JP7402846B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力伝達装置を構成する部品の接続構造に関する。
従来、シャフトに対してスプライン篏合によりクラッチが連結されている動力伝達装置が開示されている。例えば、下記特許文献1には、インプットシャフトにスプライン嵌合により接続されたクラッチ構造が開示されている。
実開昭和58-96115号公報
ここで、特許文献1の動力伝達装置のように、スプライン嵌合により軸体(例えばアウトプットシャフト)とクラッチとが接続された動力伝達装置では、シャフトと他の部材(例えばスリーブ)との間に形成されたスプラインにバックラッシが存在する。そのため、スリーブ等の他部材が動力伝達に寄与していない状態において、エンジン等の駆動源における回転変動をシャフトが受けると、スプラインのバックラッシにより、歯打ち音(部材同士が接触するカタカタという音)が発生することがある(スプライン同士の歯打ちによるノイズが発生)。すなわち、従来の動力伝達装置では、軸体へのクラッチ取り付けをスプライン嵌合により行っているため、スプラインのバックラッシにより回転変動時に歯打ち音が発生することがあった。
ここで、このような歯打ち音の発生を抑制するため、スリーブの端部にロックナット等を設けて固定する方法も考えられる。しかしながら、ロックナット等を用いることとすると、スリーブとシャフトとを接続するための部品が増えてコストが増加するとともに、軸長も長くなるという問題がある。
そこで本発明は、コスト増加を抑制しつつ、バックラッシに起因する異音の発生を抑制することができる動力伝達装置の提供を目的とした。
ここで、本発明の発明者らが検討したところ、軸体(例えばアウトプットシャフト)と接続部材(例えばスリーブ部材)との間にテーパ形状を設定することで、歯打ち音を抑制することができるとの知見に至った。より具体的に説明すると、軸体に設けられたギヤのスラスト力で接続部材(スリーブ部材など)に摩擦力を与え、スプライン嵌合している両部品(軸体及び接続部材)を一体回転させることができる。これにより、軸体及び接続部材間のバックラッシ分の動きを規制することが可能となる。その結果、両部品のスプライン歯打ちによるノイズの発生を低減することができる。
(1)上述の知見に基づき提供される本発明の動力伝達装置は、はすば歯車を備える軸体と、前記軸体に対して取り付けられたクラッチ装置と、を有する動力伝達装置であって、前記クラッチ装置を前記軸体に接続する接続部材を有し、前記接続部材は、スプライン嵌合により前記軸体の外周面に取り付けられており、前記接続部材の内周面には、テーパ部が形成されていることを特徴とする。
本発明の動力伝達装置によれば、スプラインにより接続された部分(スプライン嵌合部)以外の部分で摩擦力を生じさせて軸体及び接続部材を接続して(固定して)、スプラインのガタを抑えることができる。すなわち、スプライン嵌合部に加え、テーパ部が設けられた部分でも軸体と接続部材とが接続されるため、軸体及び接続部材間のバックラッシ分の動きを規制することができる。言い方を換えれば、テーパ部と軸体との接触部分が、回り止めとして機能する。これにより、部品同士のスプライン歯打ちによるノイズ発生を低減することができる。
また、本発明の動力伝達装置では、軸体への入力トルクと比例した摩擦力を付与することができる。具体的に説明すると、はすば歯車が回転時に受けるスラスト力により、接続部材と軸体との間に摩擦力が発生する。すなわち、トルク変動が大きい時は大きな摩擦力を付与することができる。そのため、入力側のトルク変動が大きくなっても、入力トルクに対応した摩擦力が生じるため、高トルクでも滑らず両部品(軸体及び接続部材)をしっかりと接続(固定)することができる。
さらに、本発明の動力伝達装置によれば、ロックナット等の部材により軸体及び接続部材を固定する構造に比べ、簡素な構造とすることができる。また、ロックナット等を用いて軸体及び接続部材を接続する場合と比較して、全長を短縮することができる。その結果、軽量化、低コスト化に貢献することができる。
(2)本発明の動力伝達装置は、前記軸体には、前記テーパ部と当接する部分であって、テーパ状に形成された当接部が設けられており、前記軸体の軸線を基準線として前記基準線に対する勾配を傾斜角度とした場合、前記テーパ部の前記傾斜角度は、前記当接部の前記傾斜角度よりも小さいものであるとよい。
上述の構成では、テーパ部の傾斜角度が軸体のテーパ部と当たる部分(当接部)よりも小さくなっており、当接部とテーパ部とが、接続部材の入口(はすば歯車側)ほど強く当たるような構成となっている。また、スラスト荷重入力時、接続部材の開口が微小に開き、テーパ部全面が当接部と接触する。すなわち、軸体にスラスト方向の力が作用した際に、テーパ部の入口側が先に当接部と接触する。これにより、テーパ部と当接部との間に高い摩擦力を発生させることができる。その結果、より確実に軸体と接続部材とを位置決めして、滑らないようにすることができる。
