JP7402436B2 - 耐塑性変形性、耐チッピング性にすぐれたwc基超硬合金製切削工具および表面被覆wc基超硬合金製切削工具 - Google Patents

耐塑性変形性、耐チッピング性にすぐれたwc基超硬合金製切削工具および表面被覆wc基超硬合金製切削工具 Download PDF

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Description

本発明は、ステンレス鋼等の難削材の切削加工において、すぐれた耐塑性変形性を備え、すぐれた耐チッピング性を発揮するWC基超硬合金製切削工具(「WC基超硬工具」ともいう)および表面被覆WC基超硬合金製切削工具に関する。
本願は、2019年3月25日に、日本に出願された特願2019-057278号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
WC基超硬合金は硬さが高く、また、靱性を備えることから、これを基体とするWC基超硬工具は、すぐれた耐摩耗性を発揮し、また、長期の使用にわたって長寿命を有する切削工具として知られている。
しかし、近年、被削材の種類、切削加工条件等に応じて、WC基超硬工具の切削性能、工具寿命をより一段と向上させるべく、各種の提案がなされている。
例えば、特許文献1では、炭化タングステンを主成分とする硬質相と、鉄族元素(コバルトを含み、コバルトの含有量は超硬合金中において8質量%以上であることが好ましい)を主成分とする結合相とを備える超硬合金において、炭化タングステンの粒子数をA、他の炭化タングステン粒子との接触点の点数が1点以下の炭化タングステン粒子の粒子数をBとするとき、B/A≦0.05を満たすようにすることで、超硬合金の耐塑性変形性を向上させ、その結果として、炭素鋼、ステンレス鋼の湿式連続切削加工において、WC基超硬工具の長寿命化を図ることが提案されている。
特許文献2では、Co量が10~13質量%、Co量に対するCr量の比が2~8%、TaCとNbCの少なくとも1種をTaCとNbCの総量が0.2~0.5質量%となる範囲で含有し、残部がWCから成り、硬さが88.6HRA~89.5HRAであるWC基超硬工具において、研磨面上の面積比におけるWC積算粒度80%径D80と積算粒度20%径D20の比D80/D20を2.0≦D80/D20≦4.0の範囲とし、また、D80を4.0~7.0μmの範囲とし、かつWC接着度cを0.36≦c≦0.43とすることにより、ステンレス鋼に代表される難削材の切削加工において、被削材の凝着を防止し耐欠損性を向上させることが提案されている。
特許文献3では、WC基超硬合金製ドリルにおいて、WC基超硬合金の成分組成を、WC-x質量%Co-y質量%Cr-z質量%VCで表したとき、6≦x≦14、0.4≦y≦0.8、0≦z≦0.6、(y+z)≦0.1xを満足し、また、WC基超硬合金のWC接着度Cを、C=1-V α・exp(0.391・L)で表したとき、この式におけるWC基超硬合金の結合相体積率の値Vは0.11≦V≦0.25、また、(WC粒子の粒度分布の標準偏差)/(平均WC粒度)の値Lは0.3≦L≦0.7の範囲内であって、さらに、係数αが0.3≦α≦0.55の値を満足するWC接着度Cを有するWC基超硬合金とすることにより、Al合金、炭素鋼等の切削加工において、硬さと剛性を低下させることなく靱性を向上させ、耐欠損性を高めたWC基超硬合金製ドリルが提案されている。
特許文献4では、WC基超硬工具において、WC-WC接着界面長さをL1とし、WC-Co接着界面長さをL2とした時、
R>(0.82-0.086×D)×(10/V)
の式を満足させることにより、Ni基耐熱合金の切削加工において、WC基超硬工具の耐熱塑性変形性と靱性を向上させることが提案されている。
なお、R=(L1)/((L1)+(L2))
D:WC面積平均粒径(μm)であって、0.6≦D≦1.5の範囲である。
ここで、前記Dは、WCの面積率が50%となるときのWCの粒径をいう。
V:結合相体積(vol%)であって、9≦V≦14の範囲である。
