以下に、本発明に係る物品出庫システムの実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、物品出庫システムの実施例を立体自動倉庫システムを好適なものとして説明するが、立体に限定せず、平面の構成であってもよく、倉庫に限定せず物品を保管できるならば、地上に設けた区画(置場)であってもよい。
また、出庫するものを物品としているが、物品を収納した容器(コンテナなど)である場合も含むものとし、物品については、以下において商品と呼称することもあるものとする。
また、特許請求の範囲で用いている搬送部、出庫部などの用語と、明細書中の搬送手段、出庫手段などの用語とは、実質的に同等の意味を有するものと解してもよい。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態に係る立体自動倉庫システムについて図1-図8を参照して説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る立体自動倉庫システム100は、第1立体自動倉庫1と、第1立体自動倉庫1をバックアップするための第2立体自動倉庫2と、第1コンテナ搬送手段3(Uターンコンベヤ)と、第2コンテナ搬送手段4(2レーンコンベヤ)と、第1コンテナ入庫手段9A(コンベヤ)と、第2コンテナ入庫手段9B(コンベヤ)と、出荷箱搬送手段5(Uターンコンベヤ)と、システム制御部6とを備えている。なお、システム制御部6は、単に制御部とする場合もある。
第2コンテナ搬送手段4は、補充コンベヤ4aと、戻しコンベヤ4bとの2レーン式の構成である。
本実施の形態の立体自動倉庫システム100は、第1立体自動倉庫1と第2立体自動倉庫2は、共通仕様のコンテナAが保管可能であるよう設備される。すなわち、第2立体自動倉庫2から出庫するコンテナAは、第1立体自動倉庫1に保管することができる。1つのコンテナAには原則として1アイテムの商品が、1個または複数個、収容される。
第1立体自動倉庫1と第2立体自動倉庫2は、コンテナを複数段の保管棚に自動的に入庫・保管・出庫ができればよい。
第1立体自動倉庫1は出荷のための倉庫である。第1立体自動倉庫1は、入出庫時間が短く、オーダーに対し出庫を迅速に行える構造の倉庫が適合する。
第1立体自動倉庫1は、例えば、複数段の保管棚と、コンテナを各段の保管棚の高さに垂直方向に搬送する垂直搬送装置と、各段の保管棚に対応して設けられ垂直搬送装置からコンテナを受け取って保管棚に沿って水平移動し所要の保管位置に停止し、また所要の保管位置からコンテナを受け取って水平移動し垂直搬送装置にコンテナを受け渡すことができる構成が挙げられる。
第1立体自動倉庫1には、出荷頻度の高い商品、例えば毎日または1週間に1回または複数回のオーダーがある商品が保管される。
第2立体自動倉庫2は、第1立体自動倉庫1をバックアップ補充のための倉庫である。第2立体自動倉庫2は、バックアップ補充機能を十分に果たすため、第1立体自動倉庫1よりも空間収容効率が数倍ないし数十倍大きい倉庫として設備されるのがよい。第2立体自動倉庫2は、例えば、多数のシャフト空間を有し、各シャフト空間にコンテナを積み重ね式に保管でき、上方からコンテナを1つずつピックアップする構造の倉庫が好適である。
第2立体自動倉庫2には、第1立体自動倉庫1に保管量の不足をバックアップするため第1立体自動倉庫1に保管される商品と同じ出荷頻度の高い商品が保管されるとともに、それ以外の幅広いアイテム商品、例えば1月、半年または1年に1回または複数回のオーダーがある商品が保管される。
第1コンテナ搬送手段3は、2レーンコンベヤであって、第1立体自動倉庫1の出庫口から第1立体自動倉庫1の前方に配置されるGTPステーション10までの間の出庫搬送と、GTPステーション10から第1立体自動倉庫1の入庫口まで間の入庫搬送とを行う。
出荷箱搬送手段5は、コンベヤであって、GTPステーション10に対し、空の出荷箱を給送し停止する供給搬送と、GTPステーション10でコンテナAから所要の荷を入れ替えた出荷箱Cを出荷する搬送とを行う。
出荷箱搬送手段5のGTPステーション10から出荷搬送部側のコンベヤ部分には、自動封緘機7と送り状貼付機8が備えられ、GTPステーション10でピッキング作業者M1により(またはロボットにより)1つ以上のアイテム商品が入れられた出荷箱Cは、自動封緘機7によって封緘され、送り状貼付機8によって送り状が貼付されて下流の出荷手段(図示せず)に送られる。
第2コンテナ搬送手段4は、第2立体自動倉庫2の出庫口から第1立体自動倉庫1の入庫口までの間の補充搬送を行う補充コンベヤ4aと、GTPステーション10から第2立体自動倉庫2の入庫口までの間の戻し入庫搬送とを行う戻しコンベヤ4bとを有する。
システム制御部6は、第1立体自動倉庫1と第2立体自動倉庫2と第1コンテナ搬送手段3(Uターンコンベヤ)と第2コンテナ搬送手段4(補充コンベヤ4aと戻しコンベヤ4b)と出荷箱搬送手段5(Uターンコンベヤ)とを統合制御する。
システム制御部6は、図示しない入力装置を介してオーダー商品または出荷数量から予測される予測商品(以下、本明細書において予測商品を含んでオーダー商品という。)に関するアイテム、数量、および出荷日、出荷先の住所氏名、集配先、コンテナID等を入力してからプログラムスタートする。
システム制御部6は、第1立体自動倉庫1にオーダー商品が存在しない場合、第2立体自動倉庫2からオーダー商品が入ったコンテナAを第2コンテナ搬送手段4(2レーンコンベヤ)の中の補充コンベヤ4aを介し第1立体自動倉庫1へバックアップ補充を行い、出荷日に第1立体自動倉庫1から一オーダーに係るオーダー商品が入った1つまたは複数のコンテナAを出庫するよう制御する。
図2は、立体自動倉庫システム100を示すブロック図である。立体自動倉庫システム100は、システム制御部6、注文情報入力部101、商品ID検出部102、トレイ位置および出荷箱位置検出部103、注文情報記憶部104、走行台車駆動部105、ピッキング装置駆動部106、コンベヤ駆動部107、重量測定器制御部108、表示部109を備えている。
図3は、システム制御部6の動作を示すメインルーチンのフローチャートである。システム制御部6は、RAMのレジスタ等をクリアする初期化処理(ステップS1)を行った後、注文処理(ステップS2)、入庫処理(ステップS3)、出庫処理(ステップS4)、仕分処理を含む出荷処理(ステップS5)、およびその他の処理(ステップS6)を繰り返し実行する。
注文情報入力部101は、インターネット等の通信回線を介して、パソコンやスマートフォン等の端末から出荷先の注文(1種類以上でかつ1つ以上の商品)の情報を受信しシステム制御部6に入力する。
注文情報記憶部104は、注文情報入力部101によって入力された注文情報を出荷先ごとに分類して記憶するとともに、システム制御部6によって作成された出荷先ロケーション情報を適宜ストアする。
図4は、本実施形態における注文情報を示す図である。注文情報入力部101によって入力された注文情報は、注文情報記憶部104にストアされる。注文情報104aは、出荷先すなわち出荷先C(m:m=1,2,3,・・・)毎のデータD(m)としてストアされる。また、データD(m)は、出荷先C(m)に対する商品G(n:n=1,2,3・・・)および各商品Gの収納位置であるロケーションL(x,y,z)を含むテーブル104bで構成される。なお、ロケーションL(x,y,z)のyは保管棚の段数、xとzは平面視直交する方向の基準保管位置からの保管位置である。
図5は、本実施形態における出荷先ロケーション情報104cを示す図である。は、任意の出荷先、すなわち出荷先C(m)に対して出荷すべき商品のすべてロケーションL(1),L(2),L(3)・・・の配列{C(m)}で構成される。したがって、出庫処理においては、ロケーションのみを意識し、商品G(m)を意識する必要がない。
商品ID検出部102は、第1立体自動倉庫1または第2立体自動倉庫2への入庫に際し、図6に示すように商品GをコンテナAに収容するが、その前に、図7に示すようにIDリーダー91により商品GのIDを読み込む。商品ID検出部102は、IDリーダー91およびIDリーダー91の検出信号を処理する信号処理部や通信回線(図示せず)を含み、商品GのIDをシステム制御部6に入力する。商品ID検出部102は、第1コンテナ入庫手段9Aと第2コンテナ入庫手段9Bのそれぞれに設けられる。
なお、オーダー商品が複数アイテムである場合、出庫に際して出荷箱に複数アイテムの商品を所要の順番に収容することで、出荷箱内の余剰空間が少なくなり、もって、用意するべき出荷箱を小さいものとすることができる。
そこで、メインルーチンのフローチャートには含まれていないが、予め、各商品1つ当たりの重量と、空間を占める容積、形状が測定され、各測定値がシステム制御部6に登録されている。システム制御部6は、オーダー商品が複数アイテムである場合に、出荷先ロケーション情報に基づいて、第1立体自動倉庫1に対し、1つの出荷箱に収容する複数アイテム商品に対応する複数の商品IDを所要の順番でかつ一纏めとなるよう、複数のコンテナAを出庫するよう指示する。
トレイ位置および出荷箱位置検出部103は、ピッキング作業者Mの近傍に設置されたカメラ等の検出手段であり、コンテナAおよび出荷箱Cがピッキング作業の定位置であるか否かを検出して、その検出信号をシステム制御部6に入力する。
また、データD(m)は、出荷先C(m)に対する商品G(n:n=1,2,3・・・)および各商品Gの収納位置であるロケーションL(x,y,z)を含むテーブル105bで構成される。出荷先ロケーション情報については後述する。
システム制御部6は、注文情報記憶部104に記憶された注文情報に係る商品群を入れたコンテナAを第1コンテナ入庫手段9Aから第1立体自動倉庫1または第2コンテナ入庫手段9Bから第2立体自動倉庫2に搬入する入庫処理、第1立体自動倉庫1に保管された商品入りコンテナAまたは第2立体自動倉庫2に保管された商品入りコンテナAを注文情報に基づいて第1立体自動倉庫1の出庫処理または第2立体自動倉庫2から第1立体自動倉庫1へバックアップ補充するための第2立体自動倉庫2の出庫処理と第1立体自動倉庫1の入庫処理、出庫処理によって搬出した商品入りコンテナAを仕分けする仕分処理、および仕分された商品入りコンテナAを出荷先宛毎に1つのまたは複数の商品入りコンテナAを第1立体自動倉庫1にGTPステーション10に出荷する出荷処理を制御する。
そのため、システム制御部6は、CPU(中央演算装置)、制御プログラムを記憶したROM等の不揮発性のメモリ、作業エリアとしてのRAM(いずれも図示せず)を有する。
走行台車駆動部105は、システム制御部6の指令に応じて、第1立体自動倉庫1の各階の通路の走行レール上で商品入りコンテナAの搬入および搬出を行う走行台車を駆動する。
ピッキング装置駆動部106は、第2立体自動倉庫2内の商品入りコンテナAの搬入および搬出を行うピッキング装置(不図示)を駆動する。
