JP7391819B2 - 射出成形品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は射出成形品及びその製造方法に係り、特には重ねて配置された複数の板状のバスバーを樹脂部で被覆した構造の射出成形品及びその製造方法に関するものである。
従来、射出成形品を製造する方法の一種として、射出成形型を用いたインサート成形法がよく知られている。インサート成形法で製造される射出成形品は、基本的に、熱可塑性樹脂からなる樹脂部の内部にバスバー等のインサート材を埋設した構造を有している。インサート成形法により製造される射出成形品の製品例としては、車両のエンジンルーム内に配置される車載電子部品等を挙げることができる。このような車載電子部品の中には、所定間隔をあけて複数積層した板状のバスバーを樹脂部で被覆し、所定の回路を形成したものがある。例えば、射出成形品は、バスバーに形成された貫通穴にネジ等を挿通し、そのネジを締結して別部材に取り付けられることにより使用される。そして、このような射出成形品は、重ねて配置した状態の複数のバスバーを射出成形型のキャビティ内に配置して溶融した樹脂を射出することによって製造することができる。
ところで、上記のような射出成形品の製造方法としては、例えば特許文献1に記載されたものが従来知られている。この特許文献1では、通電板(バスバー)の隙間に絶縁性のスペーサを配置した状態で樹脂モールドすることが開示されている。また、この技術において使用されるスペーサは、台座に凸部を形成した略円柱状の部材であって、各バスバーに設けた貫通穴に凸部を挿入することにより、バスバーが支持される。その結果、射出成形型のキャビティ内にて複数のバスバーが位置決めされるとともに、各バスバーの隙間や周囲に樹脂を充填するための空間が保持されるようになっている。
特開2014-135168号公報
しかしながら、上記従来技術の場合、バスバーやスペーサはそれぞれ厚さや高さにばらつきがあるため、これらを重ねて配置することによりばらつきが累積し、結果としてバスバーの間隔がばらつくことがあった。よって、この場合にはバスバーを別部材に取り付ける位置がずれてしまい、取り付けにくくなるという問題があった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数のバスバーを重ねて配置して射出成形するときのバスバー間の間隔のばらつきを吸収することができる射出成形品及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、手段1に記載の発明は、互いに接離可能であり型閉め時に熱可塑性樹脂が射出されるキャビティを形成する第1型及び第2型と、前記第1型及び前記第2型の少なくとも一方に設けられるとともに成形時に中間体を押圧して支持可能な支持部とを備えた射出成形型を用いて、厚さ方向から見て少なくとも一部が重なる状態で複数配置された板状のバスバーを樹脂部で被覆してなる射出成形品を製造する方法であって、平板部の主面上に凸部を有する板状のスペーサを準備する第1工程と、複数の前記バスバーが厚さ方向から見て少なくとも一部が重なるように配置され、複数の前記バスバー間に前記スペーサを配置してなり前記凸部の先端が前記バスバーの主面に当接している状態になるように、前記中間体を前記第1型及び前記第2型の少なくとも一方にセットするとともに、その際に前記支持部に対応した位置に前記凸部を配置する第2工程と、前記射出成形型を型閉めする第3工程と、前記支持部の先端面とそれに相対する成形型構成部材の面とが所定の距離になるように前記中間体を挟み込み、前記支持部の押圧力で前記凸部の少なくとも一部を潰す第4工程と、前記キャビティ内に溶融した前記熱可塑性樹脂を充填する第5工程とを含むことを特徴とする射出成形品の製造方法をその要旨とする。
手段2に記載の発明は、第1型及び第2型を有し、前記第1型及び前記第2型間に配置され前記第1型及び前記第2型の型開閉方向と交差する方向に進退可能な少なくとも一つのスライド型を有し、前記第1型及び前記第2型が互いに近接する型閉め時に熱可塑性樹脂が射出されるキャビティを形成する型本体と、前記型本体に設けられるとともに成形時に中間体を押圧して支持可能な支持部とを備えた射出成形型を用いて、厚さ方向から見て少なくとも一部が重なる状態で複数配置された板状のバスバーを樹脂部で被覆してなる射出成形品を製造する方法であって、平板部の主面上に凸部を有する板状のスペーサを準備する第1工程と、複数の前記バスバーが厚さ方向から見て少なくとも一部が重なるように配置され、複数の前記バスバー間に前記スペーサを配置してなり前記凸部の先端が前記バスバーの主面に当接している状態になるように、前記中間体を前記スライド型、前記第1型及び前記第2型の少なくともいずれかにセットするとともに、その際に前記支持部に対応した位置に前記凸部を配置する第2工程と、前記射出成形型を型閉めする第3工程と、前記支持部の先端面とそれに相対する成形型構成部材の面とが所定の距離になるように前記中間体を挟み込み、前記支持部の押圧力で前記凸部の少なくとも一部を潰す第4工程と、前記キャビティ内に溶融した前記熱可塑性樹脂を充填する第5工程とを含むことを特徴とする射出成形品の製造方法をその要旨とする。
従って、手段1、2に記載の発明によると、バスバーやスペーサの厚さ等にばらつきがあったとしても、第4工程において、支持部の先端面とそれに相対する成形型構成部材の面(例えば、他の支持部の先端面等)とが所定の距離になるように凸部が潰される。その結果、複数のバスバーを重ねて配置して射出成形するときのバスバー間の間隔を一定に保つことができ、ばらつきを吸収することができる。
