(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、第1の実施形態に係る商品読取装置を適用した商品販売データ処理システム及び商品読取プログラムを詳細に説明する。なお、本実施形態で説明する商品販売データ処理システムは、購入した商品について、顧客が自ら精算を行うセルフレジに関するシステムである。なお、以下に説明する実施形態により、この発明が限定されるものではない。例えば、実施形態に係る技術は、商品などの物品を搬送する搬送装置にも適用可能である。
図1は、第1の実施形態に係る商品読取装置1001を適用した商品販売データ処理システム1の一例を示す外観図である。図2は、図1の商品販売データ処理システム1の構成の一例を示すブロック図である。図1及び図2に示すように、商品販売データ処理システム1は、商品読取装置1001、会計装置30及び店舗サーバ50を備える。商品読取装置1001、会計装置30及び店舗サーバ50は、ネットワーク70を介して通信可能に接続される。
商品読取装置1001は、顧客が購入する商品HA,HB,HC,HDの商品情報を読み取る読取処理と、読取処理によって読み取られた商品HA,HB,HC,HDを登録する商品登録処理とを行う。以下、個々の商品HA,HB,HC,HDを特に区別しない場合、単に商品Hという。なお、商品Hの数及び形状は、図1に示す例に限定されるものではない。
会計装置30は、商品登録処理によって登録された商品Hに係る会計処理を行う。
店舗サーバ50は、店舗で取り扱う商品Hに関する商品マスタなどを記憶する。商品マスタの詳細については後述する。
より詳細には、商品読取装置1001は、図1及び図2に示すように、商品置台141、基台142、読取部15、作荷台143、取引別振り分け部18及び商品別振り分け部19を備える。
商品置台141は、顧客が購入する商品Hを一時的に載置する台である。例えば、顧客は、購入する商品Hが入ったカゴ20を商品置台141に載置する。
基台142は、商品置台141及び作荷台143を接続する筐体である。基台142は、商品置台141から作荷台143に向かって移動するベルトコンベア144を備える。ベルトコンベア144は、コンベア駆動モータ145によって駆動される。ベルトコンベア144は、矢印90が表す方向に沿って移動する。
例えば、顧客は、商品置台141に一時的に載置した商品Hを、ベルトコンベア144上の搬送開始位置AAに載せる。ベルトコンベア144は、搬送開始位置AAに載せられた商品Hを作荷台143へ向けて搬送する。以下、本実施形態においては、搬送開始位置AA側を上流、作荷台143側を下流という。ベルトコンベア144及びコンベア駆動モータ145は、搬送部の一例である。なお、ベルトコンベア144を搬送部と称しても良い。また、搬送部は、さらに、ベルトコンベア144及び作荷台143の間に設けられた傾斜部ABを含むものとしても良い。
なお、ベルトコンベア144の代わりにローラーコンベアが利用されても構わない。また、基台142の商品置台141側には、矢印90の方向を挟む両側面に誘導LEDが設けられていてもよい。この誘導LEDは、顧客にいずれの側のレーンを使用するかを案内する。
読取部15は、ベルトコンベア144によって搬送された商品Hの商品情報を読み取る。読取部15は、図1に示すように、上部及び側面が遮蔽されたトンネル形状の筐体を有する。トンネル形状の筐体は、読取処理に対する外部の明るさの影響を低減し、商品Hの商品情報の読み取りを安定させる。読取部15は、ベルトコンベア144のコンベア面を覆うように、上流側レーンに配置される。つまり、ベルトコンベア144によって搬送される商品Hは、読取部15のトンネル形状の筐体の内側を通過する。
読取部15は、図2に示すように、カメラ151及び無線タグリーダ152を有する。カメラ151は、ベルトコンベア144により搬送される商品Hを撮像し、画像(画像データ)を入出力I/F(Interface)132に供給する。カメラ151の撮像素子としては、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサなどの各種のイメージセンサが適宜利用可能である。また、カメラ151は、LED(Light Emitting Diode)等の光源からの光により、ベルトコンベア144のコンベア面やコンベア上の商品Hなどを照明する照明ユニットを有する。光源としては、LEDに限らず、例えばイメージセンサに応じて、各種の光源が適宜利用可能である。無線タグリーダ152は、読取部15の筐体内側のコンベア面の近傍に配置されたアンテナを介して、商品Hなどに付されたRFIDタグと交信を行う。無線タグリーダ152は、受信した電波に重畳された、RFIDタグからのタグ情報を読み取る。なお、RFIDタグは、無線タグの一例である。
作荷台143は、ベルトコンベア144によって搬送された商品Hを顧客が袋詰めするための台である。作荷台143の上面は水平となっており、当該面を、作荷スペースという。ベルトコンベア144で搬送された商品Hは、作荷台143に載置される。具体的には、ベルトコンベア144で搬送された商品Hは、ベルトコンベア144の搬送力と、ベルトコンベア144及び作荷台143の間に設けられた傾斜部ABとによって、作荷台143に流し込まれて載置される。例えば、顧客は、作荷台143に商品Hが載置された状態で会計装置30において会計作業を行い、その後、作荷台143上の作荷スペースで、商品Hの袋詰めを行う。
本実施形態に係る作荷台143は、少なくとも2つの作荷スペースを有する。図1に示す例では、作荷台143は、第1の通常作荷スペース14311、第1の分離作荷スペース14321、第2の通常作荷スペース14312及び第2の分離作荷スペース14322の4つの作荷スペースを有する。
本実施形態においては、第1の通常作荷スペース14311と第1の分離作荷スペース14321とが1セットの作荷スペースを構成し、第2の通常作荷スペース14312と第2の分離作荷スペース14322とが他の1セットの作荷スペースを構成する。本実施形態においては、第1の通常作荷スペース14311と第1の分離作荷スペース14321とを総称する場合、第1の作荷スペース群という。また、第2の通常作荷スペース14312と第2の分離作荷スペース14322とを総称する場合、第2の作荷スペース群という。
以下、第1の通常作荷スペース14311と第2の通常作荷スペース14312とを区別しない場合には、通常作荷スペース1431という。また、第1の分離作荷スペース14321と第2の分離作荷スペース14322とを区別しない場合には、分離作荷スペース1432という。