コンベヤ駆動部107は、システム制御部6の指令に応じて、第1コンテナ搬送手段3、第2コンテナ搬送手段4(補充コンベヤ4a,戻しコンベヤ4b)、出庫箱搬送手段5、第1コンテナ入庫手段9A、第2コンテナ入庫手段9Bを駆動する。
重量測定器制御部108は、図1に示したGTPステーション10の位置にあるコンテナAおよび出荷箱Cの下側に設けられた2つの重量測定器(図示せず)を制御して、コンテナAおよび出荷箱Cの重量変化を測定する。各重量測定器は、非常に精密な測定器であって、例えば、1グラムの重量変化を測定することが可能である。
表示部109は、ピッキング作業者Mおよび他の作業者に対して、立体自動倉庫システム100の進行状態を表示して、円滑な物流の監視に寄与する。
図8は、図1に示す立体自動倉庫システム100の概略の動作フローを示す図である。
システム制御部6は、第1立体自動倉庫1と第2立体自動倉庫2と第1コンテナ搬送手段3と第2コンテナ搬送手段4とを統合制御する。
システム制御部6は、先ず第1立体自動倉庫1にオーダー商品が保管されているかを判断する(ステップS11)。ここで、ステップS11の判断において、オーダー商品が一アイテムであるときは、当該一アイテムのオーダー商品が第1立体自動倉庫1にオーダー商品が保管されているかを判断するが、オーダー商品が複数アイテムであるときは、一アイテム毎にオーダー商品が第1立体自動倉庫1にオーダー商品が保管されているかを判断する。
第1立体自動倉庫1にオーダー商品が保管されていない場合(ステップS11でNOのとき)は、次に、第2立体自動倉庫2にオーダー商品が保管されているかを判断する(ステップS12)。第2立体自動倉庫2にオーダー商品が保管されていない場合(ステップS12でNOのとき)は、一アイテムまたは複数アイテムのオーダー商品の取り寄せを手配する(ステップS13)。取り寄せたオーダー商品は図1に示す第1コンテナ入庫手段9Aより入庫する。
第1立体自動倉庫1にオーダー商品が保管されている場合(ステップS11でYESのとき)は、出荷日にオーダー商品を入れた1つまたは複数のコンテナAをGTPステーション10での出荷箱Cへの入れ替え順に出庫する(ステップS14)。第1立体自動倉庫1から出庫した1つまたは複数のコンテナAは、第1コンテナ搬送手段3が出荷のためにGTPステーションへ搬送する(ステップS5)。
GTPステーション10には、第1立体自動倉庫1から出庫した1つまたは複数のコンテナAが到着するとともに、出荷箱搬送手段5により搬送される空の出荷箱Cが同期到着する。ピッキング作業者Mは、側方に設置される端末画面を見ながら、1つまたは複数のコンテナAの中からピッキングして出荷箱Cに移し替える(ステップS16)。なお、ピッキングはロボットにより行うようにしてもよい。その後、オーダー商品を入れた出荷箱Cは出荷箱搬送手段5により搬送され(ステップS17)、搬送途中で自動封緘機7により出荷箱Cが封函され、続いて送り状貼付機8により出荷箱Cに送り状が貼付され(ステップS18)、出荷される(ステップS19)。
オーダー商品が第1立体自動倉庫1に保管されておらず、第2立体自動倉庫2に保管されている場合(ステップS12でYESのとき)は、オーダー日に、オーダー商品を入れた1つまたは複数のコンテナAを出庫する(ステップS20)。
第2コンテナ搬送手段4の補充コンベヤ4aが第2立体自動倉庫2から出庫した1つまたは複数のコンテナAを第1立体自動倉庫1へバックアップ補充のために搬送し(ステップS21)、第1立体自動倉庫1へバックアップ補充する(ステップS22)。
以後、出荷日になったら、上述したように、ステップS14からステップS19まで進む。
第2立体自動倉庫2から第1立体自動倉庫1へバックアップ補充(ステップS22)が行われた後の、第1立体自動倉庫1からのオーダー商品の出庫(ステップS14)に際しては、第1立体自動倉庫1に元々保管されているオーダー商品がある場合には、当該オーダー商品を入れたコンテナAと、バックアップ補充されたオーダー商品を入れたコンテナAとを纏めて、GTPステーションでのピッキング(ステップS16)において出荷箱Cに入れ替えを行う順にオーダー商品を入れた所要数のコンテナAを出庫する。
ピッキング(ステップS16)を終えて、コンテナAに商品が残っている場合、第1立体自動倉庫1に元々保管されているオーダー商品が入っているコンテナAについては第1コンテナ搬送手段3により第1立体自動倉庫1に入庫し(ステップS23,24)、また第2立体自動倉庫2から第1立体自動倉庫1に補充したコンテナAについては、高中頻度出庫商品については第1立体自動倉庫1に入庫し、低頻度出庫商品については、戻しコンベヤ4bにより戻し搬送し(ステップS25)、第2立体自動倉庫2に入庫する(ステップS26)。
ここで、高中頻度出庫商品とは、例えば、出荷が1時間当たり1回ないし数回位ある場合、1日に十数回ないし数十回位ある場合、あるいは数日ないし1週間に数十回ないし数百回位ある場合の商品であり、低頻度出庫商品とは、高中頻度出庫商品以外の商品であるが、例えば出荷が1日に1回であるとか、1月ないし1年に1回ないし数回ある場合の商品である。
重量測定器制御部108は、コンテナA内の商品の出荷箱Cへの移し替え(ピッキング)による重量の減少値(測定値)からコンテナA内の商品の数量、有無をシステム制御部6へ通知する。
これによって、システム制御部6は、コンテナA内の商品の数量がすくなくなったことを検知して、当該商品についてオーダーがあったときの不足を予測することができ、オーダーがあったときとは別途に、予め第2立体自動倉庫2内から当該商品を入れたコンテナAを出庫し第1立体自動倉庫1に入庫することができる。なお、図8の動作フローには、このときの処理を示していない。
また、重量測定器制御部108は、出荷箱C内への商品の移し替えによる重量の増加値(測定値)から出荷箱C内の商品の数量をシステム制御部6へ通知する。これによって、システム制御部6は、GTPステーションでピッキング作業者Mが出荷箱C内に入れた商品がオーダーに合致した数量があるかを判断できて、不一致であるときにはピッキング作業者Mの側方の端末により警告を発することができる。
改めて立体自動倉庫システム100の作用を概略する。立体自動倉庫システム100は、システム制御部6にオーダー商品または出荷数量から予測される予測商品(以下、本明細書において予測商品を含んでオーダー商品という。)のアイテムおよび数量を入力すると、システム制御部6の制御に基づいて、第1立体自動倉庫1に入力されたオーダー商品の数量の在庫があるときは、出荷日に当該オーダー商品を収容したコンテナAを第1コンテナ搬送手段3(Uターンコンベヤ)を介してGTPステーション10に搬送し、また第1立体自動倉庫1にオーダー商品がないときや数量が不足するときは、オーダー商品を第2立体自動倉庫2から必要数のコンテナを出庫し、当該コンテナを第2コンテナ搬送手段4の補充コンベヤ4aを介して搬送し第1立体自動倉庫1にバックアップ補充し、出荷日に第1立体自動倉庫1から当該オーダー商品を入れた必要数のコンテナAを出庫しGTPステーション10に搬送する。そして、GTPステーション10にて、当該コンテナ内のオーダー商品を必要数だけ出荷箱Cにピッキングして出荷し、その後、GTPステーション10のコンテナを、第1コンテナ搬送手段3(Uターンコンベヤ)を介して第1立体自動倉庫1の入庫口16bに戻して保管するか、または第1コンテナ搬送手段3(Uターンコンベヤ)と、第2コンテナ搬送手段4の戻しコンベヤ4bを介して第2立体自動倉庫2に戻して保管する。
以上説明したように、本実施の形態の立体自動倉庫システム100によれば、第1立体自動倉庫1にオーダー商品が存在しない場合、第2立体自動倉庫2から第1立体自動倉庫1へのバックアップ補充を行うことができる。
そして、立体自動倉庫システム100によれば、第2立体自動倉庫2から第1立体自動倉庫1に補充したコンテナAについては、戻しコンベヤ4bにより戻し搬送し、第2立体自動倉庫2に入庫することができるので、第1立体自動倉庫1には高中頻度出庫商品を入れたコンテナを保管し、第2立体自動倉庫2には高中頻度出庫商品のコンテナおよび低頻度出庫商品のコンテナを保管すると、出庫した低頻度出庫商品を入れたコンテナAを第2立体自動倉庫2に戻せるから、第1立体自動倉庫1に対し第2立体自動倉庫2が効果的にバックアップ補充することができる。
[第2の実施の形態]
本実施の形態に係る立体自動倉庫システムについて図9、図10を参照して説明する。
図9に示すように、本実施の形態に係る立体自動倉庫システム100Aは、第1立体自動倉庫1と、第1立体自動倉庫1をバックアップするための第2立体自動倉庫2と、第1コンテナ搬送手段3(Uターンコンベヤ)と、第2コンテナ搬送手段4A(1レーンコンベヤ)と、第1コンテナ入庫手段9A(コンベヤ)と、第2コンテナ入庫手段9B(コンベヤ)と、出荷箱搬送手段5(Uターンコンベヤ)と、システム制御部6Aとを備えている。なお、図9中の符号に係る構成要素は図1中の同一の符号に係る構成要素と同一の構成・機能を有する。
第1立体自動倉庫1と第2立体自動倉庫2は、共通仕様のコンテナAが保管可能であるよう設備される。
本実施の形態に係る立体自動倉庫システム100Aと第1の実施の形態の立体自動倉庫システム100との相違は、以下の点のみである。
立体自動倉庫システム100Aは、第2コンテナ搬送手段4として補充コンベヤ4aを有し、図1に示す第2コンテナ搬送手段4としての戻しコンベヤ4bは有していない。すなわち、第2立体自動倉庫2から出庫するコンテナAは、補充コンベヤ4aにより補充搬送され第1立体自動倉庫1に保管されるが、第2立体自動倉庫2へ戻し搬送されることはない。
第1コンテナ搬送手段3は、第1立体自動倉庫1の出庫口16aから第1立体自動倉庫1の前方に配置されるGTPステーション10までの間の出庫搬送を行うとともに、GTPステーション10から第1立体自動倉庫1の入庫口16bまで間の入庫搬送とを行う。
第2コンテナ搬送手段4Aは、第2立体自動倉庫2の出庫口から第1立体自動倉庫1の入庫口までの間の補充搬送を行う。
第1コンテナ入庫手段9Aは、第1立体自動倉庫1の入庫口16bよりコンテナAを入庫する。第2コンテナ入庫手段9Bは、第2立体自動倉庫2の入庫口2cよりコンテナAを入庫する。
出荷箱搬送手段5は、GTPステーション10に対し空の出荷箱Cを給送し停止する供給搬送と、GTPステーション10でコンテナAから所要の荷を入れ替えた出荷箱Cを出荷する搬送とを行う。
本実施の形態に係る立体自動倉庫システム100Aについても、第1立体自動倉庫1が保管するコンテナAと、第2立体自動倉庫2が保管するコンテナAとが共通仕様である。本実施の形態では、原則として1つのコンテナAには1アイテムの商品が収容される。
システム制御部6Aは、第1立体自動倉庫1と第2立体自動倉庫2と第1コンテナ搬送手段3(Uターンコンベヤ)と第2コンテナ搬送手段4A(1レーンコンベヤ)と第1出荷箱搬送手段5(Uターンコンベヤ)とを統合制御する。