手段3に記載の発明は、手段1または2において、前記支持部は、前記第1型及び前記第2型の少なくとも一方にて前記型開閉方向に進退可能に設けられた少なくとも一つの支持ピン、または前記スライド型にて前記型開閉方向に交差する方向に進退可能に設けられた少なくとも一つの支持ピンであり、前記第4工程では、前記支持ピンを前進させて前記中間体を押圧することにより、前記凸部の少なくとも一部を潰すようにすることをその要旨とする。
従って、手段3に記載の発明によると、第4工程において支持ピンが型開閉動作とは別に前進することにより、支持ピンの先端面とそれに相対する成形型構成部材の面とが所定の距離になるように凸部が潰される。
手段4に記載の発明は、手段1乃至3のいずれか1項において、前記凸部は、先細り形状であることをその要旨とする。
従って、手段4に記載の発明によると、このような形状の凸部であることから、支持部の押圧力を付加したときに凸部の先端が潰れやすくなる。
手段5に記載の発明は、手段1乃至4のいずれか1項において、前記凸部は、同一面内における離間した複数箇所に設けられるとともに、ともに等しい高さを有していることをその要旨とする。
従って、手段5に記載の発明によると、キャビティ内において中間体が安定して支持された状態で射出成形が行われることになるため、同一面内における1箇所のみに凸部を設けた場合に比べ、バスバー間の間隔を容易に一定に保つことができる。
手段6に記載の発明は、手段1乃至5のいずれか1項において、前記スペーサは、前記バスバーを構成する金属材料よりも塑性変形しやすくかつ剛性が低い絶縁材料によって形成されていることをその要旨とする。
従って、手段6に記載の発明によると、支持部の押圧力をバスバーを介して付加した場合、凸部がバスバーよりも塑性変形しやすくかつ剛性が低い絶縁材料によって形成されていることから、凸部の先端が潰れやすくなる。
手段7に記載の発明は、手段1乃至6のいずれか1項において、前記スペーサの外周縁に前記バスバーの外周縁に当接する枠部を有することをその要旨とする。
従って、手段7に記載の発明によると、スペーサ外周縁の枠部がバスバーの外周縁に当接することにより、スペーサとバスバーとが互いに平面方向に位置ずれしにくくなる。
手段8に記載の発明は、手段3乃至7のいずれか1項において、前記射出成形型は、前記第1型に設けられた第1型側支持ピンと、前記第2型に設けられた第2型側支持ピンとを備えるとともに、前記第1型側支持ピン及び前記第2型側支持ピン同士が対向して配置されており、前記第4工程では、前記第1型側支持ピン及び前記第2型側支持ピンを前進させて、前記第1型側支持ピン及び前記第2型側支持ピンの先端面間の距離が一定になるように前記中間体を挟み込み、前記第1型側支持ピン及び前記第2型側支持ピンの押圧力で前記凸部を潰すようにすることをその要旨とする。
従って、手段8に記載の発明によると、対向して配置された第1型側支持ピン及び第2型側支持ピン同士で中間体を挟み込み、それら支持ピンの押圧力で凸部を潰すことにより、それら支持ピンの先端面に押圧力が集中しやすくなるとともに、先端面間の距離が制御しやすくなる。
手段9に記載の発明は、厚さ方向から見て少なくとも一部が重なる状態で複数配置された板状のバスバーを樹脂部で被覆してなる射出成形品であって、平板部の主面上に凸部を有する板状のスペーサを有するとともに、複数の前記バスバー間に前記スペーサが配置され、かつ前記凸部の先端が前記バスバーの主面に当接するとともに潰れた形状を有していることを特徴とする射出成形品をその要旨とする。
従って、手段9に記載の発明によると、バスバーやスペーサの厚さ等にばらつきがあったとしても、先端が潰れた形状の凸部の存在によってバスバー間の間隔が一定に保たれており、バスバーのばらつきを吸収することができる。
手段10に記載の発明は、手段9において、前記バスバーと前記スペーサとの隙間の少なくとも一部が前記樹脂部を構成する樹脂で埋められていることをその要旨とする。
従って、手段10に記載の発明によると、上記凸部の存在によってバスバーとスペーサとの間に隙間ができ、隙間の少なくとも一部が樹脂部を構成する樹脂で埋められている。このため、射出成形品に外部から力が加わった場合でも変形が生じにくくなり、製品の安定性や信頼性が向上する。
以上詳述したように、請求項1~10に記載の発明によると、複数のバスバーを重ねて配置して射出成形するときのバスバー間の間隔のばらつきを吸収することができる射出成形品及びその製造方法を提供することができる。
本発明を具体化した一実施形態の射出成形品を示す平面図。 射出成形品を構成する2つのバスバーを示す平面図。 (a)は射出成形品を構成するスペーサの平面図、(b)は(a)のA-A線における断面図、(c)は(a)のB-B線における断面図、(d)は(a)のC-C線における断面図。 2つのバスバー間にスペーサを配置してなる中間体を示す平面図。 図4のD-D線における分解断面図。 図4のD-D線における断面図。 射出成形型を開いて中間体を射出成形型内にセットした状態を示す概略断面図。 一対の支持ピン間に中間体を挟み込み、支持ピンの押圧力で凸部の少なくとも一部を潰した状態を示す概略断面図。 支持ピンの押圧力で凸部の少なくとも一部を潰した状態を示す部分拡大断面図。 キャビティ内に溶融した熱可塑性樹脂を充填した状態を示す概略断面図。 射出成形型から取り出された射出成形品を示す概略断面図。 (a)は上記実施形態の凸部を示す平面図及び側面図、(b)~(e)は別の実施形態の凸部を示す平面図及び側面図。 別の実施形態のスペーサを示す部分拡大平面図。 図13のE-E線における断面図。 別の実施形態の射出成形品を示す概略断面図。 別の実施形態の射出成形品を成形するための射出成形型を示す概略断面図。 別の実施形態の射出成形型において一対の支持突起間に中間体を挟み込み、支持突起の押圧力で凸部の少なくとも一部を潰した状態を示す概略断面図。 別の実施形態の射出成形型においてキャビティ内に溶融した熱可塑性樹脂を充填した後、スライド型を離間させて型開きした状態を示す概略断面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態の射出成形品及びその製造方法を図1~図11に基づき詳細に説明する。