特許文献5では、種々の粒径分布を有するWC粉末をバインダー金属と加圧成形剤とともに混練することなく湿式混合し、乾燥すること、加圧成形すること、及び焼結することを含み、前記WC粉末の粒は、小さな粒のグループが最大粒径amaxを有し且つ大きな粒のグループが最小粒径bminを有する二つのグループに分類され、且つ各グループがWC粒の総量の少なくとも10%を含有し、bmin-amax>0.5μmでありかつ各グループ内の粒径変動が>1μmである双峰粒径分布を備えるWC基超硬工具の製造方法が提案されている。
さらに、小さい粒のグループの粒を、粒成長抑制剤で予め被覆すること、大きな粒のグループの粒を、バインダー金属で予め被覆すること、WC基超硬工具は、WCと、4~20wt%のCoと、TiC、TaC、NbC、或いはWCを含有するこれらの混合物または固溶体としての<30wt%の立方晶炭化物とを含むこと、WCの粒は二つのグループに分類され、1.5μm以下の微細WC粒子対2.5~6.0μmの粗いWC粒子の重量比が、0.25~4.0の範囲にあることが提案されている。
そして、前記製造方法で作製したWC基超硬工具は、ステンレス鋼の旋削加工において、すぐれた耐摩耗性を示すとされている。
特許文献6には、炭化クロムを含有するWC基超硬合金において,結合相中に分散した複数の平均粒径の異なる2種類の炭化タングステン相を備え、前記2種類の炭化タングステン相の平均粒径の比が3≦平均粒径(大)/平均粒径(小)≦7であり,かつその体積比が1.5≦平均粒径(大)の体積/平均粒径(小)の体積≦3であり、前記結合相として,炭化クロムを0.5~2.0重量%,Coを5~15重量%含有し、前記炭化タングステン相の最大粒径が3.0μm以下であるエンドミル用WC基超硬工具が提案されている。
そして、前記エンドミル用WC基超硬工具においては、2種類の粒度の異なる炭化タングステン粒子を結合相中に分散させ,かつ結合相に炭化クロムを固溶強化させることによって,例えば、合金鋼のエンドミル加工において、すぐれた強度,靭性,クラック伝播抵抗性を示すとされている。
日本国特許第6256415号公報(B) 日本国特開2017-88999号公報(A) 日本国特開2017-148895号公報(A) 日本国特開2017-179433号公報(A) 日本国特許第4970638号公報(B) 日本国特許第3605740号公報(B)
前記特許文献1~6で提案されている従来のWC基超硬工具によれば、WC-WC粒子相互の接触点数、WC粒子の粒度、WC粒子の粒径分布、WC接着度等をコントロールすることによって、WC基超硬工具の切削性能、工具特性の向上を図っている。
しかし、前記従来の工具では、ステンレス鋼のような難削材の切削加工においては、耐塑性変形性が十分でなく、また、靱性が十分でないために亀裂の進展を抑制することが難しく、そのため、刃先の変形やチッピング等の異常損傷の発生を原因として、工具寿命は短命であった。
本発明者らは、ステンレス鋼のような難削材の切削加工において、すぐれた耐塑性変形性と耐チッピング性を発揮するWC基超硬工具を提供すべく、WC基超硬合金のWC粒子の形態に着目し、鋭意研究を進めたところ、次のような知見を得た。
即ち、本発明者らは、WC基超硬工具において、WC粒子相互がほぼ最密充填構造に近くなるような組織状態を形成したところ、WC粒子相互が強固なスケルトン構造を形成し、その結果として、WC―WC粒子間の接触長さが長くなり、WC-WC粒子の界面での粒界すべりの発生が低減されることで耐塑性変形性が向上することを見出した。
また、粗粒と微粒のWC粒子が合金組織中に混在していることで、WC基超合金中に亀裂が発生したとしても、直線的な亀裂の進展が抑制され、その結果として、WC基超合金の靱性が向上することを見出したのである。
したがって、WC基超硬合金中のWC粒子が最密充填構造に近い組織を備えるWC基超硬工具を、ステンレス鋼等の難削材の切削加工に供した場合には、耐塑性変形性の向上によって、工具の刃先の変形が抑制されるとともに、亀裂の進展が抑制されることによって、チッピング等の異常損傷の発生も抑制され、工具の長寿命化を図ることができるのである。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであって、以下の態様を備える。