システム制御部6Aは、図示しない入力装置を介してオーダー商品または出荷数量から予測される予測商品に関するアイテム、数量、および出荷日、出荷先の住所氏名、集配先、コンテナID等を入力してからプログラムスタートする。
システム制御部6Aは、第1立体自動倉庫1にオーダー商品が存在しない場合、第2立体自動倉庫2からオーダー商品が入ったコンテナAを第2コンテナ搬送手段4A(1レーンコンベヤ)を介し第1立体自動倉庫1へバックアップ補充を行い、出荷日に第1立体自動倉庫1から一オーダーに係るオーダー商品が入った1つまたは複数のコンテナAを出庫するよう制御する。
図10は、図9に示す立体自動倉庫システム100Aの概略の動作フローを示す図である。
第2コンテナ搬送手段4Aが1レーンコンベヤであり戻しコンベヤ4bを有していないので、図10に示す動作フローには図8に示す動作フローのステップS25,S26がない。図10に示す動作フローのステップS11-S24については、図8に示す動作フローのステップS11-S24と同一であるので、説明を省略する。
改めて立体自動倉庫システム100Aの作用を概略する。立体自動倉庫システム100Aは、システム制御部6Aにオーダーまたは出荷数量から予測される商品のアイテムおよび数量を入力すると、システム制御部6Aの制御に基づいて、第1立体自動倉庫1に入力されたオーダー商品の数量の在庫があるときは、出荷日に当該オーダー商品を収容したコンテナAを第1コンテナ搬送手段3(Uターンコンベヤ)を介してGTPステーション10に搬送し、また第1立体自動倉庫1にオーダー商品がないときや数量が不足するときは、オーダー商品を第2立体自動倉庫2から必要数のコンテナを出庫し、当該コンテナを第2コンテナ搬送手段4A(1レーンコンベヤ)を介して搬送し第1立体自動倉庫1にバックアップ補充し、出荷日に第1立体自動倉庫1から当該オーダー商品を入れた必要数のコンテナAを出庫しGTPステーション10に搬送する。そして、GTPステーション10にて、当該コンテナ内のオーダー商品を必要数だけ出荷箱Cにピッキングして出荷し、その後、GTPステーション10のコンテナを、第1コンテナ搬送手段3(Uターンコンベヤ)を介して第1立体自動倉庫1の入庫口16bに戻して保管する。
以上説明したように、本実施の形態の立体自動倉庫システム100Aによれば、第1立体自動倉庫1にオーダー商品が存在しない場合、第2立体自動倉庫2から第1立体自動倉庫1へのバックアップ補充を行うことができる。
システム制御部6Aが1レーンコンベヤである第2コンテナ搬送手段4Aをバックアップ補充搬送と逆方向に戻し搬送することは可能である。この場合には、第2立体自動倉庫2から出庫したコンテナBを第2立体自動倉庫2に戻すことができるので、第1立体自動倉庫1には高中頻度出庫商品を入れたコンテナを保管し、第2立体自動倉庫2には高中頻度出庫商品を入れたコンテナBおよび低頻度出庫商品を入れたコンテナBを保管すると、出庫した低頻度出庫商品を入れたコンテナBを第2立体自動倉庫2に戻せるから、第1立体自動倉庫1に対し第2立体自動倉庫2が効果的にバックアップ補充することができる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態に係る立体自動倉庫システムについて図11、図12を参照して説明する。
図11に示すように、本実施の形態に係る立体自動倉庫システム100Bは、第1立体自動倉庫1と、第1立体自動倉庫1をバックアップするための第2立体自動倉庫2と、第1コンテナ搬送手段3(Uターンコンベヤ)と、第2コンテナ搬送手段4B(コンベヤ)と、第1コンテナ入庫手段9A(コンベヤ)と、第2コンテナ入庫手段9B(コンベヤ)と、出荷箱搬送手段5(コンベヤ)と、システム制御部6とを備えている。第2コンテナ搬送手段4B(コンベヤ)は、第2立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4B1と第1立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4B2とを有する。
第1立体自動倉庫1は、商品を入れた第1コンテナAを保管する。第1コンテナ搬送手段3は、第1立体自動倉庫1の出庫口16aから第1立体自動倉庫1の前方に配置される第1GTPステーション10Aまでの間の出庫搬送と、第1GTPステーション10Aから第1立体自動倉庫1の入庫口16bまで間の入庫搬送とを行う。
第2立体自動倉庫2は、第1立体自動倉庫1が保管する第1コンテナAと仕様が相違する商品を入れた第2コンテナBを保管し第1立体自動倉庫1に対しバックアップ補充する。
本実施の形態に係る立体自動倉庫システム100Bと第1の実施の形態の立体自動倉庫システム100との1つ目の相違は、第1立体自動倉庫1が保管する第1コンテナAと、第2立体自動倉庫2が保管する第2コンテナBとが非共通仕様である。すなわち、第2立体自動倉庫2から出庫する第2コンテナBをそのまま第1立体自動倉庫1に保管することができない。1つの第1コンテナAと、1つの第2コンテナBにはそれぞれ1アイテムの商品が収容される。
このため、本実施の形態に係る立体自動倉庫システム100Bと第1の実施の形態の立体自動倉庫システム100との2つ目の相違が第2コンテナ搬送手段4Bの構成にある。
第2コンテナ搬送手段4Bは、第2立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4B1と第1立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4B2とを有する。
第2立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4B1は、第2立体自動倉庫2と第1立体自動倉庫1の中間位置に配置される第2GTPステーション10Bに対し、第2立体自動倉庫2から商品を入れた第2コンテナBを出庫し搬送して停止し、商品の移し替え後に当該第2コンテナBを第2立体自動倉庫2に戻す入庫搬送を行う。
第1立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4B2は、第2GTPステーション10Bに対し、第1立体自動倉庫1から商品を入れた第1コンテナAを出庫し搬送して停止し、商品の移し替え後に当該第1コンテナAを第1立体自動倉庫1に戻す入庫搬送を行う。
システム制御部6Bは、第1立体自動倉庫1と第2立体自動倉庫2と第1コンテナ搬送手段3(Uターンコンベヤ)と第2コンテナ搬送手段4B(第2立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4B1と第1立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4B2)と出荷箱搬送手段5(Uターンコンベヤ)とを統合制御する。
システム制御部6Bは、図示しない入力装置を介してオーダー商品に関するアイテム、数量、および出荷日、出荷先の住所氏名、集配先、コンテナID等を入力してからプログラムスタートする。
システム制御部6Bは、オーダー商品の全部または一部が第1立体自動倉庫1に存在せず、第2立体自動倉庫2に存在する場合、第2GTPステーション10Bに、第2立体自動倉庫2からオーダー商品が入った第2コンテナBを出庫して第2立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4B1を介し搬送するとともに、第1立体自動倉庫1から空の第1コンテナAを出庫して第1立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4B2を介し搬送するよう制御する。
そして、システム制御部6Bは、第2コンテナB内のオーダー商品を第1コンテナAに移し替えた後の、当該第1コンテナAを第1立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4B2を介し第1立体自動倉庫1へバックアップ補充を行い、出荷日に第1立体自動倉庫1から一オーダーに係るオーダー商品が入った1つまたは複数の第1コンテナAを出庫するよう制御する。
なお、図11中の符号に係る構成要素は図1中の同一の符号に係る構成要素と同一の構成・機能を有する。
図12は、図11に示す立体自動倉庫システム100Bの概略の動作フローを示す図である。
図12に示す動作フローのステップS21についてのみ、図8に示す動作フローのステップS21と相違する。図12に示す動作フローのステップS21以外の説明は省略する。前記の相違は、第2コンテナ搬送手段4Bは、Uターンする第2立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4B1とUターンする第1立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4B2とが第1立体自動倉庫1と第2立体自動倉庫2との中間位置で近接するよう構成されていることに対応している。
図12に示す動作フローのステップS21では、第2立体自動倉庫2に保管している商品を入れた第2コンテナBを出庫口2bから出庫し第2立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4B1で搬送して第2GTPステーション10Bに停止するとともに、第1立体自動倉庫1から空の第1コンテナAを出庫口16aから出庫して第1立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4B2で搬送し(または第1コンテナAのストックヤードから空の第1コンテナAを共有するコンベヤで搬送し)第2GTPステーション10Bに停止する。
そして、ピッキング作業者M2またはロボットにより、第2コンテナB内の一部または全部の商品を空の第1コンテナAに入れ替え(ピッキング)、商品を入れた第1コンテナAを第1立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4B2で第1立体自動倉庫1の入庫口16bに搬送し第1立体自動倉庫1内に入庫し、空にならない第2コンテナBについては第2立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4B1で第2立体自動倉庫2の入庫口2aに戻し搬送し第2立体自動倉庫2に保管する。