1回の商品取引につき、第1の作荷スペース群または第2の作荷スペース群のいずれか一方のみが使用されるものとする。換言すれば、商品読取装置1001を使用する顧客は、第1の作荷スペース群または第2の作荷スペース群のいずれか一方を使用する。例えば、ある顧客が第1の作荷スペース群で作荷作業をしている場合、次の商品取引に係る顧客は、第2の作荷スペース群で作荷作業を行う。
ベルトコンベア144によって搬送された商品Hは、通常作荷スペース1431と分離作荷スペース1432のいずれかに載置される。
例えば、通常作荷スペース1431には、通常の商品Hが載置される。また、分離作荷スペース1432には、振り分け対象の商品Hが載置される。本実施形態において、振り分け対象の商品Hは、重量が閾値よりも軽い商品、すなわち軽量商品であるものとする。なお、通常作荷スペース1431と分離作荷スペース1432の大きさは同じでも良いし、通常作荷スペース1431の方が分離作荷スペース1432よりも大きくても良い。なお、通常作荷スペース1431をメイン作荷スペース、分離作荷スペース1432をサブ作荷スペースと称しても良い。
以下、搬送開始位置AAから作荷台143まで商品Hが搬送される経路を、レーンと記載する。商品読取装置1001は、少なくとも2つのレーンを有する。より具体的には、本実施形態に係る商品読取装置1001は、図1に示すように、取引別振り分けバー181及び商品別振り分けバー1911,1912によって2段階に分岐した4つのレーン、すなわち第1の通常レーン14711、第1の分離レーン14721、第2の通常レーン14712及び第2の分離レーン14722を有する。
第1の通常レーン14711は、搬送開始位置AAから第1の通常作荷スペース14311で商品Hを搬送するレーンである。図1に示す例では、第1の通常レーン14711は、矢印90の方向に沿って、搬送開始位置AAから読取部15を経由し、さらに矢印91及び矢印911の方向に沿って、商品Hを搬送するレーンである。換言すれば、第1の通常レーン14711は、搬送開始位置AAと第1の通常作荷スペース14311とを接続するレーンである。なお、後述の商品別振り分けバー1911から第1の通常作荷スペース14311までを、第1の通常レーン14711と称しても良い。
また、第1の分離レーン14721は、搬送開始位置AAから第1の分離作荷スペース14321まで商品Hを搬送するレーンである。換言すれば、第1の分離レーン14721は、搬送開始位置AAと第1の分離作荷スペース14321とを接続するレーンである。図1に示す例では、第1の分離レーン14721は、矢印90の方向に沿って、搬送開始位置AAから読取部15を経由し、さらに矢印91及び矢印912の方向に沿って、商品Hを搬送するレーンである。なお、後述の商品別振り分けバー1911から第1の通常作荷スペース14311までを、第1の分離レーン14721と称しても良い。
また、第2の通常レーン14712は、搬送開始位置AAから第2の通常作荷スペース14312まで商品Hを搬送するレーンである。換言すれば、第2の通常レーン14712は、搬送開始位置AAと第2の通常作荷スペース14312とを接続するレーンである。なお、後述の商品別振り分けバー1912から第2の通常作荷スペース14312までを、第2の通常レーン14712と称しても良い。
また、第2の分離レーン14722は、搬送開始位置AAから第2の分離作荷スペース14322まで商品Hを搬送するレーンである。換言すれば、第2の分離レーン14722は、搬送開始位置AAと第2の分離作荷スペース14322とを接続するレーンである。なお、後述の商品別振り分けバー1912から第2の分離作荷スペース14322までを、第1の分離レーン14721と称しても良い。
以下、第1の通常レーン14711と第2の通常レーン14712とを区別しない場合は、通常レーン1471という。通常レーン1471は、第1のレーンの一例である。また、第1の分離レーン14721と第2の分離レーン14722を区別しない場合は、分離レーン1472という。分離レーン1472は、第2のレーンの一例である。また、通常レーン1471と分離レーン1472とを区別しない場合は、単にレーン147という。
通常レーン1471と分離レーン1472の幅は、同じ広さでも良いし、通常レーン1471の幅が分離レーン1472の幅よりも広くても良い。
本実施形態においては、第1の通常レーン14711と第1の分離レーン14721とが1セットのレーン147を構成し、第2の通常レーン14712と第2の分離レーン14722とが他の1セットのレーン147を構成する。本実施形態においては、第1の通常レーン14711と第1の分離レーン14721とを総称する場合、第1のレーン群という。また、第2の通常レーン14712と第2の分離レーン14722とを総称する場合、第2のレーン群という。1回の商品取引につき、第1のレーン群または第2のレーン群のいずれか一方のみが使用されるものとする。
なお、第1のレーン群において、後述の取引別振り分けバー181から商品別振り分けバー1911までの第1の通常レーン14711と第1の分離レーン14721との共通部分を、第1の取引別レーンと称しても良い。また、第2のレーン群において、後述の取引別振り分けバー181から商品別振り分けバー1912までの第2の通常レーン14712と第2の分離レーン14722との共通部分を、第2の取引別レーンと称しても良い。
第1のレーン群と第2のレーン群とは、第1の分離レーン14721と第2の分離レーン14722の間に位置する取引別仕切り板1461によって仕切られる。取引別仕切り板1461は、また、第1の作荷スペース群と、第2の作荷スペース群とを仕切っている。
第1のレーン群に含まれる第1の通常レーン14711と第1の分離レーン14721とは、商品別仕切り板14621によって仕切られる。第1の通常レーン14711の終着点である第1の通常作荷スペース14311と、第1の分離レーン14721の終着点である第1の分離作荷スペース14321ともまた、商品別仕切り板14621によって仕切られる。
第2のレーン群に含まれる第2の通常レーン14712と第2の分離レーン14722とは、商品別仕切り板14622によって仕切られる。第2の通常レーン14712の終着点である第2の通常作荷スペース14312と、第2の分離レーン14722の終着点である第2の分離作荷スペース14322ともまた、商品別仕切り板14622によって仕切られる。換言すれば、作荷台143上の作荷スペースが、取引別仕切り板1461及び商品別仕切り板14621,14622によって仕切られることにより、4つの作荷スペース(第1の通常作荷スペース14311、第1の分離作荷スペース14321、第2の通常作荷スペース14312、第2の分離作荷スペース14322)が形成される。
以下、商品別仕切り板14621と商品別仕切り板14622とを特に区別しない場合には、単に商品別仕切り板1462という。また、商品別仕切り板14621と商品別仕切り板14622と取引別仕切り板1461を特に区別しない場合には、単に仕切り板146という。
