以下、図1〜図9を参照して、実施形態に係る入出金装置について説明する。実施形態では、硬貨釣銭機を入出金装置の一例として説明する。また、POS(Point of Sales)端末を販売データ処理装置の一例として説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、釣銭機1およびPOS端末4の外観を示す斜視図である。釣銭機1は、硬貨釣銭機11および紙幣釣銭機12を有する。硬貨釣銭機11は、入金された硬貨を識別して金種別に収納し、収納した硬貨を釣銭として出金する。紙幣釣銭機12は、入金された紙幣を識別して金種別に収納し、収納した紙幣を釣銭として出金する。
POS端末4は、店舗内にあるストアコントローラ(不図示)にLAN(Local Area Network)で接続されて用いられる。ストアコントローラは、店舗外の本部にあるサーバ(不図示)と専用回線で接続されて、サーバとデータの送受信(商品情報のダウンロードや販売データのアップロードなど)を行う。
POS端末4は、操作者用表示部47、客用表示部48、操作部49、印字部50、読取部51、人感センサ52等を備える。操作者用表示部47は、操作者に向けて設置され、操作者に情報を表示する表示器(例えば液晶表示器)である。客用表示部48は、顧客に向けて設置され、顧客に情報を表示する表示器(例えば液晶表示器)である。
操作部49は、商品を特定するための商品コードや数字等を入力するためのキーボードである。印字部50は、商品情報(商品名、単価、属性情報等)や後述する決済情報等を、ロール状の用紙に印字してレシートとして発行する、例えばサーマルプリンタ等のプリンタである。読取部51は、商品に付されたバーコードや二次元コード等のシンボルから商品コードを光学的に読み取るコードリーダである。人感センサ52は、例えば赤外線センサ等で構成され、POS端末4の操作者用表示部47の前方に人がいるか否かを検知するセンサである。
POS端末4は、読取部51により商品に付加された商品コードを読み取ると、この商品コードに基づいて、当該商品に係る商品情報(商品名、単価等)の問合せをストアコントローラ(図示せず)に行う。ストアコントローラは、POS端末4からの問い合わせに応じて商品マスタファイルを検索し、商品コードに対応した商品情報を読み出してPOS端末4へ送信する。POS端末4は、ストアコントローラから商品情報を受信する。また、POS端末4は、受信した商品情報に基づいて、当該商品コードの商品の売上登録処理を実行する。売上登録処理とは、読み取られた商品コードに基づいて読み出した販売する商品の商品情報を商品情報部442(図3を参照)に記憶して、当該商品の商品名や単価を表示部に表示することである。
POS端末4が、一取引に係るすべての商品について売上登録処理を実行した後、POS端末4の操作者は、決済処理の開始の際に操作する小計キーを操作する。決済処理とは、売上登録処理された商品の商品情報に基づいて、販売された商品の合計金額を算出する処理、合計金額に基づいて税額を算出する処理、算出した合計金額と税額を加算した、顧客が支払う支払金額を算出する処理、支払金額を操作者用表示部47および客用表示部48に表示する処理、決済情報を印字したレシート発行する処理を等をいう。決済処理によって得られた情報を決済情報という。小計キーが操作されたPOS端末4は、決済処理を実行する。
硬貨釣銭機11は、入金部である硬貨入金部13、硬貨出金部31を備える。硬貨入金部13は、顧客から受け取った金銭のうち硬貨を入金する投入口である。硬貨出金部31は、顧客に支払われる釣銭のうち硬貨を出金する払出口である。
紙幣釣銭機12は、入金部である紙幣入金部32、紙幣出金部33を備える。紙幣入金部32は、顧客から受け取った金銭のうち紙幣を入金する投入口である。紙幣出金部33は、顧客に支払われる釣銭のうち紙幣を出金する払出口である。
客用表示部48に表示された支払金額を確認した顧客は、支払金額に応じた額の金銭を操作者に手渡す。操作者は、顧客から受け取った金銭(預り金)のうち、硬貨を硬貨釣銭機11の硬貨入金部13に入金する。また操作者は、顧客から受け取った金銭(預り金)のうち、紙幣を紙幣釣銭機12の紙幣入金部32に入金する。硬貨釣銭機11および紙幣釣銭機12は、入金された金銭を搬送系(例えば搬送ベルト)を使用して搬入及び搬送し、金銭収納部に収納する。