改めて立体自動倉庫システム100Bの作用を概略する。立体自動倉庫システム100Bは、システム制御部6Bにオーダーまたは出荷数量から予測される商品のアイテムおよび数量を入力すると、システム制御部6Bの制御に基づいて、第1立体自動倉庫1に入力されたオーダー商品の数量の在庫があるときに、出荷日に当該オーダー商品を収容したコンテナAを第1コンテナ搬送手段3(Uターンコンベヤ)を介して第1GTPステーション10Aに搬送する。また、立体自動倉庫システム100Bは、第1立体自動倉庫1にオーダー商品がないときや数量が不足するときに、オーダー商品を第2立体自動倉庫2から必要数の第2コンテナBを出庫し、当該第2コンテナBを第2立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4B1を介して第2GTPステーション10Bに搬送する。そして、立体自動倉庫システム100Bは、第2GTPステーション10Bにてピッキング作業者M1またはロボットにより第2コンテナB内の必要量のオーダー商品をピッキングし第1立体自動倉庫1から出庫し第2GTPステーション10Bに搬送した空の第1コンテナAに移し替え、当該第1コンテナAを第1立体自動倉庫1に戻す方式でバックアップ補充を行うことができ、出荷日に第1立体自動倉庫1から当該オーダー商品を入れた必要数のコンテナAを出庫し第1GTPステーション10Aに搬送する。そして、第1GTPステーション10Aにて、当該第1コンテナA内のオーダー商品を必要数だけ出荷箱Cにピッキングして出荷し、その後、第1GTPステーション10Aのコンテナを、第1コンテナ搬送手段3(Uターンコンベヤ)と第2立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4B1と第1立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4B2とを介して第2立体自動倉庫2の入庫口2aに戻して保管する。
以上説明したように、本実施の形態の立体自動倉庫システム100Bによれば、第2立体自動倉庫2から出庫した第2コンテナB内の必要量のオーダー商品をピッキングし第1立体自動倉庫1から出庫した空の第1コンテナAに移し替え、当該第1コンテナAを第1立体自動倉庫1に戻す方式でのバックアップ補充を行うことができるので、第1立体自動倉庫1にオーダー商品が存在しない場合、第2立体自動倉庫2から第1立体自動倉庫1へのバックアップ補充を行うことができる。
そして、立体自動倉庫システム100Bによれば、コンテナBを第2立体自動倉庫2Eから出庫し第2立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4B1で第2立体自動倉庫2に戻して保管できるので、第1立体自動倉庫1Eには高中頻度出庫商品を入れたコンテナを保管し、第2立体自動倉庫2Eには高中頻度出庫商品を入れた第2コンテナBおよび低頻度出庫商品を入れた第2コンテナBを保管すると、出庫した低頻度出庫商品を入れたコンテナBを第2立体自動倉庫2に戻せるから、第1立体自動倉庫1Eに対し第2立体自動倉庫2Eが効果的にバックアップ補充することができる。
なお、本実施形態は、複数のオーダーの商品をまとめて取り出しておき、出荷直前に出荷オーダー別に仕分ける、いわゆるトータルピッキング、あるいはバッチピッキングに用いても良く、また、単一のオーダーの商品を取り出して出荷する、いわゆるオーダーピッキング、あるいはシングルピッキングに用いてもよい。
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態に係る立体自動倉庫システムについて図13、図14を参照して説明する。
図13に示すように、立体自動倉庫システム100Cは、第1立体自動倉庫1と、第1立体自動倉庫1をバックアップするための第2立体自動倉庫2と、第1コンテナ搬送手段3(Uターンコンベヤ)と、第2コンテナ搬送手段4C(コンベヤ)と、第1コンテナ入庫手段9A(コンベヤ)と、第2コンテナ入庫手段9B(コンベヤ)と、第1出荷箱搬送手段5A(コンベヤ)と、第2出荷箱搬送手段5B(コンベヤ)とを備えている。第2コンテナ搬送手段4Cは、第2立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4C1と第1立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4C2とを有する。
立体自動倉庫システム100Cは、第2出荷箱搬送手段5B(コンベヤ)とを備えている。図11に示す立体自動倉庫システム100Bと同様に、第1立体自動倉庫1は、第1コンテナAを保管する。第2立体自動倉庫2は、第1コンテナAとは仕様が相違する第2コンテナBを保管し第1立体自動倉庫1に対しバックアップ補充する。
第1コンテナ搬送手段3は、第1立体自動倉庫1の出庫口16aから第1立体自動倉庫1の前方に配置される第1GTPステーション10Aまでの間の出庫搬送と、第1GTPステーション10Aから第1立体自動倉庫1の入庫口16bまで間の入庫搬送とを行う。
第1出荷箱搬送手段5Aは、第1GTPステーション10Aに対し空の第1出荷箱C1を供給する供給搬送と、第1GTPステーション10Aで第1コンテナAと第2コンテナBに所要の荷を入れ替えた第1出荷箱C1を出荷搬送する。
上述した第3の実施の形態に係る立体自動倉庫システム100Bと第1の実施の形態の立体自動倉庫システム100との1つ目の相違と2つ目の相違は、第4の実施の形態においても有している。
すなわち、第1立体自動倉庫1が保管する第1コンテナAと、第2立体自動倉庫2が保管する第2コンテナBとが非共通仕様である。1つの第1コンテナAと、1つの第2コンテナBにはそれぞれ1アイテムの商品が収容される。
第1コンテナ搬送手段3は、第1立体自動倉庫1の出庫口16aから第1立体自動倉庫1の前方に配置される第1GTPステーション10Aまでの間の出庫搬送と、第1GTPステーション10Aから第1立体自動倉庫1の入庫口16bまで間の入庫搬送とを行う。
第1GTPステーション10Aにおいて、第1コンテナAと第1出荷箱C1との間でオーダー商品に係るピッキングが行われ、第1出荷箱C1に第1自動封緘機7Aで封函を行い、第1送り状貼付機8Aにより送り状の貼付を行い、出荷するようになっている。第1GTPステーション10Aにおける動作・作業は、図1に示すGTPステーション10における動作・作業と同一に行われる。
第2コンテナ搬送手段4Cは、第2立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4C1と第1立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4C2とを有する。
第2立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4C1は、第2立体自動倉庫2と第1立体自動倉庫1の中間位置に配置される第2GTPステーション10Bに対し、第2立体自動倉庫2から商品を入れた第2コンテナBを出庫し搬送して停止し、商品の移し替え後に当該第2コンテナBを第2立体自動倉庫2に戻す入庫搬送を行う。
第1立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4C2は、第2GTPステーション10Bに対し、第1立体自動倉庫1から商品を入れた第1コンテナAを出庫し搬送して停止し、商品の移し替え後に当該第1コンテナAを第1立体自動倉庫1に戻す入庫搬送を行う。
第2出荷箱搬送手段5Bは、第2GTPステーション10Bに対し空の第2出荷箱C2を供給する供給搬送と、第2GTPステーション10Bで第1コンテナAと第2コンテナBに所要の荷を入れ替えた第2出荷箱C2を出荷搬送する。
第2GTPステーション10Bにおいて、第1コンテナAと第2コンテナBと第2出荷箱C2との間でオーダー商品に係るピッキングが行われ、第2出荷箱C2に第2自動封緘機7Bで封函を行い、第2送り状貼付機8Bにより送り状の貼付を行い、出荷するようになっている。
第2GTPステーション10Bでは第1GTPステーション10Aと同様のオーダー商品の出庫処理が行われる。
システム制御部6Cは、第1立体自動倉庫1と第2立体自動倉庫2と第1コンテナ搬送手段3(Uターンコンベヤ)と第2コンテナ搬送手段4C(第2立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4C1と第1立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4C2)と第1出荷箱搬送手段9A(Uターンコンベヤ)と第2出荷箱搬送手段5B(Uターンコンベヤ)とを統合制御する。
システム制御部6Cは、図示しない入力装置を介してオーダー商品に関するアイテム、数量、および出荷日、出荷先の住所氏名、集配先、コンテナID等を入力してからプログラムスタートする。
システム制御部6Cは、オーダー商品が複数アイテムであり、一部が第1立体自動倉庫1に存在し、残部が第2立体自動倉庫2に存在する場合、第2GTPステーション10Bに、第2立体自動倉庫2からオーダー商品が入った第2コンテナBを出庫して第2立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4C1を介し搬送するとともに、第1立体自動倉庫1から異なるアイテムのオーダー商品が入った第1コンテナAを出庫して第1立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4C2を介し搬送し、さらに、第2出荷箱C2を第2出荷箱搬送手段5Bを介し搬送するよう制御する。そして、第2コンテナB内のオーダー商品と第1コンテナA内のオーダー商品とを第1コンテナAに移し替え後の第2出荷箱C2を、第2出荷箱搬送手段5Bを介し出荷搬送するよう制御する。
なお、図13中の符号に係る構成要素は図1中の同一の符号に係る構成要素と同一の構成・機能を有する。
図14は、図13に示す立体自動倉庫システム100Cの概略の動作フローを示す図である。
図14に示す動作フローのステップS41-S52は、図8に示す動作フローのステップS11-S20、S23、S24に対応しており、同一の動作を行うので、説明を省略する。
図14に示す動作フローのステップS53-S59は第2GTPステーション10Bにて行う動作を示す。第2GTPステーション10Bは第1GTPステーション10Aと同一の動作・作業が行われるものであり、図8に示す動作フローのGTPステーション10と同一の動作・作業が行われる。
改めて立体自動倉庫システム100Cの作用を概略する。立体自動倉庫システム100Cは、システム制御部6Cにオーダーまたは出荷数量から予測される商品のアイテムおよび数量を入力すると、システム制御部6Cの制御に基づいて、第1立体自動倉庫1に入力されたオーダー商品の数量の在庫があるときは、出荷日に当該オーダー商品を収容した第1コンテナAを第1コンテナ搬送手段3(Uターンコンベヤ)を介して第1GTPステーション10Aに搬送するとともに第1出荷箱搬送手段9A(Uターンコンベヤ)を介して第1GTPステーション10Aに空の第1出荷箱C1を搬送する。そして、ピッキング作業者M1またはロボットにより、第1コンテナA内のオーダー商品を第1出荷箱C1にピッキングして出荷し、その後、第1GTPステーション10Aの第1コンテナAを、第1コンテナ搬送手段3(Uターンコンベヤ)で第1立体自動倉庫1の入庫口16bに戻して保管する。