(3)本発明の動力伝達装置は、前記接続部材が、前記軸体を挿通可能なスリーブ部材であるとよい。
上述の構成によれば、簡易な構成でクラッチ装置を軸体に接続することができる。また、テーパ部やスプラインの形成が容易となる。
本発明によれば、コスト増加を抑制しつつ、バックラッシに起因する異音の発生を抑制することができる動力伝達装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る変速ユニットを示す断面図である。 図1の変速ユニットの後方側を示す断面図である。 図1の変速ユニットのスリーブ体近傍を拡大して示す図である。 図1の変速ユニットのテーパ部及び当接部近傍を拡大して示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る変速ユニット10(動力伝達装置)について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る変速ユニット10(動力伝達装置)は、車両に搭載されて、走行用の駆動源としてのエンジン2が発生する動力を変速するユニットである。なお、本実施形態で例示する変速ユニット10が搭載される車両は、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)ベースのパートタイム4WD(four-wheel-drive:4輪駆動)車である。
エンジン2は、たとえば、3気筒4ストロークエンジンであり、クランクシャフトが車体の前後方向に対して縦向きになる縦置きで搭載される。エンジン2の気筒数は、3気筒に限らず、4気筒以上であってもよいし、2気筒以下であってもよい。また、エンジン2のストローク数は、4ストロークに限らず、2ストロークであってもよい。
変速ユニット10(動力伝達装置)は、ユニットケース11、トルクコンバータ12、CVT20(Continuously Variable Transmission:無段変速機)、及びトランスファ60を有している。また、変速ユニット10には、前進クラッチ93、及び後進クラッチ94が設けられている。
変速ユニット10は、収容体をなすユニットケース11内に、トルクコンバータ12、CVT20、及びトランスファ60を収容した構成となっている。なお、ユニットケース11は、トルクコンバータ12、及びCVT20を収容するトランスミッションケース11aと、トランスファ60を収容するトランスファケース11bとを含んでいる。
<CVT>
CVT20は、トランスミッションケース11a内に収容されている。CVT20は、入力軸21、無段変速機構30、出力軸23、及びリバース伝達機構50を備えている。変速ユニット10は、CVT20の入力軸21が車両の前後方向に延びる縦向きとなる縦置きで配置されている。
入力軸21は、中空軸として形成されており、軸線がトルクコンバータ12の回転軸線と一致するように配置されている。また、入力軸21には、入力軸ギヤ22が一体に形成されている。入力軸21の前方Frの端部は、トルクコンバータ12内に挿入されている。
なお、以下の説明において、入力軸21の軸線が延びる方向を、単に「軸線方向X」と記載して説明する場合がある。
また、以下の説明では、動力源となるエンジン2からの入力方向(軸線方向X)において、動力源(エンジン)から見た手前(前方)を単に「前方Fr」と、奥側(後方)を単に「後方Rr」と記載して説明する場合がある。
出力軸23は、入力軸21に対して後方Rrに間隔を空けて配置されている。出力軸23は、軸線が入力軸21の軸線と沿うように配置されている。言い換えれば、入力軸21と出力軸23とは、軸線方向Xに間隔を空けて、車両の前後方向に沿った縦向きに延びる共通の軸線を有するように配置されている。出力軸23には、出力軸ギヤ24が一体に形成されている。出力軸ギヤ24は、後述するセカンダリ出力ギヤ35と噛み合っている。また、出力軸23には、当接部23a(図3参照)が設けられている。当接部23aについては、後で詳述する。
なお、出力軸ギヤ24は、はすば歯車となっている。そのため、出力軸ギヤ24がセカンダリ出力ギヤ35から回転動力を受けて回転すると、出力軸23には、軸線方向Xに沿って後方Rrに向けた力(スラスト方向の力)が作用する。
無段変速機構30は、プライマリ軸31、セカンダリ軸33、プライマリプーリ36、セカンダリプーリ39、及びベルト42を備えている。
プライマリ軸31は、軸線が入力軸21の軸線と沿うように(平行に)配置されている。また、プライマリ軸31は、入力軸21に対して径方向に離間した位置に設けられている。プライマリ軸31には、プライマリ入力ギヤ32が相対回転可能に取り付けられている。プライマリ入力ギヤ32は、入力軸ギヤ22と噛み合っている。
セカンダリ軸33は、軸線が入力軸21の軸線と沿うように(平行に)配置されている。また、セカンダリ軸33は、入力軸21の軸心に対して径方向に離間した位置に設けられている。セカンダリ軸33には、セカンダリ入力ギヤ34、及びセカンダリ出力ギヤ35が取り付けられている。