(1)WC基超硬合金を基体とするWC基超硬合金製切削工具において、
前記WC基超硬合金の成分組成は、Co:5~14質量%、Cr:0.1~1.4質量%、残部はWC及び不可避不純物からなり、
前記WC基超硬合金の断面におけるWC粒子の粒径を測定し、面積基準で粒径分布を求めた場合、粒径分布には複数の極大値が存在し、粗粒側に形成された最頻値に対応する粒径をr1、一方、微粒側に形成された最頻値に対応する粒径をr2としたとき、粒径比率r2/r1が0.15以上0.60以下であり、かつ、r1の0.75~1.20倍の粒径のWC粒子の面積A1とr2の0.50~1.20倍の粒径のWC粒子の面積A2の合計に占めるr2の0.50~1.20倍の粒径のWC粒子の面積割合、すなわちA2×100/(A1+A2)が5~35面積%であることを特徴とするWC基超硬合金製切削工具。
(2)前記WC基超硬合金は、TaC、NbC、TiC及びZrCのうちから選ばれる少なくとも1種以上を合計量で4質量%以下、さらに含有することを特徴とする(1)に記載のWC基超硬合金製切削工具。
(3)(1)または(2)に記載のWC基超硬合金製切削工具の少なくとも切れ刃には、硬質被覆層が形成されていることを特徴とする表面被覆WC基超硬合金製切削工具。 なお、前記(1)、(2)におけるCr、TaC、NbC、TiC、ZrCの含有量は、WC基超硬合金の断面について測定したCr量、Ta量、Nb量、Ti量、Zr量を、いずれも炭化物換算した数値である。
本発明の態様のWC基超硬工具および表面被覆WC基超硬合金製切削工具(以下、「本発明のWC基超硬工具」及び「本発明の表面被覆WC基超硬合金製切削工具」とそれぞれ称する。)は、その基体を構成するWC基超硬合金の成分であるCo、Cr、あるいはさらに、TaC、NbC、TiC、ZrCが特定の組成範囲を有し、また、WC基超硬合金におけるWC粒子相互がほぼ最密充填構造に近い組織状態を備えることから、WC―WC粒子間の接触長さが長くなって、WC-WC界面の粒界すべりの発生が抑制され、切削工具としての耐塑性変形性にすぐれ、刃先の変形が抑制される。また、粗粒と微粒のWC粒子が合金組織中に混在していることで、WC基超合金中に亀裂が発生したとしても、直線的な亀裂の進展が抑制されることから、チッピング等の耐異常損傷性が向上する。
WC基超硬合金中において、3個の粗粒WCと1個の微粒WCからなる最密充填構造が形成される場合の模式図を示す。cos30°=(r1/2)/(r1/2+r2/2)=31/2/2の式を解いてr2/r1を求めると、r2/r1≒0.15となる(但し、r1は、粗粒WCの直径。r2は、微粒WCの直径)。 WC基超硬合金中において、4個の粗粒WCと1個の微粒WCからなる最密充填構造が形成される場合の模式図を示す。cos45°=(r1+r2)/(2×r1)=1/√2の式を解いてr2/r1を求めると、r2/r1≒0.414となる(但し、r1は、粗粒WCの直径。r2は、微粒WCの直径)。 切れ刃の逃げ面塑性変形量の測定模式図を示す。なお、上図(すくい面)は平面図、下図(逃げ面)は側面図である。切れ刃の逃げ面塑性変形量は、切削前の変形していない切れ刃稜線を基準とし、切削によって切れ刃稜線が押し込まれて変形した量を切削後に測定する。具体的な測定法は、工具の主切れ刃側逃げ面について、切れ刃から十分離れた位置で主切れ刃側逃げ面とすくい面が交差する稜線上に線分を引き、同線分を切れ刃部方向に延伸し、延伸した線分と切れ刃部稜線間の距離(延伸した線分の垂直方向)が最も離れている部分を測定し、これを切れ刃の逃げ面塑性変形量として求める。
以下、本発明について詳細に説明する。
Co:
Coは、WC基超硬合金の主たる結合相形成成分として含有させるが、Co含有量が5質量%未満では十分な靱性を保持することはできず、一方、Co含有量が14質量%を超えると急激に軟化し、切削工具として必要とされる所望の硬さが得られず、変形および摩耗進行が顕著になることから、WC基超硬合金中のCo含有量を5~14質量%と定めた。