また、立体自動倉庫システム100Cは、オーダー商品について、アイテムの一部が第1立体自動倉庫1に有り、アイテムの残りの一部が第2立体自動倉庫2に有るときは、前記の残りの一部であるオーダー商品を入れた必要数の第2コンテナBを第2立体自動倉庫2から出庫し、第2GTPステーション10Bに搬送し、後から前記の一部であるオーダー商品を入れた必要数の第1コンテナAを第1立体自動倉庫1から出庫し、さらに、第2出荷箱搬送手段5B(Uターンコンベヤ)を介して第2GTPステーション10Bに空の第2出荷箱C2を搬送する。そして、ピッキング作業者M2またはロボットにより、第1コンテナAと第2コンテナB内のオーダー商品を第2出荷箱C2にピッキングして出荷し、他方、第2GTPステーション10Bの第1コンテナAを第1立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4C2を介して第1立体自動倉庫1の入庫口に戻し第1立体自動倉庫1に保管するとともに、第2GTPステーション10Bに位置する第2コンテナBを第2立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4C1を介して第2立体自動倉庫2の入庫口2aに戻し第2立体自動倉庫2に保管する。
さらに、オーダー商品が第2立体自動倉庫2にのみ保管されている場合には、オーダー商品を入れた必要数の第2コンテナBを第2立体自動倉庫2から出庫し、第2GTPステーション10Bに搬送し、また、第2出荷箱搬送手段5B(Uターンコンベヤ)を介して第2GTPステーション10Bに空の第2出荷箱C2を搬送する。そして、ピッキング作業者M2またはロボットにより、第2コンテナBの中のオーダー商品を第2出荷箱C2にピッキングして出荷し、他方、第2GTPステーション10Bに位置する第2コンテナBを第2立体自動倉庫側Uターンコンベヤ4C1を介して第2立体自動倉庫2の入庫口2aに戻し第2立体自動倉庫2に保管する。
以上説明したように、本実施の形態の立体自動倉庫システム100Cによれば、第1立体自動倉庫1に一部のオーダー商品が存在せず、第2立体自動倉庫2に存在する場合、第1立体自動倉庫1から出庫される商品と、第2立体倉庫2から出庫される商品とを合わせて出庫することが可能となる。
なお、第4の実施の形態についてのこれまでの説明では、第1立体自動倉庫1からの搬送部4C2を有している(荷合わせが行われる)としたが、これを削除してもよい。
すなわち、同一オーダーに対して、第1立体自動倉庫1側からの出庫商品は、第1出荷箱搬送手段3Aにて終端まで送られ、第2立体自動倉庫2側からの出庫商品は、第2出庫箱搬送手段5Bによって終端まで送られ、その後、荷合わせ手段によって合わせられて出荷するようにしてもよい。
ここで、荷合わせ手段(荷合わせ部)とは、第1、第2とは別の、第3の物品置場(特に順序に並べることが可能なものが望ましい)であっても、合流するコンベヤであっても、追加のピッキングステーションを介しての人手あるいはロボットによる積み替えであっても、無人移送車(AGV、AMRなど)を用いるものであってもよい。
また、第4の実施の形態における第1GTPステーション10A側の機構を全て削除することも考えられる。
この場合、第1立体自動倉庫1からの出庫商品も、全て第2GTPステーション側へと搬送されてそこで第2立体自動倉庫2からの出庫商品とともにピッキングが行われるため、第1立体自動倉庫側搬送部4C2を荷合わせ部とみなすこともできる。
[第5の実施の形態]
第5の実施形態に係る立体自動倉庫システムについて図15-図20を参照して説明する。この実施形態に係る立体自動倉庫システムは、第2コンテナ搬送手段が第1-第4の実施形態に係る立体自動倉庫システムのいずれの第2コンテナ搬送手段を兼ねるマルチ機能を有するように設けられている。
図15は、第5の実施形態に係る立体自動倉庫システムの平面図である。図15に示すように、第2の実施の形態の立体自動倉庫システム100Dは、第1立体自動倉庫1Dと、第2立体自動倉庫2Dと、コンベヤシステムとでライン化されてなる。
立体自動倉庫システム100Dは、第1立体自動倉庫1Dと、第2立体自動倉庫2Dと、第1立体自動倉庫1Dのみの入出庫に関する第1コンテナ搬送手段3Dと、第1立体自動倉庫1Dと第2立体自動倉庫2Dとの相関的な第1コンテナAと第2コンテナBの入出庫に関するとともに、第2立体自動倉庫2Dのみの入出庫に関する第2コンテナ搬送手段4Dとを備えている。
本実施の形態の立体自動倉庫システム100Dでは、規格が異なる2種類のコンテナを取り扱い、第1コンテナAは高中頻度出庫商品を収容し第1立体自動倉庫1Dにより入出庫管理し、第2コンテナBは低頻度出庫商品を収容し第2立体自動倉庫2Dにより入出庫管理する。
図16は、第1立体自動倉庫1Dの一部を示す正面図である。第1立体自動倉庫1Dは、ラック11と、待機コンベヤ12と、移載シャトル13と、昇降装置16とを備えてなる。
ラック11は、第1コンテナAを保管するための複数段の長尺な棚11aを有している。棚11aは、1つのコンテナの保管用に割当てられた保管スペース(番地)を所要数有する。本実施の形態では、4つのラック11は所要間隔を開けて互いに平行となるように並設されている。
待機コンベヤ12は、各ラック11の各段の棚11aの同側の一方の端(昇降装置16側の端)に1つ有するよう連設されている。待機コンベヤ12は、昇降装置16のテーブルコンベヤ17との間で第1コンテナAを受渡する機能を有するローラコンベヤである。待機コンベヤ12は、2つの第1コンテナAをテーブルコンベヤ17に近い位置と遠い位置に受け取る機能を有するのが好ましい。
図17(A)は第1立体自動倉庫1D内の移載シャトルの正面図、図17(B)は移載シャトルの平面図である。移載シャトル13は、各ラック11,11間の各段の棚11a間に1台が対応するように設けられ、棚11aまたは待機コンベヤ12との間で第1コンテナAの受け渡しと受け取りを行う機能を有する。詳しくは、移載シャトル13は、各ラック11の各棚11aに対応しかつ2つのラック11,11間に面するように各ラック11の柱部(不図示)に支持される両側一対のシャトル用レール15,15上を離輪不能に走行するように設けられている。
移載シャトル13は、走行台車上に第1コンテナ受取受渡手段14を有する。第1コンテナ受取受渡手段14は、両側の棚11aのいずれの方向にも水平伸張する対向一対の一段伸張アーム14aと、各一段伸張アーム14aにスライド可能に支持され両側の棚11aのいずれの方向にも二段階に水平伸張する二段伸張アーム14bと、二段伸張アーム14bの両端に一対に設けられ起立状態と水平倒伏状態とに切り替わるように回動する係止アーム14cとからなる。
第1コンテナ受取受渡手段14は、一段伸張アーム14aと二段伸張アーム14bとが伸張して、二段伸張アーム14bを棚11aまたは待機コンベヤ12上に載置される第1コンテナAの両側面に対応する位置とし、係止アーム14cを起立状態から水平倒伏状態に切り替えて係止アーム14cで第1コンテナAの他方の両側面を挟み、もって二段伸張アーム14bと係止アーム14cとで第1コンテナAを取り囲んだ状態とし、次いで、両側の二段伸張アーム14bを第1コンテナAに接近させて挟持し、一段伸張アーム14aと二段伸張アーム14bとを伸縮し、第1コンテナAを棚11aまたは待機コンベヤ12上から走行台車上に引き取るようになっている。
そして、移載シャトル13は、棚11aの異なる所要番地に移動すると、一段伸張アーム14aと二段伸張アーム14bとを伸張することにより走行台車上に引き取った第1コンテナAを異なる番地の棚11aに移動し、その後、係止アーム14cを起立状態としかつ二段伸張アーム14bを第1コンテナAから離間させ、一段伸張アーム14aと二段伸張アーム14bとを伸縮するようになっている。
移載シャトル13は、待機コンベヤ12が2つの第1コンテナAをテーブルコンベヤ17に近い位置と遠い位置に受け取る状態において、遠い位置の第1コンテナAを受け取るようになっており、その後、待機コンベヤ12がテーブルコンベヤ17に近い位置の第1コンテナAをテーブルコンベヤ17から遠い位置にシフト移動する機能を有するのが好ましい。
昇降装置16は、4つのラック11のうち、一方側(図15において上側)の2つのラック11のそれぞれの各段の棚11aに連設された待機コンベヤ12群に対応して1対のテーブルコンベヤ17,17を有し、また、他方側(図15において下側)の2つのラック11のそれぞれの各段の棚11aに連設された待機コンベヤ12群に対応して他の1対のテーブルコンベヤ17,17を有する。
各1対のテーブルコンベヤ17,17は、昇降ガイドタワー18を挟んで個々に昇降自在かつ所望段の1対の待機コンベヤ12と同一高さに停止するように設けられている。各1対のテーブルコンベヤ17,17は、例えばローラコンベヤからなり、昇降が行われ同一高さに停止する待機コンベヤ12との間で第1コンテナAの受け渡しと受け取りを行う機能を有する。
図18(A)は第2立体自動倉庫2Dのコンテナ収容空間から第2コンテナを取り出すところを示す正面図であり、図18(B)は第2立体自動倉庫2Dのコンテナ収容空間から取り出した第2コンテナを第2コンテナ搬送手段へ送り出すところを示す正面図である。図19は走行形吊り上げロボットの正面図である。
図15、図18(A),(B)、図19に示すように、第2立体自動倉庫2Dは、平面視で複数の縦長なシャフト空間の集合であるコンテナ収容空間21aを有するコンテナ収容部21と、コンテナ収容部21の上面を升目線に沿って縦横に移動する複数の走行型吊り上げロボット22とを備えている。
コンテナ収容部21は、例えば、4つのアングル材を背中合わせ重ねた柱部材と、柱部材同士を繋ぐ梁部材等で、立体格子状に組み込まれ、上端面の梁部材による輪郭の穴が矩形となり、各コンテナ収容空間21aの四隅のアングル材は第2コンテナBを吊り降ろし・吊り上げを行う際に第2コンテナBの四角を円滑に案内する機能を有する。コンテナ収容部21は、走行型吊り上げロボット22が走行するための格子状レール21bが上端面の梁部材の格子上に敷設されている。
コンテナ収容部21は、外壁面で覆われる。各コンテナ収容空間21aの所要位置には保管番地IDが記録された二次元バーコードが付与されており、この次元バーコードを走行型吊り上げロボット22に備える二次元バーコード読み取りセンサで読み取ることで、走行型吊り上げロボット22がコンテナ収容空間21aを通過する毎に現在位置を検出できるとともに、所要位置のコンテナ収容空間21aに位置決め停止できる。
コンテナ収容部21には、外周位置の少なくとも2つのコンテナ収容空間21aがコンテナ入庫用シャフトとコンテナ出庫用シャフトに割り当てられ、コンテナ入庫用シャフト21a1(コンテナ収容空間)の外面側下部に開口された第2コンテナ用入口21cと、コンテナ出庫用シャフト21a2(コンテナ収容空間)の外面側下部に開口された第2コンテナ用出口21dとを備えている。