一方POS端末4は、支払金額と顧客が操作者に手渡した金銭(預り金)との差額から釣銭額を算出する。硬貨釣銭機11および紙幣釣銭機12は、釣銭額に基づいた釣銭を出金する。操作者は、硬貨釣銭機11および紙幣釣銭機12から出金された釣銭を顧客に手渡す。
図2は、POS端末4と紙幣釣銭機12と硬貨釣銭機11の電気的接続関係を示す図である。図2において、POS端末4と紙幣釣銭機12は、通信回線7によって電気的に接続されている。また、紙幣釣銭機12と硬貨釣銭機11は、通信回線8によって電気的に接続されている。POS端末4は、通信回線7を介して紙幣釣銭機12に釣銭額に応じた釣銭情報を送信する。紙幣釣銭機12は、受信した釣銭情報に基づいて紙幣分の釣銭を出金する。また、紙幣釣銭機12は、受信した釣銭情報のうち硬貨分の釣銭情報を、通信回線8を介して硬貨釣銭機11に送信する。硬貨釣銭機11は、受信した釣銭情報に基づいて硬貨分の釣銭を出金する。
図3は、実施形態のPOS端末4のハードウェア構成を示すブロック図である。図3において、POS端末4は、CPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)43、メモリ部44等を備えている。CPU41は、制御主体となる。ROM42は、各種プログラムを記憶する。RAM43は、各種データを展開する。メモリ部44は、各種プログラムを記憶する。CPU41、ROM42、RAM43、メモリ部44は、互いにデータバス45を介して接続されている。CPU41とROM42とRAM43が、制御部400を構成する。すなわち、制御部400は、CPU41がROM42やメモリ部44に記憶されRAM43に展開された制御プログラムに従って動作することによって、図6に示す制御処理を実行する。
メモリ部44は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、制御プログラム部441に記憶された制御プログラムを含むプログラム等を記憶する。また、メモリ部44は、商品情報部442を備える。商品情報部442は、一取引で売上登録処理された商品の商品情報を記憶する。また、メモリ部44は、POS端末4の動作モード(通常モードか省電力モードのいずれか)を記憶する。
また、データバス45には、コントローラ46を介して、操作者用表示部47、客用表示部48、操作部49、印字部50、読取部51、人感センサ52が接続されている。操作部49は、小計キー47a、搬入開始キー47b、現計キー47cを含む。小計キー47aは、後述する決済処理の開始の際に操作し、決済処理の開始を宣言するキーである。搬入開始キー47bは、硬貨釣銭機11および紙幣釣銭機12に入金した硬貨の搬入開始を指示するキーである。現計キー47cは、一取引の終了の際操作し、一取引の終了を宣言するキーである。また、データバス45には、通信部53が接続されている。通信部53は、通信回線7を介して、ストアコントローラや紙幣釣銭機12と接続されている。
図4は、硬貨釣銭機11の筐体を取り外した平面図である。図4において、硬貨釣銭機11は、硬貨入金部13を備える。硬貨入金部13は、底部に3対の入金センサ29を有する。硬貨入金部13は、顧客から受け取った金銭のうち、硬貨を入金する投入口である。3対の入金センサ29は、それぞれ発光部と受光部とを備えている。発光部が発行した光を受光部が受光する。入金センサ29は、硬貨入金部13に入金された硬貨によって発光部が発行した光を遮断して受光部が受光しない場合、入金されたことを検知する。
また、硬貨釣銭機11は、搬入ベルト15と搬送ベルト16(総称して「搬送系」という)を備える。搬入ベルト15は、硬貨入金部13の底面部に位置し、硬貨入金部13に入金された硬貨を硬貨釣銭機11の内部に搬入する。搬送ベルト16は、搬入された硬貨を装置の奥側に搬送するベルトと、装置の奥側で略直角に方向転換された硬貨を後述する硬貨選別部18まで左右方向に搬送するベルトからなる。
搬送ベルト16によって硬貨を搬送する搬送経路28の途中には、搬送される硬貨の金種を判別するための3種類のセンサ(材質センサ22、厚さセンサ23、直径センサ24)を備える。3種類のセンサはいずれも磁気センサである。材質センサ22は硬貨の材質を検知する。厚さセンサ23は硬貨の厚さを検知する。直径センサ24は、硬貨の直径を検知する。後述する制御部600は、3種類のセンサの検知結果に基づいて、通過する硬貨の金種を判別する。
