「電化ブチラール4000-2」、「電化ブチラール5000-A」、「電化ブチラール6000-C」、「電化ブチラール6000-EP」、積水化学工業社製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ(例えばBX-5Z)、KSシリーズ(例えばKS-1)、BLシリーズ、BMシリーズ等が挙げられる。
ポリイミド樹脂の具体例としては、新日本理化社製の「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」が挙げられる。ポリイミド樹脂の具体例としてはまた、2官能性ヒドロキシル基末端ポリブタジエン、ジイソシアネート化合物及び四塩基酸無水物を反応させて得られる線状ポリイミド(特開2006-37083号公報記載のポリイミド)、ポリシロキサン骨格含有ポリイミド(特開2002-12667号公報及び特開2000-319386号公報等に記載のポリイミド)等の変性ポリイミドが挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡社製の「バイロマックスHR11NN」及び「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂の具体例としてはまた、日立化成工業社製の「KS9100」、「KS9300」(ポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミド)等の変性ポリアミドイミドが挙げられる。
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、住友化学社製の「PES5003P」等が挙げられる。ポリフェニレンエーテル樹脂の具体例としては、三菱ガス化学社製のオリゴフェニレンエーテル・スチレン樹脂「OPE-2St 1200」等が挙げられる。ポリエーテルエーテルケトン樹脂の具体例としては、住友化学社製の「スミプロイK」等が挙げられる。ポリエーテルイミド樹脂の具体例としては、GE社製の「ウルテム」等が挙げられる。
ポリスルホン樹脂の具体例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ社製のポリスルホン「P1700」、「P3500」等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体等のエチレン系共重合樹脂;ポリプロピレン、エチレン-プロピレンブロック共重合体等のポリオレフィン系エラストマー等が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンナフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンジメチルテレフタレート樹脂等が挙げられる。
中でも、熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。したがって好適な一実施形態において、樹脂組成物は、フェノキシ樹脂及びポリビニルアセタール樹脂からなる群から選択される1種以上の熱可塑性樹脂を含む。中でも、熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂が好ましく、重量平均分子量が40,000以上のフェノキシ樹脂が特に好ましい。
熱可塑性樹脂の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上である。上限は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。
熱可塑性樹脂の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは1.5質量%以上であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
-その他の添加剤-
樹脂組成物は、その他の添加剤をさらに含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、ゴム粒子等の有機充填材;有機銅化合物、有機亜鉛化合物、有機コバルト化合物等の有機金属化合物;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオディングリーン、ジアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック等の着色剤;シリコーン系レベリング剤、アクリルポリマー系レベリング剤等のレベリング剤;ベントン、モンモリロナイト等の増粘剤;シリコーン系消泡剤、アクリル系消泡剤、フッ素系消泡剤、ビニル樹脂系消泡剤等の消泡剤;尿素シラン等の接着性向上剤;トリアゾール系密着性付与剤、テトラゾール系密着性付与剤、トリアジン系密着性付与剤等の密着性付与剤;ヒンダードフェノール系酸化防止剤等の酸化防止剤;スチルベン誘導体等の蛍光増白剤;フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤;リン系難燃剤(例えばリン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、ホスフィン酸化合物、赤リン)、窒素系難燃剤(例えば硫酸メラミン)、ハロゲン系難燃剤、無機系難燃剤(例えば三酸化アンチモン)等の難燃剤;リン酸エステル系分散剤、ポリオキシアルキレン系分散剤、アセチレン系分散剤、シリコーン系分散剤、アニオン性分散剤、カチオン性分散剤等の分散剤;ボレート系安定剤、チタネート系安定剤、アルミネート系安定剤、ジルコネート系安定剤、イソシアネート系安定剤、カルボン酸系安定剤、カルボン酸無水物系安定剤等の安定剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。斯かる添加剤の含有量は、絶縁層に要求される特性に応じて決定してよい。
樹脂組成物の調製方法は、特に限定されるものではなく、例えば、配合成分を、必要により溶媒等とともに、回転ミキサーなどを用いて混合・分散する方法などが挙げられる。
樹脂組成物(ひいては樹脂組成物層)の最低溶融粘度は、導体回路の埋め込み性、導体回路を倒壊させずに保持する観点から、5000poise以下が好ましく、より好ましくは4500poise以下であり、さらに好ましくは4000poise以下である。また樹脂組成物層形成時の染み出しを防止し加工性を向上させる観点から、100poise以上が好ましく、200poise以上がより好ましく、300poise以上がさらに好ましい。樹脂組成物の最低溶融粘度は、後述の<最低溶融粘度の測定>欄に示すとおり、動的粘弾性法により溶融粘度を測定して求めることができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。説明にあたり図面を参照する場合もあるが、各図面は、発明が理解できる程度に、構成要素の形状、大きさおよび配置が概略的に示されているに過ぎない。本発明は以下の記述によって限定されるものではなく、各構成要素は本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
[回路基板の製造方法]
本発明の回路基板の製造方法(以下、単に「本発明の方法」ともいう。)は、下記工程(X)、(Y)及び(Z)を含むことを特徴とする。
(X)金属層付き基材の該金属層上に、第1導体回路を形成する工程
(Y)前記金属層上に形成された第1導体回路を埋め込むように樹脂組成物により樹脂組成物層を形成し、該樹脂組成物層を硬化させて絶縁層を形成する工程
(Z)金属層付き基材を除去して、第1導体回路が露出した第1の主面を有する回路基板を形成する工程