なお、図1は、仕切り板146により作荷台143が仕切られて4つの作荷スペース1431が設けられる場合を例示するが、これに限らない。4つの作荷スペース1431は、離間した位置にそれぞれ設けられていてもよい。
本実施形態においては、4つのレーン147は、搬送開始位置AAから取引別振り分けバー181までは、統合されている。
取引別振り分けバー181は、図1に示すように、読取部15よりもベルトコンベア144の下流側の位置に設けられる。より具体的には、取引別振り分けバー181は、取引別仕切り板1461の上流側の端部に近接して設けられる。第1のレーン群と第2のレーン群とは、取引別振り分けバー181を分岐点として分岐する。搬送開始位置AAから、矢印90の方向に沿って読取部15を経由して搬送された商品Hは、取引別振り分けバー181によって矢印91の方向に沿った第1のレーン群と、矢印92の方向に沿った第2のレーン群のいずれかに搬送される。
取引別振り分けバー181は、ベルトコンベア144によって搬送された商品Hを、少なくとも2つのレーンに振り分ける。本実施形態においては、取引別振り分けバー181は、ベルトコンベア144によって搬送された商品Hを、第1のレーン群または第2のレーン群に振り分ける。
なお、取引別振り分けバー181による分岐においては、第1のレーン群に含まれる2つのレーン147(第1の通常レーン14711及び第1の分離レーン14721)と、第2のレーン群に含まれる2つのレーン147(第2の通常レーン14712と第2の分離レーン14722)は分離していないため、取引別振り分けバー181は、ベルトコンベア144によって搬送された商品Hを、第1の通常レーン14711と第1の分離レーン14721との共通部分である第1の取引別レーンと、第2の通常レーン14712と第2の分離レーン14722との共通部分である第2の取引別レーンとの2つに振り分ける。
取引別振り分けバー181は、下流側を支点として回動可能に構成され、第1のレーン群または第2のレーン群のいずれか一方の進入口を閉塞することにより、進入口が開放されているレーン群の方に、商品Hを振り分ける。例えば、図1に示す例では、取引別振り分けバー181は、第2のレーン群の進入口を閉塞し、第1のレーン群の進入口を開放した状態である。この場合、上流から搬送された商品Hは、矢印91に沿って第1のレーン群に振り分けられる。
取引別振り分けバー181は、取引別バー駆動モータ182によって駆動される。本実施形態においては、図2に示すように、取引別振り分けバー181と、取引別バー駆動モータ182とを総称して取引別振り分け部18という。取引別振り分け部18は、第1の振分部の一例である。なお、取引別振り分けバー181を、第1の振分部の一例としても良い。
また、第1のレーン群において、第1の通常レーン14711及び第1の分離レーン14721は、商品別振り分けバー1911までは、統合されている。商品別振り分けバー1911は、図1に示すように、読取部15よりもベルトコンベア144の下流側の位置に設けられる。より具体的には、本実施形態において、商品別振り分けバー1911は、取引別振り分けバー181よりも下流であって、商品別仕切り板14621の上流側の端部に近接した位置に設けられる。第1の通常レーン14711及び第1の分離レーン14721は、商品別振り分けバー1911を分岐点として分岐する。
商品別振り分けバー1911は、ベルトコンベア144によって搬送された商品Hを、少なくとも2つのレーン147に振り分ける。本実施形態においては、商品別振り分けバー1911は、取引別振り分けバー181によって振り分けられた商品Hを、さらに少なくとも2つのレーン147に振り分ける。
具体的には、商品別振り分けバー1911は、ベルトコンベア144によって第1のレーン群に搬送された商品Hを、第1の通常レーン14711または第1の分離レーン14721に振り分ける。商品別振り分けバー1911は、上述の取引別振り分けバー181と同様に、下流側を支点として回動可能に構成される。商品別振り分けバー1911は、第1の通常レーン14711または第1の分離レーン14721のいずれか一方の進入口を閉塞することにより、進入口が開放されているレーン147の方に、商品Hを振り分ける。例えば、図1に示す例では、商品別振り分けバー1911は、第1の分離レーン14721の進入口を閉塞し、第1の通常レーン14711の進入口を開放した状態である。この場合、上流から搬送された商品Hは、矢印911に沿って第1の通常レーン14711に振り分けられる。
また、第2のレーン群において、第2の通常レーン14712及び第2の分離レーン14722は、商品別振り分けバー1912までは、統合されている。本実施形態においては、商品別振り分けバー1912は、取引別仕切り板1461を挟んで商品別振り分けバー1911と対象の位置に設けられる。具体的には、商品別振り分けバー1912は、取引別振り分けバー181よりも下流であって、商品別仕切り板14622の上流側の端部に近接した位置に設けられる。第2の通常レーン14712及び第2の分離レーン14722は、商品別振り分けバー1912を分岐点として分岐する。商品別振り分けバー1912の動作は、商品別振り分けバー1911と同様である。
以下、商品別振り分けバー1911,1912を特に区別しない場合には、単に商品別振り分けバー191という。商品別振り分けバー191は、商品別バー駆動モータ192によって駆動される。なお、図2では省略するが、商品別バー駆動モータ192は、商品別振り分けバー1911,1912のそれぞれに対応して、2台あるものとする。本実施形態においては、図2に示すように、商品別振り分けバー191と、商品別バー駆動モータ192とを総称して商品別振り分け部19という。商品別振り分け部19は、本実施形態における振分部の一例である。また、商品別振り分け部19を、第2の振分部の一例でもある。なお、商品別振り分けバー191を、振分部または第2の振分部の一例としても良い。
なお、図1では、取引別振り分けバー181及び商品別振り分けバー191の回動の支点がベルトコンベア144よりも下流側に位置する場合を例示したが、取引別振り分けバー181及び商品別振り分けバー191の回動の支点の位置は、図1に示す例に限定されるものではない。例えば、取引別振り分けバー181及び商品別振り分けバー191の回動の支点は、ベルトコンベア144による商品Hの搬送経路の途中に設けられていてもよい。つまり、取引別振り分けバー181及び商品別振り分けバー191の下流側にもベルトコンベア144が設けられていても構わない。この場合、取引別振り分けバー181の上流側及び下流側のベルトコンベア144、及び、商品別振り分けバー191の上流側及び下流側のベルトコンベア144は、それぞれ独立したコンベア面を有していてもよい。さらにこの場合には、傾斜部ABが設けられていなくてもよい。
