JP7388903B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7388903B2
JP7388903B2 JP2019224123A JP2019224123A JP7388903B2 JP 7388903 B2 JP7388903 B2 JP 7388903B2 JP 2019224123 A JP2019224123 A JP 2019224123A JP 2019224123 A JP2019224123 A JP 2019224123A JP 7388903 B2 JP7388903 B2 JP 7388903B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleaning
ink
inkjet recording
unit
cleaning operation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019224123A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021091178A (ja
Inventor
智彦 西尾
哲史 滝口
護 井▲高▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Keyence Corp
Original Assignee
Keyence Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Keyence Corp filed Critical Keyence Corp
Priority to JP2019224123A priority Critical patent/JP7388903B2/ja
Publication of JP2021091178A publication Critical patent/JP2021091178A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7388903B2 publication Critical patent/JP7388903B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

本開示は、インクジェット記録装置に関する。
従来より、ワークに印字を行うためのインクジェット記録装置が知られている。
例えば、特許文献1には、ワークに印字を行っていないときであっても、装置内部にインクを循環させる、いわゆるコンティニュアンス方式のインクジェット記録装置が開示されている。このインクジェット記録装置は、インク粒を吐出するための印字ヘッドと、この印字ヘッドに接続されたコントローラとを備えている。
印字ヘッドは、インクまたは溶剤を吐出する印字ノズルと、この印字ノズルから吐出された粒子状のインク(インク粒)を帯電させる帯電電極と、この帯電電極によって帯電されたインクの飛翔方向(進行方向)を偏向させる偏向電極とを内部に収容しており、その偏向電極により偏向されたインクを外部に吐出して印字を行うように構成されている。印字に使用されなかったインク粒は、印字ヘッドのガターから回収されるようになっている。
また、コントローラは、印字ノズルにインクを供給するためのインク供給経路等を含むインク供給部と、各部を制御する制御部とを備えている。
特許文献1のインクジェット記録装置を稼働停止する際には、直ちに停止するのではなく、立下処理を実行した後に停止する。立下処理では、吸引経路よりノズル内の圧力を抜くことでインク軸の生成を止める。その後、インク乾燥後のトラブルを防止するため、インクが流れた経路(ノズル・回収経路・吸引経路)を洗浄する。この洗浄工程の後、乾燥工程が実施され、インクが流れた経路の洗浄液をメインタンクに回収してからインクジェット記録装置を稼働停止状態にする。
一方、インクジェット記録装置をインクの循環が停止した状態から稼働状態に移行する際には、加圧されたインクを印字ノズルから吐出させて印字を実行可能な状態にする立上処理が実行される。この立上処理の際、印字ヘッドを洗浄台に載置し、印字ヘッド内に印字ノズルとは別に設けられた洗浄ノズルから洗浄液を印字ノズルに向けて噴射し、印字ノズルやその周辺を自動的に洗浄することにより、印字ノズルの穴やガターの開口に付着しているインクの固形物を除去するようにしている。
特開2015-136934号公報
上述のようにインクジェット記録装置は立下処理をしなければインクを常時吐出し続ける構造のため、稼働状態で停電や誤操作により電力の供給が遮断されるとインク漏れが発生するおそれがある。具体的に説明すると、例えば、電力の供給が遮断されてインクの供給がストップされたとしても、インクを送るポンプの圧力が急には低下しないため、タンクから搬送される途中の経路内に存在するインクが残圧によってノズルから漏れ出してしまうことがある。漏れ出したインクはワークや製造ラインに放出されてこれらを汚し、さらにインクジェット記録装置本体も汚染してしまう可能性がある。
また、インクは粘性があるため、そのまま放置すると経路内で固着してインク詰まりの原因となり、さらにまたノズルから漏れたインクが固化してノズルの開口周囲に付着し、ノズル詰まりによる性能低下、動作不良の原因となるおそれもある。
上述の問題を解決するため、瞬間的な停電や誤った電源遮断時に予備電源を用いた電源遮断時の印字状態維持、経路洗浄を行うことが考えられるが、このようにしたとしても、予備電源の容量に制限がある場合、洗浄動作を完全に実行できず、簡易的な洗浄動作に留まってしまうことがある。その結果、経路状態が正常に洗浄動作を完了した場合と比較して洗浄不十分・残留液の量が多い状態で放置され、次回起動時に上記経路内でのインク詰まりやノズル詰まりによる性能低下、動作不良の懸念が残っていた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、装置立上処理の際に適切な洗浄処理が行えるようにすることで印字品質の低下や動作不良を防ぐことにある。
上記目的を達成するために、本開示の第1の側面は、インク粒を吐出するノズル、該ノズルから吐出されたインク粒を帯電させる帯電電極、該帯電電極により帯電されたインク粒の飛翔方向を偏向させる偏向電極、及び非偏向のインク粒を回収して循環させるためのガターを内部に収容し、かつ前記偏向電極により偏向されたインク粒を外部に吐出する印字ヘッドと、前記印字ヘッドに対してインクを供給するインク供給部、前記印字ヘッドに対して溶剤を供給する溶剤供給部、および、前記インク供給部から前記印字ヘッドへのインク供給を制御するとともに、前記溶剤供給部から前記印字ヘッドへの溶剤供給を制御する制御部を有するコントローラとを備え、前記インク供給部から供給されるインクを用いてワークへの印字を行うインクジェット記録装置であって、外部電源からの電力に基づいて、前記制御部に供給するための主電源電圧を生成する主電源生成部と、外部電源からの電力によって充電される蓄電デバイスを備え、該蓄電デバイスの放電に応じた予備電源電圧を生成する予備電源生成部と、前記主電源生成部、前記予備電源生成部及び前記制御部に接続され、前記主電源生成部からの主電源電圧を前記制御部に供給するとともに、外部電源からの電力供給が遮断されたとき、前記予備電源生成部からの予備電源電圧を前記制御部に供給する電源切替部と、前記インクジェット記録装置の電源がオフされる際に、前記主電源電圧を使用して前記溶剤供給部から供給される溶剤を用いた第1の洗浄動作を行う、または、前記予備電源電圧を使用して前記溶剤供給部から供給される溶剤を用いた第2の洗浄動作であって、かつ、該第1の洗浄動作より少なくとも洗浄時間が短い又は洗浄箇所が少ない第2の洗浄動作を行う洗浄動作部と、前記洗浄動作部により前記第1の洗浄動作または前記第2の洗浄動作のいずれが行われたかに関する洗浄情報を記録する洗浄情報記録部と、を備え、前記洗浄動作部は、前記インクジェット記録装置を立ち上げる際に、前記洗浄情報記録部に記録された内容に基づいて、前記インクジェット記録装置の電源が前回オフされる際に前記第1の洗浄動作が行われたときと、前記インクジェット記録装置の電源が前回オフされる際に前記第2の洗浄動作が行われたときとで、前記インクジェット記録装置の洗浄動作を異ならせるように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、外部電源から電力が供給されている場合には、主電源生成部で主電源電圧が生成されて制御部に供給されるので、インクジェット記録装置の電源がオフされる際には通常の洗浄動作に相当する第1の洗浄動作を完了させることができる。一方、外部電源からの電力供給が遮断されると、予備電源生成部からの予備電源電圧が制御部に供給される。この場合、予備電源の容量によっては、通常の洗浄動作を完了させることができない場合があるので、洗浄動作部は、予備電源電圧を用いた第2の洗浄動作を行う。
すなわち、インクジェット記録装置の電源がオフされた際に予備電源電圧を用いた簡易的な洗浄動作しか行うことができなかった場合には、次回の立ち上げ時に、より入念な洗浄動作とすることで、インク詰まりやノズル詰まりによる性能低下、動作不良が回避される。一方、インクジェット記録装置の電源がオフされた際に主電源電圧を用いた通常の洗浄動作を行うことができた場合には、次回の立ち上げ時に、通常の洗浄動作とすることで、不必要な洗浄が行われることはない。
本開示の第2の側面は、前記インクジェット記録装置の洗浄動作を規定する洗浄パターンであって、前記第1の洗浄動作または前記第2の洗浄動作のいずれかに対応付けられた異なる洗浄パターンを記憶する洗浄パターン記憶部を備え、前記洗浄動作部は、前記インクジェット記録装置を立ち上げる際に、前記洗浄情報記録部に記録された内容に基づいて、前記洗浄パターン記憶部に記憶された前記異なる洗浄パターンのうちの一つを選択して、前記インクジェット記録装置の洗浄動作を変更するように構成されていることを特徴とする。
すなわち、インクジェット記録装置の電源がオフされた際にいずれの洗浄動作が行われたのか洗浄情報記録部が記録しておくことができる。そして、次回の立ち上げ時には、洗浄情報記録部に記録された内容に基づいて、洗浄パターン記憶部に記憶された異なる洗浄パターンのうちの一つを選択して、インクジェット記録装置の洗浄動作を変更することができる。
本開示の第3の側面は、前記異なる洗浄パターンは、洗浄動作を行う時間、及び洗浄箇所の少なくとも一方が異なっていることを特徴とする。
本開示の第4の側面は、前記洗浄動作部は、前記インクジェット記録装置を立ち上げる際に、前記洗浄情報記録部に前記第2の洗浄動作が行われたことが記録されている場合には、前記第1の洗浄動作が行われたことが記録されている場合よりも洗浄動作を行う時間が長い洗浄パターンを選択するように構成されていることを特徴とする。
すなわち、異なる洗浄パターンとして、洗浄動作を行う時間が異なる洗浄パターンが洗浄パターン記憶部に記憶されている場合、予備電源電圧を用いた第2の洗浄動作が行われた際には、インクジェット記録装置を立ち上げる際に長時間の洗浄動作を行うことで、より入念に洗浄することができる。一方、主電源電圧を用いた通常の洗浄動作が行われた際には、立ち上げ時の洗浄時間が短縮される。
洗浄動作を行う時間は、例えば溶剤で洗浄を行う場合には溶剤の吐出時間とすることができ、また、インクで洗浄を行う場合にはインクの吐出時間とすることができる。洗浄動作を行う時間は、洗浄回数によって変更することもできる。
本開示の第5の側面は、前記洗浄動作部は、前記インクジェット記録装置を立ち上げる際に、前記洗浄情報記録部に前記第2の洗浄動作が行われたことが記録されている場合には、前記第1の洗浄動作が行われたことが記録されている場合よりも洗浄箇所が多い洗浄パターンを選択するように構成されていることを特徴とする。
すなわち、例えばノズルの外部のみを洗浄する洗浄パターンと、ノズルの外部及び内部の両方を洗浄する洗浄パターンとが洗浄パターン記憶部に記憶されていた場合、予備電源電圧を用いた第2の洗浄動作が行われた際には、ノズルの外部及び内部の両方を洗浄する洗浄パターンを選択することで、インク詰まりやノズル詰まりを抑制できる。一方、主電源電圧を用いた通常の洗浄動作が行われた際には、ノズルの外部のみを洗浄する洗浄パターンを選択することで、立ち上げ時の洗浄時間が短縮される。
本開示の第6の側面は、前記洗浄情報記録部は、前記ノズルから吐出されたインク粒を前記ガターに回収させるインク循環動作中に前記主電源生成部からの主電源電圧が遮断されたか否かを記録するように構成され、前記洗浄パターン記憶部には、前記インク循環動作中に主電源電圧が遮断された場合の洗浄パターンとして、前記ノズルの外部及び内部の両方を洗浄する洗浄パターンが記憶されており、前記洗浄動作部は、前記インクジェット記録装置を立ち上げる際に、前記洗浄情報記録部に、インク循環動作中に主電源電圧が遮断されたことが記録されている場合には、前記ノズルの外部及び内部の両方を洗浄する洗浄パターンを選択するように構成されていることを特徴とする。