図1、図11には、本実施形態の射出成形品11が示されている。この射出成形品11は、例えば車両のエンジンルーム内に配置される車載電子部品等を電気的に接続するための電気部品である。この射出成形品11は、射出成形法の一種であるインサート成形法を経て製造されるインサート成形品であり、導電金属製のバスバー12、13(図2参照)を所定のスペーサ21とともに熱可塑性樹脂製の樹脂部31で被覆して所定の回路を形成したものである。
図2に示されるように、本実施形態における2枚のバスバー(下側バスバー12、上側バスバー13)は、導電性を有する金属(例えば銅合金やアルミ合金など)の板材を打ち抜き加工して製造されたクランク状の部材である。これらバスバー12、13は、2つの屈曲部14を含む本体部15と、本体部15の両端に位置する接続端子部16とを有しており、各接続端子部16の先端部には図示しないボルト等の締結部材が挿通される貫通孔17がそれぞれ設けられている。これら2枚のバスバー12、13は、厚さ方向から見て一部(具体的には本体部15の一部)が重なる状態で平行に積層配置されている。その積層配置された部分を含む領域は、平面視で矩形状をした樹脂部31で被覆されている。一方、各接続端子部16は、樹脂部31で被覆されずに外部に露出している(図1参照)。なお、樹脂部31の形状や大さは限定されず、射出成形品11の用途等に応じて任意に変更されてもよい。
また、図1、図11に示されるように、射出成形品11における樹脂部31の外表面には、円形状をした複数の支持跡32がいくつか形成されている。これらの支持跡32は、後述する射出成形型51の支持ピン54、55を抜くときに形成された孔である。これらの支持跡32の部分からはバスバー12、13の主面が露出している。なお、図示された射出成形品11では、複数の支持跡32が残ったままとなっているが、例えばポッティング剤等を用いてこれら支持跡32を埋めて、バスバー12、13の主面を非露出の状態としてもよい。
射出成形品11における樹脂部31を形成するための樹脂材料としては、例えばガラス繊維入りのPPS(ポリフェニレンサルファイド)、ガラス繊維入りのPBT(ポリブチレンテレフタレート)等といった、絶縁性や耐熱性を有する樹脂材料を用いることができる。
図3~図6に示されるように、本実施形態のスペーサ21は、厚さ方向から見て本体部15が重なる状態で平行に積層配置された2枚のバスバー12、13間に配置される。なお、2枚のバスバー12、13間にスペーサ21を配置した樹脂被覆前の積層物のことを、以下「中間体36」と称する。このスペーサ12は絶縁性を有する樹脂を射出成形してなる部材であって、平面視で矩形状に形成されている。スペーサ21は、バスバー12、13を構成する金属材料よりも塑性変形しやすくかつ剛性が低い絶縁材料によって形成されていることが好ましい。本実施形態では、スペーサ21を形成する絶縁材料として、例えばガラス繊維入りのPPSやガラス繊維入りのPBT等といった絶縁性及び耐熱性を有する樹脂材料を用いている。なお、スペーサ21を形成する樹脂材料として、樹脂部31を形成する樹脂材料と同じ材料を用いるようにしてもよい。
このスペーサ21を構成する平板部22の第1主面22a側の外周縁には、バスバーの外周縁に当接する一対の枠部23が一体形成されている。これら枠部23の間にはバスバー保持溝24が形成され、そのバスバー保持溝24内には下側バスバー12の本体部15が保持されている。なお、下側バスバー12の本体部15の外周縁が枠部23の側面に当接することにより、下側バスバー12がスペーサ21に対して位置ずれ不能に保持される。
また、平板部22の第2主面22b側の外周縁には、バスバーの外周縁に当接する一対の枠部25が一体形成されている。これら枠部25の間にはバスバー保持溝26が形成され、そのバスバー保持溝26内には上側バスバー13の本体部15が保持されている。なお、上側バスバー13の本体部15の外周縁が枠部25の側面に当接することにより、上側バスバー13がスペーサ21に対して位置ずれ不能に保持される。
図3~図6に示されるように、本実施形態のスペーサ21の第2主面22b側におけるバスバー保持溝26内には、2つの凸部41が一体形成されている。本実施形態の凸部41は、先端41aにいくほど細くなる先細り形状であって、側面視で台形状を呈している。これら凸部41は、ともに等しい高さを有しており、バスバー保持溝26内における離間した2箇所に配置されている。また、凸部41の高さは、同じ側にある枠部25の高さより若干低く設定されており、凸部41の平面視での寸法(最大径)はバスバー保持溝26よりもいくぶん小さめ(例えば半分程度)に設定されている。なお、2枚のバスバー12、13間にスペーサ21を配置した状態では、これら凸部41の先端41aが上側バスバー13の本体部15の主面(図5、図6では下面)に当接し、上側バスバー13を支持するようになっている。
次に、本実施形態の射出成形品11を製造する方法について説明する。