セカンダリ入力ギヤ34は、セカンダリ軸33の前方Fr側に設けられており、セカンダリ軸33に対して相対回転可能となっている。
セカンダリ出力ギヤ35は、セカンダリ軸33の後方Rr側に設けられている。また、セカンダリ出力ギヤ35は、セカンダリ軸33に対して相対回転不能に取り付けられている。セカンダリ出力ギヤ35は、出力軸23に設けられた出力軸ギヤ24と噛み合っている。
プライマリプーリ36は、プライマリ固定シーブ36a、及びプライマリ可動シーブ36bを備えている。プライマリ固定シーブ36aは、プライマリ軸31に固定されている。また、プライマリ可動シーブ36bは、プライマリ固定シーブ36aにベルト42を挟んで対向するよう配置されており、プライマリ軸31の軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持されている。プライマリ可動シーブ36bの前方Frには、シリンダ37が設けられている。また、プライマリ可動シーブ36bとシリンダ37との間には、油圧室(ピストン室)38が形成されている。
セカンダリプーリ39は、セカンダリ固定シーブ39a、及びセカンダリ可動シーブ39bを備えている。セカンダリ固定シーブ39aは、セカンダリ軸33に固定されている。また、セカンダリ可動シーブ39bは、セカンダリ固定シーブ39aにベルト42を挟んで対向するよう配置されており、セカンダリ軸33の軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持されている。セカンダリ可動シーブ39bの後方Rrには、ピストン40が設けられている。また、セカンダリ可動シーブ39bとピストン40との間には、油圧室41が形成されている。
ベルト42は、無端状に形成されている。ベルト42は、プライマリプーリ36及びセカンダリプーリ39に巻き掛けられている。より詳細に説明すると、ベルト42は、プライマリプーリ36側では、プライマリ固定シーブ36aとプライマリ可動シーブ36bとの間に挟まれた状態でプライマリプーリ36に巻き掛けられている。また、ベルト42は、セカンダリプーリ39側では、セカンダリ固定シーブ39aとセカンダリ可動シーブ39bとの間に挟まれた状態でセカンダリプーリ39に巻き掛けられている。
無段変速機構30では、プライマリプーリ36及びセカンダリプーリ39の各油圧室38,41に供給される油圧が制御されて、プライマリプーリ36及びセカンダリプーリ39の各溝幅が変更されることにより、ベルト変速比(プライマリプーリ36とセカンダリプーリ39とのプーリ比)が一定の変速比範囲内で連続的に無段階で変更される。
リバース伝達機構50は、入力軸21の動力(回転)をセカンダリ入力ギヤ34に伝達する機構である。リバース伝達機構50は、リバースアイドラ軸51、第1リバースギヤ52、及び第2リバースギヤ53を備えている。第1リバースギヤ52は、リバースアイドラ軸51と一体に形成されて、入力軸ギヤ22と噛み合っている。第2リバースギヤ53は、第1リバースギヤ52の後方Rrにおいて、リバースアイドラ軸51と一体に形成され、セカンダリ入力ギヤ34と噛み合っている。
<トランスファ>
トランスファ60は、出力軸23の動力(回転)を車両の前輪に伝達する機構である。トランスファ60は、伝達軸61、第1スプロケット62、第2スプロケット63、チェーン64、及びトランスファクラッチ70(クラッチ装置)を備えている。
なお、図2に示すように、変速ユニット10には、スリーブ体90が設けられており、トランスファクラッチ70(クラッチドラム71)はスリーブ体90を介して出力軸23に取り付けられている。また、変速ユニット10のクラッチハブ72には、支持部91が形成されており、トランスファクラッチ70のクラッチハブ72は支持部91が第1スプロケット62に取り付けられている。
スリーブ体90(接続部材)は、トランスファクラッチ70を出力軸23に接続する部材である。スリーブ体90は、略円形の断面形状を備える円筒状の部材であり、出力軸23を挿通可能なスリーブ部材となっている。図2に示すとおり、スリーブ体90は、出力軸ギヤ24と第1スプロケット62との間に配置されている。また、スリーブ体90は、後方Rr側の内周面にスプラインが形成されており、スプライン嵌合により出力軸23の外周面に取り付けられている。
また、図3に示すとおり、スリーブ体90には、接続部90a、及びテーパ部90bが設けられている。接続部90aは、スリーブ体90の外周面から外側に突出するように鍔状に形成されており、スリーブ体90の軸線方向の中央部であってセカンダリ軸33の後端部と軸径方向に対向する位置に形成されている。なお、テーパ部90bの形状や機能については、後で詳述する。
支持部91は、クラッチハブ72に形成されている。図3に示すとおり、支持部91は、第1スプロケット62とスリーブ体90との間に配置されている。支持部91は、出力軸23を取り囲む略円筒状の外嵌部91aと、外嵌部91aの前端部から径方向に延出するよう鍔状に形成された鍔状部91bとを一体的に有している。