Cr
Crは、主たる結合相を形成するCo中にCrが固溶し、Coを固溶強化することで、WC基超硬合金の強度を高める。しかし、この作用は、Cr含有量が、0.1質量%未満では不充分であり、一方、その含有量がCoの含有量に対し10%を超えると、CrとWの複合炭化物を析出し、靱性が低下し、また、欠損発生の起点となる。
本発明においてはCo含有量上限が14質量%であるため、Crの上限はCo含有量上限の10%である1.4質量%である。
したがって、WC基超硬合金中のCr含有量は、0.1~1.4質量%と定めた。
TaC、NbC、TiC、ZrC:
本発明のWC基超硬合金は、その成分として、さらに、TaC、NbC、TiC及びZrCのうちから選ばれる少なくとも1種以上を合計量で4質量%以下、さらに含有することができる。
TaC、NbC、TiC、ZrCはいずれも、耐酸化性や耐クレーター摩耗性を高める効果を有するが、それらを炭化物換算した合計含有量が4質量%を超えると、耐摩耗性が不十分となり、また凝集体が出来やすくなるため欠損発生の起点となる。
したがって、WC基超硬合金中の成分としてTaC、NbC、TiC及びZrCのうちから選ばれる少なくとも1種以上を含有させる場合には、その合計含有量は、4質量%以下とすることが望ましい。
なお、前記したCr、TaC、NbC、TiC、ZrCの含有量は、WC基超硬合金についてEPMAによって測定したCr量、Ta量、Nb量、Ti量、Zr量を、いずれも炭化物換算した数値である。
WC粒子の最密充填構造:
本発明のWC基超硬工具におけるWC基超硬合金中のWC粒子は、最密充填構造あるいは最密充填構造に近い組織を有するが、図1、図2の模式図により、これを説明する。
まず、図1について説明する。
図1は、粒径r1の3個の粗粒WC粒子1に囲まれた領域に粒径r2の1個の微粒WC粒子2が侵入し、3個の粗粒WC粒子1と1個の微粒WC粒子と2からなる最密充填構造が形成されている模式図を示す。
ここで、cos30°=(r1/2)/(r1/2+r2/2)
=31/2/2
であるから、上記の式を解くと、r2/r1≒0.156となる。
したがって、図1の模式図に示される様な最密充填構造を形成するためには、r2/r1の値は、ほぼ0.15でなければならない。
なお、ここでは、粗粒WC粒子1の粒径はすべてr1であり、また、微粒WC粒子2の粒径はすべてr2であると仮定した。
次に、図2について説明する。
図2は、粒径r1の4個の粗粒WC粒子1に囲まれた領域に粒径r2の1個の微粒WC粒子2が侵入し、4個の粗粒WC粒子1と1個の微粒WC粒子2とからなる最密充填構造に近い構造が形成されている模式図を示す。
ここで、図2に点線で示すような仮想格子を想定し、該仮想格子の格子長をaとすると、2×r1=√2×a
r1+r2=a
であるから、この式を解くと、r2/r1≒0.414となる。
したがって、図2の模式図に示される様なほぼ最密充填構造を形成するためには、r2/r1の値は、ほぼ0.42でなければならない。ただし、ここで得られた数値は、計算上の値であることから、この値を参考に本発明者らが実験的に確かめたところ、r2/r1=0.60までは耐塑性変形性が向上する効果を有することが判明したため、粒径比率の上限をr2/r1=0.60と定めた。
なお、ここでも、粗粒WC粒子1の粒径はすべてr1であり、また、微粒WC粒子2の粒径はすべてr2であると仮定している。
前記で求めたr2/r1の値は、すべてが同一径の粗粒WC粒子1であり、また、すべてが同一径の微粒WC粒子2であると仮定して算出した結果であるが、実際のWC基超硬合金は、WC粒子の径がそれぞれ異なっているから、前記の考え方を、WC粒子の最密充填構造を形成するための手法として直接適用することはできない。
しかし、この考え方を、WC基超硬合金を作製する際の原料粉であるWC粉に適用することによって、焼結後のWC基超硬合金におけるWC粒子の最密充填構造形成に役立てることができる。