図7~図10に示されるように、上記射出成形品11を射出成形するための射出成形型51は、上型52(第1型)、下型53(第2型)を備えている。上型52は下型53の上側に配置されており、上型52を上下方向に移動させることにより上型52及び下型53が互いに当接及び離間するように構成されている。上型52及び下型53が当接している型閉め時には、キャビティ61が形成される。このキャビティ61内には、図示しないゲート部を介して樹脂部31を形成するための熱可塑性樹脂57が射出されるようになっている。
上型52の内面における離間した2箇所、具体的にいうと中間体36を射出成形型51内にセットしたときに各凸部41が位置する箇所には、それぞれ第1型側支持ピン54(支持部)が下向きに配設されている。これらの第1型側支持ピン54は、図示しないピン駆動手段によって駆動されることにより、型開閉方向に前進または後退し所望の位置で停止するように構成されている。第1型側支持ピン54の前進時には、第1型側支持ピン54の先端面54aが上型52の内面から突出して中間体36の上面側(具体的には上側バスバー13の主面)に当接し押圧力を与えることができるようになっている。
また、下型53の内面における離間した2箇所、具体的にいうと各第1型側支持ピン54に対向した箇所には、それぞれ第2型側支持ピン55(即ち成形型構成部材の一種(別の支持部と把握してもよい。))が上向きに配設されている。これらの第2型側支持ピン55は、図示しないピン駆動手段によって駆動されることにより、型開閉方向に前進または後退し所望の位置で停止するように構成されている。第2型側支持ピン55の前進時には、第2型側支持ピン55の先端面55a(即ち成形型構成部材の面)が下型53の内面から突出して中間体36の下面側(具体的には下側バスバー12の主面)に当接し押圧力を与えるようになっている。なお、上型52及び下型53における所定箇所には、具体的にいうと中間体36を射出成形型51内にセットしたときに各接続端子部16が位置する箇所には、各接続端子部16を挟んで支持する複数の支持部(図示略)が配設されている。
そして、上記構成の射出成形型51を用いて射出成形を行うにあたり、まず、平板部22の主面22b上に凸部41を有する板状のスペーサ21を準備する(第1工程)。また、所定形状をした2本のバスバー12、13も準備する。
続く第2工程では、厚さ方向から見て一部が重なる状態で積層配置された下側バスバー12及び上側バスバー13の間にスペーサ21を挟み込むようにして配置して、中間体36とする(図5、図6参照)。このときの中間体36においては、各凸部41の先端41aが上側バスバー13の下面13aに当接している。なお、スペーサ21のバスバー保持溝24、26内に下側バスバー12及び上側バスバー13がそれぞれ保持されることにより、スペーサ21に下側バスバー12及び上側バスバー13が仮固定された状態となる。つまり、スペーサ21の外周縁の枠部23、25がバスバー12、13の外周縁に当接することにより、スペーサ21とバスバー12、13とが互いに平面方向に位置ずれしにくくなる。
そして、図7に示されるように、上型52を上方向へ移動させて上型52及び下型53を開いた状態にして、射出成形型51内に中間体36をセットする。具体的には、下型53における所定のワーク載置領域に中間体36を載置する。このとき、下型53には下側バスバー12の接続端子部16の形状に掘り込まれた部分(図示しない)が形成され、この掘り込まれた部分に下側バスバー12の接続端子部16を載置する。このようにすることで、掘り込まれた部分の側面に下側バスバー12の接続端子部16の外周縁が当たり、中間体36が水平方向に位置ずれすることなく下型53に配置される。また、下型53側にある第2型側支持ピン55をあらかじめ前進位置に配置しておき、その先端面55aを下型53の内面から突出させておく。これにより、中間体36の下面側、即ち下側バスバー12の下面12aにおける2箇所に第2型側支持ピン55の先端面55aが当接し、中間体36が水平に支持される。ここでスペーサ21には、第2型側支持ピン55の先端面55aに対応した位置に凸部41を形成しておく。
続く第3工程では、図8に示されるように上型52を下方向へ移動させて下型53と当接させることにより、射出成形型51を型閉めする。このような型閉じ動作が完了した状態になると、上型52及び下型53により挟持されることで中間体36が固定される。
また、上型52が下方向に移動するのに同期して、上型52側にある第1型側支持ピン54を前進させる。この動作により、第1型側支持ピン54の先端面54aと、それに相対する第2型側支持ピン55の先端面55aとの距離D1が一定になるようにして、これら先端面54a及び先端面55a間に中間体36を挟み込む。このとき、中間体36の厚さが距離D1より大きいと、第1型側支持ピン54及び第2型側支持ピン55によって中間体36の厚さ方向に押圧力が加わり、図9に示されるように凸部41の少なくとも一部が潰される。本実施形態では例えば先端41aが潰され、凸部41は高さが低くなるとともに幅が大きくなって変形している。ゆえに、射出成形を行う前に上側バスバー13及び下側バスバー12間の間隔を一定に保つことができる。なお、本実施形態では先細り形状の凸部41を形成しているため、押圧力を付加したときに凸部41の先端41aが潰れやすい。また、凸部41は支持ピン54が前進する方向と平行に突出しているため、支持ピン54の押圧力が凸部41に加わり、凸部41を潰しやすい。さらに、凸部41は同一面内における離間した2箇所に設けられていて、ともに等しい高さを有している。従って、1箇所のみに設けられた凸部41によって中間体36を支持する場合に比べて、中間体36がキャビティ61内において安定して支持される。