外嵌部91aは、外周面にスプラインが形成されており、外周面が第1スプロケット62の延出部62aの内周面に形成されたスプラインと嵌合している(図3参照)。すなわち、外嵌部91aと第1スプロケット62の延出部62aとは、スプライン嵌合により相対回転不能に結合されている。一方、外嵌部91aの内周面は、出力軸23の周面と密着しておらず、出力軸23の外周面と外嵌部91aの内周面との間には、微小な隙間が形成されている(図3参照)。そのため、外嵌部91aは、出力軸23に対して相対回転可能となっている。
このように、支持部91は、第1スプロケット62との間で相対的な回転が不能となっており、かつ、出力軸23との間で相対的な回転が可能となっている。なお、スリーブ体90と支持部91との間には、それらの相対回転時のメカニカルロスを低減するため、スラストベアリング92が介在するように設けられている。
図1に示すとおり、伝達軸61は、出力軸23に対して径方向に間隔を空けた位置で、出力軸23と平行をなすように配置されている。第1スプロケット62は、トランスファケース11bに回転可能に支持されており、出力軸23に相対回転可能となっている。図2に示すとおり、第1スプロケット62には、前方Frに延びるように形成された延出部62aが設けられている。第2スプロケット63は、伝達軸61と一体に、伝達軸61から軸径方向に張り出す略円環板状に形成されている。第2スプロケット63の外周部には、複数の歯が周方向に等間隔で形成されている。チェーン64は、無端状に形成され、第1スプロケット62及び第2スプロケット63に巻き掛けられている。
トランスファクラッチ70(クラッチ装置)は、車両の後輪に対する動力伝達の許容及び規制を切り替えるために設けられている。トランスファクラッチ70は、第1スプロケット62の前方Frに設けられている。図2に示すとおり、トランスファクラッチ70は、クラッチドラム71、クラッチハブ72、クラッチピストン73、及びキャンセラ74を備えている。
図3に示すように、クラッチドラム71は、内周端が接続部90a(スリーブ体90)に相対移動不能に接続されている(固定されている)。クラッチドラム71の円筒状の部分(円筒状部)の内周面には、複数のクラッチディスク75が軸線方向に間隔を空けて並べて保持されている。
クラッチハブ72の円筒状の部分(円筒状部)の外周面には、複数のクラッチプレート76が軸線方向に間隔を空けて並べて保持されている。なお、クラッチディスク75とクラッチプレート76とは、軸線方向に交互に並べられている。また、上述のとおり、クラッチハブ72には、支持部91が形成されている。
クラッチピストン73は、クラッチドラム71とクラッチハブ72との間に、軸線方向に移動可能に設けられている。図2に示すとおり、クラッチピストン73は、スリーブ体90から屈曲を繰り返しつつクラッチディスク75に向けて延びている。クラッチピストン73の途中部分には、シール部材78が設けられている。シール部材78は、クラッチピストン73の位置にかかわらず、クラッチドラム71と液密的に当接する。これにより、クラッチドラム71とクラッチピストン73との間には、クラッチピストン73に作用する油圧が供給される油圧室77が形成されている。
キャンセラ74は、クラッチハブ72とクラッチピストン73との間に設けられている。キャンセラ74は、略円環板状に形成されている。キャンセラ74の内周端は、スリーブ体90に固定されている。キャンセラ74の外周端には、シール部材79が設けられている。シール部材79は、クラッチピストン73の位置にかかわらず、クラッチピストン73に当接する。クラッチピストン73とキャンセラ74との間には、リターンスプリング80が介在するように設けられている。このリターンスプリング80の付勢力(弾性力)により、クラッチピストン73とキャンセラ74とは、互いに離間する方向に弾性的に付勢されている。
クラッチピストン73は、油圧室77に供給される油圧によりクラッチディスク75側に移動し、クラッチディスク75を押圧する。この押圧により、クラッチディスク75とクラッチプレート76とが圧接し、トランスファクラッチ70が係合する。トランスファクラッチ70の係合により、クラッチドラム71とクラッチハブ72との相対回転が阻止されて、支持部91、出力軸23、及びスリーブ体90が一体的に回転し、支持部91の回転と一体的に第1スプロケット62が回転する。また、第1スプロケット62の回転(動力)は、チェーン64を介して第2スプロケット63に伝達され、第2スプロケット63を第1スプロケット62と同方向に回転させる。そして、第2スプロケット63と一体的に伝達軸61が回転する。
トランスファクラッチ70の係合状態から油圧室77の油圧が解放されると、リターンスプリング80の付勢力により、クラッチピストン73がキャンセラ74から離間する方向に移動し、クラッチピストン73によるクラッチディスク75の押圧が解除される。その結果、クラッチディスク75とクラッチプレート76との圧接が解除されて、トランスファクラッチ70が解放される。トランスファクラッチ70の解放により、クラッチドラム71とクラッチハブ72との相対回転が許容される。そのため、出力軸23及びスリーブ体90が回転しても、その回転は、支持部91及び第1スプロケット62に伝達されず、それゆえ、第1スプロケット62からチェーン64及び第2スプロケット63を介して伝達軸61にも伝達されない。