さらに、本発明の回路基板の製造方法は、樹脂組成物がエポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含むことも特徴とする。
金属層付き基材の該金属層上に導体回路を形成し、該該導体回路を埋め込むように絶縁層を形成した後、金属層付き基材を除去して該導体回路を露出させる本発明の方法によれば、エッチングにより導体回路未形成部の金属層(シード層)を選択除去する処理を必要とせず、導体回路がエッチングの影響を受けることを防ぐことでき、ひいては微細なパターンにて配線(導体回路)を形成することができるため有利である。また、導体回路の断面積が維持され電気特性に優れる導体回路を形成可能である。さらには、高いアスペクト比の導体回路を形成可能であり、パッド/チップ接合部の信頼性向上や、パッドの小径化による高密度化にも有利である。本発明の方法によればまた、金属層をエッチング等で除去し、導体回路開口部を凹形状とすることで、その上に形成されるパッド/配線接合部の強度の向上や信頼性向上にも有利となる。この点、トレンチ型の導体回路を形成する場合、従来の技術においては、一般に、絶縁層をレーザー加工してトレンチ(溝)を形成し、スパッタリング法などを用いて該トレンチに導体を充填してトレンチ型の導体回路を形成していた。斯かる技術では、微細配線化に限界が生じており、特に、絶縁層が無機充填材を含有する場合には微細配線化はいっそう困難であった。これに対し、本発明の方法によれば、絶縁層が無機充填材を含有する場合であっても、トレンチ型の導体回路を、最小ライン/スペース比(L/S)が2/2μm以下などといった極めて微細なパターンにて形成することが可能である。したがって本発明は、回路基板の微細配線化、ひいては半導体パッケージの高機能化に著しく寄与するものである。
<工程(X)>
工程(X)において、金属層付き基材の該金属層上に、第1導体回路を形成する。
-金属層付き基材-
工程(X)で用いる金属層付き基材は、基材と、該基材上に設けられた金属層とを含む限り特に限定されない。
金属層付き基材において、金属層は導体回路を形成するためのシード層として機能し、基材は金属層の支持体として機能する。基材の構成材料は特に限定されず、金属基材、無機基材及び有機基材から選ばれる任意の基材を用いてよい。好適な一実施形態において、基材は、金属層とは組成が異なる金属基材、無機基材及び有機基材から選ばれる。
金属層とは組成が異なる金属基材について、その構成材料(金属材料)は金属層と組成が異なる限り特に限定されない。金属材料としては、例えば、銅、アルミニウム、及びこれらと他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金が挙げられる。該金属基材の厚さは、特に限定されず、例えば、0.1mm以上5mm以下の範囲としてよい。
無機基材としては、例えば、ガラス基材、セラミックス基材等が挙げられ、有機基材としては、例えば、プラチック材料からなる基材が挙げられる。ガラス基材の材料としては、特に限定されず、例えば、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、ソーダ石灰ガラス等の各種ガラス材料を用いてよい。セラミックス基材の材料としては、特に限定されず、例えば、アルミナ、ジルコニア等の各種セラミックス材料を用いてよい。また、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミドなどが挙げられる。また繊維強化プラスチック等の複合材料を使用してもよい。これら無機基材や有機基材の厚さは、特に限定されず、その種類に応じて適宜決定してよいが、例えば、0.1mm以上5mm以下の範囲とし得る。
金属層付き基材は、基材上に設けられた金属層を含む。斯かる金属層が設けられる側の基材表面は、平滑、平坦であることが好ましい。金属層を構成する金属材料としては、金属層表面に導体層を形成し得る限り特に限定されないが、例えば、銅、パラジウム、金、白金、銀、アルミニウム、及びこれらと他の金属(例えば、スズ、クロム、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金が挙げられる。基材上への金属層の形成は、例えば、スパッタ、無電解メッキ、極薄金属箔の貼付け等の方法によって行うことができ、特にスパッタによって形成することが好ましい。
金属層付き基材において、金属層の厚さは、金属層をエッチング等で除去した後の導体回路開口部において均一な凹形状を形成し、歩留まりを向上させる観点から、好ましくは0.5μm未満、0.3μm未満、0.2μm未満又は0.1μm未満である。該金属層の厚さの下限は、特に限定されないが、後述する第1導体回路を形成し易い観点から、例えば、0.01μm以上、0.02μm以上、0.03μm以上などとし得る。
本発明において、金属層が「基材上に設けられ」ているとは、金属層が基材に接合して(直に)設けられている場合のほか、金属層が基材上において他の層を介して設けられている場合も含む。
ここで、他の層としては、本発明の効果を阻害しない限り特に限定されず、例えば、基材に金属層を接着性よく設けることを可能とする接着層や、金属層から基材を剥離することを可能とする剥離層などが挙げられる。斯かる接着層や剥離層は、所期の機能を発現する限り従来公知の任意のものを用いてよい。金属層付き基材が、金属層と基材との間に剥離層を有する場合、後述する工程(Z)において、基材を剥離除去することが可能となり、第1導体回路(トレンチ型の導体回路)が露出した第1の主面を有する回路基板を簡便に形成できることから好適である。したがって好適な一実施形態において、金属層付き基材は、基材と金属層との間に剥離層を含む。
剥離層は、金属層から基材を剥離できれば特に限定されず、例えば、Cr、Ni、Co、Fe、Mo、Ti、W、Pからなる群から選択される元素の合金層;活性エネルギー線で蒸発(昇華)する有機被膜等が挙げられる(国際公開第2018/025957号)。
金属層付き基材において、導体回路が形成される金属層表面の算術平均粗さRaは、微細なパターンにて第1導体回路を形成できる観点から、好ましくは200nm以下、より好ましくは150nm以下、さらに好ましくは100nm以下、80nm以下、60nm以下、50nm以下、40nm以下又は20nm以下である。該Raの下限は、特に限定されず、例えば1nm以上、2nm以上、3nm以上などとし得る。したがって一実施形態において、金属層表面の算術平均粗さRaは200nm以下である。
金属層付き基材において、該金属層付き基材の厚み方向に測定した金属層表面の高さの最大値と最小値の差TTV(Total Thickness Variation)は、微細なパターンにて第1導体回路を形成できる観点から、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下、20μm以下、15μm以下、10μm以下、7μm以下又は5μm以下である。該TTVの下限は、特に限定されず、例えば1μm以上、2μm以上、3μm以上などとし得る。したがって一実施形態において、金属層付き基材の厚み方向に測定した金属層表面の高さの最大値と最小値の差TTVは50μm以下である。
-第1導体回路の形成-
本発明においては、金属層付き基材の該金属層上に、第1導体回路を形成する。
第1導体回路の形成は、セミアディティブ法、フルアディティブ法等の公知の回路形成法に準じて実施してよい。したがって一実施形態において、工程(X)は、
(X-1)金属層上にフォトレジストを設け、該フォトレジストを露光・現像して、形成すべき第1導体回路の回路パターンに対応して金属層を露出させること、及び
(X-2)露出した金属層上に導体層を形成し、第1導体回路を形成すること
を含む。