例えば、材質センサ22は、硬貨の材質によって出力電圧が異なり、厚さセンサ23は硬貨の厚さが厚いほど出力電圧は高くなり、直径センサ24は、直径が大きい硬貨ほど出力電圧が高くなるため、これらのセンサからの出力電圧を検知することで、制御部600は、硬貨の金種を識別することができる。
また、硬貨釣銭機11は、搬送経路28の途中に、贋硬貨を排出するためのリジェクト部25が設けられており、リジェクトシャッター26を開閉させて贋硬貨のみを排出する。後述する制御部600は、3種類のセンサの検知結果に基づいて、通過する硬貨の真贋を判断し、贋硬貨であると判断した場合は、リジェクトシャッター26を開放してリジェクト部25から贋硬貨を排出する。
また、硬貨釣銭機11は、装置奥側に、硬貨選別部18を備える。硬貨選別部18は、1円硬貨用の選別孔〜500円硬貨用の孔の大きさが異なる6個の選別孔を有しており、1円硬貨用の選別孔は1円硬貨のみが落下可能でありその他の硬貨はその上部を通過する。同様にして、硬貨選別部18は、右側から左側に向けて1円硬貨用の孔、50円硬化用の孔、5円硬貨用の孔、100円硬貨用の孔、10円硬貨用の孔、500円硬化用の孔が形成されている。搬送ベルト16によって搬送された硬貨は、この硬貨選別部18によって金種別に選別される。
硬貨選別部18は、各選別孔付近に、それぞれ落下センサ20を備えている。落下センサ20は、落下する硬貨を検出する。後述する制御部600は、落下センサ20による硬貨の検出に基づいて、落下した硬貨の数を金種毎に数えて管理する。
また、硬貨釣銭機11は、金種毎の硬貨収納部19を備える。硬貨収納部19は、硬貨選別部18を落下した硬貨を金種毎に収納する。硬貨収納部19の底面部には出金ベルト27を備えている。出金ベルト27は、表面部が硬貨収納部19から硬貨釣銭機11の前面部に向かって移動し、硬貨収納部19に収納された硬貨を硬貨出金部31方向に搬送する。各出金ベルト27の下流端部には、出金センサ21をそれぞれ備える。出金センサ21は、出金ベルト27によって硬貨出金部31に出金される直前の硬貨を検出する。後述する制御部600は、出金センサ21による硬貨の検出に基づいて、硬貨出金部31に出金された硬貨の数を金種毎に数えて管理する。
また、硬貨釣銭機11は、例えばエラーメッセージ等を表示する表示部30、硬貨回収等の指示をしたり表示部30の表示項目を変更する等で操作される操作ボタン17等を備えている。
図5は、硬貨釣銭機11のハードウェア構成を説明するブロック図である。図5において、制御主体となるCPU61、各種プログラムを記憶するROM62、各種データを展開するRAM63、各種プログラムおよびデータを記憶するハードディスクからなるメモリ部64等を備えている。CPU61、ROM62、RAM63、メモリ部64は、互いにデータバス65を介して接続されている。CPU61とROM62とRAM63が制御部600を構成する。すなわち、制御部600は、CPU61がROM62またはメモリ部64に記憶されRAM63に展開した制御プログラムに従って動作することによって、図7および図8で後述する制御処理を実行する。
メモリ部64は、制御プログラム部641とモード記憶部642を備える。制御プログラム部641は、制御部600が硬貨釣銭機11の各種処理を実行するための制御プログラムを記憶する。モード記憶部642は、硬貨釣銭機11の動作モード(通常モードか省電力モードのいずれか)を記憶する。
また、データバス65には、操作ボタン17、表示部30、搬入ベルト15、搬送ベルト16、出金ベルト27、リジェクトシャッター26、入金センサ29、材質センサ22、厚さセンサ23、直径センサ24、落下センサ20、出金センサ21が、コントローラ66を介して接続されている。入金センサ29、材質センサ22、厚さセンサ23、直径センサ24、落下センサ20で入金系を構成する。また、材質センサ22、厚さセンサ23、直径センサ24、落下センサ20が搬送センサである。また、搬入ベルト15、搬送ベルト16で搬送系を構成する。また、出金センサ21、出金ベルト27で出金系を構成する。また、表示部30は、液晶表示器であり、表示部30に表示される文字等を見やすくするために、表示部30の背面から光を照射するバックライト30aを備えている。