例えば、インクジェット記録装置の稼働時に、ノズルから吐出されたインク粒がガターに回収されるインク循環動作中に主電源電圧が遮断される場合が想定される。この場合は、経路内の残留インクがほとんど回収されずに残ってしまうので、次回インクジェット記録装置を立ち上げる際には、ノズルの外部だけでなく、ノズルの内部も洗浄することで、インク詰まりやノズル詰まりを抑制できる。
本開示の第7の側面は、前記洗浄パターン記憶部には、前記第1の洗浄動作に対応付けられた洗浄パターンとして、前記ノズルの外部を洗浄する洗浄パターンが記憶されており、前記洗浄動作部は、前記インクジェット記録装置を立ち上げる際に、前記洗浄情報記録部に前記第1の洗浄動作が記録されている場合には、前記ノズルの外部を洗浄する洗浄パターンを選択するように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、インクジェット記録装置の電源がオフされる際に、第1の洗浄動作、即ち主電源電圧が供給された状態で洗浄動作が行われた場合には、規定の洗浄動作を経てから稼働停止になっていると考えられるので、この場合は、ノズルの外部を洗浄する洗浄パターンを選択することで、立ち上げ時の洗浄時間が短縮される。
本開示の第8の側面は、前記洗浄パターン記憶部には、前記インク供給部から供給されるインクを前記ノズルに供給して前記ガターに回収させる洗浄パターンが記憶されていることを特徴とする。
すなわち、洗浄動作は溶剤を使用した動作に限られるものではなく、ノズルにインクを供給することで、インクを利用した洗浄動作であってもよい。溶剤による洗浄動作と、インクによる洗浄動作を併用することもできる。
本開示によれば、インクジェット記録装置の電源がオフされる際に、主電源電圧を用いた洗浄動作と、予備電源電圧を用いた洗浄動作とのいずれが行われたかを記録しておき、次回インクジェット記録装置を立ち上げる際に、電源がオフされる際に行われた洗浄動作に応じてインクジェット記録装置の洗浄動作を変更することができるので、装置立上処理の際に適切な洗浄処理を行うことができ、印字品質の低下や動作不良を防ぐことができる。
図1は、インクジェット記録システムの全体構成を例示する図である。 図2は、インクジェット記録装置の概略構成を例示するブロック図である。 図3は、印字ヘッドの概略構成を例示する図である。 図4は、インクジェット記録装置におけるインクおよび溶剤の経路を例示する図である。 図5は、印字ヘッドを下方から見た斜視図である。 図6は、インクジェット記録装置の基本動作を例示するフローチャートである。 図7は、インクジェット記録装置の立上処理を例示するフローチャートである。 図8は、立上処理における工程Aを説明するための図である。 図9は、立上処理における工程Bを説明するための図である。 図10は、立上処理における工程Cを説明するための図である。 図11は、インクジェット記録装置の立下処理を例示するフローチャートである。 図12は、立下処理における工程Dを説明するための図である。 図13は、立下処理における工程Eを説明するための図である。 図14は、立下処理における工程Fを説明するための図である。 図15は、印字ヘッドの内部領域を示す斜視図である。 図16は、電力供給部の構成を例示するブロック図である。 図17は、インクジェット記録装置の電源がオフされる際の洗浄動作に対応付けられた洗浄パターンの例1及び例2を示す図である。 図18は、洗浄パターンの例3を示す図である。 図19は、球状のインク堆積物がガターの開口に形成された状態を示す図15相当図である。 図20Aは、ガター内にインクが存在した状態で電源が遮断された場合を示す経路断面図である。 図20Bは、経路内で発生する蒸気圧を示す図20A相当図である。 図20Cは、インクの固化物がガターに付着した状態を示す図20A相当図である。 図21は、洗浄動作部による制御の詳細を示すフローチャートである。 図22は、変形例に係る図21相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
すなわち、本明細書では、インクジェット記録装置の一例として、産業用インクジェットプリンタについて説明するが、ここに開示する技術は、インクジェット記録装置および産業用インクジェットプリンタという名称に関わらず、粒子状のインクを飛翔させてワークに着弾させるインクジェットを用いた一般の機器に適用することができる。
また、本明細書においては、インクジェット記録装置による印字について説明するが、ここでいう「印字」には、文字の印刷、図形のマーキング等、インクジェットを応用したあらゆる加工処理が含まれる。
<全体構成>
図1はインクジェット記録システムSの全体構成を例示する図である。また、図2はインクジェット記録装置Iの概略構成を例示する図であり、図3はインクジェット記録装置Iにおける印字ヘッド1の概略構成を例示する図である。そして、図4は、インクジェット記録装置Iにおけるインクおよび溶剤の経路を例示する図である。図1に例示する自動印字システムSは、例えば工場等の搬送ラインLに設置されており、その搬送ラインLを流れる各ワークWに対し、順番に印字を施すように構成されている。なお、本開示の適用対象は、自動印字システムSには限定されない。自動以外の方法を用いた印字システムに適用することもできる。搬送ラインLは、例えばベルトコンベア等で構成することができる。
具体的に、自動印字システムSは、粒子状のインク(インク粒)をワークWに着弾させることで印字を行うインクジェット記録装置Iと、インクジェット記録装置Iに接続される操作用端末800及び外部機器900と、を備えている。なお、操作用端末800および外部機器900は、必須ではない。
図1~図3に例示するインクジェット記録装置Iは、インク粒をノズル12から吐出するとともに、そのインク粒をワークWに着弾させる印字ヘッド1と、この印字ヘッド1に対し制御信号、インクおよび溶剤を供給するコントローラ100と、を備えている。コントローラ100が印字ヘッド1に制御信号を供給することで、インク粒の軌跡を制御する。これにより、ワークW上でのインク粒の着弾位置が調整されて、所望の印字が実現されるようになっている。
特に、本実施形態に係るインクジェット記録装置Iは、いわゆるコンティニュアス方式のインクジェットプリンタ(Continuous Ink Jet printer:CIJ)として構成されている。すなわち、インクジェット記録装置Iは、インクの揮発に起因した目詰まり(特に、ノズル12の目詰まり)等を防止するために、印字を実行していないときであっても、インクジェット記録装置Iが稼働状態であれば、インクジェット記録装置Iの内部を常にインクが循環している。コンティニュアス方式を採用することで、インクによる目詰まりを招くことなく、速乾性のインクを用いることができるようになる。
また、本実施形態に係るインクジェット記録装置Iは、溶剤を印字ヘッド1へ送り出すことで、ノズル12等、印字ヘッド1の各部を洗浄することができるようになっている。洗浄に用いられた溶剤は、必要に応じて回収されて、インクの濃度(粘度)を調整するために再利用することができる。
インクの循環を実現するために、印字ヘッド1は、インクまたは溶剤を吐出するノズル12に加えて、そのノズル12から吐出されたインクまたは溶剤を回収するガター16を備えている(図3参照)。コントローラ100から印字ヘッド1へ送り込まれたインクまたは溶剤は、ノズル12から吐出されてガター16によって回収される。そうして回収されたインクまたは溶剤は、コントローラ100へ送り戻されて再利用される。こうした工程を繰り返し行うことで、インクを循環させることができる。
操作用端末800は、例えば中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)および記憶装置を有しており、コントローラ100に接続されている。この操作用端末800は、印字における加工条件を設定するとともに、印字に関連した情報をユーザに示すための端末として機能する。
操作用端末800により設定される加工条件は、コントローラ100に出力されて、その記憶部102に記憶される。コントローラ100の記憶部102に加えて、または、この記憶部102に代えて、操作用端末800が加工条件を記憶してもよい。
なお、本実施形態に係る加工条件には、印字されるべき文字列等の内容に加えて、後述の立下処理に関連した条件およびパラメータ(以下、これを「洗浄設定」ともいう)が含まれる。
なお、操作用端末800は、例えばコントローラ100に組み込んで一体化することができる。この場合は「操作用端末」という呼称ではなく、コントロールユニット等の呼称が用いられることになる。
外部機器900は、必要に応じてコントローラ100に接続される。図1および図2に示す例では、外部機器900として、ワーク検出センサ901、搬送速度センサ902およびプログラマブルロジックコントローラ(Programmable Logic Controller:PLC)903が設けられている。
具体的に、ワーク検出センサ901は、搬送ラインLにおけるワークWの有無を検出し、その検出結果を示す信号(検出信号)をコントローラ100へ出力する。ワーク検出センサ901から出力される検出信号は、印字を開始するためのトリガー(印字トリガ)として機能する。
搬送速度センサ902は、例えばロータリエンコーダから構成されており、ワークWの搬送速度を検出することができる。搬送速度センサ902は、その検出結果を示す信号(検出信号)をコントローラ100へ出力する。コントローラ100は、搬送速度センサ902から入力された検出信号に基づいて、印字ヘッド1からインク粒を吐出するタイミング等を制御する。
またPLC903は、図2に例示するように、コントローラ100と電気的に接続されている。PLC903は、予め定めたシーケンスに従ってインクジェット記録システムSを制御するために用いられる。
インクジェット記録装置Iには、上述した機器や装置以外にも、操作および制御を行うための装置、その他の各種処理を行うためのコンピュータ、記憶装置、周辺機器等を接続することもできる。この場合の接続は、例えば、IEEE1394、RS-232、RS-422およびUSB等のシリアル接続、またはパラレル接続としてもよい。あるいは、10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-T等のネットワークを介して電気的、磁気的または光学的な接続を採用することもできる。また、有線接続以外にも、IEEE802等の無線LAN、または、Bluetooth(登録商標)等の電波、赤外線、光通信等を利用した無線接続でもよい。さらに、データの交換や各種設定の保存等を行うための記憶装置に用いる記憶媒体としては、例えば、各種メモリカード、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等を利用することができる。
<コントローラ100>
コントローラ100は、印字ヘッド1を電気的に制御するとともに、印字用のインク、および、インクを希釈するための溶剤を印字ヘッド1へ供給することができるように構成されている。
具体的に、本実施形態に係るコントローラ100は、電気的な制御に関連した構成要素として、前述の加工条件を記憶する記憶部102と、コントローラ100および印字ヘッド1の各部を制御する制御部101と、ユーザによる操作を受け付けるとともに、ユーザへ情報を表示する操作表示部103と、外部から供給される電力を制御部101へ導く電力供給部120と、を備えている。
コントローラ100はまた、インク等の供給に関連した構成要素として、印字ヘッド1のノズル12にインクを供給するインク供給部104と、このノズル12およびインク供給部104に溶剤を供給する溶剤供給部105と、を備えている。
制御部101と、インク供給部104及び溶剤供給部105とは、別ユニットで構成されていてもよい。記憶部102も、インク供給部104及び溶剤供給部105とは、別ユニットで構成されていてもよい。操作表示部103も、インク供給部104及び溶剤供給部105とは、別ユニットで構成されていてもよい。これらの場合も、構成要素を合わせてコントローラ100とすることができる。
(記憶部102)
記憶部102は、後述の操作表示部103、または、操作用端末800を介して設定された加工条件を記憶するとともに、外部からの制御信号に基づいて、記憶された加工条件を制御部101へと出力するように構成されている。