前進クラッチ93は、プライマリ軸31に対するプライマリ入力ギヤ32の回転を許容/禁止するために設けられている。前進クラッチ93は、クラッチドラム、クラッチハブ、及びクラッチピストン等を備えたクラッチ装置となっており、クラッチドラムとクラッチピストンとの間には、油圧室が形成されている。また、クラッチピストンは、リターンスプリングにより、後方Rrに弾性的に付勢されている。
油圧室に供給される油圧によりクラッチピストンが前方Frに移動してクラッチプレートを後方Rrから押圧すると、クラッチプレートとクラッチディスクとが圧接し、前進クラッチ93が係合する。一方、前進クラッチ93の係合状態から油圧が開放されると、リターンスプリングの付勢力により、クラッチピストンが後方Rrに移動し、クラッチディスクとクラッチプレートとの圧接が解除されて、前進クラッチ93が解放される。
前進クラッチ93が係合した状態(係合状態)では、プライマリ軸31に対するプライマリ入力ギヤ32の相対回転が禁止される。言い方を換えれば、前進クラッチ93の係合により、プライマリ軸31とプライマリ入力ギヤ32とが、一体的に回転する。一方、前進クラッチ93が解放された状態(解放状態)では、プライマリ軸31に対するプライマリ入力ギヤ32の相対回転が許容される。そのため、プライマリ入力ギヤ32が回転しても、その回転がプライマリ軸31に伝達されない。
後進クラッチ94は、セカンダリ軸33に対するセカンダリ入力ギヤ34の回転を許容/禁止するために設けられている。後進クラッチ94は、クラッチドラム、クラッチハブ、及びクラッチピストン等を備えたクラッチ装置となっている。後進クラッチ94のクラッチピストンはクラッチドラムに液密的に当接しており、クラッチドラムとクラッチピストンとの間には、クラッチピストンに作用する油圧が供給される油圧室が形成されている。また、クラッチピストンは、リターンスプリングにより、後方Rrに弾性的に付勢されている。
油圧室に供給される油圧により、クラッチピストンが前方Frに移動してクラッチプレートを後方Rrから押圧すると、クラッチプレートとクラッチディスクとが圧接し、後進クラッチ94が係合する。一方、後進クラッチ94の係合状態から油圧が開放されると、リターンスプリングの付勢力により、クラッチピストンが後方Rrに移動し、クラッチディスクとクラッチプレートとの圧接が解除されて、後進クラッチ94が解放される。
後進クラッチ94が係合した状態(係合状態)では、セカンダリ軸33に対するセカンダリ入力ギヤ34の相対回転が禁止される。言い方を換えれば、後進クラッチ94の係合により、セカンダリ軸33とセカンダリ入力ギヤ34とが、一体的に回転する。一方、後進クラッチ94が解放された状態(解放状態)では、セカンダリ軸33に対するセカンダリ入力ギヤ34の相対回転が許容される。そのため、セカンダリ入力ギヤ34が回転しても、その回転がセカンダリ軸33に伝達されない。
<動力伝達経路について>
続いて、車両の各走行状態における動力伝達経路について説明する。変速ユニット10が搭載された車両では、左右の後輪による二輪駆動状態(2WD状態)と、左右の前輪及び後輪による四輪駆動状態(4WD状態)とに切り替えることができる。以下では、前進時、後進時、二輪駆動状態時(2WD状態)、及び四輪駆動状態時(4WD状態)の各状態における動力伝達経路について説明する。
車両の前進時には、前進クラッチ93が係合されて、後進クラッチ94が解放される。エンジン2からトルクコンバータ12を介して入力軸21に入力された動力は、前進クラッチ93の係合により、入力軸ギヤ22からプライマリ入力ギヤ32を介してプライマリ軸31に伝達される。一方、入力軸21に入力される動力が入力軸ギヤ22からセカンダリ入力ギヤ34に伝達されて、セカンダリ入力ギヤ34が回転しても、後進クラッチ94の解放により、セカンダリ入力ギヤ34がセカンダリ軸33(セカンダリ軸33)に対して空転し、セカンダリ軸33に動力が伝達されない。
プライマリ軸31に伝達された動力は、プライマリプーリ36とセカンダリプーリ39とのプーリ比に応じたベルト変速比で変速されて、セカンダリ軸33に伝達される。そして、セカンダリ軸33に伝達される動力は、セカンダリ出力ギヤ35から出力軸ギヤ24を介して出力軸23に伝達される。
車両の後進時には、前進クラッチ93が解放されて、後進クラッチ94が係合される。エンジン2からトルクコンバータ12を介して入力軸21に入力された動力は、後進クラッチ94の係合により、入力軸ギヤ22からリバース伝達機構50及びセカンダリ入力ギヤ34を介してセカンダリ軸33に伝達される。このとき、セカンダリ軸33は、車両の前進時と逆方向に回転する。セカンダリ軸33に伝達された動力は、セカンダリ出力ギヤ35から出力軸ギヤ24を介して出力軸23に伝達される。