続く第5工程では、キャビティ61内に溶融した熱可塑性樹脂57を射出し、キャビティ61内に熱可塑性樹脂57を充填する。その結果、図10に示されるように、中間体36において各接続端子部16を除く部分が熱可塑性樹脂57で覆われて、樹脂部31が形成される。このとき、スペーサ21と上側バスバー13との隙間56の全部または一部も同じ熱可塑性樹脂57で埋められる。なお、スペーサ21と上側バスバー13との隙間56が狭いと、スペーサ21のうちの凸部41、41の間までは熱可塑性樹脂57が充填されないことがある。しかし、スペーサ21と上側バスバー13との隙間56に一部でも熱可塑性樹脂57が充填されていれば、スペーサ21と上側バスバー13との距離が安定して好ましい。また、スペーサ21の外周縁に形成された枠部23、25のうち、下面側の枠部23が下側バスバー12の外縁部に当接し、上面側の枠部25が上側バスバー13の外縁部に当接している。その結果、スペーサ21とバスバー12、13とが射出成形時に互いに平面方向に位置ずれしにくくなる。また、離間した2箇所にある高さの等しい凸部41により中間体36が安定的に支持されているため、射出成形の際にバスバー12、13間の間隔を容易に一定に保つことができる。
そして、充填が完了して熱可塑性樹脂57が冷却した後、第1型側支持ピン54及び第2型側支持ピン55を後退位置に移動させるとともに、上型52を上方向に移動させて射出成形型51を型開きすることにより、完成品である射出成形品11を型内から取り出す。以上の一連の工程を経ることにより、所望とする図1、図11の射出成形品11を製造することができる。
そして、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)上記製造方法により得られる本実施形態の射出成形品11は、上側バスバー13及び下側バスバー12と、平板部22の主面22b上に凸部41を有する板状のスペーサ21とからなる中間体36を樹脂部31で被覆した構造を備えている。このスペーサ21は、2枚のバスバー12、13間にてバスバー12、13と平行な状態で配置されている。また、凸部41の先端41aは上側バスバー13の下面13aに当接するとともに潰れた形状を有している。このような構造の射出成形品11は、バスバー12、13やスペーサ21の厚さ等にばらつきがあったとしても、先端41aが潰れた形状の複数の凸部41の存在によって、バスバー12、13間の間隔が一定に保たれる。従って、バスバー12、13の間隔のばらつきを吸収することができ、寸法の揃った良好な射出成形品11を得ることができる。よって、射出成形品11を別部材に取り付けるような場合でも、バスバー12、13が正しい位置にあることから、バスバー12、13の接続作業を容易に行うことができる。
(2)本実施形態の射出成形品11では、凸部41の存在によってバスバー12、13とスペーサ21との間に隙間56ができており、隙間56の少なくとも一部が樹脂部31を構成する樹脂(熱可塑性樹脂57)で埋められている。そのため、射出成形品11に外部から力が加わった場合でも変形が生じにくくなり、製品の安定性や信頼性が向上する。
(3)本実施形態のスペーサ21は、バスバー12、13を構成する金属材料よりも塑性変形しやすくかつ剛性が低い絶縁材料によって形成されている。また、このスペーサ21における凸部41は先細り形状に形成されている。このため、支持ピン54、55の押圧力をバスバー12、13を介して付加した場合、凸部41の先端を容易に潰すことができる。さらに、凸部41は、同一面内における離間した複数箇所に設けられるとともに、ともに等しい高さを有している。この場合、キャビティ61内において中間体36が安定して支持された状態で射出成形が行われることになる。そのため、同一面内における1箇所のみに凸部41を設けた場合に比べ、バスバー12、13間の間隔を容易に一定に保つことができる。
(4)本実施形態のスペーサ21は、その外周縁にバスバー12、13の外周縁に当接する枠部23、25を有している。そしてこれらの枠部23、25がバスバー12、13の外周縁に当接することにより、スペーサ21とバスバー12、13とが射出成形時に互いに平面方向に位置ずれしにくくなる。従って、第2、第3工程において中間体36を正しい位置にセットした状態で固定しやすくなり、さらに第4工程において支持ピン54、55のある所定の位置に凸部41を配置しやすくなる。ゆえに、凸部41を潰す押圧力を有効に作用させることができる。
(5)本実施形態では、対向して配置された第1型側支持ピン54及び第2型側支持ピン55との間に中間体36を配置したうえで、先端面54a、55a間の距離D1が一定になるように中間体36を挟み込み、それら支持ピン54、55の押圧力で凸部41を潰すようにしている。このようにすることで、支持ピン54、55の先端面54a、55aに押圧力が集中しやすくなる。また、先端面54a、55a間の距離D1が制御しやすくなる。
(6)本実施形態のスペーサ21は、バスバー13の下面13aに対して面接触してバスバー13を支持するものである。このため、特開2014-135168号公報の技術とは異なり、バスバー13の本体部15における被支持箇所に貫通孔を形成しておく必要がない。ゆえに、バスバー13の導電性を低下させる心配がない。