例えば、粒径d1の粗粒WC粉末P1と、粒径d2の微粒WC粉末P2からなる混合粉末を用意し、この混合粉末を、Co粉末を含む他の原料粉末と混合し、粉砕の程度を極力抑えて粉砕・混合・攪拌し、ついでこれを焼結してWC基超硬合金焼結体を作製すると、WC基超硬合金焼結体中には、粒径r1と粒径r2のWC粒子が共存する焼結体組織が形成される。
ここで、WC基超硬合金のr1あるいはr2は、原料粉の粉砕・混合・攪拌工程において、粉砕の程度が低く抑えられていることから、粒径変化は少ないため、焼結体のWC粒子のr1あるいはr2は、ほぼd1あるいはほぼd2と同じ値であるといえる。
そうすると、仮に、WC原料粉末におけるd2/d1の値が、0.15~0.60の範囲であった場合には、WC基超硬合金におけるWC粒子のr1、r2の比率r2/r1は、ほぼ0.15~0.60の範囲となり、最密充填構造あるいはこれに近い組織となる。
但し、実際のWC粉末は、d1あるいはd2という単一の粒径を有するのでなく、粒径分布を有するから、WC基超硬合金におけるWC粒子の最密充填構造を形成するためには、原料粉末としてのWC粉末の粒径分布あるいはWC基超硬合金中におけるWC粒子の粒径分布を考慮しなければならない。
そこで、本発明者らは、粒径分布を特徴づけるファクターである最頻値に着目し、複数の極大値を持つ粒径分布中で、3μm以上の粗粒側に形成された最頻値に対応する粒径r1と、3μm未満の微粒側に形成された最頻値に対応する粒径r2とを関連付けて実験を行ったところ、後記実施例からも明らかなように、粒径比率r2/r1が0.15以上0.60以下であり、しかも、r1の0.75~1.20倍の粒径のWC粒子の合計面積A1とr2の0.50~1.20倍の粒径のWC粒子の合計面積A2の合計に占めるr2の0.50~1.20倍の粒径のWC粒子の合計面積割合、すなわちA2×100/(A1+A2)が5~35面積%になるように粗粒WC粉末と微粒WC粉末を配合して焼結体を作製した場合には、WC粒子が最密充填構造に近い構造をとるWC基超硬合金を作製し得ることを実験的に確認した。
即ち、後記の実施例によれば、r2/r1>0.60の場合には、粗粒WCと微粒WCの粒径差が小さくなりすぎるため、理想的な充填構造を乱してしまい、一方、r2/r1<0.15の場合には、微粒WCが粗粒WCの間隙に入り込んでもそれぞれが接触することが出来ずに理想的な充填構造を取ることが出来ないために、耐塑性変形性向上効果を与えることができない。
また、粗粒WC粉末と微粒WC粉末の合計に対する微粒WC粉末の配合割合が5体積%を下回った場合には、微粒WCがWC―WC粒子間の接触長さを十分に長くする効果を発揮出来ず、35体積%を上回った場合はWC基超硬合金における粗粒WC粒子同士が基礎の骨組みとなる最密構造を形成することができない。
前述のとおり、本発明では、WC基超硬合金におけるWC粒子の最密充填構造あるいはこれに近い構造を形成するためには、使用するWC原料粉末である粗粒WC粉末と微粒WC粉末それぞれの粒径分布を調整すること、さらに、粗粒WC粉末と微粒WC粉末の配合量調整が重要であり、これらを適正に調整することによって得られたWC基超硬合金からなるWC基超硬工具は、ステンレス鋼のような難削材の切削加工において、すぐれた耐塑性変形性と耐チッピング性を発揮するのである。
本発明における製造工程の特徴は、d2/d1の粒径比、かつ粒径d1の粒子と粒径d2の粒子の粒子量比を、r2/r1の粒径比と粒径r1の粒子と粒径r2の粒子の粒子量比と同等に出来るような素原料WCの選定・混合・焼結方法を用いることであり、それによって狙いの合金組織の達成を図っている。具体的には、素原料WCにおいては、多結晶WCでは混合過程で粒子が解砕・粉砕されて元の粒度からズレが起きる可能性があるため採用せず、単結晶WCのみを用いた。かつ、使用した素原料単結晶WCは上記と同様の理由から混合過程中に粒子が解砕されて元の粒度からズレが起きることを避けるため、凝集のない解砕品を使用した。そのWCの粒度分布は、レーザー回折・散乱式粒径分布測定方法によって測定をした時に、横軸をWC粒度、縦軸をWC頻度として表したガウス関数で近似することができ、その近似したガウス関数式から標準偏差(σ)を求めた時に粗粒WCは3σの値が0.20×d1の値以下、微粒WCは3σの値が0.20×d2の値以下となるようなものを選んだ。また、混合方法においては、WC粒子が粉砕されることで当初の素原料WCの粒径から変化してしまうことを避けるため、粉砕エネルギーの低い混合、望ましくはメディアレス混合を導入することとした。さらに、焼結方法においては、高温・長時間の焼結を行ってしまうとWCの粒成長が起きて元の粒度からのズレの要因となるため、合金中に巣(孔)が発生しない程度の低温・短時間での最適な焼結条件での焼結を行うこととした。