フォトレジストとしては、所望の導体回路パターンにて現像可能な従来公知のものを用いてよく、フィルム状フォトレジスト(ドライフィルムフォトレジスト)及び液状フォトレジストの何れを用いてもよい。
中でも、微細なパターンにて第1導体回路を形成し得るという本発明の効果をより享受し得る観点から、第1導体回路の形成は、セミアディティブ法に準じて実施することが好ましい。よって上記(X-2)において、導体層は、露出した金属層をめっきシード層として、電解めっき法により形成することが好ましい。
本発明の方法においては、後述する工程(Z)により、金属層付き基材を除去するため、通常のセミアディティブ法にて実施されるエッチングによる回路未形成部の金属層(シード層)の除去は必要とされない。従前の技術においては、斯かるエッチングに際し、導体回路の一部までもが除去されてしまい導体回路の断面積を維持できない場合があった。また斯かる問題は、L/S比の小さな導体回路を形成する場合に特に顕著となり、微細なパターンにて導体回路を形成することの障害となっていた。これに対し、本発明の方法によれば、金属層付き基材の該金属層上に導体回路を形成し、該導体回路を埋め込むように絶縁層を形成した後、金属層付き基材を除去して導体回路を露出させる。これにより、導体回路がエッチングの影響を受けることを防ぐことができ、微細なパターンにて、所期の断面積を有する第1導体回路を形成することが可能である。
本発明においては、微細なパターンにて第1導体回路を形成することが可能である。詳細には、最小ライン/スペース比(L/S)が、好ましくは5/5μm以下、より好ましくは3/3μm以下、さらに好ましくは2/2μm以下の導体回路を形成することができ、L/Sが1.5/1.5μm以下又は1/1μm以下の導体回路であっても形成可能である。したがって好適な一実施形態において、第1導体回路の最小ライン/スペース比(L/S)は2/2μm以下である。
第1導体回路を形成する導体層の厚さは、回路基板の具体的設計に応じて決定してよい。本発明においては、アスペクト比(導体層のライン幅Wに対する導体層の厚さTの比T/W)が好ましくは1.5以上、より好ましくは2以上、2.5以上又は3以上である導体回路を微細なパターンにて形成することができる。
以下、図1乃至図9を参照して、工程(X)の一例を説明する。
はじめに、金属層付き基材を用意する(図1)。図1には、斯かる金属層付き基材として、基材1と、該基材上に設けられた金属層2とを含む金属層付き基材10を用意した例を示している。金属層2の表面10aの算術平均粗さRaの好適範囲は先述のとおりである。これと対向する他方の主面10bの表面粗さは特に限定されない。また、該金属層付き基材の厚み方向に測定した金属層表面の高さの最大値と最小値の差TTVの好適範囲も先述のとおりである。
次いで、金属層付き基材10の金属層2(の表面10a)上に第1導体回路を形成する。詳細には、金属層付き基材10の金属層2上にフォトレジスト20を設け(図2)、該フォトレジストを露光・現像して、形成すべき第1導体回路の回路パターンに対応して金属層を露出させる(図3)。そして、露出した金属層上に導体層30を形成し、これら導体層30からなる第1導体回路を形成する(図4;以下、第1導体回路の符号も便宜上30とする)。本発明の方法によれば、先述のとおり、微細なパターンにて第1導体回路を形成することが可能である。第1導体回路の形成後、フォトレジスト20を除去する(図5)。
フォトレジストを介した導体層の形成を複数回実施して、所望の回路パターンや層間接続パターンを形成してよい。例えば、第1導体回路30が設けられた金属層上に、第2のフォトレジスト21を設け(図6)、該フォトレジストを露光・現像して、層間接続パターンに対応して導体層30(第1導体回路30)を露出させる(図7)。そして、露出した第1導体回路30上に導体層を設け、層間接続導体を形成する(図8;図中、真ん中の導体層30が層間接続導体に対応する)。層間接続導体の形成後、第2のフォトレジスト21を除去する(図9)。
図3乃至図9には、フォトレジスト20を用いて第1導体回路を形成した後、フォトレジスト21を用いて層間接続導体を形成する例を示したが、金属層上に第1導体回路を形成し得る限り、その手順は特に限定されない。例えば、フォトレジスト20を露光・現像し、はじめに層間接続パターンに対応して基材の金属層を露出させ、露出した金属層上に導体層(層間接続導体)を形成してもよい。斯かる場合、層間接続導体の形成後、フォトレジスト20を除去することなく、該フォトレジスト20を露光・現像し、形成すべき第1導体回路の回路パターンに対応して基材の金属層を露出させ、露出した金属層上に導体層を形成し第1導体回路を形成してよい。
<工程(Y)>
工程(Y)において、第1導体回路を埋め込むように樹脂組成物により樹脂組成物層を形成し、該樹脂組成物層を硬化させて絶縁層を形成する。
-樹脂組成物層-
先述のとおり、樹脂組成物層は、第1導体回路を埋め込むように形成し得ると共に硬化後に十分な絶縁性を呈する等の観点から、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含む樹脂組成物を用いて形成される。該樹脂組成物は、上記<樹脂組成物>欄にて説明したとおりである。
工程(Y)は、上記の樹脂組成物をワニス状態で塗布することにより実施してもよいし、該樹脂組成物を含有する樹脂組成物層を予め形成し該樹脂組成物層を積層することにより実施してもよい。
好適な一実施形態において、工程(Y)は、支持フィルムと該支持フィルム上に設けられた樹脂組成物層とを含む樹脂シートを、該樹脂組成物層が第1導体回路と接合するように、第1導体回路が設けられた金属層付き基材に積層することを含む。
支持フィルムとしては、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔が好ましい。支持フィルムとしてプラスチック材料からなるフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、PET、PEN等のポリエステル、PC、PMMA等のアクリル、環状ポリオレフィン、TAC、PES、ポリエーテルケトン、ポリイミド等が挙げられる。支持フィルムとして金属箔を使用する場合、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。支持フィルムは、樹脂組成物層と接合する面にマット処理、コロナ処理、帯電防止処理を施してあってもよい。また、支持体としては、樹脂組成物層と接合する面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。
樹脂シートは、例えば、上記の樹脂組成物をそのまま、或いは有機溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、これを、ダイコーター等を用いて支持フィルム上に塗布し、更に乾燥させて樹脂組成物層を形成させることにより用意することができる。
樹脂シートにおいて、樹脂組成物層の厚さは、第1導体回路を埋め込むことができる限り特に限定されず、具体的設計に応じて適宜決定してよい。
樹脂シートの積層は、第1導体回路を埋め込むように樹脂組成物層を積層し得る限り特に限定されず、例えば、支持フィルム側から樹脂シートを金属層付き基材に加熱圧着することにより行うことができる。樹脂シートを金属層付き基材に加熱圧着する部材(以下、「加熱圧着部材」ともいう。)としては、例えば、加熱された金属板(SUS鏡板等)又は金属ロール(SUSロール)等が挙げられる。なお、加熱圧着部材を樹脂シートに直接プレスするのではなく、第1導体回路や層間接続導体に基づく金属層付き基材の表面凹凸に樹脂シートが十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスするのが好ましい。