具体的に、記憶部102は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)、ソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等を用いて構成されており、加工条件を示す情報を一時的または継続的に記憶することができる。なお、操作用端末800をコントローラ100に組み込んだ場合には、操作用端末800が記憶部102を兼用してもよい。
(制御部101)
制御部101は、記憶部102に記憶された加工条件に基づいて、少なくとも、コントローラ100におけるインク供給部104および溶剤供給部105と、印字ヘッド1におけるノズル12、帯電電極13および偏向電極15と、を制御する。制御部101が各部を制御することにより、ワークWへの印字が所定のタイミングで実施される。
具体的に、制御部101は、例えばCPU、メモリ、入出力バス等を有しており、操作表示部103または操作用端末800を介して入力された情報を示す信号と、記憶部102から読み込んだ加工条件を示す信号と、に基づいて制御信号を生成する。制御部101は、そうして生成した制御信号をコントローラ100およびインクジェット記録装置Iの各部へと出力することにより、ワークWに対する印字を制御する。
例えば制御部101は、ワークWに印字するときには、記憶部102に記憶されたワークWへの印字内容を読み込んで、その印字内容に基づいた制御信号を生成する。そして、制御部101は、その制御信号を帯電電極13へと出力することで、印字内容に対応した着弾位置を実現するようにインク粒の飛翔方向を設定する。
(操作表示部103)
図1に示すように、操作表示部103は、例えばコントローラ100を構成する筐体等に設けることができるが、筐体とは別に構成し、筐体とは異なる所に設置するようにしてもよい。この操作表示部103は、インクジェット記録装置Iに関連した種々の情報を表示する表示部103aと、例えば、タッチ式操作パネルやボタン、スイッチ等からなる操作部103bと、を備えている。表示部103aは、例えば液晶表示パネルや有機EL表示パネル等で構成されており、制御部101によって制御され、後述するようなユーザインターフェース等も表示可能に構成されている。
ユーザが操作表示部103の操作部103bを操作すると、その操作情報が制御部101に入力され、制御部101はどのような操作が行われたか検知することができる。例えば、操作部103bを操作することで、インクジェット記録装置Iの電源ON/OFF等を切替えることや、各種設定、情報の入力等を行うことができる。なお、操作用端末800をコントローラ100に組み込んだ場合には、操作用端末800が操作表示部103を兼用してもよい。操作表示部103の表示部103aは、ユーザに各種情報を通知する通知部であり、また、操作部103bは各種情報を入力可能な入力部である。
この操作表示部103は、前述の操作用端末800と同様に、印字における加工条件を設定することもできる。操作表示部103により設定される加工条件は、コントローラ100に出力されて、その記憶部102に記憶される。以下の記載では、ユーザが操作表示部103を操作するケースを前提に説明するが、操作表示部103の代わりに操作用端末800を用いることもできる。
(インク供給部104)
インク供給部104は、主たる構成要素として、補充用のインクを収容したインクカートリッジ104aと、このインクカートリッジ104aからインクが供給されるメインタンク104bと、インク流通経路104cとを有している。インクカートリッジ104a、メインタンク104bおよび印字ヘッド1は、インク流通経路104cを介して流体的に接続されている。
このうち、インクカートリッジ104aは、コントローラ100に対して着脱自在に構成されており、これを付け替えることで、メインタンク104bにインクを補充することができる。
このように、本実施形態に係るインクジェット記録装置Iは、いわゆる“カートリッジ式”のインクジェットプリンタとして構成されているが、この構成には限定されない。例えば、手動で開閉可能なタンクを設けるとともに、そのタンクに対してインクを補充するように構成してもよい。
メインタンク104bは、ノズル12へ供給されるインクを蓄える容器であり、具体的には溶剤によって濃度(粘度)調整されたインクを収容するように構成されている。こうした構成を実現するために、インクカートリッジ104aからメインタンク104bへ至る経路には、溶剤供給用の経路が接続されている。
また、インク流通経路104cは、印字ヘッド1にインクを供給するための経路であり、例えば、ノズル12にインクを送り込むための経路と、ガター16からインクを送り戻すための経路と、を有している。ノズル12にインクを送り込むための経路は、インクカートリッジ104aと、メインタンク104bと、ノズル12とを接続している。ガター16からインクを送り戻すための経路は、ガター16と、メインタンク104bとを接続している。これらの経路によって、印字ヘッド1とコントローラ100との間でインクを循環させることができる。
後述の如く、インク流通経路104cには、第1バルブV1をはじめとする複数の電磁弁と、インクポンプP1をはじめとする複数のポンプと、が設けられている。このうち、各電磁弁は、制御部101から出力された制御信号を受けて開閉し、インクの流れを制御することができる。一方、各ポンプは、制御部101から出力された制御信号を受けてインクを圧送し、電磁弁と同様に、インクの流れを制御することができる。
(溶剤供給部105)
溶剤供給部105は、主たる構成要素として、補充用の溶剤を収容した溶剤カートリッジ105aと、洗浄に用いられた溶剤を蓄えるコンディショニングタンク105bと、溶剤流通経路105cと、を有している。溶剤カートリッジ105a、コンディショニングタンク105bおよび印字ヘッド1は、溶剤流通経路105cを介して流体的に接続されている。溶剤が流通する溶剤流通経路105cは、複数の経路からなり、そのうちの一部は、ガター16からインクを送り戻す経路により兼用されている。
溶剤カートリッジ105aは、コントローラ100に対して着脱自在に構成されている。この溶剤カートリッジ105aを付け替えることで、コントローラ100に溶剤を補充することができる。溶剤カートリッジ105aの代わりに溶剤タンクを設けてもよい。なお、溶剤供給部105は、溶剤カートリッジ105a内の溶剤が空になったか否か、又は、溶剤が残り少なくなったか否かを検知する機能を有する。溶剤カートリッジ105aに収容されている溶剤は、インクの濃度調整に用いられるとともに、インクが流通する経路等を洗浄する洗浄剤としても使用される。
コンディショニングタンク105bは、洗浄に用いられた溶剤を収容するように構成されている。前述のように、ノズル12から吐出された溶剤は、インクと同様にガター16によって回収される。そのため、ガター16からインクを送り戻すための経路は、溶剤を送り戻すための経路を兼用している。
また、溶剤流通経路105cは、印字ヘッド1およびメインタンク104b等に溶剤を供給するための経路を含み、例えば、ノズル12に溶剤を送り込むための経路と、ガター16から溶剤を送り戻すための経路と、を有している。ノズル12に溶剤を送り込むための経路は、溶剤カートリッジ105aとノズル12とを接続している。ガター16から溶剤を送り戻すための経路は、前述のように、インクを送り戻すための経路を兼ねている。
後述の如く、溶剤流通経路105cには、第16バルブV16をはじめとする複数の電磁弁と、溶剤ポンプP2をはじめとする複数のポンプと、が設けられている。このうち、各電磁弁は、制御部101から出力された制御信号を受けて開閉し、溶剤の流れを制御することができる。一方、各ポンプは、制御部101から出力された制御信号を受けて溶剤を圧送し、電磁弁と同様に、溶剤の流れを制御することができる。
なお、溶剤流通経路105c、および、前述のインク流通経路104cという分類は、説明を簡潔にするためになされた便宜上の分類に過ぎない。溶剤流通経路105cおよびインク流通経路104cは、相互に接続されていたり、一方が他方を兼ねていたりするため、実質的に不可分となっている。
(電力供給部120)
電力供給部120は、商用電源700と制御部101の間に介在しており、商用電源700から供給される電力を中継し、これを制御部101へと供給することができる。
詳細は後述するが、本実施形態に係る電力供給部120は、主電源生成部121、予備電源生成部122、電源切替部123および遮断検知部124を有しており、主電源生成部121において生成される電力、または、予備電源生成部122において生成される電力のうちのいずれかを電源切替部123において選択し、選択された一方を制御部101へ供給することができる。
また、図2に例示する電力供給部120は、商用電源700からの電力供給が遮断されたことを検知する機能も有している。電力供給部120の詳細については後述する。
(他の構成要素)
コントローラ100には、制御信号を送受するための電気配線と、インクを送受するためのチューブ(具体的には、インク流通経路104cを区画するチューブ)と、溶剤を送受するためのチューブ(具体的には、溶剤流通経路105cを区画するチューブ)と、が束になって被覆された接続ケーブル107が設けられている。この接続ケーブル107は可撓性を有しており、印字ヘッド1の上端部に接続されている(図1を参照)。コントローラ100と印字ヘッド1は、この接続ケーブル107を介して電気的にかつ流体的に接続されている。
<印字ヘッド1>
印字ヘッド1は、コントローラ100から供給される制御信号、インクおよび溶剤に基づいて濃度調整されたインクを粒子状のインク粒として吐出する。印字ヘッド1は、そうして吐出されたインク粒の飛翔方向を偏向せしめるとともに、偏向されたインク粒をワークWの表面に着弾させることで、そのワークWに対して印字を実行することができる。
具体的には、図3に示すように、本実施形態に係る印字ヘッド1は、インクを加振する加振器11と、加振器11により加振されたインクを吐出するノズル12と、ノズル12から吐出された粒子状のインクを帯電させる帯電電極13と、インクの帯電状態を監視する帯電検出センサ14と、帯電電極13により帯電されたインクの飛翔方向を偏向させる偏向電極15と、偏向電極15により非偏向とされたインク、または、ノズル12から吐出された溶剤を回収するガター16と、を備えている。
印字ヘッド1は、加振器11、ノズル12、帯電電極13、帯電検出センサ14、偏向電極15およびガター16を内部に収容し、かつ、インク粒の飛翔空間S1を区画する筐体10を備えている。この印字ヘッド1は、偏向電極15によって偏向されたインク粒を、飛翔空間S1を介して筐体10の外部に吐出することができる。
図5にも示すように、印字ヘッド1の外形状をなす筐体10の下面には、偏向電極15により偏向されたインクを外部に吐出するための吐出口Aが開口している。インクは、この吐出口Aから筐体10の下方へ向けて吐出されるようになっている。
図1に示すように、印字時における印字ヘッド1は、例えば支持部材2によって支持されている。支持部材2によって支持された状態の印字ヘッド1は、その吐出孔AがワークWの印字面に対して上方向から対向するように配置される。この場所が、インクジェット記録装置Iにより印字を行う際の印字ヘッド1の設置場所の一例である。
以下、印字ヘッド1をなす各部について、順番に説明をする。なお、以下の記載において「上下方向」とは、鉛直方向に沿った方向を指す。例えば、図3の紙面上方が「上方向」に相当し、同図の紙面下方が「下方向」に相当する。他の図においても、これに対応する方向を「上下方向」という。
(加振器11)
図3に例示するように、加振器11は、筐体10の飛翔空間S1における上端付近に配置されている。本実施形態に係る加振器11には、インクに上下振動を付与(加振)するためのデバイス(例えばピエゾ素子)が内蔵されている。この加振器11は、接続ケーブル107を介してインクが供給されるように構成されており、そうして供給されたインクを加振することができる。加振器11によって加振されたインクは、ノズル12へと供給される。
なお、図示は省略したが、本実施形態に係る加振器11は接地されている。
(ノズル12)
図3に例示するように、ノズル12は、加振器11の下端部に接続されており、その開口端(インクの噴射口)を下方に向けた姿勢で配置されている。ノズル12の開口端から、加振器11によって加振されたインクを吐出することができる。このノズル12には、例えば立下時に印字ヘッド1内部の圧力を抜くためのリターン経路として機能する吸引経路27が接続されている(図4を参照)。また、吸引経路27を通じて、ノズル12から溶剤を吸引させることもできる。