その思想を踏まえた上で、本発明のWC基超硬工具は、例えば、以下の工程によって作製することができる。
まず、異なる粒径分布を有する2種類の単結晶WC粉末を、所定の配合割合となるように配合し、さらに、Co粉末、Cr粉末からなる原料粉末、あるいは、必要に応じて、さらに、TaC粉末、NbC粉末、TiC粉末、ZrC粉末のうちの1種以上の粉末を含有する原料粉末を加え、例えば、メディア量を減らしたアトライターや、望ましくは超音波ホモジナイザー、サイクロンミキサーなどのメディアレス混合により、大きな破砕力を加えないような条件で配合・混合して、混合粉末を作製する。
ついで、前記混合粉末を成形して圧粉成形体を作製し、この圧粉成形体を、加熱温度:1300℃以上1500℃以下、望ましくは1300℃以上1400℃以下、かつ、加熱保持時間:15~120分、望ましくは15~60分、のような低温短時間での真空雰囲気の条件で焼結して、粒成長によるWCの形状や粒度分布の変化を抑制させるようにWC基超硬合金を作製する。
ついで、前記WC基超硬合金を、機械加工、研削加工し、所望サイズ・形状のWC基超硬工具を作製することができる。
前記の工程で作製されたWC基超硬工具は、WC―WC粒子間の接触長さが長くなって、WC-WC粒子の界面での粒界すべりの発生が低減されることで耐塑性変形性が向上し、また、粗粒と微粒のWC粒子が合金組織中に混在していることで、WC基超合金中に亀裂が発生したとしても、直線的な亀裂の進展が抑制され、靱性が向上する。
さらに、前記WC基超硬合金製切削工具の少なくとも切れ刃に、Ti-Al系、Al-Cr系等の炭化物、窒化物、炭窒化物あるいはAl等の硬質皮膜を、PVD、CVD等の成膜法により被覆形成することにより、表面被覆WC基超硬合金製切削工具を作製することができる。
なお、表面被覆WC基超硬合金製切削工具の作製にあたり、硬質皮膜の種類、成膜法は、当業者に既によく知られている膜種、成膜手法を採用すればよく、特に、制限するものではない。
本発明のWC基超硬工具および表面被覆WC基超硬合金製切削工具について、実施例により具体的に説明する。
(a)まず、焼結用の粉末として、粒径分布の異なる2種類の単結晶WC粉末(粒径分布の最頻値がd1(μm)である粗粒WC粉末と粒径分布の最頻値がd2(μm)である微粒WC粉末)と、Co粉末、Cr粉末、TaC粉末、NbC粉末、TiC粉末、ZrC粉末を用意する。
これらの粉末を、表1に示す配合組成、即ち、d2/d1が0.15以上0.60以下、かつ(最頻値がd2の微粒WC配合量)/(最頻値がd1の粗粒WC配合量+最頻値がd2の微粒WC配合量)が5~35%を満たすような粗粒と微粒のWC粒径比・配合比に配合して、焼結用粉末を作製した。
表1には、各種粉末の配合組成(質量%)を示すとともに、2種類のWC粉末の粒径分布のそれぞれの最頻値に相当する粒径d1、d2の値を示し、また、微粒WCと粗粒WCの配合比も示す。
なお、Co粉末、Cr粉末、TaC粉末、NbC粉末、TiC粉末、ZrC粉末の平均粒径(D50)は、いずれも、1.0~3.0μmの範囲内である。
(b)表1に示す配合組成に配合した焼結用粉末を、メディアレスのアトライター混合で回転数50rpm、8時間湿式混合し、乾燥した後、100MPaの圧力でプレス成形して圧粉成形体を作製した。
(c)ついで、これらの圧粉成形体を、加熱温度:1300℃以上1500℃以下、かつ、加熱保持時間:15~120分真空雰囲気の条件で焼結して、WC基超硬合金を作製した。