樹脂シートの積層は、真空ラミネート法により実施してよい。真空ラミネート法において、加熱圧着温度は、好ましくは60℃~160℃、より好ましくは80℃~140℃の範囲であり、加熱圧着圧力は、好ましくは0.098MPa~1.77MPa、より好ましくは0.29MPa~1.47MPaの範囲であり、加熱圧着時間は、好ましくは20秒間~400秒間、より好ましくは30秒間~300秒間の範囲である。積層は、好ましくは圧力26.7hPa以下の減圧条件下で実施する。積層は、真空ラミネーターによって行ってよい。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、名機製作所社製の真空加圧式ラミネーター、ニッコー・マテリアルズ社製のバキュームアップリケーター、バッチ式真空加圧ラミネーター等が挙げられる。
積層の後に、常圧下(大気圧下)、例えば、加熱圧着部材を支持フィルム側からプレスすることにより、積層された樹脂シートの平滑化処理を行ってもよい。平滑化処理のプレス条件は、上記積層の加熱圧着条件と同様の条件とすることができる。積層と平滑化処理は、真空ラミネーターを用いて連続的に行ってもよい。
-絶縁層の形成-
樹脂組成物層を硬化させて絶縁層を形成する。これにより、第1導体回路を埋め込むように絶縁層が形成される。
樹脂組成物層の硬化条件は特に限定されず、回路基板の絶縁層を形成するに際して通常採用される条件を使用してよい。
樹脂組成物層の熱硬化条件は、樹脂組成物の種類等によっても異なるが、一実施形態において、硬化温度は好ましくは120℃~250℃、より好ましくは150℃~240℃である。硬化時間は好ましくは5分間~240分間、より好ましくは10分間~150分間とすることができる。
樹脂シートを用いて樹脂組成物層(絶縁層)を形成する場合、支持フィルムは、樹脂組成物層を硬化させる前に除去してよく、樹脂組成物層を硬化させた後に除去してもよい。
以下、図10及び11を参照して、工程(Y)の一例を説明する。
第1導体回路30を埋め込むように樹脂組成物層50を形成し、該樹脂組成物層を硬化させて絶縁層51を形成する(図10)。なお、絶縁層51は、第1導体回路や層間接続導体を埋め込むように厚く形成し、次いで、層間接続導体が露出するように余剰の絶縁層51を研磨により除去し、平坦化・平滑化することが好適である(図11)。研磨の方法は特に限定されず、例えば、化学機械研磨法や、バフ研磨、ベルト研磨、ロール研磨等の機械研磨法などを用いてよい。
工程(Y)の後に、さらに導体回路の形成と絶縁層の形成を行うことより、多層構造の回路基板を製造することができる。
したがって好適な一実施形態において、本発明の方法は、工程(Y)の後に、
(i)絶縁層表面上に、第2導体回路を形成する工程、及び
(ii)第2導体回路を埋め込むように樹脂組成物層を形成し、該樹脂組成物層を硬化させて絶縁層を形成する工程
をさらに含む。
-工程(i)-
工程(i)において、絶縁層表面上に、第2導体回路を形成する。
第2導体回路の形成は、セミアディティブ法、フルアディティブ法等の公知の回路形成法に準じて実施してよい。
例えば、セミアディティブ法により第2導体回路を形成する場合、絶縁層表面に金属層を形成し、該金属層上にフォトレジストを設けた後、該フォトレジストを露光・現像して所望の回路パターンに対応して金属層の一部を露出させる。次いで、露出した金属層上に、電解めっき法により導体層を形成した後、フォトレジストを除去する。その後、導体層形成部以外の不要な金属層をエッチングなどにより除去して、所望の回路パターンを有する第2導体回路を形成することができる。
セミアディティブ法により第2導体回路を形成する場合、めっきシード層として機能する金属層は、乾式めっきにより形成してもよく、湿式めっきにより形成してもよい。乾式めっきとしては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等の物理気相成長(PVD)法、熱CVD、プラズマCVD等の化学気相成長(CVD)法が挙げられる。また、湿式めっきとしては、無電解めっき法が挙げられる。金属層の厚さは、薄型の第2導体回路を形成する観点から薄いことが好ましく、例えば、1μm以下、0.8μm以下、0.6μm以下、0.5μm以下、0.4μm以下又は0.2μm以下などとし得る。該金属層の厚さの下限は、電解めっき法により導体層を形成する際にめっき焼けが生じるのを抑制する観点から、例えば、0.01μm以上、0.02μm以上などとし得る。
第2導体回路のライン/スペース比(L/S)や回路導体層の厚さは、回路基板の具体的設計に応じて適宜決定してよい。
以下、図12乃至図17を参照して、工程(i)の一例を説明する。なお、図示する実施形態では、セミアディティブ法により第2導体回路を形成する。
工程(Y)で得られた絶縁層表面上に金属層31を形成する(図12)。次いで、金属層31上にフォトレジスト22を設け(図13)、該フォトレジスト22を露光・現像して、形成すべき第2導体回路の回路パターンに対応して金属層31を露出させる(図14)。そして、露出した金属層上に、電解めっき法により導体層30を形成し(図15)、フォトレジスト22を除去する(図16)。その後、導体層形成部以外の不要な金属層31をエッチングなどにより除去して(図17)、絶縁層表面上に第2導体回路30を形成することができる。
-工程(ii)-
工程(ii)において、第2導体回路を埋め込むように樹脂組成物層を形成し、該樹脂組成物層を硬化させて絶縁層を形成する。
工程(ii)は、先述の工程(Y)と同様に実施してよい。樹脂組成物層を形成するために用いる樹脂組成物の組成は上記<樹脂組成物>欄にて説明したとおりであり、また、樹脂シートの構成は、工程(Y)について説明したとおりである。なお、工程(ii)において樹脂組成物層を形成するために用いる樹脂組成物は、工程(Y)で用いる樹脂組成物と同じ組成であってもよく、異なる組成であってもよい。
工程(i)と工程(ii)をN回繰り返し実施することにより、回路層数がN+1の回路基板を製造することができる。斯かる多層構造の回路基板を製造するにあたっては、第n回目の工程(ii)を行った後、第n+1回目の工程(i)を行う前に、絶縁層を穴あけ加工する工程、絶縁層をデスミア処理する工程を実施してよい。これらの工程は、回路基板の製造に用いられる、当業者に公知の各種方法に従って実施してよい。これにより、第n+1回目の工程(i)において、ビア導体を形成して層間接続することが可能である。
以下、図18乃至図20を参照して、工程(ii)とビア導体の形成手順の一例を説明する。
絶縁層51上に設けた第2導体回路30を埋め込むように樹脂組成物層50を形成し、該樹脂組成物層を硬化させて絶縁層51を形成する(図18)。図18では、工程(Y)で形成した絶縁層51と工程(ii)で形成した樹脂組成物層50(絶縁層51)との境界を点線で示しているが、工程(ii)で形成した絶縁層は工程(Y)で形成した絶縁層と一体となって絶縁層51を形成する。次いで、所望の層間接続パターンに応じて、絶縁層を穴あけ加工しビアホール51vを形成する(図19)。デスミア処理した後、ビアホール51vに導体を形成してビア導体30を形成することができる(図20)。
図12乃至図20では、工程(i)と工程(ii)を1回行う例を示したが、先述のとおり、工程(i)と工程(ii)をN回繰り返し実施することにより、回路層数がN+1の回路基板を製造することができる。
<工程(Z)>
工程(Z)において、金属層付き基材を除去して、第1導体回路が露出した第1の主面を有する回路基板を形成する。