一方、入力軸21に入力された動力が入力軸ギヤ22からプライマリ入力ギヤ32に伝達されて、プライマリ入力ギヤ32が回転しても、前進クラッチ93の解放により、プライマリ入力ギヤ32がプライマリ軸31に対して空転し、プライマリ軸31に動力が伝達されない。
トランスファクラッチ70が解放されると、前輪への動力伝達が遮断されて後輪で走行する二輪駆動状態となる。前述したように、トランスファクラッチ70が解放された状態(二輪駆動状態)では、出力軸23の動力(回転)は、第1スプロケット62に伝達されないため、伝達軸61に伝達されない。一方、出力軸23の動力は、プロペラシャフトに伝達されて、プロペラシャフトからリヤデファレンシャルギヤ及びドライブシャフトを介して左右の後輪に伝達される。これにより、左右の後輪が駆動輪となって、車両が二輪駆動状態で走行する。
一方、トランスファクラッチ70が係合されると、前輪への動力が伝達されて前輪及び後輪で走行する四駆駆動状態となる。前述したように、トランスファクラッチ70が係合された状態(四輪駆動状態)では、出力軸23の動力が第1スプロケット62に伝達されて、第1スプロケット62の回転(動力)がチェーン64を介して第2スプロケット63に伝達される。これにより、第2スプロケット63が第1スプロケット62と同方向に回転し、第2スプロケット63と一体に伝達軸61が回転する。伝達軸61の回転は、フロントデファレンシャルギヤ及びドライブシャフトを介して左右の前輪に伝達される。
その一方で、出力軸23の動力は、プロペラシャフトに伝達されて、プロペラシャフトからリヤデファレンシャルギヤ及びドライブシャフトを介して左右の後輪に伝達される。これにより、左右の前輪及び後輪の全輪が駆動輪となって、車両が四輪駆動状態で走行する。
<出力軸とトランスファクラッチとの接続構造について>
次いで、出力軸23とトランスファクラッチ70との接続構造について詳細に説明する。
上述のとおり、変速ユニット10(動力伝達装置)では、出力軸ギヤ24は、はすば歯車となっている。また、出力軸23には、当接部23aが設けられている。さらに、スリーブ体90には、テーパ部90bが設けられている(図3参照)。
なお、以下のテーパ部90b及び当接部23aの説明において、出力軸23又はスリーブ体90の軸線を基準線Lとして基準線Lに対する勾配を、単に「傾斜角度θ1,θ2」と記載して説明する場合がある(図4参照)。
また、以下の説明では、スリーブ体90とスプライン嵌合している部分を単に「スプライン嵌合部B」と、それぞれ記載して説明する場合がある。
図3に示すとおり、当接部23aは、出力軸23の出力軸ギヤ24の近傍であって、出力軸ギヤ24よりも後方Rr側に形成されている。当接部23aは、出力軸23の外周面の一部がテーパ状に形成された部分となっており、テーパ部90bと当接する部分となっている。図4に示すとおり、当接部23aは、前方Frから後方Rrに向けて下り勾配となるような(前方Frから後方Rrに向けて径方向の大きさが縮小するような)テーパ状の部分となっており、所定の傾斜角度θ2とされている。
図3に示すとおり、テーパ部90bは、スリーブ体90の内周面に形成されており、スリーブ体90の内周面の一部がテーパ状に形成された部分となっている。より詳細に説明すると、テーパ部90bは、前方Fr側の開口近傍の内周面に形成されている。また、図4に示すとおり、テーパ部90bは、前方Frから後方Rrに向けて下り勾配となるような(前方Frから後方Rrに向けて径方向の大きさが縮小するような)テーパ状の部分となっており、所定の傾斜角度θ1とされている。
なお、図4に示すとおり、テーパ部90bの傾斜角度θ1は、当接部23aの傾斜角度θ2よりも僅かに小さい。より詳細に説明すると、テーパ部90bの傾斜角度θ1と当接部23aの傾斜角度θ2とは、公差程度の差異で傾斜角度θ1のほうが小さくなっている。言い方を換えれば、テーパ部90bは、当接部23aよりも僅かに緩傾斜となっている。
このように、変速ユニット10は、トランスファクラッチ70を出力軸23に接続するスリーブ体90を有しており、スリーブ体90は、スプライン嵌合により出力軸23の外周面に取り付けられている。また、スリーブ体90の内周面には、テーパ部90bが形成されている。
ここで、セカンダリ出力ギヤ35が回転すると、セカンダリ出力ギヤ35のトルクが出力軸ギヤ24に伝達される。この際、出力軸ギヤ24ははすば歯車となっているため、出力軸23には、スラスト方向(軸線方向Xの後方Rr)の力が作用する。言い方を換えれば、出力軸23は、スラスト方向A1に押される(図3中の矢印A1参照)。これにより、出力軸23は、スリーブ体90を後方Rr側に押すように僅かに変位する。この際、テーパ部90bの開口側(前方Fr側)は、当接部23aに押されて拡大するように僅かに変形する。