(d)ついで、前記WC基超硬合金を、機械加工、研削加工し、CNMG120408-GMのインサート形状の表3に示すWC基超硬工具1~11(以下、本発明工具1~11という)を作製した。
比較のために、比較例のWC基超硬工具1~9(以下、比較例工具1~9という)を製造した。
その製造工程は、表2に示す配合組成、即ち、d2/d1が0.15以上0.60以下、あるいは(最頻値がd2の微粒WC配合量)/(最頻値がd1の粗粒WC配合量+最頻値がd2の微粒WC配合量)が5~35%の範囲から外れるような粗粒と微粒のWC粒径比・配合比の焼結用粉末に対して、メディアレスのアトライター混合で回転数50rpm、8時間湿式混合し、乾燥した後、100MPaの圧力でプレス成形して圧粉成形体を作製した。
ついで、本発明工具1~11の製造工程における前記(c)、(d)と同じ工程を行うことにより、表4に示す比較例工具1~9を作製した。
本発明工具1~11及び比較例工具1~9のWC基超硬合金の断面について、EPMAにより、その成分であるCo、Cr、Ta、Nb、Ti、Zrの含有量を10点測定し、その平均値を各成分の含有量とした。
なお、Cr、Ta、Nb、Ti、Zrは、それぞれの炭化物に換算して含有量を算出した。
表3、表4に、それぞれの平均含有量を示す。
つぎに、本発明工具1~11及び比較例工具1~9のWC基超硬合金の断面について、後方散乱電子回折法(以下EBSD)を備えた走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、得られたWC粒の結晶方位マッピング像の画像解析により各WC粒の面積を測定し、さらに該WC粒を同一面積の円形に近似した時の直径を算出し、縦軸を粒子面積率(測定範囲内の全WC粒子の合計面積に占める該当する粒径をもつWC粒子の合計面積の割合)、横軸を粒径とする粒度分布グラフを作成した。この時の横軸は、0.2μm幅毎に区切り、最小値を0.1μmとする。WCの粒径は、その区切り幅の中間の値とする。
EBSDおよびSEMの観察に供する断面は、任意の断面であり、本実施例では逃げ面の最表面から100μm以上イオンミリングで加工した合金の断面を観察した。EBSDでの観察範囲は1視野24×72μmの視野で、測定範囲内にWC粒子数が4000個以上となるようにとした。EBSDでの観察条件は1ピクセルサイズを0.1μm×0.1μm、取り込み時間を15ms/pointとした。SEMでの観察範囲は1視野24×72μmの視野で、測定範囲内にWC粒子数が4000個以上となるようにとした。SEMでの観察条件は加速電圧を15k∨とした。
そのときに、複数の極大値を持つ粒径分布中で、3μm以上の粗粒側に形成された最頻値に対応する粒径をr1、一方、3μm未満の微粒側に形成された最頻値に対応する粒径をr2として求めた。
また、EBSD法によって抽出したWC粒子について、r1の0.75~1.20倍の粒径のWC粒子の合計面積A1(μm)とr2の0.50~1.20倍の粒径のWC粒子の合計面積A2(μm)を求め、r1の0.75~1.20倍の粒径のWC粒子の合計面積A1とr2の0.50~1.20倍の粒径のWC粒子の合計面積A2の合計に占めるr2の0.50~1.20倍の粒径のWC粒子の合計面積割合(A2×100/(A1+A2)。面積%)を求めた。
表3、表4に、測定結果を示す。製造工程において、粒子の粉砕・解砕のされにくい解砕済み単結晶WC粒子を用い、粒子の粉砕を避けたメディアレスの混合方法、粒成長が抑えられるような低温・短時間での焼結条件を導入したため、素原料の「d2/d1」が「r2/r1」に、粗粒WCと微粒WCの配合比率「(最頻値がd2の微粒WC配合量)/(最頻値がd1の粗粒WC配合量+最頻値がd2の微粒WC配合量)」が「A2×100/(A1+A2)」にほぼ反映された結果となったことが分かる。
Figure 0007402436000001
Figure 0007402436000002
Figure 0007402436000003
Figure 0007402436000004
また、前記本発明工具1~11、比較例工具1~9について、いずれも工具鋼製バイトの先端部に固定治具にてネジ止めした状態で、以下の湿式連続切削加工試験を行った。