工程(Z)は、使用した金属層や基材の種類に応じて、金属層と基材を同時に除去するか、又は基材を除去した後、金属層を除去することによって行うことができる。工程(Z)は、例えば、エッチング、化学・機械研磨等の方法により実施してよい。例えば、基材を化学・機械研磨等で除去した後、金属層をエッチング等で除去してもよい。また例えば、金属層と基材との間に剥離層を有する金属層付き基材を使用した場合、工程(Z)は、基材を剥離除去し、次いで金属層を、エッチング、化学・機械研磨等の方法により除去してもよい。
以下、図20乃至図23を参照して、工程(Z)の一例を説明する。なお、図示する実施形態では、金属層と基材との間に剥離層を有する金属層付き基材を使用した場合の基材の除去手順を示す。
金属層付き基材10において、基材1を金属層2から剥離する(図20及び21;剥離層は図示せず)。次いで、金属層付き基材由来の金属層2を、エッチング、化学・機械研磨等の方法により除去する(図22及び23)。こうして、第1導体回路30が露出した第1の主面100aを有する回路基板100が形成される。図23に示すとおり、回路基板100は、第1の主面100aにおいて、トレンチ型の導体回路として第1導体回路30を含む。
本発明の方法によれば、絶縁層が無機充填材を含有する場合であっても、トレンチ型の導体回路を、最小ライン/スペース比(L/S)が2/2μm以下などといった極めて微細なパターンにて形成することが可能である。したがって本発明の方法により製造される回路基板は、半導体パッケージの製造において再配線基板等の回路基板(半導体パッケージ用回路基板)として好適に用いることができる。
[回路基板]
本発明の方法により、極めて微細なパターンを有する導体回路を備えた回路基板を製造することができる。本発明は、斯かる回路基板も提供する。
一実施形態において、本発明の回路基板は、
第1の主面及び第2の主面を有し、
第1の主面においてトレンチ型の導体回路を含み、
トレンチ型の導体回路の最小ライン/スペース比(L/S)が2/2μm以下であり、
トレンチ型の導体回路と共に第1の主面を画定する絶縁層が、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含む樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とする。
以下、図23を参照しつつ、本発明の回路基板の特徴を説明する。
図23に示すとおり、本発明の一実施形態に係る回路基板100は、第1の主面100a及び第2の主面100bを有しており、該第1の主面において露出した第1導体回路30を含む。回路基板100はまた、第1導体回路30と共に第1の主面100aを画定し且つ第1導体回路30を埋め込むように配された絶縁層51を含む。すなわち、本発明の一実施形態に係る回路基板100は、第1の主面100aにおいてトレンチ型の導体回路30(第1導体回路30)を含む。なお、図23において、第1の主面において露出するトレンチ型の導体回路は、紙面の手前から奥に向かって(すなわち、紙面をX-Y面としたときZ方向に)延在する。
また、本発明の一実施形態に係る回路基板100において、第1の主面100aにおいて露出したトレンチ型の導体回路30(第1導体回路30)は極めて微細なパターンを有し、その最小ライン/スペース比(L/S)は2/2μm以下であり、より好ましくは1/1μm以下である。
本発明の一実施形態に係る回路基板100において、トレンチ型の導体回路30(第1導体回路30)と共に第1の主面100aを画定する絶縁層51は、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含む樹脂組成物の硬化物からなる。該樹脂組成物については、上記<樹脂組成物>欄にて説明したとおりであるが、低熱膨張率や低誘電正接等の特性を達成する観点から、絶縁層は、無機充填材を含有する。先述のとおり、絶縁層が無機充填材を含有する場合、トレンチ型の導体回路を微細なパターンにて形成することは困難であった。これに対し、本発明の方法によれば、絶縁層が無機充填材を含有する場合であっても、さらには無機充填材の含有量が高い場合であっても、トレンチ型の導体回路を極めて微細なパターンにて形成することが可能である。絶縁層中の無機充填材の含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。また好ましくは75質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは65質量%以下である。したがって好適な一実施形態において、トレンチ型の導体回路と共に第1の主面を画定する絶縁層中の無機充填材の含有量は20質量%以上である。上記においては、トレンチ型の導体回路を埋め込むように配された絶縁層について無機充填材の含有やその量を説明したが、上記[回路基板の製造方法]において説明したとおり、回路基板を構成する全ての絶縁層について、同様の構成としてよい。
本発明の回路基板は、回路層数(第1導体回路を含む)が2以上の多層構造を有することが好ましい。回路層数は、回路基板の具体的設計に応じて決定してよいが、好ましくは3以上、4以上又は5以上である。回路層数の上限は、特に限定されず、例えば50以下、40以下、30以下などとし得る。多層構造の回路基板を製造する方法は、上記[回路基板の製造方法]において説明したとおりである。
-トレンチ型の導体回路の断面形状-
本発明の方法によれば、断面形状が良好なトレンチ型の導体回路を形成することができる。詳細には、第1の主面100aに垂直であり且つトレンチ型の導体回路30の延在方向にも垂直な方向Yにおける断面(すなわち、図23に示す断面;方向Yは図23において上下方向である)において、トレンチ型の導体回路30の側壁が画定する直線の方向y1と方向Yとの角度差が20°以下であることを特徴とする。
上記方向y1と方向Yとの角度差は、好ましくは15°以下、より好ましくは10°以下、さらに好ましくは8°以下、6°以下、5°以下、4°以下、2°以下又は1°以下であり、該角度差が実質的に0°であるトレンチ型の導体回路であっても形成可能である。
この点、絶縁層上に導体回路を形成する従来の技術によりトレンチ型の導体回路を設ける場合、該導体回路が露出する主面(第1の主面)から回路基板の深さ方向に向かって幅が減少するテーパー形状の導体回路に帰着する傾向にあった。そして斯かる傾向(テーパー角の程度等)は、絶縁層が無機充填材を含有する場合(中でも無機充填材の含有量が高い場合)により顕著であった。これに対し、本発明の方法により製造した回路基板では、絶縁層が無機充填材を含有する場合であっても、さらには無機充填材の含有量が高い場合であっても、上記のとおり、断面形状が良好なトレンチ型の導体回路を形成することができる。なお、絶縁層上に導体回路を形成する従来の技術により製造した回路基板とは異なり、本発明の方法により製造した回路基板では、第1の主面から回路基板の深さ方向に向かって幅が増大する逆テーパー形状の導体回路に帰着する傾向にある。したがって一実施形態において、トレンチ型の導体回路は、第1の主面から回路基板の深さ方向に向かって幅が増大する逆テーパー形状を有する。
-第1の主面の表面特性-
本発明の回路基板において、第1の主面の算術平均粗さRaは、好ましくは200nm以下、より好ましくは150nm以下、さらに好ましくは100nm以下、80nm以下、60nm以下、50nm以下、40nm以下又は20nm以下である。該Raの下限は、特に限定されず、例えば1nm以上、2nm以上、3nm以上などとし得る。したがって好適な一実施形態において、本発明の回路基板の第1の主面の算術平均粗さRaは200nm以下である。
回路基板の厚み方向に測定した第1の主面の高さの最大値と最小値の差TTVは、微細なパターンにて第1導体回路を形成できる観点から、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下、20μm以下、15μm以下、10μm以下、7μm以下又は5μm以下である。該TTVの下限は、特に限定されず、例えば1μm以上、2μm以上、3μm以上などとし得る。したがって一実施形態において、回路基板の厚み方向に測定した第1の主面の高さの最大値と最小値の差TTVは50μm以下である。