コンテナ収容部21には、外周位置の別の少なくとも1つのコンテナ収容空間21aがコンテナ入出庫用シャフトに割り当てられ、コンテナ入出庫用シャフトの外面側下部に開口されピッキングステーション21eが設けられている。
ピッキングステーション21eより低頻度出庫商品を入れた第2コンテナBを入庫することができ、また、オーダーが低頻度出庫商品のみである場合には、保管されているオーダーに係る商品を入れた第2コンテナBをピッキングステーション21eに吊り降ろして出荷箱に人手によりまたはロボット等により必要な数量を入れ替えて、出荷箱してもよい。
商品を入れ替えた後に、まだ商品が入っている第2コンテナBは、吊り上げて元位置のコンテナ収容空間21aの最上部に積み重ねる。
走行型吊り上げロボット22は、コンテナ収容部21の上端面の格子状レール21b(グリッド)上を縦横に走行する走行台車22aと、走行台車22aに設けられたワイヤ巻揚げ装置22bと、を有する。
走行台車22aは、平面視の大きさがコンテナ収容空間21aの升目の大きさと略同等である台車筐体22a1と、台車筐体22a1の一方の両側面の面幅中央部に同軸一体に設けられサーボモータにより駆動回転する1対の縦方向駆動輪および各縦方向駆動輪を挟んで離間し自由回転可能な2対の縦方向走行サポート車輪と、台車筐体22a1の他方の両側面の面幅中央部に同軸一体に設けられ他のサーボモータにより駆動回転する1対の横方向駆動輪および各横方向駆動輪を挟んで離間し自由回転可能な2対の横方向走行サポート車輪とを有する。
1対の縦方向駆動輪22a3と2対の縦方向走行サポート車輪22a4(前者の車輪群という)は一体に上下動可能であり、1対の横方向駆動輪22a5と2対の横方向走行サポート車輪22a6(後者の車輪群という)も一体に上下動可能であって、前者の車輪群が格子状レール21bの縦方向グリッドに載って縦方向に走行するとき、後者の車輪群は上昇して格子状レール21bから離間し、また、後者の車輪群が格子状レール21bの横方向グリッドに載って横方向に走行するとき、前者の車輪群は上昇して格子状レール21bから離間するようになっている。
これによって、走行台車22aは、コンテナ収容部21の上端グリッドに対応する格子状レール21b上を縦横に安定して車輪走行でき、天井張出部22a2が走行台車22aが停止している所望のコンテナ収容部21の所要上方に離間状態に停止する。
走行台車22aは、上記の車輪群を保持する台車筐体22a1に、サーボモータで巻揚げドラムを回転し4本のワイヤ22b1を繰り出すワイヤ巻揚げ装置22bを備えている。
また、走行台車22aは、上記の車輪群を支持する台車筐体22a1より一側に張出状態に形成された天井張出部22a2を有し、天井張出部22a2の下側にチャックフレーム22cが吊られた状態に配置されるように、ワイヤ巻揚げ装置22bから繰り出し天井張出部22a2に設けられた滑車(不図示)に巻き掛けられた4本のワイヤ22b1によりチャックフレーム22cの四隅が吊られている。
チャックフレーム22cは、コンテナ収容空間21aに水平方向の変動が無く4本のワイヤ22b1により円滑に吊り降ろされる大きさであり、かつ、コンテナ収容空間21aに保管されている第2コンテナBの上面に被さり、第2コンテナBの内面上端部の四方位置に設けられた係合部(不図示)に係合する。
もって、ワイヤ巻揚げ装置22bのワイヤ繰り出し操作と巻揚げ操作により、チャックフレーム22cをコンテナ収容空間21aの上端開口(コンテナ取出口)より吊り降ろし該コンテナ収容空間21aに第2コンテナBを吊り降ろし・吊り上げを行う。
図20は、第1コンテナと第2コンテナと流れを説明するための、昇降装置と第1コンテナ搬送手段3Dと第2コンテナ搬送手段4Dと第2立体自動倉庫2Dとを示す平面図である。図20に示すように、立体自動倉庫システム100Dは、第1立体自動倉庫1Dの2つの昇降装置16を長矩形枠状に取り囲むように並べて設けられた複数のコンベヤ31~54と、コンベヤ31~54の中のコンベヤ41~43と、第2立体自動倉庫2Dの第2コンテナ用入口21cと第2コンテナ用出口21dとの間に、コ字形に並べて設けられた複数のコンベヤ56~60とを有する。
コンベヤ56は一端が第2コンテナ用出口21d内に入り込んでいる。コンベヤ60は一端が第2コンテナ用入口21c内に入り込んでいる。したがって、第2コンテナ用入口21c内のコンベヤ60端部上に搬送される第2コンテナBを走行型吊り上げロボット22で吊り上げるようになっているとともに、所要のコンテナ収容空間21aに保管されている第2コンテナBを走行型吊り上げロボット22で吊り上げ、第2コンテナ用出口21d内のコンベヤ56端部上に吊り降ろすようになっている。したがって、コンベヤ56~60は、第2立体自動倉庫2Dの入出庫に関する入出庫手段を構成している。
コンベヤ31~54、56~60の中、偶数番のコンベヤ32,34,・・・60は直進搬送するローラコンベヤである。奇数番のコンベヤ31,33,・・・59は、直進で受け入れて一時停止し直角方向に送り出す複合形コンベヤである。
この複合形コンベヤは、例えば、複数のコンベヤローラが離間して並列されて直進搬送するローラコンベヤ部と、ローラコンベヤ部の搬送停止時に複数の細幅ベルトの巻き掛け機構群が一体にローラコンベヤ部のコンベヤローラ間に浮上しベルト走行することでローラコンベヤ部の搬送方向に対し直角方向に搬送するベルトコンベヤ部とからなる。
コンベヤ31~39、45~54は、第1立体自動倉庫1Dのみの入出庫に関する請求項の第1コンテナ搬送手段3Dを構成している。すなわち、2つの昇降装置16のいずれかのテーブルコンベヤ17がコンベヤレベルと同一の最下位置に下降したときに、出庫が高中頻度の商品を入れた第1コンテナAをコンベヤ31~39を介して最下位置のテーブルコンベヤ17上に受渡することができる。
このとき、コンベヤ31~39は、第1立体自動倉庫1Dのみの入庫に関する請求項の第1コンテナ入庫用コンベヤとなる。また、2つの昇降装置16のいずれかのテーブルコンベヤ17がコンベヤレベルと同一の最下位置に下降したときに、最下位置のテーブルコンベヤ17上の出庫が高中頻度の商品を入れた第1コンテナAをコンベヤ45,47,49,51のいずれかで受け取り、コンベヤ45~53の中の商品をピッキングする位置であるコンベヤ53上に搬出することができる。
またこのとき、コンベヤ45~53は、第1立体自動倉庫1Dのみの出庫に関する請求項の第1コンテナ出庫用コンベヤとなる。コンベヤ56~60は、第2立体自動倉庫2Dの入出庫に関する入出庫手段を構成している。コンベヤ33~51、56~60は、請求項の第2コンテナ出庫用コンベヤを構成している。
すなわち、請求項に記述するように、第1立体自動倉庫1Dと第2立体自動倉庫2Dとの中間位置へ、第1立体自動倉庫1Dから第1コンテナAを出庫するとともに第2立体自動倉庫2Dから第2コンテナBを出庫し、後述するピッキング作業者M1またはロボット72により両コンテナから第2出荷箱C2への商品の移し替え、または両コンテナ間の商品の移し替えのため、該出庫した第1コンテナAと第2コンテナBとを互いに近接させた位置に停止する第1立体自動倉庫側コンベヤ手段と第2立体自動倉庫側コンベヤ手段とを実質的に備えている。
なお、本発明のコンベヤ31~39、45~54は、第1コンテナ搬送手段3Dと第2コンテナ搬送手段4Dを構成するコンベヤシステムはコンベヤ31~39、45~54に限定されるものではない。
コンベヤ56~60は、第2立体自動倉庫2Dのみの入出庫に関する請求項の第2コンテナ搬送手段4Dを構成している。すなわち、オーダーに基づいて第2立体自動倉庫2Dの第2コンテナ用出口21dから商品をピッキングする位置であるコンベヤ57上に出庫された第2コンテナBの端部上に吊り降ろすようになっている。
この実施の形態に係るシステム制御部(不図示)は、第2コンテナ搬送手段4Dについて、第2立体自動倉庫から第1立体自動倉庫に向かって第2コンテナをパックアップ補充(往送)する第1モードの制御と、第1立体自動倉庫から第2立体自動倉庫に向かって第2コンテナを戻し搬送(復送)する第2モードの制御と、第2立体自動倉庫から中間位置に第2コンテナを往送するとともに、第1立体自動倉庫から中間位置に第1コンテナを往送する第3モードの制御とを有する。
第1コンテナ搬送手段3Dの外端位置のコンベヤ31,54,53の近傍には、第1空箱供給コンベヤ62と、第1出荷箱搬出コンベヤ63と、第1コンテナ搬出コンベヤ64とを備えてなる。
第1空箱供給コンベヤ62は、様々な規格の空の第1の出荷箱をストックしている出荷箱ストックヤードからオーダー順に空の第1出荷箱C1を第1コンテナ出庫用コンベヤのコンベヤ53の近傍に供給しうる。
第1出荷箱搬出コンベヤ63は、コンベヤ53の近傍に供給された空の第1出荷箱C1にコンベヤ53上の第1コンテナA内の商品の全量または必要数量が移載され後の該第1出荷箱C1を出荷箱ストックヤードに搬出する。
第1コンテナ搬出コンベヤ64は、コンベヤ53上で商品の全量を空の第1出荷箱C1に移し替えて空になった第1コンテナAを第1コンテナストックヤードへ搬出する。
同様に、コンベヤ40の側方には、第2空箱供給コンベヤ65と、第2出荷箱搬出コンベヤ66と、第2コンテナ搬出コンベヤ67とを備えている。
したがって、オーダーが第1立体自動倉庫1Dからの出庫である場合、同オーダーに基づいて、所要IDの第1コンテナAをコンベヤ53上に出庫すると、この第1コンテナAと、第1空箱供給コンベヤ62の搬送方向下流端に供給された空の第1出荷箱C1とは互いに至近距離になるので、ピッキング作業者M1またはロボット71により、コンベヤ53上に出庫した第1コンテナA内の商品の必要量を空の第1出荷箱C1に入れ替えることができる。
商品を入れた第1出荷箱C1は、ピッキング作業者M1またはロボット71により、蓋を閉じられテーピングされて第1出荷箱搬出コンベヤ63に移載され出荷箱ストックヤードに搬出される。またコンベヤ53上で商品の全量を空の第1出荷箱C1に移し替えて空になった第1コンテナAは、ピッキング作業者M1またはロボット71により、第1コンテナ搬出コンベヤ64に移載されコンテナストックヤードへ搬出される。
なお、GTPにより商品の必要量の移し替えを行う場合、ピッキング作業者M1の近傍に移し替え作業の内容が随時に変更支持される表示パネルが設置されるか、または所要IDの第1コンテナAをコンベヤ53上に出庫する過程で、出庫内容、請求額、宛先などを記載した印刷物が第1出荷箱C1の外面に貼着され、これらに基づいて、商品の移し替えを行う。
また、オーダーが第1立体自動倉庫1Dからの出庫と第2立体自動倉庫2Dからの出庫とが必要である場合、同オーダーに基づいて、第1立体自動倉庫1Dから所要IDの第1コンテナAの商品をピッキングする位置コンベヤ41上に出庫するとともに、第2立体自動倉庫2Dから所要IDの第2コンテナBを商品をピッキングする位置コンベヤ57上に出庫し、さらに、第2空箱供給コンベヤ65の搬送方向下流端に空の第2出荷箱Dを供給する。