なお、図1には、商品Hを各レーン147に振り分ける機構として取引別振り分けバー181及び商品別振り分けバー191を例示するが、これに限らない。商品Hを各レーン147に振り分ける機構としては、他のベルトコンベアやローラーコンベア、ロボットハンドなどが適宜利用可能である。
以下、同一又は類似の要素が複数のレーン147の各々に設けられる場合には、同一の参照符号とともに、それぞれ「1」及び「2」、または「A」及び「B」等を付して、適宜説明を省略する場合もある。また、複数のレーン147のうちのいずれのレーン147に設けられた要素であるかを問わない場合や各要素を総称する場合など、末尾の「1」、「2」、「A」又は「B」の記載を省略する場合もある。
商品読取装置1001は、図1及び図2に示すように、タッチパネルディスプレイ16及び操作ボタン17(171,172)をさらに備える。
タッチパネルディスプレイ16は、ディスプレイ及びタッチパネルを有する。ディスプレイは、例えば液晶パネルで構成される。タッチパネルは、ディスプレイの表面に設けられ、触れた位置に応じた情報を入出力I/F132に供給する。タッチパネルディスプレイ16は、上流側タッチパネルディスプレイ161(1611,1612)及び下流側タッチパネルディスプレイ162(1621,1622)を有する。
上流側タッチパネルディスプレイ161は、搬送開始位置AAの近傍に位置する顧客が表示画面を確認したり、操作したりできるように配置される。上流側タッチパネルディスプレイ161は、顧客が取引の開始又は終了を指示するための操作画面や読取部15により読み取られた商品Hに関する情報を表示する。
下流側タッチパネルディスプレイ162は、作荷台143の近傍に位置する顧客が表示画面を確認したり、操作したりできるように配置される。下流側タッチパネルディスプレイ162は、顧客が取引の終了を指示するための操作画面や読取部15により読み取られた商品Hに関する情報、一取引の合計金額等の会計処理に係る情報などを表示する。
操作ボタン17は、商品読取装置1001の筐体上に、搬送開始位置AAの近傍に位置する顧客が操作できるように配置される。操作ボタン17は、顧客により押下されたとき、入出力I/F132に操作信号を供給する。操作ボタン17は、顧客が一取引のすべての商品Hを搬送開始位置AAに載置した後に、顧客により押下される。ここで、操作ボタン17は、操作部の一例である。なお、操作部は、操作ボタン17に限定されるものではなく、レバーやスイッチ等の他の構成であっても構わない。
また、商品読取装置1001は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)121、RAM(Random Access Memory)122、HDD(Hard Disk Drive)123、通信I/F131及び入出力I/F132をさらに備える。CPU11、ROM121、RAM122、HDD123、通信I/F131及び入出力I/F132は、バスを介して接続される。
CPU11は、ROM121やHDD123に記憶された制御プログラムをRAM122にロードし、ロードされた制御プログラムを実行することにより、商品読取装置1001の動作を制御する。なお、商品読取装置1001は、GPU(Graphics Processing Unit)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の他のプロセッサをさらに有していてもよい。
ROM121は、CPU11が実行する各プログラムやパラメータなどのデータを記憶する不揮発性メモリである。
RAM122は、ワーキングメモリとして利用され、CPU11が演算処理を実行する際にデータが格納される揮発性メモリである。
HDD123は、商品読取装置1001の制御プログラム、商品マスタ、商品登録ファイル及び取引別振り分けバー181の位置を表す情報等のデータを記憶する。なお、HDD123に加えて、あるいはHDD123に代えて、SSD(Solid State Drive)やフラッシュメモリなどの他の不揮発性メモリが使用されても構わない。HDD123は、記憶部の一例である。
商品マスタは、店舗で取り扱っている商品Hの商品に関する情報を記憶したマスタファイルである。店舗で取り扱う商品は日々変化するため、商品読取装置1001は、通信I/F131を用いて、店舗サーバ50から、最新の商品マスタを取得する。
図3は、本実施形態に係る商品マスタMの一例を示す図である。図3に示すように、商品マスタMは、例えば、商品IDと、商品名と、商品Hの単価と、商品Hの重量と、商品Hの特徴量と、振り分け対象フラグとが対応付けられている。なお、商品マスタMは、さらに他の情報が対応付けられても良い。
商品IDは、商品Hを特定可能な識別情報である。具体的には、商品IDは、例えば商品識別番号であるJANコード(13桁又は8桁)であるが、これに限定されるものではない。図3に示す例では、商品ID“H0001”~“H0004”は、それぞれ、順に、図1に示す商品HA,HB,HC,HDの商品IDとする。
商品Hの特徴量は、商品読取装置1001が商品Hをオブジェクト認識する場合に、商品Hを特定するために使用される。なお、オブジェクト認識が適用されない商品については、特徴量は登録されていなくとも良い。商品ID及び商品Hの特徴量は、それぞれ商品Hに関する商品情報の一例である。
振り分け対象フラグは、商品Hの振り分け先のレーン147を表す。より詳細には、振り分け対象フラグが“0”の場合には、商品Hの振り分け先は、通常レーン1471である。また、振り分け対象フラグが“1”の場合には、商品Hの振り分け先は、分離レーン1472である。振り分け対象フラグは、本実施形態における振り分け情報の一例である。なお、フラグではなく、通常レーン1471と分離レーン1472とを識別可能なID等が、振り分け情報として商品マスタMに登録されても良い。
本実施形態においては、重量が閾値よりも軽い軽量商品に、振り分け対象フラグ“1”が設定される。例えば、一例として、閾値が“100g”の場合、重量が“70g”である商品ID“H0004”の商品HDの振り分け先は、分離レーン1472となる。また、重量が“1000g”である商品ID“H0003”の商品HCの振り分け先は、通常レーン1471となる。なお、図3に示す商品マスタMの内容及び上述の閾値は一例であり、これらに限定されるものではない。
図2に戻り、HDD123に記憶される商品登録ファイルは、取引対象商品の商品情報及び処理対象とする一取引の合計金額等の情報を含む。一例として、商品登録ファイルは、読取部15によって商品情報が読み取られた商品Hの商品ID、該商品IDに対応する商品名、該商品IDに対応する単価、及び処理対象とする一取引の合計金額が対応付けられたファイルである。なお、商品登録ファイルは、レシート印字に必要なその他の情報、例えば、レシート印字用の販促情報等を含んでもよい。