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、図12(a)に示されるように先細りした円錐台形状の凸部41を形成したが、これに限定されない。例えば、図12(b)~(e)に示す別の実施形態のようにしてもよい。図12(b)の凸部41Aは側面視で台形状を呈しているが、平面視では4方向に向かって壁部が延びた形状となっており、その壁部の中心に位置する先端41aが正方形状となっている。図12(c)の凸部41Bも側面視で台形状を呈しているが、平面視では3方向に向かって壁部が延びた形状となっており、その壁部の中心に位置する先端41aが正三角形状となっている。図12(d)の凸部41Cは台形の上に矩形を配置したような側面形状を有しているが、平面視では六角形状の外径を有しており、その中心に位置する先端41aも六角形状となっている。図12(e)の凸部41Dも台形の上に矩形を配置したような側面形状を有しているが、平面視では六角星形状の外径を有しており、その中心に位置する先端41aも六角星形状となっている。なお、ここに挙げた図12(b)~(e)に示す凸部41A、41B、41C、41Dは、いずれも先細りした形状であるため、高さ方向から押圧力を加えることにより比較的容易に先端41aを潰すことができる。なお、凸部の形状は図12(a)~(e)に示すもの以外のものであっても勿論よく、例えば先細り形状ではない凸部であってもよい。
・上記実施形態では、スペーサ21の第2主面22bに凸部41を形成したが、例えば凸部41を第1主面22aに形成してもよく、あるいは第1主面22a及び第2主面22bの両方に形成してもよい。また、上記実施形態では凸部41が同一面内における離間した2箇所に設けられていたが、3箇所以上であってもよく、あるいは1箇所のみであってもよい。
・上記実施形態では、支持ピン54、55の直径が凸部41の平面視での最大径とほぼ等しくなっており、一組の第1型側支持ピン54及び第2型側支持ピン55を用いて1つの凸部41に押圧力を加えるように構成されていた。しかし、これに限定されず、例えば一組の第1型側支持ピン54及び第2型側支持ピン55を用いて複数の凸部41に対して同時に押圧力を加えるように構成してもよい。図13、図14に示す別の実施形態のスペーサ21Aでは、一組の第1型側支持ピン54及び第2型側支持ピン55がある位置に対応して、3つの凸部41が配置されている。支持ピン54、55の直径は、凸部41の平面視での最大径よりも数倍大きく形成されている。このような構成であると、一組の第1型側支持ピン54及び第2型側支持ピン55で3つの凸部41に押圧力を加えることにより、3つの凸部41を同時に潰すことができる。
・上記実施形態では、第1型側支持ピン54及び第2型側支持ピン55を対向させて配置し、それら支持ピン54、55の先端面54a、55a間の中間体36を挟み込み、それら支持ピン54、55の押圧力で凸部41を潰すようにしたが、これに限定されない。つまり、第1型側支持ピン54の先端面54aに対向して配置される「成形型構成部材の面」は、第2型側支持ピン55の先端面55aでなく、それ以外のものでもよい。例えば、「成形型構成部材の面」は下型53の内面や、内面から突設された柱部の先端面などであってもよい。つまり、支持部は第1型や第2型に一体的に設けられた(即ち第1型や第2型に対して進退不能に設けられた)ものであってもよい。また、上記実施形態では支持部としてピン状のもの(即ち第1型側支持ピン54)を採用したが、ピン状ではない支持部を採用してもよい。
・上記実施形態では、スペーサ21を構成する材料として樹脂を選択したが、バスバー12、13を構成する金属材料よりも塑性変形しやすくかつ剛性が低い材料であれば、樹脂以外の材料を選択してもよい。
・上記実施形態では、スペーサ21の外周縁にバスバー12、13の外周縁に当接する枠部23、25を形成していたが、枠部23、25の形状や形成位置は任意に変更することができる。また、上記実施形態では、スペーサ21における第1主面22a及び第2主面22bの両方に枠部23、25を形成したが、第1主面22a側及び第2主面22b側のいずれか一方のみに形成してもよい。さらに、スペーサ21の外周縁に形成される構造物としては、必ずしも枠状でなくてもよく、バスバー12、13の平面方向の位置ずれを防止できるものであれば任意の形状であってもよい。また、上記のような枠部23、25は不要であれば省略してもよい。
・上記実施形態では、バスバー12、13の平面視形状は特に限定されず、用途に応じて任意の形状とすることができる。バスバー12、13の平面視形状は同じものでなくてもよく、異なっていても勿論よい。また、バスバー12、13は平板状に形成されていてもよいが、厚さ方向に折り曲げて形成されていてもよい。なお、本実施形態のバスバー12、13では各接続端子部16の先端部に貫通孔17を設けたが、はんだ付けやワイヤボンディングのような接続手法を採用する場合、貫通孔17は省略されてもよい。
・上記実施形態では、バスバー12、13及びスペーサ21を組み合わせて中間体36をあらかじめ構成した後、その中間体36を射出成形型51のキャビティ61内にセットするようにしたが、これに限定されない。例えば、射出成形型51の下型53に下側バスバー12、スペーサ21及び上側バスバー13を順次セットしながら中間体36を構成することで、射出成形型51内に中間体36をセットするようにしてもよい。
・上記実施形態では、2枚のバスバー12、13と1枚のスペーサ21を組み合わせて中間体36を構成したが、例えば3枚以上のバスバー12、13と2枚以上のスペーサ21を組み合わせて中間体36を構成しても勿論よい。
・上記実施形態では、バスバー12、13とスペーサ21との間の隙間56が熱可塑性樹脂57で埋められていたが、当該隙間56は必ずしも埋められていなくてもよい。
・上記実施形態のスペーサ21の形状に限定されず、熱可塑性樹脂57が流れやすい形状に形成してもよい。この場合、具体的にはスペーサ21の外形を流線形状にして熱可塑性樹脂57を流れやすくしたり、スペーサ21の枠部25を部分的に切り欠いてスペーサ21とバスバー13との間に熱可塑性樹脂57を入りやすくしたり、スペーサ21とバスバー13との間のうち熱可塑性樹脂57が流れにくい位置に凸部41をガイドとして形成し、熱可塑性樹脂57を流れやすくしたりすることが好ましい。また、図15に示す別の実施形態の射出成形品11Aのように、スペーサ21の縁部を丸角29に形成して熱可塑性樹脂57を流れやすくしてもよい。