ここで、加振器11によって加振されずにノズル12から吐出されたインクは、軸状のいわゆる“インク軸”となって流れる。一方、加振されたインクは、ノズル12から吐出された直後に粒子化されて、いわゆる“インク粒”となる。ノズル12から吐出されたインクは、ノズル12から吐出された直後は軸状であるが、ノズル12から離れるに従って粒子状になる。この粒子状になる位置をブレークポイントと呼ぶ。ノズル12から吐出されたインク(インク粒)は、後述する帯電電極13を通過する。
なお、印字ヘッド1を洗浄すべく供給された溶剤は、加振器11とノズル12を順番に通過して、ノズル12の先端部から吐出される。そうして吐出される溶剤は、軸状に流れて、帯電電極13を通過する。
(帯電電極13)
図3に例示するように、帯電電極13は、一対の伝導性を有する金属板によって構成されており、ノズル12の下方に配置されている。ここで、帯電電極13を構成する一対の金属板は、それぞれの長手方向を上下方向に沿わせた姿勢で、かつ互いに水平方向に向い合うような姿勢で筐体10に固定されている。一対の金属板の間隔は、ノズル12から吐出されたインクの粒径よりも大きく設定されており、ノズル12から吐出されたインクが一対の金属板の間を通過することになる。
本実施形態に係る帯電電極13には、少なくとも印字動作を実行するときに電位(正電位)が印加される。これにより、加振器11と帯電電極13との間に電位差を生じさせ、帯電電極13を通過するインク粒を帯電させることが可能となる。各インク粒を帯電させるために、本実施形態に係る帯電電極13は、ノズル12から吐出されたインクが粒子化するブレークポイント付近に配置される。
帯電電極13には、コントローラ100によって制御可能なパルス電位が印加される。ここで、帯電電極13に対して相対的に高い電圧を印加した場合は、それよりも低い電圧を印加した場合に比して、各インク粒の帯電量(負の電荷の大きさ)が大きくなる。各インク粒は、その帯電量が大きい場合には、それが小さい場合に比して、偏向電極15によって大きく偏向される。コントローラ100がパルス電位の大きさを調整することで、インク粒の偏向量を制御することができる。帯電電極13によって帯電されたインク粒は、帯電検出センサ14の側方を通過した偏向電極15へ至る。
また、ノズル12から吐出される溶剤は、帯電されることなく、帯電検出センサ14の側方を通過して偏向電極15へ至る。
(帯電検出センサ14)
図3に例示するように、帯電検出センサ14は、帯電電極13の下方に配置されている。詳しくは、帯電検出センサ14は、帯電電極13を構成する金属板(図3に示す例では、紙面右側の金属板)の下方において、インク粒が飛翔する際の軌跡と交わらないように配置されている。帯電検出センサ14をこのように配置することで、インク粒と帯電検出センサ14との衝突を避けることが可能となる。
また、本実施形態に係る帯電検出センサ14は、筐体10の内部に設けた回路基板に接続されている。帯電検出センサ14は、その側方を通過するインク粒の帯電状態を検出することができる。帯電検出センサ14による検出結果は、検出信号として制御部101に出力される。この検出信号に基づいて、制御部101は、各インク粒が適切に帯電しているか否かを判定することができる。
(偏向電極15)
図3に例示するように、偏向電極15は、一対の伝導性を有する金属板(いわゆる「対向電極」)によって構成されており、帯電電極13および帯電検出センサ14の下方に配置されている。ここで、一対の金属板は、それぞれの長手方向を略上下方向に沿わせた姿勢で、かつ互いに水平方向に向い合うような姿勢で筐体10に固定されている。帯電電極13を構成する一対の金属板の間を通過したインク粒は、偏向電極15を構成する一対の金属板の間を通過することになる。
偏向電極15には、コントローラ100によって制御可能な電圧が印加される。これにより、偏向電極15を構成する一対の金属板の間には電位差が生じることになる。この電位差によって、インク粒の帯電量に応じて、そのインク粒の飛翔方向を偏向させることができる。インク粒の飛翔方向は、偏向電極15を構成する一対の金属板の並び方向に沿って偏向され得る。
すなわち、帯電電極13および偏向電極15のそれぞれに印加される電圧を介して、インク粒の飛翔方向を制御することができる。そうして飛翔方向が制御されるインク粒には、偏向電極15により偏向されたものと、偏向電極15により偏向されないもの(非偏向とされたもの)と、が含まれる。このうち、偏向電極15により偏向されたインク粒がワークWの印字に関与する。偏向電極15により偏向されたインク粒は、筐体10の下面に設けた吐出口Aから吐出されて、ワークWに着弾する。
一方、偏向電極15により非偏向とされたインク粒は、ワークWの印字に関与しない。こうしたインク粒、または、そもそも粒子化されていない軸状のインクは、図3において鎖線で例示したように、ガター16の中に到達する。同様に、印字ヘッド1におけるノズル12等の洗浄に用いられて偏向電極15を通過した溶剤もまた、ガター16の中に至る。
(ガター16)
図3や図15に例示するように、ガター16は、その開口16aを上方に向けた曲管によって構成されており、偏向電極15の下方に配置されている。本実施形態に係るガター16は、ワークWの印字に関与しないインクと、ノズル12を通過した溶剤(具体的には、ノズル12から吐出された溶剤)と、を回収することができる。
詳しくは、本実施形態においては、ガター16の開口16aと、ノズル12の開口端とが互いに向い合うように配置されており、ガター16の開口16aの真上にノズル12の開口端が位置している。このように配置することで、ノズル12の開口端から鉛直方向に沿って流れた流体、飛翔した流体を、ガター16の開口16aから受け入れることが可能になる。
ガター16によって回収されたインクまたは溶剤は、インク流通経路104c、溶剤流通経路105c等を通じてコントローラ100に送り戻されて、メインタンク104bまたはコンディショニングタンク105bに蓄えられるようになっている。
以下、ガター16によるインクまたは溶剤の回収について詳細に説明するために、インク流通経路104cおよび溶剤流通経路105cに係る構成について、図4を用いて説明をする。なお、図4において符号Fが付された構成要素は、フィルタを例示している。以下の記載では、フィルタFの配置、構成等の説明を省略する。
<インクおよび溶剤の経路について>
前述のように、本実施形態に係るコントローラ100は、印字ヘッド1にインクを供給するためのインク流通経路104cと、印字ヘッド1およびメインタンク104b等に溶剤を供給するための溶剤流通経路105cと、を備えている。
具体的に、インク流通経路104cは、ノズル12へのインクの供給に関連した経路として、インクカートリッジ104aおよび第1分岐部51を接続する第1インク経路21と、第1分岐部51(詳細には、第2インク経路22における中途の部位)、および、第2分岐部52を接続する第6インク経路26と、第2分岐部52およびメインタンク104bを接続する第8インク経路28と、メインタンク104bおよびノズル12を接続する第4インク経路24と、を有している。ここで、本実施形態に係る第6インク経路26は、後述の第5インク経路25を介して第2分岐部52と接続されるようになっている。
また、インク流通経路104cは、粘度計53による粘度測定に関連した経路として、第1分岐部51およびメインタンク104bを接続し、かつ粘度計53が介設された第2インク経路22と、この第2インク経路22とは独立して設けられ、メインタンク104bおよび第1分岐部51を接続する第3インク経路23と、を有している。
また、インク流通経路104cは、ガター16によるインクの回収に関連した経路として、ガター16およびメインタンク104bを接続する第5インク経路25を有している。
ここで、第2インク経路22には、循環ポンプP4と、第11バルブV11と、粘度計53と、が順番に設けられている。第4インク経路24には、インクポンプP1と、減圧弁と、圧力計と、第14バルブV14と、が順番に設けられている。第5インク経路25には、第10バルブV10と、ガターポンプP3と、第2分岐部52と、が順番に設けられている。
一方、溶剤流通経路105cは、ノズル12への溶剤の供給に関連した経路として、溶剤カートリッジ105aおよびノズル12を接続する第1溶剤経路31を有している。
また、溶剤流通経路105cは、溶剤カートリッジ105aに収容された溶剤によるインクの濃度(粘度)調整に関連した経路(溶剤カートリッジ105aとメインタンク104bとを結ぶ経路の一部要素)として、第1溶剤経路31における中途の部位、および、第1分岐部51を接続する第2溶剤経路32を有していてもよい。
また、溶剤流通経路105cは、コンディショニングタンク105bに収納された溶剤による濃度調整に関連した経路(メインタンク104bとコンディショニングタンク105bとを結ぶ経路の一部要素)として、第1分岐部51とコンディショニングタンク105bを接続する第3溶剤経路33を有していてもよい。
なお、インク流通経路104cとして例示された第5インク経路25は、ガター16による溶剤の回収に関連している。前述のように、「インク流通経路104c」および「溶剤流通経路105c」という分類は、便宜上の分類に過ぎない。
ここで、第1溶剤経路31には、光学式空検知機構44と、溶剤ポンプP2と、第16バルブV16と、第12バルブV12と、が順番に設けられている。第1溶剤経路31には、溶剤噴射部としての洗浄ノズル19が接続されている。洗浄ノズル19は、印字ヘッド1における加振器11、ノズル12の先端部、帯電電極13、偏向電極15等に溶剤を噴射することによってそれらを洗浄するためのノズルであって、洗浄液としての溶剤を噴出することができる。洗浄ノズル19から第1溶剤経路31に至る途中には、第15バルブV15が設けられている。
ここで、第1分岐部51は、第3インク経路23および第2インク経路22の間を開閉する第5バルブV5と、第1インク経路21および第2インク経路22の間を開閉する第8バルブV8と、第3溶剤経路33および第2インク経路22の間を開閉する第9バルブV9と、第2溶剤経路32および第2インク経路の間を開閉する第13バルブV13と、を有している。
また、第2分岐部52は、第6インク経路26および第8インク経路28の間を開閉する第1バルブV1と、第6インク経路26およびコンディショニングタンク105bの間を開閉する第3バルブV3と、第6インク経路26および廃液タンク(図4において、「廃液」と図示)の間を開閉する第4バルブV4と、を有している。
制御部101は、第11バルブV11など、各経路に設けられたバルブに制御信号を出力したり、第1分岐部51および第2分岐部52をなす各バルブに制御信号を出力したりすることで、コントローラ100内に所望の流路を構成することができる。
例えば、第8バルブV8と第1バルブV1を開くことで、インクカートリッジ104aからメインタンク104bにインクを補充することが可能になる。また、本来の循環動作ではないが、第5バルブV5と第11バルブV11を開くことで、第2インク経路22と、メインタンクと、第3インク経路23と、の間でインクを循環させて、粘度計53によってインクの粘度を測定することが可能になる。
溶剤に関連した経路についても同様である。例えば、第13バルブV13と、第1バルブV1と、を開くことで、溶剤カートリッジ105aに収容された溶剤をメインタンク104bに供給し、同タンクに蓄えられたインクの濃度を調整することができるようになる。また、第9バルブV9と、第1バルブV1と、を開くことで、コンディショニングタンク105bに貯蔵されたインク混じりの溶剤が、第3溶剤経路33、第1分岐部51、第6インク経路26、第2分岐部52および第8インク経路28を通過して、メインタンク105aに供給される。
コントローラ100は、空気の流通に関連した経路も有している。例えば、メインタンク104bには、不図示の排気口に通じる第1排気管41が接続されている。同様に、コンディショニングタンク105bには、前記排気口に通じる第2排気管42が接続されている。
空気の流通に関連した経路の別例として、コントローラ100は、ノズル12および第1分岐部51を接続する吸引経路27を有している。吸引経路27には第6バルブV6が設けられていて、この第6バルブV6と、前述の第5バルブV5を開くことで、吸引経路27、第1分岐部51、第6インク経路26、第2分岐部52、第8インク経路28、メインタンク104bおよび第1排気管41を介してノズル12を大気と連通させることができる。これにより、ノズル12から吐出されるインク粒の噴射圧を調整することができるようになる。
また、印字を実施する際には、第14バルブV14を開くことで、メインタンク104bから第4インク経路24を介してインクが供給される。そうして供給されたインクは、粒子状のインク粒となってノズル12から吐出される。