また、HDD123に記憶される取引別振り分けバー181の位置を表す情報は、取引別振り分けバー181が第1のレーン群または第2のレーン群のいずれを開放しているかを表す情報である。
通信I/F131は、例えばネットワーク70を介して、会計装置30や店舗サーバ50と相互に通信を行う。
入出力I/F132は、コンベア駆動モータ145、カメラ151、無線タグリーダ152、タッチパネルディスプレイ16、操作ボタン17、取引別バー駆動モータ182及び商品別バー駆動モータ192とそれぞれ接続されるインタフェース回路である。
会計装置30は、商品読取装置1001からの商品登録ファイルに基づいて、一取引の会計に係る会計処理を行う。会計装置30は、図1に示すように、タッチパネルディスプレイ35、レシートプリンタ36、入出金装置371、カードリーダ372及びカメラ373を備える。また、会計装置30は、図2に示すように、CPU31、ROM321、RAM322、HDD323、通信I/F331及び入出力I/F332をさらに備える。CPU31、ROM321、RAM322、HDD323、通信I/F331及び入出力I/F332は、バスを介して接続される。
CPU31は、ROM321やHDD323に記憶された制御プログラムをRAM322にロードし、ロードされた制御プログラムを実行することにより、会計装置30の動作を制御する。なお、CPU31は、RAM322にロードされた制御プログラムを実行することによって、会計処理を行うための各種機能を実現するが、説明は省略する。なお、会計装置30は、GPUやASIC、FPGA等の他のプロセッサをさらに有していてもよい。ROM321は、CPU31が実行する各プログラムやパラメータなどのデータを記憶する不揮発性メモリである。RAM322は、ワーキングメモリとして利用され、CPU31が演算処理を実行する際にデータが格納される揮発性メモリである。HDD323は、会計装置30の制御プログラム及び取引ファイルなどのデータを記憶する。取引ファイルは、商品読取装置1001から受信した商品登録ファイルの内容及び会計装置30が実行した会計処理の結果を記録した会計データ等を格納するデータファイルである。なお、取引ファイルは、取引履歴を記録したデータとして用いられる。なお、HDD323に加えて、あるいはHDD323に代えて、SSDやフラッシュメモリなどの他の不揮発性メモリが使用されても構わない。通信I/F331は、例えばネットワーク70を介して、商品読取装置1001や店舗サーバ50と相互に通信を行う。入出力I/F332は、タッチパネルディスプレイ35、レシートプリンタ36、入出金装置371、カードリーダ372及びカメラ373とそれぞれ接続されるインタフェース回路である。
タッチパネルディスプレイ35は、例えば液晶パネルで構成されるディスプレイと、ディスプレイの表面に設けられ、触れた位置に応じた情報を入出力I/F332に供給するタッチパネルとを有する。タッチパネルディスプレイ35は、顧客が会計の開始、支払方法又は終了を指示するための操作画面や一取引の合計金額等の会計処理に係る情報などを表示する。
レシートプリンタ36は、印刷部及びレシート発行口を有する。レシートプリンタ36は、印刷部が印字したレシートを、レシート発行口から発行する。入出金装置371は、硬貨/紙幣投入口、硬貨/紙幣出金口を有する。入出金装置371は、硬貨/紙幣投入口に投入された硬貨/紙幣をそれぞれ収納する。また、入出金装置371は、CPU31からの釣銭の払い出し要求に応じて、硬貨/紙幣の釣銭をそれぞれ硬貨/紙幣出金口に払い出す。カードリーダ372は、カード挿入/排出口を有する。カードリーダ372は、カード挿入/排出口から挿入されたクレジットカードや会員カード等に対して情報の読み/書きを行い、カード挿入/排出口から排出する。カメラ373は、例えば2次元コードやバーコードなどの電子マネーの支払いに関する情報を撮像し、画像(画像データ)を入出力I/F332に供給する。カメラ373の撮像素子としては、CCDやCMOSセンサなどの各種のイメージセンサが適宜利用可能である。また、カメラ373は、LED等の光源を含む照明ユニットを有していてもよい。光源としては、LEDに限らず、例えばイメージセンサに応じて、各種の光源が適宜利用可能である。
なお、図1及び図2には、1つの会計装置30が例示されているが、これに限らない。例えば、会計装置30は、レーンごとに設けられていてもよい。
図4は、本実施形態に係る商品読取装置1001の機能構成の一例を示すブロック図である。CPU11は、RAM122にロードされた商品読取プログラム(制御プログラム)を実行することにより、搬送制御部101、読取制御部102、取引別振り分け制御部103、商品別振り分け制御部104及び通信制御部105としての機能を実現する。ここで、搬送制御部101、読取制御部102、取引別振り分け制御部103、商品別振り分け制御部104及び通信制御部105は、制御部の一例である。なお、CPU11を、制御部の一例としても良い。
搬送制御部101は、コンベア駆動モータ145の動作を制御することにより、ベルトコンベア144の移動を制御する。
読取制御部102は、読取部15の動作を制御する。例えば、読取制御部102は、カメラ151からの画像データに基づいて、ベルトコンベア144によって搬送された商品Hの商品情報を取得する。
例えば、読取制御部102は、画像データに基づいて、商品Hに付されたバーコードや2次元コードなどのコードシンボルを読み取る。コードシンボルは、例えば商品識別番号であるJANコード(13桁又は8桁)をコード化した情報である。例えば、読取制御部102は、画像データに基づいて、商品Hに付された電子透かしを読み取る。電子透かしは、コードシンボルに登録された商品識別番号と等価な情報を、微細なドットで符号化して、商品Hのパッケージに印刷した情報である。つまり、読取部15は、読取制御部102の制御の下、コードシンボルまたは電子透かしを読み取ることにより、商品Hの商品IDを読み取る。
また、例えば、読取制御部102は、画像データに基づいて、商品Hの特徴量を抽出する。抽出された商品Hの特徴量は、オブジェクト認識に使用される。なお、画像の中に含まれる商品Hを認識するオブジェクト認識は、一般物体認識(generic object recognition)とも呼ばれる。換言すれば、読取部15は、読取制御部102の制御の下、商品Hの特徴量を読み取る。
読取制御部102は、読み取ったコードシンボル、読み取った電子透かし及び抽出された特徴量のうちの少なくとも1つと、HDD123に格納された商品マスタMとに基づいて、商品Hを特定する。