・上記実施形態では、射出成形型51は上下方向に開閉する第1型及び第2型を備える縦型であったが、例えば水平方向に開閉する第1型及び第2型を備える横型であっても勿論よく、一般的な射出成形方法に適用することができる。
・上記実施形態では、第1型及び第2型を備える射出成形型51を用いて射出成形品を製造する例を示したが、第1型及び第2型にさらに1つまたは2つ以上のスライド型を備える射出成形型を用いて射出成形品を製造してもよい。例えば、図16~図18に示される別の実施形態の射出成形型71は、上型72(第1型)と、下型73、74(第2型)と、スライド型75、76とからなる型本体を備えている。上型72は下型73、74の上側に配置され、型開閉時に上下方向に移動する。上型72は略ハ字状に延びる2本のアンギュラピン77を下面に有している。図16において左右一対のスライド型75、76は、アンギュラピン77が挿通可能なアンギュラピン挿通孔78をそれぞれ有し、上型72と下型73、74との間に配置されている。これらスライド型75、76は、上型72と下型73、74の型開閉方向と直交する方向にそれぞれ進退可能である。具体的にいうと、型閉め時における上型72の下動に伴って各アンギュラピン77が各アンギュラピン挿通孔78に深く入り込むことにより、スライド型75、76が図16の水平方向に移動し、互いに近接する。上型72及び下型73、74が互いに近接してスライド型75、76を挟み込んだときに(図17参照)、型本体内にキャビティ61が形成される。そして、このキャビティ61内には、図示しないゲート部を介して樹脂部31を形成するための熱可塑性樹脂57が射出されるようになっている。
この別の実施形態の射出成形型71では、左側のスライド型75の内面における複数箇所に第1支持突起81(支持部)が一体形成され、右側のスライド型76の内面における複数箇所に第2支持突起82(成形型構成部材の一種(別の支持部と把握してもよい。))が一体形成されている。別体で形成された第1支持突起81及び第2支持突起82をスライド型75、76にそれぞれ設けても勿論よい。各第1支持突起81と各第2支持突起82とは対向する位置関係にある。スライド型75、76同士が近接する型閉め時には、各第1支持突起81の先端面81aと各第2支持突起82の先端面82a(成形型構成部材の面)とが所定の距離D1となり、中間体36を挟み込んで押圧する。そして図17に示されるように、このとき第1支持突起81及び第2支持突起82の押圧力で凸部41の少なくとも一部が潰される。
そして、上記構成の射出成形型71を用いて射出成形を行うにあたり、まず、平板部22の主面22b上に凸部41を有する板状のスペーサ21を準備する(第1工程)。また、所定形状をした2本のバスバー92、93も準備する。
続く第2工程では、厚さ方向から見て一部が重なる状態で積層配置されたバスバー92、93の間にスペーサ21を挟み込むようにして配置して、中間体36とする。なお、上記実施形態では中間体36を横置きにセットしたが、ここでは中間体36を型本体にて縦置きにセットする。具体的には、キャビティ61となるべき空間に中間体36を配置し、下型73、74間にバスバー92の下端を挟み込み、スライド型75、76の上面にバスバー92、93の上端側を面接触させて支持する。
続く第3工程では、上型72を下方向へ移動させて下型73、74及びスライド型75、76と近接させることにより、射出成形型71を型閉めする。このような型閉じ動作が完了した状態になると、左右一対のスライド型75、76がともに前進して近づき合うとともに、スライド型75、76間に中間体36が挟持されて固定される。第1支持突起81の先端面81aと、それに相対する第2支持突起82の先端面82aとの間には、凸部41が位置している。そしてこのとき、第1支持突起81及び第2支持突起82によって中間体36の厚さ方向に押圧力が加わり、凸部41の少なくとも一部が潰される(図17参照)。
続く第5工程では、キャビティ61内に溶融した熱可塑性樹脂57を充填することにより樹脂部31が形成され、型開きを経て、所望の射出成形品が製造される(図18参照)。
・上記別の実施形態では、スライド型75に第1支持突起81を進退不能に設け、スライド型76に第2支持突起82を進退不能に設けたが、支持部は型本体に対して進退可能であってもよい。例えば、第1支持突起81の代わりに、スライド型75の移動方向に進退可能な支持ピンをスライド型75に設けてもよい。また、第2支持突起82の代わりに、スライド型76の移動方向に進退可能な支持ピンをスライド型76に設けてもよい。
11…射出成形品
12…(下側)バスバー
13…(上側)バスバー
13a…バスバーの主面としての上側バスバーの下面
21、21A…スペーサ
22…平板部
22a…(平板部の)主面としての第1主面
22b…(平板部の)主面としての第2主面
23、25…枠部
31…樹脂部
36…中間体
41、41A、41B、41C、41D…凸部
41a…凸部の先端
51、71…射出成形型
52、72…第1型としての上型
53、73、74…第2型としての下型
54…支持部としての第1型側支持ピン
55…成形型構成部材としての第2型側支持ピン
54a、55a…(支持ピンの)先端面
56…隙間
57…(熱可塑性)樹脂
61…キャビティ
75、76…スライド型
81…支持部としての第1支持突起
82…成形型構成部材としての第2支持突起
81a…(第1支持突起の)先端面
82a…(第2支持突起の)先端面
92、93…バスバー
D1…距離