ここで、ノズル12から吐出されたインク(インク粒)のうち、印字に関与するインクは、図3を用いて説明したように印字ヘッド1から吐出される。一方、印字に関与しないインク、および、ノズル12等の洗浄に用いられた溶剤は、ガター16に回収されて、第5インク経路25を通じてコントローラ100に送り戻される。
その場合、メインタンク104bに送り戻されるべきインクは、第1分岐部51から、第6インク経路26、及び、第2分岐部52における第1バルブV1、および、第8インク経路28を介してメインタンク104bに供給される。一方、コンディショニングタンク105bに送り戻されるべき溶剤は、第5経路25から、第2分岐部52における第3バルブV3を介してコンディショニングタンク105bに供給される。
ガター16によるインクまたは溶剤の回収は、例えば、インクジェット記録装置Iの立上処理および立下処理と関連して行われるようになっている。ここで、「立上処理」とは、インクジェット記録装置Iへの電源投入時に、印字を開始する前に実行される処理をいう。一方、「立下処理」とは、インクジェット記録装置Iの電源遮断時に、同装置の動作を停止する前に実行される処理をいう。
詳しくは、本実施形態に係るインクジェット記録装置Iは、電源スイッチがONにされても、印字を直ちには開始しない。インクジェット記録装置Iは、印字を開始する前に所定の立上処理を実行する。この立上処理においては、溶剤を用いて印字ヘッド1を洗浄した後に、インクの吐出が開始される。立上処理の開始直後に吐出されるインクは、前述したインク軸を形成し、ガター16によって回収される。
同様に、本実施形態に係るインクジェット記録装置Iは、電源スイッチがOFFにされようとしたときには、その動作を直ちには停止しない。インクジェット記録装置Iは、動作を停止する前に、ノズル洗浄などからなる所定の立下処理を実行する。この立下処理においては、ノズル12から溶剤を吐出させて、これに残存したインクを洗浄および回収することができる。溶剤の吐出に伴ってノズル12から排出されたインクは、立上処理におけるインク軸と同様に、ガター16によって回収される。
なお、本実施形態における「電源スイッチ」には、物理的な押し釦に加えて、操作表示部103等に表示されるタッチ式操作パネルで構成されるスイッチ類も含む。そして、電源スイッチのOFF操作とは、押し釦等を物理的に押下する操作に加えて、操作用端末800、操作表示部103等を通じて指令されるシャットダウン操作も指す。電源スイッチのON操作についても同様である。
以下、インクジェット記録装置Iの立上処理および立下処理について詳細に説明する。
<インクジェット記録装置Iの基本動作>
図6は、インクジェット記録装置Iの基本動作を例示するフローチャートである。このフローチャートは、立上処理をはじめとするインクジェット記録装置Iの基本動作を例示している。
まず、図6のステップSA1では、インクジェット記録装置Iの電源スイッチがOFFFからONにされて、インクジェット記録装置Iに電源が投入される。
ステップSA1から続くステップSA2において、制御部101が立上処理を実行する。
図7は、インクジェット記録装置Iの立上処理を例示するフローチャートである。このフローチャートは、図6におけるステップSA2の詳細を例示している。すなわち、図7における4つのステップSB1、SB2、SB3、SB4が、図6のステップSA2を構成している。
また、図8は立上処理における工程Aを説明するための図であり、図9は立上処理における工程Bを説明するための図であり、図10は立上処理における工程Cを説明するための図である。
ステップSB1においては、制御部101が工程Aを実行し、インクジェット記録装置Iにおけるインクおよび溶剤の経路を昇圧する。この工程Aにおいては、溶剤を準備するために、制御部101は、第16バルブV16を開いた状態で、第12バルブV12を閉状態で待機させる。その状態で溶剤ポンプP2が作動することで、溶剤カートリッジ105aに収容された溶剤が、第1溶剤経路31を介して第12バルブV12付近まで供給される(図8の太線を参照)。
また、インクを準備するために、制御部101は、第14バルブV14を閉状態で待機させる。その状態でインクポンプP1が作動することで、第4インク経路24内のインクの圧力が上昇する(図8の太線を参照)。
また、ガター16を準備するために、制御部101は、第10バルブV10および第1バルブV1を開状態で待機させる。その状態でガターポンプP3が作動することで、ガター16によって回収されたインクまたは溶剤を、第5インク経路25および第2分岐部52を介してメインタンク104bまで送り戻すことができるようになる(図8の太線を参照)。
工程Aにおいて、制御部101には、圧力計の検知信号が入力される。制御部101は、そうした検知信号に基づいて、第4インク経路24の圧力が規定値以上になるまで待機する。
ステップSA1から続くステップSA2では、制御部101が工程Bを実行し、ノズル12から溶剤を吐出させる。この工程Bにおいては、制御部101が第12バルブV12を開くことで、ノズル12から溶剤が吸い出されて吐出される。そうして吐出された溶剤は、ガター16によって回収される。この工程Bは、1秒未満の短期間にわたって実行されるため、他の工程に比して、少量の溶剤が吐出されることになる。そのため、工程Bにおいて吐出される溶剤は、第1バルブV1を介して第5インク経路25からメインタンク104bに送り戻される(図9の太線を参照)。
なお、工程Bにおいて多量の溶剤が噴射される場合は、第1バルブV1ではなく第3バルブV3が開放されて、第5インク経路25からコンディショニングタンク105bへ溶剤が送り戻される。
ステップSA2から続くステップSA3では、制御部101が工程Cを実行し、ノズル12からインクを吐出させる。この工程Cにおいては、インクを吐出させるために、制御部101は、第12バルブV12を閉じて第14バルブV14を開く。これにより、ノズル12から軸状のインク(インク軸)が吐出される。そうして吐出されたインクは、ガター16によって回収される。そうして回収されたインクは、第1バルブV1を介して第5インク経路25からメインタンク104bに送り戻される(図10の太線を参照)。
ステップSA3から続くステップSA4では、制御部101が、ノズル12から吐出されるインクへの加振、並びに、帯電電極13および偏向電極15への印加を開始させる。これにより、インクを粒子化させたり、帯電させたり、偏向させたりすることが可能となる。
ステップSA4に示す処理が終了するとリターンされて、図7に示す制御プロセスから図6に示す制御プロセスに戻る。そして、制御部101が、ステップSA2から続くステップSA3を実行する。
ステップSA3において、制御部101は、粒子状のインク(インク粒)をワークWに着弾させることで、そのワークWに対して印字を行う。
ワークWへの印字動作を開始すると、図3に示すように、加振器11によって加振されたインクがノズル12から吐出される。このインクは、コントローラ100のインク供給部104から適宜供給されるようになっている。ノズル12から吐出されたインクは、その吐出直後から粒子化を開始し、粒子化した段階で帯電電極13によって帯電される。帯電電極13によって帯電されたインク粒は、帯電検出センサ14によって帯電状態が検出された上で、偏向電極15を通過する。
そして、偏向電極15によって飛翔方向が偏向されたインク粒は、筐体10内の飛翔区間S1を通過して、印字ヘッド1の外部に吐出される。印字ヘッド1から吐出されたインク粒は、図1に示すように、ワークWの表面上に着弾して文字や図形を形成する。ここで、インク粒の着弾位置は、各インク粒の帯電量と、偏向電極15への印加電圧を介して制御される。
また、前述のように、本実施形態に係るインクジェット記録装置Iは、コンティニュアス方式のインクジェットプリンタとして構成されているため、立上処理後の印字可能状態(インクジェット記録装置Iの稼働状態)にあっては、印字を実行しないときであっても、ノズル12からインクが吐出され続けるようになっている。このときに吐出されるインクは、偏向電極15によって偏向されない(換言すれば、「非偏向」とされる)。非偏向とされたインクは、印字に関与することなく、ガター16により回収されて装置内部を循環し、再利用される。
ここで、印字が滞りなく完了し、インクジェット記録装置Iが正常にシャットダウンされる場合を考える。具体的に、ステップSA3において、インクジェット記録装置Iの電源スイッチがONからOFFに切り替えられようとしたものとする。
この場合、ステップSA4において、制御部101が立下処理を実行する。この立下処理は、本実施形態における「洗浄動作」の例示である。洗浄動作は、制御部101の洗浄動作部101aが実行する。
図11は、インクジェット記録装置Iの立下処理を例示するフローチャートである。このフローチャートは、図6におけるステップSA4の詳細を例示している。すなわち、図11における5つのステップSC1~ステップSC5が図6のステップSA4を構成している。
また、図12は立下処理における工程Dを説明するための図であり、図13は立下処理における工程Eを説明するための図であり、図14は立下処理における工程Fを説明するための図である。
ステップSC1においては、制御部101が、ノズル12から吐出されるインクへの加振、並びに、帯電電極13および偏向電極15への電圧印加を停止する(インクの粒子化、帯電、偏向:ON→OFF)。これにより、インクの粒子化、帯電および偏向が停止され、ノズル12からは軸状のインク軸が吐出されるようになる。
ステップSC1から続くステップSC2では、制御部101が、インク軸の吐出を停止させる(インクの吐出停止)。具体的に、このステップSC2では、インクの吐出を停止するために、制御部101は、第14バルブV14を閉じる。これにより、ノズル12からインクが吐出されないようになる。
ステップSC2から続くステップSC3では、制御部101が、溶剤の間欠吐出を実行する(溶剤の間欠噴出)。具体的に、制御部101は、溶剤を間欠的に吐出させるために、図12に例示する工程Dと、図13に例示する工程Eと、を交互に実行する。溶剤を間欠的に吐出することで、インクジェット記録装置I、特に印字ヘッド1をなすノズル12を洗浄することができる。以下、この動作を「間欠噴出動作」という。
このうち、図12に示す工程Dにおいては、制御部101は、第16バルブV16と、第12バルブ(溶剤噴射バルブともいう。)V12と、第10バルブV10と、第1バルブV1と、を開く。その状態で溶剤ポンプP2およびガターポンプP3を作動させることで、溶剤カートリッジ105aに収容された溶剤が、第1溶剤経路31を介してノズル12から吐出されてガター16により回収される。ガター16により回収された溶剤は、第5インク経路25および第2分岐部52を介してメインタンク104bに送り戻される(図12の太線を参照)。
図11に示す処理を開始した直後は、第5インク経路25に多くのインクが残存していると考えられるため、図12に示す工程Dにおける溶剤は、コンディショニングタンク105bではなく、メインタンク104bへ送り戻されるようになっている。
また、図13に示す工程Eにおいては、制御部101は、第12バルブV12を閉じて、第6バルブV6を開く。そうすると、循環ポンプP4が及ぼす負圧によって、ノズル12に残存した溶剤が、吸引経路27、第1分岐部51、第6インク経路26、第1バルブV1、第8インク経路28を介してメインタンク104bに吸い込まれるようになる(図13の太線を参照)。
なお、図13に示す工程Eにおいては、第12バルブV12を閉じずに、開いたままとしてもよい。その場合、溶剤カートリッジ105aからノズル12へ溶剤が供給されつつも、そうして供給された溶剤がそのまま、吸引経路27から吸い込まれるようになる。こうすることで、第6バルブV6を流れる溶剤の流量を向上させ、より十分に洗浄することができるようになる。
図12に示す工程Dと図13に示す工程Eとは、複数回(例えば数セット)にわたって繰り返される。ここで、ステップSC3において工程Dを実施する時間(例えば1秒未満)は、工程Eを実施する時間(例えば数秒程度)よりも短い。
また、工程Eにおいて第12バルブV12を閉じた後に、工程Dにおいて第12バルブV12を開くことで、溶剤が間欠的に噴射されるようになる。工程Dから工程Eへ移行する際に、数秒程度にわたって第12バルブV12を閉じてもよい。こうすることで、第12バルブV12付近における溶剤の圧力を高めることができ、第12バルブV12を開いたときに、溶剤を勢いよく吐出することができるようになる。