読取制御部102は、読取部15によって商品情報が読み取られた商品Hの商品ID、商品Hの商品名、商品Hの単価及び処理対象とする一取引の合計金額を対応付けた商品登録ファイルを生成し、HDD123に保存する。本実施形態においては、商品登録ファイルを生成することを、商品Hを登録する、という。
例えば、オブジェクト認識によって商品Hの特徴量が読み取られた場合には、読取制御部102は、商品マスタMから該特徴量に対応付けられた商品ID、商品名及び単価を取得し、取得したこれらの情報と、演算した単価の合計値とを対応付けることにより、商品登録ファイルを生成する。また、読取部15によってコードシンボルが読み取られた場合には、読取制御部102は、商品マスタMから該コードシンボルから読み取られた商品Hの商品IDに対応付けられた商品名及び単価を取得し、読み取られた商品IDに、商品マスタMから取得した商品名、商品マスタMから取得した商品Hの単価及び演算した単価の合計値を対応付けることにより、商品登録ファイルを生成する。
取引別振り分け制御部103は、取引終了を示す情報の取得を契機として、商品Hを振り分けるレーン147を切り替えるように、取引別振り分け部18を制御する。具体的には、取引別振り分け制御部103は、取引別バー駆動モータ182を制御することにより、取引別振り分けバー181の位置を制御する。
また、取引別振り分け制御部103は、取引別振り分けバー181の位置を変更した場合に、変更後の取引別振り分けバー181の位置を、HDD123に保存する。
また、商品別振り分け制御部104は、読取部15によって読み取られた商品情報に基づいて、商品Hを振り分けるレーン147を切り替えるように、商品別振り分け部19を制御する。具体的には、商品別振り分け制御部104は、商品別バー駆動モータ192を制御することにより、商品別振り分けバー191の位置を制御する。
より詳細には、商品別振り分け制御部104は、商品マスタMを参照し、読取部15によって読み取られた商品情報に対応付けられた振り分け対象フラグに応じて、商品Hを振り分けるレーン147を切り替えるように商品別振り分け部19を制御する。例えば、商品別振り分け制御部104は、読取部15によって読み取られた商品情報に対応付けられた振り分け対象フラグが“0”の場合は、分離レーン1472の進入口を閉塞する位置に商品別振り分けバー191が位置するように、商品別バー駆動モータ192を制御する。また、商品別振り分け制御部104は、読取部15によって読み取られた商品情報に対応付けられた振り分け対象フラグが“1”の場合は、通常レーン1471の進入口を閉塞する位置に商品別振り分けバー191が位置するように、商品別バー駆動モータ192を制御する。
また、本実施形態においては、商品別振り分け制御部104は、HDD123に保存された取引別振り分けバー181の位置を表す情報に基づいて、取引別振り分け制御部103によって第1のレーン群または第2のレーン群のいずれが解放されているかを判定し、商品別振り分けバー1911,1912のうち、解放されている方のレーン群に含まれる商品別振り分けバー191を制御する。
通信制御部105は、会計装置30及び店舗サーバ50との間で相互に通信を行い、データやファイル等の送受信を行う。
以下、図面を参照して、実施形態に係る商品販売データ処理システム1で実行される取引ごとの各処理について説明する。
図5は、本実施形態に係る商品読取装置1001により実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、例えば、顧客が商品読取装置1001に接近したことを契機として開始される。
顧客が商品読取装置1001に接近したことは、例えば顧客が上流側タッチパネルディスプレイ161を操作したことに応じて検出されるが、これに限らない。顧客が商品読取装置1001に接近したことは、例えば商品Hが搬送開始位置AAに載置されたことに応じて検出されてもよい。このため、商品読取装置1001は、商品Hが搬送開始位置AAに載置されたことを検出するためのカメラや重量センサ等を有していてもよい。また、商品読取装置1001は、顧客の接近を検出する人感センサやカメラを有していても構わない。また、商品置台141は、カゴ20が載置されたことを検出可能に構成されていてもよい。
商品読取装置1001は、商品登録処理を実行する(S1)。詳細は後述するが、商品登録処理では、読取制御部102により特定された商品Hが取引ごとに商品登録ファイルに格納される。一取引に係る商品登録処理が完了した後、通信制御部105は、会計装置30へ商品登録ファイルを送信する(S2)。その後、商品読取装置1001は、図5の処理を終了する。
図6は、本実施形態に係る会計装置30により実行される処理の一例を示すフローチャートである。
会計装置30は、商品読取装置1001から商品登録ファイルを受信する(S3)。その後、会計装置30は、受信された商品登録ファイルに基づいて、会計処理を実行する(S4)。会計処理は、会計装置30が顧客の操作を受けて、現金やクレジットカード、電子マネーなどにより、商品Hの代金の支払いを実行する処理である。会計装置30は、会計処理において、商品読取装置1001から受信した商品登録ファイルに基づいて、一取引の合計金額を表示し、当該合計金額分の会計に係る処理を行う。会計処理が終了した後、会計装置30は、図6の処理を終了する。
次に、商品登録処理の詳細について説明する。
図7は、本実施形態に係る商品登録処理の一例を示すフローチャートである。図7の処理は、例えば、顧客の接近が検出されたことに応じて、搬送制御部101によりコンベア駆動モータ145が制御されることによりベルトコンベア144が移動を開始し、読取制御部102により読取部15が起動された後に開始される。
なお、本実施形態においては、図7の処理の開始時点において、商品別振り分けバー191は、分離レーン1472の進入口を閉塞し、通常レーン1471の進入口を開放する位置にあるものとする。当該位置を、商品別振り分けバー191の初期位置という。
カメラ151は、コンベア上を撮像し、撮像により得られた画像データを出力する(S11)。通信制御部105は、カメラ151からの画像データを取得する。読取制御部102は、撮像により得られた画像データに基づいて、ベルトコンベア144上のカメラ151の撮像範囲内に物体があるか否かを判定する(S12)。
読取制御部102は、ベルトコンベア144上に物体があると判定されたとき(S12:Yes)、通信制御部105により取得されたカメラ151からの画像データ又はRFIDタグからのタグ情報に基づいて、物体に関する情報を読み取る。読取制御部102は、その物体に関する情報として、商品情報が読み取られたか否かを判定する(S13)。
読取制御部102は、ベルトコンベア144上の物体に関する情報として、商品Hに関する商品情報が読み取られたとき(S13:Yes)、読み取られた商品情報を商品登録ファイルに登録する(S14)。その後、読取制御部102は、読み取られた商品Hをタッチパネルディスプレイ16に表示する(S15)。