各センサは、それぞれ発光部と受光部を備えている。発光部は、光を発光する。また、受光部は発光部が発光した光を受光する。制御部600は、各センサを別々に動作させることができる。
また、データバス65には、通信部67が接続されている。通信部67は、インターフェースの機能を備えている。通信部67は、通信回線8に接続されている。通信部67は、通信回線8を介して紙幣釣銭機12から釣銭情報等を受信する。通信部67は、通信回線8を介して紙幣釣銭機12に、硬貨釣銭機11の入金情報を送信する。
硬貨釣銭機11は、通常モードと省電力モードの2種類のモードで動作する。通常モードでは、硬貨釣銭機11がPOS端末4から情報を受信可能であり、各センサや搬送系等の全部または一部に通電され、通電された各部が動作可能であり、制御部600が、入金された硬貨の収納処理や釣銭の出金処理を実行可能であるモードである。また、省電力モードでは、硬貨釣銭機11にあるすべてのセンサや搬送系への通電が停止されており、各センサや搬送系が動作不可である。また、省電力モードでは、表示部30に表示された表示およびバックライト30aの照射も停止する。そのため硬貨釣銭機11は、省電力モードで動作している場合、通常モードの場合より消費電力が少ない。なお、通信部67は省電力モードであっても動作可能である。そのため通信部67は、省電力モードであっても紙幣釣銭機12から情報を受信することは可能である。また、制御部600は、省電力モードであっても通信部67が受信した情報の種別を判断することができる。
硬貨釣銭機11は、POS端末4から、人感センサ52が人を検知していない旨の人非検知信号を受信した場合、省電力モードで動作する。また硬貨釣銭機11は、所定時間継続して何の操作もされない非動作状態の場合、省電力モードで動作する。
なお、紙幣釣銭機12も、硬貨釣銭機11と同様に、入金系、搬送系、出金系の各構成を備えている。具体的には、入金された紙幣を検知する入金センサ、紙幣の金種を判別する金種判別センサ、紙幣が収納部に収納されたことを検知する収納センサ、出金した紙幣を検知する出金センサを備えている。また、入金された紙幣を搬入し収納部に搬送する搬送ベルトや、収納部に収納された紙幣の出金する出金ベルトを備えている。
続いて、図6を用いて、制御部400が実行するPOS端末4の制御処理について説明する。図6において、制御部400は、読取部51によって商品に付された商品コードを入力したか否かを判断する(S11)。読み取ったと判断した場合は(S11のYes)、制御部400は、読み取った商品コードに基づいて商品マスタから商品情報を読み出して商品情報部442に記憶する売上登録処理を実行する(S12)。そして制御部400は、S11に戻る。
一方、商品コードを入力していないと判断した場合は(S11のNo)、制御部400は、小計キー47aが操作されたか否かを判断する(S21)。操作されたと判断した場合は(S21のYes)、制御部400は、支払金額算出処理を実行する(S22)。具体的には、制御部400は、商品情報部442に記憶された商品情報に基づいて販売された商品の合計金額を算出する。また制御部400は、算出された合計金額に基づいて例えば消費税等の税額を算出する。また制御部400は、算出された合計金額と税額を加算して、顧客が本取引で支払う支払金額を算出する。また制御部400は、算出した合計金額、税額、支払金額を、操作者用表示部47と客用表示部48に表示する。
そして制御部400は、小計キー47aが操作されたことを示す小計信号(操作信号)を、通信回線7を介して紙幣釣銭機12に送信する(S23)。省電力モードで動作中の紙幣釣銭機12が小計信号を受信した場合は、自身を通常モードの状態に復帰させる。そして紙幣釣銭機12は、通信回線8を介して、受信した小計信号(操作信号)を硬貨釣銭機11に送信する。
その後制御部400は、操作者によって搬入開始キー47bが操作されたか否かを判断する(S24)。操作者は、顧客から支払金額に応じた金銭を受け取ると、当該金銭のうち、紙幣分を紙幣入金部32にセットして入金する。また操作者は、当該金銭のうち、硬貨分を硬貨入金部13に投入して入金する。入金した後担当者は、搬入開始キー47bを操作する。