Claims (10)

  1. 互いに接離可能であり型閉め時に熱可塑性樹脂が射出されるキャビティを形成する第1型及び第2型と、前記第1型及び前記第2型の少なくとも一方に設けられるとともに成形時に中間体を押圧して支持可能な支持部とを備えた射出成形型を用いて、
    厚さ方向から見て少なくとも一部が重なる状態で複数配置された板状のバスバーを樹脂部で被覆してなる射出成形品を製造する方法であって、
    平板部の主面上に凸部を有する板状のスペーサを準備する第1工程と、
    複数の前記バスバーが厚さ方向から見て少なくとも一部が重なるように配置され、複数の前記バスバー間に前記スペーサを配置してなり前記凸部の先端が前記バスバーの主面に当接している状態になるように、前記中間体を前記第1型及び前記第2型の少なくとも一方にセットするとともに、その際に前記支持部に対応した位置に前記凸部を配置する第2工程と、
    前記射出成形型を型閉めする第3工程と、
    前記支持部の先端面とそれに相対する成形型構成部材の面とが所定の距離になるように前記中間体を挟み込み、前記支持部の押圧力で前記凸部の少なくとも一部を潰す第4工程と、
    前記キャビティ内に溶融した前記熱可塑性樹脂を充填する第5工程と
    を含むことを特徴とする射出成形品の製造方法。
  2. 第1型及び第2型を有し、前記第1型及び前記第2型間に配置され前記第1型及び前記第2型の型開閉方向と交差する方向に進退可能な少なくとも一つのスライド型を有し、前記第1型及び前記第2型が互いに近接する型閉め時に熱可塑性樹脂が射出されるキャビティを形成する型本体と、前記型本体に設けられるとともに成形時に中間体を押圧して支持可能な支持部とを備えた射出成形型を用いて、
    厚さ方向から見て少なくとも一部が重なる状態で複数配置された板状のバスバーを樹脂部で被覆してなる射出成形品を製造する方法であって、
    平板部の主面上に凸部を有する板状のスペーサを準備する第1工程と、
    複数の前記バスバーが厚さ方向から見て少なくとも一部が重なるように配置され、複数の前記バスバー間に前記スペーサを配置してなり前記凸部の先端が前記バスバーの主面に当接している状態になるように、前記中間体を前記スライド型、前記第1型及び前記第2型の少なくともいずれかにセットするとともに、その際に前記支持部に対応した位置に前記凸部を配置する第2工程と、
    前記射出成形型を型閉めする第3工程と、
    前記支持部の先端面とそれに相対する成形型構成部材の面とが所定の距離になるように前記中間体を挟み込み、前記支持部の押圧力で前記凸部の少なくとも一部を潰す第4工程と、
    前記キャビティ内に溶融した前記熱可塑性樹脂を充填する第5工程と
    を含むことを特徴とする射出成形品の製造方法。
  3. 前記支持部は、前記第1型及び前記第2型の少なくとも一方にて前記型開閉方向に進退可能に設けられた少なくとも一つの支持ピン、または前記スライド型にて前記型開閉方向に交差する方向に進退可能に設けられた少なくとも一つの支持ピンであり、
    前記第4工程では、前記支持ピンを前進させて前記中間体を押圧することにより、前記凸部の少なくとも一部を潰すようにする
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の射出成形品の製造方法。
  4. 前記凸部は、先細り形状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の射出成形品の製造方法。
  5. 前記凸部は、同一面内における離間した複数箇所に設けられるとともに、ともに等しい高さを有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の射出成形品の製造方法。
  6. 前記スペーサは、前記バスバーを構成する金属材料よりも塑性変形しやすくかつ剛性が低い絶縁材料によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の射出成形品の製造方法。
  7. 前記スペーサの外周縁に前記バスバーの外周縁に当接する枠部を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の射出成形品の製造方法。
  8. 前記射出成形型は、前記第1型に設けられた第1型側支持ピンと、前記第2型に設けられた第2型側支持ピンとを備えるとともに、前記第1型側支持ピン及び前記第2型側支持ピン同士が対向して配置されており、
    前記第4工程では、前記第1型側支持ピン及び前記第2型側支持ピンを前進させて、前記第1型側支持ピン及び前記第2型側支持ピンの先端面間の距離が一定になるように前記中間体を挟み込み、前記第1型側支持ピン及び前記第2型側支持ピンの押圧力で前記凸部を潰すようにする
    ことを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の射出成形品の製造方法。
  9. 厚さ方向から見て少なくとも一部が重なる状態で複数配置された板状のバスバーを樹脂部で被覆してなる射出成形品であって、
    平板部の主面上に凸部を有する板状のスペーサを有するとともに、複数の前記バスバー間に前記スペーサが配置され、かつ前記凸部の先端が前記バスバーの主面に当接するとともに潰れた形状を有している
    ことを特徴とする射出成形品。
  10. 前記バスバーと前記スペーサとの隙間の少なくとも一部が前記樹脂部を構成する樹脂で埋められていることを特徴とする請求項9に記載の射出成形品。
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