次に、商品別振り分け制御部104は、HDD123に保存された取引別振り分けバー181の位置を表す情報を取得する(S16)。商品別振り分け制御部104は、取引別振り分けバー181の位置を表す情報に基づいて、取引別振り分け制御部103によって第1のレーン群または第2のレーン群のいずれが解放されているかを判定する。
そして、商品別振り分け制御部104は、商品別振り分け制御部104は、商品マスタMを参照し、読取部15によって読み取られた商品情報に対応付けられた振り分け対象フラグが“1”であるか否かを判定する(S17)。
商品別振り分け制御部104は、振り分け対象フラグが“1”であると判定した場合(S17:Yes)、商品Hが搬送されるレーン群側の商品別振り分けバー191を駆動する(S18)。具体的には、商品別振り分け制御部104は、商品別バー駆動モータ192を制御することにより、商品別振り分けバー191を初期位置から通常レーン1471の進入口を閉塞する位置に移動させる。これにより、分離レーン1472の進入口が開放され、商品Hが分離レーン1472に振り分けられる。分離レーン1472に振り分けられた商品Hは、分離レーン1472を通って、分離作荷スペース1432に載置される。その後、図7の流れは、S11に戻る。
また、商品別振り分け制御部104は、振り分け対象フラグが“0”であると判定した場合(S17:No)、商品別振り分けバー191を駆動しない。この場合、通常レーン1471の進入口が解放された状態であるため、商品Hは、通常レーン1471に振り分けられる。通常レーン1471に振り分けられた商品Hは、通常レーン1471を通って、通常作荷スペース1431に載置される。その後、図7の流れは、S11に戻る。
なお、S17の処理の時点で商品別振り分けバー191が初期位置と反対側に位置する場合は、商品別振り分け制御部104は、振り分け対象フラグが“0”であると判定した場合に、商品別振り分けバー191を初期位置側に戻すように駆動しても良い。あるいは、商品別振り分け制御部104は、個々の商品Hの登録処理が終了する度に、商品別振り分けバー191を初期位置側に戻すように制御しても良い。
一方で、ベルトコンベア144上のカメラ151の撮像範囲内に物体が無かったとき(S12:No)又は商品Hに関する商品情報が読み取られなかったとき(S13:No)、読取制御部102は、登録終了判定処理を実行する(S19)。
登録終了判定処理は、取引の終了を示す情報を取得したか否かを判定する処理である。取引の終了を示す情報は、例えば、顧客によって操作ボタン17が押下されたことを表す操作信号である。なお、操作信号は、操作ボタン17に限らず、各タッチパネルディスプレイ161,162,35が操作された場合に、発信されるものとしても構わない。このとき、各タッチパネルディスプレイ161,162,35は、操作部の一例であると表現できる。
なお、取引の終了を示す情報は、操作信号に限定されるものではなく、終了シンボルが読み取られたことを示す情報、商品Hに関する商品情報の前回の読み取りから所定の時間が経過したことを示す情報、または、搬送開始位置AAの近傍に物体がないことを示す情報等であっても良い。終了シンボルは、一取引の商品Hの後にベルトコンベア144により搬送される物体であり、商品Hとは異なる特定の搬送物である。終了シンボルとしては、ぬいぐるみやお皿などの各種の物体が適宜利用可能である。
登録終了判定処理が終了した後、読取制御部102は、登録終了判定処理の結果に基づいて、取引を終了するか否かを判定する(S20)。本判定では、操作ボタン17からの操作信号が取得されたとき、すなわち、操作ボタン17が押下されたとき、取引を終了すると判定される。取引を終了しないと判定されたとき(S20:No)、図7の流れは、S11に戻る。
一方で、取引を終了すると判定されたとき(S20:Yes)、商品別振り分け制御部104は、商品別振り分けバー191を初期位置に戻す(S21)。なお、この時点で既に商品別振り分けバー191が初期位置にある場合には、商品別振り分け制御部104は、商品別振り分けバー191を移動しない。
そして、取引別振り分け制御部103は、取引を終了すると判定されたとき、商品Hを振り分けるレーン群を切り替えるように、取引別振り分けバー181を駆動する(S22)。具体的には、取引別振り分け制御部103は、取引別バー駆動モータ182を制御することにより取引別振り分けバー181の位置を変更する。その後、商品登録処理は終了する。取引の終了時に取引別振り分けバー181の位置が変化することにより、今回の取引によって使用されていたレーン群の進入口が閉塞されると共に、今回の取引によって使用されていなかったレーン群の進入口が解放される。このため、次の取引が開始した場合は、今回の取引によって使用されていなかったレーン群に、商品Hが搬送される。
このように、本実施形態に係る商品読取装置1001は、読取部15によって読み取られた商品情報に基づいて、商品Hを振り分けるレーン147を切り替える。本実施形態に係る商品読取装置1001によれば、このような構成により、商品Hを作荷台143に搬送する際に、特定の商品Hを、他の商品Hと分けて取り扱うことができるため、商品Hを作荷台143に搬送する際の商品Hの品質が低下することを低減することができる。
例えば、本実施形態のように、振り分け対象の特定の商品Hを軽量商品とする場合、軽量商品がレーン147内または作荷スペース内で重量のある商品と接触することを低減することにより、軽量商品に傷みが発生することを低減することができる。
また、本実施形態に係る商品読取装置1001は、商品情報と、商品Hの振り分け先のレーンを表す振り分け対象フラグと、を対応付けて記憶する商品マスタMを記憶し、読取部15によって読み取られた商品情報に対応付けられた振り分け対象フラグに応じて、商品Hを振り分けるレーン147を切り替える。このため、本実施形態に係る商品読取装置1001によれば、商品登録処理において使用される商品マスタMに振り分け対象フラグを登録することにより、取引対象の商品Hの搬送先のレーン147を示す情報の管理が容易となる。
また、本実施形態に係る振り分け対象フラグは、商品Hの振り分け先が通常レーン1471と分離レーン1472のいずれであるかを表す。また、本実施形態に係る商品読取装置1001は、商品Hの取引ごとに商品Hを振り分けるレーン147を振り分け、取引ごとに振り分けられた商品Hを、商品情報に基づいて、さらに少なくとも2つのレーン147に振り分ける。このため、本実施形態に係る商品読取装置1001によれば、前の取引の顧客が袋詰めや会計を行っていても、次の取引の商品Hの搬送及び商品登録を開始することができると共に、さらに、1つの取引で購入される複数の商品Hのうち、特定の商品Hを他の商品Hと分けて取り扱うことができる。