操作されたと判断した場合(S24のYes)、制御部400は、搬入開始キー47bが操作されたことを示す搬入開始信号を、紙幣釣銭機12に送信する(S25)。POS端末4が送信した搬入開始信号を受信した紙幣釣銭機12は、紙幣の搬入処理と搬送処理を実行する。そして紙幣釣銭機12は、通信回線8を介して、受信した搬入開始信号を硬貨釣銭機11に送信する。
そして制御部400は、硬貨釣銭機11および紙幣釣銭機12から、入金された金銭の入金額に応じた入金情報(硬貨釣銭機11での入金額と紙幣釣銭機12での入金額を合計した入金額に応じた入金情報)を受信したか否かを判断する(S26)。受信したと判断した場合は(S26のYes)、制御部400は、受信した入金情報に応じた入金額を操作者用表示部47と客用表示部48に表示する(S27)。操作者用表示部47と客用表示部48に入金額が表示され、顧客が入金額を確認したら、操作者は現計キー47cを操作する。
次に制御部400は、現計キー47cが操作されたか否かを判断する(S28)。操作されたと判断した場合は(S28のYes)、制御部400は、S22で算出した支払金額とS26で受信した入金情報に応じた入金額から、釣銭額を算出する(S29)。そして制御部400は、算出した釣銭額の釣銭情報を紙幣釣銭機12に送信する(S30)。釣銭情報を受信した紙幣釣銭機12は、釣銭額のうち紙幣の支払額分の紙幣を出金する。そして、紙幣釣銭機12は、釣銭額のうち硬貨での支払額分の釣銭情報を硬貨釣銭機11に送信する。
なお、搬入開始キー47bが操作されていないと判断した場合(S24のNo)、制御部400は、S26を処理する。また、入金情報を受信していないと判断した場合は(S26のNo)、制御部400は、S28の処理を実行する。また、現計キー47cが操作されていないと判断した場合は(S28のNo)、制御部400は、S24に戻る。
次に制御部400は、販売された商品の商品情報やS22の処理に基づく合計金額、支払金額、釣銭額等を、印字部50で印字したレシートを発行する(S31)。そして制御部400は、S11に戻る。なお、S22の処理〜S31の処理を総称して決済処理という。
また、S21において、小計キー47aが操作されていないと判断した場合は(S21のNo)、制御部400は、人感センサ52が、POS端末4の操作位置の前方付近で人を検知しているか否かを判断する(S41)。検知していると判断した場合は(S41のYes)、制御部400はS11に戻る。検知していないと判断した場合は(S41のNo)、制御部400は、検知していないままの状態が所定時間継続したか否かを判断する(S42)。所定時間継続していないと判断した場合は(S42のNo)、制御部400は、S11に戻る。所定時間継続したと判断した場合は(S42のYes)、制御部400は、POS端末4の操作位置の前方付近に人がいないことを示す人非検知信号を紙幣釣銭機12に送信する(S43)。そして制御部400は、動作モードを、省電力モードに設定する(S44)。次に制御部400は、S41と同様の人を検知しているか否かを判断する(S45)。検知するまで待機し(S45のNo)、検知したと判断した場合は(S45のYes)、制御部400は、動作モードを通常モードに設定する(S46)。そして制御部400は、S11に戻る。
なお、人非検知信号を受信した紙幣釣銭機12は、自身の動作モードを省電力モードに設定する。そして紙幣釣銭機12は、受信した人非検知信号を硬貨釣銭機11に送信する。
続いて、図7と図8を用いて、硬貨釣銭機11の制御処理について説明する。図7は、硬貨釣銭機11の機能構成を示す機能ブロック図である。制御部600が、ROM62やメモリ部64の制御プログラム部641に記憶された制御プログラムを含む各種プログラムに従うことで、動作手段601、復帰手段602、実行手段603を機能させる。
動作手段601は、硬貨釣銭機11が入出金処理を実行するために入出金に係る各種構成が動作可能な通常モードと、各種構成の少なくとも一部を機能停止状態とする省電力モードのいずれかで動作させる機能を有する。
復帰手段602は、硬貨釣銭機11が省電力モードで動作中に、POS端末4から商品取引の決済処理を開始する小計キー47aを操作した操作信号を受信した場合に、硬貨釣銭機11を通常モードとして各種構成の全部または一部を動作させて入金または出金に係る処理を可能にする機能を有する。