ステップSC3から続くステップSC4において、制御部101が図12に示す工程Dのみを実行し、ノズル12から溶剤を吐出させる。このステップSC4において工程Dを実施する時間は、例えば30秒程度であり、ステップSC3において工程Dを実施する時間よりも長い。このステップSC4を実行することで、主に、ガター16に通じる第5インク経路25を洗浄することができる。以下、この動作を「ガター洗浄動作」という。
ステップSC4から続くステップSC5において、制御部101が図14に示す工程Fを実行し、印字ヘッド1から溶剤を回収する。具体的に、この工程Fにおいて、制御部101は、第10バルブV10および第3バルブV3を開く。その状態でガターポンプP3が作動することで、ノズル12に残存した溶剤が、第5インク経路25および第2分岐部52を介してコンディショニングタンク105bに吸引される(図14の太線を参照)。このステップS65を実行することで、洗浄に用いた溶剤を回収することができる。
ステップSC5が実行される前に、ステップSC4において溶剤を吐出させたため、第5インク経路25には相対的に多くの溶剤が残存していると考えられる。そのため、工程Fにおける溶剤は、メインタンク104bではなく、コンディショニングタンク105bへと送り戻されるようになっている。
ステップSC5に示す処理が終了するとリターンされて、図11に示す制御プロセスから図6に示す制御プロセスに戻る。そして、ステップSA4から続くステップSA5では、インクジェット記録装置Iへの電源供給が遮断され、インクジェット記録装置Iは、その動作を停止する。
(電力供給部120の詳細)
図16は電力供給部120の構成を例示するブロック図である。本実施形態に係る電力供給部120は、商用電源(外部電源)700から供給される電力に基づいて、制御部101に供給するための主電源電圧V1を生成する主電源生成部121と、商用電源700からの電力によって充電されるバッテリ(蓄電デバイス)122bを備え、該バッテリ122bの放電に応じた予備電源電圧を生成する予備電源生成部122と、を有している。バッテリ122bは、満充電時には、少なくとも、インクジェット記録装置Iの立下処理を実行可能な容量を有している。なお、バッテリ122bが装着されていない場合もあり、この場合は、バッテリ122bが装着されていないことを制御部101が検知可能になっている。
電力供給部120はさらに、主電源生成部121、予備電源生成部122および制御部101に接続され、主電源生成部121からの主電源電圧を制御部101に供給するとともに、商用電源700からの電力供給が遮断されたとき、予備電源生成部122からの予備電源電圧を制御部101に供給する電源切替部123と、を有している。
以下、電力供給部120を構成する各部について、順番に説明をする。
(主電源生成部121)
図2に例示するように、主電源生成部121は、外部電源としての商用電源700に接続されており、同電源から電力が供給されるように構成されている。
詳しくは、本実施形態に係る主電源生成部121は、商用電源700から供給される電力に基づいて、例えば24V程度の主電源電圧V1とされた電力を生成する。図16に例示するように、主電源生成部121により生成された電力は、予備電源生成部122(具体的には、降圧部122a)、電源切替部123(具体的には、第1ダイオード123a)および遮断検知部124(具体的には、オペアンプ124a)のそれぞれに供給される。このうち、電源切替部123に供給される電力は、主電源生成部121が正常に動作する場合は、制御部101へと供給される。
仮に、商用電源700と主電源生成部121とを結ぶ配線に異常が生じたり、商用電源700に起因した停電が生じたりした場合、主電源生成部121において電力が正常に生成されない可能性がある。その場合、主電源電圧V1の大きさが低下することになる。
(予備電源生成部122)
図16に例示するように、予備電源生成部122は、主電源生成部121に接続されており、この主電源生成部121から供給された電力を変圧し、それを充電することができる。具体的に、本実施形態に係る予備電源生成部122は、主電源電圧V1を所定の充電用電圧Vtまで低下させる降圧部122aと、充電用電圧Vtまで低下された電力を蓄えるバッテリ122bと、充電用電圧Vtとされた電力を所定の予備電源電圧V2まで高める昇圧部122cと、を有している。
このうち、降圧部122aは、主電源生成部121と、予備電源生成部122におけるバッテリ122bと、間に配置されており、主電源生成部121から供給された電力を変圧し、充電用電圧Vtとする。充電用電圧Vtは、主電源電圧V1よりも低い。降圧部122aにおいて変圧された電力は、バッテリ122bに供給される。なお、上記例では、充電用電圧Vtが主電源電圧V1よりも低い例で説明しているが、これに限らず、変形例として、主電源電圧、昇圧、充電電圧、降圧、予備電源電圧というパターンで構成することもできる。
バッテリ122bは、予備電源生成部122における降圧部122aと昇圧部122cとの間に配置されており、降圧部122aを介して主電源生成部121と接続されている。このバッテリ122bは、充電可能な二次電池によって構成されており、コントローラ100の内部に収容されている。また、本実施形態に係るバッテリ122bは、主電源生成部121から供給されて降圧部122aにおいて変圧された電力を充電(蓄電)することができる。このバッテリ122bは、本実施形態における「蓄電デバイス」の例示であり、バッテリ122bの代わりに、またバッテリ122bに加えてキャパシタ(コンデンサー)等を使用することもできる。
バッテリ122bは、満充電時には、少なくとも、インクジェット記録装置Iの立下処理と、インクジェット記録装置Iによる印字動作を所定期間にわたって継続させることと、を双方とも又はいずれか実行可能である。すなわち、本実施形態に係るバッテリ122bは、溶剤の間欠噴出に要する最低限の電力に加えて、余分な電力を蓄えられるように構成されており、その余分な電力を利用して印字動作を継続させることができるようになっている。ただし、搭載可能なバッテリ122bの大きさに制限がある場合があり、この場合には、上述した電力よりも少ない電力しか蓄えることができない。また、バッテリ122bが満充電でない場合にも、上述した電力よりも少ない電力となる。
なお、本実施形態におけるバッテリ122bは、その満充電時には、インクジェット記録装置Iの立下処理および印字動作以外の動作として、少なくとも、インクの粒子化および循環も実行可能である。
また、昇圧部122cは、バッテリ122bと電源切替部123(具体的には、第2ダイオード123b)との間、および、バッテリ122bと遮断検知部124(具体的には、スイッチング素子111a)との間に配置されている。昇圧部122cは、バッテリ122bから放電された電力を変圧し、予備電源電圧V2とする。予備電源電圧V2は、主電源電圧V1よりも低く、かつ充電用電圧Vtよりも高い(すなわち、Vt<V2<V1)。なお、上述した変形例のように、V2<V1<Vtの関係でもよい。
昇圧部122cにおいて変圧された電力は、第2ダイオード123bおよびスイッチング素子111aのそれぞれに供給される。このうち、電源切替部123に供給される電力は、主電源生成部121に異常が生じた場合は、制御部101へと供給される。
また、予備電源生成部122は、制御部101との間で種々の信号を送受することができる。例えば、予備電源生成部122は、バッテリ122bが装着されているか否かを示す信号、および、バッテリ122bにおける充電量を示す信号を制御部101に送ることができる。一方、制御部101は、予備電源生成部122の機能(例えば、バッテリ122bからの放電機能)を有効にするためのイネーブル信号を予備電源生成部122に送ることができる。
なお、バッテリ122bにおける充電量は、例えば、バッテリ122bの電圧に基づいて判断してもよいし、バッテリ122bへの充電を開始してから充電を完了するまでの経過時間としてもよい。
電源切替部123は、主電源生成部121、予備電源生成部122および制御部101に接続されており、主電源電圧V1および予備電源電圧V2の少なくとも一方を制御部101へ供給するように構成されている。
具体的に、本実施形態に係る電源切替部123は、主電源生成部121から電力が供給される第1ダイオード123aと、予備電源生成部122から電力が供給される第2ダイオード123bと、を有している。
このうち、第1ダイオード123aは、プラス側の端子(アノード)が主電源生成部121と接続されていて、マイナス側の端子(カソード)が制御部101と接続されている。
一方、第2ダイオード123bは、アノードが昇圧部122cと接続されていて、カソードは、第1ダイオード123aのカソードと制御部101とを結ぶ配線の途中に接続されている。
本実施形態に係る電源切替部123は、商用電源700から主電源生成部121への電力供給が遮断されていて該主電源生成部121に異常が生じた場合は、予備電源電圧V2を制御部101へ供給する一方、その他の場合は、主電源電圧V1を制御部101へ供給することができる。
具体的には、電源切替部123は、例えば主電源電圧V1および予備電源電圧V2が双方とも正常に供給されている場合には、主電源電圧V1を制御部101に供給することができる。このことは、第1ダイオード123aおよび第2ダイオード123bを組み合わせて電源切替部123を構成したことと、少なくとも正常時には、主電源電圧V1が予備電源電圧V2よりも大きいことに起因している。
また、電源切替部123は、例えば主電源生成部121に異常が生じた結果、主電源電圧V1が予備電源電圧V2よりも低下した場合には、予備電源電圧V2を制御部101に供給することができる。また、ダイオードを用いて電源切替部123を構成したことで、主電源生成部121から昇圧部122cへの電流の逆流を防ぐこともできる。
このように、本実施形態に係る電源切替部123は、センサを別途設けたり、制御部101との間で通信をせずとも、主電源電圧V1から予備電源電圧V2への切替を自動的に行うことができる。
第1ダイオード123aおよび第2ダイオード123bは、主電源生成部121における異常を結果的に検知することになる。また、第1ダイオード123aおよび第2ダイオード123bは、制御部101への予備電源電圧V2の供給を自動的に開始することができる。
遮断検知部124は、スイッチング素子としての第1ダイオード123aおよび第2ダイオード123bによって予備電源電圧V2の供給が開始されたことを検出することができるように構成されている。
具体的に、本実施形態に係る遮断検知部124は、オペアンプ124aによって構成されている。図16に例示するように、オペアンプ124aにおける2つの入力ピンのうちプラス側の入力ピンには、主電源生成部121から主電源電圧V1が供給されるようになっている。一方、オペアンプ124aにおけるマイナス側の入力ピンには、予備電源生成部122における昇圧部122cから予備電源電圧V2が供給されるようになっている。またオペアンプ124aの出力ピンは、制御部101に接続されている。
よって、例えば主電源電圧V1および予備電源電圧V2が双方とも正常に供給されている場合には、主電源電圧V1が予備電源電圧V2よりも大きくなるため、オペアンプ124aの出力ピンは、プラスの信号を出力することになる。
一方、例えば主電源生成部121に異常が生じた結果、主電源電圧V1が予備電源電圧V2よりも低下した場合には、オペアンプ124aの出力ピンは、マイナスの信号を出力することになる。
オペアンプ124aは、出力ピンから出力される信号(検知信号)を制御部101に出力する。制御部101は、オペアンプ124aから出力された検知信号の符号に基づいて、遮断検知部124における検知結果を判断することができる。
このように、本実施形態に係る遮断検知部124は、電源切替部123との間で信号を送受せずとも、電源の供給源が主電源生成部121から予備電源生成部122へ切り替わったことを、結果的に検知することができる。
本実施形態に係る制御部101は、電源切替部123から供給される主電源電圧V1または予備電源電圧V2、遮断検知部124から出力される検知信号、および、予備電源生成部122との間で送受される信号に基づいて、種々の処理を実行することができる。
(洗浄動作部101a)
図2に示すように、コントローラ100には洗浄動作部101aが設けられている。洗浄動作部101aは、インクジェット記録装置Iの電源がオフされる際に、主電源電圧を用いた正常な洗浄動作(第1の洗浄動作)を行うとともに、予備電源電圧を用いた主電源遮断時の洗浄動作(第2の洗浄動作)を行うように構成されている。主電源電圧を用いた正常な洗浄動作は、上述した通常の立下処理によって行うことができる。
一方、予備電源電圧を用いて洗浄動作を行うこともできるが、バッテリ122bの容量に制限がある場合や、バッテリ122bが満充電となっていない場合、バッテリ122bに何らかの不具合が発生した場合には、主電源電圧を用いた正常な洗浄動作のような完全な洗浄動作を行うことができないことがある。この場合、洗浄動作部101aは、予備電源電圧を用いて主電源遮断時の洗浄動作を行う。