(第2の実施形態)
上述の第1の実施形態では、商品読取装置1001は、取引別振り分けバー181及び商品別振り分けバー1911,1912によって2段階に分岐した4つのレーン147を有していた。これに対して、この第2の実施形態では、商品読取装置1002は、取引別振り分けバー181を備えず、商品別振り分けバー191によって分岐した2つのレーン147を有する。
図8は、本実施形態に係る商品読取装置1002を適用した商品販売データ処理システム1の一例を示す外観図である。商品販売データ処理システム1は、商品読取装置1002、会計装置30及び店舗サーバ50を備える。会計装置30及び店舗サーバ50は、第1の実施形態と同様である。
第1の実施形態では、1台の商品読取装置1001が取引別の複数のレーン群を有していたが、本実施形態に係る商品読取装置1002は、1つのレーン群のみを有する。
具体的には、図8に示すように、本実施形態に係る商品読取装置1002は、通常レーン1471と分離レーン1472とを1本ずつ備える。また、商品読取装置1002は、通常レーン1471の終着点である通常作荷スペース1431と、分離レーン1472の終着点である分離作荷スペース1432とを1つずつ備える。
また、商品読取装置1002は、商品別振り分けバー191を備える。本実施形態の商品別振り分けバー191は、ベルトコンベア144によって搬送された商品Hを、通常レーン1471または分離レーン1472に振り分ける。
商品読取装置1002によって実現される商品別振り分けバー191の制御手法は、第1の実施形態と同様である。
(変形例)
上述の第1、第2の実施形態では、分離レーン1472への振り分け対象の商品Hは、軽量商品であるものとしたが、振り分け対象の商品Hは、これに限定されるものではない。
例えば、振り分け対象の商品Hは、割れ物や、高価格商品、表面が傷つきやすい商品等であっても良い。高価格商品は、例えば、単価が閾値よりも高い商品である。また、表面が傷つきやすい商品は、例えば、果物等である。
また、商品Hの販売時の温度に応じて商品Hの搬送先のレーン147が決定されても良い。例えば、冷凍状態で販売される商品Hの搬送先を分離レーン1472、冷凍以外の状態で販売される商品Hの搬送先を通常レーン1471としても良い。あるいは、閾値以上の温度で販売される商品Hの搬送先を分離レーン1472、閾値未満の温度で販売される商品Hの搬送先を通常レーン1471としても良い。当該構成を採用する場合、温度が異なる商品Hを分離して搬送することにより、商品Hの急激な温度変化を軽減することができる。商品Hの急激な温度変化は、品質低下の一例とする。
また、振り分け先情報は、振り分け対象フラグに限定されるものではない。例えば、図3で説明した例では、商品マスタMには、商品Hの重量が登録されている。当該重量を、振り分け先情報としても良い。この場合、商品別振り分け制御部104は、商品マスタMに登録された商品Hの重量が閾値未満である場合に、商品Hの搬送先を分離レーン1472と判定し、商品マスタMに登録された商品Hの重量が閾値以上である場合に、商品Hの搬送先を通常レーン1471と判定してもよい。
また、振り分け対象の商品Hが軽量商品以外である場合には、商品マスタMに登録された商品Hの重量以外の情報を振り分け先情報としても良い。例えば、振り分け対象の商品Hが、高価格商品である場合には、商品マスタMに登録された商品Hの単価を、振り分け先情報としても良い。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、商品Hを作荷台143に搬送する際に商品Hの品質が低下することを低減することができる。
本実施形態は、商品読取装置10、会計装置30及び店舗サーバ50を備える商品販売データ処理システム1を例示するが、これに限らない。商品販売データ処理システム1は、商品読取装置10及び会計装置30により構成されていてもよい。つまり、商品販売データ処理システム1は、店舗サーバ50を含まない構成であっても構わない。また、商品読取装置10及び会計装置30は、一体に構成されていてもよい。つまり、商品販売データ処理システム1において、独立した筐体を有する会計装置30が設けられていなくても構わない。また、商品販売データ処理システム1は、商品読取装置10及び会計装置30が一体に構成された装置と、店舗サーバ50とを含む構成であっても構わない。ここで、商品読取装置10及び会計装置30が一体に構成された装置は、入出金装置371が省略された、キャッシュレス決済専用の装置として構成されていても構わない。この場合、例えば下流側タッチパネルディスプレイ162(1621,1622)は、さらにタッチパネルディスプレイ35と同様に動作可能に構成される。また、カードリーダ372やカメラ373は、例えば下流側タッチパネルディスプレイ162(1621,1622)の近傍に配置される。また、レシート印字データなどを電子化した電子レシートが利用されてもよい。この場合、レシートプリンタ36が省略されても構わない。
実施形態の商品読取装置1001,1002は、CPUなどの制御装置と、ROMやRAMなどの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、ディスプレイ装置などの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっていてもよい。
本実施形態の商品読取装置1001,1002で実行される各プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
また、本実施形態の商品読取装置1001,1002で実行される各プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態の商品読取装置1001,1002で実行される各プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
また、本実施形態の商品読取装置1001,1002で実行される各プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
本実施形態の商品読取装置1001,1002で実行される商品読取プログラムは、上述した各部(搬送制御部、読取制御部、取引別振り分け制御部、商品別振り分け制御部及び通信制御部)を含むモジュール構成となっている。CPU(プロセッサ)は、上記記憶媒体から商品読取プログラムを読み出して、上記各部を主記憶装置上にロードする。これにより、搬送制御部、読取制御部、取引別振り分け制御部、商品別振り分け制御部及び通信制御部が、主記憶装置上に生成される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。