被削材:JIS・SUS304(HB170)の丸棒、
切削速度:100m/min、
切り込み:2.0mm、
送り:0.5mm/rev、
切削時間:5分、
湿式水溶性切削油使用。
上記湿式連続切削加工試験後の、切れ刃の逃げ面塑性変形量を測定するとともに、切れ刃の損耗状態を観察した。なお、切れ刃の逃げ面塑性変形量は、工具の主切れ刃側逃げ面について、切れ刃から十分離れた位置で主切れ刃側逃げ面とすくい面が交差する稜線上に線分を引き、同線分を切れ刃部方向に延伸し、延伸した線分と切れ刃部稜線間の距離(延伸した線分の垂直方向)が最も離れている部分を測定し、切れ刃の逃げ面塑性変形量とした。また、逃げ面塑性変形量が0.04mm以上であった時、損耗状態を刃先変形とした。図3に、逃げ面塑性変形量の測定模式図を示す。
表5に、この測定結果を示す。
Figure 0007402436000005
また、前記本発明工具1~4、比較例工具1~4の切刃表面に、表6に示す平均層厚の硬質被覆層をPVD法あるいはCVD法で被覆形成し、本発明表面被覆WC基超硬合金製切削工具(以下、「本発明被覆工具」という)1~4、比較例表面被覆WC基超硬合金製切削工具(以下、「比較例被覆工具」という)1~4を作製した。
上記の各被覆工具について、以下に示す、湿式連続切削加工試験を実施し、切れ刃の逃げ面塑性変形量を測定するとともに、切れ刃の損耗状態を観察した。
切削条件:
被削材:JIS・SUS304(HB170)の丸棒、
切削速度:150m/min、
切り込み:2.0mm、
送り:0.5mm/rev、
切削時間:5分、
湿式水溶性切削油使用。
表7に、切削試験の結果を示す。
Figure 0007402436000006
Figure 0007402436000007
表5および表7に示される試験結果によれば、本発明工具および本発明被覆工具は、チッピングを発生することもなく、すぐれた耐塑性変形性を発揮することが分かる。
これに対して、比較例工具および比較例被覆工具は、耐チッピング性、耐塑性変形性に劣り、短時間で寿命に至った。
以上のとおり、本発明のWC基超硬工具および被覆工具は、ステンレス鋼等の難削材の切削加工に供した場合、すぐれた耐塑性変形性とともに、すぐれた耐チッピング性を有するが、他の被削材、切削条件に適用した場合にも、長期の使用にわたってすぐれた切削性能を発揮し、工具の長寿命化が図られることが期待される。
1 粗粒WC
2 微粒WC
3 すくい面
4 逃げ面
5 切刃
6 逃げ面塑性変形量
7 逃げ面とすくい面の交差する稜線を延伸した線分
L 格子長a

Claims (3)

  1. WC基超硬合金を基体とするWC基超硬合金製切削工具において、
    前記WC基超硬合金の成分組成は、Co:5~14質量%、Cr:0.1~1.4質量%、残部はWC及び不可避不純物からなり、
    前記WC基超硬合金の断面におけるWC粒子の粒径を測定して粒径分布を求めた場合、粒径分布には複数の極大値が存在し、粒径3μm以上の粗粒側に形成された最頻値に対応する粒径をr1、一方、粒径3μm未満の微粒側に形成された最頻値に対応する粒径をr2としたとき、粒径比率r2/r1が0.15以上0.60以下であり、かつ、r1の0.75~1.20倍の粒径のWC粒子の合計面積A1とr2の0.50~1.20倍の粒径のWC粒子の合計面積A2の合計に占めるr2の0.50~1.20倍の粒径のWC粒子の合計面積割合A2×100/(A1+A2)が5~35面積%であることを特徴とするWC基超硬合金製切削工具。
  2. 前記WC基超硬合金は、TaC、NbC、TiC及びZrCのうちから選ばれる少なくとも1種以上を合計量で4質量%以下、さらに含有することを特徴とする請求項1に記載のWC基超硬合金製切削工具。
  3. 請求項1または2に記載のWC基超硬合金製切削工具の少なくとも切れ刃には、硬質被覆層が形成されていることを特徴とする表面被覆WC基超硬合金製切削工具。
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