これにより、同一のオーダーに係る第1コンテナAと第2コンテナBと空の第2出荷箱C2とが互いに至近距離になるので、ピッキング作業者M2またはロボット72により、第1コンテナA内の商品の必要量ならびに第2コンテナB内の商品の必要量を空の第2出荷箱C2に入れ替えることができる。
商品を入れた第2出荷箱C2は、ピッキング作業者M1またはロボット72により、蓋を閉じられテーピングされて第2出荷箱搬出コンベヤ66に移載され出荷箱ストックヤードに搬出される。
またコンベヤ41上で商品の全量を空の第2出荷箱C2に移し替えて空になった第1コンテナA、並びに、コンベヤ57上で商品の全量を空の第2出荷箱C2に移し替えることにより空になった第2コンテナBは、ピッキング作業者M1またはロボット72により、第2コンテナ搬出コンベヤ67に移載されコンテナストックヤードへ搬出される。
上記した、ロボット71,72は、コンテナ内の商品を掴んで取り出し移し替える機能を有する。このロボット71,72は、コンテナ内の商品の存在・位置を把握する視覚センサと、コンテナ内の商品を掴んで取り出し移し替えるロボットハンドとを有する構成である。
なお、上記の構成では、第1コンテナAまたは第2コンテナBとの間で商品の移し替えを行う事例を発生することを想定していない。
コンベヤ41上の第1コンテナAの商品をコンベヤ57上の第2コンテナBに入れ替える場合、ロボット72で第1コンテナAを保持し180度転倒させて行うようにしても良い。
この場合、ロボット72のロボットハンドは、コンテナの存在を把握する視覚センサと、第1コンテナを把持して180度転倒させかつ転倒後復帰させるロボットハンドと、180度転倒させたコンテナ内の商品を他方のコンテナ内に滑落案内するシュートとを有する構成であることが好ましい。
また、コンベヤ57上の第2コンテナBの商品をコンベヤ41上の第1コンテナAに入れ替える場合にも、ロボット72で第2コンテナBを保持し180度転倒させて行うようにしても良い。空になった第1コンテナAまたは第2コンテナBは、第2コンテナ搬出コンベヤ67より搬出する。
さらに、第1コンテナAまたは第2コンテナBとの間で商品の移し替えを行うロボット72に替わる商品の移し替え手段として、図示しないが、第1コンテナAを搬送するコンベヤと第2コンテナBを搬送するコンベヤの中の一方のコンベヤを高い位置に、他方のコンベヤを低い位置に隣接して並列配置する。
さらに、高い位置のコンベヤの一部を、コンテナを保持して例えば120~180度転倒させられ、その後復帰できる構成として、高い位置のコンテナを120~180度転倒し落下する商品を低い位置の空のコンテナに移し替えるようにしてもよい。この場合は、180度転倒したコンテナから落下する商品を低い位置の空のコンテナに案内するシューットを設けるのがよい。
すなわち、第1コンテナAと第2コンテナBは仕様が相異し商品の移し替えが必要な場合に、第2コンテナ搬送手段4Dは、第2立体自動倉庫側搬送部4D1と第1立体自動倉庫側搬送部4D2との中の一方が高い位置、他方が低い位置に設けられ、高い位置の搬送部の一部がコンテナを180度転倒しかつ転倒後復帰するように設けられ、180度転倒させたコンテナ内の商品を他方の搬送部内に滑落案内するシュートを有する構成である。
さらに、オーダーが第2立体自動倉庫2Dから所要IDの第2コンテナBの出庫のみである場合、同オーダーに基づいて、第2立体自動倉庫2Dから所要IDの第2コンテナBをコンベヤ57上に出庫し、さらに、第2空箱供給コンベヤ65の搬送方向下流端に空の第2出荷箱C2を供給する。
これにより、同一のオーダーに係る第2コンテナBと空の第2出荷箱C2とが互いに至近距離になるので、ピッキング作業者M2またはロボット72により、第2コンテナB内の商品の必要量を空の第2出荷箱C2に入れ替えることができる。
商品を入れた第2出荷箱C2は、第2GTPステーション10Bまたはロボット72により、蓋を閉じられテーピングされて第2出荷箱搬出コンベヤ66に移載され出荷箱ストックヤードに搬出される。
またコンベヤ57上で商品の全量を空の第2出荷箱C2に移し替えることにより空になった第2コンテナBは、第2GTPステーション10Bまたはロボット72により、第2コンテナ搬出コンベヤ67に移載されコンテナストックヤードへ搬出される。
なお、図20の、コンベヤ56~60、第1コンテナ搬出コンベヤ64、第2空箱供給コンベヤ65、第2出荷箱搬出コンベヤ66のユニットを2基設けて、1基では、オーダーが第1立体自動倉庫1Dからの出庫と第2立体自動倉庫2Dからの出庫とが必要である場合の出庫処理を行い、他の1基では、オーダーが第2立体自動倉庫2Dから所要IDの第2コンテナBの出庫のみである場合の出庫処理を行うようにしてもよい(第2立体自動倉庫2Dのみの第3入出庫手段)。
上記構成によれば、第1立体自動倉庫1Dと第2立体自動倉庫2Dとをコンベヤシムでライン結合し、規格の異なる第1コンテナAの入出庫管理と第2コンテナBの入出庫管理とを一元管理できるようにした。
一例として、第1立体自動倉庫1Dの入出庫管理を行う手順を説明する。
まず、総合入出庫管理用コンピュータ(不図示)で、第1立体自動倉庫用入出庫管理画面を表示する。
そして、入庫を行うには、外部位置で第1コンテナAに高中頻度出庫商品を入れ、第1立体自動倉庫用入出庫管理画面から第1立体自動倉庫1Dの保管状態(満空情報)を示す一覧表示を選択し、該一覧表示から適宜空き番地IDを保管位置に指定するとともに、番地IDに保管しようする第1コンテナAのID、商品ID、商品の大きさ、形態等をクラス付けするID、商品の品名や数量を関係付けて登録する。
続いて、該第1コンテナAを入庫コンベヤ33,35,37,39のいずれかで昇降装置16に対応する位置に搬送し昇降装置16のテーブルコンベヤ17上に移載し、テーブルコンベヤ17を所要段の高さに上昇させて商品を容れた第1コンテナAを待機コンベヤ12上に移載し、ラック11および待機コンベヤ12の範囲を移動する移載シャトル13で待機コンベヤ12上の商品を入れた第1コンテナAを受け取り、ラック11の所要位置の棚11aに保管するようになっている。
入庫された第1コンテナAは、ラック11の棚11aの各番地に1つ保管される。
また、出庫管理を行うには、第1立体自動倉庫用入出庫管理画面から第1立体自動倉庫1Dの保管状態(満空情報)を示す一覧表示を選択し、該一覧表示から出庫オーダーに係る商品IDを入力することにより、棚11aに関する商品を保管している番地IDを指定するとともに、出庫オーダーに係る商品の関係データを出庫データとしてプリントアウトし、この出庫データをプリントした出庫表を、出庫オーダーに対応した後述する空の第1出荷箱C1に入れて、当該第1出荷箱C1を所定位置に搬送する。
棚11aに関する商品を保管している番地IDの指定があったときは、該番地IDに対応している移載シャトル13で番地IDに保管されている第1コンテナAを受け取り、移載シャトル13から待機コンベヤ12に移載し、さらに昇降装置16のテーブルコンベヤ17上に移載して下降し、出庫コンベヤ45,47,49,51上に移載し外部位置に搬送し、上述した第1出荷箱C1に入れ替えて出荷箱するようになっている。
第1立体自動倉庫1Dと、第2立体自動倉庫2Dとをライン化すると、テーブルコンベヤ17を有する昇降装置16と移載シャトル13とにより、第1コンテナAの垂直移動と水平移動を行い、テーブルコンベヤ17を有する昇降装置16と移載シャトル13との間の第1コンテナAの受渡の時間短縮を行うために、各段の棚11aに対応する待機コンベヤ12を備えている構成であるので、第1コンテナAの入出庫を極めて短い時間で行うことができるから、第1立体自動倉庫1Dで取り扱う商品(第1コンテナAに収容する商品)には、高中頻度出庫商品と取り扱うことには好適である。
したがって、出庫に要する時間が極めて短くて済む第1立体自動倉庫1Dには高中頻度出庫商品を保管し、出庫に要する時間が多く係るが保管数量を極めて極めて大きく取れる第2立体自動倉庫2Dには低頻度出庫商品を保管する。
このため、高中頻度出庫商品についてオーダーがあったときは第1立体自動倉庫1Dから迅速に出庫できる。低頻度出庫商品についてオーダーがあったときは走行型吊り上げロボット22が複数備えているから第2立体自動倉庫2Dから比較的短時間で出庫できる。高中頻度出庫商品と低頻度出庫商品とを含むオーダーがあったときは、第1立体自動倉庫1Dと第2立体自動倉庫2Dとの間で第1コンテナAと第2コンテナBと取り出して出荷できる。
さらに、季節要因や流行、宣伝などにより出庫頻度に変化があった場合には、第1立体自動倉庫1Dと第2立体自動倉庫2Dとの間において第1コンテナAと第2コンテナB間の商品の移し替えを行うことで、出庫頻度が高く変化した商品を第2立体自動倉庫2Dから第1立体自動倉庫1Dに保管でき、また出庫頻度が低く変化した商品を第1立体自動倉庫1から第2立体自動倉庫2Dに保管できる。
また、第2コンテナ搬送手段4Dによって、第1立体自動倉庫1Dと第2立体自動倉庫2Dとの間において第1コンテナAと第2コンテナBとを近接させることができるので、第1コンテナAの商品と第2コンテナBの商品とを含むオーダーである場合にも、空の第2出荷箱C2に商品を移し替えることが第2GTPステーション10Bにおいてピッキング作業者M2またはロボット72により行うことができる。
なお、第1の実施の形態の変形例として、図15に示す昇降装置16を1つ備え、さらに、昇降装置16にはテーブルコンベヤ17を1つ備え、テーブルコンベヤ17に対応して各段の待機コンベヤ12を備え、4つのラック11の同一段の棚11a間の第1コンテナAの移動は各ラック11間で各段の棚11aに対応して設ける移載シャトル13により移動することで、第1コンテナAの入出庫を行うことができる。
本実施の形態の立体自動倉庫システムによれば、第1立体自動倉庫に保管する第1コンテナには高中頻度出庫商品を収容し、オーダー商品を迅速に出庫することができ、第2立体自動倉庫に保管する第2コンテナには低頻度出庫商品を収容し、第1立体自動倉庫に保管されていないアイテムの商品または第1立体自動倉庫の保管数量が不足する商品について、第1立体自動倉庫へのバックアップ補充、または第1立体自動倉庫の前方の第1GTPステーション10A(人手により商品をピッキングする位置)へのバックアップ供給を行うことができる。
さらに、本実施の形態の立体自動倉庫システムによれば、保管方式および入出庫方式の異なる第1立体自動倉庫と第2立体自動倉庫とをライン結合し、高中頻度出庫商品の入出庫を迅速な処理時間で取り扱うことができるとともに、出庫が低頻度で行われる夥しく多種類の商品に対する十分な保管量を確保でき、高中頻度出庫商品と低頻度出庫商品の入出庫管理を一元化できかつ好適な処理時間となるよう実現することができ、さらにオーダーの内容が高中頻度出庫商品と低頻度出庫商品とが混ざる内容である場合にも、円滑に出荷箱に詰め替えることが容易に行える。