具体的には、洗浄動作部101aは、上記遮断検知部124から出力される検知信号により、主電源電圧が供給されている状態であるか、予備電源電圧が供給されている状態であるかを判定することができる。主電源電圧が供給されている状態であると判定される場合には、洗浄動作部101aが上述した通常の立下処理を行う一方、予備電源電圧が供給されている状態であると判定される場合には、洗浄動作部101aが通常の立下処理よりも簡易的な洗浄動作を行う。簡易的な洗浄動作とは、通常の立下処理で行われる洗浄動作に比べて時間が短い洗浄動作、または洗浄箇所が少ない洗浄動作であり、いずれにしても消費電力を抑制した洗浄動作となる。
(洗浄情報記録部101b)
図2に示すように、コントローラ100には、洗浄情報記録部101bが設けられている。洗浄情報記録部101bは、インクジェット記録装置Iの電源がオフされる際に洗浄動作部101aにより行われた洗浄動作を記録する部分である。具体的には、洗浄動作部101bにより正常な洗浄動作または主電源遮断時の洗浄動作のいずれが行われたかに関する洗浄情報を記録するように構成されている。例えば、洗浄動作部101aが正常な洗浄動作を行った場合には、正常な洗浄動作を行ったことを示す信号を洗浄動作部101aから洗浄情報記録部101bが受け取り、これに基づいて、洗浄情報記録部101bは、インクジェット記録装置Iの電源がオフされる際に正常な洗浄動作が行われたことを記録する。また、洗浄動作部101aが主電源遮断時の洗浄動作を行った場合には、主電源遮断時の洗浄動作を行ったことを示す信号を洗浄動作部101aから洗浄情報記録部101bが受け取り、これに基づいて、洗浄情報記録部101bは、インクジェット記録装置Iの電源がオフされる際に主電源遮断時の洗浄動作が行われたことを記録する。なお、洗浄情報記録部101bは、バッテリ122bの有無に基づいて洗浄動作を記録するようにしてもよい。
洗浄情報記録部101bには、印字ヘッド1のノズル12から吐出されたインク粒をガター16に回収させるインク循環動作中に主電源生成部121からの主電源電圧及び予備電源生成部122からの予備電源が遮断されたか否かを記録するように構成することもできる。インク循環動作中であるか否かは制御部101によって判定することができ、このインク循環動作中に、上記遮断検知部124からの信号により、主電源電圧が遮断されたか否かを判定することができ、また、予備電源生成部122からの予備電源が遮断されたことも制御部101に供給される電圧を検知することによって判定できる。インク循環動作中に主電源生成部121からの主電源電圧及び予備電源生成部122からの予備電源が遮断された場合は、「異常時」として洗浄情報記録部101bに記憶させておく。異常時とは、例えば、バッテリ122bが装着されていない状態で主電源生成部121からの主電源電圧が遮断された状態である。この場合、洗浄動作やインクの回収動作を行うことができない。
(洗浄パターン記憶部101c)
図2に示すように、コントローラ100には、洗浄パターン記憶部101cが設けられている。洗浄パターン記憶部101cには、インクジェット記録装置Iを立ち上げる際に行われる洗浄動作を規定する複数の洗浄パターンが記憶されている。洗浄パターンとしては、溶剤のみで洗浄動作を行うパターン、インクのみで洗浄を行うパターン、溶剤及びインクで洗浄を行うパターンがあり、また、洗浄を行う経路(洗浄経路)が異なる複数のパターンもある。
図17に例1として示すように、洗浄パターン記憶部101cには、インクジェット記録装置Iの電源がオフされる際に正常な洗浄動作が行われた場合に対応付けられた第1洗浄パターンと、インクジェット記録装置Iの電源がオフされる際に主電源遮断時の洗浄動作が行われた場合に対応付けられた第2洗浄パターンとが少なくとも記憶されている。これらに加えて、インク循環動作中に主電源電圧及び予備電源電圧が遮断された異常時に対応付けられた第3洗浄パターンも洗浄パターン記憶部101cに記憶されている。洗浄パターンの数は3つに限られるものではなく、4つ以上であってもよい。
第1洗浄パターンは、印字ヘッド1の外部自動洗浄を3分間行う洗浄パターンであり、ノズル12の外部のみ洗浄する。この外部自動洗浄は、洗浄ノズル19から溶剤を吐出させることによって行われる。第2洗浄パターンは、ノズル12から溶剤を軸状に5分間吐出させた後、印字ヘッド1の外部自動洗浄を3分間行う洗浄パターンであり、ノズル12の外部及び内部の両方を洗浄する。第3の洗浄パターンは、ノズル12から溶剤を軸状に5分間吐出させた後、印字ヘッド1の外部自動洗浄を10分間行う洗浄パターンであり、ノズル12の外部及び内部の両方を洗浄する。第1~第3洗浄パターンに示す各時間は一例であり、上述した時間に限られるものではないが、第1洗浄パターンによる洗浄動作の時間が最も短く、第3洗浄パターンによる洗浄動作の時間が最も長くなるように各洗浄パターンが設定されている。
洗浄パターンは上述した例に限られるものではなく、図17の例2に示すように、第1洗浄パターンでノズル12の内部洗浄を1分間行うようにし、第2洗浄パターンでノズル12の内部洗浄を1分間と、溶剤を軸状に1分間吐出させるようにし、第3洗浄パターンでノズル12の内部洗浄を1分間と、溶剤を軸状に1分間吐出させ、さらに印字ヘッド1の外部自動洗浄を3分間行うようにしてもよい。
また、洗浄パターンは溶剤を用いて洗浄するパターンに限られるものではなく、インクを用いて洗浄するパターンであってもよい。図18に示す例3では、インク供給部104から供給されるインクをノズル12に供給してガター16に回収させる複数の洗浄パターンが記憶されている。具体的には、第1洗浄パターンとしてインク循環動作A、第2洗浄パターンとしてインク循環動作B、第3洗浄パターンとしてインク循環動作Cが記憶されている。インク循環動作Aは、循環動作の開始時に溶剤を軸状に1秒間吐出させる洗浄動作を実施する動作である。第1~第3洗浄パターンに示す各時間及び回数は一例であり、上述した時間及び回数に限られるものではない。
<インクによる汚れの付着>
図19は、インクによる汚れの付着状態を示しており、図15に相当する図である。符号500で示す球状のものが、洗浄動作が不十分な場合等に発生するインク堆積物である。このインク堆積物500の形成メカニズムについて図20A~Cに基づいて説明する。図20Aは、第10バルブV10からガター16までの経路断面を示している。この図に示すように、例えば急な電源遮断によってガター16内にインクINKが残った状態で、第10バルブV10が仮想線で示す開状態から実線で示す閉状態になると、図20Bに示すように、時間の経過に伴ってインクINKが膜状になる。膜状のインクINKの間に矢印501で示すような方向に蒸気圧が作用する。図20Bの一番左に存在するインクINKは開口16aを介して外気に接しているので、力学的なつり合いが取れず、相対的に圧力の低い開口16a側へ移動していく。その結果、図20Bにおいて一番左に存在していたインクINKが開口16aまで移動して溢れ、図20Cに示すようにガター16内の蒸気圧によって膨張して中空球状のインク堆積物500としてガター16に付着する。なお、インク堆積物500の形状は一例であり、このような形状以外のインク堆積物が形成される場合もある。
また、偏向電極15における互いに向き合った面にもインクが付着して固化し、インク堆積物が形成されることがある。
<洗浄動作部101aの制御の詳細>
図21は、洗浄動作部101aによる制御の詳細を示すフローチャートである。このフローチャートは、インクジェット記録装置Iの電源がオフされた時に開始される。インクジェット記録装置Iが商用電源700から電源供給を受けながら、即ち、主電源電圧が供給されている状態で、インクジェット記録装置Iの電源が正常にオフされた場合には、通常の立下処理が行われるので、正常な洗浄動作を経て稼働停止状態になる。インクジェット記録装置Iの電源がオフされる際に正常な洗浄動作が行われたことは、ステップSD1において洗浄情報記録部101bに記憶される。
一方、遮断検知部124から出力される検知信号により、予備電源電圧が供給されている状態であると判定される場合には、洗浄動作部101aが通常の立下処理よりも簡易的な洗浄動作である主電源遮断時の洗浄動作を行うので、ステップSD1において洗浄情報記録部101bに主電源遮断時の洗浄動作が行われたことが記憶される。また、インク循環動作中に主電源電圧及び予備電源電圧が遮断された場合は、「異常時」として洗浄情報記録部101bに記憶させておく。
ステップSD2では、稼働停止状態にあるインクジェット記録装置Iの電源がオンにされてインクジェット記録装置Iを立ち上げる。続くステップSD3では洗浄動作を開始するが、直ちに開始するのではなく、まず、ステップSD4で直前の電源オフ時に行われた洗浄動作を洗浄情報記録部101bから読み出す。ステップSD5では、ステップSD4で読み出した洗浄動作が正常な洗浄動作であったか否かを判定する。ステップSD4でYESと判定されて直前の電源オフ時に行われた洗浄動作が正常な洗浄動作であった場合には、ステップSD6に進み、洗浄パターン記憶部101cに記憶された異なる洗浄パターン(図17に示す)の中から正常な洗浄動作に対応付けられた第1洗浄パターンを選択し、第1洗浄パターンの洗浄動作を実行し、洗浄動作を完了する。
ステップSD5でNOと判定されて直前の電源オフ時に行われた洗浄動作が正常な洗浄動作でなかった場合には、ステップSD7に進む。ステップSD7では、ステップSD4で読み出した洗浄動作が主電源遮断時の洗浄動作であったか否かを判定する。ステップSD7でYESと判定されて直前の電源オフ時に行われた洗浄動作が主電源遮断時の洗浄動作であった場合には、ステップSD8に進み、洗浄パターン記憶部101cに記憶された異なる洗浄パターンの中から主電源遮断時の洗浄動作に対応付けられた第2洗浄パターンを選択し、第2洗浄パターンの洗浄動作を実行し、洗浄動作を完了する。
ステップSD7でNOと判定された場合には、正常な洗浄動作及び主電源遮断時の洗浄動作のいずれでもなかったということであるので、異常時であったと判定できる。この場合にはステップSD9に進み、洗浄パターン記憶部101cに記憶された異なる洗浄パターンの中から異常時に対応付けられた第3洗浄パターンを選択し、第3洗浄パターンの洗浄動作を実行し、洗浄動作を完了する。
つまり、洗浄動作部101aは、インクジェット記録装置Iを立ち上げる際に、洗浄情報記録部101bに記録された内容に基づいて、洗浄パターン記憶部101cに記憶された異なる洗浄パターンのうちの一つを選択して、インクジェット記録装置Iの洗浄動作を変更するように構成されている。
<変形例>
図22に示すフローチャートは、洗浄動作部101aによる制御の詳細の変形例を示すものである。この変形例では、図18に示すインク循環動作A~Cのうちの一つを選択して実行する。
図22に示すフローチャートのステップSE1、SE2、SE4~SE7までは、図21に示すフローチャートのステップSD1、SD2、SD4~SD7と同じである。ステップSE3は、インク循環動作を開始である。
ステップSE5において直前の電源オフ時に行われた洗浄動作が正常な洗浄動作であったと判定される場合には、ステップSE6に進み、図18に示すインク循環動作Aを選択し、実行する。ステップSE7においてYESと判定され、直前の電源オフ時に行われた洗浄動作が主電源遮断時の洗浄動作であった場合には、ステップSE8に進み、図18に示すインク循環動作Bを選択し、実行する。ステップSE7でNOと判定され、直前の電源オフの際に異常時であった場合には、ステップSE9に進み、図18に示すインク循環動作Cを選択し、実行する。
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態によれば、インクジェット記録装置Iの電源がオフされる際に、主電源電圧を用いた洗浄動作と、予備電源電圧を用いた洗浄動作とのいずれが行われたかを記録しておき、次回インクジェット記録装置Iを立ち上げる際に、電源がオフされる際に行われた洗浄動作に応じてインクジェット記録装置Iの洗浄動作を変更することができるので、装置立上処理の際に適切な洗浄処理を行うことができ、印字品質の低下や動作不良を防ぐことができる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明は、例えば各種ワークに印字を行う場合に利用することができる。
1 印字ヘッド
12 ノズル
13 帯電電極
15 偏向電極
16 ガター
100 コントローラ
101 制御部
101a 洗浄動作部
101b 洗浄情報記録部
101c 洗浄パターン記憶部
104 インク供給部