半導体パッケージの製造において、半導体チップは、回路基板の第1の主面(詳細には第1導体回路(トレンチ型の導体回路))に電気的に接続される。本発明の回路基板では、半導体チップを容易に精度よく接続することが可能である。
-トレンチ型の導体回路のアスペクト比-
本発明の方法によれば、微細なパターンにてアスペクト比の高いトレンチ型の導体回路を形成することができる。詳細には、第1の主面100aに垂直であり且つトレンチ型の導体回路30の延在方向にも垂直な方向Yにおける断面(すなわち、図23に示す断面)において、トレンチ型の導体回路の厚さTと幅Wの比(T/W)は、好ましくは1.5以上、より好ましくは2以上、2.5以上又は3以上である。該アスペクト比(T/W)の上限は、例えば10以下、8以下などとし得る。ここで、トレンチ型の導体回路が先述のとおり逆テーパー形状を有するなど、方向Yにおける断面において深さ方向に幅Wが変化する場合、上記アスペクト比(T/W)の算出に際しては幅Wの最大値を採用する。
-トレンチ型の導体回路の開口部(露出面)の形状-
基材を除去して第1導体回路を露出させる本発明の方法によれば、基材と共に第1導体回路の一部が除去される場合がある。例えば、基材剥離後に金属層をエッチング等に除去することにより第1導体回路の一部を除去することが可能である。したがって一実施形態において、第1の主面100aに垂直であり且つトレンチ型の導体回路30の延在方向にも垂直な方向Yにおける断面(すなわち、図23に示す断面)において、トレンチ型の導体回路30の開口部(露出面)は、トレンチ型の導体回路30と共に第1の主面を画定する絶縁層51の露出面より0.05W以上凹んでいる。ここで、Wは、上記のとおり、同断面におけるトレンチ型の導体回路の幅Wを表す。該凹みは、0.06W以上、0.08W以上又は0.1W以上であってもよく、その上限は、例えば0.5W以下、0.4W以下、0.3W以下などとし得る。
一実施形態において、トレンチ型の導体回路は、第1の主面から回路基板の深さ方向に向かって幅が増大する逆テーパー形状を有し、かつ、その幅が狭い第1の主面側において凹み形状を有する。
本発明の回路基板は、先述のとおり、半導体パッケージの製造において再配線基板等の回路基板(半導体パッケージ用回路基板)として好適に用いることができる。半導体パッケージの製造において、回路基板の第1の主面(詳細には第1導体回路(トレンチ型の導体回路))が半導体チップと電気的に接続される。また、回路基板の第2主面(図23における100b)にバンプ等のボード接続端子が形成される。
[半導体パッケージ]
本発明の回路基板を用いて半導体パッケージを製造することができる。本発明は、斯かる半導体パッケージも提供する。
一実施形態において、本発明の半導体パッケージは、本発明の回路基板と、該回路基板のトレンチ型の導体回路(第1導体回路)と電気的に接続されるように第1の主面上に設けられた半導体チップとを含む。
図24乃至図26を参照して、本発明の半導体パッケージの構成及び製造手順を説明する。
本発明の一実施形態に係る半導体パッケージは、本発明の回路基板100のトレンチ型の導体回路(第1導体回路30)と電気的に接続されるように第1の主面100a上に半導体チップ110を設けることにより製造される(図24;第1導体回路等の導体回路は図示せず)。そして、半導体チップ110を埋め込むように回路基板100の第1の主面100a上に封止層120を設け、適宜、個片化することにより、半導体パッケージ200を形成してよい(図25及び26)。封止層120は、半導体パッケージの製造に際し使用される従来公知の封止材(封止樹脂組成物)を用いて形成してよい。
本発明の半導体パッケージは、ファンイン(Fan-In)型パッケージ、ファンアウト(Fan-Out)型パッケージの何れであってもよい。図24乃至図26には、半導体チップ110よりも大面積の回路基板100を備えるファンアウト型パッケージを示している。本発明の半導体パッケージがファンアウト型パッケージである場合、再配線層を大面積で形成し得るというファンアウト型パッケージの本来的な特長も相俟って、微細なパターンにて導体回路を大面積にて形成し得ることから有利である。したがって、好適な一実施形態において、本発明の半導体パッケージは、ファンアウト型パッケージである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、量を表す「部」及び「%」は、別途明示のない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。特に温度の指定が無い場合の温度条件及び圧力条件は、室温(25℃)及び大気圧(1atm)である。
<使用した無機充填材>
無機充填材1:球状シリカ(電気化学工業社製「UFP-30」、平均粒径0.3μm、比表面積30.7m/g)100部に対して、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製「KBM573」)2部で表面処理したもの。
<調製例1>(樹脂組成物1の調製)
ビキシレノール型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX4000HK」、エポキシ当量約185)6部、ナフタレン型エポキシ樹脂(日鉄ケミカル&マテリアル社製「ESN475V」、エポキシ当量約332)5部、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7760」、エポキシ当量約238)15部、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製「HP6000L」、エポキシ当量約213)2部、シクロヘキサン型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「ZX1658GS」、エポキシ当量約135)2部、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7500BH30」、固形分30質量%のシクロヘキサノン:メチルエチルケトン(MEK)の1:1溶液、Mw=44000)2部を、ソルベントナフサ20部及びシクロヘキサノン10部の混合溶剤に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却した後、そこへ、トリアジン骨格含有クレゾールノボラック系硬化剤(DIC社製「LA-3018-50P」、水酸基当量約151、固形分50%の2-メトキシプロパノール溶液)4部、活性エステル系硬化剤(DIC社製「EXB-8000L-65TM」、活性基当量約220、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)12部、無機充填材1を45部、アミン系硬化促進剤(4-ジメチルアミノピリジン(DMAP))0.05部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散した後に、カートリッジフィルター(ROKITECHNO社製「SHP020」)で濾過して、樹脂組成物1を調製した。
<調製例2>(樹脂組成物2の調製)
(1)無機充填材1の配合量を45部から65部に変更した点以外は、調製例1と同様にして、樹脂組成物2を調製した。
[実施例1]
(1)樹脂シートの作製