[第6の実施の形態]
第6の実施形態に係る立体自動倉庫システムについて、図21を参照して説明する。
図21は第6の実施形態に係る立体自動倉庫システム100Eの平面図である。図21に示す立体自動倉庫システム100Eの第1立体自動倉庫1Eは、図15に示す立体自動倉庫システム100Dの第1立体自動倉庫1Dのラックと待機コンベヤと移載シャトルのユニットが昇降装置に関して左右対称に備えている。立体自動倉庫システム100Eの第2立体自動倉庫2Eと第1コンテナ搬送手段3Eと第2コンテナ搬送手段4Eは、図15に示す立体自動倉庫システム100Dの第2立体自動倉庫2Dと第1コンテナ搬送手段3Dと第2コンテナ搬送手段4Dと同一の構成である。
その他、立体自動倉庫システム100Eの各構成要素について、図15に示す立体自動倉庫システム100Dの各構成要素の符号と同一の符号を付し、立体自動倉庫システム100Eの構成の説明を省略する。立体自動倉庫システム100Eの作用効果についても、立体自動倉庫システム100Dの作用効果と同一であるので説明を省略する。
[第7の実施の形態]
第7の実施形態に係る立体自動倉庫システムについて、図22-24を参照して説明する。
図22は第7の実施形態に係る立体自動倉庫システムの平面図である。図23は第7の実施形態に係る立体自動倉庫システム100Fの第1立体自動倉庫と第1コンテナ搬送手段とを示す斜視図である。図24は、第7の実施形態に係る立体自動倉庫システム100Fの第1立体自動倉庫と第1コンテナ搬送手段とを至近距離から拡大して示す投視図である。
図22、図23、図24に示すように、立体自動倉庫システム100Fは、第1立体自動倉庫1Fの最小のユニットとして、第2立体自動倉庫2Fの方向に長く延在する複数段の棚を有し平面視で互いに平行に平面視で左右配置に所要間隔離間している一対のラック11と、各ラック11の各段の棚の第2立体自動倉庫2Fとは反対側の端に設けられた待機コンベヤ12と、昇降ガイドタワー18と昇降ガイドタワー18に左右で独立してガイドされて昇降自在である一対のテーブルコンベヤ17,17を有し、一対の待機コンベヤ12が所要段の待機コンベヤ12と同一高さに停止し待機コンベヤ12との間で第1コンテナAの受け取り・受渡を行う機能を有する昇降装置16と、一対のラック11の各段の棚間を走行し棚および待機コンベヤ12との間で第1コンテナAの受け取り・受渡を行う機能を有する移載シャトル13とを備えている。
図22に示すように、立体自動倉庫システム100Fは、最小のユニットの第1立体自動倉庫1F(この最小ユニットをアイルと称する)を横並びに5基有している。各アイルの昇降装置16の第2立体自動倉庫2Fとは反対側(システム前側)に、一対のテーブルコンベヤ17,17との間で第1コンテナAの受け取り・受渡を行う第1コンテナ搬送手段3Fを有する。
全部の第1コンテナ搬送手段3Fに共通の第1空箱供給コンベヤ62と第1出荷箱搬出コンベヤ63と第1コンテナ搬出コンベヤ64を有する。第1GTPステーション10Aにおいて、第1コンテナ搬送手段3Fに対応して、ピッキング作業者M1またはロボット71により第1コンテナA内の商品の所要数量を第1出荷箱C1に移し替える。
また、一端が昇降装置16の一対のテーブルコンベヤ17,17に近接しかつ各アイルの下側に通されて第2立体自動倉庫2の方向に延びて、第1立体自動倉庫1Fと第2立体自動倉庫2Fとの間に延びている第2コンテナ搬送手段4Fを構成する、第1立体自動倉庫側コンベヤ4F2(Uターンコンベヤ)と、第2立体自動倉庫2から延びて第1立体自動倉庫側コンベヤ4F2に対応する近接する位置に延びる第2立体自動倉庫側コンベヤ4F1(Uターンコンベヤ)とを有する。第1立体自動倉庫側コンベヤ4F2と、第2立体自動倉庫側コンベヤ4F1は図15に示す第1立体自動倉庫側コンベヤ4E2と、第2立体自動倉庫側コンベヤ4E1ものと同等の搬送機を有する。
全部の第2コンテナ搬送手段4Fに共通の第2空箱供給コンベヤ65と第2出荷箱搬出コンベヤ66と第2コンテナ搬出コンベヤ67を有する。さらに、第2GTPステーション10Bにおいて、第2コンテナ搬送手段4Fに対応して、ピッキング作業者M2またはロボット72により第2コンテナB内の商品の所要数量を第2出荷箱C2に移し替える。
立体自動倉庫システム100Fの作用効果は、図15に示す立体自動倉庫システム100Dの作用効果と同一であり、説明を省略する。
立体自動倉庫システム100Fと、図15に示す立体自動倉庫システム100Dとの構成上の相違について、立体自動倉庫システム100Fは、第1立体自動倉庫1の長手方向(ラック11の長手方向)が第2立体自動倉庫2Fの方向に一致している。
すなわち、ラック11の長手方向が第2立体自動倉庫2Fの方向に延びており、この構成は、図15に示す第1の実施の形態に係る立体自動倉庫システム100Dのラック11の長手方向とは90度相違している。
したがって、立体自動倉庫システム100Fは、1つの昇降装置16一対のテーブルコンベヤ17,17が一対のラック11,11および一対の待機コンベヤ12,12に対応している。
立体自動倉庫システム100Fは、ピッキング作業者M1、ロボット71およびピッキング作業者M2、ロボット72が多配置なので、出荷箱数が極めて大量であり、図15に示す立体自動倉庫システム100D、図21に示す立体自動倉庫システム100Fでは入出庫処理が間に合わない場合に好適である。
[第7の実施の形態の変形例]
第7の実施の形態の変形例に係る立体自動倉庫システムについて、図22を参照して説明する。
図22において、各アイルの第2立体自動倉庫2F寄りの端にも、各段に待機コンベヤ12を設けるとともに、昇降装置16を設けても良い。このように構成する場合には、第2コンテナ搬送手段4Fの第1立体自動倉庫側コンベヤ4F2は第1立体自動倉庫1の下側部分を設けず、第1立体自動倉庫1の第2立体自動倉庫2寄りの昇降装置16と、第1立体自動倉庫1と第2立体自動倉庫2との間の短いスパンとなるように第1立体自動倉庫側コンベヤ手段を設けることができる。
[第8の実施の形態]
第8の実施形態に係る立体自動倉庫システムについて、図25-図27を参照して説明する。
図25は第8の実施形態に係る立体自動倉庫システムの第1立体自動倉庫と第1コンテナ搬送手段とを示す斜視図である。図26は第8の実施形態に係る立体自動倉庫システムの第1コンテナ搬送手段を示す正面図である。図27は第8の実施形態に係る立体自動倉庫システムの第1コンテナ搬送手段3を示す斜視図である。
図25、図26、図27に示すように、この立体自動倉庫システム100Gは、1階が貨物エリア(不図示)であり、第1立体自動倉庫1Gが、2階上段に配置されるラックと待機コンベヤと移載シャトルを有する第1立体自動倉庫2階部分1G1と、3階に配置されるラックと待機コンベヤと移載シャトルを有する第1立体自動倉庫3階部分1G2とに分かれて備えている。そして、立体自動倉庫システム100Gは、2階下段に配置される2つの第1コンテナ搬送手段3G1,3G2(Uターンコンベヤ)と、第1コンテナ搬送手段3G1,3G2の各Uターン部に設けられた第1GTPステーション10A1,10A2とを備えている。
第1立体自動倉庫の後方には、1~3階を1ホールとして、図示しない第2立体自動倉庫が配置される。この実施の形態では、第3の実施の形態と同様に、第1立体自動倉庫のラックの長手方向と、コンベヤの搬送方向とが同一方向である。
これに対して、図15に示す第1の実施の形態に係る立体自動倉庫システム100Dは、ラック11の長手方向と、コンベヤ31~41、45~53の搬送方向とは90度相違している。
図27に示すように、この立体自動倉庫システム100Gは、昇降装置16を中央に位置し、昇降装置16の両側に対向一対の第1コンテナ搬送手段3を有し、一対の第1コンテナ搬送手段3の搬送方向と直角方向の一方が出荷箱の搬出方向であり、他方が第2立体自動倉庫の方向に延びて第1コンテナAを搬送する第1コンテナ搬送手段側コンベヤ手段を備えている。
[その他の変形例]
図11に示す第1立体自動倉庫1は、第1立体自動倉庫内にオーダー商品が保管されておらず、第2立体自動倉庫内にオーダー商品が保管されている場合に、第2立体自動倉庫から第2コンテナを出庫し第1立体自動倉庫から出庫した空の第1コンテナにオーダー商品を入れ替える構成である。このようなコンテナ間での、オーダー商品を入れ替える構成は、図11に示す第1立体自動倉庫1の第2コンテナ搬送手段4Bに限定されるものでなく、以下のような構成とすることができる。
そのような立体自動倉庫システムは、例えば、第2立体自動倉庫から出庫する第2コンテナを第2GTPステイションの位置よりも第2立体自動倉庫側に延在するように第2立体自動倉庫側コンベヤを設けるとともに、第1立体自動倉庫から出庫する空の第1コンテナを第2GTPステイションの位置よりも第1立体自動倉庫側に延在するように第1立体自動倉庫側コンベヤを設ける。この場合、第2立体自動倉庫側コンベヤを平面視において第1立体自動倉庫側コンベヤに並列となるように設け、さらに、第2立体自動倉庫側コンベヤを第1立体自動倉庫側コンベヤよりも上方になるように設け、平面視において第2立体自動倉庫側コンベヤと第1立体自動倉庫側コンベヤとのすれ違い位置で、第2立体自動倉庫側コンベヤ上の第2コンテナを載置している当該コンベヤの一部がコンテナを180度転倒しかつ転倒後復帰するように設けられ、さらに180度転倒させたコンテナ内の商品を他方の低い位置のコンベヤ上の搬送部内に滑落案内するシュートを有し、シュートの下端が低い位置に設けられる第1立体自動倉庫側コンベヤ上の第1コンテナに入っている構成とすることができる。
本発明によれば、第1立体自動倉庫にオーダー商品が存在しない場合、第2立体自動倉庫から第1立体自動倉庫へのバックアップ補充を行うことができる。また、保管方式および入出庫方式の異なる第1立体自動倉庫と第2立体自動倉庫とをライン結合し、高中頻度出庫商品の入出庫を迅速な処理時間で取り扱うことができるとともに、出庫が低頻度で行われる夥しく多種類の商品に対する十分な保管量を確保でき、高中頻度出庫商品と低頻度出庫商品の入出庫管理を一元化できかつ好適な処理時間となるよう実現することができる。さらにオーダーの内容が、高中頻度出庫商品と低頻度出庫商品とが混ざる内容である場合にも、円滑に出荷箱に詰め替えることが容易に行えるという効果を有し、優れた立体自動倉庫システムを提供することができる。
なお、これまでの実施の形態の説明において、各部の間を物品を移送する手段は、コンベヤであるとして説明してきたが、コンベヤに加えて、あるいはコンベヤに代えて、無人で物品の移送が可能な無人移送車あるいは自走式台車(AGV、AMRなどとも呼ばれる)などのコンベヤによらない搬送手段を用いてもよい。
そのようにすると、設備の制約のあるコンベヤではなく、設備の制約がほとんどない無人移送車などをもちいることで、システムの構築が、速やかに、かつ、安価に実現でき、物量の増加などに対応するレイアウト変更などにも柔軟に対応できる。