実行手段603は、決済処理中に受信した搬入開始信号に基づいて、入金または出金処理を実行する機能を有する。
図8は、硬貨釣銭機11の制御処理の流れを示すフローチャートである。図8において、制御部600は、紙幣釣銭機12から人非検知信号を受信したか否かを判断する(S51)。受信したと判断した場合(S51のYes)、制御部600(動作手段601)は、入金系、出金系、搬送系、表示部30、バックライト30aへの通電を停止し、各部の処理や表示を実行不可状態とする省電力モード処理を実行する(S52)。このとき、制御部600は、CPU61、ROM62、RAM63、メモリ部64、通信部67等への通電は継続する。そのため、硬貨釣銭機11は、紙幣釣銭機12からの各種情報や信号の受信は可能である。また、制御部600は、通信部67が受信した情報や信号の種類を判断することができる。
そして制御部600は、モード記憶部642に省電力モードを記憶する(S53)。そして制御部600は、S51に戻る。
また、紙幣釣銭機12から人非検出信号を受信していないと判断した場合は(S51のNo)、制御部600は、硬貨釣銭機11の操作ボタン17が操作されていない時間が所定時間継続したか否かを判断する(S54)。所定時間継続していると判断した場合は(S54のYes)、制御部600は、S52とS53の処理を実行する。
一方、所定時間継続していないと判断した場合は(S54のNo)、制御部600は、紙幣釣銭機12から小計信号を受信したか否かを判断する(S61)。受信したと判断し場合(S61のYes)、制御部600は、モード記憶部642に記憶されている動作モードが省電力モードであるか否かを判断する(S62)。
省電力モードであると判断した場合は(S62のYes)、制御部600(復帰手段602)は、表示部30とバックライト30aに通電し表示とバックライトの照射を復帰させる(S63)。次に制御部600(復帰手段602)は、すべての入金系に通電する(S64)。また制御部600(復帰手段602)は、搬送系にも通電する(S65)。また、制御部600(復帰手段602)は、出金系に通電する(66)。S63〜S66の処理を初期動作処理という。
通電された入金系、搬送系、出金系は、正しく動作するために、通電後所定時間の初期動作が必要である。初期動作を行った硬貨釣銭機11は、通常モードで動作可能となる。そのため、制御部600は、所定時間経過後に硬貨入金部13に入金された硬貨の検知と搬送が可能となる。
次に制御部600は、紙幣釣銭機12から搬入開始信号を受信したか否かを判断する(S71)。受信したと判断した場合は(S71のYes)、次に制御部600は、入金センサ29が入金された硬貨を検知しているか否かを判断する(S72)。S64において入金センサ29に通電されており、本判断時にはすでに所定時間の初期動作が終了して入金センサ29は正常に動作可能であるため、制御部600は、S72の判断ができる。
入金センサ29が入金された硬貨を検知していると判断した場合は(S72のYes)、制御部600(実行手段603)は、搬送系を動作させて、入金された硬貨の搬入と搬送を行う(S73)。このとき、S63、S64、S65においてすでに入金系や搬送系は通電後の所定時間の初期動作が終了しているため、入金系と搬送系はすでに動作可能となっており、S73においてすぐに硬貨の搬入と搬送を行える。
そして、硬貨を搬送する際、3種類のセンサ(材質センサ22、厚さセンサ23、直径センサ24)は、通過する硬貨を検知して硬貨に応じて出力する。制御部600は、この出力に基づいて入金された硬貨の金種を判別し、入金額を算出する(S74)。そして制御部600は、算出した入金額に応じた入金情報を、紙幣釣銭機12に送信する(S75)。紙幣釣銭機12は、硬貨釣銭機11から受信した入金情報に基づいて、自身に入金された紙幣の入金額を加算した合計の入金情報を作成し、POS端末4に送信する。
次に制御部600は、紙幣釣銭機12から釣銭情報を受信したか否かを判断する(S81)。釣銭情報を受信したと判断した場合は(S81のYes)、制御部600(実行手段603)は、出金ベルト27を駆動するモータを制御して、受信した釣銭情報に応じた釣銭額の硬貨の出金処理を実行する(S82)。そして制御部600は、モード記憶部642に通常モードを記憶する(S83)。そして制御部600は、S51に戻る。なお、S71において、紙幣釣銭機12から搬入開始信号を受信していないと判断した場合は(S71のNo)、制御部600はS81を実行する。また、S81において、釣銭情報を受信していないと判断した場合は、S71に戻る。また、S61において、小計信号を受信していないと判断した場合は(S61のNo)、制御部600は、S51に戻る。