支持体として、アルキド樹脂系離型剤(リンテック社製「AL-5」)で離型処理したPETフィルム(東レ社製「ルミラーR80」、厚さ38μm、軟化点130℃、「離型PET」)を用意した。樹脂組成物1を支持体の離型剤上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが20μmとなるように、ダイコーターにて均一に塗布し、70℃から95℃で4分間乾燥することにより、離型PET上に樹脂組成物層を設けた。次いで、樹脂組成物層の支持体と接合していない面に、保護フィルムとしてポリプロピレンフィルム(王子エフテックス社製「アルファンMA-411」、厚さ15μm)の粗面を、樹脂組成物層と接合するように積層した。これにより、離型PET(支持体)\樹脂組成物層\保護フィルムの層構成を有する樹脂シートを得た。
(2)評価用回路基板の製造
下記手順で、評価用の回路基板を製造した。
(2-1)基材の準備
基材として、ガラスウェハ(ウェハの厚さ0.8mm、8インチサイズ)を用意し、130℃のオーブンに投入して30分間乾燥した。
(2-2)金属層付き基材の準備
ガラスウェハの表面に金属層を形成した。詳細には、ガラスウェハの表面に、スパッタリング装置(キャノンアネルバ(株)製「E-400S」)を用いて、厚さ200nmの金属層(Cu層)を形成した。
(2-3)第1導体回路の形成
セミアディティブ法に準じて第1導体回路を形成した。詳細には、金属層付き基材の金属層上にフォトレジストを設け、露光・現像してL/S=1.5/1.5μm(線幅1mm)の櫛刃パターンに対応して金属層を露出させた。次いで、硫酸銅電解メッキを行い、露出した金属層上に3μmの厚さで導体層(第1導体回路)を形成した後、フォトレジストを除去した。そして第1導体回路未形成部の金属層のエッチング(シードエッチング)を実施することなく、下記(2-4)の処理に付した。よって、この時点で、導体層は連続している。
(2-4)樹脂シートの積層
樹脂シートから保護フィルムを剥離し、樹脂組成物層を露出させた。そして、バッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ社製2ステージビルドアップラミネーター「CVP700」)を用いて、樹脂組成物層が第1導体回路と接するように、金属層付き基材の片面に積層した。この積層は、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とした後、130℃、圧力0.74MPaにて45秒間圧着することにより実施した。次いで、120℃、圧力0.5MPaにて75秒間熱プレスして平滑化した。その後、支持体を剥離して、露出した樹脂組成物層上に銅箔(三井金属製「3EC-III」(35μm))を上記と同様の条件で積層した。
(2-5)樹脂組成物の熱硬化
上記(2-4)で得た積層体を、100℃のオーブンに投入して60分間加熱し、次いで180℃のオーブンに移し替えて90分間加熱し、樹脂組成物層を熱硬化した。こうして、第1導体回路を埋め込むように金属層付き基材の金属層上に樹脂組成物層の硬化物(絶縁層;厚さ20μm)が設けられた基板Aを得た。
(2-6)基材の研磨
基板Aをダイシングで個片化し、基材(ガラスウェハ)側から研磨した。研磨した正確な厚みは測定していないが、研磨は金属層(銅層)までは到達しておらず、一部のガラスウェハは残存していることを確認した。この基板を基板Bとする。
(2-7)残存基材のエッチング除去
基板Bを25℃、5%に調整したフッ化水素水溶液に30分間浸けて基材(ガラスウェハ)を完全に除去し、金属層の露出した基板を得た。この基板を基板Cとする。
(2-8)金属層の除去
基板Cをエッチング液(三菱瓦斯化学製「WLC-C2」)を用いたエッチングに供し、金属層を除去して、第1導体回路が露出した回路基板を得た。得られた回路基板を評価用回路基板Aとする。
[実施例2]
樹脂組成物1に代えて樹脂組成物2を使用した以外は、実施例1と同様の手順で評価用回路基板Aを作製した。
(3)測定・評価
樹脂組成物1、2の最低溶融粘度や、該樹脂組成物1、2の硬化物の比誘電率・線熱膨張係数、評価用回路基板Aの特性は、以下のとおり、測定・評価した。
<最低溶融粘度の測定>
樹脂組成物1、2について、動的粘弾性測定装置((株)ユー・ビー・エム製「Rheosol-G3000」)を使用して溶融粘度を測定し、最低溶融粘度を求めた。詳細には、試料樹脂組成物1gについて、直径18mmのパラレルプレートを使用して、開始温度60℃から200℃まで昇温速度5℃/分にて昇温し、測定温度間隔2.5℃、振動1Hz、歪み1degの測定条件にて動的粘弾性率を測定し、溶融粘度の極小値から最低溶融粘度(poise)を求めた。
<比誘電率の測定>
樹脂組成物1、2を用いて作製した樹脂シートを180℃、90分間加熱して、樹脂組成物層を熱硬化した。得られた樹脂組成物層の硬化物を、幅2mm、長さ80mmの試験片に切断し、空洞共振器摂動法誘電率測定装置(関東応用電子開発社製「CP521」)及びネットワークアナライザー(アジレントテクノロジー社製「E8362B」)を使用して、空洞共振法で測定周波数5.8GHz、23℃にて比誘電率の測定を行った。各硬化物について、2本の試験片について測定を行い(n=2)、平均値を算出した。
<線熱膨張率の測定>
樹脂組成物1、2を用いて作製した樹脂シートを180℃、90分間加熱して、樹脂組成物層を熱硬化した。得られた樹脂組成物層の硬化物を、幅5mm、長さ15mmの試験片に切断し、(株)リガク製熱機械分析装置(Thermo Plus TMA8310)を使用して、引張加重法で熱機械分析を行った。試験片を前記装置に装着後、荷重1g、昇温速度5℃/分の測定条件にて連続して2回測定した。2回目の測定における25℃から150℃における平均の線熱膨張係数(ppm/℃)を算出した。
<評価用回路基板Aの特性評価>
(1)埋め込み性の評価
評価用回路基板Aについて、非接触型干渉顕微鏡(WYKO)を用いて第1導体回路側から観察を行った。そして、以下の基準で埋め込み性を評価した。
評価基準:
×:配線間に樹脂欠損による凹みがあり埋め込み不良が観察されたもの
○:上記埋め込み不良が観察されなかったもの
(2)絶縁性の評価
評価用回路基板Aについて、絶縁信頼性試験を実施した。具体的にはHAST試験機(楠本化成製「PM422」)を用いて、温度130℃、湿度85%の環境下、電極の両端に3.3Vの電圧を印加した(bHAST)。200時間後、評価用回路基板Aを取り出し、その抵抗値を抵抗測定機(J-RAS製「ECM-100」)にて測定した。そして、以下の基準で絶縁性を評価した。
評価基準:
×:抵抗値が10Ω未満
○:抵抗値が10Ω以上
Figure 0007409558000001
実施例1及び2の何れにおいても、L/S=1.5/1.5μm(線幅1mm)の微細パターンにて導体回路が形成された。また実施例1及び2において、形成された絶縁層(樹脂組成物の硬化物)は比誘電率、線熱膨張率及び絶縁性に優れると共に、導体回路の埋め込み性にも優れることを確認した。
1 基材
2 金属層
10 金属層付き基材
10a 金属層(第1の主面)
10b 第の2主面
20、21、22 フォトレジスト
30 導体層(導体回路)
31 金属層(めっきシード層)
50 樹脂組成物層
51 絶縁層
51v ビア
100 回路基板
100a 回路基板の第1の主面
100b 回路基板の第2の主面
110 半導体チップ
120 封止層
200 半導体パッケージ

Claims (26)

  1. 下記工程(X)、(Y)及び(Z):
    (X)金属層付き基材の該金属層上に、第1導体回路を形成する工程
    (Y)前記金属層上に形成された第1導体回路を埋め込むように樹脂組成物により樹脂組成物層を形成し、該樹脂組成物層を硬化させて絶縁層を形成する工程
    (Z)金属層付き基材を除去して、第1導体回路が露出した第1の主面を有する回路基板を形成する工程