スリーブ体90は、テーパ部90bと当接部23aとの面接触により、出力軸23に対して周方向への移動が規制される(面接触による回り止め)。また、スリーブ体90は、後方Rrの端部近傍がスプライン嵌合で出力軸23と接続されるとともに、前方Frの端部近傍がテーパ部90bと当接部23aとの接触により回転が規制される。すなわち、スリーブ体90は、スラスト方向A1に押されて長手方向(軸線方向X)の二箇所(テーパ部90b及びスプライン嵌合部B)で出力軸23と係止されて、出力軸23と一体的に回転可能となる。
上述の構成により、変速ユニット10は、スプラインにより接続された部分(スプライン嵌合部)以外の部分で摩擦力を生じさせて出力軸23及びスリーブ体90を接続して(固定して)、スプラインのガタを抑えることができる。すなわち、スプライン嵌合部に加え、テーパ部90bが設けられた部分でも出力軸23とスリーブ体90とが接続されるため、出力軸23及びスリーブ体90間のバックラッシ分の動きを規制することができる。言い方を換えれば、テーパ部90bと当接部23aとの接触部分が、回り止めとして機能する。これにより、両部品のスプライン歯打ちによるノイズ発生を低減することができる。
また、変速ユニット10では、出力軸23への入力トルクと比例した摩擦力を付与することができる。具体的に説明すると、はすば歯車(出力軸ギヤ24)が回転時に受けるスラスト力により、スリーブ体90と出力軸23との間に摩擦力が発生する。すなわち、トルク変動が大きい時は大きな摩擦力を付与することができる。そのため、入力側のトルク変動が大きくなっても、入力トルクに対応した摩擦力が生じるため、高トルクでも滑らず両部品(出力軸23及びスリーブ体90)をしっかりと接続(固定)することができる。
さらに、変速ユニット10によれば、ロックナット等の部材により出力軸23及びスリーブ体90を固定する構造に比べ、簡素な構造とすることができる。また、ロックナット等を用いて出力軸23及びスリーブ体90を接続する場合と比較して、全長を短縮することができる。その結果、軽量化、低コスト化に貢献することができる。
ここで、テーパ部90bの傾斜角度θ1と、当接部23aの傾斜角度θ2とを、完全に一致するように形成することとすれば、テーパ部90bの面と当接部23aの面との間に高い摩擦力を発生させることができる。しかしながら、部品にテーパ形状を形成する際には公差があるため、二つの部品のテーパ角度を完全に一致させることは難しい。
これに対して、変速ユニット10では、テーパ部90bの傾斜角度θ1は、当接部23aの傾斜角度θ2よりも小さい(図4参照)。言い方を換えれば、テーパ部90bは、当接部23aよりも僅かに緩傾斜となっている。そのため、テーパ部90bや当接部23aに公差があっても、テーパ部90bの大径側(スリーブ体90の開口側)が先に当接部23aと当たって開口径が開き、テーパ部90bと当接部23aとを面接触させることができる。すなわち、当接部23aとテーパ部90bとが、はすば歯車(出力軸ギヤ24)側ほど強く当たるような構成となっている(スリーブ体90の入口側が強干渉となっている)。このように、変速ユニット10では、スラスト荷重入力時に、スリーブ体90の開口が微小に開き、テーパ部90bの略全面が当接部23aと面接触する。
このように、変速ユニット10では、出力軸23にスラスト方向の力が作用した際に、テーパ部90bの入口側が先に当接部23aと接触する。これにより、テーパ部90bと当接部23aとの間に高い摩擦力を発生させ、スリーブ体90が出力軸23に対して滑らないようにすることができる。
さらに、本実施形態の変速ユニット10では、スリーブ体90が、出力軸23を挿通可能なスリーブ部材となっている。
これにより、簡易な構成でトランスファクラッチ70を出力軸23に接続することができる。また、テーパ部90bやスプラインの形成が容易となる。
ここで、上述のとおり、トランスファクラッチ70は、クラッチドラム71がスリーブ体90を介して出力軸23に対して接続されている(固定されている)。その一方、トランスファクラッチ70は、クラッチハブ72が第1スプロケット62に接続されている。また、クラッチハブ72の外嵌部91a(支持部91)と延出部62a(第1スプロケット62)とは、スプライン嵌合により相対回転不能に結合されている。
このように、トランスファクラッチ70は、クラッチドラム71等が出力軸23と一体的に回転する構成となっており、クラッチハブ72等が出力軸23に対して相対回転可能な構成となっている。そのため、トランスファクラッチ70が解放された状態では、出力軸23やスリーブ体90は、第1スプロケット62やクラッチハブ72に対して、動力伝達が遮断された状態(フリーの状態)となる。言い方を換えれば、二輪駆動状態のときでは、出力軸23やスリーブ体90が、トランスファクラッチ70のクラッチハブ72や第1スプロケット62に対してフリーになる。