105 溶剤供給部
I インクジェット記録装置

Claims (7)

  1. インク粒を吐出するノズル、該ノズルから吐出されたインク粒を帯電させる帯電電極、該帯電電極により帯電されたインク粒の飛翔方向を偏向させる偏向電極、及び非偏向のインク粒を回収して循環させるためのガターを内部に収容し、かつ前記偏向電極により偏向されたインク粒を外部に吐出する印字ヘッドと、
    前記印字ヘッドに対してインクを供給するインク供給部、前記印字ヘッドに対して溶剤を供給する溶剤供給部、および、前記インク供給部から前記印字ヘッドへのインク供給を制御するとともに、前記溶剤供給部から前記印字ヘッドへの溶剤供給を制御する制御部を有するコントローラとを備え、
    前記インク供給部から供給されるインクを用いてワークへの印字を行うインクジェット記録装置であって、
    外部電源からの電力に基づいて、前記制御部に供給するための主電源電圧を生成する主電源生成部と、
    外部電源からの電力によって充電される蓄電デバイスを備え、該蓄電デバイスの放電に応じた予備電源電圧を生成する予備電源生成部と、
    前記主電源生成部、前記予備電源生成部及び前記制御部に接続され、前記主電源生成部からの主電源電圧を前記制御部に供給するとともに、外部電源からの電力供給が遮断されたとき、前記予備電源生成部からの予備電源電圧を前記制御部に供給する電源切替部と、
    前記インクジェット記録装置の電源がオフされる際に、前記主電源電圧を使用して前記溶剤供給部から供給される溶剤を用いた第1の洗浄動作を行う、または、前記予備電源電圧を使用して前記溶剤供給部から供給される溶剤を用いた第2の洗浄動作であって、かつ、該第1の洗浄動作より少なくとも洗浄時間が短い又は洗浄箇所が少ない第2の洗浄動作を行う洗浄動作部と、
    前記洗浄動作部により前記第1の洗浄動作または前記第2の洗浄動作のいずれが行われたかに関する洗浄情報を記録する洗浄情報記録部と、
    前記インクジェット記録装置の洗浄動作を規定する洗浄パターンであって、前記第1の洗浄動作または前記第2の洗浄動作のいずれかに対応付けられた異なる洗浄パターンを記憶する洗浄パターン記憶部と、を備え、
    前記洗浄動作部は、前記インクジェット記録装置を立ち上げる際に、前記洗浄情報記録部に記録された内容に基づいて、前記洗浄パターン記憶部に記憶された前記異なる洗浄パターンのうちの一つにより規定される前記インクジェット記録装置の洗浄動作を行うように構成されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 請求項に記載のインクジェット記録装置において、
    前記異なる洗浄パターンは、洗浄動作を行う時間、及び洗浄箇所の少なくとも一方が異なっていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 請求項2に記載のインクジェット記録装置において、
    前記洗浄動作部は、前記インクジェット記録装置を立ち上げる際に、前記洗浄情報記録部に前記第2の洗浄動作が行われたことが記録されている場合には、前記第1の洗浄動作が行われたことが記録されている場合よりも洗浄動作を行う時間が長い洗浄パターンを選択するように構成されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 請求項2または3に記載のインクジェット記録装置において、
    前記洗浄動作部は、前記インクジェット記録装置を立ち上げる際に、前記洗浄情報記録部に前記第2の洗浄動作が行われたことが記録されている場合には、前記第1の洗浄動作が行われたことが記録されている場合よりも洗浄箇所が多い洗浄パターンを選択するように構成されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載のインクジェット記録装置において、
    前記洗浄情報記録部は、前記ノズルから吐出されたインク粒を前記ガターに回収させるインク循環動作中に前記主電源生成部からの主電源電圧が遮断されたか否かを記録するように構成され、
    前記洗浄パターン記憶部には、前記インク循環動作中に主電源電圧が遮断された場合の洗浄パターンとして、前記ノズルの外部及び内部の両方を洗浄する洗浄パターンが記憶されており、
    前記洗浄動作部は、前記インクジェット記録装置を立ち上げる際に、前記洗浄情報記録部に、インク循環動作中に主電源電圧が遮断されたことが記録されている場合には、前記ノズルの外部及び内部の両方を洗浄する洗浄パターンを選択するように構成されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載のインクジェット記録装置において、
    前記洗浄パターン記憶部には、前記第1の洗浄動作に対応付けられた洗浄パターンとして、前記ノズルの外部を洗浄する洗浄パターンが記憶されており、
    前記洗浄動作部は、前記インクジェット記録装置を立ち上げる際に、前記洗浄情報記録部に前記第1の洗浄動作が記録されている場合には、前記ノズルの外部を洗浄する洗浄パターンを選択するように構成されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1つに記載のインクジェット記録装置において、
    前記洗浄パターン記憶部には、前記インク供給部から供給されるインクを前記ノズルに供給して前記ガターに回収させる洗浄パターンが記憶されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
JP2019224123A 2019-12-12 2019-12-12 インクジェット記録装置 Active JP7388903B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019224123A JP7388903B2 (ja) 2019-12-12 2019-12-12 インクジェット記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019224123A JP7388903B2 (ja) 2019-12-12 2019-12-12 インクジェット記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021091178A JP2021091178A (ja) 2021-06-17
JP7388903B2 true JP7388903B2 (ja) 2023-11-29

Family

ID=76311471

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019224123A Active JP7388903B2 (ja) 2019-12-12 2019-12-12 インクジェット記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7388903B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002067448A (ja) 2000-08-31 2002-03-05 Keyence Corp インクジェット記録装置およびその立ち下げ方法
JP2003251797A (ja) 2002-03-04 2003-09-09 Hitachi Ltd インクジェット記録装置
JP2005169673A (ja) 2003-12-08 2005-06-30 Canon Inc インクジェット記録装置及びその制御方法、プログラム
JP2006341555A (ja) 2005-06-10 2006-12-21 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd インクジェット記録装置
JP2009179021A (ja) 2008-02-01 2009-08-13 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd インクジェット記録装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002067448A (ja) 2000-08-31 2002-03-05 Keyence Corp インクジェット記録装置およびその立ち下げ方法
JP2003251797A (ja) 2002-03-04 2003-09-09 Hitachi Ltd インクジェット記録装置
JP2005169673A (ja) 2003-12-08 2005-06-30 Canon Inc インクジェット記録装置及びその制御方法、プログラム
JP2006341555A (ja) 2005-06-10 2006-12-21 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd インクジェット記録装置
JP2009179021A (ja) 2008-02-01 2009-08-13 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd インクジェット記録装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021091178A (ja) 2021-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5743440B2 (ja) 液滴循環制御装置、液滴吐出装置及び液滴循環制御プログラム
US7828425B2 (en) Ink circulation system, inkjet recording apparatus, and ink circulation method thereof
JP5274172B2 (ja) インクジェット記録装置
JPWO2017208776A1 (ja) インクジェット記録装置
JP2007326271A (ja) インクジェット記録装置
JP2006232508A (ja) 画像形成装置
JP2009274386A (ja) 液滴吐出装置
JP7472382B2 (ja) インクジェット記録システム
JP4062709B2 (ja) インクジェット記録装置、インクジェット記録装置の制御回路およびインクジェット記録装置の制御方法
JP4797610B2 (ja) フィルタユニット及び液滴吐出装置
JP7328839B2 (ja) インクジェット記録装置
JP7388903B2 (ja) インクジェット記録装置
JP7365219B2 (ja) インクジェット記録システム
JP2010167732A (ja) 液滴吐出装置
JP2014156009A (ja) 吐出ヘッドクリーニング方法及び吐出ヘッドクリーニング装置及び液滴吐出装置
JP2009143087A (ja) 液滴吐出装置
JP7319874B2 (ja) インクジェット記録装置
JP7356780B2 (ja) インクジェット記録システム
JP2021091176A (ja) インクジェット記録装置
JP7370238B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2023019037A (ja) インクジェット記録装置、インクジェット記録装置用インク、インクジェット記録装置補充液及びインクと補充液の組み合わせ
JP2021091181A (ja) インクジェット記録システム
JP7312097B2 (ja) インクジェット記録装置
JP7344686B2 (ja) インクジェット記録装置
JP7321072B2 (ja) インクジェット記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220912

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230613

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231003

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231010

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231031

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231116

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7388903

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150