    を含む、回路基板の製造方法であって、
    金属層付き基材における金属層の厚さが0.5μm未満であり、
    樹脂組成物が、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含み、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、無機充填材の含有量が20質量%以上である、回路基板の製造方法。
  2. 下記工程(X)、(Y)及び(Z):
    (X)金属層付き基材の該金属層上に、第1導体回路を形成する工程(但し、金属層表面の最大山高さSpが0.400μm以上1.600μm以下である金属層付き基材を用いる場合を除く)
    (Y)前記金属層上に形成された第1導体回路を埋め込むように樹脂組成物により樹脂組成物層を形成し、該樹脂組成物層を硬化させて絶縁層を形成する工程
    (Z)金属層付き基材を除去して、第1導体回路が露出した第1の主面を有する回路基板を形成する工程
    を含む、回路基板の製造方法であって、
    樹脂組成物が、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含み、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、無機充填材の含有量が20質量%以上である、回路基板の製造方法。
  3. 樹脂組成物中の無機充填材の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、40質量%以上75質量%以下である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 樹脂組成物中の無機充填材の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、50質量%以上である、請求項3に記載の方法。
  5. 無機充填材の平均粒子径が0.6μm以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 無機充填材がシリカである、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  7. 樹脂組成物の最低溶融粘度が5000poise以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  8. 金属層の厚みが0.5μm未満である、請求項2~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 金属層の厚みが0.3μm未満である、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 金属層表面の算術平均粗さRaが200nm以下であり、金属層付き基材の厚み方向に測定した該金属層表面の高さの最大値と最小値の差TTVが50μm以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  11. 金属層付き基材において、基材が、金属層とは組成が異なる金属基材、無機基材及び有機基材から選ばれる、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 工程(Z)が、基材を除去した後、金属層を除去することによって行われる、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 工程(X)が、
    (X-1)金属層上にフォトレジストを設け、該フォトレジストを露光・現像して、形成すべき第1導体回路の回路パターンに対応して金属層を露出させること、及び
    (X-2)露出した金属層上に導体層を形成し、第1導体回路を形成すること
    を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 第1導体回路が、トレンチ型の導体回路を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 工程(Y)が、支持フィルムと該支持フィルム上に設けられた樹脂組成物層とを含む樹脂シートを、該樹脂組成物層が第1導体回路と接合するように、基材に積層することを含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 工程(Y)の後に、
    (i)絶縁層表面上に、第2導体回路を形成する工程、及び
    (ii)第2導体回路を埋め込むように樹脂組成物層を形成し、該樹脂組成物層を硬化させて絶縁層を形成する工程
    を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 回路基板が、半導体パッケージ用である、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 第1の主面及び第2の主面を有する回路基板であって、
    第1の主面においてトレンチ型の導体回路を含み、
    トレンチ型の導体回路の最小ライン/スペース比(L/S)が2/2μm以下であり、
    第1の主面に垂直であり且つトレンチ型の導体回路の延在方向にも垂直な方向Yにおける断面において、トレンチ型の導体回路の側壁が画定する直線の方向y1と方向Yとの角度差が20°以下であり、
    トレンチ型の導体回路と共に第1の主面を画定する絶縁層が、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含む樹脂組成物であって、該樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、無機充填材の含有量が40質量%以上であり、硬化剤が活性エステル系硬化剤を含む樹脂組成物の硬化物からなる、回路基板。
  19. トレンチ型の導体回路と共に第1の主面を画定する絶縁層が、エポキシ樹脂、活性エステル系硬化剤及び無機充填材を含む樹脂組成物であって、該樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、活性エステル系硬化剤の含有量が10質量%以上である樹脂組成物の硬化物からなる、請求項18に記載の回路基板。
  20. トレンチ型の導体回路の最小ライン/スペース比(L/S)が1.5/1.5μm以下である、請求項18又は19に記載の回路基板。
  21. トレンチ型の導体回路が、第1の主面から回路基板の深さ方向に向かって幅が増大する逆テーパー形状を有する、請求項18~20のいずれか1項に記載の回路基板。
  22. 第1の主面に垂直であり且つトレンチ型の導体回路の延在方向にも垂直な方向Yにおける断面において、トレンチ型の導体回路の厚さTと幅Wの比(T/W)が1.5以上である、請求項18~21のいずれか1項に記載の回路基板。
  23. 第1の主面に垂直であり且つトレンチ型の導体回路の延在方向にも垂直な方向Yにおける断面において、トレンチ型の導体回路の露出面が、トレンチ型の導体回路と共に第1の主面を画定する絶縁層の露出面より0.05W以上凹んでいる、請求項18~22のいずれか1項に記載の回路基板。
  24. 回路層数が2以上の多層構造を有する、請求項18~23のいずれか1項に記載の回路基板。
  25. 請求項18~24のいずれか1項に記載される回路基板と、該回路基板のトレンチ型の導体回路と電気的に接続されるように第1の主面上に設けられた半導体チップとを含む、半導体パッケージ。
  26. ファンアウト(Fan-Out)型パッケージである、請求項25に記載の半導体パッケージ。
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