そのため、二輪駆動状態では、スリーブ体90が動きやすくなり、異音が発生しやすい。より詳細に説明すると、四輪駆動状態のときのように、出力軸23、スリーブ体90、トランスファクラッチ70、及び第1スプロケット62が一体的に回転する場合には、これらの部材が相互に動き難い状態となる。そのため、四輪駆動状態では、一体的に回転する部材同士の反力が作用して異音が発生しにくくなる。これに対して、二輪駆動状態のときには、出力軸23の回転に伴ってスリーブ体90も回転するものの、スリーブ体90は、出力軸23に対してスプラインの隙間の分だけ自由に動けるようになるため、異音が発生しやすい。
これに対して本実施形態の変速ユニット10では、上述のとおりスプラインにより接続された部分(スプライン嵌合部B)以外の部分(テーパ部90b)で摩擦力を生じさせて出力軸23及びスリーブ体90を接続して(固定して)スプラインのガタを抑えることができる。そのため、係合及び解放の切り替えが行われるクラッチ装置の取り付け構造としてスリーブ体90による係止構造を設けると、好適に異音の発生を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態に係る変速ユニット10(動力伝達装置)について説明したが、本発明は本実施形態に限定されない。
例えば、上述の実施形態に係る変速ユニット10は、変速比を無段階に変更可能な無段変速機構を備えるもの(CVT)を一例として示したが、本発明の動力伝達装置は上述の実施形態に限定されない。具体的には、本発明の動力伝達装置は、ギヤの切り替えにより変速を行うもの(通常のトランスミッション)を備えるものであってもよい。また、ギヤの切り替えは、自動で行うもの(AT:オートマティックトランスミッション)であってもよいし、手動で行うもの(MT:マニュアルトランスミッション)であってもよい。
また、上述の実施形態に係る変速ユニット10では、テーパ部90bの傾斜角度θ1が当接部23aの傾斜角度θ2よりも小さいもの(傾斜角度θ1<傾斜角度θ2)とした例を示したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。具体的には、本発明の動力伝達装置は、テーパ部の傾斜角度と当接部の傾斜角度とを一致する(傾斜角度θ1=傾斜角度θ2)よう構成してもよいし、テーパ部の傾斜角度を当接部の傾斜角度よりも大きいもの(傾斜角度θ1>傾斜角度θ2)としてもよい。
また、上述の実施形態に係る変速ユニット10では、出力軸23とトランスファクラッチ70とを接続する部材として、テーパ部90bを備えるスリーブ体90を設けた例を示したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。具体的には、テーパ部を備えるスリーブ部材を介して接続される部品は、出力軸以外の軸体(例えば入力軸、プライマリ軸、セカンダリ軸等)であってもよいし、トランスファクラッチ以外のクラッチ装置(例えば前進クラッチや後進クラッチなど)であってもよい。
また、上述の実施形態では、本発明の動力伝達装置の一例として、FRベースの4WD車に搭載される変速ユニット10を取り上げたが、本発明の動力伝達装置は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)ベースのパートタイム4WD車に搭載される動力伝達装置に適用してもよいし、RR(リヤエンジン・リヤドライブ)ベースのパートタイム4WD車に搭載される動力伝達装置に適用してもよい。
本発明は、上述した実施形態として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得る。上述した実施形態の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また実施形態の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素又は発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成してもよい。
本発明は、車両に用いられる動力伝達装置として、好適に採用することができる。
10 変速ユニット(動力伝達装置)
23 出力軸(軸体)
23a 当接部
24 出力軸ギヤ(はすば歯車)
90 スリーブ体(接続部材、スリーブ部材)
90b テーパ部
A1 スラスト方向
B スプライン嵌合部
L 基準線
θ1 傾斜角度
θ2 傾斜角度

Claims (1)

  1. はすば歯車を備える軸体と、前記軸体に対して取り付けられたクラッチ装置と、を有する動力伝達装置であって、
    前記クラッチ装置を前記軸体に接続する接続部材を有し、
    前記接続部材は、スプライン嵌合により前記軸体の外周面に取り付けられており、
    前記接続部材の内周面には、テーパ部が形成されており、
    前記軸体には、前記テーパ部と当接する部分であって、テーパ状に形成された当接部が設けられており、
    前記軸体の軸線を基準線として前記基準線に対する勾配を傾斜角度とした場合、
    前記テーパ部の前記傾斜角度は、前記当接部の前記傾斜角度よりも小さいことを特徴とする、動力伝達装置。
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