このような実施形態の硬貨釣銭機11によれば、省電力モードで動作中に小計信号を受信した場合、制御部600は、硬貨釣銭機11を通常モードで初期動作処理を実行する。そして、その後に搬入開始信号を受信した場合に、制御部600は、入金された硬貨の搬入処理を実行する。このように、硬貨釣銭機11は、入金前に一連の初期動作を熟考するため、省電力モード中に搬入開始の信号を受信した場合に、すぐに金銭の搬入処理が可能である。
また、実施形態の硬貨釣銭機11によれば、省電力モードで動作中に小計信号を受信した場合、制御部600は、入金系に通電して通常モードで動作可能に復帰させる。そのため、省電力モード中に搬入開始の信号を受信した場合に、すぐに金銭の搬入処理が可能である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、実施形態では、小計信号を受信した場合に、S63〜S66の初期動作処理を実行したが、S66の初期動作処理は、小計信号をの受信した場合には行わず、その後の搬入開始信号を受信した場合であってもよい。
また、実施形態では、硬貨釣銭機11を入出金装置として説明したが、紙幣釣銭機12を入出金装置としてもよい。また、硬貨釣銭機11と紙幣釣銭機12の両方の機能を備えた装置を入出金装置としてもよい。
また、実施形態では、POS端末4と釣銭機1を適用したがこれに限るものではなく、POS端末4および釣銭機1の機能を備えた1台構成の装置に適用するようにしても良い。POS端末4および釣銭機1の機能を備えた1台構成の装置としては、スーパーマーケット等の店舗に設置されて用いられるセルフチェックアウト装置(以降、単に「セルフPOS」という)が挙げられる。
ここで、図9はセルフPOS200の構成を示す外観斜視図である。図9に示すように、セルフPOS200の本体202は、タッチパネル105が表面に配設された表示デバイス106や、商品の種別等を認識(検出)するために商品画像を読み取る商品読取部110を備えている。
表示デバイス106としては例えば液晶表示器が用いられる。表示デバイス106は、客にセルフPOS200の操作方法を知らせるための案内画面や、各種の入力画面や、商品読取部110で読み込んだ商品情報を表示する登録画面、商品の合計金額や預かり金額、釣銭額等を表示し、支払い方法の選択をする精算画面等を表示する。
商品読取部110は、客が商品に付されたコードシンボルを商品読取部110の読取窓103にかざすことで商品画像を読み取るものである。
また、本体202の右側にはかごに入った未清算の商品を置くための商品載置台203が設けられ、本体202の左側には精算済みの商品を置くための商品載置台204が設けられている。また、商品載置台204には、精算済みの商品を入れるための袋を掛けるための袋掛けフック205や、精算済みの商品を袋に入れる前に一時的に置いておくための一時置き台206が設けられている。商品載置台203および204には計量器がそれぞれ備えられており、精算の前後で商品の重量が同じであることを確認する機能を有している。
また、セルフPOS200の本体202には、顧客から受け取った金銭の入金や顧客に手渡す釣銭の出金を行う入出金部201が設けられている。
このような構成のセルフPOS200を店舗システムに適用した場合、セルフPOS200が入出金装置として機能することになる。
なお、実施形態の硬貨釣銭機11で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、実施形態の硬貨釣銭機11で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、実施形態の硬貨釣銭機11で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
また、実施形態の硬貨釣銭機11で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。